(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-523657(P2015-523657A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(54)【発明の名称】単語又は文字列を修正する方法とこの方法を具現した入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 17/24 20060101AFI20150717BHJP
G06F 17/27 20060101ALI20150717BHJP
【FI】
G06F17/24
G06F17/27 630
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-517207(P2015-517207)
(86)(22)【出願日】2013年12月4日
(85)【翻訳文提出日】2014年6月30日
(86)【国際出願番号】KR2013011142
(87)【国際公開番号】WO2014185612
(87)【国際公開日】20141120
(31)【優先権主張番号】10-2013-0056054
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】514167363
【氏名又は名称】ケウキー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン チュル
【テーマコード(参考)】
5B091
5B109
【Fターム(参考)】
5B091DA07
5B091EA04
5B109KA05
5B109QB14
(57)【要約】
本発明は単語又は文字列を修正する方法、及びこの方法を具現した装置に関するものである。本発明に従った方法はスマートフォン、モバイル機器、PC等での文字入力時に活用可能である。本発明に従った誤字修正方法は次の段階を含む:
1段階:ユーザーが文字を入力するたびに新規入力文字列と、該新規入力文字列と同じ長さを有するそれまでに入力された単語の部分集合である文字列との関連性が計算される:
2段階:計算された関連性が所定値以上である場合、それまでに入力された単語の部分集合である文字列が修正候補リストに登録される;
3段階:リスト上の修正候補が一つである場合ユーザーの修正命令によって修正候補リストの文字列が新規入力文字列へ置換される;
4段階リスト上の修正候補が複数である場合、ユーザーの修正移動命令によって選択された文字列が新規入力文字列へと置換される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが文字を入力するたびに、新規入力文字列と、該新規入力文字列と同じ長さを有するそれまでに入力された単語の部分集合である文字列との関連性が計算される段階と、
計算された関連性が所定値以上である場合、前記それまでに入力された単語の部分集合である文字列が修正候補リストに登録される段階と、
前記修正候補リスト上の修正候補が1つである場合、ユーザーの修正命令によって前記修正候補リストの文字列が前記新規入力文字列へ置換される段階と、
前記修正候補リスト上の修正候補が複数である場合、ユーザーの修正候補移動命令によって選択された文字列が前記新規入力文字列へ置換される段階と、
を含む単語又は文字列を修正する方法。
【請求項2】
ユーザーが新規入力した単語がライブラリに存在するのか判断する段階と、
前記新規入力単語が前記ライブラリに存在する場合、該ライブラリの該新規入力単語と同じカテゴリに、それまでに入力された単語が存在するかどうかを判断し、そうであれば、前記それまでに入力された単語を修正候補リストに登録する段階と、
前記修正候補リスト上の修正候補が1つである場合、ユーザーの修正命令によって前記修正候補リストの単語が前記新規入力単語へと置換される段階と、
前記修正候補リスト上の修正候補が複数である場合、ユーザーの修正候補移動命令によって選択された単語が前記新規入力単語へと置換される段階と、
を含む単語又は文字列を修正する方法。
【請求項3】
ユーザーがカーソルを移動させる段階と、
ユーザーによって移動されたカーソルが、どの単語の領域に属しているのかを判断し、前記判断された単語を修正対象単語として認識させる段階と、
移動されたカーソルの位置で、ユーザーが新規文字列を入力する段階と、
前記新規入力文字列と、該新規入力文字列と同じ長さを有する修正対象単語の部分集合である文字列との関連性が計算される段階と、
計算された関連性が所定値以上である場合、修正対象単語の部分集合である文字列が修正候補リストに登録される段階と、
前記修正候補リスト上の修正候補が1つである場合、ユーザーの修正命令によって前記修正候補リストの文字列が前記新規入力文字列へ置換される段階と、
前記修正候補リスト上の修正候補が複数である場合、ユーザーの修正候補移動命令によって選択された文字列が前記新規入力文字列へと置換される段階と、
を含む単語又は文字列を修正する方法。
【請求項4】
ユーザーがカーソルを移動させる段階と、
ユーザーによって移動されたカーソルがどの単語の領域に属するのかを判断し、前記判断された単語を修正対象単語として認識する段階と、
移動されたカーソルの位置で、ユーザーが新規単語又は文字列を入力する段階と、
ユーザーの修正命令によって、前記修正対象単語が前記新規入力単語又は文字列へ置換される段階と、を含み、
前記修正対象単語の認識段階では、ユーザーが修正しようとする単語の最初の文字の直前位置から最後の文字の直後位置までの領域の任意の位置にカーソルを移動させる動作によって修正対象単語が認識される、
単語又は文字列を修正する方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうち何れか一つの方法によって単語又は文字列を修正する入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単語又は文字列を修正する方法とこの方法を具現した入力装置に関する。本発明による方法はスマートフォンでのタッチキーパッド入力時に限らず、全てのモバイル機器(フィーチャーフォン含む)のキーパッド入力時にも適用され、PC上でも活用可能である。
【背景技術】
【0002】
PC上あるいはモバイル機器で文字(英文、ハングル、数字、特殊文字など入力可能な全ての形態を包括した意味)を入力するときの典型的な誤字修正方式はバックスペース(Backspace)などの削除機能キーを入力し、ミスをした単語以降の単語を全て消し、もう一度入力したり、又はマウス(PCの場合)若しくは指タッチ(モバイル機器の場合)でカーソルを、ミスをした単語のところへと移動させ単語を修正したりするものであった。
【0003】
マウス又は指タッチでミスをした単語のところへカーソルを移動する場合には、入力の際ユーザーの注意力が要求される。特にモバイル機器といった画面の小さな機器の場合、カーソルの的確な移動を助けるため画面を拡大する虫眼鏡機能などの機能が使用されたりもする。ユーザーはミスが発生した文字のすぐ後の的確な位置にカーソルを移動させた後、ミスをした文字を削除機能キーの入力で削除する。そして削除した後、正しい文字を入力するようになる。一つの単語全体を他の単語に変えて入力しようとする時にも上記の様に単語の一番後にカーソルを置いた後、削除機能キー入力を行って単語全体を削除し、もう一度正しい文字を入力しなければならない。
【0004】
この様な誤字修正方式のわずらわしさを減らそうと登場した物が自動修正機能である。この機能はすでに実用化されているものとして、ユーザーが「A」という単語を入力した場合、これをミスと判断し自動的に「B」という単語へと直すことで修正キー入力でのミス修正の状況が発生する頻度を減らすものであった。自動的に修正入力される単語「B」はシステムのライブラリに存在し、単語としてユーザーの入力は必要とされない。
【0005】
しかし、自動修正機能では自動的に修正される単語は、ユーザーが修正意図でもって入力した単語ではなく、システムが、ユーザーが実際に入力したであろうと推定した単語であるため、推定の正確性に欠ける場合には問題が生じてきた。これはシステムのライブラリに登録された単語数には限界があるという点に一部起因しており、またシステムが複数の修正候補の中から1つの修正候補を選択する場合の不正確性にも一部起因する。
【0006】
近年、PC上、モバイル機器上で多くのユーザーたちが、古いライブラリで対応できない新造語、略語を頻繁に使用している実情の中、頻繁に更新されないようなライブラリに限界があることはより明白である。このような理由で多くのユーザーたちが自動単語修正機能が装置(例えばPC又はモバイル機器)に搭載してあるにも関わらず、この機能をoffにして文字を入力している。
【0007】
英語圏でない言語を使用するユーザーがより頻繁に自動修正機能をoffにする傾向がある。特に韓国語の場合、ユーザーはモバイル機器上での入力時に単語の間に1マス空けて入力しなければならないがそれを無視し、続けて入力する事が多い。単語の間を1スペース空けて適切に入力しないような環境で、システムが実際に発生した誤字を認識したり、このような誤字を適切に修正したりすることは非常に難しい。これが韓国語を入力する場合に、大体のユーザーが自動修正機能をoffにする理由である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決すべき課題は前に記述した従来の技術の問題点を解決することである。
【0009】
より具体的に説明すると、発生した誤字修正のため文字を再入力しなければならない時にバックスペースなどの削除機能キーの入力を必要とせずに、誤字の修正を完了させることのできる単語又は文字列を修正する方法、又はこれを具現した入力装置を提供することである。さらに他の課題は、ユーザーが文字の修正入力のために直接カーソルを移動させる場合にユーザーの利便性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、上記の課題を解決するため本発明が採用している特有の技術手段について説明する。本発明の技術手段は大きく2種類に分けられる。第1手段はすでに入力された単語を現在のカーソル位置から再入力をすることで修正する方法に関するものである。第2手段はユーザーがカーソルを移動させた後、カーソルの移動した位置で再入力をすることで修正を実行する方法に関するものである。
【0011】
(第1手段:現在のカーソル位置で再入力をして誤字を修正)
本発明の第1手段によれば、ユーザーは誤字を修正するためにカーソルを移動する必要はない。ユーザーは現在のカーソル位置で正しい単語の全体又は部分集合の文字列をもう一度入力する。その後、修正命令がユーザーから生成される。本手段の特徴の1つは、ユーザーが複数の候補の中から修正候補を選択可能なことである。
【0012】
まず、ミスを修正する方式について説明する。
【0013】
現在のカーソル位置でユーザーが文字を入力するたびごとに、新規入力した文字列と、この新規入力した文字列と同じ長さを有するそれまでに入力していた単語の部分集合である文字列との関連性が計算される。計算された関連性が所定値以上である場合には、それまでに入力した単語の部分集合である文字列は修正候補として登録される。修正候補が一つである場合、ユーザーが新規文字列を入力後、修正命令を下すと修正候補がすぐに新規入力文字列へ置換され、修正候補が複数の場合はユーザーが選択した文字列が新規文字列と置換される。ユーザーは修正候補の移動命令を入力することで、修正候補に登録されたリストの内、新規入力文字列と置換する対象を選択することができる。
【0014】
次に、他の単語に変えて入力する方式について説明する。
【0015】
これは類似した性格を持つ単語をカテゴリ化したライブラリが存在し、このようなライブラリを通して新規入力単語をそれまでに入力していた単語へと置換する方法である。現在のカーソル位置でユーザーが新規入力単語を入力した後、修正命令を下すと、新規入力単語がライブラリに存在し、それまでに入力された単語がこの新規入力単語とライブラリ上の同一カテゴリに属する場合、それまでに入力していた単語を新規入力単語へと置換する。同一カテゴリに属する単語が複数の場合は、ユーザーの修正候補移動命令に従って修正対象単語に選択された単語を新規入力単語へと置換する。
【0016】
(第2手段:カーソルを移動した後再入力を通した誤字の修正)
本発明の第2手段によれば、ユーザーは、誤字が生じた正確な位置にカーソルを位置させなくてもよい。その代わりにユーザーは、修正しようとする単語の任意の位置にカーソルを移動させればよい。さらに、ユーザーは誤字が生じた文字列を削除するために削除機能キーを入力する必要がない。
【0017】
まず、誤字のある一部の文字列を修正する方式について説明する。
【0018】
ユーザーが修正しようとする単語の最初の文字の直前位置から最後の文字の直後の位置までの領域の任意の位置にカーソルを移す。その後修正しようとする誤字の正しい文字列を新規入力する。新規文字列の入力時、新規に入力された文字列と、この新規文字列と同じ長さを有するカーソル位置にある単語の部分集合である文字列との関連性が計算される。計算された関連性が所定値以上である場合には、このそれまでに入力された単語の部分文字列が修正候補として登録される。修正候補が一つである場合、ユーザーが新規の文字列入力後、修正命令を下せば修正候補がすぐに新規の入力文字列へと置換される。修正候補が複数である場合、ユーザーにより選択された文字列が新規文字列と置換される。ユーザーは修正候補の移動命令を入力することにより修正候補へ登録されたリストの内で、新規入力文字列と置換する対象を選択することができる。
【0019】
次に、他の単語へ変えて入力する方式について説明する。
【0020】
ユーザーが修正しようとする単語の最初の文字の直前位置から最後の文字の直後に位置までの領域の任意の位置にカーソルを移しておいて修正したい文字列を入力する。ユーザーが文字列入力完了後に修正命令を下せば、比較過程を経なくても新規入力された単語へとカーソル位置の単語が置換される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、バックスペースなどの削除機能キーを入力しなくてもそれまでに入力していた単語上のミスの修正や再入力が可能であり、それによって既存の方式に比べ速く簡単な誤字修正が可能になる。それと共に、カーソルを移動させて修正入力をする場合に単語のミスした位置に正確にカーソルを置く必要がなく、ミスを含む単語の任意の位置にカーソルを置けばよく、カーソルを正確な箇所に置くために必要なユーザーの努力が減り、より迅速で楽な誤字修正が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】それまでに入力した単語の一部のミスが修正され、複数の修正候補との間で移動される、第1手段に関する実施例を示した図である。
【
図2】単語全体を置換入力する、第1手段に関する実施例を示した図である。
【
図3】それまでに入力した単語の一部のミスを修正入力する、第2手段に関する実施例を示した図である。
【
図4】単語全体を置換入力する、第2手段に関する実施例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、第1手段の内で、それまでに入力された単語の一部のミスを修正する実施例を図示する。
【0024】
ユーザーは「I want to jump you」の入力を意図したが、実際に入力したのは「I want to dump you」である。「I want to dump you」まで入力した状態でユーザーは「jump」を「dump」と間違って入力したことに気付き、1スペース空けて「ju」を入力する。これでユーザーの入力は「I want to dump you ju」となった。第1手段によると、ユーザーが新規文字を入力するたびごとに、新規入力文字列と、この新規入力文字列と同じ長さを有するそれまでに入力された単語の部分集合である文字列との関連性が計算される。それまでに入力された単語である「I」、「want」、「to」、「dump」、「you」において「dump」の「du」と、「you」の「ou」が新規入力文字列である「ju」との関連性が高いため修正候補に登録される。この状態でユーザーが修正命令を入力すると現在のカーソルから近い「ou」がまず置換対象になり、新規入力文字列である「ju」へ置換される。
【0025】
ユーザーが修正候補の移動命令を下すと2番目の「du」が置換対象に選択され、新規入力文字列である「ju」へ置換され、同時に以前の修正、即ち「you」の部分文字列である「ou」を新規入力文字列である「ju」へ置換入力されていた修正がキャンセルされる。これにより、ユーザーが意図した修正過程が完了する。
【0026】
2つの文字列の関連性を判断する方法には様々な方法が存在する。例えば次の2種類の方法を用いてもよい。一つ目は、隣同士のキーを間違って入力する場合を判断する方法である。「Everyone」と「wveryone」の比較で各々最初の文字である「e」と「w」は隣同士に配列されており、近いキー同士の誤入力の可能性が高いという点を考慮し、関連性を判断することができる。二つ目は、二つの文字の順序が逆になったと判断する方法である。速いスピードで文字を入力している場合に二つの文字の順序を変えて誤入力する可能性が高いという点を考慮した方法である。例を上げると、「everyone」と「evreyone」の場合には「er」と「re」の順序が変わったという点に注目し、関連性を判断することができる。長い単語を入力する場合には隣同士の文字の誤入力や、順序を逆にして入力する可能性が高まる。本発明においては、関連性に対する定量化処理において、単語の長さに従って異なる基準を適用することができる。
【0027】
上記の内容のような関連性判断方法以外に、本発明の発明者は関連性判断のための正確で定量的な新しい方法を考案した。このような革新的で新しい関連性判断方法は2013年11月28日に出願された PCT/KR2013/010910の明細書に詳しく記載されている。上記の特許出願の明細書に記載されている関連性判断方法は本出願の明細書に含まれているものとして見なさなければならない。
【0028】
図2には、第1手段の内、それまでに入力した単語全体を再入力し、修正する実施例を図示する。
【0029】
ユーザーは「How about lunch this Friday」を正しく入力したが、入力途中に「lunch」ではなく「dinner」に変更しようとした場合、1スペース空けて「dinner」を入力する。これでユーザーの入力は「How about lunch this Friday dinner」となった。
【0030】
第1手段によれば類似した性格を持つ単語同士の関係が入力されているライブラリが存在する。ユーザーが新規入力単語を入力した後、修正命令を下すと新規入力単語がライブラリにあり、それまでに入力された単語に新規入力単語とライブラリ上のお互いに類似した関係が存在すれば、即ち同一のカテゴリに属しているならば、それまでに入力された単語を新規入力単語へと置換する。ライブラリに「lunch」と「dinner」が「meal」という繋がりによって入力されている場合、つまり「meal」という同一のカテゴリに属していると「lunch」は「dinner」へと置換される。「Friday」と「Saturday」の間の置換も上に記したものと完全に同一なる方式によって実行される。このような方式でユーザーの思う通りの修正が完了する。
【0031】
単語間の類似性及び単語のカテゴリに対する情報を持っているライブラリは、「オントロジ」と呼ばれる技術に基づいていてもよい。つまり、「lunch」と「dinner」は食事という共通したカテゴリに属し、「wear」と「worn」は動詞の時制が異なる同一単語のカテゴリに属し、「Friday」と「Saturday」は曜日という共通のカテゴリに属する。辞書に載っている類似語の集りも共通のカテゴリに属することができる。単語間の類似性と単語のカテゴリに対する情報を持っているライブラリは多様な方式で提供され、上記のものに限定されない。
【0032】
図3には、第2手段のうち、それまでに入力された単語の一部のミスを修正することに関する実施例を図示する。ユーザーは「I want to jump you」を入力しようとしたが、実際に入力したものは「I want to dump you」であった。「I want to dump you」まで入力した状態でマウスやタッチ入力(モバイル装置の場合)で「dump」という単語の最初の文字である「d」の直前位置から最後の文字である「p」の直後位置までの領域の任意の位置にカーソルを移動させる。続けて新規文字列「ju」を入力して修正命令を下すと、カーソル位置の単語である「dump」の部分集合で、「ju」と同一な長さを有する文字列と関連性が計算される。
【0033】
新規入力文字列の「ju」は、単語「dump」の部分集合の文字列である「du」と高い関連性があると判断されるので、部分文字列「du」が修正候補として登録され、そして新規入力単語である「ju」へと置換され、ユーザーが意図した修正過程が完了する。
図3の実施例で修正対象である「dump」の「d」と「u」の間にカーソルを移動した後、新規文字列の「ju」を入力する場合、文字全体は「djuump」となる。この場合、新規入力された「ju」と高い関連性のある、それまでに入力された単語の部分文字列で「du」の各文字が修正入力によって1スペース空けてお互い離れてしまったが、「du」の「ju」への置換には影響がない。なぜならば新規文字列であるjuと関連性判断対象である部分文字列は、カーソルを移動した瞬間、「dump」という単語の部分文字列に決定されるためである。上述したような置換における修正が完了すれば、ユーザーが修正後にタイピングを継続しやすいようにカーソルが文章の最後尾へと自動的に移動する。
【0034】
図4には、第2手段のうち、それまでに入力された単語の全体を再入力し、修正することに関する実施例を図示する。ユーザーが「Hello Nice to see you It’s been a long」まで書きたい通り入力したところで入力途中の「Hello」を「hi」に修正しようとする。カーソルを「Hello」の最初の文字である「H」の前の位置から最後の字である「o」の直後の位置までの領域の任意の位置にカーソルを移動する。続けて新規文字列「hi」を入力し、修正命令を下せばカーソルが位置した箇所の単語である「Hello」が「hi」へと置換される。この瞬間、修正以降の単語である「hi」が文章の最初の単語であることが認識され、従って「hi」の「h」は 大文字の「H」へと変更入力され、ユーザーが意図する修正過程が完了する。上述したように置換による修正が完了すれば、ユーザーが修正以降のタイピングを継続しやすいようにカーソルが文章の最後尾へと自動的に移される。
【0035】
修正対象単語領域の内、任意の位置にカーソルを置いてその位置から新規入力を行うという点で
図3と
図4の実施例は類似性はあるが、置換範囲がお互い相違する。そのため一つの種類の修正命令だけ使用可能な場合には
図3の方式と
図4の方式のうちどれか一つが選択適用される。これは万が一
図3の実施例がある修正命令によって行われる場合、
図4の実施例はこれと同一な修正命令によって実行されることはないという意味であり、反対の場合も同様である。もし単語の一部のミスを修正するという修正命令(
図3の実施例と関連して)と単語全体を修正するという修正命令(
図4の実施例と関連して)が全て使用可能な場合には
図3の実施例と
図4の実施例は共に適用可能である。
【0036】
タッチスクリーンを備えるモバイル装置において、ユーザーの修正命令を、キーボード領域内での上方向又は下方向へのタッチジェスチャーによって作動させるようにしてもよい。またジャイロセンサー入力値を活用し、装置を振るなどして作動するようにしてもよい。次の修正候補への移動は同一の修正命令を繰り返すことによって行われてもよい。 キーボード領域での右方向又は左方向へのジェスチャー入力を、修正候補を前の候補又は次の候補へと移動させる命令として認識されるようにしてもよい。ユーザーの修正命令や前後の修正候補への移動の方式は上述したものに限定されない。
【国際調査報告】