特表2015-519906(P2015-519906A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-519906部位特異的標識法およびそれによって生成される分子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-519906(P2015-519906A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】部位特異的標識法およびそれによって生成される分子
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20150619BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20150619BHJP
   C12N 9/12 20060101ALI20150619BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20150619BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20150619BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20150619BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20150619BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20150619BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20150619BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20150619BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150619BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20150619BHJP
   A61K 45/00 20060101ALN20150619BHJP
   A61K 38/00 20060101ALN20150619BHJP
【FI】
   C12N15/00 A
   C07K16/00ZNA
   C12N9/12
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/00 101
   C12P21/08
   A61K39/395 L
   A61K39/395 N
   A61K39/395 T
   A61P29/00
   A61P35/00
   A61P31/00
   A61K45/00
   A61K37/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】318
(21)【出願番号】特願2015-516079(P2015-516079)
(86)(22)【出願日】2013年5月31日
(85)【翻訳文提出日】2015年2月3日
(86)【国際出願番号】US2013043684
(87)【国際公開番号】WO2013184514
(87)【国際公開日】20131212
(31)【優先権主張番号】61/655,143
(32)【優先日】2012年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/777,430
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】503261524
【氏名又は名称】アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ガイアースタンガー,バーナード フーベルト
(72)【発明者】
【氏名】グルンワルド,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】バースラヤ,バドリー
【テーマコード(参考)】
4B024
4B050
4B064
4B065
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B024AA01
4B024BA44
4B024CA01
4B024GA11
4B024HA01
4B050CC07
4B050KK11
4B050KK13
4B050KK18
4B050LL01
4B050LL05
4B064AG27
4B064BJ12
4B064CA21
4B064CB30
4B064CC01
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA58X
4B065AA72X
4B065AA87X
4B065AA87Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4B065CA60
4C084AA02
4C084AA17
4C084BA44
4C084DA27
4C084NA05
4C084ZA042
4C084ZB112
4C084ZB262
4C084ZB332
4C084ZB352
4C084ZB372
4C084ZC202
4C084ZC412
4C085AA14
4C085AA16
4C085AA21
4C085AA25
4C085AA26
4C085BB33
4C085BB34
4C085BB35
4C085BB36
4C085BB37
4C085BB41
4C085BB43
4C085BB50
4C085CC23
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA14
4H045BA15
4H045BA16
4H045BA17
4H045BA62
4H045BA72
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA70
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、対象とする抗体の1つまたは複数の特定部位に組み込まれたペプチド配列(「ペプチドタグ」)の翻訳後修飾を触媒する4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質を使用して、抗体を部位特異的に標識する方法を提供する。酵素標識によって、抗体に組み込まれたペプチドタグ内の特異的セリン残基の定量的および不可逆的共有結合修飾が可能となり、したがって、所望の抗体コンジュゲートが創製される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であり、抗体またはその断片の構造的ループ内に設置されている少なくとも1個のペプチドタグを含む修飾抗体またはその断片。
【請求項2】
前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼが、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持しているそれらの変異体または相同体型である、請求項1に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項3】
ペプチドタグが、
GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、
GDSLSWL(配列番号2)、
GDSLSWLVRCLN(配列番号3)、
GDSLSWLLRCLN(配列番号4)、
GDSLSWLVRLLN(配列番号5)、
GDSLSWLLRSLN(配列番号6)、
GSQDVLDSLEFIASKLA(配列番号7)、
VLDSLEFIASKLA(配列番号8)、
DSLEFIASKLA(配列番号9)、
GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、
GDSLDMLEWSL(配列番号11)、
GDSLDMLEWS(配列番号12)、
GDSLDMLEW(配列番号13)、
DSLDMLEW(配列番号14)、
GDSLDM(配列番号15)、
LDSVRMMALAAR(配列番号16)、
LDSLDMLEWSLR(配列番号17)、
DSLEFIASKL(配列番号18)、
DSLEFIASK(配列番号19)、
DVLDSLEFI(配列番号20)、
VLDSLEFIAS(配列番号21)、および
DSLDMLEWSL(配列番号1132)
からなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項4】
ペプチドタグが、抗体またはその断片のVH、VL、CH1、CH2、CH3、またはC領域の構造的ループ内に設置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項5】
前記ペプチドタグが、抗体またはその断片のCH1領域の構造的ループ内に設置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項6】
前記ペプチドタグが、表1に列挙されている任意の2個のアミノ酸の間に挿入されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項7】
ペプチドタグが、親抗体またはその断片のVHまたはVLドメインのアミノ酸残基2および3の間に、または軽鎖のアミノ酸残基110および111の間に、またはCH1ドメインの119および120の間、もしくは120および121の間、もしくは135および136の間、もしくは136および137の間、もしくは138および139の間、もしくは162および163の間、もしくは164および165の間、もしくは165および166の間、もしくは194および195の間、もしくは195および196の間に、またはCH3ドメインの388および389の間、もしくは445および446の間、もしくは446および447の間に挿入されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項8】
ペプチドタグが、親抗体またはその断片の軽鎖のアミノ酸残基110および111の間に、CH1ドメインの119および120の間、もしくは120および121の間、もしくは135および136の間、もしくは136および137の間、もしくは138および139の間、もしくは162および163の間、もしくは164および165の間、もしくは165および166の間、もしくは194および195の間、もしくは195および196の間に、またはCH3ドメインの388および389の間に挿入されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項9】
ペプチドタグが、Vドメインのアミノ酸残基62〜64もしくは62〜65の間に、またはCH1ドメインのアミノ酸残基133〜138の間に、またはCH1ドメインの189〜195の間に、またはCH1ドメインの190〜197の間にグラフトされている、請求項1から4のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項10】
前記抗体が、配列番号26、配列番号27、配列番号32、配列番号63、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号126、配列番号127、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号139、配列番号149、配列番号151、配列番号152、配列番号157、配列番号158、配列番号160、配列番号166、配列番号168、配列番号169、配列番号178、配列番号179、配列番号248、配列番号250、配列番号251、配列番号256、配列番号257、配列番号259、配列番号265、配列番号267、配列番号268、配列番号277、配列番号278、配列番号348、配列番号349、配列番号356、配列番号358、配列番号359、配列番号364、配列番号365、配列番号367、配列番号371、配列番号373、配列番号374、配列番号380、配列番号381、配列番号384、配列番号386、配列番号387、または配列番号388を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項11】
前記抗体が、配列番号32、配列番号63、配列番号127、配列番号129、配列番号132、配列番号151、配列番号152、配列番号157、配列番号158、配列番号160、配列番号166、配列番号168、配列番号169、配列番号178、配列番号179、配列番号250、配列番号251、配列番号256、配列番号257、配列番号259、配列番号265、配列番号267、配列番号268、配列番号277、配列番号278、配列番号358、配列番号359、配列番号364、配列番号365、配列番号367、配列番号371、配列番号373、配列番号374、配列番号380、配列番号381、または配列番号384を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項12】
4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素がSfpであり、ペプチドタグが、GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWLVRCLN(配列番号3)、GDSLSWLLRCLN(配列番号4)、GDSLSWLVRLLN(配列番号5)、GDSLSWLLRSLN(配列番号6)、GSQDVLDSLEFIASKLA(配列番号7)、VLDSLEFIASKLA(配列番号8)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、GDSLDMLEWSL(配列番号11)、GDSLDMLEWS(配列番号12)、GDSLDMLEW(配列番号13)、DSLDMLEW(配列番号14)、LDSLDMLEWSLR(配列番号17)、DSLEFIASKL(配列番号18)、DSLEFIASK(配列番号19)、DSLEFIAS(配列番号1116)、またはDSLDMLEWSL(配列番号1132)である、請求項1から11のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項13】
4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素がSfpであり、ペプチドタグが、GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWL(配列番号2)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、DSLEFIASKL(配列番号18)、またはDSLEFIASK(配列番号19)である、請求項1から12のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項14】
4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素がAcpSであり、ペプチドタグが、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、GDSLDMLEWSL(配列番号11)、GDSLDMLEWS(配列番号12)、GDSLDMLEW(配列番号13)、DSLDMLEW(配列番号14)、GDSLDM(配列番号15)、LDSLDMLEWSLR(配列番号17)、またはDSLDMLEWSL(配列番号1132)である、請求項1から11のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項15】
IgG、IgM、IgE、およびIgAから選択されるアイソタイプである、請求項1から14のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項16】
IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択されるIgGのサブタイプである、請求項1から15のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項17】
ヒトもしくはヒト化抗体またはその断片である、請求項1から16のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項18】
抗HER2抗体または抗HER2抗体断片である、請求項17に記載の修飾抗体またはその断片。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の修飾抗体または断片と末端基とを含む免疫コンジュゲート。
【請求項20】
前記末端基が、修飾抗体または抗体断片に、式(I−b)による構造を有するリンカー:
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー;酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー;酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー;酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー;酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、光切断可能なリンカー、または自壊的スペーサーであり、
*は、4’−ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合している場所を示す]によって結合しており、
末端基が、薬物部分、アフィニティープローブ、キレーター、分光学的プローブ、放射性プローブ、イメージング試薬、脂質分子、ポリエチレングリコール、ポリマー、ナノ粒子、量子ドット、リポソーム、PLGA粒子、多糖、アセチル基、または表面である、請求項19に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項21】
が、−A−または−X−であり、
が、結合、−A−、または−A−であり、
が、結合、−A−、または−A−であり、
が、結合、−A−、−A−、
【化209-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化209-2】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
が、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
が、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NR−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−(CHNH−、−(C(RNH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
が、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)−、−(C(R(O(C(ROC(=O)−、−(CH(O(CHC(=O)−、−(C(R(O(C(RC(=O)−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
が、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニルおよびピリジンから選択され、
は、独立に、
【化214】
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から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される、請求項20に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項22】
が、−A−または−X−であり、
が、結合、−A−、または−A−であり、
が、結合、−A−、または−A−であり、
が、結合、−A−、−A−、
【化215】
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であり、
が、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
が、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【化216】
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であり、
が、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【化217】
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であり、
が、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xが、独立に、結合、
【化218】
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【化219】
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、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rが、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rが、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rが、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
が、独立に、H、フェニルおよびピリジンから選択され、
が、独立に、
【化220】
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から選択され、
が、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nが、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mが、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される、請求項20または21に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項23】
式(I−b)のリンカーが、式(I−c)による構造を有するリンカー:
【化221】
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である、請求項20から22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項24】
が−A−であり、この際、Aは、−C(=O)NH(CHS−であり、Xは、
【化222】
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であり、
が結合であり、Lが結合であり、Lが−A−であり、この際、Aは−(CHNHC(=O)−である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項25】
が−A−であり、この際、Aは、−C(=O)NH(CHS−であり、Xは、
【化223】
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であり、
が結合であり、Lが結合であり、Lが−A−であり、この際、Aは、−(CHC(=O)−である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項26】
が−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、X
【化224】
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であり、
が−A−であり、この際、Aは−(CHC(=Oであり、
が−A−であり、この際、A
【化225】
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であり、

【化226】
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である、請求項21または22の免疫コンジュゲート。
【請求項27】
が−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CHC(=O)NH−であり、
が結合−であり、Lが−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lが結合である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項28】
が−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−CHR(CHC(=O)NH−であり、Rは−C(=O)OHであり、
が結合であり、Lが−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lが結合である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項29】
が−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、
が結合であり、Lが結合であり、Lが−A−であり、この際、Aは−(CHNHC(=O)−である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項30】
が−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、
が結合であり、Lが結合であり、Lが−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項31】
が−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、
が−A−であり、この際、Aは−(CHC(=Oであり、
が−A−であり、この際、Aは、
【化227】
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であり、
が、
【化228】
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である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項32】
が−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、
が結合−であり、Lが−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lが結合である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項33】
が−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−CHR(CHC(=O)NH−であり、Rは−C(=O)OHであり、
が結合であり、Lが−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lが結合である、請求項21または22に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項34】
末端基が、抗炎症薬、抗癌薬、抗真菌薬、抗菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、および麻酔薬から選択される部分である、請求項19から33のいずれか一項に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項35】
末端基が、V−ATPアーゼ阻害薬、HSP90阻害薬、IAP阻害薬、mTor阻害薬、微小管安定薬、微小管不安定化薬、オーリスタチン、ドラスタチン、マイタンシノイド、MetAP(メチオニンアミノペプチダーゼ)、タンパク質CRM1の核外輸送の阻害薬、DPPIV阻害薬、ミトコンドリアにおけるホスホリル転移反応の阻害薬、タンパク質合成阻害薬、CDK2阻害薬、CDK9阻害薬、Eg5阻害薬、HDAC阻害薬、DNA損傷薬、DNAアルキル化薬、DNAインターカレーター、DNA小溝結合薬、プロテアソーム阻害薬、RNAポリメラーゼ阻害薬、およびDHFR阻害薬から選択される、請求項34に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項36】
末端基が、フルオロフォア、クロモフォア、量子ドット、磁性プローブ、放射性プローブ、イメージング試薬、または造影試薬から選択される、請求項19から33のいずれか一項に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項37】
アフィニティープローブがビオチンである、請求項19から33のいずれかに記載の免疫コンジュゲート。
【請求項38】
前記修飾抗体またはその断片が1つまたは複数の直交性コンジュゲーション部位をさらに含む、請求項19から37のいずれか一項に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項39】
各直交性コンジュゲーション部位が、独立に、Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質、AcpS4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質、リシン、システイン、チロシン、ヒスチジン、ホルミルグリシン、非天然アミノ酸、ピロリシン、およびピロリン−カルボキシリシンから選択される、請求項38に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項40】
有効量の請求項19から39のいずれか一項に記載の免疫コンジュゲートまたは薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される賦形剤、担体、または添加剤とを含む医薬組成物。
【請求項41】
医薬として使用するための、請求項1から18のいずれかに記載の修飾抗体もしくはその断片、または請求項19から39のいずれかに記載の免疫コンジュゲート。
【請求項42】
癌、炎症性疾患、または感染症を治療する際に使用するための、請求項1から18のいずれかに記載の修飾抗体もしくはその断片、または請求項19から39のいずれかに記載の免疫コンジュゲート。
【請求項43】
癌を治療する際に使用するための、請求項1から18のいずれかに記載の修飾抗体もしくはその断片、または請求項19から39のいずれかに記載の免疫コンジュゲート。
【請求項44】
癌を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、有効量の請求項19から39のいずれか一項に記載の免疫コンジュゲートまたは請求項40に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項45】
前記哺乳動物がヒトである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
請求項1から18のいずれか一項に記載の修飾抗体またはその断片をコードする核酸。
【請求項47】
請求項46に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項48】
抗癌薬とさらにコンジュゲートしている、請求項1から18のいずれかに記載の修飾抗体またはその抗体断片。
【請求項49】
請求項19から39に記載の免疫コンジュゲートを生成する方法であって、適切な条件下で、請求項1から18のいずれか一項に記載の修飾抗体または抗体断片、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、およびCoAに連結している末端基またはCoA類似体に連結している末端基をインキュベートし、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を含むリンカーによって一緒に連結している抗体または抗体断片および末端基を含む免疫コンジュゲートの形成を促進することを含む方法。
【請求項50】
請求項19から39に記載の免疫コンジュゲートを生成する方法であって、
i)適切な条件下で、請求項1から18のいずれか一項に記載の抗体または抗体断片を4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼおよびCoAまたはCoA類似体と共にインキュベートし、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を抗体または抗体断片に結合させるステップであって、4’−ホスホパンテテインおよび4’−ホスホパンテテイン類似体が官能基を含むステップと、
ii)4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を、末端基に連結していてもよい反応性基と反応させ、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を含むリンカーによって一緒に連結している抗体または抗体断片および末端基を含む免疫コンジュゲートを形成するステップと
を含む方法。
【請求項51】
請求項19から39に記載の免疫コンジュゲートを生成する方法であって
i)適切な条件下で、請求項1から18のいずれか一項に記載の抗体または抗体断片を4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼおよびCoAまたはCoA類似体と共にインキュベートし、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を抗体または抗体断片に結合させるステップであって、4’−ホスホパンテテインおよび4’−ホスホパンテテイン類似体が保護官能基を含むステップと、
ii)4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体の保護官能基を脱保護するステップと、
iii)4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体の脱保護官能基を、末端基に連結していてもよい反応性基と反応させ、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を含むリンカーによって一緒に連結している抗体または抗体断片および末端基を含む免疫コンジュゲートを形成するステップと
を含む方法。
【請求項52】
前記適切な条件が、4℃〜37℃の温度およびpH6.5〜pH9.0を含む、請求項49から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記修飾抗体または抗体断片中のペプチドタグのセリン残基が、式(D−a)、式(E−a)、式(F−a)、または式(G−a)の構造を有する4’−ホスホパンテテイン基:
【化229】
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[式中、
は、−A−または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合−A−、−A−、
【化230-1】
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【化230-2】
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であり、
は、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NR−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−(CHNH−、−(C(RNH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)−、−(C(R(O(C(ROC(=O)−、−(CH(O(CHC(=O)−、−(C(R(O(C(RC(=O)−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【化232】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【化233】
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【化234】
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、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【化235】
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から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
は、チオール、マレイミド、ハロアセトアミド、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、オキサノボルナジエン、アジド、ジアリールテトラジン、ノルボルネン、モノアリールテトラジン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、NH−NH−C(=O)−、アルデヒド、またはケトンである]とコンジュゲートしている、請求項1から18のいずれかに記載の修飾抗体または抗体断片を含む免疫コンジュゲート。
【請求項54】
4’−ホスホパンテテイン基が、
【化236】
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である、請求項53に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項55】
コンジュゲートセリンが、
【化237】
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から選択される構造を有する、請求項53に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項56】
コンジュゲートセリンが、
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項55に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項57】
前記修飾抗体または抗体断片中のペプチドタグのセリン残基が、修飾4’−ホスホパンテテイン基とコンジュゲートしており、
【化239-1】
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【化239-2】
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[式中、
は、−A−または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合−A−、−A−、
【化240-1】
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【化240-2】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NR−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−(CHNH−、−(C(RNH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【化241】
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であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)−、−(C(R(O(C(ROC(=O)−、−(CH(O(CHC(=O)−、−(C(R(O(C(RC(=O)−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【化242】
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であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【化243】
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【化244】
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、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【化245】
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から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
TGは、薬物部分、アフィニティープローブ、キレーター、分光学的プローブ、放射性プローブ、イメージング試薬、脂質分子、ポリエチレングリコール、ポリマー、ナノ粒子、量子ドット、リポソーム、PLGA粒子、多糖、アセチル基、または表面である]から選択される構造を有する、請求項1から18のいずれかに記載の修飾抗体または抗体断片を含む免疫コンジュゲート。
【請求項58】
コンジュゲートセリンが、
【化246】
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である、請求項57に記載の免疫コンジュゲート。
【請求項59】
が、
【化247】
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または−(CH)C(=O)NH−である、請求項58に記載の免疫コンジュゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットでEFS−Webを介して提出されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている配列表を含む。2013年5月29日に作成された前記ASCIIコピーは、PAT055142_SL_2.txtとの名称を有し、そのサイズは1,800,691バイトである。
【0002】
本発明は、部位特異的標識プロセスおよびそれによって生成される分子に関する。
【背景技術】
【0003】
コンジュゲーションは、タンパク質療法、抗体薬物コンジュゲート(antibody drug conjugate;ADC)、ワクチン、組織選択的標的化ビヒクル、分子診断法、およびタンパク質核酸コンジュゲートなど、生物学的に活性なタンパク質の特性を最適化するために幅広く使用されている。伝統的なコンジュゲーション方法では、リシンをベースとした共有結合的ライゲーションを利用するが、このことによって、タンパク質の表面上にはリシンが多くあるので、均一性を達成することが困難になっている。
【0004】
タンパク質の部位特異的標識は、例えば、標識をタンパク質に共有結合させるためにヒトO−アルキルグアニン−DNAアルキル−トランスフェラーゼ(AGT)、ビオチンリガーゼ、トランスグルタミナーゼ、ソルターゼ、クチナーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼを使用する翻訳後酵素反応によって達成することができる。
【0005】
ヒトO−アルキルグアニン−DNAアルキル−トランスフェラーゼを使用する翻訳後酵素反応では、AGTを、対象とする標的タンパク質に融合させ、続いて、AGTのための自殺基質である標識されたO−ベンジルグアニンを付加する(Keppleretら、Nat. Biotechnol. 21:86〜89、2003)。この手法は、SNAP−tag(商標)と呼ばれる技術の基礎となっており、180アミノ酸タグを利用する(Tiratら、International Journal of Biological Macromolecules、39:66〜76、2006)。しかしながら、この手法を使用するタンパク質の標識は、C末端またはN末端でしか起こらない。
【0006】
ビオチンライゲーションでは、酵素ビオチンタンパク質リガーゼ(BPL)は、ビオチンをある特定のカルボキシラーゼまたはデカルボキシラーゼのビオチンキャリヤードメインに結合させる。BPLは2ステップで、アデノシン−5’−三リン酸(ATP)依存性反応である、ビオチンのカルボキシル基と、ビオチンキャリヤードメイン内の高度保存Ala−Met−Lys−Met(配列番号1017)認識設置モチーフ内に設置されている特異的リシン残基のε−アミノ基との間でのアミド結合の翻訳後形成を触媒する(Tiratら、International Journal of Biological Macromolecules、39:66〜76、2006)。この手法は、C末端に、N末端に、またはさらには標的タンパク質内に融合タグを創製するために使用することができ、BioEase(商標)(72アミノ酸タグ)およびAviTag(商標)(ビオチンリガーゼ、BirA、および15残基アクセプターペプチドタグ(AP)を使用)と呼ばれる技術のための基礎となっている。
【0007】
トランスグルタミナーゼは、アンモニアの喪失を伴うグルタミン(Gln)およびリシン(Lys)の側鎖間での安定なイソペプチド結合の形成を触媒し、インビトロでタンパク質中のグルタミン側鎖をフルオロフォアで標識するために使用されている(Satoら、Biochemistry 35:13072〜13080、1996)。また、細菌およびヒト組織トランスグルタミナーゼ(BTGaseおよびTG2)が、種々のIgGの翻訳後修飾を、IgG重鎖内に設置されているLysまたはGln側鎖を介して触媒するために使用されている(Mindtら、Bioconjugate Chem. 19:271〜278、2008; Jegerら、Angew. Chem. Int. 49:9995〜9997、2010)。
【0008】
ソルターゼは、タンパク質のC末端およびN末端部位特異的修飾のために使用されており、その場合、ソルターゼAは、ペプチド転移反応を触媒する(Antosら、JACS、131:10800〜10801、2009)。
【0009】
クチナーゼは、加水分解に対して耐性のあるホスホナートリガンドと共に部位特異的共有付加物を形成する22kDaセリンエステラーゼである。クチナーゼは、抗体のC末端およびN末端部位特異的修飾、続く、表面上での固定化のために使用されている(Kwonら、Anal. Chem. 76:5713〜5720、2004; Hodnelandら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、99:5048〜5052、2002)。
【0010】
アシルキャリヤータンパク質(ACP)およびペプチジルキャリヤータンパク質(PCP)の4’−ホスホパンテテイニル化は、それぞれポリケチドシンターゼ(PKS)および非リボソームペプチドシンテターゼ(NRPS)による代謝産物合成の活性化に必要な必須翻訳後修飾に関係している(Fischbachら、Chem. Rev. 106(8):3468〜3496、2006)。ACPおよびPCPのアポ型からホロ型への変換は、補酵素A(CoA)の4’−ホスホ−パンテテイニル部分をタンパク質ドメインの不変セリン残基に結合させる4’−ホスホパンテテイン(ppan)トランスフェラーゼによって触媒される(Lambalotら、Chem. Biol. 3(11):923〜936、1996)。キャリヤータンパク質の同等に小さなサイズと、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼが官能化CoA類似体を基質として許容する能力とによって、研究者らはキャリヤータンパク質を、標的タンパク質を様々な小分子プローブで標識するための融合タグとして使用している(例えば、La Clairら、Chem. Biol. 11(2):195〜201、2004; Yinら、J. Am. Chem. Soc. 126(25):7754〜7755、2004を参照されたい)。キャリヤータンパク質タグのサイズをさらに縮小する努力において、Walshおよび共同研究者らは、ファージディスプレイを使用して、細菌4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼSfp(サーファクチン産生(surfactin production)を担う遺伝子座位として以前に同定された)およびAcpSによって有効な基質として認識される8〜12残基ペプチドを同定した(Yinら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102(44):15815〜15820, 2005; Zhouら、ACS Chem. Biol. 2(5):337〜346、2007; Zhouら、J. Am. Chem. Soc. 130(30):9925〜9930、2008)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
抗体薬物コンジュゲート(ADC)は、細胞傷害性薬を局所送達するために癌の治療において使用されている(例えば、Lambert、Curr. Opinion In Pharmacology 5:543〜549、2005を参照されたい)。ADCは、薬物部分の標的化送達を可能とし、その際、最小限の毒性で最大の有効性を達成することができる。さらに多くのADCが有望な臨床結果を示しているので、様々な薬剤とのコンジュゲーションを可能にする、特に、癌療法において使用するために規定の薬物対抗体比を有する均一な免疫コンジュゲートを生成することができる部位特異的コンジュゲーションを可能にする反応性基を提供する安定な操作された抗体を開発する必要性が高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であり、かつ抗体または抗体断片の構造的ループ内に設置されている少なくとも1個のペプチドタグを含む修飾抗体またはその断片を提供する。本発明はさらに、そのような修飾抗体または抗体断片と、末端基とを含む免疫コンジュゲートを提供する。本発明はまた、そのような修飾抗体、抗体断片、および免疫コンジュゲートを作製する方法、さらには、そのような組成物を使用する方法を提供する。
【0013】
一部の実施形態では、本発明は、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であり、かつ抗体または抗体断片の構造的ループ内に設置されている少なくとも1個のペプチドタグを含み、その際、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼがSfp、AcpS、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持しているそれらの変異体もしくは相同体型である、修飾抗体またはその断片を提供する。一部の実施形態では、ペプチドタグは、GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWL(配列番号2)、GDSLSWLVRCLN(配列番号3)、GDSLSWLLRCLN(配列番号4)、GDSLSWLVRLLN(配列番号5)、GDSLSWLLRSLN(配列番号6)、GSQDVLDSLEFIASKLA(配列番号7)、VLDSLEFIASKLA(配列番号8)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、GDSLDMLEWSL(配列番号11)、GDSLDMLEWS(配列番号12)、GDSLDMLEW(配列番号13)、DSLDMLEW(配列番号14)、GDSLDM(配列番号15)、LDSVRMMALAAR(配列番号16)、LDSLDMLEWSLR(配列番号17)、DSLEFIASKL(配列番号18)、DSLEFIASK(配列番号19)、DVLDSLEFI(配列番号20)、VLDSLEFIAS(配列番号21)およびDSLDMLEWSL(配列番号1132)からなる群から選択される。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0014】
一部の実施形態では、本発明は、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であり、かつ抗体またはその断片のVH、VL、CH1、CH2、CH3、またはC領域の構造的ループ内に設置されている少なくとも1個のペプチドタグを含む修飾抗体またはその断片を提供する。一部の実施形態では、ペプチドタグは、表1に列挙されている任意の2個のアミノ酸の間に挿入されている。一部の実施形態では、本発明は、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であり、かつ抗体またはその断片のCH1領域の構造的ループ内に設置されている少なくとも1個のペプチドタグを含む修飾抗体または抗体断片を提供する。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0015】
一部の実施形態では、ペプチドタグは、親抗体またはその断片のVまたはVドメインのアミノ酸残基2および3の間に、またはVドメインのアミノ酸残基63および64の間に、またはVドメインの64および65の間に、またはCH1ドメインの138および139の間に、またはCH1ドメインの197および198の間に、またはCH3ドメインの359および360の間に、またはCH3ドメインの388および389の間に、またはCH3ドメインの447の後に挿入されている。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0016】
一部の実施形態では、ペプチドタグは、親抗体またはその断片のVHまたはVLドメインのアミノ酸残基2および3の間に、または軽鎖のアミノ酸残基110および111の間に、またはCH1ドメインの119および120の間、もしくは120および121の間、もしくは135および136の間、もしくは136および137の間、もしくは138および139の間、もしくは162および163の間、もしくは164および165の間、もしくは165および166の間、もしくは194および195の間、もしくは195および196の間に、またはCH3ドメインの388および389の間、もしくは445および446の間、もしくは446および447の間に挿入されている。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0017】
一部の実施形態では、ペプチドタグは、親抗体またはその断片の軽鎖のアミノ酸残基110および111の間に、CH1ドメインの119および120の間、もしくは120および121の間、もしくは135および136の間、もしくは136および137の間、もしくは138および139の間、もしくは162および163の間、もしくは164および165の間、もしくは165および166の間、もしくは194および195の間、もしくは195および196の間に、またはCH3ドメインの388および389の間に挿入されている。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0018】
一部の実施形態では、ペプチドタグは、Vドメインのアミノ酸残基62〜64もしくは62〜65の間に、またはCH1ドメインのアミノ酸残基133〜138の間に、またはCH1ドメインの189〜195の間に、またはCH1ドメインの190〜197の間にグラフトされている。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0019】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号103、配列番号109、配列番号113、配列番号121、配列番号122、配列番号127、配列番号129、配列番号130、配列番号131、および/または配列番号141を含む修飾抗体または抗体断片を提供する。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0020】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号26、配列番号27、配列番号32、配列番号63、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号126、配列番号127、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号139、配列番号149、配列番号151、配列番号152、配列番号157、配列番号158、配列番号160、配列番号166、配列番号168、配列番号169、配列番号178、配列番号179、配列番号248、配列番号250、配列番号251、配列番号256、配列番号257、配列番号259、配列番号265、配列番号267、配列番号268、配列番号277、配列番号278、配列番号348、配列番号349、配列番号356、配列番号358、配列番号359、配列番号364、配列番号365、配列番号367、配列番号371、配列番号373、配列番号374、配列番号380、配列番号381、配列番号384、配列番号386、配列番号387、または配列番号388を含む修飾抗体または抗体断片を提供する。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0021】
一部の実施形態では、本発明は、配列番号32、配列番号63、配列番号127、配列番号129、配列番号132、配列番号151、配列番号152、配列番号157、配列番号158、配列番号160、配列番号166、配列番号168、配列番号169、配列番号178、配列番号179、配列番号250、配列番号251、配列番号256、配列番号257、配列番号259、配列番号265、配列番号267、配列番号268、配列番号277、配列番号278、配列番号358、配列番号359、配列番号364、配列番号365、配列番号367、配列番号371、配列番号373、配列番号374、配列番号380、配列番号381、または配列番号384を含む修飾抗体または抗体断片を提供する。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0022】
一実施形態では、本発明は、Sfpの基質であり、かつ抗体または抗体断片の構造的ループ内に設置されている少なくとも1個のペプチドタグを含み、その際、そのペプチドタグが、GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWLVRCLN(配列番号3)、GDSLSWLLRCLN(配列番号4)、GDSLSWLVRLLN(配列番号5)、GDSLSWLLRSLN(配列番号6)、GSQDVLDSLEFIASKLA(配列番号7)、VLDSLEFIASKLA(配列番号8)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、GDSLDMLEWSL(配列番号11)、GDSLDMLEWS(配列番号12)、GDSLDMLEW(配列番号13)、DSLDMLEW(配列番号14)、LDSLDMLEWSLR(配列番号17)、DSLEFIASKL(配列番号18)、DSLEFIASK(配列番号19)、またはDSLEFIAS(配列番号1116)である修飾抗体またはその断片を提供する。別の実施形態では、ペプチドタグは、GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWL(配列番号2)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、DSLEFIASKL(配列番号18)、DSLEFIASK(配列番号19)、またはDSLDMLEWSL(配列番号1132)である。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0023】
一部の実施形態では、本発明の修飾抗体または抗体断片は、IgG、IgM、IgE、およびIgAから選択されるアイソタイプである。一部の他の実施形態では、本発明の修飾抗体または抗体断片は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択されるIgGのサブタイプである。一部の実施形態では、本発明の修飾抗体または抗体断片は、ヒトもしくはヒト化抗体または抗体断片である。具体的な実施形態では、本発明の修飾抗体または抗体断片は、抗HER2抗体または抗HER2抗体断片である。本発明はさらに、そのような修飾抗体またはその断片を含む免疫コンジュゲートを提供する。
【0024】
本発明は、本明細書に記載の修飾抗体または抗体断片をコードする核酸、およびそのような核酸を含む宿主細胞を提供する。
【0025】
本発明は、修飾抗体またはその断片と、末端基とを含み、その際、修飾抗体または抗体断片が4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であり、かつ抗体または抗体断片の構造的ループ内に設置されている少なくとも1個のペプチドタグを含む免疫コンジュゲートを提供する。一部の実施形態では、この修飾抗体または抗体断片は、1個または複数の直交性コンジュゲーション部位をさらに含む。具体的な実施形態では、各直交性コンジュゲーション部位は、独立に、Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質、AcpS4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質、リシン、システイン、チロシン、ヒスチジン、ホルミルグリシン、非天然アミノ酸、ピロリシン、およびピロリン−カルボキシリシンから選択される。
【0026】
本明細書において提供する別の態様は、修飾抗体または抗体断片と、修飾抗体または抗体断片中のペプチドタグに結合している末端基(TG)とを、式(I−b)による構造を有するリンカー:
【0027】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー;酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー;酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー;酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー;酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、光切断可能なリンカー、または自壊的スペーサーであり、
*は、4’−ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合している場所を示す]によって結合しており、
末端基は、薬物部分、アフィニティープローブ、キレーター、分光学的プローブ、放射性プローブ、イメージング試薬(imaging reagent)、脂質分子、ポリエチレングリコール、ポリマー、ナノ粒子、量子ドット、リポソーム、PLGA粒子、多糖、アセチル基、または表面である
、免疫コンジュゲートである。
【0028】
そのような免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、
は、−A−または−X−であり、Lは、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、−A−、
【0029】
【化2-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化2-2】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NR−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−(CHNH−、−(C(RNH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0030】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)−、−(C(R(O(C(ROC(=O)−、−(CH(O(CHC(=O)−、−(C(R(O(C(RC(=O)−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0031】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0032】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0033】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニルおよびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0034】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される。
【0035】
そのような免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は、−A−または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、−A−、
【0036】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0037】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0038】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0039】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0040】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニルおよびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0041】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される。
【0042】
そのような上述の免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、式(I−b)のリンカーは、式(I−c)による構造を有するリンカー:
【0043】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0044】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は、−A−であり、この際、Aは、−C(=O)NH(CHS−であり、Xは、
【0045】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、結合であり、Lは結合であり、Lは、−A−であり、この際、Aは−(CHNHC(=O)−である。
【0046】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは、−C(=O)NH(CHS−であり、Xは、
【0047】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、この際、Aは、−(CHC(=O)−である。
【0048】
そのような免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、X
【0049】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は−A−であり、この際、Aは−(CHC(=Oであり、
は−A−であり、この際、A
【0050】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
【0051】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0052】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CHC(=O)NH−であり、
は結合−であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lは結合である。
【0053】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−CHR(CHC(=O)NH−であり、Rは−C(=O)OHであり、
は結合であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lは結合である。
【0054】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、
は結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHNHC(=O)−である。
【0055】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、
は結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−である。
【0056】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、
は−A−であり、この際、Aは−(CHC(=Oであり、
は−A−であり、この際、Aは、
【0057】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、
【0058】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0059】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、
は結合−であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lは結合である。
【0060】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、
は−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−CHR(CHC(=O)NH−であり、Rは−C(=O)OHであり、
は結合であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lは結合である。
【0061】
そのような上述の免疫コンジュゲートの他の実施形態では、末端基は、抗炎症薬、抗癌薬、抗真菌薬、抗菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、および麻酔薬から選択される薬物部分である。そのような免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、薬物部分は、V−ATPアーゼ阻害薬、HSP90阻害薬、IAP阻害薬、mTor阻害薬、微小管安定薬、微小管不安定化薬、オーリスタチン、ドラスタチン、マイタンシノイド、MetAP(メチオニンアミノペプチダーゼ)、タンパク質CRM1の核外輸送の阻害薬、DPPIV阻害薬、ミトコンドリアにおけるホスホリル転移反応の阻害薬、タンパク質合成阻害薬、CDK2阻害薬、CDK9阻害薬、Eg5阻害薬、HDAC阻害薬、DNA損傷薬、DNAアルキル化薬、DNAインターカレーター、DNA小溝結合薬、プロテアソーム阻害薬、RNAポリメラーゼ阻害薬、およびDHFR阻害薬から選択される。そのような免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、分光学的プローブは、フルオロフォア、クロモフォア、量子ドット、磁性プローブ、放射性プローブ、イメージング試薬、または造影試薬(contrast reagent)から選択される。そのような免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、アフィニティープローブはビオチンである。
【0062】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式Bの構造を有する補酵素A類似体:
【0063】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、L、L、R、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、末端基を、式(I−b)による構造を有するリンカー:
【0064】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示す]
によってペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体または抗体断片を末端基で標識するステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0065】
ある特定の実施形態では、式(B)の化合物は、
【0066】
【化24-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化24-2】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0067】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)i)式(D)の化合物:
【0068】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートすることによって、式(D−a)の活性化ホスホペンタチエニル基
【0069】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、官能基である]
をペプチドタグに結合させ、かつ
ii)活性化ホスホペンタチエニル基の官能基Rを式(II−a)の化合物
X−L−L−L−TG
式(II−a)
[式中、Xは、官能基Rと反応する基であり、この際、
Xがチオールである場合、Rは、チオール、マレイミド、もしくはハロアセトアミドであるか、または
Xがアジドである場合、Rは、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、もしくはオキサノボルナジエン(oxanobornadiene)であるか、または
Xがトリアリールホスフィンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがオキサノボルナジエンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルキンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルケンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがシクロオクテンである場合、Rは、ジアリールテトラジンであるか、または
Xがジアリールテトラジンである場合、Rは、シクロオクテンであるか、または
Xがモノアリールテトラジンである場合、Rは、ノルボルネンであるか、または
Xがノルボルネンである場合、Rは、モノアリールテトラジンであるか、または
Xがアルデヒドである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがケトンである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−;であるか、
Xがヒドロキシルアミンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがヒドラジンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
XがNH−NH−C(=O)−である場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがハロアセトアミドである場合、Rは、チオールであるか、または
Xがマレイミドである場合、Rは、チオールである]と反応させ、それによって、末端基を、式(II−b)による構造を有するリンカー:
【0070】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示し、A、X、L、L、L、R、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]によってペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を末端基(TG)で標識するステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0071】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)i)式(E)の化合物:
【0072】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートすることによって、式(E−a)の活性化ホスホペンタチエニル基
【0073】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、官能基である]
をペプチドタグに結合させ、かつ
ii)活性化ホスホペンタチエニル基の官能基Rを式(II−c)の化合物
X−L−L−TG
式(II−c)
[式中、Xは、官能基Rと反応する基であり、この際、
Xがチオールである場合、Rは、チオール、マレイミド、もしくはハロアセトアミドであるか、または
Xがアジドである場合、Rは、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、もしくはオキサノボルナジエンであるか、または
Xがトリアリールホスフィンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがオキサノボルナジエンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルキンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルケンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがシクロオクテンである場合、Rは、ジアリールテトラジンであるか、または
Xがジアリールテトラジンである場合、Rは、シクロオクテンであるか、または
Xがモノアリールテトラジンである場合、Rは、ノルボルネンであるか、または
Xがノルボルネンである場合、Rは、モノアリールテトラジンであるか、または
Xがアルデヒドである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがケトンである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがヒドロキシルアミンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがヒドラジンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
XがNH−NH−C(=O)−である場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがハロアセトアミドである場合、Rは、チオールであるか、または
Xがマレイミドである場合、Rは、チオールである]と反応させ、それによって、末端基を、式(II−d)による構造を有するリンカー:
【0074】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示し、L、A、X、L、L、R、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]によってペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を末端基(TG)で標識するステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0075】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)i)式(F)の化合物:
【0076】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートすることによって、式(F−a)の活性化ホスホペンタチエニル基
【0077】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、官能基である]
をペプチドタグに結合させ、かつ
ii)活性化ホスホペンタチエニル基の官能基Rを式(II−e)の化合物
X−L−TG
式(II−e)
[式中、Xは、官能基Rと反応する基であり、この際、
Xがチオールである場合、Rは、チオール、マレイミド、もしくはハロアセトアミドであるか、または
Xがアジドである場合、Rは、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、もしくはオキサノボルナジエンであるか、または
Xがトリアリールホスフィンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがオキサノボルナジエンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルキンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルケンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがシクロオクテンである場合、Rは、ジアリールテトラジンであるか、または
Xがジアリールテトラジンである場合、Rは、シクロオクテンであるか、または
Xがモノアリールテトラジンである場合、Rは、ノルボルネンであるか、または
Xがノルボルネンである場合、Rは、モノアリールテトラジンであるか、または
Xがアルデヒドである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがケトンである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがヒドロキシルアミンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがヒドラジンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
XがNH−NH−C(=O)−である場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがハロアセトアミドである場合、Rは、チオールであるか、または
Xがマレイミドである場合、Rは、チオールである]と反応させ、それによって、末端基を、式(II−f)による構造を有するリンカー:
【0078】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示し、L、L、A、X、L、R、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]によってペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を末端基(TG)で標識するステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0079】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)i)式(G)の化合物:
【0080】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートすることによって、式(G−a)の活性化ホスホペンタチエニル基
【0081】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、官能基である]
をペプチドタグに結合させ、かつ
ii)活性化ホスホペンタチエニル基の官能基Rを式(II−g)の化合物
X−TG
式(II−g)
[式中、Xは、官能基Rと反応する基であり、この際、
Xがチオールである場合、Rは、チオール、マレイミド、もしくはハロアセトアミドであるか、または
Xがアジドである場合、Rは、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、もしくはオキサノボルナジエンであるか、または
Xがトリアリールホスフィンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがオキサノボルナジエンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルキンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルケンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがシクロオクテンである場合、Rは、ジアリールテトラジンであるか、または
Xがジアリールテトラジンである場合、Rは、シクロオクテンであるか、または
Xがモノアリールテトラジンである場合、Rは、ノルボルネンであるか、または
Xがノルボルネンである場合、Rは、モノアリールテトラジンであるか、または
Xがアルデヒドである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがケトンである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがヒドロキシルアミンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがヒドラジンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
XがNH−NH−C(=O)−である場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがハロアセトアミドである場合、Rは、チオールであるか、または
Xがマレイミドである場合、Rは、チオールである]と反応させ、それによって、末端基を、式(II−h)による構造を有するリンカー:
【0082】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示し、L、L、L、A、X、R、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]によってペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を末端基(TG)で標識するステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0083】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(H)の化合物:
【0084】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(H−a)の保護ホスホペンタチエニル基:
【0085】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R−PGは、保護官能基Rである]
をペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を末端基(TG)で標識するステップと、
(c)保護ホスホペンタチエニル基を脱保護して、ペプチドタグに結合している式(D−a)の活性化ホスホペンタチエニル基:
【0086】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは官能基である]を得るステップと、
(d)活性化ホスホペンタチエニル基の官能基Rを式(II−a)の化合物
X−L−L−L−TG
式(II−a)
[式中、Xは、官能基Rと反応する基であり、この際、
Xがチオールである場合、Rは、チオール、マレイミド、もしくはハロアセトアミドであるか、または
Xがアジドである場合、Rは、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、もしくはオキサノボルナジエンであるか、または
Xがトリアリールホスフィンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがオキサノボルナジエンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルキンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルケンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがシクロオクテンである場合、Rは、ジアリールテトラジンであるか、または
Xがジアリールテトラジンである場合、Rは、シクロオクテンであるか、または
Xがモノアリールテトラジンである場合、Rは、ノルボルネンであるか、または
Xがノルボルネンである場合、Rは、モノアリールテトラジンであるか、または
Xがアルデヒドである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがケトンである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがヒドロキシルアミンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがヒドラジンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
XがNH−NH−C(=O)−である場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがハロアセトアミドである場合、Rは、チオールであるか、または
Xがマレイミドである場合、Rは、チオールである]
と反応させ、それによって、末端基を、式(II−b)による構造を有するリンカー:
【0087】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示し、A、X、L、L、L、R、PGおよびTGは、本明細書において定義するとおりである]によってペプチドタグに結合させるステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0088】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(J)の化合物:
【0089】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(J−a)の保護ホスホペンタチエニル基:
【0090】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R−PGは、保護官能基Rである]
をペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を末端基(TG)で標識するステップと、
(c)保護ホスホペンタチエニル基を脱保護して、ペプチドタグに結合している式(E−a)の活性化ホスホペンタチエニル基:
【0091】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは官能基である]を得るステップと、
(d)活性化ホスホペンタチエニル基の官能基Rを式(II−c)の化合物
X−L−L−TG
式(II−c)
[式中、Xは、官能基Rと反応する基であり、この際、
Xがチオールである場合、Rは、チオール、マレイミド、もしくはハロアセトアミドであるか、または
Xがアジドである場合、Rは、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、もしくはオキサノボルナジエンであるか、または
Xがトリアリールホスフィンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがオキサノボルナジエンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルキンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルケンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがシクロオクテンである場合、Rは、ジアリールテトラジンであるか、または
Xがジアリールテトラジンである場合、Rは、シクロオクテンであるか、または
Xがモノアリールテトラジンである場合、Rは、ノルボルネンであるか、または
Xがノルボルネンである場合、Rは、モノアリールテトラジンであるか、または
Xがアルデヒドである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがケトンである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがヒドロキシルアミンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがヒドラジンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
XがNH−NH−C(=O)−である場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがハロアセトアミドである場合、Rは、チオールであるか、または
Xがマレイミドである場合、Rは、チオールである]
と反応させ、それによって、末端基を、式(II−d)による構造を有するリンカー:
【0092】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示し、L、A、X、L、L、R、PG、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]によってペプチドタグに結合させるステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0093】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(K)の化合物:
【0094】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(J−a)の保護ホスホペンタチエニル基:
【0095】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R−PGは、保護官能基Rである]
をペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を末端基(TG)で標識するステップと、
(c)保護ホスホペンタチエニル基を脱保護して、ペプチドタグに結合している式(F−a)の活性化ホスホペンタチエニル基:
【0096】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは官能基である]を得るステップと、
(d)活性化ホスホペンタチエニル基の官能基Rを式(II−e)の化合物
X−L−TG
式(II−e)
[式中、Xは、官能基Rと反応する基であり、この際、
Xがチオールである場合、Rは、チオール、マレイミド、もしくはハロアセトアミドであるか、または
Xがアジドである場合、Rは、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、もしくはオキサノボルナジエンであるか、または
Xがトリアリールホスフィンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがオキサノボルナジエンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルキンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルケンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがシクロオクテンである場合、Rは、ジアリールテトラジンであるか、または
Xがジアリールテトラジンである場合、Rは、シクロオクテンであるか、または
Xがモノアリールテトラジンである場合、Rは、ノルボルネンであるか、または
Xがノルボルネンである場合、Rは、モノアリールテトラジンであるか、または
Xがアルデヒドである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがケトンである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがヒドロキシルアミンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがヒドラジンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
XがNH−NH−C(=O)−である場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがハロアセトアミドである場合、Rは、チオールであるか、または
Xがマレイミドである場合、Rは、チオールである]
と反応させ、それによって、末端基を、式(II−f)による構造を有するリンカー:
【0097】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示し、L、L、A、X、L、R、PG、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]によってペプチドタグに結合させるステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0098】
本明細書において提供する別の態様は、
(a)ペプチドタグを含み、そのペプチドタグが、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(L)の化合物:
【0099】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(L−a)の保護ホスホペンタチエニル基:
【0100】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R−PGは、保護官能基Rである]
をペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を末端基(TG)で標識するステップと、
(c)保護ホスホペンタチエニル基を脱保護して、ペプチドタグに結合している式(G−a)の活性化ホスホペンタチエニル基:
【0101】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは官能基である]を得るステップと、
(d)活性化ホスホペンタチエニル基の官能基Rを式(II−g)の化合物
X−TG
式(II−g)
[式中、Xは、官能基Rと反応する基であり、この際、
Xがチオールである場合、Rは、チオール、マレイミド、もしくはハロアセトアミドであるか、または
Xがアジドである場合、Rは、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、もしくはオキサノボルナジエンであるか、または
Xがトリアリールホスフィンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがオキサノボルナジエンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルキンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがアルケンである場合、Rはアジドであるか、または
Xがシクロオクテンである場合、Rは、ジアリールテトラジンであるか、または
Xがジアリールテトラジンである場合、Rは、シクロオクテンであるか、または
Xがモノアリールテトラジンである場合、Rは、ノルボルネンであるか、または
Xがノルボルネンである場合、Rは、モノアリールテトラジンであるか、または
Xがアルデヒドである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがケトンである場合、Rは、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンもしくはNH−NH−C(=O)−であるか、または
Xがヒドロキシルアミンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがヒドラジンである場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
XがNH−NH−C(=O)−である場合、Rは、アルデヒドもしくはケトンであるか、または
Xがハロアセトアミドである場合、Rは、チオールであるか、または
Xがマレイミドである場合、Rは、チオールである]
と反応させ、それによって、末端基を、式(II−h)による構造を有するリンカー:
【0102】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、*は、ホスホパンテテイニル部分がペプチドタグに結合していることを示し、L、L、L、A、X、R、PG、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]によってペプチドタグに結合させるステップと
を含むプロセスによる免疫コンジュゲートの調製である。
【0103】
上記の調製方法のある特定の実施形態では、
は、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、−A−、
【0104】
【化53-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化53-2】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NR−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−(CHNH−、−(C(RNH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0105】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)−、−(C(R(O(C(ROC(=O)−、−(CH(O(CHC(=O)−、−(C(R(O(C(RC(=O)−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0106】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0107】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0108】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHC(=O)NH−、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0109】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
TGは、薬物部分、アフィニティープローブ、キレーター、分光学的プローブ、放射性プローブ、脂質分子、ポリエチレングリコール、ポリマー、ナノ粒子、量子ドット、リポソーム、PLGA粒子、および多糖から選択される。
【0110】
上記の調製方法の他の実施形態では、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、−A−、
【0111】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0112】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0113】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0114】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0116】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される。
【0117】
上記の調製方法の他の実施形態では、
は、結合、−A−、−A−、または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、−A−、
【0118】
【化65-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化65-2】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0119】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0120】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0121】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0122】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0123】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される。
【0124】
本明細書において提供する別の態様は、修飾抗体またはその抗体断片中のペプチドタグのセリン残基が、式(D−a)、式(E−a)、式(F−a)、または式(G−a)の構造を有する4’−ホスホパンテテイン基:
【0125】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
は、−A−または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合−A−、−A−、
【0126】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NR−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−(CHNH−、−(C(RNH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0127】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)−、−(C(R(O(C(ROC(=O)−、−(CH(O(CHC(=O)−、−(C(R(O(C(RC(=O)−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0128】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0129】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0131】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
は、チオール、マレイミド、ハロアセトアミド、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、オキサノボルナジエン、アジド、ジアリールテトラジン、ノルボルネン、モノアリールテトラジン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、NH−NH−C(=O)−、アルデヒド、またはケトンである]
とコンジュゲートしている本明細書において提供する修飾抗体または抗体断片を含むコンジュゲート抗体またはその抗体断片である。
【0132】
そのようなコンジュゲート抗体またはその抗体断片のある特定の実施形態では、4’−ホスホパンテテイン基は、
【0133】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0134】
そのようなコンジュゲート抗体またはその抗体断片のある特定の実施形態では、コンジュゲートセリンは、
【0135】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される構造を有する。
【0136】
そのようなコンジュゲート抗体またはその抗体断片の他の実施形態では、コンジュゲートセリンは、
【0137】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0138】
本明細書において提供する別の態様は、ペプチドタグのセリン残基が、修飾4’−ホスホパンテテイン基とコンジュゲートしており、そのコンジュゲートセリンが、
【0139】
【化81-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化81-2】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Lは、−A−または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合−A−、−A−、
【0140】
【化82-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化82-2】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NR−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−(CHNH−、−(C(RNH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0141】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)−、−(C(R(O(C(ROC(=O)−、−(CH(O(CHC(=O)−、−(C(R(O(C(RC(=O)−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0142】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0143】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0144】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0145】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
TGは、薬物部分、アフィニティープローブ、キレーター、分光学的プローブ、放射性プローブ、イメージング試薬、脂質分子、ポリエチレングリコール、ポリマー、ナノ粒子、量子ドット、リポソーム、PLGA粒子、多糖、アセチル基、または表面である]
から選択される構造を有する本明細書において提供する修飾抗体またはその抗体断片を含むコンジュゲート抗体またはその抗体断片である。
【0146】
そのようなコンジュゲート抗体またはその抗体断片のある特定の実施形態では、コンジュゲートセリンは、
【0147】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
である。そのようなコンジュゲート抗体またはその抗体断片では、Xは、
【0148】
【化89】
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または−(CH)C(=O)NH−である。
【0149】
本発明はまた、有効量の本発明の免疫コンジュゲートまたは薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される賦形剤、担体、または添加剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0150】
本発明は、癌などの疾患を治療する方法を提供し、この方法は、それを必要とする哺乳動物に、有効量の本発明の免疫コンジュゲートを投与することを含む。一部の実施形態では、本発明は、医薬として使用するための免疫コンジュゲートを提供する。一部の実施形態では、本発明は、癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、感染症(例えば、細菌、真菌、ウイルス)、遺伝的障害、心臓血管疾患、および/または代謝性疾患を治療するための医薬の製造における免疫コンジュゲートの使用を提供する。
【0151】
本発明は、本明細書に記載の免疫コンジュゲートを生成する方法を提供する。一実施形態では、この方法は、4’−ホスホパンテテインによって一緒に連結している抗体または抗体断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートの形成を促進する適切な条件下で、本発明の修飾抗体または抗体断片、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、およびCoAに連結した末端基をインキュベートすることを含む。具体的な実施形態では、適切な条件は、4℃〜37℃の温度およびpH6.5〜pH9.0を含む。
【0152】
本明細書に記載の免疫コンジュゲートを生成するそのような方法の別の実施形態では、この方法は、適切な条件下で、本発明の修飾抗体または抗体断片、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、およびCoAに連結している末端基またはCoA類似体に連結している末端基をインキュベートし、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を含むリンカーによって一緒に連結している抗体または抗体断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートの形成を促進することを含む。具体的な実施形態では、適切な条件は、4℃〜37℃の温度およびpH6.5〜pH9.0を含む。
【0153】
本明細書に記載の免疫コンジュゲートを生成するそのような方法の別の実施形態では、この方法は、
i)適切な条件下で、本発明の修飾抗体または抗体断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼおよびCoAまたはCoA類似体と共にインキュベートし、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を抗体または抗体断片に結合させるステップであって、4’−ホスホパンテテインおよび4’−ホスホパンテテイン類似体は官能基を含むステップと、
ii)4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を、末端基に連結していてもよい反応性基と反応させ、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を含むリンカーによって一緒に連結している抗体または抗体断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを形成するステップと
を含む。
【0154】
具体的な実施形態では、適切な条件は、4℃〜37℃の温度およびpH6.5〜pH9.0を含む。
【0155】
本明細書に記載の免疫コンジュゲートを生成するそのような方法の別の実施形態では、この方法は、
i)適切な条件下で、本発明の修飾抗体または抗体断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼおよびCoAまたはCoA類似体と共にインキュベートし、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を抗体または抗体断片に結合させるステップであって、4’−ホスホパンテテインおよび4’−ホスホパンテテイン類似体は保護官能基を含むステップと、
ii)4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体の保護官能基を脱保護するステップと、
iii)4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体の脱保護官能基を、末端基に連結していてもよい反応性基と反応させ、それによって、4’−ホスホパンテテインまたは4’−ホスホパンテテイン類似体を含むリンカーによって一緒に連結している抗体または抗体断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを形成するステップと
を含む。
【0156】
具体的な実施形態では、適切な条件は、4℃〜37℃の温度およびpH6.5〜pH9.0を含む。
【0157】
定義
用語「アルケニル」または「アルケン」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する分枝または直鎖炭化水素を指す。二重結合のまわりに配置されている原子は、シス(Z)またはトランス(E)配置である。本明細書で使用する場合、用語「C〜Cアルケニル」、「C〜Cアルケニル」、「C〜Cアルケニル」、「C〜Cアルケニル」、「C〜Cアルケニル」、「C〜Cアルケン」、「C〜Cアルケン」、「C〜Cアルケン」、「C〜Cアルケン」、および「C〜Cアルケン」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、少なくとも2個、多くて4、5、6、7、または8個の炭素原子をそれぞれ含有する分枝または直鎖炭化水素を指す。アルケニル基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、エテニル、エタン、プロペニル、プロペン、アリル(2−プロペニル)、2−プロペン、ブテニル、ペンテニル、ペンテン、ヘキセニル、ヘプテニル、ヘプテン、オクテニル、ノネニル、ノネン、デセニル、デセンなどが含まれる。別段に指定していなければ、アルケニル基は一般に、C〜Cアルケニルである。
【0158】
用語「アルキニル」または「アルキン」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する分枝または直鎖炭化水素ラジカルを指す。本明細書で使用する場合、用語「C〜Cアルキニル」、「C〜Cアルキニル」、「C〜Cアルキニル」、「C〜Cアルキニル」、および「C〜Cアルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有し、少なくとも2個、多くて4、5、6、7、または8個の炭素原子をそれぞれ含有する分枝または直鎖炭化水素ラジカルを指す。アルキニル基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなどが含まれる。別段に指定していなければ、アルキニル基は一般に、C〜Cアルキニルである。
【0159】
用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、飽和の分枝または直鎖炭化水素を指す。本明細書で使用する場合、用語「C〜Cアルキル」、「C〜Cアルキル」、「C〜Cアルキル」、「C〜Cアルキル」、「C〜Cアルキル」、または「C〜Cアルキル」は、少なくとも1個、多くて3、4、5、6、7、または8個の炭素原子をそれぞれ含有する飽和の分枝または直鎖炭化水素を指す。アルキル基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが含まれる。別段に指定していなければ、アルキル基は一般に、C〜Cアルキルである。
【0160】
用語「アルコキシ」は、本明細書で使用する場合、基−ORを指し、この際、Rは、本明細書において定義するとおりのアルキル基である。本明細書で使用する場合、用語「C〜Cアルコキシ」、「C〜Cアルコキシ」、「C〜Cアルコキシ」、「C〜Cアルコキシ」、「C〜Cアルコキシ」、および「C〜Cアルコキシ」は、アルキル部分が少なくとも1個、多くて3、4、5、6、7、または8個の炭素原子を含有するアルコキシ基を指す。アルコキシ基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシなどが含まれる。
【0161】
用語「アリール」は、本明細書で使用する場合、合計6〜14環員を有し、系中の少なくとも1個の環が芳香族である単環式、二環式、および三環式環系を指す。アリール基にはまたは、1個または複数の非芳香族炭化水素環に縮合した1個または複数の芳香環が含まれる。アリール基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、フェニル(Ph)、ナフチル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、アントラセニルなどが含まれる。アリール基は、1個または複数の置換基を含有してよく、したがって、「置換されていてもよい」。別段の指定がない限り、アリール基は、4個までの置換基を有し得る。
【0162】
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用する場合、飽和単環式、融合二環式、融合三環式、または架橋多環式環アセンブリを指す。本明細書で使用する場合、用語「C〜Cシクロアルキル」、「C〜Cシクロアルキル」、「C〜Cシクロアルキル」、「C〜Cシクロアルキル」、「C〜Cシクロアルキル」、および「C〜C10シクロアルキル」は、少なくとも3個、多くて5、6、7、8、9、または10個の炭素原子を含有する飽和単環式、縮合二環式、縮合三環式、または架橋多環式環アセンブリを指す。シクロアルキル基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、デカヒドロナフタレニルなどが含まれる。別段に指定していなければ、シクロアルキル基は一般に、C〜Cシクロアルキルである。
【0163】
用語「シクロアルケニル」または「シクロアルケン」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する単環式、縮合二環式、縮合三環式、または架橋多環式環アセンブリを指す。二重結合のまわりに配置された原子は、シス(Z)またはトランス(E)配置のいずれかである。単環式シクロアルケンは、1個または2個のアリール環に縮合していてよい。シクロアルケニル基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニルなどが含まれる。別段に指定していなければ、シクロアルケニル基は一般に、C〜Cシクロアルケニルである。
【0164】
用語「シクロアルキニル」または「シクロアルキン」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する単環式、縮合二環式、縮合三環式、または架橋多環式環アセンブリを指す。単環式シクロアルキンは、1個または2個のアリール環に縮合していてよい。シクロアルキニル基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、シクロプロピニル、シクロブチニル、シクロペンチニル、シクロヘキシニル、シクロヘプチニル、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニルなどが含まれる。別段に指定していなければ、シクロアルキニル基は一般に、C〜Cシクロアルキニルである。
【0165】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用する場合、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロ芳香族単環式環、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を環員として有し、環のうちの少なくとも1個が芳香族である8〜10員縮合二環式環、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、環のうちの少なくとも1個が芳香族である12〜14員縮合三環式環を指す。そのような縮合二環式および三環式環系は、1個または複数のアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル環に縮合していてよい。ヘテロアリール基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、2−または3−フリル;1−、2−、4−、または5−イミダゾリル;3−、4−、または5−イソチアゾリル;3−、4−、または5−イソオキサゾリル;2−、4−、または5−オキサゾリル;4−または5−1,2,3−オキサジアゾリル;2−または3−ピラジニル;1−、3−、4−、または5−ピラゾリル;3−、4−、5−または6−ピリダジニル;2−、3−、または4−ピリジル;2−、4−、5−または6−ピリミジニル;1−、2−または3−ピロリル;1−または5−テトラゾリル;2−または5−1,3,4−チアジアゾリル;2−、4−、または5−チアゾリル;2−または3−チエニル;2−、4−または6−1,3,5−トリアジニル;1−、3−または5−1,2,4−トリアゾリル;1−、4−または5−1,2,3−トリアゾリル;1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−アクリジニル;1−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、または10−ベンゾ[g]イソキノリン;2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾオキサゾリル;1−、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾイミダゾリル;2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾチアゾリル;2−、3−、4−、5−、6−、7−ベンゾ[b]チエニル;2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−ベンゾ[b]オキセピン;2−、4−、5−、6−、7−、または8−ベンゾオキサジニル;1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8、または9−カルバゾリル;3−、4−、5−、6−、7−、または8−シンノリニル;2−、4−、または5−4H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル;2−、3−、5−、または6−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル;2−、3−、6−、または7−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル;1−、3−、4−、5−、6−、または7−インダゾリル;1−、2−、3−、5−、6−、7−、または8−インドリジニル;1−、2−、3−、4−、5−、6−、または7−インドリル;1−、2−、3−、4−、5−、6−、または7−イソインドリル;1−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−イソキノリイル;2−、3−、4−、5−、6−、または7−ナフチリジニル;1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−ペリミジニル;1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェナントリジニル;1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、または10−フェナトロリニル;1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、または9−フェナジニル;1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェノチアジニル;1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェノキサジニル;1−、4−、5−、6−、7−、または8−フタラジニル;2−、4−、6−、または7−プテリジニル;2−、6−、7−、または8−プリニル;2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、または11−7H−ピラジノ[2,3−c]カルバゾリル;2−、3−、5−、6−、または7−フロ[3,2−b]−ピラニル;1−、3−、または5−1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル;2−、3−、5−、または8−ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル;1−、2−、3−、4−、5−、または8−5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル;1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、または9−キノリジニル;2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−キノリニル;2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−キナゾリニル;2−、3−、4−、または5−チエノ[2,3−b]フラニル、および1−、3−、6−、7−、8−、または9−フロ[3,4−c]シンノリニルが含まれる。
【0166】
用語「ヘテロ原子」は、本明細書で使用する場合、窒素(N)、酸素(O)、または硫黄(S)原子を指す。
【0167】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書で使用する場合、炭化水素環構造の環炭素のうちの1〜4個が−O−、−NR−、および−S−から独立に選択される1〜4個の基によって置き換えられていて、この際、Rが水素、C〜Cアルキル、またはアミノ保護基である飽和3〜8員単環式炭化水素環構造、飽和6〜9員縮合二環式炭化水素環構造、または飽和10〜14員縮合三環式炭化水素環構造を指す。ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例には、本明細書で使用する場合、アジリジニル、アジリジン−1−イル、アジリジン−2−イル、アジリジン−3−イル、オキシラニル、オキシラン−2−イル、オキシラン−3−イル、チイラニル、チイラン−2−イル、チイラン−3−イル、アゼタジニル、アゼタジン−1−イル、アゼタジン−2−イル、アゼタジン−3−イル、オキセタニル、オキセタン−2−イル、オキセタン−3−イル、オキセタン−4−イル、チエタニル、チエタン−2−イル、チエタン−3−イル、チエタン−4−イル、ピロリジニル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリジン−4−イル、ピロリジン−5−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロフラン−4−イル、テトラヒドロフラン−5−イル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、テトラヒドロチエン−4−イル、テトラヒドロチエン−5−イル、ピペリジニル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペリジン−5−イル、ピペリジン−6−イル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロピラン−5−イル、テトラヒドロピラン−6−イル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、テトラヒドロチオピラン−3−イル、テトラヒドロチオピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−5−イル、テトラヒドロチオピラン−6−イル、ピペラジニル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、ピペラジン−4−イル、ピペラジン−5−イル、ピペラジン−6−イル、モルホリニル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、モルホリン−4−イル、モルホリン−5−イル、モルホリン−6−イル、チオモルホリニル、チオモルホリン−2−イル、チオモルホリン−3−イル、チオモルホリン−4−イル、チオモルホリン−5−イル、チオモルホリン−6−イル、オキサチアニル、オキサチアン−2−イル、オキサチアン−3−イル、オキサチアン−5−イル、オキサチアン−6−イル、ジチアニル、ジチアン−2−イル、ジチアン−3−イル、ジチアン−5−イル、ジチアン−6−イル、アゼパニル、アゼパン−1−イル、アゼパン−2−イル、アゼパン−3−イル、アゼパン−4−イル、アゼパン−5−イル、アゼパン−6−イル、アゼパン−7−イル、オキセパニル、オキセパン−2−イル、オキセパン−3−イル、オキセパン−4−イル、オキセパン−5−イル、オキセパン−6−イル、オキセパン−7−イル、チエパニル、チエパン−2−イル、チエパン−3−イル、チエパン−4−イル、チエパン−5−イル、チエパン−6−イル、チエパン−7−イル、ジオキソラニル、ジオキソラン−2−イル、ジオキソラン−4−イル、ジオキソラン−5−イル、チオキサニル、チオキサン−2−イル、チオキサン−3−イル、チオキサン−4−イル、チオキサン−5−イル、ジチオラニル、ジチオラン−2−イル、ジチオラン−4−イル、ジチオラン−5−イル、ピロリニル、ピロリン−1−イル、ピロリン−2−イル、ピロリン−3−イル、ピロリン−4−イル、ピロリン−5−イル、イミダゾリニル、イミダゾリン−1−イル、イミダゾリン−3−イル、イミダゾリン−4−イル、イミダゾリン−5−イル、イミダゾリジニル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−3−イル、イミダゾリジン−4−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピラゾリニル、ピラゾリン−1−イル、ピラゾリン−3−イル、ピラゾリン−4−イル、ピラゾリン−5−イル、ピラゾリジニル、ピラゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−2−イル、ピラゾリジン−3−イル、ピラゾリジン−4−イル、ピラゾリジン−5−イル、ヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピニル、ジヒドロフラニルジヒドロピラニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、ピロリジニル−2−オン、ピペリジニル−3−オン ピペリジニル−2−オン、ピペリジニル−4−オン、および2H−ピロリルが含まれる。
【0168】
用語「置換されていてもよい」は、本明細書で使用する場合、言及している基が、非置換の基の1個または複数の水素原子の代わりに1個または複数の追加の基(複数可)で置換されていても、置換されていなくてもよいことを意味する。存在してよいそのような基の個数は、1個から非置換の基上の水素原子の個数までの範囲である。任意選択の置換基は、別段の指定がない限り、個々に、かつ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、メルカプチル、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルフルオロアルキル、ならびに一置換および二置換アミノ基を含めたアミノ、ならびにそれらの保護誘導体から選択される。任意選択の置換基の非限定的な例には、ハロ(特にF、ClおよびBr)、−CN、−OR、−R、−NO、−C(=O)R、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−OC(=O)NHR、−C(=O)N(R)、−SR−、−S(=O)R、−S(=O)R、−NHR、−N(R)、−NHC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRC(S)R、NHC(=O)OR、−NRCOR、−NRC(=O)N(R)、−NRC(S)N(R)、−NRNRC(=O)R、−NRNRC(=O)N(R)、−NRNRCOR、−C(=O)NH−、S(=O)NHR、−S(=O)N(R)、−NHS(=O)、−NHS(=O)R、−C(=O)C(=O)R、−C(=O)CHC(=O)R、−C(S)R、−C(=O)N(R)、−C(S)N(R)、−OC(=O)N(R)、−C(O)N(OR)R、−C(NOR)R、−S(=O)R、−NRSON(R)、−NRSOR、−N(OR)R、−C(=NH)−N(R)、−P(=O)R、−PO(R)、−OPO(R)、−(CH0−2NHC(=O)R、Rで置換されていてもよいフェニル(Ph)、Rで置換されていてもよい−O(Ph)、Rで置換されていてもよい−(CH1〜2(Ph)、Rで置換されていてもよい−CH=CH(Ph)、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロ置換C〜Cアルキル、ハロ置換C〜Cアルコキシが包含され、この際、各Rは独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、ハロ置換のC〜Cアルキル、ハロ置換のC〜Cアルコキシから選択され、かつ同じ原子か、または隣接する接続原子上の2個のR基は、一緒になって、追加のN、O、またはSを環員として含有してもよい5〜6員環を形成していてよい。アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキル基に適した置換基にはさらに、=CHR、=O(オキソ)、および=N−Rが含まれ得る。アリールまたはヘテロアリール基に好ましい置換基は、F、Cl、Br、CN、−NR’、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、−COOR’、−CONR’、−SR’、および−SOR’から選択され、この際、各R’は、HまたはC〜Cアルキルである。アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル基に好ましい置換基は、オキソ(=O)、F、Cl、Br、CN、−NR’、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、−COOR’、−CONR’、−SR’、および−SOR’から選択され、この際、各R’は、HまたはC〜Cアルキルである。
【0169】
用語「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸、合成アミノ酸、および非天然アミノ酸、さらには、天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物質を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによってコードされるもの、さらには、後で修飾されたアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタマート、およびO−ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合しているα−炭素を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。そのような類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド主鎖を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。アミノ酸模倣物質は、アミノ酸の一般化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様に機能する化学化合物を指す。
【0170】
用語「非天然アミノ酸」は、本明細書で使用する場合、同じか、異なるかに関わらず、いずれの生体からの非修飾または修飾遺伝子を使用しても、いずれの生体においても生合成で産生され得ないアミノ酸構造を表すことが意図されている。加えて、そのような「非天然アミノ酸」は、タンパク質への組み込みには、修飾tRNAおよび修飾tRNAシンテターゼ(RS)を必要とすることは理解される。これらの「選択された」直交性tRNA/RS対は、非天然アミノ酸に特異的であり、Schultzらによって開発されたとおりの選択プロセス(例えば、Liuら、Annu. Rev. Biochem. 79:413〜444, 2010を参照されたい)または同様の手順によって生成される。用語「非天然アミノ酸」には、天然に存在する第22番目のタンパク新生アミノ酸ピロリシン(Pyl)、さらには、その脱メチル化類似体ピロリン−カルボキシ−リシン(Pcl)は含まれない。それというのも、タンパク質への両方の残基の組み込みは、非修飾の天然に存在するピロリシル−tRNA/tRNAシンテターゼ対によって媒介されるためである(例えば、Ouら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 108:10437〜10442、2011を参照されたい)。
【0171】
用語「抗体」は、本明細書で使用する場合、対応する抗原に非共有で、可逆的に、かつ特異的に結合することが可能な免疫グロブリンファミリーのポリペプチドを指す。例えば、天然に存在するIgG抗体は、ジスルフィド結合によって相互接続されている少なくとも2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖を含むテトラマーである。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVと略記)および重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVと略記)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1個のドメインCからなる。VおよびV領域は、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存されている領域に散在している、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域にさらに細分され得る。各VおよびVは、アミノ末端からカルボキシ末端へと次の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4で配置されている3つのCDRおよび4つのFRからなる。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫グロブリンと、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的相補系の第1成分(Clq)を含めた宿主組織または因子との結合を媒介することができる。
【0172】
用語「抗体」には、これらだけに限定されないが、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ抗体、キメラ抗体、および抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体を含む)が含まれる。抗体は、任意のアイソタイプ/クラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)であってよい。
【0173】
軽鎖および重鎖は両方とも、構造的相同性および機能的相同性の領域に区分される。用語「定常」および「可変」は、機能について使用されている。この点について、軽(V)鎖および重(V)鎖部分の両方の可変ドメインが、抗原認識および特異性を決定していることは分かるであろう。逆に、軽鎖(C)および重鎖(CH1、CH2、またはCH3)の定常ドメインは、分泌、経胎盤移動性、Fc受容体結合、相補性結合などの重要な生物学的特性をもたらしている。慣例では、抗原結合部位または抗体のアミノ末端からより遠位になるほど、定常領域ドメインのナンバリングは大きくなる。N末端は可変領域であり、C末端は定常領域であり、CH3およびCドメインは実際に、それぞれ重鎖および軽鎖のカルボキシ末端ドメインを含む。
【0174】
用語「抗体断片」は、本明細書で使用する場合、抗体の抗原結合断片または抗体の非抗原結合断片(例えば、Fc)を指す。用語「抗原結合断片」は、本明細書で使用する場合、抗原のエピトープと特異的に相互作用する能力(例えば、結合、立体障害、安定化/不安定化、空間分布によって)を保持している抗体の1つまたは複数の部分を指す。結合断片の例には、これらだけに限定されないが、単鎖Fv(scFv)、ジスルフィド連結Fv(sdFv)、Fab断片、F(ab’)断片、V、V、C、およびCH1ドメインからなる一価断片;F(ab)断片、ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結した2個のFab断片を含む二価断片;VおよびCH1ドメインからなるFd断片;抗体の単一アームのVおよびVドメインからなるFv断片;VドメインからなるdAb断片(Wardら、Nature 341:544〜546、1989);ならびに単離相補性決定領域(CDR)、または抗体の他のエピトープ結合断片が含まれる。
【0175】
さらに、Fv断片、V、およびVの2個のドメインは別々の遺伝子によってコードされるが、それらを、組換え法を使用して、VおよびV領域対が一価分子を形成している単一タンパク質鎖としてそれらが作製されることを可能にする合成リンカーによって、一緒にすることができる(単鎖Fv(「scFv」)として公知;例えば、Birdら、Science 242:423〜426、1988;およびHustonら、Proc. Natl. Acad. Sci. 85:5879〜5883、1988を参照されたい)。そのような単鎖抗体はまた、用語「抗原結合断片」の範囲内に内包されることが意図されている。これらの抗原結合断片は、当業者に知られている従来の技法を使用して得られ、断片は、無損傷抗体と同じように有用性についてスクリーニングされる。
【0176】
抗原結合断片はまた、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、ナノボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v−NAR、およびビス−scFvに組み込むことができる(例えば、HollingerおよびHudson、Nature Biotechnology 23:1126〜1136、2005を参照されたい)。抗原結合断片は、フィブロネクチンIII型(Fn3)などのポリペプチドをベースとする骨格にグラフトすることができる(フィブロネクチンポリペプチドモノボディについて記載している米国特許第6,703,199号を参照されたい)。
【0177】
抗原結合断片は、相補性軽鎖ポリペプチドと一緒に、抗原結合領域の対を形成しているタンデムFvセグメント(V−CH1−V−CH1)の対を含む単鎖分子に組み込むことができる(Zapataら、Protein Eng. 8:1057〜1062、1995;および米国特許第5,641,870号)。
【0178】
用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、本明細書で使用する場合、実質的に同一のアミノ酸配列を有するか、または同じ遺伝源に由来する抗体および抗体断片を含めたポリペプチドを指す。この用語にはまた、単一分子組成の抗体分子の製剤も含まれる。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープについての単一結合特異性およびアフィニティーを示す。
【0179】
用語「ヒト抗体」には、本明細書で使用する場合、フレームワーク領域およびCDR領域の両方がヒト由来の配列に由来する可変領域を有する抗体が含まれる。さらに、抗体が定常領域を含有する場合、定常領域はまた、そのようなヒト配列、例えば、ヒト生殖細胞系配列もしくはヒト生殖細胞系配列の変異バージョン、または例えば、Knappikら、J. Mol. Biol. 296:57〜86、2000に記載されているとおりのヒトフレームワーク配列分析に由来するコンセンサスフレームワーク配列を含有する抗体に由来する。
【0180】
本発明のヒト抗体は、ヒト配列によってコードされないアミノ酸残基を含んでよい(例えば、インビトロでの無作為もしくは部位特異的変異誘発によって、またはインビボでの体細胞変異によって導入された変異、あるいは安定性または製造を促進するための保存的置換)。
【0181】
用語「ヒト化」抗体は、本明細書で使用する場合、ヒトにおける免疫原性は低いが、非ヒト抗体の反応性を保持している抗体を指す。これは、例えば、非ヒトCDR領域を保持し、かつ抗体の残りの部分をそのヒト対応部分で置き換えることによって、達成することができる。例えば、Morrisonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、81:6851〜6855 (1984); MorrisonおよびOi、Adv. Immunol.、44:65〜92 (1988); Verhoeyenら、Science、239:1534〜1536 (1988); Padlan、Molec. Immun.、28:489〜498 (1991);Padlan、Molec. Immun.、31(3):169〜217 (1994)を参照されたい。
【0182】
用語「認識する」は、本明細書で使用する場合、エピトープが直鎖または配座異性であるかに関わらず、そのエピトープを見出し、それと相互作用(例えば、結合)する抗体またはその抗原結合性断片を指す。用語「エピトープ」は、本発明の抗体または抗原結合性断片が特異的に結合する抗原上の部位を指す。エピトープは、連続アミノ酸、またはタンパク質の三次折りたたみにより近接して並ぶ不連続アミノ酸の両方から形成され得る。連続アミノ酸から形成されるエピトープは典型的には、変性溶媒に曝露しても保持されるのに対して、三次元折りたたみにより形成されるエピトープは典型的には、変性溶媒での処理によって失われる。エピトープは典型的には、独特の空間立体構造内に少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15アミノ酸を含む。エピトープの空間立体構造を決定する方法には当技術分野の技法、例えば、X線結晶学および二次元核磁気共鳴が含まれる(例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology、Vol. 66、G. E. Morris編(1996)を参照されたい)。
【0183】
用語「アフィニティー」は、本明細書で使用する場合、単一抗原部位における抗体と抗原との相互作用の強度を指す。各抗原部位内において、抗体の可変領域「アーム」は、弱い非共有結合力を介して、抗原と多数の部位において相互作用し;相互作用が強いほど、アフィニティーは強い。
【0184】
用語「単離抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す。しかしながら、1種の抗原に特異的に結合する単離抗体は、交差反応性を他の抗原に対して有することがある。さらに、単離抗体は、他の細胞物質および/または薬品を実質的に含まなくてよい。
【0185】
用語「保存的に修飾されたバリアント」は、アミノ酸および核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関しては、保存的に修飾されたバリアントは、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を、またはアミノ酸配列をコードしない場合、本質的に同一の配列を指す。遺伝コードの縮重によって、多数の機能的に同一の核酸が、任意の所与のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCG、およびGCUはすべて、アミノ酸アラニンをコードする。したがって、コドンによってアラニンが指定されるどの位置でも、コードされるポリペプチドを変更することなく、コドンを、記載した対応するコドンのいずれかに変更することができる。そのような核酸の変形は、「サイレントバリエーション(silent variations)」であり、保存的に修飾された変形の1種である。ポリペプチドをコードする本明細書に記載のいずれの核酸配列も、可能性のあるすべての核酸のサイレントバリエーションを記載している。当業者であれば、核酸中の各コドン(ただし、通常はメチオニンのための唯一のコドンであるAUG、および通常はトリプトファンのための唯一のコドンであるTGGは除外する)を、機能的に同一の分子が得られるように修飾することができることは分かるであろう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレントバリエーションが、記載した各配列において暗に示されている。
【0186】
ポリペプチド配列については、「保存的に修飾されたバリアント」には、化学的に同様のアミノ酸でのアミノ酸の置換が結果として生じるポリペプチド配列に対する個々の置換、欠失、または付加が含まれる。機能的に同様のアミノ酸をもたらす保存的置換の表は、当技術分野で周知である。そのような保存的に修飾されたバリアントは、多形バリアント、種間相同体、および本発明の対立遺伝子に対する追加であって、それらを排除するものではない。次の8つの群は、互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する:1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リシン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、トレオニン(T);および8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton, Proteins (1984)を参照されたい)。一部の実施形態では、用語「保存的配列修飾」は、そのアミノ酸配列を含有する抗体の結合特性に有意な影響を及ぼさないか、またはそれを変更しないアミノ酸修飾を指すために使用されている。
【0187】
用語「最適化」は、本明細書で使用する場合、ヌクレオチド配列が、産生細胞または生体、一般に真核細胞、例えば、酵母細胞、ピチア(Pichia)細胞、真菌細胞、トリコデルマ(Trichoderma)細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、またはヒト細胞において好ましいコドンを使用して、アミノ酸配列をコードするように変更されていることを指す。最適化ヌクレオチド配列は、「親」配列としても知られている出発ヌクレオチド配列によって本来コードされるアミノ酸配列を完全に、または可能な限り多く、保持するように操作されている。
【0188】
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における用語「パーセント同一」または「パーセント同一性」は、同じである2種以上の配列または部分配列を指す。下記の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、または手動アラインメントおよび目視検査によって測定して、比較ウィンドウまたは指定された領域にわたって最大限一致するように比較し、アラインさせた場合に、2つの配列が同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドの指定パーセンテージ(すなわち、指定の領域にわたって、または指定されていない場合には、配列全体にわたって60%同一性、任意選択により65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一性)を有する場合に、その2つの配列は「実質的に同一」である。任意選択により、同一性は、少なくとも約50ヌクレオチド(または10アミノ酸)長である領域にわたって、またはより好ましくは、100〜500または1000以上のヌクレオチド(または20、50、200以上のアミノ酸)長である領域にわたって存在する。
【0189】
配列比較では典型的には、1つの配列が基準配列として機能し、その基準配列に対して試験配列を比較する。配列比較アルゴリズムを使用する場合には、試験および基準配列をコンピュータに入力し、必要であればサブ配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。デフォルトプログラムパラメータを使用することができるか、または代替パラメータを指定することができる。次いで、配列比較アルゴリズムが、プロプラムパラメータに基づいて、基準配列に対する試験配列のパーセント配列同一性を計算する。
【0190】
「比較ウィンドウ」は、本明細書で使用する場合、20〜600、一般的には約50〜約200、より一般的には約100〜約150からなる群から選択される数の連続した位置のうちの任意の1つのセグメントに対する基準を含み、この際、配列を、2つの配列を最適にアラインさせた後に、同一数の連続した位置の基準配列と比較することができる。比較のための配列のアラインメント方法は、当技術分野で周知である。比較のための配列の最適なアラインメントは、例えば、SmithおよびWaterman、Adv. Appl. Math. 2:482c (1970)の局所的相同性アルゴリズムにより、NeedlemanおよびWunsch、J. Mol. Biol. 48:443 (1970)の相同性アラインメントアルゴリズムにより、PearsonおよびLipman、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似度検索により、これらのアルゴリズムのコンピュータ処理による実行(the Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)により、または手動アラインメントおよび目視検査(Brentら、Current Protocols in Molecular Biology, 2003を参照されたい)により、行うことができる。
【0191】
パーセント配列同一性および配列類似性を決定するために適したアルゴリズムの2つの例は、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらは、Altschulら、Nuc. Acids Res. 25:3389〜3402、1977;およびAltschulら、J. Mol. Biol. 215:403〜410、1990にそれぞれ記載されている。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを介して公的に利用可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列中の同じ長さのワードとアラインさせた場合に、一部の正の値の閾値スコアTにマッチまたは適合するクエリー配列中の長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列対(high scoring sequence pairs;HSP)を同定することを伴う。Tは、隣接ワードスコア閾値と称される(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含むさらに長いHSPを発見する検索を開始するためのシード配列として機能する。このワードヒットは、累積アラインメントスコアが上昇し得る限り、各配列に沿って両方向に延長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(一対のマッチ残基のリワードスコア(reward score);常に>0)およびN(ミスマッチ残基のペナルティースコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列については、累積スコアを計算するためにスコアリングマトリックスが使用される。累積アラインメントスコアが、その達成される最大値から量Xだけ減少した時に;1つもしくは複数の負のスコアの残基アラインメントの蓄積のために、累積スコアが0以下になった時に;またはいずれかの配列の末端に到達した時に、各方向でのワードヒットの延長は止まる。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、およびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列では)は、デフォルトとして、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列では、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、3のワード長、および10の期待値(E)を使用し、BLOSUM62スコアリングマトリックス(HenikoffおよびHenikoff、(1989)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915を参照されたい)は、50のアラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、および両鎖の比較を使用する。
【0192】
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計的解析も行う(例えば、KarlinおよびAltschul、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873〜5787、1993を参照されたい)。BLASTアルゴリズムが提供する類似性の尺度の1つは、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間での一致が偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、試験核酸を基準核酸と比較して、最小合計確率が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満であると、核酸は基準配列に類似するとみなされる。
【0193】
2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれていて、PAM120重量残基表、12のギャップ長ペナルティー、および4のギャップペナルティーを用いるE. MeyersおよびW. Miller、Comput. Appl. Biosci. 4:11〜17、1988)のアルゴリズムを使用して決定することもできる。加えて、2つのアミノ酸配列の間でのパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラム(www.gcg.comで入手可能)に組み込まれていて、Blossom62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれかならびに16、14、12、10、8、6、または4のギャップの重みおよび1、2、3、4、5、または6の長さの重みを使用するNeedlemanおよびWunsch、J. Mol. Biol. 48:444〜453、1970)のアルゴリズムを使用して決定することができる。
【0194】
上述の配列同一性のパーセンテージ以外に、2つの核酸配列またはポリペプチドが実質的に同一であるという別の指標は、第1の核酸によってコードされるポリペプチドが、以下に記載するとおり、第2の核酸によってコードされるポリペプチドに対する抗体と免疫学的に交差反応性であることである。したがって、例えば、2つのペプチドが、保存的置換によってのみ異なる場合には、ポリペプチドは典型的には、第2のポリペプチドと実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、2つの分子またはそれらの補体が、下記に記載するとおりのストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。2つの核酸配列が実質的に同一であるというさらに別の指標は、同じプライマーを使用して、配列を増幅することができることである。
【0195】
用語「核酸」は、本明細書では、用語「ポリヌクレオチド」と互換的に使用されており、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、または一本鎖型もしくは二本鎖型のそれらのポリマーを指す。この用語は、基準核酸と同様の結合特性を有し、基準ヌクレオチドと同様に代謝される合成、天然に存在する、および天然に存在しない既知のヌクレオチド類似体または修飾主鎖残基もしくは連結を含有する核酸を内包する。そのような類似体の例には、限定ではないが、ホスホロチオアート、ホスホロアミダート、メチルホスホナート、キラル−メチルホスホナート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)が含まれる。
【0196】
別段に示さない限り、特定の核酸配列はまた、その保存的に修飾されたバリアント(例えば、変質コドン置換体)および相補的配列、さらには明示された配列を暗に内包する。具体的には、下記で詳述するとおり、変質コドン置換体は、1つまたは複数の選択された(またはすべての)コドンの第3位が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基と置換されている配列を生成することによって達成され得る(Batzerら、(1991) Nucleic Acid Res. 19:5081; Ohtsukaら、(1985) J. Biol. Chem. 260:2605〜2608;およびRossoliniら、(1994) Mol. Cell. Probes 8:91〜98)。
【0197】
核酸の文脈における用語「作動可能に連結している」は、2つ以上のポリヌクレオチド(例えば、DNA)セグメント間の機能的関係性を指す。典型的には、これは、転写調節配列と転写配列との機能的関係性を指す。例えば、適切な宿主細胞または他の発現系においてコード配列の転写を刺激またはモジュレートするならば、プロモーターまたはエンハンサー配列は、コード配列に実施可能に連結している。一般に、転写配列に実施可能に連結しているプロモーター転写調節配列は、転写配列に物理的に連続している、すなわち、それらはシス作用性である。しかしながら、エンハンサーなどの一部の転写調節配列は、物理的に連続していること、または転写を増強するコード配列に近接して設置されていることを必要としない。
【0198】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書では互換的に使用される。これらの用語は、1個または複数のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工化学的模倣物質であるアミノ酸ポリマー、さらには、天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに当てはまる。別段に示さない限り、特定のポリペプチド配列は、その保存的に修飾されたバリアントも暗に内包する。
【0199】
用語「免疫コンジュゲート」または「抗体コンジュゲート」は、本明細書で使用する場合、抗体またはその抗体断片と、化学療法薬、毒素、免疫治療薬、イメージングプローブ、分光学的プローブなどの別の薬剤との連結を指す。連結は、共有結合、または静電力を介するような非共有相互作用であってよい。免疫コンジュゲートを形成するために、当技術分野で公知の様々なリンカーを使用することができる。加えて、免疫コンジュゲートを、免疫コンジュゲートをコードするポリヌクレオチドから発現され得る融合タンパク質の形態で提供することができる。本明細書で使用する場合、「融合タンパク質」は、別々のタンパク質(ペプチドおよびポリペプチドを含む)を本来はコードする2つ以上の遺伝子または遺伝子断片をつなぐことによって創製されるタンパク質を指す。融合遺伝子の翻訳の結果として、本来のタンパク質それぞれに由来する機能特性を有する単一のタンパク質が生じる。
【0200】
用語「対象」には、ヒトおよび非ヒト動物が含まれる。非ヒト動物には、すべての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、および爬虫類などの哺乳動物および非哺乳動物が含まれる。示されている場合を除いて、用語「患者」または「対象」は、本明細書では互換的に使用される。
【0201】
用語「細胞毒」または「細胞傷害性薬」は、本明細書で使用する場合、細胞の成長および増殖に有害であり、細胞または悪性疾患を低減、阻害、または破壊するように作用し得る任意の薬剤を指す。
【0202】
用語「抗癌薬」は、本明細書で使用する場合、これらだけに限定されないが、細胞傷害性薬、化学療法薬、放射線療法および放射線治療薬、標的化抗癌薬、ならびに免疫治療薬を含めた、癌などの細胞増殖性障害を治療するために使用することができる任意の薬剤を指す。
【0203】
用語「末端基(TG)」は、本明細書で使用する場合、本発明の抗体または抗体断片とコンジュゲートする化学的部分または表面を指す。例えば、末端基は、抗癌薬、抗炎症薬、抗真菌薬、抗菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、麻酔薬から選択される薬物部分であってよい。ある特定の実施形態では、薬物部分は、V−ATPアーゼ阻害薬、HSP90阻害薬、IAP阻害薬、mTor阻害薬、微小管安定薬、微小管不安定化薬、オーリスタチン、ドラスタチン、マイタンシノイド、MetAP(メチオニンアミノペプチダーゼ)、タンパク質CRM1の核外輸送の阻害薬、DPPIV阻害薬、ミトコンドリアにおけるホスホリル転移反応の阻害薬、タンパク質合成阻害薬、キナーゼ阻害薬、CDK2阻害薬、CDK9阻害薬、プロテアソーム阻害薬、RNポリメラーゼ阻害薬、Eg5阻害薬、HDAC阻害薬、DNA損傷薬、DNAアルキル化薬、DNAインターカレーター、DNA小溝結合薬、およびDHFR阻害薬から選択される。適切な例には、MMAEおよびMMAFなどのオーリスタチン;ガンマ−カリチアマイシンなどのカリチアマイシン;ならびにDM1およびDM4などのマイタンシノイドが含まれる。これらのそれぞれを、本発明の抗体および方法と適合性のリンカーと結合させるための方法は、当技術分野で公知である。例えば、Singhら、Therapeutic Antibodies: Methods and Protocols、vol. 525、445〜457 (2009)を参照されたい。加えて、末端基は、生物物理学的プローブ、フルオロフォア、スピン標識、赤外プローブ、アフィニティープローブ、キレーター、分光学的プローブ、放射性プローブ、脂質分子、ポリエチレングリコール、ポリマー、スピン標識、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、表面、抗体、抗体断片、ナノ粒子、量子ドット、リポソーム、PLGA粒子、または多糖であってよい。末端基が表面である実施形態では、そのような固体支持体には、これらだけに限定されないが、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンが含まれる。
【0204】
「腫瘍」は、悪性または良性に関わらず、新生細胞の成長および増殖、ならびにすべての前癌性および癌性の細胞および組織を指す。
【0205】
用語「抗腫瘍活性」は、腫瘍細胞の増殖速度、生存力、または転移活性を低減することを意味する。抗腫瘍活性を示す可能な方法は、療法の間に起きる異常な細胞の成長速度の下落または腫瘍サイズ安定性もしくは縮小を示すことである。そのような活性は、これらだけに限定されないが、異種移植モデル、同種移植モデル、MMTVモデル、および抗腫瘍活性を調査するために当技術分野で公知の他の公知のモデルを含めた認められているインビトロまたはインビボ腫瘍モデルを使用して評価することができる。
【0206】
用語「悪性疾患」は、非良性腫瘍または癌を指す。本明細書で使用する場合、用語「癌」には、調節解除されているか、または制御から逸脱した細胞成長によって特徴付けられる悪性疾患が含まれる。例示的な癌には、癌腫、肉腫、白血病、およびリンパ腫が含まれる。
【0207】
用語「癌」には、原発性悪性腫瘍(例えば、その細胞が、元の腫瘍の部位以外の対象の身体部位へと移動していないもの)および続発性悪性腫瘍(例えば、元の腫瘍の部位とは異なる二次的部位へと腫瘍細胞が転移、遊走することから生じるもの)が含まれる。
【0208】
ペプチドタグを抗体に挿入する文脈における用語「挿入」は、ペプチドタグを抗体の2個の特定の残基間に組み込むことを意味する。抗体残基の総数は、挿入されたタグ残基の数だけ増加する。
【0209】
ペプチドタグを抗体に組み込む文脈における用語「グラフトすること」は、変異誘発によって抗体にペプチドタグを組み込むことを指す。例えば、非CDRループ内の短いアミノ酸残基ストレッチを、ペプチド配列によって置換する。この場合、抗体の残基の総数は変わらないままである。一部の実施形態では、用語「グラフトすること」はまた、ペプチドタグ残基の置換および挿入の組合せを内包する。例えば、ペプチドタグの一部を、構造的ループ残基の置換によって組み込む一方で、残りの部分は、非CDRループの特定の残基間に挿入する。IgG抗体の残基の総数は、タグ残基の数未満の数だけ増加する。
【図面の簡単な説明】
【0210】
図1】ADCの4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)媒介性生成の模式図である。
図2-1】翻訳後4’−ホスホパンテテイニル化によって部位特異的抗体標識用のペプチドタグを含有するIgG1構築物の設計である。(A)IgG1構築物は、V、CH1、およびCH3ドメインにペプチドタグ(下線付き)を含有する。(B)IgG1構築物は、CH3、V、およびCドメインにペプチドタグ(下線付き)を含有する。成功裏にクローニングされた設計構築物は、左側の欄にプラス(+)の印でマーキングされている。不成功のクローニングは、マイナス(−)の印で示されている。成功裏にクローニングされた構築物は、非エクスプレッサー(−)およびエクスプレッサー(+)(中央の欄)として分類されている。CoA−MC−MMAF基質(アセチルCoA基質を配列番号28、105、118、120、123、および126のために使用した)が存在する状態で、何らかの検出可能なSfp触媒産物形成を示さないエクスプレッサーは、右の欄にマイナス(−)印でマーキングされている。個々のMC−MMAF ADCの非常に低いが、検出可能な形成は、プラス(+)の印で示されている。有意により効率的ではあるが、非定量的なMC−MMAF ADC形成は、二重のプラス(++)の印で示されている。定量的に生成された、2個の末端基(TG)を有するMC−MMAFは、三重のプラス(+++)の等級で分類されている(HPLC分析による)。図2(A)および図2(B)に開示されている残基位置は、各配列についてのEuナンバリングシステムによる対応する配列番号の指示「残基」である。図2(A)は、それぞれすべて、出現順に、配列番号1130の残基1〜68、配列番号94の残基1〜80、配列番号95の残基1〜79、配列番号96の残基1〜80、配列番号1130の残基1〜72、配列番号99の残基1〜80、配列番号97の残基1〜79、配列番号98の残基1〜77、配列番号1130の残基122〜198、配列番号100の残基1〜77、配列番号102の残基1〜77、配列番号101の残基1〜77、配列番号105の残基1〜77、配列番号107の残基1〜77、配列番号1130の残基122〜190、配列番号108の残基1〜76、配列番号103の残基1〜75、配列番号106の残基1〜74、配列番号1130の残基164〜231、配列番号118の残基43〜115、配列番号110の残基43〜115、配列番号113の残基43〜114、配列番号1130の残基164〜240、配列番号119の残基43〜119、配列番号109の残基43〜119、配列番号112の残基43〜119、配列番号111の残基43〜119、配列番号114の残基43〜119、配列番号115の残基43〜119、配列番号116の残基43〜119、配列番号117の残基43〜119、配列番号1130の残基324〜400、配列番号123の残基203〜279、および配列番号120の残基203〜279を開示している。図2(B)は、それぞれすべて、出現順に、配列番号1130の残基324〜388、配列番号122の残基203〜278、配列番号121の残基203〜279、配列番号1130の残基373〜449、配列番号124の残基252〜328、配列番号125の残基252〜328、配列番号135の残基252〜328、配列番号137の残基252〜328、配列番号138の残基252〜328、配列番号1130の残基373〜444、配列番号134の残基252〜328、配列番号1130の残基390〜449、配列番号127の残基269〜340、配列番号126の残基269〜335、配列番号129の残基269〜339、配列番号131の残基269〜337、配列番号130の残基269〜338、配列番号132の残基269〜340、配列番号136の残基269〜340、配列番号1130の残基383〜449、配列番号140の残基262〜341、配列番号139の残基262〜340、配列番号141の残基262〜340、配列番号1131の残基1〜68、配列番号26の残基1〜80、配列番号27の残基1〜79、配列番号1131の残基76〜152、配列番号30の残基76〜160、配列番号1131の残基150〜214、配列番号29の残基42〜117、および配列番号28の残基42〜118を開示している。
図2-2】(図2−1の続き)
図2-3】(図2−2の続き)
図2-4】(図2−3の続き)
図2-5】(図2−4の続き)
図2-6】(図2−5の続き)
図3】(A)Igγ1重鎖のCH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、およびヒンジ領域の配列(配列番号93)である。(B)Igκ軽鎖のCドメインの配列(配列番号24)。下線付きのアミノ酸は構造的ループである。アミノ酸位置は、Edelmanら、Proc. Natl. Acad. USA 63:78〜85(1969)に記載されているとおりのEuナンバリングシステムによってナンバリングされている。X’、X’、X’、X’、X’、およびX’は、IgG1サブクラスおよびκアイソタイプ内のアロタイプ位置に存在する残基を示している(Jefferisら、MAbs. 1:332〜338(2009)による)。
図4-1】(A)トラスツズマブを伴う4種のヒトIgγサブクラスのCH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、およびヒンジ領域の配列アラインメント(それぞれ出現順に、配列番号1109〜1113)である。(B)トラスツズマブを伴うCドメインの配列アラインメント(それぞれ出現順に、配列番号1114〜1115)である。下線付きの残基は構造的ループに属する(図3も参照されたい)。四角で囲まれた残基は、Jefferisら、MAbs. 1:332〜338(2009)によって、アロタイプの位置を示している。単純にするために、IgG1サブクラスおよびκアイソタイプ内のアロタイプ位置のみが示されている。ヒトIgγサブクラスおよびヒトκアイソタイプのタンパク質配列は、UniProtデータベース(エントリー番号P01857、P01859、P01860、P01861、およびP01834)に由来する。
図4-2】(図4−1の続き)
図4-3】(図4−2の続き)
図5-A】Sfp触媒ADC形成のHPLC特徴付けである。(A)HPLCトレースによって、免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−K360(配列番号1117)のほぼ定量的な形成が確認される。
図5-B】Sfp触媒ADC形成のHPLC特徴付けである。(B)HPLCトレースによって、免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1118)のほぼ定量的な形成が確認される。
図5-C】Sfp触媒ADC形成のHPLC特徴付けである。(C)HPLCトレースによって、免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−V2−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKLA−Q3(配列番号1119)のほぼ定量的な形成が確認される。
図5-D】Sfp触媒ADC形成のHPLC特徴付けである。(D)HPLCトレースによって、免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−V2−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−Q3(配列番号1120)の定量的形成が確認される。
図5-E】Sfp触媒ADC形成のHPLC特徴付けである。(E)HPLCトレースによって、免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−E388−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKL−N389(配列番号1121)のほぼ定量的な形成が確認される。
図5-F】Sfp触媒ADC形成のHPLC特徴付けである。(F)HPLCトレースによって、免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−E388−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKLA−N389(配列番号1122)の定量的形成が確認される。
図5-G】Sfp触媒ADC形成のHPLC特徴付けである。(G)HPLCトレースによって、免疫コンジュゲートmAb2−HC−T359−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−K360(配列番号1123)のほぼ定量的な形成が確認される。
図5-H】Sfp触媒ADC形成のHPLC特徴付けである。(H)HPLCトレースによって、免疫コンジュゲート抗hHER2−LC−I2−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKLA−Q3(配列番号1124)の部分的形成が例証される。
図6-1】分析用サイズ排除クロマトグラフィー(AnSEC)による3種のトラスツズマブ免疫コンジュゲートの特徴付けによって、モノマーの非凝集ADCの形成を例証する。(A)免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−V2−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−Q3(配列番号1120)のAnSEC分析。(B)免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−E388−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKLA−N389(配列番号1122)のAnSEC分析。
図6-2】分析用サイズ排除クロマトグラフィー(AnSEC)による3種のトラスツズマブ免疫コンジュゲートの特徴付けによって、モノマーの非凝集ADCの形成を例証する。(C)免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−E388−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKL−N389(配列番号1121)のAnSEC分析。
図7】特定の位置にペプチドタグを組み込むことでのトラスツズマブの標識の失敗のHPLC特徴付けである。HPLCトレースは、抗hHER2−HC−S190D−S191−S192L−L193E−G194F−T195I−Q196A−T197S−Y198K−I199L(配列番号114)とCoA−MC−MMAFとのコンジュゲーションがないことを表示している。
図8-A】CoA−MC−MMAFでの混合グラフト/挿入構築物の標識のHPLC特徴付けである。(A)HPLCトレースは、免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−S63−ppan−MC−MMAF−V64L−EFIASKLA−K65(配列番号1125)の部分的形成を表示している。
図8-B】CoA−MC−MMAFでの混合グラフト/挿入構築物の標識のHPLC特徴付けである。(B)HPLCトレースは、免疫コンジュゲート抗hHER2−LC−S76D−S77−ppan−MC−MMAF−L78−EFIASKLA−Q79(配列番号1126)の形成がないことを表示している。
図9-A】IgGへのフルオロフォア結合のHPLC特徴付けである。(A)HPLCトレースによって、抗体−フルオロフォアコンジュゲート抗hHER2−HC−P189G−S190D−S191−ppan−マレイミドエチルアミド−TMR−S192L−L193S−G194W−T195L(配列番号1127)のほぼ定量的な形成が確認される。280および555nmでモニタリングされたHPLCトレース間の広範な重複は、ほぼ定量的なフルオロフォアコンジュゲーションを表示している。
図9-B】IgGへのフルオロフォア結合のHPLC特徴付けである。(B)HPLCトレースによって、抗体−フルオロフォアコンジュゲート抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−マレイミドエチルアミド−TMR−LSWLLRLLN−K360(配列番号1128)のほぼ定量的な形成が確認される。280および555nmでモニタリングされたHPLCトレース間の広範な重複は、ほぼ定量的なフルオロフォアコンジュゲーションを表示している。
図10-A】加水分解マレイミド−またはブロモアセチルチオエーテル−連結細胞毒での抗体標識のHPLC特徴付けである。(A)HPLCトレースによって、マレイミド−開環CoA−MC−MMAFと抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)とのほぼ定量的なコンジュゲーションが確認される。
図10-B】加水分解マレイミド−またはブロモアセチルチオエーテル−連結細胞毒での抗体標識のHPLC特徴付けである。(B)HPLCトレースによって、CoA−Ac−Ahx−MMAFと抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)とのほぼ定量的なコンジュゲーションが確認される。
図11-A】切断可能なリンカーを介して接続させた細胞毒での抗体標識のHPLC特徴付けである。(A)HPLCトレースによって、CoA−MC−Val−Cit−PABC−MMAFと抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)とのほぼ定量的なコンジュゲーションが確認される。
図11-B】切断可能なリンカーを介して接続させた細胞毒での抗体標識のHPLC特徴付けである。(B)HPLCトレースによって、CoA−MC−Val−Cit−PABC−MMAFと抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)とのほぼ定量的なコンジュゲーションが確認される。
図12】pHの関数とした4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)触媒ADC形成の最適化を示す。棒グラフ表示は、pHの関数として、2の薬物対抗体比(DAR)で生成したADCの量を示している。データは、5.0〜10.0のpH範囲でのCoA−MC−MMAFと、抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)または抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)のいずれかとの反応のHPLC分析(280nm)に基づく。
図13-A】2.5μM抗体、50μM CoA−MC−MMAF、および10mM MgClを含有する50mM HEPES緩衝液(pH7.5)(37℃、16時間)中のSfp酵素濃度の関数とした、コンジュゲーション反応の最適化を示す。(A)脱重畳質量スペクトルは主に、0.1μMのSfp濃度での非コンジュゲート抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)を表示している。
図13-B】2.5μM抗体、50μM CoA−MC−MMAF、および10mM MgClを含有する50mM HEPES緩衝液(pH7.5)(37℃、16時間)中のSfp酵素濃度の関数とした、コンジュゲーション反応の最適化を示す。(B)脱重畳質量スペクトルは、0.25μMのSfp濃度での抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1118)のほぼ定量的なADC形成を表示している。
図13-C】2.5μM抗体、50μM CoA−MC−MMAF、および10mM MgClを含有する50mM HEPES緩衝液(pH7.5)(37℃、16時間)中のSfp酵素濃度の関数とした、コンジュゲーション反応の最適化を示す。(C)脱重畳質量スペクトルは、0.5μMのSfp濃度での抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1118)のほぼ定量的なADC形成を表示している。
図14-A】pH8.0でCoA−MC−MMAF基質濃度の関数とした、酵素的コンジュゲーション反応の最適化を示す。(A)HPLCトレースは、2.5μM(一番上のトレース)、7.5μM(中央のトレース)、または25μM(一番下のトレース)のCoA−MC−MMAFを含有する2.5μM抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)との3つのコンジュゲーション反応を表している。4.9分の保持時間でのピークは、未標識の抗体(DAR=0)に対応し、5.3分でのピークは、一標識抗体(DAR=1)に対応し、5.7分でのピークは、二標識抗体(DAR=2)に対応する。
図14-B】pH8.0でCoA−MC−MMAF基質濃度の関数とした、酵素的コンジュゲーション反応の最適化を示す。(B)棒グラフ表示は、CoA−MC−MMAF基質濃度の関数として、2のDARを有する生成ADCの量を示している。一連の滴定タイトレーションを、0.25μM(黒色の棒)または1.0μM(白色の棒)のいずれかのSfp酵素濃度で行った。
図15】SYPRO Orangeゲル染色液を使用する示差走査蛍光分析(DSF)によって測定したとおりのペプチドタグ付きADCの熱安定性を示す。(A)免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−K360(配列番号1117)の熱安定性の決定。摂氏68.5度および81.5度の2つの遷移温度がDSFによって観察される(2回の計測の平均)。(B)免疫コンジュゲート抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1118)の熱安定性の決定。摂氏66.3度および81.0度の2つの遷移温度がDSFによって観察される(1回の測定)。(C)ペプチドタグ付きADCと比較するための基準として使用された未修飾トラスツズマブIgG1(抗hHER2)の熱安定性の決定。摂氏69.7度および81.1度の2つの遷移温度がDSFによって観察される(2回の測定の平均)。
図16】2種のペプチドタグ付きトラスツズマブ免疫コンジュゲートの薬物動態(PK)研究を示す。両方のADCの血漿力価を、個々の免疫コンジュゲートをプレートに吸収させたヒトHER2(細胞外ドメイン3〜4)で捕捉し、続いて、抗ヒトIgGおよび抗MMAF抗体で検出することによって決定した。(A)ELISAによる抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−K360(配列番号1117)および未修飾トラスツズマブ(抗hHER2)抗体の血漿力価の比較。免疫コンジュゲートの血漿力価は、4日以内の迅速な減衰を示す。(B)ELISAによる抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1118)および未修飾トラスツズマブ(抗hHER2)抗体の血漿力価の比較。免疫コンジュゲートの血漿力価は、14日間以内は、未修飾の抗hHER2抗体の対象力価と密に平行する。
図17】HER2発現性MDA−231細胞系を使用しての、ペプチドタグ付き免疫コンジュゲートのインビトロ細胞殺滅アッセイを示す。プロットは、Cell Titer Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を使用しての細胞生存性測定に基づく。図は、それぞれ配列番号1117、1118、1108、および1107の「抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−K360」、「抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389」、「抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−ValCit−PABC−MMAF−LSWLLRLLN−K360」、および「抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−ValCit−PABC−MMAF−LSWLLRLLN−N389」を開示している。
図18】IgG抗体熱安定性に対する、ペプチドタグ挿入部位の影響を示すプロットである。SYPRO Orangeゲル染色液を使用する示差走査蛍光分析(DSF)によれば、第1の遷移温度(Tm1)は、Fc領域のCH2ドメイン(アミノ酸残基228〜340)にペプチドタグ挿入を含有する抗体では有意に低下する。それとは逆に、Fab領域のCH1ドメインへのペプチドタグ挿入は抗体骨格を、Tm1値が一般に、69.7℃のTm1を有する未修飾トラスツズマブIgG1よりも摂氏3度以下低いかなりわずかな程度で不安定化する。
図19-A】4のDARを有するADCの酵素による生成を示す。(A)4のDARを有するADCは、ybbRタグおよびS6タグなどの複数のペプチドタグを抗体に組み込むことによって生成することができる。
図19-B】4のDARを有するADCの酵素による生成を示す。(B)CoA−MC−MMAFと、VドメインにS6タグおよびCH3ドメインにybbRタグを含有するトラスツズマブIgG(抗hHER2−HC−V2−GDSLSWLLRLLN−Q3−E388−DSLEFIASKLA−N389(配列番号142))とのSfp触媒コンジュゲーションのHPLC分析。1μM Sfp酵素が存在する状態で、2.5μM抗体および50μM CoA基質を室温でインキュベーションすることで、4のDARを有するADCのほぼ定量的な形成につながる(t=6.1分、下方のトレース)。上方のトレースは、対応する脱共役抗体(DAR=0、t=5.2分)を表している。
図20-1】高AUC IgG値および低AUC IgG値を示すペプチドタグ付きトラスツズマブ免疫コンジュゲートの薬物動態プロファイルである。配列番号248(A)、配列番号33(B)、配列番号251(C)、配列番号218(D)、配列番号202(E)、および配列番号244(F)に対応する6種のペプチドタグ付きADCのそれぞれを、1mg/kgの単回用量で、3匹のマウスに静脈内投与した。340時間にわたって血漿試料を収集した後に、ヒトHER2の固定化細胞外ドメインを使用することによって、トラスツズマブADC分子を捕捉した。次いで、抗MMAFまたは抗hIgG抗体のいずれかに基づく2つのELISAフォーマットによって、血漿力価を決定した。第1のフォーマットが、「無損傷」ADCの濃度についての読み出しを提供する一方で、後者のフォーマットは、コンジュゲートトラスツズマブ分子および非コンジュゲートトラスツズマブ分子の両方を含む、全IgGの濃度に比例したシグナルを生成する。A〜Cは、高いAUC IgG値を示すペプチドタグ付きMMAF ADCのPK曲線を例示しているのに対して、D〜Fは、非常に低いAUC IgG値を示す免疫コンジュゲートの例を示している。すべての場合に、抗MMAFおよび抗hIgG力価は互いに密に平行し、その際、PK研究の時間経過の間に、MMAFペイロードの無視できる脱コンジュゲーションを示す。
図20-2】(図20−1の続き)
図20-3】(図20−2の続き)
図21】86ペプチドタグ付きADCの抗MMAFおよび抗hIgG力価間の相関を示す。このプロットによれば、全IgGおよび「無損傷」ADCの濃度読み出しは、互いに密に一致し、そのことによって、MMAFペイロードおよびペプチドタグ付き抗体との間の高度に安定なppan−MC連結が示唆されている。インビボでのMMAF薬物の無視できる脱コンジュゲーションの他に、この高度に直線的な相関は、共有結合によるペイロードの結合が、免疫コンジュゲートの薬物動態プロファイルに負の影響を及ぼさないことも示している。
図22】オキシムライゲーションによって末端基(TG)を後で結合させるための、カルボニル官能化CoA類似体でのA1タグ付き抗体の翻訳後修飾を伴う2ステップ法を示す。第1のステップでは、細胞培地中で、A1タグ付き抗体をケトン−またはアルデヒド−官能化CoA類似体で部位特異的に標識する。タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーの後に、ppan部分のカルボニル基をアミノオキシ誘導体化TGと反応させる。
図23】ヒト腫瘍細胞系を移植された免疫不全ヌードマウスにおけるybbRタグ付きトラスツズマブADC抗hHER2−HC−E388−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKLA−N389(配列番号1122)のインビボ有効性研究を示す。異種移植片腫瘍モデルを、HER2依存性乳癌細胞系MDA−MB231クローン16を皮下投与したnu/nuマウスで行った。腫瘍を約200mmのサイズまで成長させた後に、ybbRタグ付きADC3mg/kg(▲)、5mg/kg(●)の単回用量、またはビヒクルのみ(■)を、1処置群あたり9匹のマウスに静脈内注射した。垂直の矢印は、ADC投与時点を示している。腫瘍成長を毎週モニタリングすることで、両方の用量レベルが結果として腫瘍の退縮をもたらしたことが明らかとなり、このことによって、ペプチドタグ付きADCのインビボ有効性が実証された。
【発明を実施するための形態】
【0211】
本発明は、対象とする抗体の1つまたは複数の特定部位に組み込まれたペプチド配列(「ペプチドタグ」)の翻訳後修飾を触媒する4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質(「PPTアーゼ」)を使用して、抗体を部位特異的に標識する方法を提供する。周囲反応条件下での酵素標識によって、抗体に組み込まれたペプチドタグ内の特異的セリン残基の定量的および不可逆的共有結合修飾が可能となり、したがって、所望の抗体コンジュゲートが創製される。
【0212】
PPTアーゼに広い基質認容性があるので、本発明による部位特異的抗体標識は、抗癌薬、フルオロフォア、ペプチド、糖、洗浄薬、ポリエチレングリコール、免疫賦活薬、放射性イメージングプローブ、プロドラッグ、および他の分子などの様々な化学的にアクセス可能な標識試薬で達成することができる。さらに、PPTアーゼを使用して、ペプチドタグ付き抗体を、ポリスチレンナノ粒子および金表面などの固体支持体上に固定化することができる(例えば、機能性酵素を固定化する方法については、Wongら、Org. Biomol. Chem. 8: 782〜787, 2010; Wongら、Nanoscale 4:659〜666, 2012を参照されたい)。
【0213】
したがって、本発明は、癌療法において使用するための規定の薬物対抗体比を有する均一な免疫コンジュゲートを調製する方法、およびそれによって調製された免疫コンジュゲート、さらにはこれらの免疫コンジュゲートを含む医薬組成物を提供する。本発明の方法は、当技術分野で公知の他のコンジュゲーション方法と組み合わせて使用することができる。
【0214】
1.抗体の操作
部位特異的標識
本発明による「構造的ループ」または「非CDR−ループ」は、下記のように理解されたい:抗体は、免疫グロブリンフォールドを伴うドメインから作製されている。本質的に、逆平行βシートはループによって接続されて、圧縮された逆平行βバレルを形成している。可変領域では、ドメインのループのうちの一部が、抗体の特異性、すなわち、抗原への結合に本質的に寄与する。これらのループは、「CDR−ループ」と呼ばれる。抗体ドメインの他のループはすべて、分子構造および/またはエフェクター機能にむしろ寄与している。これらのループは本明細書では、「構造的ループ」または「非CDR−ループ」と定義される。
【0215】
本発明の抗体(例えば、1個または複数の天然に存在しないアミノ酸を含有してもよい親抗体または天然抗体)は、Edelmanら、Proc. Natl. Acad. USA 63:78〜85(1969)において示されているとおりのEuナンバリングシステムによってナンバリングされている。ヒトIgG1定常領域を、本出願を通じて代表として使用している。しかしながら、本発明はヒトIgG1に限定されることなく;対応するアミノ酸位置を、配列アラインメントによって容易に演繹することができる。例えば、図3(A)は、IgG1重鎖定常領域を示しており、この際、構造的ループは下線を付されており、これらの下線を付された構造的ループは、図4(A)の配列アラインメントにおいて示されているとおりIgG2、IgG3、およびIgG4について容易に同定することができる。図3(B)は、軽鎖定常領域を示しており、この際、構造的ループは下線を付されている。軽鎖定常領域では、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4は同一である。次の表1に、それぞれIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4の構造的ループにおけるアミノ酸位置を列挙する。
【0216】
【表1-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0217】
図3、さらには配列番号24および93は、Igκ軽鎖定常領域およびIgγ−1重鎖定常領域の配列をそれぞれ表している。配列番号24および93中のX’、X’、X’、X’、X’、およびX’は、IgG1サブクラスおよびκアイソタイプ内のアロタイプ位置に存在する残基を示している(Jefferisら、MAbs. 1:332〜338(2009)による)。X’は、ArgまたはLysであってよく、X’は、AspまたはGluであってよく、X’は、LeuまたはMetであってよく、X’は、AlaまたはGlyであってよく、X’は、ValまたはAlaであってよく、X’は、LeuまたはValであってよい。
【0218】
IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4抗体定常領域の高い配列相同性により、本発明の所見は、いずれの特定の抗体にも限定されない。加えて、本発明の所見は、PPTアーゼの使用に限定されない。本明細書において同定する抗体構造的ループ内での位置はまた、酵素ビオチンタンパク質リガーゼ(BPL)、トランスグルタミナーゼ、およびホルミルグリシン形成酵素などの他の酵素的コンジュゲーション手法のための基質である他のペプチドタグを組み込むために使用することができる。
【0219】
一態様では、本発明は、修飾抗体またはその断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを提供し、この際、前記修飾抗体またはその断片は、それ自体が4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグを含み、前記ペプチドタグは、修飾抗体またはその断片の構造的ループ、またはC−もしくはN末端内に設置されている。本発明はまた、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグを含む修飾抗体またはその断片を提供し、この際、前記ペプチドタグは、抗体またはその断片の構造的ループ、またはC−もしくはN末端内に設置されている。具体的な実施形態では、前記ペプチドタグは、表2に記載されているものから選択される1個または複数のペプチドである。一態様では、ペプチドタグを、前記抗体またはその断片の構造的ループの2個のアミノ酸の間に挿入する。別の態様では、ペプチドタグを、前記抗体またはその断片の構造的ループ、C−、またはN末端にグラフトし、この際、ペプチドタグは、親抗体またはその断片の1個または複数のアミノ酸に置き換わる。一態様では、構造的ループは、前記抗体またはその断片のCH1、CH2、CH3、またはC領域に設置されている構造的ループを指す。修飾抗体重鎖および/または軽鎖(またはその断片)は、1、2、3、4、5、6、7、8個、またはそれ以上のタンパク質タグをその構造的ループ中に含有してよい。一態様では、修飾抗体または抗体断片は、2、4、6、8個、またはそれ以上のタンパク質タグをその構造的ループ中に含有する。別の態様では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持しているそれらの変異体型である。一態様では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、ヒト(Homo sapiens)、枯草菌(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、クロストリジウム・テルモセルム(Clostridium thermocellum)、さらには、任意の他の哺乳動物、細菌、または真菌ゲノムに由来する。別の態様では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、またはそれらの変異体に対する相同タンパク質である。一実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、好熱生物に由来する。一部の実施形態では、親抗体(ペプチドタグが組み込まれていない抗体)は、IgG、IgM、IgE、またはIgA抗体である。一部の実施形態では、親抗体はIgG1抗体である。一部の他の実施形態では、親抗体は、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体である。
【0220】
「4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質」は、本明細書で使用する場合、記載されている構造が、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼおよびCoAまたは末端基が結合しているCoA類似体と接触させた場合に、本明細書のスキームIaに図示されているとおり4’−ホスホパンテテイン(ppan)または修飾ppan基のためのアクセプターとして役立ち得ることを意味する。
【0221】
一態様では、本発明は、修飾抗体またはその断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを提供し、この際、前記修飾抗体またはその断片は、CH1、CH2、CH3、および/またはC領域を含み、前記CH1、CH2、CH3、および/またはC領域はさらに、それ自体が4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグを含む。本発明はまた、CH1、CH2、CH3、および/またはC領域を含む修飾抗体またはその断片を提供し、この際、前記CH1、CH2、CH3、および/またはC領域は、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグをさらに含む。一部の実施形態では、前記ペプチドタグは、表2に記載されているものから選択される1個または複数のペプチドである。一部の実施形態では、ペプチドタグを、前記抗体またはその断片の構造的ループの2個のアミノ酸の間に挿入する。一部の実施形態では、ペプチドタグを、前記抗体またはその断片の構造的ループにグラフトする。修飾抗体重鎖および/または軽鎖(またはその断片)は、その構造的ループ中に1、2、3、4、5、6、7、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有してよい。一部の実施形態では、修飾抗体または断片は、その構造的ループ中に2、4、6、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有する。一部の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持しているそれらの変異体型である。一部の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、ヒト(Homo sapiens)、枯草菌(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、クロストリジウム・テルモセルム(Clostridium thermocellum)、さらには、任意の他の哺乳動物、細菌、または真菌ゲノムに由来する。一部の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、またはそれらの変異体に対する相同タンパク質である。一実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、好熱生物に由来する。一部の実施形態では、親抗体は、IgG、IgM、IgE、またはIgA抗体である。具体的な実施形態では、親抗体はIgG1抗体である。一部の実施形態では、親抗体は、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体である。
【0222】
本明細書で使用する場合、活性を「保持している」とは、記載されている酵素が、枯草菌(B. subtilis)Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼである基準物質に対して少なくとも約10%の活性を維持していることを意味する(例えば、Quadriら、Biochemistry 37: 1585〜1595(1998)を参照されたい)。例えば、異なる4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼまたはその酵素の変異体型は、同一反応条件下で、すなわち、同じCoA基質、同じペプチドタグ付き抗体、同一の緩衝液条件、同一の基質および酵素濃度、同じ温度、ならびに同じ反応期間を使用して、Sfpと比較して、少なくとも約10%の4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持している。
【0223】
一態様では、本発明は、修飾抗体またはその断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを提供し、この際、前記修飾抗体またはその断片は、それ自体が4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグを含み、前記ペプチドタグは、親抗体またはその断片のVドメインの2位および3位の間、Vドメインの63位および64位の間、Vドメインの64位および65位の間、CH1ドメインの138位および139位の間、CH1ドメインの197位および198位の間、CH3ドメインの359位および360位の間、CH3ドメインの388位および389位の間、CH3ドメインのC末端(Lys447の後)、および/またはVドメインの2位および3位の間に挿入されている。別の態様では、本発明は、修飾抗体またはその断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを提供し、この際、前記修飾抗体またはその断片は、それ自体が4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグを含み、ペプチドタグは、親抗体またはその断片のVHもしくはVLドメインのアミノ酸残基2および3の間、または軽鎖のアミノ酸残基110および111の間、またはCH1ドメインの119および120の間、もしくは120および121の間、もしくは135および136の間、もしくは136および137の間、もしくは138および139の間、もしくは164および165の間、もしくは165および166の間、もしくは194および195の間、またはCH3ドメインの388および389の間、もしくは445および446の間、もしくは446および447の間に挿入されている。一部の実施形態では、ペプチドタグは、親抗体またはその断片の軽鎖のアミノ酸残基110および111の間、またはCH1ドメインの119および120の間、もしくは120および121の間、もしくは135および136の間、もしくは136および137の間、もしくは138および139の間、もしくは165および166の間、またはCH3ドメインの388および389の間に挿入されている。
【0224】
一態様では、本発明は、修飾抗体またはその断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを提供し、この際、前記修飾抗体またはその断片は、配列番号103、配列番号109、配列番号113、配列番号121、配列番号122、配列番号127、配列番号129、配列番号130、配列番号131、および/または配列番号141を含む。別の態様では、本発明は、修飾抗体またはその断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを提供し、この際、前記修飾抗体または抗体断片は、配列番号26、配列番号27、配列番号32、配列番号63、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号126、配列番号127、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号139、配列番号149、配列番号151、配列番号152、配列番号157、配列番号158、配列番号160、配列番号168、配列番号169、配列番号178、配列番号248、配列番号250、配列番号251、配列番号256、配列番号257、配列番号259、配列番号267、配列番号268、配列番号277、配列番号348、配列番号349、配列番号356、配列番号358、配列番号359、配列番号364、配列番号365、配列番号367、配列番号373、配列番号374、配列番号380、配列番号384、配列番号386、配列番号387、または配列番号388を含む。一部の実施形態では、修飾抗体または抗体断片は、配列番号32、配列番号63、配列番号127、配列番号129、配列番号132、配列番号151、配列番号152、配列番号157、配列番号158、配列番号160、配列番号169、配列番号250、配列番号251、配列番号256、配列番号257、配列番号259、配列番号268、配列番号358、配列番号359、配列番号364、配列番号365、配列番号367、配列番号374、または配列番号384を含む。
【0225】
本明細書に記載の免疫コンジュゲートに関して、一態様では、前記ペプチドタグは、表2に記載されているものから選択される1個または複数のペプチドである。修飾抗体重鎖および/または軽鎖(またはその断片)は、その構造的ループ中に1、2、3、4、5、6、7、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有してよい。一実施形態では、修飾抗体または抗体断片は、その構造的ループ中に2、4、6、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有する。別の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持しているそれらの変異体型である。一実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、ヒト(Homo sapiens)、枯草菌(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、クロストリジウム・テルモセルム(Clostridium thermocellum)、さらには、任意の他の哺乳動物、細菌、または真菌ゲノムに由来する。具体的な実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼはSfpであり、ペプチドタグは、GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWL(配列番号2)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、DSLEFIASKL(配列番号18)、およびDSLEFIASK(配列番号19)から選択される。一実施形態では、親抗体は、IgG、IgM、IgE、またはIgA抗体である。具体的な実施形態では、親抗体は、IgG1抗体である。別の具体的な実施形態では、親抗体は、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体である。
【0226】
別の態様では、本発明は、修飾抗体またはその断片と末端基とを含む免疫コンジュゲートを提供し、この際、前記修飾抗体またはその断片は、それ自体が4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグを含み、前記ペプチドタグは、抗体またはその断片の構造的ループ、またはC−もしくはN末端にグラフトされている。具体的な実施形態では、前記ペプチドタグは、親抗体またはその断片のVドメインのアミノ酸位置62〜64(アミノ酸62および63での変異、ならびにアミノ酸63および64の間への残りのペプチドタグの挿入)に、Vドメインのアミノ酸位置62から65(アミノ酸62〜64での変異、ならびにアミノ酸64および65の間への残りのペプチドタグの挿入)に;CH1ドメインのアミノ酸位置133〜139(アミノ酸133〜138の変異、ならびにアミノ酸138〜139間への残りのペプチドタグの挿入)に、CH1ドメインのアミノ酸位置189〜195に、および/またはCH1ドメインのアミノ酸位置190〜198(アミノ酸190〜197の変異、ならびに197および198の間への残りのペプチドタグの挿入)にグラフトされている。一実施形態では、前記ペプチドタグは、表2に記載されているものから選択される1個または複数のペプチドである。修飾抗体重鎖および/または軽鎖(またはその断片)は、その構造的ループ中に1、2、3、4、5、6、7、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有してよい。一実施形態では、修飾抗体または抗体断片は、その構造的ループ中に2、4、6、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有する。別の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持しているそれらの変異体型である。一実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、ヒト(Homo sapiens)、枯草菌(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、クロストリジウム・テルモセルム(Clostridium thermocellum)、さらには、任意の他の哺乳動物、細菌、または真菌ゲノムに由来する。具体的な実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼはSfpであり、ペプチドタグは、GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWL(配列番号2)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、DSLEFIASKL(配列番号18)、およびDSLEFIASK(配列番号19)から選択される。一実施形態では、親抗体は、IgG、IgM、IgE、またはIgA抗体である。具体的な実施形態では、親抗体はIgG1抗体である。別の具体的な実施形態では、親抗体は、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体である。
【0227】
別の態様では、本発明は、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグを含む修飾抗体またはその断片を提供し、この際、前記ペプチドタグは、親抗体またはその断片のVドメインの2位および3位の間、Vドメインの63位および64位の間、Vドメインの64位および65位の間、CH1ドメインの138位および139位の間、CH1ドメインの197位および198位の間、CH3ドメインの359位および360位の間、CH3ドメインの388位および389位の間、CH3ドメインのC末端(Lys447の後)、および/またはVドメインの2位および3位の間に挿入されている。別の態様では、ペプチドタグは、親抗体またはその断片のVHもしくはVLドメインのアミノ酸残基2および3の間、または軽鎖のアミノ酸残基110および111の間、またはCH1ドメインの119および120の間、もしくは120および121の間、もしくは135および136の間、もしくは136および137の間、もしくは138および139の間、もしくは164および165の間、もしくは165および166の間、もしくは194および195の間、またはCH3ドメインの388および389の間、もしくは445および446の間、もしくは446および447の間に挿入されている。一部の実施形態では、ペプチドタグは、親抗体またはその断片の軽鎖のアミノ酸残基110および111の間、またはCH1ドメインの119および120の間、もしくは120および121の間、もしくは135および136の間、もしくは136および137の間、もしくは138および139の間、もしくは165および166の間、またはCH3ドメインの388および389の間に挿入されている。
【0228】
別の態様では、本発明は、配列番号103、配列番号109、配列番号113、配列番号121、配列番号122、配列番号127、配列番号129、配列番号130、配列番号131、および/または配列番号141を含む修飾抗体またはその断片を提供する。別の態様では、本発明は、配列番号26、配列番号27、配列番号32、配列番号63、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号126、配列番号127、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号139、配列番号149、配列番号151、配列番号152、配列番号157、配列番号158、配列番号160、配列番号168、配列番号169、配列番号178、配列番号248、配列番号250、配列番号251、配列番号256、配列番号257、配列番号259、配列番号267、配列番号268、配列番号277、配列番号348、配列番号349、配列番号356、配列番号358、配列番号359、配列番号364、配列番号365、配列番号367、配列番号373、配列番号374、配列番号380、配列番号384、配列番号386、配列番号387、または配列番号388を含む修飾抗体またはその断片を提供する。一部の実施形態では、本発明は、配列番号32、配列番号63、配列番号127、配列番号129、配列番号132、配列番号151、配列番号152、配列番号157、配列番号158、配列番号160、配列番号169、配列番号250、配列番号251、配列番号256、配列番号257、配列番号259、配列番号268、配列番号358、配列番号359、配列番号364、配列番号365、配列番号367、配列番号374、または配列番号384を含む修飾抗体またはその断片を提供する。
【0229】
一態様では、前記ペプチドタグは、表2に記載されているものから選択される1個または複数のペプチドである。抗体重鎖および/または軽鎖(またはその断片)は、その構造的ループ中に1、2、3、4、5、6、7、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有してよい。一部の実施形態では、抗体または断片は、その構造的ループ中に2、4、6、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有する。一部の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持しているそれらの変異体型である。一部の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、ヒト(Homo sapiens)、枯草菌(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、クロストリジウム・テルモセルム(Clostridium thermocellum)、さらには、任意の他の哺乳動物、細菌、または真菌ゲノムに由来する。具体的な実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfpであり、ペプチドタグは、
GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWL(配列番号2)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、DSLEFIASKL(配列番号18)、およびDSLEFIASK(配列番号19)から選択される。一部の実施形態では、親抗体は、IgG、IgM、IgE、またはIgA抗体である。具体的な実施形態では、親抗体は、IgG1抗体である。一部の実施形態では、親抗体は、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体である。
【0230】
別の態様では、本発明は、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質であるペプチドタグを含む修飾抗体またはその断片を提供し、この際、前記ペプチドタグは、抗体またはその断片の構造的ループ、またはC−もしくはN末端にグラフトされている。一部の実施形態では、前記ペプチドタグは、親抗体またはその断片のVドメインのアミノ酸位置62〜64(アミノ酸62および63での変異、ならびにアミノ酸63および64の間への残りのペプチドタグの挿入)に、Vドメインのアミノ酸位置62から65(アミノ酸62〜64での変異、ならびにアミノ酸64および65の間への残りのペプチドタグの挿入)に;CH1ドメインのアミノ酸位置133〜139(アミノ酸133〜138の変異、ならびにアミノ酸138〜139間へのペプチドタグの挿入)に、CH1ドメインのアミノ酸位置189〜195に、および/またはCH1ドメインのアミノ酸位置190〜198(アミノ酸190〜197の変異、ならびに197および198の間への残りのペプチドタグの挿入)にグラフトされている。一実施形態では、前記ペプチドタグは、表2に記載されているものから選択される1個または複数のペプチドである。修飾抗体重鎖および/または軽鎖(またはその断片)は、その構造的ループ中に1、2、3、4、5、6、7、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有してよい。一実施形態では、修飾抗体または抗体断片は、その構造的ループ中に2、4、6、8個、またはそれ以上のタンパク質タグを含有する。別の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、Sfp、AcpS、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ、ヒトPPTアーゼ、または4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を保持しているそれらの変異体型である。一実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、ヒト(Homo sapiens)、枯草菌(Bacillus subtilis)、大腸菌(Escherichia coli)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、クロストリジウム・テルモセルム(Clostridium thermocellum)、さらには、任意の他の哺乳動物、細菌、または真菌ゲノムに由来する。一部の実施形態では、前記4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼはSfpであり、ペプチドタグは、GDSLSWLLRLLN(配列番号1)、GDSLSWL(配列番号2)、DSLEFIASKLA(配列番号9)、GDSLDMLEWSLM(配列番号10)、DSLEFIASKL(配列番号18)、およびDSLEFIASK(配列番号19)から選択される。一実施形態では、親抗体は、IgG、IgM、IgE、またはIgA抗体である。具体的な実施形態では、親抗体はIgG1抗体である。一部の実施形態では、親抗体は、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体である。
【0231】
ある特定の態様では、本明細書で提供する修飾抗体は、1つまたは複数の直交性コンジュゲーション部位を含有するように操作されている。そのような直交性コンジュゲーション部位は、これらだけに限定されないが、Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質、AcpS4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、T・マリティマ(T.maritima)4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、ヒト4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼの基質、リシン、システイン、チロシン、ヒスチジン、非天然アミノ酸、ピロリシンおよびピロリン−カルボキシ−リシンを含む。直交性コンジュゲーション部位はまた、酵素的に、または化学的に修飾され得るペプチド配列、例えば、テトラシステインタグ、LPXTG−ソルターゼペプチド(配列番号1057)(Xは任意のアミノ酸である)、ビオチンアクセプターペプチド、CXPXR−アルデヒドタグ(配列番号1058)(Xは任意のアミノ酸である)、またはHisタグであってよい。ある特定の実施形態では、本発明の方法を、これらだけに限定されないが、システイン、リシン、ヒスチジン、チロシン、ホルミル−グリシン、ピロリシン、ピロリン−カルボキシリシン、および非天然アミノ酸を介しての化学選択的コンジュゲーションを含めた当技術分野で公知の他のコンジュゲーション方法と組み合わせて使用して、そのような操作された抗体を標識する。
【0232】
ある特定の態様では、酵素SfpおよびAcpSを、抗体のVH、VL、CH1、CH2、CH3、またはC領域に設置されたSシリーズのペプチド(例えば、S1、S2、S3、S4、S5、S6およびS7)およびAシリーズのペプチド(例えば、A1、A−1、A−2、A−3、A−4およびA−6)(表2も参照されたい)を含有するように操作された抗体上に、同じか、または2種の異なる標識を直交的部位特異的に標識するために使用する。
【0233】
他の態様では、酵素SfpおよびAcpSを、抗体のCH1、CH2、CH3、またはC領域に設置されたybbRシリーズのペプチド(例えば、ybbR11、ybbR12、およびybbR13)およびAシリーズのペプチド(例えば、A1、A−1、A−2、A−3、A−4およびA−6)を含有するように操作された抗体上に、2種の異なる標識を直交的部位特異的に標識するために使用する。
【0234】
他の態様では、酵素SfpまたはAcpSを、抗体のVH、VL、CH1、CH2、CH3、またはC領域に設置されたybbRシリーズのペプチド(例えば、ybbR11、ybbR12、およびybbR13)およびAシリーズのペプチド(例えば、A1、A−1、A−2、A−3、A−4、およびA−6)を含有するように操作された抗体上での直交性部位特異的標識のために、他のコンジュゲーション方法と組み合わせて使用する。そのような方法には、これらだけに限定されないが、リシン、システイン、チロシン、ヒスチジン、ホルミルグリシン、非天然アミノ酸、ピロリシン、および/またはピロリン−カルボキシ−リシンとのコンジュゲーションが含まれる。そのような方法を使用して、SfpまたはAcpSを介しての酵素的コンジュゲーションのために使用される以外の同じか、または異なる標識を結合させることができる。
【0235】
4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質およびペプチド基質
本明細書で使用する場合、用語「4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ」(PPTアーゼ)および「4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質」は互換的に使用され、ppan基を、補酵素A(CoA)またはその類似体などのドナー分子から、ペプチドタグまたはアシルキャリヤータンパク質などの基質に輸送することが可能なあらゆるタンパク質またはその断片を指す。
【0236】
PPTアーゼは、脂肪酸シンターゼ(FAS)、ポリケチドシンターゼ(PKS)、および非リボソームペプチドシンテターゼ(NRPS)に関連したキャリヤータンパク質の翻訳後修飾を触媒する酵素である。これらのキャリヤータンパク質は一般に、ACP、アシルキャリヤータンパク質(FASおよびPKS)と、またはPCP、ペプチジルキャリヤータンパク質(NRPS)と称される。ACPおよびPCPは、約80アミノ酸からなり、通常、ドメインとして、FAS、PKS、またはNRPS多酵素複合体中にまとまっている。一部の場合には、ACPおよびPCPは、自立した自律的に折り畳まれたタンパク質としても見出される。ACPは、対応する代謝中間体を、共有結合を介して、その柔軟なppan補欠分子族に運ぶので、脂肪酸およびポリケチド生合成に必須である。PCPは、非リボソームペプチド合成において、ペプチド中間体をNRPS多酵素複合体中の活性部位間で輸送することによって、類似の機能を実行する。PPTアーゼは、配列および構造的類似性および基質特異性に基づいて、3つの群に分類されている。PPTアーゼの第1群のメンバー、例えば、大腸菌(Escherichia coli)のAcpSは、約120アミノ酸残基長であり、ホモ三量体として機能し、例えば、II型FASおよびPKS系のアシルキャリヤータンパク質(ACP)に限定されるかなり狭い基質特異性を有する。枯草菌(Bacillus subtilis)のSfpまたはヒトPPTアーゼによって例示される第2群のメンバーは、モノマーとして機能し、NRP、FAS、およびPKSに関係するキャリヤータンパク質を含む幅広い基質特異性を有することが報告されている(例えば、Suoら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA3 98:99〜104、2001; Quadriら、Biochem.、37:1585〜95、1998; Liuら、Arch. Microbiol、183:37〜44、2005; Joshiら、J. Biol. Chem.、278:33142〜33149、2003を参照されたい)。第3群は、酵母サイトゾルFASに関連するものなどのI型FASに共有結合するPPTアーゼを含む(例えば、Fichtlschererら、Eur. J. Biochem.、267:2666〜71、2000を参照されたい)。
【0237】
本発明によれば、PPTアーゼには、これらだけに限定されないが、大腸菌(E. coli)からのAcpS(I型PPTアーゼ)および枯草菌(B. subtilis)からのSfp(II型PPTアーゼ)、S.セレビシエ(S. cerevisiae)、S.ポンベ(S. pombe)、C.アルバカンス(C. albacans)、E.ニデュランス(E. nidulans)、およびP.パツルム(P. patulum)からの脂肪酸シンターゼ(FAS)に関連した統合PPTアーゼドメイン(III型PPTアーゼ)、大腸菌(E. coli)、フレキシネル菌(S.flexneri)、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、およびサルモネラ.オースチン(S. austin)からのEntD、B.プミルス(B. pumilus)からのPsf−1、B.ブレビス(B. brevis)からのGsp、アナベナ属(Anabaena sp.)からのHetl、S.セレビシエ(S. cerevisiae)からのLys5、枯草菌(B. subtilis)からのLpa−14、ならびに大腸菌(E. coli)からの0195、T.マリティマ(T.maritima)MSB8のPPTアーゼ(NP_228501)、ヒト(Homo sapiens)のPPTアーゼ(NP_056238)、ならびにそれらの相同体および変異体を含めた、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する天然に存在するタンパク質が含まれる。本発明のPPTアーゼにはまた、上記のもの以外の種からの4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質、さらには、本明細書に記載のペプチド部分を4’−ホスホパンテテイニル化することが可能な人工的に、または組換えによって生成されたタンパク質が含まれる。
【0238】
SfpおよびAcpSは、キャリヤータンパク質ドメインについてのそれらの基質特異性と、それらの構造との両方に相違を示す2つのクラスの4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼを表す(Flugalら、J. Biol. Chem.、275:959〜968、2000;Lambalotら、Chem. Biol.、3:923〜936、1996)。偽二量体(pseudodimeric)PPTアーゼのSfpクラスは、サイズが約230残基であり、Sfpの結晶構造は、これが、同様のフォールドを取り入れている分子のN末端およびC末端の半分と、界面にある酵素の活性部位との二重の対称性を有することを示唆している(Hodnelandら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、99:5048〜5052、2002;Koglinら、Science、312:273〜276、2006)。対照的に、AcpSは、約120残基長で、Sfpのサイズのほぼ半分であり、AcpSの結晶構造は、この酵素が集合して三量体になっていて、ACPおよびCoA結合部位は、各モノマー間の界面で形成されることを示している(Reuterら、Embo. J.、18:6823〜6831、1999;Chirgadzeら、Embo. J.、19:5281〜5287、2000)。Sfpは、非リボソームペプチドシンテターゼ、ポリケチドシンターゼ、および脂肪酸シンターゼからのPCPおよびACPドメインの両方を修飾し得るが、AcpSは、ACPのみを修飾するという点で、Sfpは、AcpSよりもかなり幅広い基質特異性を示すことが報告されている(Flugelら、J. Biol. Chem.、275:959〜968、2000; Parrisら、Structure、8:883〜895、2000; Mofidら、J. Biol. Chem.、277:17023〜17031、2002)。
【0239】
PPTアーゼの両方の種類のACPおよびPCP基質は、セリン残基を有する4へリックスバンドルタンパク質と同様のフォールドを取り入れて、SfpおよびAcpSとの相互作用について重要な役割を果たすことが示されている第2αへリックスの頂部にあるppan補欠分子族によって修飾される(Hodnelandら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、99:5048〜5052、2002;Chirgadzeら、Embo. J.、19:5281〜5287、2000;Quadriら、Biochem.、37:1585〜1595、1998;Liら、Biochem.、42:4648〜4657、2003)。PCPおよびACPの間に明白なコンセンサス配列の相違は存在しないが、これら2種の間の最も有意な相違は、キャリヤータンパク質の静電表面電位であり、FASおよびPKS系において、PCPでは中性タンパク質表面であり、ACPドメインでは負に荷電している酸性表面である(Parrisら、Structure、8:883〜895、2000)。
【0240】
短いペプチド群が、PPTアーゼのための有効な基質として同定されている。例えば、ybbR13は、11アミノ酸残基ペプチドであり、Sfpの基質である(J. Yinら、Proc. Natl. Acad. Sci. U S A、102:15815〜15820、2005;Z. Zhouら、ACS Chem Biol.、2:337〜346、2007;Z. Zhouら、J. Am. Chem. Soc.、130: 9925〜9930、2008)。ybbR13ペプチド(DSLEFIASKLA(配列番号9))は、枯草菌(B. subtilis)ゲノムのファージ提示型ライブラリから単離された(J. Yinら、Proc. Natl. Acad. Sci. U S A、102:15815〜15820、2005)。ybbR13ペプチドの配列の一部は、ybbRと呼ばれる枯草菌(B. subtilis)オープンリーディングフレームに由来し、これは、ACP、PCP、およびアリールキャリヤータンパク質(ArCP)などのPPTアーゼの既知の基質に保存されている(H/D)S(L/I)トリ−ペプチド配列をN末端に含む。ybbRペプチドは、PCPにおいて保存されていることが見出されているアミノ酸配列、DxFFxxLGG(配列番号1059)をそのN末端に含まない。部位特異的標識のための4’−ホスホパンテテイニル化反応において基質として使用することができるybbR13ペプチドの修飾およびバリアントは記載されている(J. Yinら、Proc. Natl. Acad. Sci. U S A、102:15815〜15820、2005)。PPTアーゼのための追加のペプチド基質は、それぞれSfpまたはAcpSとのそれらの反応性に基づき「S」または「A」と称されるSシリーズのペプチドおよびAシリーズのペプチドである(Z. Zhouら、ACS Chem Biol.、2:337〜346、2007およびZ. Zhouら、J. Am. Chem. Soc.、130:9925〜9930、2008)。例示的なSシリーズのペプチドには、これらだけに限定されないが、Sfpのための有効な基質であるS6が含まれ、例示的なAシリーズのペプチドには、これらだけに限定されないが、AcpSのための有効な基質であるA1が含まれる。S6およびA1ペプチドは両方とも、12アミノ酸残基長である。
【0241】
ペプチド基質の例を、下記の表2に列挙する。本発明によれば、これらの短いペプチドタグは、PPTアーゼによって触媒される反応において標的タンパク質(抗体を含む)を部位特異的に標識するために使用することができる。加えて、本明細書に記載のペプチドタグおよび個々のPPTアーゼのペアリング、例えば、ybbR13/SfpまたはS6/SfpおよびA1/AcpSは、例えば、細胞溶解産物中、または生細胞の表面上の1種(または複数の)標的タンパク質を直交的部位特異的に標識するために使用することもできる。
【0242】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0243】
したがって、本発明は、表2に列挙されているペプチドタグのうちの1個または複数を含有する操作された抗体、およびそのような抗体を標識する方法、例えば、細胞毒とコンジュゲートする方法を提供する。標識化学を、下記および実施例において例示する。
【0244】
2.標識化学
本明細書において提供する修飾抗体またはその断片は、これらだけに限定されないが、Sfp、AcpS、ヒトPPTアーゼまたはT・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼを含むPPTアーゼまたはその変異体を使用して、短いペプチドタグ(挿入もしくはグラフトされているか、またはそれらの組合せ)を翻訳後修飾することによって、部位特異的に標識される。そのような翻訳後修飾は、短いペプチドタグ中の保存セリン残基と補酵素A(CoA)または補酵素A類似体の4’−ホスホパンテテイニル(ppan)基との間でのPPTアーゼ触媒反応を伴う。この反応では、CoAのppan補欠分子族またはCoA類似体の修飾ppan補欠分子族が、抗体に組み込まれている(すなわち、挿入もしくはグラフトされているか、またはそれらの組合せ)短いペプチドタグの保存セリン残基のヒドロキシル基とホスホジエステル結合を形成することによって、短いペプチドタグに結合される。ppanまたは修飾ppanは、末端基(TG)に連結しており、ホスホジエステル結合の形成は、それによって、末端基(TG)を修飾抗体またはその断片と、ppanまたは修飾ppan部分を含むリンカーを介してコンジュゲートする。
【0245】
ある特定の実施形態では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、1ステップ法によって標識し、この際、下記のスキーム(Ia)〜(Ic)に示すとおり、その翻訳後修飾は、末端基(TG)に連結しているCoAまたは末端基(TG)に連結しているCoA類似体を、抗体の中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリンと反応させることによって起こる。別法では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片の翻訳後修飾の他の実施形態では、修飾抗体またはその断片を2ステップ法によって標識し、この際、その翻訳後修飾は、初めに、活性化CoAまたは活性化CoA類似体を、抗体の中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリンと反応させ、続いて、官能化された末端基(TG)を、活性化CoA上の反応性基または活性化CoAと反応させることを伴う。そのような2ステップ法は、下記のスキーム(IIa)〜(IIf)において図示する。本明細書において提供する修飾抗体またはその断片の翻訳後修飾の他の実施形態では、修飾抗体またはその断片を3ステップ法によって標識し、この際、その翻訳後修飾は、初めに、保護ppan補欠分子族を有するCoAまたは保護ppan補欠分子族を有するCoA類似体を、抗体の中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリンと反応させ、それによって、CoAまたはCoA類似体を抗体と結合させることを伴う。第2のステップでは、保護ppan補欠分子族を脱保護し、それによって、反応性官能基を保護ppan補欠分子族上で生成させる。第3のステップでは、この反応性官能基を、末端基(TG)に連結させ、それによって、末端基を修飾抗体またはその断片に結合させる。そのような3ステップ法は、以下のスキーム(IIIa)〜(IIIf)において図示する。
【0246】
1ステップ法
本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を標識するために使用する1ステップ法をスキーム(Ia)において示す:
【0247】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
は、Hまたは−P(=O)(OH)であり、
リンカーユニット(LU)は、末端基(TG)をCoA類似体の修飾ppan補欠分子族に連結する化学部分であり、
末端基(TG)は、抗癌薬、抗炎症薬、抗真菌薬、抗菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、および麻酔薬から選択される薬物部分、生物物理学的プローブ、フルオロフォア、アフィニティープローブ、キレーター、分光学的プローブ、放射性プローブ、脂質分子、ポリエチレングリコール、ポリマー、スピン標識、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、抗体、抗体断片、ナノ粒子、量子ドット、リポソーム、PLGA粒子、多糖、または表面である。
【0248】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、光切断可能なリンカー、またはそれらの任意の組合せから選択されるリンカーを含み、リンカーユニット(LU)は、自壊的(self-immolative)スペーサーを含有してもよい。
【0249】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、光切断可能なリンカー、または自壊的スペーサーである。
【0250】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、光切断可能なリンカー、または自壊的スペーサーである。
【0251】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、結合、−A−、−A−、または−X−であり、この際、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0252】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHC(=O)NH−、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0254】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8および9から選択され、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、光切断可能なリンカー、または自壊的スペーサーである]。
【0255】
ある特定の実施形態では、Lは、C(=O)−CHCH−NH−C(=O)−CHCH−S−であり、したがって、LUは、−C(=O)−CHCH−NH−C(=O)−CHCH−S−L−L−L−である。
【0256】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、結合、−A−、−A−、または−X−であり、この際、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−(O(CH−、−((CHO)−、−((CHO)(CH−、−(CHC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−S(CHC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)(CH−、−(CHC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0257】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0258】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHC(=O)NH−、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0259】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8および9から選択され、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、光切断可能なリンカー、または自壊的スペーサーである。
【0260】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、結合、−A−、−A−、または−X−であり、この際、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0261】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0262】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHC(=O)NH−、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0263】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8および9から選択され、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、または光切断可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、切断不可能なリンカー、酵素的に切断可能なリンカー、光安定性のリンカー、光切断可能なリンカー、または自壊的スペーサーである。
【0264】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、結合、−A−、−A−、または−X−であり、この際、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0265】
【化100】
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【0266】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHC(=O)NH−、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0267】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8および9から選択され、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、または切断不可能なリンカーであり、
は、結合、非酵素的に切断可能なリンカー、または切断不可能なリンカーであり、
は、結合、酵素的に切断可能なリンカー、または自壊的スペーサーである。
【0268】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、結合、−A−、−A−、または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、−A−、
【0269】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NR−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−(CHNH−、−(C(RNH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0270】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−(CHS−、−(C(RS−、−S(CH−、−S(C(R−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)NH(CH−、−(C(R(O(C(ROC(=O)NH(C(R−、−(CH(O(CHOC(=O)−、−(C(R(O(C(ROC(=O)−、−(CH(O(CHC(=O)−、−(C(R(O(C(RC(=O)−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、−(O(C(RNHC(=O)(C(R−、
【0271】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(C(R−、−(O(CH−、−(O(C(R−、−((CHO)−、−(((C(RO)−、−((CHO)(CH−、−(((C(RO)C(R−、−(CHC(=O)NH−、−(C(RC(=O)NH−、−(CHNHC(=O)−、−(C(RNHC(=O)−、−NHC(=O)(CH−、−NHC(=O)(C(R−、−C(=O)NH(CHS−、−C(=O)NH(C(RS−、−S(CHC(=O)NH−、−S(C(RC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)NH(C(RNHC(=O)(C(R−、−C(=O)(CH−、−C(=O)(C(R−、−(CHC(=O)−、−(C(RC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(C(R(O(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(C(RNHC(=O)(C(R−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(C(RNH((C(RO)(C(R−、−(O(CHNHC(=O)(CH−、または−(O(C(RNHC(=O)(C(R−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0272】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0273】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHC(=O)NH−、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0274】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される。
【0275】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、結合、−A−、−A−、または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、−A−、
【0276】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−(O(CH−、−((CHO)−、−((CHO)(CH−、−(CHC(=O)NH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHS−、−S(CHC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)(CH−、−(CHC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−(O(CH−、−((CHO)−、−((CHO)(CH−、−(CHC(=O)NH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHS−、−S(CHC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)(CH−、−(CHC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0277】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−(O(CH−、−((CHO)−、−((CHO)(CH−、−(CHC(=O)NH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHS−、−S(CHC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)(CH−、−(CHC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0278】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−(O(CH−、−((CHO)−、−((CHO)(CH−、−(CHC(=O)NH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHS−、−S(CHC(=O)NH−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−C(=O)(CH−、−(CHC(=O)−、−(CH(O(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0279】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0280】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−、および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される。
【0281】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−L−L−L−L−であり、この際、
は、結合、−A−、−A−、または−X−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、または−A−であり、
は、結合、−A−、−A−、
【0282】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0283】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−、−(O(CHNHC(=O)(CH−または
【0284】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
は、−C(=O)NH−、−C(=O)NH(CH−、−C(=O)NH(CHS−、−(O(CH−、−((CHO)(CH−、−NHC(=O)(CH−、−(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH−、−(CHNH((CHO)(CH−または−(O(CHNHC(=O)(CH−であり、
各Xは、独立に、結合、
【0285】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0286】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
、−CHR(CHC(=O)NH−、−CHR(CHNHC(=O)−、−C(=O)NH−および−NHC(=O)−から選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、−C(=O)OH、および−OHから選択され、
各Rは、独立に、H、C1〜4アルキル、フェニル、または1〜3個の−OH基で置換されているC1〜4アルキルから選択され、
各Rは、独立に、H、フルオロ、−C(=O)OHで置換されているベンジルオキシ、−C(=O)OHで置換されているベンジル、−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルコキシ、および−C(=O)OHで置換されているC1〜4アルキルから選択され、
は、独立に、H、フェニル、およびピリジンから選択され、
は、独立に、
【0287】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
は、独立に、HおよびC1〜6ハロアルキルから選択され、
各nは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択され、
各mは、独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される。
【0288】
本明細書に記載の化合物または方法のいずれかのある特定の実施形態では、Lは、−C(=O)−NH−CH−CH−S−[L−L−L−TG]である([L−L−L−TG]などの括弧内に示されているこれらの式の部分は、その式のどの空き原子価(open valence)が括弧に囲まれた構造の残りの部分に結合しているかを同定するために、記載されている式に加えられている)。
【0289】
本明細書に記載の化合物または方法のいずれかのある特定の実施形態では、Lは、
【0290】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0291】
本明細書に記載の化合物または方法のいずれかのある特定の実施形態では、Lは、−(CH2〜6−C(=O)−[L−TG];−(CH2〜6−NH−[L−TG];−(CH2〜6−S−[L−TG];−(CH2〜6−Z−[L−TG];および−(CH2〜6−Z−C(=O)−[L−TG]から選択され、この際、Zは、O、NH、またはSである。
【0292】
本明細書に記載の化合物または方法のいずれかのある特定の実施形態では、Lは、結合または下式のval−citリンカー:
【0293】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
である。Lがval−citリンカーである場合、Lは好ましくは、−(CH2〜6−C(=O)−である。
【0294】
本明細書に記載の化合物または方法のいずれかのある特定の実施形態では、TGは、DM1もしくはDM4などのマイタンシノイド、またはドロスタチン(dolostatin)10化合物、例えば、オーリスタチンMMAFもしくはMMAE、またはN−アセチル−γ−カリチアマイシンなどのカリチアマイシン、またはローダミンもしくはテトラメチルローダミンなどの標識もしくは色素である。
【0295】
本明細書で使用する場合、「リンカー」は、抗体またはその断片を末端基に連結することが可能な任意の化学的部分である。リンカーは、化合物または抗体が活性を維持する条件で、酸誘発切断、光誘発切断、ペプチダーゼ誘発切断、エステラーゼ誘発切断、およびジスルフィド結合切断などの切断に対して感受性があり得る。別法では、リンカーは、切断に対して実質的に耐性であり得る。リンカーは、自壊的スペーサーを含んでも、含まなくてもよい。
【0296】
末端基(TG)を本明細書において提供する修飾抗体またはその断片とコンジュゲートするために本明細書で使用する非酵素的に切断可能なリンカーの非限定的な例には、酸不安定性リンカー、ジスルフィド部分を含有するリンカー、トリアゾール部分を含有するリンカー、ヒドラジン部分を含有するリンカー、チオエーテル部分を含有するリンカー、ジアゾ部分を含有するリンカー、オキシム部分を含有するリンカー、アミド部分を含有するリンカー、およびアセトアミド部分を含有するリンカーが含まれる。
【0297】
末端基(TG)を本明細書において提供する修飾抗体またはその断片とコンジュゲートするために本明細書で使用する酵素的に切断可能なリンカーの非限定的な例には、これらだけに限定されないが、プロテアーゼによって切断されるリンカー、アミダーゼによって切断されるリンカー、およびβ−グルクロニダーゼによって切断されるリンカーが含まれる。
【0298】
ある特定の実施形態では、そのような酵素切断可能なリンカーは、カテプシンZ、カテプシンB、カテプシンH、およびカテプシンCを含めたカテプシンによって切断されるリンカーである。ある特定の実施形態では、酵素的に切断可能なリンカーは、カテプシンZ、カテプシンB、カテプシンH、またはカテプシンCによって切断されるジペプチドを含めたカテプシンによって切断されるジペプチドである。ある特定の実施形態では、酵素的に切断可能なリンカーは、カテプシンB−切断可能なペプチドリンカーである。ある特定の実施形態では、酵素的に切断可能なリンカーは、カテプシンB−切断可能なジペプチドリンカーである。ある特定の実施形態では、酵素的に切断可能なリンカーは、カテプシンB−切断可能なジペプチドリンカーであり、これは、バリン−シトルリンまたはフェニルアラニン−リシンである。末端基(TG)を本明細書において提供する修飾抗体またはその断片とコンジュゲートするために本明細書で使用する酵素的に切断可能なリンカーの他の非限定的な例には、これらだけに限定されないが、β−グルクロニダーゼ−によって切断されるリンカー、例えば、
【0299】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
が含まれる。Ducryら、Bioconjugate Chem、vol. 21(1)、5〜13 (2010)を参照されたい。
【0300】
「自壊的スペーサー」は、一方の末端で第1化学部分に、かつ他方の末端で第2化学部分に共有結合していて、それによって、安定なトリパーテート(tripartate)分子を形成している二官能性化学部分である。自壊的スペーサーと第1化学部分との間の結合が切断すると、自壊的スペーサーは、迅速かつ自発的分子内反応を受け、それによって、第2化学部分から分離する。これらの分子内反応は一般に、1,4、または1,6、または1,8除去反応または環化などの電子再編成を伴って、高度に好ましい5員環または6員環を形成する。本発明のある特定の実施形態では、第1部分は、酵素切断可能なリンカーであり、この切断は酵素反応から生じる一方で、他の実施形態では、第1部分は酸不安定性リンカーであり、この切断は、pH変化によって起こる。本発明に適用する場合、第2部分は、本明細書において定義するとおりの「標識」基である。ある特定の実施形態では、自壊的スペーサーからの第1部分の切断は、タンパク分解酵素による切断から生じる一方で、他の実施形態では、これは、ヒドロラーゼによる切断から生じる。ある特定の実施形態では、自壊的スペーサーからの第1部分の切断は、カテプシン酵素による切断から生じる。
【0301】
ある特定の実施形態では、酵素切断可能なリンカーは、ペプチドリンカーであり、自壊的スペーサーは、その一方の末端ではペプチドリンカーに共有結合しており、その他方の末端では、薬物部分に共有結合している。このトリパータイト分子は安定しており、酵素が存在しない状態では、薬理学的に不活性であるが、酵素によって、スペーサー部分およびペプチド部分を共有結合している結合で酵素的に切断可能である。ペプチド部分がトリパーテート分子から切断されると、これは、スペーサー部分の自壊特性を開始して、その結果として、スペーサー部分を薬物部分に共有結合している結合の自発的切断をもたらし、それによって、薬理学的に活性な形態での薬物の放出を実行する。
【0302】
末端基(TG)を本明細書において提供する修飾抗体またはその断片とコンジュゲートする際に任意選択により使用される自壊的スペーサーの非限定的な例には、これらだけに限定されないが、ベンジルカルボニル部分、ベンジルエーテル部分、4−アミノブチラート部分、ヘミチオアミナール部分、またはN−アシルヘミチオアミナール部分を含む部分が含まれる。
【0303】
自壊的スペーサーの他の例には、これらだけに限定されないが、p−アミノベンジルオキシカルボニル基、p−アミノベンジルオキシカルボニル基と電子的に同様の、2−アミノイミダゾール−5−メタノール誘導体およびオルトまたはパラ−アミノベンジルアセタールなどの芳香族化合物が含まれる。ある特定の実施形態では、アミド結合加水分解で環化を受ける本明細書で使用する自壊的スペーサーには、置換および非置換の4−アミノ酪酸アミドおよび2−アミノフェニルプロピオン酸アミドが含まれる。
【0304】
ある特定の実施形態では、自壊的スペーサーは、
【0305】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
である一方で、他の実施形態では、自壊的スペーサーは、
【0306】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、nは1または2である]である。他の実施形態では、自壊的スペーサーは、
【0307】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、nは1または2である]である。他の実施形態では、自壊的スペーサーは、
【0308】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、nは1または2である]である。他の実施形態では、自壊的スペーサーは、
【0309】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、nは1または2である]である。他の実施形態では、自壊的スペーサーは、
【0310】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、nは1または2である]である。
【0311】
スキーム(Ib)は、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片の翻訳後修飾を図示しており、この際、リンカーユニット(LU)は−L−L−L−L−である。
【0312】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、L、L、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0313】
スキーム(Ia)およびスキーム(Ib)のCoA類似体は、全くの化学合成によって得ることができるが、スキーム(Ia)およびスキーム(Ib)のCoA類似体を好ましくは、化学的酵素的プロセスによって得、この際、パンテテイン類似体を化学的に合成し、次いで、対応するCoA類似体に生合成によって変換する(Kristine M. Clarkeら、「In Vivo Reporter Labeling of Proteins via Metabolic Delivery of Coenzyme A Analogues」、J. Am. Chem. Soc.、2005、127、p. 11234〜11235およびJordan L. Meierら、「Synthesis and Evaluation of Bioorthogonal Pantetheine Analogues for in Vivo Protein Modification」、J. Am. Chem. Soc.、2006、128、p. 12174〜12184を参照されたい)。スキーム(Ia)のCoA類似体のための生合成変換を下記に示す:
【0314】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
他方で、スキーム(Ib)のCoA類似体のための生合成変換を下記に示す:
【0315】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、LU、L、L、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0316】
ある特定の実施形態では、生合成変換は、「インビボ」で起こり、この際、パンテテイン類似体は、周囲の培地から細胞に進入し、それによって、いったん細胞内部で、CoA酵素的経路によって、対応するCoA類似体に変換される。具体的な実施形態では、大腸菌(E. coli)を、対応するCoA類似体へのパンテテイン類似体の生合成変換のために使用し、この際、パンテテイン類似体は、周囲培地から大腸菌(E. coli)に進入し、いったん細胞内部で、パンテテイン類似体は初めに、パントテン酸キナーゼ(PanKまたはCoaA)によって、アデノシン−5’−三リン酸(ATP)を使用してリン酸化され、次いで、ホスホパンテテインアデニリルトランスフェラーゼ(PPATまたはCoaD)によってアデニル化されて、デホスホ−CoA類似体をもたらし、次いで、さらに、デホスホ補酵素Aキナーゼ(DPCKまたはCoaE)によってリン酸化されて、CoA類似体をもたらす。
【0317】
他の実施形態では、生合成変換は「インビトロ」で起こり、この際、酵素的CoA経路は、パンテテイン類似体と共に再構成され、それによって、パンテテイン類似体は、再構成されたCoA酵素的経路によって「インビトロ」で、対応するCoA類似体に変換される。「インビトロ」変換の具体的な実施形態では、再構成されたCoA酵素的経路は、大腸菌(E. coli)CoA酵素的経路であり、この際、パンテテイン類似体は初めに、CoaAおよびATPによってリン酸化され、次いで、CoaDによってアデニル化されて、デホスホ−CoA類似体をもたらし、次いで、CoaEによってさらにリン酸化されて、CoA類似体をもたらす。
【0318】
ある特定の実施形態では、リンカーユニット(LU)は、−C(=O)NH(CHS−L−L−L−であり、Rは、−P(=O)(OH)であり、そのような実施形態では、末端基は、CoAに連結している。スキーム(Ic)は、具体的な実施形態のための、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片の翻訳後修飾を図示しており、この際、PPTアーゼは、組み込まれた短いペプチドタグ中の保存セリン残基と、補酵素A(CoA)に連結している末端基(TG)との間の反応を触媒する:
【0319】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0320】
ある特定の実施形態では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、スキーム(Ia)、スキーム(Ib)、およびスキーム(Ic)に示したとおりの1ステップ法によって部位特異的に標識するが、この際、CoAまたはCoA類似体に連結している末端基が、抗体の中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリンと反応する。
【0321】
1ステップ法は、
(a)小さなペプチドタグを含有するように操作されていて、そのペプチドタグが、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(A)の構造を有する化合物:
【0322】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
、リンカーユニット(LU)、およびTGは、本明細書に記載のとおりである]が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートすることによって、修飾抗体またはその断片を末端基で標識するステップと
を含む。
【0323】
式(A)の化合物を使用するそのような1ステップ法では、それによって、末端基(TG)を、修飾抗体またはその断片と、式(I−a)による構造を有するリンカーを介してコンジュゲートする。式(I−a)のリンカーは、4’−ホスホパンテテイニル部分と、抗体中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリン残基のヒドロキシル基との間に形成されるホスホジエステル結合によって、小さなペプチドタグに結合する:
【0324】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、LUは、本明細書において定義するとおりであり、*は、4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]。
【0325】
ある特定の実施形態では、1ステップ法は、
(a)小さなペプチドタグを含有するように操作されていて、そのペプチドタグが、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(B)の構造を有する化合物:
【0326】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、L、L、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートすることによって、修飾抗体またはその断片を末端基で標識するステップと
を含む。
【0327】
上記の式(B)の化合物を使用するそのような1ステップ法では、それによって、末端基を、修飾抗体またはその断片と、式(I−b)による構造を有するリンカーを介して結合する。式(I−b)のリンカーは、4’−ホスホパンテテイニル部分と、抗体中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリン残基のヒドロキシル基との間に形成されるホスホジエステル結合によって、小さなペプチドタグに結合する:
【0328】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、L、およびLは、本明細書において定義するとおりであり、*は、4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]。
【0329】
他の実施形態では、1ステップ法は、
(a)小さなペプチドタグを含有するように操作されていて、そのペプチドタグが、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(C)の構造を有する化合物:
【0330】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートすることによって、修飾抗体またはその断片を末端基で標識するステップと
を含む。
【0331】
上記の式(C)の化合物を使用するそのような1ステップ法では、それによって、末端基を、修飾抗体またはその断片と、式(I−c)による構造を有するリンカーを介して結合する。式(I−c)のリンカーは、4’−ホスホパンテテイニル部分と、抗体中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリン残基のヒドロキシル基との間に形成されるホスホジエステル結合によって、小さなペプチドタグに結合する:
【0332】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、およびLは、本明細書において定義するとおりであり、*は、4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]。
本明細書に記載の1ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、式(A)、式(B)、または式(C)の構造を有する化合物、および発現される修飾抗体またはその断片と同じ細胞内で同時発現される4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素と接触させる。本明細書に記載の1ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、細胞培地中で、式(A)、式(B)、または式(C)の構造を有する化合物、および同じ細胞中または別の細胞中で産生される4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素と接触させる。本明細書に記載の1ステップ法のある特定の実施形態では、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素を、固体支持体上に固定化する。ある特定の実施形態では、固体支持体は、任意選択により、ビーズまたはカラム上のポリマーからなる。
【0333】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Aは、−(CHNHC(=O)−であり、X
【0334】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0335】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Aは−(CHNHC(=O)−であり、X
【0336】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
であり、TGは蛍光プローブである。
【0337】
ある特定の実施形態では、式(B)の化合物は、
【0338】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0339】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Aは−(CHC(=O)−、X
【0340】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0341】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Aは−(CHC(=O)−であり、X
【0342】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
であり、TGは、薬物部分である。
【0343】
ある特定の実施形態では、式(B)の化合物は、
【0344】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0345】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは−A−であり、Lは−A−であり、L
【0346】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
であり、;Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Aは−(CHC(=Oであり、A
【0347】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Xは、
【0348】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0349】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは−A−であり、Lは−A−−であり、L
【0350】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Aは−(CHC(=Oであり、A
【0351】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
であり、X
【0352】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
であり、TGは、薬物部分である。
【0353】
ある特定の実施形態では、式(B)の化合物は、
【0354】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0355】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは結合−であり、Lは−A−であり、Lは結合であり、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Aは−(CHC(=O)−であり、Xは−(CHC(=O)NH−である。
【0356】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは結合−であり、Lは−A−であり、Lは結合であり、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Aは−(CHC(=O)−であり、Xは−(CHC(=O)NH−であり、TGは薬物部分である。
【0357】
ある特定の実施形態では、式(B)の化合物は、
【0358】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0359】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、Lは結合であり、Aは−C(=O)NH(CHSであり、Aは−(CHC(=O)−であり、Xは−CHR(CHC(=O)NH−であり、Rは−C(=O)OHである。
【0360】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、Lは結合であり、Aは−C(=O)NH(CHSであり、Aは−(CHC(=O)−であり、Xは−CHR(CHC(=O)NH−であり、Rは−C(=O)OHであり、TGは薬物部分である。
【0361】
ある特定の実施形態では、式(B)の化合物は、
【0362】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0363】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、Lは結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHNHC(=O)−である。
【0364】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、Lは結合であり、Lは結合であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−である。
【0365】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHC(=Oであり、Lは−A−であり、この際、Aは、
【0366】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Lは、
【0367】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0368】
本明細書において提供する方法、化合物、および免疫コンジュゲートのある特定の実施形態では、Lは−A−であり、この際、Aは−C(=O)NH(CHS−であり、Xは−(CH)C(=O)NH−であり、Lは結合−であり、Lは−A−であり、この際、Aは−(CHC(=O)−であり、Lは結合である。
【0369】
2ステップ法
別法では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、2ステップ法によって部位特異的に標識し、この際、第1のステップでは、官能基(R)を含有するCoAのppan補欠分子族またはCoA類似体の修飾ppan補欠分子族を、4’−ホスホパンテテイニル部分と、抗体に組み込まれている短いペプチドタグの保存セリン残基のヒドロキシル基との間に形成されるホスホジエステル結合によって、短いペプチドタグに結合させる。第2のステップでは、官能基(R)と反応性である基に連結しているか、または直接結合している末端基(TG)を、CoAのppan補欠分子族またはCoA類似体の修飾ppan補欠分子族上の官能基(R)と反応させ、それによって、末端基を修飾抗体またはその断片に直接結合させるか、末端基を修飾抗体またはその断片にリンカーユニット(LU)を介して結合させる。
【0370】
2ステップ法の一実施形態をスキーム(IIa)において示す。
【0371】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Xおよび対応するRは、下記の表3に示すとおりであり、R、A、L、X、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである:
【0372】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
XおよびRのアルケン、アルキン、トリアリールホスフィン、シクロオクテン、オキサノルボルナジエン、ジアリールテトラジン、モノアリールテトラジン、およびノルボルネンは、置換されていてもよい。
【0374】
スキーム(IIa)の2ステップ法は、
(a)ペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(D)の化合物
【0375】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(D−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基
【0376】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
をペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を標識するステップと、
(c)活性化4’−ホスホパンテテイニル基を式(IIa)の化合物:
X−L−L−L−TG
式(II−a)
[式中、X、R、R、A、L、L、L、およびTGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させるステップと
を含む。
【0377】
スキーム(IIa)の2ステップ法の結果として、末端基は、修飾抗体またはその断片に、式(IIb)による構造を有するリンカー:
【0378】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、A、X、L、L、およびLは、本明細書において定義するとおりであり、*は修飾4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]を介して結合される。
【0379】
2ステップ法の別の実施形態をスキーム(IIb)に示す。
【0380】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、X、R、R、L、A、X、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0381】
スキーム(IIb)の2ステップ法は、
(a)短いペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(E)の化合物
【0382】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(E−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基
【0383】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
を短いペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を標識するステップと、
(c)活性化4’−ホスホパンテテイニル基を式(II−c)の化合物:
X−L−L−TG
式(II−c)
[式中、X、R、R、L、A、L、L、およびTGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させるステップと
を含む。
【0384】
スキーム(IIb)の2ステップ法の結果として、末端基は、修飾抗体またはその断片に、式(II−d)による構造を有するリンカー:
【0385】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、A、X、L、およびLは、本明細書において定義するとおりであり、*は修飾4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]を介して結合される。
【0386】
2ステップ法の別の実施形態をスキーム(II−c)に示す。
【0387】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、X、R、R、L、L、X、A、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0388】
スキーム(IIc)の2ステップ法は、
(a)短いペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(F)の化合物
【0389】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(F−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基
【0390】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
を短いペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を標識するステップと、
(c)活性化4’−ホスホパンテテイニル基を式(IIe)の化合物:
X−L−TG
式(II−e)
[式中、X、R、R、L、L、L、L、およびTGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させるステップと
を含む。
【0391】
スキーム(IIc)の2ステップ法の結果として、末端基は、修飾抗体またはその断片に、式(II−f)による構造を有するリンカー:
【0392】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、A、X、およびLは、本明細書において定義するとおりであり、*は修飾4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]を介して結合される。
【0393】
2ステップ法の別の実施形態をスキーム(IId)に示す。
【0394】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、X、R、R、L、L、L、A、X、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0395】
スキーム(IId)の2ステップ法は、
(a)短いペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(G)の化合物
【0396】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(G−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル
【0397】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
を短いペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を標識するステップと、
(c)活性化4’−ホスホパンテテイニル基を式(II−g)の化合物:
X−TG
式(II−g)
[式中、X、R、R、L、L、L、L、およびTGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させるステップと
を含む。
【0398】
スキーム(IId)の2ステップ法の結果として、末端基は、修飾抗体またはその断片に、式(II−h)による構造を有するリンカー:
【0399】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、L、A、およびXは、本明細書において定義するとおりであり、*は修飾4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]を介して結合される。
【0400】
本明細書に記載の2ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、式(D)、式(E)、式(F)、または式(G)の構造を有する化合物、および発現される修飾抗体またはその断片と同じ細胞内で同時発現される4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素と接触させる。本明細書に記載の2ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、細胞培地中で、式(D)、式(E)、式(F)、または式(G)の構造を有する化合物、および同じ細胞中または別の細胞中で産生される4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素と接触させる。本明細書に記載の2ステップ法のある特定の実施形態では、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素を、固体支持体上に固定化する。ある特定の実施形態では、固体支持体は、任意選択により、ビーズまたはカラム上のポリマーからなる。
【0401】
表4に、本明細書に記載の2ステップ法および3ステップ法で使用される式(D−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基および式(II−a)の化合物、ならびに結果として生じる、修飾抗体またはその断片中に設置された修飾セリンのある特定の実施形態を示す。注:A、L、L、L,R、R、R、R、およびTGは本明細書において定義するとおりであり、Yは、
【0402】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0403】
【表4-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表4-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表4-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表4-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表4-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0404】
表5に、本明細書に記載の2ステップ法および3ステップ法で使用される式(E−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基および式(II−c)の化合物、ならびに結果として生じる、修飾抗体またはその断片中に設置された修飾セリンのある特定の実施形態を示す。注:L、A、L、L,R、R、R、R、およびTGは本明細書において定義するとおりであり、Yは、
【0405】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0406】
【表5-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表5-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
表6に、本明細書に記載の2ステップ法および3ステップ法で使用される式(F−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基および式(II−e)の化合物、ならびに結果として生じる、修飾抗体またはその断片中に設置された修飾セリンのある特定の実施形態を示す。注:L、L、A、L,R、R、R、R、およびTGは本明細書において定義するとおりであり、Yは、
【0408】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0409】
【表6-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表6-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表6-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表6-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表6-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
表7に、本明細書に記載の2ステップ法および3ステップ法で使用される式(G−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基および式(II−g)の化合物、ならびに結果として生じる、修飾抗体またはその断片中に設置された修飾セリンのある特定の実施形態を示す。注:L、L、L、A、R、R、R、R、およびTGは本明細書において定義するとおりであり、Yは、
【0411】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0412】
【表7-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表7-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表7-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表7-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表7-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0413】
3ステップ法
別法では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、3ステップ法によって部位特異的に標識し、この際、第1のステップでは、CoAの保護ppan補欠分子族またはCoA類似体の保護修飾ppan補欠分子族を、4’−ホスホパンテテイニル部分と、抗体に組み込まれている短いペプチドタグの保存セリン残基のヒドロキシル基との間に形成されるホスホジエステル結合によって、短いペプチドタグに結合させる。第2のステップでは、CoAの保護ppan補欠分子族またはCoA類似体の保護修飾ppan補欠分子族を脱保護し、それによって反応性官能基(R)を生成する。第3のステップでは、官能基(R)と反応性である基に連結しているか、または直接結合している末端基(TG)を、CoAのppan補欠分子族またはCoA類似体の修飾ppan補欠分子族上の官能基(R)と反応させ、それによって、末端基を修飾抗体またはその断片に直接結合させるか、末端基を修飾抗体またはその断片にリンカーユニット(LU)を介して結合させる。
【0414】
3ステップ法の一実施形態をスキーム(IIIa)に示す。
【0415】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Xおよび対応するRは、表3において示したとおりであり、PGは保護基であり、R、A、L、X、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0416】
スキーム(IIIa)の3ステップ法は、
(a)短いペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式Hの化合物
【0417】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(H−a)の保護4’−ホスホパンテテイニル基
【0418】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
を短いペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を標識するステップと、
(c)保護4’−ホスホパンテテイニル基を脱保護して、式(D−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基:
【0419】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
を得るステップと
(d)活性化4’−ホスホパンテテイニル基を式(IIa)の化合物:
X−L−L−L−TG
式(IIa)
[式中、PGは保護基であり、X、R、R、A、L、L、L、およびTGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させるステップと
を含む。
【0420】
スキーム(IIIa)の3ステップ法の結果として、末端基は、修飾抗体またはその断片に、式(IIb)による構造を有するリンカー:
【0421】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、A、X、L、L、およびLは、本明細書において定義するとおりであり、*は修飾4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]を介して結合される。
【0422】
3ステップ法の別の実施形態をスキーム(IIIb)に示す。
【0423】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、PGは保護基であり、X、R、R、L、A、X、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0424】
スキーム(IIIb)の3ステップ法は、
(a)短いペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(J)の化合物
【0425】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(I−a)の保護4’−ホスホパンテテイニル基
【0426】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
を短いペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を標識するステップと、
(c)保護4’−ホスホパンテテイニル基を脱保護して、式(E−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基:
【0427】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
を得るステップと
(d)活性化4’−ホスホパンテテイニル基を式(II−c)の化合物:
X−L−L−TG
式(II−c)
[式中、PGは保護基であり、X、R、R、L、A、L、L、およびTGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させるステップと
を含む。
【0428】
スキーム(IIIb)の3ステップ法の結果として、末端基は、修飾抗体またはその断片に、式(II−d)による構造を有するリンカー:
【0429】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、A、X、L、およびLは、本明細書において定義するとおりであり、*は修飾4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]を介して結合される。
【0430】
3ステップ法の別の実施形態をスキーム(IIIc)に示す。
【0431】
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、PGは保護基であり、X、R、R、L、L、X、A、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0432】
スキーム(IIIc)の3ステップ法は、
(a)短いペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(K)の化合物
【0433】
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(K−a)の保護4’−ホスホパンテテイニル基
【0434】
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
を短いペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を標識するステップと、
(c)保護4’−ホスホパンテテイニル基を脱保護して、式(F−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基:
【0435】
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
を得るステップと
(d)活性化4’−ホスホパンテテイニル基を式(IIe)の化合物:
X−L−TG
式(II−e)
[式中、PGは保護基であり、X、R、R、L、L、L、L、およびTGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させるステップと
を含む。
【0436】
スキーム(IIIc)の2ステップ法の結果として、末端基は、修飾抗体またはその断片に、式(II−f)による構造を有するリンカー:
【0437】
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、A、X、およびLは、本明細書において定義するとおりであり、*は修飾4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]を介して結合される。
【0438】
3ステップ法の別の実施形態をスキーム(IIId)に示す。
【0439】
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、PGは保護基であり、X、R、R、L、L、L、A、X、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0440】
スキーム(IIId)の3ステップ法は、
(a)短いペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)式(L)の化合物
【0441】
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
が存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、式(L−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基
【0442】
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
を短いペプチドタグに結合させることによって、修飾抗体またはその断片を標識するステップと、
(c)保護4’−ホスホパンテテイニル基を脱保護して、式(G−a)の活性化4’−ホスホパンテテイニル基:
【0443】
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
を得るステップと
(d)活性化4’−ホスホパンテテイニル基を式(II−g)の化合物:
X−TG
式(II−g)
[式中、PGは保護基であり、X、R、R、L、L、L、L、およびTGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させるステップと
を含む。
【0444】
スキーム(IIId)の3ステップ法の結果として、末端基は、修飾抗体またはその断片に、式(II−h)による構造を有するリンカー:
【0445】
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、L、L、L、A、およびXは、本明細書において定義するとおりであり、*は修飾4’−ホスホパンテテイニル部分が、小さなペプチドタグに結合することを示している]を介して結合される。
【0446】
スキーム(IIIe)は、3ステップ法のある特定の実施形態を示しており、この際、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニル補欠分子族のチオールが保護されているCoA類似体によって部位特異的に標識する。ステップ1では、保護CoA類似体を、抗体の中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリンと反応させ、それによって、短いペプチドタグの保存セリン残基のヒドロキシル基と共にホスホジエステル結合を形成することを介して、保護チオールを含有する補欠分子族を短いペプチドタグに結合させる。第2ステップでは、チオール保護基を除去し、結果として生じたペンダント4’−ホスホパンテテイニル基を有する修飾抗体またはその断片を、末端基(TG)に連結しているチオール反応性基と反応させる。
【0447】
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、XSH、保護基(PG)、R、A、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0448】
スキーム(IIIf)は、3ステップ法のある特定の実施形態を示しており、この際、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニル補欠分子族のチオールが保護されているCoA類似体を使用して部位特異的に標識する。ステップ1では、保護CoA類似体を、抗体の中に操作して入れた短いペプチドタグの保存セリンと反応させ、それによって、短いペプチドタグの保存セリン残基のヒドロキシル基と共にホスホジエステル結合を形成することを介して、保護チオールを含有する補欠分子族を短いペプチドタグに結合させる。第2ステップでは、チオール保護基を除去し、結果として生じたペンダント4’−ホスホパンテテイニル基を有する修飾抗体またはその断片を、末端基(TG)に連結しているチオール反応性基と反応させる。
【0449】
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、XSH、保護基(PG)、R、A、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである]。
【0450】
スキーム(IIIe)およびスキーム(IIIf)の3ステップ法では、チオール保護基には、これらだけに限定されないが、アセチル、アセトアミドメチル、ベンジル、4−メチルベンジル、4−メトキシベンジル、トリチル、メトキシトリチル、t−ブチル、t−ブチルチオール、および3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルが含まれる。スキーム(IIIe)およびスキーム(IIIf)のチオール反応性基には、これらだけに限定されないが、マレイミド、ハロアセチル、ハロアセトアミド、ピリジルジスルフィド、およびビニルスルホンが含まれる。
【0451】
スキーム(IIIf)の3ステップ法は、
(a)短いペプチドタグを含有するように操作されており、そのペプチドタグが4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素の基質である修飾抗体またはその断片を得るステップと、
(b)修飾抗体またはその断片を、
(i)チオール保護された補酵素Aが存在する状態で、修飾抗体またはその断片を、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素と共にインキュベートし、それによって、補酵素Aのチオール保護された補欠分子族を短いペプチドタグに結合させ;
(ii)チオール基を脱保護し、それによって、ペンダントチオールを有する4’−ホスホパンテテイニル基を形成し、かつ
(iii)4’−ホスホパンテテイニル基のペンダントチオールを式(IIIf)の化合物:
SH−L−L−L−TG
式(IIIf)
[式中、XSHは、これらだけに限定されないが、マレイミド、ハロアセチル、ハロアセトアミド、ピリジルジスルフィド、およびビニルスルホンを含めたチオール反応性基である。A、L、Lおよび、TGは本明細書において定義するとおりである]
と反応させることによって標識するステップと
を含む。加えて、スキーム(IIf)の2ステップ法では、末端基を、修飾抗体またはその断片に、式(III−a)の構造を有するリンカー:
【0452】
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
を介して結合させる。*は、4’−ホスホパンテテイニル部分が小さなペプチドタグに結合していることを示し、L、L、L、およびTGは、本明細書において定義するとおりである。この実施形態では、Xは、XSHおよびこれらだけに限定されないが、
【0453】
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
および−S−S−を含めた、ペンダントチオールの反応によって形成される基である。
【0454】
ある特定の実施形態では、XSH−L−L−L−TGは、
【0455】
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この際、
は、結合、−C(=O)−、−NH−、−NHC(=O)−、−(C(=O)NH(CH−、
【0456】
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0457】
他の実施形態では、XSH−L−L−L−TGは、
【0458】
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
である。
本明細書に記載の3ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、式(H)、式(J)、式(K)、または式(L)の構造を有する化合物、および発現される修飾抗体またはその断片と同じ細胞内で同時発現される4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素と接触させる。本明細書に記載の2ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、細胞培地中で、式(H)、式(J)、式(K)、または式(L)の構造を有する化合物、および同じ細胞または別の細胞によって同時発現される4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素と接触させる。本明細書に記載の2ステップ法のある特定の実施形態では、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素を、固体支持体上に固定化する。ある特定の実施形態では、固体支持体は、任意選択により、ビーズまたはカラム上のポリマーからなる。
【0459】
3ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、同じ細胞中で同時発現される4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼと接触させる。3ステップ法のある特定の実施形態では、チオール保護された補酵素Aは、アセチル−補酵素Aである。3ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、細胞培地中で、同じまたは別の細胞によって同時発現されるチオール保護された補酵素Aおよび4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素と接触させる。3ステップ法のある特定の実施形態では、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素を、固体支持体上に固定化する。固体支持体は、任意選択により、ビーズまたはカラム上のポリマーからなる。
【0460】
本明細書に記載の1ステップ法、2ステップ法、または3ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、使用する方法に応じて、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)、式(G)、式(H)、式(J)、式(K)、または式(L)の構造を有する化合物、および4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵素と、摂氏0〜37度の温度にて、3〜10、好ましくは7〜9、最も好ましくは約8のpH値に調整された緩衝液または培地中で、5分〜48時間の反応時間で接触させる。
【0461】
本明細書に記載の1ステップ法、2ステップ法、または3ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、使用する方法に応じて、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)、式(G)、式(H)、式(J)、式(K)、または式(L)の構造を有する化合物と、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼが存在する状態で溶液中で接触させる。本明細書に記載の1ステップ法、2ステップ法、または3ステップ法の他の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、使用する方法に応じて、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)、式(G)、式(H)、式(J)、式(K)、または式(L)の構造を有する化合物と、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼが存在する状態で細胞培地中で接触させる。本明細書に記載の1ステップ法、2ステップ法、または3ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、使用する方法に応じて、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)、式(G)、式(H)、式(J)、式(K)、または式(L)の構造を有する化合物と、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼが存在する状態で細胞内部で接触させる。
【0462】
本明細書に記載の1ステップ法、2ステップ法、または3ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、使用する方法に応じて、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)、式(G)、式(H)、式(J)、式(K)、または式(L)の構造を有する化合物と、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼが存在する状態で接触させ、この際、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼは、表面上に固定化されている。ある特定の実施形態では、表面はポリマービーズである。
【0463】
本明細書に記載の1ステップ法、2ステップ法、または3ステップ法のある特定の実施形態では、修飾抗体またはその断片を、使用する方法に応じて、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)、式(G)、式(H)、式(J)、式(K)、または式(L)の構造を有する化合物と、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼが存在する状態で接触させ、この際、修飾抗体またはその断片は、表面上に固定化されている。ある特定の実施形態では、表面はポリマービーズである。
【0464】
ある特定の実施形態では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、1、2、3、4、5、6、7、または8の末端基(「TG」)−対−抗体比で標識し、この際、修飾抗体またはその断片は、抗体の構造的ループ中に設置された1、2、3、4、5、6、7、または8個の短いペプチドタグを含有し、その短いペプチドタグは、Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、AcpS4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、T・マリティマ(T.maritima)4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、C・テルモセルム(C.thermocellum)4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、ヒト4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、またはそれらの変異体型の基質である。例えば、4のTG−対−抗体比は、末端基を、挿入されたS6タグの4つのコピーと、または挿入されたybbRタグの4つのコピーと、または挿入されたA1タグの4つのコピーと、または挿入されたS6タグの2つのコピーおよび挿入されたybbRタグの2つのコピーの組合せとコンジュゲートすることによって達成される。ある特定の実施形態では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、2種の異なるペプチドタグおよび2種の異なる4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼを使用して、2種の異なる末端基で標識する。例として、A1タグの2つのコピーを、AcpS 4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼを使用して第1末端基とコンジュゲートする。次いで、第2末端基を、Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼを使用して、S6タグの2つのコピーに結合させる(例えば、Zhouら、ACS Chem. Biol.2:337〜346、2007を参照されたい)。
【0465】
ある特定の実施形態では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、1、2、3、4、5、6、7、または8の末端基(TG)−対−抗体比(例えば、DAR)で標識し、この際、修飾抗体またはその断片は、抗体の構造的ループ中に設置された1、2、3、4、5、6、7、または8個の短いペプチドタグを含有し、その短いペプチドタグは、Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、AcpS4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、T・マリティマ(T.maritima)4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、C・テルモセルム(C.thermocellum)4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、ヒト4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ、またはそれらの変異体型の基質である。例えば、4のTG−対−抗体比は、薬物部分を、挿入されたS6タグの4つのコピーと、または挿入されたybbRタグの4つのコピーと、または挿入されたA1タグの4つのコピーと、または挿入されたS6タグの2つのコピーおよび挿入されたybbRタグの2つのコピーの組合せとコンジュゲートすることによって達成される。ある特定の実施形態では、本明細書において提供する修飾抗体またはその断片を、2種の異なるペプチドタグおよび2種の異なる4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼを使用して、2種の異なる薬物部分で標識する。例として、A1タグの2つのコピーを、AcpS 4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼを使用して第1薬物部分とコンジュゲートする。次いで、第2薬物部分を、Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼを使用して、S6タグの2つのコピーに結合させる(例えば、Zhouら、ACS Chem. Biol.2:337〜346、2007を参照されたい)。
【0466】
3.Fc領域のフレームワークのさらなる変更
本発明は、部位特異的に標識された免疫コンジュゲートを提供する。本発明の免疫コンジュゲートは、例えば、抗体の特性を改良するために、Vおよび/またはVの範囲内のフレームワーク残基に対する修飾をさらに含む修飾抗体またはその断片を含み得る。典型的には、抗体の免疫原性を低下させるために、そのようなフレームワーク修飾を行う。例えば、手法の1つは、1個または複数のフレームワーク残基を、対応する生殖細胞系配列に「復帰変異」させることである。より具体的には、体細胞変異を受けている抗体は、その抗体が由来する生殖細胞系配列とは異なるフレームワーク残基を含有し得る。そのような残基は、抗体フレームワーク配列を、その抗体が由来する生殖細胞系配列と比較することによって同定することができる。フレームワーク領域配列を、それらの生殖細胞系配置に戻すために、例えば、部位特異的変異誘発によって、体細胞変異を、生殖細胞系配列に「復帰変異」させることができる。そのような「復帰変異」抗体も、本発明に内包されることが意図されている。
【0467】
別のタイプのフレームワーク修飾は、T−細胞エピトープを除去し、それによって、抗体の潜在的な免疫原性を低下させるために、フレームワーク領域内またはさらには1つまたは複数のCDR領域内の1個または複数の残基の変異を伴う。この手法はまた、「脱免疫化」と称され、Carrらによる米国特許出願公開第20030153043号にさらに詳細に記載されている。
【0468】
フレームワークまたはCDR領域内で行われる修飾に加えて、またはその代わりに、本発明の抗体を、Fc領域内に修飾を含むように、典型的には、血清半減期、補体結合、Fc受容体結合、および/または抗原依存性細胞傷害活性などの抗体の1つまたは複数の機能特性を変更するように、操作することができる。さらに、本発明の抗体は、化学的に修飾するか(例えば、1個または複数の化学部分を、抗体に結合させることができる)、またはそのグリコシル化を変更し、再び、抗体の1つまたは複数の機能特性を変更するように修飾することができる。これらの実施形態はそれぞれ、下記でさらに詳細に記載する。
【0469】
一実施形態では、CH1のヒンジ領域を修飾して、ヒンジ領域中のシステイン残基の数を変更して、例えば、増加または減少させるようにする。この手法は、Bodmerらによる米国特許第5,677,425号においてさらに記載されている。CH1のヒンジ領域中のシステイン残基の数を変更して、例えば、軽鎖および重鎖のアセンブリを促進するか、または抗体の安定性を増大または低下させる。
【0470】
別の実施形態では、抗体のFcヒンジ領域を変異させて、抗体の生物学的半減期を減少させる。より具体的には、1個または複数のアミノ酸変異を、Fcヒンジ断片のCH2−CH3ドメインインターフェース領域に導入して、抗体が、固有のFcヒンジドメインSpA結合に対して減退したブドウ球菌タンパク質A(SpA)の結合を有するようにする。この手法は、Wardらによる米国特許第6,165,745号にさらに詳細に記載されている。
【0471】
まだ他の実施形態では、少なくとも1個のアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置き換えて、抗体のエフェクター機能を変更することによって、Fc領域を変更する。例えば、抗体がエフェクターリガンドのために変更されたアフィニティーを有するが、親抗体の抗原結合能力は維持するように、1個または複数のアミノ酸を異なるアミノ酸残基と置き換えることができる。アフィニティーが変更されるエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1成分であってよい。この手法は、例えば、両方ともWinterらによる米国特許第5,624,821号および同第5,648,260号に記載されている。
【0472】
別の実施形態では、抗体がC1q結合を変更し、かつ/または補体依存性細胞傷害性(CDC)を低減または廃止するように、アミノ酸残基から選択される1個または複数のアミノ酸を別のアミノ酸残基に置き換えることができる。この手法は、例えば、Idusogieらによる米国特許第6,194,551号に記載されている。
【0473】
別の実施形態では、1個または複数のアミノ酸残基を変更し、それによって、抗体が補体を固定する能力を変更する。この手法は、例えば、BodmerらによるPCT公報WO94/29351に記載されている。具体的な実施形態では、本発明の抗体またはその断片の1個または複数のアミノ酸を、IgG1サブクラスおよびκアイソタイプのために図4において示されているものなどの1個または複数のアロタイプアミノ酸残基によって置き換える。アロタイプアミノ酸残基にはまた、これらだけに限定されないが、Jefferisら、MAbs. 1:332〜338(2009)によって記載されているとおりのIgG1、IgG2、およびIgG3サブクラスの重鎖の定常領域、さらには、κアイソタイプの軽鎖の定常領域が含まれる。
【0474】
まだ別の実施形態では、1個または複数のアミノ酸を修飾することによって、抗体の抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を媒介する能力を増大させ、かつ/またはFcγ受容体に対する抗体のアフィニティーを増大させるように、Fc領域を修飾する。この手法は、例えば、PrestaによるPCT公報WO00/42072に記載されている。さらに、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、およびFcRnについてのヒトIgG1上の結合部位はマッピングされていて、結合が改善されたバリアントは記載されている(Shieldsら、J. Biol. Chem. 276:6591〜6604、2001を参照されたい)。
【0475】
さらに別の実施形態では、抗体のグリコシル化を修飾する。例えば、非グリコシル化(aglycosylated)抗体を作製することができる(すなわち、その抗体はグリコシル化を欠いている)。グリコシル化を変更して、例えば「抗原」に対する抗体のアフィニティーを高めることができる。そのような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内の1つまたは複数のグリコシル化部位を変更することによって達成することができる。例えば、1つまたは複数のアミノ酸置換を行うことができ、結果として、1個または複数の可変領域フレームワークグリコシル化部位を消失させ、それによって、その部位でのグリコシル化を消失させる。そのような非グリコシル化は、抗原に対する抗体のアフィニティーを増大させ得る。そのような手法は、例えば、Coらによる米国特許第5,714,350号および同第6,350,861号に記載されている。
【0476】
加えて、または代わりに、少ない量のフコシル残基を有する低フコシル化抗体または二分性GlcNac構造が増加している抗体などの変更型のグリコシル化を有する抗体を作製することができる。そのような変更グリコシル化パターンは、抗体のADCC能力を増大させることが実証されている。そのような炭水化物修飾は、例えば、変更グリコシル化機構を有する宿主細胞中で抗体を発現させることによって達成することができる。変更グリコシル化機構を有する細胞は、当技術分野で記載されており、本発明の組換え抗体を発現させ、それによって、変更グリコシル化を有する抗体を生成する宿主細胞として使用することができる。例えば、Hangらによる欧州特許第1,176,195号は、機能的に破壊されたFUT8遺伝子を有する細胞系を記載しており、この遺伝子は、フコシルトランスフェラーゼをコードするので、そのような細胞系中で発現された抗体は、低フコシル化を示すようになる。PrestaによるPCT公報WO03/035835は、フコースをAsn(297)連結炭水化物に結合させる能力が低下しており、その結果、その宿主細胞中で発現された抗体の低フコシル化が生じるバリアントCHO細胞系、Lecl3細胞を記載している(Shieldsら、(2002)J. Biol. Chem. 277:26733〜26740も参照されたい)。UmanaらによるPCT公報WO99/54342は、糖タンパク質修飾性グリコシルトランスフェラーゼ(例えば、β(1,4)−NアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII))を発現するように操作されていて、その操作された細胞系において発現される抗体が、抗体のADCC活性を結果として上昇させる二分性GlcNac構造の増加を示すような細胞系を記載している(Umanaら、Nat. Biotech. 17:176〜180、1999も参照されたい)。
【0477】
別の実施形態では、抗体を、その生物学的半減期を増加させるように修飾する。様々な手法が可能である。例えば、Wardに付与された米国特許第6,277,375号に記載されているとおり、以下の変異のうちの1つまたは複数を導入することができる:T252L、T254S、T256F。別法では、生物学的半減期を増加させるために、Prestaらによる米国特許第5,869,046号および同第6,121,022号に記載されているとおり、IgGのFc領域のCH2ドメインの2つのループから取り出されたサルベージ受容体結合エピトープを含有するように、抗体をCH1またはC領域内で変更することができる。
【0478】
4.抗体コンジュゲート
本発明は、部位特異的標識法、それによって調製される修飾抗体およびその断片、ならびに免疫コンジュゲートを提供する。本発明の方法を使用して、修飾抗体またはその断片を、薬物部分、例えば、抗癌薬、自己免疫治療薬、抗炎症薬、抗真菌薬、抗菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、または麻酔薬などの標識とコンジュゲートすることができる。抗体またはその断片を、いくつかの同一か、または異なる標識部分を使用し、本発明の方法を他のコンジュゲーション方法と組み合わせてコンジュゲートすることもできる。
【0479】
ある特定の実施形態では、本発明の免疫コンジュゲートの末端基は、V−ATPアーゼ阻害薬、HSP90阻害薬、IAP阻害薬、mTor阻害薬、微小管安定薬、微小管不安定化薬、オーリスタチン、ドラスタチン、マイタンシノイド、MetAP(メチオニンアミノペプチダーゼ)、タンパク質CRM1の核外輸送の阻害薬、DPPIV阻害薬、プロテアソーム阻害薬、ミトコンドリアにおけるホスホリル転移反応の阻害薬、タンパク質合成阻害薬、キナーゼ阻害薬、CDK2阻害薬、CDK9阻害薬、Eg5阻害薬、HDAC阻害薬、RNAポリメラーゼ阻害薬、DNA損傷薬、DNAアルキル化薬、DNAインターカレーター、DNA小溝結合薬、およびDHFR阻害薬から選択される。
【0480】
さらに、本発明の修飾抗体または抗体断片は、所与の生物学的応答を修飾する治療用部分または薬物部分とコンジュゲートすることができる。治療用部分または薬物部分は、古典的な化学的治療薬に限定されると解釈されるべきではない。例えば、薬物部分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質、ペプチド、またはポリペプチドであってよい。そのようなタンパク質には、例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、コレラ毒素、またはジフテリア毒素などの毒素、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、サイトカインなどのタンパク質、アポトーシス薬、抗血管新生薬、または例えば、リンホカインなどの生物学的応答修飾薬が含まれ得る。
【0481】
一実施形態では、本発明の修飾抗体または抗体断片を、細胞毒、薬物(例えば、免疫抑制薬)、または放射性毒素などの治療用部分とコンジュゲートする。細胞毒の例には、これらだけに限定されないが、タキサン(例えば、国際(PCT)特許出願WO01/38318およびPCT/US03/02675を参照されたい)、DNA−アルキル化薬(例えば、CC−1065類似体)、アンスラサイクリン、ツブリシン類似体、デュオカルマイシン類似体、オーリスタチンE、オーリスタチンF、マイタンシノイド、および反応性ポリエチレングリコール部分を含む細胞傷害性薬(例えば、Sasseら、J. Antibiot. (東京)、53、879〜85 (2000)、Suzawaら、Bioorg. Med. Chem.、8、2175〜84 (2000)、Ichimuraら、J. Antibiot. (東京)、44、1045〜53 (1991)、Franciscoら、Blood (2003)(印刷による公開の前に電子的に公開)、米国特許第5,475,092号、同第6,340,701号、同第6,372,738号、および同第6,436,931号、米国特許出願公開第2001/0036923 A1号、係属中の米国特許出願第10/024,290号および同第10/116,053号、および国際(PCT)特許出願WO 01/49698を参照されたい)、タキソン(taxon)、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、t.コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、およびそれらの類似体または相同体が含まれる。治療薬にはまた、例えば、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、切除薬(ablating agent)(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラキスンブシル(thioepa chloraxnbucil)、メイファラン(meiphalan)、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロトスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(旧名ダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(旧名アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、および抗有糸分裂薬(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)(例えば、Seattle Genetics、US20090304721を参照されたい)が含まれる。
【0482】
本発明の修飾抗体または抗体断片とコンジュゲートすることができる治療用細胞毒の他の例には、デュオカルマイシン、カリチアマイシン、メイタンシン、およびオーリスタチン、ならびにそれらの誘導体が含まれる。カリチアマイシン抗体コンジュゲートの例は、市販されている(Mylotarg(商標);Wyeth−Ayerst)。
【0483】
細胞毒の種類、抗体に治療薬をコンジュゲートするためのリンカー、および方法のさらなる論述については、Saitoら、(2003) Adv. Drug Deliv. Rev. 55:199〜215; Trailら、(2003) Cancer Immunol. Immunother. 52:328〜337; Payne、(2003) Cancer Cell 3:207〜212; Allen、(2002) Nat. Rev. Cancer 2:750〜763; PastanおよびKreitman、(2002) Curr. Opin. Investig. Drugs 3:1089〜1091; SenterおよびSpringer、(2001) Adv. Drug Deliv. Rev. 53:247〜264も参照されたい。
【0484】
本発明によれば、修飾抗体またはその断片を、細胞傷害性放射性医薬品を生成する放射性同位体とコンジュゲートすることもでき、これは、放射性免疫コンジュゲートと称される。診断用または治療用に使用するために抗体とコンジュゲートすることができる放射性同位体の例には、これらだけに限定されないが、ヨウ素l31、インジウム111、イットリウム90、およびルテニウム177が含まれる。放射性免疫コンジュゲートを調製するための方法は、当技術分野で確立されている。Zevalin(商標)(DEC Pharmaceuticals)およびBexxar(商標)(Corixa Pharmaceuticals)を含めた放射性免疫コンジュゲートの例は市販されており、同様の方法を使用して、本発明の抗体を使用して、放射性免疫コンジュゲートを調製することができる。ある特定の実施形態では、大環状キレーターは、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−テトラ酢酸(DOTA)であり、これを、抗体にリンカー分子を介して結合することができる。そのようなリンカー分子は、当技術分野で一般に公知であり、Denardoら、(1998) Clin Cancer Res. 4(10):2483〜90; Petersonら、(1999) Bioconjug. Chem. 10(4):553〜7; およびZimmermanら、(1999) Nucl. Med. Biol. 26(8):943〜50に記載されており、これらはそれぞれ、その全体が参照によって組み込まれている。
【0485】
本発明はさらに、異種タンパク質またはポリペプチド(またはその断片、好ましくは少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90または少なくとも100アミノ酸のポリペプチド)とコンジュゲートした抗原に特異的に結合して、融合タンパク質を生成する修飾抗体またはその断片を提供する。とりわけ、本発明は、本明細書に記載の抗体断片(例えば、Fab断片、Fd断片、Fv断片、F(ab)2断片、Vドメイン、V CDR、Vドメイン、またはV CDR)と、異種タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドとを含む融合タンパク質を提供する。
【0486】
追加の融合タンパク質は、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッフリング、エキソンシャッフリング、および/またはコドンシャッフリング(総称して、「DNAシャッフリング」と称される)の技法を介して生成することができる。DNAシャッフリングを使用して、本発明の抗体またはその断片の活性を変更することができる(例えば、より高いアフィニティーおよびより低い解離速度を有する抗体またはその断片)。一般に、米国特許第5,605,793号、同第5,811,238号、同第5,830,721号、同第5,834,252号、および同第5,837,458号;Pattenら、(1997) Curr. Opinion Biotechnol. 8:724〜33; Harayama、(1998) Trends Biotechnol. 16(2):76〜82; Hanssonら、(1999) J. Mol. Biol. 287:265〜76;およびLorenzoおよびBlasco、(1998) Biotechniques 24(2):308〜313を参照されたい(これらの特許および刊行物はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれている)。組換え前にエラープローンPCRによるランダム変異誘発、ランダムヌクレオチド挿入、または他の方法に掛けることによって、抗体もしくはその断片、またはコードされる抗体もしくはその断片を変更することができる。抗原に特異的に結合する抗体またはその断片をコードするポリヌクレオチドを、1種または複数の異種分子の1つまたは複数の成分、モチーフ、セクション、部分、ドメイン、断片などと組み換えることができる。
【0487】
さらに、本発明の修飾抗体またはその断片を、精製を容易にするペプチドなどのマーカー配列とコンジュゲートすることができる。好ましい実施形態では、マーカーアミノ酸配列は、とりわけ、その多くが市販されているpQEベクター(QIAGEN、Inc.、9259 Eton Avenue、Chatsworth、CA、91311)に備えられているタグなどのヘキサ−ヒスチジンペプチド(配列番号1106)である。Gentzら、(1989)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:821〜824において記載されているとおり、例えば、ヘキサ−ヒスチジン(配列番号1106)は、融合タンパク質の簡便な精製をもたらす。精製のために有用な他のペプチドタグには、これらだけに限定されないが、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する血球凝集素(「HA」)タグ(Wilsonら、(1984)Cell 37:767)、および「FLAG」タグ(A. Einhauerら、J. Biochem. Biophys. Methods 49: 455〜465、2001)が含まれる。本発明によれば、抗体または抗体断片を、それらの有効性を増強するために、腫瘍浸透性ペプチドとコンジュゲートすることもできる。
【0488】
他の実施形態では、本発明の修飾抗体または抗体断片を、診断薬または検出可能な薬剤とコンジュゲートする。そのような免疫コンジュゲートは、特定の療法の有効性を決定するなどの臨床的な検査手順の一部として、疾患または障害の発症、展開、進行、および/または重症度をモニタリングまたは予後判定するために有用であり得る。そのような診断および検出は、抗体を、これらだけに限定されないが、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼなどの様々な酵素;これらだけに限定されないが、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンなどの補欠分子族;これらだけに限定されないが、Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、またはフィコエリトリンなどの蛍光物質;これらだけに限定されないが、ルミノールなどの発光物質;これらだけに限定されないが、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンなどの生物発光物質;これらだけに限定されないが、ヨウ素(131I、125I、123I、および121I、)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(115In、113In、112In、および111In、)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、64Cu、113Sn、および117Snなどの放射性物質;ならびに様々な陽電子放射型断層撮影を使用する陽電子放射性金属および非放射性常磁性金属イオンを含むが、これらだけに限定されない検出可能な物質とカップリングさせることによって、達成することができる。
【0489】
本発明の修飾抗体または抗体断片は、イムノアッセイまたは標的抗原の精製に特に有用な固体支持体に結合させることもできる。そのような固体支持体には、これらだけに限定されないが、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンが含まれる。
【0490】
5.医薬組成物
免疫コンジュゲートを含む医薬組成物または滅菌組成物を調製するために、本発明の免疫コンジュゲートを、薬学的に許容される担体または添加剤と混合する。組成物は追加的に、癌(乳癌、結腸直腸癌、肺癌、多発性骨髄腫、卵巣癌、肝臓癌、胃癌、膵臓癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨肉腫、扁平上皮細胞癌、末梢神経梢腫瘍 神経鞘腫、頭頚部癌、膀胱癌、食道癌、バレット食道癌、神経膠芽細胞腫、軟部組織の明細胞肉腫、悪性中皮腫、神経線維腫症、腎臓癌、黒色腫、前立腺癌、良性前立腺肥大症(BPH)、女性化乳房(gynacomastica)、および子宮内膜症)を治療または防止するために適した1種または複数の他の治療薬を含有することができる。
【0491】
治療薬および診断薬の製剤は、例えば、凍結乾燥粉末、スラリー、水溶液、ローション、または懸濁液の形態の生理学的に許容される担体、添加剤、または安定剤と混合することによって調製することができる(例えば、Hardmanら、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, McGraw-Hill、New York、N.Y.、2001; Gennaro、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、Lippincott、Williams, and Wilkins、New York、N.Y.、2000; Avisら(編)、Pharmaceutical Dosage Forms: Parenteral Medications、Marcel Dekker、NY、1993; Liebermanら(編)、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets、Marcel Dekker、NY、1990; Liebermanら(編) Pharmaceutical Dosage Forms: Disperse Systems、Marcel Dekker、NY、1990; WeinerおよびKotkoskie、Excipient Toxicity and Safety、Marcel Dekker, Inc.、New York、N.Y.、2000を参照されたい)。
【0492】
治療薬の投与レジメンの選択は、実体の血清または組織回転速度、症状のレベル、実体の免疫原性、および生物学的マトリックス中での標的細胞のアクセス性を含めたいくつかの因子に依存する。ある特定の実施形態では、投与レジメンは、許容される副作用レベルに合わせて、患者に送達される治療薬の量を最大化する。したがって、送達される生物学的薬剤の量は部分的に、治療される特定の実体および状態の重症度に依存する。抗体、サイトカイン、および小分子の適切な用量を選択する際には、ガイダンスが利用可能である(例えば、Wawrzynczak、Antibody Therapy、Bios Scientific Pub. Ltd、Oxfordshire、UK、1996; Kresina (編)、Monoclonal Antibodies、Cytokines and Arthritis、Marcel Dekker、New York、N.Y.、1991; Bach (編)、Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases、Marcel Dekker、New York、N.Y.、1993; Baertら、New Engl. J. Med. 348:601〜608、2003; Milgromら、New Engl. J. Med. 341:1966〜1973、1999; Slamonら、New Engl. J. Med. 344:783〜792、2001; Beniaminovitzら、New Engl. J. Med. 342:613〜619、2000; Ghoshら、New Engl. J. Med. 348:24〜32、2003; Lipskyら、New Engl. J. Med. 343:1594〜1602、2000を参照されたい)。
【0493】
適切な用量の決定は、臨床家によって、例えば、治療に影響を及ぼすと当技術分野で知られているか、もしくは疑われているか、または治療に影響を及ぼすと予想されているパラメータまたは因子を使用して行われる。一般に、用量は、最適な用量よりもやや少ない量で始まり、その後、所望か、または最適な効果が、何らかの負の副作用に対して達成されるまで、用量は少量刻みで増やされる。重要な診断尺度には、例えば炎症の症状または産生される炎症性サイトカインのレベルの診断尺度が含まれる。
【0494】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬レベルを、患者に対して毒性であることなく、特定の患者、組成、および投与方式について所望の治療的応答を達成するために有効な活性成分の量が得られるように、変化させることができる。選択される投薬レベルは、使用される本発明の特定の組成物、またはそのエステル、塩、もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排泄速度、治療期間、使用される特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物、および/または物質、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全身健康、および以前の病歴、ならびに医学分野で知られている同様の因子を含めた様々な薬物動態因子に依存するであろう。
【0495】
本発明の抗体またはその断片を含む組成物は、連続的な注入によって、または例えば、1日、1週、または1週間あたり1〜7回の間隔での投与によって提供することができる。用量を、静脈内、皮下、局所、経口、経鼻、直腸、筋肉内、脳内で、または吸入によって提供することができる。具体的な投与プロトコルは、重大な望ましくない副作用を回避する最大用量または投与頻度を伴うものである。
【0496】
本発明の免疫コンジュゲートでは、患者に投与される投薬量は、患者の体重につき0.0001mg/kg〜100mg/kgであってよい。投薬量は、患者の体重につき0.0001mg/kg〜20mg/kg、0.0001mg/kg〜10mg/kg、0.0001mg/kg〜5mg/kg、0.0001〜2mg/kg、0.0001〜1mg/kg、0.0001mg/kg〜0.75mg/kg、0.0001mg/kg〜0.5mg/kg、0.0001mg/kg〜0.25mg/kg、0.0001〜0.15mg/kg、0.0001〜0.10mg/kg、0.001〜0.5mg/kg、0.01〜0.25mg/kgまたは0.01〜0.10mg/kgであってよい。本発明の抗体またはその断片の投薬量は、キログラムでの患者の体重(kg)を使用して、それに投与用量(mg/kg)を掛けることによって計算することができる。
【0497】
本発明の免疫コンジュゲートの用量は繰り返すことができ、その投与を少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、または少なくとも6ヶ月離すことができる。具体的な実施形態では、本発明の免疫コンジュゲートの投与を、3週間毎に繰り返す。
【0498】
特定の患者についての有効量は、治療される状態、患者の全体的な健康、投与の方法経路および用量、ならびに副作用の重症度などの因子に応じて変化し得る(例えば、Maynardら、A Handbook of SOPs for Good Clinical Practice、Interpharm Press、Boca Raton、Fla.、1996; Dent、Good Laboratory and Good Clinical Practice、Urch Publ.、London、UK、2001を参照されたい)。
【0499】
投与経路は、例えば、局所もしくは皮膚塗布、静脈内、腹腔内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内、脳脊髄内(intracerebrospinal)、病変内による注射もしくは注入によって、または持続放出系もしくインプラントによるものであってよい(例えば、Sidmanら、Biopolymers 22:547〜556、1983;Langerら、J. Biomed. Mater. Res. 15:167〜277、1981;Langer、Chem. Tech. 12:98〜105、1982;Epsteinら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688〜3692、1985;Hwangら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030〜4034、1980;米国特許第6,350,466号および同第6,316,024号を参照されたい)。必要な場合には、組成物は、注射部位での疼痛を和らげるリドカインなどの可溶化剤および局所麻酔薬を含んでもよい。加えて、例えば、吸入器またはネブライザー、およびエアゾール化剤を含む製剤を使用することによって、肺投与を使用することもできる。例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,019,968号、同第5,985,320号、同第5,985,309号、同第5,934,272号、同第5,874,064号、同第5,855,913号、同第5,290,540号、および同第4,880,078号;ならびにPCT公報WO92/19244、WO97/32572、WO97/44013、WO98/31346、およびWO99/66903を参照されたい。
【0500】
本発明の組成物は、1種または複数の投与経路を介して、当技術分野で公知の1種または複数の様々な方法を使用して投与することもできる。当業者には分かるであろうが、投与経路および/または形式は、所望の結果に応じて変化する。本発明の免疫コンジュゲートのために選択される投与経路には、例えば、注射または注入による静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄、または他の非経口投与経路が含まれる。非経口投与は、通常は注射による、腸内および局所投与以外の投与様式を表し得、これには、限定ではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、髄腔内、硬膜外および胸骨内注射および注入が含まれる。別法では、本発明の組成物を、局所、表皮、または粘膜投与経路などの非−非経口経路を介して、例えば、鼻腔内、経口、膣、直腸、舌下、または局所で投与することができる。一実施形態では、本発明の免疫コンジュゲートを注入によって投与する。別の実施形態では、本発明の免疫コンジュゲートを皮下投与する。
【0501】
本発明の免疫コンジュゲートを制御放出または持続放出系で投与する場合、ポンプを使用して、制御または持続放出を達成することができる(Langer、前出;Sefton、CRC Crit. Ref Biomed. Eng. 14:20、1987; Buchwaldら、Surgery 88:507、1980; Saudekら、N. Engl. J. Med. 321:574、1989を参照されたい)。ポリマー物質を使用して、本発明の療法の制御または持続放出を達成することができる(例えば、Medical Applications of Controlled Release、LangerおよびWise (編)、CRC Pres.、Boca Raton、Fla.、1974; Controlled Drug Bioavailability、Drug Product Design and Performance、Smolen およびBall(編)、Wiley、New York、1984; RangerおよびPeppas、J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23:61、1983を参照されたい;また、Levyら、Science 228:190、1985; Duringら、Ann. Neurol. 25:351、1989; Howardら、J. Neurosurg. 7 1:105、1989;米国特許第5,679,377号;米国特許第5,916,597号;米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米国特許第5,128,326号;PCT公報WO99/15154;およびPCT公報WO99/20253を参照されたい。持続放出製剤で使用されるポリマーの例には、これらだけに限定されないが、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−ビニルアセタート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、およびポリオルトエステルが含まれる。一実施形態では、持続放出製剤で使用されるポリマーは、不活性であり、浸出性の不純物を含まず、貯蔵、滅菌、および生分解性において安定している。制御または持続放出系は、予防のまたは治療標的の近くに設置することができるので、全身用量の数分の一のみを必要とする(例えば、上記のGoodson, Medical Applications of Controlled Release、vol. 2、pp. 115〜138、1984を参照されたい)。
【0502】
制御放出系は、Langer(Science 249:1527〜1533、1990)による総説において論述されている。当業者に公知の任意の技法を使用して、1種または複数の本発明の免疫コンジュゲートを含む持続放出製剤を生成することができる。例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,526,938号、PCT公報WO91/05548、PCT公報WO96/20698、Ningら、Radiotherapy & Oncology 39:179〜189、1996; Songら、PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 50:372〜397、1995; Cleekら、Pro. Int'l. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 24:853〜854、1997;およびLamら、Proc. Int'l. Symp. Control Rel. Bioact. Mater. 24:759〜760、1997を参照されたい。
【0503】
本発明の免疫コンジュゲートを局所投与する場合、それらを軟膏剤、クリーム剤、経皮貼付剤、ローション剤、ゲル剤、シャンプー剤、スプレー剤、エアゾール剤、液剤、乳剤の形態で、または当業者に周知の他の形態で製剤化することができる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、19th ed.、Mack Pub. Co.、Easton、Pa. (1995)を参照されたい。噴霧不可能な局所剤形では、局所塗布に適合性の担体または1種または複数の添加剤を含み、かつ場合によっては、水より高い動力学粘度を有する粘稠性から半固体または固体形態を典型的には使用する。適切な製剤には、限定ではないが、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、散剤、リニメント剤、膏薬などが含まれ、これらを所望の場合には、補助剤(例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤、緩衝剤、または塩)で滅菌するか、またはそれらと混合して、例えば、浸透圧などの様々な特性に影響を及ぼす。他の適切な局所用剤形には、噴霧可能なエアゾール製剤が含まれ、この際、活性成分を、場合によっては、固体または液体不活性担体と組み合わせて、加圧揮発性物質(例えば、フレオンなどの気体噴射剤)と混合してパッケージングするか、またはスクイズボトルにパッケージングする。所望の場合には保湿剤または湿潤剤を、医薬組成物および剤形に加えることもできる。そのような追加の成分の例は、当技術分野で周知である。
【0504】
免疫コンジュゲートを含む組成物を鼻腔内投与する場合には、これを、エアゾール形態、スプレー剤、ミスト剤に、または滴剤の形態に製剤化することができる。とりわけ、本発明に従って使用するための予防薬または治療薬は好都合に、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体)を使用することで、エアゾールスプレー剤提示の形態で、加圧パックまたはネブライザーから送達することができる。加圧エアゾールの場合には、投薬単位を、計測量を送達するためのバルブを装備することによって決定することができる。吸入器または注入器で使用するためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンから構成)は、化合物と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な散剤基剤との粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
【0505】
第2治療薬、例えば、サイトカイン、ステロイド、化学療法薬、抗生物質、または放射線と共に同時投与または治療する方法は、当技術分野で公知である(例えば、Hardmanら(編) (2001) Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、10.sup.th ed.、McGraw-Hill、New York、N.Y.; Poole and Peterson(編) (2001) Pharmacotherapeutics for Advanced Practice:A Practical Approach、Lippincott、Williams & Wilkins、Phila.、Pa.; ChabnerおよびLongo (編) (2001) Cancer Chemotherapy and Biotherapy、Lippincott、Williams & Wilkins、Phila.、Pa.を参照されたい)。治療薬の有効量は、症状を少なくとも10%;少なくとも20%;少なくとも約30%;少なくとも40%、または少なくとも50%減少させ得る。
【0506】
本発明の免疫コンジュゲートと組み合わせて投与することができる追加の療法(例えば、予防薬または治療薬)を、本発明の免疫コンジュゲートから5分未満離して、30分未満離して、1時間離して、約1時間離して、約1〜約2時間離して、約2時間〜約3時間離して、約3時間〜約4時間離して、約4時間〜約5時間離して、約5時間〜約6時間離して、約6時間〜約7時間離して、約7時間〜約8時間離して、約8時間〜約9時間離して、約9時間〜約10時間離して、約10時間〜約11時間離して、約11時間〜約12時間離して、約12時間〜18時間離して、18時間〜24時間離して、24時間〜36時間離して、36時間〜48時間離して、48時間〜52時間離して、52時間〜60時間離して、60時間〜72時間離して、72時間〜84時間離して、84時間〜96時間離して、または96時間〜120時間離して投与することができる。2種以上の療法を、患者の同じ1回の来院において投与することができる。
【0507】
ある特定の実施形態では、本発明の免疫コンジュゲートを、インビボでの適正な分布を保証するように製剤化することができる。例えば、血液脳関門(BBB)は、多くの高親水性化合物を排除する。治療用の本発明の化合物がBBBを通過することを保証するために(所望の場合には)、それらを、例えば、リポソームに製剤化することができる。リポソームを製造する方法については、例えば、米国特許第4,522,811号;同第5,374,548号;および同第5,399,331号を参照されたい。リポソームは、特定の細胞または器官に選択的に輸送される1つまたは複数の部分を含み、標的化薬物送達を増強することができる(例えば、Ranade、(1989)J. Clin. Pharmacol. 29:685を参照されたい)。例示的な標的化部分には、フォラートまたはビオチン(例えば、Lowらに付与された米国特許第5,416,016号を参照されたい);マンノシド(Umezawaら、(1988)Biochem. Biophys. Res. Commun. 153:1038);抗体(Bloemanら、(1995) FEBS Lett. 357:140; Owaisら、(1995) Antimicrob. Agents Chemother. 39:180);サーファクタントタンパク質A受容体(Briscoeら、(1995)Am. J. Physiol. 1233:134);p120(Schreierら、(1994)J. Biol. Chem. 269:9090)が含まれ、K. Keinanen;M. L. Laukkanen(1994)FEBS Lett. 346:123;J. J. Killion;I. J. Fidler(1994)Immunomethods 4:273も参照されたい。
【0508】
本発明は、本発明の免疫コンジュゲートを含む医薬組成物を単独で、または他の療法と組み合わせて、それを必要とする対象に投与するためのプロトコルを提供する。本発明の併用療法の療法(例えば、予防薬または治療薬)は、付随して、または連続して対象に投与することができる。本発明の併用療法の療法(例えば、予防薬または治療薬)は、周期的に投与することもできる。サイクリング療法は、療法(例えば、薬剤)の1種に対する耐性の発生を低減するために、療法(例えば、薬剤)の1種の副作用を回避または低減するために、かつ/または療法の有効性を改善するために、一時期の第1療法(例えば、第1予防薬または治療薬)の投与、続く、一時期の第2療法(例えば、第2予防薬または治療薬)の投与、およびこの連続投与の繰り返し、すなわち、サイクルを伴う。
【0509】
本発明の併用療法の療法(例えば、予防薬または治療薬)を対象に同時に投与することができる。
【0510】
用語「同時に」は、療法(例えば、予防薬または治療薬)を正確に同じ時間に投与することに限定されず、むしろ、これは、本発明の抗体が他の療法(複数可)と一緒に作用して、それらが他の方法で投与された場合よりも高い利益をもたらすような順序で、かつ時間間隔内で、本発明の抗体またはその断片を含む医薬組成物を対象に投与することを意味している。例えば、各療法を、対象に、同時に、または異なる時点で任意の順序で連続して投与することができるが;しかしながら、同時に投与しない場合には、それらを、所望の治療効果または予防効果が得られるように、時間的に十分に近接して投与すべきである。各療法を、任意の適切な形態で、かつ任意の適切な経路によって別々に、対象に投与することができる。様々な実施形態では、療法(例えば、予防薬または治療薬)を、15分未満、30分未満、1時間未満離して、約1時間離して、約1時間〜約2時間離して、約2時間〜約3時間離して、約3時間〜約4時間離して、約4時間〜約5時間離して、約5時間〜約6時間離して、約6時間〜約7時間離して、約7時間〜約8時間離して、約8時間〜約9時間離して、約9時間〜約10時間離して、約10時間〜約11時間離して、約11時間〜約12時間離して、24時間離して、48時間離して、72時間離して、または1週間離して対象に投与する。他の実施形態では、2種以上の療法(例えば、予防薬または治療薬)を、患者の同じ1回の来院内で投与する。
【0511】
併用療法の予防薬または治療薬を対象に、同じ医薬組成物で投与することができる。別法では、併用療法の予防薬または治療薬を対象に、別々の医薬組成物で同時に投与することができる。予防薬または治療薬を対象に、同じか、または異なる投与経路によって投与することができる。
【0512】
本発明を十分に記載したが、本発明を、実例であって、さらなる限定を意図したものではない下記の実施例および特許請求の範囲においてさらに説明する。
【実施例1】
【0513】
ペプチドタグ付きIgG構築物の設計
4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)Sfp(PDB ID:2GE1、Koglinら、(2006)Science 312:273〜276)モデルのNMR構造をペプチド基質と共に外観検査することで、S6タグの反応性Ser残基は、酵素活性部位に深く挿入されており、補酵素Aのαホスファートの近くに位置していることが明らかになる。ペプチド基質は、キンクにSer残基を有するへリックス−キンク−ループコンホメーションを採用する。これらの観察に基づき、IgG抗体の表面上のいくつかのループを選択した。選択手順は、下記のステップを伴う。本発明者らは初めに、ヒトIgG1 B12抗体(PDB ID:1HZH、Saphireら、(2001)Science 293:1155〜1159)をテンプレートとして使用して、トラスツズマブ相同性モデルを構築した。次いで、溶媒露出残基の有意な含有率を有するループを選択し、S6タグループに変換した。
【0514】
そのために、種々の戦略を開発した:全長ペプチドタグのグラフト、切断ペプチドタグのグラフト、および挿入(切断および全長の両方)。全長ybbRタグのグラフトの一例は、変異抗hHER2−HC−S132D−K133S−S134L−T135E−S136F−G137I−G138A−T139S−A140K−A141L−L142A(配列番号102)によって例示される一方で、トラスツズマブ抗hHER2−HC−P189G−S190D−S191−S192L−L193S−G194W−T195L(配列番号109)変異体は、切断S6タグのグラフトを構成している。グラフト戦略の別のバリアントを、例えば、変異抗hHER2−HC−S190G−S191D−S192−L193−G194S−T195W−Q196L−T197L−RLLN−Y198(配列番号113)で使用し、この際、残基S190およびS191を、それぞれグリシンおよびアスパラギン酸に、G194をセリンに、T195をトリプトファンに、Q196およびT197をロイシンに変異させ、切断S6タグRLLN(配列番号1060)を、L197およびY198の間に挿入した。別法では、切断および全長ペプチドタグの両方を、抗体残基間のループに挿入した。
【0515】
実施例セクションを通じて、ペプチドタグ付き抗体を、グラフトまたは挿入されたペプチドタグを含有する免疫グロブリン重鎖または軽鎖によって名付ける。簡単にするために、関連する未修飾の重鎖または軽鎖は明示しない。例えば、抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)は、対応するペプチドタグ付き重鎖、ならびにX’=AlaおよびX’=Valを有する随伴する未修飾κ軽鎖抗hHER2−LC(配列番号1131)を含むIgG1を指す(図3を参照されたい)。対照的に、ペプチドタグ付きmAb2重鎖構築物は、未修飾のλ軽鎖mAb2−LC(配列番号25)に随伴している。別の実施例として、抗hHER2−LC−S76D−S77−L78−EFIASKLA−Q79(配列番号30)は、X’=Lys、X’=Glu、X’=Met、およびX’=Alaを有する未修飾のIgγ1重鎖抗hHER2−HC(配列番号1130)に随伴するペプチドタグ付き軽鎖を含有するIgG1抗体を指す(図3を参照されたい)。ペプチドタグ(複数可)が抗体の重鎖または軽鎖の定常領域に挿入またはグラフトされている場合には、定常領域の配列のみが示されている。
【0516】
すべての場合において、Sfp酵素の活性部位により深くフィットすることを可能にするために、反応性Ser残基がループの先端に、またはその近くに存在するように、ペプチドタグを、選択されたループ上にマッピングさせた。次に、IgGとSfp酵素との複合体を構築して、不調和について検査した。重大な不調和を有するものを退け、対応するループを、選択肢から除外した。
【0517】
S6およびybbRタグ配列をトラスツズマブIgG1の定常領域の構造的ループに体系的に挿入するために、ヒトIgG1 B12抗体(PDB ID:1HZH)の結晶構造を外観検査することと、さらには、MolSoft LLCからのプログラムICMを使用することによって残基の溶媒露出表面積を計算することとの両方によって、挿入部位を選択した。
【実施例2】
【0518】
ペプチドタグ付きIgG構築物の生成
トラスツズマブIgG1の重鎖および軽鎖を、CMVプロモーターの制御下でpOG発現ベクターを使用して、哺乳動物細胞中で過渡的に発現させた。標準的な分子生物学的方法によって、4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼで標識するためのペプチドタグを、トラスツズマブIgG1に様々な位置で組み込んだ。クローニングのために使用するすべてのプライマーを表8に列挙する。
【0519】
すでに記載されているPEI方法(例えば、Erbacherら、J Gene Med.、1:210〜222(1999)を参照されたい)を使用して、HEK293F細胞の細胞培養および形質移入を行った。簡単には、HEK293F細胞に、トラスツズマブ(ヒトκアイソタイプ)の重鎖および軽鎖をコードするプラスミドDNAを同時形質移入した。哺乳動物細胞をFreeStyle(商標)293 Expression Medium中、37℃にて、5%CO下で培養し、形質移入の1日前に0.7×10細胞/mlに分けた。形質移入の後に、HEK293F細胞を5日間培養し、その後、2000×g、4℃にて30分間の遠心分離によって採集した。
【0520】
結果として生じた培地上清を0.22μm細孔サイズフィルターで濾過した。次いで、濾液を約1mL/分の流速で、PBS20カラム体積で予め平衡化させておいたタンパク質Aアフィニティーカラムに負荷した。カラムをPBS20カラム体積で洗浄した後に、抗体を0.1M酢酸ナトリウム(pH3.0)5カラム体積で溶離した。溶離液をすぐに、1Mトリス/HCl(pH10)10%(v/v)で中和した。3.5または7.0kDa分子量カットオフのSlide−a−Lyzer透析カセット(Pierce)を使用して、PBSへの透析を行った。
【0521】
最終生成物の純度を、SDS−PAGEによって評価した。タンパク質収量を、ブラッドフォード法か、またはND−1000 UV−Vis分光光度計を使用する280nmでの紫外線分光法かのいずれかによって決定した。ペプチドタグ付きトラスツズマブIgGのタンパク質収量を表9に列挙する。
【0522】
【表8-1】
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【表8-2】
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【表8-3】
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【表8-4】
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【表8-5】
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【表8-6】
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【表8-7】
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【表8-8】
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【表8-9】
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【表8-10】
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【表8-11】
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【表8-12】
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【表8-13】
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【表8-14】
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【表8-15】
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【表8-16】
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【表8-17】
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【表8-18】
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【表9-1】
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【表9-2】
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【実施例3】
【0523】
Sfp4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)の生成
枯草菌(B. subtilis)Sfp PPTアーゼを、pET22b発現ベクターに、PIPE法を使用してクローニングした(Klockら、Proteins 71:982〜994 (2008)を参照されたい)。末端Hisタグ(配列番号1106)の切断を可能にするために、TEV(タバコエッチウイルス(tobacco etch virus)プロテアーゼ認識部位を、Sfpコード配列の下流に挿入した。クローニングのために使用したすべてのプライマーは表8に列挙している。
【0524】
タンパク質の発現および精製は、いくつかの小さな改変を伴うがYinらに従って行った(Nat. Protoc. 1:280-285(2006)を参照されたい)。初めに、pET22b/sfp発現プラスミドを持つ大腸菌(E. coli)BL21(DE3)細胞のグリセロールストックから、LBスターター培養液5mLに接種した。培養液を37℃にて300rpmで一晩インキュベートすることによって飽和するまで成長させた。翌日、このスターター培養液を使用して、TB培地1L(Sigma)に接種し、これを300rpmでかき混ぜ、37℃にて維持した。600nmで0.5の光学密度に達した後に、培養液を、IPTGを1mMの最終濃度まで添加することによって誘発し、温度を30℃まで下げた。培養液をさらに12〜16時間振盪し、細菌細胞を遠心分離によって採集した。使用前は、細胞ペレットを−20℃にて貯蔵した。
【0525】
タンパク質の精製を開始するために、凍結したペレットを氷上で15分間融かし、20mMトリス/HCl(pH7.9)、0.5M NaCl、5mMイミダゾール、および2U/mL DNアーゼIを含有する緩衝液中に再懸濁させた(細胞湿潤重量1gあたり緩衝液3mL)。細胞溶解を、0.5秒のスイッチオンおよび0.5秒のスイッチオフの間隔で4分間音波処理することによって誘発した。不溶性の細胞破片を除去するために、生じた溶解液を40,000×gで4℃にて20分間遠心分離した。次いで、Hisタグ付きSfp酵素(「His」は配列番号1106として開示)を、50%Ni−NTAスラリー(Qiagen)4mLを透明溶解液に添加することによって捕捉した。4℃にて1時間振盪した後に、樹脂−溶解液混合物を使い捨てカラム(Bio−Rad)に注いだ。沈降した樹脂を50mM NaHPO、300mM NaCl、20mMイミダゾール(pH8.0)25カラム体積で洗浄し、50mM NaHPO、300mM NaCl、250mMイミダゾール(pH8.0)5カラム体積で溶離した。次いで、精製Sfp酵素を10mMトリス/HCl、1mM EDTA、10%グリセロール(pH7.5)に対して、3.5kDaカットオフのSlide−A−Lyzer Dialysis Cassette(Pierce)を使用して2回透析し、その後、少なくとも100μMの最終濃度まで、10kDaカットオフのAmicon Ultra−15 Centrifugal Filter Unit(Millipore)を使用して濃縮した。最後に、濃縮酵素を分取し、液体窒素中でフラッシュ凍結させ、−80℃で貯蔵した。
【0526】
逆Ni−NTAクロマトグラフィーを使用してSfpの純度を上げるために、TEV切断部位を、C末端Hisタグ(配列番号1106)の前に導入した。この構築物のNi−NTA精製は上記のとおりに行った。しかしながら、溶離の後に、Sfp酵素を、50mMトリス/HCl、50mM NaCl(pH8.0)を含有するTEV切断緩衝液に交換した。Hisタグ(配列番号1106)除去を、7%(w/w)TEVプロテアーゼで23℃にて1時間、次いで4℃にて16時間の消化によって実施した。次いで、TEV消化されたSfp酵素を1×PBS(pH7.2)で平衡化させたNi−NTAカラムに再負荷した。切断酵素をカラムフロースルー、および50mM NaHPO、300mM NaCl、20mMイミダゾール(pH8.0)5カラム体積を用いる洗浄ステップから収集した。次いで、精製Sfp酵素を10mMトリス/HCl、1mM EDTA、10%グリセロール(pH7.5)に対して、3.5kDaカットオフのSlide−A−Lyzer Dialysis Cassette(Pierce)を使用して2回透析した。透析の後に、Sfpを少なくとも100μMの最終濃度まで、10kDaカットオフのAmicon Ultra−15 Centrifugal Filter Unit(Millipore)を使用して濃縮した。最後に、濃縮酵素を分取し、液体窒素中でフラッシュ凍結させ、−80℃で貯蔵した。
【0527】
Sfpの純度をSDS−PAGEによって評価した。Hisタグ(配列番号1106)除去をLC−MSによって検査し、Sfp収量を、280nmでの紫外線分光法(ND−1000 UV−Vis Spectrophotometer、NanoDrop Technologies、Wilmington、DE)によって、28620M−1cm−1のモル吸光係数を使用して定量化した。培養液1リットルあたりTEV−切断Sfp酵素48mgが得られた。
【実施例4】
【0528】
PPTアーゼ相同体および変異体の同定および生成
Sfp変異体R4−4
標準的な分子生物学的方法を使用して、本発明者らは、枯草菌(B. subtilis)SfpPPTアーゼに次の変異を挿入した:Lys28Glu、Thr44Glu、およびCys77Tyr。変異誘発反応のために使用したオリゴヌクレオチドの配列は表8に列挙している。
【0529】
タンパク質発現のために、TB培地0.5Lに、スターター培養液5mLを接種した。その培養液を300rpmでかき混ぜ、37℃で維持した。600nmで0.5の光学密度に達した後に、培養液を、IPTGを1mMの最終濃度まで添加することによって誘発し、温度を30℃まで下げた。培養液をさらに16時間300rpmで振盪し、細菌細胞を遠心分離によって採集した(3400rpmで15分)。使用前は、細胞ペレットを−20℃にて貯蔵した。
【0530】
凍結したペレットを氷上で10分間融かし、50mMトリス/HCl(pH8)、300mM NaCl、10mMイミダゾール、1U/mL DNアーゼI、およびcomplete(商標)EDTA不含プロテアーゼ阻害薬カクテル錠剤(Roche)を含有する緩衝液中に再懸濁させた(細胞湿潤重量1gあたり緩衝液3mL)。細胞溶解を、氷上で0.5秒のスイッチオンおよび0.5秒のスイッチオフの間隔で3分間音波処理することによって誘発した。氷上でさらに10分間インキュベートした後に、溶解液を40,000×gで4℃にて30分間遠心分離した。次いで、Hisタグ付きSfp変異体R4−4(「His」は配列番号1106として開示)を、50%Ni−NTAスラリー(Qiagen)2mLを透明溶解液に添加することによって捕捉した。4℃にて1時間振盪した後に、樹脂−溶解液混合物を使い捨てカラム(Bio−Rad)に注いだ。フロースルーを収集し、沈降した樹脂を50mMトリス、300mM NaCl、20mMイミダゾール(pH8.0)50カラム体積で洗浄し、50mMトリス、300mM NaCl、250mMイミダゾール(pH8.0)5カラム体積で溶離した。溶離液を、50mMトリス/HCl、50mM NaCl(pH8.0)を含有するTEVプロテアーゼ切断緩衝液に、PD−10カラムを使用して緩衝液交換した後に、Hisタグ(配列番号1106)除去を、7%(w/w)TEVプロテアーゼで23℃にて1時間、次いで4℃にて16時間消化することによって実施した。
【0531】
次いで、TEV消化されたSfp変異体R4−4を、1×PBS(pH7.2)で平衡化させたNi−NTAカラム(床体積1mL)に再負荷した。切断酵素をカラムフロースルーから、および50mMトリス、300mM NaCl、20mMイミダゾール(pH8.0)5カラム体積を用いる洗浄ステップから収集した。次いで、精製Sfp変異体R4−4を、10mMトリス/HCl、1mM EDTA、10%グリセロール(pH7.5)に対して、PD−10カラムを使用して緩衝液交換した。BSAを標準として使用するブラッドフォードアッセイによると、この酵素は、3.1mg/mLの最終濃度を17mLの最終体積で有し、これは、培養液1リットルあたりTEV切断R4−4変異体105mgに対応する。最後に、酵素を100〜1000μL画分に分取し、液体窒素中でフラッシュ凍結させ、−80℃で貯蔵した。酵素の純度をSDS−PAGE分析によって評価し、Hisタグ(配列番号1106)除去をESI−MSによって検査した。
【0532】
AcpS
標準的な分子生物学的方法を使用して、本発明者らは、大腸菌(E. coli)K−12からのacpS遺伝子を、C末端His6タグ(配列番号1106)を有する組換え酵素の発現を可能にするpET22bベクターにクローニングした。クローニングのために使用したオリゴヌクレオチドの配列は表8に列挙している。
【0533】
飽和5mLスターター培養液から接種した後に、AcpS酵素をTB培地1L中で発現させた。37℃にて300rpmで培養液を振盪した後に、タンパク質生成を、1mM IPTGを0.5の光学密度(600nm)で添加することによって誘発した。タンパク質発現を30℃および300rpmにて一晩実施した。翌日、細胞を3400rpmで15分間の遠心分離によって採集した。細胞ペレットを、タンパク質精製の前に、−20℃で貯蔵した。
【0534】
タンパク質精製を開始するために、凍結したペレットを氷上で10分間融かし、50mMトリス/HCl(pH8)、300mM NaCl、10mMイミダゾール、1U/mL DNアーゼI、およびcomplete(商標)EDTA不含プロテアーゼ阻害薬カクテル錠剤(Roche)を含有する緩衝液中に再懸濁させた(細胞湿潤重量1gあたり緩衝液3mL)。細胞溶解を、氷上の細胞懸濁液を、0.5秒のスイッチオンおよび0.5秒のスイッチオフの間隔で3分間音波処理することによって達成した。氷上でのさらなる10分間のインキュベーション期間の後に、溶解液を40,000gで4℃にて30分間遠心分離した。次いで、50%Ni−NTAスラリー2mLを透明溶解液に加え、溶解液/樹脂混合物を4℃にて1時間振盪した。溶解液/樹脂混合物を使い捨てカラムに注いだ。フロースルーを収集した後に、Ni−NTAカラムを、50mMトリス(pH8)、300mM NaCl、および20mMイミダゾールを含有する緩衝液50カラム体積で洗浄した。溶離を、50mMトリス(pH8)、300mM NaCl、および250mMイミダゾールを含有する緩衝液5カラム体積で行った。3.5kDaカットオフ透析カセット(Slide−A−Lyzer、Thermo Scientific)を使用して、溶離液を、50mMトリス(pH8)および300mM NaClを含有する緩衝液に一晩透析した。沈澱したタンパク質を、0.45μmフィルター(Millipore)を使用することによって除去した。グリセロールを10%(v/v)の最終濃度まで添加した後に、Ni−NTA−精製タンパク質を液体窒素中でフラッシュ凍結させ、−80℃にて貯蔵した(100μLおよび200μLアリコット)。AcpSの純度をSDS−PAGEによって評価し、収量を、BSAを標準として使用するブラッドフォードアッセイによって定量化した。培養液1リットルあたりAcpS酵素約13mgが得られた。
【0535】
T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼ
T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼの発現を、1Lスケールで、天然FM培地中で、10mL飽和スターター培養液を接種することによって実施した。培養液1Lを300rpmで37℃の温度にて振盪した。2.5時間後に、培養液は600nmで0.5の光学密度に達した。タンパク質生成を、アラビノースを0.1%(w/v)の最終濃度まで添加することによって誘発し、培養液をさらに4時間振盪した。細胞を4000rpmで15分間遠心分離することによって採集し、細胞ペレットを−20℃で貯蔵した。
【0536】
T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼの初めの精製はIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)によって、Ni−NTAアガロース樹脂(Qiagen)を使用して行った。細胞ペレットを融かし、溶解緩衝液(40mMトリス緩衝液(pH8.0)、300mM NaCl、10mMイミダゾール、1mM TCEP)60mLに再懸濁させた。細胞懸濁液を氷上で1.5分間音波処理し(1秒パルスを使用)、15000rpmで5℃にて30分間遠心分離した。透明溶解液を1.5mL Ni−NTAカラム上に負荷した。フロースルーを収集した後に、カラムを洗浄緩衝液5カラム体積(40mMトリス緩衝液(pH8.0)、300mM NaCl、40mMイミダゾール、10%グリセロール、1mM TCEP)で洗浄した。タンパク質溶離を、溶離緩衝液2カラム体積(20mMトリス緩衝液(pH8.0)、150mM NaCl、300mMイミダゾール、1mM TCEP)で実施した。
【0537】
Ni−NTA溶離液を、Akta FPLCシステムに接続されたSuperdex75カラム(GE Healthcare)を使用してさらに精製した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を1mL/分の流速で、1mM EDTAおよび10%(v/v)グリセロールを補充した10mMトリス緩衝液(pH7.4)中で行った。SDS−PAGEによってタンパク質含有画分を分析した後に、T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼを含有する画分を貯留し、SECのために前に使用した緩衝液に対して再び透析した。次いで、精製酵素を、10kDaカットオフのAmicon Ultra−15 Centrifugal Filter Unit(Millipore)を使用して濃縮した。沈澱物を、13000rpmで2分間、テーブルトップ遠心分離器を使用して遠心分離することによって除去した。濃縮タンパク質(1.0mg/mL、48μM)を100μL画分に分取し、液体窒素中でフラッシュ凍結させ、−80℃で貯蔵した。T・マリティマ(T.maritima)PPTアーゼの純度をSDS−PAGEによって評価し、収量を、標準としてBSAを使用するブラッドフォードアッセイによって定量化した。すべての精製ステップの後に、培養液1リットルあたりAcpS酵素1.4mgが得られた。
【実施例5】
【0538】
補酵素A(CoA)類似体の合成
CoA−マレイミドエチルアミド−テトラメチルローダミン
【0539】
【化203】
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DMSO300μLに溶かしたテトラメチルローダミン−C2−マレイミド(5.5mg、10.4μmol)をCoA(水150μL中で10.4μmol)に10×PBS緩衝液750μL中で加え23℃にて1時間撹拌した。反応の後に、反応混合物を凍結乾燥させて、粗製の生成物を得、これをRP−C18フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物の画分を合わせ、凍結乾燥させて、CoA−マレイミドエチルアミド−テトラメチルローダミン(純度94.4%で9.8mg)を暗紫色の粉末として得た。C52641122SでのESI−MS算出値[MH]:1320.3;観察値:1320.3。
【0540】
CoA−マレイミドカプロイル(MC)−MMAF
【0541】
【化204】
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DMSO1.8mLに溶かしたMC−MMAF(Doroninaら、Bioconj. Chem. 17:114〜124 (2006)を参照されたい)(36.0mg、38.9μmol)をCoA(水312μL中で39.0μmol)に10×PBS緩衝液2.9mL中で加え、23℃で1時間撹拌した。反応の後に、反応混合物を凍結乾燥させて、粗製物質を得、これをRP−C18フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物の画分を合わせ、凍結乾燥させて、CoA−MC−MMAF(純度97.5%で35.5mg)を白色の粉末として得た。C701121327SでのESI−MS算出値[MH]:1691.7;観察値:1691.2。
【0542】
CoA−MC−Val−Cit−PABC−MMAF
【0543】
【化205】
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DMSO300μLに溶かしたMC−Val−Cit−PABC−MMAF(Doroninaら、Bioconj. Chem. 17:114〜124 (2006)を参照されたい)(5.7mg、4.3μmol)をCoA(水34μL中で4.3μmol)に10×PBS緩衝液2666μL中で加え、23℃で1時間撹拌した。反応の後に、反応混合物を凍結乾燥させて、粗製物質を得、これをRP−C18フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物の画分を合わせ、凍結乾燥させて、CoA−MC−Val−Cit−PABC−MMAF(純度98.0%で6.1mg)を白色の粉末として得た。C891391832SでのESI−MS算出値[MH2+/2:1049.4;観察値:1049.4。
【0544】
CoA−Ac−Ahx−MMAF
【0545】
【化206】
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DMSO400μLに溶かしたブロモアセチル−Ahx−MMAF(Alleyら、Bioconj. Chem. 19:759〜765(2008)を参照されたい)(1.3mg、1.4μmol)をCoA(水43μL中で5.4μmol)にホウ酸塩緩衝液3.6mL(pH8.5で6.7mM)中で加え、23℃で24時間撹拌した。反応の後に、反応混合物を凍結乾燥させて、粗製物質を得、これをRP−C18フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物の画分を合わせ、凍結乾燥させて、CoA−Ac−Ahx−MMAF(純度96.9%で1.1mg)を白色の粉末として得た。C681121326SでのESI−MS算出値[MH]:1651.7;観察値:1651.3。
【0546】
CoA−開環−MC−MMAF
【0547】
【化207】
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CoA−MC−MMAF(水1mL中で5μmol)を1M NHOH(水溶液)9mLに添加し、23℃にて30分間撹拌した。反応の後に、反応混合物を凍結乾燥させて、粗製物質を得、これをRP−C18フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物の画分を合わせ、凍結乾燥させて、マレイミド開環CoA−MC−MMAF3.9mgを、上記のスキームに示すとおりの4種の位置異性体およびジアステレオ異性体の混合物(白色の粉末、純度96.6%)として得た。C701141328SでのESI−MS算出値[MH]:1709.7;観察値:1709.2。
【実施例6】
【0548】
インビトロでのCoA類似体でのペプチドタグ付きIgGの標識
インビトロでのペプチドタグ付きIgGとのCoA類似体の単一ステップコンジュゲーションを例示するために、様々なペプチドタグ付きトラスツズマブ構築物を、Sfp酵素が存在する状態でCoA−MC−MMAFと反応させた。一般に、コンジュゲーション反応を10.0mMまたは12.5mM MgClを補充した50mMまたは75mM HEPESまたはトリス緩衝液、pH7.5または8.0中で実施した。ペプチドタグ付きトラスツズマブの最終濃度を、ペプチドタグ1個あたり5.0μMに対応する2.5μMで一定に維持した一方で、CoA基質の最終濃度を通常、40μM〜100μMで変化させた。コンジュゲーション反応を開始するために、Sfp酵素を加えて、典型的には1μMの最終濃度を得た。酵素反応を、23℃または37℃のいずれかにて16時間進行させた。この時間の後に、反応の進行をESI−MSおよびHPLCによって分析した。
【実施例7】
【0549】
挿入の標識
S6タグまたはybbRタグが挿入されている異なる標的に対する6種のトラスツズマブ抗体および1種の第2抗体(「mAb2」)とのCoA−MC−MMAFのほぼ定量的なコンジュゲーションを、反応混合物をSfpと共に、実施例6において記載したとおりにインキュベートすることによって達成した。抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121、図5A)、抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127、図5B)、抗hHER2−HC−V2−DSLEFIASKLA−Q3(配列番号95、図5C)、抗hHER2−HC−V2−GDSLSWLLRLLN−Q3(配列番号94、図5D)、抗hHER2−HC−E388−DSLEFIASKL−N389(配列番号130、図5E)、抗hHER2−HC−E388−DSLEFIASKLA−N389(配列番号129、図5F)、およびmAb2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号148、図5G)の単一ステップコンジュゲーション反応混合物(表10)のHPLCによって、タグ付き抗体が、ほぼ2の薬物−対−抗体比(DAR)を有する免疫コンジュゲートへとほぼ完全に変換されたことが示される。還元コンジュゲート試料のESI−MSは、設計された重鎖のみの部位特異的修飾を示唆している。抗hHER2−LC−I2−DSLEFIASKLA−Q3(配列番号27、図5H)では、HPLCによって、かなりの量の未修飾抗体(39%、保持時間4.8分)が保持されていて、DAR=1(46%、保持時間5.4分)およびDAR=2(16%、保持時間5.9分)の種の混合物が観察されるので、免疫コンジュゲートの部分的な形成のみが示唆されている。
【0550】
【表10】
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【0551】
図6に示すとおり、トラスツズマブ免疫コンジュゲート(A)抗hHER2−HC−V2−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−Q3(配列番号1120)、(B)抗hHER2−HC−E388−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKLA−N389(配列番号1122)、および(C)抗hHER2−HC−E388−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKL−N389(配列番号1121)を、分析用サイズ排除クロマトグラフィー(AnSEC)によってShodex PROTEIN KW−803カラムで分析した。3つの場合すべてで、ADCはモノマーであった(検出可能量の凝集物質はない)。
【実施例8】
【0552】
ペプチドタグがグラフトされている構築物の標識
単一ステップで、ybbRタグがグラフトされているトラスツズマブ抗体とのCoA−MC−MMAFのインビトロSfp触媒コンジュゲーションも試みた。IgG1構築物抗hHER2−HC−S190D−S191−S192L−L193E−G194F−T195I−Q196A−T197S−Y198K−I199L(配列番号114)のSfp触媒反応を実施例6において記載したとおりに行った。反応混合物のHPLC(図7)およびESI−MS分析によって、MMAFとの免疫コンジュゲート(コンジュゲートの期待質量:50489Da、未修飾抗体の期待質量:49223Da、観察値:49216.8Da)が形成されなかったことが示されている。他のグラフトされた構築物も反応に失敗し、免疫コンジュゲートの形成に失敗した。
【実施例9】
【0553】
混合グラフト/挿入構築物の標識
単一ステップで、S6タグまたはybbRタグがグラフト/挿入されているトラスツズマブ抗体とのCoA−MC−MMAFのインビトロSfp触媒コンジュゲーションも試みた。2種のトラスツズマブ変異体、抗hHER2−HC−V64L−EFIASKLA−K65(配列番号99)および抗hHER2−LC−S76D−S77−L78−EFIASKLA−Q79(配列番号30)を、実施例6において記載したとおりにCoA−MC−MMAFおよびSfpと反応させた。抗hHER2−HC−V64L−EFIASKLA−K65(配列番号99)は、反応混合物(図8A)のHPLCによって示されているとおりに、部分的に修飾されたが、抗hHER2−LC−S76D−S77−L78−EFIASKLA−Q79(配列番号30)(図8B)は、同一の条件下で反応に失敗した(表11)。
【0554】
【表11】
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【実施例10】
【0555】
蛍光色素での標識
酵素的抗体標識を細胞毒の部位特異的結合の他にも適用するために、本発明者らは、抗体−フルオロフォアコンジュゲートを生成するSfp触媒作用の実行可能性を実証する。この実施例は、実施例6において記載したとおりに行われた、S6タグがグラフトまた挿入されているトラスツズマブ抗体とのCoA−テトラメチルローダミン(CoA−TMR)の2種のSfp触媒コンジュゲーションを表している。反応混合物のHPLCトレースを280nmおよび555nmの両方でモニタリングした(図9)。後者の波長は、TMR色素の吸収最大(約550nm)に近い。さらに、抗体−フルオロフォアコンジュゲートの逆重畳積分質量スペクトルのデータを表12にまとめる。
【0556】
切断グラフトされたS6タグを含有する抗hHER2−HC−P189G−S190D−S191−S192L−L193S−G194W−T195L(配列番号109)では、コンジュゲーションは結果として主に、抗体コンジュゲート1個あたり2色素の形成をもたらした(図9A)。同様に、残基T359およびK360の間に挿入された全長S6タグを有する抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)は主に、各抗体に対して2個の色素分子のコンジュゲーションを示した(図9B)。結果は、S6タグを、修飾抗体の蛍光標識のコンジュゲーションのために使用することができることを例示している。
【0557】
【表12】
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【実施例11】
【0558】
チオエーテルまたは加水分解マレイミド連結を介して連結する細胞毒でのほぼ定量的な標識
本発明のコンジュゲートでは観察されないが、マレイミド連結したペイロードは、アルブミン、グルタチオン、およびシステインの反応性チオールとのマレイミド交換を介して血漿中で脱コンジュゲーションを受けることがある(Alleyら、Bioconjugate Chem. 2008、19、759〜765)。マレイミドをベースとするコンジュゲートは、マレイミドカプロイル連結の化学的開環によって安定化することができる(Shenら、Nature Biotech. 30:184〜189 (2012)を参照されたい)。この加水分解手順を検査するために、抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)の個々のADCを、CoA−開環−MC−MMAFを使用して調製した。さらに、代替のチオール反応性化学反応を検査するために、本発明者らは、MMAF細胞毒をCoAの末端チオールに、アセトアミドをベースとするチオエーテル連結を介して結合させ、結果としてCoA−Ac−Ahx−MMAFを生じさせた(Alleyら、Bioconj. Chem. 19:759-765(2008)を参照されたい)。これらの酵素的コンジュゲーション反応(実施例6に記載のプロトコルによる)のESI−MSおよびHPLC結果を表13にまとめる。DAR=2のほぼ定量的な標識が、CoA−開環−MC−MMAF(図10A)と反応させた抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)およびCoA−Ac−Ahx−MC−MMAF(図10B)と反応させた抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)について観察された。
【0559】
【表13】
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【実施例12】
【0560】
切断可能なリンカーを用いての細胞毒でのほぼ定量的な標識
切断可能なリンカーを介して結合される細胞毒でのペプチドタグ付きIgGの標識を実証するために、本発明者らは、カテプシンB感受性バリン−シトルリンリンカーを含有するCoA−MC−Val−Cit−PABC−MMAFを、抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)(図11A)または抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)(図11B)のいずれかと、Sfpが存在する状態でコンジュゲートした。この単一ステップの酵素的コンジュゲーションのHPLCおよびESI−MS結果を表14にまとめるが、これは、両方のタグ位置について、DAR=2のほぼ定量的な標識を示している。
【0561】
【表14】
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【実施例13】
【0562】
pHの関数とした標識反応の最適化
この実験の目的は、CoA基質とペプチドタグ付き抗体のSfp触媒コンジュゲーションのために最適なpH範囲を決定することである。3つの実験において、2.5μMの抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)または2.5μMの抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)を10μMのCoA−MC−MMAFと、0.25μMのSfp(抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)で)または1.0μMのSfp(抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)で)が存在する状態で反応させ、pHをpH5.0〜10.0で滴定した。このpH範囲をカバーするために、5種の緩衝液を利用した:pH5.0では75mM酢酸ナトリウム緩衝液;pH5.5、6.0、および6.5では75mM MES緩衝液;pH7.0、7.5、および8.0では75mM HEPES緩衝液;pH9.0では75mMホウ酸ナトリウム緩衝液;pH10.0では75mM炭酸ナトリウム緩衝液。すべての緩衝液に、12.5mM MgClを補充して、酵素活性を保証した。一連のpH滴定を23℃にて25〜35分間、各反応について100μLの体積で行った。4%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)30μLを添加することによって、酵素反応をクエンチした後に、反応混合物を、表15にまとめるとおり、280nmでのHPLCによって分析した。
【0563】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0564】
HPLC結果は、8〜9のpH範囲が、CoA−MC−MMAFをペプチドタグ付きトラスツズマブとコンジュゲートするために最適であることを示している。このpH範囲で、最低量の脱共役抗体(DAR=0)および最高量の二コンジュゲートADC(DAR=2)をHPLCによって検出することができた。さらに、pHに対して2のDARを有するADCのパーセンテージをプロットしたところ(図12)、最適なpHは、検査された2つの部位について、S6タグの挿入部位から独立していることが示されている。
【実施例14】
【0565】
酵素濃度の関数とした標識反応の最適化
効率的な酵素的コンジュゲーションに必要なSfpの量を検査するために、2.5μMの抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)を37℃にて16時間、50μM CoA−MC−MMAFと共に、10mM MgClを補充した50mM HEPES緩衝液(pH7.5)中で、Sfp酵素が存在しない状態で、または0.1、0.25、0.5、1、2.5、5、もしくは10μM Sfp酵素が存在する状態でインキュベートした。16時間後に、反応物のアリコットをESI−MSによって分析した。0.1μMのSfp濃度では、主に非コンジュゲート修飾抗体が、ESI−MSによって検出され得る(図13A)。定量的コンジュゲーションは、0.25μMに等しい(図13B)か、または0.5μMのSfpなどの0.25μM超(図13C)のすべてのSfp濃度について得られた。
【実施例15】
【0566】
CoA類似体の関数としての標識反応の最適化
ペプチドタグ付きIgG1抗体の定量的標識に必要であろうCoA基質の最少濃度を決定するために、2.5μM抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)を0.25μMまたは1.0μM Sfpと共に、12.5mM MgClを含有し、CoA−MC−MMAFを次の濃度:2.5、5、7.5、10、15、25、および50μMで補充した75mMトリス緩衝液(pH8.0)中でインキュベートした。反応を23℃にて13時間進行させ、次いで、4%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)30μLでクエンチした。HPLC分析(図14Aおよび14B、表16)によれば、ほぼ定量的な抗体コンジュゲーションが、7.5μM以上のすべてのCoA−MC−MMAF濃度で達成された。標識度は、Sfp濃度からはほぼ独立しており、DAR2種の86%は、0.25μM Sfpで観察され、DAR2種の92%は、1.0μM Sfpで観察された。
【0567】
【表16】
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【0568】
抗hHER2−HC−E388−GDS−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1129)免疫コンジュゲートの凝集状態を決定するために、抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)(2.5μM)5.6mgを40μM CoA−MC−MMAFと、1μM Sfpが存在する状態で、10mM MgClを補充した50mM HEPES緩衝液(pH7.5)中で反応させた。23℃で3日間インキュベートした後に、反応混合物をSephacryl 100−HRサイズ排除カラム(Sigma)で精製した。ESI−MSによって定量的コンジュゲーションを確認した後に(観察質量51786.40Da;免疫コンジュゲートでの期待質量51791Da;未修飾抗体の期待質量50525Da)、個々のADCの四次構造をTricorn S200カラム(Agilent)で分析した。ADCは主に、モノマー(98%)であり、痕跡量のオリゴマー化種(2%)を含有した。
【実施例16】
【0569】
S6抗体およびADCの熱安定性
ペプチドタグ付き免疫コンジュゲートの熱安定性を試験するために、精製ADC試料を示差走査蛍光分析(DSF)(表17)または示差走査熱分析(DSC)(表18)によって測定した。試料を0.25mg/mL(1.67μM)の最終濃度まで、PBS、pH7.4中で希釈した。DSFでは、SYPRO Orangeゲル染色液(Sigma)を5倍の最終濃度まで、ADCの熱的アンフォールディングを示すためのトレーサーとして加えた。試料を蛍光スキャン20回/度で、Lightcycler(Roche)装置中で加熱した。DSCでは、熱的アンフォールディングを、温度を1分あたり摂氏1度の速度で上昇させながらMicroCal VP−DSC装置中で熱容量を測定することによってモニタリングした。3状態モデルを仮定する個々のコントローラソフトウェアパッケージを使用して、溶融温度を計算した。
【0570】
すでに記載されたとおり(Wakankarら、Bioconjugate Chem. 2010、21、1588〜1595)、未修飾トラスツズマブは、2つの遷移を示す。遷移は、DSFによっては摂氏69.7度および81.1度で、DSCによっては摂氏72.3度および81.0度で観察された。未修飾抗体と同様に、程度は異なるものの、多くのCoA−MC−MMAF免疫コンジュゲートが2つの遷移を示す(図15)。熱融点のDSFおよびDSC測定は十分に一致するが、DSFは、ほぼ2度低い第1遷移を報告する。一般に、多くの操作された非コンジュゲート抗体および個々のペプチドタグ付きADCは、野生型抗体である抗hHER2と比較すると、ほとんど不安定化を示さない。
【0571】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0572】
【表18】
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【実施例17】
【0573】
ペプチドタグ付きADCの薬物動態特性
MMAFペイロードを有する2種のペプチドタグ付きトラスツズマブADC(2のDAR)のインビボ安定性をチェックするために、本発明者らは、薬物動態(PK)研究をマウスにおいて行った。抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−K360(配列番号1117)および抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1118)を3匹のマウスに、1.0mg/kgのADC濃度を使用して静脈内注射した。10の試料を0.2、1、3、7、24、48、96、168、240、および336時間目に収集した。両方のADCの血漿力価を2週間まで、抗ヒトIgG、さらには抗MMAF抗体および切断ヒトHER2(細胞外ドメイン3〜4)をコーティングされたELISAプレートを用いるELISAアッセイを使用してモニタリングした。次いで、ELISA結果を未修飾トラスツズマブIgG1のPK研究と比較した。抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−K360(配列番号1117)が、未修飾トラスツズマブと比較して迅速な崩壊をマウスにおいて示した一方で、抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1118)は、2週間にわたって、未修飾トラスツズマブと同様の血清クリアランスを示した(図16)。両方のADCについて、抗hIgGおよび抗MMAF力価は互いの跡をたどっていて、これは、マウスにおけるインビボ曝露の間に、もしあるとしても、薬物はほとんど失われないことを示唆している。
【実施例18】
【0574】
ペプチドタグ付きADCのインビトロ効力
ペプチドタグ付きADCのインビトロ細胞殺滅アッセイをHER2発現MDA−231細胞系で実施した。DAR=2のADCを、実施例6において記載したとおりに、抗hHER2−HC−T359−GDSLSWLLRLLN−K360(配列番号121)および抗hHER2−HC−E388−GDSLSWLLRLLN−N389(配列番号127)を切断不可能なMC−MMAFおよび切断可能なMC−ValCit−PABC−MMAF(実施例12)と反応させることによって調製した。対応するADC、抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−K360(配列番号1117)、抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1118)、抗hHER2−HC−T359−GDS−ppan−MC−ValCit−PABC−MMAF−LSWLLRLLN−K360(配列番号1108)、および抗hHER2−HC−E388−GDS−ppan−MC−ValCit−PABC−MMAF−LSWLLRLLN−N389(配列番号1107)のインビトロ効力を、PC3−31(高いHER2のコピー数)およびPC3(低いHER2のコピー数)ErbB2操作細胞で検査した。PC3−31細胞系に関して、すべてのペプチドタグ付きADCは、強力な細胞傷害性活性をピコモル範囲の50%効果濃度(EC50)で明示した。対照的に、PC3細胞での対応するEC50値は、60nMよりも高かった。結果を表19および図17にまとめるが、これらは、4種のコンジュゲートすべてが高度に強力なDCであり、HER2/neu陽性細胞を抗原依存的に殺滅することを示している。
【0575】
【表19】
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【実施例19】
【0576】
細胞培地中での細胞傷害性CoA類似体でのペプチドタグ付きIgGの標識
PPTアーゼ触媒4’−ホスホパンテテイニル化の生体直交性は、馴化培地などの複雑な混合物中でのペプチドタグ付きIgGの部位特異的標識を可能にする。ペプチドタグ付き抗体の分泌の後に、外因的に加えられたPPTアーゼ(Sfpなど)および薬物−CoA基質(CoA−MC−MMAFなど)は、均一なADCの形成をもたらし、これは、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを使用する単一ステップで精製することができる。
【0577】
例えば、HEK293F細胞に、CH3ドメインにS6タグ挿入を有するIgG1重鎖をコードするプラスミドDNAおよび未修飾κ軽鎖をコードするプラスミドDNAを形質移入した。HEK293F懸濁培養液40mLを37℃にて5日間培養した。2000rpmで10分間遠心分離することによって採集した後に、培地上清に、40μMのCoA−MC−MMAF、10mMのMgCl、および50mMのHEPES(pH7.5)の最終濃度まで補充した。次いで、培地上清を2つの20mLアリコットに分けた。組換えによって産生されたSfp酵素(5μM)をアリコットの1つに添加し(表20、実験#2を参照されたい)、酵素反応を室温にて24時間進行させた。
【0578】
【表20-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0579】
抗体精製を、床体積0.25mLを有するタンパク質A Sepharose Fast Flowカラムを使用して各実験について実施した。PBSで平衡化させた後に、培地上清をカラムに約1mL/分の流速で注入し、フロースルーを収集した。PBS20カラム体積で洗浄した後に、結合した抗体を0.1M酢酸ナトリウム(pH3.0)6カラム体積を使用して溶離し、直後に、1Mトリス/HCl(pH10)で中和して、約8の最終pHを達成した。溶離液の純度をSDS−PAGE分析によって評価し、抗体収量をブラッドフォード法によって決定した。最後に、Sfp依存性培地中ADC形成を、タンパク質A溶離液のESI−MSおよびHPLC分析によって確認した。
【実施例20】
【0580】
アセチルCoAでのペプチドタグ付きIgGのインビトロ標識およびその後の細胞毒とのコンジュゲーション
アセチルCoAによる免疫コンジュゲートの調製の原理は、3ステップ化学酵素的コンジュゲーションプロトコルであり、この際、アセチル部分は、CoAの反応性チオール基のための保護基として役立つ。さらに、SfpなどのPPTアーゼは、触媒作用について、大きなCoA類似体(例えば、ぺプチジル−CoA)を許容するが、触媒効率(kcat/K)は、CoA自体と比較するとかなり低下する(Sieberら、J. Am. Chem. Soc.125: 10862〜10866 (2003)を参照されたい)。したがって、小さなアセチル基が、天然CoA基質で見られるのと同様の酵素の動態を保証すると予測される。
【0581】
例えば、ペプチドタグ付きIgG抗体とのアセチル化ppan部分の共有結合的コンジュゲーションを、実施例6において記載したとおりに、CoA−MC−MMAFの代わりにアセチルCoAを使用して実施する。ESI−MSにより定量的コンジュゲーションを確認した後に、コンジュゲートを反応緩衝液(0.1Mリン酸ナトリウム(pH7.2)、0.15M NaCl)に透析する。透析したコンジュゲートを約5mg/mLに濃縮し、0.5Mヒドロキシルアミンおよび25mM EDTAを含む反応緩衝液(pH7.2)を含有する脱アセチル化溶液10%(v/v)を補充する。この化学的チオエステル切断反応を室温にて3時間進行させ、続いて、反応混合物を、10mM EDTAを補充した反応緩衝液(pH7.2)に緩衝液交換する。ESI−MSにより定量的脱アセチル化を確認した後に、次いで、脱保護ppan部分を15当量のチオール反応性マレイミド−MC−MMAF(0.5mM)と室温にて1時間コンジュゲートする。反応物を、PBSへの緩衝液交換によってクエンチする。最後に、定量的ADC形成をESI−MSおよびHPLC分析によって確認する。
【実施例21】
【0582】
細胞培地中でのアセチルCoAでのペプチドタグ付きIgGの標識およびその後の細胞毒とのコンジュゲーション
均一なADCのPPTアーゼ触媒生成の生体直交性により、細胞培地中でのIgGでの部位特異的標識が可能である(実施例19を参照されたい)。細胞傷害性薬物分子を抗体に直接的に結合させる代わりに、ADC生成のためのアセチルCoAでの培地中標識を、3ステップ化学酵素的コンジュゲーションプロセスによって実施することも可能である。小さなアセチルCoA類似体は、大きな細胞傷害性CoA類似体と比較すると改善された触媒効率(kcat/K)でコンジュゲーション反応を可能にし、それによって、定量的コンジュゲーションのために必要な酵素量をかなり減らすことを可能にする。さらに、プロセスの開発のために、標識反応を大きな培養体積で非毒性化合物と共に行うことが有利であろう。アセチル−ppan部分とコンジュゲートしたペプチドタグ付きIgGは、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを使用する単一ステップで精製することができる。精製アセチル−ppan−コンジュゲート抗体から出発して免疫コンジュゲートを調製するために、その後の2つの化学反応を実施例20において記載したとおりに実施する。
【実施例22】
【0583】
細胞培地中でのアセチルCoAまたは生体直交性CoA類似体でのペプチドタグ付きIgGの標識およびその後の細胞毒とのコンジュゲーション
均一なADCのPPTアーゼ触媒生成の生体直交性により、細胞培地中でのIgGの部位特異的標識も可能である(実施例19を参照されたい)。細胞傷害性薬物分子を抗体に直接的に結合させる代わりに、ADC生成のためのアセチルCoAでの培地中標識を、3ステップ化学酵素的コンジュゲーションプロセスによって実施することも可能である。小さなアセチルCoA類似体は、大きな細胞傷害性CoA類似体と比較すると改善された触媒効率(kcat/K)でコンジュゲーション反応を可能にし、それによって、定量的コンジュゲーションのために必要な酵素量をかなり減らすことを可能にする。さらに、プロセスの開発のために、標識反応を大きな培養体積で非毒性化合物と共に行うことが有利であろう。アセチル−ppan部分とコンジュゲートしたペプチドタグ付きIgGは、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを使用する単一ステップで精製することができる。精製アセチル−ppan−コンジュゲート抗体から出発して免疫コンジュゲートを調製するために、その後の2つの化学反応を実施例20において記載したとおりに実施する。
【0584】
別法では、アセチルCoAを使用する代わりに、培地中標識を、アジド、アルケン、アルキン、ケトン、またはアルデヒド部分などの生体直交性基に共有結合しているCoA類似体で行うこともできる。培地中PPTアーゼ触媒作用の後に、ppan結合した生体直交性基を有するペプチドタグ付き抗体を、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを使用して均一に精製する。ADC調製のためのこの2ステップ化学酵素的標識戦略の最後のステップとして、相補的生体直交性基と反応させることは、抗体への薬物部分の部位特異的結合につながる。図22は、カルボニル官能化されたCoA類似体をA1タグ付き抗体と部位特異的に結合させ、続いて、末端基(TG)のオキシムライゲーションを行うための2ステップ法を例示している。細胞培地中で第1ステップを行った後に、生じたカルボニル官能化された抗体をタンパク質Aアフィニティー精製によって精製する。次いで、第2ステップは、ppan連結カルボニル基をアミノオキシ誘導体化TGと反応させることを伴う。反応の後に、過剰のTGを透析または緩衝液交換によって除去する。カルボニル官能化されたCoA類似体(ケトンCoA)の合成は、実施例23に記載する。
【実施例23】
【0585】
ケトンCoAの合成
25mM CoA−SH水溶液(20μmol、Sigma−Aldrich)784μLを、100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.1)9.0mLに加えた。メチルビニルケトン(30μmol、Sigma−Aldrich)をHO中で10倍に希釈した後に、結果として生じた水溶液25μLを2nM CoA−SH溶液に加えた。反応混合物を室温にて1時間振盪した。反応物を液体窒素中でクエンチし、−80℃で貯蔵した。
【0586】
反応混合物を粒径5μmおよび10×100mm寸法のSunFire Prep C18カラム(Waters)で精製した。反応混合物4〜6mLを注入した後に、0.1%(v/v)TFA/水(A)と0.1%(v/v)TFA/アセトニトリル(B)との間の次の勾配を5mL/分の流速で適用した。
【0587】
【表20-2】
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HPLC精製されたケトンCoAをLC−MSによって確認した。C254317SでのESI−MS計算値[MH]:838.2;観察値:838.1。所望の生成物を凍結乾燥させると、ケトンCoA2.93mg(3.5μmol)が収率18%で得られた。
【実施例24】
【0588】
4のDARを有するADCの生成および特性
4のDARを有するADCは、同じ酵素の基質である複数のペプチドタグを1個の抗体に挿入/グラフトすることによって生成することができる(図19A)。例えば、ybbRタグおよびS6タグは両方とも、PPTアーゼSfpによって基質として認識される。逆に、複数の異なるリガンドでの抗体の標識は、2種の異なるPPTアーゼの基質であるペプチドタグを1個の抗体に挿入/グラフトすることによって達成される。例えば、A1タグは、AcpS PPTアーゼによって専ら認識されるが、S6タグは、Sfp PPTアーゼによって優先的に修飾される。さらに、より高いDAR(例えば、6、8、10、12などのDAR)を有する免疫コンジュゲートを、追加のタグを加えることによって生成することができる。酵素的コンジュゲーションを、システイン、ピロリシン、ピロリン−カルボキシ−リシン、および非天然アミノ酸を介する部位特異的コンジュゲーション、さらにはLys、Cys、またはTyr選択的化学反応などの化学選択的方法などの他の標識戦略と組み合わせることもできる。
【0589】
4のDARを有する均一なADCを調製するために、2個のペプチドタグを、トラスツズマブIgG1の重鎖に、すなわち、1個のS6タグをVドメインに、かつ1個のybbRタグをCH3ドメインに組み込んだ(抗hHER2−HC−V2−GDSLSWLLRLLN−Q3−E388−DSLEFIASKLA−N389(配列番号142))。この二重タグ付き抗体をHEK293F細胞中で50mLスケールで発現させた。形質移入の後に、HEK293F細胞を5日間培養し、その後、3400rpmで15分間遠心分離することによって採集した。結果として生じた培地上清を、0.22μm細孔サイズフィルターで濾過した。精製を、床体積0.6mLを有し、PBS20カラム体積で平衡化させておいたタンパク質A Sepharose Fast Flowカラム(GE Healthcare)を使用して達成した。濾過した培地上清を約1mL/分の流速で負荷した。PBS20カラム体積でカラムを洗浄した後に、ペプチドタグ付き抗体を0.1M酢酸ナトリウム(pH3.0)5カラム体積で溶離し、直後に、1Mトリス/HCl(pH10)で約8の最終pHまで中和した。ブラッドフォード法に従うと、全収量は、培養液1リットルあたり精製抗体8mgであった。抗体構築物の純度をSDS−ゲル電気泳動によって評価した。30kDaカットオフAmicon Ultra Centrifugal Filter Unitで濃縮した後に、2.5μM抗hHER2−HC−V2−GDSLSWLLRLLN−Q3−E388−DSLEFIASKLA−N389(配列番号142)を50μM CoA−MC−MMAF、1μM Sfp、12.5mM MgClと共に、75mM HEPES緩衝液、pH7.5中、23℃にて16時間インキュベートして、二重タグ付き抗体を4個の薬物分子で酵素的標識した。
【0590】
還元および脱グリコシル化抗体構築物の逆重畳積分質量スペクトルによって、2個のppan−MC−MMAFユニットがトラスツズマブの各重鎖に共有結合していることが確認された(観察質量54223.20Da;期待質量54231Da)。脱共役種(期待質量51700Da)も一標識種(期待質量52966Da)も、ESI−MSによって観察されなかった。4のDARを有するADCへのほぼ定量的な変換(ピーク面積積算によれば95%)がHPLC分析によってさらに確認された(図19B)。
【実施例25】
【0591】
タンパク質発現および精製プラットフォーム(PEPP)を使用してのペプチドタグ付きADCの包括的なライブラリの生成
ヒトIgG1 B12抗体の結晶構造の試験および表面アクセス性計算(実施例1)に基づき、268種のペプチドタグ付きトラスツズマブIgG1構築物からなるライブラリが提案された。定常領域へのS6およびybbRタグ配列の体系的な挿入を、表8に列挙したオリゴヌクレオチドを使用する標準的な分子生物学的方法によって達成した。PEI法(Meissnerら、2001)に従って、トラスツズマブの重鎖また軽鎖遺伝子のいずれかを有する配列確認されたプラスミドを使用して、293 Freestyle(商標)細胞に過渡的同時形質移入した。Freestyle(商標)発現培地(Invitrogen)35mLの体積中、37℃にて、5%CO下での5日間の各ライブラリメンバーの培養をPEPPシステムで実施した(Gonzalez R、Jennings LL、Knuth M、Orth AP、Klock HE、Ou W、Feuerhelm J、Hull MV、Koesema E、Wang Y、Zhang J、Wu C、Cho CY、Su AI、Batalov S、Chen H、Johnson K、Laffitte B、Nguyen DG、Snyder EY、Schultz PG、Harris JL、Lesley SA. Proc Natl Acad Sci U S A. 2010、107(8):3552〜7)。自動細胞採集の後に、同じシステムを使用して、ペプチドタグ付き抗体のライブラリをタンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。簡単には、培地上清の0.22μm濾過の後に、各濾液を、沈降樹脂0.2mLを含有するタンパク質Aアフィニティーカラムにほぼ1mL/分の流速で負荷した。次いで、カラムをPBS20カラム体積で洗浄し、続いて、0.1M酢酸ナトリウム、pH3.0の5カラム体積で溶離した。すぐに、溶離液を1Mトリス−HCl(pH8.0)25%(v/v)で中和した。
【0592】
タンパク質A精製抗体の収量を決定するために(表21)、溶離液のタンパク質濃度をND−1000 UV−Vis分光光度計(NanoDrop Technologies)で280nmで、IgG分子について事前設定されたモル吸光係数を使用して二重に測定した。ペプチドタグ付き抗体を、30kDaカットオフAmicon Ultra−0.5遠心濾過デバイス(EMD Millipore)を使用して濃縮した後に、酵素触媒コンジュゲーション反応を、20℃にて約16時間、2.5μMのペプチドタグ付き抗体、20μMのCoA−MC−MMAF基質、および1μMのSfp酵素で、12.5mMのMgClおよび20mMのNaClを補充したトリス−HCl緩衝液(75mM、pH8.0)中で行った。ペプチドタグ付き抗体の標識度を、分析用HPLCによってPLRP−Sカラム(4000Å、5μM、50×4.6mm、Agilent Technologies)で、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水中で25〜50%アセトニトリルの6分の直線勾配で定量化した。対応する脱共役抗体を陰性対照として使用した(表21)。Amicon Ultra−4遠心濾過デバイス(EMD Millipore)を使用して抗体コンジュゲートを濃縮した後に、酵素反応を、Agilent 6520 Q−TOF装置(Agilent Technologies)での質量分析法によってさらに分析した。還元および脱グリコシル化抗体コンジュゲートの逆重畳積分ESI−MSスペクトルを、濃縮反応混合物10μLを使用することによって得た(表21)。
【0593】
ペプチドタグ付きADC構築物をNi−NTA(ニッケル−ニトリロ三酢酸)クロマトグラフィーによってさらに精製して、Sfp酵素および過剰のCoA−MC−MMAF基質を除去した。Ni−NTAカラム(それぞれ床体積0.2mL)をPBSで平衡化させた後に、濃縮したコンジュゲーション試料をカラムに、ほぼ1mL/分の流速で負荷した。次に、カラムをPBS20カラム体積で洗浄し、続いて、250mMイミダゾールおよび300mM NaClを補充したトリス−HCl緩衝液(50mM、pH8.0)5カラム体積で溶離した。ブラッドフォードアッセイによると、ペプチドタグ付きADCの回収率は、タンパク質A精製出発物質の39%と平均された。次いで、PEPPシステムを使用して、NAP−10カラム(GE Healthcare)を使用することで各試料をPBSに緩衝液交換した。緩衝液交換の後に、ペプチドタグ付きADCを、Amicon Ultra−4遠心濾過デバイス(EMD Millipore)を使用して濃縮し、コンジュゲートの濃度を、PBSでの希釈によって調整した。適切な濃度に調整したら、ADC試料をDSF(示差走査蛍光分析)、LC90(LabChip90)、AnSEC(分析用サイズ排除クロマトグラフィー)、およびインビトロ効力アッセイ(データは図示せず)によってさらに特徴付けた。
【0594】
元々計画された268種のペプチドタグ付きトラスツズマブ抗体のうち、発現を183種の構築物について検査した(68%)。発現レベルは、培養液1リットルあたり抗体0〜30mg超の範囲の大きな変動性を示し(表21)、平均は、培養液1リットルあたり抗体16mg(±8mg標準偏差)である。さらに、発現レベルは、ペプチドタグ挿入の位置と相関しており、46種の軽鎖構築物(培養液1リットルあたり13±8mg)が、137種の重鎖構築物(培養液1リットルあたり17±8mg)よりも低い平均発現レベルを示している。発現レベルは、ペプチドタグの種類にも依存しており:ybbRタグ挿入を有する95種の抗体構築物は平均して、S6タグ挿入を有する対応する88種の構築物(培養液1リットルあたり13±8mg)よりも高い発現レベル(培養液1リットルあたり19±7mg)を示す。逆の傾向が、逆相HPLC分析に基づくコンジュゲーション効率について観察される:ほぼ定量的なADC形成(薬物−対−抗体比≧1.9)を示す44種(72%)のペプチドタグ付き構築物は、S6ペプチド配列の挿入に基づく一方で、17種(28%)のybbRタグ付き抗体しか、対応するADCへのほぼ定量的な変換を示さなかった。
【0595】
平均すると、重鎖構築物は、軽鎖でのペプチド挿入よりも効率的にコンジュゲートした:軽鎖にペプチドタグ挿入を有する構築物のうちの19%(43種のうちの8種)は少なくとも1.9のDARを示したが、重鎖にペプチドタグ挿入を有する構築物のうちの40%(131種のうちの53種)は、同じ効率でコンジュゲートし得た。最良の全体コンジュゲーション効率は、CH1ドメインの複数のループ領域でのペプチドタグ挿入によって示される。総じて、183種の発現ペプチドタグ付き抗体のうち、174種の構築物のコンジュゲーション効率が決定され得、61種(35%)の構築物が1.9以上の薬物−対−抗体比(DAR)をもたらした。
【0596】
結果として生じたADCの熱安定性は、ペプチドタグ挿入の部位に依存する。例えば、実施例26において詳細に例示するとおり、CH2ドメインでの多くのペプチドタグ挿入は、DSF(示差走査蛍光分析)測定によると、最低観察熱遷移(Tm1)のかなりの低下につながる。分析用サイズ排除クロマトグラフィーによって試験された156種のペプチドタグ付きADCのうちの135種(87%)では、凝集または抗体オリゴマーはほとんど観察されなかった(≧90%モノマー種)。ペプチドタグ付きADCのインビトロ効力は、期待されたとおり、それらの標識度と相関した。好ましい特性を有する多数のペプチドタグ付きADCを生成することができるが、データも、発現収量、熱安定性、コンジュゲーション効率、および他の特性が、タグ挿入部位の選択によって多大な影響を受けることを説明している。
【0597】
【表21-1】
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【表21-2】
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【表21-3】
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【表21-4】
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【表21-5】
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【表21-6】
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【表21-7】
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【表21-8】
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【表21-9】
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【表21-10】
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【表21-11】
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【表21-12】
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【実施例26】
【0598】
薬物動態(PK)研究およびさらなる特徴付けのための、選択されたペプチドタグ付きADCのスケールアップ
PEPPシステムでは、PK研究のための十分な量のペプチドタグ付きADCが得られない。その後で、実施例25で検査した183種の抗体(表21)のうちから選択した97種の構築物(表22)の発現を、200〜1000mL培養体積までスケールアップした。スケールアップについての選択基準は、実施例25で調製したADCについて観察された高いコンジュゲーション効率、合理的な発現収量、インビトロ効力が確認されたこと、および低い凝集レベルであった。
【0599】
選択されたS6/ybbRタグ付き抗体をFreestyle(商標)発現培地(Invitrogen)中、37℃にて、5%CO下で5日間発現させた後に、培養物を遠心分離によって採集し、結果として生じた培地上清を0.22μmフィルター(EMD Millipore)に通した。抗体発現をSDS−PAGE分析によって検査した。次に、濾液を0.5〜1mL/分の流速で、タンパク質A樹脂0.5mLを含有するPBS平衡化カラムに、MINIPULS Evolutionぜん動ポンプ(Gilson Inc.)を使用することによって負荷した。カラムをPBS100〜200カラム体積で洗浄した後に、抗体構築物を0.1M酢酸ナトリウム(pH3.0)で2つの2.5mL画分に溶離した。両方の画分をすぐにトリス−HCl緩衝液(1M、pH8.0)25〜38%(v/v)で中和した。タンパク質A精製抗体(表22)の収量を決定するために、溶離液のタンパク質濃度をND−1000 UV−Vis分光光度計(NanoDrop Technologies)で280nmで、IgG分子について事前設定されたモル吸光係数を使用して二重に測定した。Slide−A−Lyzer Dialysis Cassettes(3.5〜7.0kDaカットオフ、Pierce)を使用して、各構築物の第2溶離画分を、その後のDSFによる非コンジュゲート抗体の熱安定性測定のためにPBSに透析した(表23)。各ペプチドタグ付き抗体の第1溶離画分をコンジュゲーション緩衝液(20mM NaClおよび12.5mM MgClを補充されている75mMトリス−HCl緩衝液、pH8.0)に透析した。抗体濃度を2.5μMに調整した後に、コンジュゲーション反応を、CoA−MC−MMAFおよびSfp酵素をそれぞれ30〜60μMおよび1〜4μMの最終濃度まで加えることによって開始した。酵素反応を室温にて約16〜20時間進行させ、その後、標識度を分析用逆相HPLCによって、個々の脱共役抗体を対照として使用して検査した(表22)。すべてのコンジュゲーション反応を質量分析法によって、Agilent 6520 Q−TOF装置で分析した(表22)。ほぼ定量的なコンジュゲーションを確認した後に、反応混合物を、30kDaカットオフAmicon Ultra遠心濾過デバイス(EMD Millipore)を使用して1mLの最終体積まで濃縮した。遠心分離によって沈澱物を除去した後に、Sfp酵素および過剰のCoA−MC−MMAF基質をSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)によって、HiLoad 26/60 Superdex 200分取グレードカラム(GE Healthcare)で、PBS中、1mL/分の流速で除去した。SECの後のペプチドタグ付きADCの純度を、逆相HPLCによって評価した。0.22μm濾過の後に、ADCの最終収量を上記のとおり、ND−1000 UV−Vis分光光度計(NanoDrop Technologies)での三重の測定を使用して決定した(表22)。
【0600】
【表22-1】
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【表22-2】
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【表22-3】
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【表22-4】
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【表22-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表22-6】
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【表22-7】
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【表22-8】
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【0601】
選択されたペプチドタグ付き抗体の発現レベルは、細胞培養液1リットルあたり25mgと平均され(4〜57mg/Lの範囲)(表22)、精製ADCの最終収量は、細胞培養液1リットルあたり14mgと平均された(1〜38mg/Lの範囲)(表22)。HPLCおよびMSによって検査すると、すべてのADCが、2個のCoA−MC−MMAF分子と、1.9の平均DAR(DARは1.5〜2.0の範囲)で部位特異的にコンジュゲートした(表22)。調製された97種のADCのうちの92種で、凝集またはオリゴマー種は検出されなかった(表22)。分析用サイズ排除クロマトグラフィーによって決定すると、すべての他のADCは、少なくとも81%モノマーであった(2種のADCについてはデータがない)。非コンジュゲート抗体およびADCの熱安定性をDSFによって特徴付けた(表23)。野生型トラスツズマブでは、2つのDSF熱溶融遷移(Tm1およびTm2)が69.7℃および81.2℃で観察された。97種のペプチドタグ付き抗体のうちの28種では、両方の遷移が、野生型トラスツズマブで観察された遷移から3℃未満の範囲内である。CoA−MC−MMAFのコンジュゲーションは、非コンジュゲート抗体に対して、ADCのTm1を平均して1.2℃低下させ、ADCのTm2を平均して0.6℃低下させた(表23)。37種の抗体(およびADC)では、熱安定性が、Tm1における差異によって示されるとおり、野生型トラスツズマブに対してかなり(>3℃)低下した。この遷移は、IgGのCH2ドメイン(アミノ酸残基228〜340)のアンフォールディングに帰せられ、実際に、不安定化した抗体のうちの多くが、CH2ドメイン中の位置に挿入されたペプチドタグを有する。具体的に、図18のプロットは、CH2ドメインへのペプチドタグ挿入は一般に、重鎖の隣接するCH1およびCH3ドメインへの個々のペプチドタグ挿入のTm1値よりも低いTm1値につながることを示している。上述のとおり、ペプチドタグの位置は、結果として生じる抗体およびADCの特性に有意に影響を及ぼし得る。
【0602】
【表23-1】
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【表23-2】
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【表23-3】
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【表23-4】
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【表23-5】
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【表23-6】
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【表23-7】
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【0603】
精製ADCを、2種の操作された細胞系、MDA−MB231クローン16およびクローン40、ならびに標的化抗原ヒトHER2を細胞表面上に内因性発現する2種の細胞系(JimT1およびHCC1954)を含めた選択された細胞系(表24)に対するインビトロ効力について特徴付けた。MDA−MB231クローン16細胞は、細胞1個あたり約500,000コピーのHER2を安定発現する一方で、クローン40は、約5000コピー/細胞しか発現しない。HCC1954細胞は、高レベル(約500,000コピー/細胞)のヒトHER2を表面上に内因性発現する(Clinchy B、Gazdar A、Rabinovsky R、Yefenof E、Gordon B、Vitetta ES. Breast Cancer Res Treat. (2000) 61:217〜228)。JimT1細胞系は、細胞1個あたり約80,000コピーのHER2を発現する(Mocanu M-M、Fazekas Z、Petras M、Nagy P、Sebestyen Z、Isola J、Timar J、Park JW、Vereb G、Szollosi J.Cancer Letters (2005)227:201〜212)。自動システム(Melnickら、(2006)Proc Natl Acad Sci U S A. 103:3153〜3158)を用いて、細胞を様々な濃度のADCと共にインキュベートしてから5日後に、細胞増殖アッセイをCell−Titer−Glo(商標)(Promega)で行った(Rissら、(2004) Assay Drug Dev Technol. 2:51〜62)。トラスツズマブペプチドタグ付き−MMAF ADCは特異的に、MDA−MB231クローン16、HCC1954、およびJimT1細胞を殺滅し(表24):トラスツズマブペプチドタグ付き−MMAF ADCのIC50値は、MDA−MB231クローン16、HCC1954、およびJimT1細胞についてそれぞれ約0.45nM、0.24nM、および2.0nMと平均され(表24)、異なるHER2発現レベルと一致した。抗原陰性(低Her2)対照細胞系MDA−MB231クローン40の殺滅は、最高試験濃度(33nM)でも、97種のADCのうちの92種で観察されなかった。
【0604】
【表24-1】
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【表24-2】
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【表24-3】
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【表24-4】
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【表24-5】
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【表24-6】
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【表24-7】
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【表24-8】
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【0605】
良好な薬物動態特性がADCのインビボ有効性には必須である(Hamblettら、Clin Cancer Res.、10:7063〜7070 (2004); Alleyら、Bioconjug. Chem. 19:759〜765 (2008))。抗体とのCoA−MC−MMAF分子のコンジュゲーションは、その生物物理学的特性に負の影響を及ぼし得、その結果、対応するADCの迅速なクリアランスおよびインビボ有効性の劇的な低下が生じ得る(Hamblettら、2004)。インビボクリアランスおよびADCインビボ安定性に対するコンジュゲーション部位の作用を評価するために、薬物動態(PK)研究を、非担腫瘍マウスにおいて、86種のペプチドタグ付きトラスツズマブADC(表25)で行った。
【0606】
各ペプチドタグ付きMMAF ADCを、3匹のマウスに1mg/kgの単回用量で静脈内注射した。次いで、9つの血漿試料を340時間の時間経過にわたって収集し、その後、ADCの血漿力価をELISAによって決定した。ELISAアッセイでは、血漿試料からトラスツズマブADC分子を捕捉するために、固定化されたヒトHER2の細胞外ドメインを使用する。このアッセイの捕捉ステップの後に、抗MMAF抗体を使用して、「無傷」のトラスツズマブMMAFコンジュゲートの血漿中濃度を専ら測定する。第2ELISA実験において、抗hIgG抗体は、コンジュゲートおよび非コンジュゲートトラスツズマブ分子の両方の血漿中濃度を示すシグナルを生成する。ADCのペイロード脱コンジュゲーションがインビボで起こらなければ、抗MMAFおよび抗hIgG ELISAは両方とも、ADC血漿中濃度において同一の読み出し情報をもたらすと予測される。しかしながら、インビボでペイロードが喪失した場合には、抗MMAF ELISAは、抗hIgG ELISAよりも低いシグナルを生成すると予測される。したがって、両方のELISAシグナルを比較することで、個々のADCのインビボ曝露の間のペイロード脱コンジュゲーションの定量化が可能となる。PKデータの解釈は、マウスに静脈内注射するために使用したのと同じADCで生成された標準曲線に基づく。
【0607】
血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)は重要な薬物動態パラメータであり、これを使用して、投与された生体治療薬の総クリアランスおよび生物学的利用能を決定することができる。各ペプチドタグ付きMMAF ADCについて、2つの特徴的なAUC値、AUC hIgGおよびAUC MMAFをそれぞれ抗hIgGおよび抗MMAF ELISA実験によって得た。表25に、検査した86種のペプチドタグ付きADCのAUC hIgGおよびAUC MMAF値、さらには、それらの個々の比をまとめる。得られたAUC hIgG値は幅広い範囲にわたって広がり、32553nM・hrの最高値は、1362nM・hrの最低値よりも約30倍高く、平均は16935nM・hrであった。図20A〜Cは、高いAUC hIgG値を示す3種のペプチドタグ付きMMAF ADCのPK曲線を例示している(配列番号248のADC、28334nM・hr;配列番号33のADC、21011nM・hr;配列番号251のADC、21689nM・hr)。逆に、低いAUC hIgG値を示す3種の構築物のPK曲線(配列番号218のADC、1362nM・hr;配列番号202のADC、1757nM・hr;配列番号244のADC、2378nM・hr)は図20D〜Fに示す。AUC hIgG値の大きな変動にも関わらず、抗hIgGおよび抗MMAF力価は両方とも、互いに跡をたどっていて、このことは、もしあるとしても、ペイロード脱コンジュゲーションがインビボでほとんど起こらなかったことを示唆している。さらに、検査した86種すべてのペプチドタグ付きADCのAUC MMAF値とAUC hIgG値との間の比は、1.0±0.1(AUC(MMAF)/AUC(hIgG)±標準偏差、表25および図21を参照されたい)と平均され、このことは、MC−MMAFと4’−ホスホパンテテイン(ppan)部分の末端チオールとの間でのマレイミドをベースとした連結は、PK実験の時間経過にわたって、循環中で安定なままであったことを示唆している。同様に、これらの結果は、ppan補欠分子族と、挿入されたS6/ybbR/A1ペプチドタグのセリン残基との間でのホスホジエステルをベースとする連結の高いインビボ安定性も示している。
【0608】
ペプチドタグ付きADCのうちの一部について観察された迅速なクリアランスはおそらく、薬物結合の結果というよりも、S6、A1、またはybbRペプチド配列がIgG1分子の特異的な領域に挿入されたことの結果である。タグ挿入部位と薬物動態プロファイルとの間の推定上の関係を、それぞれ1362nM・hrおよび1757nM・hrの最も低い、および三番目に低い測定AUC hIgG値を示す配列番号218および配列番号202の2種のペプチドタグ付きMMAF ADCによって例示する。両方のADCが、重鎖のCH2ドメインにS6タグを含有する。マウス循環における不安定性に加えて、これらのADCは、PK研究の検査した86種の試料のうちで、5番目に低い、および9番目に低い熱安定性も示す。DSF測定によれば、対応するADCは、49.0℃のTm1(配列番号218のADC)および51.2℃のTm1(配列番号202のADC)を示し、結果として、69.7℃のTm1を有する野生型トラスツズマブと比較してそれぞれ20.7℃および18.5℃の低下を生じた。逆に、最も高いAUC hIgG値(19695〜32553nM・hr)を有する40種のADCは、67.4℃の平均Tm1値を示し、これは、野生型トラスツズマブのTm1をわずか2.3℃下回るだけであり、このことは、ADCの薬物動態と熱安定性との間にあり得る相関を示唆している。さらに、これらの40種のADCのうちの26種は、重鎖のCH1ドメインのループ領域にS6、ybbR、またはA1タグを含有する。上述のとおり、これらの好ましい部位でのペプチドタグ挿入は、最良の全体コンジュゲート効率も示し、それらをADC生成のための好ましい候補としている。これらには、配列番号126、127、129、130、131、132、149、151、152、157、158、160、166、168、169、178、179、250、251、256、257、259、265、267、268、277、278、356、358、359、364、365、367、371、373、374、380、および381に対応する、S119〜T120、T120〜K121、T135〜S136、S136〜G137、G138〜T139、A162〜L163、T164〜S165、S165〜G166、G194〜T195、T195〜Q196、およびE388〜N389(CH3ドメイン)の間に重鎖挿入を伴う抗体が含まれる。
【0609】
【表25-1】
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【表25-2】
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【表25-3】
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【表25-4】
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【表25-5】
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【表25-6】
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【表25-7】
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【実施例27】
【0610】
細胞培地中での同時発現4’−ホスホ−パンテテイニルトランスフェラーゼでのペプチドタグ付きIgGの標識
ADCの調製プロセスを合理化するために、同時発現4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)でのペプチドタグ付き抗体の酵素的標識を、Freestyle(商標)発現培地(Invitrogen)中で実施した。精製ステップの数の低減に加えて、抗体生成の間にPPTアーゼが同時発現することによって、そのような酵素の添加および組換え産生されたバージョンの除去に関連する問題を回避し得た。概念証明として、大腸菌(E. coli)からのAcpS PPTアーゼを使用して、A1タグ付き抗体をアセチル補酵素A(アセチルCoA)と、細胞培地中で部位特異的にコンジュゲートした。
【0611】
同時発現を促進するために、AcpS PPTアーゼをコードする遺伝子を、N末端シグナル配列MKTFILLLWVLLLWVIFLLPGATA(配列番号355)を追加する哺乳動物用発現ベクターpRSにクローニングした。構築物、pRS−AcpSも、C末端Hisタグを組換え酵素(配列番号1106)に追加する。A1タグ付き抗体mAb2−HC−E388−GDSLDMLEWSLM−N389(配列番号356)を同時発現させるために、12−アミノ−酸A1ペプチド配列をコードするオリゴヌクレオチド断片を、抗体mAb2−HC(配列番号147)の重鎖遺伝子に、哺乳動物用発現ベクターpM4中で挿入し、結果として、構築物pM4−A1を生じさせた。このプラスミドは、CMVプロモーター下で、対応する軽鎖も同時発現する。PEI法(Meissnerら、2001)を使用して、293個のFreestyle(商標)細胞に組換え発現プラスミドpM4−A1およびpRS−AcpSの1:1混合物を過渡的に形質移入し、Freestyle(商標)発現培地(Invitrogen)200mLの5つのアリコット中、37℃にて5%CO下で5日間培養した。次に、細胞培養物を、2,000rpmで10分間の遠心分離によって採集し、0.22μmフィルターに通し、貯留した。細胞培地中での効率的なコンジュゲート形成に必要な最少抗体および酵素濃度を決定するために、濾液のアリコットを未濃縮のままにするか、または30kDaカットオフAmicon Ultra遠心濾過ユニット(EMD Millipore)を使用して2倍、5倍、10倍、および20倍に濃縮した。濃縮試料を3,724×gで2分間遠心分離して、沈澱物を除去した。AcpS触媒作用のための細胞培地条件を最適化するために、すべての試料に、10倍反応緩衝液(pH8.8)を、75mMのトリス−HClおよび10mMのMgClの最終濃度まで補充した。次いで、標識反応を、アセチルCoA基質(Sigma−Aldrich)を1mMの最終濃度まで加えることによって開始した。結果として1.5mL〜15mLの体積で生じた反応混合物を37℃にて約16時間インキュベートした。
【0612】
A1タグ付き抗体の標識度を決定し、さらに、酵素および抗体の両方の発現レベルを定量化するために、すべての反応混合物をそれぞれNi−NTAおよびタンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。未濃縮試料を除いて、すべての反応混合物をPBSで2倍に希釈し、その後、PBS平衡化タンパク質A−Sepharoseカラム(床体積0.5mL、GE Healthcare)にほぼ1mL/分の流速で負荷した。カラムフロースルーをそのまま、Ni−NTAアガロース(Qiagen)0.5mLを充填されたPBS平衡化IMACカラムに注入した。すべてのタンパク質AおよびNi−NTAアフィニティーカラムを、300mMのNaClおよび20mMのイミダゾールを補充した50mMトリス−HCl緩衝液(pH8)40カラム体積で洗浄した。Hisタグ付き(配列番号1106)AcpS酵素をNi−NTAアフィニティーカラムから、300mMのNaClおよび250mMのイミダゾールを含有する50mMのトリス−HCl緩衝液(pH8)6カラム体積で溶離した。同様に、A1タグ付き抗体をタンパク質Aアフィニティーカラムから、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.0)6カラム体積で溶離し、直後に、1Mのトリス−HCl緩衝液(pH10)12%(v/v)で中和した。
【0613】
SDS−PAGEおよびESI−MSによって、AcpS酵素およびA1タグ付き抗体の溶離をそれぞれ確認した。UV−Visおよびブラッドフォード測定によって、A1タグ付き抗体0.17mg〜0.34mgおよびAcpS酵素0.12mg〜0.15mgが回収されたことが示された(表26)。このことは、抗体濃度は、アセチルCoAでの標識反応の間、未濃縮細胞培地における0.08μM(13mg/L)から、20倍濃縮細胞培地における1.5μM(230mg/L)までの範囲であることを示唆している。したがって、A1タグ付き抗体の濃度は、細胞培地の濃縮係数にほぼ比例する。同様に、AcpS PPTアーゼの濃度は、未濃縮細胞培地における0.6μM(9mg/L)から、20倍濃縮細胞培地における6.8μM(100mg/L)まで上昇した。
【0614】
【表26】
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【0615】
精製された抗体構築物を、30kDaカットオフAmicon Ultra遠心濾過ユニットを使用して濃縮し、還元し、脱グリコシル化し、続いて、Agilent 6520 Q−TOF装置(Agilent Technologies)で質量分光分析した。表26において示すとおり、馴化細胞培地の2倍濃縮係数が、1mMのアセチルCoA基質、0.16μM(24mg/L)のA1タグ付き抗体、および1.1μM(17mg/L)のAcpS酵素が存在する状態でのほぼ定量的なコンジュゲーションには十分である。特に、アセチルCoA基質のアセチル基は、培地中標識の間に完全に切断除去され、それによって、馴化細胞培地中でのチオエステル結合の加水分解を示す。30倍濃縮細胞培地での独立実験において、外因的に付加されたアセチルCoAが存在しない状態では、コンジュゲート形成は質量分析法によって検出され得ないことが見出された。したがって、この陰性対照は、有意な量のCoAまたはその類似体の1種が細胞培地中に存在することを否定するものである。
【0616】
まとめると、この実験は、ペプチドタグ付き抗体を、補充したCoA類似体で、2倍濃縮細胞培地中でPPTアーゼ触媒作用によって定量的に標識することができることを実証している。生産セル系の発酵の間の抗体濃度は、現行の概念証明実験においてよりもかなり高いので、ペプチドタグ付き抗体との補充CoA類似体の酵素的コンジュゲートを生産レベルまで大規模化し得ることが予測され得る。補充されるCoA類似体は、チオール基、保護チオール基、またはアルデヒド、ケト基、アジド基、もしくはアルキン基などの生体直交性反応性基を特徴とする。タンパク質A精製の後に、反応性基で酵素的に活性化させた抗体を、相補的毒素類似体と反応させて、対応するADCを第2のステップにおいて得ることができる。
【実施例28】
【0617】
細胞培地中でのケトンCoAでのペプチドタグ付き抗体の部位特異的修飾
この実験の目的は、馴化細胞培地中で生体直交性基をペプチドタグ付き抗体に部位特異的に結合させることの実行可能性を実証することである。2ステップ法の第1ステップを、実施例23にその合成を記載したケトンCoA類似体で実施した。このカルボニル官能化されたCoA類似体でのペプチドタグ付き抗体の培地中標識の成功によって、2ステップ法の第2ステップにおける、オキシムライゲーションによるアミノオキシ官能化ペイロードのその後の結合が可能となるであろう(図22も参照されたい)。
【0618】
PEI法(Meissner ら、2001)を使用して、293個のFreestyle(商標)細胞に、実施例27において記載した組換え発現プラスミドpM4−A1およびpRS−AcpSの1:1混合物を過渡的に形質移入した。同時形質移入した哺乳動物細胞をFreestyle(商標)発現培地(Invitrogen)400mL中、37℃にて5%CO下で5日間培養した後に、細胞培養物を2,000rpmで10分間の遠心分離によって採集し、0.22μmフィルターに通した。次に、透明細胞培地60mLのアリコットを、30kDaカットオフAmicon Ultra遠心濾過ユニット(EMD Millipore)を使用して20倍濃縮した。3,724×gで5分間遠心分離することによって沈澱物を除去した後に、1mMの最終濃度でケトンCoAを含む濃縮物1.31mLならびに75mMのトリス−HClおよび10mMのMgClの最終濃度の10倍反応緩衝液(pH8.8)を補充することによって、標識反応を開始した。1.5mLの総体積の酵素反応物を37℃にて約16時間インキュベートした。
【0619】
カルボニル官能化されたCoA類似体での標識度を質量分析法によって分析する前に、反応混合物をタンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。PBSでの2倍希釈の後に、希釈した反応混合物をPBS平衡化タンパク質A−Sepharoseカラム(床体積0.6mL、GE Healthcare)に、約1mL/分の流速で負荷した。カラムマトリックスをPBS約40床体積で洗浄し、その後、残留物質を0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH3)6カラム体積で溶離した。最後に、溶離液を1Mのトリス−HCl緩衝液(pH10)12%(v/v)を加えることによって中和した。
【0620】
抗体の純度を、還元SDS−PAGEによって評価した。NanoDrop ND−1000分光光度計でのUV−Vis測定によれば、抗体0.34mgが回収されたが、これは、20倍濃縮細胞培地中の1.5μMの抗体濃度(230mg/L)に対応した。これは、20倍濃縮細胞培地中でのアセチルCoAでの標識反応の間に測定された抗体濃度(実施例27)を正確に再現している。ケトンCoAでの抗体標識度を質量分析法によって評価するために、中和した溶離液を、30kDaカットオフAmicon Ultra遠心濾過ユニットを使用して濃縮し、脱グリコシル化し、還元した。Agilent 6520 Q−TOF装置での質量分光分析は、所望のカルボニル官能化された抗体コンジュゲート(観察値51995.32;期待値51999.6)の形成を示し、その際、約24%の副生成物としての4’−ホスホパンテテイン−修飾抗体(観察値51925.42;期待値51929.6)の形成を伴った。非コンジュゲート抗体は、逆重畳積分質量スペクトルにおいては検出不可能であった(期待値51589.2)。副生成物としての4’−ホスホパンテテイン−修飾抗体の存在は、CoA−SHとメチルビニルケトンとの反応の間のケトンCoAの形成が不完全であることによって説明されるであろう(実施例23)。
【0621】
実験結果は、馴化細胞培地中での抗体とのカルボニル基の部位特異的コンジュゲーションの実行可能性を示している。この手法は、アジドおよびアルキン部分などの他の生体直交性基にも適用することができる。そのような生体直交性基は、細胞培地において完全に不活性であり、相補性官能基を含有するペイロードとのみ専ら反応し、それによって、2ステップ法の第2ステップにおける均一なADCの形成を保証する。
【実施例29】
【0622】
ybbRタグ付きトラスツズマブMMAF ADCのインビボ有効性評価
ybbRタグ付きトラスツズマブADCである抗hHER2−HC−E388−DS−ppan−MC−MMAF−LEFIASKLA−N389(配列番号1122)のインビボ有効性を、免疫不全ヌードマウスへのヒト腫瘍細胞系の移植に基づく異種移植片腫瘍モデルを使用して評価した。すでに記載されているとおり(SausvilleおよびBurger、2006)、そのような腫瘍異種移植片マウスでの研究は、抗癌試薬のインビボ有効性に対する貴重な洞察をもたらしている。具体的には、インビボ有効性研究を、MDA−MB231クローン16細胞を皮下注射されたnu/nuマウスで実施した(MortonおよびHoughton、2007)。この細胞系を、上述のybbRタグ付きMMAF ADCに対して抗原依存的にその高い感受性を明らかにした先行するインビトロ効力アッセイに基づき選択した(表24を参照されたい)。腫瘍が約200mmのサイズに達した後に、ybbRタグ付きMMAF ADCを、5mg/kgまたは3mg/kgのいずれかの単回用量で静脈内注射したが、その際、各処置群は9匹のマウスを含んだ。抗体−薬物コンジュゲートを投与した後に、腫瘍成長を毎週モニタリングした。図23に示すとおり、ybbRタグ付きMMAF ADCの静脈内投与は、両方の用量レベルで腫瘍の退縮をもたらした。さらに、ADCでのマウスの処置は、忍容性が良好で、いずれの処置群においても体重減少は観察されなかった。3mg/kgの低い単回用量でのMDA−MB231クローン16腫瘍の有効な退縮は、ybbRタグ付きADCが、HER2依存性腫瘍マウスモデルにおいて有効であることを実証している。すべての動物研究を、Guide for the Care and Use of Laboratory Animals (NIH publication; National Academy Press, 8th edition、2001)に従って行った。
図1
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図2-1】
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図2-2】
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図2-3】
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図2-4】
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図2-5】
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図2-6】
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図3
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図4-1】
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図4-2】
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図4-3】
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図5-A】
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図5-B】
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図5-C】
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図5-D】
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図5-E】
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図5-F】
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図5-G】
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図5-H】
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図6-1】
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図6-2】
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図7
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図8-A】
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図8-B】
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図9-A】
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図9-B】
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図10-A】
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図10-B】
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図11-A】
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図11-B】
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図12
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図13-A】
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図13-B】
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図13-C】
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図14-A】
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図14-B】
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図15
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図16
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図17
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図18
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図19-A】
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図19-B】
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図20-1】
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図20-2】
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図20-3】
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図21
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図22
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図23
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【配列表】
2015519906000001.app
【国際調査報告】
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