特表2015-519872(P2015-519872A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-519872粘性の生地を搬送および計量するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-519872(P2015-519872A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】粘性の生地を搬送および計量するための装置
(51)【国際特許分類】
   A23P 1/08 20060101AFI20150619BHJP
   F04C 2/10 20060101ALI20150619BHJP
   F04C 15/00 20060101ALI20150619BHJP
   F04B 13/00 20060101ALI20150619BHJP
【FI】
   A23P1/08
   F04C2/10 341H
   F04C15/00 J
   F04C2/10 341E
   F04C15/00 E
   F04B13/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-502149(P2015-502149)
(86)(22)【出願日】2013年1月31日
(85)【翻訳文提出日】2014年9月26日
(86)【国際出願番号】EP2013051894
(87)【国際公開番号】WO2013143722
(87)【国際公開日】20131003
(31)【優先権主張番号】A381/2012
(32)【優先日】2012年3月29日
(33)【優先権主張国】AT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】512193344
【氏名又は名称】ハース・フード・イクイップメント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ハース・ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ハース・ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】イーラシェク・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】イーラシェク・フリストフ
【テーマコード(参考)】
3H041
3H044
3H075
4B048
【Fターム(参考)】
3H041AA04
3H041BB04
3H041CC15
3H041CC16
3H041DD01
3H041DD10
3H041DD12
3H041DD13
3H041DD17
3H041DD18
3H044AA04
3H044BB03
3H044CC14
3H044CC15
3H044DD01
3H044DD12
3H044DD13
3H044DD15
3H044DD16
3H044DD19
3H075AA17
3H075BB01
3H075CC23
3H075CC37
3H075DA01
3H075DA02
3H075DA11
3H075DA14
3H075DB01
3H075DB32
4B048PE08
4B048PL03
4B048PM06
4B048PN03
4B048PN24
(57)【要約】
吐出領域(16)にある、場合によっては移動する担持体(15)上にポンプ圧送可能な生地(1)の計量された吐出を行うための装置であって、
吐出筐体(6)内に設けられ、および第一の筐体(4)に対する位置決めによって閉鎖可能である吐出開口部(5)を通して生地(1)を搬送するためのポンプ装置(2)を有する装置であり、
その際、吐出筐体(6)が、内部空間(7)を含み、および内部空間(7)内にポンプ装置(2)が設けられている装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ圧送可能な生地(1)を、吐出領域(16)にあり、場合によっては移動する担持体(15)上に計量されて吐出する為の装置であって、吐出筐体(6)内に設けられ、および第一の筐体(4)に対する位置決めによって閉鎖可能である吐出開口部(5)を通して生地(1)を搬送する為のポンプ装置(2)を有する装置において、
吐出筐体(6)が内部空間(7)を有すること、および内部空間(7)内にポンプ装置(2)が設けられることを特徴とする装置。
【請求項2】
吐出筐体(6)内に、少なくとも一つの吐出開口部(5)が設けられること、および吐出領域(16)にある担持体(15)に生地を吐出するために、第一の開口部(3)および吐出開口部(5)が互いに重ね合わされて、または互いに重なり合って配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
吐出筐体(6)が、基本的に中空シリンダー形状のベース形状を有し、このベース形状が内部空間(7)を少なくとも部分的に取り囲んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
吐出筐体(6)が、第一の筐体(4)およびポンプ装置(2)の周りを回転するよう配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
回転軸が、基本的に吐出筐体(6)及び/又は内部空間(7)の対称軸に一致することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
吐出筐体(6)が、周囲円環にそって複数の吐出開口部(5)を設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
吐出筐体(6)が、その外側に接線方向速度を有し、この接線方向速度が、基本的に担持体(15)の移動速度に一致することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
第一の筐体(4)が、基本的に、中空シリンダー形状の吐出筐体(6)の内部空間(7)の内側に合うよう形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
吐出開口部(5)が、吐出領域(16)の外側で第一の筐体(4)により閉じられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
吐出領域(16)ごとに、一つのグループの吐出開口部(5)が配置され、その際、一つのグループの各吐出開口部(5)が、吐出筐体(6)の移動によって吐出領域(16)へと逐次移動可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
一つのグループの吐出開口部(5)が、夫々、吐出筐体(6)の周囲円環に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
複数の吐出領域(16)が設けられること、周囲円環が基本的に互いに平行に推移すること、および周囲円環が少なくとも部分的に各一つの吐出領域(16)を通り抜けることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
吐出領域(16)ごと、吐出開口部(5)のグループごと、及び/又は周囲円環ごとに、一つのポンプ装置(2)が設けられることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
吐出筐体(6)が複数のグループの吐出開口部(5)と、一つのシリンダー形状の内部空間(7)を有すること、
一つのグループの吐出開口部(5)が、吐出筐体(6)の周囲円環(26)に沿って配置されること、
内部空間(7)内に吐出開口部(5)のグループごとに、一つのポンプ装置(2)が設けられ、このポンプ装置が、生地(1)を生地供給部(10)から第一の開口部(3)へと搬送すること、
吐出筐体(6)が、ポンプ装置(2)の周り、および第一の筐体(4)の周りを回転可能に配置されていること、
第一の開口部(3)および吐出開口部(5)が互いに少なくとも重なり合うとき、吐出領域(16)への生地(1)の搬送が行われること、
及び/又は、吐出開口部が、第一の筐体により閉じられるとき、当該吐出開口部(5)を通じての搬送が停止されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
ポンプ装置(2)が、駆動される搬送手段(17)を含むこと、および搬送手段が、場合によっては軸(18)を介してポンプ駆動部(12)によって駆動されることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも二つのポンプ装置(2)、好ましくは全てのポンプ装置(2)が、同一のポンプ駆動部(12)及び/又は同一の軸(18)によって駆動されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
吐出筐体の回転の為に、吐出筐体駆動部が設けられることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
ポンプ装置の駆動および吐出筐体の駆動が別々に行われる、または別々に制御可能に行われることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
各二つの吐出開口部(5)に対し、及び/又は二つの吐出領域(16)に対して、各一つのポンプ装置が設けられることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に食料品、および食用の製品の為の、例えばクリーム、チョコレートクリーム、生地等といった、粘性があり、強粘度で、泡立てられた、及び/又はペースト状の生地のような、ポンプ圧送可能な生地の計量および搬送の為の装置、並びに、吐出領域にある、場合によっては移動する担持体にポンプ圧送可能な生地の計量された吐出を行うための装置であって、吐出筐体中に設けられ、および第一の筐体に対する位置決めによって閉鎖可能である吐出開口部を通して生地を搬送するためのポンプ装置を有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同様な装置は、特に食料品の領域において長年公知であり、様々な実施形で公開されている。
【0003】
当該方式の装置は、例えば、チョコレートクリーム等のような粘性の生地を、クッキーのような食用の担持体上に載せるため、および場合によって第二の担持体によってカバーするために使用される。これらのような、専門家内では「サンドイッチクッキー」として称され、公知である食用の製品は、長い間、大量に製造されてきた。これら多くの数量を効率よく製造することができるためには、粘性の生地を担持体上に迅速かつ正確に置くことが必要である。
【0004】
このため例えば、ポンプが生地を供給部を介してシリンダー形状の筐体に供給する装置が公知である。この中には、チャネルが存在しており、これらチャネルを通じて生地が外に向かって担持体上へと導かれる。シリンダー形状の筐体の外側の領域には、中空シリンダーが設けられている。この中空シリンダーは、シリンダー形状の筐体を基本的に取り囲み、そしてこの周りを回転可能に配置されている。中空シリンダーは、さらに開口部を有している。この開口部を通してクリームが流出可能である。開口部は、例えば周囲に一様に分配されているが、しかし中空シリンダー形状の筐体により規則的な間隔で中断されている。ポンプ装置によって生地がシリンダー形状の筐体内へと導かれると、この生地は、中空シリンダーの供給チャネルと開口部が重ね合わされている、または少なくとも部分的に互いに重なり合っているときのみシリンダーから流出することが可能である。担持体、例えばクッキーは、搬送装置上で装置の下方を通りすぎる。クッキーの速度は、その際基本的に、回転するシリンダー形状の筐体の外側速度に一致する。
【0005】
生地を載せる速度と搬送性能は、その際特に、載せるべき生地の可塑性と粘性によって定められる。処理すべきクッキーの時間単位ごとの数量およびスループットを向上させるために、シリンダー形状の筐体内に複数の開口部が相並んで設けられている。その際、中央の供給部は、載せるべき生地を個々のクリーム吐出開口部に供給する。この先行技術に相当する構造の短所は、分配システムおよび中央の供給部から分岐するクリーム配管に基づいて、載置および生地の分配が不均等となるということである。これら不均等性は、多くの不良品を生む結果となり、このことはその結果、製造工程の効率に悪影響を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、例えばクリーム、チョコレートクリーム、生地等といった、粘性のある、強粘性の、泡立てられた、及び/又はペースト状の生地の計量のためおよび搬送の為の装置であって、可能な限り高い生地スループットを、精密かつ正確な計量のもと担持体上へと搬送する装置であり、簡単かつコスト面で安価に構築され、メンテナンスが容易であり、洗浄性が容易であり、柔軟に適用でき、及び/又は、特に粘性の生地を載せるための開口部の選択が柔軟である装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明に係る課題は、吐出筐体が一つの内部空間を含んでおり、及び/又は有していること、および内部空間内にポンプ装置が設けられていることによって解決される。
【0008】
発明に係る別の特徴は、吐出筐体内に、少なくとも一つの吐出開口部が設けられていること、および生地を吐出領域にある担持体上へと吐出するために、第一の開口部および吐出開口部が重ね合わされた、または互いに重なり合って配置されていること、吐出筐体が一つの基本的に中空シリンダー形状のベース形状を有し、このベース形状が、内部空間を少なくとも部分的に取り囲んでいること、吐出筐体が第一の筐体の周りおよびポンプ装置の周りを回転するよう配置されていること、及び/又は、回転軸が、吐出筐体及び/又は内部空間の対称軸に基本的に一致することである。
【0009】
さらに本発明に係る装置は、吐出筐体内に周囲円環に沿って複数の吐出開口部が設けられていること、吐出筐体のその外側における接線方向速度が、担持体の移動速度に基本的に一致すること、第一の筐体が、中空シリンダー形状の吐出筐体の内部空間の内側に基本的に合うよう形成されていること、及び/又は吐出開口部が、吐出領域の外側で第一の筐体により閉じられることにおいて際立っている。
【0010】
更に発明に従い、複数の吐出領域が平行に配置されること、吐出領域ごとに一つのグループの吐出開口部が配置されること、その際一つのグループの各吐出開口部が、吐出筐体の移動によって各吐出領域内へと逐次移動可能であること、一つのグループの吐出開口部が夫々吐出筐体の一つの周囲円環に沿って配置されていること、複数の吐出領域が設けられていること、周囲円環が基本的に互いに平行に推移すること、および周囲円環が少なくとも部分的に各一つの吐出領域を通り抜けること、及び/又は、吐出領域ごと、吐出開口部のグループごと、及び/又は周囲円環ごとに、一つのポンプ装置が設けられることが意図され得る。
【0011】
発明に係る特徴は、吐出筐体が複数のグループの吐出開口部と一つのシリンダー形状の内部空間を有すること、一つのグループの吐出開口部が、吐出筐体の周囲円環に沿って配置されていること、内部空間内に、吐出開口部のグループごとに一つのポンプ装置が設けられており、このポンプ装置が生地を生地供給部から第一の開口部へと搬送すること、吐出筐体が、ポンプ装置の周りおよび第一の筐体の周りを回転可能に配置されていること、第一の開口部と吐出開口部が互いに少なくとも重なり合っているときに、吐出領域内への生地の搬送が行なわれること、及び/又は、当該吐出開口部(5)を通しての搬送が、これが第一の筐体によって閉じられるとき、停止されることでもある。
【0012】
その上、ポンプ装置が、駆動される供給手段を含んでいること、および供給手段が、場合によって軸を介してポンプ駆動部によって駆動されること、少なくとも二つのポンプ装置、好ましくは全てのポンプ装置が同一のポンプ駆動部によって、及び/又は同一の軸によって駆動されること、吐出筐体の回転の為に一つの吐出筐体駆動部が設けられていること、及び/又は、ポンプ装置の駆動と、吐出筐体の駆動が別々に行われる、または別々に制御可能に行われることが、意図され得る。
【0013】
本発明において、各個々の吐出箇所への生地の供給が、一つの独自のポンプ装置により実施されることは有利である。これによって、吐出箇所における生地のスループットは一定となり、場合によっては起こり得る分配チャネルの流れ挙動の影響を大幅に受けないこととなる。好ましくは平行に接続されている個々のポンプ装置が、唯一の駆動部により駆動可能である、及び/又は駆動されると有利である。
【0014】
その際、第一の開口部は、各適用形に応じてさまざまに形成される。例えば克服しなければならない抵抗をできる限り低くするために、第一の開口部によって形成されるチャネルを短く形成することは、有利であり得る。さらには、例えば生地の一様な流れプロフィルを達成するために、開口部によって形成されるチャネルが、所定の長さおよび所定の形状を有することが可能である。
【0015】
生地を担持体上に迅速かつ正確に載せる為に、本発明に従い、生地の載置が、担持体が動いている際にも行われることは有利である。特に、薄壁の焼いた食品類等のような、もろいまたは壊れやすい担持体においては、担持体の迅速な停止および発進は、限られた状況でのみ可能である。本発明に係る装置は、移動する担持体、同様に移動する担持体、不規則に移動する担持体への載置を可能とし、そして停止している担持体へも載置を可能とする。単位時間ごとの処理可能な担持体のスループットを向上させるために、本発明に係る装置は更に、生地を複数の担持体上へ同時に搬送するのに適している。吐出領域ごと各一つのポンプ装置の配置によって、相並んで平行に配置される吐出領域の数量は柔軟に選択可能である。
【0016】
吐出開口部を有する吐出筐体は、本発明に係る装置において複数の機能を充足する。これら機能は有利には相互作用する。
【0017】
吐出筐体は、吐出領域の回転平面内に、少なくとも一つ、好ましくは複数の吐出開口部を有している。生地が、吐出開口部を通って搬送されることができるよう、これらは少なくとも重なり合うか、しかしまたは、第一の筐体の第一の開口部によりカバーされて配置される必要がある。吐出開口部の移動の際、よって生地は、少なくとも第一の開口部との重なり合いが存在する限り、吐出開口部を通って搬送され、そして、第一の開口部との重なり合いがもはや存在しなくなるとすぐに停止される。これによって、各吐出開口部は、第一の開口部と重なり合ったときのみ、生地が通過する。吐出開口部のエッジ部または縁部は、切断エッジ部として作用する。この切断エッジ部は、搬送される生地流を切断する。その際、第一の開口部の縁部は、吐出開口部の切断動作の対向カッターとして作用する。
【0018】
吐出筐体により実施される別の機能は、吐出領域における生地の移動である。特に、移動する担持体において生地は正確に担持体上に配置される必要がある。担持体の移動方向に対して基本的に平行に推移する移動成分は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に吐出筐体によって生じさせられる。よって本発明の好ましい実施形に従い、吐出筐体の周囲速度は、吐出領域における担持体の移送速度に基本的に一致する。
【0019】
好ましい適用形および実施形において、発明に係る装置はサンドイッチクッキーの工業的製造に適している。これは、装置が機械制御部によって制御可能であること、および装置が生産ライン中で「インライン」に使用されることを含む。さらにこの実施形に従い、装置は食用の製品の搬送および製造に適している。この適用形は、本発明のすべての開示された実施形に対して有効である。
【0020】
内部空間という名称は、装置自身が中空の空間を有しているということを必ずしも意味しない点、注意されたい。むしろ吐出筐体が内部空間を有しており、この内部空間内に好ましくは、本発明に係る装置の別のコンポーネントが設けられる。よって、組み立てられ、使用の準備ができた状態において、内部空間は、例えばポンプ装置や、ポンプ圧送可能な生地といった別のコンポーネントによって少なくとも部分的に満たされている。
【0021】
以下に、発明に係る装置を具体的実施例に基づきさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】発明に係る装置の重要な部分の簡略斜視図。
図2】発明に係る装置の一つの実施形の簡略長手方向断面図
図3】発明に係る装置の回転面または放射方向面に沿った簡略断面図。
図4】発明に係る装置の回転面または放射方向面に沿った簡略断面図。
図5】発明に係る装置の回転面または放射方向面に沿った簡略断面図。
図6】ポンプ装置の部分の詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、発明に係る装置の重要な部分の簡略斜視図を示す。その際、吐出筐体6はベースフレーム11に回転可能に支承され、そして吐出筐体駆動部13および吐出筐体ギア14によって駆動可能である及び/又は駆動される。吐出筐体6中には、吐出開口部5が設けられている。更に吐出筐体6は、一つのベース筐体8および一または複数の型抜き筐体9を含んでいる。型抜き筐体9とベース筐体8は、一体式に形成されているか、または、本実施形におけるように、別体式であるが互いに接続された筐体として形成されていることが可能である。さらに、ポンプ装置及び/又はポンプ装置2の可動部分を駆動するためのポンプ駆動部12が設けられている。ポンプ装置は、当該実施形においては、吐出筐体6の内部空間7内に位置する。ポンプ装置2は、生地1を生地供給部10から吐出開口部5へと供給し、引き続いて一または複数の担持体15へと供給する。開口部5を介して放出される生地を収容するために、担持体は、(ここでは図示されていないが)発明に係る装置の脇を通過する。
【0024】
型抜き筐体9は、吐出開口部5を含んでいる。吐出開口部5は、様々な形状を有することが可能である。本実施形においては、吐出開口部5は、複数の部分開口部を含んでいる。これらは、星形に配置され、そしてその中央に十字形上のウェブを有している。生地が通過することにより、流出開口部5の形状の形態に応じて生地流は分割される、または吐出領域において再び合流されることが可能である。例えば流体状の生地においては、流体の担持体上への合流が可能である。
【0025】
このため、本実施形においては、シリンダー形状の筐体として形成される吐出筐体6が回転する。定義された位置において、特に、定義された回転位置において、吐出筐体6の吐出開口部が、第一の筐体4の第一の開口部3の領域または上に位置する。装置のこの位置において、ポンプ圧送された生地が互いに重なり合う開口部3,5を通って流れ出すことができる。有利には、吐出領域に存在する吐出開口部を除いて吐出筐体の全ての吐出開口部を第一の筐体が閉じる。
【0026】
ポンプ装置2は、その際、生地供給部と吐出領域の間に配置される。その際、生地がポンプ装置2と担持体15の間で進む経路は短く保たれている。
【0027】
吐出筐体に沿って、吐出開口部5のグループが複数設けられている。これらは、互いに平行に配置された、吐出筐体の周囲円環に沿って配置されている。本実施形においては、吐出開口部5の4つのグループが4つの周囲円環26に沿って設けられている。
【0028】
図2は、本発明に係る装置の一つの実施形の長手方向断面図を示す。生地1は、ポンプ装置2によって生地提供部10から吐出領域16へと、および場合によっては担持体15へと搬送される。本実施形においては4つのポンプ装置が設けられている。これらは、それぞれ、生地供給部10への接続チャネルを有している。接続チャネルを通じて、生地がポンプ装置2によって吸引され、そして吐出開口部5を通って搬送される。有利には、すべての実施例において生地1が、図示されていない供給ポンプによって生地供給部10へとポンプ圧送される。さらに中央の生地供給部10が設けられている。この生地供給部は、すべてのポンプ装置2を供給する。その際、ポンプ装置は、流れ技術上、生地供給部10と吐出領域の間に配置されている。ポンプ装置ごとに一つの部分生地流が、各第一の開口部3または各吐出開口部5を通って搬送される。4つの平行な吐出領域16が、これによってスループット(処理量)の四倍化を可能とする。中央の生地供給部10の有利な配置と、吐出領域16ごとに各一つのポンプ装置2を設けることによって、生地流は、各吐出領域16内で基本的に同じになるように定められる、または各ポンプ装置によって定められる。短い経路、特に生地供給部10とポンプ装置2と吐出領域16または各吐出開口部5の間の短い経路によって、流れの抵抗が最小とされる。インレットの特別な形状によって、特に第一の開口部3の造形によって、ポンプ装置2と吐出開口部5の間の生地の流れプロフィルが影響を受けることが可能である。図3から5におけるポンプ装置2は、夫々搬送手段17を含んでいる。この搬送手段は、本実施形においては、互いにかみ合う表面を有するローラー形状の筐体として形成されている。搬送手段17、特にローラーは、軸18により駆動される。本実施形においては、一つの軸18により各四つの搬送手段が駆動される。各他の軸と反対の方向に回転する第二の軸18が、同様に四つの搬送手段17を設けられている。両軸は、ポンプ駆動部12により駆動される。駆動部の回転動作を複数の軸に伝達するために、場合によっては、ポンプギア22が設けられる。しかし発明にしたがい、他のポンプ装置を選択することによって、互いに隣接して配置される複数の吐出領域に生地1を供給するのに唯一の軸で十分であるということも意図され得る。
【0029】
第一の筐体4、生地供給部10およびポンプ室19は基本的に位置を固定して配置され、及び/又は、少なくとも間接的にベースフレーム11と接続される。吐出筐体6は、上述した部材4,10および19を中心として回転するよう配置されており、および吐出筐体駆動部13によって駆動される。吐出筐体6の回転の回転軸は、シリンダー形状の吐出筐体の主延在軸に基本的に一致する。特に、シリンダー形状の内部空間7回転軸と、吐出筐体6の回転軸は一致する。これによって吐出筐体6の回転の際、第一の筐体4と吐出筐体6の間の接触面23に沿って滑るような接触がある。
【0030】
図3は、発明に係る装置の回転軸に沿った、及び/又はシリンダー形状の吐出筐体6の周囲円環に沿った断面図の簡略図を示す。その際、ベースフレーム11には、吐出開口部5の1つのグループを有する吐出筐体6が可動式に配置されている。吐出筐体6は、一つのベース筐体8と一つの型抜き筐体9を含んでいる。本実施形においては、ベース筐体8と型抜き筐体9は、同軸に配置された中空シリンダーとして形成されている。吐出開口部は、吐出筐体6の内部空間7から外側に向かって略放射方向に延びている。その際、本実施形におけるように、吐出開口部の断面の変更が可能である。例えば、型抜き筐体9における開口部は、ベース筐体8におけるものと異なる断面を有する。型抜き筐体9の交換によって、その結果、流出速度、流出量、流出する生地流の形状、およびさらなるパラメーターといった流出パラメーターが決定され、および変更されることができる。吐出筐体6の内側の領域内、特に内部空間7内には、第一の筐体4が設けられている。これは、一または複数の第一の開口部3を含む。表されている位置において、吐出領域16内には、第一の開口部3および吐出開口部5が、互いに隣接して位置しているので、生地1が両方の開口部を通って通過搬送されることが可能である。第一の筐体4は、ベースフレーム11に対して相対的に、基本的に位置を固定して配置されている。吐出筐体6の運動及び/又は回転の際に、第一の筐体4は基本的に静止したままである。第一の開口部3もまた、基本的に動かないままであり、及び/又は吐出領域16の近くに留まる。ポンプ装置2は、生地1を生地供給部10から第一の開口部3の方向へと搬送する。本実施形においては、ポンプはギアポンプとしてまたはギアローラーポンプとして実施されている。その作用方式は基本的に外歯ギアポンプに相当する。発明に従い、生地を担持体に搬送するのに適している他のポンプもまた意図され得る。例は、ロータリーポンプ、ロータリーピストンポンプ、偏心スクリューポンプ、渦巻きポンプ、フィードスクリュー、ピストンポンプ、ラジアルピストンポンプ、スクリューポンプ、ベーンタイプロータリーポンプ、プロフィールローラーポンプ等である。
【0031】
本実施形においては、ミラー反転的に回転する二つの軸18に設けられた、二つの互いにかみ合う搬送手段17が設けられている。これらは、ローラー形状に実施されており、および、別の第二の搬送手段17の外形とかみ合せられることが可能である外形を有する。表された実施形においては、よって、右側の軸18と右側の搬送手段17が時計回りに回転し、生地はポンプ室19に沿って第一の開口部3の方向へ搬送される。左側の軸は、反対の方向へと回転し、生地を左側の第一の開口部の方向へと搬送する。そこでこの生地は、右側の生地流と合流する。搬送手段の回転の際、両方のローラー形状の搬送手段は互いにかみ合い、これによって搬送手段の間の領域のすき間をふさぐ。
【0032】
その結果、生地1は、第一の開口部3から吐出開口部5へと搬送され、その後流出し、場合によっては担持体15に到達する。この流出は、しかし、第一の開口部3と吐出開口部5が隣接して配置されている、及び/又は互いに重なり合うときのみ行われる。第一の開口部3が、吐出筐体6によって閉じられている位置では、この開口部を通しての生地1の搬送及び/又は流出は中断される。吐出筐体を意図的に動かし及び/又は回転させることによって、および吐出筐体内での吐出開口部の配置によって、生地1を吐出領域16内および場合によっては担持体15へと定期的に搬送し及び/又は吐出させることが可能である。第一の開口部3と吐出開口部5の大きさの選択によって、および移動速度の選択によって、特に吐出開口部5が配置されている吐出筐体6の回転速度の選択によって、吐出時間および吐出速度および別のパラメーターが変更されることが可能である。
【0033】
本実施形に従い、生地1はポンプ装置2から第一の筐体を通って搬送される。その際、第一の筐体は、少なくとも部分的には吐出筐体6の内面に従って形成されており、および接触面23に沿ってこれに接触する。技術的背景は、第一の筐体4と吐出筐体6の間の間隙はふさがれているので、生地はこれを通過することができないことである。開口部の領域においてのみ、ポンプ装置2によって生地は吐出領域16内へと搬送されることが可能である。しかし、吐出開口部5が第一の開口部3の領域中にないという回転位置に吐出筐体があるとき、吐出開口部5は閉じられ、そして更なる生地がこの開口部を通って搬送されることはない。本実施形に従い、吐出開口部5の一グループが、シリンダー形状の吐出筐体6の周囲円環に沿って配置されている。その際、形状は、特にこの周囲円環内の開口部の幅が、各回転位置において少なくとも吐出開口部5の一つのと第一の開口部3とが重なり合って配置されるように選択される。これは、生地流が完全に中断されるという状況に至ることなく、ポンプ装置2によって常に生地1が搬送されることが可能であるという結果を有する。しかし、吐出開口部5のより広い間隔によって、または吐出開口部5の他の形状によって、生地1の搬送を一時的に完全に停止するということは、本発明思想に一致する。本実施形においては更に、ポンプ室19は第一の筐体4によって取り囲まれている。これは多部品式に実施され、上部品20および下部品21を有している。ここで上部品20および下部品21が接触する第一の筐体4の分割線24は、基本的にポンプ室19の最も幅の広い領域に延びている。メンテナンスおよび組み立てのため、上部品20は、ポンプ装置2の構成に到達するために第一の筐体4から吐出筐体6を分離した後取り外される。発明に従い、複数の吐出開口部5が、複数の平行に推移する周囲円環に沿って配置されることが可能である。
【0034】
図4図3同様の断面図を別の回転位置図として表す。装置は、生地1をポンプ装置2に供給するための生地供給部10を含んでいる。吐出筐体6は少なくとも一つの吐出開口部5と共に、好ましくは複数の吐出開口部5と共に可動に配置されている。図4の回転位置において、第一の筐体4の第一の開口部3は、吐出筐体6により閉じられている。この位置において、生地は供給部10から、吐出領域16中の担持体15に搬送されない。発明に従い、生地の搬送が中断されることが意図され得る。
【0035】
更に、この図には二つの担持体15が簡略的に表されている。これらは、搬送面25に沿って発明に係る装置を通過し、およびその際吐出領域16を通り抜ける。担持体15の移動方向は、表された実施形においては、左から右に向かって行われる。これによって吐出筐体6の回転方向は、反時計回りとなる。右側に図示された担持体15は、吐出領域16の後方の位置にある。担持体15上には、生地1の一部が存在する。この生地は、吐出領域において発明に係る装置から担持体上へと搬送されたものである。左に配置された担持体15は、移動方向において吐出領域16の前にある。この担持体上には、未だ生地1は存在しない。
【0036】
図5は、発明に係る装置の別の図を示す。その際、第一の開口部3および吐出開口部5は、これらが互いに重なり合うよう、お互いに位置決めされている。開口部が互いに重なり合うと、吐出領域16方向でのポンプ装置2による生地1の搬送が可能である。発明に従い、吐出筐体6の各回転位置中において少なくとも一つの吐出開口部5が第一の開口部3と重なり合うよう配置されているということが意図され得る。これによって生地1が常に吐出領域の方向に搬送され、その際、吐出領域16中にある、及び/又は第一の開口部3の領域にある各吐出開口部を通してのみ搬送が行われる。他の吐出開口部5は第一の筐体4により閉じられている。それゆえ、互いに平行に設けられる複数の吐出領域の配置において、吐出領域に存在する全ての吐出開口部5を生地1が通過する。吐出筐体6の回転によって、個々の吐出開口部の周期的な開口および閉鎖が行われる。吐出筐体6の回転する配置によって与えられる別の長所は、生地が吐出領域において基本的に吐出筐体6の接線方向速度に相当する速度でもって付勢されることである。よって吐出筐体の連続的回転の際、生地1は一方では搬送による流れ速度で、そして他方では吐出筐体の回転速度でもって付勢される。特に、移動する担持体15への生地を載せる際、担持体15の速度は、吐出筐体6の速度と、そしてその結果、吐出筐体駆動部13の制御と同期される及び/又は合わせられることが可能である。
【0037】
図6は、発明に係る装置内で使用するのに適したポンプ装置2の部分の簡略図を示す。ポンプ装置2は、駆動される軸18により回転可能である及び/又は駆動される搬送手段17を有している。搬送手段17は、それぞれ対として配置されている。両方の対として配置される搬送手段17は、それぞれ一つの軸を中心として反対の方向に回転する。その際、両方の軸は、互いに平行に推移する。回転運動の際、対として配置される搬送手段17は互いにかみ合っている。この為、各搬送手段はコーム部(Kaemme)27および除外部(Freistellungen)28を有している。コーム部27および除外部28は、一方の搬送手段17のコーム部27が他方の搬送手段17の除外部28内へとかみ込むよう実施されている。好ましくは、対として配置された搬送手段17が、二つの歯車のように、互いに接して回転する。対として配置された搬送手段17の密なかみ合いにより、両方の供給手段17の接触領域は基本的にすき間をふさがれた状態である。搬送すべき生地の搬送は、図示されていないポンプ室の外側で行われる。この為、上述したように、生地はポンプ室内へと入る。これは除外部28へと至り、そして搬送手段の回転運動によってさらに吐出領域の方へと搬送される。本実施形においては、コーム部27と除外部28は、V字のプロフィル形状に実施されている。しかし、例えばヘリカルギア、平歯車、波形歯車等の他の実施形もまた本発明思想に一致する。ポンプ装置2の機能方式にとって重要なのは、対として配置された搬送手段17の両方のプロフィルが、接触領域のすき間をふさぎ、かつポンプ室の外側での搬送が可能であるよう互いにかみ合うことである。
【0038】
好ましくはコーム部27および除外部28は、丸められた推移を有している。これによって搬送すべき生地内のせん断力が低く保たれる。
【0039】
更に別の図示されていない実施形においては、それぞれ二つの吐出開口部5及び/又は二つの吐出領域16に対して一つのポンプ装置が設けられる。十分な搬送能力のもと、ポンプ装置2から流出する生地流は複数の吐出開口部を通って吐出されることが可能である。その際、ポンプ装置と吐出領域の間のチャネルは、生地の一様でない分配という先行技術に相当する短所を克服するために、生地の一様な分配が行われるよう実施されているべきである。これは特に、同様な長さおよび形態のチャネルを設けることにより行われる。この実施形の他の構成は、図1から6の構成に一致する。
【0040】
本発明の機能方式は、例えば以下のようである。担持体15が搬送面25に沿って互いに所定の間隔で発明に係る装置に供給される。その際、搬送面は、装置の外側に対して所定の間隔で推移する。吐出筐体の回転軸は、搬送面25に対して基本的に平行であり、担持体15の搬送方向に対して直角である。その際、吐出筐体6は、第一の筐体4を中心として回転し、その際、外側での回転速度は、基本的に担持体15の移動速度に一致する。ポンプ装置ごとに、例えば一つの吐出領域16が設けられる。担持体15がこの吐出領域を通って動くと、吐出筐体駆動部13の同期およびタイミングによって吐出開口部が担持体の上に動かされる。担持体15と吐出開口部5が第一の開口部3の領域にある、または下にあるとき、生地1はポンプ装置2によって担持体15上へと搬送される。担持体15の更なる前進移動および吐出筐体5の更なる回転の際に、生地流は吐出筐体の縁部によって切断される、または刈り取られ、および吐出開口部5は第一の筐体4により閉じられる。その際、第一の開口部の縁部は、吐出開口部の切断動作の対向カッターとして作用する。当該吐出開口部5を通しての生地の搬送は停止され、そして生地1と接触させられた担持体15は搬送面25に沿ってさらに移動させられる。その間、後続する担持体が吐出領域に供給される。後続する担持体と、後続する吐出開口部が第一の開口部の領域にあるとき、後続する担持体上にも生地が搬送される。このようにして、移動方向において互いに並んだ複数の担持体が生地を供給される。その際、担持体の間隔は、基本的に吐出筐体における吐出開口部の間隔に一致する。
【0041】
処理すべき担持体のスループットを向上するために、担持体15の搬送方向に沿って相並んだ複数の吐出領域16が配置される。担持体は、これら別の平行な吐出領域をも通過し、そしてその際、生地1を塗布される。吐出領域ごとに、好ましくは、一つの独自のポンプ装置2と一つの独自のグループの吐出開口部5が設けられる。
【0042】
ポンプ装置および全装置の発明に係る形態によって、吐出領域ごとに約600から800の担持体が毎分生地を塗布される、または供給されることが可能である。基本的に、本発明は平行に配置された吐出領域の数量において制限を受けない。それでもやはり、好ましくは約4から10の吐出領域が装置ごとに設けられることが可能である。その際、ポンプ装置2の搬送手段17は、各通過する軸によって駆動される。吐出筐体6及び/又は第一の筐体4もまた、平行に配置された全ての吐出領域にわたって延在する。さらに、好ましくは、全装置に対して一つの中央の生地供給部10が設けられる。
【符号の説明】
【0043】
1. 生地
2. ポンプ装置
3. 第一の開口部
4. 第一の筐体
5. 吐出開口部
6. 吐出筐体
7. 内部空間
8. ベース筐体
9. 型抜き筐体
10. 生地供給部
11. ベースフレーム
12. ポンプ駆動部
13. 吐出筐体駆動部
14. 第二のギア
15. 担持体
16. 吐出領域
17. 搬送手段
18. 軸
19. ポンプ室
20. 第一の筐体の上部品
21. 第一の筐体の下部品
22. ポンプギア
23. 接触面
24. 分割線
25. 搬送面
26. 周囲円環
27. コーム部
28. 除外部
図1
図2
図3
図4-5】
図6
【手続補正書】
【提出日】2014年10月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に食料品、および食用の製品の為の、例えばクリーム、チョコレートクリーム、生地等といった、粘性があり、強粘度で、泡立てられた、及び/又はペースト状の生地のような、ポンプ圧送可能な生地の計量および搬送の為の装置、並びに、吐出領域にある、場合によっては移動する担持体にポンプ圧送可能な生地の計量された吐出を行うための装置であって、吐出筐体中に設けられ、および第一の筐体に対する位置決めによって閉鎖可能である吐出開口部を通して生地を搬送するためのポンプ装置を有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同様な装置は、特に食料品の領域において長年公知であり、様々な実施形で公開されている。
【0003】
当該方式の装置は、例えば、チョコレートクリーム等のような粘性の生地を、クッキーのような食用の担持体上に載せるため、および場合によって第二の担持体によってカバーするために使用される。これらのような、専門家内では「サンドイッチクッキー」として称され、公知である食用の製品は、長い間、大量に製造されてきた。これら多くの数量を効率よく製造することができるためには、粘性の生地を担持体上に迅速かつ正確に置くことが必要である。
【0004】
このため例えば、ポンプが生地を供給部を介してシリンダー形状の筐体に供給する装置が公知である。この中には、チャネルが存在しており、これらチャネルを通じて生地が外に向かって担持体上へと導かれる。シリンダー形状の筐体の外側の領域には、中空シリンダーが設けられている。この中空シリンダーは、シリンダー形状の筐体を基本的に取り囲み、そしてこの周りを回転可能に配置されている。中空シリンダーは、さらに開口部を有している。この開口部を通してクリームが流出可能である。開口部は、例えば周囲に一様に分配されているが、しかし中空シリンダー形状の筐体により規則的な間隔で中断されている。ポンプ装置によって生地がシリンダー形状の筐体内へと導かれると、この生地は、中空シリンダーの供給チャネルと開口部が重ね合わされている、または少なくとも部分的に互いに重なり合っているときのみシリンダーから流出することが可能である。担持体、例えばクッキーは、搬送装置上で装置の下方を通りすぎる。クッキーの速度は、その際基本的に、回転するシリンダー形状の筐体の外側速度に一致する。
【0005】
生地を載せる速度と搬送性能は、その際特に、載せるべき生地の可塑性と粘性によって定められる。処理すべきクッキーの時間単位ごとの数量およびスループット(処理量)を向上させるために、シリンダー形状の筐体内に複数の開口部が相並んで設けられている。その際、中央の供給部は、載せるべき生地を個々のクリーム吐出開口部に供給する。この先行技術に相当する構造の短所は、分配システムおよび中央の供給部から分岐するクリーム配管に基づいて、載置および生地の分配が不均等となるということである。これら不均等性は、多くの不良品を生む結果となり、このことはその結果、製造工程の効率に悪影響を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、例えばクリーム、チョコレートクリーム、生地等といった、粘性のある、強粘性の、泡立てられた、及び/又はペースト状の生地の計量のためおよび搬送の為の装置であって、可能な限り高い生地スループットを、精密かつ正確な計量のもと担持体上へと搬送する装置であり、簡単かつコスト面で安価に構築され、メンテナンスが容易であり、洗浄性が容易であり、柔軟に適用でき、及び/又は、特に粘性の生地を載せるための開口部の選択が柔軟である装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明に係る課題は、吐出筐体が一つの内部空間を含んでおり、及び/又は有していること、および内部空間内にポンプ装置が設けられていることによって解決される。
【0008】
発明に係る別の特徴は、吐出筐体内に、少なくとも一つの吐出開口部が設けられていること、および生地を吐出領域にある担持体上へと吐出するために、第一の開口部および吐出開口部が重ね合わされた、または互いに重なり合って配置されていること、吐出筐体が一つの基本的に中空シリンダー形状のベース形状を有し、このベース形状が、内部空間を少なくとも部分的に取り囲んでいること、吐出筐体が第一の筐体の周りおよびポンプ装置の周りを回転するよう配置されていること、及び/又は、回転軸が、吐出筐体及び/又は内部空間の対称軸に基本的に一致することである。
【0009】
さらに本発明に係る装置は、吐出筐体内に周囲円環に沿って複数の吐出開口部が設けられていること、吐出筐体のその外側における接線方向速度が、担持体の移動速度に基本的に一致すること、第一の筐体が、中空シリンダー形状の吐出筐体の内部空間の内側に基本的に合うよう形成されていること、及び/又は吐出開口部が、吐出領域の外側で第一の筐体により閉じられることにおいて際立っている。
【0010】
更に発明に従い、複数の吐出領域が平行に配置されること、吐出領域ごとに一つのグループの吐出開口部が配置されること、その際一つのグループの各吐出開口部が、吐出筐体の移動によって各吐出領域内へと逐次移動可能であること、一つのグループの吐出開口部が夫々吐出筐体の一つの周囲円環に沿って配置されていること、複数の吐出領域が設けられていること、周囲円環が基本的に互いに平行に推移すること、および周囲円環が少なくとも部分的に各一つの吐出領域を通り抜けること、及び/又は、吐出領域ごと、吐出開口部のグループごと、及び/又は周囲円環ごとに、一つのポンプ装置が設けられることが意図され得る。
【0011】
発明に係る特徴は、吐出筐体が複数のグループの吐出開口部と一つのシリンダー形状の内部空間を有すること、一つのグループの吐出開口部が、吐出筐体の周囲円環に沿って配置されていること、内部空間内に、吐出開口部のグループごとに一つのポンプ装置が設けられており、このポンプ装置が生地を生地供給部から第一の開口部へと搬送すること、吐出筐体が、ポンプ装置の周りおよび第一の筐体の周りを回転可能に配置されていること、第一の開口部と吐出開口部が互いに少なくとも重なり合っているときに、吐出領域内への生地の搬送が行なわれること、及び/又は、当該吐出開口部(5)を通しての搬送が、これが第一の筐体によって閉じられるとき、停止されることでもある。
【0012】
その上、ポンプ装置が、駆動される供給手段を含んでいること、および供給手段が、場合によって軸を介してポンプ駆動部によって駆動されること、少なくとも二つのポンプ装置、好ましくは全てのポンプ装置が同一のポンプ駆動部によって、及び/又は同一の軸によって駆動されること、吐出筐体の回転の為に一つの吐出筐体駆動部が設けられていること、及び/又は、ポンプ装置の駆動と、吐出筐体の駆動が別々に行われる、または別々に制御可能に行われることが、意図され得る。
【0013】
本発明において、各個々の吐出箇所への生地の供給が、一つの独自のポンプ装置により実施されることは有利である。これによって、吐出箇所における生地のスループットは一定となり、場合によっては起こり得る分配チャネルの流れ挙動の影響を大幅に受けないこととなる。好ましくは平行に接続されている個々のポンプ装置が、唯一の駆動部により駆動可能である、及び/又は駆動されると有利である。
【0014】
その際、第一の開口部は、各適用形に応じてさまざまに形成される。例えば克服しなければならない抵抗をできる限り低くするために、第一の開口部によって形成されるチャネルを短く形成することは、有利であり得る。さらには、例えば生地の一様な流れプロフィルを達成するために、開口部によって形成されるチャネルが、所定の長さおよび所定の形状を有することが可能である。
【0015】
生地を担持体上に迅速かつ正確に載せる為に、本発明に従い、生地の載置が、担持体が動いている際にも行われることは有利である。特に、薄壁の焼いた食品類等のような、もろいまたは壊れやすい担持体においては、担持体の迅速な停止および発進は、限られた状況でのみ可能である。本発明に係る装置は、移動する担持体、同様に移動する担持体、不規則に移動する担持体への載置を可能とし、そして停止している担持体へも載置を可能とする。単位時間ごとの処理可能な担持体のスループットを向上させるために、本発明に係る装置は更に、生地を複数の担持体上へ同時に搬送するのに適している。吐出領域ごと各一つのポンプ装置の配置によって、相並んで平行に配置される吐出領域の数量は柔軟に選択可能である。
【0016】
吐出開口部を有する吐出筐体は、本発明に係る装置において複数の機能を充足する。これら機能は有利には相互作用する。
【0017】
吐出筐体は、吐出領域の回転平面内に、少なくとも一つ、好ましくは複数の吐出開口部を有している。生地が、吐出開口部を通って搬送されることができるよう、これらは少なくとも重なり合うか、しかしまたは、第一の筐体の第一の開口部によりカバーされて配置される必要がある。吐出開口部の移動の際、よって生地は、少なくとも第一の開口部との重なり合いが存在する限り、吐出開口部を通って搬送され、そして、第一の開口部との重なり合いがもはや存在しなくなるとすぐに停止される。これによって、各吐出開口部は、第一の開口部と重なり合ったときのみ、生地が通過する。吐出開口部のエッジ部または縁部は、切断エッジ部として作用する。この切断エッジ部は、搬送される生地流を切断する。その際、第一の開口部の縁部は、吐出開口部の切断動作の対向カッターとして作用する。
【0018】
吐出筐体により実施される別の機能は、吐出領域における生地の移動である。特に、移動する担持体において生地は正確に担持体上に配置される必要がある。担持体の移動方向に対して基本的に平行に推移する移動成分は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に吐出筐体によって生じさせられる。よって本発明の好ましい実施形に従い、吐出筐体の周囲速度は、吐出領域における担持体の移送速度に基本的に一致する。
【0019】
好ましい適用形および実施形において、発明に係る装置はサンドイッチクッキーの工業的製造に適している。これは、装置が機械制御部によって制御可能であること、および装置が生産ライン中で「インライン」に使用されることを含む。さらにこの実施形に従い、装置は食用の製品の搬送および製造に適している。この適用形は、本発明のすべての開示された実施形に対して有効である。
【0020】
内部空間という名称は、装置自身が中空の空間を有しているということを必ずしも意味しない点、注意されたい。むしろ吐出筐体が内部空間を有しており、この内部空間内に好ましくは、本発明に係る装置の別のコンポーネントが設けられる。よって、組み立てられ、使用の準備ができた状態において、内部空間は、例えばポンプ装置や、ポンプ圧送可能な生地といった別のコンポーネントによって少なくとも部分的に満たされている。
【0021】
以下に、発明に係る装置を具体的実施例に基づきさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】発明に係る装置の重要な部分の簡略斜視図。
図2】発明に係る装置の一つの実施形の簡略長手方向断面図
図3】発明に係る装置の回転面または放射方向面に沿った簡略断面図。
図4】発明に係る装置の回転面または放射方向面に沿った簡略断面図。
図5】発明に係る装置の回転面または放射方向面に沿った簡略断面図。
図6】ポンプ装置の部分の詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、発明に係る装置の重要な部分の簡略斜視図を示す。その際、吐出筐体6はベースフレーム11に回転可能に支承され、そして吐出筐体駆動部13および吐出筐体ギア14によって駆動可能である及び/又は駆動される。吐出筐体6中には、吐出開口部5が設けられている。更に吐出筐体6は、一つのベース筐体8および一または複数の型抜き筐体9を含んでいる。型抜き筐体9とベース筐体8は、一体式に形成されているか、または、本実施形におけるように、別体式であるが互いに接続された筐体として形成されていることが可能である。さらに、ポンプ装置及び/又はポンプ装置2の可動部分を駆動するためのポンプ駆動部12が設けられている。ポンプ装置は、当該実施形においては、吐出筐体6の内部空間7内に位置する。ポンプ装置2は、生地1を生地供給部10から吐出開口部5へと供給し、引き続いて一または複数の担持体15へと供給する。開口部5を介して放出される生地を収容するために、担持体は、(ここでは図示されていないが)発明に係る装置の脇を通過する。
【0024】
型抜き筐体9は、吐出開口部5を含んでいる。吐出開口部5は、様々な形状を有することが可能である。本実施形においては、吐出開口部5は、複数の部分開口部を含んでいる。これらは、星形に配置され、そしてその中央に十字形上のウェブを有している。生地が通過することにより、流出開口部5の形状の形態に応じて生地流は分割される、または吐出領域において再び合流されることが可能である。例えば流体状の生地においては、流体の担持体上への合流が可能である。
【0025】
このため、本実施形においては、シリンダー形状の筐体として形成される吐出筐体6が回転する。定義された位置において、特に、定義された回転位置において、吐出筐体6の吐出開口部が、第一の筐体4の第一の開口部3の領域または上に位置する。装置のこの位置において、ポンプ圧送された生地が互いに重なり合う開口部3,5を通って流れ出すことができる。有利には、吐出領域に存在する吐出開口部を除いて吐出筐体の全ての吐出開口部を第一の筐体が閉じる。
【0026】
ポンプ装置2は、その際、生地供給部と吐出領域の間に配置される。その際、生地がポンプ装置2と担持体15の間で進む経路は短く保たれている。
【0027】
吐出筐体に沿って、吐出開口部5のグループが複数設けられている。これらは、互いに平行に配置された、吐出筐体の周囲円環に沿って配置されている。本実施形においては、吐出開口部5の4つのグループが4つの周囲円環26に沿って設けられている。
【0028】
図2は、本発明に係る装置の一つの実施形の長手方向断面図を示す。生地1は、ポンプ装置2によって生地提供部10から吐出領域16へと、および場合によっては担持体15へと搬送される。本実施形においては4つのポンプ装置が設けられている。これらは、それぞれ、生地供給部10への接続チャネルを有している。接続チャネルを通じて、生地がポンプ装置2によって吸引され、そして吐出開口部5を通って搬送される。有利には、すべての実施例において生地1が、図示されていない供給ポンプによって生地供給部10へとポンプ圧送される。さらに中央の生地供給部10が設けられている。この生地供給部は、すべてのポンプ装置2を供給する。その際、ポンプ装置は、流れ技術上、生地供給部10と吐出領域の間に配置されている。ポンプ装置ごとに一つの部分生地流が、各第一の開口部3または各吐出開口部5を通って搬送される。4つの平行な吐出領域16が、これによってスループット(処理量)の四倍化を可能とする。中央の生地供給部10の有利な配置と、吐出領域16ごとに各一つのポンプ装置2を設けることによって、生地流は、各吐出領域16内で基本的に同じになる、または各ポンプ装置によって定められる。短い経路、特に生地供給部10とポンプ装置2と吐出領域16または各吐出開口部5の間の短い経路によって、流れの抵抗が最小とされる。インレットの特別な形状によって、特に第一の開口部3の造形によって、ポンプ装置2と吐出開口部5の間の生地の流れプロフィルが影響を受けることが可能である。図3から5におけるポンプ装置2は、夫々搬送手段17を含んでいる。この搬送手段は、本実施形においては、互いにかみ合う表面を有するローラー形状の筐体として形成されている。搬送手段17、特にローラーは、軸18により駆動される。本実施形においては、一つの軸18により各四つの搬送手段が駆動される。各他の軸と反対の方向に回転する第二の軸18が、同様に四つの搬送手段17を設けられている。両軸は、ポンプ駆動部12により駆動される。駆動部の回転動作を複数の軸に伝達するために、場合によっては、ポンプギア22が設けられる。しかし発明にしたがい、他のポンプ装置を選択することによって、互いに隣接して配置される複数の吐出領域に生地1を供給するのに唯一の軸で十分であるということも意図され得る。
【0029】
第一の筐体4、生地供給部10およびポンプ室19は基本的に位置を固定して配置され、及び/又は、少なくとも間接的にベースフレーム11と接続される。吐出筐体6は、上述した部材4,10および19を中心として回転するよう配置されており、および吐出筐体駆動部13によって駆動される。吐出筐体6の回転の回転軸は、シリンダー形状の吐出筐体の主延在軸に基本的に一致する。特に、シリンダー形状の内部空間7回転軸と、吐出筐体6の回転軸は一致する。これによって吐出筐体6の回転の際、第一の筐体4と吐出筐体6の間の接触面23に沿って滑るような接触がある。
【0030】
図3は、発明に係る装置の回転軸に沿った、及び/又はシリンダー形状の吐出筐体6の周囲円環に沿った断面図の簡略図を示す。その際、ベースフレーム11には、吐出開口部5の1つのグループを有する吐出筐体6が可動式に配置されている。吐出筐体6は、一つのベース筐体8と一つの型抜き筐体9を含んでいる。本実施形においては、ベース筐体8と型抜き筐体9は、同軸に配置された中空シリンダーとして形成されている。吐出開口部は、吐出筐体6の内部空間7から外側に向かって略放射方向に延びている。その際、本実施形におけるように、吐出開口部の断面の変更が可能である。例えば、型抜き筐体9における開口部は、ベース筐体8におけるものと異なる断面を有する。型抜き筐体9の交換によって、その結果、流出速度、流出量、流出する生地流の形状、およびさらなるパラメーターといった流出パラメーターが決定され、および変更されることができる。吐出筐体6の内側の領域内、特に内部空間7内には、第一の筐体4が設けられている。これは、一または複数の第一の開口部3を含む。表されている位置において、吐出領域16内には、第一の開口部3および吐出開口部5が、互いに隣接して位置しているので、生地1が両方の開口部を通って通過搬送されることが可能である。第一の筐体4は、ベースフレーム11に対して相対的に、基本的に位置を固定して配置されている。吐出筐体6の運動及び/又は回転の際に、第一の筐体4は基本的に静止したままである。第一の開口部3もまた、基本的に動かないままであり、及び/又は吐出領域16の近くに留まる。ポンプ装置2は、生地1を生地供給部10から第一の開口部3の方向へと搬送する。本実施形においては、ポンプはギアポンプとしてまたはギアローラーポンプとして実施されている。その作用方式は基本的に外歯ギアポンプに相当する。発明に従い、生地を担持体に搬送するのに適している他のポンプもまた意図され得る。例は、ロータリーポンプ、ロータリーピストンポンプ、偏心スクリューポンプ、渦巻きポンプ、フィードスクリュー、ピストンポンプ、ラジアルピストンポンプ、スクリューポンプ、ベーンタイプロータリーポンプ、プロフィールローラーポンプ等である。
【0031】
本実施形においては、ミラー反転的に回転する二つの軸18に設けられた、二つの互いにかみ合う搬送手段17が設けられている。これらは、ローラー形状に実施されており、および、別の第二の搬送手段17の外形とかみ合せられることが可能である外形を有する。表された実施形においては、よって、右側の軸18と右側の搬送手段17が時計回りに回転し、生地はポンプ室19に沿って第一の開口部3の方向へ搬送される。左側の軸は、反対の方向へと回転し、生地を左側の第一の開口部の方向へと搬送する。そこでこの生地は、右側の生地流と合流する。搬送手段の回転の際、両方のローラー形状の搬送手段は互いにかみ合い、これによって搬送手段の間の領域のすき間をふさぐ。
【0032】
その結果、生地1は、第一の開口部3から吐出開口部5へと搬送され、その後流出し、場合によっては担持体15に到達する。この流出は、しかし、第一の開口部3と吐出開口部5が隣接して配置されている、及び/又は互いに重なり合うときのみ行われる。第一の開口部3が、吐出筐体6によって閉じられている位置では、この開口部を通しての生地1の搬送及び/又は流出は中断される。吐出筐体を意図的に動かし及び/又は回転させることによって、および吐出筐体内での吐出開口部の配置によって、生地1を吐出領域16内および場合によっては担持体15へと定期的に搬送し及び/又は吐出させることが可能である。第一の開口部3と吐出開口部5の大きさの選択によって、および移動速度の選択によって、特に吐出開口部5が配置されている吐出筐体6の回転速度の選択によって、吐出時間および吐出速度および別のパラメーターが変更されることが可能である。
【0033】
本実施形に従い、生地1はポンプ装置2から第一の筐体を通って搬送される。その際、第一の筐体は、少なくとも部分的には吐出筐体6の内面に従って形成されており、および接触面23に沿ってこれに接触する。技術的背景は、第一の筐体4と吐出筐体6の間の間隙はふさがれているので、生地はこれを通過することができないことである。開口部の領域においてのみ、ポンプ装置2によって生地は吐出領域16内へと搬送されることが可能である。しかし、吐出開口部5が第一の開口部3の領域中にないという回転位置に吐出筐体があるとき、吐出開口部5は閉じられ、そして更なる生地がこの開口部を通って搬送されることはない。本実施形に従い、吐出開口部5の一グループが、シリンダー形状の吐出筐体6の周囲円環に沿って配置されている。その際、形状は、特にこの周囲円環内の開口部の幅が、各回転位置において少なくとも吐出開口部5の一つのと第一の開口部3とが重なり合って配置されるように選択される。これは、生地流が完全に中断されるという状況に至ることなく、ポンプ装置2によって常に生地1が搬送されることが可能であるという結果を有する。しかし、吐出開口部5のより広い間隔によって、または吐出開口部5の他の形状によって、生地1の搬送を一時的に完全に停止するということは、本発明思想に一致する。本実施形においては更に、ポンプ室19は第一の筐体4によって取り囲まれている。これは多部品式に実施され、上部品20および下部品21を有している。ここで上部品20および下部品21が接触する第一の筐体4の分割線24は、基本的にポンプ室19の最も幅の広い領域に延びている。メンテナンスおよび組み立てのため、上部品20は、ポンプ装置2の構成に到達するために第一の筐体4から吐出筐体6を分離した後取り外される。発明に従い、複数の吐出開口部5が、複数の平行に推移する周囲円環に沿って配置されることが可能である。
【0034】
図4図3同様の断面図を別の回転位置図として表す。装置は、生地1をポンプ装置2に供給するための生地供給部10を含んでいる。吐出筐体6は少なくとも一つの吐出開口部5と共に、好ましくは複数の吐出開口部5と共に可動に配置されている。図4の回転位置において、第一の筐体4の第一の開口部3は、吐出筐体6により閉じられている。この位置において、生地は供給部10から、吐出領域16中の担持体15に搬送されない。発明に従い、生地の搬送が中断されることが意図され得る。
【0035】
更に、この図には二つの担持体15が簡略的に表されている。これらは、搬送面25に沿って発明に係る装置を通過し、およびその際吐出領域16を通り抜ける。担持体15の移動方向は、表された実施形においては、左から右に向かって行われる。これによって吐出筐体6の回転方向は、反時計回りとなる。右側に図示された担持体15は、吐出領域16の後方の位置にある。担持体15上には、生地1の一部が存在する。この生地は、吐出領域において発明に係る装置から担持体上へと搬送されたものである。左に配置された担持体15は、移動方向において吐出領域16の前にある。この担持体上には、未だ生地1は存在しない。
【0036】
図5は、発明に係る装置の別の回転位置を示す。その際、第一の開口部3および吐出開口部5は、これらが互いに重なり合うよう、お互いに位置決めされている。開口部が互いに重なり合うと、吐出領域16方向でのポンプ装置2による生地1の搬送が可能である。発明に従い、吐出筐体6の各回転位置中において少なくとも一つの吐出開口部5が第一の開口部3と重なり合うよう配置されているということが意図され得る。これによって生地1が常に吐出領域の方向に搬送され、その際、吐出領域16中にある、及び/又は第一の開口部3の領域にある各吐出開口部を通してのみ搬送が行われる。他の吐出開口部5は第一の筐体4により閉じられている。それゆえ、互いに平行に設けられる複数の吐出領域の配置において、吐出領域に存在する全ての吐出開口部5を生地1が通過する。吐出筐体6の回転によって、個々の吐出開口部の周期的な開口および閉鎖が行われる。吐出筐体6の回転する配置によって与えられる別の長所は、生地が吐出領域において基本的に吐出筐体6の接線方向速度に相当する速度でもって付勢されることである。よって吐出筐体の連続的回転の際、生地1は一方では搬送による流れ速度で、そして他方では吐出筐体の回転速度でもって付勢される。特に、移動する担持体15への生地を載せる際、担持体15の速度は、吐出筐体6の速度と、そしてその結果、吐出筐体駆動部13の制御と同期される及び/又は合わせられることが可能である。
【0037】
図6は、発明に係る装置内で使用するのに適したポンプ装置2の部分の簡略図を示す。ポンプ装置2は、駆動される軸18により回転可能である及び/又は駆動される搬送手段17を有している。搬送手段17は、それぞれ対として配置されている。両方の対として配置される搬送手段17は、それぞれ一つの軸を中心として反対の方向に回転する。その際、両方の軸は、互いに平行に推移する。回転運動の際、対として配置される搬送手段17は互いにかみ合っている。この為、各搬送手段はコーム部(Kaemme)27および除外部(Freistellungen)28を有している。コーム部27および除外部28は、一方の搬送手段17のコーム部27が他方の搬送手段17の除外部28内へとかみ込むよう実施されている。好ましくは、対として配置された搬送手段17が、二つの歯車のように、互いに接して回転する。対として配置された搬送手段17の密なかみ合いにより、両方の供給手段17の接触領域は基本的にすき間をふさがれた状態である。搬送すべき生地の搬送は、図示されていないポンプ室の外側で行われる。この為、上述したように、生地はポンプ室内へと入る。これは除外部28へと至り、そして搬送手段の回転運動によってさらに吐出領域の方へと搬送される。本実施形においては、コーム部27と除外部28は、V字のプロフィル形状に実施されている。しかし、例えばヘリカルギア、平歯車、波形歯車等の他の実施形もまた本発明思想に一致する。ポンプ装置2の機能方式にとって重要なのは、対として配置された搬送手段17の両方のプロフィルが、接触領域のすき間をふさぎ、かつポンプ室の外側での搬送が可能であるよう互いにかみ合うことである。
【0038】
好ましくはコーム部27および除外部28は、丸められた推移を有している。これによって搬送すべき生地内のせん断力が低く保たれる。
【0039】
更に別の図示されていない実施形においては、それぞれ二つの吐出開口部5及び/又は二つの吐出領域16に対して一つのポンプ装置が設けられる。十分な搬送能力のもと、ポンプ装置2から流出する生地流は複数の吐出開口部を通って吐出されることが可能である。その際、ポンプ装置と吐出領域の間のチャネルは、生地の一様でない分配という先行技術に相当する短所を克服するために、生地の一様な分配が行われるよう実施されているべきである。これは特に、同様な長さおよび形態のチャネルを設けることにより行われる。この実施形の他の構成は、図1から6の構成に一致する。
【0040】
本発明の機能方式は、例えば以下のようである。担持体15が搬送面25に沿って互いに所定の間隔で発明に係る装置に供給される。その際、搬送面は、装置の外側に対して所定の間隔で推移する。吐出筐体の回転軸は、搬送面25に対して基本的に平行であり、担持体15の搬送方向に対して直角である。その際、吐出筐体6は、第一の筐体4を中心として回転し、その際、外側での回転速度は、基本的に担持体15の移動速度に一致する。ポンプ装置ごとに、例えば一つの吐出領域16が設けられる。担持体15がこの吐出領域を通って動くと、吐出筐体駆動部13の同期およびタイミングによって吐出開口部が担持体の上に動かされる。担持体15と吐出開口部5が第一の開口部3の領域にある、または下にあるとき、生地1はポンプ装置2によって担持体15上へと搬送される。担持体15の更なる前進移動および吐出筐体の更なる回転の際に、生地流は吐出開口部の縁部によって切断される、または刈り取られ、および吐出開口部5は第一の筐体4により閉じられる。その際、第一の開口部の縁部は、吐出開口部の切断動作の対向カッターとして作用する。当該吐出開口部5を通しての生地の搬送は停止され、そして生地1と接触させられた担持体15は搬送面25に沿ってさらに移動させられる。その間、後続する担持体が吐出領域に供給される。後続する担持体と、後続する吐出開口部が第一の開口部の領域にあるとき、後続する担持体上にも生地が搬送される。このようにして、移動方向において互いに並んだ複数の担持体が生地を供給される。その際、担持体の間隔は、基本的に吐出筐体における吐出開口部の間隔に一致する。
【0041】
処理すべき担持体のスループットを向上するために、担持体15の搬送方向に沿って相並んだ複数の吐出領域16が配置される。担持体は、これら別の平行な吐出領域をも通過し、そしてその際、生地1を塗布される。吐出領域ごとに、好ましくは、一つの独自のポンプ装置2と一つの独自のグループの吐出開口部5が設けられる。
【0042】
ポンプ装置および全装置の発明に係る形態によって、吐出領域ごとに約600から800の担持体が毎分生地を塗布される、または供給されることが可能である。基本的に、本発明は平行に配置された吐出領域の数量において制限を受けない。それでもやはり、好ましくは約4から10の吐出領域が装置ごとに設けられることが可能である。その際、ポンプ装置2の搬送手段17は、各通過する軸によって駆動される。吐出筐体6及び/又は第一の筐体4もまた、平行に配置された全ての吐出領域にわたって延在する。さらに、好ましくは、全装置に対して一つの中央の生地供給部10が設けられる。
【符号の説明】
【0043】
1. 生地
2. ポンプ装置
3. 第一の開口部
4. 第一の筐体
5. 吐出開口部
6. 吐出筐体
7. 内部空間
8. ベース筐体
9. 型抜き筐体
10. 生地供給部
11. ベースフレーム
12. ポンプ駆動部
13. 吐出筐体駆動部
14. 第二のギア
15. 担持体
16. 吐出領域
17. 搬送手段
18. 軸
19. ポンプ室
20. 第一の筐体の上部品
21. 第一の筐体の下部品
22. ポンプギア
23. 接触面
24. 分割線
25. 搬送面
26. 周囲円環
27. コーム部
28. 除外部
【国際調査報告】