特表2015-523162(P2015-523162A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-523162(P2015-523162A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(54)【発明の名称】カスタム・プロシージャ・キット
(51)【国際特許分類】
   A61B 19/02 20060101AFI20150717BHJP
【FI】
   A61B19/02 505
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-523109(P2015-523109)
(86)(22)【出願日】2013年7月2日
(85)【翻訳文提出日】2014年4月21日
(86)【国際出願番号】US2013049091
(87)【国際公開番号】WO2014014658
(87)【国際公開日】20140123
(31)【優先権主張番号】13/552,741
(32)【優先日】2012年7月19日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】514100773
【氏名又は名称】メドライン インダストリーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】アドラー,デボラ
(72)【発明者】
【氏名】ハインズ,キム
(57)【要約】
カスタム・プロシージャ・キットが提供される。カスタム・プロシージャ・キットは、複数のメディカル・プロシージャ・ツールと、ラップされたツールを形成するために、複数のメディカル・プロシージャ・ツールの周りにラップされるカバーと、を備える。外容器が、ラップされたツールの全周に配置され、少なくとも1つのシートが、外容器とラップされたツールとの間に配置される。シートは、複数のメディカル・プロシージャ・ツールのリストと、複数のメディカル・プロシージャ・ツールのうち少なくとも1つに関するエンドユーザが選択可能な未選択のフィールドとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメディカル・プロシージャ・ツール;
ラップされたツールを形成するために、前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールの周りにラップされるカバー;
前記ラップされたツールの全周に配置された外容器;及び
前記外容器と前記ラップされたツールとの間に配置された少なくとも1つのシートであって、前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールのリストと、前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールのうち少なくとも1つに関するエンドユーザが選択可能な未選択のフィールドとを含む少なくとも1つのシート;
を備えた、キット。
【請求項2】
前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールは、特定のジャンルのメディカル・プロシージャに特に関連する、請求項1記載のキット。
【請求項3】
前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールは、
手術室のタオルと、
ガウンと、
ドレープと、
吸込チューブと、
吸引チップと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載のキット。
【請求項4】
前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールは、
プラスチック製容器と、
注射器と、
ニードルと、
外科器具と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項3記載のキット。
【請求項5】
前記カバーは、患者サポート表面カバーを含む、請求項1記載のキット。
【請求項6】
前記患者サポート表面カバーの少なくとも一面は、滅菌されている、請求項5記載のキット。
【請求項7】
前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールのうち少なくとも1つは、滅菌されている、請求項6記載のキット。
【請求項8】
前記外容器は、少なくとも実質的に透明である少なくとも一部分を有し、前記シートは、少なくとも実質的に透明である前記少なくとも一部分を介して目に見えるように配置される、請求項1記載のキット。
【請求項9】
前記外容器は、プラスチック製シートから構成される、請求項8記載のキット。
【請求項10】
前記外容器は、前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールが特に関連する特定のジャンルのメディカル・プロシージャを示す色を含む、請求項1記載のキット。
【請求項11】
前記外容器は、前記特定のジャンルのメディカル・プロシージャをさらに示すためのテキストをさらに含む、請求項10記載のキット。
【請求項12】
前記シートは、前記色に合致する色を含む、請求項10記載のキット。
【請求項13】
前記外容器及び前記シートのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのマーカを含み、前記マーカは、前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールが特に関連する特定のジャンルのメディカル・プロシージャを示す色を含む、請求項1記載のキット。
【請求項14】
前記外容器及び前記シートのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのマーカを含み、前記マーカは、前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールの少なくとも1つのバリア保護レベルを示す色を含む、請求項1記載のキット。
【請求項15】
前記外容器は、手でつかめる取っ手を含む、請求項1記載のキット。
【請求項16】
前記外容器は、腕を受け入れるスリーブを含む、請求項1記載のキット。
【請求項17】
前記腕を受け入れるスリーブは、前記スリーブを介して形成される手でつかめる取っ手を有する、請求項16記載のキット。
【請求項18】
前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールの前記リストは、前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールの各々ごとに、前記エンドユーザが選択可能な未選択のフィールドを含む、請求項1記載のキット。
【請求項19】
前記エンドユーザが選択可能な未選択のフィールドは、未チェックのチェックボックスを含む、請求項1記載のキット。
【請求項20】
前記シートは、前記エンドユーザが選択可能な未選択のフィールドの目的を識別するためのテキストをさらに含む、請求項1記載のキット。
【請求項21】
前記目的は、前記キット内の他のメディカル・プロシージャ・ツールが使用されたメディカル・プロシージャの間に、使用されなくなった特定のメディカル・プロシージャ・ツールを識別することである、請求項20記載のキット。
【請求項22】
前記シートは、前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールの少なくとも1つの使用に関する少なくとも1つの注意書きについての、色ベースのキャプションをさらに含み、前記色ベースのキャプションに対応する色は、リストされたメディカル・プロシージャ・ツールのうち対応するメディカル・プロシージャ・ツールを強調表示する、請求項1記載のキット。
【請求項23】
前記注意書きは、ラテックスが存在することを含む、請求項22記載のキット。
【請求項24】
前記リストは、前記キット内に含まれない少なくとも1つのメディカル・プロシージャ・ツールをさらに含む、請求項1記載のキット。
【請求項25】
前記シートは、前記キット内に含まれない前記複数のメディカル・プロシージャ・ツールの少なくとも1つに関するエンドユーザが選択可能な未選択のフィールドをさらに含む、請求項24記載のキット。
【請求項26】
前記シートは、ネットワーク・アドレスを少なくとも部分的に含む光学的コードをさらに含む、請求項1記載のキット。
【請求項27】
前記ネットワーク・アドレスは、前記エンドユーザが選択可能な未選択のフィールドに対してなされたユーザの選択に関する情報を受信するための施設に対応する、請求項26記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年7月19日出願の米国特許出願第13/552741号の継続であり、当該出願の優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に盛り込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、メディカル・プロシージャにおいて使用されるカスタム・プロシージャ・キットに関する。
【背景技術】
【0003】
医師、看護師、及び外科医などの多くの医療サービス提供者は、しばしばサージカル・パック、サージカル・キット、及び/又は減菌プロシージャ・トレイと呼ばれるプロシージャ・キットを使用する。プロシージャ・キットは、特定の外科的手術に有用な、多様なツール及び/又は器具を含む。ツールは、一般に使い捨てであり、カバー、ガウン、タオル、ガーゼ、チューブ、注射器などの消耗品を含み得る。一例として、特定の病院向けの虫垂切除術用サージカル・パックは、その手術を実施するための、病院によって指定される20〜30個のツールを含み得る。虫垂切除術が予定されると、1つの虫垂切除術用サージカル・キットが倉庫から取り出され、手術室に運ばれる。外科医及び看護師は、一般に、手術の間、複数のツールのうちの少なくとも一部を使用し、手術後に、それらツールの全てを廃棄する。
【0004】
そのような多くのサージカル・パックは、顧客固有の要求に応じて、カスタマイズされ、パックされる。様々な顧客が、手術ごとに、様々なコンポーネントを必要とする場合がある。例えば、1つの病院は、分解性縫合材料を用いて創傷を縫合し得るが、別の病院は、非分解性縫合材料を好む場合がある。いくつかの製造業者は、何万個もの様々な種類のサージカル・パックを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(汎用的に提供されているものであるか、又はカスタマイズされて提供されているものであるかに関わらず)サージカル・パックに関連する1つの問題は、例えば、1つの特定の手術用のサージカル・パックが、異なる種類の手術用に誤って開けられた場合、又は、サージカル・パックが、所与のサービス提供者により何らかの理由でいつも決まって使用されないツールを含む場合、余分な廃棄物を生み出す可能性があることである。
【0006】
さらに、所定の手術用のサージカル・パックは、20〜30個のアイテムしか含まないこともあるのに対し、いくつかのサージカル・パックは、200個ものツールを含むことがある。したがって、多くのサージカル・パックは、かなり大きくかさばったものになる傾向があり、人が倉庫から手術室に1以上のサージカル・パックを運ぶ間、そのサージカル・パックを扱うのは困難となる。本出願人は、このような観点で、既存のアプローチが大幅な改善の余地を残していることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の必要性は、特に図面と併せて検討される場合において、以下の詳細な説明で記載されるカスタム・プロシージャ・キットが提供されることで、少なくとも部分的に満たされる。
【0008】
一般的に言うと、様々な実施形態が、カスタム・プロシージャ・キットを含む。本明細書において使用されるとき、「カスタム」という用語は、意図されたジャンルのメディカル・プロシージャ、プロシージャに関する所望のバリア保護レベル(barrier protection level)、並びに/又は、病院/外科センタ及び/若しくはエンドユーザの特定の嗜好といった複数の変数(variable)に基づいて、キットの中身が選択され、且つ/又は変更され得る、という事実を指す。キットは、複数のメディカル・プロシージャ・ツールと、ラップされたツールを形成するために、複数のメディカル・プロシージャ・ツールの周りにラップされるカバーと、を備える。外容器が、ラップされたツールの全周に配置され、少なくとも1つのシートが、外容器とラップされたツールとの間に配置される。シートは、複数のメディカル・プロシージャ・ツールのリストと、複数のメディカル・プロシージャ・ツールのうち少なくとも1つに関するエンドユーザが選択可能な未選択のフィールドとを含む。
【0009】
シートは、エンドユーザが選択可能な未選択のフィールドの目的を識別するためのテキストをさらに含んでもよい。1つのアプローチにより、その目的は、キット内の他のメディカル・プロシージャ・ツールが使用されたメディカル・プロシージャの間に、使用されなくなった特定のメディカル・プロシージャ・ツールを識別することである。
【0010】
キットは、所与のプロシージャ用の適切なキットの選択と、手術室へのキットの物理的運搬とを容易にする様々な特徴を含んでもよい。1つのアプローチにより、外容器及びシートのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのマーカをさらに含み、マーカは、複数のメディカル・プロシージャ・ツールが特に関連する特定のジャンルのメディカル・プロシージャを示す色を含む。別のアプローチに従うと、マーカは、キット内の複数のメディカル・プロシージャ・ツールの少なくとも1つのバリア保護レベルを示す色を含む。別のアプローチにより、外容器は、手でつかめる取っ手、及び/又は、腕を受け入れるスリーブを含む。
【0011】
これらの教示は、実際、かなり柔軟かつ拡張性があり、多様な既存のカスタム・プロシージャ・キット及び/又はサージカル・パックを利用するのに大いに役立つことができる。このようなカスタム・プロシージャ・キットはまた、特定のジャンルのメディカル・プロシージャに関する関連するメディカル・プロシージャ・ツールを含む適切なキットの選択を促進し且つ確実にするのを大いに容易にすることができる。これは、効果的にコストを低減させ、誤って開けられたキットに関連する廃棄物及び不要なツールを含むキットに関連する廃棄物を最小にすることができる。
【0012】
これらの利点及び他の利点は、以下に続く詳細な説明を深く検討することで、より明らかになり得る。図面を参照すると、これらの教示の多くと適合する種々の例示的なカスタム・プロシージャ・キットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の様々な実施形態に従って構成されたキットの概略図。
図2】本発明の様々な実施形態に従って構成されたキットの正面図。
図3】本発明の様々な実施形態に従って構成されたキットの斜視図。
図4】本発明の様々な実施形態に従って構成されたキットの正面図。
図5】本発明の様々な実施形態に従って構成されたキットの部分斜視図。
図6】本発明の様々な実施形態に従って構成されたキットの部分斜視図。
図7】本発明の様々な実施形態に従って構成されたシートの概略図。
図8】本発明の様々な実施形態に従って構成されたシートの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の様々な実施形態をより障害が少ない形で見ることを容易にするために、商業的に実現可能な実施形態において有用である又は必要である一般的ではあるがよく理解された要素は、しばしば示されていない。所定の動作及び/又はステップが、特定の発生順序で記載され又は示され得るが、当業者は、順序に関するそのような特異性は実際には必要ないことを理解するであろう。本明細書において使用される用語及び表現は、本明細書において異なる特定の意味で説明される場合を除いて、前述したような当業者によりそのような用語及び表現に与えられる通常の技術的意味を有する。
【0015】
図1図3を参照すると、1つのアプローチにより、キット100は、複数のメディカル・プロシージャ・ツール200と、ラップされたツール201を形成するために、複数のメディカル・プロシージャ・ツール200の周りにラップされるカバー300と、ラップされたツール201の全周に配置された外容器400と、外容器400とラップされたツール201との間に配置された少なくとも1つのシート500と、を含む。
【0016】
当業者により容易に理解されるように、本明細書において使用されるとき、「メディカル・プロシージャ・ツール」という用語は、メディカル・プロシージャの間において有用なアイテムを広義に指す。そのようなアイテムは、器具、衣類、及び任意の数の多岐にわたるアイテムなどのアイテムを含み得るが、これらに限定されるものではない。キット100内に含めることができるメディカル・プロシージャ・ツール200の例として、チューブ、トレイ、包帯材料、メス、注射器、ニードルおよびブレードの廃棄装置、ドレープ、クランプ、縫合器具、消毒剤、抗菌性のクリームおよびローション、マスク、手袋などが挙げられる。一般に、複数のメディカル・プロシージャ・ツール200は、手術室のタオル、ガウン、ドレープ、吸込チューブ、および吸引チップの少なくとも1つを含む。複数のメディカル・プロシージャ・ツール200はまた、しばしば、プラスチック製容器、注射器、ニードル、および外科器具の少なくとも1つを含む。
【0017】
キットは、特定のジャンルのメディカル・プロシージャ用に、且つ/又は、特定の病院/外科センタ及び/又はエンドユーザの嗜好に従って、カスタマイズされ得る。したがって、カスタマイズされるメディカル・プロシージャのジャンル、並びに/又は、病院/外科センタ及び/若しくはエンドユーザの特定の嗜好に応じて、キット100内には、上記で挙げた例以外の、又は、上記で挙げた例に加えて、さらなるメディカル・プロシージャ・ツール200を含めてもよいことが当業者には明白であろう。
【0018】
1つのアプローチにより、キット100は使い捨てである。すなわち、メディカル・プロシージャ・ツール200の各々を含むキット100内の各アイテムは、プロシージャの間に使用され、その後廃棄されることが意図されている。あるいは、キット100内の1以上のアイテムが、再利用可能であってもよい。
【0019】
1つのアプローチにより、キット100内のメディカル・プロシージャ・ツール200のうちの1以上は、キット100の製造の間に滅菌プロセスを受け、滅菌されている。例えば、一実施形態では、メディカル・プロシージャ・ツール200のいくつかは、滅菌されているが、メディカル・プロシージャ・ツール200の他のものは、滅菌されていない。他の実施形態では、キット100内のメディカル・プロシージャ・ツール200の全てが、滅菌されていてもよいし、又は、滅菌されていなくてもよい。
【0020】
図1図3を再び参照すると、ラップされたツール201を形成するために、メディカル・プロシージャ・ツール200は、カバー300によりラップされる。カバー300は、プラスチック、綿、リネン、紙、及びそれらの組合せなど、多様な種類の材料のいずれかにより形成することができる。1つのアプローチにより、カバー300は、多様な状況で医療専門家により広く使用されているようなCSR(Central Sterile Reprocessing)ラップである。
【0021】
一実施形態において、カバー300は、シールし且つ不要なデブリがキット100を汚染するのを防止するために、キット100の周りにラップされる。カバー300は、キット100を開けて露出するために、それに応じて、折り畳まれていないものとすることができる。カバー300は、様々なサイズ及び形状とすることができる。例示的な実施形態では、カバー300は、キット100を完全に包み込むように、キット100の周りをラップすることができるほど十分に大きい。別の実施形態では、カバー300は、キット100の周りを複数回完全にラップすることができるほど十分に大きい。
【0022】
いくつかの実施形態では、カバー300自体が、メディカル・プロシージャにおいて使用され得る。1つのアプローチにより、カバー300は、患者サポート表面カバー(patient support surface cover)を含む。一実施形態において、患者サポート表面カバーの少なくとも一面は、滅菌されている。例えば、一実施形態において、メディカル・プロシージャ・ツール200に面するカバー300の内側表面は、滅菌されている。
【0023】
別のアプローチにより、カバー300を使用して、キット100の中身が広げられ得る範囲にわたって表面を覆うことができる。メディカル・プロシージャ・ツール200に面するカバー300の内側表面が滅菌されている用途では、カバー300を使用して、メディカル・プロシージャの間にキット100の中身を取り出してその後使用するために、キット100の中身を置くことができる滅菌領域(sterile field)を提供することができる。
【0024】
図1図3を再び参照すると、外容器400は、ラップされたツール201の全周に配置される。図2に最良に示されるように、1つのアプローチにより、外容器400は、少なくとも実質的に透明である少なくとも一部分401を有する。ここで、シート500は、少なくとも実質的に透明である少なくとも一部分401を介して目に見えるように配置される。別のアプローチにより、外容器400は、プラスチック製シートから構成される。一実施形態において、外容器400は、ラップされたツール201の周りに密接にフィットするようなサイズに形成される。そのような場合、外容器400は、ラップされたツール201と外容器400との間のシート500の位置を固定するのを助けることができる。それにより、シート500を読みやすくすることができる。
【0025】
図1図3に示されるように、適切なキット100の識別及び選択を容易にするために、外容器400は、好ましくは、複数のメディカル・プロシージャ・ツール200が特に関連する特定のジャンルのメディカル・プロシージャを示す色402を含む。一実施形態において、例えば、外容器400の一部分が色付きのプラスチック材料を含み得るように、色402は、外容器400と統合されてもよい。図4に示されるように、別の実施形態において、外容器400は、例えば、外容器400に貼り付けられたステッカ又はラベルなどの、少なくとも1つのマーカ403を含んでもよい。ここで、マーカ403は、色402を含む。
【0026】
別のアプローチにより、色402は、例えば、サージカル・ガウン、ドレープ、又はマスクといった、キット100内における複数のメディカル・プロシージャ・ツール200の少なくとも1つのバリア保護レベルを示す。バリア保護レベルとは、体液及び感染性の材料の侵入に対して保護する、アイテムの能力を示す。バリアの有効性は、患者及びヘルスケア従事者を保護し且つ感染性の材料の伝染を防止するのを助ける際に重要なものとして認識されている。
【0027】
バリア保護レベルに関する標準を確立した1つの機関が、米国医療機器振興協会(「AAMI」)である。AAMI標準は、血液、体液、及び他の可能性のある感染性の材料への露出が生じ得る外科手術及び他のヘルスケア・プロシージャの間に、滅菌領域を維持し且つヘルスケア従事者を保護する助けとなる。このAAMI標準は、ヘルスケア施設において使用されるガウン及びドレープなどの保護衣類に関する分類と、関連する最小限の要件とのシステムを、それらの液体に対するバリア性能に基づいて確立している。
【0028】
当業者により容易に理解されるように、「色」という用語は、本明細書において、赤色、青色、黄色などのカテゴリとともに、白色、黒色、灰色などの色調を有していない色を含む光のスペクトルから導出される視覚的に知覚可能な特性を指す。図における特定の色の表示は、例示の目的に過ぎない。
【0029】
さらに別のアプローチに従うと、例えば、図3に示されるように、外容器400は、キットが特に関連する特定のジャンルのメディカル・プロシージャを示すためのテキスト404をさらに含む。
【0030】
別の側面に従うと、外容器400は、倉庫から手術室へキット100を物理的に運ぶのを容易にするためのストラップ又は取っ手405を含む。図5を参照すると、一実施形態において、外容器400は、手でつかめる取っ手406を含む。図6に示されるように、別の実施形態において、外容器400は、腕を受け入れるスリーブ407を含む。さらに別の実施形態において、図3に示されるように、手でつかめる取っ手406は、腕を受け入れるスリーブ407において形成される。例えば、図3に示されるように、手でつかめる取っ手406は、図5に示されるのと同様に手でつかめる取っ手406をつかむために人が一方の手の指を置くことができる隙間のペア408a、408bを含んでもよい。一実施形態において、隙間のペア408a、408bは、対向する凹面を有して湾曲している。さらに別の実施形態において、例えば、図2に示されるように、前述の色402及び/又はテキスト404は、キットが棚に置かれた場合にそのキットを容易に識別することが可能となるように、取っ手405の少なくとも一部分に組み込まれてもよい。
【0031】
図1及び図2に示されるように、キット100は、外容器400とラップされたツール201との間に配置される少なくとも1つのシート500をさらに含む。このシート500は、紙製材料又はプラスチック製材料などの任意の適切な材料から構成することができる。1つのアプローチにより、シート500は、可撓性であり、例えば、ラップされたツール201の形状に容易に順応する。シート500のサイズは、必要に応じて変わり得る。本教示は、例えば、膨大な量のコンテンツを提供するために、2以上のシートを利用することも提供する。図7及び図8に示されるように、シート500は、キット100内に含まれる複数のメディカル・プロシージャ・ツール200のリスト501を含む。リスト501にはまた、キット100内に含まれる各種類のメディカル・プロシージャ・ツール200の数量を含めてもよい。
【0032】
例えば、図7及び図8に示されるように、1つのアプローチにより、リスト501は、リストされたメディカル・プロシージャ・ツール200の少なくとも1つに関するエンドユーザが選択可能な未選択のフィールド502を含む。一実施形態において、リスト501は、リストされたメディカル・プロシージャ・ツール200ごとに、エンドユーザが選択可能な未選択のフィールド502を含む。
【0033】
エンドユーザが選択可能な未選択のフィールド502は、エンドユーザがフィールドを選択することを可能とする任意の適切な形態をとることができる。例示的な一実施形態において、エンドユーザが選択可能な未選択のフィールド502は、未チェックのチェックボックスを含む。当業者により容易に理解されるように、本明細書において使用される「チェックボックス」という用語は、ボックスすなわち正方形に加え、例えば、円、楕円、長方形などを含む形状を広義に指す。別の実施形態において、この点でフィールド502の目的が明確な限り、エンドユーザが選択可能な未選択のフィールド502は、例えば、線又は単なるスペースを含み得る。エンドユーザが選択可能なフィールド502は、フィールドを強調表示するための、あるいは、エンドユーザの注意を引き付けるための、色又はマーカを含み得る。
【0034】
さらに別のアプローチにより、リスト501は、キット100内に含まれない少なくとも1つのメディカル・プロシージャ・ツール200をさらに含む。キット100内に含まれないがリスト501には提供される少なくとも1つのメディカル・プロシージャ・ツール200は、例えば、特定のジャンルのメディカル・プロシージャの間において、又は、特定の病院/外科センタ及び/又は特定のエンドユーザによりいつも決まって使用され得る容易に入手可能な滅菌されている又は滅菌されていないアイテムであり得る。一実施形態において、シート500は、キット100内に含まれないがリスト501において識別されるメディカル・プロシージャ・ツール200の少なくとも1つに関するエンドユーザが選択可能な未選択のフィールド502をさらに含む。別の実施形態において、リスト501は、リストされたメディカル・プロシージャ・ツール200の少なくとも1つがキット100内に含まれないことを示すインジケーションを含む。
【0035】
別の実施形態において、シート500は、エンドユーザが選択可能な未選択のフィールド502の目的を識別するためのテキストをさらに含む。1つのアプローチにより、エンドユーザが選択可能な未選択のフィールド502の目的は、キット100内の他のメディカル・プロシージャ・ツール200が使用されたメディカル・プロシージャの間に、使用されなくなった特定のメディカル・プロシージャ・ツール200を識別することである。
【0036】
エンドユーザが選択可能なフィールド502を効果的に使用して、キット100内に含まれる任意のメディカル・プロシージャ・ツール200と、メディカル・プロシージャの間にいつも決まって追加される任意の個別の容易に入手可能な製品との利用又は未利用に関する最新の現在のデータを継続的に取得することができる。外科医及びスタッフが参加し且つ/又は離れ、プロシージャが変更され、新たなプロシージャがもたらされるなど、医療活動の状況は絶えず変化しているので、コンポーネントの利用に関するこのデータを一貫して継続的に取得することは有用であり得る。シート500のエンドユーザが選択可能なフィールド502は、まさにこれを容易にする。
【0037】
1つのアプローチにより、メディカル・プロシージャの終了時に、エンドユーザ又は他の人が、そのプロシージャの間に使用されなかった、リスト501に提供されている任意のメディカル・プロシージャ・ツール200のエンドユーザが選択可能なフィールド502を選択する。エンドユーザはまた、シート500において、プロシージャの間に追加された容易に入手可能な追加のコンポーネントを書き込むこともできる。完成したシート(及び/又はシートに入力されたデータ)は、物理的又は電子的に記録して収集することができる。また、完成したシート(及び/又はシートに入力されたデータ)は、例えば、所定のメディカル・プロシージャ・ツール200を除外することにより、又は、新たなツールをキット100に追加することにより、キット100をさらにカスタマイズするために、利用することができる。
【0038】
1つのアプローチにより、例えば、図7及び図8に示されるように、シート500は、例えば、UPCバーコード又はQRコード(登録商標)などの光学的コード503をさらに含む。光学的コード503は、好ましくは、ネットワーク・アドレスを少なくとも部分的に含む。ネットワーク・アドレスは、エンドユーザが選択可能なフィールド502に対してなされたエンドユーザの選択に関する情報を受信するための施設又はサービスに対応し得る。
【0039】
図7及び図8に示されるように、別のアプローチにより、シート500は、複数のメディカル・プロシージャ・ツール200の少なくとも1つの使用に関する少なくとも1つの注意書きについての、色ベースのキャプション600をさらに含む。色ベースのキャプション600に対応する色は、リストされたメディカル・プロシージャ・ツール200のうち対応するメディカル・プロシージャ・ツール200を強調表示する。1つのアプローチにより、色ベースのキャプション600により表される注意書きは、ラテックスが存在することを含む。
【0040】
例えば、図7及び図8に示されるように、別のアプローチにより、シート500は、外容器400の色402と合致する色504を含む。外容器400の色402と同様に、シート500の色504は、例えば、色付きの紙又はインクにより提供されるように、シート500と統合されてもよいし、又は、色504は、例えば、シート500に貼り付けられたステッカ又はラベルなどのマーカにより提供されてもよい。さらに別のアプローチにより、シート500はまた、特定のジャンルのメディカル・プロシージャを示すためのテキスト506を含んでもよい。
【0041】
これらの教示は、実際かなり柔軟である。一例として、シート500のリスト501は、キット100内に含まれるメディカル・プロシージャ・ツール200の数に応じて、その長さが変わり得る。同様に、メディカル・プロシージャ・ツール200自体も、エンドユーザの嗜好に基づいて、その数及び種類が変わり得る。
【0042】
さらに、これらの教示は、特定のジャンルのメディカル・プロシージャに関する関連するメディカル・プロシージャ・ツール200を含む適切なキット100の選択を促進し且つ確実にするのによく適している。このようなアプローチは、効果的にコストを低減させ、誤って開けられたキットに関連する廃棄物及び余分なツールを含むキットに関連する廃棄物を最小にすることができる。
【0043】
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多様な変形、変更、及び組合せが、上述した実施形態に対して施され、そのような変形、変更、及び組合せが、本発明のコンセプトの範囲内にあるものとしてみなされるべきであることを当業者は認識するであろう。
図1
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図8
【国際調査報告】