特表2015-520514(P2015-520514A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表2015520514-基板処理装置 図000003
  • 特表2015520514-基板処理装置 図000004
  • 特表2015520514-基板処理装置 図000005
  • 特表2015520514-基板処理装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-520514(P2015-520514A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20150619BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20150619BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20150619BHJP
【FI】
   H01L21/205
   C23C16/46
   H05B3/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-513954(P2015-513954)
(86)(22)【出願日】2013年6月14日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月21日
(86)【国際出願番号】KR2013005262
(87)【国際公開番号】WO2013191414
(87)【国際公開日】20131227
(31)【優先権主張番号】10-2012-0065137
(32)【優先日】2012年6月18日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100081695
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 正明
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,イル−クヮン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ビョン−ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン−フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン−キ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヤン−シク
【テーマコード(参考)】
3K092
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
3K092PP20
3K092QA03
3K092QA05
3K092VV22
4K030AA06
4K030AA07
4K030AA08
4K030AA17
4K030BA29
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA04
4K030EA11
4K030FA10
4K030KA23
4K030LA15
5F045AA03
5F045AA06
5F045AB02
5F045AC01
5F045AC05
5F045AC15
5F045AC19
5F045BB02
5F045DP03
5F045DP04
5F045EF03
5F045EF05
5F045EK06
5F045EK08
5F045EK24
(57)【要約】
本発明の一実施例によると,基板に対する工程が行われる基板処理装置は,一側壁に形成されて前記基板が出入する通路と上部及び下部にそれぞれ形成された上部開口及び下部開口を有するメインチャンバと,前記上部開口を閉鎖し,外部から遮断されて前記工程が行われる工程空間を形成するチャンバ蓋と,前記工程空間に設置されてプロセスガスを噴射する複数個の噴射孔を有するシャワーヘッドと,前記下部開口に工程設置されて前記工程空間と区分された下部設置区間を有し,上部に前記基板が置かれる下部ヒーティングブロックと,前記基板と平行する方向に沿って前記下部設置空間に設置され,前記下部ヒーティングブロックを加熱する複数の下部ヒーターと,を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する工程が行われる基板処理装置において,
一側壁に形成されて前記基板が出入する通路と上部及び下部にそれぞれ形成された上部開口及び下部開口を有するメインチャンバと,
前記上部開口を閉鎖し,外部から遮断されて前記工程が行われる工程空間を形成するチャンバ蓋と,
前記工程空間に設置されてプロセスガスを噴射する複数個の噴射孔を有するシャワーヘッドと,
前記下部開口に固定設置されて前記工程空間と区分された下部設置区間を有し,上部に前記基板が置かれる下部ヒーティングブロックと,
前記基板と平行する方向に沿って前記下部設置空間に設置され,前記下部ヒーティングブロックを加熱する複数の下部ヒーターと,
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記基板処理装置は,
前記下部ヒーティングブロックの一側壁に形成された下部排気孔に連結され,前記下部設置空間の内部を排気する下部排気管を更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記下部ヒーターは,前記下部設置空間の底面から離隔配置されることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板処理装置は,
前記ヒーティングブロックの上部面に固定設置されて前記基板の下部面を支持する複数のリフトピンを更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板処理装置は,
前記メインチャンバの他側壁に形成されて前記プロセスガスを排出する排気ポートを更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記下部ヒーティングブロックの下部は開放され,
前記基板処理装置は,前記下部ヒーティングブロックの開放された下部を閉鎖して前記下部設置空間を外部から遮断する下部蓋を更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板に対する工程が行われる基板処理装置において,
一側壁に形成されて前記基板が出入する通路と,上部及び下部にそれぞれ形成された上部開口及び下部開口を有するメインチャンバと,
前記上部開口に固定設置されて前記上部開口を閉鎖する上部ヒーティングブロックと,
前記下部開口に固定設置されて前記下部開口を閉鎖し,上部に前記基板が置かれる下部ヒーティングブロックと,
前記下部ヒーティングフロック及び前記下部ヒーティングブロックの間に形成された工程空間に設置されてプロセスガスを噴射する複数個の噴射孔を有するシャワーヘッドと,
前記工程空間と区分されて前記上部ヒーティングブロックの内部に形成された上部設置空間に設置され,前記基板と平行する方向に沿って配置されて前記上部ヒーティングブロックを加熱する複数の上部ヒーターと,
前記工程空間と区分されて前記下部ヒーティングブロックの内部に形成された下部設置空間に設置され,前記基板と平行する方向に沿って配置されて前記下部ヒーティングブロックを加熱する複数の下部ヒーターと,
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
前記基板処理装置は,
前記下部ヒーティングブロックの一側壁に形成された下部排気孔に連結されて前記下部設置空間の内部を排気する下部排気管と,
前記上部ヒーティングブロックの一側壁に形成された上部排気孔に連結されて前記上部設置空間の内部を排気する上部排気管と,
を更に含むことを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記上部ヒーター及び前記下部ヒーターは,前記下部設置空間の天井面及び下部設備空間の底面からそれぞれ離隔配置されることを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記上部ヒーティングブロックの上部及び前記下部ヒーティングブロックの下部は開放され,
前記基板処理装置は,
前記上部ヒーティングブロックの開放された上部を閉鎖して前記上部設置空間を外部から遮断する上部蓋と,
前記下部ヒーティングブロックの開放された下部を閉鎖して前記下部設置空間を外部から遮断する下部蓋と,を更に含むことを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記シャワーヘッドは,前記基板と平行する方向に前記プロセスガスを噴射し,
前記噴射孔は,同じ高さに形成されることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に関するものであり,より詳しくは,工程空間と区分された設置空間にヒーターを設置して基板を加熱する基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置はシリコン基板の上に多くの層(layers)を有しており,このような層は蒸着工程を介して基板の上に蒸着される。このような蒸着工程はいくつかの重要な課題を有しており,このような課題は蒸着された膜を評価し蒸着方法を選択するのに重要である。
【0003】
第一,蒸着された膜の「質」(quality)である。これは組成(composition),汚染度(contamination levels),欠陥密度(defect density),そして機械的・電気的特性(mechanical and electrical properties)を意味する。膜の組成は蒸着条件に応じて異なり,これは特定な組成(specific composition)を得るために非常に重要である。
【0004】
第二,ウェハを横切る均一な厚さ(uniform thickness)である。
【0005】
特に段差(step)が形成された非平面(nonplanar)形状のパターンの上部に蒸着された膜の厚さが非常に重要である。蒸着された膜の厚さが均一であるのか否かは,段差がある部分に蒸着された最小厚さをパターンの上部面に蒸着された厚さで除した値で定義されるステップカバレッジ(step coverage)により判定する。
【0006】
蒸着に関する他の課題は空間を詰めること(filling space)である。これは金属ラインの間を,酸化膜を含む絶縁膜で詰めるギャップフィリング(gap filling)を含む。ギャップは,メタル配線(metal line)を物理的及び電気的に絶縁するために提供される。このような課題のうち,均一度は蒸着工程に関する重要な課題の一つであり,不均一な膜は,メタル配線の上で高い電気抵抗(electrical resistance)をもたらし,機械的な破損の可能性を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は,基板を加熱して工程を行うことができる基板処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は,工程空間と区分された設置空間にヒーターを設置して基板の温度を制御することができる基板処理装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は,後述する詳細な説明と添付した図面からより明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によると,基板に対する工程が行われる基板処理装置は,一側壁に形成されて前記基板が出入する通路と上部及び下部にそれぞれ形成された上部開口及び下部開口を有するメインチャンバと,前記上部開口を閉鎖し,外部から遮断されて前記工程が行われる工程空間を形成するチャンバ蓋と,前記工程空間に設置されてプロセスガスを噴射する複数個の噴射孔を有するシャワーヘッドと,前記下部開口に固定設置されて前記工程空間と区分された下部設置区間を有し,上部に前記基板が置かれる下部ヒーティングブロックと,前記基板と平行する方向に沿って前記下部設置空間に設置され,前記下部ヒーティングブロックを加熱する複数の下部ヒーターと,を含む。
【0011】
前記基板処理装置は,前記下部ヒーティングブロックの一側壁に形成された下部排気孔に連結され,前記下部設置空間の内部を排気する下部排気管を更に含む。
前記下部ヒーターは前記下部設置空間の底面から離隔配置される。
【0012】
前記基板処理装置は,前記下部ヒーティングブロックの上部面に固定設置されて前記基板の下部面を支持する複数のリフトピンを更に含む。
【0013】
前記基板処理装置は,前記メインチャンバの他側壁に形成されて前記プロセスガスを排出する排気ポートを更に含む。
【0014】
前記下部ヒーティングブロックの下部は開放され,前記基板処理装置は前記下部ヒーティングブロックの開放された下部を閉鎖して前記下部設置空間を外部から遮断する下部蓋を更に含む。
【0015】
本発明の他の実施形態によると,基板に対する工程が行われる基板処理装置は,一側壁に形成されて前記基板が出入する通路と上部及び下部にそれぞれ形成された上部開口及び下部開口を有するメインチャンバと,前記上部開口に固定設置されて前記上部開口を閉鎖する上部ヒーティングブロックと,前記下部開口に固定設置されて前記下部開口を閉鎖し,上部に前記基板が置かれる下部ヒーティングブロックと,前記上部ヒーティングブロック及び前記下部ヒーティングブロックの間に形成された工程空間に設置されてプロセスガスを噴射する複数個の噴射孔を有するシャワーヘッドと,前記工程空間と区分されて前記上部ヒーティングブロックの内部に形成された上部設置空間に設置され,前記基板と平行する方向に沿って配置されて前記上部ヒーティングブロックを加熱する複数の上部ヒーターと,前記工程空間と区分されて前記下部ヒーティングブロックの内部に形成された下部設置空間に設置され,前記基板と平行する方向に沿って配置されて前記下部ヒーティングブロックを加熱する複数の下部ヒーターと,を含む。
【0016】
前記基板処理装置は,前記下部ヒーティングブロックの一側壁に形成された下部排気孔に連結されて前記下部設置空間の内部を排気する下部排気管と,前記上部ヒーティングブロックの一側壁に形成された上部排気孔に連結されて前記上部設置空間の内部を排気する上部排気管と,を更に含む。
【0017】
前記上部ヒーター及び前記下部ヒーターは前記上部設置空間の天井面及び下部設置空間の底面からそれぞれ離隔配置される。
【0018】
前記上部ヒーティングブロックの上部及び前記下部ヒーティングブロックの下部は開放され,前記基板処理装置は,前記上部ヒーティングブロックの開放された上部を閉鎖して前記上部設置空間を外部から遮断する上部蓋と,前記下部ヒーティングブロックの開放された下部を閉鎖して前記下部設置空間を外部から遮断する下部蓋と,を更に含む。
【0019】
前記シャワーヘッドは前記基板と平行する方向に前記プロセスガスを噴射し,前記噴射孔は同じ高さに形成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施形態によると,ヒーターを利用して基板の温度を制御することができる。また,工程空間と区分された設置空間にヒーターを設置することでヒーターのメンテナンスを容易にすることができる。また,基板を加熱する際に温度偏差を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。
図2図1に示す上部ヒーティングブロック内に設置された上部ヒーターの配置を示す図である。
図3図1に示す下部ヒーティングブロック内に設置された下部ヒーターの配置を示す図である。
図4】本発明の他の実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下,本発明の好ましい実施形態を添付した図1乃至図3を参照してより詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な形に変形してもよく,本発明の範囲が後述する実施形態によって限られると解釈してはならない。本実施形態は,当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示す各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている可能性がある。
【0023】
一方,以下では蒸着工程を例に挙げて説明するが,本発明は蒸着工程を含む多様な基板処理工程に応用可能である。また,実施形態で説明する基板W以外に多様な非処理体にも応用可能であることは当業者にとって当然である。
【0024】
図1は,本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。図1に示すように,基板処理装置1はメインチャンバ10と上部ヒーティングブロック70及び下部ヒーティングブロック50を含み,基板に対する工程は基板処理装置1の内部で行われる。メインチャンバ10は上部チャンバ12と下部チャンバ14を具備する。下部チャンバ14は上部が開放された形状であり,上部チャンバ12は下部チャンバ14の上部に置かれて下部チャンバ14と締結される。上部チャンバ12は上部開口11を有し,下部チャンバ14は下部開口13を有する。後述する上部ヒーティングブロック70は上部開口11の上に設置されて上部開口11を閉鎖し,下部ヒーティングブロック50は下部開口13の上に設置されて下部開口13を閉鎖する。
【0025】
基板Wは下部チャンバ14の一側に形成された通路7を介して下部チャンバ14の内部を出入する。ゲートバルブ5は通路7の外部に設置され,通路7はゲートバルブ5によって開放されるか閉鎖される。工程空間3は上部ヒーティングブロック70と下部ヒーティングブロック50との間に形成され,基板Wが工程空間3にローディングされた状態で工程が行われる。
【0026】
下部ヒーティングブロック50は下部が開放された形状であり,下部蓋52は下部ヒーティングブロック50の開放された下部を閉鎖して外部から遮断する。よって,下部ヒーティングブロック50の内部に形成された下部設置空間35は工程空間3と区分されるだけでなく外部から遮断される。同じく,上部ヒーティングブロック70は上部が開放された形状であり,上部蓋20は上部ヒーティングブロック70の開放された上部を閉鎖して外部から遮断する。よって,上部ヒーティングブロック70の内部に形成された上部設置空間45は工程空間3と区分されるだけでなく外部から遮断される。
【0027】
上部ヒーター40及び下部ヒーター30はそれぞれ上部設置空間45及び下部設置空間35に設置され,カンタルヒーター(kanthal heater)であってもよい。カンタルは鉄を主体にしてクローム−アルミニウムなどが合わせられた合金であり,高い温度によく耐え電気抵抗力が大きい。
【0028】
上部ヒーター40及び下部ヒーター30は基板Wと平行する方向に沿って配置される。上部ヒーター40は上部ヒーティングブロック70を加熱し,上部ヒーティングブロック70を介して基板Wを間接加熱する。同じく,下部ヒーター30は下部ヒーティングブロック50を加熱し,下部ヒーティングブロック50を介して基板Wを間接加熱する。よって,上部ヒーター40又は下部ヒーター30の位置による基板Wの加熱偏差を最小化することができる。上部ヒーター40及び下部ヒーター30の位置による温度偏差は上部ヒーティングブロック70及び下部ヒーティングブロック50を介して緩和され,基板W上の加熱偏差が最小化される。基板W上の加熱偏差は工程不均一の原因となり,それによって蒸着された薄膜の厚さに偏差が生じる恐れがある。
【0029】
図2は,図1に示す上部ヒーティングブロック内に設置された上部ヒーターの配置を示す図であり,図3は,図1に示す下部ヒーティングブロック内に設置された下部ヒーターの配置を示す図である。図2及び図3に示すように,上部ヒーター40は上部ヒーティングブロック70の下部面から離隔されてもよく,別途の支持装置(図示せず)を介して固定されてもよい。同じく,下部ヒーター30は下部ヒーティングブロック50の上部面から離隔されてもよく,別途の支持装置(図示せず)を介して固定されてもよい。上部ヒーター40及び下部ヒーター30が離隔(距離=d)されることで上部ヒーター40と下部ヒーター30の位置による加熱偏差を最小化することができる。即ち,加熱偏差は離隔空間を介して緩和され,上部ヒーティングブロック70及び下部ヒーティングブロック50を介して最小化される。
【0030】
上述したように,上部ヒーター40及び下部ヒーター30の加熱偏差が最小化される場合,基板Wの工程不均一を防止するための回転は不必要である。よって,基板Wが置かれた下部ヒーティングブロック50が回転しなくても基板Wの上に薄膜を均一に蒸着することができる。
【0031】
一方,上部ヒーター40及び下部ヒーター30が大気中に露出される場合には加熱によって酸化されやすく,それによって容易に破損する恐れがある。よって,上部設置空間45及び下部設置空間35は外部から遮断されると共に真空状態を形成する。上部ヒーティングブロック70及び下部ヒーティングブロック50は側壁に形成された上部排気孔75及び下部排気孔72をそれぞれ有し,上部排気管76及び下部排気管73はそれぞれ上部排気孔75及び下部排気孔72に連結される。排気ポンプ77,74は上部排気管76及び下部排気管73にそれぞれ設置され,上部排気管76及び下部排気管73を介して上部設置空間45及び下部設置空間35の内部を排気する。それを介して上部設置空間45及び下部設置空間35を真空状態に維持する。
【0032】
上部ヒーター40又は下部ヒーター30をメンテナンスする場合,作業者は上部設置空間45及び下部設置空間35を大気圧状態に転換した後,上部蓋20又は下部蓋52を開いて上部ヒーター40又は下部ヒーター30に接近し,上部ヒーター40又は下部ヒーター30を容易にメンテナンスすることができる。この際,上部設置空間45及び下部設置空間35は工程空間3と区分されるため,上部ヒーター40又は下部ヒーター30のメンテナンスの際に工程空間3の真空状態が大気状態に転換される必要がなく,単に上部設置空間45又は下部設置空間35を大気状態に転換することでメンテナンスが可能になる。
【0033】
また,下部ヒーティングブロック及び上部ヒーティングブロック50,70は高純度石英のような材質であってもよいが,石英は比較的高い構造的強度を示し蒸着プロセス環境に対して化学的に非活性である。よって,チャンバの内壁を保護するために設置される複数個のライナー65も同じく石英材質であってもよい。
【0034】
基板Wは通路7を介して基板処理装置1の内部に移動し,基板Wを支持するリフトピン55の上に置かれる。リフトピン55は下部ヒーティングブロック50の上端部に固定設置され,基板Wは複数のリフトピン55を介して安定的に支持される。また,リフトピン55は基板Wと下部ヒーティングブロック50との間の間隔を一定高さで維持して基板Wの加熱偏差を最小化し,リフトピン55の高さに応じて基板Wと下部ヒーティングブロック50との間の間隔を変化させる。
【0035】
下部及び上部ヒーティングブロック50,70の基板Wと対向する面はそれぞれ下部及び上部ヒーター30,40から供給された熱を基板Wに均一に伝達するために基板Wの面積より広く,基板Wの形状と対応する円形のディスク状であってもよい。
【0036】
メインチャンバ10の一側にはガス供給口95が形成され,供給管93はガス供給孔95に沿って設置される。反応ガスはガス貯蔵タンク90から供給管93に沿って工程空間3に供給される。シャワーヘッド60は供給管93に連結されて反応ガスを基板Wの上に噴射する。シャワーヘッド60は基板Wと上部ヒーティングブロック70との間に設置される。また,シャワーヘッド60は基板Wに向かって平行する方向に反応ガスを噴射し,シャワーヘッド60は同じ高さに形成された複数個の噴射孔63を介して反応ガスを基板Wの上に普く供給する。反応ガスは水素(H)又は窒素(N)又は所定の他の不活性ガスのようなキャリアガスを含み,シラン(SiH)又はジクロロシラン(SiHCl)のようなプリカーサガス(precursor gas)を含む。また,ジボラン(B)又はホスフィン(PH)のようなドーパントソースガス(dopant sauce gas)を含む。
【0037】
上述したように,下部及び上部ヒーターは下部及び上部設置空間にそれぞれ設置されて下部及び上部ヒーティングブロック50,70を介して基板Wに熱を加える。基板処理装置1で反応ガスと基板Wが反応する工程が行われる工程空間3は下部及び上部ヒーティングブロック50,70によって最小化される。よって,反応ガスと基板Wの反応性を上げることができ,下部及び上部設置空間35,45にそれぞれ配置された下部及び上部ヒーター30,40も同じく工程空間3が最小化されることで基板Wの工程温度を容易に制御することができる。
【0038】
また,従来のランプ加熱方式では多数個のランプを使用しており,そのうち一つのランプが故障するか性能が低下すれば輻射熱が局部的に不均衡になる恐れがあるが,下部及び上部ヒーター30,40をカンタルヒーターで設置すればそのような問題を防止することができる。それだけでなく,カンタルヒーターはカンタル熱線の形状変化が自由であるため従来のランプ方式より加熱する輻射熱の分布を均衡に伝達することができる。
【0039】
下部チャンバ14はガス供給孔95の反対側に形成された排出ポート85を有し,バッフル83が排出ポート85の入口に設置される。排気ライン87は排出ポート85に連結され,工程空間3内の未反応ガス又は反応生成物は排気ライン87を介して移動する。未反応ガス又は反応生成物は排気ライン87に連結された排出ポンプ80を介して強制排出される。また,基板処理装置1の工程空間3は工程が行われるところであり,工程が行われる間に大気圧より低い状態の真空雰囲気が維持される。図1を介して説明した本発明の一実施形態は下部及び上部設置空間35,45にそれぞれ下部及び上部ヒーター30,40を含んで高温工程用として使用するのに有利な装置を説明したが,図4を介して本発明の他の実施形態である低温工程用として使用される装置を説明する。
【0040】
好ましい実施形態を介して本発明を詳細に説明したが,それとは異なる態様の実施形態も可能である。よって,後述する特許請求の範囲の技術的思想と範囲は好ましい実施形態に限らない。
【0041】
発明を実施するための形態
以下に,本発明の実施形態を添付した図4を参照してより詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な態様に変更してもよく,本発明の範囲が後述する実施形態によって限られると解釈してはならない。本実施形態は,当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示す各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている可能性がある。
【0042】
一方,以下では蒸着工程を例に挙げて説明するが,本発明は蒸着工程を含む多様な基板処理工程に応用されることができる。また,実施形態で説明する基板W以外に多様な非処理体にも応用可能であることは当業者にとって当然である。
【0043】
図4は,本発明の他の実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。図4に示すように,基板処理装置100はメインチャンバ110とチャンバ蓋120を含み,基板に対する工程は基板処理装置100の内部で行われる。メインチャンバ110は上部が開放された形状であり,下部に開口113を有する。基板Wはメインチャンバ110の一側に形成された通路107を介して基板処理装置100の内部に出入する。
【0044】
ゲートバルブ105は通路107の外部に設置され,通路107はゲートバルブ105によって開放されるか閉鎖される。
【0045】
チャンバ蓋120はメインチャンバ110の上端部に連結され,メインチャンバ110の開放された上部を閉鎖して基板工程が行われる工程空間103を提供する。
【0046】
ヒーティングブロック150はメインチャンバ110の開口113に設置されて開口113を閉鎖する。ヒーティングブロック150は下部が開放された形状であり,蓋152はヒーティングブロック150の開放された下部を閉鎖して外部から遮断する。よって,ヒーティングブロック150の内部に形成された設置空間135は工程空間103と区分されるだけでなく外部から遮断される。
【0047】
ヒーター130は設置空間135に設置され,カンタルヒーターであってもよい。カンタルは鉄を主体にしてクローム−アルミニウムなどが合わせられた合金であり,高い温度によく耐え電気抵抗力が大きい。ヒーター130は基板Wと平行する方向に沿って配置される。ヒーター130はヒーティングブロック150を加熱し,ヒーティングブロック150を介して基板Wを間接加熱する。よって,ヒーター130の位置による基板Wの加熱偏差を最小化することができる。ヒーター130の位置による温度偏差がヒーティングブロック150を介して緩和され,基板W上の加熱偏差が最小化される。基板W上の加熱偏差は工程不均一の原因となり,それによって蒸着された薄膜の厚さに偏差が生じる恐れがある。
【0048】
一方,ヒーター130が大気中に露出される場合には加熱によって酸化されやすく,それによって容易に破損する恐れがある。よって,設置空間135は外部から遮断されると共に真空状態を形成する。ヒーティングブロック150は,側壁に形成された排気孔172をそれぞれ有し,排気管173は排気孔172に連結される。排気ポンプ174は排気管173に設置され,排気管173を介して設置空間135の内部を排気する。それを介して設置空間135を真空状態に維持する。
【0049】
ヒーター130をメンテナンスする場合,作業者は設置空間135を大気圧状態に転換した後,蓋152を開いてヒーター130に接近してヒーター130を容易にメンテナンスすることができる。この際,設置空間135は工程空間103と区分されるため,ヒーター130のメンテナンスの際に工程空間103の真空状態が大気状態に転換される必要がなく,単に設置空間135を大気状態に転換することでメンテナンスが可能になる。
【0050】
また,ヒーティングブロック150は高純度石英のような材質であってもよいが,石英は比較的高い構造的強度を示し蒸着プロセス環境に対して化学的に非活性である。よって,チャンバの内壁を保護するために設置される複数個のライナー165も同じく石英材質であってもよい。
【0051】
基板Wは通路107を介して基板処理装置100の内部に移動し,基板Wを支持するリフトピン155の上に置かれる。リフトピン155はヒーティングブロック150の上端部に固定設置され,基板Wは複数のリフトピン155を介して安定的に支持される。また,リフトピン155は基板Wとヒーティングブロック150との間の間隔を一定高さで維持して基板Wの加熱偏差を最小化し,リフトピン155の高さに応じて基板Wとヒーティングブロック150との間の間隔を変化させる。
【0052】
図4に示すようにチャンバ蓋120の上部にはガス供給孔195が形成され,ガス供給管193はガス供給孔195に連結される。ガス供給管193はガス貯蔵タンク190と連結されてガス貯蔵タンク190から反応ガスを基板処理装置100の工程空間103に向かって供給する。ガス供給管193はシャワーヘッド160と連結される。シャワーヘッド160には複数個の噴射孔163が形成され,ガス供給管193から供給された反応ガスを拡散して基板Wに向かって噴射する。シャワーヘッド160は基板Wの上部に予め設定された位置に設置される。
【0053】
メインチャンバ110は側壁に形成された排出ポート185を有し,バッフル183が排出ポート185の入口に設置される。排気ライン187は排出ポート185に連結され,工程空間103内の未反応ガス又は反応生成物は排気ライン187を介して移動する。未反応ガス又は反応生成物は排気ライン187に連結された排出ポンプ180を介して強制排出される。また,基板処理装置100の工程空間103は工程が行われるところであり,工程が行われる間に大気圧より低い状態の真空雰囲気が維持される。
【0054】
従来のランプ加熱方式では多数個のランプを使用しており,そのうち一つのランプが故障するか性能が低下すれば輻射熱が局部的に不均衡になる恐れがあるが,ヒーター130をカンタルヒーターで設置すればそのような問題を防止することができる。それだけでなく,カンタルヒーターはカンタル熱線の形状変化が自由であるため従来のランプ方式より加熱する輻射熱の分布を均衡に伝達することができる。
【0055】
設置空間135に設置されるヒーター130が大気中に露出される場合には加熱によって酸化されやすく,それによって容易に破損する恐れがある。よって,設置空間135は外部から遮断されると共に真空状態を形成する。ヒーティングブロック150は側壁に形成された排気孔172を有し,排気管173は排気孔172に連結される。排気ポンプ174は排気管173に設置され,排気管173を介して設置空間135の内部を排気する。それを介して設置空間135を真空状態に維持する。
【0056】
実施形態を介して本発明を詳細に説明したが,それとは異なる実施形態ないし実施例も可能である。よって,後述する特許請求の範囲の技術的思想と範囲は好ましい実施形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は,多様な形態の半導体製造設備及びその製造方法に応用される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】