特表2015-528069(P2015-528069A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-528069クロロヘキサジン酢酸塩及びトリクロサンを含む不織材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-528069(P2015-528069A)
(43)【公表日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】クロロヘキサジン酢酸塩及びトリクロサンを含む不織材料
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/332 20060101AFI20150828BHJP
   A61B 19/00 20060101ALI20150828BHJP
   D06M 13/165 20060101ALI20150828BHJP
   A01P 1/00 20060101ALN20150828BHJP
   A01P 3/00 20060101ALN20150828BHJP
   A01N 47/44 20060101ALN20150828BHJP
   A01N 31/16 20060101ALN20150828BHJP
   A01N 25/04 20060101ALN20150828BHJP
   A01N 25/10 20060101ALN20150828BHJP
   D06M 101/20 20060101ALN20150828BHJP
【FI】
   D06M13/332
   A61B19/00 512
   D06M13/165
   A01P1/00
   A01P3/00
   A01N47/44
   A01N31/16
   A01N25/04 103
   A01N25/10
   D06M101:20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-518394(P2015-518394)
(86)(22)【出願日】2013年3月15日
(85)【翻訳文提出日】2014年12月19日
(86)【国際出願番号】US2013032506
(87)【国際公開番号】WO2014003858
(87)【国際公開日】20140103
(31)【優先権主張番号】61/663,748
(32)【優先日】2012年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/840,615
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】397037834
【氏名又は名称】アレジアンス、コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】アイザック、 ワァルター エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】レイバーン−ザンミエロ、 ロリ
(72)【発明者】
【氏名】ペトロフ、 カティア
(72)【発明者】
【氏名】ウェゲナー、 サラ
【テーマコード(参考)】
4H011
4L033
【Fターム(参考)】
4H011AA02
4H011BA06
4H011BB03
4H011BB11
4H011BC03
4H011BC19
4H011DA10
4H011DA13
4H011DC10
4H011DE15
4H011DF04
4H011DG16
4H011DH02
4L033AA05
4L033AB07
4L033AC10
4L033BA14
4L033BA48
(57)【要約】
本発明は、抗微生物有効性及び良好なバリア特性を有する医療物品を提供する。特に、該医療物品は、不織材料及びクロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンを含むコーティングを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織材料及びクロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンを含むコーティングを含む物品。
【請求項2】
不織材料がスパンボンド メルトブロー スパンボンド ポリプロピレンを含む、請求項1記載の物品。
【請求項3】
コーティングが、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンを約25:1〜約1:25の比で含む、請求項1記載の物品。
【請求項4】
コーティングが、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンを約5:1〜約1: 5の比で含む、請求項1記載の物品。
【請求項5】
コーティングが、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンを約3:1〜約1: 3の比で含む、請求項1記載の物品。
【請求項6】
物品が、ガウン、靴カバー、ドレープ、ラップ、帽子、実験着及びフェイスマスクからなる群より選ばれる医療物品である、請求項1記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗微生物効果及び良好なバリア特性を有する医療物品に関する。
【背景技術】
【0002】
アメリカ合衆国では病院−獲得感染、それは院内感染としても知られており、が毎年ほぼ100,000名の死をもたらし又は該死に寄与している。そのような感染の伝染を最小限にするために、使い捨て医療物品、例えばガウン、ドレープ、靴カバー、ラップ及び帽子が通常使用されている。これらの物品は、しばしば短期間、例えば10分未満、着用又は使用される。
【0003】
これらの物品の多くは、不織材料または不織布帛、例えばポリプロピレン繊維のスパンボンド/メルトブロー/スパンボンド(SMS)ラミネートによって作られており、及び、微生物及び/又は流体に対するバリアを形成することができる。流体、例えば体液、の侵入をブロックする能力は、医療環境において重要である。いくつかの医療物品、例えば医療用ガウンは、米国医療機器振興協会により開発され及び米国国家規格境界により承認された、AAMI/ANSI PB70基準に基づき、バリア特性レベルによって分類されている。AAMI/ANSI PB70基準において、材料のバリア特性を測定するための要となるテストが耐水性:米国繊維化学技術及び染色技術協会により確立された、静水圧試験、AATCC 試験方法127、である。静水圧試験は、増加する圧力下での水の侵入に対する材料の抵抗性を測定する。AAMI/ANSI PB70基準にはバリア特性の4つのレベルがある。AAMIレベル1分類を有する材料は、噴霧衝撃テストを通り、及び衝撃侵入に対して効果がある。AAMIレベル1分類を典型的に有する材料には基本的なカバーガウン及び隔離ガウン(isolation gowns)が包含される。AAMIレベル2分類は、水が材料に侵入するのに少なくとも20cm H2Oの圧力を要する。AAMIレベル2分類を典型的に有する材料には、基本的な防護を提供する物品及び流体への暴露量が比較的少なく及び短時間であるときによく使用されるものが包含される。AAMIレベル3分類は、水が材料に侵入するのに少なくとも50cm H2Oの圧力を要する。AAMIレベル3分類を典型的に有する材料には、増大されたバリア防護を提供する物品及び流体暴露量があまり多くないときによく使用されるものを包含する。AAMIレベル4分類は、水を通過させない。外科用ドレープ及びガウンは、しばしばAAMIレベル4分類を有する。
【0004】
いくつかの不織材料は、物品の表面に接触する微生物を殺すために抗微生物材料でコートされている。抗微生物作用は、抗微生物物質に暴露した後の感染性微生物の数の対数減少を決定することで測定される。例えば、3-log減少は、99.9%の減少を意味し、4-log減少は99.99%の減少を指す。不織材料上での抗微生物コーティングの使用は、表面上の微生物の量を減じる利益があるが、コーティングはときに不織材料のバリア特性を犠牲にし、流体の侵入の可能性を増大する。
【0005】
不織材料の分野において、効果的なバリア特性を有し、及び、速い抗微生物作用を示すものが必要とされている。好ましくは、医療物品は多くの微生物、例えば3又は4 log減少(99.9% 〜 99.99%)を、短時間の間、例えば10分以下、で殺すことが可能である。「迅速な殺菌」は一表面から他への感染の鎖を断ち切り得るので、そのような材料は病院‐獲得感染の伝染を減じるのに役立つであろう。
【0006】
米国特許第6,146,651号は、ハロゲン化フェノール性殺生物剤、水溶性膜形成性ポリマー、及び少なくとも一の界面活性剤を含む、殺生物剤組成物で処理された不織布に関する。
【0007】
米国特許6,626,873号及び米国特許5,772,640号はクロロヘキサジン及びその塩及びトリクロサンを含むポリマー状医療物品に関する。米国特許6,626,873号及び米国特許5,772,640号は医療物品、例えばカテーテル、巻かれた排液管、動脈グラフト、軟部組織パッチ、手袋、シャント、ステント、気管カテーテル、創傷包帯、縫合糸、ガイドワイヤー、及び人工器官に言及している。
【0008】
米国特許第6,503,952号は、例えばクロロヘキサジン遊離塩基、クロロヘキサジン塩、ポリヘキサメチレンビグアニド、及びアレキシジン等の抗微生物剤、第四級アンモニウム化合物、及び塩素化フェノール化合物を含む抗微生物組成物に関する。
【0009】
米国特許公開2011/0150958号は、クロロヘキサジン酢酸塩、溶媒、例えばアルコール及び/又は水、及び第二の殺生物剤、例えばトリクロサン、を含む防腐性洗浄剤に関する。
【0010】
引用された全ての文献は、引用によってその全体が本明細書に含まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、材料、例えば不織材料、及びクロロヘキサジンとトリクロサンを含むコーティングを含む物品に関する。物品は、好ましくは医療物品、例えばガウン、靴カバー、ドレープ、ラップ及び帽子である。
【発明の効果】
【0012】
材料上、例えば不織材料上の、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンの組合せを含むコーティングは、該材料のバリア特性に最少の影響を与えつつ、効果的で迅速に作用する抗微生物作用を有することが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、材料、例えば不織材料及びクロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンを含むコーティングを含む物品に関する。物品は、好ましくは医療物品、例えばガウン、靴カバー、ドレープ、ラップ、帽子、フェイスマスク、実験着、又は流体及び/又は微生物の伝達を防止するために使用され得る任意の他の物品であってよい。
【0014】
いくつかの実施態様において、材料は、不織材料又は不織布を含む、任意の布帛又は材料を含んでよい。不織布は、例えば、スパンレイド、サーモボンド、スパンボンド、メルトブローもしくはボンドカードウェッブ等のプロセスを用いて、個々にランダム配向された繊維で形成される単一ウェブ又は複数ウェブの集合もしくはラミネートを指す。不織布のラミネート、例えばポリプロピレン繊維のスパンボンド/メルトブロー/スパンボンドラミネート(SMS)は、外科分野で使用し得る従来の布帛の一例である。他の例は、スパンボンド/フィルム/スパンボンド(SFS)ラミネートである。いくつかの実施態様において、スパンレース(水流絡合)材料も使用できる。いくつかの実施態様において、材料は1平方メートル当たり約1〜約1000グラム、好ましくは1平方メートル当たり10〜100グラム、より好ましくは1平方メートル当たり20〜50グラムである。
【0015】
クロロヘキサジン酢酸塩は、クロロヘキサジンジアセテートとしても知られており、抗微生物剤である。クロロヘキサジン酢酸塩は、クロロヘキサジン遊離塩基及びクロロヘキサジンの他の塩、例えばクロロヘキサジングルコン酸塩と並んで、グラム陽性及びグラム陰性菌に効果的であり、殺菌性及び静菌性活性の双方を有する。驚くことに、特にクロロヘキサジン酢酸塩はトリクロサンと組み合わされて、材料のバリア特性への影響を最小にしつつ、効果的な殺菌活性を与えることが見出された。
【0016】
トリクロサンは、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール及び、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルとしても知られ、殺菌及び抗菌活性の双方を有する。
【0017】
クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンの組合せは、材料、例えば不織材料、上で効果的な抗微生物コーティングを与えることが見出された。該組合せは相乗効果を与え、材料のバリア特性(流体透過性)に最少の影響を与えつつ、細菌の高い対数減少を与えることが見出された。特に、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンの組合せは、各々単独の場合及び他の組合せ、例えばクロロヘキサジン遊離塩基及びトリクロサン、並びにクロロヘキサジングルコン酸塩及びトリクロサンに比べて、静水圧テストで測定される材料の耐流体侵入性を受容可能レベルに維持しつつ効果的な抗微生物活性を与えることが見出された。
【0018】
いくつかの実施態様において、クロロヘキサジン酢酸塩及びトリクロサンは、クロロヘキサジン酢酸塩:トリクロサン比が好ましくは約25:1〜約1:25、より好ましくは約10:1〜約1:10、さらに好ましくは約5:1〜約1:5及び最も好ましくは約3:1〜1:3で存在する。いくつかの実施態様において、クロロヘキサジン酢酸塩及びトリクロサンの合計量(乾燥重量)は、コートされた布帛重量の約0.1%〜約70%、好ましくは0.25%〜50%、より好ましくは約0.35%〜20%、及び最も好ましくは約0.5%〜10%である。
【0019】
クロロヘキサジン酢酸塩及びトリクロサンは、別々に又は一緒に、材料に施与されてよい。例えば、ある実施態様において、クロロヘキサジン酢酸塩が最初に施与され、次いでトリクロサンが施与されてよい。ある実施態様では、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンが一の製剤へと混合され、次いで、該製剤が材料に施与される。ある実施態様では、抗微生物剤を含む液体製剤が用意され、材料に施与される。該液体製剤は、1又は2以上の溶剤、例えばアルコール及び/又は水を含んでよい。溶剤の例には、水、エタノール、ヘキサノール、アセトン、イソプロパノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールが包含されるが、これらに限定されない。好ましい実施態様において、液体製剤は、クロロヘキサジン酢酸塩及びトリクロサンを水とアルコールの溶液中に含む;好ましいアルコールにはエタノール、ヘキサノール、オクタノールが包含される。液体製剤の一例は、クロロヘキサジン酢酸塩(0.3%w/w、0.6%w/w、又は0.75%w/w)、トリクロサン(0.60%w/w)及びエタノール(70%w/w)を含む。
【0020】
クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンのコーティングは、任意の方法で材料に施与されてよい。好ましくは、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンを含むコーティング溶液が材料、例えば不織材料、の上に噴霧され、又は、キスグラビアコートされる。コーティングは、ボンディングする前に繊維に直接施与されてもよい。好ましい態様において、コーティングは不織ウェブが形成され及びボンドされた後に施与される。他の添加剤としては、但し限定されることなく、帯電防止剤、表面張力を下げるためのコーティング助剤が包含され、これらをコーティング溶液に添加してよい。他の実施態様として、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンの製剤を用いて、布帛がディップコートされ、又はディップ及びスクウィーズパッディングプロセスを用いてコートされてよい。
【0021】
コーティングを施与した後、コートされた材料は空気乾燥又はドライヤを用いて乾燥されてよい。例えば、圧縮空気ドライヤ及び浮揚ドライヤが使用され得る。コートされた材料は、該材料を、例えばドラム又はベルト等の多孔性表面上に保持しながら、加熱された空気等のガスを引き込むことによって乾燥されてもよい。
【0022】
いくつかの実施態様において、本発明の物品は、細菌の少なくとも2 log減少、好ましくは少なくとも3 log減少、及びより好ましくは少なくとも4 log減少の、抗微生物有効性を有する。ある実施態様では、抗微生物有効性が約60分未満、好ましくは約30分未満、より好ましくは約10分未満、及び最も好ましくは約5分未満に達成される。
【0023】
いくつかの実施態様において、本発明の物品はコートされた材料を含み、それはコートされていない形態の同一の材料と比べて類似のバリア性能を有する。例えば、或る実施態様では、クロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンをSMS不織布帛に施与することは、(コートされていない形態の)SMS不織布帛の抗静水圧力値を多くとも約50%、好ましくは多くとも約40%、より好ましくは多くとも約30%及びさらに好ましくは多くとも約0〜10%で低減し得る。
【0024】
いくつかの実施態様において、コートされた材料の(例えば、耐水性:静水圧テスト、AATCC テスト方法127によって測定された)静水圧力は、好ましくは少なくとも20 cmH2Oであり、より好ましくは少なくとも30 cmH2Oである。或る実施態様では、例えば、外科ガウン用にコートされた材料が使用される場合、該コートされた材料の静水圧は少なくとも約50 cmH2Oである。
【実施例】
【0025】
クロロヘキサジン酢酸塩(CHA)とトリクロサンの組合せの効果を、(1)クロロヘキサジン遊離塩基(CH)、クロロヘキサジン酢酸塩、クロロヘキサジングルコン酸塩(CHG)、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、及びトリクロサン各々単独と、(2)CHとトリクロサン、CHGとトリクロサン、及びPHMBとトリクロサンの各組合せと、比較するために実験を行った。下記のコーティング剤を、脱イオン水を用いて用意し、使い捨て霧化ハンドスプレイを用いて、34 gsmのスパンボンド/メルトブロー/スパンボンド(SMS)不織材の8×8インチの布帛切片上に噴霧した。
- 処方A: CHA (0.6% w/w)、トリクロサン (0.60% w/w)、 及びエタノール (70%)
- 処方 B: CHA (0.3% w/w)、トリクロサン (0.60% w/w)、及びエタノール (70%)
- 処方 C: CHA (0.75% w/w)、トリクロサン (0.60% w/w)、及びエタノール (70%)
- 処方 D: コーティング無しの対照
- 処方 E: エタノール (70%)
- 処方 F: CH (0.30% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 G: CH (0.60% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 H: CH (1.20% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 I: CHA (0.30% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 J: CHA (0.30% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 K: CHG (1.0% w/w) 及びヘキサノール (0.6%)
- 処方 L: CHG (1.0% w/w) 及びヘキサノール(0.6%)
- 処方 M: PHMB (1.0% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 N: PHMB (1.0% w/w) 及びヘキサノール(0.6%)
- 処方 O: トリクロサン (0.3% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 P: トリクロサン (0.6% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 Q: CH (0.30% w/w)、トリクロサン (0.6% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 R: CH (0.60% w/w)、トリクロサン (0.6% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 S: CHG (0.35% w/w)、トリクロサン (0.6% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 T: PHMB (0.15% w/w)、トリクロサン (0.6% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 U: PHMB (0.45% w/w)、トリクロサン (0.6% w/w) 及びエタノール (70%)
- 処方 V: PHMB (0.75% w/w)、トリクロサン (0.6% w/w) 及びエタノール (70%)
【0026】
各製剤を、布帛切片が均一に飽和するまで、布帛切片上に噴霧した。飽和点は、目視によりコーティング剤が布帛切片を濡らして、完全に飽和したときに半透明になることによって決定した。切片を、次いで、ワイヤーラック上に水平に置き、ヒュームフード中で空気乾燥した。いくつかの場合、試料をオーブン中に置いて乾燥した。
【0027】
試料をAATCC テスト法100を用いて、グラム陰性 E. coli 、ATCC #11229、及びグラム陽性S. aureus、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、ATCC #43300を用いて、抗微生物有効性についてテストした。E. coli及びMRSAの対数減少を5分後に決定した。試料のバリア特性も耐水性:静水圧テスト、AATCCテスト法127を用いてテストした。静水圧を読み取り、圧値を平均した。結果を下記表に示す。
【0028】
結果は、SMS不織材上のクロロヘキサジン酢酸塩とトリクロサンの組合せは、E. coli 及び MRSAの双方に対して高い対数減少をもたらしたことを示し、効果的な抗微生物活性を示す。さらに、コートされたSMS不織材の静水圧テストで測定されたバリア特性は、高い値を維持した。それに対して、各抗微生物剤単独で、又は抗微生物剤の他の組合せでコートされた試料は、良い抗微生物活性ではあるが貧弱なバリア特性、良いバリア特性であるが貧弱な抗微生物活性、又は、貧弱な抗微生物活性と貧弱なバリア特性の両方を示した。例えば、トリクロサンだけでコートされた試料は、バリア特性は高かったが、高微生物活性は非常に低かった。例えば、クロロヘキサジン遊離塩基でコートされた試料は、抗微生物有効性は高かったが、バリア特性は貧弱であった。さらに、クロロヘキサジン酢酸塩単独でコートされた試料は、MRSAに対して、貧弱な抗微生物活性と貧弱なバリア特性を示した。
【表1】
【国際調査報告】