特表2015-530195(P2015-530195A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-530195耐摩耗性ライナを備えた内腔を有する植込み型リード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-530195(P2015-530195A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(54)【発明の名称】耐摩耗性ライナを備えた内腔を有する植込み型リード
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20150918BHJP
【FI】
   A61N1/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-534838(P2015-534838)
(86)(22)【出願日】2013年11月8日
(85)【翻訳文提出日】2015年3月25日
(86)【国際出願番号】US2013069240
(87)【国際公開番号】WO2014074876
(87)【国際公開日】20140515
(31)【優先権主張番号】61/724,686
(32)【優先日】2012年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】505003528
【氏名又は名称】カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フォスター、アーサー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フォスター、ダニエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ペリー、クリストファー アール.
(72)【発明者】
【氏名】デ コック、アンドリュー エル.
(72)【発明者】
【氏名】ウィロビー、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、ブライアン エイ.
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ15
4C053JJ23
(57)【要約】
植込み型リードは、基端部部分及び先端部部分を有するリード本体を含む。リード本体は、基端部部分と先端部部分との間において長手方向に延在する内腔を有する絶縁部材を含む。リード本体はまた、絶縁部材内の内腔と同軸上に配置された略管状ライナを含む。植込み型リードはまた、リード本体の先端部部分に沿って配置された電極と、内腔内に配置され、電極に電気的に結合された導体と、を含む。端子コネクタはリード本体の基端部部分及び導体に結合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型リードであって、
基端部部分及び先端部部分を有するリード本体であって、前記リード本体が、前記基端部部分及び前記先端部部分を貫通して長手方向に延在する内腔を有する絶縁部材と、前記絶縁部材内の内腔と同軸上に配置された略管状ライナと、を含む、リード本体と、
前記リード本体の先端部部分に沿って配置された電極と、
前記内腔内に配置され且つ前記電極に電気的に結合された導体と、
前記リード本体の基端部部分と前記導体とに結合された端子コネクタであって、前記端子コネクタが、当該植込み型リードの、植込み型医療デバイスとの電気的及び機械的接続を提供するように構成されている端子コネクタと、
を含む、植込み型リード。
【請求項2】
前記ライナが、略管状形状に螺旋状に巻かれた材料ストランドの形態である、請求項1に記載の植込み型リード。
【請求項3】
前記ライナが、内部表面及び外部表面を含む壁と、前記壁を貫通して延在する少なくとも1つのスロットと、を有する管状部材である、請求項1又は2に記載の植込み型リード。
【請求項4】
前記スロットが前記管状部材の一部に沿い、且つ、前記内腔の周面に螺旋状の軌道を描くように長手方向に延在する、請求項3に記載の植込み型リード。
【請求項5】
前記管状部材が前記スロットの部分が全くない電極セグメントを含み、前記電極セグメントが前記電極に隣接して配置されている、請求項3又は4に記載の植込み型リード。
【請求項6】
前記スロットが第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部と前記第2端部との間が連続的で且つとぎれがない、請求項3〜5のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項7】
前記管状部材が、前記スロットの長さに沿う少なくとも1つの位置において前記スロットにかけ渡されている少なくとも1つの連結支柱を含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項8】
前記ライナが、複数の長手方向に間隔をおいて配置された円筒状セグメントと、複数の連結支柱と、を含み、前記連結支柱の少なくとも1つが、隣接する円筒状セグメント間に延在し、且つ、前記隣接する円筒状セグメントを連結する、請求項1に記載の植込み型リード。
【請求項9】
一対の前記連結支柱が、各隣接する一対の円筒状セグメント間に延在し且つ前記各隣接する一対の円筒状セグメントを連結し、前記一対の連結支柱における連結支柱が、前記管状部材の周面において約180度離れて配置されている、請求項8に記載の植込み型リード。
【請求項10】
前記複数の長手方向に間隔をおいて配置された円筒状セグメントが、第1円筒状セグメントと、第2円筒状セグメントと、第3円筒状セグメントと、を含み、前記複数の連結支柱が、前記第1円筒状セグメントと前記第2円筒状セグメントとの間に延在し、且つ、前記第1円筒状セグメントと前記第2円筒状セグメントとを連結する連結支柱の第1の対と、前記第2円筒状セグメントと前記第3円筒状セグメントとの間に延在し、且つ、前記第2円筒状セグメントと前記第3円筒状セグメントとを連結する連結支柱の第2の対と、を含み、前記連結支柱の第1の対における連結支柱が、前記連結支柱の第2の対における連結支柱から半径方向にオフセットしている、請求項8又は9に記載の植込み型リード。
【請求項11】
前記内腔が第1内腔であり、前記ライナが第1ライナであり、
前記リード本体が、
前記基端部部分と前記先端部部分との間に延在する第2内腔と、
前記絶縁部材内の第2内腔と同軸上に配置された第2略管状ライナと、
前記第2内腔内に延在し、且つ、前記リード本体の先端部部分に沿って配置された第2電極に電気的に接続された第2導体と、
を更に含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項12】
前記ライナが前記絶縁部材内に部分的に又は完全に埋設されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項13】
植込み型リードを製造する方法であって、
基端部部分及び先端部部分を有する絶縁リード本体を形成するステップであって、前記リード本体が、前記基端部部分及び前記先端部部分を貫通して長手方向に延在する内腔を有する絶縁部材と、前記絶縁部材内の内腔と同軸上に配置された略管状ライナと、を含むステップと、
前記リード本体の先端部部分に電極を結合するステップと、
前記リード本体の基端部部分に端子コネクタを結合するステップと、
前記内腔内に配置された導体を前記電極及び前記端子コネクタに結合するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記絶縁リード本体を形成するステップが、
前記ライナを画定する第1材料をマンドレル上に配置するステップと、
第2材料を前記第1材料上に配置することによって前記絶縁部材を形成するステップであって、前記第2材料が前記第1材料とは異なる、ステップと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記マンドレルが、コアピン、ケーブル導体、コイル導体及び管状スリーブのいずれかである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記絶縁部材を形成した後に前記マンドレルを取り外すステップと、
前記マンドレルを取り外した後、前記内腔内に前記導体を配置するステップと、
を更に含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記絶縁部材を形成するステップが、前記第2材料を前記第1材料上に成形又は押出しするステップを含み、前記第2材料が電気絶縁材料である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記絶縁リード本体を形成するステップが、前記絶縁部材を形成するステップと、前記略管状ライナを前記内腔内に配置するステップと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
植込み型リードを製造する方法であって、
基端部部分及び先端部部分を有する絶縁リード本体を形成するステップであって、前記リード本体が、前記基端部部分及び前記先端部部分を貫通して長手方向に延在する内腔を有する絶縁部材と、前記絶縁部材内の内腔と同軸上に配置された略管状ライナと、を含むステップと、
前記リード本体の先端部部分に電極を結合するステップと、
導体を前記内腔内に配置するステップであって、前記導体が基端部と、逆側の先端部と、を有するステップと、
前記導体の先端部を前記電極と結合するステップと、
前記リード本体の基端部部分及び前記導体の基端部に端子コネクタを結合するステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記絶縁リード本体を形成するステップが、
前記ライナを画定する第1材料をマンドレル上に配置するステップと、
第2材料を前記第1材料上に配置することによって前記絶縁部材を形成するステップであって、前記第2材料が前記第1材料とは異なる、ステップと、
を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植込み型リードを有する植込み型システムに関する。特に、本発明は植込み型システムのための耐摩耗性植込み型リードに関する。
【背景技術】
【0002】
概して、植込み型システムは、電源及び刺激用電子機器を有する植込み型医療デバイス(IMD:implantable medical device)と、IMDに連結されたリードシステムと、を含む。リードシステムは、1つ又は複数の可撓性植込み型リードを含み、そのそれぞれは、導体を収容するリード本体と、リード本体に沿って配置され且つ導体に電気的に結合された電極と、を有する。
【0003】
改良された植込み型リード構成に対する継続的な需要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記した懸案を鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例1においては、リード本体と、電極と、導体と、端子コネクタと、を含む植込み型リードに関する。リード本体は基端部部分及び先端部部分を有し、基端部部分及び先端部部分を貫通して長手方向に延在する内腔を有する絶縁部材と、絶縁部材内の内腔と同軸上に配置された略管状ライナと、を含む。電極はリード本体の先端部部分に沿って配置されている。導体は、内腔内に配置され、且つ、電極に電気的に接続されている。端子コネクタはリード本体の基端部部分及び導体に結合されており、植込み型リードの、植込み型医療デバイスとの電気的及び機械的接続を提供するように構成されている。
【0006】
例2においては、ライナは、略管状形状に螺旋状に巻かれた材料ストランドの形態である、例1の植込み型リードである。
例3においては、ライナは、内部表面及び外部表面を含む壁と、壁を貫通して延在する少なくとも1つのスロットと、を有する管状部材である、例1又は2のいずれかに記載の植込み型リードである。
【0007】
例4においては、スロットが管状部材の一部に沿い、且つ、内腔の周面に螺旋状の軌道を描くように長手方向に延在する、例3の植込み型リードである。
例5においては、管状部材がスロットの部分が全くない電極セグメントを含み、電極セグメントが電極に隣接して配置されている、例3又は4のいずれかに記載の植込み型リードである。
【0008】
例6においては、スロットが第1端部及び第2端部を有し、第1端部と第2端部との間が連続的で且つとぎれがない、例3〜5のいずれかに記載の植込み型リードである。
例7においては、管状部材は、スロットの長さに沿う少なくとも1つの位置においてスロットにかけ渡されている少なくとも1つの連結支柱を含む、例3〜5のいずれかに記載の植込み型リードである。
【0009】
例8においては、ライナは、複数の長手方向に間隔をおいて配置された円筒状セグメントと、複数の連結支柱と、を含み、連結支柱の少なくとも1つが、隣接する円筒状セグメント間に延在し、且つ、隣接する円筒状セグメントを連結する、例1の植込み型リードである。
【0010】
例9においては、一対の連結支柱が各隣接する一対の円筒状セグメント間に延在して各隣接する一対の円筒状セグメントを連結し、一対の連結支柱における連結支柱が管状部材の周面において約180度離れて配置されている、例8の植込み型リードである。
【0011】
例10においては、複数の長手方向に間隔をおいて配置された円筒状セグメントが、第1円筒状セグメントと、第2円筒状セグメントと、第3円筒状セグメントと、を含み、複数の連結支柱が、第1円筒状セグメントと第2円筒状セグメントとの間に延在し、且つ、第1円筒状セグメントと第2円筒状セグメントとを連結する連結支柱の第1の対と、第2円筒状セグメントと第3円筒状セグメントとの間に延在し、且つ、第2円筒状セグメントと第3円筒状セグメントとを連結する連結支柱の第2の対と、を含み、連結支柱の第1の対における連結支柱が、連結支柱の第2の対における連結支柱から半径方向にオフセットしている、例8又は9のいずれかに記載の植込み型リードである。
【0012】
例11においては、内腔が第1内腔であり、ライナが第1ライナであり、リード本体が第2内腔と、第2略管状ライナと、第2導体と、第2電極と、を更に含む、例1〜10のいずれかに記載の植込み型リードである。第2内腔はリード本体の基端部部分と先端部部分との間に延在する。第2略管状ライナは絶縁部材内の第2内腔と同軸上に配置されている。第2導体は第2内腔内に延在し、且つ、第2電極に電気的に接続されている。第2電極はリード本体の先端部部分に沿って配置されている。
【0013】
例12においては、ライナが絶縁部材内に部分的に又は完全に埋設されている、例1〜11のいずれかに記載の植込み型リードである。
例13においては、本開示は植込み型リードを製造する方法を記載する。この方法は、基端部部分及び先端部部分を有する絶縁リード本体を形成するステップであって、リード本体が、基端部部分及び先端部部分を貫通して長手方向に延在する内腔を有する絶縁部材と、絶縁部材内の内腔と同軸上に配置された略管状ライナと、を含むステップを含む。方法は、リード本体の先端部部分に電極を結合するステップと、リード本体の基端部部分に端子コネクタを結合するステップと、を更に含む。方法は、また、内腔内に配置された導体を電極及び端子コネクタに結合するステップを含む。
【0014】
例14においては、絶縁リード本体を形成するステップが、ライナを画定する第1材料をマンドレル上に配置するステップと、第2材料を第1材料上に配置することによって絶縁部材を形成するステップであって、第2材料が第1材料とは異なる、ステップと、を含む、例13の方法である。
【0015】
例15においては、マンドレルがコアピン、ケーブル導体、コイル導体又は管状スリーブである、例14の方法である。
例16においては、絶縁部材を形成した後にマンドレルを取り外すステップと、マンドレルを取り外した後、内腔内に導体を配置するステップと、を更に含む、例14又は15のいずれかに記載の方法である。
【0016】
例17においては、絶縁部材を形成するステップが、第2材料を第1材料上に成形又は押出しするステップを含み、第2材料が電気絶縁材料である、例14〜16のいずれかに記載の方法である。
【0017】
例18においては、絶縁リード本体を形成するステップが、絶縁部材を形成するステップと、略管状ライナを内腔内に配置するステップと、を含む、例13の方法である。
例19においては、本開示は植込み型リードを製造する別の方法を記載する。この方法は、基端部部分及び先端部部分を有する絶縁リード本体を形成するステップであって、リード本体が、基端部部分及び先端部部分を貫通して長手方向に延在する内腔を有する絶縁部材と、絶縁部材内の内腔と同軸上に配置された略管状ライナと、を含むステップを含む。方法は、リード本体の先端部部分に電極を結合するステップと、導体を内腔内に配置するステップであって、導体が基端部と、逆側の先端部と、を有するステップと、を更に含む。方法は、また、導体の先端部を電極と結合するステップと、リード本体の基端部部分及び導体の基端部に端子コネクタを結合するステップと、を含む。
【0018】
例20においては、絶縁リード本体を形成するステップは、ライナを画定する第1材料をマンドレル上に配置するステップと、第2材料を第1材料上に配置することによって絶縁部材を形成するステップであって、第2材料が第1材料とは異なる、ステップと、を含む、例19の方法である。
【0019】
複数の実施形態を開示するが、当業者には、本発明の例証的な実施形態を示し且つ記載する以下の詳細な説明から、本発明の更に他の実施形態が明らかになろう。したがって、図面及び詳細な説明は限定ではなく本質的に例証とみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態による、植込まれた状態の植込み型リード及びIMDを有する植込み型システムの概略図である。
図2】一実施形態による図1の植込み型リードの一部の拡大斜視図である。
図3】一実施形態による、多極リードにおいて使用するためのリード本体の一部の斜視図である。
図4A】別の実施形態による、植込み型リードにおいて使用するための管状ライナの立面図である。
図4B】別の実施形態による、植込み型リードにおいて使用するための管状ライナの立面図である。
図5】別の実施形態による、植込み型リード本体のための管状ライナの部分立面図である。
図6】本発明の別の実施形態による、植込み型リード本体のための管状ライナの部分立面図である。
図6A図6の管状ライナの断面図である。
図6B図6の管状ライナの断面図である。
図6C図6の管状ライナの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は種々の変更形態及び代替形態に適用可能であるが、例として特定の実施形態を図面に示すとともに以下に詳細に記載する。しかしながら、本発明を記載される特定の実施形態に限定する意図はない。これとは逆に、本発明は添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内の全変更形態、均等物及び代替形態を包含することを意図する。
【0022】
図1は、植込み型医療デバイス(「IMD」)104と、IMD104に連結され、患者の心臓Hの腔内に部分的に植込まれる植込み型リード106と、を含む植込み型システム100の概略図である。植込み型リード106は、基端部部分110及び先端部部分112を有するリード本体108を含む。リード本体108は、リード本体108の先端部部分112に沿って配置された電極114と、リード本体108の基端部部分110に結合された端子コネクタ116と、を更に含む。端子コネクタ116は、植込み型リード106の、IMD104との電気的及び機械的接続を提供するように構成されている。例えば、IMD104は、植込み型リード106とIMD104との間に電気的及び機械的接続を確立するために、端子コネクタ116の一部を受容するように構成されたポート(不図示)を含む。
【0023】
種々の実施形態においては、IMD104は患者の胸部又は腹部の植込み位置すなわち窪み内に皮下的に植え込むことができる。IMD104は電気治療的刺激を患者に送達するための、当技術分野において公知の又は後に開発される植込み型医療デバイスであってもよい。種々の実施形態においては、IMD104は、ぺースメーカ、植込み型除細動器(ICD:implantable cardioverter defibrillator)デバイス又は心臓再同期療法(CRT:cardiac resynchronization therapy)デバイスであってもよい。種々の実施形態においては、IMD104は、除細動及びぺーシング/CRT機能の両方を含んでもよい(例えば、CRT−D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器:Cardiac Resynchronization Therapy Defibrillator)デバイス)。
【0024】
リード106は、心臓HとIMD104との間において電気信号及び刺激を伝達するよう動作する。リード106によって伝達される電気信号及び刺激は、リード本体108内に配置された1つ又は複数の導体によって、電極114に/電極114から運ばれる。端子コネクタ116は前述の導体に機械的及び電気的に結合され、リード106をIMD104に機械的及び電気的に結合するよう動作する。端子コネクタ116及び電極114は、現在公知のものであるか後に開発されものであるかに関係なく、当技術分野において公知の構成をとることができる。加えて、示される実施形態においては、リード106は1つの電極114を含むが、他の実施形態においては、リード106は付加電極(例えば、リード本体108の長手方向の先端電極及び/又は付加電極)を含む。
【0025】
示される実施形態においては、リード106は右心室RV内に植込まれる。他の実施形態においては、CRMシステム100は、追加のリード、例えば、右心房RA内に植込まれるリード、及び/又は、両室ぺーシング又は心臓再同期療法システムにおいて左心室を刺激するために、冠状静脈内に延在するリードを含んでもよい。
【0026】
種々の実施形態においては、リード本体108は主として電気絶縁材料から形成される可撓性管状構造である。本明細書中により詳細に説明するように、種々の実施形態においては、リード本体108は、他のリード構成要素、特に、前述の導体(リード電極114をIMD104内の回路及びハードウェアに電気的に結合するためにリード本体108内に配置されている)に接触しているリード本体108の内部表面の損耗及び摩耗を最小にするように構成されている。
【0027】
図2は、一実施形態による植込み型リード106の一部の拡大斜視図である。示されるように、リード本体108は、内腔120を有する管状絶縁部材118と、略管状ライナ130と、を含む。種々の実施形態においては、内腔120は、絶縁部材118内において長手方向に、リード本体108の基端部部分110から少なくとも部分的に先端部部分112(図1に示される)まで延在する。加えて、ライナ130は、絶縁部材118内において内腔120と同軸上に配置されている。更に示されるように、植込み型リード106はまた、内腔120内に配置された導体132を含む。導体132は、電極114と、端子コネクタ116(図1を参照)上の電気接点とに電気的に結合されている。導体132は、シングル又はマルチフィラー導体コイルとすることもでき、あるいは、シングル又はマルチストランド導体ケーブルとすることもできる。加えて、導体132は、種々の実施形態においては、裸導体とすることも、電気絶縁性材料によって被覆することもできる。要するに、種々の実施形態は導体132の任意の特定の構成に限定されない。
【0028】
絶縁部材118は全体としてリード106のための構造を提供し、また、導体132を外部環境から電気的に絶縁するよう動作する。絶縁部材118は、植込み型リードにおいて使用するための、現在公知であるか後に開発される生体適合性電気絶縁材料から作製される。絶縁部材118を形成するための例示的な絶縁材料には、シリコーンゴム、ポリウレタン及びこれらのコポリマーを含むが、これらに限定されない。
【0029】
示される実施形態においては、ライナ130は、螺旋状に巻かれて略管状部材を形成し、内腔120を取り囲むように絶縁部材118内に配置された材料リボン136の形態である。種々の実施形態においては、ライナ130は内腔120の少なくとも長さに沿って延在する。内腔120内には導体132も延在する。
【0030】
一実施形態においては、ライナ130は、内腔120を画定する絶縁部材118の内部表面に対して半径方向に当接する(radially bears against)ように内腔120内に配置されている。一実施形態においては、ライナ130は絶縁部材118内に部分的に埋設される。前述の実施形態においては、ライナ130は、導体132が当接する内部表面を画定する。いくつかの実施形態では、絶縁部材118を形成する材料の薄層がライナ120の半径方向内側に配置されるように、ライナ130は絶縁部材118内に完全に埋設される。
【0031】
使用時、リード106は心臓H(図1を参照)の規則的な周期運動による運動の影響を受けやすい。その結果生じる心臓Hとリード106との間の相対運動に加え、リード106の内部構成要素、特に、導体132とリード本体108の絶縁部材118が互いに対して動く場合がある。ライナ130は、絶縁部材118の構造保全性を高めるように動作する。特に、ライナ130がなければ内腔120の内部表面と導体132との接触及び相対運動により起こる可能性のある絶縁部材118の損耗及び摩耗を略阻止するように動作する。
【0032】
種々の実施形態においては、ライナ130はまた、予め定められた可撓性プロファイルを全体としてリード106に提供するように構成される。例えば、種々の実施形態においては、螺旋状に巻かれたリボン136のピッチはリード106の可撓性を制御するように選択することができ、概して、ピッチが狭くなるほどリード106の剛性が増加する。種々の実施形態においては、リード106の各領域が異なる可撓性を示すように、螺旋状に巻かれたリボンのピッチをリード106の長手方向において変えることができる。
【0033】
種々の実施形態においては、材料リボン136は、ポリウレタン、パリレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びポリプロピレン(PP)などの可撓性のある、比較的潤滑性の電気絶縁材料から作製されるが、これに限定されない。
【0034】
1つの例示的実施形態においては、リード本体108は、絶縁部材118とライナ130を別々に形成し、その後、ライナ130を内腔120内に取り付けることによって製造される。例えば、一実施形態においては、絶縁部材118は公知の技術(例えば、成形、押出加工)により形成し、リボン136は、巻かれたリボン136の外寸が内腔120の内径よりも小さくなるような大きさに作られたマンドレルの周りに螺旋状に巻かれる。一実施形態においては、リボン136は、十分な弾力性を示すように構成することができ、また、マンドレルに沿って巻く際にねじったり伸展させて、このねじれた/伸展した構成において固定することができる。その後、周りにリボン136が巻かれたマンドレルを内腔120内に挿入し、次に、このマンドレルを取り外し、巻かれたリボン136が内腔120の内部表面に対して半径方向に膨張して、ライナ130を形成することができる。別の例示的実施形態においては、所望の内腔120内径を有するマンドレルの周りにリボン136を螺旋状に巻き、その後、巻かれたリボン136及びマンドレル上に絶縁部材118を形成する。リボン136上に絶縁部材118を形成するのに適した例示的な形成法には、押出加工、重ね成形、浸漬コーティング、スプレーコーティング及び化学気相成長法を含むが、これらに限定されない。このような実施形態においては、ライナ130を形成するために、リボン136は絶縁部材118内に部分的に又は完全に埋設される。
【0035】
一実施形態においては、マンドレルは、コアピンであってもよく、管状スリーブであってもよく、ライナ130を備えたリード本体108の製造用に特に設計された同等の構造であってもよい。別の実施形態においては、マンドレルはそれ自体が導体132であってもよい。
【0036】
種々の他の実施形態においては、ライナ130は前述の材料の略円筒状ハイポチューブから形成することができ、機械加工して図2に示される螺旋ライナ130を形成することができる。ライナ130をこの手法で形成するための例示的な製造技術には、微細加工プロセス、レーザアブレーション、水ジェット切断等を含むが、これらに限定されない。このような実施形態においては、ライナ130は、絶縁部材118を別個に形成した後内腔120内に挿入してもよく、あるいは、上述のように、マンドレル上に配置し、ライナ上に絶縁部材118を形成してもよい。
【0037】
図3は、種々の実施形態による多極植込み型リード用の別のリード本体308の一部の概略図である。図3に示すように、リード本体308は、第1内腔320と、第2内腔322と、第3内腔324とを含む、多内腔絶縁部材318を含む。更に示されるように、リード本体308は、絶縁部材318内のそれぞれ第1内腔320、第2内腔322及び第3内腔324と同軸上に配置された、第1ライナ330と、第2ライナ332と、第3ライナ334とを更に含む。各内腔320、322、324は各導体要素を受容することができ、各導体要素は、電極と、端子コネクタ上の電気接点とに結合されている。この端子コネクタは、リード106の端子コネクタ116(図1を参照)に類似してはいるが多極リードでの使用のために構成されている。
【0038】
示されるように、第1ライナ330、第2ライナ332及び第3ライナ334はそれぞれが、各々材料リボン340、342、344の形態であり、そのそれぞれは螺旋状に巻かれて略管状部材を形成し、内腔320、322、324をそれぞれ取り囲むように絶縁部材318内に配置されている。種々の実施形態においては、ライナ330、332、334は本明細書中に記載されるリード106のライナ130と略同じ又は同一の手法で構成及び製造することができる。
【0039】
ライナ130と同様に、ライナ330、332、334は絶縁部材318の構造保全性を高めることができ、特に、ライナ330、332、334がなければ、内腔120の内部表面と内腔320、322、324内に配置された導体(不図示)との接触及び相対運動により通常起こりうる絶縁部材318の損耗及び摩耗を略阻止することができる。
【0040】
図4A及び図4Bは、別の実施形態による植込み型リード本体(例えば、リード本体108又は308)のための管状ライナ400の部分立面図である。示される実施形態においては、ライナ400は、壁404、及び壁404を貫通して延在し、且つ、管状部材402に沿って配置された複数のスロット406、408、410を有する管状部材402と、一対の電極セグメント412、414と、を含む。示されるように、各スロット406、408、410は定められた長さを管状部材402の一部に沿って螺旋状の軌道を描きながら長手方向に延在する。更に示されるように、各電極セグメント412、414にはスロットの部分が全くなく、電極セグメント412はスロット406とスロット408との間に位置し、電極セグメント414はスロット408とスロット410との間に位置する。電極セグメント412、414は、存在する場合には、組立済リードにおいて、リード106の電極114(図1を参照)などの電極に隣接して配置されるように位置する。例えば、多極リードでは、複数の電極をリード本体の長さに沿って軸方向に間隔をおいて配置してもよく、種々の導体はリードの、電極を含む領域を通って延在してもよい。これら種々の導体に各々の電極が電気的に結合されることはない。電極セグメント412、414は、存在する場合には、そのような導体と電極との間における意図しない電気的短絡を防止するよう動作する。
【0041】
図4Bの拡大図に示されるように、管状部材402の壁404は内部表面420及び外部表面422を含む。更に、管状部材402の部分は長さXを含むように示され、スロット410は長さXに沿い、且つ、管状部材402の周面に螺旋状の軌道を描くように長手方向に延在する。更に示されるように、スロット410は、壁404内を内部表面420から外部表面422まで半径方向に延在する。図示した実施形態に更に示されるように、スロット410は第1端部430及び第2端部432を有し、第1端部430と第2端部432との間が連続的で且つとぎれがない。
【0042】
ライナ400は、本明細書中に記載されるライナ130、330と同じ手法でリード本体内腔と同軸上に配置されるように構成されている。したがって、ライナ400は、ライナ130、330と略同じ又は同じように動作し、且つ、ライナ130、330と略同じ又は同一の利点を提供するように構成されている。種々の実施形態においては、スロット406、408、410は、ライナ400に対して、つまり、ライナ400が配置されるリードに対して、所望の程度の可撓性を提供する。本明細書中に記載されるように、電極セグメント412、414は、組立済リードにおいてリード106の電極114(図1を参照)などの電極に隣接するように配置され、リードの、電極を含む領域にとぎれのない絶縁ライナを提供することによって、これら領域におけるリード導体の電気絶縁不良の場合に短絡を防止する。
【0043】
図5は、別の実施形態による管状ライナ500の一部の立面図を示す。示される実施形態においては、ライナ500は、図4とともに記載したライナ400と構造的且つ機能的に略類似しており、また、管状部材502を含み、この管状部材は、壁504と、壁を貫通して延び且つ管状部材の一部に沿ってその周面に螺旋状の軌道を描いて延在するスロット506と、を有する。加えて、ライナ500は、スロット506の長さに沿う予め定められた間隔においてスロット506の幅にかけ渡されている複数の連結支柱514を含む。連結支柱514は、ライナ500の、すなわち、ライナ500が配置されたリードの軸方向強度及び曲げ強度を強化するよう動作する。種々の実施形態においては、連結支柱514の数、位置及び/又はスペーシングは、ライナ500の所望の程度の軸方向及び/又は曲げ剛性を提供するよう選択される。
【0044】
図6は、別の実施形態による植込み型リード本体(例えば、リード本体108又はリード本体308)用の管状ライナ600の部分立面図である。ライナ600は、第1円筒状セグメント602、第2円筒状セグメント604、第3円筒状セグメント606及び第4円筒状セグメント608などの複数の長手方向に間隔をおいて配置された円筒状セグメントを含む。ライナ600はまた、第1連結支柱612、第2連結支柱614及び第3連結支柱616などの複数の連結支柱を含む。示されるように、第1、第2及び第3連結支柱612、614、616は、隣接する第1、第2、第3及び第4円筒状セグメント602、604、606、608の間に延在し、それらを連結する。加えて、ライナ600はまた、ライナ600の長手方向の選択した位置に配置された複数の円筒状電極セグメント620を含み、この位置は、本明細書中の別の場所に記載されるように、完全組立済リード上の電極の位置に対応するように選択される。示される実施形態においては、電極セグメント620は、円筒状セグメント602、604、606、608よりも長い軸方向の長さを有し、リードの、電極を含む領域を略完全に絶縁するように動作し、それによって、これら領域におけるリード導体の電気絶縁不良の場合に短絡を防止する。種々の実施形態においては、ライナ600は、対応するリード本体の長手方向の各電極に対応する1つの電極セグメント620を有してもよいが、これは種々の実施形態の必要条件ではない。
【0045】
図6A〜6Cは、種々の連結支柱612、614、616の配向を示す、それぞれ線A−A、B−B及びC−Cにおけるライナ600の断面図である。図示される実施形態においては、第1、第2及び第3連結支柱612、614、616のそれぞれは、連結支柱の対として配置されている。更に、図示される実施形態では、各対の支柱は、各円筒状セグメントの周面において、互いに対して約180度離れて配置されている。例えば、図6Aは、第2円筒状部材604の周面において、約180度離れて配置されている第1連結支柱612を示す。同様に、図6B〜6Cに示すように、第2及び第3連結支柱614、616は、第3及び第4円筒状部材606、608それぞれの周面において、約180度離れて配置されている。加えて、図示される実施形態においては、各対の連結支柱612、614、616の支柱は、各隣接する連結支柱の対の支柱から半径方向にオフセットしている。示されるように、第1連結支柱612は第2連結支柱614から反時計回り方向に約120度半径方向にオフセットしており、同様に、第2連結支柱614は第3連結支柱616から反時計回り方向に約120度半径方向にオフセットしている。
【0046】
種々の実施形態においては、ライナ600の、すなわち、ライナ600が配置されたリードの曲げ特性を調節するために、連結支柱の特定の対における連結支柱の配向、又は1対の連結支柱における支柱の、隣接する連結支柱の対に対する相対的な配向は、図6及び6A〜6Cに示されるものから変更することができる。例えば、ライナ600の所望の剛性プロファイルを提供するために、各円筒状セグメントの物性(例えば、長さ、壁厚等)を選択することができる。同様に、隣接する円筒状セグメント間の各連結支柱の数、幅、厚み等はまた、ライナ600の剛性プロファイルに影響するように選択することができる。加えて、種々の実施形態においては、隣接する円筒状セグメントは1つの連結支柱又は3つ以上の連結支柱によって連結されてもよく、これもまたライナ600の可撓性に影響する。
【0047】
したがって、種々の実施形態のライナは、有利には、リードの領域の軸方向及び/又は側方可撓性の、その特定動作環境に合わせた選択的な調整を容易にすることができる。例えば、種々の実施形態のリードは、電極を刺激されるべき特定の領域に案内するための、及び/又は、所望の植込み位置におけるリードの固定を容易にするための、予め定められた形状(例えば、J字形状又は螺旋形状)を有する予備成形領域を含む。種々のそのような実施形態においては、ライナの、これら予備成形領域内の部分は、(例えば、1つ又は複数の方向にかけられる荷重に応答して相対的に可撓性になるが、他の方向にかけられる荷重に応答して相対的に剛性になるように)リードの他の領域と比較して相対的に高い可撓性を有するように構成しても、及び/又は、異なる面において異なる可撓性を有するように構成してもよい。
【0048】
管状ライナ400、500、600は様々な製造プロセスを使用して形成されてもよい。種々の実施形態においては、ライナ400、500、600は、所望の潤滑性、強度及び可撓性を有する電気絶縁材料のハイポチューブから形成される。このようなハイポチューブの例示的材料には、ライナ130、330における使用のために本明細書中に記載した材料のいずれかを含むが、これらに限定されない。前述のハイポチューブからライナ400、500、600を形成するのに適した例示的な製造技術には、微細加工プロセス、レーザアブレーション、水ジェット切断等を含むが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書中に記載されるライナ130、330、400、500、600の特定の構成は単に例示であり、種々の実施形態の範囲内において他のライナ構成を用いることもできる。例えば、種々の実施形態においては、ライナ130、330、332、334は、図2に示される平らなリボン形状以外の断面形状(例えば、丸形、楕円形、正方形等)を有する材料ストランドから形成される。種々のライナ実施形態の他の構成には、ステント状のパターン、不規則に切断されたパターン、織物メッシュ、ランダムメッシュ等を含み得るが、これらに限定されない。
【0050】
加えて、導体内腔ライナ130、330、400、500、600(及びこれらの変形形態)を含むリード本体及びそのようなリード本体を組み込んだ植込み型リードの製造には、種々の製造技術を用いることができる。種々の実施形態においては、リード本体(1つ又は複数の導体内腔を含む)のライナ及び絶縁部材は、それぞれその全体を別個に形成してもよく、ライナを絶縁部材の対応する内腔内に通すことができる。その後、ライナを含む内腔にコイル又はケーブル導体を通すことができ、電極及び端子コネクタ(図1を参照)をリード本体及び導体の端部に結合し、リードの製造プロセスを実質的に完了することができる。
【0051】
種々の他の実施形態においては、リード本体及び対応するリードの製造にはマンドレルが使用される。一実施形態においては、本明細書中に記載されるようにライナ130などのライナ自体をマンドレル上に形成することができる。他の実施形態においては、ライナは所望の構成をとるように予備成形することができ、その後、マンドレル上に滑らせるかそうでなければ配置される。絶縁部材は、その後、第2絶縁材料(本明細書中に記載されるものなどの)をライナ上に配置することによってライナ上に形成される。第2材料はライナを形成する材料とは異なる。種々の実施形態は、ライナ上に絶縁部材を形成するための任意の特定のプロセスに限定されない。ライナ上に絶縁部材を形成するための例示的プロセスには、押出加工、重ね成形、浸漬コーティング、スプレーコーティング及び化学気相成長法を含んでもよいが、これらに限定されない。絶縁部材がライナ上に形成される種々の実施形態においては、ライナは絶縁部材を形成する材料内に部分的に又は完全に埋設してもよい。
【0052】
一実施形態においては、マンドレルは組立済リードに組み込まれるコイル又はケーブル導体であってもよい。このような実施形態においては、上述のようにライナを有するリード本体を形成する際、端子コネクタ及び電極(図1を参照)はリード本体及び導体に結合される。他の実施形態においては、マンドレルは、コアピンであっても、管状スリーブであっても、特にリード本体の製造用に設計された同等の構造であってもよい。このような実施形態においては、マンドレルは絶縁部材をライナ上に形成した後に取り外される。コイル又はケーブル導体は、その後、ライナを含む内腔内に配置することができ、端子コネクタ及び電極はリード本体及び導体に結合することができる。
【0053】
当然のことであるが、多極リード(例えば、リード本体300などのリード本体を有するリード)の場合、本明細書中に記載される製造プロセスは、種々の実施形態による付加電極、導体及びライナを有する導体内腔を収容するように変更してもよい。
【0054】
種々の実施形態の植込み型リードは、リード106などの心臓リードに限定されない。むしろ、神経刺激、例えば、脊髄刺激療法(SCS:Spinal Cord Stimulation)、脳深部刺激療法(DBS:Deep Brain Stimulation)及び機能的電気刺激(FES:Functional Electrical Stimulation)用に構成されたもの等の他の植込み型リードへの適用もまた種々の実施形態の範囲内において考えられる。
【0055】
本発明の範囲から逸脱することなく、記載した例示的実施形態に種々の変更及び付加を施すことができる。例えば、上述の実施形態では特定の特徴について述べるが、本発明の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態及び記載した特徴の全てを含まない実施形態も含む。したがって、本発明の範囲は、かかる代替形態、変更形態及び変形形態の全てをその全均等物とともに特許請求の範囲の範囲内にあるものとして包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】