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特表2015-521696エナメル被覆した貯蔵タンク及びサイロの建設方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-521696(P2015-521696A)
(43)【公表日】2015年7月30日
(54)【発明の名称】エナメル被覆した貯蔵タンク及びサイロの建設方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 7/06 20060101AFI20150703BHJP
   B65D 88/06 20060101ALI20150703BHJP
【FI】
   E04H7/06 301Z
   B65D88/06 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-516386(P2015-516386)
(86)(22)【出願日】2013年6月19日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】BE2013000032
(87)【国際公開番号】WO2014008558
(87)【国際公開日】20140116
(31)【優先権主張番号】2012/0424
(32)【優先日】2012年6月21日
(33)【優先権主張国】BE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】500587539
【氏名又は名称】ポリビジョン,ナームローゼ フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(74)【代理人】
【識別番号】100074192
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】バン デ ブローク ウォウト ベルト
【テーマコード(参考)】
3E070
【Fターム(参考)】
3E070AA21
3E070AB02
3E070AB03
3E070AB10
3E070BA02
3E070BA10
3E070DA01
(57)【要約】
【解決手段】
エナメル被覆された貯蔵タンク及びサイロの建設方法。エナメル被覆された貯蔵タンク及びサイロを建設する方法であって、該貯蔵タンクは、エナメル被覆の施されていない厚壁の鋼鉄で出来た複数の断片を建設現場で溶接により一緒に固着することによって構成された後、該貯蔵タンクの内側面と外側面が、両面エナメル被覆された可撓性を有する薄壁鋼板とクラッディングされ、エナメル処理の温度が少なくとも500℃である、方法。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エナメル被覆された貯蔵タンク及びサイロを建設する方法であって、該貯蔵タンクは、エナメル被覆の施されていない厚壁の鋼鉄で出来た複数の断片を建設現場で溶接により一緒に固着することによって構成された後、該貯蔵タンクの内側面と外側面が、両面エナメル被覆された可撓性を有する薄壁鋼板とクラッディングされ、エナメル処理の温度が少なくとも500℃である、方法。
【請求項2】
一緒に固着されたエナメル被覆の施されていない鋼鉄で出来た複数の断片が、両面エナメル被覆された可撓性を有する鋼板とクラッディングされる前に、表面を滑らかに研削されて砂吹き機で磨かれること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記両面エナメル被覆された可撓性を有する薄壁鋼板が、例えばポリウレタンを主成分とする二液型接着剤のような十分な接着力を発揮する適切な接着剤によって、一緒に固着されたエナメル被覆の施されていない鋼鉄で出来た複数の断片に接着されること、を特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記両面エナメル被覆された可撓性を有する鋼板が、複数の水平の細長片、複数の垂直の細長片、又は複数の長い螺旋状の細長片の形態で固着されること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の水平の細長片、複数の垂直の細長片、又は複数の長い螺旋状の細長片が、一緒に接合される2つの細長片の全面に亘って接着されるエナメル被覆の薄い鋼鉄で出来た1つの水平の細長片、垂直の細長片、又は長い螺旋状の細長片によって、或いは、市場で入手可能で適用するのに適した、注入器を用いて適用可能なシリコン系シーラントで該複数の水平の細長片、複数の垂直の細長片、複数の長い螺旋状の細長片の間の接合部を密閉することによって、複数の水平の細長片、複数の垂直の細長片、若しくは複数の長い螺旋状の細長片が互いに結合される、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
もし前記の可撓性を有する両面エナメル被覆の薄い鋼鉄で出来た長い螺旋状の細長片が該長い細長片の下方部と部分的に重なる場合には、その重なり部分が該細長片の下方部に接着され、それによって、該薄い鋼板を連続して巻いた間に生じる接合部を密封すること、を特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一巻きの薄壁鋼鉄を繰り出して、その両面をエナメル被覆した後、焼き付け釜の外部に掛けられ且つ帯状の該薄壁鋼鉄を該焼き付け釜に連続して運ぶ複数のピンチローラーによって、該焼き付け釜を通るように案内され、それによって、該エナメルの両面は、エナメル被覆の表面に損傷を与えることなく、(500℃を超える)高温で焼くことが出来ることを特徴とする、可撓性を有する両面エナメル被覆された薄い鋼鉄の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貯蔵タンク及びサイロを建設及びクラッディングする方法に関するものである
【0002】
さらに詳しく言えば、本発明は、貯蔵タンク及びサイロをエナメル被覆鋼鉄でクラッディングするものであり、しかも、それらの内側面と外側面をクラッディングするものである。
【背景技術】
【0003】
そのようなタンクは、例えば、食品産業、農業、鉱業、化学工業及び石油化学工業、生物燃料、廃棄物処理、浄水、淡水化処理を扱う産業への適用に役立つものである。
【0004】
エナメル被覆の鋼鉄は貯蔵タンクの建設に用いることが出来、それによれば、そのタンクの内側面と外側面の両方がエナメル被覆の表面を呈するものであることが知られている。該エナメル被覆鋼鉄は、該タンクの外側面では塗装を施す必要がなく、また、該タンクの内側面では、その中に貯蔵されることが想定可能なほとんど全ての物質に対して耐性のある不活性な表面を備えている。
【0005】
従来から、そのような貯蔵タンクは、工事現場でボルトと一緒にねじ締めするか、又は、工事現場若しくは建設用施設で一緒に溶接する、ことによって固定される、組み立て式工法によるエナメル被覆鋼鉄の厚壁湾曲鋼鉄の複数の断片によって構成されている。
【0006】
従来から、両面がエナメル被覆の鋼鉄の厚壁湾曲鋼鉄の2つの断片をリベットで止める方法は、一緒に締付けて留めるべき2つの断片を貫通してそれらを保持する複列のボルトとナットによるものである。
【0007】
この従来の方法による不利な点は、全ての断片が、予めエナメル被覆された厚壁の鋼鉄から成るため、これらの断片は、エナメル被覆されていない金属の断片よりも費用が掛かることである。
【0008】
この従来の方法によるさらなる不利な点は、該貯蔵タンクの内側面と外側面の、一対の断片の接合箇所の水平面に凸凹若しくは継ぎ目の段が出来てしまい、そのことが、内側面のクラッディングの滑らかさが損なわれる悪影響を与え、該エナメル被覆の鋼鉄の端を、該タンクに貯蔵された物質に触れさせることになってしまう。
【0009】
ボルトによって互いに締め付け固定される断片の場合は、互いにねじ留めされる箇所が、貯蔵された物質の圧力及び重量に対して、潜在的に耐性が弱くなり、そのことによって、貯蔵タンクの高さや直径が制限されるものである。
【0010】
この従来の方法によるエナメル被覆の貯蔵タンクの建設方法のさらなる不利な点は、前記複数の断片を、予め、しかも、しばしばそれらの両面をエナメル被覆しておかなければならず、そのことは、これらの断片の大きさや重量の故に高価なバッチ処理となってしまうことである。
【0011】
さらに、熱間圧延したエナメル被覆の厚壁鋼鉄は、冷間圧延したエナメル被覆の薄肉鋼鉄ほどは、開気口や魚の鱗には適さないが、このことは、サイロやタンクの内側面と外側面の両方のクラッディングの質にとって重要である。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、上記又は他の不利な点についての解決を与えることにあり、それはエナメル被覆された貯蔵タンク及びサイロの建設を可能にする方法を供給することによるものであって、それによれば、該貯蔵タンクは、エナメル被覆の施されていない厚壁の鋼鉄で出来た複数の断片を建設現場で溶接により一緒に固着したものによって構成された後、該貯蔵タンクの内側面と外側面が、両面エナメル被覆された可撓性の薄壁鋼板とクラッディングされるものである。
【0013】
この方法の有利な点は、貯蔵タンクを安価なエナメル被覆されていない厚壁鋼鉄で建設することを可能にすることであって、そして、この厚壁の鋼鉄が、その本来の場所で、該エナメル被覆されていない厚壁の鋼鉄に接着によって固着することが可能な両面エナメル被覆された薄壁の可撓性鋼鉄と、クラッディングされ、それによって、耐久性や不活性等のエナメル被覆面について知られている有利な効果が、従来よりも遥かに安価なコストで、貯蔵タンクにおいて得られることである。
【0014】
このように、より安価なコストで実現できるのは、一つには、本発明による一巻きの薄壁鋼鉄にエナメル被覆を施すためのより安価な製造方法によるものである。この製造方法によって、約150mの長さの薄壁鋼鉄の細長片にエナメル被覆を施すことが可能になり、それによって、切れ目のないエナメル被覆面を実現するものである。
【0015】
現在の技術水準によれば、厚い鋼鉄の断片が最初にバッチ処理工程においてその両面にエナメル被覆が施され、各々の重い断片は、該鋼鉄に設けられた小孔によって焼き付け釜の中で吊るされ、該エナメル被覆面はこれらの中吊り箇所によって妨げられる。
【0016】
現在の技術水準によれば、より高価な予めエナメル被覆した厚い鋼鉄の断片を依然として建設現場に輸送し、そこで一緒に固着しなければならない。
【0017】
本発明による方法の一つの優れた点は、安価な未処理の鋼鉄の複数の断片は、その本来の場所で組み立てることが出来、そして、表面処理の後、現在の技術水準による貯蔵タンクと表面特性が同じレベルの特性を実現する両面エナメル被覆の薄い鋼鉄細長片を接着するのに適していることである。
【0018】
エナメル被覆されていない厚壁鋼鉄の複数の断片は溶接によって一緒に固着するのが望ましい。
【0019】
そのような一緒に固着された複数の断片の優れた点は、それらが互いに重なり合わず、砂吹き機で磨くことによって滑らかに研削することが出来、その後、1枚の両面エナメル被覆による薄い鋼鉄をそれらに接着するのに適していて、その内側面と外画面に滑らかな面を実現することが出来ることである。
【0020】
接着のためには、ポリウレタンを主成分とする二液型接着剤又はその他の適切な接着剤を使用してよい。
【0021】
前記両面エナメル被覆の可撓性鋼板は、互いに接合された複数の細長片端部の全域に亘って接着されるエナメル被覆された薄い鋼鉄で出来た1つの水平の細長片、垂直の細長片、若しくは長い螺旋状の細長片によって、又は、市場で入手可能で適用するのに適した、注入器を用いて適用可能なシリコン系シーラントによって、互いに接合することが可能な複数の水平の細長片、垂直の細長片、若しくは長い螺旋状の細長片の形態で固着されるのが望ましい。
【0022】
本発明による別の優れた点は、サイロやタンクを従来よりもより大きなサイズにすることが可能なことである。
【0023】
本発明は、さらに、一巻きの薄壁鋼鉄を繰り広げ、その両面をエナメル被覆した後、焼き付け釜の外部に掛けられ且つ帯状の該薄壁鋼を該焼き付け釜に連続して運ぶ複数のピンチローラーによって、該焼き付け釜を通るように案内され、該エナメルの両面は、エナメル被覆の表面に損傷を与えることなく、(500℃を超える)高温で焼くことが出来ることを特徴とする、可撓性の薄い両面エナメル被覆された鋼鉄の製造方法にも関するものでもある。
【0024】
薄い鋼鉄をエナメル被覆するためのこの連続して行う方法の優れた点は、約150mまでの長さの細長片を、その工程の初めから終わりまで単一の通路でエナメル被覆することが出来ることであり、そのことが低コストでの製造を可能にするのである。
【0025】
この連続的にエナメル被覆する方法の別の優れた点は、そのエナメル被覆された鋼鉄が、例えば貯蔵タンクの内側面又は外側面に螺旋状の細長片のように湾曲させて用いることが可能なように十分に可撓性を維持していることである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来技術によって両面をエナメル被覆した厚壁の鋼鉄を2つ重ね合わせてねじ留めした箇所の断面を模式的に示す。
図2】従来技術によって互いにねじ留めした、円形貯蔵タンクの3つの断片を示す。
図3】本発明による、互いに溶接した2つの厚壁鋼鉄の断片、及び該断片の内側面と外側面に、両面エナメル被覆の薄い可撓性鋼鉄板で施したクラッディング、の断面図を示す。
図4】本発明による、互いに溶接された湾曲断片と、両面エナメル被覆の薄い可撓性鋼鉄板によって内側面と外側面に施したクラッディングと、から成る環状の貯蔵タンクの一部についての斜視図である。
図5】本発明による、厚壁鋼鉄の複数の環状部材と、両面エナメル被覆の薄い可撓性鋼鉄製の鉛直方向の細長片で外側面に施したクラッディングと、によって構成された貯蔵タンクの斜視図を模式的に示す。
図6】本発明による図5と基本的には同じであるが、ここでは両面エナメル被覆の薄い可撓性鋼鉄製の螺旋状細長片によるクラッディングが施されている。
図7】本発明による両面エナメル被覆の薄い鋼鉄用の連続的エナメル被覆工程の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の特徴をより良く示すために、本発明によってタンク及びサイロを建設しクラッディングをする方法、並びに本発明による製造方法についての幾つかの望ましい実施例を、図面に言及しながら、いかなる限定の意図もなく、一例としてこれ以降に説明する。
【0028】
図1は、現在の技術水準が適用された、2つの螺子とボルトによって保持されている厚い鋼鉄製の2つの両面エナメル被覆断片の2箇所の重なり部分の間の断面を示していて、両断片は、エナメル被覆6を両面に備えている。
【0029】
図2は、現在の技術水準によって知られるような、スクリュー4とボルト5によって螺子締めされ、貯蔵タンク9の一部を構成するリング8の一部を構成する3つの湾曲断片を示している。
【0030】
図3は、溶接ジョイント13によって互いに溶接された、エナメル被覆されていない2つの厚い鋼鉄3で出来た断片14,15の断面を示し、該断片は、その内側面と外側面で、該厚い鋼鉄3に接着される両面エナメル被覆された可撓性を有する薄い鋼鉄11と、クラッディングされる。
【0031】
図4は、エナメル被覆されていない厚い鋼鉄3の溶接された断片14,15,16から成る貯蔵タンクの円形断片の一部を示し、該貯蔵タンクの内側面と外側面は、該厚い鋼鉄に接着される両面エナメル被覆の可撓性を有する薄い鋼鉄11とクラッディングされる。
【0032】
図5は、エナメル被覆されていない薄い鋼鉄3で出来た円形断片12から構成された貯蔵タンク9を示し、該貯蔵タンク9は、両面エナメル被覆された薄い鋼鉄11で出来た垂直細長片17,18,19とクラッディングされ、2つの垂直細長片18と19の接合部は、該接合部の全域に亘って前記両面エナメル被覆された薄い鋼鉄11で出来た幅の狭い細長片を接着して覆うか、又は、該接合部は、市場で入手可能で適用するのに適した、注入器を用いて適用可能なシリコン系シーラントで密閉する。エナメル被覆された薄い鋼鉄11で出来た垂直細長片17,18,19とのクラッディングは、貯蔵タンク9の内側面と外側面で行う。
【0033】
図6は、エナメル被覆されていない厚い鋼鉄3で出来た円形断片12から構成された貯蔵タンク9を示し、該貯蔵タンクは、両面エナメル被覆された薄い鋼鉄11で出来た1つの螺旋状細長片20とクラッディングされ、可撓性を有する両面エナメル被覆された薄い鋼鉄11で出来た長い螺旋形細長片20は、その長い細長片20の下方部と部分的に重なり、該重なり部分は該細長片の下方部に接着され、そのことによって、2つの水平な細長片をまたがって該エナメル被覆の薄い鋼鉄板11を連続して巻いた間に生じる接合部を密閉する。この、エナメル被覆された鋼鉄で出来た螺旋状細長片20とのクラッディングは、貯蔵タンクの内側面と外側面で行う。
【0034】
図7は、両面エナメル被覆による薄い可撓性鋼鉄11を製造するための連続エナメル被覆工程を示し、可撓性を有する薄い鋼鉄がロール21から繰り出され、焼き付け釜24の入口の前と出口の後に配置した2組の2つのピンチローラー22,23によって運ばれ、両面にエナメル被覆を施した後、前記鋼鉄は、該焼き付け釜の中で自由な状態で吊るされながら、500℃を超える温度で両面にエナメル被覆されるので、支持部材との接触によって両面のエナメル面に割れ目が発生するようなことはない。
【0035】
この連続エナメル被覆工程の有利な点は、薄い金属バンドの連続通路が可撓性を備え、前記焼き付け釜の中で高温の影響下で幾分湾曲するが、該バンドは完全な状態で維持され損傷を受けることがないので、該薄い鋼鉄の両面に割れ目のないエナメル被覆が得られる。
【0036】
エナメル被覆による貯蔵タンク9の構成方法は次のように非常にシンプルである。該貯蔵タンク9は、エナメル被覆されていない厚い鋼鉄の湾曲断片による該タンクの円形断片を互いに溶接して組み立て、その後、これらの円形断片を積み重ね、互いに溶接して貯蔵タンクを形成する。
【0037】
そのエナメル被覆されていない厚い鋼鉄は、その後、そのエナメル被覆されていない鋼鉄に複数の細長片の状態で接着される薄い両面エナメル被覆の鋼鉄の層に、クラッディングされる。これらの細長片は、ポリウレタンを主成分とする二液型接着剤のような適切な接着剤によって該タンクの内側面と外側面に僅かに傾斜させて固着させた複数の垂直の細長片、複数の水平の細長片又は複数の長い螺旋状細長片にしても良い。
【0038】
その後、両面エナメル被覆の薄い鋼鉄で出来た隣り合う細長片の間の接合部を、両面エナメル被覆の鋼鉄の1つの薄い細長片を接合部の全体に亘って接着によって張り付けることによって、又は、市場で入手可能で適用するのに適した、注入器を用いて適用可能なシリコン系シーラントで該接合部を塞ぐことによって、密閉する。
【0039】
この方法の様々なバリエーションも用いることが可能であることは言うまでもない。本発明は、明細書や図面に記載した実施例に限定されるものでは決してなく、そのようなエナメル被覆による貯蔵タンクを実現するための本発明による方法は、本発明の範囲から離れることなく、全ての種類のバリエーションで実現することが出来る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】