(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-524982(P2015-524982A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(54)【発明の名称】熱伝導性を有する電源コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 24/20 20110101AFI20150731BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20150731BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20150731BHJP
H01R 13/622 20060101ALI20150731BHJP
H01R 13/56 20060101ALI20150731BHJP
【FI】
H01R24/20
H01R13/52 301A
H01R13/46 A
H01R13/622
H01R13/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-500500(P2015-500500)
(86)(22)【出願日】2013年3月12日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月17日
(86)【国際出願番号】US2013030325
(87)【国際公開番号】WO2013138266
(87)【国際公開日】20130919
(31)【優先権主張番号】61/609,427
(32)【優先日】2012年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス インコーポレイテド
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
(71)【出願人】
【識別番号】514231480
【氏名又は名称】ジョセフ エフ マーフィー
(71)【出願人】
【識別番号】514231491
【氏名又は名称】ティギスト ウォルデゲブリエル
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ エフ マーフィー
(72)【発明者】
【氏名】ティギスト ウォルデゲブリエル
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5E123
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB10
5E021FB17
5E021FC02
5E021FC36
5E021FC40
5E021GA08
5E021HC02
5E087EE02
5E087EE13
5E087FF03
5E087FF06
5E087FF13
5E087GG02
5E087JJ01
5E087JJ09
5E087KK04
5E087LL04
5E087LL12
5E087RR14
5E087RR49
5E123AA01
5E123AA11
5E123AB74
5E123AC04
5E123AC17
5E123BA01
5E123BA04
5E123BB12
5E123BB17
5E123CB24
5E123CB26
5E123EA03
5E123EA31
5E123EA33
5E123EC10
5E123EC32
(57)【要約】
【解決手段】電気コネクタ配置は、それぞれの導体に接続され、かつ相互の物理的および電気的嵌合のために適合される、複数の端子を各々有するオスおよびメスコネクタを含む。各コネクタは、多導体ケーブルに連結される、それぞれのオーバーモールド本体と、複数の端子の周りに、かつそれらと接触して配置される、それぞれの内側絶縁体と、2つのコネクタをともに連結するための外側ネジ山付き連結ナットと、を含み、各絶縁体は、電気絶縁熱伝導性材料から成る。1つのコネクタにおいて、伝導性の円筒形金属スリーブが、その関連付けられた絶縁体と連結ナットとの間に配置される。その同じコネクタにおいて、コネクタの外側表面からの伝導および対流を介して、熱の伝達および消散を容易にするように、略円形の金属のらせん状の冷却バネが、内側金属スリーブおよび外側連結ナットの隣接する部分の間に、かつそれらと密接に接触して配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合コネクタのそれぞれの1つ以上の第2の端子への電気的連結のために各々適合される、1つ以上の第1の端子を有する電気コネクタであって、熱は、導電性になる時、前記コネクタにおいて生成され、前記電気コネクタは、
前記1つ以上の第1の端子の周りに、かつそれらと締り嵌め接触して配置される、第1の熱伝導性の内側電気絶縁体と、
該第1の絶縁体の周りに、かつそれと締り嵌め接触して配置される、細長い金属スリーブと、
前記嵌合コネクタへの接続のために適合され、前記金属スリーブの周りに、かつそれと締り嵌め接触して配置される、第1の外側熱伝導性の連結ナットと、
前記金属スリーブと前記第1の連結ナットとの中間に、かつそれらと接触して配置される、少なくとも1つの金属のコイル状のバネの熱導体と、を備え、熱は、前記連結ナットの外側表面からの放射のために、前記1つ以上の第1の端子から、前記内側絶縁体、前記金属スリーブ、および前記コイル状のバネの熱導体を介して、前記外側連結ナットに伝送される、電気コネクタ。
【請求項2】
前記コイル状のバネの熱導体は、前記第1の外側連結ナットの内側表面内に配置され、かつその周りに延在する、略円形のスロット内に配置される、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記熱導体は、略円形の形状であり、伝導および対流を介して、前記第1の連結ナットに対する外方への前記金属スリーブからの熱の伝送を可能にするために、その長さに沿って配置される、複数の離間されたコイルを含む、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記熱導体は、略円形のコイル状のバネの形態である、請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記金属スリーブの隣接する部分と前記嵌合コネクタの第2の熱伝導性の内側電気絶縁体との間に配置され、かつそれらに当接する様態で係合する、封止をさらに備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記嵌合コネクタは、前記1つ以上の第2の端子の周りに、かつそれと締り嵌め接触して配置される、第2の熱伝導性の内側電気絶縁体を含み、前記第1および第2の電気絶縁体は、それらの隣接する端部間に配置される間隙と相互整合して配設され、前記細長い金属スリーブは、前記間隙上に、かつ前記第2の絶縁体と締り嵌め接触して配置される、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記封止は、Oリングの一般形態である、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記封止は、圧縮性材料から成る、請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記第1の電気絶縁体は、熱伝導性の電気絶縁性の熱可塑性材料から成る、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記第1および第2の電気絶縁体は、熱伝導性の電気絶縁性の熱可塑性材料から成る、請求項6に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記第1の外側連結ナットは、そこからの熱放射を増強するように、その外側表面上の複数の離間されたリブを含む、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記第1の内側電気絶縁体は、そこからの熱放射を増強するように、その外側表面上の複数の離間されたリブを含む、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記嵌合コネクタ上に配置され、前記第1の外側連結へのしっかりとした連結のために適合される、第2の外側熱伝導性のナットをさらに備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記第1および第2の連結ナットは、しっかりとした相互連結のために適合される、外側および内側ネジ山付き部分をそれぞれ有する、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項15】
前記第1および第2の連結ナットは、該連結ナットからの熱の放射を容易にするように、それらのそれぞれの外側表面上に配置される、第1および第2の複数の離間されたリブをそれぞれ含む、請求項14に記載の電気コネクタ。
【請求項16】
前記1つ以上の第1および第2の端子は、それぞれ、第1および第2の複数のリードのそれぞれのものに各々連結され、前記電気コネクタは、それぞれ、前記第1の端子および第1のワイヤならびに前記第2の端子および第2のワイヤをそれぞれ被覆する、第1および第2の熱伝導性のオーバーモールド本体をさらに備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項17】
前記第1および第2の電気絶縁体は、該電気絶縁体からの熱の放射を容易にするために、それらのそれぞれの外側表面上の第1および第2の複数の離間されたリブを含む、請求項6に記載の電気コネクタ。
【請求項18】
前記コイル状のバネは、該コイル状のバネの熱導体のキンクを引き起こすことなく、前記第1の連結ナットと前記金属スリーブとの間の相対運動を容易にするように、角度が付けられたコイルを含む、請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項19】
複数の第1のリードを複数の第2のリードに連結するための、嵌合するオスおよびメス電気コネクタにおける使用のための配置であって、
電気絶縁性かつ熱伝導性材料で、複数の離間された、細長い、略線形の平行の第1のスロットを画定し、第1の外側表面を有する、第1の単一本体と、
該第1の単一本体に取設される、複数の細長い、線形のオス端子であって、該オス端子の各々は、前記第1の単一本体の第1のスロットのそれぞれのものの長さと整合され、その中に、かつそれに沿って配置される、オス端子と、
第2の外側表面を有し、それぞれの第2のスロットを各々有する、複数の離間された、細長い、略線形の平行部材をさらに有する、電気絶縁性かつ熱伝導性材料の第2の単一本体と、
該第2の本体のそれぞれの第2のスロット内に各々配置され、それぞれのオス端子を受容し、それらに電気的に連結するように適合される、複数のメス端子と、を備え、
前記第1のスロットの各々は、前記オス端子が前記メス端子に挿入される時、前記第2の単一本体の前記略線形の平行部材のそれぞれのものを、締り嵌め係合で受容するように適合され、前記第1および第2の単一本体は、前記オスおよびメス端子とそれぞれ密接に接触して配置され、隣接するオスおよびメス端子の組み合わせ間の空間を充填して、前記オスおよびメス端子の組み合わせから前記第1および第2の単一本体の前記外側表面への熱流を容易にするように、熱伝導性材料の連続的な本体を形成する、配置。
【請求項20】
前記第1の本体の前記第2の本体への挿入を容易にするように、それぞれ、前記線形の平行スロット、ならびに前記第1および第2の単一本体の前記線形の平行部材のうちの少なくともいくつかに形成される、相補的な誘導手段をさらに備える、請求項19に記載の配置。
【請求項21】
前記誘導手段は、前記第2の本体の前記線形の平行部材のうちの少なくともいくつかの外側部分上に配置される第1の側方リブと、前記第2の本体上に配置される第2の側方リブと、を含み、前記第1および第2の側方リブは、相互係合のために適合される、請求項20に記載の配置。
【請求項22】
前記配置は、前記第2の本体の前記線形の平行部材が、前記第1の本体の前記平行スロットに挿入される時、略曲線の形状である外側周辺を有する、請求項21に記載の配置。
【請求項23】
前記配置は、前記線形の平行部材が前記第1のスロットに挿入される時、円筒形の形状である外側周辺を有する、請求項21に記載の配置。
【請求項24】
前記第1および第2の単一本体は、熱可塑性材料から成る、請求項19に記載の配置。
【請求項25】
前記第1および第2の単一本体の前記周辺に、かつそれと密接に接触して配置される、熱伝導性スリーブをさらに備える、請求項23に記載の配置。
【請求項26】
前記熱伝導性スリーブは、金属から成る、請求項25に記載の配置。
【請求項27】
前記第1および第2の単一本体間の連結は、該単一本体間の連結するための目視観察をほとんど、または全く必要としない、ブラインドメイト状態の連結である、請求項19に記載の配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全体として参照することにより本明細書に組み込まれる、2012年3月12日に出願された米国仮出願第61/609,427号への優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、電気コネクタに関し、具体的には、より高い電流および増加した電力の伝送に対応するように、改善された熱伝導および消散を有する、電気電源コネクタを対象とする。
【背景技術】
【0003】
一般的なタイプの電気コネクタシステムは、オスアセンブリ、およびメスレセプタクルコネクタを含み、オスアセンブリが、メスレセプタクルアセンブリに挿入されて、電気的連続性を確立する。恐らく、熱は、これらのタイプの電気コネクタ、特に、高い電流を搬送し、かつ増加した電力に供されるものにおける故障の最も一般的な原因である。熱は、コネクタにおいて増大し、適切に消散されない時、コネクタ構成要素の劣化、およびコネクタの故障を引き起こす。効率的な様態で電気コネクタ内の熱を制限および除去するための努力が、コネクタ技術において成されている。しかしながら、かかる努力は、ほぼ完全に、熱伝導、および限られた成功のみをもたらす従来のコネクタ設計に依存している。これらの努力における成功は、ほぼ全ての技術分野、および特に、コンピュータ、電気通信、および工業用途における、より高い電流およびより小さいコネクタの使用の増加により、より困難となっている。
【0004】
ほとんどの場合、コネクタ内の熱消散は、大気への熱消散のためのコネクタの内部導体とその外皮との間の高い熱伝導の連続的な経路を提供しないコネクタ内の不連続性の存在によって、制限される。他のコネクタにおいて、高い電気絶縁性特性を有する材料が使用される一方、これらの同じ材料は、限られた熱伝導のみを有し、コネクタからの熱消散を促進しない。
【0005】
本発明は、熱生成コネクタ構成要素に、コネクタ全体を通じてその外側周辺への低い熱抵抗の連続的な経路を提供しつつ、複雑性の増加、およびヒートシンクの追加の費用を伴うことなく、コネクタからの熱放出を容易にするように、高い電気抵抗および熱流への低い抵抗を有する材料を有するコネクタ内で、これらの熱源を完全に封入することによって、先行技術のこれらの制限に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、より高い電流および増加した電力の伝送に対応するように、増加した熱伝導および消散を有する電気電源コネクタを提供することが、本発明の目的である。
【0007】
コネクタの外側表面を介して周囲大気に熱を方向付けるように、1つ以上の導体を有する電気コネクタにおける熱伝導および対流を採用することが、本発明の別の目的である。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、コネクタからヒートシンクまたは周囲大気に熱を効率的に消散するために、コネクタ全体を通じて高い熱伝導性材料から成る構成要素のみを使用することによって、電気電源コネクタにおける熱の増大を制限することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、周囲大気への消散のために、熱を電流搬送電気コネクタの内部からその外側周辺に方向付けるために、中実の金属の円筒形スリーブおよびコイル状の円形の金属バネの組み合わせを使用することである。
【0010】
本発明のなおさらなる目的は、導体からの熱の消散または放出を容易にするように、高熱伝導性材料から成る本体を有する電気コネクタ内の間隙および空隙を排除することである。
【0011】
本発明は、電気的導体内の熱の増大を最小化するように、高度に熱伝導性の材料から成る間隙または空隙を伴わない連続的な構造内の接続された、伝導オスおよびメス端子を完全に封入するための多導体電気コネクタにおける配設をさらに企図する。
【0012】
本発明は、嵌合コネクタのそれぞれの1つ以上の第2の端子への電気的連結のために各々適合される、1つ以上の第1の端子を有する電気コネクタを企図し、熱は、導電性になる時、コネクタにおいて生成され、電気コネクタは、1つ以上の第1の端子の周りに、かつそれらと締り嵌め接触して配置される、第1の熱伝導性の内側電気絶縁体と、第1の絶縁体の周りに、かつ締り嵌め接触して配置される、細長い金属スリーブと、嵌合コネクタへの接続のために適合され、金属スリーブの周りに、かつそれと締り嵌め接触して配置される、第1の外側熱伝導性の連結ナットと、金属スリーブと第1の連結ナットとの中間に、かつそれらと接触して配置される、少なくとも1つの金属のコイル状のバネの熱導体と、を備え、熱は、連結ナットの外側表面からの放射のために、1つ以上の第1の端子から、内側絶縁体、金属スリーブ、および金属のコイル状のバネの熱導体を介して、外側連結ナットに伝送される。
【0013】
添付の特許請求の範囲は、本発明を特徴付ける、それらの新規の特性を記載する。しかしながら、本発明自体、ならびにそのさらなる目的および利点は、同様の参照文字が、種々の図面を通して、同様の要素を特定する、添付の図面と併せて、以下の発明を実施するための形態を参照して、最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に従う熱伝導を有する電気電源コネクタの嵌合した状態にあるオスアセンブリおよびメスアセンブリの斜視図である。
【
図2】オスおよびメスの本発明の電源コネクタの分解側面立面図である。
【
図3】嵌合した状態にある本発明のオスおよびメス電源コネクタの側面立面図である。
【
図4】その中の視線4−4に沿って採られる、
図3に例解される電源コネクタの横断面図である。
【
図5】
図3に示される、組み立てられた電源コネクタの縦断面図である。
【
図5a】嵌合していない状態にある本発明の電源コネクタの縦断面図である。
【
図6】その中の視線6−6に沿って採られる、
図3に示される電源コネクタの横断面図である。
【
図7】本発明の電源コネクタにおいて使用される、オス絶縁体またはインサートの前面図である。
【
図8】
図7に示される、オス絶縁体の前面斜視図である。
【
図8a】
図7に示される、オス絶縁体の後面斜視図である。
【
図9】本発明の電源コネクタにおいて使用される、メス絶縁体またはインサートの前面図である。
【
図10】
図9に示される、メス絶縁体の前面斜視図である。
【
図11】本発明の電源コネクタにおいて使用される、円筒形の金属スリーブの斜視図である。
【
図12】本発明の電源コネクタにおいて使用される、金属の内部冷却バネの平面図である。
【
図13】
図12に示される、金属の内部冷却バネの部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1、2、および3を参照すると、本発明の原理に従う、電源コネクタ10の斜視、分解、および側面立面図がそれぞれ示されている。
図4および6は、その中の視線4−4および6−6に沿ってそれぞれ採られる、
図3に示される電気コネクタ10の断面図である。
図5および5aは、それぞれ、本発明の電源コネクタ10の嵌合された、および嵌合されていない縦断面図である。
図7、8、および8aは、それぞれ、本発明の電源コネクタにおいて使用されるオス絶縁体またはインサート28の前面平面図ならびに前面および背面斜視図である。
図9、10、および10aは、それぞれ、本発明の電源コネクタにおいて使用されるメス絶縁体またはインサート48の前面平面図ならびに前面および背面斜視図である。
図11は、本発明の電源コネクタ10において使用される円筒形の金属スリーブ56の斜視図である。
図12は、本発明の電源コネクタにおいて使用される金属の内部冷却バネ36の平面図である。
図13は、
図12に示される金属の内部冷却バネ36の部分の拡大図である。
【0016】
電源コネクタ10は、第1の多導体ケーブル20内の複数の電気的リード20aおよび20bを、第2の多導体ケーブル40内の複数のリード40aおよび40bに連結するために適合される。コネクタ10の第1の端部上には、第1のオーバーモールド本体16があり、一方、コネクタの第2の対向する端部上には、第2のオーバーモールド本体18がある。第1のオーバーモールド本体16は、第1の多導体ケーブル20およびオス絶縁体28の外側端部の周りに配置され、これらの2つの構成要素をともにしっかりと連結して維持するために、それらに係合する。同様に、第2のオーバーモールド本体18は、第2の多導体ケーブル40およびメス絶縁体48の外側端部の周りに配置され、それらにしっかりと係合する。第1および第2のオーバーモールド本体16、18の各々は、電気絶縁かつ熱伝導性材料から成り、
図1に示されるように内側端部上にそれぞれの複数の離間された突起16b、18bを含む。第1および第2のオーバーモールド本体16、18上の離間された突起は、オーバーモールド本体からの熱の解放を容易にし、オーバーモールド本体の把持もまた容易にする。第1および第2のオーバーモールド本体16、18は、熱および圧力を使用する従来の様態で、電源コネクタ10および第1および第2の多導体ケーブル20、40に適用され、ケーブル張力緩和を提供する。
【0017】
図7、8、および8aにより詳細に示される、オス絶縁体28は、複数のセグメント化されたリブまたはフィン28a、28b、28c、および28dを有する、第1の外側端部を含む。リブ28a〜28dは、オス絶縁体28の外側端部の周りに放射状に配置され、動作中のコネクタ熱を消散するように、これらのリブからの熱の外方放射を容易にするように、複数のセグメントを含むように形成される。隣接するセグメント化されたリブ28a〜28dの各対は、要素52a〜52dとして
図8aに示されるように、それぞれの曲線のスロットを形成する。4つの離間されたスロット52a〜52dの各々は、第1の多導体ケーブルまたはリード20から延在するそれぞれの導体、およびリードに接続される端子の組み合わせを受容するように適合される。このため、
図5および5aに示されるように、それらのそれぞれの取設されたリード20aおよび20bを伴うこれら2つのオス端子22aおよび22bは、それぞれのオス絶縁体スロット内に位置付けられる。オス端子22aは、ワイヤ圧着によって、第1の多導体ケーブル20の導体20aに接続されて示される。第1の多導体ケーブル20の残りのリードは、ワイヤ圧着によって、オス端子の関連付けられるものに同様に電気的に連結される。
【0018】
オス絶縁体28の内側端部部分には、絶縁体の外側周辺に配置される、複数の離間された円筒形のスロット30a〜30dが提供される。スロット30a〜30dの基部には、それぞれのアパーチャ32a〜32dがあり、それらの各々は、オス絶縁体28内の関連付けられるスロットの長さに実質的に沿って延在するそれぞれのオス端子を受容するように適合される。これらの円筒形の周辺のスロット30a〜30dは、オス端子のそれぞれのものを受容するように各々適合されるが、これらのオス端子のうちの2つは、図面において、要素22aおよび22bとして示される。
【0019】
メス絶縁体48の外側端部にもまた、
図10に示されるように、離間された様態で、その外側周辺に配置される複数のリブまたはフィン48a、48b、48c、および48dが提供され、ここでは、4つのリブのうちの3つが、要素48a、48b、および48cとして示される。メス絶縁体48内の隣接するリブは、
図10aにおいて要素98a〜98dとして示されるスロットを形成する。スロット98a〜98dの各々は、第2の多導体ケーブルまたはリード40から延在するそれぞれの導体、およびリードに圧着される端子の組み合わせを受容するように適合される。それらのそれぞれの取設されたリード40aおよび40bを伴う、これら2つのメス端子42aおよび42bは、それぞれのメス絶縁体スロット内に位置付けられる。オス絶縁体28の場合のように、メス絶縁体48の離間されたリブ48a〜48dは、以下で述べられるように、メス絶縁体からの、ならびにメス導体および端子から離した熱の除去を促進および増強する。種々の図面に図示される本発明のコネクタ10の実施形態において、オスおよびメス端子の各々が4つ存在するということが理解されるものとする。しかしながら、この数は、本明細書において、例解目的でのみ使用されるため、本発明は、4つのリード、ならびに4つの対のオスおよびメス端子との使用に限定されない。
【0020】
メス絶縁体48の第2の内側端部には、4つの離間された部材48e、48f、48g、および48hが提供され、それらのうちの2つは、円筒形であり、各々が、それぞれの内側中空管97e、97f、97g、97hを有し、それらのうちの2つは、非対称であり、その長さに延在する。離間された部材48e〜48h内の管の各々は、要素42aおよび42bとして
図5および5aに示されるように、それぞれのメス端子を受容するように適合される。
【0021】
メス絶縁体48の4つの離間された円筒形の部材48e〜48hの1つのそれぞれの管にメス端子の各々を挿入することによって、オスコネクタ12およびメスコネクタ14が嵌合した状態にある時、電気的接触および連続性が、第1の多導体ケーブル20の複数のリードと、第2の多導体ケーブル40の複数のリードとの間に確立される。オス絶縁体28内のスロット30a〜30dのそれぞれのものの内の、かつそれらと締り嵌め接触する、メス絶縁体の4つの離間された円筒形の部材48e〜48hの各々の位置付けは、オス端子およびメス端子を封入する熱伝導性材料においていかなる間隙も伴わない中実本体を提供して、電流コネクタ部材からの熱の効果的かつ効率的な除去を提供する。
【0022】
オス絶縁体28の隣接する当接部分の周りに、かつそれと締り嵌め係合して配置されるのは、
図11の斜視図に示される円筒形の金属スリーブ56である。金属スリーブ56は、その上に放射状に拡張したカラー56aを有する第1の端部と、第2の対向する端部部分56bとを含む。
図5に示されるように、組み立てられたコネクタ10内に適所に金属スリーブ56があると、金属スリーブのカラー56aは、メス絶縁体48の外側表面と締り嵌め係合して配置されるOリング封止58と接触して位置付けられる。この位置において、Oリング封止58は、金属スリーブの放射状のカラー56a、およびメス絶縁体48から外方に延在する放射状のカラー51と封止接触して配置され、メス絶縁体と金属スリーブとの間に封止を形成する。金属スリーブ56は、好ましくは、黄銅またはアルミニウム等の高度に熱伝導性の金属から成り、端部56bがオス絶縁体の外側受容表面99上へ押圧される時、熱可塑性のオス絶縁体28との干渉嵌めを形成する。
【0023】
オス絶縁体28の隣接する部分の外側表面および金属スリーブ56の周りにきつく配置されるのは、オス連結ナット34であり、好ましくは、高熱伝導性金属でできている。
図5および
図5aに示されるように、オス連結ナット34の拡大された外側端部部分には、連結ナットからの熱の放射を容易にする、複数の離間された外側リブ34bが提供される。オス連結ナット34の反対の内側端部部分には、外側ネジ山34aが提供される。同様に、メス連結ナット54もまた、好ましくは、高熱伝導性金属でできている。メス連結ナット54もまた、
図5および5aに示されるように、メス絶縁体48の外側表面の部分の周りに配置され、かつそれにきつく係合する。
図5の斜視図に示されるように、メス連結ナット54もまた、この連結ナットからの熱の放射を容易にするように、複数の離間された外側リブ54bを含む。
【0024】
オス連結ナット34の内側表面内の内側の放射状のスロット38内に配置されるのは、
図5および5aの断面図に示されるように、金属のコイル状の冷却バネ36である。金属バネ36は、熱伝導性であり、内側金属スリーブから外側オス連結ナットへの熱の伝導性伝送を提供するように、金属スリーブ56の外側表面およびオス連結ナット34の内側表面に密接に接触する。金属バネ36のコイル状またはらせん状の構成はまた、金属スリーブ56の外側表面からオス連結ナット34の内側表面への放射による熱の伝送を可能にする。これらの2つの熱伝送形態は、周囲大気への解放のための電源コネクタ10内のワイヤ圧着および端子接触からその外側表面への熱除去率を増加させる。
図6を参照すると、コイル状の金属バネ36は、好ましくは、オススリーブ56と連結ナット34との間の相対的回転を容易にするように、ならびにオスおよびメスコネクタ12、14の接続/断絶中等の金属バネのキンクの可能性を低減するように、傾斜した、または角度が付けられたコイルを含む。オス連結ナット34と金属スリーブ56との間の接合部には、本発明の電源コネクタ10からの熱除去の増加のために、オス連結ナット内のそれぞれの環状の内側スロット内に各々配置される、要素37および39として
図5において点線形態で示される追加の金属バネが提供されてもよい。当業者は、この冷却バネをどのようにしてメス連結ナットに適用し得るかが容易に分かる。
【0025】
オスおよびメス絶縁体28、48の端部は、オスからメスコネクタ12、14の組み立てを容易にするように、互いに合わせられる。このため、その中に形成される4つの離間されたスロット30a〜30dによって形成される、オスインサート28の内側部分64の形状は、メス絶縁体48の内側端部における4つの離間された部材48e〜48h間の空間66の形状に合わせられる。オス絶縁体28の内側部分64の相補的形状、およびメス絶縁体48の端部上の空間66は、2つの絶縁体の組み合わせが、
図4に示されるように、高熱伝導性材料から成る中実の連続的な構造を有する略円筒形の本体を形成するように、2つの絶縁体が、締り嵌め様態においてともに接続されることを可能にする。各オスおよびメス端子の組み合わせは、熱を効率的かつ効果的に消散するように、端子からオスおよびメス絶縁体の組み合わせの外側表面への熱の伝送を容易にする、この高熱伝導性材料と密接に接触する。加えて、部材48e〜48hの形状は、
図7および9に示されるように、オス絶縁体28内の離間されたスロット30aおよび30dのそれぞれの形状に相補的である。オスおよびメス絶縁体28、48のこれらの係合部分の相補的および一致する形状は、オスおよびメスコネクタ12、14の連結、ならびに各オス端子の関連付けられたメス端子への挿入を容易にするように、オス端子の各々がメス端子のそれぞれのものと整合することを容易にする。さらに、この配設は、目視観察をほとんどまたは全く伴わずに、オスコネクタ12がメスコネクタ14に嵌合されることを可能にし、導体産業においては、「ブラインドメイト状態」と一般的に称される。
【0026】
メス連結ナット54の内側表面には、簡略化のために示されていない、ネジ山が提供される。オス連結ナット34の外側ネジ山34aをメス連結ナット54の内側ネジ山に挿入して係合させ、連結ナットの一方または両方を回転変位させることによって、2つの連結ナットは、封止様態にともにきつく引き付けられ得る。オス連結ナット34もまた、オス絶縁体28にしっかりと係合させ、かつメス連結ナット54もまた、その放射状のカラー51において、メス絶縁体48にしっかりと係合させると、オスコネクタ12およびメスコネクタ14は、電源コネクタ10内のオスおよびメス端子間に封止された電気的接触を確立するように、ともにきつく引き付けられ得る。
【0027】
本発明の特定の実施形態を図示および説明してきたが、そのより広義の態様において、本発明から逸脱することなく、変更および修正が行われ得ることが、当業者には明らかとなろう。したがって、添付の特許請求の範囲における目的は、本発明の真の精神および範囲内にある全てのかかる変更および修正を網羅することである。前述の説明および添付の図面において記載される事柄は、制限としてではなく、例解としてのみ提供される。本発明の実際の範囲は、先行技術に基づくそれらの適切な観点で見る時、以下の特許請求の範囲において定義されることが意図される。
【国際調査報告】