特表2015-528595(P2015-528595A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-528595複数の施設における複数の損失リスク管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-528595(P2015-528595A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(54)【発明の名称】複数の施設における複数の損失リスク管理
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20150901BHJP
【FI】
   G06Q40/06 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-526520(P2015-526520)
(86)(22)【出願日】2013年3月7日
(85)【翻訳文提出日】2015年3月31日
(86)【国際出願番号】US2013029622
(87)【国際公開番号】WO2014025389
(87)【国際公開日】20140213
(31)【優先権主張番号】61/680,163
(32)【優先日】2012年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】506361856
【氏名又は名称】シーエフピーエイチ, エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】フェラン,ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ラブレス,ジェイコブ
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB56
(57)【要約】
いくつかの実施形態は、様々なリスク施設にわたり損失のリスクを管理することに関し得る。例えば中央システムは、複数の取引所にわたる事業体による取引損失および利益を監視し得る。損失と利益との差が何からの閾値量を越えると、取引所における取引は停止され得る。他の法例および装置も説明される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の取引事業体の取引活動の報告を複数の取引施設から受け取ることと、
前記取引活動の報告に基づいて一定期間にわたる前記取引事業体の損失を計算することと、
前記損失を準リアルタイムで前記複数の取引施設に報告することと、
を実行するよう構成されたリスクマネージャと、
前記取引事業体の報告された損失の量と、前記取引事業体に対して許可された損失の閾値量と、を比較することであって、許可される損失の前記閾値量は1つまたは複数の担保保有事業体により保有される前記取引事業体からの担保の量に基づく、比較することと、
前記報告された損失の量が前記損失の閾値量を越えたとき、前記取引事業体による取引を停止することと、
を実行するよう構成された、前記複数の取引施設のうちの1つの取引施設と、
を含む装置。
【請求項2】
前記取引事業体は高頻度アルゴリズムトレーダーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記閾値は、より大きい損失がより長い時間量にわたり許可されるよう、異なる量の時間をカバーする複数の閾値を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記取引事業体はマーケットメーカーを含み、前記1つまたは複数の担保保有事業体は手形交換所を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記取引施設は、前記複数の担保保有事業体のうちの1つの担保保有事業体が、前記取引事業体に代わって保有する担保を増加したという指摘を受け取り、それに応答して、前記事業体による取引を再び許可するよう構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
金融商品に対する注文間のマッチングを決定し、前記マッチングに基づいて取引を支援することと、
複数の取引事業体の取引活動を、前記取引施設を通してリスクマネージャに報告することと、
前記取引施設において、および複数の他の取引施設において、取引を通して生じる、前記複数の取引事業体のそれぞれの損失の報告を受け取ることと、
前記複数の取引事業体のうちの1つの取引事業体の報告された損失の量と、前記取引事業体に対して許可された損失の閾値量とを比較することであって、前記許可された損失の閾値量は1つまたは複数の担保保有事業体により保有される前記取引事業体からの担保の量に基づく、比較することと、
前記報告された損失の量が前記損失の閾値量を越えたとき、前記取引事業体による取引を停止することと、
を実行するよう構成された取引施設、
を含む装置。
【請求項7】
前記取引施設は、前記1つまたは複数の担保保有事業体に対する前記取引施設に代わって保有される担保の報告を受け取ることと、前記量に基づいて前記閾値を計算することとを実行するようさらに構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
プロセッサと、
複数の命令が格納された機械可読媒体であって、前記複数の命令は、前記プロセッサにより実行されたとき計算装置に、
複数の取引事業体の取引活動の報告を複数の取引施設から受け取ることと、
前記取引活動の報告に基づいて一定期間にわたる前記取引事業体の損失を計算することと、
前記損失を準リアルタイムで前記複数の取引施設に報告することであって、前記複数の取引施設のうちの1つの取引施設は、取引事業体の報告された損失の量と、前記取引事業体に対して許可された損失の閾値量とを比較することであって、前記許可された損失の閾値量は1つまたは複数の担保保有事業体により保有される前記取引事業体からの担保の量に基づく、比較することと、前記報告された損失の量が前記損失の閾値量を越えたとき前記取引事業体による取引を停止することと、を実行するよう構成された、報告することと、
を実行させる、機械可読媒体と、
を含む、計算装置。
【請求項9】
前記取引事業体は高頻度アルゴリズムトレーダーを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記閾値は、より大きい損失がより長い時間量にわたり許可されるよう、異なる量の時間をカバーする複数の閾値を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記取引事業体はマーケットメーカーを含み、前記1つまたは複数の担保保有事業体は手形交換所を含む、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2012年8月6日に出願された米国仮特許出願第61/680,163号の優先権を主張し、同特許出願は参照することにより本願に組み込まれる。
【0002】
いくつかの実施形態は損失に関連するリスクの管理に関し得る。
【背景技術】
【0003】
事業体は(例えば有価証券などの金融商品の購入により証券取引所を通して)資金をリスクにさらし得る。係るリスクにより、(例えば購入時よりも低い価格で有価証券を売ることにより)時間の経過のうちに事業体に損失をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、背景技術の課題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下は実施形態であって、請求項ではないことを理解すべきである。
【0006】
A.複数の取引事業体の取引活動の報告を複数の取引施設から受け取ること、取引活動の報告に基づいて一定期間にわたる取引事業体の損失を計算すること、および損失を準リアルタイムで複数の取引施設に報告すること、を実行するよう構成されたリスクマネージャと、取引事業体の報告された損失の量と、取引事業体に対して許可された損失の閾値量と、を比較することであって、許可される損失の閾値量は1つまたは複数の担保保有事業体により保有される取引事業体からの担保の量に基づく、比較すること、および報告された損失の量が損失の閾値量を越えたとき、取引事業体による取引を停止すること、を実行するよう構成された、複数の取引施設のうちの1つの取引施設と、を含む装置。
【0007】
取引事業体は高頻度アルゴリズムトレーダーを含む、請求項Aに記載の装置。時間をカバーする複数の閾値を含む、請求項Aに記載の装置。取引事業体はマーケットメーカーを含み、1つまたは複数の担保保有事業体は手形交換所を含む、請求項Aに記載の装置。取引施設は、複数の担保保有事業体のうちの1つの担保保有事業体が、取引事業体に代わって保有する担保を増加したという指摘を受け取り、それに応答して、事業体による取引を再び許可するよう構成された、請求項Aに記載の装置。
【0008】
B.金融商品に対する注文間のマッチングを決定し、マッチングに基づいて取引を支援すること、複数の取引事業体の取引活動を、取引施設を通してリスクマネージャに報告すること、取引施設において、および複数の他の取引施設において、取引を通して生じる、複数の取引事業体のそれぞれの損失の報告を受け取ること、複数の取引事業体のうちの1つの取引事業体の報告された損失の量と、取引事業体に対して許可された損失の閾値量と、を比較することであって、許可された損失の閾値量は1つまたは複数の担保保有事業体により保有される取引事業体からの担保の量に基づく、比較すること、および報告された損失の量が損失の閾値量を越えたとき、取引事業体による取引を停止すること、を実行するよう構成された取引施設を含む装置。
【0009】
取引施設は、1つまたは複数の担保保有事業体に対する取引施設に代わって保有される担保の報告を受け取ることと、その量に基づいて閾値を計算することと、を実行するようさらに構成された、請求項Bに記載の装置。
【0010】
C.プロセッサと、複数の命令が格納された機械可読媒体であって、複数の命令は、プロセッサにより実行されたとき計算装置に、複数の取引事業体の取引活動の報告を複数の取引施設から受け取ること、取引活動の報告に基づいて一定期間にわたる取引事業体の損失を計算すること、および損失を準リアルタイムで複数の取引施設に報告することであって、複数の取引施設のうちの1つの取引施設は、取引事業体の報告された損失の量と、取引事業体に対して許可された損失の閾値量と、を比較することであって、許可された損失の閾値量は1つまたは複数の担保保有事業体により保有される取引事業体からの担保の量に基づく、比較することと、報告された損失の量が損失の閾値量を越えたとき取引事業体による取引を停止することと、を実行するよう構成された、報告すること、を実行させる、機械可読媒体と、を含む、計算装置。
【0011】
取引事業体は高頻度アルゴリズムトレーダーを含む、請求項Cに記載の装置。閾値は、より大きい損失がより長い時間量にわたり許可されるよう、異なる量の時間をカバーする複数の閾値を含む、請求項Cに記載の装置。取引事業体はマーケットメーカーを含み、1つまたは複数の担保保有事業体は手形交換所を含む、請求項Cに記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】いくつかの実施形態で使用され得るシステム例を示す図である。
図2】いくつかの実施形態で実行され得る方法例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
I.実施形態例
取引事業体に対する損失は、当該取引事業体がその取引責任の一部を満足することが不可能になるというリスクに当該取引事業体をさらし得る。係るリスクは、アルゴリズムにおける誤動作により1つの取引事業体が極めて急速に大量の損失を蓄積し大量の取引を行うこととなり得る高頻度アルゴリズム取引の時代では、増大し得る。リスク管理ソリューションは、取引事業体がより多量の取引責任を受け入れる一方で、多大な損失を被ることを防止するために、取引事業体の取引活動を監視し得る。
【0014】
図1は、損失リスク管理を支援するために協働し得る1組の事業体の例を図示する。図1は取引事業体101と、3つの担保保有事業体103a〜cと、2つの取引施設105aおよび105bと、リスクマネージャ107と、を図示する。これらの事業体は、取引活動(例えば、株、エクイティ、債券、デット、スワップ、先渡、デリバティブ、有価証券、金融商品、および所望によるその他の取引)を可能にするために、協働し得る。これらの事業体は、より広いマーケットが、マーケットメーカーおよび/またはマーケットにおける他の(主要な)取引参加者の失敗のリスクにさらされないよう、取引事業体による損失リスクの管理を可能とするために協働し得る。
【0015】
取引事業体101は、マーケットにおいて1つまたは複数の金融商品に対して取引を行う事業体を含み得る。取引事業体は、1つまたは複数の取引施設にわたって操業する1つまたは複数の有価証券におけるマーケットメーカーを含み得る。取引事業体は、1つまたは複数の取引施設を通して取引活動を行い得るヘッジファンドを含み得る。取引事業体は、1つまたは複数の取引施設を通して取引活動を行い得る高頻度取引者を含み得る。取引事業体は任意個数の取引施設における任意の所望の参加者(例えば、ブローカー、ディーラー、マーケットメーカー、個人、事務所、ヘッジファンド、相互ファンド、バイサイド参加者、セルサイド参加者、高頻度取引者、低頻度取引、電子取引システム、ヒューマントレーダー、その他)を含み得る。
【0016】
取引事業体は1つまたは複数の計算装置を含み得る。係る計算装置は、担保情報のプロセス、資金の受領および/または移動、取引情報のプロセス、通信ネットワークを通しての通信、取引注文の指示、および/または任意の所望の活動を実行するよう構成され得る。
【0017】
担保保有事業体は、取引事業体101に代わって担保を保有し得る任意の事業体を含み得る。例えば図示の事例では、取引事業体101は3つの別個の担保保有事業体を使用し得る。1つの事例では、取引事業体101がマーケットメーカーである場合、これらの担保保有事業体は1つまたは複数の取引所からの取引を決済/精算するために使用される手形交換所を含み得る。他の事例では、取引事業体101がヘッジファンドである場合、これらの担保保有事業体はヘッジファンドにより使用される主要ブローカーを含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の担保保有事業体(例えば103a〜103c)は、取引事業体に代わって取引の何らかの局面を担当する。例えば担保保有事業体は、取引事業体に代わって取引所で注文を行い得る。他の事例として、担保保有事業体は取引事業体に代わって取引の決済を行い得る。取引事業体および担保保有事業体はネットワークを通して互いに通信し得る。例えば取引事業体は、担保保有事業体が当該取引事業体に代わって特定の取引活動を行うことを、通信ネットワーク(例えばインターネット)を通して指定し得る。他の事例として、担保保有事業体は取引完了、精算、その他に関する情報を係る通信ネットワークを通して取引事業体に伝達し得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、取引事業体は担保保有事業体に資金を提供(すなわち担保を提供)し得る。係る資金は、任意の所望の様式(例えば、電子資金振替システム、電信送金、現金、有価証券の形態、その他)で提供され得る。担保保有事業体は、取引事業体が、1つまたは複数の取引施設を通して金融商品を売買するためにこれらの資金にレバレッジを効かせることを可能にし得る。取引事業体は、当該取引事業体に代わって1つまたは複数の取引活動を行うよう担保保有事業体に対して指示し得る。例えば取引事業体(例えばヘッジファンド)は、取引事業体の所望により金融商品を売買することを担保保有事業体(例えば主要ブローカー)に指示し得る。担保保有事業体は係る取引を行うために取引施設と通信し得る。
【0020】
担保保有事業体は取引施設に対して特定的であり得る。図示のように、担保保有事業体103aは取引施設105aに対して特定的であり、担保保有事業体103cは取引施設105bに対して特定的であるが、担保保有事業体103bは取引施設105aおよび105bの両方に対応する。取引事業体は、所望による任意個数の取引施設における取引を支援し得るかまたは支援し得ない任意の所望の機能を有する、任意個数のまたは任意の組み合わせの担保保有事業体を使用し得る。
【0021】
担保保有事業体は1つまたは複数の計算装置を含み得る。係る計算装置は、担保情報のプロセス、資金の受領および/または移動、取引情報のプロセス、通信ネットワークを通しての通信、取引注文の指示、および/または任意の所望の活動を実行するよう構成され得る。
【0022】
担保保有事業体が多くの異なる実施形態では多くの異なる形態を取り得ることを認識すべきである。いくつかの実施形態では係る担保保有事業体は、取引事業体に関連する取引活動には従事しない場合もある。例えば担保保有事業体は単に資金が保有される銀行であり得、取引事業体が取引施設と直接的に取引活動を行い得る。
【0023】
取引施設105aおよび105bは、金融商品が取引され得る施設を含み得る。取引施設は、代替取引システム、取引所、電子マーケット、および/または任意の所望の施設を含み得る。取引施設は、受注、情報を決済するプロセス、注文のマッチング、所有権の移動、取引の支援、および/または任意の所望の活動を実行するよう構成された1つまたは複数の計算装置を含み得る。取引施設は売買注文を受け取り、取引を形成するためにこれらの注文をマッチングし得る。取引施設は、マッチングを見出した後に取引の精算/決済を行うために手形交換所(例えば担保保有事業体および/または他の事業体のうちの1つ)を使用し得る。取引施設は、取引事業体から直接的に、および/または担保保有事業体を通して、注文を受け取り得る。例えば取引所は、同一の有価証券に対する売買注文をマーケットメーカーから受け得る。取引所は、これらの注文のうちの1つまたは複数に対するマッチングを見出し、そのマッチングにおいて具体化された取引の決済のためにそのマッチングを手形交換所に伝達し得る。他の事例として取引施設は、幾人かの投資家の代理となる1人または複数人のブローカーから任意個数の金融商品に対する売買注文を受け得る。取引所はこれらの注文のうちのいくつかに対するマッチングを見出し、これらのマッチングに応答して取引を支援し得る。
【0024】
取引施設は取引イベントをリスクマネージャ107に(例えば通信ネットワークを通して)報告し得る。いくつかの実施形態では特定種類の取引および/または取引事業体は、それらの取引をリスクマネージャ107に報告し得る。報告は、取引事業体、取引事業体が位置する取引のサイド、取引の価格、取引される金融商品、金融商品の量、および/または取引活動による利益および/または損失を追跡するために使用され得る任意の情報を指定し得る。例えばマーケットメーカー、ヘッジファンド、相互ファンド、高頻度参加者、大規模事業体などが、それぞれの取引の報告を受け得る。いくつかの実施形態では、全部の事業体が取引についての報告を受け取り得る。いくつかの実施形態では、取引事業体は、取引について報告されるよう選択し得る。いくつかの実施形態では、取引施設は係る報告を作成するよう選択し得る。いくつかの実施形態では、取引施設は全部のおよび/または特定の取引活動に関する係る報告を作成することを要求され得る。いくつかの実施形態では、取引施設よりもむしろ、いくつかの他の事業体(例えば担保保有事業体および/または取引事業体)が係る報告を作成し得る。
【0025】
リスクマネージャ107は、取引事業体に関連するリスクに関する情報の判定、リスク報告の受容、取引活動の監視、情報の伝達、通信ネットワークを通しての通信、および/または任意の所望の活動、を実行するよう構成された計算装置を含み得る。リスクマネージャは取引施設から取引報告を受け得る。例えばリスクマネージャは、取引事業体に対する取引施設での売買活動に関する報告を受け得る。リスクマネージャは(例えば、ローリングトータルとして継続して開始日その他から、時間的期間にわたり、時間的期間に対して、特定の日に対して、特定の月間に対して)係る取引事業体に対する取引活動による利益および損失を計算するために係る情報を使用し得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、複数の取引施設(例えば公共の取引所)が係る取引活動をリスクマネージャに報告し得る。いくつかの実施形態では、取引事業体が係る活動をリスクマネージャに報告し得る(例えば係る報告を行うことを選択し得るかまたは、係る報告を行うことを要求され得る、など)。係る直接報告が、取引施設からの報告に代わって行われ得る。係る直接報告は取引施設からの係る報告に追加され得る(例えば、普通なら報告されることがない個人的交換などに関する活動に対して)。
【0027】
取引活動の報告例は単に非限定的な例として挙げられたものであり、リスクマネージャは様々な実施形態においてリスク関連情報を任意の情報源から任意の様式で取得し得ることを認識すべきである。
【0028】
いくつかの実施形態では、リスクマネージャは、複数の監視対象取引事業体のそれぞれに対する利益および/または損失を算出するために、この情報を使用し得る。例えば報告は、いくつかのIBM株を第1価格で買った後、当該株を第2価格で売った(例えば同一の取引施設または異なる取引施設で)ことを示し得る。リスクマネージャは、これらの取引を通して取引事業体により獲得または損失された金額量を決定するために、これらの取引をマッチングさせ得る。FIFO、LIFO、比例配分、および/または所望により利益または損失を判定するための任意の方法を用いて、複数の取引が互いにマッチングされ得る。いくつかの実施形態では、特定の時間的期間にわたり、および/または何らかの開始日から、取引事業体がなした利益または損失を決定するために、時間的経過に伴う利益が時間的経過に伴う損失により相殺され得る。他の実施形態では、係る相殺は行われず、利益を相殺することに対して独立的な稼働中の全損が保持され得る。複数の金融商品(例えば、すべての金融商品、すべての公的に取引される商品、すべての報告される商品、その他など)に関する係る利益および/または損失は、これらの商品に関与する取引事業体に対する利益総額および/または損失総額を決定するために、監視/決定され得る。
【0029】
リスクマネージャは係る利益および/または損失を取引施設に報告し得る。したがって取引施設は、その取引参加者の全部または一部のリアルタイムおよび/または準リアルタイムでの利益および/または損失を知り得る。取引および/または利益/損失の報告は、係る報告が公開情報とならず、むしろリスク管理のための私用ツールとなるよう、暗号化され得る。
【0030】
取引施設は、取引事業体が取引を継続することを許可するかどうかを、当該取引事業体の利益および/または損失に基づいて決定し得る。例えば損失が何らかの閾値を越えると、取引施設は、当該取引事業体による取引を停止すること、および/または取引施設を通して取引を継続する前に何らかの活動を取るよう当該取引事業体に要求すること、を実行し得る。いくつかの実施形態では、係る停止は、1つの金融商品(例えば損失が閾値を越えた金融商品)に対して特定的である場合もあり、および/または金融商品全部にわたり広範に行われる場合もある。
【0031】
閾値は、多くの異なる方法で取引事業体に対して決定され得る。例えば、閾値は、取引施設の信用度に基づいてもよく、および/または、取引事業体が担保保有事業体により一括して保有される担保の量に基づいてもよい。取引施設は信用度情報(例えば焦点的報告、信用格付け、会社情報、その他)を受け取り、担保情報を(例えば1つまたは複数の担保保有事業体から)受け取り、その情報を取引事業体に対する閾値を決定するために使用し得る。取引施設は、合計担保を獲得するために複数の担保保有事業体からの担保を合計し、当該情報を、閾値を決定するために使用し得る。例えば閾値は低信用度事業体に対しては担保の10%を、高信用度事業体に対しては110%を、任意の事業体に対しては10%〜110%の範囲内/110%以上/10%未満の任意の値を、含み得る。閾値例、および係る閾値を判定するための方法が、単に非限定的な例であることを認識すべきである。いくつかの実施形態では、係る信用度は使用されず、むしろ各取引事業体または取引事業体タイプに対して一定のパーセンテージが提供されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態は、様々な時間ベースの閾値を含み得る。例えば損失に対する極めて急速な増加は、損失における長期的な増加とは異なる方法で対処され得る。損失における極めて急速な増加は、詐欺師トレーダーまたは不良取引アルゴリズムを示し得る。したがって低閾値は、より長期的な損失傾向に対するよりも、使用され得る。したがって、いくつかの実施形態は、様々な時間的期間で取引損失を監視し、これらの時間的期間を異なる閾値に関連付ける。
【0033】
閾値は、時間および損失がリスクを管理するために望ましい何らかの様式で関連付けられるよう、時間の経過とともに増加する損失のスライド型閾値、時間の経過とともに増加する別個のセットの閾値、その他を含み得る。したがっていくつかの実施形態では、閾値違反に対する回復は、(例えば現時点から時間的期間内の損失が当該時間的期間に対する閾値を越えないよう)単に閾値時間制限が終わるまで待つことを含み得る。いくつかの実施形態では、任意の閾値が違反されると、係る時間的期間が使用される場合であったとしても単に時間的期間が終わることを待つよりも、担保調節が必要となり得る。
【0034】
いくつかの実施形態は取引事業体がリスク閾値の違反を回復することを許可する。例えば取引事業体は、1つまたは複数の担保保有事業体を通して利用可能となる担保を増加すること(例えば銀行口座から担保口座へと電信送金により送金すること)により、閾値違反を回復し得る。係る担保保有事業体はその変化を取引施設および/またはリスクマネージャに報告し得る。取引施設は、損失量に応答して、任意の担保保有事業体における報告された変化に応答して、ランダムに、継続的に、その他の方法で、周期的に担保レベルを確認し得る。利用可能な担保が増加して閾値違反が解消されたことに取引施設が満足したとき、取引施設は取引事業体が再び取引を行うことを許可し得る。取引施設および/またはリスクマネージャは、将来生じ得る閾値違反に対して事業体の監視を継続し、係る閾値違反が生じたとき、さらなる回復を許可し得る。
【0035】
1つまたは複数の要素が1つまたは複数のネットワークにより接続され得る。例えば1つまたは複数の事業体がインターネット、専用ネットワーク、公開ネットワーク、などを使用して通信し得る。報告は係るネットワークを使用して事業体間で通信され得る。
【0036】
したがってリスク管理ソリューションは、逃亡アルゴリズムトレーダーが、当該トレーダーにより遂行され得ない義務を負うことを防止し得る。
【0037】
図1の構造が単に非限定的な例として与えられたものであることを認識すべきである。任意の組み合わされた構造における任意の所望のセットの事業体が損失からのリスクを管理するために使用され得る。例えば、取引事業体自体が直接的に取引施設を通して取引を行い、担保自体を保持し得る。他の事例として、リスクマネージャを通すよりもむしろ、取引施設自体が他の取引所にわたる利益および損失を監視し得る。いくつかの実施形態について、何らかのリスク関連活動を実行する取引施設であり、リスクマネージャが別個の事業体であるものとして説明してきたが、係る事例は非限定的であることを認識すべきである。例えば、リスクマネージャは取引活動を停止または許可するよう取引施設を制御し得、リスクマネージャは取引施設の一部であり得、取引施設は担保情報をリスクマネージャに報告し得、取引施設は、停止が回復される前にリスクマネージャからの取引を可能にするためのコマンドを受け取ることを要求され得、および/または、ここで説明したこれらのうちの一部もしくは全部を含むか、またはいずれも含まない要素の任意の所望の組み合わせまたは構成が使用され得る。
【0038】
図2は、いくつかの実施形態で実行され得る方法例を示す。いくつかの実施形態では、図2の方法は図1のリスクマネージャ107により実行され得る。他の実施形態では係る方法の一部または全部は、取引施設、担保保有事業体、および/または取引事業体により実行され得る。
【0039】
ブロック201で示すように、いくつかの実施形態は複数の取引施設から複数の取引活動の報告を受け取ることを含み得る。取引所は係る情報をリスクマネージャに準リアルタイムで報告し得る。係る情報は、暗号化されたフォーマットで通信ネットワークを通して報告され得る。
【0040】
ブロック203で示すように、いくつかの実施形態は取引活動の報告に基づいて一定期間にわたる取引事業体の利益および/または損失を計算することを含み得る。各取引事業体に対してリスクマネージャは、取引事業体に対して利益または損失を生じさせる相殺取引を計算し得る。係る取引は互いに異なる取引所で行われ得る(例えば株を1つの取引所で買い、異なる取引所で当該株を後に売ることは、当該株からの損失または利益を決定するために使用され得る)。各取引事業体に対してリスクマネージャは、一定期間にわたる稼働中の利益または損失の量を準リアルタイムで決定するために係る利益および損失を合計し得る。いくつかの実施形態は、継続中の利益または損失の量を含み得る。いくつかの実施形態は、特定の時間的期間(例えば直近の1時間、直近の1分、直近の10分、直近の30秒、直近の1日、直近の1週間、直近の1ヶ月、その他)に対する利益または損失を含み得る。
【0041】
ブロック205で示すように、いくつかの実施形態は、利益および/または損失を複数の取引施設に準リアルタイムで報告することを含み得る。係る情報は、暗号化されたフォーマットで通信ネットワークを通して準リアルタイムで報告され得る。係る報告は、取引施設がその参加者の取引損失リスクを監視することを可能にし得る。取引所は、監視対象の特定的事業体に対して特定的な閾値を損失が越えた場合に、取引を停止するために当該情報を使用し得る。
【0042】
図2の事例が単に非限定的な例として与えられたものであることを認識すべきである。他の実施形態は、任意の事業体により実行される任意の順序における任意の活動を含み得る。
【0043】
取引事業体が参照される場合、係る事業体が、それらが1つの事業体として取り扱われることを可能にする法的関連を有する2つ以上の事業体を含み得ることを認識すべきである。同様に、単一の事業体は所望により実際に異なる事業体として取り扱われ得る。例えば、高頻度取引者は1セットのアルゴリズムを使用して取引を行い得、各アルゴリズムが異なる事業体として取り扱われてもよい(または全部が単一の事業体として取り扱われてもよい)。
【0044】
いくつかの実施形態では、担保報告は、取引施設に対するよりもむしろ、および/または、取引施設に加えて、リスクマネージャに対してなされ得る。いくつかの実施形態では、リスクマネージャは、取引施設よりもむしろ取引を停止するための活動を実行し得る。例えばリスクマネージャは、取引事業体による閾値違反により当該取引事業体からの取引を受け入れないよう取引施設に対して指示を与え得る。係る実施形態では取引施設はリスクマネージャに対してリスク管理機能を負担軽減し得る。例えばリスクマネージャは、閾値を決定してもよく、または取引の停止を命令するために取引施設により指定された閾値を使用してもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、取引を停止することに関して説明して来たが、係る活動は単に非限定的な事例として与えられたものであることを認識すべきである。例えばいくつかの実施形態は、特定種類の取引(例えば大規模取引、購入取引、特定の金融商品または特定種類の金融商品における取引、その他)のみを停止し得る。いくつかの実施形態では、特定の取引が特定の閾値に対して停止される(例えば第1閾値は大規模取引を停止させ得、第2閾値は全部の取引を停止し得る)よう、複数の閾値が存在し得る。したがって事業体がリスク監視を受ける一方で、当該事業体は取引を継続し得る。これにより、マーケットに対するリスクを最小化する一方で完全停止を回避する能力を事業体が有することが可能となり得る。
【0046】
取引事業体は、監視および/または停止の状態について通知され得る。いくつかの実施形態は、取引事業体が違反および/または将来起こり得る違反について知ることにより、事業体が違反を防止および/または回復し得るよう、閾値情報を取引事業体に報告することを含み得る。例えば取引施設は、取引事業体が閾値に対して90%の状態であり、停止を防止するために対策を講じるべきであることを認識し得る。
【0047】
様々な実施形態が取引所または従来取引施設に関連して説明されてきたが、係る実施形態は単に非限定的な事例であることを認識すべきである。例えば、係るシステムは賭博取引所または他の賭博環境において特定の賭博者または賭博取引者の損失を監視するために使用され得る。例えば賭博者が賭博に負けることにより過剰な損失を負うと、賭博者は賭博を行うために利用可能な担保を増加するよう要求され得る。他の事例では、賭博交換所を通して賭博を取引するゲームオペレータが、多すぎる賭博を損失した(または賭博の取引において取引損失を負った)場合、ゲームオペレータは、さらなる賭博取引を行う前に担保を増加するよう要求され得る。
【0048】
様々な実施形態が、任意の取引所環境、資金が将来の何らかの事象によりリスクにさらされる任意の環境、などに適用され得ることをさらに認識すべきである。
【0049】
以下の章は、本願を解釈する上での案内を提供する。
【0050】
II.用語
「製品」という用語は、特記なき限り、任意の機械、製造者、および/または物質組成を意味する。
【0051】
「プロセス」という用語は、特記なき限り、任意のプロセス、アルゴリズム、方法、その他を意味する。
【0052】
各プロセス(方法、アルゴリズム、その他と呼称される場合にも)は1つまたは複数のステップを本質的に含み、したがって「ステップ(単数または複数)」を参照することは、「プロセス」およびその他の用語を単に記載する際、本質的に先行詞の記載を有する。したがって請求項においてプロセスの「ステップ(単数または複数)」を参照することは、十分な十分な先行詞の記載を有する。
【0053】
「発明」などの用語は、特記なき限り、「本願で開示される1つまたは複数の発明」を意味する。
【0054】
「実施形態(単数または複数)」、「その実施形態(単数または複数)」、「1つまたは複数の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「特定の実施形態」、「1つの実施形態」、「他の実施形態」、などの用語は、特記なき限り、「開示される発明(単数または複数)の1つまたは複数の(全部ではない)実施形態」を意味する。
【0055】
発明の「変形例」という用語は、特記なき限り、発明の実施形態を意味する。
【0056】
実施形態を説明する際に「他の実施形態」を参照することは、特記なき限り、参照される実施形態が他の実施形態(例えば参照される実施形態の以前に説明された実施形態)に対して相互排他的であることを示唆しない。
【0057】
「〜を含む」、「〜を包含する」という用語、およびこれらの変化例は、特記なき限り、「〜を含むが、必ずしも〜に限定されない」を意味する。したがって例えば、「ポートフォリオは赤い小型装置および青い小型装置を含む」という文は、当該ポートフォリオが赤い小型装置および青い小型装置を含むが、他のものも含むことを意味する。
【0058】
「〜からなる」という用語、およびその変化例は、特記なき限り、「〜を含み、〜に限定される」を意味する。したがって例えば「ポートフォリオは赤い小型装置および青い小型装置からなる」という文は、当該ポートフォリオが赤い小型装置および青い小型装置を含むが、他のものは含まないことを意味する。
【0059】
「〜を構成する」という用語、およびその変形例は、特記なき限り、「〜の構成部分、〜の部品、または〜の部材を作る」ことを意味する。したがって例えば「ポートフォリオは赤い小型装置および青い小型装置を構成する」という文は、当該ポートフォリオが赤い小型装置および青い小型装置を含むことを意味する。
【0060】
「〜を排他的に構成する」という用語、およびその変形例は、特記なき限り、「〜の構成部分を排他的に作る、〜の唯一の構成要素である、または〜の唯一の部材である」を意味する。したがって例えば「赤い小型装置および青い小型装置はポートフォリオを排他的に構成する」という文は、当該ポートフォリオが赤い小型装置および青い小型装置から構成され、他のものからは構成されないことを意味する。
【0061】
「a」、「an」、「the」という用語は、特記なき限り、「1つまたは複数」を意味する。
【0062】
「複数の」という用語は、特記なき限り、「2つ以上」を意味する。
【0063】
「ここで」という用語は、特記なき限り、「参照することにより援用され得るあらゆるものを含む本願において」を意味する。
【0064】
複数の物(例えば物の列挙されたリストなど)を修飾する際の「〜のうちの少なくとも1つ」という用語は、特記なき限り、それらの物のうちの1つまたは複数の任意の組み合わせを意味する。例えば「小型装置、自動車、および車輪のうちの1つまたは複数」という文言は、(i)小型装置、(ii)自動車、(iii)車輪、(iv)小型装置および自動車、(v)小型装置および車輪、(vi)自動車および車輪、または(vii)小型装置、自動車、および車輪、のいずれかを意味する。「〜のうちの少なくとも1つ」という用語は、複数の物(例えば物の列挙されたリストなど)を修飾する場合、特記なき限り、それらの物のうちの1つまたは複数の任意の組み合わせを意味する。
【0065】
「1つ」、「2つ」、などの数値用語は、物の数量(例えば1つの小型装置、2つの小型装置)を示すための基数として使用された場合、当該数値用語により示される数量を意味するが、少なくとも当該数値用語により示される数量は意味しない。例えば「1つの小型装置」とうい文言は「少なくとも1つの小型装置」を意味せず、したがって「1つの小型装置」という文言は例えば2つの小型装置を含まない。
【0066】
「〜基づいて」という文言は、特記なき限り、「〜にのみ基づいて」を意味しない。換言すると「〜に基づいて」という文言は「〜のみに基づいて」および「少なくとも〜に基づいて」の両方を意味する。「少なくとも〜に基づいて」という文言は「少なくとも部分的に〜に基づいて」と等価である。
【0067】
「〜を表す」などの用語は、特記なき限り、排他性を意味しない。例えば「〜を表す」という用語は、特記なき限り、「〜のみを表す」を意味しない。換言すると、「データはクレジットカードナンバーを表す」という文言は、「データはクレジットカードナンバーを表す」および「データはクレジットカードナンバーを表し、他のものも表す」の両方を説明する。
【0068】
「それにより」という用語は、ここでは節、または語の他の組に先行し、以前に明示的に記載された物の意図された結果、目的、帰結を表すために使用される。したがって「それにより」という用語が請求項で使用された場合、「それにより」という用語が修飾する節または語は、当該請求項をさらに特定的に限定することはなく、または当該請求項の意味または範囲を別様に制限することはない。
【0069】
「e.g.(例えば)」などの用語は「例えば」を意味し、したがって当該用語が説明する用語を限定しない。例えば、「コンピュータはデータ(例えば命令、データ構造)を、インターネットを通して送る」という文において「例えば」という用語は、「命令」が、コンピュータがインターネットを通して送り得る「データ」の1つの例であることと、「データ構造」もコンピュータがインターネットを通して送り得る「データ」の1つの例であることと、を説明する。しかし「命令」および「データ構造」の両方が単に「データ」の例であり、「命令」および「データ構造」以外に他の物も「データ」であり得る。
【0070】
「それぞれ」などの用語は「個別的に取られた」を意味する。したがって3つ以上の物は「それぞれ」の特性を有する場合、係る物のそれぞれは、それ自体の特性を有し、これらの特性はそれぞれ1つごとに異なり得るが、必ずしも異なる必要はない。例えば「2つの機械のうちのそれぞれはそれぞれの機能を有する」という文言は、第1の係る機械が1つの機能を有し、第2の係る機械も1つの可能を有することを意味する。第1機械の機能は第2機械の機能と同一であってもよく、または同一でなくてもよい。
【0071】
「i.e.(すなわち)」などの用語は「換言すると」を意味し、したがって当該用語が説明する用語を限定する。例えば「コンピュータはデータ(すなわち命令)をインターネットを通して送る」という文において「すなわち」という用語は、「命令」が、コンピュータがインターネットを通して送り得る「データ」であることを説明する。
【0072】
任意の所与の数値範囲は、当該範囲に含まれる数値の全部または一部を含むものである。例えば「1〜10」という範囲は、1と10との間の数値全体(例えば1、2、3、4、……9)と、自然数以外の数(例えば1.1、1.2、……1.9)と、を特定的に含むものであると解釈される。
【0073】
2つ以上の用語または文言が(例えば、当該用語または文言が同義であるという明示的な記述により)同義である場合、係る用語/文言の例は、他方の係る用語/文言の例が異なる意味を有することを意味しない。例えば、ある記述が「〜を含む」の意味が「〜を含むが必ずしも〜に限定されない」と同義であることを表現する場合、「〜を含むが必ずしも〜に限定されない」という文言を単に使用することは、「〜を含む」が「〜を含むが必ずしも〜に限定されない」以外を意味することを意味しない。
【0074】
III.決定
「決定する」という用語および当該用語の文法的変形体(例えば、価格を決定すること、値を決定すること、特定基準を満足する対象を決定すること)は極めて広範な意味で使用される。「決定する」という用語は広範な活動を含み、したがって「決定する」という用語は、計算、算出、プロセス、導出、調査、参照(例えば、表、データベース、その他のデータ構造を参照すること)、確認、その他を含み得る。また「決定する」という用語は、受け取ること(例えば情報を受け取ること)、アクセスすること(例えばメモリ内のデータにアクセスすること)、その他を含み得る。また「決定する」は、解決すること、選ぶこと、選択すること、確立すること、などを含み得る。
【0075】
「決定する」という用語は、確実なまたは絶対的な正確性を示唆せず、したがって「決定する」は、推測すること、外挿すること、予測すること、推定すること、などを含み得る。
【0076】
「決定する」という用語は数学的プロセスが実行されることを示唆せず、数値的方法が使用されなければならないことを示唆せず、アルゴリズムまたはプロセスが使用されることを示唆しない。
【0077】
「決定する」という用語はいかなる特定の装置が使用されなければならないことを示唆しない。例えば、必ずしもコンピュータが決定を実行することを必要としない。
【0078】
IV.文の形態
第1の請求項の限定が1つの特徴の他にも2つ以上の特徴を含み(例えば「少なくとも1つの小型装置」などの限定が、1つの小型装置ならびに2つ以上の小型装置を含む)、第1の請求項に従属する第2の請求項において、第2の請求項が定冠詞「その(the)」を使用する(例えば「その小型装置」)場合、これは第1の請求項が1つの特徴のみを含むことを示唆せず、また、これは、第2の請求項が1つの特徴のみを含むことを示唆しない(例えば「その小型装置」は1つの小型装置および2つ以上の小型装置の両方を含み得る)。
【0079】
序数(例えば「第1」、「第2」、「第3」、その他)が用語の前において形容詞として使用される場合、当該序数は(特記なき限り)、当該の特定的な特徴と、同一の用語によりまたは同様の用語により記述される他の特徴と、が区別されるよう、特定の特徴を示すためにのみ使用される。例えば「第1小型装置」は、「第1小型装置」と、例えば「第2小型装置」と、を単に区別するために、「第1小型装置」と名付けられ得る。したがって「第1」および「第2」という序数を「小型装置」という用語の前で単に使用することは、これら2つの小型装置の間に他のいかなる関係が存在することも示さず、また同様に、一方または両方の小型装置の他のいかなる特性も示さない。例えば「小型装置」という用語の前で「第1」および「第2」という序数を単に使用することは、(1)いずれかの小型装置が順序または場所において他のいずれかの前または後に位置することを示さず、(2)いずれかの小型装置が時間において他のいずれかの前または後において生じることまたは活動することを示さず、および(3)いずれかの小型装置が重要度または品質において他のいずれかの上位または下位に格付けられることを示さない。加えて、序数を単に使用することは当該序数により指定される特徴に数値的限定を定めない。例えば「第1」および「第2」という序数を「小型装置」という用語の前で単に使用することは、小型装置が2つのみ存在しなければならないことを示すものではない。
【0080】
単一の装置、物品、または他の製品がここで説明される場合、2つ以上の装置/物品(それらが協働するものであっても、または協働するものでなくても)が代替的に、説明される単一の装置/物品に代わって使用され得る。したがって、1つの装置により所有されるものとして説明される機能は、2つ以上の装置/物品(それらが協働するものであっても、または協働するものでなくても)によって代替的に所有され得る。
【0081】
同様に、2つ以上の装置、物品、または他の製品がここで説明される場合(それらが協働するものであっても、または協働するものでなくても)、単一の装置/物品が代替的に、説明される2つ以上の装置または物品に代わって使用され得る。例えば複数のコンピュータベース装置が単一のコンピュータベース装置で代用され得る。したがって、2つ以上の装置または物品により所有されるものとして説明される様々な機能が代替的に、単一の装置/物品によって所有され得る。
【0082】
説明される単一の装置の機能および/または特徴が代替的に、説明されるが係る機能または特徴を有するものとして明示的に説明される1つまたは複数の他の装置により具体化され得る。したがって他の実施形態は、説明される装置自体を含む必要はないが、むしろ、これらの他の実施形態では係る機能/特徴を有するであろう1つまたは複数の他の装置を含み得る。
【0083】
V.非限定的な開示例および術語
発明の名称(本願の第1ページの冒頭に説明される)および要約(本願の末尾に説明される)のいずれもが、開示される穂発明(単数または複数)の範囲をいかなる方法であれ限定するものとして解釈されるべきではなく、任意の請求項の意味を解釈するために使用されるものとして解釈されるべきではなく、また任意の請求項の範囲を限定することにおいて使用されるものとして解釈されるべきではない。要約は、単に要約が連邦規則法典第37巻第1.72条(b)項のもとで要求されるため、本願に含まれている。
【0084】
本願において提供される本願の発明の名称および各セクションの表題は単に便宜上のものであり、本開示をいかなる方法においても限定するものであると解釈すべきではない。
【0085】
多数の実施形態が例示のみを目的として本願で説明および提示される。説明される実施形態は、いかなる意味においても限定的ではなく、いかなる意味においても限定的であることを意図するものではない。本開示に係る発明(単数または複数)は、本開示から明らかなように、多数の実施形態に対して広範に適用可能である。当業者は、開示される発明(単数または複数)が、構造的改変例、論理的改変例、および電気的改変例などの様々な改変例および変更例を用いて実施され得ることを認識するであろう。開示される発明(単数または複数)の特定的な特徴は、1つまたは複数の特定的な実施形態および/または図面を参照して説明され得るが、係る特徴が、特記なき限り、説明する際に参照した1つまたは複数の特定的な実施形態または図面における使用に限定されないことを理解すべきである。
【0086】
実施形態はいくつかの特徴を含むものとして開示され得るが、本発明の他の実施形態は係る特徴の全部よりも少ない特徴を含み得る。したがって例えば、1つの請求項が、開示される実施形態における特徴の全部の組み合わせよりも少ない特徴に関するものであり得、係る請求項は、請求項が明示的に記載するこれらの特徴を越える特徴を含まないであろう。
【0087】
本願で説明される方法ステップまたは製品要素の実施形態のいずれもが、本明細書において係る明示的な記載なき限り、または請求項において明示的な記載なき限り、ここで請求される発明を構成するものではなく、ここで請求される発明に対して不可欠ではなく、またはここで請求される発明と同一の範囲を有するものではない。
【0088】
以下の請求項のプリアンブルは、請求される発明の目的、利益、および可能な使用を記載するものにすぎず、請求される発明の範囲を限定しない。
【0089】
本開示は、発明(単数または複数)の全部の実施形態を逐語的に説明するものではない。また本開示は、全部の実施形態において存在しなければならない発明(単数または複数)の特徴のリストではない。
【0090】
開示される実施形態の全部は、必ずしも請求項(継続中の請求項、補正された請求項、発行された請求項、キャンセルされた請求項の全部さえも含む)により含まれるとは限らない。加えて、実施形態はいくつかの請求項により含まれる(しかし必ずしも含まれる必要はない)。したがって請求項(継続中の請求項、補正された請求項、発行された請求項、またはキャンセルされた請求項であるかどうかに関わらず)が特定の実施形態に関する場合、それは、他の請求項の範囲も当該実施形態を含まないことを明示するものではない。
【0091】
互いに対して通信するものとして説明される装置は、特記なき限り、互いに対して継続的に通信状態にある必要はない。逆に係る装置は、必要に応じてまたは所望により、相互の送信を実行するのみであり、実際には大部分の時間はデータ交換を実施しないこともあり得る。例えばインターネットを解して他の機械と通信する機械は、他の機械に対して長期的にデータを送信しないこともある(例えば週に1度)。加えて相互に通信する装置は、直接的に、または1つまたは複数の中間段階を通して間接的に、通信を実行し得る。
【0092】
いくつかの構成要素または特徴を有する実施形態の説明は、係る構成要素/特徴の全部または一部が要求されることを示唆しない。逆に様々な省略可能な構成要素が、本発明(単数または複数)の広範な可能な実施形態を例示するために、説明される。明記なき限り、いずれの構成要素/特徴も、不可欠ではなく、または要求されない。
【0093】
プロセスステップ、アルゴリズムなどが特定的な順序で説明または請求され得るが、係るプロセスは、異なる順序で動作するよう構成され得る。換言すると、明示的に説明または請求され得るステップの並びまたは順序は、これらのステップが当該順序で実行されるべきであるという要求を必ずしも示すものではない。ここで説明されるプロセスのステップは任意の可能な順序で実行され得る。さらにいくつかのステップは、(例えば、1つのステップが他のステップの後に説明されるために)同時には実行されないものとして説明または示唆されるにも関わらず、同時に実行され得る。さらに、図面におけるその説明によるプロセスの例示は、図示されるプロセスが、係るプロセスに対する他の変化例および改変例を除外することを示唆せず、図示されるプロセスが、またはそのステップのうちのいずれかが、発明(単数または複数)に対して必要であることを示唆せず、図示されるプロセスが好適であることを示唆しない。
【0094】
プロセスが複数のステップを含むものとして説明されたが、そのことは、係るステップの全部または一部が好適であること、不可欠であること、または要求されるものであることを示唆しない。説明される発明(単数または複数)の範囲に含まれる様々な他の実施形態は、説明されたステップの一部または全部を省略する他のプロセスを含む。明記なき限り、いずれのステップも、不可欠ではなく、または要求されない。
【0095】
プロセスは、単独でまたは他の製品または方法を参照することなく、説明され得るが、1つの実施形態では、係るプロセスは他の製品または方法と相互作用し得る。例えば係る相互作用は、1つのビジネスモデルを他のビジネスモデルに関連させることを含み得る。係る相互作用は、プロセスの柔軟性または好適性を増強するために提供され得る。
【0096】
製品が複数の構成要素、側面、品質、特性および/または特徴を含むものとして説明されたが、そのことは、これらの複数のうちの一部または全部が好適であること、不可欠であること、または要求されるものであることを示唆しない。説明される発明(単数または複数)の範囲に含まれる様々な他の実施形態は、説明された複数のうちの一部または全部を省略する他の製品を含む。
【0097】
列挙されたリストの項目(番号付けられる場合、または番号付けられない場合もあり得る)は、特記なき限り、係る項目の一部または全部が相互排他的であることを示唆しない。同様に、列挙されたリストの項目(番号付けられる場合、または番号付けられない場合もあり得る)は、特記なき限り、係る項目の一部または全部がいずれかのカテゴリーを網羅することを示唆しない。例えば、「コンピュータ、ラップトップ、PDA」という列挙されたリストは、当該リストの3つの項目のうちの一部または全部が相互排他的であることを示唆せず、当該リストの3つの項目のうちの一部または全部がいずれかのカテゴリーを網羅することを示唆しない。
【0098】
列挙されたリストの項目(番号付けられる場合、または番号付けられない場合もあり得る)は、係る項目のうちの一部または全部が違いに対して等価であること、または互いに対して容易に置換されることを示唆しない。
【0099】
全部の実施形態は例示的であり、本発明または任意の実施形態が場合に応じて作られることまたは実行されることを示唆しない。
【0100】
VI.計算
ここで説明された様々なプロセスが、例えば適切にプログラムされた汎用コンピュータ、専用コンピュータ、および計算装置により実装され得ることは、当業者には明らかであろう。通常、プロセッサ(例えば1つまたは複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のマイクロコントローラ、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ)が命令を(例えばメモリまたは同様のデバイスから)受け取り、これらの命令を実行し、それにより、これらの命令により定められた1つまたは複数のプロセスが実行されるであろう。命令は、例えば1つまたは複数のコンピュータプログラム、1つまたは複数のスクリプトにおいて具体化され得る。
【0101】
「プロセッサ」は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、計算装置、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサもしくは同様のデバイス、またはこれらの任意の組み合わせを、アーキテクチャ(例えばチップレベルマルチプロセシング/マルチコア、RISC、CISC、インターロックパイプラインステージ、パイプライン構成、同時マルチスレッドを有さないマイクロプロセッサ)のいかんに関わらず、意味する。
【0102】
したがってプロセスの説明は、同様に、プロセスを実行するための装置の説明である。プロセスを実行する装置は、例えば、当該プロセスを実行することに好適であるプロセッサとこれらの入力装置および出力装置とを含み得る。
【0103】
さらに、係る方法を実装するプログラム(ならびに他のタイプのデータ)は、様々な媒体(例えばコンピュータ可読媒体)を使用して多数の手法で格納および伝達され得る。いくつかの実施形態では、ハードウェアにより実現される回路または専用ハードウェアが、様々な実施形態のプロセスを実装し得るソフトウェア命令の一部または全部に代わって、または係るソフトウェア命令の一部または全部と組み合わせて、使用され得る。したがってハードウェアおよびソフトウェアの様々な組み合わせがソフトウェアのみに代わって使用され得る。
【0104】
「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ、プロセッサ、または同様のデバイスにより読み出され得るデータ(例えば命令、データ構造)の提供に関与する任意の媒体、複数の任意の媒体、または異なる媒体の組み合わせを指す。係る媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むがこれらに限定されない多数の形態を取り得る。不揮発性媒体は例えば光ディスクまたは磁気ディスクおよび他の持続的なメモリを含む。揮発性媒体はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含み、DRAMは通常、メインメモリを構成する。伝送媒体は、プロセッサに連結されたシステムバスを含むワイヤを含む同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。伝送媒体は、音響波、光波、および電磁放射(例えば無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信時に生成される)を含み伝達し得る。コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えばフロッピディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、任意の他の光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的媒体、PROM、EPROM、フラッシュEEPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、以後説明する搬送波、またはコンピュータが読み出し得る任意の他の媒体が挙げられる。
【0105】
様々な形態のコンピュータ可読媒体が、データ(例えば一連の命令)をプロセッサに搬送することに関与し得る。例えばデータは、(i)RAMからプロセッサに供給され得、(ii)ワイヤレス伝達媒体上で搬送され得、(iii)Ethernet(登録商標)(またはIEEE802.3)、SAP、ATP、Bluetooth(登録商標)、およびTCP/IP、TDMA、CDMA、ならびに3Gなどの多数のフォーマット、基準、もしくはプロトコルにしたがってフォーマットおよび/または伝達され得、および/または(iv)プライバシー確保のために、または当該技術分野で周知の様々な方法の不正を防止するために、暗号化され得る。
【0106】
したがってプロセスの説明は、同様に、プロセスを実行するためのプログラムを格納するコンピュータ可読媒体の説明である。コンピュータ可読媒体は、方法を実行するために好適であるこれらのプログラム要素を(任意の好適なフォーマットで)格納し得る。
【0107】
プロセスにおける様々なステップの説明は、説明されるステップの全部が必ずしも要求されないことを示すように、装置の実施形態は、説明されるプロセスの一部(必ずしも全部ではない)を実行するよう機能するコンピュータ/計算装置を含む。
【0108】
同様に、プロセスにおける様々なステップの説明は、説明されるステップの全部が必ずしも要求されないことを示すように、プログラムまたはデータ構造を格納するコンピュータ可読媒体の実施形態は、実行されたときに、説明されるプロセスの一部(必ずしも全部ではない)の実行をプロセッサに行わせるプログラムを含むコンピュータ可読媒体を含む。
【0109】
データベースが説明される場合、(i)説明されるデータベース構造に対して代替的なデータベース構造が容易に用いられ得ること、および(ii)データベースの他のメモリ構造が容易に用いられ得ることが、当業者により理解されるであろう。ここで提示される任意のデータベース例の任意の例示または説明は、情報の格納された表現のための例示的な配列である。例えば図面または他の箇所で示される表により提案される配列の以外の任意個数の他の配列が用いられ得る。同様に、データベースの任意の例示されるエントリーは、代表的な情報のみを表すものであり、当業者はエントリーの個数および内容がここで説明するものとは異なり得ることを理解するであろう。さらに、表としてのデータベースの任意の記載以外の他のフォーマット(リレーショナルデータベース、オブジェクトベースのモデル、および/または分散型データベースを含む)が、ここで説明するデータ型を格納および操作するために使用され得る。同様にデータベースのオブジェクト方法または挙動が、ここで説明した様々なプロセスを実装するために使用され得る。加えてデータベースは、ローカルに、または係るデータベースにおけるデータにアクセスする装置から遠隔に、周知の手法で格納され得る。
【0110】
様々な実施形態は、1つまたは複数のデバイスと(例えば通信ネットワークを解して)通信するコンピュータを含むネットワーク環境で動作するよう構成され得る。コンピュータは、直接的に、または間接的に任意の有線またはワイヤレス媒体(例えばインターネット、LAN、WAN、またはイーサネット(登録商標)、トークンリング、電話回線、ケーブル線、無線チャネル、光通信線、商業オンラインサービスプロバイダ、ブレティンボードシステム、衛星通信リンク、上記の任意の組み合わせ)を介して、デバイスと通信し得る。これらのデバイスのそれぞれは、コンピュータまたはコンピュータと通信するよう適応された他の計算装置(例えば、Intel(登録商標)Pentium(登録商標)またはCentrino(商標)のプロセッサをベースとする)を含み得る。任意個数のまたは任意タイプのデバイスがコンピュータと通信し得る。
【0111】
1つの実施形態では、サーバコンピュータまたは集中管理が、不必要であるか、または好適ではないこともある。例えば本発明は、1つの実施形態では、集中管理を有さない1つまたは複数のデバイス上で実施され得る。係る実施形態では、サーバコンピュータによりまたはサーバコンピュータ上に格納されるものとして説明されるデータにより実行されるものとしてここで説明される任意の機能は、代わって、1つまたは複数の係るデバイスにより実行されてもよく、または1つまたは複数の係るデバイス上に格納されてもよい。
【0112】
プロセスが説明される場合、1つの実施形態ではプロセスは、いかなるユーザの介入もなしに動作し得る。他の実施形態では、プロセスは人による何らかの介入を含む(例えばステップは、人により実行されるか、人の支援により実行される)。
【0113】
VII.継続性のある出願
本願は、当業者に対して、いくつかの実施形態および/または発明の実施を可能とする説明を提供する。これらの実施形態および/または発明のうちのいくつかは本願では請求されず、それにも関わらず、本願の優先権の利益を主張する1つまたは複数の継続性のある出願において請求され得る。
【0114】
出願者は、開示され且つ実施可能とされた発明主題に対する特許を追求するために、追加的出願を出願することを意図する。
【0115】
VIII.合衆国法典第35巻第112条第6段落
請求項において、「〜のための手段」という文言または「〜のためのステップ」という文言を含む請求項の限定は、合衆国法典第35巻第112条第6段落が当該限定に適用されることを意味する。
【0116】
請求項において、「〜のための手段」という文言または「〜のためのステップ」という文言を含まない請求項の限定は、当該限定が、機能を実行するための構造、材料、または作用を明記することなく、機能を明記するかどうかに関わらず、合衆国法典第35巻第112条第6段落が当該限定には適用されないことを意味する。例えば請求項において、当該請求項の、または他の請求項の、1つまたは複数のステップを参照する際に「〜のステップ(単数または複数)」という文言を単に使用することは、合衆国法典第35巻第112条第6段落が当該ステップ(単数または複数)に適用されることを意味しない。
【0117】
合衆国法典第35巻第112条第6段落にしたがって特定的な機能を実行するための手段またはステップに関して、明細書に記載される対応する構造、材料、または作用、およびその均等物は、追加的な機能ならびに特定的な機能を実行し得る。
【0118】
コンピュータ、プロセッサ、計算装置、および同様の製品は、広範な機能を実行し得る構造である。係る製品は、当該製品のメモリデバイス内に、または当該製品がアクセスするメモリデバイス内に、格納されたプログラムなどの、1つまたは複数のプログラムを実行することにより特定的な機能を実行するよう機能し得る。特記なき限り、係るプログラムは、例えば本願に開示され得る任意の特定的なアルゴリズムなどの任意の特定的なアルゴリズムに基づく必要はない。特定的な機能が異なるアルゴリズムを介して実装され得ること、および任意個数の異なるアルゴリズムが特定的な機能を実行するための単なる設計上の選択であり得ることは、当業者には周知である。
【0119】
したがって合衆国法典第35巻第112条第6段落にしたがって特定的な機能を実行するための手段またはステップに関して、特定的な機能に対応する構造は特定的な機能を実行するようプログラムされた任意の製品を含む。係る構造は、係る製品が(i)当該機能を実行するための開示されたアルゴリズム、(ii)開示されたアルゴリズムに類似するアルゴリズム、または(iii)当該機能を実行するための異なるアルゴリズム、を用いてプログラムされたかどうかに関わらず、当該機能を実行する、プログラムされた製品を含む。
【0120】
機能を実行するための、方法である手段が明記されている場合、この方法を実行するための1つの構造は、適切なハードウェアを用いて当該機能を実行するようプログラムおよび/または構成された計算装置(例えば汎用コンピュータ)を含む。
【0121】
当業者に理解され得るように、適切なハードウェアを用いて他のアルゴリズムを介して当該機能を実行するようプログラムおよび/または構成された計算装置(例えば汎用コンピュータ)も含まれる。
【0122】
IX.免責事項
特定的な実施形態に対する多数の参照は、追加的実施形態、異なる実施形態の拒否または否認を示すものではなく、同様に、特定的な特徴をすべて含む実施形態の説明に対する参照は、その特定的な特徴を含まない実施形態の拒否または否認を示すものではない。本願において明確な拒否または否認は「〜を含まない」という文言により、または「〜を実行することができない」という文言により、前置きされるであろう。
【0123】
X.参照による引用
本明細書において参照されるあらゆる特許、特許出願、または他の文献は、本特許出願に参照することにより本開示の一部として、ただ合衆国法典第35巻第112条第1段落による記載要件および実施可能要件の目的のために援用され、参照による係る援用が存在しないならばいかなる通常の意味も当業者により解明不可能とならない限り、本願のいかなる用語をも限定、定義、または別様に解釈するために決して使用されるべきではない。係る当業者は、参照において提供される実施形態により決して限定される必要はない。
【0124】
いかなる参照による援用も、特記なき限り、それ自体では、あらゆる援用された特許、特許出願、または他の文献に含まれるあらゆる陳述、見解、議論、または特徴付けのいかなる指示、承認、または黙諾も意味しない。
【0125】
XI.審査経過
本願(請求項を含む)を解釈する際は、当業者は本願の審査履歴を参照し得るが、本願に関連すると考えられる他の特許出願が存在するかどうかに関わらず、また優先権の主張を本願と共有する他の特許出願が存在するかどうかに関わらず、あらゆる他の特許または特許出願の審査履歴を参照しない。
【0126】
XII.代替技術
様々な実施形態の形成、使用、または実施のためのここで説明される技術が、同一のまたは同様の目的のために使用され得る可能な技術の部分集合であることは、理解されるであろう。ここで説明される特定的な技術は、限定的であると解釈されるべきではない。むしろ様々な実施形態については、様々な実施形態を形成、使用、または実施するための代替的な技術が考えられる。
図1
図2
【国際調査報告】