特表2015-520110(P2015-520110A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特表2015520110-ガス状の臭化水素からの臭素の除去 図000012
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-520110(P2015-520110A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】ガス状の臭化水素からの臭素の除去
(51)【国際特許分類】
   C01B 7/09 20060101AFI20150619BHJP
【FI】
   C01B7/09 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-516054(P2015-516054)
(86)(22)【出願日】2013年5月24日
(85)【翻訳文提出日】2014年12月22日
(86)【国際出願番号】US2013042677
(87)【国際公開番号】WO2013184415
(87)【国際公開日】20131212
(31)【優先権主張番号】61/655,784
(32)【優先日】2012年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】594066006
【氏名又は名称】アルベマール・コーポレーシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハロツド,ウイリアム・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ハーデン,ジヨン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ヒーブ,レツト・ピー
(72)【発明者】
【氏名】カースブーム,ステイーブン・ジー
(72)【発明者】
【氏名】シヤープ,ゲイリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ウイリアムズ,ロバート・イー
(57)【要約】
本発明は、遊離臭素で汚染されたガス状の無水HBrから遊離臭素を除去するための方法およびシステムが記述される。一つの型の工程において、充填部を遊離基ブロム化状態に維持しながら、カラム充填部内に、少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素と向流接触で、ガス状の汚染されたHBrが供給されて、得られるα−ブロモアルキル芳香族化合物1モルにつき1モルのガス状のHBrとともに、1以上の液体α−ブロモアルキル芳香族化合物が生産される。もう一つの型の工程では、ガス状の無水HBrが、少なくとも2つのスクラバーを通して向流接触で供給され、各々のスクラバーが含む異なる特定の型のガス洗浄液を通過することによって、洗浄され、実質的に臭素が皆無にされる。1つの実施態様において、液体アルキル芳香族炭化水素は1,2−ジフェニルエタンを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填カラム部を遊離基ブロム化状態に維持しながら、臭素で汚染されたガス状の無水HBrを、カラム充填部内で少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素と向流接触させて供給し、1以上の液体α−ブロモアルキル芳香族化合物が1モルのガス状の無水HBrとともに生産されることを含む、元素の臭素で汚染されたガス状の無水HBrの精製方法。
【請求項2】
反応が、反応域温度が約80℃未満であって、平均接触時間が約12秒未満であるようなカラム内で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応域温度が約80〜約105℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記反応域温度が約85〜約101℃の範囲である、請求項1の記載の方法。
【請求項5】
(i)少なくとも98%の遊離臭素が取り除かれたガス状のHBr、および(ii)前記1以上の液体α−ブロモアルキル芳香族炭化水素を別々に回収することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(i)の少なくとも一部の回収されたガス状のHBrを、少なくとも1つが芳香族エーテルおよびルイス酸ブロム化触媒を含む1以上の後続の液相と接触させて供給し、少量の残留する臭素を取り除くことを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
接触が、反応域温度が約80℃より大きく、カラム内の反応時間が約12秒未満であるような加熱されたカラム内で実行される、請求項6の記載の方法。
【請求項8】
反応域温度が最高約101℃である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記の少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素が1,2−ジフェニルエタン、1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼン、または1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジル、あるいは、これらの任意の2つまたは3つ全部を含む任意の液体混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記の少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素がスチレン系のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記工程が連続または半連続ベースで実行される、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ガス状混合物を、ガス状混合物から相当量(すなわち、80%を超える)、典型的に約90〜98%の臭素を取り除く初生スクラバー組成物と接触して通過させ、そして、結果として生じる部分的に脱ブロム化したガス状混合物を、例えば、結果として生じる精製されたガス状のHBrがGCの決定に従って約98%以上、好ましくは99%以上の純度を有するために、ガス状のHBrから追加の臭素を除去する第2スクラバー組成物と接触して通過させることを含む、臭化水素および臭素を含むガス状混合物から臭素を除去する方法であって;
A) 前記初生スクラバー組成物は、
(1) 1,2−ジフェニルエタンおよびそのオリゴマーを含むがこれに限らないアルキル化芳香族を含む混合物であって、最高約30重量%の1,2−ジフェニルエタンを含む混合物、または、
(2) (1)のブロム化が可能な部分的に臭素化された基質組成物、または、
(3) (1)および(2)の混合物を含む;および、
B) 前記第2スクラバー組成物は、
(4) 塩化アルミニウムおよび/または臭化アルミニウムブロム化触媒、
(5) (i)窒素下、70℃で熱的に安定である、
(ii)少なくとも最高120℃でHBrの存在下、化学的および熱的に安定である1以上の活性芳香族化合物;
(6) 任意の1以上の(5)の構成要素の部分的にブロム化した誘導体を含む;および、
C) 前記初生スクラバー組成物および第2スクラバー組成物は、ガス洗浄操作の間、それぞれのスクラバー組成物を流動可能な液態に維持する温度に保たれる、方法。
【請求項13】
ガス状混合物および初生スクラバー組成物が第1反応器を通して向流として接触される、および、結果として生じる部分的に脱ブロム化されたガス状混合物と第2スクラバー組成物が、第2反応器を通して向流として接触される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも第1反応器が充填カラムであるか、第2反応器が充填カラムであるか、第1反応器と第2反応器が別々の充填カラムである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1反応器が第1充填カラムおよび第2反応器が第2充填カラムであって、ガス状混合物が第1充填カラム下部または第1充填カラム内の充填物の底部に供給され、第1充填カラム内の充填物上部から、または、それより上から第1充填カラムを去る、ならびに、結果として生じる部分的に脱ブロム化された気体混合物が第2充填カラム下部、または第2充填カラム内の充填物の底部に供給されて、第2充填カラム上部から、または、それより上から第2充填カラムを去る、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
初生スクラバー組成物が、1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび/または1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジルを包含するアルキル化芳香族を含む混合物を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
第2スクラバー組成物が1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジフェノキシベンゼン、ビスフェノールA、もしくはジフェニルエーテルまたはこれらの材料の任意の2以上の混合物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
初生スクラバー組成物が任意の添加ブロム化触媒を含まない、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
結果として生じる精製されたガス状のHBrがカーボン粒子層の中に入る、または通る、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
第1充填カラムが、新鮮初生スクラバー組成物の供給ライン、循環ラインおよびポンプを、初生スクラバー組成物が第1充填カラムのトップに入り、その一部のスクラバー組成物が循環ラインを流れ続け、その別の一部が非水溶性急冷液に導入されて、スクラバー組成物に存在する場合がある残留触媒を破壊するように配置して備える、ならびに、第2充填カラムが、循環ラインの供給ライン、およびポンプを、第2スクラバー組成物が第2充填カラムのトップに入り、その一部のスクラバー組成物が循環ラインを流れ続け、その別の一部が非水溶性急冷液に導入されて、第2スクラバー組成物中の残留触媒を破壊するように配置して備える、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
各々の前記接触時間が約10秒以下である、請求項12〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
元素の臭素で汚染された無水HBrガスの精製のためのブロム化が可能なアルキル芳香族炭化水素からなる廃液流の使用
【請求項23】
少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素が、融解した1,2−ジフェニルエタンおよびそのオリゴマーを一定量の流動化剤テトラヒドロナフタレンと組合せて含む混合物を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
遊離基ブロム化条件下で、少なくとも1の液体スクラバー組成物にガス状混合物を供給し、1以上の液体アルファブロモアルキル(アルキレン)芳香族化合物が1モルのガス状の無水HBrと共に生成される、元素の臭素を含有する無水HBrのガス状混合物の精製方法。
【請求項25】
アルファブロモアルキル(アルキレン)芳香族化合物が、(i)融解した1,2−ジフェニルエタンおよび少なくとも1のそのオリゴマー、すなわち1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジルを、(ii)一定量の流動化剤テトラヒドロナフタレンを組合せて含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
(i):(ii)の重量比が3.5〜4.5:1.0の範囲、好ましくは約80:20の範囲である、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス状の臭素(Br2)を含むガス状の無水臭化水素(HBr)流の精製のための新しいスクラバー工程およびシステムに関する。そのような流れは、工場操作からの微量の飛沫同伴および/または蒸気の有機不純物を任意に含む場合がある。
【背景技術】
【0002】
高純度臭化水素は重要な産業の原料である。いろいろな産業のブロム化工程はガス状の臭素で汚染されたガス状の副産物HBr流または混合物を産生する。そのような流れまたは混合物は、いろいろな有機不純物で汚染されている可能性もある。原料として再使用するために高度に精製された形態(例えば、GCで決定された約98%以上および好ましくは約99%以上)のHBrの回収は経済的および環境的の両方の見地から重要である。さらに、無水HBr圧縮システムなどの装置を臭素による腐食から保護するために臭素を除去することは重要である。
【0003】
商用スケール産業操作において、厳しい腐食環境のためHBrから臭素を洗い落とすために接触させる容器のサイズを最小にすることは有利である。比較的少量のHBrおよび臭素のガス状混合物が処理に利用される操作では、平均滞留時間(すなわち、ガス状混合物および液体スクラバー組成物が互いと接触している時間)は、ほとんど懸念でない。他方、連続で比較的大きな体積のHBrおよび臭素のガス状混合物が処理に利用されている工場操作では、臭素除去のためのガス洗浄容器内の平均滞留時間は考慮すべき重要性である。そのような連続的に展開している比較的大量のガス状混合物が臭素含量を除去するため適切に処理されることを可能とするためには、平均滞留時間は短くしておかれなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで、酸化ジフェニルがHBrおよび臭素のガス状混合物から臭素を除去するためのガス洗浄媒体スクラバーとして用いられた。次いで、結果として生じる部分的に臭素化された酸化ジフェニルはデカブロモジフェニルオキサイドへの変換に利用され、多くのプラスチック系統で市販の多角的難燃剤として使用されている。デカブロモジフェニルオキサイドの生産者が仮にこの材料の生産を中止する意向を表明すれば、この精製経路はもはや経済的魅力はない。加えて、現在酸化ジフェニル生産者が代替販路を開発し始めているため酸化ジフェニルの継続的利用可能性は疑わしくみえる。本発明の前に、酸化ジフェニルの等しく有効で等しく魅力的な代替物が存在しないということが分かっている。本発明は、特に、(i)HBrの量が気相中Br2の量より優位であって、(ii)多くの場合、少量の他の不純物がガス状混合物に存在し、(iii)平均滞留時間が比較的短い操作が用いられている、HBrおよびBr2を含むガス状混合物からの臭素除去に関して、新規、有効、経済的、環境的かつ魅力的な方法を開発することが可能かどうかを確認するために提起された。前述の基準の全てではないにしてもほぼ合致する問題の解法を本発明が提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、ガス状の無水HBr混合物から臭素(および、存在するときは、揮発性有機不純物も)の費用効率が高い分離を達成するための方法およびシステムを提供する。高純度HBrを与える適切に設計・操作された方法およびシステムが本発明で利用可能となる。さらに、本発明は、これらの方法およびシステムの操作で化学副産物の経済的および環境的に望ましい利用を可能にする。
【0006】
本発明に従って用いられるガス洗浄工程およびシステムが含まれる基本的な2つの実施態様がある。多少異なるけれども、これらは共に同じ結果、すなわち原料として再利用するため高度に精製された形態(例えば、GCが決定した約98%以上、好ましくは約99%以上)のHBrの回収、無水HBr圧縮システムなどの装置を臭素に起因する腐食から保護するための臭素除去、同時に、さもなければ処分を必要とするかもしれない化学副産物の利用の可能化を達成するために機能する。
【0007】
さらに、本発明は元素の臭素で汚染された無水HBrの精製のために有利な流動性改善を提供する。この改善は、ガス洗浄工程およびシステムを含む上記の2つの各々の実施態様で利用されることができる。
【0008】
第1基本的実施態様
本発明に従って、充填部を遊離基ブロム化状態に維持しながら、カラム(時々、充填物が、必須ではないが、カラム全体を満たすので、「充填カラム」とここでは言及される)の充填部内に、少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素と向流接触で、臭素汚染されたガス状の無水HBrを供給し、1以上の液体α−ブロモアルキル芳香族化合物が、生じるα−ブロモアルキ化の1モルにつき1モルのガス状無水HBrとともに生産されることを備える、元素の臭素で汚染されたガス状無水HBrの精製方法を、最初に、このような実施態様で提供される。後続の記述から見られるように、アルキル芳香族炭化水素のアルキル部分は通常のアルキル基(Cn2n+1)またはアルキレン基(−CH2−)mであることができる。これらの式では、nは1〜12の範囲、好ましくは2〜8の範囲、より好ましくは2〜4の範囲、さらに好ましくは、nは2、mは1〜6の範囲、好ましくは2〜4の範囲、より好ましくは、mは2の数字である。典型的に、反応は、反応域温度が約80℃未満で、カラム内の平均接触時間が約12秒未満であるような加熱されたカラムで起こる。しかし、いくつかの実施態様では、反応域温度は約40〜約105℃の範囲、または約90〜約101℃の範囲であることができる。この方法の実行では、(i)少なくとも98%の遊離臭素が取り除かれたガス状のHBrと、(ii)1以上の液体α−ブロモアルキル芳香族炭化水素を別々に回収することが望ましい。この分離は、(i)の回収された少なくとも一部のガス状HBrを、その中に存在する場合がある少量の残留臭素を取り除くため、少なくとも1つが芳香族エーテルおよびルイス酸ブロム化触媒を含む1以上のその後の液相と接触供給するのを可能にする。そのような接触は、典型的には反応域温度が約80℃より高い、例えば、約80〜約101℃の範囲で、カラム内の反応時間が約12秒未満であるように加熱されたカラム内で実行される。
【0009】
第1基本的実施態様の方法およびシステムは、ガス状の無水HBrから臭素を除去するために1つの型の液体洗浄媒体だけを使用し、この型は、便宜上以下「ブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバー」または「ブロム化が可能なアルキレン架橋化芳香族スクラバー」と称される。全体的に、これらの2つの型の液体洗浄媒体は「ブロム化が可能なアルキル(アルキレン)芳香族スクラバー」と同じであることができ、アルキレン(ene)部は、アルキレン基が2つの芳香族基の間の架橋基として存在する場合だけ存在する。そうでない場合、スクラバーは架橋基のないアルキル芳香族スクラバーである。特に好ましいブロム化が可能なアルキレン芳香族スクラバーは、1,2−ジフェニルエタン(DPE)およびそのオリゴマー形態(例えば、1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジル)であって、DPEが最高約30重量%を含むことができる混合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0010】
ブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーは、(i)カラム充填物中の遊離基ブロム化のために存在するアルキル置換基のα−炭素原子上に1または2の水素原子を有するアルキル芳香族炭化水素(もしくは、その混合物)、または(ii)カラム充填物での遊離
基ブロム化のために存在するアルキル置換基の1の水素原子および1の臭素原子を有するα−ブロモアルキル芳香族炭化水素(もしくは、その混合物)、または(iii)(i)および(ii)の混合物である。また、いくらかのα−、β−ジブロモアルキル芳香族炭化水素が存在してもよい。(i)の洗浄媒体は、洗浄操作の開始で使用される場合は、存在する非ブロム化アルキル芳香族炭化水素からなる。ブロム化が進行するにつれて、スクラバーは(ii)のα−ブロモアルキル芳香族炭化水素が次第に豊富になる。したがって、ブロム化を容易にするために(iii)の混合物中、1つの一定量の非ブロム化アルキル芳香族炭化水素を維持することが望ましい。それでも、(ii)のスクラバーは出発原料として使用可能であるが、この場合はガス洗浄単位へのスクラバー液体のより頻繁な添加が必要となる。ブロム化が可能なアルキレン架橋芳香族スクラバーは、(iv)2以上の芳香環からなるオリゴマーであって、その各々の芳香族基(例えば、C64)は、nが1〜約4の範囲、好ましくは2〜約4の範囲、より好ましくは2であるアルキレン(−CH2−)n基に単一に結合されており、従って、そのようなアルキレン基は、2の連続の芳香族基間に架橋:Ar(−CH2−)nAr[(−CH2−)nAr]p(nはこの段落で定義される。オリゴマーが充填カラム内の充填部内の温度で流動可能な液体である場合は、pは0〜約6である)を形成する。
【0011】
この発明の第1の基本的実施態様の実行に用いられる、さらに1種類のブロム化が可能なアルキル芳香族媒体がある。この種のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーは、スチレン二量体、スチレン三量体、スチレン四量体、スチレン五量体、スチレン六量体、または骨格鎖に結合したフェニル基の一部もしくは全部が1以上のアルキル基によって任意に置換される場合がある充填カラムの充填部内の温度で、液体、好ましくは流動可能な液体の進行的により高分子量となるスチレンオリゴマーである。この種のブロム化が可能なアルキル芳香族洗浄媒体は、ここでは時々、特許請求の範囲を含めて「スチレン系のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバー」と言及される。この段落で記述される、この種のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーは、スクラバーとして使用する際に、HBr/Br2ガス流から洗い出された遊離臭素不純物と反応し、その結果、これらの組成物の骨格鎖の臭素置換基が次第に豊富になるため、骨格鎖の一部が臭素化された対応組成物との混合物であり得る。
【0012】
直前の段落で記述されたスチレン系のブロム化が可能アルキル芳香族は、(A)α−炭素原子は共に一列にあり、(B)個々のアルキル基のα−炭素原子にあるのではない事実にもかかわらず、この種のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーは本発明では考慮される。したがって、これらの型(A)および型(B)および/または、これらの対応する部分的に臭素化された誘導体の混合物は、必要に応じてスクラバーとして用いられることができる。
【0013】
ブロム化が可能なアルキル芳香族は、異なる個々の種が、すべてブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーのカテゴリー内にある限り1種だけ、または複数の異なる種が包含され得る。例示すると、ブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーは、例えば、一定量の単一液体アルキル芳香族炭化水素、例えば、エチルベンゼンもしくはn−ブチルベンゼンなど、または(ii)少なくともアルキル基の実質的な部分のα−炭素上でブロム化が可能な異なるアルキル芳香族炭化水素の液体混合物、例えば、C1〜C8_アルキルベンゼンの液体混合物であることができる。同様に、対応するα−ブロモアルキル芳香族誘導体はブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーの一部として存在することがあり得る。
【0014】
上述した本発明の第1基本的実施態様は、大量の連続的に産生された臭素汚染されたガス状無水HBrを経済的ベースで精製できるように、好ましくは、連続または半連続ベースで実行される。この実施態様は、最初のHBrおよび臭素気体混合物中に存在する場合がある飛沫同伴および/または蒸気の有機不純物を取り除くため、典型的に活性炭または
木炭からなる少なくとも1つのカーボンベッドを備える。そのようなカーボンベッドは典型的に充填カラムの下流に配置される。
【0015】
第2基本的実施態様
本発明の好ましい方法およびシステムは、少なくとも2つの異なる化学的タイプのスクラバー液体と臭素の極めて選択的な反応による臭素除去のための複数(すなわち、少なくとも二重)のスクラバーシステムを利用する。
【0016】
したがって、本発明の第2基本的実施態様は、ガス状の混合物を、ガス状混合物から臭素の相当量(すなわち、80%を超える、典型的に臭素の約80.0〜99.5%)を取り除く初生スクラバー組成物と接触して通過させ、得られる部分的脱ブロム化ガス状混合物をガス状HBrがGCの決定で約98%以上、好ましく約99%以上を有する精製ガスを得るようにガス状HBrから付加臭素を取り除く第2スクラバー組成物と接触して通過させることを備える、臭化水素および臭素を含むガス状混合物から臭素を除去する方法を提供する。;
A) 前記初生スクラバー組成物は、
(1) 1,2−ジフェニルエタン(DPE)およびそのオリゴマー形態(例えば
、1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび1,4’−ビス(フェネチル)
ビベンジル)で、その混合物は最高約30重量%のDPEを含むがこれに限られ
ないアルキル化芳香族炭化水素の混合物、
(2) (1)のブロム化が可能な部分的ブロム化混合物、
(3) (1)と(2)の混合物を、含む;
B) 前記第2スクラバー組成物は、
(4) 塩化アルミニウムおよび/または臭化アルミニウムブロム化触媒、
(5) (i)窒素下、70℃で熱的に安定である、
(ii)少なくとも最高120℃までHBrの存在下で化学的および熱的
に安定(例えば、1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジフェノキシベン
ゼン、ビスフェノールAおよびジフェニルエーテルまたはこれらの材料の
任意の2以上の混合物)である、1以上の活性芳香族化合物、
(6) (6)の構成要素の任意の1以上の部分的に臭素化された誘導体を、含む
;および、
C) 前記初生スクラバーおよび第2スクラバー組成物は、洗浄操作の間にそれぞれのス
クラバー組成物を流動可能な液態に維持する温度に保たれる。
【0017】
任意の添加ブロム化触媒を使用せずに初生スクラバーの操作を実行することが好ましい。添加触媒の不在下で初生スクラバーの操作を実行することはコスト、メンテナンス、初生スクラバー反応域への輸送の回避、第2洗浄組成物で使用する触媒量(および使用する場合は、いくらかの追加の洗浄組成物)に依存する点で有利である。
【0018】
酸化ジフェニルおよびその部分的臭素化誘導体は、以前にHBrからの臭素除去に洗浄液体として使用されたが、そのような材料は本発明の方法に従って第2スクラバーとして使用されるとより有用である。したがって、ジフェニルエーテルがそのような使用のために十分な量で利用できる限り、本発明の実行において、第2スクラバーとしてジフェニルエーテルを用いることができる。これまでに予測される進行的な入手制限から、ジフェニルエーテルの使用が経済的に魅力である限り、少量の残りのジフェニルエーテルと、ここで称する他の第2スクラバー組成物を混ぜ合わせることが必要、または望ましくなるかもしれない。
【0019】
米国特許第7408088号で、部分的臭素化酸化ジフェニルを形成するために、HBrおよびBr2のガス状混合物が酸化ジフェニルに供給され、そして、酸化ジフェニルの
1モルにつき2モル未満の臭素を用いる場合に、この反応が無触媒で容易に進行することが報告されている。これらの所見にもかかわらず、粗酸化ジフェニルの単独(すなわち、無触媒)での第2スクラバー組成物としての使用が、充填カラムが備えられているガス洗浄装置で循環が行われる反応混合物中に過剰量の未反応臭素をもたらすことを、短い平均滞留時間または接触時間(約2秒)による商業運転シミュレーション試験を行った現在の発明の最近の試験結果が示した。したがって、第2スクラバー組成物において触媒(特に塩化アルミニウムおよび/または臭化アルミニウム)の使用は必要であると考えられる。
【0020】
本発明の第2基本的実施態様のもう一つの特徴は、発明の臭素除去操作が実行されている大部分の時間、初生および第2スクラバー組成物を備えているそれぞれの容器に新鮮なスクラバー組成物の連続的または周期的な流れを用いることを含む。
【0021】
本発明の第2基本的実施態様を実行する好ましい方法において、それぞれのスクラバー組成物とHBrおよび臭素のガス状混合物の入り流を向流として接触することが含まれる。特に、上述した方法において、HBrおよび臭素からなる最初のガス状混合物および初生スクラバー組成物は、第1反応器(例えば、充填カラム)を通して向流接触され、第1反応器から来る、結果として生じる部分的脱ブロム化気体混合物および第2スクラバーは、第2反応器(例えば、もう一つの充填カラム)を通して向流接触される。この点について、初生ガス洗浄組成物および第2ガス洗浄組成物を含む二重ガス洗浄操作の使用がここで記述されているが、追加的スクラバー組成物を含む追加的ガス洗浄容器は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で必要に応じて本発明の実施に含まれることを理解すべきである。
【0022】
本発明の第2基本的実施態様の方法およびシステムに、少なくとも1のカーボン層、典型的に活性炭または木炭を備えた容器が含まれてもよく、それでガス状の無水HBrおよび臭素の流れは、このガス流に存在または懸濁している可能性がある有機不純物が浄化される。カーボンベッドがシステムのはるか先に配置されるならば、カーボンベッドはより少ない液量に曝されるため、通常そのようなカーボン層は第2のガス洗浄容器の後に置かれる。
【0023】
この発明のさらに別の特徴は、(1)ガス流速および(2)ガス:液体/循環流速の比率は、本発明の方法およびシステムに供給されるHBr/臭素ガス状混合物から高次の臭素除去を達成するのに重要な役割を演ずることの発見である。例えば、液体スクラバーとして、1,2−ジフェニルエタンおよびそのオリゴマー、例えば、1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジルを含むアルキル化芳香族を使用する実験室規模での実験は、約300〜約900mL/分の範囲、好ましくは約300〜約400mL/分の範囲で入って来る臭素汚染されたガス状無水HBr流速の使用が、かなりより高いガス流速で実行される操作と比較して、臭素除去の非常に高いレベルの達成を可能にすることを示した。そのような比較的低いガス流速の使用は、適切に長い平均滞留時間が遊離基ブロム化を適切に高い温度で起こすことができる点で有利であると考えられている。例えば、約80〜約101℃の範囲の温度で、およそ9〜10秒の平均滞留時間を与えている18インチの充填カラムへの50mL/分の供給速度は、これらの材料および条件を用いている臭素の95%の除去の達成をもたらした。これらの研究所結果および条件が大規模な工業規模操作へのスケールアップに役立つと考えられている。ガスフローは、図1のカラム10への供給ライン17で導入される、臭素汚染された無水キャリヤーガスまたはHBrの入流を指し、その流速は、図1の供給ライン17から充填物12内の上昇流に接触する前のmL/分を指す。図1のライン15の液体循環流は外部的に調整した液体流速で臑動ポンプ16によって移される。ここで称されるガス:液の流速比は初生スクラバーについて、液流速で割ったガス流速の比である。このガス:液の流速比は、約8:1〜約18:1にわたり、好ましくは低比の約8:1であった。
【0024】
本発明の上記および他の実施態様、特徴、ならびに長所は後続の記述、添付の特許請求の範囲および添付図面からさらに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、第1基本的実施態様または第2基本的実施態様を含む本発明の方法を実行する望ましい方法を例示する概略方法フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前述の記述から、本発明に基づくガス状の無水HBrからのガス状臭素の分離は、1種類のスクラバー組成物(第1基本的実施態様)、または少なくとも2種類のスクラバー組成物(第2基本的実施態様)の選択的ブロム化を含む。選択的ブロム化は、おそらく小さな付帯的な損失、副反応などを除いて大部分が不変のままであるHBrから臭素を除去する。これらの2つの型のシステムおよび操作の方法は、ここで別々に考察される。
【0027】
(ブロム化可能アルキル芳香族スクラバーシステムおよび操作の方法)
上記したように、この発明の第1基本的実施態様は、充填部を遊離基ブロム化状態に維持しながら、カラムの充填部内に、少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素と臭素汚染されたガス状の無水HBrを向流接触で供給し、1以上のα−ブロモアルキル化合物が1モルのガス状のHBrとともに生産されることを備える、元素の臭素で汚染されたガス状の無水HBrの精製方法である。典型的に、反応は、反応域温度が約80℃未満で、カラム内の平均接触時間は約12秒未満であるように加熱されたカラム内で起こる。しかし、本発明の若干の実施態様において、反応域温度は約80〜約105℃の範囲で、他では好ましくは約85〜約101℃の範囲である。この方法を行う際に、(i)少なくとも98%の遊離臭素が除去されるガス状のHBr、および(ii)1以上の液体α−ブロモアルキル芳香族炭化水素を別々に回収することが望ましい。この分離は、回収された(i)のガス状のHBrの少なくとも一部を、少なくとも1つが芳香族エーテルおよびルイス酸ブロム化触媒を含む1以上の後続の液相と接触させて供給し、残留する少量の臭素を取り除くことを可能にする。そのような接触は、典型的には、反応域温度が約80℃を超えて(例えば、約80〜約101℃)、カラム内の反応時間が約12秒未満であるような加熱されたカラム内で実行される。大量に連続産生される臭素汚染されたガス状の無水HBrが経済的ベースで精製されることを可能にするため、この段落で記載される方法は、好ましくは連続または半連続ベースで実行される。
【0028】
本発明のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバー実施態様を用いる場合、異なる個々の全てが、ブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーのカテゴリーの範囲内にある限り、本発明のスクラバーは1つの種だけ、または複数の異なる種を含むことができることを理解すべきである。ブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーを例示することは、一定量の単一液体アルキル芳香族炭化水素、例えば、エチルベンゼンもしくはn−ブチルベンゼンその他、または(ii)アルキル基(例えば、C1〜C8アルキルベンゼン)の少なくとも実質的部分のα−炭素原子上でブロム化が可能な異なるアルキル芳香族炭化水素の液体混合物であることができる。同様に、対応するα−ブロモアルキル芳香族誘導体は、ブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーの一部として存在することができる。また、ブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバー実施態様を用いる場合、向流を利用することができる1以上のガス洗浄単位、例えば、少なくともカラムトップ位置またはその付近、およびボトム位置またはその付近に入って来る供給ライン、加えて適切な関連ポンピング手段を備えた充填カラムがあることができる。1以上のガス洗浄単位が用いられるときに必要なのは、同一形式スクラバー組成の別々の部分(すなわち、アルキル置換基のα−炭素原子上でブロム化が可能なアルキル芳香族炭化水素を含んでいる液組成)だけである。しかし、これらの同一形式のスクラバー組成は互いと異なることができる。例えば、1つのスクラバー単位はオクチルベンゼンおよび任意にいくつかのα−ブロモオクチルベンゼ
ンを含んでもよく、もう一つのスクラバー単位はC6〜C10モノアルキルベンゼンおよび任意にいくつかのα−ブロモC6〜C10モノアルキルベンゼンの液体混合物を含んでもよく、これらの2つの組成物は、芳香族環のアルキル置換基のα−炭素原子の少なくとも一部分においてブロム化が可能な液体アルキル芳香族炭化水素を含んでいるカテゴリーに入っている。好ましくは、そのような個体または化合物の混合物のアルキル置換基は実質的な部分を含む(アルキル基が各々2以上の炭素原子を含む、少なくとも15重量%の液体アルキル芳香族炭化水素)。
【0029】
本発明の実行において利用される条件下の芳香環アルキル置換基のα−炭素原子でブロム化が可能なアルキル芳香族炭化水素の2、3の追加の非限定的な例は、n−ペンチルベンゼン、α−メチルナフタレン、キシレン、1−エチル−3−イソプロピルベンゼン、4−メチルビフェニル、液体スチレンオリゴマーおよび液体p−メチルスチレンオリゴマーが挙げられる。前述の2以上の液体混合物が使用されることができる。液体スチレン系のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーが、特に有効であることが分かった(例えば、以下実施例7に記載)。本発明のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバー実施態様を実行する場合、ブロム化が可能なアルキル芳香族炭化水素は充填カラムで利用されている温度で少なくとも凝集の液態でなければならないことに留意されたい。したがって、たとえブロム化が可能なアルキル芳香族炭化水素が室温で固体であっても、それらが充填カラムの中で支配する温度で液態(好ましく流動可能な液態)であればスクラバーとして使用されてもよい。
【0030】
(複合スクラバー型システムおよび操作方法)
本発明の第2基本的実施態様に従って用いられる二重スクラバー型システムなどの複合スクラバー型システムは、当然別々のスクラバー単位で少なくとも2つの異なる型のスクラバー組成物を利用する。単純さの見地から、ここで記述される2つの異なる型の液体ガス水洗組成物を使用する二重化システムは経済的に望ましい。しかし、必要に応じて、ここで記述されるような2以上の異なる型の液体ガス水洗スクラバー組成物を使用する2以上のスクラバー単位があり得る。
【0031】
単一スクラバーおよび複合スクラバー型システム、ならびに上述の操作方法は、最初のガス状の無水のHBr/Br2流中に存在する場合がある不安定な有機不純物を取り除くために、活性炭またはその種の他のものを含む単位を備えることもできる。
【0032】
したがって、本発明において使用される2つの異なるスクラバー組成物(または、必要に応じてより多くのスクラバー組成物)はブロム化が可能な材料である。すなわち、非ブロム化、部分的にブロム化、またはこれらの組合せにかかわらず、ここで特定される条件の下でさらに臭素化されることができる。必要なのは、ガス水洗液として存在する第1または第2の芳香族ガス水洗液の少なくとも相当量(例えば、10〜30%)が、ブロム化が可能であることだけである。好ましくは、初生および第2スクラバー組成物は、それぞれのスクラバー組成物の分子上で平均数が2個の置換された臭素原子を超えてブロム化されない。(すなわち、それらは約2より大きくない臭素数を持つ)。
【0033】
上記A)に記載された初生スクラバー組成物は、
(1) 約5〜約30重量%の1,2−ジフェニルエタンを含む混合物、ならびに約80〜約95重量%の範囲で1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジルを含む混合物、または、
(2) (1)の部分的に臭素化された組成物、および
(3) (1)と(2)の混合物からなる。
【0034】
(1)の混合物の好ましい源は高純度1,2−ジフェニルエタン(DPE)が生産され
る工場操作に由来する。そのような操作は、典型的に、少量のベンゼンおよび他の不純物(「粗DPE」と一般に呼ばれ、「DPE/重質分」または「DPE/h」と一般に呼ばれる生成物カラムボトムの供給物)を含む粗1,2−ジフェニルエタン流を利用できる。そのようなカラムボトムのGC−MS分析から、これらのボトムは、明らかに形成された3環および4環生成物のほぼ等量の混合物からなることが分かった。以下の式は、DPE、ならびにDPE/hの3環および4環生成物の形成に関与する理想反応を表す。
【化1】
【0035】
反応の最初の生成物、DPEは、使用したベンゼン過剰量に従って約75〜78%に収率が制限されるようなベンゼンより著しく反応性が高い。したがって、「粗DPE」は、いくらかの未反応ベンゼンと同様に少量の他の反応生成物の不純物を含む。以下の式は、DPEの3環および4環の高度オリゴマーが明らかに生産される反応を表す。
【化2】
【0036】
一部の1,4−ビス(フェネチル)ベンゼン(3環生成物、下記に示されていない)が明らかにベンゼンと反応し、以下の通りに4環生成物を形成する:
【化3】
【0037】
いくらかの1,4−ビス(フェネチル)ベンゼンは1,2−ジクロロエタンとのフリーデル−クラフツ反応を経て、以下の通りに追加の1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジルも形成する。:
【化4】
【0038】
より高いオリゴマーの発生は著しく低い。理論上は、特にAlCl3の負荷が高いと反応は可逆的だが、上で示されるようにHClガスの除去が平衡を右へ移す。不純物の他の源は、純粋でないベンゼンの使用から、DPEの精製から、および酸化DPEなどの他の発生源から生じることができる。上記の3環および4環構成要素ならびに最大10重量%のDPEを含むこれらの化合物は、下記の例の「C44ボトム」と言われる混合物を含む。
【0039】
この発明の実行において用いられるスクラバー反応器は同じか、互いに異なることができる。また、各種のスクラバー容器は、いくつかの因子に従って用いられることができる。そのような因子は、とりわけ、処理されるガス状の無水HBrおよび臭素の体積および生産速度、そのような気体混合物が処理される速度、方法で利用される前提ですでに利用可能な方法装置の型、施設の建設および操作の総原価、必要または所望される操作の効率などが挙げられる。
【0040】
反応器の中で、必要な場合に工場施設で使用するために選ばれることができるのは、例えば、(i)制御可能なガス入口および出口ライン、制御可能な加熱装置、およびポンプなどの多様な他の必要な補助機械を適切に備えた撹拌付きポット反応器、(ii)温度制御される油溜、ガス入口と出口ラインおよびガス循環ライン、もし必要とするか希望するなら制御可能な加熱装置を適切に備えた充填カラム、好ましくはジャケット付きまたは断熱材付き充填カラムが含まれる。記述される条件を達成するためにいろいろな方法がある。例えば、単にジャケット付き容器だけ、例えば、従来の反応フラスコ、またはガスが液の塊中に導入されるジャケット付きガス吸収器ボトルが使用される。代わりに、ジャケット付きカラムまたはスチーム加熱もしくは電熱式管状炉内の充填カラムが類似の熱プロファイルを達成してもよい。後者の例では、好ましい使用材料はほぼ確実に石英である。0.032立方フィート毎分の速度で第1充填カラムに供給されるHBrと臭素の連続的に生産される大量のガス状混合物の短い接触または平均的滞留時間(例えば、10秒以下)のためには、通常2以上の充填カラムの使用が好ましい。
【0041】
一般的に言って、初生ガス洗浄操作の温度は約85〜約101℃の範囲である。第2ガス洗浄操作は典型的に約48〜約60℃の範囲の温度で実行される。しかし、必要であるか望ましいと考えられるときはいつでも、これらの範囲の両方またはいずれかからの出発が許容される。ガス洗浄組成物の加熱を生じるために、良い温度調節系を備えた電気ヒーターの使用、熱い伝熱流体の流れを具備するジャケット付き配管または容器の使用、蒸気トレーサーの使用、または他の適当な方法を含めて、いろいろな方法が用いられることができる。
【0042】
この発明の方法は、回分、半回分または連続モードの操作で実行されることができる。連続操作は、特にガス状の無水HBrおよび臭素の連続的供給が利用できる工場操作において好まれる。連続モードで操作する場合、初生および第2スクラバー組成物を連続的または周期的に補給することが重要であり、例えば、新鮮スクラバー組成物の制御された連
続的または周期的な供給、ならびに使用されたスクラバー組成物の連続的または周期的な除去を伴う各々のスクラバー組成物の循環在庫を供給する。
【0043】
工場操作が回分、半回分、連続ベースで実行されるかどうかにかかわりなく、操作のスタートアップ時の第1スクラバー反応器への初生スクラバー組成物の最初の供給は、DPE単量体およびそのオリゴマー(例えば1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジル)が含まれるがこれに限定されるものではないアルキル化芳香族を含む、新鮮な非ブロム化混合物であり得る。組成物の範囲は、最高30%DPE単量体、または本発明の先のガス洗浄操作で以前に形成されたブロム化が可能な部分的に臭素化された基質組成物、あるいは新鮮な非ブロム化混合物およびブロム化が可能な部分的に臭素化された組成物を含むことができる。見出し「BRIEF−NON−LIMITING SUMMARY OF THE INVENTION」の下の部分で先に現れる副段落A)要素(1)、(2)、(3)で与えられる記述も参照されたし。先にも記載されるように、ブロム化触媒は、そのような初生スクラバー組成物と共に使用されないことが好ましいが、必要に応じて、塩化アルミニウムおよび/または臭化アルミニウムがそのような初生スクラバー組成物と共に触媒として使用されてもよい。
【0044】
本発明の方法を実行する好ましい方法を例示する概略方法フローチャートは図1に表される。その中で示されるように、このシステムは、少なくとも2つの異なるスクラバー組成物が2つの別々であるが動作的に関係のあるガス洗浄単位で利用される第2基本的実施態様に従って、好ましい実施態様を表す。したがって、表されているシステムは充填物12のベッドを含むカラム10の形で描かれている第1反応器(第1ガス洗浄単位)、および充填物22のベッドを含むカラム20の形で描かれている第2反応器(第2ガス洗浄単位)からなる。充填カラム10および20は、それぞれ循環ライン(時々、ポンプアラウンドループと呼ばれる)15および25を備えている。ポンプ16はライン15の液体内容物を上方へ推進し、カラム10の上の遊離スペース部分13へ動かすか、代わりに直接(図示なし)充填物12の上部に動かす。同様に、ポンプ26はライン25の内容物を上方へ推進し、カラム20の上の遊離スペース部分23に新鮮および使用したスクラバー組成物の両方を導入する供給ライン24に動かすか、代わりに直接(図示なし)充填物22の上部に動かす。供給ライン14は、新鮮な新生スクラバー組成物をカラム10の上の遊離スペース部分13に供給するか、代わりに直接(図示なし)充填物12の上部に供給する。供給ライン17は、ガス状の無水HBrおよび臭素の流れをカラム10の底部空間部分11に供給するか、代わりに直接(図示なし)充填部分12の底部に供給する。ライン18は、カラム20の下部に、カラム10の上部からの部分的に脱ブロム化されたガス状のHBrを輸送する。このガス状の流れは、ライン18に挿入される追加のブロワー(図示せず)で推進されることができる。ライン19は、カラム10の下部11から使用したスクラバー組成物を受け取って、カラム10を通るリサイクルの循環ライン15を通して上方へその液体流を輸送するか、あるいは、本発明の分離システム(図示せず)で処理されるHBrおよび臭素のガス状流から除去される臭素価値物を回収する単位へライン42経由で排出する前に触媒残留物が適切に失活されるクエンチング容器40へ、排出ライン45を経由して輸送する。これによって、これらの構成要素の最初の気体混合物からHBrおよび遊離臭素の分離および別々の回収が可能になる。ライン44は、必要に応じてクエンチング容器40の中に適当な液相触媒を失活する組成物を提供する。ライン29はカラム20の下部21から使用されたスクラバー組成物を受け取って、上方へ、カラム20を通しての循環のための循環ライン25を通して、または、前述の通り、触媒残留物の失活のためのクエンチング容器40へのクエンチライン45を通して、この液流を輸送する。ライン28はカラム20の上部23から精製されたガス状のHBrを受け取って、精製されたガス状のHBr流に存在する場合がある、ガス状または飛沫同伴した有機不純物の除去のために、精製容器30を通してそれを輸送する。保管または他の工場施設で使用するために、カラム20からの精製されたガス状HBr流を精製容器30に通し易くするた
めポンプ(図示せず)がライン28に挿入されてもよい。
【0045】
上記から見られるように、カラム10および12の上部への流れ、ならびに、カラム10および12のボトム部分への流れは向流である。初生スクラバー組成物の新鮮供給は、単独または初生スクラバー組成物の循環供給と共にカラム10の上の遊離スペース13、または直接カラム10の充填物12の上部に供給され得ることが分かる。同様に、第2スクラバー組成物の新鮮供給は、単独または第2スクラバー組成物の循環供給と共にカラム20の上の遊離スペース23に、または直接カラム20の充填物22の上部に供給されることができる。それらのそれぞれのカラムへのそれぞれの供給の補給の選択は、1,2−ジフェニルエタン単量体ベースで計算される1.16未満の芳香族対臭素のモル比を維持するように供給の相対量の相関によって好ましくは制御される。提案された第2スクラバーシステムでは、スクラバー液の密度が臭素:芳香族モル比に関しての指針の提供に役立つことが分かっている。
【0046】
上で記述され、表されているシステムにおいて、組成物がライン14および24を介してカラム10および20に供給されるガス洗浄組成物は、それぞれ2つの異なる型であり、一つは、臭素で汚染されたHBrの最初のガス状混合物から臭素の相当量(すなわち、90%を超える)を取り除く初生スクラバー組成物であることが注記される。カラム20で用いられる他のタイプのスクラバーは、ここで記述されるように、第2スクラバーに入るガス状の流れから残留する臭素を除去する第2スクラバー組成物である。カラム20のスクラバー組成物はカラム10で使用されるものとは異なる型であり、異なる組成をもつ。
【0047】
図1は、1つの型だけの液体ガス洗浄組成物が使用される本発明の基本的実施態様(すなわち、本発明のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバー実施態様に従って)を表すこともできる。これを達成する1つの方法は、単にライン18をライン28および精製容器30と取り替えて、図1から20〜29の範囲で数字によって表される装置の全てを除くことである。このシステムで1つの型の液体ガス洗浄組成だけを利用するもう一つの方法は、図1の中で表されているシステムを使用すること、および、ここで記述される1つの型のスクラバー組成だけが使用される実施態様で、本発明に従って使用される同一形式の液体スクラバーの別々の部分を、単に供給ライン14および24を経由して供給することである。
【0048】
以下の実施例で、実験室規模装置を使用して、工業規模で実行される場合に本発明の方法およびシステムの可能性および効果が確立された。方法は、ガス洗浄材料として現在使用されている酸化ジフェニルの限られた供給の背景においてHBrの精製を考慮に入れる。本発明のスクラバー方法およびシステムは、臭素との接触に起因する腐食から無水HBr圧縮機システムを含む重要装置を保護する。
【0049】
実施例1〜5で使用される実験室規模装置は、本発明の工業規模スクラバーシステムで起こる、予測されるガス−液体接触をモデル化するよう初生HBrスクラバーまたは第2HBrスクラバーを個々にシミュレーションするために構成された。実験室規模装置には、1/4インチセラミックサドルを充填したジャケット付き1インチ/12インチのカラム、活発な接触を提供する11インチのカラムが含まれた。初生スクラバー中のガス−液体接触混合物の温度が約90〜約95℃の範囲に保たれるためにカラムのトップへの油溜からの循環ラインは生蒸気でトレースされた。気相送達点が充填物のボトムから1インチで一定となることを保証するためにポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)管が挿入された。温度指示計を油溜に設置し、浴を使用してカラムジャケットを制御した。反応器/油溜(500mLの三つ口丸底フラスコ)の電気加熱は、Variac(登録商標)に結合する0.5Lの加熱マントルの使用により提供された。実施例6および7では、カ
ラムが類似した充填材料および補助機械を備える18インチのカラムであったこと以外は、類似した精製システムが使用された。
【0050】
実施例1は、対照実験(装置のチェックとして)として、および、この文脈における第2スクラバー効果の例として用いられる。
【実施例】
【0051】
(実施例1)
対照実験(DPO) 上述の一部器具の500mLの三つ口丸底フラスコに酸化ジフェニル(63.72g、0.374モル)を1.02gのAlCl3触媒と共に添加された。これらは46℃に予熱され、蒸気ジャケット付き1/8インチPTFE管を通して充填カラム層の中へ、臑動ポンプを介して30mL/分で、プレ循環された。臭素(90.20g、0.564モル)が総ガスフロー900mL/分でN2蒸気フィード中に添加された(流速は、既設プラントスクラバーカラムに厳密に合致するように選択された)。水性スクラバーの淡黄色の色合いは実験の進行にわたって注目され、4時間後の最終色は黄色−金色であった。水性のスクラバー(269.25g)は臭素の滴定分析がされ、次いで、サンプルは0.2mL 65%ヒドラジンで中和され、そのHBrが臭素含量の補正後にAgNO3滴定によって決定された。サンプルは15.93重量%(42.89g)のHBrおよび0.31gの臭素を有した。これはスクラバーのHBr含量が理論の93.94%、臭素破過がわずか0.31g(供給の3437ppm)であることを示した。供給される臭素に基づいて、Br1.51DPOが生産された。
【0052】
実施例2〜5は、この発明に従って用いられるいくつかの重要な特徴を図示する。
【0053】
(実施例2)
基質が、DPE重質分を含む混合物(粗DPE)である場合を除き実施例1の手順が使用された。したがって、67.22gの臭素(Br2:DPEのモル比1.3:1.0)が、8.47%の粗DPEと1.92gのAlCl3触媒を含む63.02gのDPE/hの予熱およびプレ循環された混合物中に供給された。77℃のジャケット温度(反応器温度58〜60℃)で出発原料は液体であった。そして、ブロム化が進行するにつれて粘度の増加が見られた。供給の3時間後、おそらく反応器の温度の低下によって接触が制限されるように反応器とポンプ間の流れが抑制された。分析の後、スクラバー(289.41g)は2.81g(供給の4.18%)の増加臭素を含み、28.39g(理論の83.42%)のHBrを含有した。
【0054】
(実施例3)
実施例1の手順を使用して、75%重質分の混合物が72℃のジャケット温度で基質として使用された。臭素(67.19g、0.42モル)は、0.83gのFeCl3と12.96gの粗DPEを含む、42.64gのDPE/hの予熱およびプレ循環された混合物に供給された。ジャケット温度は72℃、反応器油溜の温度は通常75〜90℃であった。スクラバー色は無色で始まり、15分で黄色になり、次いで、金色になり、結局1.5時間後にオレンジ色、約4時間後にオレンジ−赤色になった。スクラバーは重量が330.28gで、上述(実施例1)と同様に分析された。スクラバーは、27.78gのHBr(理論の81.67%)と2.56gの増加臭素(供給の3.82%)を含有した。有機生成物は単離され、GC分析されて、DPE 14.66%、Br1DPE 65.45%、Br2DPE 19.89%を示した。平均臭素価は1.08であった。TGA(10℃/分、N2気圧)は121.1℃で1重量%ロス、157.4℃で5重量%ロス、178.6℃で10重量%ロスを示した。DSC(N2気圧)は178℃でわずかな転移を示した。
【0055】
実施例4および5は、無添加触媒下で本発明に従って使用された初生スクラバー組成物の遊離基ブロム化能を実証する。
【0056】
(実施例4)
(無添加触媒)
実施例1(ガス入力のPTFE1/8インチ供給ラインの使用を除く)の手順を用いて、重質分中20.87%DPEの混合物が90℃のジャケット温度で基質として使用された。臭素(70.57g、0.44モル)は、無添加触媒の17.08gの粗DPEを含む66.81gのDPE/hの予熱およびプレ循環された混合物に供給された。その液体は循環速度が50mL/分で、生蒸気(4psig)によってジャケット加熱された。ガス入口速度は900mL/分であった。ジャケット温度は90℃であった。反応器油溜温度は通常87.7〜92.0℃の範囲であった。スクラバー色は無色で始まり、15分で黄色になり、次いで、黄色−金色、結局2時間後にオレンジ色になった。スクラバーは実施例1に記載の通りに分析された。スクラバーは、33.60gのHBr(理論の94.04%)および97.66%の臭素ガス洗浄効率に対し1.65gの増加臭素(供給の2.34重量%)を含有した。
【0057】
(実施例5)
(無添加触媒と反応時間の延長効果)
実施例4の手順を用いて、重質分中18.82%DPEの混合物が90℃のジャケット温度で基質として使用された。臭素(74.93g、0.47モル)は、無添加触媒の16.72gの粗DPEを含む71.05gのDPE/hの予熱およびプレ循環された混合物に供給された。その液体は循環速度が30mL/分で、生蒸気(4psig)によってジャケット加熱された。ガス入口速度は400mL/分であった。ジャケット温度は90℃であった。反応器油溜温度は通常86.0〜92.2℃で変動し、完結と同時に約106℃に上昇した。スクラバー色は無色で始まり、4時間後に黄色、8時間後に金色になり、オレンジ色に到達しなかった。スクラバーは実施例1に記載の通りに分析された。スクラバーは、35.67gのHBr(理論の94.04%)および臭素ガス水洗効率99.67%に対して0.246g(供給の0.33重量%)の増加臭素を含有した。
【0058】
実施例6は、本発明の特に好まれる単一スクラバーである、1,2−ジフェニルエタンおよびそのオリゴマー(例えば、無ブロム化触媒、1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼン、1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジル)を含有する工場ボトムだけを使用し、極めて高い臭素除去率を達成するために高温および比較的低流速が使用される、本発明の好ましい実施態様を例示する。言い換えると、ブロム化は遊離基条件の下で実行された。
【0059】
(実施例6)
(無添加触媒および比較的低いガス入口速度での高温の使用)
1/8インチPTFEガス供給ラインを備えた18インチ充填カラムにおける実施例4の手順を用いて、重質分中8.76%DPEの63.48gのサンプルが97〜101℃のジャケット温度で基質として使用された。臭素(64.80g、0.405モル)は、予熱およびプレ循環された63.48gの重質部混合物(8.76%DPE、GCエリアパーセント)に無添加触媒で供給された。その液体は循環速度が50mL/分で、生蒸気(3psig)によってジャケット加熱された。ガス入口速度は400mL/分であった。ジャケット温度は97〜100℃であった。反応器油溜温度は通常96〜107℃で、完結と同時に約107℃に上昇した。スクラバー色は無色で始まり、2時間後に黄色、5時間後に金色になり、オレンジ色に到達しなかった。スクラバーは実施例1に記載の通りに分析された。スクラバーは30.06gのHBr(理論の91.62%)および臭素ガス水洗効率99.61%に対して0.25g(供給の0.39重量%)の増加臭素を含んだ。
【0060】
(実施例7)
注釈される場合を除き実施例6の手順が反復された。スチレン系オリゴマー(平均環数=2.1)の混合物が92〜94℃のジャケット温度でスクラバーとして使用された。臭素(69.52g、0.435モル)が、予熱およびプレ循環された65.36gのスチレンオリゴマーに無触媒で供給された。その液体の循環速度は50mL/分で、実施例6と違って循環ラインは生蒸気でジャケット加熱されなかった。ガス入口速度は400mL/分であった。反応器油溜温度は通常63〜68℃で変動した。スクラバー色は無色で始まり、3時間後に黄色になったが、全供給時間の6時間後にオレンジ色に到達しなかった。HBr吸収液は実施例1に記載のように分析された。HBr吸収液は、34.66gのHBr(理論の98.49%)と臭素ガス水洗効率99.78%に対して0.15g(供給の0.22重量%)の増加した臭素を含んだ。有機生成物は金色の液体として単離された。
【0061】
続く特許請求の範囲で用いられるように、「接触時間」はガス状混合物および液体スクラバー組成物が高い表面積(例えば、上述のカラムでは0.14g充填物あたり少なくとも0.3平方インチの全表面積)をもつ表面で密な相互接触を容易化する充填層内部、または他の構造内部で相互に反応接触にある時間を意味する。
【0062】
(臭素を含む無水HBrの精製のための流動性改善)
酸化ジフェニル(DPO)が精製段階のガス洗浄媒体として首尾よく20年以上の間、使用されてきた。Br1.4DPOは、デカブロモジフェニルオキサイド(DBDPO)への変換の間の乾燥を保証する微量のAlCl3を含有する。最近の環境主導によって、DBDPOの商用生産はデカブロモジフェニルエタン(DBDPE)の生産と取り替えられている。DBDPEの生産プロセスは、原料としてジフェニルエタン(DPE)および時々DPE/hと呼ばれる重質留分液体製品の両方を利用可能とする。McKinnie(米国特許第7408088号)はFeCl3触媒と共にDPEを使用する類似のガス洗浄方法を調査し、鉄触媒除去の困難性および微量の不可避な側鎖ブロム化に注目した。
【0063】
著者らの最初の試験は、AlCl3を使用する環ブロム化の動特性はDPOと比較して非常に遅いことを示した。著者らは、DPEが臭素ガス洗浄能力に限界があり、主に動特性および粘度効果によって制限されることに気がついた。著者らが88〜92℃で起きた急速な側鎖ブロム化に気づいたときに突破口が開いた。これによって2、3秒以内( 加熱されたカラムスクラバーの使用を可能にする必要な時間尺度)で臭素とDPEとの等モル反応を可能にした。脱臭化水素速度および粘性のさらなる試験は、下記の結果の節に記載されているように有望と思われる。例えば、DPE/hが初生スクラバーで使用されて、DPOがポリッシングスクラバーとして使用される二重スクラバーが調査された。
【0064】
本発明における改善は、一つには、スクラバーとしてDPE/hを使用する効果的なガス洗浄操作のため、より広い、より強い温度範囲に流動化剤が必要であるという発見を含む。さらに、本発明のこの実施態様に従って、テトラヒドロナフタレン(THN)が、この目的のために効率的かつ極めて有効な流動化剤として適合することが今発見された。
【0065】
融解した1,2−ジフェニルエタンおよびそのオリゴマー(DPE/h)の遊離基ブロム化は、反応部位(側鎖上の第2ベンジル基)の生成によって起こる。ここでは、臭素との反応は、特に88℃で安易に起こり、ブロム化が2、3秒の反応時間の速度論制限内に起こるのが可能になる。これは、DPE単量体では1−ブロモ−1−2−ジフェニルエタンを生成し、そのオリゴマーでは類似の側鎖生産物を生成する。反応した臭素1モルにつき1モルのHBrが生成される。3環構成要素の側鎖反応の例が下に例示される:
【化5】
【0066】
設計では、初生カラムスクラバーは遊離基ブロム化を利用し88℃で十分に速い。この温度は、流体、反応性スクラバーで、わずか最高Br0.8DPE/hしか供給しない。例えばBr1.2DPE/hまでのようなより高いブロム化度は、流動性のためにより高い温度(92〜95℃)を必要とするより高い粘性有機相を与える。これらの状況の下で、初生スクラバーの迅速な回転および新鮮DPE/hの補給によって温度での時間を制限することが必須である。これがBr1.2DPE/hの設計供給の後に実行されない場合は、その後、有機物は過ブロム化(粘度効果)に起因し、または脱臭化水素に続く初期オレフィン分解から不動化(凍結)する可能性がある。
【0067】
DPE/h混合物の気相ブロム化に使用される装置
1/4インチセラミックサドルを充填したジャケット付き1インチ×18インチのカラム(16インチの活発接触)を組立て、予想されるガス−液体接触をモデル化するためHBrスクラバーをシミュレーションした。カラムのトップへの油溜からの循環ラインは生蒸気でトレースされた。気相送達ポイントが充填物の底部から2インチの位置で一定となることを保証するために1/8インチPTFE管が挿入された。温度指示計が油溜に設置され、その浴を使用してカラムジャケットを調節した。反応器/油溜(500mLの三つ口丸底フラスコ)の電気加熱はVariacに結合した0.5Lの加熱マントルの使用によって供給された。
【0068】
(実施例8)
(高いガスフロー、高温)
C41ボトムおよびC44ボトム(重質分)のサンプルは、12時間にわたって溶解するため62℃に予熱された。C41ボトム(17.41g)とC44ボトム(46.73g)が予熱された500mL丸底フラスコに添加する間に混合された。混合物と、反応器油溜と全トレースラインを含む装置は、Br1.0DPE/hの目標温度95℃まで引き上げられた。融解したDPE/hは、臭素蒸気を導入する前に12〜15分間カラムスクラバーを介して熱トレース化ラインを通して循環された。これは充填カラムをプレ湿潤化するためであった。臭素62.36g(0.39モル)は、液体DPE/hとの向流接触のために放出される、カラムボトムから約2インチまでカラム内部を通る1/8インチPTFEを通して900mL/分の非最適速度で窒素キャリヤーガスを介して蒸気として添加された。液体リサイクル速度は、1/8インチ循環ラインの3psig蒸気トレーサーを使って50mL/分だった。この実験の終点近くで反応混合物の流動性が減少していたことが注目された。
【表1】
【0069】
(実施例9)
(低ガスフロー、高温)
より低いガス流速の効果
以下に記載する以外は実施例8の手順が使用された。予熱されたC41ボトム(16.08g)は、予熱された500ml丸底フラスコへの添加の間にC44ボトム(49.24g)と統合された。カラム反応器は通常94〜96℃に保たれた。反応器油溜は85〜90℃に予熱されて、ゆっくり温められ、実験の大半で94〜96℃に保持された。融解したDPE/hは、臭素蒸気を導入する前に12〜15分間カラムスクラバーを介し熱トレース管を通して循環された。これは充填カラムをプレ湿潤化するためであった。臭素69.18g(0.432モル)は、400mL/分の窒素キャリヤーガスを介して蒸気として添加された。液リサイクル速度は1/8インチリサイクルラインの3psig蒸気トレーサーを使って50mL/分だった。著者らは蒸気トレースした1/8インチPTFEラインを通してポンピングによって54.87gを分離した。吸収されたHBrは30.51g(理論の87.12%)、吸収液中の臭素は0.04g(供給の0.06%)であ
った。この実験の終点近くで、反応混合物の流動性が減少していたことが注目された。
【表2】
【0070】
反応混合物流動性のさらなる改善は、実施例8および9の初期の実験の後に達成された。これらの好ましい改善は以下の実施例10〜18で例示される。
【0071】
(実施例10)
(低いガスフロー、より低い温度)
THN−C44ボトム混合物の遊離基ブロム化
予熱されたC44ボトム(47.57g、0.261モル)は、THN(11.86g、0.090モル)と予混合され、予熱された500mL丸底フラスコに加えられた。カラム反応器は通常88℃に保たれた。反応器油溜は64℃に予熱されて、ゆっくり温められ、実験の大半で63〜65℃に保持された。この有機物は臭素蒸気を導入する前12〜15分間、カラムスクラバーを介し、熱トレース管を通してプレ循環された。臭素70.67g(0.442モル)は、400mL/分の窒素キャリヤーガスを介して蒸気として添加された。臭素チャージは(1.2×モルDPE+1.5×モルTHN)の合計になるように選択された。有機液体循環速度は1/8インチラインの2psig蒸気トレーサーを使って50mL/分だった。著者らは、蒸気トレースした1/8インチPTFEラインを通してポンピングによって49.55gを分離した。吸収されたHBrは39.19g
(理論の109.53%)、吸収液中の臭素は0.38g(供給の0.54%)であった。
【表3】
【0072】
本発明の好ましい実施態様を例示するために以下で示される場合を除いて、一連の実験は、ガス流量を400mL/分で一定に保持し、ガス洗浄流体としてテトラヒドロナフタレン(THN)およびDPE C44ボトムの混合物を使用して、上記のように実行された。流動性の重要な尺度は、臑動ポンプによる1/8インチPTFEラインを通るポンピングによって温度で分離された有機臭素化生成物の量である。この分離された有機物の量は、液体が使用温度において流動であることを示す。高THN含量のものだけが25℃で液体である。仮に、ポンプで揚げられた有機物の重量が非常に大きいときは(実施例12および15のように)、その後、良好な流動性だけでなくカラムまたは油溜の著しい汚れもない特に好ましい条件が達成される。
【0073】
脱臭化水素(DHB)および臭素ガス洗浄効率に関して、THN含量を80重量%に、および温度を88℃に、増加することが、DHBの量を理論の約120%まで増やすことを、結果は示す。65℃で20重量%のTHNを使った実験だけが理論HBrより高くなかった。
【表4】
【0074】
この発明の流動性改善特徴の上記の記述から分かるように、本発明は、以下の実施態様をさらに含む:
A) 充填カラム部を遊離基ブロム化状態に維持しながら、臭素で汚染されたガス状の無水HBrを、カラム充填部内で、少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素(融解した1,2−ジフェニルエタンおよびそのオリゴマーを含む混合物を、その流動性を改善する量のテトラヒドロナフタレンと組合せて含む、少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素)と向流接触に供給し、1以上の液体α−ブロモアルキル芳香族化合物が1モルのガス状の無水HBrとともに生産されることを備える、元素の臭素で汚染されたガス状の無水HBrの精製方法。
B) ガス状混合物を、遊離基ブロム化条件下で、少なくとも1の液体スクラバー組成物に供給し、1以上の液体α−ブロモアルキル(アルキレン)芳香族化合物((i)融解した1,2−ジフェニルエタンおよび、少なくとも1のそのオリゴマー、すなわち1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジルを、(ii)一定量の流動化剤テトラヒドロナフタレンを組合せて含むα−ブロモアルキル(アルキレン)芳香族化合物)が1モルのガス状の無水HBrとともに生産されることを備える、元素の臭素を含有するガス状の無水HBr混合物の精製方法。
C) (i):(ii)の重量比が3.5〜4.5:1.0の範囲、好ましく約80:20の範囲である、B)に記載の方法。
【0075】
明示的に別段の定めをした場合を除き、特許請求の範囲を含めここで用いられる用語「液体」は、たとえ物質が室温で固体の形態にあるとしても、物質が使用される、もしくは使用されている操作温度で液態であることを意味する。また、特許請求の範囲を含めてここで用いられる用語「ブロム化が可能なアルキル芳香族炭化水素」は、本文書で予め定義
した「ブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバー」と同じ意味を持つ。
【0076】
明細書またはこの特許請求の範囲のどこでも化学名または式によって記載される構成要素は、単数または複数で記載されているかどうかにかかわらず、化学名または化学的タイプ(例えば、別の構成要素、溶媒またはその他。)によって記載される別の物質に触れる前に、存在していることが確認される。たとえどのような化学変化、転換および/または反応が、結果として生じた混合物または溶液で起きても重要ではなく、そのような変化、転換や反応は、この開示に従って必要とされる条件の下で特定の構成要素が集まる自然の結果である。また、たとえ以下の特許請求の範囲が現在時制(「含む」、「である」、その他。)で物質、構成要素または成分を記載する場合があっても、その言及は、現在の開示に従って1以上の他の物質、構成要素および/または成分と最初に接触、混合、混ぜ合わせられる直前に存在した物質、構成要素または成分のことである。物質、構成要素または成分が接触、混合、または混ぜる操作の過程で化学反応または転換によってその最初の同一性を失ったかもしれないという事実は、この開示に従って、そして、化学者の通常の技量で実行されるならば実際的な懸念でない。
【0077】
明白にそうでないと示される場合を除いて、仮定、およびここで使用される冠詞「a」、あるいは、「an」は、冠詞が言及する単一の要素に対する特許請求の範囲に限定するものとして解釈されてはならない。むしろ、仮におよびここで使用される冠詞「a」または「an」は、原文が明白にそうでないと示さなければ、1以上のそのような要素を網羅することが意図される。
【0078】
本発明は、ここで詳述した材料および/または手順、を含む、から成る、から基本的に成る、場合がある。
【0079】
この文書で与えられる化学式は、表された分子を任意の所定の空間配置に制限することを目的としない。むしろ、それらは分子の化学組成を表す。
【0080】
この発明は、その実行において考慮すべき変動があり得る。したがって、前述の記載は制限することを意図するものではなく、先に提示された特定の例証に本発明を制限するものとして解釈されてはならない。
図1
【手続補正書】
【提出日】2015年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラムの充填部分内で少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素と向流接触させて、臭素汚染されたガス状の無水HBrを供給することによって1以上の液体ブロモアルキル芳香族化合物および減少した臭素含量を有したガス状のHBrを形成すること、ならびに添加されるブロム化触媒を使用しないで、12秒未満の平均反応時間のための80〜105℃の範囲内の温度で充填カラムを遊離基ブロム化状態に維持することによって、ガス状のHBrの臭素含量が減少し、および1以上の液体α−ブロモアルキル芳香族化合物が生成する、ことを含む、元素の臭素で汚染されたガス状の無水のHBrの精製方法。
【請求項2】
前記反応域温度が約85〜約101℃の範囲である、請求項1の記載の方法。
【請求項3】
少なくとも98%の遊離臭素が取り除かれたガス状のHBrを別々に回収することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(i)の少なくとも一部の回収されたガス状のHBrを、少なくとも1つが芳香族エーテルおよびルイス酸ブロム化触媒を含む1以上の後続の液相と接触させて供給し、少量の残留する臭素を取り除くことを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素が、(i)1,2−ジフェニルエタン、1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼン、もしくは1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジル、または、これらの任意の2つまたは3つ全部、あるいは、(ii)スチレン系のブロム化が可能なアルキル芳香族スクラバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記工程が連続または半連続ベースで実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ガス状混合物を、ガス状混合物から相当量の臭素を取り除く初生スクラバー組成物と接触して通過させ、そして、結果として生じる部分的に脱ブロム化したガス状混合物を、ガス状のHBrから追加の臭素を除去する第2スクラバー組成物と接触して通過させること
を含む、臭化水素および臭素を含むガス状混合物から臭素を除去する方法であって
A) 前記初生スクラバー組成物は、
(1) 1,2−ジフェニルエタンおよびそのオリゴマーを含むがこれに限らないアルキル化芳香族を含む混合物であって、最高約30重量%の1,2−ジフェニルエタンを含む混合物、または、
(2) (1)のブロム化が可能な部分的に臭素化された基質組成物、または、
(3) (1)および(2)の混合物を含む;および、
前記初生スクラバー組成物は、任意の添加されるブロム化触媒を含まない
B) 前記第2スクラバー組成物は、
(4) 塩化アルミニウムおよび/または臭化アルミニウムブロム化触媒、
(5) (i)窒素下、70℃で熱的に安定である、
(ii)少なくとも最高120℃でHBrの存在下、化学的および熱的に安定である1以上の活性芳香族化合物;
(6) 任意の1以上の(5)の構成要素の部分的にブロム化した誘導体を含む;および、
C) 前記初生スクラバー組成物および第2スクラバー組成物は、ガス洗浄操作の間、それぞれのスクラバー組成物を流動可能な液態に維持する温度に保たれる、方法。
【請求項8】
ガス状混合物および初生スクラバー組成物が第1反応器を通して向流として接触される、および、結果として生じる部分的に脱ブロム化されたガス状混合物と第2スクラバー組成物が、第2反応器を通して向流として接触される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも第1反応器が充填カラムであるか、第2反応器が充填カラムであるか、第1反応器と第2反応器が別々の充填カラムである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1反応器が第1充填カラムおよび第2反応器が第2充填カラムであって、ガス状混合物が第1充填カラム下部または第1充填カラム内の充填物の底部に供給され、第1充填カラム内の充填物上部から、または、それより上から第1充填カラムを去る、ならびに、結果として生じる部分的に脱ブロム化された気体混合物が第2充填カラム下部、または第2充填カラム内の充填物の底部に供給されて、第2充填カラム上部から、または、それより上から第2充填カラムを去る、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
初生スクラバー組成物が、1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび/または1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジルを包含するアルキル化芳香族を含む混合物を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
第2スクラバー組成物が1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジフェノキシベンゼン、ビスフェノールA、もしくはジフェニルエーテルまたはこれらの材料の任意の2以上の混合物を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
結果として生じる精製されたガス状のHBrがカーボン粒子層の中に入る、または通る、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
第1充填カラムが、新鮮初生スクラバー組成物の供給ライン、循環ラインおよびポンプを、初生スクラバー組成物が第1充填カラムのトップに入り、その一部のスクラバー組成物が循環ラインを流れ続け、その別の一部が非水溶性急冷液に導入されて、スクラバー組成物に存在する場合がある残留触媒を破壊するように配置して備える、ならびに、第2充填カラムが、循環ラインの供給ライン、およびポンプを、第2スクラバー組成物が第2充填カラムのトップに入り、その一部のスクラバー組成物が循環ラインを流れ続け、その別の一部が非水溶性急冷液に導入されて、第2スクラバー組成物中の残留触媒を破壊するよ
うに配置して備える、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
各々の前記接触時間が約10秒以下である、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1の液体アルキル芳香族炭化水素が、融解した1,2−ジフェニルエタンおよびそのオリゴマーを一定量の流動化剤テトラヒドロナフタレンと組合せて含む混合物を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
遊離基ブロム化条件下で、少なくとも1の液体スクラバー組成物にガス状混合物を供給し、1以上の液体アルファブロモアルキル(アルキレン)芳香族化合物が1モルのガス状の無水HBrと共に生成される、元素の臭素を含有する無水HBrのガス状混合物の精製方法。
【請求項18】
アルファブロモアルキル(アルキレン)芳香族化合物が、(i)融解した1,2−ジフェニルエタンおよび少なくとも1のそのオリゴマー、すなわち1,4’−ビス(フェネチル)ベンゼンおよび1,4’−ビス(フェネチル)ビベンジルを、(ii)一定量の流動化剤テトラヒドロナフタレンを組合せて含む、および、(i):(ii)の重量比が3.5〜4.5:1.0の範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(i):(ii)の重量比が約80:20の範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
初生スクラバー組成物に接触して通過させる前記ガス状混合物が、毎分約300〜約900mLの範囲の無水HBrの流速で、初生スクラバー組成物に供給される、請求項7に記載の方法。
【請求項21】
無水HBrの流速が毎分約300〜約400mLの範囲である、請求項20に記載の方法。
【国際調査報告】