特表2015-520032(P2015-520032A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-520032(P2015-520032A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】2つの部材を接合する方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 39/06 20060101AFI20150619BHJP
   B23K 26/064 20140101ALN20150619BHJP
【FI】
   B21D39/06 A
   B23K26/064 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-517769(P2015-517769)
(86)(22)【出願日】2013年6月20日
(85)【翻訳文提出日】2015年2月9日
(86)【国際出願番号】EP2013062914
(87)【国際公開番号】WO2013190054
(87)【国際公開日】20131227
(31)【優先権主張番号】102012012200.4
(32)【優先日】2012年6月21日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102012013750.8
(32)【優先日】2012年7月12日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】502156098
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ダンハイジグ、 アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハマース、 マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ミューレンブロック、 ルドガー
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、 フォルカー
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168CA06
4E168CA11
4E168CB16
4E168DA36
4E168EA13
4E168GA01
4E168GA03
(57)【要約】
本発明は2つの部材を接合する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塑性変形により2つの部材(1、2、3)を接合する方法であって、
前記部材(1)の少なくとも一つの変形範囲が、前記塑性変形に先立って加熱され、特に完全に加熱される方法。
【請求項2】
前記塑性変形は加熱された状態で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変形領域は前記変形に先立って冷却される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記部材の構造が前記加熱によって局所的に弱められる請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記部材(1、2、3)は互いに圧着又はフランジ加工によって接合される請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
金属の部材(1、2、3)が互いに接合される請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
熱源(7)として放射線特にレーザ及び/又は誘導が用いられる請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
放射線源からの前記放射線(7)は、前記部材(1、2、3)の周囲全体、特に変形予定領域を同時に照射するように光学手段を介して偏向される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記放射線は前記部材の周囲を同時に照射する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
加熱された前記部材(1)は、他の部材(2、3)との接合後において、その後の所望の材料特性を有するように冷却される請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2つの部材を接合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業においては今や、例えば圧着のような塑性変形によって部材を互いに接合する場合がますます増えている。同時に、かかる部材を軽量に、すなわち薄壁又は小断面積に設計しなければならない要求も存在する。それゆえ部材は、特に塑性変形による部材の接合中に、例えば、得られた接合部の安全性を損ないかねない損傷を受け得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−280930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、先行技術の短所が存在しないように2つの部材を接合する方法を与えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、2つの部材を塑性変形により接合する方法であって、少なくとも一つの部材をその塑性変形前に変形範囲に入るまで加熱、特に完全に加熱する方法によって解決される。
【0006】
本発明は、塑性変形の使用により2つの部材を接合する方法に関する。かかる処理は、先行技術により、例えば圧着、口広げ加工、鋭角バルジ加工、又はフランジ加工として知られている。この場合、部材は他方の部材の中に押し込まれ、その後当該部材の一方に、不可逆的に接合されるような塑性変形がなされる。本発明によれば、先に加熱された部材に対して変形が行われる。ここで、加熱は変形が予定される領域全体において行われることが好ましい。例えば、部材が加熱されるのは、その内側及び/又は外側の周囲全体にわたってであるが、接合及び/又は変形が実現される領域における局所のみである。すなわち当該部材の全長にわたっているわけではない。このタイプの加熱は、圧着又はフランジ加工に対して特に好ましい。しかしながら、加熱はまた、周囲の部分的領域にのみ行われてもよい。その後の塑性変形を、そのまま変形範囲の加熱された状態において行うことができる。加熱に起因して部材は局所的に柔らかくなるので、例えば、亀裂の進展なしに変形を行うことができる。しかしながら、変形はまた、少なくとも部分的に部材が冷却された状態で行うこともできる。この場合、加熱及び特には冷却が材料の構造変化を引き起こす結果、部材の構造が変形範囲において永久的に弱くなるので、変形が容易となる一方、変形中に亀裂が形成されることがない。特に完全に加熱をする場合、部材の周囲全体を塑性変形中に変形することができるので、材料の過大応力負荷が生じない。加熱は、リング状、特に円環状に、又は円弧の形態で行われる。
【0007】
代替的に、部材の材料の構造を加熱及び/又は冷却によって硬化させることもできる。
【0008】
加熱により、局所的な応力負荷を増加又は減少させることができる。
【0009】
本発明に係る方法は、例えば、ばね、特にトーションばねのための管における支承位置をもたらすべく、及び/又はばねを管と接合するべく使用することができる。
【0010】
本発明に係る方法は、金属部材同士を互いに接合することも含むのが好ましい。熱源として放射線、特にレーザが使用されるのが好ましい。放射線源からの放射線は、部材の周囲全体、特に変形予定領域を同時に照射するように光学手段を介して偏向される。この場合、部材は静止していること、すなわち加熱中に動かないこと、例えば回転しないことが好ましい。これにより、時間が節約され、及び/又は加熱が均等に行われる。光学手段は、ミラー、特にリング状ミラー、及び/若しくは円錐状ミラー、並びに/又はレンズが好ましい。さらに、特に半透明ミラーが用いられる。光学手段はまた、放射線が環境に放出されないようにするべく使用することができる。したがって、加熱領域の汚染をなくすことができる。
【0011】
付加的に又は代替的に、部材は加熱中に回転される。熱源として放射線が使用される場合、加熱が閉じ込められるのが好ましい。
【0012】
部材の加熱は、特に、すでに冷却されている部材の変形中に、「直結式」で行うことができる。加熱は「非直結式」でも行うことができる。
【0013】
さらに好ましい実施形態によれば、加熱は誘導によって行われる。
【0014】
部材の加熱は、例えばカメラ特に赤外線カメラ及び/又は高温計のようなセンサによって監視されるのが好ましく、熱源特に放射線源及び/又は光学手段は、センサの信号によって制御される。
【0015】
加熱された部材は、その他部材との接合後において、その後の所望の材料特性が特徴づけられるように冷却されるのが好ましい。例えば、冷却によって構造変化がもたらされる。
【0016】
さらに、特に加熱が予定される部材は、様々な材料特性によって特徴づけられることが好ましい。例えば、優れた硬度を備えた材料が接合領域に用いられる一方、当該部材の残り部分がそれほどでもない硬度を備えた材料から作られる。
【0017】
加熱された部材は、その加熱後、好ましくは直後に変形されて他部材と接合されるようになる。
【0018】
以下、本発明が図1〜5を参照して説明される。かかる説明は単なる例示であって、本発明の一般的範囲を制限することはない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】圧着及びフランジ加工に係る接合を示す。
図2】自動車シートのクロスビームと側部材との接合を示す。
図3】部材の加熱を示す。
図4】本発明に係る方法の一実施形態を示す。
図5】本発明に係る方法の他の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本例では管である第1部材1と2つの第2部材2、3との接合を示す。管1は、矢印で示されるように2つの部材2、3の中に押し込まれる。その後、塑性変形がなされて管は、部材2、3に強固に接合される。管1と部材2との接合が圧着5によって行われる一方、部材3は、フランジ加工4によって管1の端に取り付けられる。管1は、圧着又はフランジ加工中、部材2、3が形状噛み合わせ及び/又は摩擦噛み合わせによって当該管と接合されるように塑性変形がなされる。部材2が、トルクが伝達されるように管1に接続される一方、管1は側部材3内で回転することができる。
【0021】
図2は、図1に係る接合の適用を示す。わかることだが、管1は、自動車シートの座部フレームのクロスビームである。これは、一方でこのフレームの側部材3と接合され、他方で自動車シートの高さ調整の部材2と接合される。
【0022】
図3には、他部材との接合をもたらす管の、本発明に係る加熱が示される。加熱を目的として管1は、本例では2つのローラである駆動器6により、加熱部7を通るように移送される。ここで管は、本例では、互いに離間して設けられることが好ましいいくつかの場所において、同時かつ全体的に加熱される。管は、その周囲全体が同時かつ均一に加熱される。管はその加熱中に動かないことが好ましい。本例では、加熱は円環8の領域で行われる。この場合、管の外側周囲の円環8が同時に及び/又は均一に加熱される。その直後、圧着又はフランジ加工による接合を目的として管の変形が行われる。本例では、管1の外側周囲にある円環8の加熱は、複数の光学手段、特に円錐状ミラーを介して環状放射線に変換されるレーザビームによって行われる。当該環状放射線の中へと、本例では管1である加熱予定部材が配置され、その全体体積が局所的かつ同時に加熱される。軸方向に離間した複数領域を加熱するべく、円錐状ミラーに対して加熱予定部材をシフトすることができる。しかしながら、加熱領域8の実際の加熱工程中、管1は静止していることが好ましい。さらに、装置は、加熱される周囲において管の温度を測定するカメラを特徴とする。このカメラの信号がレーザの制御に使用される。
【0023】
図4には、本発明に係る工程の第1実施形態が示される。部材1は、例えば、参照番号8によって示されるように、本例では環状のリング状レーザのような加熱手段7によって一定温度まで局所的に加熱される。その後、部材1は加熱手段7から、本例ではロボットにより取り外され、圧着及びフランジ加工によって部材2、3に接合される。非加熱での変形範囲と比べ、当該変形範囲の加熱は、変形に必要なエネルギーΔFだけ低減させる。その後初めて、部材が温度T2まで冷却される。冷却は、加熱された及び/又は変形された領域に構造変化がもたらされるように行うことができる。
【0024】
図5には、本工程の代替例が示される。加熱後、加熱された領域は、特に構造変化によって部材の構造が局所的に弱くなるように意図的に制御されて冷却される。部材が冷却されて初めて、本例では圧着及びフランジ加工によって変形が行われる。これはすでに上述したとおりである。部材の構造が接合領域において意図的に弱められた結果、変形が容易に及び/又は亀裂の形成なしに行われる。加熱/冷却は直結式又は非直結式に行うことができる。
【符号の説明】
【0025】
1 部材、クロスビーム
2 部材、高さ調整
3 部材、側部材
4 成形、フランジ加工
5 成形、圧着
6 駆動器
7 加熱手段
8 加熱された領域、加熱領域、円環、管の他の周囲の円環
9 材料変化、構造変化により弱められた領域
ΔT 冷却
T1 増加された温度
T2 低減された温度、環境温度
ΔF 部材1の変形に必要なエネルギー
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】