(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-527240(P2015-527240A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(54)【発明の名称】座席クラスを分割する乗客席のバルクヘッド
(51)【国際特許分類】
B64D 11/06 20060101AFI20150821BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20150821BHJP
【FI】
B64D11/06
B60N3/00 A
B60N3/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-521801(P2015-521801)
(86)(22)【出願日】2013年7月11日
(85)【翻訳文提出日】2015年3月4日
(86)【国際出願番号】US2013050038
(87)【国際公開番号】WO2014011850
(87)【国際公開日】20140116
(31)【優先権主張番号】61/670,409
(32)【優先日】2012年7月11日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポジ アレクサンダー ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ホンツ ジェフリー ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088AA08
3B088CA01
3B088CA12
3B088CA15
(57)【要約】
乗客席のクラスを分割するバルクヘッド(30)およびバルクヘッドを含む乗客席の配置であって、前記バルクヘッド(30)はプレミアムクラス座席(24)の第一席列(22)の背面に取り付けられるように構成され、バルクヘッド(30)の背面には、後方に配置されたエコノミークラス席の第二列(26)に提供する設備が装着され、前記第一席列(22)は、前記第二席列(26)よりも少ない座席数を含む、乗客席のクラスを分割するバルクヘッド(30)、およびバルクヘッドを含む乗客席の配置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客席の配置(20)であって、
第一の数の座席(24)を含む第一席列(22)と、
第一席列(22)と等しい長さを有し、第一席列(22)よりも多い数の座席(28)を含む第二席列(26)と、
第一および第二席列(22、26)を分割するバルクヘッド(30)であり、第一席列(22)に取り付けられるように構成され、第二席列(26)に対向し、第二席列に提供される設備が装着されるバルクヘッド(30)と、
を含む乗客席の配置(20)。
【請求項2】
前記第一席列(22)は2つの座席(24)を含み、前記第二席列(26)は3つの座席(28)を含む、
請求項1に記載の乗客席の配置(20)。
【請求項3】
前記バルクヘッド(30)は、前記第二席列(26)の座席(28)の数に等しい数の、同一の設備が装着される、
請求項1に記載の乗客席の配置(20)。
【請求項4】
前記設備は、トレイテーブル(32)、ビデオモニター(34)、収納ポケット(48)のいずれかまたは複数を含む、
請求項1に記載の乗客席の配置(20)。
【請求項5】
前記バルクヘッド(30)は、前記バルクヘッド(30)から鉛直に上方へ延伸し、前記バルクヘッド(30)の上部と頭上荷物棚(44)との間の空間を埋めるパーテーション(42)をさらに備える、
請求項1に記載の乗客席の配置(20)。
【請求項6】
前記バルクヘッド(30)は、前記第一席列(22)のひじかけ(38)を取り囲むように、少なくとも前記第一席列(22)の通路側において前方に延伸する、
請求項1に記載の乗客席の配置(20)。
【請求項7】
前記バルクヘッド(30)は、前記第一席列(22)の前記座席(24)間の隙間を覆うように、水平方向に広がる、
請求項1に記載の乗客席の配置(20)。
【請求項8】
前記バルクヘッド(30)に取り付けられる客席を分割する通路カーテン(46)をさらに備える、
請求項1に記載の乗客席の配置(20)。
【請求項9】
前記第一席列(22)は2つの座席を含み、前記第二席列(26)は3つの座席を含み、前記バルクヘッド(30)は、前記第二席列(26)に対向し、前記第二席列(26)に提供される3つのトレイテーブル(32)および3つのビデオモニター(34)が装着される、
請求項1に記載の乗客席の配置(20)。
【請求項10】
乗客席のクラスを分割するバルクヘッド(30)であって、
第一席列(22)の背面に取り付けられるように構成され、
前記バルクヘッドの背面には、後方に配置される第二席列(26)に提供される設備が装着され、
前記第一席列(22)は、前記第二席列(26)よりも少ない座席数を含む、バルクヘッド(30)。
【請求項11】
前記バルクヘッド(30)が取り付けられる前記第一席列(22)は、2つの座席(24)を含み、
前記バルクヘッド(30)の背面には、前記第二席列(26)の3つの座席(28)に提供される3組の設備が装着される、
請求項10に記載のバルクヘッド。
【請求項12】
前記バルクヘッド(30)には、前記第二席列(26)内の前記座席(28)の数に等しい数の同一の設備が装着される、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【請求項13】
前記設備は、トレイテーブル(32)、ビデオモニター(34)、収納ポケット(48)のいずれかまたは複数を含む、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【請求項14】
前記バルクヘッド(30)は、前記バルクヘッド(30)から鉛直に上方へ延伸し、前記バルクヘッド(30)の上部と頭上荷物棚(44)との間の空間を埋めるパーテーション(42)をさらに備える、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【請求項15】
前記バルクヘッド(30)は、前記第一席列(22)のひじかけ(38)を取り囲むように、少なくとも前記第一席列(22)の通路側において前方に延伸する、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【請求項16】
前記バルクヘッド(30)が、前記第一席列(22)の前記座席(24)間の隙間を覆うように、水平方向に広がる、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【請求項17】
前記バルクヘッド(30)は客席クラスを分割する通路カーテン(46)の取付け箇所として使用される、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【請求項18】
前記バルクヘッド(30)は、水平方向に前記第一席列(22)の長さだけ延伸し、鉛直に前記第一席列(22)の前記座席(24)の上部まで延伸する、成形された外郭(36)である、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【請求項19】
前記第一席列(22)が、2つの前記座席(24)を含み、前記第二席列(26)が、3つの座席(28)を含み、前記バルクヘッド(30)には、第二席列(26)に対向し前記第二席列(26)に提供される3つのトレイテーブル(32)と3つのビデオモニター(34)が装着される、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【請求項20】
前記バルクヘッド(30)が、鉛直に、航空機のデッキ(40)から前記第一席列(22)の上部まで延伸する、
請求項10に記載のバルクヘッド(30)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、一般的に、乗客席のクラスを分割するバルクヘッドに関するものであり、特に、後列に配置されたエコノミークラス席の列に提供されるトレイテーブル、ビデオ機器、その他の設備が装着される、一組のプレミアムクラス席背面に一体化されるバルクヘッドに関する。
【0002】
航空機の客室は通常、客室の前方に配置されるプレミアムクラス席と、中央部および後方配置されるエコノミークラス席とに分割される。客席クラスは通常、座席部分においては床から天井に伸びるバルクヘッドで、通路部分においてはカーテンで仕切られる。プレミアムクラス席は、通常、より大きく、より快適なシート、より余裕のある座席の配置、座席のレベルにふさわしい個人用の設備、を有する。エコノミークラス席は、通常、より小さい座席、より密度の高い座席の配置を有し、設備は共有であることが多い。
【0003】
クラス間における、座席の大きさと座席密度の違いのため、エコノミークラスの席列は、プレミアムクラス席における等しい長さの列よりも、より多数の座席を含んでいることが多い。例えば、エコノミークラス列が3つの座席を有している一方で、同じ長さの列において、プレミアムクラス席は、2席しか含まない場合がある。同じ座席クラスにおいて、すべての座席列が、それぞれ同数の座席を有するとき、各座席のすぐ前方の座席の背面において、トレイテーブル、ビデオ機器、収納ポケットなどの設備を配置することができる。しかし、エコノミー席の第一列目において、すぐ前方に同じ数の座席列が存在せず、そのため、第一列目は、異なる設備構成と代替的な配置場所が必要となり、コストや複雑さを増加させてしまう。
【0004】
第一列目のエコノミー席の設備を配置するための一つの解決策には、プレミアムクラスとエコノミークラスを分割する、壁から天井に延びる専用のバルクヘッドを利用することがある。この解決策は、貴重な床面積を占有する専用のバルクヘッドが必要とされるだけでなく、バルクヘッドに取り付け、第一列に提供するための、特注の設備も必要となるので、不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、専用のバルクヘッドの必要性をなくし、客室内で座席の配置を単純化するために、必要とされることは、エコノミークラス席の第一列のための設備を収容するだけでなく、異なる座席数の列間の切り替わりに対応できる座席のクラスを分割する別の方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの側面は、航空機内における異なる座席クラスを分割するように構成されたバルクヘッドである。
【0007】
本発明の別の側面は、それぞれ異なる座席数を備える列を分割するように構成されたバルクヘッドである。
【0008】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、プレミアムクラス席とエコノミークラス席間のプライバシーを提供する。
【0009】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、座席列の背面に取り付けるために構成されており、天井から床にわたるバルクヘッドが不要となり、貴重な床面積を節約できる。
【0010】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、一組のプレミアムクラス席の背面に取り付けられるように構成されており、2つ以上の座席を含む後列に配置されたエコノミークラス列に提供される設備のための取り付け場所として使用される。
【0011】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、それが取り付けられている座席列のほぼ同じ幅に水平に延伸し、およそ頭上の荷物棚までの高さまで鉛直に延伸する。
【0012】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、隣接するプレミアムクラス席間のあらゆる隙間を埋める。
【0013】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、座席のリクライニング機能を妨げないような態様で、第一座席のグループの背面に取り付けられている外郭である。
【0014】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、座席の上部と頭上の荷物棚との間の空間を埋める外郭から略垂直に上方へ延びる、パーテーションを含む。
【0015】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、後列に配置された列に提供される、ビデオモニター、トレイテーブル、収納ポケットなどの設備を含む。
【0016】
また、本発明の別の側面は、バルクヘッドは、通路において乗客席クラスを分割するプライバシーカーテンの取付箇所として使用される。
【0017】
前述および他の側面と、有利な点を達成するため、ここで開示されるのは、乗客席のクラスを分割するバルクヘッドであって、バルクヘッドはプレミアムクラス客の座席の第一席列の背面に取り付けられるように構成され、バルクヘッドの背面には、後方に配置されたエコノミークラス席の第二列に提供する設備が装着され、第一席列は、第二席列よりも少ない座席数を含む、乗客席のクラスを分割するバルクヘッドおよびバルクヘッドを含む乗客席の配置である。
【0018】
さらなる実施例において、バルクヘッドが取り付けられている第一席列は、2つの座席を含んでいてもよく、バルクヘッドの背面は、第二席列の3つの座席に提供するための3組の設備が装着されてもよい。
【0019】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、第二席列における座席数と等しい数の設備が装着されてもよい。
【0020】
さらなる実施例において、設備は、トレイテーブル、ビデオモニター、収納ポケットのいずれかまたは複数を含んでいてもよい。
【0021】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、バルクヘッドから鉛直に上方へ延伸し、バルクヘッドの上部と頭上荷物棚間の空間を埋めるパーテーションを備えていてもよい。
【0022】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、第一席列のひじかけを取り囲むように、少なくとも第一席列の通路側において前方に延伸していてもよい。
【0023】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、第一席列の座席間の隙間を覆うように、水平に広がっていてもよい。
【0024】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、客席クラスを分割する通路カーテンの取付位置として使用されてもよい。
【0025】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、水平方向に第一席列の長さだけ延伸し、鉛直に第一席列の上部まで延伸する、成形された外郭であってもよい。
【0026】
さらなる実施例において、第一席列は、2つの座席を含んでいてもよく、第二席列は、3つの座席を含んでいてもよく、バルクヘッドには、第二席列に対向し第二席列に提供される3つのトレイテーブルと3つのビデオモニターが装着されていてもよい。
【0027】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、航空機のデッキから第一席列の上部まで、鉛直に伸びていてもよい。
【0028】
本発明の別の実施例にしたがって、ここで提供されるのは、乗客席の配置であって、第一の数の座席を含む第一席列と、第一席列と等しい長さを有し、第一席列よりも多い数の座席を含む第二席列と、第一および第二席列を分割するバルクヘッドであり、第一席列に取り付けられるように構成され、第二席列に対向し、第二席列に提供される設備が装着されるバルクヘッドと、を含む乗客席の配置である。
【0029】
さらなる実施例において、第一席列は、2つの座席を含んでいてよく、第二席列は、3つの座席を含んでいてもよい。
【0030】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、第二席列における座席数に等しい数の同一の設備が装着されていてもよい。
【0031】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、バルクヘッドから鉛直に上方へ延伸し、バルクヘッドの上部と頭上荷物棚間との空間を埋めるパーテーションを備えていてもよい。
【0032】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、第一席列のひじかけを取り囲むように、少なくとも第一席列の通路側において、少なくとも前方に延伸していてもよい。
【0033】
さらなる実施例において、バルクヘッドは、クラスを分割する通路側カーテンの取付位置として使用されてもよい。
【0034】
さらなる実施例において、第一席列は、2つの座席を含んでいてもよく、第二席列は、3つの座席を含んでいてもよく、バルクヘッドは、第二席列に対向し、第二席列に提供される3つのトレイテーブルと3つのビデオモニターが装着されていてもよい。
【0035】
クラスを分割する乗客席のバルクヘッドと乗客席の配置に関するここで開示された実施例は、上記特徴、様相、利点の、一つもしくはそれ以上もしくはいかなる組み合わせを含んでいてもよい。
【0036】
本発明の更なる特徴、様相、利点は、以下の詳細な説明の中で明らかになるであろう。そして、一部分は、その説明から熟練した技術の中で、特徴、様相、利点が直ちに明らかとなるであろう、もしくは、ここで説明するにつれて、発明を実施することによって気付けるだろう。前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方が、本発明の様々な実施例を紹介し、クレームされているような発明の本質や特徴を理解するための概要もしくは枠組みを提示することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の特徴、側面、利点は、以下の発明の詳細な説明が、添付される図を参照して読まれることで、よりよく理解される。
【0038】
【
図1】本発明の実施例による、座席クラスを分割する乗客席バルクヘッドの後方斜視図である。
【0039】
【
図2】通路カーテンの取り付け方法を例示する、
図1における座席クラスを分割する乗客席バルクヘッドの前方斜視図である。
【0040】
【
図3】垂直のバルクヘッドとともに図示される、座席クラスを分割する乗客席バルクヘッドの後方立面図である。
【0041】
【
図4】垂直の仕切りを除いて図示される、座席クラスを分割する乗客席バルクヘッドの後方立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、下文に、例示的な発明の実施例を示す図と関連して、十分に説明される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本実施例に含まれる代表的な実施例に限定して解釈されるべきではない。例示的な実施例は、本明細書が十分で完全なものであるように、かつ、発明の範囲を十分に伝え、当業者が当該発明を成し、使用し、実施できるように提供される。同じ参照番号が、異なる図面においても、同じ番号の構成要素に対応する。
【0043】
図面を参照すると、乗客クラスを分けるためのバルクヘッドと、そのようなバルクヘッドを含む乗客席の配置とが示されている。当該バルクヘッドと座席の配置は、プレミアムクラスの乗客席の第一列の背面に取り付けるために構成されており、かつ、背面に配置される、より数の多いエコノミークラス席の第二列に提供する設備を備えている点で、有用である。このように、本発明は、乗客席のクラスを分けること及びエコノミークラス席の第一列のために設備を提供することの両方の解決手段を提供する。当該バルクヘッドは、さらに座席クラス間を分割し、かつ、プライバシーを提供するための、当該バルクヘッドから鉛直上方に延伸するパーテーションを備えることができる。
【0044】
図1と
図2を参照すると、乗客席の配置は、全体として参照番号20で示され、第一の数の座席24を含む第一席列22と、前記第一席列と長さが等しく、より数の多い座席28を含む第二席列26と、第一席列と第二席列を分割するバルクヘッド30と、を含んでいる。当該バルクヘッドは、第一席列22に統合されている、もしくは、第一席列22に取り付けるように構成されている。バルクヘッド30は、設備を含み、当該設備は、第二席列26に対向し、および第二席列26のために備えられている。
【0045】
ここで示される例示的な座席の配置において、第一席列22は、2つのプレミアムクラス席24を含み、第二席列26は、3つのエコノミークラス席28を含んでいる。プレミアムクラス席24は、エコノミークラス席28よりも幅広く、そのため、第一、第二列22、26はおおむね同じ長さであるが、座席数が異なり、後方に配置された第二席列は、前方に配置された第一席列よりも多くの数の座席を含んでいる。座席数及び座席の作りの違いを想定し、本発明のバルクヘッドは、同じ座席数が連なる列群から、異なる座席数の列群へ移行するように調整することができる。
【0046】
バルクヘッド30は、プレミアムもしくはビジネスクラス席グループに備わっている複数のトレイテーブル32と複数のモニター34を、プレミアムクラス席またはビジネスクラス席列の外郭と一体に形成し、プレミアムクラスの後列に配置されるエコノミークラス席28は特別な座席やアーム折畳式トレイテーブルもしくはスイングビデオモニターを必要としない。バルクヘッド30は、従来の、床から天井に延びるバルクヘッドの必要性をなくし、エコノミークラス席の第一列を標準的な座席形態とすることができるため、重量と航空機内装用費用を減少させることができる。
【0047】
バルクヘッド30は、第一席列22の背面に適合し、背面を取り囲むように成形された外郭36として形成され、第一席列22に取り付けられている。バルクヘッド30は、プレミアムクラス席24間のすべての隙間を覆い、少なくとも通路側において前方に延伸し、ひじかけ38を包含してもよい。バルクヘッド30は、第一列22の長さのほぼ全体に覆うように水平に伸び、かつ、バルクヘッド30が取付けられている座席の少なくとも上部まで鉛直に延伸する。バルクヘッド30は、シートフレームに取付けられており、かつ、航空機の床又はデッキ40の上方空間に浮いた状態とされ、または、該デッキまで伸びていてもよく、このようにして、客室内においてその座席グループがどこに配置されているかにかかわらず、各プレミアムクラス席グループについて、シングル席のフレームデザインが可能である。
【0048】
バルクヘッド30は、座席グループを床に取り付けるための調整に影響を与えたり、そのような調整を必要とすることなく、座席の背面に取付けられるように設計されている。バルクヘッド30は、例えば、1又はそれ以上の座席の脚、骨組部材、ひじかけ、その他の構成要素が取り付けられ、そしてそれらに支持されていてもよい。バルクヘッド30は、座席背面の後方に配置され、例えば、リクライニング動作で座席を前方に移動させるといった座席リクライニング機構などの、座席24のリクライニング動作を妨げないように構成されている。
【0049】
バルクヘッド30は、さらに座席クラスを分割するため座席の後方の上方空間を隔離する、縦パーテーション42が付属していてもしていなくてもよい。パーテーション42は、バルクヘッド30の上部と頭上荷物棚44との間の空間の、ほぼ全体を占めるように成形されていてもよい。パーテーション42は、取り外しできるので、
図2中で最もよく示されるように、共通のバルクヘッド30はすべてのプレミアムクラス席グループについて、当該パーテーションを必要な列に、もしくは、座席クラスを分割するための列に取り付けて、提供することができる。
【0050】
バルクヘッド30は、後方に配置された列内の異なる数の座席、あるいは、後方に配置された列の同じ数の座席のための設備に適合するように構成されてもよい。例えば、バルクヘッド30は、後方に配置された3つの座席に提供するために、3つのトレイテーブル32と、ビデオモニター34が備えられることができ、あるいは、後ろに配置された同じ数の2つの座席に提供するために、2つのトレイテーブル32とビデオハードウェア34を備えることができる。
【0051】
図2を参照すると、カーテン46は、カーテンを固定し、頭上荷物棚44とパーテーション42と通路との間のすべての隙間を埋めるため、バルクヘッド30とパーテーション42のうち一つ又はそれ以上に沿って、一つ又はそれ以上の箇所に取り付けられてもよい。
【0052】
図3、4を参照すると、バルクヘッド30は、重量の軽減と耐久性のために、軽量の衝撃吸収物質から構成されていてもよい。バルクヘッド30は、いかなる形状もとることができ、その形や外観は、客室のインテリアに適合するように、カスタマイズしてもよい。バルクヘッド30は、座席にもともと備えられた備品として、あるいは新しい改良部品として取り付けられてもよい。
図3は、パーテーション42が取り付けられたバルクヘッド30を示す。
図4は、当該パーテーションを含まないバルクヘッド30を示す。
【0053】
バルクヘッド30は、後方に配置された座席列に対向し、当該座席用の設備が、取り付けられているか、もしくはそれを支持している。乗客用の設備は、これらに限られないが、枢着トレイテーブル32、ビデオモニター34、収納ポケット48などを含んでいてもよい。バルクヘッド30は、ポケット、他の収納コンパートメント、モニター用のくぼみなどを含むように成型されることができる。電子機器とバルクヘッド30に適合したビデオ機器関連のケーブル配線は、バルクヘッド30内に配索され、視界から隠れていてもよい。
【0054】
上記の記述は、例示のみを通して、本発明の実施例を提供する。他の実施例においても、類似の作用をし、類似の効果が得られると想定される。いかなる、および全てのそのような実施例および変形例は、本発明の範囲内であり、そして、添付する請求項の範囲により包含されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2015年4月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客席の配置であって、
第一の数の座席を含む第一席列と、
第一席列と等しい長さを有し、第一席列よりも多い数の座席を含む第二席列と、
第一および第二席列を分割するバルクヘッドであり、第一席列に取り付けられるように構成され、第二席列に対向し、第二席列に提供される設備が装着されるバルクヘッドと、
を含む乗客席の配置。
【請求項2】
前記第一席列は2つの座席を含み、前記第二席列は3つの座席を含む、
請求項1に記載の乗客席の配置。
【請求項3】
前記バルクヘッドは、前記第二席列の座席の数に等しい数の、同一の設備が装着される、
請求項1または2に記載の乗客席の配置。
【請求項4】
前記設備は、トレイテーブル、ビデオモニター、収納ポケットのいずれかまたは複数を含む、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗客席の配置。
【請求項5】
前記バルクヘッドは、前記バルクヘッドから鉛直に上方へ延伸し、前記バルクヘッドの上部と頭上荷物棚との間の空間を埋めるパーテーションをさらに備える、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗客席の配置。
【請求項6】
前記バルクヘッドは、前記第一席列のひじかけを取り囲むように、少なくとも前記第一席列の通路側において前方に延伸する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の乗客席の配置。
【請求項7】
前記バルクヘッドは、前記第一席列の前記座席間の隙間を覆うように、水平方向に広がる、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の乗客席の配置。
【請求項8】
前記バルクヘッドに取り付けられる客席を分割する通路カーテンをさらに備える、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の乗客席の配置。
【請求項9】
前記第一席列は2つの座席を含み、前記第二席列は3つの座席を含み、前記バルクヘッドは、前記第二席列に対向し、前記第二席列に提供される3つのトレイテーブルおよび3つのビデオモニターが装着される、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の乗客席の配置。
【請求項10】
前記バルクヘッドは、水平方向に前記第一席列の長さだけ延伸し、鉛直に前記第一席列の前記座席の上部まで延伸する、成形された外郭である、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の乗客席の配置。
【請求項11】
前記バルクヘッドが、鉛直に、航空機のデッキから前記第一席列の上部まで延伸する、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の乗客席の配置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の乗客席の配置に含まれるバルクヘッド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
上記の記述は、例示のみを通して、本発明の実施例を提供する。他の実施例においても、類似の作用をし、類似の効果が得られると想定される。いかなる、および全てのそのような実施例および変形例は、本発明の範囲内であり、そして、添付する請求項の範囲により包含されることが意図される。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
[項目1]
乗客席の配置(20)であって、
第一の数の座席(24)を含む第一席列(22)と、
第一席列(22)と等しい長さを有し、第一席列(22)よりも多い数の座席(28)を含む第二席列(26)と、
第一および第二席列(22、26)を分割するバルクヘッド(30)であり、第一席列(22)に取り付けられるように構成され、第二席列(26)に対向し、第二席列に提供される設備が装着されるバルクヘッド(30)と、
を含む乗客席の配置(20)。
[項目2]
前記第一席列(22)は2つの座席(24)を含み、前記第二席列(26)は3つの座席(28)を含む、
項目1に記載の乗客席の配置(20)。
[項目3]
前記バルクヘッド(30)は、前記第二席列(26)の座席(28)の数に等しい数の、同一の設備が装着される、
項目1に記載の乗客席の配置(20)。
[項目4]
前記設備は、トレイテーブル(32)、ビデオモニター(34)、収納ポケット(48)のいずれかまたは複数を含む、
項目1に記載の乗客席の配置(20)。
[項目5]
前記バルクヘッド(30)は、前記バルクヘッド(30)から鉛直に上方へ延伸し、前記バルクヘッド(30)の上部と頭上荷物棚(44)との間の空間を埋めるパーテーション(42)をさらに備える、
項目1に記載の乗客席の配置(20)。
[項目6]
前記バルクヘッド(30)は、前記第一席列(22)のひじかけ(38)を取り囲むように、少なくとも前記第一席列(22)の通路側において前方に延伸する、
項目1に記載の乗客席の配置(20)。
[項目7]
前記バルクヘッド(30)は、前記第一席列(22)の前記座席(24)間の隙間を覆うように、水平方向に広がる、
項目1に記載の乗客席の配置(20)。
[項目8]
前記バルクヘッド(30)に取り付けられる客席を分割する通路カーテン(46)をさらに備える、
項目1に記載の乗客席の配置(20)。
[項目9]
前記第一席列(22)は2つの座席を含み、前記第二席列(26)は3つの座席を含み、前記バルクヘッド(30)は、前記第二席列(26)に対向し、前記第二席列(26)に提供される3つのトレイテーブル(32)および3つのビデオモニター(34)が装着される、
項目1に記載の乗客席の配置(20)。
[項目10]
乗客席のクラスを分割するバルクヘッド(30)であって、
第一席列(22)の背面に取り付けられるように構成され、
前記バルクヘッドの背面には、後方に配置される第二席列(26)に提供される設備が装着され、
前記第一席列(22)は、前記第二席列(26)よりも少ない座席数を含む、バルクヘッド(30)。
[項目11]
前記バルクヘッド(30)が取り付けられる前記第一席列(22)は、2つの座席(24)を含み、
前記バルクヘッド(30)の背面には、前記第二席列(26)の3つの座席(28)に提供される3組の設備が装着される、
項目10に記載のバルクヘッド。
[項目12]
前記バルクヘッド(30)には、前記第二席列(26)内の前記座席(28)の数に等しい数の同一の設備が装着される、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
[項目13]
前記設備は、トレイテーブル(32)、ビデオモニター(34)、収納ポケット(48)のいずれかまたは複数を含む、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
[項目14]
前記バルクヘッド(30)は、前記バルクヘッド(30)から鉛直に上方へ延伸し、前記バルクヘッド(30)の上部と頭上荷物棚(44)との間の空間を埋めるパーテーション(42)をさらに備える、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
[項目15]
前記バルクヘッド(30)は、前記第一席列(22)のひじかけ(38)を取り囲むように、少なくとも前記第一席列(22)の通路側において前方に延伸する、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
[項目16]
前記バルクヘッド(30)が、前記第一席列(22)の前記座席(24)間の隙間を覆うように、水平方向に広がる、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
[項目17]
前記バルクヘッド(30)は客席クラスを分割する通路カーテン(46)の取付け箇所として使用される、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
[項目18]
前記バルクヘッド(30)は、水平方向に前記第一席列(22)の長さだけ延伸し、鉛直に前記第一席列(22)の前記座席(24)の上部まで延伸する、成形された外郭(36)である、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
[項目19]
前記第一席列(22)が、2つの前記座席(24)を含み、前記第二席列(26)が、3つの座席(28)を含み、前記バルクヘッド(30)には、第二席列(26)に対向し前記第二席列(26)に提供される3つのトレイテーブル(32)と3つのビデオモニター(34)が装着される、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
[項目20]
前記バルクヘッド(30)が、鉛直に、航空機のデッキ(40)から前記第一席列(22)の上部まで延伸する、
項目10に記載のバルクヘッド(30)。
【国際調査報告】