特表2015-528041(P2015-528041A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-528041(P2015-528041A)
(43)【公表日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】冷媒混合物
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20150828BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20150828BHJP
【FI】
   C09K5/04 A
   C09K5/04 B
   F25B1/00 396Z
   C09K5/04 D
   C09K5/04 E
   C09K5/04 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-522224(P2015-522224)
(86)(22)【出願日】2013年7月16日
(85)【翻訳文提出日】2015年1月15日
(86)【国際出願番号】IB2013055833
(87)【国際公開番号】WO2014013427
(87)【国際公開日】20140123
(31)【優先権主張番号】TO2012A000626
(32)【優先日】2012年7月16日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】515014037
【氏名又は名称】タッツェッティ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モンディーノ、リッカルド
(72)【発明者】
【氏名】ロンゴーニ、ヴァレンティーナ
(57)【要約】
85重量%から95重量%の濃度のジメチルエーテル及び5重量%から15重量%の濃度のプロピレンと、71重量%から85重量%の濃度のジメチルエーテル及び15重量%から29重量%の濃度のプロパンとからなる群から選択されるガス状混合物の使用であって、R134aの、及び/又はHFC(ハイドロフロオロカーボン)、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)及びHFE(ハイドロフルオロエーテル)を含むR134aの他の置換又は代替冷媒の、置換又は代替冷媒としての使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
85重量%から95重量%の濃度のジメチルエーテル及び5重量%から15重量%の濃度のプロピレンと、
71重量%から85重量%の濃度のジメチルエーテル及び15重量%から29重量%の濃度のプロパンと
からなる群から選択されるガス状混合物の使用であって、R134aの、及び/又はHFC(ハイドロフロオロカーボン)、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)及びHFE(ハイドロフルオロエーテル)を含むR134aの他の置換又は代替冷媒の、置換又は代替冷媒としての使用。
【請求項2】
前記混合物が、
91重量%から95重量%の濃度のジメチルエーテルと、
5重量%から9重量%のプロピレンと
からなる、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記混合物が、92重量%のジメチルエーテルと、8重量%のプロピレンとからなる、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記混合物が、
77重量%から83重量%の濃度のジメチルエーテルと、
23重量%から17重量%のプロパンと
からなる、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記混合物が、79重量%の濃度のジメチルエーテルと、21重量%のプロパンとからなる、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
前記ガス状混合物が、空調又は冷却設備で使用される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記ガス状混合物が、自動車の空調システム、スーパーマーケットの冷却庫、冷却倉庫、家庭用冷蔵庫、遠心冷却機、家庭用、商業用及び工業用空調設備、家庭用、商業用及び工業用冷却機、プロセス工業の空調及び冷却設備、冷却輸送、冷水器、商業用製氷機、並びに家庭用、商業用及び工業用除湿器において使用される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガス状混合物を冷媒として含む空調又は冷却設備。
【請求項9】
冷媒としての請求項1乃至5のいずれか一項に記載の混合物の使用のために設計又は適応させた請求項8に記載の空調又は冷却設備。
【請求項10】
自動車の空調システム、スーパーマーケットの冷却庫、冷却倉庫、家庭用冷蔵庫、遠心冷却機、家庭用、商業用及び工業用空調設備、家庭用、商業用及び工業用冷却機、プロセス工業の空調及び冷却設備、冷却輸送、冷水器、商業用製氷機、並びに家庭用、商業用及び工業用除湿器からなる、請求項8又は9に記載の空調又は冷却設備。
【請求項11】
存在する空調又は冷却装置の改良プロセスであって、上記設備で使用される冷媒ガスを、
85重量%から95重量%の濃度のジメチルエーテル及び5重量%から15重量%の濃度のプロピレンと、
71重量%から85重量%の濃度のジメチルエーテルと、15重量%から29重量%の濃度のプロパンと
からなる群から選択されるガス状混合物に置換することを含む、改良プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はR134aの置換又は代替冷媒として有用であるガス混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
クロロフルオロカーボン類又はヒドロクロロフルオロカーボン類は実質的なオゾン層破壊係数(以下、ODP)を有し、モントリオール議定書により規制されており、R134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)はそれらの置換冷媒ガスとして1990年代の初頭以来用いられているヒドロフルオロカーボンである。
【0003】
クロロフルオロカーボン類又はヒドロクロロフルオロカーボン類とは異なり、R134aは、実質的なODPを有さず、特に空調又は冷却のための冷媒としての用途を見出されている。
【0004】
しかしながら、R134aには高い地球温暖化係数(以下、GWP)を有する。そして、京都議定書の後、ヨーロッパ規制は空調又は冷却設備において、その入手及び使用を制限し、及び段階的に制限するであろう。
【0005】
文献(S.Hortsmann, J.Chem.Eng.Data.Vol.49、ページ38−42、2004年1月)は、298から323Kの温度でプロパン/ジメチルエーテル及びプロペン/ジメチルエーテルの熱力学的データを提供している。
【0006】
本発明の主要な目的はR134aの置換又は代替として用いることが可能である冷媒ガス混合物、及び/又は、R134aと比較して、低い生産コスト及び特にGWPに関して環境影響特性を有し、それとともに自動車空調、及び家庭内、商業的、工業的空調及び冷却のような用途において改善した特徴を有する置換冷媒ガスとしての使用に適している熱力学的特性も併せ持っているHFC(ヒドロフルオロカーボン類)、HFO(ヒドロフルオロオレフィン)及びHFE(ヒドロフルオロエーテル)を含むR134aの他の置換又は代替冷媒を提供することである。
【0007】
とても限られた範囲内の混合物の2種の構成ガスの相対的濃度を有し、フッ化炭化水素を含まないガス状混合物を使用することで上記目的は達成するという認識に、本発明は基づいている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この点で、本発明は、使用する炭化水素の濃度範囲の特定の選択によって、R134aを置換するのに特に適切でそして改善された熱力学的特徴を得ることを可能にする混合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の主題は、このように、
・空調又は冷却設備における、特にR134aの使用のために設計された自動車空調における、R134aの置換又は代替冷媒ガスとしての、
・85重量%から95重量%の濃度のジメチルエーテル及び5重量%から15重量%の濃度のプロピレンと、
・71重量%から85重量%の濃度のジメチルエーテル及び15重量%から29重量%の濃度のプロパンと
からなる群から選択されるガス状混合物の使用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による好適な混合物の圧力及び温度曲線を示す線図であり、R134aの対応する曲線と比較している。対応する数値は、表3に示されている。
図2】本発明による好適な混合物の圧力及び温度曲線を示す線図であり、R134aの対応する曲線と比較している。対応する数値は、表4に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による混合物は可燃性であるため、新装置において及び特定の構成要素の置換だけを必要とする既存の装置の改良においての両方で、本発明による混合物は使用を見出す。
特に、本発明による混合物は、自動車の空調システム、スーパーマーケットの冷却庫、冷却倉庫、家庭用冷蔵庫、遠心冷却機、家庭用、商業用及び工業用空調設備、家庭用、商業用及び工業用冷却機、プロセス工業の空調及び冷却設備、冷却輸送、冷水器、商業用製氷機、並びに家庭用、商業用及び工業用除湿器における用途を見出す。
【0012】
冷媒として本発明による混合物を使用する空調又は冷却設備も、本発明の範囲内に含まれる。
【0013】
混合物の構成ガスのすでに限定した濃度範囲の範囲内で、好適な混合物は:
・91重量%−95重量%の、特に92重量%のジメチルエーテル及び5重量%−9重量%の、特に8重量%のプロピレンと、
・77重量%−83重量%の、特に79重量%のジメチルエーテル及び23重量%−17重量%の、特に21重量%のプロパンと、
からなる群から選択されるものである。
【0014】
本明細書において提案される混合物は、適度な及び高い温度の用途のための冷却サイクルのR134aの使用に対して、改善した特徴を有している。
【0015】
下記する表は、前述の濃度範囲の範囲内における本発明による混合物の熱力学的特性に関する多くの顕著な特徴を示しており、また、R134aの対応する特性と比較して顕著な環境影響特性(例えばODP及びGWP)も併せて示している。
【0016】
【表1】
【0017】
上記の表から見られるように、本発明による使用した混合物は、低いグライド値(1気圧における沸点と露点の差)を有する。
【0018】
R134aと比較すると、混合物は、GWPを1300から通常1.6を超えない値までに大幅に減らす。
【0019】
添付の図面において、:
図1及び図2は、本発明による好適な混合物の圧力及び温度曲線を示す線図であり、R134aの対応する曲線と比較している。対応する数値は、表3及び表4に示されている。
【0020】
R134aと、本発明の主題である置換物との間の比較の表は、以下に示される。
【0021】
【表2】
【0022】
表は、本発明の主題である特定の混合物の性能係数(COP)を、R134aと比較して記載している。
【0023】
加熱(COPh)、そして、冷却(COPc)における性能係数は、その表に示されている。
【0024】
値は、冷却における6KWの熱容量、500Weの補助電源、及び5℃の過冷却を有する空調設備において算出された。過剰な熱は、コンデンサへの更なる熱と考えられる。
【0025】
示された値は、国際的に認識されたプログラムを使用する文献から得られる熱力学的データに基づく数学的シミュレーションの結果である。
【0026】
提案される混合物のCOPが単一のR134aのそれに完全に一致していることが観察することができる。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
図1
図2
【国際調査報告】