特表2015-525655(P2015-525655A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-525655(P2015-525655A)
(43)【公表日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】骨プレート縫合糸アンカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/58 20060101AFI20150811BHJP
【FI】
   A61B17/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-527622(P2015-527622)
(86)(22)【出願日】2013年8月15日
(85)【翻訳文提出日】2015年4月1日
(86)【国際出願番号】US2013055060
(87)【国際公開番号】WO2014028689
(87)【国際公開日】20140220
(31)【優先権主張番号】61/683,382
(32)【優先日】2012年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】513164565
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】コンリー・ジョーダン・ピー
(72)【発明者】
【氏名】モディ・アビシェーク・ピー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL32
4C160LL37
4C160LL54
4C160LL55
4C160LL59
(57)【要約】
骨プレート(12)内の穴(16)に挿入されるように構成された本体(14)を含む、縫合糸アンカーインサート(10)。本体は、近位端(26)と、遠位端(28)と、近位端と遠位端との間に延び、骨プレートの厚さに実質的に対応する長さ(30)と、側壁(32)と、本体を骨プレートに固定するために側壁から外方に延びる少なくとも1つのプレート係合部材(34)と、側壁によって画定される陥凹(36)と、側壁上に形成された斜縁(38)と、を有する。クロスバー(40)は側壁から陥凹を横切って内方に延び、クロスバーの自由端が通常斜縁の遠位に配設されるようになっている。遠位方向の力が適用されるときに、クロスバーの自由端が陥凹内に位置付け可能であるように、クロスバーは可撓性である。クロスバーの近位移動を制限するために、クロスバーの自由端は斜縁と係合可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸アンカーインサートであって、
骨プレート内の穴に摺動可能に挿入されるように構成された本体であって、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延び、骨プレートの厚さに実質的に対応する長さと、側壁と、前記縫合糸アンカーインサートを骨プレートに固定するために前記側壁から外方に延びる、少なくとも1つのプレート係合部材と、前記側壁によって画定される陥凹と、前記側壁上に形成された斜縁と、を有する、本体と、
前記側壁から前記陥凹を横切って内方に延びるクロスバーであって、前記クロスバーの自由端が通常前記本体の前記斜縁の遠位に配設されるようになっており、遠位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに前記クロスバーの前記自由端が前記陥凹内に位置付け可能となり、近位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに前記クロスバーの前記自由端が前記クロスバーの近位移動を制限するように前記斜縁と係合可能となるように、可撓性である、クロスバーと、を備える、縫合糸アンカーインサート。
【請求項2】
前記本体が、前記側壁内に形成された少なくとも1つのスロットを有する、請求項1に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項3】
前記スロットが前記遠位端から前記近位端に向かって延びる、請求項2に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項4】
前記本体が、直径方向に向かい合った1対のスロットを有し、それぞれのスロットが前記遠位端から前記近位端に向かって延びる、請求項3に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項5】
前記本体が、前記本体が前記骨プレート内の前記穴内へ摺動可能である圧縮位置と、前記本体が前記骨プレート内の前記穴内に固定される拡張位置との間で可動である、請求項2に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項6】
前記本体がクロスバーウィンドウを有し、前記クロスバーウィンドウが、前記本体の前記斜縁を形成する近位端を有し、前記クロスバーが通常前記クロスバーウィンドウ内に配設され、よって前記本体が前記圧縮位置にあるときに、前記クロスバーが前記本体の圧縮を制限することなく前記クロスバーウィンドウ内で可動である、請求項5に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項7】
前記プレート係合部材が、前記近位端にて外方に延び、前記骨プレートの上表面と係合可能である第1のリップ、及び前記遠位端にて外方に延び、前記骨プレートの下表面と係合可能である第2のリップである、請求項2に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項8】
前記第2のリップが、前記本体を前記骨プレート内に摺動可能に挿入することを容易にするために湾曲する、請求項7に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項9】
前記プレート係合部材が、前記近位端と前記遠位端との間で外方に延びるらせんねじ山である、請求項1に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項10】
前記本体の前記近位端が、係合可能にドライバーを収容するように構成された、請求項9に記載の縫合糸アンカーインサート。
【請求項11】
骨プレート組立体であって、
プレートであって、上表面と、下表面と、長さと、幅と、前記上表面から前記下表面へ前記プレートを通って延びる複数の穴とを有する、プレートと、
前記プレートの前記穴のうちの1つ内に位置付けられた、少なくとも1つの縫合糸アンカーインサートであって、
近位端と、遠位端と、側壁と、前記側壁によって画定された陥凹と、前記側壁上に形成された斜縁とを有する本体と、
前記側壁から前記陥凹を横切って内方に延びるクロスバーであって、前記クロスバーの自由端が通常前記本体の前記斜縁の遠位に配設されるようになっており、遠位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに前記クロスバーの前記自由端が前記陥凹内に位置付け可能となり、近位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに前記クロスバーの前記自由端が前記クロスバーの近位移動を制限するために前記斜縁と係合可能となるように、可撓性である、クロスバーと、を備える、少なくとも1つの縫合糸アンカーインサートと、を備える、骨プレート組立体。
【請求項12】
前記本体が、前記プレートの前記穴の輪郭に実質的に一致する、請求項11に記載の骨プレート組立体。
【請求項13】
前記本体が、前記縫合糸アンカーインサートが前記プレートの前記穴の中及び外へ摺動可能である圧縮位置と、前記縫合糸アンカーインサートが前記プレート内の前記穴内に固定される拡張位置との間で可動である、請求項12に記載の骨プレート組立体。
【請求項14】
前記本体がクロスバーウィンドウを有し、前記クロスバーウィンドウが前記本体の前記斜縁を形成する近位端を有し、前記クロスバーが通常前記クロスバーウィンドウ内に配設され、よって前記本体が前記拡張位置から前記圧縮位置に移動すると、前記クロスバーが前記本体の圧縮を制限することなく前記クロスバーウィンドウ内に摺動可能に配設される、請求項13に記載の骨プレート組立体。
【請求項15】
前記縫合糸アンカーインサートが、前記近位端にて外方に延び、前記プレートの前記上表面と係合可能な第1のリップを形成する第1のプレート係合部材と、前記遠位端にて外方に延び、前記プレートの前記下表面と係合可能な第2のリップを形成する第2のプレート係合部材とを有する、請求項12に記載の骨プレート組立体。
【請求項16】
前記複数の穴のうちの1つ又は2つ以上がねじ穴であり、前記ねじ穴が、近位側面から遠位側面に向かって延び、前記近位側面と前記遠位側面との間の中間で終結するねじ部と、前記近位側面と前記遠位側面との間の中間の前記ねじ部の終結点から前記遠位側面に向かって延びる開放部とを有する、請求項11に記載の骨プレート組立体。
【請求項17】
前記縫合糸アンカーインサートが、前記近位端にて外方に延び、前記プレートの上表面と係合可能であるリップを形成する第1のプレート係合部材と、前記近位端と前記遠位端との間で外方に延び、前記プレート内の前記穴内のねじ切りと係合可能である、らせんねじ山を形成する第2のプレート係合部材とを有する、請求項11に記載の骨プレート組立体。
【請求項18】
前記縫合糸アンカーインサートの前記近位端が、前記縫合糸アンカーインサートを前記プレート内へ摺動可能に挿入するために、ドライバーに係合するように構成された、請求項17に記載の骨プレート組立体。
【請求項19】
前記プレートの前記穴が、前記縫合糸アンカーインサートが自由に回転可能になる非ねじ部を有する、請求項17に記載の骨プレート組立体。
【請求項20】
前記縫合糸アンカーインサートが、第1のプレート係合部材及び第2のプレート係合部材を有し、前記第1のプレート係合部材が、前記近位端にて外方に延び、前記プレートの上表面と係合可能である第1のリップであり、前記第2のプレート係合部材が、前記遠位端にて外方に延び、前記プレートの下表面と係合可能である第2のリップであり、前記第1のリップ及び前記第2のリップが、前記縫合糸アンカーインサートの前記プレート内への挿入後に形成される、請求項11に記載の骨プレート組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年8月15日出願の米国特許仮出願第61/683,382号の利益を主張し、当該出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
骨折は、完全、不完全、単純、粉砕、閉鎖、又は開放と、多様な形態を取り得る。骨折は、軟組織と骨との間の接続の分離に関連することもある。軟組織分離を伴う及び伴わない骨折は、早い治癒及び機能の無損傷を促進するために、安定化を必要とすることが多い。安定化は、損傷部位の機能及び可動性を、安定化を伴わない治療よりも早く回復させることができる。骨折固定及び安定化手順には、概して、内部又は外部の2種類がある。外部固定法は、吊包帯、副木、又はギブスを含み得る。内部固定法は、ワイヤ、ピン及びねじ、骨プレート、並びに骨髄内釘又は杆を用い得る。
【0003】
骨プレートで治療される骨折は、骨折部位を露出して骨折を整復し、その後骨上にプレートを配置して骨折を固定し、整復した位置で治癒させることによって治療され得る。骨を整復する際に、骨折及び周囲の骨は、元の骨の位置又は同様の安定位置に再整列され、位置付けられる。骨プレートは、可撓性骨折固定又は剛性固定において使用され得る。可撓性固定は、骨折部位にわたって荷重が加えられたとき骨折断片が互いに対してずれる場合に生じる。剛性固定技術は、互いに対する骨折断片のずれを制限するために、プレート及びねじを用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
骨折が、骨と、靭帯又は腱のような軟組織との分離に関連する場合、該分離は、骨性接合部での軟組織の分離又は粗面での骨折の形態を取り得る。腱と骨とが付着する骨部位である粗面は、骨折においてずれることがある。靭帯及び腱は、軟組織と骨との間の接続部である、繊維骨性接合部で骨から外れることがある。骨折が腱又は靭帯分離と関連する場合、骨折の固定は、腱又は靭帯の骨への固着が必要となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
縫合糸アンカーは、軟組織を骨に固着させるために一般に使用される。縫合糸アンカーは通常、組織を骨に対して適切な位置に保持することによって軟組織を固定するために使用される本体から延びる、1つ又は2つ以上の縫合糸を固定するために、骨に埋め込まれる。骨プレートは、縫合糸の固定要素としても使用されている。縫合糸は、プレートが骨に固定される前にプレート内の穴に縫合糸を通すことによって、プレートに固定されている。この様式で縫合糸を固着するための骨プレートの使用は、特にプレートが骨に取り付けられた後に、外科医が使用可能な縫合糸を取り付ける場所を制限することが多い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本明細書に開示される発明概念に従って構造化された縫合糸アンカーインサートを有する骨プレートの斜視図である。
図2】本明細書に開示される発明概念に従って構造化された縫合糸アンカーインサートの斜視図である。
図3図2の縫合糸アンカーインサートの頂面図である。
図4A】非屈曲状態のクロスバーを示す、図3の線4−4に沿った断面図である。
図4B】屈曲状態のクロスバーを示す、図4Aの縫合糸アンカーインサートの断面図である。
図5】骨プレート内へ設置されているところを示す、図2の縫合糸アンカーインサートの斜視図である。
図6】骨プレート内に設置されたところを示す、図2の縫合糸アンカーインサートの斜視図である。
図7】縫合糸アンカーインサートによって捕捉された縫合糸と共に示す、図2の縫合糸アンカーインサートの断面図である。
図8】本明細書に開示される発明概念に従って構造化された縫合糸アンカーインサートの別の実施形態の斜視図である。
図9】骨プレート内に挿入されたところを示す、図8の縫合糸アンカーインサートの断面図である。
図10】本明細書に開示される発明概念に従って構造化された縫合糸アンカーインサートの別の実施形態の断面図である。
図11】本明細書に開示される発明概念に従って構造化された縫合糸アンカーインサートの別の実施形態の斜視図である。
図12】骨プレート内に挿入されたところを示す、図11の縫合糸アンカーインサートの頂面図である。
図13図12の線13−13に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
今般開示され、特許請求の範囲に記載される本発明概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、今般開示され、特許請求の範囲に記載される発明概念が、その用途において、以下の説明で述べられるか、又は図面に示される構造の細部、実験、例示的データ、及び/又は構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。今般開示され、特許請求の範囲に記載される発明概念は、他の実施形態、あるいは様々な方法での実施又は実行が可能である。また、本明細書中で使用されている表現及び用語は、説明を目的としたものであって、制限と見なされるべきではないことも理解されよう。
【0008】
図面、より具体的には図1を参照すると、骨プレート12内に挿入された、本明細書に開示される発明概念に従って構造化された複数の縫合糸アンカーインサート10が示されている。プレート12は、上表面18と、下表面20と、長さ22と、幅24とを有する。プレート12には複数の穴16が形成されており、穴16は、上表面18から下表面20へとプレート12を通って延びる。複数の穴16は、例えば、ねじ穴、非ねじ穴、部分的ねじ穴、先細りの穴、及び真っ直ぐな穴を含み得る。図1に示す骨プレート12は、骨プレート12の一実施例であるが、しかしながら、骨プレート12は、本明細書に開示される発明概念に従いながら、様々な形態で提供され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、骨プレート12の形状は、実質的に長方形又は円形であってよい。骨プレート12は「T」、「Y」、又は「H」形状を用いてもよい。骨プレート12には、単一線、平行線で配設されるか、互いからオフセットされるか、又は骨プレート12の周囲に互い違いに配設された穴16が設けられてもよい。骨プレート12は、骨プレート12の残りの部分の平面に対して所定の角度で配設された部分も有し得る。
【0009】
次に図2〜6を参照すると、縫合糸アンカーインサート10は、骨プレート12内の穴16のうちの1つに摺動可能に挿入されるように構成された本体14を有する。本体14は、近位端26と、遠位端28と、近位端26と遠位端28との間に延び、プレート12の厚さに実質的に対応する長さ30と、近位端26と遠位端28との間に延びる側壁32と、を有する。側壁32には、少なくとも1つのプレート係合部材34が設けられる(図6)。側壁32は、縫合糸アンカーインサート10の本体14内に陥凹36を画定する。側壁32には、斜縁38が更に提供される。斜縁38の反対側の側壁32には、クロスバー40が提供される。
【0010】
クロスバー40は側壁32から陥凹36を横切って内方に延び、クロスバー40の自由端42が通常斜縁38の遠位に配設されるようになっている(図4A)。遠位方向の力がクロスバー40に加えられるときに、クロスバー40の自由端42は陥凹36(図4B)内に位置付けられ、例えばクロスバー40に巻き掛けられた縫合糸によって近位方向の力がクロスバー40に加えられるときに、クロスバー40の自由端42がクロスバー40の近位移動を制限するように斜縁38と係合するように、クロスバー40は可撓性である。
【0011】
本体14の側壁32には、陥凹36と連通するクロスバーウィンドウ44が提供され得る。クロスバーウィンドウ44は、近位側面46及び遠位側面48を有し、クロスバーウィンドウ44の近位側面46が斜縁38を画定する。クロスバー40の自由端42が通常クロスバーウィンドウ44内に配設されるように、クロスバー40は陥凹36を横切って延びる。
【0012】
一実施形態では、プレート係合部材34は、プレート12内の穴16に縫合糸アンカーインサート10が挿入された後に形成される。図5は、本実施形態において、縫合糸アンカーインサート10の初期長さ22がプレート12の厚さよりも大きく、よって縫合糸アンカーインサート10が最初にプレート12内に挿入されると、近位端26及び遠位端28は、それぞれプレート12の上表面18及び下表面20を越えて延在する、ということを示している。
【0013】
図6及び7に示すように、縫合糸アンカーインサート10の近位端26及び遠位端28がそれぞれ上表面18及び下表面20を越えて延在した状態で、縫合糸アンカーインサート10が穴16に挿入されると、近位端26及び遠位端28は変形し得る。近位端26は、近位端26が上表面18と接触するまでプレート12の上表面18に向かって遠位方向に変形し、近位端26にて外方に延びかつプレート12の上表面18と係合可能である第1のリップ50を形成し得る。同様に、遠位端28は、遠位端28が下表面20に接触するまでプレート12の下表面20に向かって近位方向に変形し、遠位端28にて外方に延びかつプレート12の下表面20と係合可能である第2のリップ52を形成し得る。近位端26及び遠位端28は、例えば、近位端26及び遠位端28を圧縮、圧延、分割、又はキャップ装着することによって、変形させることができる。
【0014】
1つ又は2つ以上の縫合糸54(図7)は、縫合糸アンカーインサート10がプレート12内に挿入され、第1のリップ50及び第2のリップ52がそれぞれ上表面18及び下表面20上で形成された後で、縫合糸アンカーインサート10に取り付けられて、縫合糸アンカーインサート10を穴16内の定位置に固定することができる。所望であれば、1つ又は2つ以上の縫合糸54は、縫合糸アンカーインサート10をプレート12内に挿入する前に取り付けられてもよい。1つ又は2つ以上の縫合糸54は、任意の適切な様式で縫合糸アンカーインサート10に取り付けられてよい。例として、1つ又は2つ以上の縫合糸54は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる米国特許公開第2009/0088798号に記載の縫合糸通し器で、クロスバー40の周囲に位置付けられてもよい。
【0015】
縫合糸アンカーインサート10を骨プレート12の複数の穴16のうちの選択された1つに挿入することによって、縫合糸アンカーインサート10は、プレート12上の選択された位置に配置され得る。縫合糸アンカーインサート10の挿入に使用可能な複数の位置は、プレート12、縫合糸アンカーインサート10、及び縫合糸54を配置する時点の外科医の必要性に応じた、1つ又は2つ以上の縫合糸54の配置を可能にする。縫合糸アンカーインサート10の変動性を維持しながら、縫合糸アンカーインサート10は、プレート12及び少なくとも1つの縫合糸アンカーインサート10を含むキットとして提供され得る。
【0016】
次に図8及び9を参照すると、本明細書に開示される発明概念に従って構造化された縫合糸アンカーインサート60の別の実施形態が示される。縫合糸アンカーインサート60は、本体62及びクロスバー63を有する。本体62は、骨プレート12内の穴16に摺動可能に挿入されるように構成される。本体62は、近位端68と、遠位端70と、近位端68と遠位端70との間に延び、プレート12の厚さに実質的に対応する長さ72と、近位端68と遠位端70との間に延びる側壁74と、を有する。縫合糸アンカーインサート60の本体62は、対応する遠位先細りを有する穴64に係合するように、近位端68から遠位端70に向かって遠位方向に先細になっており、本体62は穴64の輪郭に一致する。側壁74には、側壁74から外方に延びるプレート係合部材76、及び斜縁78が提供される。側壁74は、縫合糸アンカーインサート60の本体62内に陥凹80を画定する。
【0017】
クロスバー63は側壁74から陥凹80を横切って内方に延び、クロスバー63の自由端84が通常斜縁78の遠位に配設されるようになっている。遠位方向の力がクロスバー63に加えられるときに、クロスバー63の自由端84は陥凹80内に位置付けられ、近位方向の力がクロスバー63に加えられるときに、クロスバー63の自由端84がクロスバー63の近位移動を制限するように斜縁78と係合するように、クロスバー63は可撓性である。
【0018】
側壁74には、陥凹80と連通するクロスバーウィンドウ86が提供され得る。クロスバーウィンドウ86は、近位側面88及び遠位側面90を有し、クロスバーウィンドウ86の近位側面88が斜縁78を画定する。クロスバー63の自由端84が通常クロスバーウィンドウ86内に配設されるように、クロスバー63は陥凹80を横切って延びる。
【0019】
側壁74には、1対のスロット92が更に設けられる。一実施形態では、スロット92は、直径方向に向かい合った関係で形成され、かつ縫合糸アンカーインサートの遠位端70から近位端68に向かって延びており、縫合糸アンカーインサート60がプレート12の穴16内へ摺動可能である圧縮位置と、縫合糸アンカーインサート60がプレート12内の穴16内に固定される拡張位置との間で本体62が可動であるように、本体62の圧縮が可能となる。縫合糸アンカーインサート60の本体62が圧縮位置にあるとき、クロスバー63は、本体62の圧縮を制限することなく、クロスバーウィンドウ86内で可動である。側壁74は2つのスロット92を含むものとして示されているが、スロット92の数を変更することができ、また、本体62の圧縮を容易にするために、スロット92を互いに対して様々な位置及び配向で配置することができることは理解されよう。
【0020】
一実施形態では、プレート係合部材76は、側壁74の近位端68にて外方に延び、プレート12の上表面18と係合可能な第1のリップ104、及び側壁74の近位端68にて外方に延び、プレート12の下表面20と係合可能な第2のリップ108の形態である。第2のリップ108は、縫合糸アンカーインサート60をプレート12内へ摺動可能に挿入することを容易にするために、縫合糸アンカーインサート60の遠位端70にて湾曲し得る。
【0021】
縫合糸アンカーインサート60は、縫合糸アンカーインサート60の遠位端70付近の本体62を圧縮することによって、プレート12内に摺動可能に挿入される。縫合糸アンカーインサート60は、その後穴16の入口に位置付けられる。そのように位置付けられたら、縫合糸アンカーインサート60は、縫合糸アンカーインサート60上に働く遠位方向の力によって、穴16内に摺動可能に挿入される。第2のリップ108が穴16を通り下表面20を越えて摺動すると、縫合糸アンカーインサート60は拡張位置に戻り、第1のリップ104をプレート12の上表面18に係合させ、第2のリップ108をプレート12の下表面20と係合させ、それによって縫合糸アンカーインサート60をプレート12の穴16内に固定する。
【0022】
クロスバー63の周囲に1つ又は2つ以上の縫合糸を配置することにより、1つ又は2つ以上の縫合糸を縫合糸アンカーインサート60に取り付けることができる。1つ又は2つ以上の縫合糸は、前述のように、縫合糸通し器を用いるなど任意の適切な様式で、縫合糸アンカーインサート60に取り付けることができる。
【0023】
縫合糸アンカーインサート60をプレート12の複数の穴16のうちの1つに挿入することによって、縫合糸アンカーインサート60は、プレート12上の選択された位置に配置され得る。縫合糸アンカーインサート60の挿入に使用可能な複数の位置は、縫合糸の配置の時点の外科医の必要性に応じた縫合糸の配置を可能にする。縫合糸アンカーインサート60の変動性を維持しながら、縫合糸アンカーインサート60は、プレート12及び少なくとも1つの縫合糸アンカーインサート60を含むキットとして提供され得る。
【0024】
図10に示すのは、縫合糸アンカーインサート112の別の実施形態である。縫合糸アンカーインサート112は、遠位が先細りでない本体114を有することを除いて、縫合糸アンカーインサート60と構造及び機能において実質的に類似している。したがって、本体114は、真っ直ぐな形状を有するプレート118の穴116内に挿入される。
【0025】
図11〜13は、本明細書に開示される発明概念に従って構造化された縫合糸アンカーインサート120の別の実施形態を示す。縫合糸アンカーインサート120は、本体122及びクロスバー124を有する。本体122は、骨プレート128内の穴126内に挿入されるように構成される。
【0026】
骨プレート128は、上表面130と、下表面132と、長さ134と、幅136とを有する。プレート128には複数の穴126が形成されており、穴126は、上表面130から下表面132へとプレート128を通って延びる。複数の穴126は、例えば、ねじ穴、非ねじ穴、部分的ねじ穴、先細りの穴、及び真っ直ぐな穴を含み得る。図13に示されるように、複数の穴126のうちの1つ又は2つ以上は、上表面130から下表面132に向かって延び、上表面130と下表面132との間の中間で終結するねじ部138、及び上表面130と下表面132との間の中間のねじ部138の終結点から、下表面132に向かって延びる開放部140を有するねじ穴である。
【0027】
本体122は、骨プレート128の穴126のうちの1つに摺動可能に挿入されるように構成される。本体122は、近位端142と、遠位端144と、近位端142と遠位端144との間に延び、プレート128の厚さに実質的に対応する長さ146と、近位端142と遠位端144との間に延びる側壁148と、を有する。側壁148には、側壁148から外方に延びるプレート係合部材147、及び斜縁150が提供される。側壁148は、縫合糸アンカーインサート120の本体122内に陥凹154を画定する。
【0028】
クロスバー124は側壁148から陥凹154を横切って内方に延び、クロスバー124の自由端152が通常斜縁150の遠位に配設されるようになっている。遠位方向の力がクロスバー124に加えられるときに、クロスバー124の自由端152が陥凹154内に位置付けられ、近位方向の力がクロスバー124に加えられるときに、クロスバー124の自由端152がクロスバー124の近位移動を制限するように斜縁150と係合するように、クロスバー124は可撓性である。
【0029】
側壁148には、陥凹154と連通するクロスバーウィンドウ156が提供され得る。クロスバーウィンドウ156は、近位側面158及び遠位側面160を有し、クロスバーウィンドウ156の近位側面158が斜縁150を画定する。クロスバー124の自由端152が通常クロスバーウィンドウ156内に配設されるように、クロスバー124は陥凹154を横切って延びる。
【0030】
一実施形態では、プレート係合部材147は、側壁148の近位端142にて外方に延びるリップ162、及びらせんねじ山164の形状である。縫合糸アンカーインサート120をプレート128内に回転可能に挿入するために、縫合糸アンカーインサート120の近位端142は、ドライバーに係合するように構成される。縫合糸アンカーインサート120を穴126の入口として位置付けることによって、縫合糸アンカーインサート120は、プレート128内に摺動可能に挿入される。そのように位置付けられたら、ドライバーは縫合糸アンカーインサート120に近位端142にて係合し、縫合糸アンカーインサート120は、ドライバーにねじり力を加えることによって穴126内に摺動可能に挿入され、縫合糸アンカーインサート120のらせんねじ山164を穴126のねじ部166に係合させる。縫合糸アンカーインサート120は、このように穴126内へ摺動可能に挿入され、らせんねじ山164は穴126のねじ部166を過ぎて摺動可能に挿入されるようになっている。らせんねじ山164が穴126のねじ部138を通って穴126の開放部140に入ると、縫合糸アンカーインサート120はプレート128の穴126内で自由に回転可能となる。
【0031】
上述のように、クロスバー124の周囲に1つ又は2つ以上の縫合糸を配置することにより、1つ又は2つ以上の縫合糸を縫合糸アンカーインサート120に取り付けることができる。1つ又は2つ以上の縫合糸は、上述のように、縫合糸通し器を用いるなど任意の適切な様式で、縫合糸アンカーインサート120に取り付けることができる。
【0032】
縫合糸アンカーインサート120は、縫合糸アンカーインサート120を複数の穴126のうちの1つに摺動可能に挿入することによって、プレート128上の異なる位置に配置され得る。縫合糸アンカーインサート120の挿入に使用可能な複数の位置は、縫合の時点の外科医の必要性に応じた1つ又は2つ以上の縫合糸の配置を可能にする。縫合糸アンカーインサート120の変動性を維持しながら、縫合糸アンカーインサート120は、プレート128及び少なくとも1つの縫合糸アンカーインサート120を含むキットとして提供され得る。
【0033】
縫合糸を骨プレート12に接続することは、下記のように達成される。まず、小刀、鉗子、開創器、又はそれらの組み合わせのような、任意の適切な器具を使用して、修復を必要とする骨及び軟組織にアクセスする。プレート12は、複数の穴16のうちの1つ又は2つ以上を通して設置される骨ねじのような、任意の適切な方法を使用して骨に固定される。少なくとも1つの縫合糸アンカーインサート10が、プレート12内の穴16のうちの1つに、摺動可能に挿入される。少なくとも1つの縫合糸が、縫合糸アンカーインサート10のクロスバー40の周囲に配置される。
【0034】
縫合糸アンカーインサート10の実施形態の場合では、プレート12を骨に固定する前に縫合糸アンカーインサート10が挿入され、縫合糸アンカーインサート10の遠位端28が変形して第2のリップ52を形成し、プレート12の下表面20と係合する。縫合糸アンカーインサート60及び縫合糸アンカーインサート120の実施形態は、それぞれプレート12及びプレート128を骨に固定する前又は後に、それぞれプレート12及びプレート128内に挿入され得る。
【0035】
所望であれば、1つ又は2つ以上の縫合糸54は、プレートへの挿入の前に縫合糸アンカーインサート10に取り付けられてもよい。そうでなければ、縫合糸アンカーインサート10の構成によって、縫合糸アンカーインサート10がプレート12内に挿入された後で、プレート12が骨に固定される前に又は固定された後に、1つ又は2つ以上の縫合糸54を縫合糸アンカーインサート10に取り付けることが可能になる。縫合糸54は、任意の適切な様式で、縫合糸アンカーインサート10に取り付けられてもよい。例として、縫合糸54は、前述のように、縫合糸通し器でクロスバー40の周囲に位置付けられてもよい。
【0036】
上記の説明により、本明細書で開示され、特許請求の範囲に記載される本発明概念は、目的を行うため、並びに本明細書で言及した利点及び本発明において固有の利点を達成するために十分適合されることは明らかである。発明概念の例示的実施形態を、本開示の目的のために記載してきたが、当業者に容易に想起され、かつ添付の特許請求の範囲において開示及び/又は規定される発明概念の趣旨の範囲内で達成される多くの変更がなされ得ることが理解されよう。
【0037】
〔実施の態様〕
(1) 縫合糸アンカーインサートであって、
骨プレート内の穴に摺動可能に挿入されるように構成された本体であって、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延び、骨プレートの厚さに実質的に対応する長さと、側壁と、前記縫合糸アンカーインサートを骨プレートに固定するために前記側壁から外方に延びる、少なくとも1つのプレート係合部材と、前記側壁によって画定される陥凹と、前記側壁上に形成された斜縁(transverse edge)と、を有する、本体と、
前記側壁から前記陥凹を横切って内方に延びるクロスバーであって、前記クロスバーの自由端が通常前記本体の前記斜縁の遠位に配設されるようになっており、遠位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに前記クロスバーの前記自由端が前記陥凹内に位置付け可能となり、近位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに前記クロスバーの前記自由端が前記クロスバーの近位移動を制限するように前記斜縁と係合可能となるように、可撓性である、クロスバーと、を備える、縫合糸アンカーインサート。
(2) 前記本体が、前記側壁内に形成された少なくとも1つのスロットを有する、実施態様1に記載の縫合糸アンカーインサート。
(3) 前記スロットが前記遠位端から前記近位端に向かって延びる、実施態様2に記載の縫合糸アンカーインサート。
(4) 前記本体が、直径方向に向かい合った1対のスロットを有し、それぞれのスロットが前記遠位端から前記近位端に向かって延びる、実施態様3に記載の縫合糸アンカーインサート。
(5) 前記本体が、前記本体が前記骨プレート内の前記穴内へ摺動可能である圧縮位置と、前記本体が前記骨プレート内の前記穴内に固定される拡張位置との間で可動である、実施態様2に記載の縫合糸アンカーインサート。
【0038】
(6) 前記本体がクロスバーウィンドウを有し、前記クロスバーウィンドウが、前記本体の前記斜縁を形成する近位端を有し、前記クロスバーが通常前記クロスバーウィンドウ内に配設され、よって前記本体が前記圧縮位置にあるときに、前記クロスバーが前記本体の圧縮を制限することなく前記クロスバーウィンドウ内で可動である、実施態様5に記載の縫合糸アンカーインサート。
(7) 前記プレート係合部材が、前記近位端にて外方に延び、前記骨プレートの上表面と係合可能である第1のリップ、及び前記遠位端にて外方に延び、前記骨プレートの下表面と係合可能である第2のリップである、実施態様2に記載の縫合糸アンカーインサート。
(8) 前記第2のリップが、前記本体を前記骨プレート内に摺動可能に挿入することを容易にするために湾曲する、実施態様7に記載の縫合糸アンカーインサート。
(9) 前記プレート係合部材が、前記近位端と前記遠位端との間で外方に延びるらせんねじ山である、実施態様1に記載の縫合糸アンカーインサート。
(10) 前記本体の前記近位端が、係合可能にドライバーを収容するように構成された、実施態様9に記載の縫合糸アンカーインサート。
【0039】
(11) 骨プレート組立体であって、
プレートであって、上表面と、下表面と、長さと、幅と、前記上表面から前記下表面へ前記プレートを通って延びる複数の穴とを有する、プレートと、
前記プレートの前記穴のうちの1つ内に位置付けられた、少なくとも1つの縫合糸アンカーインサートであって、
近位端と、遠位端と、側壁と、前記側壁によって画定された陥凹と、前記側壁上に形成された斜縁とを有する本体と、
前記側壁から前記陥凹を横切って内方に延びるクロスバーであって、前記クロスバーの自由端が通常前記本体の前記斜縁の遠位に配設されるようになっており、遠位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに前記クロスバーの前記自由端が前記陥凹内に位置付け可能となり、近位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに前記クロスバーの前記自由端が前記クロスバーの近位移動を制限するために前記斜縁と係合可能となるように、可撓性である、クロスバーと、を備える、少なくとも1つの縫合糸アンカーインサートと、を備える、骨プレート組立体。
(12) 前記本体が、前記プレートの前記穴の輪郭に実質的に一致する、実施態様11に記載の骨プレート組立体。
(13) 前記本体が、前記縫合糸アンカーインサートが前記プレートの前記穴の中及び外へ摺動可能である圧縮位置と、前記縫合糸アンカーインサートが前記プレート内の前記穴内に固定される拡張位置との間で可動である、実施態様12に記載の骨プレート組立体。
(14) 前記本体がクロスバーウィンドウを有し、前記クロスバーウィンドウが前記本体の前記斜縁を形成する近位端を有し、前記クロスバーが通常前記クロスバーウィンドウ内に配設され、よって前記本体が前記拡張位置から前記圧縮位置に移動すると、前記クロスバーが前記本体の圧縮を制限することなく前記クロスバーウィンドウ内に摺動可能に配設される、実施態様13に記載の骨プレート組立体。
(15) 前記縫合糸アンカーインサートが、前記近位端にて外方に延び、前記プレートの前記上表面と係合可能な第1のリップを形成する第1のプレート係合部材と、前記遠位端にて外方に延び、前記プレートの前記下表面と係合可能な第2のリップを形成する第2のプレート係合部材とを有する、実施態様12に記載の骨プレート組立体。
【0040】
(16) 前記複数の穴のうちの1つ又は2つ以上がねじ穴であり、前記ねじ穴が、近位側面から遠位側面に向かって延び、前記近位側面と前記遠位側面との間の中間で終結するねじ部と、前記近位側面と前記遠位側面との間の中間の前記ねじ部の終結点から前記遠位側面に向かって延びる開放部とを有する、実施態様11に記載の骨プレート組立体。
(17) 前記縫合糸アンカーインサートが、前記近位端にて外方に延び、前記プレートの上表面と係合可能であるリップを形成する第1のプレート係合部材と、前記近位端と前記遠位端との間で外方に延び、前記プレート内の前記穴内のねじ切りと係合可能である、らせんねじ山を形成する第2のプレート係合部材とを有する、実施態様11に記載の骨プレート組立体。
(18) 前記縫合糸アンカーインサートの前記近位端が、前記縫合糸アンカーインサートを前記プレート内へ摺動可能に挿入するために、ドライバーに係合するように構成された、実施態様17に記載の骨プレート組立体。
(19) 前記プレートの前記穴が、前記縫合糸アンカーインサートが自由に回転可能になる非ねじ部を有する、実施態様17に記載の骨プレート組立体。
(20) 前記縫合糸アンカーインサートが、第1のプレート係合部材及び第2のプレート係合部材を有し、前記第1のプレート係合部材が、前記近位端にて外方に延び、前記プレートの上表面と係合可能である第1のリップであり、前記第2のプレート係合部材が、前記遠位端にて外方に延び、前記プレートの下表面と係合可能である第2のリップであり、前記第1のリップ及び前記第2のリップが、前記縫合糸アンカーインサートの前記プレート内への挿入後に形成される、実施態様11に記載の骨プレート組立体。
【0041】
(21) 縫合糸を骨に接続する方法であって、
修復を必要とする骨及び軟組織にアクセスすることと、
プレートを前記骨に固定することであって、前記プレートが、上表面と、下表面と、長さと、幅と、前記上表面から前記下表面に前記プレートを通って延びる複数の穴とを有する、ことと、
前記プレート内の前記穴のうちの1つに少なくとも1つの縫合糸アンカーインサートを挿入することであって、前記縫合糸アンカーインサートが、
近位端と、遠位端と、側壁と、前記側壁によって画定された陥凹と、前記側壁上に形成された斜縁とを有する本体と、
前記側壁から前記陥凹を横切って内方に延びるクロスバーであって、前記クロスバーの自由端が、通常前記本体の前記斜縁の遠位に配設されるようになっており、遠位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに、前記クロスバーの前記自由端が前記陥凹内で位置付け可能となり、近位方向の力が前記クロスバーに加えられるときに、前記クロスバーの近位移動を制限するように前記クロスバーの前記自由端が前記斜縁と係合可能となるように、可撓性である、クロスバーと、を備える、ことと、
前記縫合糸アンカーインサートの前記クロスバーの周囲に縫合糸を配設することであって、近位方向の力が前記縫合糸に加えられると前記クロスバーの前記自由端が前記斜縁と係合するようにする、ことと、を含む、方法。
(22) 前記縫合糸アンカーインサートを前記穴に挿入する工程が、前記縫合糸アンカーの前記本体から延びるプレート係合部材を前記プレートの前記上表面に係合させるために、前記プレート係合部材を変形させる工程を更に含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記縫合糸アンカーインサートを前記穴に挿入する前記工程が、前記縫合糸アンカーインサートを前記穴に摺動可能に挿入するために、前記縫合糸アンカーの前記本体を前記遠位端にて側方に圧縮する工程を更に含む、実施態様21に記載の方法。
(24) 前記縫合糸アンカーインサートを前記穴に挿入する前記工程が、前記縫合糸アンカーインサートを前記穴に摺動可能に挿入するために、前記縫合糸アンカーの前記本体にねじれの力を加える工程を更に含む、実施態様21に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】