特表2015-527054(P2015-527054A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-527054スライドされた搬送ベルトを有するオーブン引き渡し装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-527054(P2015-527054A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(54)【発明の名称】スライドされた搬送ベルトを有するオーブン引き渡し装置
(51)【国際特許分類】
   A21C 9/08 20060101AFI20150821BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20150821BHJP
   B65G 21/14 20060101ALI20150821BHJP
【FI】
   A21C9/08 A
   B65G47/52 A
   B65G21/14 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-515470(P2015-515470)
(86)(22)【出願日】2013年5月27日
(85)【翻訳文提出日】2015年1月30日
(86)【国際出願番号】EP2013060858
(87)【国際公開番号】WO2013182445
(87)【国際公開日】20131212
(31)【優先権主張番号】A658/2012
(32)【優先日】2012年6月8日
(33)【優先権主張国】AT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】512193344
【氏名又は名称】ハース・フード・イクイップメント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ハース・ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ハース・ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】イーラシェク・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ランバウアー・ペーター
【テーマコード(参考)】
3F025
3F044
4B031
【Fターム(参考)】
3F025AB01
3F025AD11
3F044AA08
3F044AA15
3F044AB21
3F044CD01
3F044CF02
4B031CA15
4B031CL11
4B031CM02
(57)【要約】
本発明は、例えば基本的に柔軟なクッキー生地型体(1)を受け入れ領域(15)から引き渡し領域(10)に搬送し、そして例えばベーキング機械(7)のベーキングコンベアのような搬送面(2)へと引き渡すための装置および方法に関する。その際、型体(1)を搬送するための装置は、駆動され周回する搬送ベルト(3)を有する。この搬送ベルトは、少なくとも一つの転向ロール(4)、駆動ロール(5)の周りおよび搬送面(2)の領域内で引き渡し構造体(6)の周りを案内されている。そしてその際、搬送ベルト(3)は、位置決め装置(9)を介して少なくとも、その長手方向延在の一部にわたって側方にスライド可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば基本的に柔軟なクッキー生地型体のような、型体(1)を、受け入れ領域(15)から引き渡し領域(10)へと搬送し、そして、例えばベーキング機械(7)の暖められたベーキングコンベアのような搬送面(2)へと引き渡すための装置であって、その際、型体(1)の搬送の為の装置が、駆動され周回する搬送ベルト(3)を有し、この搬送ベルト(3)が、少なくとも一つの転向ロール(4)、一つの駆動ロール(5)の周り、および搬送面(2)の領域において引き渡し構造体(6)の周りを案内されており、その際、位置決め装置(9)を介して、搬送ベルト(3)がその長手方向延在の少なくとも一部にわたって側方スライド可能である装置において、搬送面(2)の側方位置の検出の為の検出装置(8)が設けられており、この検出装置(8)によって、搬送ベルト(3)の側方スライド及び/又は位置決めが、搬送面(2)の側方位置に応じて可能であること、および受け入れ領域(15)における搬送ベルト(3)の側方位置が、搬送ベルト(3)の側方スライドの際に一定に保たれることを特徴とする装置。
【請求項2】
受け入れ領域(15)における搬送ベルト(3)の移送方向(17)および側方位置が、搬送ベルト(3)の側方スライドの際に一定に保たれることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
引き渡し領域(10)における搬送ベルト(3)が、側方スライド可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
引き渡し領域(10)における搬送ベルト(3)が、位置決め装置(9)を介して、引き渡し構造体(6)に追従する引き渡し輪郭(12)に沿って側方スライド可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
位置決め装置(9)が、搬送ベルト(3)の案内の為の少なくとも一つの位置決め手段(11)を有すること、および、位置決め手段(11)が、アクチュエータ(23)を介して移動可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
位置決め手段(11)が、引き渡し構造体(6)と連結されていること、および引き渡し構造体(6)が、アクチュエータ(23)の操作によって、移送方向(17)を横断する方向に移動可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
搬送ベルト(3)の側方案内の為に、ふたつの位置決め手段(11)が、設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
アクチュエータ(23)が、例えば電気式に駆動されるリニア軸、空圧式に駆動されるリニア軸、液圧式に駆動されるリニア軸またはクランク機構のような機械式または電気機械式のアクチュエータ(23)を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
検出装置(8)が、例えば、ストロークセンサー、光学センサー、マイクロスイッチ、リードセンサーまたは機械式に移動可能であるロールを含む機械式または電気機械式の検出手段(14)を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
引き渡し構造体(6)が、引き渡しナイフとして形成され、好ましくは鋭利な引き渡し輪郭(12)を有する引き渡しナイフとして形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
駆動ロール(5)が、搬送方向(17)において受け入れ領域(15)の後方かつ引き渡し輪郭(12)の前方に配置されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
転向ロール(4)、駆動ロール(5)および引き渡し構造体(6)が、機械(7)に対して固定して配置された機械フレーム(13)内に配置されるか、または支承されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
駆動ロール(5)が、機械フレーム(13)と側方に固定的に連結されていること、および位置決め手段(11)及び/又は引き渡し構造体(6)が、機械フレーム(13)に対して側方移動が可能であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
受け入れ領域(15)における移送方向(17)が、側方スライドの際に、引き渡し領域(10)における移送方向(17)から逸脱することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
転向ローラー、駆動ローラーの軸および引き渡し輪郭(12)が基本的に互いに平行に推移していることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
搬送ベルト(3)が、非連続のベルトとして、特に非連続の金属ベルトとして、好ましくはらせん状鎖環ベルトとして形成されていること、および搬送ベルト(3)が、引き渡し輪郭の助走領域(22)において基本的に抵抗引張負荷を与えられていないことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
例えば基本的に柔軟なクッキー生地型体のような、型体を、受け入れ領域から引き渡し領域へと搬送し、そして例えばベーキング機械の暖められたベーキングコンベアのような、搬送面へと引き渡す為の方法であって、以下のステップ、つまり
a. 型体が、駆動され周回する搬送ベルト上で受け入れ領域から引き渡し領域へと搬送され、
b. 検出装置が、搬送面の側方位置を検出し、
c. 搬送ベルトが、引き渡し領域における搬送面の側方位置に応じて側方スライドされ、
d. 搬送ベルトが、引き渡し領域における側方スライドによって、搬送面の側方位置に後案内され、
e. 型体が、引き渡し輪郭を介しておよび引き渡し間隙を介して、搬送面へと引き渡される、
というステップに特徴を有する方法。
【請求項18】
受け入れ領域における搬送ベルトの側方位置および移送方向が、一定に保たれることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の装置が設けられることを特徴とするクッキー焼き窯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型体を受け入れ領域から引き渡し領域へ搬送するため、および例えばベーキング機械のベーキングコンベアのような搬送面へと引き渡すための装置および方法に関する。その際、型体を搬送するための装置は、駆動され周回する搬送ベルトを有する。この搬送ベルトは、少なくとも一つの転向ロール、駆動ロールの周り、および搬送面の領域内で引き渡し構造体の周りを案内されている。
【背景技術】
【0002】
本発明の分野は、例えば焼かれていない平らな丸い生地、焼かれていないクッキー型体、焼かれていない生地片などのような型体の引き渡しのための装置に関し、特に、平らな、焼かれていなクッキー生地型体をベーキング機械の加熱されたベーキングコンベア上へ引き渡すためのオーブン引き渡しベルトに関する。型体を引き渡しの際に傷付けないよう、型体は可能なかぎり丁寧に引き渡しベルトからベーキングコンベアへと引き渡される必要がある。このため、引き渡しベルトは可能な限りベーキングコンベアに近づけて実施されている。
【0003】
基本的に柔軟なクッキー型体が引き渡される搬送面は、先行技術では位置固定的に配置されず、所定の移動を行う。ベーキング機械のベーキングコンベアの場合、一方で、搬送ベルトの移送方向の前進が与えられる。しかし追加的にベーキングコンベアは、ベーキングコンベアの移送方向を横断する方向の側方の移動成分を有し、この移動成分は、ベーキングコンベアの遊びを有する支承によって引き起こされる。コンベアの固定的な側方案内は不可能である。というのは、そのような案内は、ベーキングコンベアの高い摩耗または損傷へと通ずるからである。
【0004】
これに応じてオーブン引き渡し装置の搬送ベルトは、オーブンベルトの側方移動に追尾する、及び/又は合わせられる必要がある。
【0005】
先行技術に相当する装置は、例えば、ベーキング機械に対して一つの圧点を中心として回転されることが可能である一つの機械フレームを有している。オーブン引き渡し装置の引き渡し領域は、これにより、この圧点を中心として同様に動かされ、ベーキングコンベアの側方移動を相殺する。この構造の短所は、オーブン引き渡し装置とオーブン引き渡し装置の引き渡し領域がベーキング機械の搬送面に対して動かされる必要がることである。しかしこの移動は、ベーキング機械のベーキングコンベアの純粋な側方移動とは異なる。これによって、両方の装置の位置および状態に応じて引き渡し間隙の変更が生じる。特に、薄い、小さい、及び/又は柔軟なクッキー型体においては、これは引き渡しの際の損傷に通じる。
【0006】
この構造の別の短所は、引き渡し装置のベルトが、プラスチックベルトとして形成されていることである。これは、損傷なくベーキング機械のベーキングコンベアの近くに案内されるにことができるには十分な熱耐性を有さない。この短所からも、より大きな引き渡し間隙が生じ、それによって品質的に劣悪な引き渡しが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって本発明の課題は、先行技術の短所を克服することであり、そして同時に、型体の搬送面への高品質な引き渡しを可能とする装置を完成することである。これは、引き渡し間隙が可能な限り小さく保たれ、引き渡し半径が最適化され、装置の引き渡し領域の位置が、ベーキング機械の搬送面の側方移動に合わせられ、そしてその際、引き渡し間隙が基本的に一定に保たれるようにするという課題を含む。
【0008】
更に本発明の課題は、基本的に柔軟な型体を、ベーキング機械の加熱されたベーキング面に高品質に引き渡すことを可能とすることである。
【0009】
更に、装置の構造がメンテナンス面で最適化されており、そして製造するために安価であることも課題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明に係る課題は、搬送ベルトが位置決め装置によって、少なくとも、その長手方向の延在の一部にわたって側方スライド可能であることによって解決される。
【0011】
発明に係る別の特徴は、搬送ベルトが位置決め装置によって部分的に側方スライド可能であること、搬送ベルトの移送方向および側方位置が、搬送ベルトの側方スライドの際に、受け入れ領域内で一定に保たれること、搬送ベルトが引き渡し領域内でスライド可能であること、搬送ベルトが引き渡し領域内で位置決め装置を介して、引き渡し構造に続く引き渡し輪郭に沿って側方にスライド可能であること、位置決め装置が、搬送ベルトの案内のための少なくとも一つの位置決め手段を有すること、及び/又は位置決め手段が一つのアクチュエータを介して移動可能であることである。
【0012】
更に本発明は、位置決め手段が引き渡し構造体と連結されていること、および引き渡し構造体が、アクチュエータの操作によって移送方向を横断する方向に移動可能であること、搬送ベルトの側方案内の為の二つの位置決め手段が設けられていること、アクチュエータが、例えば電気駆動されるリニア軸、空圧駆動されるリニア軸、液圧駆動されるリニア軸、またはクランク軸のような機械式または電気機械式のアクチュエータを含むこと、搬送面の側方位置の検出の為の検出装置が設けられており、この検出装置によって搬送ベルトの側方スライド及び/又は位置決めが、移送面の側方位置に応じて可能であること、及び/又は、検出装置が、例えばストロークセンサー、光学センサー、マイクロスイッチ、リードセンサー、または機械式に移動可能なローラーのような機械式または電気機械式の検出手段を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に従い、更に、引き渡し構造体が引き渡しナイフとして、好ましくは鋭利な引き渡し輪郭を有する引き渡しナイフとして形成されていること、駆動ロールが移送方向で受け入れ領域の後方かつ引き渡し輪郭の前方に配置されていること、転向ロール、駆動ロールおよび引き渡し構造体が、機械に対し固定的に設けられた機械フレーム内に設けられているまたは支承されていること、及び/又は、駆動ロールが機械フレームと側方で固定的に連結されていること、および位置決め手段及び/又は引き渡し構造体が、機械フレームに対して側方に移動可能であることが意図され得る。
【0014】
別の特徴は、受け入れ領域内での移送方向が、側方スライドの際に、引き渡し領域における移送方向から側方にずれていること、転向ローラー、駆動ローラーの軸、および引き渡し輪郭が基本的に互いに平行に推移していること、搬送ベルトが、非連続のベルトとして、特に非連続の金属ベルトとして、好ましくはらせん状鎖環ベルトとして形成されていること、および引き渡し輪郭の助走領域における搬送ベルトが、基本的に抵抗引張負荷を与えられていないこと、であり得る。特に、例えばらせん状鎖環ベルトのような非連続の金属ベルトの使用は、型体が、例えばベーキング機械のベーキングコンベアのような加熱された搬送面に引き渡されるとき有利である。非連続の金属ベルトは、熱耐性を有し、そしてベーキング機械のベーキングコンベアの近くに案内されることができる。これは引き渡しの品質を向上させる。
【0015】
更に発明は、場合によっては、引き渡し輪郭の助走領域における搬送ベルト、または駆動ロールと引き渡し輪郭の間の領域における搬送ベルトが、もっとも低い張力を有していること、及び/又は、搬送ベルトが、基本的に一定である基本テンションを有し、そして摩擦によって発生する抵抗テンションを有していること、および、引き渡し輪郭の助走領域において、または駆動ロールと引き渡し輪郭の間の領域において、搬送ベルトが基本的に抵抗テンションを有さないこと、またはこの領域において、基本テンションのみが作用すること、という特徴を有する。
【0016】
更に本発明は、以下のステップ、つまり、型体が、駆動され周回する搬送ベルト上で、受け入れ領域から引き渡し領域に搬送され、検出装置が、搬送面の側方位置を検出し、搬送ベルトが搬送面の側方位置に応じて引き渡し領域内で側方にスライドされ、型体が引き渡し輪郭および引き渡し間隙を介して搬送面に引き渡されるというステップを特徴とする方法に関する。
【0017】
発明に係る方法は、搬送ベルトが引き渡し領域における側方スライドによって搬送面の側方位置に導かれ、及び/又は搬送ベルトの側方位置および移送方向が、受け入れ領域内において一定に保たれるというステップも有しうる。
【0018】
その上、本発明は、発明に係る装置を設けられたクッキー焼き窯にも関する。
【0019】
本発明に従い、装置は、一つの位置決め装置を有する。この位置決め装置によって搬送ベルトは、少なくとも引き渡し領域において、搬送面の側方位置に応じて位置決めされることが可能である。このため一つの検出装置が設けられる。当該検出装置は、搬送面の側方位置を検出する。その際、搬送ベルトまたは面の移送方向を基本的に横断する方向に推移するその方向が側方と称される。引き渡し領域においては、搬送ベルトは、引き渡し構造体の周りに案内される。この領域内に、特に、搬送される型体が少なくとも部分的に搬送ベルトを去る領域内に、引き渡し輪郭が形成されている。引き渡し輪郭は、基本的に引き渡し構造体及び/又は引き渡し構造体の領域における搬送ベルトに続く。引き渡し輪郭は、搬送ベルトの領域(型体が搬送ベルトを去る領域)における平らな輪郭または線形状の輪郭である。引き渡し構造体における搬送ベルトの転向は、好ましくは、搬送ベルトが、略垂直に推移する引き渡し輪郭の周りで重力方向に転向されるよう実施される。その際、転向角度は、少なくとも90度、好ましくは90度から180度の値を取る。転向角度は、好ましくは、移送方向内を推移する垂直平面内で量られる。
【0020】
機械の搬送面と引き渡し領域の間には引き渡し間隙が存在する。これは、その形状および大きさにおいて最適化されており、そして好ましくは、搬送ベルトの側方の位置決めまたはスライドの際に一定に保たれる。引き渡し領域を一定に保つために、搬送ベルトは引き渡し領域内で引き渡し輪郭に沿って動かされるか、またはスライドされる。
【0021】
更に、発明に係る装置は、型体の受け入れのための受け入れ領域を有する。これは、好ましくは、引き渡し領域に対して所定の距離を有する搬送ベルトの領域内に配置されている。好ましくは、受け入れ領域における搬送ベルトの側方位置は一定に保たれる。これは、搬送ベルトの引き渡し領域における側方スライドの際に、搬送ベルトは、受け入れ領域内で側方スライドが行われないことを意味する。
【0022】
この目的のため、側方スライド可能であり、そして特に平行スライドを可能とする搬送ベルトが使用される。平行スライドの際、搬送ベルトは領域的に側方へスライド可能である。このスライドは、ほとんどもっぱら搬送ベルトが形成されている平面内でのみ行われる。その際、搬送ベルトのそり、またはねじれは生じない。これは、搬送ベルトが側方に柔軟性を有することを前提とする。例えば非連続の金属ベルトで、例えばらせん状鎖環ベルトのようなものが、本発明に係る装置内での使用に適している。これは、移送方向に対して、基本的に垂直または横断する方向に推移する横断方向要素を有する。横断方向要素は、らせん状要素によって、鎖形状に互いに接続され、そして互いに相対的に側方にスライド可能である。特に、横断方向要素は、互いに平行にスライド可能であり、そしてその際らせん状要素によって互いに接続されている。
【0023】
発明に係る装置は、好ましくは「インライン」に、焼いた食品類の工業的製造の為のライン内で使用される。特に、装置は、焼かれていないクッキー型体のような基本的に柔軟な型体を、例えば丸いクッキーの形成の為の例えば型抜き装置から、例えばクッキー焼き窯のオーブンベルトの搬送面へと搬送するために設けられる。これは、駆動部の制御ユニットと装置のアクチュエータが、場合によってはベーキング機械の、または全製造ラインの制御ユニットと接続されていることを意味する。他方で、装置の独自の制御ユニットもまた設けられることが可能である。この制御ユニットを介して搬送ベルトの駆動部、搬送ベルトの側方スライド、及び/又は別のパラメータが制御される。
【0024】
これと関連して、アクチュエータは基本的に、制御された及び/又は調整された移動を実施することができる部材に相当する。アクチュエータの例は、空圧シリンダーのような空圧式の駆動部、例えば液圧式のピストンまたは液圧シリンダーのような液圧式の駆動部、電機式の駆動部、リニア軸等である。
【0025】
基本的に柔軟な型体として、低い曲げ強度を有する構造体、例えば生のクッキー構造体、生地片等が定義される。この構造体の引き渡しは、強度が与えられていないことに起因して、狭い間隙幅の間隙を介してのみ可能である。というのは、型体の損傷が生じかねないからである。
【0026】
以下に本発明を具体的実施形および図面に基づいて更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】発明に係る装置の簡略側面図。
図2】発明に係る装置の別の実施形の簡略側面図。
図3】発明に係る装置の上面図。
図4】発明に係る装置の引き渡し領域の詳細図。
図5図4と同様の図。しかし搬送ベルトの側方スライドは行われている。
図6】側方スライドの簡略図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、一または複数の型体1を搬送ベルト3から搬送面2へと引き渡すための発明に係る装置の簡略側面図を示す。搬送ベルト3は、その際、一または複数の転向ロール4の周り、および引き渡し構造体6の周りを案内されている。搬送ベルト3の推移中には、一つの駆動ロール5が設けられている。これは、転向ロール4として形成されるか、または転向を行わない駆動ロールとして形成されることが可能である。その上、転向ロール4の一つは、テンションロール18として形成されていることが可能である。本実施形においては、引き渡し構造体6はシリンダー状の構造体として形成されている。これは、機械フレーム13と回転を固定して連結されているか、または転向ロール4同様、回転可能に機械フレーム13に支承されていることが可能である。型体1が搬送ベルト3から機械7の搬送面2へと引き渡される引き渡し領域10内には、引き渡し間隙16および引き渡し輪郭12が定義される。引き渡し間隙16は、搬送ベルト3と引き渡し領域10における搬送面2の間の間隙に基本的に相当する。引き渡し輪郭は、型体1が搬送ベルト3を去る領域(搬送ベルトの領域)における平らな、または線形状の輪郭である。
【0029】
駆動ロール5は、本実施形においては、移送方向17において引き渡し領域の前に設けられている。しかし、引き渡し構造体6のシリンダー形状の形成において、装置の他の一つの転向ロールを駆動ロール5として形成することも、本発明思想に合致する。装置の、引き渡し構造体と反対側の領域中には作業領域15が設けられる。ここで、型体は搬送ベルト3に供給される。クッキーの工業的製造のための装置の場合、例えば柔軟な、焼かれていないクッキー生地片が型抜き装置から来て搬送ベルト3へと引き渡される。型抜き装置と本発明に係る装置へと引き渡すための手段は、通常、位置固定的に設けられている。この理由から、発明に従い、好ましくは、搬送ベルト3が受け入れ領域15中に同様に位置固定的に設けられている。搬送ベルトは、この実施形に従い、および好ましくは発明に従い、側方に移動自由度を有さないか、または側方に非可動のままである。移送方向17における搬送ベルト3の移動は、しかし、転向ロール4の発明に係る配置によって与えられる。搬送ベルト3を搬送面2の側方の移動へと適合させる為に、搬送ベルト3のスライドが必要である。好ましくは、スライドは平行スライドにより行われる。この図では平行移動とは、搬送ベルト3の部分的なスライドが、この呈示されている図中に投影的に推移する方向へ行われることを意味する。
【0030】
搬送ベルト3のサポートの為に、特に、重力による垂れ下がりに対するサポートの為に、搬送ベルトの下には一または複数の案内手段19が設けられている。これら案内手段は、例えば搬送ベルト3の推移に従う縁部形状の案内手段として形成されていることが可能である。搬送ベルト3は、基本的にこれら案内手段19上に置かれており、そして移動の際にこれらにそって動く。更に、装置は、じょうご装置20と収集部21を有していることが可能である。じょうご装置は、例えば、汚染物質または過剰な散乱物を収集部21に供給するために使用される。
【0031】
図2は、引き渡し構造体の形態を抜きにすると基本的に図1に相当する、発明に係る装置の別の実施形を示す。無端の搬送ベルト3の推移中には、複数の転向ロール4、および駆動部5、テンションロール18と引き渡し構造体6が設けられている。搬送ベルトは、引き渡し領域10において引き渡し構造体6によって転向されている。本実施形においては、引き渡し構造体6は、引き渡しナイフとして形成されている。引き渡し構造体は、これにより、一つの鋭利な引き渡し端部を有し、これによって、搬送ベルト3の引き渡し輪郭12が同様に比較的小さな引き渡し半径を有する。引き渡し間隙16をできる限り小さく保つために、搬送ベルト3は搬送面2のできる限り近くに案内される必要がある。熱による損傷を防止するために、搬送ベルト3は、例えばらせん状鎖環ベルトのような、非連続の金属ベルトとして形成される。
【0032】
搬送面2は、例えばベーキング機械のベーキングコンベアに相当する。これは、ベーキング機械の運転の際に、側方に遊びを有して案内されているので、型体1を引き渡すために搬送ベルト3は同様に側方に動かされる、及び/又は搬送面の位置に合わせられる必要がある。搬送ベルト3の側方の位置決めの際に、発明に従い、引き渡し間隙16が一定のままであることが意図される。これは、その結果として、引き渡し輪郭12が搬送面2に対して位置・姿勢または状態を変更しない、またはわずかな程度のみ変更させることを意味する。
【0033】
このため搬送ベルト3は、平行スライドによって、特に引き渡し領域10内で変形される。その際、らせん状鎖環ベルトの個々の構成要素は、側方から、好ましくは移送方向17に対して垂直に、互いに相対的にスライドされる。
【0034】
鋭利な引き渡し端部として、または引き渡しナイフとして形成された引き渡し構造体6の周りに搬送ベルト3を転向する為に、駆動ロールの特別な配置が必要である。本装置内で使用されるのに適しているらせん状鎖環ベルト、または他の非連続的な金属ベルトは、高められたベルトテンションのもと、任意の小さい転向半径での転向が不可能である構造を有する。それにもかかわらず、鋭利な引き渡し端部12と、それに伴い狭い引き渡し間隙16を実現するために、本発明に係る引き渡し輪郭12の助走領域22中で、搬送ベルトは抵抗引張負荷を与えられていない。これは、助走領域22中で搬送ベルト3のテンションが、基本的に搬送ベルトの基本テンションに相当することを意味する。この基本テンションは、例えばゼロであるか、正の値を取るか、または助走領域22内のスライドする領域の場合、負の値を取る。この形式の装置においては、搬送ベルトは、基本的に搬送ベルト3全体に沿って一定である基本テンションを有する。動くベルトにおいては、ベルトのテンションは、摩擦を有しかつ搬送ベルト3に接触する各要素ごとに更に高くなる。よってベルトは、駆動部の後ろで最も低い張力を有する。駆動部の前の領域では、ベルトは最も大きい張力を有する。図2の実施形に従い、駆動部及び/又は駆動ロール5は、引き渡し構造体6の直前の領域に配置される。これに関し、引き渡し構造体6の直前とは、ベルトが、駆動ロール5と引き渡し構造体6の間の領域で、搬送ベルト3の張力テンションを高める要素から基本的に自由であることを意味する。案内手段19は、この場合、張力を高める要素として有効ではない、というのは摩擦によって発生する張力が、重力に基づいて生ずる垂れ下がりによって発生せしめられる張力よりも低いからである。
【0035】
特に助走領域22及び/又は引き渡し領域10における、ベルトの低い張力によって、搬送ベルト3の側方のスライド可能性は向上する。らせん状鎖環ベルトとして形成される搬送ベルト3の場合、駆動ロール5は、搬送ベルト3の開放部に歯車形状に介入する構造体を有している。この構造体またはロールは、一方で搬送ベルト3を駆動ロール5の方向に引張り、そして他方で搬送ベルト3を駆動ロールから引き渡し領域の方へと押しやる。
【0036】
駆動ロール5は、その際、側方に固定的に、駆動部の駆動軸と接続されている。これによって、搬送ベルト3の側方スライドが、駆動ロール5の領域において防止される。位置決め領域9による引き渡し領域10内での搬送ベルト3のスライドの際に、スライドが、これにより主として、駆動ロール5と引き渡し輪郭12の間の領域内で発生する。
【0037】
しかし駆動ロール5は、駆動軸上でスライド可能に配置されることも可能である。この場合、搬送ベルト3の側方位置は、位置決め装置9によって駆動部の領域内、及び/又は駆動ロール5の領域内で変更可能である。
【0038】
しかし本発明に従い、搬送ベルト3の側方位置が、受け入れ領域15内で一定に保たれるとき有利である。
【0039】
図3は、発明に係る装置を上からみた簡略図である。その際、搬送ベルト3は、複数の転向ロール4の周りおよび引き渡し構造体6の周りを案内されている。更に装置は、一つの駆動ロール5を有する。この駆動ロールを介して、搬送ベルト3が移送方向17へと駆動される。搬送面2の領域内には、特に引き渡し領域10内には、型体1を引き渡すために搬送ベルト3が引き渡し構造体6の周りに案内されている。引き渡し構造体6における転向によって、引き渡し輪郭12が形成される。更に、装置は、搬送ベルト3を機械フレーム13に対して、供給領域15に対して、及び/又は搬送面2に対して、位置決めするための位置決め装置9を有する。位置決め装置9は、特に搬送ベルト3を側方へスライドさせるため、搬送ベルト3を引き渡し領域10内で側方にスライドさせるため、及び/又は、搬送ベルト3の平行スライドを引き起こすために設けられている。このため位置決め装置9は、位置決め手段11を有する。位置決め手段11は、搬送ベルト3の側方スライドを引き起こすのに適している。位置決め手段11として、例えばローラー構造体、ロール構造体、ピンまたは同様の要素が設けられることが可能である。特に、位置決め手段11は、搬送ベルト3を案内する、及び/又は位置決めするのに適している複数要素として形成されることが可能である。このため、本実施形においては、二つの位置決め手段11が設けられる。これらは、移送方向11内で搬送ベルト3の両側に設けられ、そして搬送ベルトを移送方向に沿って案内する。更に、位置決め手段11が位置決め装置9を介して移動可能、特に側方に移動可能であるので搬送ベルト3の側方スライドが引き起こされる。
【0040】
図4は、引き渡し領域10における装置と位置決め装置の細部の簡略図を示す。装置は、中央の中立位置に存在している。その際、搬送ベルト3は、基本的に移送方向17にそってまっすぐ案内されており、スライドされていない。
【0041】
発明に係る装置は、一つの検出装置8を有している。この検出装置は、搬送面2の側方位置の検出の為の一または複数の検出手段14を有している。検出手段は、例えばライトバリアまたはレーザー計測ユニットのような、例えば光学式の検出手段として、例えばマイクロスイッチまたはセンサーのような電気機械式の検出手段として、並びに、例えば誘導センサーのような非接触の電気式センサーとして等、形成されることが可能である。検出装置8と検出手段14は、搬送面2の側方位置を決定し、または少なくとも、位置決め装置9が、搬送ベルト3の側方の位置決めを適合させることを可能とするデータを提供するために設けられる。この目的の為、例えば制御装置が設けられることが可能である。これは、センサーデータまたは検出手段14のデータを取得し、そして引き続いて、これらデータに応じて搬送ベルトのための位置決め装置9を制御または調整する。位置決め装置は、搬送ベルト3の移動を引き起こすのに適している、例えば機械式または電気機械式のアクチュエータ23を有する。本実施形においては、引き渡し領域10における搬送ベルトの側方スライドは、位置決め手段11の側方スライドによって行われる。位置決め手段11は、引き渡し構造体6と接続されており、または連結されている。複数のまたはひとつのアクチュエータが、一方で機械フレーム13と干渉し、他方で引き渡し構造体6と干渉する。アクチュエータの長さ変更によって、機械フレーム内にまっすぐ案内された引き渡し構造体は側方にスライドされる。搬送ベルト3を案内する位置決め手段11は、搬送ベルト3を引き渡し領域で側方にスライドさせる。その際、一または複数のアクチュエータの移動は、好ましくは搬送面2の移動と関係している。連結は、例えば制御装置を介して行われる。可能なアクチュエータ23は、例えばリニア軸、空圧式の軸、液圧式の軸、空圧シリンダーまたは液圧シリンダー、サーボアクチュエータ等である。
【0042】
しかし、機械式のガイドの場合、純粋な機械式の連結もまた可能である。その際、引き渡し構造体または搬送ベルトの軸方向の移動は、引き渡し構造体に左右に固定された固定的なロールによっても行われることが可能である。これら側方ガイドロールは、側方からベーキングコンベアに設けられており、そしてベーキングコンベアによって動かされる。
【0043】
図5は、図4と同一の装置であるが、しかし側方にスライドされた搬送ベルト3を有しているものを示す。搬送面2は、所定の値分、側方にスライドされている。この値分、搬送ベルト3も引き渡し領域10内でスライドされている。この為、搬送面2の側方のスライドは、検出装置8によって、および一または複数の検出手段14によって検出される。適当な制御を介して、引き渡し領域10内における搬送ベルト3の側方位置は、搬送面2の側方位置に合わせられる。図5に、図4のまっすぐな位置24、特にその一つの側方縁部が、簡略的に記入されている。搬送面2の側方スライドへの適合を行うために、スライドされた位置25は、まっすぐな位置24の推移から逸脱している。本実施形においては、搬送ベルト3は、駆動ロール5と引き渡し領域10の間でスライドされている。これは、搬送ベルト3の引き渡し輪郭12が、移送方向17に対して側方にスライドされていることを意味する。このスライドは、好ましくは、駆動ロール5と引き渡し輪郭の間に搬送ベルトによって形成されている平面内で、またはこの平面に沿って行われる。特に、搬送ベルト3は、引き渡し輪郭12の領域内で引き渡し輪郭12に沿ってスライドされる。これによって引き渡し輪郭16は、搬送面2と搬送ベルト3の間で、搬送ベルト3の側方スライドの際に一定に保たれる。
【0044】
図6は、側方スライドの別の検討の為の簡略図を示す。この為、ここでもまた搬送ベルト3が転向ロール4、駆動ロール5の周り、および引き渡し構造体6の周りを案内されている。引き渡し構造体6に続いて、引き渡し輪郭12が定義されている。搬送ベルト3は、二つの状態で記入されている。まっすぐの位置24は、搬送ベルトが、基本的にまっすぐに搬送方向に推移している状態に相当する。スライドされた位置25は、破線で表されており、そして搬送面2が通常状態から側方にスライドされている位置に相当する。搬送ベルト3は、特に、駆動ロール5と引き渡し構造体6または引き渡し輪郭12の間で側方にスライドされている。この為、搬送ベルトは引き渡し領域10内において基本的に引き渡し輪郭12に沿ってスライドされている。スライドと側方のスライドによって、搬送ベルト3は引き渡し領域10内で搬送面2の上に位置決めされる。スライドされた位置2’のための搬送面2の側方の位置変更の際、本発明に係る搬送ベルト3は追尾させられる。受け入れ領域15内では、これと反対に、搬送ベルト3の位置が一定に保たれる。これは、移送方向17も搬送ベルト3の側方の位置・姿勢または状態も一定に保たれることを意味する。搬送方向17は、まっすぐの位置24においては基本的に搬送ベルトの垂直平面に沿って推移する。スライドされた位置25およびスライドされた搬送ベルト3においては、移送方向は基本的にスライドされた移送方向17’に追従する。
【0045】
引き渡し領域10は、これにより、搬送面2の位置に追尾されることが可能である。この追尾は、好ましくは無段階に行われ、特にアクチュエータ23によって駆動されて行われる。
【0046】
図1から6の実施形は、同じ発明思想に基づく。例えば図1および2に引き渡し構造体の異なる実施形によって表されるような代替は、他の図に記載される構造との組み合わせを一切排除しない。よって例えば、図1,3,4,5および6に記載の実施形の組合せが可能である。実施形の別の組合せは、図3,4,5および6に表された実施形と組み合わせた図2の実施形である。
【0047】
図1および2の実施形は、引き渡し構造体の異なる実施形が基本的に異なっている。図1に記載の特徴および作用態様は、それゆえ、図2にも引き継がれることが可能である。図2に記載の特徴および作用態様は、図1の実施形にも引き継ぎ可能である。
【0048】
本発明の基本思想は、寸法に制限されないが、以下に例示的に寸法表示を示す。型体は、好ましくは1mmから約10mmまでの厚さを有する柔軟な型体に相当する。その際、型体の面積は、1cmから30cm、それ以上の値を取ることが可能である。型体の大きさに応じて、引き渡し構造体の転向半径が、約3mmから数センチの値を取る。しかし好ましくは、転向半径は1cmより小さい。
【0049】
以下に本発明に係る方法を論じる。本方法の一つの実施形においては、基本的に柔軟な型体が、延ばし装置および型抜き装置から装置の受け入れ領域へと搬送される。発明に係る装置の搬送ベルトへの引き渡しは、例えばベルトコンベアを鋭利な引き渡し端部の周りで転向させることによって行われる。型体が受け入れ領域内で装置の搬送ベルトに引き渡されると、これは移送方向に更に搬送される。その際、図1および図2の発明に係る実施形の型体は、駆動ロールを通過する。
【0050】
駆動ロールの後方では、搬送ベルトは少なくとも図2に従い基本的に抵抗引張負荷を与えられていない。型体は、引き続いて引き渡し輪郭の方へと更に搬送される。引き渡し領域内では搬送ベルトが引き渡し構造体の周りを案内されている。引き渡し領域における搬送ベルトの転向によって、型体は搬送ベルトから離れる。型体が搬送ベルトに当接しなくなる領域内には、引き渡し輪郭が形成されている。これは、直線形状に形成されているか、または面部分に相当することが可能である。
【0051】
引き渡し輪郭と型体が引き渡される搬送面の間には引き渡し間隙が設けられている。この間隙の領域内では型体は搬送面からも搬送ベルトからも支持されておらず、よって自由に垂れ下がっている。型体の損傷を防止するために、引き渡し間隙はできる限り小さく形成される。引き続いて型体は搬送面へと引き渡される。好ましくは、搬送面は、ベーキング機械の移動するベーキングコンベアによって形成される。ベーキング機械のベーキングコンベアは、その際、遊びを持って案内されているので、移送方向を横断する方向への側方への逸脱が発生する。
【0052】
搬送ベルトおよび型体を搬送面の側方位置へと追尾させるために、発明に係る位置決め装置および発明に係る検出装置が設けられる。検出装置は、搬送面の位置・姿勢または状態を検出するための一または複数の検出手段を有する。検出装置のデータまたは搬送面の位置・姿勢または状態は、機械的または電気的に制御装置へと伝達されるか、または直接位置決め装置へと伝達される。位置決め装置は、引き渡し領域における搬送ベルトの側方スライドの為の一または複数のアクチュエータを有する。一つの実施形に従い、引き渡し領域内の搬送ベルトが側方にスライドされる。しかしその際、搬送ベルトは、受け入れ領域内で一定に保たれる。これにより搬送ベルトは、受け入れ領域と駆動ロールの間で基本的にまっすぐに推移する、及び/又は転向ロールの軸に対して垂直に推移する。駆動ロールと引き渡し輪郭の間の領域内では、搬送ベルトは、動的に側方へとスライドされ、そして搬送面の側方位置に追尾する。それで、型体は常に、搬送面の所望の位置に置かれる。
【符号の説明】
【0053】
1. 型体
2. 搬送面
2‘ スライドされた位置
3. 搬送ベルト
4. 転向ロール
5. 駆動ロール
6. 引き渡し構造体
7. ベーキング機械
8. 検出装置
9. 位置決め装置
10. 引き渡し領域
11. 位置決め手段
12. 引き渡し輪郭
13. 機械フレーム
14. 検出手段
15. 受け入れ領域
16. 引き渡し間隙
17. 移送方向
17‘ スライドされた移送方向
18. テンションロール
19. 案内手段
20. じょうご装置
21. 収集部
22. 助走領域
23. アクチュエータ
24. まっすぐの位置
25. スライドされた位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】