(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
本発明は、カルシウム感知受容体モジュレーター(CaSR)としてのアリールアルキルアミン化合物を提供する。特に、本明細書に記載されている化合物は、カルシウム感知受容体(CaSR)の調節に関連する疾患、障害、症候群、及び/又は病態を治療し、管理し、及び/又はその重症度を緩和するのに有用である。本発明は、CaSRの調節に関連する疾患、障害、症候群、及び/又は病態を治療し、管理し、及び/又はその重症度を緩和するための、上記化合物の医薬組成物及び方法も提供する。本発明は、本発明の化合物の調製プロセスにも関する。(式I)
カルシウム感知受容体(CaSR)の調節に関連する疾患又は障害、症候群又は病態を治療し、管理し、及び/又は緩和する必要のある被検体における、カルシウム感知受容体(CaSR)の調節に関連する疾患又は障害、症候群又は病態を治療し、管理し、及び/又は緩和するための医薬の製造に、化合物を使用することであって、その方法が、前記被検体に、請求項1に記載の化合物、又はその製薬学的に許容可能な塩を治療有効量投与することを含む使用。
前記カルシウム感知受容体(CaSR)の調節に関連する前記疾患、障害、症候群、又は病態が、副甲状腺機能亢進症、慢性腎不全(透析の有無は問わない)、慢性腎臓疾患(透析の有無は問わない)、及びそれらの合併症から選択される、請求項12に記載の使用。
前記CaSR受容体の調節に関連する前記疾患、障害、症候群、又は病態が、副甲状腺腺腫、副甲状腺過形成、副甲状腺癌、血管石灰化、弁石灰化、カルシウムホメオスタシス異常、高カルシウム血症、リンホメオスタシス異常、低リン血症、副甲状腺機能亢進症、慢性腎臓疾患、又は副甲状腺癌に起因する骨関連疾患又は合併症、腎移植後の骨量減少、嚢胞性線維性骨炎、無形成骨症、腎性骨症、副甲状腺機能亢進症又は慢性腎臓疾患に起因する心血管合併症、(Ca2+)eイオンが異常に高い特定の悪性疾患、心機能不全、腎機能不全、腸機能不全、有足細胞関連疾患、腸運動異常、下痢からなる群から選択され、ガストリン又は胃酸の分泌を増加させて、萎縮性胃炎において直接的又は間接的な効果をも
たらすか、又は、胃液酸度の上昇により、胃腸管からの薬理化合物、医薬、又は助剤の吸収を増大させる、請求項12に記載の使用。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、1つの態様によると、式(I)の構造を有する化合物、又はその製薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0010】
式中、
Wは、CH又はNであり、
R
1(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ハロアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、−C(O)OR
5、−(CR
aR
b)
r−C(O)OR
5、−O−C(O)OR
5、−O(CR
aR
b)
r−C(O)OR
5、−NR
6R
7、−C(O)R
8、−C(O)NR
6R
7、−NR
6C(O)R
8、−S(O)
0-2R
5、−S(O)
2NR
6R
7、及び−NR
6S(O)
2R
8から選択し、
R
2は、置換又は非置換アリールであり、
R
3は、置換又は非置換アルキルであり、
R
4(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ハロアルキル、−OR
5、−NR
6R
7、−C(O)R
8、−C(O)NR
6R
7、−NR
6C(O)R
8、−S(O)
0-2R
5、−S(O)
2NR
6R
7、及び−NR
5S(O)
2R
8から選択し、
Xは、単結合、−(CR
aR
b)
r−、−O−、−NR
7−、−O(CR
aR
b)
r−、−C(O)NR
7−、−C(O)NR
7(CR
aR
b)
r−、−(CR
aR
b)
rシクロアルキレン−、シクロアルキレン、シクロアルキレン−(CR
aR
b)
r−、及び−O−シクロアルキレンから選択し、
R
a及びR
b(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換ハロアルキル、及び置換若しくは非置換シクロアルキルから選択するか、又は、R
a及びR
bは、それらが結合している炭素原子と一体となって、置換又は非置換の3〜7員の飽和炭素環を形成してよく、
Zは、−OR
5又は−NR
6R
7であり、
R
5(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、水素、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ハロアルキル、及び置換又は非置換アリールから選択し、
R
6及びR
7(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、水素、置換若しくは非置換アルキル、−(CR
aR
b)
r−C(O)OR
5、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換シクロアルキルアルキル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換アリールアルキル、置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、及び置換若しくは非置換ヘテロシクリルアルキルから選択するか、又は、R
6及びR
7は、それらが結合している窒素原子と一体となって、置換若しくは非置換の飽和若しくは不飽和の3〜10員環式環を形成してよく、その不飽和環式環は、1つ又は2つの二重結合を有してよく、
R
8はそれぞれ、置換若しくは非置換アルキル、又は置換若しくは非置換アリールであり、
「n」は、0以上3以下の範囲の整数であり、
「p」は、0以上3以下の範囲の整数であり、
「q」は、0以上3以下の範囲の整数であり、
「r」は、1以上3以下の範囲の整数である。
【0011】
1つの実施形態によれば、下記の式(II)の化合物、又はその製薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0013】
式中、
R(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ハロアルキル、及び置換又は非置換アルコキシから選択し、
「t」は、0以上3以下の範囲の整数であり、
R
1、R
4、X、Z、「p」、及び「q」は、式(I)の定義と同じである。
【0014】
1つの実施形態によれば、下記の式(III)の化合物、又はその製薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0016】
式中、
R(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、ヒドロキシ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ハロアルキル、及び置換又は非置換アルコキシから選択し、
「t」は、0以上3以下の範囲の整数であり、
R
1、R
4、X、Z、「p」、及び「q」は、式(I)の定義と同じである。
【0017】
1つの実施形態によれば、下記の式(IV)の化合物、又はその製薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0019】
式中、
R(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ハロアルキル、及び置換又は非置換アルコキシから選択し、
「t」は、0以上3以下の範囲の整数であり、
R
1、R
4、X、Z、「p」、及び「q」は、式(I)の定義と同じである。
【0020】
別の実施形態によれば、下記の式(V)の化合物、又はその製薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0022】
式中、
R(それぞれ同じであっても異なっていてもよい)は独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ハロアルキル、及び置換又は非置換アルコキシから選択し、
「t」は、0以上3以下の範囲の整数であり、
R
1、R
4、X、Z、「p」、及び「q」は、式(I)の定義と同じである。
【0023】
式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、及び/又は式(V)は、該当する場合、本明細書に記載の種類の化学的構造から考え得る同位体及び製薬学的に許容可能な塩を含め、すべての互変異性体、立体異性体、鏡像異性体、及びジアステレオマーを構造的に包含することを理解されたい。
【0024】
下に示されている本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、本質的に実例のためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定することは意図されていない。本発明のその他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【0025】
1つの実施形態によれば、式(I)の化合物であって、「n」が0である化合物を提供する。
【0026】
別の実施形態によれば、式(I)の化合物であって、「n」が1である化合物を提供する。
【0027】
別の実施形態によれば、式(I)の化合物であって、「n」が2である化合物を提供する。
【0028】
別の実施形態によれば、式(I)の化合物であって、「n」が3である化合物を提供する。
【0029】
別の実施形態によれば、式(I)の化合物であって、「q」が0、1、又は2である化合物を提供する。
【0030】
別の実施形態によれば、式(I)、(II)、(III)、(IV)、及び/又は(V)の化合物であって、R
1が、ハロゲン、シアノ、置換又は非置換アルキル、及び置換又は非置換ハロアルキルから選択されており、「p」が0、1、又は2である化合物を提供する。
【0031】
別の実施形態によれば、式(I)の化合物であって、R
2が置換又は非置換アリールである化合物を提供する。この実施形態では、R
2は、置換若しくは非置換フェニル、又は
置換若しくは非置換ナフチルであり、その置換基(1つ又は複数)は1つ以上であってよく、同じであるか又は異なっていてよく、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ハロアルキル、及び置換又は非置換アルコキシから選択されている。
【0032】
別の実施形態によれば、式(I)、(II)、(III)、(IV)、及び/又は(V)の化合物であって、Xが単結合、−(CR
aR
b)
r−、−O−、−O(CR
aR
b)
r−、−C(O)NR
7−、−C(O)NR
7(CR
aR
b)
r−、−(CR
aR
b)
rシクロアルキレン−、シクロアルキレン、シクロアルキレン−(CR
aR
b)
r−、及び−O−シクロアルキレンであり、R
a及びR
bが独立して、水素、又は置換若しくは非置換アルキルであり、R
7が水素、又は置換若しくは非置換アルキルであり、「r」が1又は2である化合物を提供する。
【0033】
別の実施形態によれば、式(I)、(II)、(III)、(IV)、及び/又は(V)の化合物であって、Zが−OR
5であり、R
5が水素、又は置換若しくは非置換アルキルである化合物を提供する。
【0034】
別の実施形態によれば、式(I)、(II)、(III)、(IV)、及び/又は(V)の化合物であって、Zが−NR
6R
7であり、R
6及びR
7が独立して水素、又は置換若しくは非置換アルキルである化合物を提供する。
【0035】
別の実施形態によれば、式(I)、(II)、(III)、(IV)、及び/又は(V)の化合物であって、R
4がハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換ハロアルキル、又は−OR
5であり、R
5が水素、又は置換若しくは非置換アルキルであり、「q」が0、1、又は2である化合物を提供する。
【0036】
別の実施形態によれば、下記の式(V)の化合物、又はその製薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0038】
式中、
Wは、CH又はNであり、
R
1は、水素又はハロゲンであり、
R
2は、置換又は非置換アリールであり、そのアリールは、置換若しくは非置換フェニル、又は置換若しくは非置換ナフチルであり、その置換基は、ハロゲン、又は置換若しくは非置換アルコキシであり、
R
4は、ハロゲン、又は置換若しくは非置換アルキルであり、
Xは、単結合、−CR
aR
b−、−O−CR
aR
b−、及び−C(O)NR
7−CR
aR
b−から選択し、
R
a及びR
bは、水素、置換又は非置換アルキルであり、
Zは、−OR
5又は−NR
6R
7であり、
R
5は、水素、又は置換若しくは非置換アルキルであり、
R
6及びR
7は独立して、水素、又は置換若しくは非置換アルキルであり、
「n」は、0以上3以下の範囲の整数であり、
「q」は、0以上2以下の範囲の整数である。
【0039】
以下は代表的な化合物であり、これらは、本質的に実例のためのものに過ぎないとともに、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。
【0040】
3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−フルオロ−5−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−メチル−5−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
3−メチル−5−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2,6−ジメチル−3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−メチル−4−((3S)−3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
4−メチル−3−((3S)−3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
5−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
3−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2,6−ジメチル安息香酸塩酸塩、
5−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
2−メチル−5−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−メチル−4−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
5−((3S)−3−(2−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
2−メチル−5−((3S)−3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
5−((3S)−3−(3−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
2−メチル−5−((3R)−3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)
エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
5−((3S)−3−(3−(((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
2−メチル−5−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)安息香酸塩酸塩、
4−メチル−3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)安息香酸塩酸塩、
2,6−ジメチル−3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)安息香酸塩酸塩、
5−(3−((((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
5−(3−((((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
2−メチル−4−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)安息香酸塩酸塩、
5−(6−フルオロ−3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
2−メチル−5−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)安息香酸塩酸塩、
2−(2−メチル−5−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)フェノキシ)酢酸塩酸塩、
2−メチル−5−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)安息香酸塩酸塩、
3−(3−(3−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
2−(2−メチル−5−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)フェノキシ)酢酸塩酸塩、
2−メチル−3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2,4−ジメチル−5−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−フルオロ−3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
4−フルオロ−3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2,3−ジメチル−5−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−(3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンズアミド)酢酸塩酸塩、
2−フルオロ−5−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
3−メチル−5−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2,6−ジメチル−3−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−メチル−3−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
4−メチル−3−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2,4−ジメチル−5−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−メチル−4−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
5−(3−(2−(((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、
2,3−ジメチル−5−(3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
3−メチル−5−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2,6−ジメチル−3−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−メチル−3−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
4−メチル−3−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2,4−ジメチル−5−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
2−メチル−4−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩、
5−(3−(3−(((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩、及び
2,3−ジメチル−5−(3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香
酸塩酸塩、
若しくはこれらの製薬学的に許容可能な塩、又はこれらの立体異性体。
【0041】
本発明の別の態様では、カルシウム感知受容体(CaSR)モジュレーターに関連する疾患、障害、症候群、又は病態を治療し、管理し、及び/又はその重症度を緩和するのに有用である式(I)の化合物を提供する。
【0042】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物を少なくとも一種と、少なくとも一種の製薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0043】
別の態様では、本発明は、カルシウム感知受容体(CaSR)モジュレーターに関連する疾患、障害、症候群、又は病態を治療し、管理し、及び/又はその重症度を緩和することを必要とする被検体に、本明細書に記載されている化合物を1種以上、治療有効量で投与して、上記の受容体を調節することによって、上記の被検体の、カルシウム感知受容体(CaSR)モジュレーターに関連する疾患、障害、症候群、又は病態を治療し、管理し、及び/又はその重症度を緩和するのに有用である式(I)の化合物の医薬組成物を提供する。
【0044】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容可能な塩を製薬学的に許容可能な賦形剤とともに含む医薬組成物を提供する。
【0047】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、X、「p」、及び「q」は、上記の定義と同じである)
の化合物の調製プロセスであって、
a)1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミドをカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)の存在下で用いて、下記の式(6a、6b、6c)(式中、「n」は1、2、又は3である)におけるケト基をエノールトリフレートに変換して、下記の式(20)の化合物を得る工程と、
【0049】
b)式(20)の化合物のエノールトリフレートを好適なアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルと、塩基及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下でカップリングして、下記の式(21)の化合物を得る工程と、
【0051】
c)パラジウム炭素(10%)を用いて式(21)の化合物を還元して、下記の式(22)の化合物を得る工程と、
【0053】
d)好適な溶媒中のHClを用いてBoc官能基を脱保護して、下記の式(23)の化合物を得る工程と、
【0055】
e)塩基を用いて、式(23)の化合物(Zが−o−アルキル又はO−ベンジルのとき)のエステル基を加水分解して、式(Ia)の対応する酸化合物を得る工程と、
【発明を実施するための形態】
【0058】
定義
別段の定めのない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる下記の用語は、下記の意味を有する。
【0059】
本明細書及び特許請求の範囲を解釈する目的上、下記の定義が適用されるとともに、該当する場合、単数形で用いられている用語には複数形の意味も含まれ、複数形で用いられている用語には単数形の意味も含まれる。
【0060】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0061】
「アルキル」という用語は、骨格に炭素原子及び水素原子のみを含み、不飽和を含まず、1〜6個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残部に結合しているアルカン由来の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)などを指す。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。
【0062】
「アルケニル」という用語は、2〜10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭化水素基を指す。アルケニル基の非限定例としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソ−プロペニル、2−メチル−l−プロペ
ニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどが挙げられる。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのアルケニル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。
【0063】
「アルキニル」という用語は、2〜10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む炭化水素基を指す。アルキニル基の非限定例としては、エチニル、プロピニル、ブチニルなどが挙げられる。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのアルキニル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。
【0064】
「アルコキシ」という用語は、酸素原子に結合したアルキル基を指す。このような基の非限定例は、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシなどである。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのアルコキシ基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。
【0065】
「ハロアルキル」という用語は、上で定義したようなアルキル基のうち、上で定義したようなハロゲン原子の1つ以上によって置換されたアルキル基を指す。好ましくは、ハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキル、又はペルハロアルキルを含むポリハロアルキルであってよい。モノハロアルキルは、1つのヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、又はフッ素原子を有することができる。ジハロアルキル及びポリハロアルキル基は、2つ以上の同じハロゲン原子、又は異なるハロゲン原子の組み合わせで置換されていることができる。好ましくは、ポリハロアルキルは、最大で12個のハロゲン原子で置換されている。ハロアルキルの非限定例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル、ジクロロプロピルなどが挙げられる。ペルハロアルキルは、すべての水素原子がハロゲン原子で置換されたアルキルを指す。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのハロアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。
【0066】
「シクロアルキル」という用語は、3〜12個の炭素原子を有する非芳香族の単環式又は多環式の環系(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)を指す。多環式シクロアルキル基の例としては、ペルヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、架橋環式基、又はスピロ二環式基、例えば、スピロ(4,4)ノナ−2−イルなどが挙げられるが、これらに限らない。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのシクロアルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。
【0067】
「シクロアルキレン」という用語は、骨格に炭素原子及び水素原子のみを含む二価の飽和環式炭化水素基を指す。特に、「炭素数3〜7のシクロアルキレン」は、3〜7個の炭素原子を有する二価の飽和環式炭化水素基、例えばシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンなどを意味する。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのシクロアルキレン基は、置換されていても、非置換であってもよい。
【0068】
「シクロアルケニル」という用語は、3〜12個の炭素原子を有するとともに、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む非芳香族の単環式又は多環式の環系(シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルなど)を指す。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのシクロアルケニル基
は、置換されていても、非置換であってもよい。
【0069】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、上で定義したようなシクロアルキル基のうち、上で定義したようなアルキル基に直接結合しているシクロアルキル基、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチルなどを指す。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのシクロアルキルアルキル基は、置換されていても、非置換であってもよい。
【0070】
「アリール」という用語は、単環式、二環式、及び三環式の芳香族系を含め、6〜14個の炭素原子を有する芳香族基(フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、及びビフェニルなど)を指す。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのアリール基は、置換されていても、非置換であってもよい。
【0071】
「アリールアルキル」という用語は、上で定義したようなアリール基のうち、上で定義したようなアルキル基に直接結合しているアリール基、例えば−CH
2C
6H
5、及びC
2H
4C
6H
5を指す。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのアリールアルキル基は、置換されていても、非置換であってもよい。
【0072】
「環状炭素」又は「炭素環式化合物」は、本明細書で使用する場合、炭素原子を含む3〜10員の飽和又は不飽和の単環式、縮合二環式、スピロ環式、又は架橋多環式の環であって、任意により置換されていてもよい環を指し、例えば、炭素環としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピレン、シクロヘキサノン、アリール、ナフチル、アダマンチルなどが挙げられるが、これらに限らない。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべての炭素環状式基又は環は、芳香族であっても非芳香族であってもよい。
【0073】
「3〜7員の飽和炭素環」は、本明細書で使用する場合、単環式の非芳香族環系を指す。
【0074】
「3〜10員の環式環」は、本明細書で使用する場合、単環式、二環式、多環式のヘテロアリール又は複素環式環系を指す。
【0075】
「複素環式環」又は「ヘテロシクリル環」又は「ヘテロシクリル」という用語は、別段の定めのない限り、炭素原子とともに、N、O、又はSから独立して選択した1つ以上のヘテロ原子からなる置換又は非置換の非芳香族の3〜15員環を指す。複素環式環は、単環式、二環式、又は三環式の環系(縮合環系、架橋環系、又はスピロ環系を含んでよい)であってよく、複素環式環の窒素原子、炭素原子、酸素原子、又は硫黄原子は任意に応じて、各種の酸化状態に酸化されていてもよい。加えて、窒素原子は任意に応じて四級化されていてよく、複素環式環又はヘテロシクリルは任意に応じて、1つ以上のオレフィン結合を含んでよく、複素環式環又はヘテロシクリルの1つ又は2つの炭素原子は、−CF
2−、−C(O)−、−S(O)−、S(O)
2、−C(=N−アルキル)−、又は−C(=N−シクロアルキル)などで中断されていてもよい。加えて、複素環式環は、芳香族環と縮合していてもよい。複素環式環の非限定例としては、アゼチジニル、ベンゾピラニル、クロマニル、デカヒドロイソキノリル、インダニル、インドリニル、イソインドリニル、イソクロマニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイ
ソインドリル、ペルヒドロアゼピニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホンインドリン、ベンゾジオキソール、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロベンゾピランなどが挙げられる。複素環式環は、その複素環式環の原子のうち、安定な構造をもたらすいずれかの原子によって結合していてよい。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのヘテロシクリル基は、置換されていても非置換であってもよく、置換基は、同じ環原子上にあっても異なる環原子上にあってもよい。
【0076】
「ヘテロアリール」という用語は、別段の定めのない限り、N、O、又はSから独立して選択した1つ以上のヘテロ原子を有する置換又は非置換の5〜14員の芳香族複素環式環を指す。ヘテロアリールは、単環式、二環式、又は三環式の環系であってよい。ヘテロアリール環は、そのヘテロアリール環の原子のうち、安定な構造をもたらすいずれかの原子によって結合していてよい。ヘテロアリール環の非限定例としては、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、フリル、インドリル、イソインドリル、ピロリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、カルバゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、プリニル、キノキサリニル、キノリル、イソキノリル、チアジアゾリル、インドリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フタラジニルなどが挙げられる。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのヘテロアリール基は、置換されていても、非置換であってもよい。
【0077】
「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、アルキル基に直接結合している複素環式環基を指す。ヘテロシクリルアルキル基は、そのアルキル基中の炭素原子のうち、安定な構造をもたらすいずれかの炭素原子で主構造に結合していてよい。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのヘテロシクリルアルキル基は、置換されていても、非置換であってもよい。
【0078】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、アルキル基に直接結合しているヘテロアリール環基を指す。ヘテロアリールアルキル基は、そのアルキル基中の炭素原子のうち、安定な構造をもたらすいずれかの炭素原子で主構造に結合していてよい。別段の定め又は記載がない限り、本明細書に記載されているか、又は特許請求されているすべてのヘテロアリールアルキル基は、置換されていても、非置換であってもよい。
【0079】
別段の定めのない限り、「置換」という用語は、本明細書で使用する場合、その基又は部分の構造骨格に結合した1つ以上の置換基を有する基又は部分を指す。このような置換基としては、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、オキソ(=O)、チオ(=S)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環式環、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、−C(O)OR
x、−C(O)R
x、−C(S)R
x、−C(O)NR
xR
y、−NR
xC(O)NR
yR
z、−N(R
x)S(O)R
y、−N(R
x)S(O)
2R
y、−NR
xR
y、−NR
xC(O)R
y、−NR
xC(S)R
y、−NR
xC(S)NR
yR
z、−S(O)
2NR
xR
y、−OR
x、−OC(O)R
x、−OC(O)NR
xR
y、−(CR
xR
y)
0-2C(O)OR
x、−(CR
xR
y)
0-2C(O)NR
yR
z、−(CR
xR
y)
0-2C(O)R
y、−SR
x、及び−S(O)
2R
x(R
x、R
y、及びR
zのそれぞれは独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル
、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、複素環式環、ヘテロシクリルアルキル、及びヘテロアリールアルキルから選択する)が挙げられるが、これらに限らない。上記の「置換」基をさらに置換することはできない。例えば、「置換アルキル」上の置換基が「アリール」又は「アルケニル」である場合、そのアリールは置換アリールであることはできず、又は、そのアルケニルは置換アルケニルであることはできない。
【0080】
本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心を有してよい。各キラル中心における絶対立体化学構造は、「R」体であっても「S」体であってもよい。本発明の化合物は、あらゆるジアステレオマー及び鏡像異性体、並びにそれらの混合物を含む。特に別段の言及のない限り、1つの立体異性体についての言及は、考え得るいずれの立体異性体にも適用される。立体異性組成が定められていない場合には、考え得るすべての立体異性体が含まれると理解するものとする。
【0081】
「立体異性体」という用語は、同じ結合によって結合された同じ原子から構成されているが、互換性のない異なる三次元構造を有する化合物を指す。三次元構造はコンフィギュレーションと呼ばれる。本明細書で使用する場合、「鏡像異性体」という用語は、それらの分子が互いに重ね合わせることのできない鏡像である2つの立体異性体を指す。「キラル中心」という用語は、4つの異なる基が結合している炭素原子を指す。本明細書で使用する場合、「ジアステレオマー」という用語は、鏡像異性体ではない立体異性体を指す。「ラセミ体」又は「ラセミ混合物」という用語は、等量の鏡像異性体の混合物を指す。
【0082】
「互変異性体」は、その化合物の1つの原子から、その化合物の別の原子へのプロトン移動が迅速に行われる化合物を指す。本明細書に記載されているいくつかの化合物は、水素の結合点が異なる互変異性体として存在してもよい。個別の互変異性体、及びそれらの混合物は、式(I)の化合物に包含される。
【0083】
状態、障害、又は病態を「治療する」又はそれらの「治療」という用語は、(a)その状態、障害、若しくは病態に罹患している可能性があるか、又は、その状態、障害、若しくは病態に対する素因を有し得るが、その状態、障害、若しくは病態の臨床症状若しくは不顕性症状をまだ経験したり、呈したりしていない被検体における、その状態、障害、又は病態の臨床症状の発現を予防したり、又は遅延させたりすること、(b)その状態、障害、又は病態を抑制すること、すなわち、疾患又はその少なくとも1つの臨床症状若しくは不顕性症状の発現を阻止するか、又は減少させること、(c)疾患、障害、若しくは病態の重症度、又はその少なくとも1つの臨床症状若しくは不顕性症状を緩和すること、あるいは(d)疾患を軽減すること、すなわち、その状態、障害、若しくは病態、又はその少なくとも1つの臨床症状若しくは不顕性症状を後退させることを含む。
【0084】
「調節する」又は「調節」又は「モジュレーター」という用語は、受容体の特定の活性又は機能の量、質、又は効果の増大を指す。非限定的な例としては、本発明のカルシウム感知受容体(CaSR)のアゴニスト、パーシャルアゴニスト、アロステリックモジュレーターが挙げられる。このような調節は、シグナル伝達経路の活性化のような特定の事象の発生を条件とし得る。
【0085】
「カルシウム感知受容体のアロステリックモジュレーター」という用語は、化合物が、カルシウム感知受容体に結合して、カルシウム感知受容体に暴露されたその化合物の濃度に応じて、内因性リガンドCa
2+によってカルシウム感知受容体の活性化の閾値を低下させるコンホメーション変化を誘発できる能力を指す。
【0086】
「被検体」という用語には、哺乳類(特にヒト)、並びに、家畜(例えば、ネコ及びイ
ヌを含む家庭用ペット)、及び非家畜(野生動物など)のようなその他の動物が含まれる。
【0087】
「治療有効量」は、疾患、障害、症候群、又は病態を治療する目的で被検体に投与した場合に、その被検体において、投与目的である効果を生じさせるのに十分である化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患及びその重症度、並びに、治療対象の被検体の年齢、体重、身体的状態、及び反応性によって変化することになる。
【0088】
製薬学的に許容可能な塩:
本発明の化合物は、酸又は塩基と塩を形成してよい。本発明の化合物は、安定な非毒性の酸塩又は塩基塩を形成させるほど十分に塩基性又は酸性であってよく、製薬学的に許容可能な塩として本発明の化合物を投与するのが適切なことがある。製薬学的に許容可能な塩の非限定例は、塩酸塩を含め、酸の付加によって形成される無機、有機酸付加塩である。製薬学的に許容可能な塩の非限定例は、塩基の付加によって形成される無機、有機塩基付加塩である。本発明の化合物は、アミノ酸との塩も形成してもよい。製薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野において周知の標準的な手順を用いて、例えば、生理学的に許容可能なアニオンをもたらす好適な酸と、十分に塩基性の化合物(アミンなど)を反応させることによって得てよい。
【0089】
式(I)によって説明される化合物全体に関しては、本発明は、その立体異性体及びそれらの混合物にまで及ぶ。先行技術が特定の立体異性体の合成又は分離を教示している範囲で、当該技術分野において既知の方法によって、本発明の種々の立体異性体を相互から分離してもよく、あるいは、立体特異的合成法、不斉合成法、又はキラルHPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって、所定の異性体を得てもよい。本明細書に記載されている化合物の互変異性体及び混合物も意図されている。
【0090】
本発明の化合物のカルシウム感知受容体(CaSR)調節活性に関するスクリーニングは、本明細書に後述されている各種のインビトロ及びインビボプロトコール、又は当該技術分野において既知の方法を用いることによって行うことができる。
【0091】
医薬組成物
本発明は、本明細書に開示されている式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。特に、本明細書に記載されている式(I)の化合物の少なくとも一種を治療有効量と、少なくとも一種の製薬学的に許容可能な賦形剤(担体又は希釈剤など)を含む医薬組成物。好ましくは、意図されている医薬組成物は、被検体に投与した場合に、本明細書に記載されている、カルシウム感知受容体(CaSR)が介在する疾患を調節するのに十分な量で、本明細書に記載されている化合物(単一又は複数)を含む。
【0092】
意図されている被検体としては、例えば、生細胞、及びヒトを含む哺乳類が挙げられる。本発明の化合物は、製薬学的に許容可能な賦形剤(担体若しくは希釈剤など)に付随していても、担体によって希釈されていても、担体(カプセル、小袋、紙、又はその他の容器の形状であることができる)に封入されていてもよい。製薬学的に許容可能な賦形剤としては、その組成物を投与される人にとって有害な抗体の産生をそれ自体では誘発しないとともに、過度の毒性なしに投与できる医薬剤が挙げられる。
【0093】
好適な担体又は賦形剤の例としては、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ゼラチン、ラクトース、白土、スクロース、デキストリン、炭酸マグネシウム、糖、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、セルロースのステアリン酸エーテル又は低級アルキルエーテル、サリチル酸、脂肪酸、脂
肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース、並びにポリビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限らない。
【0094】
本発明の医薬組成物は、1つ以上の製薬学的に許容可能な助剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝剤、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、又は上記のいずれかの組み合わせも含んでよい。本発明の医薬組成物は、当該技術分野において既知の手順を採用することによって、被検体に投与後、有効成分の迅速な放出、持続放出、又は遅延放出が行われるように調合してよい。
【0095】
本明細書に記載されている医薬組成物は、当該技術分野において既知の従来の技法によって調製してよい。例えば、本発明の活性化合物を担体と混合したり、担体によって希釈したり、又は、担体(アンプル、カプセル、小袋、紙、又はその他の容器の形状であってよい)内に封入したりできる。担体が希釈剤として機能する場合、その担体は、本発明の活性化合物用のビヒクル、賦形剤、又は媒質として機能する固体、半固体、又は液体物質であってよい。本発明の活性化合物は、顆粒状固体用容器、例えば小袋に吸着させることができる。
【0096】
本発明の医薬組成物は、従来の剤形、例えば、カプセル、錠剤、カプレット、口腔内崩壊錠、エアゾール剤、液剤、懸濁剤、又は局所適用製品であってよい。
【0097】
投与経路は、本発明の活性化合物を適切又は所望の作用部位に有効に運ぶいずれかの経路であってよい。好適な投与経路としては、経口経路、経鼻経路、経肺経路、口腔内経路、皮下経路、皮内経路、経皮経路、非経口経路、直腸経路、デポー剤経路、皮下経路、静脈内経路、尿道内経路、筋内経路、鼻腔内経路、点眼経路(点眼剤によるなど)、又は局所経路(局所軟膏剤によるなど)が挙げられるが、これらに限らない。
【0098】
固体経口製剤としては、錠剤、カプレット、カプセル(軟又は硬カプセル剤)、口腔内崩壊錠、糖剤(散剤又はペレット形状の有効成分を含む)、トローチ剤、及びロゼンジが挙げられるが、これらに限らない。タルク及び/又は炭水化物担体又は結合剤などを有する錠剤、糖剤、又はカプセルは、経口用途に特に適している。液体製剤としては、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、液剤、軟カプセル剤、及び溶液性滅菌注射剤(水性又は非水性の液体懸濁液又は溶液など)が挙げられるが、これらに限らない。非経口用途では、特に適しているのは、溶液性注射剤又は懸濁性注射製剤であり、好ましくは、ポリヒドロキシ化ヒマシ油に溶解させた活性化合物を含む水溶液である。
【0099】
本発明の医薬調製剤は単位剤形であるのが好ましい。このような剤形では、本発明の調製剤は、適切な量の有効成分を含む単位用量に細分される。単位剤形は、包装済み調製剤であることができ、そのパッケージには、個々の量の調製剤が収容される(バイアル又はアンプル内のポケット錠剤、カプセル、散剤など)。単位剤形は、カプセル、錠剤、カプレット、カシェ剤、又はロゼンジ自体であることも、これらのいずれかが適切な数包装された形状であることもできる。
【0100】
被検体の患者への投与では、本発明の化合物の1日当たりの総投与量は、当然ながら投与方法に左右される。例えば、経口投与の方が、静脈内(血液に直接投与)よりも、1日当たりの総投与量を多くする必要がある場合がある。単位用量調製剤中の有効成分の量は、有効成分の効力又は投与方法によって、0.1mg〜10000mgで変動又は調節してよい。
【0101】
当業者であれば、本明細書に記載されている疾患及び障害を治療するのに用いる化合物
の好適な用量を定めることができる。治療薬量は一般に、動物実験に由来する予備的証拠に基づき、被検体における用量設定試験によって特定する。用量は、患者に不要な副作用を起こすことなく、所望の治療効果をもたらすのに十分な量でなければならない。例えば、本発明のCaSRモジュレーターの1日投与量は、約0.1〜約30.0mg/kgの範囲であることができる。当業者であれば、投与方法、剤形、好適な医薬用賦形剤、希釈剤、又は担体をうまく用いるとともに、これらをうまく調節することができる。いずれの変更及び修正も、本発明の範囲内と想定される。
【0102】
治療方法
別の態様では、本発明は、カルシウム感知受容体(CaSR)によって調節される疾患、障害、症候群、又は病態を治療し、管理し、及び/又はその重症度を緩和するのに有用である化合物及びその医薬組成物を提供する。本発明はさらに、CaSRによって調節される疾患、障害、症候群、又は病態を治療する必要のある被検体に、本発明の化合物又は医薬組成物を治療有効量投与することによって、その被検体の、CaSRの調節によって調節される疾患、障害、症候群、又は病態を治療する方法を提供する。
【0103】
本発明の別の態様では、提供される方法は、CaSRを調節することによって治療できる病態の診断、及び患者が治療薬に対する応答性を有するかの判断にも有用である。
【0104】
別の態様では、本発明は、CaSRの調節を通じて、疾患、障害、又は病態を治療する方法を提供する。この方法では、上記のような治療を必要とする被検体に、本明細書に記載されている式(I)の化合物を治療有効量投与する。
【0105】
本発明の化合物及び医薬組成物は、上記の治療を必要とする被検体であって、(a)カルシウムイオンホメオスタシス異常、(b)その産生又は分泌がカルシウム感知受容体(CaSR)活性の影響を受けるメッセンジャーのレベルの異常、又は(c)その機能がカルシウム感知受容体活性の影響を受けるメッセンジャーの活性レベルの異常のうちの1つ以上によって特徴付けられる疾患、障害、症候群、又は病態を有する被検体にとって有用である。1つの態様では、患者は、カルシウム感知受容体によって制御される1つ以上の成分のレベル異常によって特徴付けられる疾患、障害、症候群、又は病態を有し、本発明の化合物は、副甲状腺細胞、骨細胞(前破骨細胞、破骨細胞、前骨芽細胞、骨芽細胞)、腎臓傍糸球体細胞、腎臓メサンギウム細胞、腎臓糸球体細胞、近位尿細管細胞、遠位尿細管細胞、ヘンレループの太い上行脚及び/又は集合管の細胞、甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)、腸細胞、血小板、血管平滑筋細胞、胃腸管細胞、下垂体細胞、又は視床下部細胞を含む細胞のCaSR上で活性を有する。カルシウム感知受容体のメッセンジャーはカルシウムである。
【0106】
式(I)の化合物は、CaSRのモジュレーターであり、疾患、障害、症候群、又は病態(原発性副甲状腺機能亢進症、二次性副甲状腺機能亢進症、三次性副甲状腺機能亢進症、慢性腎不全(透析の有無は問わない)、慢性腎臓疾患(透析の有無は問わない)、副甲状腺腺腫、副甲状腺過形成、副甲状腺癌、血管石灰化、弁石灰化、高カルシウム血症のようなカルシウムホメオスタシス異常、低リン血症のようなリンホメオスタシス異常、副甲状腺機能亢進症、慢性腎臓疾患、又は副甲状腺癌に起因する骨関連疾患又は合併症、腎移植後の骨量減少、嚢胞性線維性骨炎、無形成骨症、腎性骨症、副甲状腺機能亢進症又は慢性腎臓疾患に起因する心血管合併症、(Ca
2+)
eイオンが異常に高い特定の悪性疾患、心機能不全、腎機能不全、腸機能不全、有足細胞関連疾患、腸運動異常、下痢が挙げられるが、これらに限らない)を治療し、管理し、及び/又はその重症度、罹病/死亡率、又は合併症を緩和するとともに、ガストリン又は胃酸の分泌を増加させ、萎縮性胃炎において直接的又は間接的な効果をもたらすか、又は、胃液酸度の上昇により、胃腸管からの薬理化合物、医薬、又は助剤の吸収を増大させるのに潜在的に有用である。
【0107】
原発性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺自体の機能亢進(散在性又は家族性発症)に起因する1つ以上の副甲状腺の障害であり、単発腺腫又は二重腺腫、過形成、多腺性疾患、又は、まれではあるが、副甲状腺癌に起因し得るPTHの過剰分泌を引き起こす。その結果、血中カルシウムが、通常よりも高いレベルまで上昇する(高カルシウム血症という)。このカルシウムレベルの上昇は、数多くの短期的及び長期的合併症を引き起こし得る。
【0108】
二次性副甲状腺機能亢進症は、Ca
2+の血中レベルの低下がPTHの分泌を刺激するときに発現する。二次性副甲状腺機能亢進症の原因の1つは、多嚢胞性腎疾患若しくは慢性腎盂腎炎で見られるような慢性腎不全(慢性腎臓疾患若しくはCKDとも称される)、又は、血液透析患者で見られるような慢性腎不全(末期腎不全又はESRDとも称される)である。過剰PTHは、カルシウム摂取不足に起因する低カルシウム血症、GI障害、腎不全、ビタミンD欠乏症、マグネシウム欠乏症、及び腎性高カルシウム尿症を受けて発生し得る。三次性副甲状腺機能亢進症は、長期間の二次性副甲状腺機能亢進症及び高カルシウム血症の後に発生し得る。
【0109】
1つの態様では、本発明の化合物及び組成物は、被検体の血管石灰化又は弁石灰化の治療、管理、及び/又は緩和で用いることができる。1つの態様では、本発明の化合物の投与によって、細胞外マトリックスのヒドロキシアパタイト結晶沈着物の形成、成長、又は沈着が遅延又は逆転する。本発明の別の態様では、本発明の化合物の投与により、細胞外マトリックスのヒドロキシアパタイト結晶沈着物の形成、成長、又は沈着が予防される。1つの態様では、本発明の化合物を用いて、アテローム性石灰化及び中膜石灰化、並びに、血管石灰化によって特徴付けられるその他の病態を予防又は治療してもよい。1つの態様では、血管石灰化は、慢性腎不全若しくは末期腎不全、又は、過剰カルシウム若しくはPTH自体に関連し得る。別の態様では、血管石灰化は、透析前若しくは透析後、又は尿毒症に関連し得る。さらなる態様では、血管石灰化は、I又はII型真性糖尿病に関連し得る。さらに別の態様では、血管石灰化は、心臓血管障害に関連し得る。
【0110】
副甲状腺機能亢進症関連疾患のようなカルシウムホメオスタシス異常は、標準的な医学教科書(Harrison’s Principles of Internal Medicineが挙げられるが、これに限らない)に記載されているように特徴付けることができる。本発明の化合物及び組成物を用いて、特には、PTHとして知られる副甲状腺ホルモンの血清レベルの低下に関与することができるので、本発明の化合物及び組成物は、副甲状腺機能亢進症のような疾患の治療に有用であり得る。
【0111】
低リン血症のようなリンホメオスタシス異常は、標準的な医学教科書(Harrison’s Principles of Internal Medicineが挙げられるが、これに限らない)に記載されているように特徴付けることができる。本発明の化合物及び組成物を用いて、特には、PTHとして知られる副甲状腺ホルモンの血清レベルの低下に関与することができるので、本発明の化合物及び組成物は、低リン血症のような疾患の治療に有用であり得る。
【0112】
1つの態様では、本発明の方法によって治療される有足細胞疾患又は障害は、有足細胞の1つ以上の機能の混乱に由来する。これらの有足細胞機能としては、(i)タンパク質に対するサイズバリア、(ii)タンパク質に対する荷電バリア、(iii)毛細血管ループ形状の保持、(iv)糸球体内圧に対する拮抗、(v)糸球体基底膜(GMB)の合成及び保持、(vi)糸球体内皮細胞(GEN)の統合に必要な血管内皮増殖因子(VEGF)の産生及び分泌が挙げられる。有足細胞障害又は疾患としては、有足細胞の喪失(有足細胞数減少)、有足細胞の突然変異、小足幅の縮小、又はスリット膜長の縮小が挙げられるが、これらに限らない。1つの態様では、有足細胞関連疾患又は障害は、有足細胞
密度の消失又は低下であることができる。1つの態様では、有足細胞密度の低下は、例えばアポトーシス、分離、増殖不足、DNA損傷、又は肥大による有足細胞数の減少に起因し得る。
【0113】
1つの態様では、有足細胞関連疾患又は障害は、有足細胞障害に起因し得る。1つの態様では、有足細胞障害は、高血圧、若しくは虚血、酸素供給の欠乏、毒性物質、内分泌障害、感染、造影剤、機械的外傷、細胞障害剤(シスプラチナム、アドリアマイシン、ピューロマイシン)、カルシニューリン阻害剤、炎症(例えば、感染、外傷、酸素欠乏、閉塞、又は虚血を原因とする)、放射線、感染(例えば、細菌感染、真菌感染、若しくはウイルス感染)、免疫系機能不全(例えば、自己免疫疾患、全身性疾患、若しくはIgA腎症)、遺伝性障害、投薬(例えば、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、免疫抑制剤、抗炎症制、鎮痛剤、若しくは抗癌剤)、臓器不全、臓器移植、又は尿路疾患のような機械的ストレスに起因し得る。1つの態様では、虚血は、鎌状赤血球貧血、血栓症、移植、閉塞、ショック、又は失血であり得る。1つの態様では、遺伝性障害としては、Finnish型先天性腎炎症候群、胎児膜性腎症、又は有足細胞特異的タンパクの突然変異を挙げてよい。
【0114】
1つの態様では、発明の化合物は、下痢のような腸運動性異常障害を治療するのに用いることができる。本発明の方法は、式Iの化合物を治療有効量、被検体に投与することを含む。さらなる態様では、下痢は、滲出性下痢、すなわち、小腸又は大腸粘膜への直接的損傷に起因する下痢であることができる。このタイプの下痢は、消化管の感染性又は炎症性障害を原因とし得る。1つの態様では、滲出性下痢は、胃腸又は腹部手術、化学療法、放射線治療、炎症、又は中毒性外傷性損傷に関連し得る。別の態様では、下痢は分泌性であることができ、この分泌性下痢は、能動分泌の増大が存在するか、又は、吸収の阻害が存在することを意味する。構造的損傷はほとんど見られないか、又はまったく見られない。このタイプの下痢の最も一般的な原因はコレラである。別の態様では、下痢は、腸管輸送の亢進(高速輸送性下痢)に起因し得る。このような病態は、急激な流入によって、消化管の水分吸収能が低下することにより発生する場合がある。
【0115】
本発明の化合物及び組成物を用いて、特には、ガストリン又は胃酸の分泌の増加に関与して、特定の病状(萎縮性胃炎が挙げられるが、これに限らない)に直接的又は間接的な効果をもたらすか、胃液酸度の上昇により、胃腸管からの薬理化合物、医薬、又は助剤の吸収を増大させることができる。
【0116】
本明細書で参照されているいずれの特許、特許出願、及び非特許文献も、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0117】
一般的な調製法
本明細書に記載されている化合物は、当該技術分野において既知の技法によって調製してよい。加えて、本明細書に記載されている化合物は、スキーム−1〜スキーム−5に示されているような下記の1つ以上の反応順序によって調製してよい。さらに、下記のスキーム(特定の塩基、酸、試薬、溶媒、カップリング剤などが示されている)では、当該技術分野において既知の他の塩基、酸、試薬、溶媒、カップリング剤なども用いてよく、したがって、それらは本発明の範囲内に含まれることが分かる。反応条件、例えば、反応の温度及び/又は持続時間の変形形態(当該技術分野において既知のものとして用いてよい)も、本発明の範囲内である。別段の定めのない限り、これらのスキームに記載されている化合物のすべての異性体も、本発明の範囲内に包含される。
【0120】
式(6a)(式中、R
1、R
2、R
3、及び「p」は、上記の定義と同様である)の化合物は、スキーム−1aに示されているような手順に従うことによって、式(6b)(式中、R
1、R
2、R
3、及び「p」は、上記の定義と同様である)の化合物は、スキーム−1bに示されているような手順に従うことによって、式(6c)(式中、R
1、R
2、R
3、及び「p」は、上記の定義と同様である)の化合物は、スキーム−1cに示されているような手順に従うことによって調製できる。
【0121】
好適なアミドカップリング試薬を用いて、式(1)の酸化合物と式(2)のアミン化合物のアミドカップリング反応を行って、式(3)の化合物を得る(Tetrahedron:Asymmetry 14,2003,3689;Journal of Medicinal Chemistry 25,1982,535)。好適な還元剤を用いて、この式(3)の化合物を還元し、式(4)の化合物を得、これをさらにN−Boc保護して、式(5)の化合物を得る。式(5)のヒドロキシ基を酸化して、式(6a)の化合物を得る。
【0124】
同様に、式(6b)の化合物を式(1)の化合物から調製できる。すなわち、まず、式(1)の酸基を、式(7)の対応するエステルに変換してから、エチレングリコールを用いて、環内のケト基を保護して、式(8)の化合物を得る。この式(8)のエステル化合物を式(9)のアルデヒドに変換し、これをさらに、クロロメチルメチルエーテル(CH
3OCH
2Cl)の適切なウィッティヒ塩及びカリウムt−ブトキシドのような塩基と縮合して、式(10)の化合物を得る。これをさらに酸加水分解して、式(11)の化合物を得る。好適な還元的アミノ化試薬を用いて、この式(11)の化合物を式(2)の化合物で還元的アミノ化して、式(12)の化合物を得、これをさらにN−Boc保護して、式(6b)の化合物を得る。
【0127】
また、式(6c)の化合物は、式(9)のアルデヒド化合物から調製できる。(9)の化合物を適切なウィッティヒ試薬(エチル2−(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート)と縮合して、式(13)の化合物を得る。まず、式(13)のアルケニルエステル化合物を水素化してから、エステル加水分解と脱保護を行って、式(14)の化合物を得る。この式(14)の酸化合物を式(2)のアミンと好適なアミドカップリング試薬の存在下でカップリングして、式(15)の化合物を得、その後、還元によって式(15)の化合物を変化させて、式(16)の化合物を得てから、(Boc)
2OによるN−保護を行って式(17)の化合物を得、これをさらに酸化して、式(6c)の化合物を得る。
【0130】
式(23)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、及び(Id)(式中、X、Z、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
a、R
b、「p」、及び「q」は、上に定義されている)の化合物は、スキーム−2に示されているように調製できる。
【0131】
式(6a、6b、6c)(式6aの「n」は1であり、式6bの「n」は2であり、式6cの「n」は3である)のケト基を好適な反応条件の存在下でエノールトリフレートに変換して、式(20)の化合物を得る。この式(20)のエノールトリフレート化合物を好適なアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルとカップリング反応させて、式(21)の化合物を得る。さらに、式(21)の化合物を、二重結合の還元後、N−Boc脱保護反応によって、式(23)の化合物に変換する。式(23)の化合物がエステルである場合(式中、ZがO−アルキル、O−ベンジルなどである場合)、さらに、式(23)の化合物をエステル加水分解して、式(Ia)の対応する酸化合物を得る。式(Ia)の酸化合物を好適なアミドカップリング試薬の存在下で、対応するアミドに変換して、式(Ib)(式中、Akはアルキルである)のアミド−エステルを得、これをさらに加水分解して、式(Ic)の酸化合物を得る。さらに、好適な溶媒中の塩酸を用いることによって、式(Ia)及び式(Ic)の化合物の塩酸塩(単一又は複数)を調製できる。
【0134】
式(Id)及び(Ie)(式中、X、Z、R
1、R
2、R
3、R
4、「p」、及び「q」は、上に定義されている)の化合物は、スキーム−3に示されているような手順に従うことによって調製する。
【0135】
式(24)の化合物を還元的アミノ化によって式(2)の化合物と反応させて、式(25)の化合物を得、これをBOC保護して、式(26)の化合物を得る。式(26)の化合物をKMnO
4のような好適な酸化剤で酸化して、式(27)の化合物を得、これを式(27a)の試薬で処理して、式(28)のO−トリフレート誘導体を得る。式(28)の化合物をアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルと反応させて、式(29)の化合物を得る。式(29)の化合物を好適な還元剤で水素化して、式(30)の化合物を得る。式(30)の化合物をBOC脱保護して、式(Id)の化合物を得、(ZがO−アルキル又はO−ベンジルである場合、)これをさらに加水分解して、式(Ie)の対応する酸を得る。さらに、好適な溶媒中の塩酸を用いることによって、式(Ie)の化合物の塩酸塩を調製できる。
【0138】
式(35a)の化合物は、スキーム−4aに示されているような手順に従うことによって調製する。すなわち、市販の3−キノリンカルボン酸(31)から始め、これをアルコールの存在下でSOCl
2と反応させて、式(32)の対応するエステルを得、これをNaBH
3CNで還元して、式(33)の化合物を得る(Tetrahedron:Asymmetry 2010,vol.21,18,2307−2313)。式(33)の化合物をトリメチルアルミニウムの存在下で式(2)のアミンと反応させて、式(34)の化合物を得る。好適な還元剤を用いて、この式(34)の化合物を還元して、式(35a)の化合物を得る。
【0141】
式(35b)の化合物は、式(33)から調製する。すなわち、式(33)のアミン化合物を、アセトニトリル、DMF、DCMなどのような溶媒中のBOC無水物で保護して、対応するBOC保護した式(36)を得る。式(36)の化合物を還元して、式(37)のアルデヒドを得る。式(37)の化合物をウィッティヒ反応させてから、希塩酸で加水分解して、式(38)の化合物を得る。式(38)の化合物を式(2)のアミンで還元的アミノ化して、式(39)の化合物を得る。式(39)の化合物をメタノール性塩酸でBOC脱保護して、式(35b)の化合物を得る。
【0144】
同様に、式(35c)の化合物は、式(37)から調製する。式(37)のウィッティヒ反応を式(37a)で行って、式(40)の対応するアルケンを得る。式(40)の化合物を還元して、式(41)のエステル化合物を得、NaOH、LiOHなどのような好適な塩基を用いて、これをさらにエステル加水分解して、式(42)の酸化合物を得る。CDIのような好適な試薬を用いて、式(42)の化合物を式(2)のアミンと反応させ、式(43)の化合物を得る。好適な還元剤を用いて、式(43)の化合物を還元して、式(35c)の化合物を得る。
【0147】
式(If)、(Ig)、(Ih)、及び(Ii)(式中、X、Z、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
a、R
b、「p」、「q」、及び「r」は、上に定義されている)の化合物は、スキーム−5に示されているような手順に従うことによって調製できる。当該技術分野において既知の方法、例えばバックワルドカップリング反応に従うことによって、当該技術分野において既知の好適な試薬を用いて、この式(35a、35b、35c)の化合物の炭素−窒素(C−N)カップリング反応を式(b)(L’は脱離基である)で行うか、好適な溶媒、例えばトルエン、DMEなどの中の好適な塩基、例えばTEA、DIPEA、又はK
2CO
3などを用いることによって反応を行って、式(If)の化合物を得る。式(If)の化合物がエステルである場合(ZがO−アルキル、O−ベンジルなどである場合)、NaOH、LiOH、KOHなどのような好適な塩基を用いることによって、さらに加水分解を行ってから、塩酸を用いて塩酸塩の調製を行って、式(Ig)の対応する酸を得、これをさらに、好適なアミドカップリング剤によって好適なアミンと反応させることによって、式(Ih)のアミドに変換する。さらに、式(Ih)の化合物がエステルである場合、NaOH、LiOH、KOHなどのような好適な塩基を用いてさらに加水分解して、式(Ii)の対応する酸化合物を得てから、塩酸を用いて塩酸塩の調製を行うことができる。
【0148】
実験
下記の実施例によって、本発明をさらに説明するが、それらの実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。下記の実施例は、代表的な化合物を調製するための合成手順を示すものである。特定の修正形態及び均等物は、当業者にとっては明らかであろうし、それらは、本発明の範囲内に含めるように意図されている
。
【0149】
別段の定めのない限り、ワークアップは、反応混合物の有機相と水相への分配、層の分離、有機層の硫酸ナトリウムでの乾燥、ろ過、及び有機溶媒の蒸発という操作を暗に示す。精製は、別段の言及のない限り、シリカゲルクロマトグラフィー技法(一般に、好適な極性のエチルアセテート/石油エーテル混合物を移動相として用いる)による精製を暗に示す。
【0150】
中間体
中間体−1
3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0152】
工程−1:N−((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボキサミド
DMF(20mL)中の4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸(4.6g、24.19ミリモル)(Tetrahedron:Asymmetry 14,2003,3689;Journal of Medicinal Chemistry 25,1982,535)の混合物に、CDI(3.92g、24.19ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温(RT)で2時間攪拌した。続いて、(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミン(5.40g、31.5ミリモル)を加え、この反応混合物をRTで一晩攪拌した。反応の終了後、この反応混合物に氷を加え、析出した個体をブフナー漏斗でろ過し、DM水(50mL)で洗浄し、乾燥して、粗化合物を得る。化合物をさらに、15%エチルアセテート:ヘキサンという溶離剤を用いるフラッシュクロマトグラフィー(biotage社)によって精製し、標記の化合物(8g、96%)を得た。m/z:344
【0153】
工程−2:3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−オール
【0154】
工程−1 LAH(166mg、4.37ミリモル)をジオキサン(10mL)に懸濁させた液に、中間体(300mg、0.874ミリモル)を0℃で加えた。この反応混合物を30分間、25℃で攪拌してから、100℃まで加熱し、さらに12時間維持した。この混合物をRTにし、さらに0℃まで冷却し、エチルアセテート(2mL)に続いて水(2mL)でゆっくりクエンチした。反応混合物をエチルアセテート(30mL)で抽出し、食塩水(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、粗化合物を得、これをそのまま次の反応で用いた。m/z:332.1
【0155】
工程−3:t−ブチル((4−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)メチル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)カルバメート
【0156】
アセトニトリル(10mL)中の工程−2の中間体(290mg、0.875ミリモル)とトリエチルアミン(TEA)(0.305mL、2.187ミリモル)との混合物に、Boc
2O(0.244mL、1.050ミリモル)を25℃で加えた。この反応混合物を55℃まで加熱し、さらに12時間維持した。この反応混合物に水(15mL)を加え、エチルアセテートで抽出した(2×15mL)。有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過した。透明な有機相を真空蒸発させて、粗化合物を得た。この粗化合物をそのまま次の反応で用いた。m/z:431.79
【0157】
工程−4:t−ブチル((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)((4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)メチル)カルバメート
【0158】
工程−3の中間体(270mg、0.626ミリモル)の攪拌溶液に、ジクロロメタン(DCM)(20mL)、ピリジニウムクロロクロメート(142mg、0.657ミリモル)を加え、1時間、25℃で攪拌した。この反応混合物をセライト床でろ過し、濃縮して、粗化合物を得た。溶離剤(1:9、エチルアセテート:n−ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィー(Biotage社)によって、この粗化合物を精製して、標記の化合物(210mg)を得た。m/z:430.48
【0159】
工程−5:3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0160】
工程−4の中間体(200mg、0.466ミリモル)をテトラヒドロフラン(THF)(10ml)に溶解させた溶液に、固体カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)(121mg、0.605ミリモル)を−78℃で加える。反応混合物を30分間攪拌し、固体1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(233mg、0.652ミリモル)を−78℃で窒素雰囲気下にて加え、さらに2時間、−78℃で攪拌した。続いて、この反応混合物を水(5mL)でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出し(2×25mL)、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、粗化合物を得た。ヘキサン/エチルアセテート90:10という溶離剤を用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage社)によって、この粗化合物をさらに精製して、標記の化合物(210mg、80%)を得た。m/z−Boc:461.9
【0161】
中間体−2
(R)−3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0163】
中間体−1の工程−1〜工程−5に記載されているものと同様の手順に従って、(R)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸と(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミンを用いることによって、標記の化合物を調製した。
【0164】
中間体−3
(R)−3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロ−3−エトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0166】
中間体−1の工程−1〜工程−5に記載されているものと同様の手順に従って、(R)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸と(R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エタンアミンを用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z−Boc:460.7
【0167】
中間体−4
(R)−3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0169】
中間体−1の工程−1〜工程−5に記載されているものと同様の手順に従って、(R)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸と(R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エタンアミンを用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z−Boc:480.93
【0170】
中間体−5
3−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル−トリフルオロメタンスルホネート
【0172】
工程−1:N−((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−アミン
【0173】
メタノール(50mL)中の(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミン(4.77ml、29.5ミリモル)の攪拌溶液に、3,4−ジヒドロナフタレン−2(1H)−オン(4.80g、32.8ミリモル)を0℃で加えた。酢酸(2.349mL、41.0ミリモル)を加え、この反応物を5分間攪拌した。その後、この反応物をRTまで昇温し、さらに20分間攪拌した。再度、反応物を0℃まで冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.09g、49.2ミリモル)を加え、一晩RTで攪拌した。反応の終了後、NaHCO
3溶液(20mL)と水(50mL)を加え、この混合物をエチルアセテートで抽出した(50mL×2)。この抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗化合物を得た。これを次の反応で直接用いた(11.1g、36.8ミリモル)。m/z:302.65
【0174】
工程−2:t−ブチル((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)カルバメート
【0175】
DCM(40mL)中の工程−1の中間体(11.1g、36.8ミリモル)の攪拌溶液に、トリホスゲン(8.12g、27.4ミリモル)を0℃で加えた。この反応物をRTにし、2時間攪拌した。続いて、反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗化合物を得た。この粗化合物に、トリエチルアミン(20.35ml、146ミリモル)、DIPEA(0.496ml、2.85ミリモル)、t−ブタノール(34.8ml、365ミリモル)を加え、加熱還流し、さらに6時間維持した。この混合物をRTにし、t−ブタノールを蒸発させ、反応混合物を水(25mL)で希釈し、得られた混合物をエチルアセテート(25mL)で抽出した。有機抽出物を飽和食塩水(10mL)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を真空蒸発させて、15gの粗化合物を得た。ヘキサン中の20%エチルアセテートという溶離剤を用いたフラッシュクロマトグラフィー(biotage社)によって、この粗化合物をさらに精製して、標記の化合物(4.2g、収率28.7%)を得た。m/z:402.0
【0176】
工程−3:t−ブチル((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)カルバメート
【0177】
アセトン(40mL)及び水(20.mL)中の工程−2の中間体(4.2g、10.46ミリモル)の混合物に、MgSO
4(3.02g、25.1ミリモル)をRTで加えた。この反応混合物を0℃まで冷却した。0℃に維持しながら、この冷却溶液にKMnO
4(3.31g、20.92ミリモル)を少しずつ加えた。続いて、この反応物をRTまで昇温し、一晩攪拌した。ろ紙を取り付けたブフナー漏斗で、この粗化合物をろ過した。固体残渣をジクロロメタンで繰り返し(3回)洗浄し、集めた有機相を合わせ、蒸発させた。続いて、残渣をエチルアセテートに溶解させ、飽和亜硫酸ナトリウム溶液で処理した
。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、5.4gの粗化合物を得た。7%エチルアセテート:ヘキサンという溶離剤を用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage社)によって、この粗化合物を精製して、標記の化合物(1g、収率23.01%)を得た。m/z:315.7
【0178】
工程−4:3−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0179】
工程−3の中間体(1.0g、2.407ミリモル)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させた溶液に、固体KHMDS(0.624g、3.13ミリモル)を−78℃で加えた。反応混合物を30分間攪拌し、固体1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(1.204g、3.37ミリモル)を−78℃で窒素雰囲気下にて加え、2時間、同じ温度で攪拌した。その後、この反応混合物をH
2Oでクエンチし、ジエチルエーテルで抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して粗化合物を得た。ヘキサン/エチルアセテート95:5という溶離剤を用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage社)によって、この粗化合物を精製して、標記の化合物(500mg、収率37.9%)を得た。
【0180】
中間体−6
(S)−3−(2−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0182】
工程−1:(R)−メチル4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボキシレート
【0183】
(R)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸(5.0g、26.3ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(10.90g、79ミリモル)とヨウ化メチル(6.58ml、105ミリモル)をDMF(50mL)中で加え、一晩25℃で攪拌した。水を加え(130mL)、エチルアセテートで抽出した(2×30mL)。有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し(2×20mL)、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過した。透明な有機相を真空蒸発させて、標記の化合物(4.5g)を得た。m/z:204.09
【0184】
工程−2:(R)−メチル3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−カルボキシレート
【0185】
ベンゼン(40mL)中の(R)−メチル4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボキシレート(4.5g、22.03ミリモル)の攪拌溶液に、エ
タン−1,2−ジオール(3.69mL、66.1ミリモル)と触媒量のp−トルエンスルホン酸を加えた。この反応混合物を還流温度まで加熱し、さらに20時間維持した。続いて、反応混合物をRTにし、真空濃縮して、12gの粗化合物を得た。ヘキサン中の7%エチルアセテートを用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage社)によって、この粗物質を精製して、標記の化合物(4.7g)を得た。m/z:248.6
【0186】
工程−3:(R)−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−カルバルデヒド
【0187】
トルエン(50mL)及びCH
2Cl
2(12.50mL)中の(R)−メチル3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−カルボキシレート(4.7g、18.93ミリモル)の攪拌溶液に、DIBAL−H(水素化ジイソブチルアルミニウム)(22.72mL、22.72ミリモル)を−78℃でアルゴン下にて滴下し、この混合物を2時間、−78℃で攪拌した。
【0188】
反応混合物をNH
4Cl水溶液で−78℃にてクエンチし、RTにし、セライトろ過し、水(25mL)で希釈し、DCMで抽出し(2×25mL)、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、標記の化合物(4.1g)を油状物質として得た。
【0189】
工程−4:(R)−3’−(2−メトキシビニル)−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]
【0190】
テトラヒドロフラン(30mL)中の(メトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(6.74g、21.99ミリモル)の攪拌溶液に、カリウムt−ブトキシド(3.08g、27.5ミリモル)をTHFに溶解させた溶液を−30℃でアルゴン下にて滴下し、この混合物を30分間攪拌した。続いて、(R)−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−カルバルデヒド(4.0g、18.33ミリモル)をTHFに溶解させた溶液を滴下し、反応物を1時間、−30℃で攪拌した。反応をTLCによってモニタリングした。反応混合物を水で−30℃にてクエンチし、RTにし、水(25mL)で希釈し、エチルアセテートで抽出し(2×50mL)、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、粗生成物(8g)を得た。この粗化合物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage社)で精製して、(R)−3’−(2−メトキシビニル)−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン](3.5g、14.21ミリモル、収率78%)を無色の液体として得た。m/z:246.6
【0191】
工程−5:(S)−2−(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアルデヒド
【0192】
テトラヒドロフラン(20mL)中の(R)−3’−(2−メトキシビニル)−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン](工程−4)(3.5g、14.21ミリモル)の攪拌溶液に、HCl(2.159mL、71.1ミリモル)を25℃で加え、反応物を16時間攪拌した。反応をTLCによってモニタリングした。終了後、溶媒を減圧下で蒸発させた。30%エチルアセテート/ヘキサンという溶離剤を用いたカラムクロマトグラフィー(Biotage社)によって、得られた粗化合物を精製して、(S)−2−(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアルデヒド(1.8g、9.56ミリモル、収率67.3%)を無色の粘着性化合物として得た。GCMS:188.10
【0193】
工程−6:(S)−3−(2−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル
)エチル)アミノ)エチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン
【0194】
メタノール(5mL)中の(R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エタンアミン(1.206g、6.38ミリモル)の攪拌溶液に、(S)−2−(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアルデヒド(1.2g、6.38ミリモル)を0℃で加えた。酢酸(0.365mL、6.38ミリモル)を加え、反応物を5分間攪拌した。反応物をRTまで昇温し、20分間攪拌した。再度、反応物を0℃まで冷却した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.401g、6.38ミリモル)をこの反応混合物に加え、一晩(16時間)攪拌した。この反応溶液に、NaHCO
3溶液(5mL)と水(10mL)を加え、この混合物をエチルアセテートで抽出した(20mL×2)。この抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で蒸発させて、標記の粗化合物(2.0g、5.53ミリモル、収率87%)を得た。
【0195】
工程−7:t−ブチル((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)(2−((S)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)エチル)カルバメート
【0196】
アセトニトリル(20mL)中の工程−6の中間体(2g、5.53ミリモル)とトリエチルアミン(0.727mL、5.53ミリモル)との混合物に、Boc無水物(2.54mL、11.07ミリモル)を25℃で加えた。この反応物を一晩、15時間攪拌した。この反応混合物に水(20mL)を加え、得られた混合物をエチルアセテート(50mL)で抽出した。有機抽出物を飽和食塩水(30mL)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、溶媒を真空蒸発させて、粗化合物を得た。ヘキサン中の10%エチルアセテートという溶離剤を用いたフラッシュクロマトグラフィー(biotage社)で、化合物を精製し、標記の化合物(1.9g、収率74.4%)を粘着性化合物として得た。m/z−Boc:362.1
【0197】
工程−8:(S)−3−(2−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0198】
工程−7の中間体(1.9g、4.12ミリモル)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解させた溶液に、KHMDS(5.88ml、5.35ミリモル)を−78℃で加えた。反応混合物を60分間攪拌し、1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(2.059g、5.76ミリモル)をTHFに溶解させた溶液を−78℃で窒素下にて加え、3時間、−78℃で攪拌した。反応をTLCによってモニタリングした。これをH
2Oでクエンチし、ジエチルエーテルで抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。ヘキサン/エチルアセテート90:10という溶離剤を用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage社)によって、この化合物を精製して、標記の化合物(1.2g、収率49.1%)を得た。m/z:615.7(M+Na)
【0199】
中間体−7
(S)−3−(2−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0201】
中間体−6の工程−1〜工程−8に記載されているものと同様の手順に従って、(S)−2−(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアルデヒドと(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミンを用いることによって、標記の化合物を調製した。
【0202】
中間体−8
(R)−3−(3−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0204】
工程−1:(R)−メチル4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボキシレート
【0205】
(R)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸(5.0g、26.3ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(10.90g、79ミリモル)とヨウ化メチル(6.58mL、105ミリモル)をDMF(50mL)中で加え、一晩25℃で攪拌した。水を加え(130mL)、エチルアセテートで抽出した(2×30mL)。有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し(2×20mL)、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過した。この透明な有機相を真空蒸発させて、標記の純粋化合物(4.5g)を得た。m/z:204.09
【0206】
工程−2:(R)−メチル3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−カルボキシレート
ベンゼン(40mL)中の(R)−メチル4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボキシレート(4.5g、22.03ミリモル)の攪拌溶液に、エタン−1,2−ジオール(3.69mL、66.1ミリモル)と触媒量のp−トルエンスルホン酸を加えた。この反応混合物を還流温度まで加熱し、さらに20時間維持した。20時間後、この反応混合物をRTにし、真空濃縮して、12gの粗化合物を得た。7%エチルアセテート:ヘキサンを用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage社)によって粗物質を精製して、標記の化合物(4.7g)を得た。m/z:248.6
【0207】
工程−3:(R)−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−カルバルデヒド
【0208】
トルエン(50mL)及びDCM(12.50mL)中の(R)−メチル3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−カルボキシレート(4.7g、18.93ミリモル)の攪拌溶液に、DIBAL−H(22.72mL、22.72ミリモル)を−78℃でアルゴン下にて滴下し、この混合物を2時間、−78℃で攪拌した。反応混合物をNH
4Cl水溶液で−78℃にてクエンチし、RTにし、セライトろ過し、水(25mL)で希釈し、DCMで抽出し(2×25mL)、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、標記の化合物(4.1g)を油として得た。
【0209】
工程−4:(R)−エチル3−(3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−イル)アクリレート
【0210】
DCM(10mL)中の(R)−3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−カルバルデヒド(4.1g、18.79ミリモル)の攪拌溶液に、エチル2−(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(7.85g、22.54ミリモル)を加え、反応混合物をRTで16時間攪拌した。反応の終了後、反応混合物を真空濃縮して、5.5gの粗化合物を得た。ヘキサン/エチルアセテート80:20という溶離剤を用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage社)によって、この粗化合物をさらに精製して、標記の化合物(2.5g、収率46.2%)を得た。m/z:288.34
【0211】
工程−5:(R)−エチル3−(3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−イル)プロパノエート
【0212】
エチルアセテート(25mL)中のPd/C(0.535g、0.251ミリモル)の攪拌溶液に、(R)−エチル3−(3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−イル)アクリレート(2.5g、8.67ミリモル)を窒素下で加えた。反応混合物を2時間、水素風船下で攪拌した。反応の終了後、反応混合物をセライトろ過し、濃縮して、粗化合物を得た。この粗化合物を次の反応で直接用いた(2.3g、91%)。m/z:290.7
【0213】
工程−6:(R)−3−(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)プロパン酸
【0214】
丸底フラスコ内のTHF(10mL)及び水(1mL)中の(R)−エチル3−(3’,4’−ジヒドロ−2’H−スピロ[[1,3]ジオキソラン−2,1’−ナフタレン]−3’−イル)プロパノエート(2.3g、7.92ミリモル)の攪拌溶液に、LiOH(1.328g、55.4ミリモル)を加え、反応混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、希HClで酸性化し、1時間、RTで攪拌した。エチルアセテートで抽出し(2×30mL)、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、標記の粗化合物(1.6g、93%)を得た。m/z:262.7
【0215】
工程−7:N−((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)−3−((S)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)プロパンアミド
【0216】
乾燥DMF(15mL)中の(R)−3−(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒド
ロナフタレン−2−イル)プロパン酸(0.8g、3.67ミリモル)(粗物質)の攪拌溶液に、CDI(0.713g、4.40ミリモル)を加えた。この反応混合物をRTで0.5時間攪拌した。続いて、(R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エタンアミン(0.832g、4.40ミリモル)を加え、この反応混合物をRTで2時間攪拌した。反応の終了後、氷を反応混合物に加え、析出した個体をブフナー漏斗でろ過して、標記の化合物(830mg、58.1%)を得た。m/z:390.54。次の反応のために、精製せずに、粗物質を取った。
【0217】
工程−8:(3R)−3−(3−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−オール
【0218】
ジオキサン(15mL)中のLAH(162mg、4.26ミリモル)の懸濁液に、N−((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)−3−((R)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)プロパンアミド(830mg、2.131ミリモル)を0℃で加えた。この反応混合物を30分間、25℃で攪拌し、100℃で加熱し、さらに12時間維持した。この混合物をRTにし、0℃まで冷却し、エチルアセテート(5mL)に続いて水(5mL)でゆっくりクエンチした。反応混合物をエチルアセテート(30mL)で抽出し、食塩水(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、粗化合物を得、これをそのまま次の反応で用いた。m/z:378.6
【0219】
工程−9:t−ブチル((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)(3−((2R)−4−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)プロピル)カルバメート
【0220】
アセトニトリル(10mL)中の(3R)−3−(3−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−オール(800mg、2.119ミリモル)とTEA(0.738mL、5.30ミリモル)との混合物に、Boc
2O(0.590mL、2.54ミリモル)を25℃で加えた。この反応混合物を55℃まで加熱し、さらに12時間維持した。この反応混合物に水を加え(15mL)、エチルアセテートで抽出した(2×15mL)。有機相を食塩水(10mLで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過した。透明な有機相を真空蒸発させて、粗化合物を得た。この粗化合物をそのまま次の反応で用いた(886mg、収率88%)。
【0221】
工程−10:t−ブチル((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)(3−((R)−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)プロピル)カルバメート
【0222】
DCM(8mL)中のt−ブチル((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)(3−((2R)−4−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)プロピル)カルバメート(886mg、1.855ミリモル)の攪拌溶液に、PCC(304mg、2.226ミリモル)を0℃で加え、1時間、25℃で攪拌した。この反応混合物をセライト床でろ過し、ろ液を濃縮して、粗化合物を得た。溶離剤(1:9、エチルアセテート:n−ヘキサン)を用いたカラムクロマトグラフィー(Biotage社)によって、この粗化合物を精製して、標記の化合物(500mg)を得た。m/z:476.42
【0223】
工程−11:(R)−3−(3−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−
フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0224】
中間体−6の工程−8に記載されているものと同様の手順に従って、工程−11の化合物を調製した。m/z:607.2
【0225】
中間体−9
(S)−3−(3−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0227】
中間体−7の工程−7に記載されているものと同様の手順に続いて、中間体−8の工程−8及び工程−10に記載されているものと同様の手順に順に従って、(S)−3−(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)プロパン酸と(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミンを用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z:590.58
【0228】
中間体−10
(R)−3−(3−((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)プロピル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0230】
中間体−7の工程−7に記載されているものと同様の手順に続いて、中間体−8の工程−8及び工程−10に記載されているものと同様の手順に順に従って、(R)−3−(4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)プロパン酸と(R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エタンアミンを用いることによって、標記の化合物を調製した。
【0231】
中間体−11
メチルキノリン−3−カルボキシレート
【0233】
キノリン−3−カルボン酸(3g、17.32ミリモル)をメタノール(30mL)に溶解させた溶液を氷浴で0℃にて冷却した。続いて、塩化チオニル(1.264mL、17.32ミリモル)を加え、この反応混合物を80℃まで加熱し、一晩維持した。反応をTLCによってモニタリングした。反応の終了後、メタノールを減圧下で蒸発させ、得られた残渣を飽和炭酸水素ナトリウムで塩基化してpH調整(7〜8)して、白色固体を得、これをろ過し、乾燥して、メチルキノリン−3−カルボキシレート(3.2g、収率−99%)を白色固体として得た。m/z−187.3
【0234】
中間体−12
メチル1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレート
【0236】
中間体−11(3g,16.03ミリモル)をMeOH(100mL)に溶解させた溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.04g、80ミリモル)に続いて、少量のブロモクレゾールグリーン(pH指示薬)を加えた。反応混合物が黄色を維持するようになるまで、4M HClジオキサン溶液(5mL×3)を30分間隔で反応混合物に滴下して、pHを酸性(4〜5)にし、続いて、反応混合物をRTで16時間攪拌した。反応をTLC/LCMSによってモニタリングした。反応の終了後、この反応混合物を炭酸水素ナトリウムでクエンチし、エチルアセテートで抽出した(20×3mL)。合わせた有機層を乾燥し、減圧下で濃縮した。溶離剤(ヘキサン中の20%エチルアセテート)を用いることによるフラッシュクロマトグラフィーによって粗化合物を精製して、メチル1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキシレート(1.5g、収率49%)を黄色油状物質として得た。m/z−191.7
【0237】
中間体−13a、13b
N−((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボキサミド
【0239】
(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミン(25.07g、146ミリモル)とトリメチルアルミニウム(54.9mL、110ミリモル)をトルエン(250mL)に溶解させた溶液を55℃で45分間加熱した。この反応混合物に、中間体−12(14g、73.2ミリモル)を55℃で加え、この反応混合物をさらに110℃まで加熱し、20時間維持した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。この反応混合物を0℃まで冷却し、希HClでクエンチした。飽和Na
2CO
3で塩基化した後、生成物をエチルアセテートで抽出した(100mL×2)。有機層を水で洗浄してから(2×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を精製した。さらに異性体をフラッシュクロマトグラフィー(25%エチルアセテート/ヘキサン)によって分離して、中間体−13a(8g)と中間体−13b(4g)を得た。m/z−353(Na
+1)
【0240】
中間体−14a、14b
(1R)−1−(ナフタレン−1−イル)−N−((1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メチル)エタンアミン
【0242】
中間体−13a(2.3g、6.96ミリモル)をTHF(20mL)に溶解させた溶液を0℃まで冷却してから、ボラン−メチルスルフィド錯体(1.74mL、17.40ミリモル)を同じ温度で加えた。この反応混合物を70℃まで加熱し、7時間維持した。反応の進行をTLCによってモニタリングし、反応の終了後、この反応混合物を0℃まで冷却し、1:1希HCl溶液を非常にゆっくり加えた(10mL)。この反応混合物を90℃まで加熱し、1時間維持した。テトラヒドロフランを真空留去し、残渣を0℃まで冷却し、2M NaOH溶液[pH=10]で塩基化し、エチルアセテート中で抽出した(50mL×2)。合わせた有機層を水で洗浄してから(2×25mL)、食塩水(25mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、標記の化合物(2g、収率90%)を黄褐色の油状物質として得た。m/z−317.1。同様に、中間体−14bも、中間体−13bを用いることによって、上記の方法から調製した。
【0243】
中間体−15
メチル6−フルオロキノリン−3−カルボキシレート
【0245】
5−フルオロ−2−ニトロベンズアルデヒド(5g、29.6ミリモル)、メチル3,
3−ジメトキシプロパノエート(10.95g、73.9ミリモル)をエタノール(100mL)に溶解させた溶液に、塩化スズ(22.43g、118ミリモル)をゆっくり加えた。この反応混合物を90℃まで4時間加熱した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応の終了後、エタノールを減圧下で蒸発させ、得られた残渣を飽和炭酸水素ナトリウムで塩基化した。得られたエマルジョンをセライトろ過し、エチルアセテートでよくすすいだ。残りの水層をエチルアセテートで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(30%エチルアセテート/ヘキサン)によって精製して、所望の化合物(3.1g、収率51.1%)を得た。m/z−206.76
【0246】
中間体−16
(1R)−N−((6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メチル)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミン
【0248】
標記の化合物を以下の3つの工程で調製した。
【0249】
工程:1−中間体−12に記載されているものと同様の手順に従って、中間体−15をシアノ水素化ホウ素ナトリウムで還元した。
【0250】
工程:2−中間体−13a、13bに記載されているものと同様の手順に従って、工程−1の中間体を(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミンと縮合した。
【0251】
工程:3−ボランジメチルスルフィド錯体を用いて、中間体−14a、14bに記載されているものと同様の手順に従って、工程−2の中間体を還元した。m/z:334.8
【0252】
中間体−17
(1R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)−N−((1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メチル)エタンアミン
【0254】
標記の化合物を2つの工程で調製した。
【0255】
工程:1−中間体−13a、13bに記載されているものと同様の手順に従って、中間体−12を、対応する(R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エタンアミン塩酸塩と反応させた。
【0256】
工程:2−ボランジメチルスルフィド錯体を用いて、中間体−14a、14bに記載されているものと同様の手順に従って、工程−1の中間体を還元反応させた。m/z−334.9
【0257】
中間体−18
(1R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−N−((1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)メチル)エタンアミン
【0259】
標記の化合物を2つの工程で調製した。
【0260】
工程:1−中間体−13a、13bに記載されているものと同様の手順に従って、中間体−12を、対応する(R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エタンアミンと反応させた。
【0261】
工程:2:ボランジメチルスルフィド錯体を用いて、中間体−14a、14bに記載されているものと同様の手順に従って、工程−1の中間体を還元反応させた。m/z−315.65
【0262】
中間体−19
1−t−ブチル3−メチル3,4−ジヒドロキノリン−1,3(2H)−ジカルボキシレート
【0264】
中間体−12(1g、5.23ミリモル)をアセトニトリル(10mL)に溶解させた溶液に、BOC無水物(1.457mL、6.28ミリモル)をRTで加えた。この反応混合物を最高50℃まで一晩加熱した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。有機溶媒を真空除去した。生成物をエチルアセテート中で抽出した(10mL×2)。有機層を飽和クエン酸(10mL)で洗浄してから、水(10mL)と飽和食塩水(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空濃縮し、粗生成物を得た。さらに、フラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン中の10%エチルアセテート及び1%NH
4OH)によって粗生成物を精製して、標記の化合物(1.35g、収率89%)を
得た。m/z:313.9(Na
+1)
【0265】
中間体−20
t−ブチル3−ホルミル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート:
【0267】
中間体−19(0.2g、0.686ミリモル)を乾燥トルエン(8mL)とDCM(2mL)との混合物に溶解させた溶液に、DIBAL−H(1.37mL、1.37ミリモル、1M)を−78℃で滴下した。さらに、反応物を2時間、同じ温度で攪拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応混合物をMeOH(5mL)で−65℃にてクエンチし、RTにし、セライトろ過し、水(20mL)で希釈した。これをエチルアセテートで抽出し(20mL×2)、水(15mL)と食塩水(15mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をさらにフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%エチルアセテート)によって精製して、標記の化合物(0.12g、66.9%)を得た。m/z−283.5(Na
+1)
【0268】
中間体−21
t−ブチル3−(2−オキソエチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート
【0270】
(メトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(703mg、2.296ミリモル)をTHF(5mL)に溶解させた。この溶液を−30℃まで15分間冷却し、THF(5mL)に溶解させたカリウムtブトキシド(322mg、2.87ミリモル)を加えた。この溶液を30分間攪拌したところ、ワインレッド色の溶液が観察された。THF(5mL)中の中間体−20(500mg、1.913ミリモル)をこの反応混合物に加えた。この溶液を2時間、同じ温度で攪拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応の終了後、水(5mL)を加え、生成物をエチルアセテートで抽出してから(10mL×3)、水(10mL)と食塩水(10mL)で抽出した。有機溶媒を減圧下で蒸発さ
せた。さらにこれをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5%エチルアセテート)によって精製して、(E)−t−ブチル3−(2−メトキシビニル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート(225mg、収率40.6%)を得た。m/z−312.1(Na
+1)
【0271】
(E)−t−ブチル3−(2−メトキシビニル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート(225mg、0.778ミリモル)をTHF(5mL)に溶解させた溶液に、希HCl(0.2ml、6.58ミリモル)を加えた。この反応混合物を一晩RTで攪拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応の終了後、メタノールを減圧下で蒸発させた。さらにこれをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の15%エチルアセテート)によって精製して、標記の化合物(160mg、収率30.4%)を得た。m/z−297.6(Na
+1)
【0272】
中間体−22
t−ブチル3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート
【0274】
メタノール(10mL)中の中間体−21(1.15g、4.18ミリモル)の攪拌溶液に、(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミン(0.858g、5.01ミリモル)を0℃で加えた。酢酸(0.2ml、3.49ミリモル)を加え、反応物を5分間攪拌した。反応物をRTまで昇温し、20分間攪拌した。再度、反応物を0℃まで冷却した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.525g、8.35ミリモル)をこの反応混合物に加え、一晩攪拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。この反応物に、NaHCO
3溶液(20mL)を加え、水(50mL)とこの混合物をエチルアセテート(50mL×2)で抽出した。この抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。さらに、カラム精製(10%エチルアセテート−ヘキサン)を用いることによって、化合物を精製して、標記の化合物(1.2g、収率66.7%)を得た。m/z−431.54
【0275】
中間体−23
(1R)−1−(ナフタレン−1−イル)−N−(2−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)エチル)エタンアミン
【0277】
中間体−22(1.2g、2.79ミリモル)をDCM(5mL)とMeOH/HCl(10mL、3N)に溶解させた。この反応混合物をRTで一晩攪拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。この反応物を減圧下で蒸発させてから、飽和Na
2CO
3溶液(5mL)を加えた。この混合物をエチルアセテートで抽出し(10mL×2)、水で洗浄してから(5mL×2)、食塩水(5mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。これをさらにフラッシュクロマトグラフィー(15%エチルアセテート−ヘキサン)によって精製して、標記の化合物(1g、収率98%)を得た。m/z−331.65
【0278】
中間体−24
(E)−t−ブチル3−(3−エトキシ−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート
【0280】
中間体−20(8g、30.6ミリモル)とエチル2−(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(11.73g、33.7ミリモル)をトルエン(100mL)に溶解させた溶液を110℃まで加熱し、3時間維持した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応混合物をRTにしてから、水(50mL)で希釈し、エチルアセテートで抽出した(50mL×3)。合わせた有機層を水(50mL)で洗浄してから、食塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をさらにフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%エチルアセテート)によって精製して、標記の化合物(8.5g、収率:84%)を得た。m/z−276.58(M−55)
【0281】
中間体−25
t−ブチル3−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート
【0283】
エタノール(20mL)中の10%パラジウム炭素(2g、50%ウェット)の懸濁液に、エタノール(80mL)中の中間体−24(9g、27.2ミリモル)を慎重に加え、この混合物を一晩、水素風船による加圧下で攪拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応混合物をセライトろ過し、ろ液を濃縮して、粗生成物(9g、99%)を得た。m/z−234.89(M−98)
【0284】
中間体−26
3−(1−(t−ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)プロパン酸
【0286】
中間体−25(9.2g、27.6ミリモル)をTHF(25mL)、MeOH(25mL)、及び水(3mL)に溶解させた溶液に、水酸化リチウム水和物(5.79g、138ミリモル)を加えた。この反応混合物を2時間、RTで攪拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。この反応混合物を真空濃縮してから、0℃まで冷却し、クエン酸溶液で酸性化した。この混合物をエチルアセテートで抽出し(50mL×2)、水(25mL×2)で洗浄してから、食塩水(25mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空濃縮して、白色固体(8.22g、99.83%)を得た。m/z−306.59
【0287】
中間体−27
t−ブチル3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−3−オキソプロピル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート
【0289】
中間体−26(2.5g、8.19ミリモル)をDMF(10mL)に溶解させた溶液に、CDI(1.991g、12.28ミリモル)をゆっくり加え、30分間攪拌した。続いて、(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミン(1.682g、9.82ミリモル)を加えた。この反応混合物を35℃まで昇温し、さらに24時間維持した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、生成物をエチルアセテートで抽出した(25mL×2)。有機層を20%クエン酸(25mL)で洗浄してから、水(25mL×2)、飽和Na
2CO
3溶液で洗浄した。最後に、有機層を水と飽和食塩水(25mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥してから、減圧下で蒸発させて、標記の粗化合物(3.7g、収率99%)を得た。m/z−459.48
【0290】
中間体−28
N−((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)−3−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)プロパン−1−アミン
【0292】
中間体−14a、14bに記載されているものと同様の手順に従って、中間体−27を用いて、標記の化合物を調製した。m/z−345.66
【0293】
中間体−29
N−((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)−3−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−イル)プロパン−1−アミン
【0295】
標記の化合物を2つの工程で調製した。
【0296】
工程:1−中間体−27に記載されているものと同様の手順に従って、中間体−26を(R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エタンアミン塩酸塩と反応させた。
【0297】
工程:2−中間体−14a、14bに記載されているものと同様の手順に従って、ボランジメチルスルフィド錯体を用いて、工程−1の中間体を還元した。m/z−363.66
【実施例】
【0298】
実施例−1
メチル3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
【0299】
【化51】
【0300】
工程−1:メチル3−(3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
【0301】
中間体−1(1g、1.781ミリモル)、メチル3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエート(0.467g、1.781ミリモル)、及び炭酸ナトリウム(0.321g、5.34ミリモル)をエタノール(5mL)、トルエン(5mL)、及び水(2mL)に溶解させた溶液に、窒素を30分間通じた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(23mg、0.089ミリモル)をこの反応混合物に加え、再度窒素を10分間通じた。続いて、この反応混合物を65℃まで加熱し、さらに1時間維持した。反応をTLCによってモニタリングした。得られた固体をセライト床ろ過によって除去した。ろ液をエチルアセテートで抽出し(2×25mL)、水(15mL)と食塩水(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。この粗化合物をさらにフラッシュ
クロマトグラフィー(Biotage社)(エチルアセテート:ヘキサン=1:20)によって精製して、標記の化合物(660mg、67.7%)を得た。m/z:548.57
【0302】
工程−2:メチル3−(3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
MeOH(10mL)中の上記の工程−1の中間体(660mg、1.205ミリモル)の攪拌溶液に、パラジウム炭素(10%)(66mg)を慎重に加え、この混合物を水素風船による加圧下で8時間攪拌した。反応混合物をセライト床でろ過し、濃縮して、粗化合物を得た。これを次の反応で直接用いた(570mg、86%)。m/z:550.57
【0303】
工程−3:メチル3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
メタノール(8ml)中の工程−2の中間体(570mg、1.092ミリモル)の攪拌溶液に、メタノール(2.24mL、7.26ミリモル)中のHClを加え、密閉容器で、この反応混合物を25℃で一晩攪拌した。この反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で塩基化し、エチルアセテートで抽出した(2×25mL)。有機層を食塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。この粗化合物を逆相HPLCによって精製した。さらに、4つのジアステレオマーをキラル分取HPLC[CELLULOSE1、250mm×4.6mmI.D.、5μ、A:ヘキサン/IPA(90:10(%v/v)、0.1%DEA)、B:IPA(100%)、A:B80/20%v/v、流速=1.0ml/分]によって分離した。異性体「a」:t
R=6.28、異性体「b」:t
R=8.66、異性体「c」:t
R=9.40、異性体「d」:t
R=12.56、m/z:449.60、(t
Rは保持時間である。)
【0304】
実施例−2a、2b、2c、2d
3−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩
【0305】
【化52】
【0306】
丸底フラスコ内のエタノール(2.0ml)、テトラヒドロフラン(2.0mL)、及び水(2.0mL)中の実施例−1の異性体「a」(25mg、0.056ミリモル)の攪拌溶液に、LiOH(9.32mg、0.389ミリモル)を加え、反応混合物を80℃まで加熱し、さらに2時間維持した。反応混合物を濃縮し、6N HCl溶液で酸性化し、固体を析出した。この固体をろ過し、DM水(20mL)とn−ペンタン(20mL)で洗浄し、乾燥して、標記の生成物(22mg、91%)を得た、m/z:435.98
【0307】
この固体化合物を乾燥DCM(1mL)に溶解させてから、2Mのエーテル性HCl溶液(2mL)をゆっくり加え、さらに数分維持した。この反応混合物を完全に留去し、さらにジエチルエーテルで洗浄し、乾燥し、標記の化合物のHCl塩を得た。
【0308】
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.92(bs、1H)、9.43(bs、1H)、9.05(bs、1H)、8.14(d、J=8Hz、1H)、8.01−7.93(m、3H)、7.77(d、J=8Hz、1H)、7.63−7.58(m、3H)、7.53(m、1H)、7.43−7.39(m、1H)、7.27(d、J=7.6Hz、1H)、7.18−7.17(m、2H)、7.09−7.08(m、1H)、6.83(d、J=7.6Hz、1H)、5.28(q、J=6.4Hz、1H)、4.40−4.37(m、1H)、3.21−3.16(m、1H)、3.00(m、1H)、2.72−2.67(m、1H)、2.33−2.18(m、2H)、1.92−1.89(m、2H)、1.65(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:435.98
【0309】
同様に、実施例−2bを実施例−1の異性体「b」から、実施例−2cを実施例−1の異性体「c」から、実施例−2dを実施例−1の異性体「d」から調製した。
【0310】
実施例−2b:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.95(bs、1H)、9.65(bs、1H)、9.20(bs、1H)、8.26(d、J=8.4Hz、1H)、8.03−7.95(m、3H)、7.83−7.80(m、1H)、7.72(m、1H)、7.67−7.58(m、4H)、7.47−7.41(m、2H)、7.12−7.09(m、2H)、7.03−7.00(m、1H)、5.36(q、J=6.4Hz、1H)、4.14−4.18(m、1H)、3.73−3.40(m、1H)、3.06−3.04(m、1H)、2.88(m、1H)、2.68−2.65(m、1H)、2.38−2.33(m、2H)、2.28−2.23(m、1H)、1.72(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:435.98
【0311】
実施例−2c:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.91(bs、1H)、9.47(bs、1H)、9.04(bs、1H)、8.13(d、J=8Hz、1H)、8.00−7.94(m、3H)、7.77(d、J=7.6Hz、1H)、7.62−7.57(m、3H)、7.52(m、1H)、7.43−7.39(m、1H)、7.27(d、J=8Hz、1H)、7.17−7.16(m、2H)、7.08−7.07(m、1H)、6.82(d、J=7.6Hz、1H)、5.25(q、J=6.8Hz、1H)、4.36−4.33(m、1H)、3.14−2.82(m、2H)、2.73(m、1H)、2.67−2.54(m、1H)、2.22(m、1H)、1.97−1.93(m、2H)、1.65(d、J=6.8Hz、3H)、m/z:435.91
【0312】
実施例−2d:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.96(bs、1H)、9.73(bs、1H)、9.14(bs、1H)、8.25(d、J=8.4Hz、1H)、8.02−7.97(m、3H)、7.82−7.80(m、1H)、7.71(m、1H)、7.64−7.59(m、3H)、7.45−7.44(m、2H)、7.11−7.10(m、2H)、7.02−7.00(m、1H)、6.58(d、J=8.4Hz、1H)、5.37(q、J=6.8Hz、1H)、4.20−4.15(m、1H)、3.09(m、2H)、2.91−2.78(m、1H)、2.78−2.41(m、1H)、2.69−2.62(m、1H)、2.33−2.30(m、2H)、1.76(d、J=6.8Hz、3H)、m/z:435.98
【0313】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に従って、中間体
−1、及び適切に置換したフェニルボロン酸/エステルを用いて、表−1に示されている実施例−3〜実施例−7、及びそれらの異性体を調製した。さらに、実施例−1a、1b、1c、1dに記載されているものと同様のキラル分取HPLC法によって、ジアステレオマーを分離した。
【0314】
表−1:
【0315】
【表1】
【0316】
【0317】
実施例−2a、2b、2c、2dに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、表−1に示されている実施例の対応するエステルを用いることによって、表−2に示されている実施例−7〜実施例−10、及びそれらの異性体を調製した。さらに、
実施例−2a,2b,2c,2dに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、これらの化合物の塩酸塩を調製した。
【0318】
表−2:
【0319】
【表2】
【0320】
【0321】
【0322】
【0323】
【0324】
【0325】
【0326】
実施例−11a、11b
メチル2−メチル−4−((3S)−3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
【0327】
【化53】
【0328】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−2とメチル2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエートを用いることによって、標記の化合物を調製した。
【0329】
キラル分取HPLC[CHIRAL PAK ID、250mm×4.6mmI.D.、5μ、A=n−ヘキサンIPA(90/10%v/v、0.1%DEA)、B=IPA、A:B=90/10%v/v、流速=1.0ml/分]によって、2つのジアステレオマーを分離した。異性体「a」:t
R=5.07、異性体「b」:t
R=5.92、m/z:464.1、(t
Rは保持時間である。)
【0330】
実施例−12a、12b
メチル4−メチル−3−((3S)−3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
【0331】
【化54】
【0332】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中
間体−2とメチル4−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエートを用いることによって、標記の化合物を調製した。
【0333】
キラル分取HPLC[CHIRAL PAK ID、250mm×4.6mmI.D.、5μ、A=n−ヘキサンIPA(90/10%v/v、0.1%DEA)、B=IPA、A:B=90/10%v/v、流速=1.0ml/分]によって、2つのジアステレオマーを分離した。異性体「a」:t
R=5.76、異性体「b」:t
R=6.70、m/z:464.48、(t
Rは保持時間である。)
【0334】
実施例−13a、13b
2−メチル−4−((3S)−3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩
【0335】
【化55】
【0336】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、実施例−11a及び実施例−11bの対応するエステルを用いることによって、実施例−13a、13bの標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、これらの化合物の塩酸塩を調製した。
【0337】
13a:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.70(bs、1H)、9.21(bs、1H)、8.90(bs、1H)、8.16(d、J=8.0Hz、1H)、8.01−7.97(m、2H)、7.87(d、J=6.8Hz、1H)、7.72(d、J=8Hz、1H)、7.64−7.57(m、3H)、7.19−7.16(m、2H)、7.11−7.06(m、1H)、6.94(s、1H)、6.84−6.79(m、2H)、5.29−5.27(m、1H)、4.28−4.26(m、1H)、3.12−3.07(m、2H)、2.83(m、1H)、2.58−2.45(m、4H)、2.21(m、1H)、1.95−1.90(m、2H)、1.65(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:450.1
【0338】
13b:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.73(bs、1H)、9.47(bs、1H)、8.98(bs、1H)、8.27(d、J=8.4Hz、1H)、8.02−7.99(m、2H)、7.90(m、1H)、7.79(d、J=8Hz、1H)、7.62(m、3H)、7.10−7.02(m、4H)、6.61(d、J=6.8Hz、1H)、5.39(m、1H)、4.98(m、1H)、3.11(m、1H)、2.91−2.61(m、4H)、2.50(s、3H)、2.33−2.27(m、2H)、1.70(m、3H)、m/z:450.1
【0339】
実施例−14a、14b
4−メチル−3−((3S)−3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸
塩酸塩
【0340】
【化56】
【0341】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、実施例−12a及び実施例−12bの対応するエステルを用いることによって、実施例−14a、14bの標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、これらの化合物の塩酸塩を調製した。
【0342】
14a:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.77(bs、1H)、9.73(bs、1H)、9.17(bs、1H)、8.27(d、J=8.4Hz、1H)、8.03−7.97(m、3H)、7.70−7.57(m、4H)、7.47(m、1H)、7.33−7.31(m、1H)、7.11(m、2H)、7.02−6.99(m、1H)、6.54(d、J=7.6Hz、1H)、5.40−5.35(m、1H)、4.39−4.35(m、1H)、3.16−3.09(m、1H)、2.91−2.88(m、1H)、2.80−2.63(m、3H)、2.50(s、3H)、2.45−2.29(m、2H)、1.73(d、J=6.8Hz、3H)、m/z:450
【0343】
14b:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.68(bs、1H)、9.23(bs、1H)、8.98(bs、1H)、8.17(d、J=7.2Hz,1H)、8.01−7.97(m、2H)、7.90−7.88(m、1H)、7.67−7.60(m、4H)、7.33(m、1H)、7.18(s、2H)、7.06(m、2H)、6.80(d、J=6Hz、1H)、5.27(m、1H)、4.49(m、1H)、3.16−3.12(m、2H)、2.82(m、1H)、2.67−2.55(m、1H)、2.50(s、1H)、2.18(m、1H)、1.87(m、2H)、1.64(m、3H)、m/z:450
【0344】
実施例−15a、15b
メチル5−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチルベンゾエート
【0345】
【化57】
【0346】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−3と(3−(メトキシカルボニル)−4−メチルフェニル)ボロン酸を用いることによって、標記の化合物を調製した。
【0347】
2つのジアステレオマーをキラル分取HPLC[CHIRAL PAK ID、250mm×4.6mmI.D.、5μ、A=n−ヘキサンIPA(90/10%v/v、0.1%DEA)、B=IPA、A:B=90/10%v/v、流速=1.0ml/分]によって分離した。異性体「a」:t
R=6.05、異性体「b」:t
R=6.62、m/z:461.9、(t
Rは保持時間である。)
【0348】
実施例−16a、16b
5−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩
【0349】
【化58】
【0350】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、実施例−15a及び実施例−15bの対応するエステルを用いることによって、実施例−16a、16bの標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、これらの化合物の塩酸塩を調製した。
【0351】
16a:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.77(bs、1H)、9.29(bs、1H)、9.03(bs、1H)、7.51(dd、J=2,8.4Hz、1H)、7.43(d、J=1.6Hz、1H)、7.25−7.13(m、4H)、7.10−7.02(m、3H)、6.81(d、J=7.6Hz、1H)、4.29−4.24(m、2H)、3.84(s、3H)、3.10−3.05(m、1H)、2.86−2.84(m、1H)、2.67−2.46(m、5H)、2.18−2.15(m、1H)、1.95−1.87(m、2H)、1.57(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:448.04
【0352】
16b:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.81(bs、1H)、9.56(bs、1H)、9.21(bs、1H)、7.58−7.56(m、2H)、7.42−7.21(m、3H)、7.15−7.07(m、3H)、7.03−6.99(m、1H)、6.60(d、J=7.6Hz、1H)、4.40−4.39(m、1H)、4.12−4.07(m、1H)、3.84(s、3H)、2.89−2.86(m、2H)、2.69−2.45(m、6H)、2.33−2.25(m、2H)、1.62(d、J=6.8Hz、3H)、m/z:448.04
【0353】
実施例−17
3−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2,6−ジメチル安息香酸塩酸塩
【0354】
【化59】
【0355】
工程−1:ベンジル3−((R)−3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)−2,6−ジメチルベンゾエート
【0356】
中間体−3(2.1g、3.75ミリモル)、ベンジル2,6−ジメチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエート(1.512g、4.13ミリモル)、及び炭酸ナトリウム(1.193g、11.26ミリモル)をEtOH(10mL)、トルエン(10mL)、及び水(5mL)に溶解させた溶液に、窒素を30分間通じた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.217g、0.188ミリモル)を加え、再度窒素を10分間通じた。続いて、反応物を65℃で1時間加熱した。得られた固体をセライトろ過によって除去した。ろ液をエチルアセテートで抽出し(2×25mL)、水(15mL)と食塩水(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮後、粗化合物を得た。5%EtOAc:ヘキサンという溶離剤を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage社)で、この粗化合物を精製して、ベンジル3−((R)−3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)−2,6−ジメチルベンゾエート(1.3g、53.3%)を油として得た。m/z−Boc:550.3
【0357】
工程−2:3−((3S)−3−(((t−ブトキシカルボニル)((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2,6−ジメチル安息香酸。MeOH(20mL)中のPd/C(0.130g、0.122ミリモル)の攪拌溶液に、工程−1(1.3g、2.001ミリモル)を窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を一晩、水素風船による加圧
下で攪拌した。化合物をセライトろ過し、濃縮して、1.2gの粗化合物を得た。この粗化合物を分取HPLCによって精製して、標記の純粋化合物を得た。さらにジアステレオマーをキラル分取HPLC[CELLULOSE−1、250mm×4.6mmI.D.、5μ、A=n−ヘキサン、0.2%TFA、B=ETOH100%、A=70/30%V/V、流速1.0ml/分]によって分離して、標記の化合物を得た(異性体「a」:t
R=3.42、220mg、91.46%)。m/z:562.07、(t
Rは保持時間である。)
【0358】
工程−3:3−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2,6−ジメチル安息香酸塩酸塩
【0359】
DCM(5mL)中の工程−2の中間体(220mg、0.392ミリモル)の攪拌溶液に、メタノール中のHCl(2M)(1.958mL、3.92ミリモル)を0℃で加え、この反応混合物をRTで16時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた固体をジエチルエーテルとn−ペンタンで洗浄して、標記の化合物を白色固体として得た(120mg、61.5%)。
1H NMR(400MHz、DMSO):δ13.11(bs、1H)、9.70(bs、1H)、9.27(bs、1H)、7.54(d、J=6.8Hz、1H)、7.30−7.25(m、1H)、7.12−6.82(m、5H)、6.88−6.82(m、1H)、6.58−6.55(m、1H)、4.39−4.31(m、2H)、3.84(s、3H)、2.89−2.86(m、2H)、2.66−2.49(m、5H)、2.33−2.21(m、6H)、1.62(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:462.48
【0360】
実施例−18a、18b
メチル5−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチルベンゾエート
【0361】
【化60】
【0362】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−4と(3−(メトキシカルボニル)−4−メチルフェニル)ボロン酸を用いることによって、標記の化合物を調製した。
【0363】
2つのジアステレオマーをキラル分取HPLC[CHIRAL PAK IA、250mm×4.6mmI.D.、5μ、A=n−ヘキサン:IPA(90:10%v/v、0.1%DEA)、B=IPA、A:B=95/5%V/V、流速=1.0ml/分]によって分離した。異性体「a」:t
R=4.71、異性体「b」:t
R=5.56、m/z:481.67、(t
Rは保持時間である。)
【0364】
実施例−19a、19b
5−((3S)−3−((((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩
【0365】
【化61】
【0366】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、実施例−18a及び実施例−18bを用いることによって、実施例−19a、19bの標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、これらの化合物の塩酸塩を調製した。
【0367】
19a:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.80(s、1H)、9.40(bs、1H)、9.10(bs、1H)、8.25(d、J=8.0Hz、1H)、8.14−8.12(m、1H)、7.96−7.94(m、1H)、7.73−7.69(m、2H)、7.50−7.45(m、1H)、7.41−7.40(m、1H)、7.20−7.07(m、3H)、7.05−7.03(m、2H)、6.82(d、J=7.6Hz、1H)、5.25−5.24(m、1H)、4.29−4.28(m、1H)、3.12−3.04(m、2H)、2.81−2.76(m、1H)、2.67−2.54(m、1H)、2.51−2.45(m、3H)、2.19−2.18(m、1H)、1.95−1.89(m、2H)、1.65(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:467.90
【0368】
19b:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.80(s、1H)、9.79(bs、1H)、9.16(bs、1H)、8.35(d、J=8.0Hz、1H)、8.16−8.13(m、1H)、8.03−8.00(m、1H)、7.77−7.69(m、2H)、7.60−7.59(m、1H)、7.51−7.47(m、1H)、7.26−7.22(m、2H)、7.09−7.08(m、2H)、7.02−6.98(m、1H)、6.59(d、J=7.6Hz、1H)、5.35−5.34(m、1H)、4.11−4.07(m、1H)、3.40−3.34(m、2H)、3.10−3.06(m、1H)、2.90−2.87(m、1H)、2.76−2.45(m、3H)、2.35−2.26(m、3H)、1.71(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:467.90
【0369】
実施例−20
メチル2−メチル−5−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
【0370】
【化62】
【0371】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−5と(3−(メトキシカルボニル)−4−メチルフェニル)ボロン酸を用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z:449.48
【0372】
実施例−21
メチル2−メチル−4−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
【0373】
【化63】
【0374】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−5及びメチル2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエートを用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z:449.48
【0375】
実施例−22
2−メチル−5−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩
【0376】
【化64】
【0377】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、実施例−20の対応するエステルを用いることによって、標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、塩酸塩を調製した。
【0378】
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.88(s、1H)、10.20(bs、1H)、9.67(bs、1H)、8.41(d、J=8.4Hz、1H)、8.13(d、J=7.2Hz,1H)、8.01−7.98(m、2H)、7.66−7.57(m、4H)、7.29−7.22(m、2H)、7.09−7.06(m、2H)、7.02−6.98(m、1H)、6.52(d、J=7.6Hz、1H)、5.58−5.56(m、1H)、4.22−4.18(m、1H)、3.48−3.40(m、1H)、3.38−3.17(m、3H)、2.69−2.66(m、2H)、2.08−1.97(m、2H)、1.76(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:436.42
【0379】
実施例−23
2−メチル−4−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩
【0380】
【化65】
【0381】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、実施例21の対応するエステルを用いることによって、標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、塩酸塩を調製した。
【0382】
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.76(s、1H)、10.24(bs、1H)、9.72(bs、1H)、8.41(d、J=8.4Hz、1H)、8.14(d、J=7.2Hz,1H)、8.01−7.97(m、2H),7.81(d、J=8.0Hz、1H)、7.66−7.57(m、3H)、7.10−6.98(m、5H)、6.53(d、J=7.6Hz、1H)、5.58−5.56(m、1H)、4.20−4.16(m、1H)、3.47−3.35(m、2H)、3.31−3.19(m、3H)、2.66−2.49(m、2H)、2.08−1.99(m、1H)、1.76(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:436.1
【0383】
実施例−24
メチル5−((3S)−3−(2−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチルベンゾエート
【0384】
【化66】
【0385】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−6と(3−(メトキシカルボニル)−4−メチルフェニル)ボロン酸を用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z:496.49
【0386】
実施例−25
5−((3S)−3−(2−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩
【0387】
【化67】
【0388】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って表−11に示されている実施例−24の対応するエステルを用いることによって、標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、これらの化合物の塩酸塩を調製した。
【0389】
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.80(bs、1H)、9.61(bs、1H)、9.12(bs、1H)、8.33(d、J=8.4Hz、1H)、8.13(d、J=7.6Hz、1H)、7.95(m、1H)、7.77−7.69(m、2H)、7.58(S、1H)、7.53−7.48(m、1H)、7.23(d、J=8.0Hz、2H)、7.10(m、2H)、6.98−6.96(m、1H)、6.56(d、J=8.0Hz、1H)、5.29(m、1H)、4.07−4.03(m、1H)、3.15(m、1H)、2.93−2.81(m、2H)、2.60−2.50(m、2H)、2.46(S、3H)、1.75−1.66(m、4H)、1.66(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:481.6
【0390】
実施例−26a、26b
メチル2−メチル−5−((3S)−3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
【0391】
【化68】
【0392】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−7と(3−(メトキシカルボニル)−4−メチルフェニル)ボロン酸を用いることによって、標記の化合物を調製した。
【0393】
2つのジアステレオマーをキラル分取HPLC[CHIRAL PAK IA、250mm×4.6mmI.D.、5μ、A=n−ヘキサン:IPA(90:10%v/v、0.1%DEA)、B=IPA、A:B=95/5%V/V、流速=1.0ml/分]によって分離した。異性体「a」:t
R=8.8、異性体「b」:t
R=11.35、m/z:477.8、(t
Rは保持時間である。)
【0394】
実施例−27a、27b
2−メチル−5−((3S)−3−(2−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩
【0395】
【化69】
【0396】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、実施例−26a及び実施例−26bのエステル化合物を用いることによって、実施例−27a、27bの標記の化合物、及びその異性体を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、これらの化合物の塩酸塩を調製した。
【0397】
27a:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.81(bs、1H)、9.87(bs、1H)、9.25(bs、1H)、8.26(d、J=8.4Hz、1H)、8.03−7.97(m、3H)、7.65−7.56(m、4H)、7.24−7.19(m、2H)、7.10−7.05(m、2H)、6.97(m、1H)、6.57(d、J=8.0Hz、1H)、5.32(m、1H)、4.07−4.03(m、1H)、3.15(m、1H)、2.97−2.79(m、2H)、2.62−2.60(m、2H)、2.46(S、3H)、1.73−1.71(m、4H)、1.68(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:463.6
【0398】
27b:
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.79(bs、1H)、9
.73(bs、1H)、9.09(bs、1H)、8.26(d、J=8.4Hz、1H)、8.02−7.93(m、3H)、7.65−7.57(m、4H)、7.25−7.21(m、2H)、7.08−7.07(m、2H)、7.01−6.96(m、1H)、6.58(d、J=7.6Hz、1H)、5.33(m、1H)、4.10−4.09(m、1H)、3.15(m、1H)、2.97−2.79(m、2H)、2.62−2.60(m、2H)、2.49(S、3H)、1.73−1.71(m、4H)、1.67(d、J=6.4Hz、3H)、m/z:463.6
【0399】
実施例−28
メチル5−((3S)−3−(3−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチルベンゾエート
【0400】
【化70】
【0401】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−8と(3−(メトキシカルボニル)−4−メチルフェニル)ボロン酸を用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z:510.1
【0402】
実施例−29
5−((3S)−3−(3−(((R)−1−(4−フルオロナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩
【0403】
【化71】
【0404】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、実施例−28の対応するエステル化合物を用いることによって、標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、塩酸塩を調製した。
【0405】
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.80(bs、1H)、9.46(bs、1H)、9.04(bs、1H)、8.28(d、J=8Hz、1H)、8.12(d、J=7.6Hz、1H)、7.79−7.68(m、3H)、7.55(m、1H)、7.49−7.44(m、1H)、7.25−7.20(m、2H)、7.09−7
.07(m、2H)、6.99−6.95(m、1H)、6.55(d、J=7.6Hz、1H)、5.28(q、J=6.8Hz、1H)、4.06−4.02(m、1H)、3.14−2.97(m、1H)、2.84−2.77(m、2H)、2.47(s、3H)、1.98−1.96(m、1H)、1.71−1.68(m、3H)、1.64(d、J=6.8Hz、3H)、1.43−1.30(m、3H)、1.21(m、1H)、m/z:496.49
【0406】
実施例−30
メチル2−メチル−5−((3R)−3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ベンゾエート
【0407】
【化72】
【0408】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−9と(3−(メトキシカルボニル)−4−メチルフェニル)ボロン酸を用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z:492.0
【0409】
実施例−31
2−メチル−5−((3R)−3−(3−(((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)安息香酸塩酸塩
【0410】
【化73】
【0411】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、対応する実施例−30を用いることによって、標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、塩酸塩を調製した。
【0412】
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.80(bs、1H)、9.74(bs、1H)、9.16(bs、1H)、8.27(d、J=8.4Hz、1H)、8.02−7.95(m、3H)、7.64−7.7.56(m、4H)、7.25−7.20(m、2H)、7.07(d、J=8Hz、2H)、7.00−6.96(m、1H)、6.57(d、J=7.6Hz、1H)、5.31(q、J=6.8Hz、1H)、4
.08−4.07(m、1H)、2.98(m、1H)、2.81−2.78(m、2H)、2.45(s、3H)、1.98−1.96(m、1H)、1.77−1.75(m、3H)、1.67(d、J=6.8Hz、3H)、1.41−1.23(m、3H)、1.10−1.07(m、1H)、m/z:477.7
【0413】
実施例−32
メチル5−((3S)−3−(3−(((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチルベンゾエート
【0414】
【化74】
【0415】
実施例−1の工程−1〜工程−3に記載されているものと同様の手順に順に従って、中間体−10と(3−(メトキシカルボニル)−4−メチルフェニル)ボロン酸を用いることによって、標記の化合物を調製した。m/z:490
【0416】
実施例−33
5−((3S)−3−(3−(((R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エチル)アミノ)プロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチル安息香酸塩酸塩
【0417】
【化75】
【0418】
実施例−2aに記載されているものと同様のエステル加水分解手順に従って、対応する実施例−32を用いることによって、標記の化合物を調製した。さらに、実施例−2aに記載されているものと同様の塩酸塩手順に従って、塩酸塩を調製した。
【0419】
1H NMR(400MHz、DMSO):δ12.79(bs、1H)、9.51(bs、1H)、9.24(bs、1H)、7.59(m、1H)、7.57−7.54(m、1H)、7.28−7.23(m、3H)、7.11−7.06(m、3H)、7.00−6.96(m、1H)、6.58−6.55(m、1H)、4.35(m、1H)、4.10−4.06(m、1H)、3.85(s、3H)、2.85−2.18(m、2H)、2.67−2.56(m、2H)、2.02−2.00(m、1H)、1.75−1.72(m、3H)、1.57(d、J=6.8Hz、3H)、1.47−1.40(m、1H)、1.36−1.31(m、2H)、1.27−1.23(m、2H)、1.
10−1.02(m、1H)、m/z:476.48
【0420】
同様に、表−3に示されている下記の実施例34〜56も、上記のものと同様の手順に従って調製することができる。
表−3:
【0421】
【表3】
【0422】
【0423】
【0424】
実施例−57a、57b
メチル2−メチル−5−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)ベンゾエート
【0425】
【化76】
【0426】
封管内で窒素雰囲気下、乾燥トルエン(10mL)に懸濁させた中間体−14a(400mg、1.264ミリモル)の懸濁液に、メチル5−ブロモ−2−メチルベンゾエート(347mg、1.517ミリモル)と炭酸セシウム(618mg、1.896ミリモル)を加えた。この反応混合物を10分間、窒素雰囲気下、RTで攪拌した。この反応混合物に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(57.9mg、0.063ミリモル)とビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(64.6mg、0.126ミリモル)を加え、さらに20分間、窒素雰囲気下で攪拌した。この反応混合物を加熱還流し、一晩維持した。反応の終了後、溶媒を除去し、ヘキサン中の20%エチルアセテートを用いることによるフラッシュクロマトグラフィーによって、得られた粗化合物を精製して、異性体−1a(RT−8.61)180mg、異性体−1b(RT−9.72)80mgを得た。m/z−465.1
【0427】
実施例−57a:
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ8.17(d、J=8Hz、1H)、7.88−7.86(m、1H)、7.77−7.74(m、2H)
、7.66−7.63(m、1H)、7.50−7.43(m、3H)、7.27−7.21(m、2H)、7.02(d、J=7.2Hz,1H)、6.93−6.90(m、2H)、6.71−6.64(m、1H)、4.60(m、1H)、3.89(s、3H)、3.83−3.79(m、1H)、3.36−3.31(m、1H)、2.95−2.91(m、1H)、2.73−2.68(m、1H)、2.59−2.53(m、5H)、1.52(d、J=6.8Hz、3H)
【0428】
同様に、実施例−57aに記載されているものと同様の手順に従って、中間体−14bを用いることによって、実施例−57bを調製した。
【0429】
1HNMR(400MHz、DMSO−d
6):δ8.16(d、J=9.2Hz,1H)、7.88−7.86(m、1H)、7.76−7.73(m、2H)、7.63(d、J=7.2Hz,1H)、7.50−7.44(m、5H)、7.25−7.20(m、1H)、7.05(d、J=7.6Hz、1H)、6.93−6.91(m、1H)、6.73−6.64(m、1H)、4.61−4.56(m、1H)、3.87(s、3H)、3.71−3.66(m、1H)、3.50−3.34(m、1H)、3.69−3.62(m、1H)、2.69−2.53(m、6H)、1.62(d、J=6.8Hz、3H)
【0430】
実施例−57a、57bに記載されているものと同様の手順に従って、適切に置換したハロフェニルエステルとともに、対応する中間体14a、14b、16、17、18、23、28、及び29のいずれかを用いることによって、表−4に示されている下記の実施例−58〜68を調製した。
【0431】
実施例−57a、57bに記載されているものと同様の手順に従って、対応する中間体14a、14bのいずれかを用いることによって、表−4に示されている下記の実施例−58、59、及び62を調製した。
【0432】
さらに、キラル分取HPLC法(カラム:CELLULOSE1、250×4.6、5μ、移動相:A:ヘキサン/IPA(95:5%v/v、0.1%DEA)、B=MEOH_ETOH1:1、A:B=95/5%V/V)によって、実施例−60の2つのジアステレオマーを分離した。
【0433】
さらに、キラル分取HPLC法(カラム:CHIRAL PAK IA、250mm×4.6mmI.D.、5μ、移動相:A=n−ヘキサン:IPA(90:10%v/v、0.1%DEA)、B=IPA、A=100%)を用いることによって、実施例−61、64〜66の2つのジアステレオマーを分離した。
【0434】
さらに、キラル分取HPLC法(カラム:CHIRAL IB、250×4.6、5μ、移動相:A=(n−ヘキサン/IPA、90/10、0.1%DEA)、B=IPA、A:B=85/15%V/V)を用いることによって、実施例−67の2つのジアステレオマーを分離した。
【0435】
さらに、キラル分取HPLC法(カラム:CHIRAL CEL OJ−H、250×4.6MM、カラム:移動相:メタノール_0.1%、DEA_90_10%ACN)を用いることによって、実施例−63及び68の2つのジアステレオマーを分離した。
【0436】
表−4:
【0437】
【表4】
【0438】
【0439】
【0440】
実施例−69a、69b
2−メチル−5−(3−((((R)−1−(ナフタレン−1−イル)エチル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)安息香酸塩酸塩
【0441】
【化77】
【0442】
テトラヒドロフラン(5mL)、水(1mL)、MeOH(2mL)中の実施例−57a(180mg、0.387ミリモル)の混合物に、LiOH(46.4mg、1.937ミリモル)を加えた。この反応混合物を80℃まで加熱し、5時間維持した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応の終了後、混合物を真空留去した。この反応混合物を0℃まで冷却し、希HCl溶液で酸性化した[pH=3〜4]。生成物をエチルアセテートで抽出し、有機層を水で洗浄してから、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、真空濃縮して、固体化合物を得た。この遊離塩基化合物に、エーテル性HCl(2mL)を加え、10分間攪拌した。溶媒を除去して、固体物質を得てから、n−ペンタン(2mL)で洗浄し、真空乾燥して、実施例−69aの所望の化合物(90mg、収率51.6%)を得た。
【0443】
m/z−450.7、
1HNMR(400MHz、DMSO−d
6):δ12.9(bs、1H)、9.78(bs、1H)、9.30(bs、1H)、8.16(d、J=9.2Hz,1H)、8.0−7.96(m、3H)、7.62−7.56(m、4H)、7.29−7.24(m、2H)、7.00(d、J=6.8Hz,1H)、6.91−6.87(m、1H)、6.68−6.64(m、1H)、6.53(d、J=8.4Hz、1H)、5.36−5.31(m、1H)、4.61−4.56(m、1H)、3.71−3.66(m、1H)、3.50−3.34(m、1H)、3.62−2.96(m、1H)、2.69−2.53(m、6H)、1.62(d、J=6.8Hz、3H)
【0444】
同様に、実施例−57bを用いることによって、上記と同様の手順に従って、実施例−69bを調製した。
【0445】
m/z−450.7、
1HNMR(400MHz、DMSO−d
6):δ13.0(bs、1H)、10.05(bs、1H)、9.29(bs、1H)、8.20(d、J=8.4Hz、1H)、8.03−7.95(m、3H)、7.63−7.56(m、4H)、7.31−7.24(m、2H)、6.98(d、J=6.8Hz 1H)、6.89−6.85(m、1H)、6.66−6.62(m、1H)、6.49(d、J=8.4Hz,1H)、5.34−5.31(m、1H)、3.86−3.83(m、1H)、3.40−3.29(m、4H)、3.16−3.01(m、1H)、2.96−2.93(m、1H)、2.83−2.80(m、1H)、2.67−2.61(m、2H)、1.69(d、J=6.8Hz、3H)
【0446】
実施例−69aに記載されているものと同様の手順に従って、表−5に示されている下記の実施例−70〜80を調製した。同様に、実施例−69aで言及されているものと同様の手順に従って、塩酸塩を調製した。
【0447】
表−5:
【0448】
【表5】
【0449】
【0450】
【0451】
【0452】
【0453】
【0454】
【0455】
【0456】
【0457】
【0458】
【0459】
【0460】
【0461】
【0462】
【0463】
【0464】
インビトロでの薬理学的活性
下記の手順に従って、本発明の範囲内の特定の実例的化合物のCaSR活性についてスクリーニングする。上記の化合物のスクリーニングは、当業者に知られている他の方法及び手順によって行ってもよい。
【0465】
カルシウム感知受容体(CaSR)の調節による、カルシウム受容体作動薬のインビトロアッセイ法
【0466】
細胞内カルシウム[Ca
2+]
iの増加を測定することによって、上記の化合物がカルシウム感知受容体を調節する能力を割り出す。安定的にトランスフェクションされたHEK293細胞であって、hCaSR_pTriEx−3 hygroベクターを発現する細胞を樹立する。96ウェルプレートにて、20%FBSを含むハムF12倍地で、37℃、5%のCO
2にて、細胞を一晩、80%コンフルエントまで増殖させる。続いて、126mMのNaCl
2、1mMのMgCl
2、及び4mMのKClを含む20mMのHEPES緩衝液で細胞を広範囲に洗浄して、アッセイの妨げとなる場合のある血清成分を除去する。細胞内カルシウムの変化を測定するために、0.1%のBSAと1mg/mlのグルコースを含むHEPESベース緩衝液中で、カルシウムを検出する色素Fluo4NWを細胞に30分注入する。FLIPRにて、20mMのHEPESベース緩衝液中で、0.3mMのCaCl
2を用いて、化合物の活性を測定する。8点アッセイにおけるその化合物のEC
50応答を計算することによって、その化合物が受容体活性を調節する有効性を割り出し、GraphPad Prism 5を用いてプロットする。
【0467】
上記のアッセイ手順を用いて、調製した化合物を試験した。得られた結果は後述されている。いくつかの代表的な化合物のEC
50(nM)の値は表−6に示されている。
【0468】
代表的な化合物のインビトロでの活性データは表−6に示されている。
【0469】
表−6:
【0470】
【表6】
【0471】
したがって、上記のインビトロアッセイ法により、本発明の化合物が、CaSRに対するアゴニスト活性を示したこと分かった旨が示されており、これにより、CaSRの調節に関連する疾患、障害を治療する有用性が示されている。
【0472】
CKDウィスターラットにおけるインビボ活性:
慢性腎臓疾患(CKD)を発症させるために、ラットに0.75%アデニン飼料を28日間与えた。28日目に血漿中PTHを測定後、ラットを試験に用いる前に、血漿中PTH(インタクトPTH)レベルに基づき、ラットを無作為化した。一晩絶食させたラット
の後眼窩から採血し、基礎血液サンプル(0.5ml)を採取した。ビヒクルと試験化合物(PEG300:PG:Captisol(20:15:65)で調合)をラットに経口投与した。グループ当たり6〜8頭のラットを用い、本発明の化合物を1mg/kgの用量で投与した。経口投与から2時間後に、ラットに飼料と水を自由に摂取させた。治療後、血漿中PTHの評価のために、様々な時点に、血液サンプルを後眼窩採血によって、エーテル軽麻酔下で採取した。サンドイッチELISAキット(Immunotopics、米国)を用いて、血漿中PTHを測定した。下記の式を用いることによって、個々の未処置基礎値に対する血漿中PTHの抑制率を計算した。
【0473】
【数1】
【0474】
上記のインビボ法により、本発明の化合物が、血漿中PTHレベルの抑制を示したこと分かった旨が示されており、これにより、CaSRの調節に関連する疾患、障害を治療する有用性が示されている。
前記カルシウム感知受容体(CaSR)の調節に関連する疾患、障害、症候群、又は病態が、副甲状腺機能亢進症、慢性腎不全(透析の有無は問わない)、慢性腎臓疾患(透析の有無は問わない)、及びそれらの合併症から選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
前記CaSR受容体の調節に関連する前記疾患、障害、症候群、又は病態が、副甲状腺腺腫、副甲状腺過形成、副甲状腺癌、血管石灰化、弁石灰化、カルシウムホメオスタシス異常、高カルシウム血症、リンホメオスタシス異常、低リン血症、副甲状腺機能亢進症、慢性腎臓疾患、又は副甲状腺癌に起因する骨関連疾患又は合併症、腎移植後の骨量減少、嚢胞性線維性骨炎、無形成骨症、腎性骨症、副甲状腺機能亢進症又は慢性腎臓疾患に起因する心血管合併症、(Ca2+)eイオンが異常に高い特定の悪性疾患、心機能不全、腎機能不全、腸機能不全、有足細胞関連疾患、腸運動異常、下痢からなる群から選択され、ガストリン又は胃酸の分泌を増加させて、萎縮性胃炎において直接的又は間接的な効果をもたらすか、又は、胃液酸度の上昇により、胃腸管からの薬理化合物、医薬、又は助剤の吸収を増大させる、請求項12に記載の医薬組成物。
は、置換又は非置換アリールであり、そのアリールは、置換若しくは非置換フェニル、又は置換若しくは非置換ナフチルであり、その置換基は、ハロゲン、又は置換若しくは非置換アルコキシであり、
(メトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(703mg、2.296ミリモル)をTHF(5mL)に溶解させた。この溶液を−30℃まで15分間冷却し、THF(5mL)に溶解させたカリウムtブトキシド(322mg、2.87ミリモル)を加えた。この溶液を30分間攪拌したところ、ワインレッド色の溶液が観察された。THF(5mL)中の中間体−20(500mg、1.913ミリモル)をこの反応混合物に加えた。この溶液を2時間、同じ温度で攪拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応の終了後、水(5mL)を加え、生成物をエチルアセテートで抽出してから(10mL×3)、水(10mL)と食塩水(10mL)で
した。有機溶媒を減圧下で蒸発させた。さらにこれをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5%エチルアセテート)によって精製して、(E)−t−ブチル3−(2−メトキシビニル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキシレート(225mg、収率40.6%)を得た。m/z−312.1(Na