特表2015-520543(P2015-520543A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-520543先読み機会トリガリングに基づいて、広告決定解決を加速するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-520543(P2015-520543A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】先読み機会トリガリングに基づいて、広告決定解決を加速するための方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20150619BHJP
   H04N 21/262 20110101ALI20150619BHJP
【FI】
   H04N21/258
   H04N21/262
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-505825(P2015-505825)
(86)(22)【出願日】2013年4月8日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月18日
(86)【国際出願番号】US2013035585
(87)【国際公開番号】WO2013154974
(87)【国際公開日】20131017
(31)【優先権主張番号】13/442,351
(32)【優先日】2012年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.JAVA
3.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】514256519
【氏名又は名称】ディス テクノロジー,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】シャーウィン,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ミック,ジョン,レイモンド,ジュニア
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164MA05S
5C164SA24S
5C164SB21S
5C164SB41S
5C164SC11P
5C164TA08S
5C164YA08
(57)【要約】
広告配置決定を加速するための方法およびシステムコンピュータ実装方法およびシステムが開示される。サーバは、チャネル識別子を有するソース信号ストリーム、および広告信号ポイントの前の時間に、信号ストリーム内に広告配置機会が位置するという表示を受信する。サーバは、時間が終了する前に、チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別する。サーバは、複数の受信者信号ストリームを表すリストに対応する、複数のターゲット広告を取得する。サーバは、複数の広告を少なくとも1つのキャッシュに格納する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告配置決定を加速するためのコンピュータ実装方法であって、
プログラミングされたコンピュータで、チャネル識別子を有するソース信号ストリーム、および広告信号ポイントの前の時間に、前記信号ストリーム内に広告配置機会が位置するという表示を受信するステップと、
前記プログラミングされたコンピュータを使用して、前記時間が終了する前に、前記チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別するステップと、
前記プログラミングされたコンピュータを使用して、前記複数の受信者信号ストリームを表す前記リストをターゲットにした複数の広告を取得するステップと、
前記プログラミングされたコンピュータを使用して、前記複数の広告を少なくとも1つのキャッシュに格納するステップとを備える、方法。
【請求項2】
複数の広告を取得する前記ステップが、
前記時間間隔を複数のサブ時間間隔に分割するステップと、
前記複数の信号ストリームを複数のサブ信号ストリームに分割するステップとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の広告を少なくとも1つのキャッシュに格納する前記ステップが、前記複数のサブ信号ストリームを、前記複数のサブ時間間隔にわたって配信される前記少なくとも1つのキャッシュに格納するステップをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
広告配置機会が前記信号ストリーム内に位置するという前記表示が、キュートーンを示すSCTE−35パケットのインスタンスである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数の受信者信号ストリームを表すリストを識別する前記ステップが、複数の理論的配置機会から複数の確認された配置機会を取得するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数の理論的配置機会から複数の確認された配置機会を取得するステップが、
複数の配置機会を信号なしに事前に割り当てるステップと、
前記ソース信号ストリームを、事前に作成されているが未確認の複数の配置機会に結合するステップとを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ソース信号ストリームを、事前に作成されているが未確認の複数の配置機会に結合するステップが、
前記ソース信号ストリームから前記チャネル識別子を含むメタデータを抽出するステップと、
前記事前に作成されているが未確認の配置機会を、確認された配置機会に指定するステップと、
信号IDを有する先読み決定トリガを、トリガ・データとして生成するステップとを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
先読み決定トリガを生成するステップに応答して、前記複数の確認された配置機会ごとに広告決定を実行するステップである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の確認された配置機会ごとに広告決定を実行するステップが、
SCTE130広告管理サービスに前記先読み決定トリガを送信するステップと、
複数の広告配置決定を受信するステップとを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表す前記リスト、および生成された少なくとも1つの視聴者属性が、確認された配置機会の数に対応する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別するステップが、
前記チャネル識別子をセッション・マネージャに送信するステップと、
前記セッション・マネージャから、前記チャネル識別子に対応するチャネルを現在閲覧している受信者の数を示すクライアント・アイデンティティのリストを受信するステップと、
クライアント・アイデンティティの前記リスト、および前記チャネル識別子を加入者情報サービスに送信するステップと、
前記加入者情報サービスから、前記クライアント・アイデンティティおよび前記チャネル識別子に関連する視聴有資格者のセットのリストを受信するステップとを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の受信者信号ストリームを表す前記リストをターゲットにした複数の広告を取得するステップが、
視聴有資格者のセットの前記リストおよび前記チャネル識別子の要素ごとに広告呼出しを広告決定サーバに送信するステップと、
前記広告決定サーバから、前記複数の受信者信号ストリームを表す前記リストをターゲットにした前記複数の広告を受信するステップと、
前記一意の信号IDを、それぞれの前記複数のターゲット広告に関連付けるステップと、
前記複数のターゲット広告を前記キャッシュに格納するステップとを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のターゲット広告を前記キャッシュに格納するステップが、前記複数のターゲット広告を、コンテンツ配信ネットワークに関連付けられる少なくとも1つのJARに送信するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
組み込まれたPOISまたは外部POISから前記複数の理論的配置機会を要求して、少なくとも1つの広告決定サーバに前記広告配置機会を提供するステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記ソース信号ストリームがコンテンツおよび前記広告配置機会を備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
コンテンツがビデオ、オーディオ、またはインタラクティブオーバーレイを備える、請求項15に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記広告配置機会のために指定された時間間隔が、区切り、プリ・ロール、ポスト・ロール、ミッドロール、隙間、一時停止、およびビデオ・オン・デマンド要求に対応する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
広告配置決定を加速するためのコンピュータ実装方法であって、
プログラミングされたコンピュータで、同じチャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームの対応する広告信号ポイントに広告が挿入されることを求める複数の要求を受信するステップと、
前記プログラミングされたコンピュータを使用して、広告を求める前記複数の要求に応答して、少なくとも1つのキャッシュから複数の広告を検索するステップと、
前記複数の広告のうちの少なくとも1つの広告を、前記複数の受信者信号ストリームの前記対応する広告信号ポイントに挿入するステップとを備える、方法。
【請求項19】
広告を求める前記複数の要求に応答して、少なくとも1つのキャッシュから前記複数の広告を検索するステップが、少なくとも1つのコンテンツ配信ネットワークから前記複数の広告を求める少なくとも1つの要求を受信するステップを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の受信者信号ストリームの前記対応する広告信号ポイント内の前記複数の広告のうちの前記少なくとも1つの広告が、ソース信号ストリーム内の対応する信号ポイントの識別の直後に発生する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
広告配置決定を加速するためのコンピュータ・システムであって、
メモリと、
前記メモリに結合された処理装置とを備え、前記処理装置が、
チャネル識別子を有するソース信号ストリーム、および広告信号ポイントの前の時間に、前記信号ストリーム内に広告配置機会が位置するという表示を受信して、
前記時間が終了する前に、前記チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別して、
前記複数の受信者信号ストリームを表す前記リストに対応する複数のターゲット広告を取得して、
前記複数の広告を少なくとも1つのキャッシュに格納するように構成される、コンピュータ・システム。
【請求項22】
処理システムによって実行されると、前記処理システムに、
チャネル識別子を有するソース信号ストリーム、および広告信号ポイントの前の時間に、前記信号ストリーム内に広告配置機会が位置するという表示を受信するステップと、
前記時間が終了する前に、前記チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別するステップと、
前記複数の受信者信号ストリームを表す前記リストに対応する複数のターゲット広告を取得するステップと、
前記複数の広告を少なくとも1つのキャッシュに格納するステップとを備える、広告配置決定を加速するための方法を実行させる命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にサービス・プロバイダ・ビデオ・ネットワークに関し、より具体的には、信号ストリーム内の広告配置決定を加速するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビデオまたはオーディオ信号ストリーム内にコンテンツ(すなわち、ビデオまたはオーディオ番組)、および広告(の配置)を含む、放送、ケーブル・テレビ、およびラジオの番組制作(programming)は、線形モデルを踏襲している。番組制作は、ユーザがエンターテイメント・コンテンツを閲覧することを選択すると、番組が開始して、ストリーミングされて、進行するという点で、線形と言える。図1は、広告配置のための線形モデルを示している。ケーブル・ネットワークを介してデジタル・データ・ストリームとして処理されると、エンターテイメント・コンテンツ2は、いくつかの時間間隔に分割され得る。時間間隔4は、「ゴールデン・ガール」などの、閲覧される番組(コンテンツ)のために確保された時間を含む。間隔6、8、10は、広告または「広告機会(avail)」のために確保された時間のセクションを表している。これらの「広告機会」は、広告配置機会と見なすことができる。本明細書で使用されるように、「配置機会」は、従来「広告機会」と呼ばれており、スロット(スロット内に配置するスポット)と呼ばれる場合もある。配置機会(PO)は、広告またはエンターテイメント・コンテンツを挿入する機会を表し、期間、双方向性、所有権、および技術的な制約などの、その機会のルールを定義する構造である。
【0003】
ビデオ・オン・デマンド(VOD)などの非線形システムでは、間隔6、8、10は新たな意味を帯びる場合がある。間隔6は、プリ・ロールと呼ばれ、すなわち、VODビデオを開始するためにユーザがクリックした直後に発生するビデオ内の空間である。間隔10は、ポスト・ロールとして知られ、すなわち、すべてのVODビデオ・セグメントが再生を終了した後の空間である。間隔8は、ミッドロール、すなわち、VODビデオの途中の短い区切りでもよく、隙間、すなわち、連続的なVODビデオのセグメントの間のポッドのような場所でもよい。そのような再生リスト内のすべての間隔6、8、10は、広告の挿入、すなわち広告配置機会のための準備が整っている。
【0004】
テレビでは、広告ネットワークは、以前は全国的なネットワーク、ケーブル・ネットワーク、またはケーブル事業者であった。しかしながら、ブラウザがコンテンツをアクセス/表示して、次いで共有された広告ネットワークに別々に「参照」されるインターネットとは異なり、ケーブル・テレビのインフラストラクチャは、広告とコンテンツの両方をネットワーク内でともに選択および整理して、結合された結果を顧客の「スマート家電」(たとえば、インターネット対応テレビ、ラジオ、スマートフォン、タブレット、PC等)に配信する。
【0005】
最近では、インターネット対応テレビなどのスマート家電は、Netflix映画、Pandoraストリーミング・ラジオなどのインターネット・ストリーミング・サービスから、Wi−Fiまたは直接イーサネット接続を介してコンテンツを受信できるようになっている。ユーザが、これらのサービスのうちの1つに対応する、テレビ・セット上に現れる「アプリ」のアイコンをクリックすると、セット・トップ・ボックスを必要とすることなしに、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)から、スマート家電内で実行しているアプリケーションに、スマート家電に直接コンテンツがストリーミングされる。
【0006】
当分野で知られているように、セット・トップ・ボックスは、同軸ケーブルまたは光ファイバケーブルを介して放送設備を通じてセット・トップ・ボックスに連続的にストリーミングおよびプッシュされるデジタル信号の2つの状態のアナログ表現を復号化するように構成することができ、セット・トップ・ボックスはそのチャネルに同調して、コンテンツを表示する。ユーザが、インターネット配信番組のコンテンツを視聴すると、スマート家電内のブラウザがあらかじめ定められた時間のチャンク(通常は2秒、時には3秒、また時には10秒のチャンク)内にビデオをフェッチする。フェッチされたビデオのチャンクは、アプリケーション・ソフトウェア内で動的に、シームレスにつなぎ合わされて、次いでスマート家電上でスムーズなビデオのように見えるように表示される。
【0007】
マルチプル・システム/サービス・オペレータ(MSO−複数のケーブル・システムを所有し、ブロードバンド・インターネット・サービスを示すことができるケーブル・テレビ組織)は、ビデオ・ストリームをスマート家電上で再放送したい場合がある。不都合なことに、スマート家電を含むすべての接続されたデバイスは、そのデバイスが消費できるフォーマットでビデオを取得する必要がある。Apple、Microsoft、Adobe等は、非常に特有の、かつ互換性のないフォーマットを有する。この問題を克服するために、こうした企業はそれぞれ、チャネルごとの「セット・トップ・ボックス」が衛星から放送を受信するように構成される、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)と呼ばれる設備を構築した。「セット・トップ・ボックス」によって受信される信号は、所望のフォーマットで信号を配置して、フォーマットされた信号をあらかじめ定められた(たとえば、2秒の)データのチャンクに断片化するために、トランスコーダに供給される。次いで、これらのチャンクが、コンテンツが配信される場所に物理的に近接して配置されるサーバ・ファーム上のCDNに格納される。
【0008】
ある番組が終了して、次の番組が開始する前の時間、すなわち配置機会を含む、特定のチャネル・データ・ストリームを識別するために、次の番組が開始する前のあらかじめ定められた時間に、デジタルストリームにqトーンが挿入される。後に1つまたは複数の広告をチャネル・データ・ストリームに配置するために、トランスコーダでよいオブザーバが、qトーンの到着を広告サーバ(ADS)に通知する。次に、広告サーバが、データ内の区切りに広告を配置するために、CDNからの要求の後続の到着を待つ。
【0009】
不都合なことに、広告サーバに要求が殺到すると、要求は輻輳、ドロップされた要求、および再起動につながる場合がある。これは、広告を求める数万から数百万の要求が、単一または少数の広告サーバを実質的に同時に溢れさせることがある、全国ベースのテレビ番組に特に当てはまる。
【0010】
したがって、望ましいが、まだ提供されていないのは、信号ストリーム内の広告配置決定を加速するための方法およびシステムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
サーバの観点から、広告配置決定を加速するためのコンピュータ実装方法およびシステムを提供することによって、上述の問題が解決されて、当分野の技術的ソリューションが実現される。サーバは、チャネル識別子を有するソース信号ストリーム、および広告信号ポイントの前の時間に、信号ストリーム内に広告配置機会が位置するという表示を受信する。サーバは、時間が終了する前に、チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別する。サーバは、複数の受信者信号ストリームを表すリストに対応する、複数のターゲット広告を取得する。サーバは、複数のターゲット広告を少なくとも1つのキャッシュに格納する。
【0012】
ある実施形態では、複数の広告を取得するステップは、時間間隔を複数のサブ時間間隔に分割するステップと、複数の信号ストリームを複数のサブ信号ストリームに分割するステップとをさらに備える。少なくとも1つのキャッシュ内の複数のサブ信号ストリームは、複数のサブ時間間隔にわたって配信され得る。
【0013】
広告配置機会が信号ストリーム内に位置するという表示は、キュートーンを示すSCTE−35パケットのインスタンスでよい。
【0014】
ある実施形態では、複数の受信者信号ストリームを表すリストを識別するステップは、複数の理論的配置機会から複数の確認された配置機会を取得するステップを含み得る。複数の理論的配置機会から複数の確認された配置機会を取得するステップは、複数の配置機会を信号なしに事前に割り当るステップと、ソース信号ストリームを、事前に作成されているが未確認の複数の配置機会に結合するステップとを含み得る。
【0015】
ある実施形態では、ソース信号ストリームを、事前に作成されているが未確認の複数の配置機会に結合するステップは、ソース信号ストリームからチャネル識別子を含むメタデータを抽出するステップと、実時間スタンプに基づいて、ソース・ストリーム内の広告配置機会の時間的開始位置を取得するステップと、広告配置機会の時間的開始位置、およびチャネル識別子に対応する、一意の信号IDをソース・ストリームに挿入するステップと、事前に作成されているが未確認の配置機会を、確認された配置機会に指定するステップと、信号IDを有する先読み決定トリガを、トリガ・データとして生成するステップとを含み得る。
【0016】
ある実施形態では、先読み決定トリガを生成するステップに応答して、サーバは、複数の確認された配置機会ごとに広告決定を実行することができる。複数の確認された配置機会ごとに広告決定を実行するステップは、SCTE−130広告管理サービスに先読み決定トリガを送信するステップと、複数の広告配置決定を受信するステップとを含み得る。
【0017】
ある実施形態では、チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および生成された少なくとも1つの視聴者属性は、確認された配置機会の数に対応する。
【0018】
ある実施形態では、チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別するステップは、チャネル識別子をセッション・マネージャに送信するステップと、セッション・マネージャから、チャネル識別子に対応するチャネルを現在閲覧している受信者の数を示すクライアント・アイデンティティのリストを受信するステップと、クライアント・アイデンティティのリスト、およびチャネル識別子を加入者情報サービスに送信するステップと、加入者情報サービスから、クライアント・アイデンティティおよびチャネル識別子に関連する視聴有資格者のセットのリストを受信するステップとを含み得る。
【0019】
ある実施形態では、複数の受信者信号ストリームを表すリストに対応する複数の広告を取得するステップは、視聴有資格者のセットのリストおよびチャネル識別子の要素ごとに広告呼出しを広告決定サーバに送信するステップと、広告決定サーバから、複数の受信者信号ストリームを表すリストをターゲットにした複数の広告を受信するステップと、一意の信号IDを、それぞれの複数のターゲット広告に関連付けるステップと、複数のターゲット広告をキャッシュに格納するステップとを含み得る。複数のターゲット広告をキャッシュに格納するステップは、複数のターゲット広告を、コンテンツ配信ネットワークに関連付けられる少なくとも1つのJAR(Javaアーカイブ)に送信するステップを含み得る。
【0020】
クライアントの観点から、広告配置決定を加速するためのコンピュータ実装方法およびシステムを提供することによって、上述の問題が解決されて、当分野の技術的ソリューションが実現される。クライアントは、同じチャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームの対応する広告信号ポイントに広告が挿入されることを求める複数の要求を受信する。クライアントは、広告を求める複数の要求に応答して、少なくとも1つのキャッシュから複数の広告を検索する。クライアントは、複数の広告のうちの少なくとも1つの広告を、複数の受信者信号ストリームの対応する広告信号ポイントに挿入する。
【0021】
ある実施形態では、広告を求める複数の要求に応答して、少なくとも1つのキャッシュから複数の広告を検索するステップは、少なくとも1つのコンテンツ配信ネットワークから複数の広告を求める少なくとも1つの要求を受信するステップを含み得る。複数の受信者信号ストリームの対応する広告信号ポイント内の複数の広告のうちの少なくとも1つの広告は、ソース信号ストリーム内の対応する信号ポイントの識別の直後に発生し得る。
【0022】
本発明は、以下に提示された例示的実施形態の詳細な説明を、添付の図面と併せて考慮すれば、より容易に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】線形ケーブル・ビデオ・データ・ストリームの従来の形式を示す図である。
図2】本発明の実施形態による、信号ストリーム内の広告配置決定を加速するためのシステムの構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態による、サーバの観点からの、信号ストリーム内の広告配置決定を加速するための方法の一実施形態を示す流れ図である。
図4】本発明の実施形態による、クライアントの観点からの、信号ストリーム内の広告配置決定を加速するための方法の一実施形態を示す流れ図である。
図5】本明細書に記載の方法のうちの任意の1つまたは複数を機械に実行させるための命令のセットが実行され得る、コンピュータ・システムの例示的形式の機械の図表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面は本発明の概念を示すためのものであり、縮尺通りではない場合があることが理解されるべきである。
【0025】
「コンピュータ」、または「コンピュータ・プラットフォーム」という用語は、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、サーバ、ハンドヘルド・デバイス、デジタル信号プロセッサ(DSP)、組込みプロセッサ(その一例は、図5に関連して説明する)などの任意のデータ処理装置、またはデータを処理することができる他の任意のデバイスを含むことを意図する。コンピュータ/コンピュータ・プラットフォームは、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体および1つまたは複数のネットワークと通信可能に接続された1つまたは複数のマイクロプロセッサを含むように構成される。「通信可能に接続される」という用語は、ワイヤードかワイヤレスかに関わらず、データが通信され得る任意のタイプの接続を含むことを意図する。「通信可能に接続される」という用語は、これに限定されないが、単一のコンピュータ内のデバイスおよび/またはプログラム間、あるいはネットワークを介するデバイスおよび/または別のコンピュータ間の接続を含むことを意図する。「ネットワーク」という用語は、これに限定されないが、OTA(無線送信、ATSC、DVB−T)、パケット交換網(TCP/IP、たとえばインターネット)、衛星(マイクロウェーブ、MPEGトランスポート・ストリーム、またはIP)、直接放送衛星、アナログ・ケーブル伝送システム(RF)、およびデジタル・ビデオ伝送システム(ATSC、HD−SDI、HDMI、DVI、VGA)等を含むことを意図する。
【0026】
本発明のある実装形態は、SCTE−130規格によって定義される要素と互換性があり、それを利用する。SCTE−130規格は、アカウンタビリティ測定に必要な配置機会、配置決定、および配置関連イベント・データを通信するために必要な協働する論理サービスの最小セットを定義する、標準化された拡張可能なメッセージベースのインターフェースを提供する。SCTE−130は、広告システム論理サービスのセットの間で、インターフェースの拡張可能なフレームワークを定義する。SCTE−130規格は、高度なアドレス可能広告システムを実装するために必要な協働論理サービスの最小セット、定義された論理サービス間で通信するために必要な語彙を形成するコア・データ・タイプおよび拡張可能なメッセージ・フレームワーク、コア・データ・タイプおよびメッセージを使用するこれらの論理サービス間のインターフェース、ならびにすでに配備されたシステムとの後方互換性を維持しながらイノベーションを可能にする拡張性のメカニズムを包含し、それによって規格内に新しい機能を組み込むための複雑性を軽減する。
【0027】
SCTE−130規格の規範的な部分は、VODベースの広告、線形ベースの広告、広告ローテーション・グループなどの拡張された広告機能(ローテーション・グループは、同じ広告がすぐに再び閲覧されることのないようにローテーションで実行される配置機会を指す)、広告やコンテンツ適合化のための加入者ベースのアドレス指定、より高度な広告またはアドレス指定機能のための拡張ポイント、同じベンダによって作成された1つまたは複数の物理システムとして実装されている論理サービス、1つまたは複数のベンダからのシステムを同時に含むことができる論理サービスの配備、および定義された論理サービスとインターフェースのうちの1つまたは複数を組み込むことができる実装形態などの機能を実装するシステムを統合するためのメカニズムを定義する。
【0028】
SCTE−130規格は、高度な広告システムを備える論理サービスのセットを定義する。各論理サービスは、それ自体が複雑なシステムでよい。ある実装形態では、以下の論理サービスのうちの1つまたは複数が、本発明のある実施形態によって使用されてもよく、それと対話してもよい。
【0029】
広告管理サービス(ADM)は、広告挿入動作をサポートするメッセージを定義する。これらのメッセージの主な消費者は広告決定サービス(ADS)である。ADMによって公開されるメッセージ・インターフェースは、事前設定された広告決定とリアルタイムのフルフィルメント・モデルとの両方を可能にする。ADMの実装形態は、いくつかの簡単な広告選択ルール(たとえば、広告ローテーション)を組み込むことができるが、より複雑な広告の決定はADSの責任である。
【0030】
広告決定サービス(ADS)は、広告コンテンツが非広告(すなわち、エンターテイメント)コンテンツ資産と結合される方法を決定する。ADSによって行われる決定は、単純でもよく(すなわち、特定の広告コンテンツが、特定の時間に特定の資産に配置される)、任意に複雑でもよい(加入者データ、広告ゾーンなどに基づく)。
【0031】
コンテンツ情報サービス(CIS)は、他のSCTE−130論理サービスにとって利用可能な資産(広告資産と非広告資産の両方)を記述するメタデータを管理する。CISは、他の論理サービスに、クエリおよび通知インターフェースを提供する。クエリ・サービスは、アドホック・ベースで利用可能であり、事前登録なしに他の任意の論理サービスによっていつでも呼び出されてよい。クエリは、クエリ・メッセージ・メタデータ内で求められる値またはパターンを指定して、指定された一致する情報(またはエラー表示)が応答メッセージで返される。
【0032】
コンテンツ情報サービス(CIS)は、ストレージおよび配信エンジンである。CISは、エンターテイメントおよび広告資産についてのメタデータを格納して、メタデータが修正されると登録されたクライアントに通知を提供して、他のCISサービスからの受信および処理通知を登録して、リアルタイムのメタデータ・クエリをサポートする。CISは、広告マネージャ(ADM)および/または広告決定サービス(ADS)が、それらの高度な広告決定を処理する際にコンテンツ・メタデータを検索して利用することを可能にする。
【0033】
配置機会情報サービス(POIS)は、配置機会の記述を保持、維持、および保存することができる。POISは、配置機会が存在するコンテンツの配置機会、プラットフォーム・コンプライアンス、権利、およびポリシーごとに属性および制限も含むことができる。これらの配置機会はコンテンツ特有であり、したがって属性および制約は、ネットワーク、地理的領域、または他のコンテンツ配信範囲によって異なる場合がある。
【0034】
POISは、配置機会(PO)ストレージおよび在庫実行エンジンである。POISは、メタデータおよび統計を格納して、POメタデータが修正されると登録されたクライアントに通知を提供して、他のPOISサービスからの受信および処理通知を登録して、リアルタイムのPOメタデータ・クエリをサポートする。POISアプライアンスを通じて、広告マネージャ(ADM)および/または広告決定サービス(ADS)は、それらの高度な広告決定を行う際に配置機会のメタデータを検索および利用することができる。
【0035】
加入者情報サービス(SIS)は、広告配置決定に関連する加入者ごとの情報を管理する。SISは、MACアドレス、シリアル番号などの、加入者またはクライアント識別子と、加入者の年齢、性別、位置などの加入者または視聴者属性との間にマッピングを提供する。
【0036】
図2は、本発明の実施形態による、信号ストリーム内の広告配置決定を加速するためのシステムのためのシステム200の構成を示している。システム200は、クライアント・デバイス214a〜214nと通信可能に接続されている1つまたは複数のネットワーク(図示せず)によって相互接続されているサーバ212上で実行され得る。クライアント・デバイス214a〜214nは、サーバ212およびCDN226の制御下で、対応するADS228a〜228nに配信するために、対応するキャッシュ216a〜216nに/またはそこから、あらかじめ定められた数の広告を格納および検索するように構成されている。
【0037】
サーバ212は、アップストリーム・デバイス222から1つまたは複数のソース信号ストリーム(たとえば、デジタル・ビデオ、オーディオなど)を、およびトランスコーダ224内に組み込まれ得る1つまたは複数のオブザーバ234から対応するqトーン(すなわち、SCTE−35パケットのインスタンス)を受信するためにCIS218を実装するように構成されている。また、トランスコーダ224は、上述のように、あらかじめ定められた「チャンク」内のIPビデオ、オーディオ等をCDN226に配信するように構成されている。
【0038】
また、CIS218は、1つまたは複数のソース信号ストリームから、およびこれらの事前に割り当てられた対応する数の未確認配置機会から、信号なしにメタデータを抽出して、ソース信号ストリームを、事前に作成されているが未確認の複数の配置機会に結合するように構成されている。抽出されたメタデータの一部は、対応するソース信号ストリームに関連付けられるチャネル識別子を含む。
【0039】
POIS220は、コンテンツ・ストリームと実時間の両方に関して未確認配置機会の時間的開始位置を識別することによって、未確認配置機会を「確認」するように構成されている。POISは、POを、確認されたPO、およびエンド・ツー・エンドの運用システム内のその開始位置として一意に識別する信号識別子すなわち信号IDと呼ばれるグローバルな一意の値、UUIDを返すように構成されている。次いで、POIS220は、信号IDおよびチャネル識別子を、適切な帯域内キャリッジ・フォーマットを使用して、ソース信号ストリームの他の抽出されたメタデータに挿入する。
【0040】
並行して、POIS220は、確認された信号が確認された配置機会のセットを生成して、トリガ・データとして信号IDを有する先読み決定トリガを起動するワークフローを開始するように構成されている。先読み決定トリガ受信者は、SCTE130広告管理サービス222のインスタンス、すなわちサーバ212に関連付けられているADM222である。ADM222は、時間が終了する前に、チャネル識別子を有するいくつかの受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別するように構成されている。リストを識別するために、ADM222は、外部のセッション・マネージャ234とSIS236のそれぞれに呼を発信する。ADM222がセッション・マネージャ234にチャネル識別子を送信して、セッション・マネージャ234が、チャネル識別子に対応するチャネルを現在閲覧している受信者の数を示すクライアント識別子のリストをADM222に提供する。ADM222は、クライアント識別子のリスト、およびチャネル識別子を、クライアント識別子およびチャネル識別子に関連する視聴有資格者のセットのリストをADM222に提供するSIS236に送信する。クライアント識別子およびチャネル識別子に関連する視聴有資格者のセットのこのリストは、加入者によって現在「視聴されている」同じチャネル識別子を有する受信者信号ストリームのリストを表し、リスト内の各加入者は、一定の視聴者属性のセット(たとえば、21歳以上のすべての男性)を有する。また、ADM222は、1つまたは複数のADS228a〜228nから、クライアント識別子およびチャネル識別子に関連する視聴有資格者のリストセットに対応する複数のターゲット広告を取得するように構成されている。ADM222は、複数の受信者信号ストリームを表すリストをターゲットにした複数の広告をADS228a〜228nから受信する。
【0041】
ADMは、広告決定要求の一意のセットを開始するために、信号IDに加えて、ローカルに構成または学習されたターゲット基準のセットを使用する。広告決定要求は、適切な意思決定権者へのターゲット広告決定要求に発展して、その結果は、信号確認の結果として生成された配置機会に相関する配置決定のセットである。
【0042】
また、ADM222は、対応する1つまたは複数のADS228a〜228nに関連付けられる対応するクライアント214a〜214nの制御下の1つまたは複数のキャッシュ228a〜228nに、取得したターゲット広告のリストを格納するように構成されている。ADM222は、一意の信号IDをターゲット広告のそれぞれと関連付けて、ターゲット広告を1つまたは複数のキャッシュ228a〜228nに格納する。1つまたは複数のキャッシュ228a〜228nに格納されるべき広告が数千から数百万ある場合があるので、ある実施形態では、ADM222が、qトーンの受信と、対応する広告信号ポイントの到着との間の時間間隔を、あらかじめ定められた数のサブ時間間隔に分割して、信号ストリームをあらかじめ定められた数のサブ信号ストリームに分割するように構成されている。
【0043】
クライアント214a〜214nは、それぞれのあらかじめ定められた数のサブ時間間隔にわたって、ADS228a〜228nによってあらかじめ定められた数のサブ信号ストリームに配信するためのあらかじめ定められた数の広告を検索するように構成されている。次に、CDN226が、あらかじめ定められた数のサブ時間間隔にわたって最終的にスマート・デバイス(SD)230a〜230nに配信するために、あらかじめ定められた数の広告をサブ信号ストリームの対応する配置機会に挿入する。このように、広告を求める数万から数百万の要求は、実質的に同時にADS228a〜228nを溢れさせない。
【0044】
図3は、本発明の実施形態による、サーバ212の観点からの、データ・ストリーム内の広告配置決定を加速するための方法300の一実施形態を示す流れ図である。ブロック305で、サーバ212に関連付けられるCIS218が、アップストリーム・デバイス222からチャネル識別子を有するソース信号ストリームを(たとえば、MPEG−2フォーマットで)受信する。
【0045】
ソース信号ストリームのための特定のベンダ・フォーマット(たとえば、TBS)に関連付けられるトランスコーダ224が、信号ストリームを受信して、信号ストリームをIPビデオに変換する。処理において、トランスコーダ224に含まれ得るオブザーバ232が、SCTE−35qトーンの存在を通知する。一実施形態では、広告配置機会が信号ストリーム内に位置するという表示は、qトーンを示すSCTE−35パケットのインスタンスである。また、qトーンは、広告配置機会が信号ストリーム内の、信号ストリーム内の広告信号ポイントの前の時間間隔に位置しているという表示を提供する。次いで、トランスコーダ224のオブザーバ232が、特定のチャネルIDについてのqトーンが観測されたことをCIS218に通知するために、CIS218へのウェブ・コールを発信する。
【0046】
SCTE−35パケットの到着は、特定のチャネルID(たとえば、TBS)についてのいくつかの理論的配置機会(PO)を示している。各未確認POは、信号ポイントとして知られる推定された開始位置を有する。信号ポイントは確認される必要がある。実際の広告挿入開始位置がリアルタイムで検出されると、POIS220におけるソフトウェア処理が信号ポイントの実際の時間を確認する。この確認された信号ポイントが、現在広告挿入の準備ができている確認されたPOの生成をもたらす。
【0047】
CIS218が理論的配置機会を受信すると、CIS218は、対応する数の未確認配置機会を信号なしに事前に割り当てて、ソース信号ストリームを、事前に作成されているが未確認の複数の配置機会に結合するように構成されている。ソース信号ストリームを、事前に作成されているが未確認の複数の配置機会に結合するステップは、CIS218がソース信号ストリームからチャネル識別子を含むメタデータを抽出するステップを含む。本明細書で使用されるように、「結合する(binding)」という用語は、PO内の信号およびコンテンツの識別を指す。POは、まだ公開されていない広範な量のコンテンツ(すなわち、夕方のTNTネットワーク上の任意のショー)のために頻繁に作成される。
【0048】
ショーが「放送」されて、ソース信号ストリームが検出されると、ソース信号ストリームは、そのショーの関連するPOに結合される。
【0049】
確認されたPOが生成されると、POを生成した同じ信号ポイント識別子が、サーバ212に関連付けられるADM222におけるリスニング広告決定解決処理によって転送およびキャプチャされる。この信号ポイント転送は、ソフトウェア処理のシーケンスを開始する、先読み配置決定トリガ(または、略して決定トリガ)と呼ばれる。CDN226によってコンテンツが取得されるので、CDN226がPOIS220に通知して、POIS220が、ソース信号ストリームと実時間の両方に関連する配置機会の時間的開始位置を「確認」する。POIS220は、POを、確認されたPO、およびエンド・ツー・エンドの運用システム内のその開始位置として一意に識別する信号識別子すなわち信号IDと呼ばれるグローバルな一意の値、UUIDを返す。次いで、POIS220は、信号IDおよびチャネル識別子を、適切な帯域内キャリッジ・フォーマットを使用して、ソース信号ストリームの他の抽出されたメタデータに挿入する。
【0050】
並行して、POIS220は、POISが確認された配置機会のセットをソース信号ストリーム内に生成して、トリガ・データとして信号IDを有する先読み決定トリガを起動するワークフローを開始する。先読み決定トリガ受信者は、SCTE130広告管理サービスのインスタンス、すなわちサーバ212に関連付けられているADM222である。
【0051】
ブロック310で、サーバ212のADM222が、時間が終了する前に、チャネル識別子を有するいくつかの受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性を識別する。チャネル識別子を有する複数の受信者信号ストリームを表すリスト、および少なくとも1つの視聴者属性が、確認された配置機会の数に対応する。リストを識別するために、ADM222は、外部のセッション・マネージャ234と外部のSIS236のそれぞれに呼を発信する。ADM222がセッション・マネージャ234にチャネル識別子を送信して、セッション・マネージャ234が、チャネル識別子に対応するチャネルを現在閲覧している受信者の数を示すクライアント識別子のリストをADM222に提供する。ADM222は、クライアント識別子のリスト、およびチャネル識別子を、クライアント識別子およびチャネル識別子に関連する視聴有資格者のセットのリストをADM222に提供するSIS236に送信する。クライアント識別子およびチャネル識別子に関連する視聴有資格者のセットのこのリストは、スマート・デバイス230a〜230n上で加入者によって現在「視聴されている」同じチャネル識別子を有する受信者信号ストリームのリストを表し、リスト内の各加入者は、一定の視聴者属性のセット(たとえば、21歳以上のすべての男性)を有する。
【0052】
ブロック315で、サーバ212のADM222が、1つまたは複数のADS228a〜228nから、クライアント識別子およびチャネル識別子に関連する視聴有資格者のリストセットに対応する複数のターゲット広告を取得する。ADM222は、複数の受信者信号ストリームを表すリストをターゲットにした複数の広告をADS228a〜228nから受信する。
【0053】
ブロック420で、サーバ212のADM222が、取得した広告のターゲット・リストを、1つまたは複数のADS228a〜228n内の少なくとも1つのキャッシュ216a〜216nに格納する。広告のターゲット・リストを少なくとも1つのキャッシュ216a〜216nに格納する間、ADM222が一意の信号IDと広告のターゲット・リストのそれぞれを関連付ける。取得した広告のターゲット・リストを少なくとも1つのキャッシュ216a〜216nに格納するステップは、広告のターゲット・リストを、1つまたは複数のクライアント214a〜214nに関連付けられる少なくとも1つのJAR(すなわち、Javaアーカイブ)に送信するステップを含み得る。キャッシュ216a〜216nに格納されるべき広告が数千から数百万ある場合があるので、ある実施形態では、ADM222が、qトーンの受信から、ソース信号ストリーム内の対応する信号ポイントの予測される到着までの時間間隔を、あらかじめ定められた数のサブタイム時間間隔に分割して、受信された信号ストリームの数(すなわち、カウント)をあらかじめ定められた数のサブ信号ストリームに分割する。あらかじめ定められた数のサブ信号ストリームが、あらかじめ定められた数のサブ時間間隔にわたって、クライアント214a〜214nに関連付けられるキャッシュ216a〜216nに配信される。
【0054】
図4は、本発明の実施形態による、クライアント214a〜214nのうちの1つ観点からの、データ・ストリーム内の広告配置決定を加速するための方法400の一実施形態を示す流れ図である。ブロック405で、キャッシュ(たとえば、216a)を制御するように構成されているクライアント(たとえば、214a)が、同じチャネル識別子を有するいくつかの受信者信号ストリームの対応する信号ポイントに広告が挿入されることを求めるあらかじめ定められた数の要求をCDN226から受信する。ブロック410で、クライアントがあらかじめ定められた数の広告をキャッシュ(たとえば、216a)から検索する。ブロック415で、クライアント214aが、あらかじめ定められた数の広告を、あらかじめ定められた数の受信者信号ストリームの対応する広告信号ポイントに挿入する。あらかじめ定められた数の受信者信号ストリームの対応する広告信号ポイントに挿入されたあらかじめ定められた数の広告は、ADM222によるソース信号ストリーム内の対応する信号ポイントの識別の直後に発生する。
【0055】
図5は、本明細書に記載の方法のうちの任意の1つまたは複数を機械に実行させるための命令のセットが実行され得る、コンピュータ・システム500の例示的形式の機械の図表示を示す図である。代替実施形態では、機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネット内で、他の機械に接続(たとえば、ネットワーク化)され得る。機械は、クライアント−サーバネットワーク環境でサーバまたはクライアント・マシンの容量内で動作してもよく、ピア・ツー・ピア(または分散)ネットワーク環境でピア・マシンとして動作してもよい。機械は、パーソナル・コンピュータ(PC)、タブレットPC、セット・トップ・ボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、セルラー電話、ウェブ・アプライアンス、サーバ、ネットワーク・ルータ、スイッチまたはブリッジ、あるいはその機械によって行われるべき動作を指定する命令のセット(連続的な、またはその他の)を実行することができる任意の機械でよい。さらに、単一の機械だけが図示されているが、「機械」という用語は、本明細書に記載の方法のうちの任意の1つまたは複数を実行するために、命令のセット(または複数のセット)を個々にまたは共同で実行する機械の任意の集合を含むと解釈されるべきである。
【0056】
例示的コンピュータ・システム500は、処理装置502、メイン・メモリ504(たとえば、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、ダイナミック・ランダム・アクセスメモリ(DRAM)(シンクロナスDRAM(SDRAM)、またはラムバスDRAM(RDRAM)など))、静的メモリ506(たとえば、フラッシュ・メモリ、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)など)、およびバス530を介して相互に通信するデータ記憶装置518を含む。
【0057】
処理装置502は、マイクロプロセッサ、中央処理装置、または同等物などの、1つまたは複数の汎用処理装置を表す。より具体的には、処理装置は、複合命令セット・コンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット・コンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実装するプロセッサ、あるいは命令セットの組合せを実装するプロセッサでよい。また、処理装置502は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレー(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワーク・プロセッサ、または同等物などの、1つまたは複数の専用処理装置でもよい。処理装置502は、本明細書に記載の動作またはステップを実行するために通信可能に接続されたサーバ212またはクライアント214a〜214nを実行するように構成されている。
【0058】
コンピュータ・システム500は、ネットワーク・インターフェース・デバイス508をさらに含み得る。また、コンピュータ・システム500は、ビデオ・ディスプレイ・ユニット510(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、またはブラウン管(CRT))、英数字入力装置512(たとえば、キーボード)、カーソル制御デバイス514(たとえば、マウス)、および信号生成デバイス516(たとえば、スピーカ)も含み得る。
【0059】
データ記憶装置518は、本明細書に記載の機能の方法のうちの任意の1つまたは複数を組み入れる、1つまたは複数の命令セット522(たとえば、サーバ212またはクライアント214a〜214n)を有する機械可読記憶媒体(または、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)520を含み得る。サーバ212またはクライアント214a〜214nも、コンピュータ・システム500によってそれらを実行する間に、完全に、または少なくとも部分的に、メイン・メモリ504内に、および/または処理装置602内に常駐し得る。メイン・メモリ504および処理装置502も機械可読記憶媒体を構成する。サーバ212またはクライアント214a〜214nは、ネットワーク・インターフェース・デバイス508を介して、ネットワーク526を介してさらに送信または受信され得る。
【0060】
機械可読記憶媒体520は、デバイス・キュー・マネージャ・ロジックを永続的に格納するためにも使用され得る。機械可読記憶媒体520は、例示的実施形態に単一の媒体として示されているが、「機械可読記憶媒体」という用語は、1つまたは複数の命令セットを格納する、単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型データベース、ならびに/あるいは関連付けられるキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるべきである。また、「機械可読記憶媒体」という用語は、機械によって実行するための命令のセットを格納または符号化することができ、本発明の方法のうちの任意の1つまたは複数を機械に実行させる、任意の媒体を含むと解釈されるべきである。したがって、「機械可読記憶媒体」という用語は、これに限定されないが、ソリッド・ステート・メモリ、ならびに光および磁気媒体を含むと解釈されるべきである。
【0061】
本明細書に記載のコンポーネントおよび他の特徴は、個別のハードウェア・コンポーネントとして実装されてもよく、ASIC、FPGA、DSP、または同様のデバイスなどのハードウェア・コンポーネントの機能に統合されてもよい。さらに、これらのコンポーネントは、ハードウェア・デバイス内のファームウェアまたは機能回路として実装され得る。さらに、これらのコンポーネントは、ハードウェア・デバイスとソフトウェア・コンポーネントの任意の組合せで実装され得る。
【0062】
詳細な説明の一部は、コンピュータ・メモリ内のデータ・ビットに対する操作のアルゴリズムおよび記号表現に関して提示されている。これらのアルゴリズム記述および表現は、彼らの仕事の本質を最も効果的に他の当業者に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。本明細書では、そして一般的に、アルゴリズムは所望の結果につながるステップの自己矛盾のないシーケンスであると考えられる。ステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、格納、転送、結合、比較、および他の操作が可能な電気信号または磁気信号の形を取る。主に共通使用の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数字、または同等物等と呼ぶことが時には便利であることが証明されている。
【0063】
しかしながら、これらおよび類似の用語のすべては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことに留意されたい。特に指定のない限り、上記の説明から明らかなように、本明細書を通じて、「可能にする(enabling)」、「送信する(transmitting)」、「要求する(requesting)」、「識別する(identifying)」、「照会する(querying)」、「検索する(retrieving)」、「転送する(forwarding)」、「決定する(determining)」、「パスする(passing)」、「処理する(processing)」、「不可能にする(disabling)」などの用語を用いる説明は、コンピュータ・システム、またはコンピュータ・システムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作して、コンピュータ・システム・メモリまたはレジスタ、または他のそのような情報ストレージデバイス、送信デバイス、あるいはディスプレイ・デバイスデバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する類似の電子コンピューティング・デバイスの動作および処理を指すことが理解される。
【0064】
本発明の実施形態は、本明細書の動作を実行するための装置にも関する。この装置は、必要な目的のために特に構成されてもよく、コンピュータに格納されたコンピュータ・プログラムによって選択的に起動された、または再構成された、汎用コンピュータを備えてもよい。そのようなコンピュータ・プログラムは、これに限定されないが、フロッピー・ディスク、光ディスク、CD−ROM、および光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光カード、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)記憶デバイス(たとえば、USBキー・デバイス)を含むフラッシュ・メモリ・デバイス、あるいは、電子命令の格納に適した任意のタイプの媒体などのコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよく、それぞれがコンピュータ・システム・バスに結合され得る。
【0065】
本明細書で提示されるアルゴリズムおよびディスプレイは、本質的に任意の特定のコンピュータまたは他の装置に関連するものではない。様々な汎用システムが本明細書の教示によるプログラムとともに使用されてもよく、必要な方法ステップを実行するために、より特化した装置を構成することが便利であることを、様々な汎用システムが証明してもよい。これらの様々なシステムに必要な構成は、上記の説明から明らかであろう。さらに、本発明は特定のプログラミング言語を参照して説明されていない。本明細書に記載の本発明の教示を実装するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解されるであろう。
【0066】
なお、上記の説明は例示であることを意図しており、限定的ではないことが理解されるべきである。上記の説明を読んで理解すれば、他の多くの実施形態は当業者には明らかであろう。本発明を、特定の例示的実施形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内で修正および変更して実施されうることが認識されるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で解釈されるべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が与えられる等価物の全範囲ととともに決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】