特表2015-525013(P2015-525013A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-525013加速された決定解決を容易にするために配置機会ロケーションを一様にマーク付けし、識別するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-525013(P2015-525013A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(54)【発明の名称】加速された決定解決を容易にするために配置機会ロケーションを一様にマーク付けし、識別するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/262 20110101AFI20150731BHJP
   H04H 60/07 20080101ALI20150731BHJP
   H04H 60/37 20080101ALI20150731BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20150731BHJP
【FI】
   H04N21/262
   H04H60/07
   H04H60/37
   G06F13/00 540P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-510332(P2015-510332)
(86)(22)【出願日】2013年4月25日
(85)【翻訳文提出日】2014年12月16日
(86)【国際出願番号】US2013038185
(87)【国際公開番号】WO2013165804
(87)【国際公開日】20131107
(31)【優先権主張番号】13/459,382
(32)【優先日】2012年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.HDMI
3.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】514256519
【氏名又は名称】ディス テクノロジー,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】ミック,ジュニア,ジョン,レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】シャーウィン,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
5B084
5C164
【Fターム(参考)】
5B084AA04
5B084AA12
5B084AB35
5B084BB12
5C164MA05S
5C164MB13S
5C164SA12S
5C164SB08S
5C164SB29S
5C164SC23P
5C164TA08S
(57)【要約】
広告配置のために信号ストリームにマーク付けする、コンピュータによって実施される方法およびシステムが、開示される。サーバは、チャネル識別子を有する少なくとも1つのソース信号ストリームを受信する。サーバは、少なくとも1つのソース信号ストリームの中の広告信号ポイントを識別する。サーバは、広告信号ポイントの時間的開始ロケーションを決定する。サーバは、広告信号ポイントの時間的開始ロケーションと、チャネル識別子とに基づいて固有信号IDを生成する。サーバは、固有信号IDを少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に挿入する。固有信号IDは、ユニバーサル固有識別子(UUID)とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告配置のために信号ストリームにマーク付けする、コンピュータによって実施される方法であって、
プログラムされたコンピュータを使用して、チャネル識別子を有する少なくとも1つのソース信号ストリームを受信するステップと、
前記プログラムされたコンピュータを使用して、前記少なくとも1つのソース信号ストリームの中の広告信号ポイントを識別するステップと、
前記プログラムされたコンピュータを使用して、前記広告信号ポイントの時間的開始ロケーションを決定するステップと、
前記プログラムされたコンピュータを使用して、前記広告信号ポイントの前記時間的開始ロケーションと、前記チャネル識別子とに基づいて、固有信号IDを生成するステップと、
前記プログラムされたコンピュータを使用して、前記少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に前記固有信号IDを挿入するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記固有信号IDは、ユニバーサル固有識別子(UUID)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユニバーサル固有識別子は、長さが少なくとも128ビットである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記固有信号IDは、指定された帯域内キャリッジ・フォーマットを使用して少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に挿入される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
広告信号ポイントの前記時間的開始ロケーションは、ウォール・クロック・タイム・スタンプに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのソース信号ストリームの中の広告信号ポイントを識別する前記ステップは、キュー・トーンを示すSCTE−35パケットのインスタンスを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記識別された広告信号ポイントに基づいて、少なくとも1つの理論的広告配置機会を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの理論的広告配置機会から少なくとも1つの確認された広告配置機会を取得することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの理論的広告配置機会から前記少なくとも1つの確認された広告配置機会を取得することは、
信号なしに、少なくとも1つのあらかじめ作られているが未確認の広告配置機会をあらかじめ割り振ること、
少なくとも1つのあらかじめ作られているが未確認の広告配置機会に前記ソース信号ストリームをバインドすること、および
前記少なくとも1つのあらかじめ作られているが未確認の広告配置機会を確認された広告配置機会として指定すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの確認された広告配置機会についての広告決定を実行することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの確認された広告配置機会について広告決定を実行することは、広告決定サービスに対して、前記少なくとも1つの確認された広告配置機会について前記固有信号IDを有する広告コールを送信することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの確認された広告配置機会について広告決定を実行することは、
前記広告決定サービスから、少なくとも1つの受信側信号ストリームをターゲットにする少なくとも1つの広告を受信すること、
前記少なくとも1つのターゲットを絞った広告と、前記固有信号IDとを前記少なくとも1つの受信側信号ストリームの中に挿入すること、および
前記少なくとも1つの受信側信号ストリームを少なくとも1つの受信側に対して送信すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ルックバック・ルックアップを実行するために前記固有信号IDを有する前記広告信号ポイントの前記時間的開始ロケーションを使用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記固有信号IDを有するルックアヘッド決定トリガをトリガ・データとして生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの確認された広告配置機会について前記固有信号IDを有する広告コールを広告決定サービスに対して送信することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
広告決定サービスに対して前記固有信号IDを有する広告コールを送信することに応じて、少なくとも1つの確認された配置機会について広告決定を実行する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの確認された配置機会について広告決定を実行することは、
前記広告決定サービスから、少なくとも1つの受信側信号ストリームをターゲットにする少なくとも1つの広告を受信すること、
前記少なくとも1つのターゲットを絞った広告と、前記固有信号IDとを前記少なくとも1つの受信側信号ストリームの中に挿入すること、および
前記少なくとも1つのターゲットを絞った広告をキャッシュに記憶すること
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのターゲットを絞った広告をキャッシュに記憶することは、前記少なくとも1つのターゲットを絞った広告をコンテンツ配信ネットワークに関連する少なくとも1つのJARに対して送信することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのソース信号ストリームは、コンテンツを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
コンテンツは、ビデオ、オーディオ、または双方向性オーバーレイを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのソース信号ストリームの中の前記広告信号ポイントに関連する時間間隔は、ブレイク、プリ・ロール、ポスト・ロール、ミッド・ロール、インタースティシャル、一時停止、またはビデオ・オン・デマンドの要求に対応する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
広告配置のために信号ストリームにマーク付けするためのコンピュータ・システムであって、
メモリと、
前記メモリに結合された処理デバイスと
を備えており、前記処理デバイスは、
チャネル識別子を有する少なくとも1つのソース信号ストリームを受信し、
前記少なくとも1つのソース信号ストリームの中の広告信号ポイントを識別し、
前記広告信号ポイントの時間的開始ロケーションを決定し、
前記広告信号ポイントの前記時間的開始ロケーションと、前記チャネル識別子とに基づいて固有信号IDを生成し、
前記固有信号IDを前記少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に挿入するように
構成されている、コンピュータ・システム。
【請求項23】
処理システムによって実行されたとき、
チャネル識別子を有する少なくとも1つのソース信号ストリームを受信すること、
前記少なくとも1つのソース信号ストリームの中の広告信号ポイントを識別すること、
前記広告信号ポイントの時間的開始ロケーションを決定すること、
前記広告信号ポイントの前記時間的開始ロケーションと、前記チャネル識別子とに基づいて固有信号IDを生成すること、および
前記固有信号IDを前記少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に挿入すること
を含む、広告配置のために信号ストリームにマーク付けする方法を前記処理システムに実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ読取り可能ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にサービス・プロバイダ・ビデオ・ネットワークに関し、より詳細には、信号ストリームにおいて加速された決定解決を容易にするために配置機会ロケーションを一意的にマーク付けし、識別するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツ(すなわち、ビデオ番組またはオーディオ番組)と、ビデオ信号ストリームまたはオーディオ信号ストリームの中の広告(の配置)とを含めて、放送やケーブル・テレビジョンやラジオのプログラミングは、線型モデルに従ってきた。プログラミングは、ユーザが娯楽コンテンツを視聴しようと決めたとき番組が開始され、ストリーミングされ、進行中であるという意味で、線形とすることができる。図1は、広告配置のための従来の線形の、またはビデオ・オン・デマンド(VOD:video−on−demand)のモデルを示す。娯楽コンテンツ2は、ケーブル・ネットワークの上でのデジタル・データ・ストリームとして処理されるとき、いくつかの時間間隔に分割される可能性がある。時間間隔4は、「ゴールデン・ガール(Golden Girls)」など、視聴される番組(コンテンツ)のために予約される時間を含む。間隔6、8、9は、広告または「アベイル(avails)」のために予約される時間のセクションを表す。これらの「アベイル」は、広告配置機会として見ることができる。本明細書において使用されるとき、「配置機会」は、従来アベイルと呼ばれており、またスロット(スロットへのスポット)と称されることもある。配置機会(PO:placement opportunity)は、広告または娯楽コンテンツを挿入すべき機会を表す構造体であり、その持続時間、双方向性、所有権、技術的制約条件など、その機会についての規則を規定する。
【0003】
本明細書において使用されるとき、用語「バインドすること(binding)」は、配置機会(PO)の内部の信号とコンテンツとの識別のことを意味する。POは、まだ(すなわち、夕方のTNTネットワークの上のどのような番組にも)公開されていない広大な量のコンテンツのために頻繁に生成される。その番組が放送され、信号が検出されるとき、信号は、その番組のために関連のあるPOにバインドされる。
【0004】
本明細書において使用されるとき、用語「インプレッション(impression)」は、1人の視聴者に対して広告を見せることを意味する。例えば、30秒のスポットが、50,000個のビデオ・オン・デマンド(VOD)ストリームの中に配置され、またそれらのストリームのうちの30,000個が、実際に広告を再生したことが知られている場合には、その広告の30,000個のインプレッションが生成されている。
【0005】
本明細書において使用されるとき、「ステータス通知」は、それだけには限定されないが、決定が配信されるときに生成された固有のIDを有するVODサーバからのHTTPコールとすることができる。
【0006】
本明細書において使用されるとき、用語「ブレイク(break)」は、娯楽コンテンツの間のストリームの中のスペースのすべてのことを意味する。例えば、「大人2人と子供1人(Two and a Half Men)」の2つのセグメント間の4つの連続した30秒のスポットのグループは、単一のブレイクとみなされることもある。
【0007】
本明細書において使用されるとき、信号ストリームの中のブレイクの推定された開始ロケーションは、信号ポイントと称される。広告配置の場合には、これらの信号ポイントは、広告信号ポイントと称されることもある。
【0008】
ビデオ・オン・デマンド(VOD)などの非線形システムにおいては、間隔6、8、9は、新しい意味を持つことができる。間隔6は、プリ・ロール、すなわち、ユーザがVODビデオを開始するためにクリックした後に直ちに起こるビデオの中のスペースと呼ばれる。間隔9は、ポスト・ロール、すなわち、VODビデオ・セグメントのすべてが再生を終了した後のスペースとして知られている。間隔8は、ミッド・ロール、すなわち、VODビデオの中央におけるミニ・ブレイクとすることができ、またはインタースティシャル、すなわち、連続したVODビデオ・セグメント間のポッドのようなロケーションとすることができる。VOD広告配置機会は、スペース、時間、コンテンツ、ユーザ・コンテキストに基づいて出現する可能性があり、また非常に非線形である可能性がある(すなわち、ユーザは、コンテンツの再生を開始することを選択し、それに応じてコンテンツが開始される)。そのような再生リストの中の間隔6、8、9のすべては、いつでも広告を挿入することができる、すなわち、広告配置機会である。
【0009】
図2は、信号ストリームにおいて広告配置決定を実行するための従来のインターネット・ベースのケーブル・テレビジョン・インフラストラクチャ200の構成を示す。TVについては、広告ネットワークは、以前は全国ネットワーク、ケーブル・ネットワーク、またはケーブル・オペレータであった。しかしながら、ブラウザがコンテンツにアクセスし/コンテンツを表示し、次いで共用された広告ネットワークに別々に「差し向けられる」場合のインターネットとは違って、インターネット・ベースのケーブル・テレビジョン・インフラストラクチャ200は、広告とコンテンツの両方を一緒に選択し、またアセンブルし、また組み合わされた結果を顧客の「スマート家電製品」202a〜202n(例えば、インターネット対応のテレビジョン、ラジオ、スマートフォン、タブレット、PCなど)に対して配信する。
【0010】
最近では、インターネット対応のテレビジョンなどのスマート家電製品202a〜202nは、WiFi接続または直接のイーサネット接続の上で、ネットフリックス(Netflix)映画やパンドラ(Pandora)ストリーミング・ラジオなどのインターネット・ストリーミング・サービスからコンテンツを受信することができるようになってきている。ユーザが、これらのサービスのうちの1つに対応する、テレビジョン・セットの上に現れる「アプリケーション(app)」についてのアイコンをクリックすると、コンテンツは、セット・トップ・ボックスを必要とすることなしに、スマート家電製品202a〜202nの中で実行されるアプリケーションに対して直接に、コンテンツ配信ネットワーク(CDN:content delivery network)204からスマート家電製品202a〜202nに対してストリーミングされる。
【0011】
セット・トップ・ボックスは、当技術分野において知られているように、同軸ケーブルまたは光ファイバ・ケーブルの上で放送設備を通してセット・トップ・ボックスに対して絶えずストリーミングされプッシュされるデジタル信号の2つの状態のアナログ表現を復号するように構成されていることもあり、またセット・トップ・ボックスは、そのチャネルに同調し、またコンテンツを表示する。ユーザが、インターネット配信された番組コンテンツを見るとき、スマート家電製品202a〜202nの内部のブラウザは、所定の時間チャンクにおいて−−−一般に2秒のチャンク、時には3秒のチャンク、時には10秒のチャンクにおいて、ビデオをフェッチする。フェッチされたビデオのチャンクは、アプリケーション・ソフトウェアの中で動的にシームレスに一緒にまとめられ、また次いでスマート家電製品202a〜202nの上にスムーズなビデオとして現れるようにするために表示される。
【0012】
マルチプル・システム/サービス・オペレータ(MSO:Multiple System/Service Operator−複数のケーブル・システムを所有しており、またブロードバンド・インターネット・サービスであることを示すことができるケーブルTV組織)は、スマート家電製品の上でビデオ・ストリームを再放送したいと望むこともある。残念ながら、スマート家電製品を含めて、あらゆる接続されたデバイスは、それが消費することができるフォーマットでビデオを取得する必要がある。アップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)、アドビ(Adobe)などは、非常に特有の互換性のないフォーマットを有している。この問題を克服するために、これらの会社の各々は、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)204と呼ばれる設備を構築しており、ここでは、各チャネルについての「セット・トップ・ボックス」は、衛星からの放送を受信するように構成されている。アップストリーム・デバイス206からの「セット・トップ・ボックス」によって受信される信号は、トランスコーダ208に供給されて、望ましいフォーマットで信号を配置し、フォーマットされた信号を所定の(例えば、2秒の)データのチャンクに断片化する。次いで、これらのチャンクは、コンテンツが配信されるべき場所の物理的に近くに位置するサーバ・ファーム(server farms)の上のCDN204に記憶される。
【0013】
番組が終了した時間および次の番組が開始される前の時間、すなわち配置機会を含めて特定のチャネル・データ・ストリームを識別するために、次の番組が開始される所定の時間前に、qトーンがチャネル・データ・ストリームの中に挿入される。トランスコーダ208とすることもできるオブザーバ210は、1つまたは複数の広告のチャネル・データ・ストリームへの後続の配置についてのqトーンの到着について広告サービス(ADS:advertisement service)212に通知する。広告サービス212は、チャネル・データ・ストリームの中のブレイクに広告を配置するためにCDN204からの要求が後から到着するのを待っている。
【0014】
qトーンは、SCTE−35パケットのインスタンスとすることができる。SCTE−35パケットは、長さが16ビットから32ビットの識別子を含むことができる。残念ながら、この識別子は、広告配置決定と、他のプロセスとについて個別の信号ストリームにおいて個別の配置機会を識別するのに十分に大きくはない。したがって、マルチ・パラメータの関係のある照会またはルックアップを使用してデータ・ストアの中に位置する可能性がある情報を識別することが、必要である。これは、かなりシステム性能を低下させる。
【0015】
残念ながら、広告サービスが要求でいっぱいにされる場合、マルチ・パラメータ要求は、混雑状態と、脱落した要求と、リブートとをもたらす可能性がある。これは、特に全国ベースのテレビジョン・プログラミングに当てはまり、ここでは、広告についての数万個から数百万個の要求が、実質的に同時に単一のサービス、または少数の広告サービスにあふれる可能性がある。
【0016】
したがって、望ましいことになるが、まだ提供されてはいないものは、信号ストリームにおいて加速された決定解決を容易にするために配置機会ロケーションを一意的にマーク付けし、識別するための方法およびシステムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記で説明された問題は、対処され、また技術的問題解決手法は、広告配置のために信号ストリームにマーク付けするコンピュータによって実施される方法およびシステムを提供することにより、当技術分野において達成される。サーバは、チャネル識別子を有する少なくとも1つのソース信号ストリームを受信する。サーバは、少なくとも1つのソース信号ストリームにおいて広告信号ポイントを識別する。サーバは、広告信号ポイントの時間的開始ロケーションを決定する。サーバは、広告信号ポイントの時間的開始ロケーションと、チャネル識別子とに基づいて、固有信号IDを生成する。サーバは、固有信号IDを少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に挿入する。固有信号IDは、ユニバーサル固有識別子(UUID:universal unique identifiers)とすることができる。そのユニバーサル固有識別子は、長さが少なくとも128ビットとすることができる。固有信号IDは、指定された帯域内キャリッジ・フォーマットを使用して少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に挿入されることもある。広告信号ポイントの時間的開始ロケーションは、ウォール・クロック・タイム・スタンプに基づいて決定されることもある。
【0018】
一実施形態においては、少なくとも1つのソース信号ストリームにおいて広告信号ポイントを識別することは、キュー・トーンを示すSCTE−35パケットのインスタンスを受信することを含むことができる。
【0019】
一実施形態においては、本方法は、識別された広告信号ポイントに基づいて少なくとも1つの理論的広告配置機会を生成することをさらに含むことができる。少なくとも1つの確認された広告配置機会は、少なくとも1つの理論的広告配置機会から取得されることもある。少なくとも1つの理論的広告配置機会から少なくとも1つの確認された広告配置機会を取得することは、信号なしに、少なくとも1つのあらかじめ作られているが未確認の広告配置機会をあらかじめ割り振ること、少なくとも1つのあらかじめ作られているが未確認の広告配置機会にソース信号ストリームをバインドすること、および少なくとも1つのあらかじめ作られているが未確認の広告配置機会を確認された広告配置機会として指定することを含むことができる。
【0020】
一実施形態においては、本方法は、少なくとも1つの確認された広告配置機会についての広告決定を実行することをさらに含むことができる。少なくとも1つの確認された広告配置機会についての広告決定を実行することは、広告決定サービスに対して、少なくとも1つの確認された広告配置機会についての固有信号IDを有する広告コールを送信すること、広告決定サービスから、少なくとも1つの受信側信号ストリームをターゲットにする少なくとも1つの広告を受信すること、少なくとも1つのターゲットを絞った広告と固有信号IDとを少なくとも1つの受信側信号ストリームに挿入すること、および少なくとも1つの受信側信号ストリームを少なくとも1つの受信側に対して送信することを含むことができる。
【0021】
一実施形態においては、本方法は、ルックバック・ルックアップを実行するために、固有信号IDを有する広告信号ポイントの時間的開始ロケーションを使用することを含むことができる。
【0022】
一実施形態においては、本方法は、固有信号IDを有するルックアヘッド決定トリガをトリガ・データとして生成することを含むことができる。本方法は、広告決定サービスに対して、少なくとも1つの確認された広告配置機会についての固有信号IDを有する広告コールを送信することをさらに含むことができる。広告決定サービスに対して固有信号IDを有する広告コールを送信することに応じて、サーバは、少なくとも1つの確認された配置機会についての広告決定を実行することができ、広告決定サービスから、少なくとも1つの受信側信号ストリームをターゲットにする少なくとも1つの広告を受信すること、少なくとも1つのターゲットを絞った広告と、固有信号IDとを少なくとも1つの受信側信号ストリームに挿入すること、および少なくとも1つのターゲットを絞った広告をキャッシュに記憶することをさらに含む。少なくとも1つのターゲットを絞った広告は、キャッシュに記憶されることもあり、このキャッシュは、JARとすることができる。
【0023】
本発明は、添付図面と併せて考察される以下で提示される例示の実施形態についての詳細な説明からもっと簡単に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】広告配置についての従来の線形の、またはビデオ・オン・デマンドのモデルを示す図である。
図2】信号ストリームにおいて広告配置決定を実行するための従来のインターネット・ベースのケーブル・テレビジョン・インフラストラクチャの構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による、広告配置のために信号ストリームにマーク付けするためのシステムについての一実施形態の構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による、広告配置のために信号ストリームにマーク付けする方法の一実施形態を示す流れ図である。
図5】本発明の一実施形態による、少なくとも1つの確認された広告配置機会についての広告決定を実行するための方法についての一実施形態を示す流れ図である。
図6】本発明の一実施形態による、信号ストリームにおいて広告配置決定を加速するためのシステムの構成を示す図である。
図7】本発明の一実施形態による、サーバの観点から信号ストリームにおいて広告配置決定を加速するための方法についての一実施形態を示す流れ図である。
図8】本発明の一実施形態による、クライアントの1つの観点からデータ・ストリームにおいて広告配置決定を加速するための方法についての一実施形態を示す流れ図である。
図9】その内部で、本明細書において考察される任意の1つまたは複数の方法をマシンに実行させるための1組の命令が実行され得るコンピュータ・システムの例示の形態の形でマシンの図表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付の図面は、本発明の概念を例証する目的のためであり、また縮尺比に従って拡大縮小されなくてもよいことを理解すべきである。
【0026】
本発明のある種の実施形態は、SCTE−130規格に従って規定される要素と互換性があり、またそれらの要素を使用している。SCTE−130規格は、配置機会を通信するために必要な協調する論理サービスと、配置決定と、説明責任の測定のために必要な配置に関連したイベント・データとの最小の組を規定する標準化され、また拡張可能なメッセージ・ベースのインターフェースを提供する。SCTE−130は、1組の広告システム論理サービスのうちのインターフェースの拡張可能なフレームワークを規定する。SCTE−130規格は、進化したアドレス指定可能な広告システムを実施するために必要とされる協調的な論理サービスの最小の組と、規定された論理サービスのうちで通信するために必要とされる語彙を形成するコア・データ・タイプおよび拡張可能なメッセージ・フレームワークと、コア・データ・タイプおよびメッセージを使用するこれらの論理サービスのうちのインターフェースと、既に展開されたシステムとの後方互換性を保持しながら革新を可能にする拡張可能性のためのメカニズムとを包含しており、それによって規格の内部で新しい特徴を組み込むための複雑さを低減させる。
【0027】
SCTE−130規格の標準的な部分は、VODベースの広告能力、線形ベースの広告能力、広告回転グループなど、機能強化された広告能力(回転グループは、順番に実行される配置機会のことを意味し、その結果、同じ広告は、すぐに再び視聴されない)などの特徴と、広告またはコンテンツの調整のための加入者ベースのアドレス指定と、より進化した広告機能またはアドレス指定機能のための拡張ポイントと、同じベンダによって生成される1つまたは複数の物理システムとして実施される論理サービスと、1つまたは複数のベンダからのシステムを同時に含むことができる論理サービスの展開と、1つまたは複数の規定された論理サービスおよびインターフェースを組み込むことができる実装形態とを実施するシステムを統合するためのメカニズムを規定する。
【0028】
SCTE−130規格は、進化した広告システムを備える1組の論理サービスを規定する。各論理サービスは、それ自体複雑なシステムとすることができる。一実施形態においては、1つまたは複数の以下の論理サービスは、本発明のある種の実施形態によって使用される可能性があり、またはある種の実施形態と相互に作用することができる。
【0029】
広告管理サービス(ADM:Advertisement Management Service)は、広告挿入アクティビティをサポートしてメッセージを規定する。これらのメッセージの一次消費者は、広告決定サービス(ADS:Advertisement Decision Service)である。ADMによって暴露されるメッセージ・インターフェースは、あらかじめ構成された広告決定と、リアル・タイム実現モデルとの両方を可能にする。ADM実装形態は、いくつかの簡単な広告選択規則(例えば、広告回転)を組み込むことができるが、より複雑な広告決定は、ADSの責任である。
【0030】
広告決定サービス(ADS)は、どのようにして広告コンテンツが、広告でない(すなわち、娯楽)コンテンツ・アセットと組み合わされるかを決定する。ADSによって行われる決定は、直接的なもの(すなわち、特定のアセットの中で特定の時刻に配置される特定の広告コンテンツ)であり、または(加入者データ、広告ゾーンなどに基づいた)任意の複雑なものとすることができる。
【0031】
コンテンツ情報サービス(CIS:Content Information Service)は、他のSCTE−130論理サービスにとって使用可能なアセット(広告アセットと非広告アセットの両方)を記述するメタデータを管理する。CISは、照会および通知インターフェースを他の論理サービスに対して提供する。照会サービスは、アドホック・ベースで使用可能であり、またどのような先行した登録もなしにいつでも他の任意の論理サービスによって呼び出される可能性がある。照会は、照会メッセージ・メタデータ内で捜し求められる値またはパターンを指定し、その指定されたマッチング情報(またはエラー表示)が、応答メッセージの中で返される。
【0032】
コンテンツ情報サービス(CIS)は、ストレージおよび配信エンジンである。それは、娯楽アセットおよび広告アセットについてのメタデータを記憶し、メタデータが修正されるときに登録されたクライアントに対して通知を提供し、他のCISサービスからの通知を登録し、受信し、また処理し、またリアル・タイムのメタデータ照会をサポートする。CISにより、広告マネージャ(ADM)および/または広告決定サービス(ADS)は、それらの進化した広告決定処理において、コンテンツ・メタデータを取り出し、また利用することができるようになる。
【0033】
配置機会情報サービス(POIS:Placement Opportunity Information Service)は、配置機会の説明を保持し、維持し、また持ち続けることができる。POISは、各配置機会についての属性および制約条件と、配置機会が存在するコンテンツのプラットフォーム準拠、権利、ポリシーとを含むこともできる。これらの配置機会は、コンテンツ特有であり、したがって、属性と制約条件とは、ネットワーク、地理的領域、または他のコンテンツ分布次元によって変化する可能性がある。
【0034】
POISは、配置機会(PO)ストレージおよびインベントリ実行エンジンである。それは、POメタデータと統計データとを記憶し、POメタデータが修正されるときに登録されたクライアントに対して通知を提供し、他のPOISサービスからの通知を登録し、受信し、また処理し、またリアル・タイムPOメタデータ照会をサポートする。POIS電化製品を通して、広告マネージャ(ADM)および/または広告決定サービス(ADS)は、それらの進化した広告決定を行う際に配置機会メタデータを取り出し、また利用することができる。
【0035】
加入者情報サービス(SIS:Subscriber Information Service)は、広告配置決定に関連のある加入者当たりの情報を管理する。SISは、MACアドレスやシリアル番号など、加入者またはクライアントの識別子と、加入者または視聴者の属性、例えば、加入者の年齢、性別、ロケーションとの間のマッピングを提供する。
【0036】
用語「コンピュータ」または「コンピュータ・プラットフォーム」は、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、サーバ、ハンドヘルド・デバイス、デジタル信号プロセッサ(DSP)、埋め込みプロセッサ(この埋め込みプロセッサの一例が、図9に関連して説明される)、データを処理することができる他の任意のデバイスなど、任意のデータ処理デバイスを含むことを意図している。コンピュータ/コンピュータ・プラットフォームは、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ読取り可能媒体と、1つまたは複数のネットワークとに通信するように接続される1つまたは複数のマイクロプロセッサを含むように構成されている。用語「通信するように接続される」は、有線か、またはワイヤレスかにかかわらず、データが通信され得る任意のタイプの接続を含むことを意図している。用語「通信するように接続される」は、それだけには限定されないが、単一コンピュータの内部のデバイス間および/またはプログラム間の、あるいはネットワークの上のデバイス間および/または別個のコンピュータ間の接続を含むことを意図している。用語「ネットワーク」は、それだけには限定されないが、OTA(無線(over−the−air)伝送と、ATSC、DVB−T)と、パケット交換ネットワーク(TCP/IP、例えば、インターネット)と、衛星(マイクロ波、MPEGトランスポート・ストリームまたはIP)と、直接ブロードキャスト衛星と、アナログ・ケーブル送信システム(RF)と、デジタル・ビデオ送信システム(ATSC、HD−SDI、HDMI、DVI、VGA)などとを含むことを意図している。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態による、広告配置のために信号ストリームにマーク付けするためのシステム300の構成を示す。システム300は、1つまたは複数のネットワーク(図示されず)によって相互に接続され、また1つまたは複数のADS304a〜304nに通信するように接続された、サーバ302の上で実行されることもある。ADS304a〜304nは、1つまたは複数のスマート家電製品308a〜308nに対する配信のためのCDN306の要求で、受信側データ・ストリームの中の広告ブレイクに広告を配置するように構成されている。
【0038】
サーバ302は、アップストリーム・デバイス312からの1つまたは複数のソース信号ストリームと、オブザーバ314からの対応するqトーン(すなわち、SCTE−35パケットのインスタンス)とを受信するために、CIS310に関連づけられ、またはCIS310を実施することができ、このオブザーバは、トランスコーダ316の内部に組み込まれていることもある。トランスコーダ316はまた、上記で説明されるように、CDN306に対する所定の「チャンク」において、IPビデオ、オーディオなどを配信するように構成されてもいる。
【0039】
CIS310はまた、1つまたは複数のソース信号ストリームからのメタデータを識別し、またその識別されたメタデータをサーバ302に対して配信するように構成されてもいる。サーバ302は、信号なしに対応する数の未確認の配置機会をあらかじめ割り振るように、また複数のあらかじめ作られているが未確認の配置機会に対してソース信号ストリームをバインドするように構成されている。識別されたメタデータの一部分は、対応するソース信号ストリームに関連するチャネル識別子を含む。CIS310は、確認されたPOとしてPOを一意的に識別する信号識別子または信号IDと称されるグローバルに固有の値、UUIDと、エンド・ツー・エンド動作システム300の内部のその開始ロケーションとを返すように構成されている。CIS310は、さらに、適切な帯域内キャリッジ・フォーマットを使用したソース信号ストリームのメタデータの中に、信号IDと、チャネル識別子とを挿入するように構成されている。
【0040】
一実施形態においては、POIS318は、サーバ302によって実施されることもある。POIS318は、コンテンツ・ストリームと、ウォール・クロックの両方に対する未確認の配置機会(すなわち、広告信号ポイント(単数または複数)を含む)の時間的開始ロケーションを識別することにより未確認の配置機会を「確認する」ように構成されている。
【0041】
一実施形態においては、POIS318は、SCTE130の広告管理サービス320、またはチャネル識別子と、少なくとも1つの視聴者属性とを有するいくつかの受信側信号ストリームを表すリストを識別すべきサーバ302に関連するADM320のインスタンスにおいて、ワークフローを開始するように構成されていることもある。リストを識別するために、ADM320は、外部セッション・マネージャ322と、SIS324との各々に対してコールをかける。ADM320は、チャネル識別子をセッション・マネージャ322に対して送信し、このセッション・マネージャは、チャネル識別子に対応するチャネルを現在視聴しているいくつかの受信側を示すクライアント識別情報のリストをADM320に提供する。ADM320は、クライアント識別情報とチャネル識別子とに相互に関連した視聴者修飾子の組についてのリストをADM320に提供するSIS324に対してクライアント識別情報のリストと、チャネル識別子とを送信する。クライアント識別情報と、チャネル識別子とに相互に関連した視聴者修飾子の組のこのリストは、加入者によって現在「見られ」ている同じチャネル識別子を有する受信側信号ストリームのリストを表しており、ここで、リストの中の各加入者は、視聴者属性のある種の組(例えば、21歳以上のすべての男性)を有している。ADM320はまた、1つまたは複数のADS304a〜304nから、クライアント識別情報と、チャネル識別子とに相互に関連した視聴者修飾子のリストの組に対応する複数のターゲットを絞った広告を取得するように構成されてもいる。ADM320は、ADS304a〜304nから、複数の受信側信号ストリームを表すリストをターゲットにする複数の広告を受信する。
【0042】
ADM320は、固有信号IDと、1組のローカルに構成され、または学習されたターゲットにする判断基準とを加えたものを使用して、固有の1組の広告決定要求を開始する。広告決定要求は、適切な決定所有者(すなわち、ADS304a〜304n)に対するターゲットを絞った広告決定要求に発展し、またそれらの結果は、信号確認の結果として生成される配置機会に相互に関連した1組の広告配置決定である。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態による、広告配置のために信号ストリームにマーク付けする方法400についての一実施形態を示す流れ図である。ブロック405において、サーバ302は、チャネル識別子を有する少なくとも1つのソース信号ストリームを受信する。サーバ302に関連するCIS310は、アップストリーム・デバイス312からチャネル識別子を有するソース信号ストリーム(例えば、MPEG−2フォーマットにおける)を受信する。CIS310は、チャネル識別子を含むソース信号ストリームからのメタデータを識別し、またチャネル識別子をサーバ302に対して提示する。
【0044】
ブロック410において、サーバ302は、少なくとも1つのソース信号ストリームの中の広告信号ポイントを識別する。一実施形態においては、ソース信号ストリームの中の広告信号ポイントを識別することは、対応するソース信号ストリームの中の信号ポイントの到着についての外部通知を受信することに基づいたものとすることができる。ソース信号ストリームについての特定のベンダ・フォーマット(例えば、TBS)に関連するトランスコーダ316は、ソース信号ストリームを受信し、またソース信号ストリームをIPビデオに変換する。そのプロセスにおいて、トランスコーダ316に含められることもあるオブザーバ314は、SCTE−35のqトーンの存在に気付く。
【0045】
一実施形態においては、通知は、ソース信号ストリームに位置している対応する信号ポイントに先立ったqトーンのトーンを示すSCTE−35パケットのインスタンスである。qトーンはまた、理論的広告配置機会が、ソース信号ストリームの中の理論的広告信号ポイントにある期間だけ先立ってソース信号ストリームの中に位置していることを示す表示を提供する。次いで、トランスコーダ316のオブザーバ314は、CIS310に対してウェブ・コールをかけて、特定のチャネル識別子についてのqトーンが、観察されていることをCIS310に通知する。SCTE−35パケットと、チャネル識別子とが、CIS310によってソース信号ストリームのメタデータから抽出され、またサーバ302に対して配信される。
【0046】
ブロック415において、サーバ302は、少なくとも1つのソース信号ストリームの中の広告信号ポイントの時間的開始ロケーションを決定する。少なくとも1つのソース信号ストリームの中の広告信号ポイントの時間的開始ロケーションは、ソース信号ストリームの中に位置している理論的配置機会を確認することに基づいて、CIS310によって決定されることもある。広告信号ポイントの時間的開始ロケーションは、ウォール・クロック・タイム・スタンプに部分的に基づいていることもある。
【0047】
SCTE−35パケットの到着は、指定されたチャネルID(例えば、TBS)についてのいくつかの理論的な広告配置機会(PO)についての表示である。各々の未確認のPOは、広告信号ポイントとして知られている推定された開始ロケーションを有する。広告信号ポイントは、確認される必要がある。実際の広告挿入開始ロケーションに、ソース信号ストリームにおいて、リアル・タイムに出合うとき、POIS318におけるソフトウェア・プロセスは、広告信号ポイントの実際の時間を確認する。この確認された広告信号ポイントは、少なくとも1つの受信側信号ストリームにおいて、広告挿入のために今や準備ができている確認されたPOの生成をもたらす。
【0048】
POIS318が、理論的な配置機会を受信するとき、POIS318は、信号なしに、対応する数の未確認の広告配置機会をあらかじめ割り振るように、また複数のあらかじめ作られているが未確認の広告配置機会に対してソース信号ストリームをバインドするように構成されている。複数のあらかじめ作られているが未確認の広告配置機会に対してソース信号ストリームをバインドすることは、CIS310が、ソース信号ストリームからチャネル識別子を含むメタデータを識別することを含む。本明細書において使用されるとき、用語「バインドすること」は、POの内部の信号とコンテンツとの識別のことを意味する。POは、まだ(すなわち、夕方のTNTネットワークの上のどのような番組にも)公開されていない広大な量のコンテンツのために頻繁に生成される。
【0049】
ある番組が「放送され」、またソース信号ストリームが検出されるとき、ソース信号ストリームは、その番組のために関連のあるPOにバインドされる。
【0050】
ブロック420において、サーバ302(すなわち、CIS310)は、広告信号ポイントの時間的開始ロケーションと、チャネル識別子とに基づいて、固有信号IDを生成する。一実施形態においては、固有信号IDは、ユニバーサル固有識別子(UUID:universally unique identifier)である。一実施形態においては、UUIDは、長さが少なくとも128ビットであることもあり、またこの開示の恩恵を受ける当業者によって理解されることになるように、任意の適切なマシン・アルゴリズムによって生成されることもある。ブロック425において、サーバ302(すなわち、CIS310)は、少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に固有信号IDを挿入する。このポイントから進んで、少なくとも1つのソース信号ストリームと、少なくとも1つのソース信号ストリームの中の1つまたは複数の広告信号ポイントとは、さらに処理するために一意的に識別されることもある。さらなる処理の例は、関連する受信側信号ストリームにおける広告配置決定を、すなわちルックバック・ルックアップを決定すること、ならびに広告配置決定を加速するためのルックアヘッド決定トリガを生成すること、および処理することを含むことができる。
【0051】
一実施形態においては、固有信号IDは、指定された帯域内キャリッジ・フォーマットを使用して、少なくとも1つのソース信号ストリームのメタデータの中に挿入されることもある。固有信号IDは、帯域内キャリッジ・メカニズムの中の適切などのようなものによってもソース信号ストリームの中で搬送されるようにするために必要に応じて変換されることもある。例えば、ソース信号ストリームの帯域内キャリッジ・フォーマットは、スマート家電製品308a〜308nに関連するADS304a〜304nに対する配信のためにMPEG2符号化フォーマットからMPEG4フォーマットに変換される必要があることもある。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態による、少なくとも1つの確認された広告配置機会について広告決定を実行するための方法500についての一実施形態を示す流れ図である。ブロック505において、サーバ302は、広告決定サービス(例えば、304a)に対して、少なくとも1つの確認された広告配置機会についての固有信号IDを有する広告コールを送信する。ブロック510において、サーバ302は、広告決定サービス(例えば、304a)から少なくとも1つの受信側信号ストリームをターゲットにする少なくとも1つの広告を受信する。ブロック515において、サーバ302は、少なくとも1つのターゲットを絞った広告と、固有信号IDとを少なくとも1つの受信側信号ストリームに挿入する。ブロック520において、サーバ302は、少なくとも1つの受信側に対して(例えば、セッション・マネージャ322と、VODポンプ(サーバ)326とを経由してスマート家電製品308aに対して)少なくとも1つの受信側信号ストリームを送信する。
【0053】
一実施形態においては、固有信号IDを使用して、図6〜8に示されるように、関連する受信側信号ストリームにおいて配置決定を加速することができ、これらの図は、その開示が、その全体において参照により本明細書に組み込まれている、2012年4月9日に出願された、同時係属の、共同所有された米国特許出願第13/442,351号から複製される。図6は、本発明の一実施形態による、信号ストリームにおいて広告配置決定を加速するためのシステム600の構成を示す。図7は、本発明の一実施形態による、サーバの観点から信号ストリームにおいて広告配置決定を加速するための方法700についての一実施形態を示す流れ図である。図8は、本発明の一実施形態による、クライアントの1つの観点からデータ・ストリームにおいて広告配置決定を加速するための方法800についての一実施形態を示す流れ図である。
【0054】
次に図6を参照すると、システム600は、クライアント・デバイス614a〜614nに通信するように接続された1つまたは複数のネットワーク(図示されず)によって相互接続されたサーバ612の上で実行されることもある。クライアント・デバイス614a〜614nは、サーバ612と、CDN626との制御の下で、対応するADS628a〜628nに対する配信のために、対応するキャッシュ616a〜616nに対する/からの所定の数の広告を記憶し、また取り出すように構成されている。
【0055】
サーバ612は、アップストリーム・デバイス622からの1つまたは複数のソース信号ストリーム(例えば、デジタル・ビデオ、オーディオなど)と、1つまたは複数のオブザーバ634からの対応するqトーン(すなわち、SCTE−35パケットのインスタンス)とを受信するためのCIS618を実施するように構成されており、これらのオブザーバは、トランスコーダ624の内部に組み込まれていることもある。トランスコーダ624はまた、上記で説明されるように、CDN626に対する所定の「チャンク」においてIPビデオ、オーディオなどを配信するように構成されてもいる。
【0056】
CIS618はまた、1つまたは複数のソース信号ストリームからメタデータを識別するように構成されてもおり、またこれらから、サーバ612は、信号なしに対応する数の未確認の配置機会をあらかじめ割り振るように、また複数のあらかじめ作られているが未確認の配置機会に対してソース信号ストリームをバインドするように構成されている。識別されたメタデータの一部分は、対応するソース信号ストリームに関連するチャネル識別子を含む。
【0057】
POIS620は、コンテンツ・ストリームと、ウォール・クロックの両方に対する未確認の配置機会の時間的開始ロケーションを識別することによって未確認の配置機会を「確認する」ように構成されている。CIS618は、確認されたPOとしてPOを一意的に識別する信号識別子または信号IDと称されるグローバルに固有の値、UUIDと、エンド・ツー・エンド動作システムの内部のその開始ロケーションとを返すように構成されている。次いで、CIS618は、適切な帯域内キャリッジ・フォーマットを使用して、ソース信号ストリームの他の識別されたメタデータの中に、信号IDと、チャネル識別子とを挿入する。
【0058】
次に、図6および7を参照すると、ブロック705において、サーバ612に関連するCIS618は、アップストリーム・デバイス622からチャネル識別子を有するソース信号ストリーム(例えば、MPEG−2フォーマットにおける)を受信する。
【0059】
ソース信号ストリームについての特定のベンダ・フォーマット(例えば、TBS)に関連するトランスコーダ624は、信号ストリームを受信し、また信号ストリームをIPビデオに変換する。そのプロセスにおいては、トランスコーダ624の中に含まれることもあるオブザーバ632は、SCTE−35のqトーンの存在に気付く。一実施形態においては、広告配置機会が、信号ストリームの中に位置していることを示す表示は、qトーンを示すSCTE−35パケットのインスタンスである。qトーンはまた、広告配置機会が、信号ストリームの中の広告信号ポイントにある期間だけ先立って、信号ストリームの中に位置していることを示す表示を提供する。次いで、トランスコーダ624のオブザーバ632は、CIS618に対してウェブ・コールをかけて、特定のチャネルIDについてのqトーンが、観察されていることをCIS618に通知する。
【0060】
SCTE−35パケットの到着は、指定されたチャネルID(例えば、TBS)についてのいくつかの理論的広告配置機会(PO)についての表示である。各々の未確認のPOは、広告信号ポイントとして知られている推定された開始ロケーションを有する。広告信号ポイントは、確認される必要がある。実際の広告挿入開始ロケーションに、リアル・タイムで出合うとき、POIS620におけるソフトウェア・プロセスが、広告信号ポイントの実際の時刻を確認する。この確認された広告信号ポイントは、今や広告挿入の準備ができている確認されたPOの生成をもたらす。
【0061】
サーバ612が、理論的配置機会を受信するとき、サーバ612は、信号なしに対応する数の未確認の配置機会をあらかじめ割り振るように、また複数のあらかじめ作られているが未確認の配置機会にソース信号ストリームをバインドするように構成されている。複数のあらかじめ作られているが未確認の配置機会にソース信号ストリームをバインドすることは、CIS618が、ソース信号ストリームからのチャネル識別子を含むメタデータを識別することを含む。本明細書において使用されるとき、用語「バインドすること」は、POの内部の信号とコンテンツとの識別のことを意味する。POは、まだ(すなわち、夕方のTNTネットワークの上のどのような番組にも)公開されていない広大な量のコンテンツのために頻繁に生成される。
【0062】
ある番組が「放送され」、またソース信号ストリームが検出されるとき、ソース信号ストリームは、その番組のために関連のあるPOにバインドされる。
【0063】
確認されたPOが、生成されるとき、それらのPOを生成した同じ信号ポイント識別子は、サーバ612に関連するADM622における聴取広告決定解決プロセスによって転送され、また取り込まれる。この信号ポイント転送は、ソフトウェア・プロセスのシーケンスを開始するルックアヘッド配置決定トリガ(または略して決定トリガ)と呼ばれる。コンテンツが、CDN626によって獲得されるので、CDN626は、POIS620に通知し、またPOIS620は、ソース信号ストリームと、ウォール・クロックの両方に対する配置機会の時間的開始ロケーションを「確認する」。POIS620は、確認されたPOとしてPOを一意的に識別する信号識別子または信号IDと称されるグローバルに固有の値、UUIDと、エンド・ツー・エンド動作システムの内部のその開始ロケーションとを返す。次いで、POIS620は、適切な帯域内キャリッジ・フォーマットを使用してソース信号ストリームの他の識別されたメタデータの中に信号IDと、チャネル識別子とを挿入する。
【0064】
並行して、POIS620は、ワークフローを開始し、それによってPOIS620は、ソース信号ストリームの中の1組の確認された配置機会を生成し、また信号IDを用いてルックアヘッド決定トリガをトリガ・データとして点火する。ルックアヘッド決定トリガ受信側は、SCTE130広告管理サービス、またはサーバ612に関連するADM622のインスタンスである。
【0065】
ブロック710において、サーバ612のADM622は、期間の満了に先立ってチャネル識別子と、少なくとも1つの視聴者属性とを有するいくつかの受信側信号ストリームを代表するリストを識別する。チャネル識別子と、少なくとも1つの視聴者属性とを有する複数の受信側信号ストリームを代表するリストは、いくつかの確認された配置機会に対応する。リストを識別するために、ADM622は、外部セッション・サーバ634に対して、また外部SIS636に対してコールをかける。ADM622は、チャネル識別子をセッション・マネージャ634に対して送信し、このセッション・マネージャは、チャネル識別子に対応するチャネルを現在視聴しているいくつかの受信側を示すクライアント識別情報のリストをADM622に提供する。ADM622は、クライアント識別情報とチャネル識別子とに相互に関連した視聴者修飾子の組についてのリストをADM622に提供するSIS636に対してクライアント識別情報とチャネル識別子とのリストを送信する。クライアント識別情報と、チャネル識別子とに相互に関連した視聴者修飾子の組についてのこのリストは、スマート・デバイス630a〜630nの上の加入者によって現在「見られて」いる同じチャネル識別子を有する受信側信号ストリームのリストを代表しており、ここで、そのリストの中の各加入者は、視聴者属性のある種の組(例えば、21歳以上のすべての男性)を有する。
【0066】
ブロック715において、サーバ612のADM622は、1つまたは複数のADS628a〜628nから、クライアント識別情報と、チャネル識別子とに相互に関連した視聴者修飾子のリストの組に対応する複数のターゲットを絞った広告を取得する。ADM622は、ADS628a〜628nから複数の受信側信号ストリームを代表するリストをターゲットにする複数の広告を受信する。
【0067】
ブロック720において、サーバ612のADM622は、1つまたは複数のADS628a〜628nにおいて、少なくとも1つのキャッシュ616a〜616nに、取得されたターゲットにされたリストの広告を記憶する。少なくとも1つのキャッシュ616a〜616nに、ターゲットにされたリストの広告を記憶しながら、ADM622は、ターゲットにされたリストの広告の各々に固有信号IDを関連づける。少なくとも1つのキャッシュ616a〜616nに取得されたターゲットにされたリストの広告を記憶することは、1つまたは複数のクライアント614a〜614nに関連する少なくとも1つのJAR(すなわち、Javaアーカイブ)に対してターゲットにされたリストの広告を送信することを含むことができる。キャッシュ616a〜616nに記憶されるべき数千から数百万の広告が存在する可能性があるので、一実施形態においては、ADM622は、ソース信号ストリームの中のqトーンの受信から対応する信号ポイントの期待された到着までの時間間隔を所定の数の部分時間間隔に分割し、またその数(すなわちカウント)の受信信号ストリームを所定の数の部分信号ストリームに分割する。その所定の数の部分信号ストリームは、所定の数の部分時間間隔の上で、クライアント614a〜614nに関連するキャッシュ616a〜616nに対して配信される。
【0068】
次に図6および8を参照すると、ブロック805において、キャッシュ(例えば、616a)を制御するように構成されたクライアント(例えば、614a)は、広告が、同じチャネル識別子を有するいくつかの受信側信号ストリームの対応する信号ポイントに挿入されるようにするために、CDN626から所定の数の要求を受信する。ブロック810において、クライアントは、所定の数の広告をキャッシュ(例えば、616a)から取り出す。ブロック815において、クライアント614aは、所定の数の受信側信号ストリームの対応する広告信号ポイントに所定の数の広告を挿入する。所定の数の受信側信号ストリームの対応する広告信号ポイントに挿入される所定の数の広告は、ADM622による、ソース信号ストリームの中の対応する信号ポイントの識別のすぐ後に生ずる。
【0069】
確認された信号開始ポイントにおける、UUIDに基づいたシステム全体にわたる固有信号IDの帯域内挿入は、広告挿入ポイントが、時間全体にわたって普遍的に知られることを可能にする。固有信号IDは、広告配置機会と、コンテンツ・アセットによるレンダリング・マッチング(rendering matching)と、不必要な時間との所在を見出すための主要なキーを提供することができる。主要なキーとして機能する固有信号IDは、広告決定プロセスをスピードアップさせ、また広告決定解決のすべての態様が、同じ固有の値を参照することを可能にする。したがって、システムは、非常に高速になる。
【0070】
ネットワークDVR(nDVR)では、固有信号IDは、日付と、獲得の時刻と一緒に記憶されることもあり、ルックバック・ルックアップを文脈的によく理解されるように表現する。ルックバック・ルックアップは、関係性に、または照会に基づいたルックアップによってではなくて、UUIDによってテーブルに直接にインデックス付けされることもある。
【0071】
例えば、ある番組が、月曜日に録画された可能性があるが水曜日に見られる。その番組が視聴されるとき、録画された番組内でリアル・タイムに戻る(look back)ことが可能になる。番組が9:00に開始され、視聴者が番組を9:10に見始めるが最初の10分を見逃した場合、システムは、視聴者が10分間「戻って」ライブのストリームに入り、その後で順方向に再生することを可能にし、その結果、視聴者は、常に10分だけライブの時間を追いかけていることになる。同様に、広告配置は、当初リアル・タイムから10分間だけ古くなっている。しかしながら、特定の受信側信号ストリームにおいて対応する広告開始ポイントを識別するUUIDを有することは、受信側信号ストリームの中へのほとんどリアル・タイムの広告挿入を可能にする。
【0072】
図9は、その内部で、本明細書において考察される任意の1つまたは複数の方法をマシンに実行させるための1組の命令が実行され得るコンピュータ・システム900の例示の形態の形でマシンの図表現を示す。代替的な実施形態においては、マシンは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネットにおいて、他のマシンに接続されて(例えば、ネットワーク化されて)いることもある。マシンは、クライアント・サーバ・ネットワーク環境においてサーバまたはクライアント・マシンの容量の中で、あるいはピア・ツー・ピアの(または分散型の)ネットワーク環境においてピア・マシンとして動作することができる。マシンは、パーソナル・コンピュータ(PC)、タブレットPC、セット・トップ・ボックス(STB)、携帯型個人情報端末(PDA)、セルラー方式電話、ウェブ家電製品、サーバ、ネットワーク・ルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはそのマシンによって解釈されるようにアクションを指定する1組の命令(逐次的な、またはそれ以外の)を実行することができる任意のマシンとすることができる。さらに、単一のマシンだけが、例証されているが、用語「マシン」は、本明細書において考察される任意の1つまたは複数の方法を実行する1組(または複数組)の命令を個別に、または一緒に実行するマシンの任意の集まりを含むように解釈されることもあるべきである。
【0073】
例示のコンピュータ・システム900は、処理デバイス902と、メイン・メモリ904(例えば、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)(シンクロナスDRAM(SDRAM)やランバスDRAM(RDRAM)など))と、スタティック・メモリ906(例えば、フラッシュ・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)など)と、データ・ストレージ・デバイス918とを含み、これらは、バス930を経由して互いに通信する。
【0074】
処理デバイス902は、マイクロプロセッサや中央演算処理装置など、1つまたは複数の汎用処理デバイスを表すものである。より詳細には、処理デバイスは、コンプレックス命令セット・コンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット・コンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW:very long instruction word)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実施するプロセッサ、あるいは命令セットの組合せを実施するプロセッサとすることができる。処理デバイス902は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワーク・プロセッサなど、1つまたは複数の専用処理デバイスとすることもできる。処理デバイス902は、本明細書において考察されるオペレーションおよびステップを実行するための、通信するように接続されたサーバ302を実行するように、構成されている。
【0075】
コンピュータ・システム900は、ネットワーク・インターフェース・デバイス908をさらに含むことができる。コンピュータ・システム900はまた、ビデオ・ディスプレイ・ユニット910(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または陰極線管(CRT)と、英数字入力デバイス912(例えば、キーボード)と、カーソル制御デバイス914(例えば、マウス)と、信号生成デバイス916(例えば、スピーカ)とを含むこともできる。
【0076】
データ・ストレージ・デバイス918は、本明細書において説明される機能についての任意の1つまたは複数の方法を実施する1つまたは複数の命令の組922(例えば、サーバ302)を有するマシン読取り可能ストレージ媒体(またはより詳細には、コンピュータ読取り可能ストレージ媒体)920を含むことができる。サーバ302は、コンピュータ・システム900によるその実行中に、メイン・メモリ904の内部に、かつ/または処理デバイス902の内部に、完全にまたは少なくとも部分的に、存在することもでき、メイン・メモリ904と、処理デバイス902とはまた、マシン読取り可能ストレージ媒体を構成している。サーバ302は、さらに、ネットワーク・インターフェース・デバイス908を経由してネットワーク926の上で送信され、または受信されることもある。
【0077】
マシン読取り可能ストレージ媒体920を使用して、永続的にデバイス待ち行列マネージャ・ロジックを記憶することもできる。マシン読取り可能ストレージ媒体920は、例示の実施形態において、単一の媒体であるように示されているが、用語「マシン読取り可能ストレージ媒体」は、命令の1つまたは複数の組を記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば、中央集中されたデータベースもしくは分散型のデータベース、および/または関連するキャッシュとサーバと)を含むように解釈されるべきである。用語「マシン読取り可能ストレージ媒体」はまた、マシンによる実行のための1組の命令を記憶し、または符号化することができる、また本発明の任意の1つまたは複数の方法をマシンに実行させる、任意の媒体を含むようにも解釈されるべきある。用語「マシン読取り可能ストレージ媒体」は、それに応じて、それだけには限定されないが、ソリッド・ステート・メモリと、光媒体および磁気媒体とを含むように解釈されるべきである。
【0078】
本明細書において説明されるコンポーネントと、他の機能とは、個別ハードウェア・コンポーネントとして実施され、またはASIC、FPGA、DSP、類似したデバイスなどのハードウェア・コンポーネントの機能の形で一体化される可能性がある。さらに、これらのコンポーネントは、ハードウェア・デバイスの内部のファームウェアまたは機能回路として実施される可能性もある。さらに、これらのコンポーネントは、ハードウェア・デバイスと、ソフトウェア・コンポーネントとの任意の組合せの形で実施される可能性もある。
【0079】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータ・メモリの内部のデータ・ビットに対するオペレーションのアルゴリズムとシンボリック表現との観点から提示される。これらのアルゴリズムの説明および表現は、他の当業者に彼らの仕事の本質を最も効果的に伝えるために、データ処理技術分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、ここでは、また一般に、望ましい結果をもたらすステップの自己矛盾のないシーケンスであるように考えられる。それらのステップは、物理量の物理的操作を必要とするこれらのステップである。通常は、必ずしもそうであるとは限らないが、これらの量は、記憶され、転送され、結合され、比較され、またそれ以外の方法で操作され得る電気信号または磁気信号の形態をとる。これらの信号を、ビット、値、要素、シンボル、キャラクタ、用語、番号などと称することは、主として共通使用のために、好都合であることがあると判明している。
【0080】
しかしながら、これらの用語および類似した用語のすべては、適切な物理量に関連づけられるべきであり、またこれらの量に適用される単に好都合なラベルであるにすぎないことを心に留めるべきである。それ以外の方法で具体的に述べられていない限り、上記考察から明らかなように、説明全体を通して、「可能にすること」、「送信すること」、「要求すること」、「識別すること」、「照会すること」、「取り出すこと」、「転送すること」、「決定すること」、「渡すこと」、「処理すること」、「ディスエーブルにすること」などの用語を利用した考察は、コンピュータ・システムのメモリもしくはレジスタ、または他のそのような情報のストレージ・デバイス、送信デバイス、もしくはディスプレイ・デバイスの内部の物理量として同様に表される他のデータにコンピュータ・システムのレジスタおよびメモリの内部の物理(電子)量として表されるデータを操作し、また変換するコンピュータ・システム、または類似した電子コンピューティング・デバイスのアクションおよびプロセスのことを意味することが、理解される。
【0081】
本発明の実施形態はまた、本明細書におけるオペレーションを実行するための装置に関連してもいる。この装置は、必要とされる目的のために特に構築されることもあり、またはこの装置は、コンピュータに記憶されるコンピュータ・プログラムによって選択的にアクティブにされ、または再構成される汎用コンピュータを備えることができる。そのようなコンピュータ・プログラムは、それだけには限定されないが、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:universal serial bus)ストレージ・デバイス(例えば、USBキー・デバイス)または電子命令を記憶するために適した任意のタイプの媒体を含む、フロッピー・ディスクと、光ディスクと、CD−ROMと、光磁気ディスクとを含む任意のタイプのディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カードもしくは光カード、フラッシュ・メモリ・デバイスなどのコンピュータ読取り可能ストレージ媒体に記憶される可能性があり、これらの各々は、コンピュータ・システム・バスに結合されることもある。
【0082】
本明細書において提示されるアルゴリズムおよびディスプレイは、どのような特定のコンピュータまたは他の装置にも本質的に関係づけられてはいない。様々な汎用システムは、本明細書における教示に従ってプログラムとともに使用されることもあり、または必要とされる方法ステップを実行するように、もっと専用化された装置を構築することが、好都合であることも判明している。様々なこれらのシステムについての必要とされる構造が、上記の説明から明らかになるであろう。さらに、本発明は、どのような特定のプログラミング言語に関連しても説明されてはいない。様々なプログラミング言語を使用して、本明細書において説明されるような本発明の教示を実施することができることが、理解されるであろう。
【0083】
上記の説明は、例示的であり、また限定的ではないことを意図していることを理解すべきである。多数の他の実施形態は、上記の説明を読み、また理解するとすぐに、当業者にとって明らかになるであろう。本発明は、特定の例示の実施形態に関連して説明されているが、本発明は、説明される実施形態だけには限定されないが、添付の特許請求の範囲の精神および範囲の内部の修正形態と変更形態とを用いて実行され得ることが、認識されるであろう。したがって、本明細書と図面とは、限定的な意味ではなくて、例証的な意味で考えられるべきである。本発明の範囲は、したがって、そのような特許請求の範囲が、資格を与えられる均等物の全範囲と一緒に、添付の特許請求の範囲に関連して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】