特表2015-530688(P2015-530688A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-530688(P2015-530688A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(54)【発明の名称】圧力検知タッチシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/042 20060101AFI20150918BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20150918BHJP
【FI】
   G06F3/042 484
   G06F3/041 600
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2015-535795(P2015-535795)
(86)(22)【出願日】2013年10月4日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月29日
(86)【国際出願番号】US2013063355
(87)【国際公開番号】WO2014055809
(87)【国際公開日】20140410
(31)【優先権主張番号】61/744,877
(32)【優先日】2012年10月4日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ミンハン
(72)【発明者】
【氏名】ゴリエ,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】リー,ミンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ウィリアム ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン,ダニエル アロイシウス
(72)【発明者】
【氏名】ミハウォスキ,ポール フランシス
(57)【要約】
タッチ事象の発生を、タッチ位置で印加された圧力に基づいて検知するための圧力検知タッチシステムおよび方法が開示される。タッチシステムは、透明シート状または透明シート内に形成された導波路の、入力エッジおよび出力エッジに夫々隣接して動作可能に配置された、光源系および検出器系を含む。タッチ事象を引き起こす、導波路のタッチ位置での圧力は、導波路を曲げるまたは撓ませる。この導波路の曲がりによって、導波路内をFTIRによって進んでいる光の光路に変化が生じる。これが次いで、出力光内の光の分布を変化させる。光の分布の変化が検出されると、タッチ事象が起こったかどうかを、さらにはタッチ事象の時間発展を判定するために使用される。出力光の変化は、タッチ位置で印加された圧力により導波路内に誘起される複屈折に起因する、偏光の変化を含み得る。タッチ事象の位置および圧力を検知するための種々の検出器構成が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある圧力量をタッチ位置で印加することにより引き起こされるタッチ事象を、検出するための圧力検知タッチシステムにおいて、
上方表面と、下方表面と、入力エッジと、出力エッジとを有し、前記タッチ位置で圧力が印加されたときに曲がることができる、導波路、
前記入力エッジと光通信しており、かつ前記出力エッジで出力光を画成する前記導波路内に光を導入するように構成された、光源系であって、前記出力光が関連する強度分布を有し、かつ前記圧力量を印加することによって前記導波路を曲げると前記強度分布に変化が生じる、光源系、
前記出力エッジと光通信しており、かつ前記出力エッジから出る前記出力光の少なくとも一部分を検出しさらに前記導波路を曲げたときの前記強度分布の前記変化を検出し、該検出に応じて検出器信号を生成するように構成された、検出器系、および、
前記光源系および前記検出器系に動作可能に接続され、かつ前記光源系および前記検出器系の動作を制御するように構成され、さらに前記検出器信号を処理してタッチ事象が起こったかどうかを判定するように構成された、コントローラ、
を備えていることを特徴とする圧力検知タッチシステム。
【請求項2】
前記検出器系が、前記導波路の前記上方表面上に前記出力エッジに隣接して動作可能に配置された、少なくとも1つの検出器と、前記導波路の前記下方表面上に前記出力エッジに隣接して動作可能に配置された、少なくとも1つの検出器とを含み、前記上方表面上および前記下方表面上の前記検出器が、位相がずれている夫々の検出器信号を提供するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の圧力検知タッチシステム。
【請求項3】
圧力検知能力を有するディスプレイシステムにおいて、
請求項1または2による圧力検知タッチシステム、および、
ディスプレイを、該ディスプレイに隣接して動作可能に配置された前記圧力検知タッチシステムと共に有しているディスプレイユニットであって、該ディスプレイユニットのディスプレイが、容量性および抵抗性の接触検知能力のうちの1つを含んでいる、ディスプレイユニット、
を備えていることを特徴とするディスプレイシステム。
【請求項4】
前記光源系が選択された偏光の光を放射するように、該光源系が光源偏光子を含み、
前記検出器系が、第1の検出器および第2の検出器と、該第1の検出器および第2の検出器に対して動作可能に配置された、第1の検出器偏光子および第2の検出器偏光子とを含み、さらに前記検出器信号は、前記タッチ位置での前記圧力の印加によって引き起こされた誘起複屈折の量を表すものであり、さらに随意的に、
前記導波路を支持して該導波路内での前記誘起複屈折の形成を助けるように構成された、少なくとも1つの支持部材をさらに含むことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の圧力検知タッチシステム。
【請求項5】
前記出力光の前記強度分布の前記変化が強度縞の動きを含み、前記検出器系が前記強度縞の前記動きを検出して、前記タッチ事象に関連する前記圧力量を判定することを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の圧力検知タッチシステム。
【請求項6】
前記検出器に隣接して配置された傾斜減衰器をさらに含むことで、前記検出器での前記出力光の検出を位置に敏感なものとすることを特徴とする請求項5記載の圧力検知タッチシステム。
【請求項7】
前記光源系が、選択された偏光の光を放射し、
前記検出器系が検出器偏光子を含み、さらに、
前記検出器信号が、前記タッチ位置で前記圧力を印加することに起因する、ガラスの異なる複屈折領域を通る経路変化による偏光状態の変化量を表し、
偏光の変化は、誘起複屈折と、前記ガラスの製造時に形成された既存の複屈折の異なる領域を通る光の経路変化とによるものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の圧力検知タッチシステム。
【請求項8】
前記光源系が、選択された偏光の光を放射し、かつ、
前記検出器系が、ガラスから放射された光の偏光状態の検出を可能にする多数の検出器を、夫々の前に異なる偏光光学素子を備えて含み、
入力偏光によるリターダンスの大きさ、
入力偏光によるリターダンス、
偏光された前記光の割合、および、
前記ガラスから放射された前記光の強度の大きさ、
のうちの1以上を検出することを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の圧力検知タッチシステム。
【請求項9】
フレキシブル導波路上のタッチ位置でのタッチ事象に対する圧力の印加を検知する方法であって、
前記フレキシブル導波路の入力エッジから出力エッジまで多数の光路に光を送出し、前記出力エッジで、強度分布を有する出力光を形成するステップ、
前記導波路に圧力を印加することによって前記導波路を撓め、それにより前記多数の光路を変化させて前記出力光の前記強度分布に変化をもたらすステップ、
前記強度分布の前記変化を検出し、かつ該検出された変化を表す検出器信号を生成するステップ、および、
前記検出器信号を処理して、前記強度分布の前記変化を前記タッチ位置での前記圧力の印加と関連付けるステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が引用されその全体が参照することにより本書に組み込まれる、2012年10月4日出願の米国仮特許出願第61/744,877号の優先権の利益を米国特許法第119条の下で主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、タッチセンサ式機器に関し、特にタッチ位置でのタッチ事象をタッチ位置で印加される圧力に基づいて検知することが可能なタッチシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
非機械的なタッチ機能を有するディスプレイおよび他の機器(例えば、キーボード)の市場は急速に成長している。結果として、ディスプレイおよび他の機器がタッチ機能を有することができるようにするため、タッチ検知技術が開発された。タッチ検知機能は、スマートフォン、電子ブックリーダ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、および類似の機器など、モバイル機器用途で幅広く使用されるようになってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シングルタッチ、マルチタッチ、スワイプ、フィンガータッチ、およびスタイラスペンタッチなど、様々なタイプの接触に反応するタッチスクリーン方式のタッチシステムが開発された。これらのシステムには、光の拡散および/または光の減衰に頼っているものもある。有効ではあるが、タッチ位置で印加された圧力に基づいてタッチ事象を検知することができる、タッチ検知への光学ベースの代替アプローチの必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示はタッチセンサ式機器に関し、特にタッチ事象を、このタッチ事象のタッチ位置で印加された圧力に基づいて検出するタッチシステムに関する。本システムおよび方法の態様は、圧力が導波路に印加されるときに導波路内を進んでいる光の偏向、操作、または他の変化を活用する。この光ビームの変化とは、ビーム路を変化させること、ビームを多数のビームに分割すること、多数のビーム間に干渉を生成すること、多数の出力光ビームを生成すること、および入力光ビームの偏光状態を変化させることを含む。
【0006】
本開示の態様は、光曲げ効果および光偏光効果を採用したタッチシステムを含む。このタッチシステムは、透明シート状の導波路の入力エッジおよび出力エッジに夫々隣接して動作可能に配置された、光源系および検出器系を含む。導波路は、透明シートの上方表面に隣接したイオン交換層または薄型導波路層などの、透明シートの単なる一部分を含むものでもよい。タッチ事象を生じさせる導波路上のタッチ位置での圧力は、導波路を曲げ、あるいは撓ませる。導波路の曲がりは、導波路内を進んでいるFTIR光の光路に変化を生じさせ、これがさらに出力光における光の分布を変化させる。光の分布の変化が検出されると、この変化を用いてタッチ事象が起こったかどうか、さらにはタッチ事象の時間発展を判定する。この変化には、タッチ位置で印加された圧力により導波路内に誘起された複屈折性に起因する、偏光の変化が含まれ得る。
【0007】
本開示の態様において、検出器を通る縞の動きを検出することなどによってタッチ事象の位置および圧力を検知するための種々の検出器構成が開示されている。さらに、出力された光を異なる検出器で検出することを採用して、ある所与のタッチ事象に対する検出器信号間の時間差を測定し、次いでこの時間差を用いてタッチ事象のタッチ位置を判定することができる。タッチ事象での圧力量の他、印加された圧力の時間発展を判定する、種々の検出器構成および検出器信号処理技術が開示される。
【0008】
本開示のさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明の中に明記され、ある程度は、その説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、あるいは、以下の詳細な説明、請求項、さらに添付の図面を含め、本書において説明される開示を実施することにより認識されるであろう。
【0009】
請求項並びに要約は、以下で明記される詳細な説明に組み込まれ、またその一部を構成する。
【0010】
米国特許出願公開第2011/0122091号明細書、米国仮特許出願第61/564,003号明細書、同第61/564,024号明細書、および同第61/640,605号明細書を含め、本書で引用される全ての刊行物、論文、特許、公開された特許出願などは、その全体が参照することにより本書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本開示による一例のタッチシステムの正面図
図1B図1Aのタッチシステムの一部の正面図であり、多数の光源系と多数の検出器系とが導波路の対向するエッジ付近に夫々動作可能に配置された例を示した図
図2A】多数の光源素子を含んだ光源の例を示した上面図
図2B】多数の検出器素子を含んだ検出器の例を示した上面図
図3図1Aのタッチシステムの実施形態例の断面図
図4A図1Aのタッチシステムの様々な実施形態例の断面図
図4B図1Aのタッチシステムの様々な実施形態例の断面図
図4C図1Aのタッチシステムの様々な実施形態例の断面図
図4D図1Aのタッチシステムの様々な実施形態例の断面図
図5A】導波路の様々な曲がり量に対する導波路の出力エッジでの出力光の近視野像であり、曲がっていない場合を示した画像
図5B】導波路の様々な曲がり量に対する導波路の出力エッジでの出力光の近視野像
図5C】導波路の様々な曲がり量に対する導波路の出力エッジでの出力光の近視野像
図6A】導波路を曲げると導波路内を進んでいる光がどのようにしてより長い光路を横切るかを示した、導波路の概略側面図
図6B】導波路を曲げると導波路内を進んでいる光がどのようにしてより長い光路を横切るかを示した、導波路の概略側面図
図6C】導波路の入力エッジ部分の拡大図であり、曲がっていない導波路ではバウンドせずに進むコリメート光(図6C)が、曲がった導波路内をどのようにしてバウンドして進み得るか(図6D)を示した図
図6D】導波路の入力エッジ部分の拡大図であり、曲がっていない導波路内はバウンドせずに進むコリメート光(図6C)が、曲がった導波路内をどのようにしてバウンドして進み得るか(図6D)を示した図
図6E】導波路の出力エッジ部分の拡大図であり、曲がった導波路からの出力光がどのように出力エッジから出て不均一(不均質)な分布を有するかを示した図
図6F】導波路の出力エッジでの出力光の強度分布を示した図であり、導波路の撓み(曲がり)量が増加するにつれて出力光の強度分布に起こる変化を説明した図
図6G】一例の導波路の出力エッジでとられた出力光104−Oの一連の画像を示し、導波路の曲がりの増加に伴う強度分布の変化並びに強度パターンのシフトを示した画像
図7A】一例の導波路の概略断面図であり、指が中心のタッチ位置でタッチ事象TEを生じさせる用意ができている状態を示した図
図7B】指でもたらされるタッチ事象が導波路の上方表面に下向きの圧力をかけ、それにより導波路を撓ませている状態の図7Aの導波路を示した図
図7C】タッチ事象が出力エッジに近づいたタッチ位置で起きていることを除いて、図7Bに類似した図
図8】中心位置(四角)およびエッジ位置(菱形)で印加された接触力FT(ニュートン、N)に対する、ある所与の出力エッジ位置で測定された出力光のパワーPM(マイクロワット、μW)のプロットであり、エッジ位置の場合のパワーの変化が中心位置の場合よりもどの程度小さいかを説明した図
図9A】一例の撓んだ導波路の出力エッジで放射された出力光のシミュレーションによる遠視野像であり、2つの方向(位置)の出力光を示した画像
図9B】一例の撓んだ導波路の出力エッジで放射された出力光の測定遠視野像であり、2つの方向(位置)の出力光を示した画像
図9C】光点の位置に配置された光検出器によって判定した、ガラスの変形(mm)に対するパワーの割合(%)を、2つの光の方向(位置)について示したプロット
図10】厚さTHが1.2mmのガラスから作製された一例の導波路に1ニュートンの瞬間的な力を印加したときの、測定されたパワーを表す電圧対時間を、2つの遠視野の光点のうちの1つについてプロットした図
図11A】曲がり量が異なる導波路に対するレイトレースシミュレーションを示した、一例の導波路の出力エッジ部分の拡大断面図であり、検出器が下方表面に配置されている実施形態を示した図
図11B】曲がり量が異なる導波路に対するレイトレースシミュレーションを示した、一例の導波路の出力エッジ部分の拡大断面図であり、検出器が上方表面と下方表面の両方に配置されている実施形態を示した図
図12A】入力光が導波路を部分的に占めている例のシミュレーションによる光線を示した一例の導波路の概略図
図12B】入力光が導波路の大部分を占めている例のシミュレーションによる光線を示した一例の導波路の概略図
図12C】入力光が導波路を実質的に完全に占めている例のシミュレーションによる光線を示した一例の導波路の概略図
図13】検出器信号の位相がずれるように2つの検出器が配置されている一例の検出器構成を示す、図11Bに類似した図
図14】強度ではなく出力光の電場の合計により得られる、一連の出力光ビームのシミュレーション画像
図15】導波能力を高める上方および下方クラッド層を含む一例の導波路の概略部分分解側面図と、さらにクラッド導波路の下方表面と接続されるディスプレイユニットを示している図
図16】タッチ検知を偏光効果に頼っているタッチシステム10の一実施形態例の概略図
図17】2つの検出器(detA、detB)からの検出器信号SDのプロットであり、2つの検出器を使用してどのように信号検出と測定感度とを高めることができるかを示した図
図18A図16のタッチシステムで検出された出力光の画像であり、タッチ位置で導波路に付与された誘起された応力複屈折性に起因して、検出される出力光の量が導波路の曲がりが増加するにつれてどのように変化するかを示している図
図18B図16のタッチシステムで検出された出力光の画像であり、タッチ位置で導波路に付与された誘起された応力複屈折性に起因して、検出される出力光の量が導波路の曲がりが増加するにつれてどのように変化するかを示している図
図18C図16のタッチシステムで検出された出力光の画像であり、タッチ位置で導波路に付与された誘起された応力複屈折性に起因して、検出される出力光の量が導波路の曲がりが増加するにつれてどのように変化するかを示している図
図18D図16のタッチシステムで検出された出力光の画像であり、タッチ位置で導波路に付与された誘起された応力複屈折性に起因して、検出される出力光の量が導波路の曲がりが増加するにつれてどのように変化するかを示している図
図18E図16のタッチシステムで検出された出力光の画像であり、タッチ位置で導波路に付与された誘起された応力複屈折性に起因して、検出される出力光の量が導波路の曲がりが増加するにつれてどのように変化するかを示している図
図19A図16のタッチシステムの実施形態例の概略側面図
図19B図16のタッチシステムの実施形態例の概略側面図であり、イオン交換導波路の例を示した図
図19C図16のタッチシステムの実施形態例の概略側面図であり、イオン交換導波路の例を示した図
図20図3および4Aに示したものに類似しているが、導波領域がガラス基板の上方表面に隣接した薄層として形成されている、一例のタッチシステムの概略側面図
図21図20のタッチシステムの例における中心およびエッジでのタッチ位置について、印加された力(ニュートン)に対する集められたパワー(ナノワット)をプロットした図
図22】ガラスシート上にチャネル導波路領域が形成されている、タッチシステム10の構成の例を示した上面概略図
図23】ガラスシート上にチャネル導波路領域が形成されている、タッチシステム10の構成の例を示した上面概略図
図24】2つの異なるタッチ事象位置について、検出器信号の振幅対時間をプロットしたものであり、異なるタッチ位置での検出器信号間にどのように測定可能なタイムラグが存在し、それによりタッチ事象位置を判定するための手段を提供するかを示した図
図25A】一例の圧力検知ディスプレイシステムの上方斜視図であり、ディスプレイユニットに接続される本書で開示されるタッチシステムを示した図
図25B図25Aの圧力検知ディスプレイシステムの断面図
図26A】検出器に隣接して配置された傾斜減衰器を含む、一例のタッチシステムの検出器側端部の断面図
図26B】正規化された伝送T対減衰フィルタ高さの一例のプロットであり、フィルタ減衰プロファイルの例を示した図
図27A】タッチ位置で印加されている圧力量を判定するために出力信号の縞を検出するのに使用される4つの異なる検出器構成について、検出器信号対フレーム番号(#)をプロットした図
図27B】タッチ位置で印加されている圧力量を判定するために出力信号の縞を検出するのに使用される4つの異なる検出器構成について、検出器信号対フレーム番号(#)をプロットした図
図27C】タッチ位置で印加されている圧力量を判定するために出力信号の縞を検出するのに使用される4つの異なる検出器構成について、検出器信号対フレーム番号(#)をプロットした図
図27D】タッチ位置で印加されている圧力量を判定するために出力信号の縞を検出するのに使用される4つの異なる検出器構成について、検出器信号対フレーム番号(#)をプロットした図
図28A】本書で説明する偏光ベースの実施形態の捕捉情報を提供する図
図28B】本書で説明する偏光ベースの実施形態の捕捉情報を提供する図
図28C】本書で説明する偏光ベースの実施形態の捕捉情報を提供する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の図に参照のためにデカルト座標が示されているが、これらの座標は方向または向きについて限定するものと意図されたものではない。
【0013】
本開示は、以下の詳細な説明、図面、実施例、および請求項、さらにこれらの前後の説明を参照すると、より容易に理解することができる。ただし本発明の組成物、物品、機器、および方法を開示および説明する前に、本開示は他に明確に述べられていなければ、開示される特定の組成物、物品、機器、および方法に限定されず、従って当然のことながら変化し得ることを理解されたい。さらに、本書において使用される専門用語は、特定の態様を単に説明するためのものであり、限定することを意図したものではないことも理解されたい。
【0014】
以下の本開示の説明は、本開示の実現可能な教示として、現在知られているその実施形態で提供される。このため関連技術の当業者は、本開示の有益な成果を得たまま本書で説明する本開示の種々の態様に多くの変更を加え得ることを、認識および理解するであろう。本開示の望ましい利点のいくつかは、本開示の特徴のいくつかを他の特徴を利用せずに選択することによって得ることができることも明らかであろう。従って、多くの本開示の改変および改作が、可能であり、特定の状況では望ましくさえあり得、さらに本開示の一部であることを当業者は認識するであろう。従って以下の説明は、本開示の原理の実例として提供され、これを限定するものではない。
【0015】
開示される材料、化合物、組成物、および成分は、開示される方法および組成物に使用することができ、開示される方法および組成物と併せて使用することができ、開示される方法および組成物の準備に使用することができ、または、開示される方法および組成物の実施形態である。これらの材料および他の材料が本書で開示され、またこれらの材料の組合せ、部分集合、相互作用、群などが開示されたとき、これらの化合物の種々の個別のおよび集合的な組合せおよび置換の夫々に関する具体的な言及は明確には開示されないかもしれないが、その夫々は本書において具体的に意図されかつ説明されたものと理解されたい。
【0016】
従って、置換基の種類A、B、およびCと置換基の種類D、E、およびFとが開示され、さらに一例の組合せの実施形態A−Dが開示された場合、その夫々が個別にかつ集合的に意図される。従ってこの例では、A、B、および/またはCと、D、E、および/またはFと、さらに組合せ例A−Dとの開示によって、各組合せA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、およびC−Fは具体的に意図されており、また開示されたと見なされるべきである。同様に、これらの任意の部分集合または組合せも、具体的に意図されかつ開示される。従って、A、B、および/またはCと、D、E、および/またはFと、さらに組合せ例A−Dとの開示によって、例えば下位群A−E、B−F、およびC−Eは具体的に意図されており、また開示されたと見なされるべきである。この概念は、限定するものではないが、組成物の任意の成分、および開示される組成物の作製方法および使用方法でのステップなど、本開示の全ての態様に当てはまる。従って、実行することが可能な様々な追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップ夫々は、開示される方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組合せと共に実行することができること、そしてこの各組合せが具体的に意図されており、かつ開示されたと見なされるべきであることを理解されたい。
【0017】
圧力検知タッチシステム
図1Aは、本開示による一例の圧力検知タッチシステム(「タッチシステム」)10の概略図である。タッチシステム10は、様々な消費者向けエレクトロニクス商品において、例えば携帯電話、キーボード、タッチスクリーンおよび無線通信能力を有するような他の電子機器、音楽プレーヤ、ノートブックコンピュータ、モバイル機器、ゲームコントローラ、コンピュータ「マウス」、および電子ブックリーダなどのための、ディスプレイと共に使用することができる。
【0018】
図1Aの例のタッチシステム10は、概して平面的な導光アセンブリ(「アセンブリ」)20を含み、その詳細は以下で説明する。アセンブリ20は導波路22を含み、導波路の周囲Pに隣接して少なくとも1つの光源100と少なくとも1つの検出器200とが配置されている。少なくとも1つの光源100および少なくとも1つの検出器200は、以下でより詳細に説明するように導波路を通じて光結合されている。
【0019】
1つの光源100および1つの検出器200が、例としてアセンブリ20内に図示されている。周囲Pは、光源100に隣接したエッジ(端部)23と、検出器200に隣接したエッジ(端部)24とを含む。周囲Pは任意の適正な形状を有し得、例として長方形で示されている。アセンブリ20は概して長方形でもよく、また図示の例において導波路22はX方向に寸法(長さ)LXかつY方向に長さLYを有している。
【0020】
図1Bはシステム10の一実施形態例を示し、ここでは多数の光源100が使用され(あるいは同等に、多数の光源素子を含む光源が使用され得)、かつ多数の検出器200(あるいは同等に、多数の検出器素子を含む検出器)が使用される。システム10のこの構成は、1以上のタッチ事象TEの位置を判定する必要があるときに特に有用である。さらに1以上の光源100と1以上の検出器200とをアセンブリ内に動作可能に配置して、タッチ事象の圧力の検知にアセンブリ全体(または実質的に全体)を使用し得ることを確実にすることができる。これは、例えば光源100および/または検出器200の組(例えば対)の起動を周期的にして、タッチ事象に関する全ての可能性のある位置を確実にカバーするものを含み得る。一例においてこの周期は、圧力を加えてタッチシステム10から応答を引き出すタッチ事象の典型的な持続時間よりも、大幅に速い速度にすることができる。
【0021】
検出器200の例として、フォトダイオード、および種々の種類のフォトセンサが挙げられる。光源100の例としては、LED、半導体レーザ、光ファイバベースのレーザ、および拡張光源などが挙げられる。
【0022】
図2Aを参照すると、光源100はフレックス回路基板(「フレックス回路」)110上に動作可能に据え付けられた1以上の光源素子102を含み得、これがさらに、透明シート20のエッジ26に隣接して配置されたプリント回路基板(PCB)112に据え付けられる。従って本書の詳解において、光源100は1以上の光源素子102を有する光源を意味し得る。同様に図2Bを参照すると、検出器200は1以上の検出器素子202を有する検出器を含み得る。出力光104ABは、検出器素子202の1つに入射するように図示されている。一例において検出器200は、検出器素子202が検出器の画素を構成するピクセル型検出器でもよい。一例のピクセル型検出器200は、CMOSまたはCCDアレイ検出器である。
【0023】
本開示の実施形態例では、平面的な導波路に、タッチ事象TEに関連するタッチ位置TLで、ある圧力量(例えば、ある相対圧力量)が印加される。本開示の複数の態様はタッチ事象TEの発生を検知するものに関し、一方他の態様はタッチ事象のタッチ位置TLを判定する追加の機能を含む。本開示の他の態様は、タッチ事象TEで印加される圧力量を検知するものを含む。
【0024】
一例においてタッチシステム10は、光源100および200がアセンブリ20の上方から観察者に見えないように(例えば図25Bの観察者500参照)、光源100および200をカバーする働きをする随意的なカバー40を含む。一例において、カバー40はベゼルの役割を果たす。一例においてカバー40は、少なくとも可視光を遮断する働きをし、またタッチシステム10のいくらかの部分がユーザから見えないようにするように構成され、または光のある波長を遮断するが別の波長を透過させるような、いかなる種類の遮光性の部材、膜、塗装、ガラス、部品、材料、テクスチャ、構造でもよい。図3では、図を簡単にするため、単に光源100、検出器200、および導波路22を図示している。
【0025】
複数の実施形態例において、カバー40はアセンブリ20に対し、観察者から光源100または検出器200が見えないよう遮る働きをする、任意の位置に存在し得る。カバー40は連続したものである必要はなく、いくつかの部分またはセグメントから作製されたものでもよい。さらに、カバー40を用いて検出器200を、例えば太陽光を排除するためなど、光源100からの光104以外の光を受けないよう遮蔽することができる。従って、一例においてカバーは、ある波長(例えば、可視波長)に対して実質的に不透明であり、かつ別の波長(例えば、光源100からの光104での赤外波長)に対して実質的に透明なものでもよい。
【0026】
一例においてカバー40は、少なくとも可視波長で不透明でありかつ随意的にはIR波長を透過させる、膜状のものである。一例のカバー40用の膜として、可視およびIR波長を含む広範囲の波長に亘り光を吸収する、黒色塗装が挙げられる。
【0027】
引き続き図1を参照すると、タッチシステム10は、1以上の光源100および1以上の検出器200に動作可能に接続される(例えば、バス301を介して)、コントローラ300を含み得る。コントローラ300はタッチシステム10の動作を制御するように構成される。いくつかの実施形態においてコントローラ300は、プロセッサ302、デバイスドライバ304、およびインターフェース回路306を含み、全ては動作可能に配置される。コントローラは光源信号SLを用いて光源100を制御し、また検出器200から検出器信号SDを受信して処理する。
【0028】
一実施形態例において光源100は、コントローラ300のプロセッサ302によって光源制御信号SLで波長変調される。これが、選択されたやり方で光ビーム104の光路OPnを変化させることにより、出力光ビーム104−Oに変化を生じさせる。この選択された変化自体が検出器信号SDに現れ、この信号をコントローラ300が処理(フィルタリング)してレーザ変調周波数を明らかにする。これは例えば、ロックイン増幅器によって達成することができる。
【0029】
一例においてコントローラ300は、ファームウェアおよび/またはソフトウェア(図示なし)に格納された命令を実行する、マイクロコントローラまたはコンピュータを含む。コントローラ300は本書で説明する機能を果たすようにプログラム可能であり、これらの機能には例えば、あるタッチ事象、または多数のタッチ事象および多数の圧力に関する、相対圧力量並びにその位置を測定するために必要な、タッチシステムの動作および任意の信号処理が含まれる。本書でのコンピュータという用語は、当技術においてコンピュータと称されるような単なる集積回路に限定されるものではなく、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、アプリケーション固有の集積回路、および他のプログラム可能な回路を広く称し、これらの用語は本書において交換可能に使用される。
【0030】
ソフトウェアは、本書で開示される圧力検知の機能および動作を実装することができ、または実行する助けとなり得る。ソフトウェアは、コントローラ300またはプロセッサ302に動作可能にインストールされ得る。ソフトウェアの機能は、実行可能なコードを有するプログラミングを含み得、またこの機能を用いて本書で開示される方法を実施することができる。このソフトウェアコードは、以下で説明する汎用コンピュータまたはプロセッサユニットによって実行することができる。
【0031】
動作時には、コードと場合によっては関連するデータレコードとが、汎用コンピュータのプラットフォーム内、プロセッサユニット内、またはローカルメモリ内に格納される。しかしながら別の場合では、ソフトウェアを他のロケーションに格納してもよいし、および/または適切な汎用コンピュータシステムにロードするために転送してもよい。したがって本書で論じられる実施形態は、少なくとも1つの機械可読媒体に収容される1以上のコードモジュールの形の1以上のソフトウェア製品を含む。コンピュータシステムのプロセッサによって、またはプロセッサユニットによって、このコードを実行すると、本質的には本書において論じかつ説明する実施形態において実行されるやり方で、プラットフォームはカタログおよび/またはソフトウェアのダウンロード機能を実施することができる。
【0032】
以下で論じるようにコンピュータおよび/またはプロセッサは夫々コンピュータ可読媒体または機械可読媒体を採用することができ、これは、例えば以下で説明するようにタッチ事象に関連する圧力量を判定するなどの命令を、実行のためにプロセッサに提供することに関与する、任意の媒体を称する。以下で論じるいずれのメモリも、コンピュータ可読媒体を構成する。こういった媒体は、限定するものではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含め、多くの形を取り得る。不揮発性媒体は、上述のサーバプラットフォームの1つとして動作する任意のコンピュータにおける任意の記憶装置など、例えば光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、このようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。物理的伝送媒体は同軸ケーブルを含み、すなわちコンピュータシステム内のバスを含むワイヤなどの銅線および光ファイバを含む。
【0033】
従ってコンピュータ可読媒体の一般的な形式として、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、任意の他の光媒体、あまり一般的に使用されていないパンチカード、穿孔テープ、任意の他の孔のパターンを有する物理的媒体などの媒体、RAM、PROMおよびEPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を転送する搬送波、こういった搬送波を転送するケーブルまたはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取ることが可能な任意の他の媒体が挙げられる。こういった形のコンピュータ可読媒体の多くは、1以上のシーケンスの1以上の命令を実行のためにプロセッサに伝送することに関わり得る。
【0034】
図3はシステム10の例の断面図である。システム10は、一例において薄型の透明シート状である導波路22を有している。導波路22は、入力エッジ23と出力エッジ24とを備えている。光源100は入力エッジ23に隣接して配置され、一方検出器は出力エッジ24に隣接して配置される。導波路22は、光源100により放射された光104の波長λ(「動作波長」)に対して実質的に透明な、本体25を有する。導波路22は、厚さTHで隔てられた上方表面26および下方表面27を有する。導波路22は、上方表面および下方表面に平行でありかつこれらの間の中ほどに位置する、中心平面PCを有する。光源100および検出器200は、中心平面PC内で明るくなる中心軸ACに沿って位置する。
【0035】
他の実施形態では、ポリマー、プラスチック、および、動作波長λで実質的に透明な他の非ガラス材料などのガラス以外の材料を、導波路22に使用してもよい。
【0036】
システム10は、光源100と入力エッジ23との間に動作可能に配置された入力光学系123を含む。入力光学系123は、(コヒーレント)光104を受けて、これを導波路22に向けるように構成される。システム10はさらに、検出器200と出力エッジ24との間に動作可能に配置された出力光学系124を含む。出力光学系124は、出力光104−Oを受けて、これを検出器200に向けるまたは検出器200へと通すことができるように構成される。一例において、出力光学系124は図示のように絞り(ストップ)を含む。出力光学系124は、レンズ素子、ミラーなどの、光を向けるまたは光を調整する他の素子または部品を含んでもよい。
【0037】
光源100と入力光学系123との組合せが光源系103を画成し、一方検出器200と出力光学系124との組合せが検出器系204を画成する。光源系103、検出器系204、および導波路22は、タッチスクリーンアセンブリ20を構成する。
【0038】
図3は、出力エッジ24から出た光104−Oの制限された部分(すなわち、出力光104−O)のみを検出器200が検出するよう検出器系204が開口制限された、一例の実施形態を示している。これによれば検出器200は、本質的に光の全てを集めて実質的に変化しない統合測定を得るのとは対照的に、出力光104−Oの強度のばらつきの局所的変化を検出することができる。これは、導波路22の摂動が、導波路内の光の再分配を一般にもたらすためである。
【0039】
光104の再分配を効率的に検出するためには、アパーチャ124のサイズを導波路20の厚さTHよりも小さくすることが必要である。これはアパーチャ124を、導波路の厚さよりも大きい検出器と共に使用することによって達成することができるし、あるいは導波路の厚さよりも小さいサイズの検出器のみを使用することによっても達成することができる。アパーチャ124は円形でもよいが、集光効率を最適化するために長方形でもよい。
【0040】
上述したように他の実施形態では、タッチ事象TEが起きたときに光の干渉パターン(すなわち、明暗の縞)の変化を検出することができるよう、出力光104−Oの大部分の測定がこのパターンの分布を検知することができるものを含むように検出器200は画素化される。従って、一実施形態例では出力エッジ24の1以上の部分が検出器200上に結像され、これは複数の検出器200を出力エッジにすぐに面した異なる位置に設ける事例を含む。検出器200は、導波路の厚さTHよりも小さい寸法を有する光検知面をさらに含み得る。
【0041】
システム10は、光ビーム104が導波路22を通って入力エッジ23から出力エッジ24へと、光線104−nと関連する多数の光路OPnを進むように構成されており、ここでnは2以上の整数である。図3では、実例として光線104−nのうち2つの光線104−1および104−2で、2つの光路OPnが表されている。一例において異なる光路の番号nは、入力エッジ23および出力エッジ24の間を進むときに異なる数の全内部反射(「バウンド」)を受ける、光線の番号nに対応する。説明を簡単にするために、光線104−nを使用して異なるTIR導波モードを表し、また「光線」および「導波モード」という用語は、交換可能に使用され得る。
【0042】
n個の光線104−nによって表される導波モードが光学干渉可能であることは当業者には明らかであろう。このため出力光学系124は、出力エッジ24から出るn個の光線104−nを受けてこれらの光線(導波モード)を干渉するように合成し、それにより出力光ビーム104−Oを形成するように構成される。出力光ビーム104−Oは、出力光ビームを検出する検出器200に向けられる。
【0043】
電磁気の観点から、光104が導波路22内に放たれると、全電場Eは以下で表すことができる。
E=ΣEnexp(−iβnz) (1)
ここでEnおよびβnは、夫々モードnの電場分布および伝播定数である。光の強度は以下で与えられる。
I∝E12+E22+…+E12cos(Δβ12z)+E13cos(Δβ13z)+…Emncos(Δβmnz) (2)
ここでΔβは、モードnとmとの間の伝播定数の差である。
【0044】
異なるモード間の位相差に起因して、方程式(2)は導波路22の出力エッジ24で干渉が生じることを示している。この位相差は、曲げ、圧力などの導波路22に対する外部摂動に非常に敏感である。この影響をシステム10で用いて、力感応性または感圧性のタッチ用途を可能にすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光線104−nは導波路22の最低次モードを表し、一方他の光線は高次モードを表す。導波路22の最低次モードは、いかなるバウンドも受けずに直接中心軸ACに沿って進む。従って入力光学系123および出力光学系124は、これらが夫々導波モードの励起および干渉した導波モードの検出に用いられるため、モード調整器と称することもできる。タッチスクリーンアセンブリ(「アセンブリ」)20の構成は、光線104−nが前述の異なる光路OPnを進んで干渉する干渉計を画成する。光路OPnは導波路22の本体25内で重なり合う。
【0046】
導波路22は一般に、プラスチック、アクリル、ガラスなどの薄型の平面的シートに成形可能でありかつ散乱または吸収による実質的な損失なしで光ビーム104−nの伝送をサポートする、任意の適切な透明材料から作製され得る。一実施形態例において導波路の厚さTHは、圧力が上方表面26のタッチ位置TLで局所的に印加されたときに導波路が破損することなく撓むことができるような厚さである。厚さTHの例示的な範囲は、0.3mmから1.5mmである。タッチシステム10の具体的な用途に合わせて他の厚さを採用してもよい。一例では、上部導波路22Aのみが撓み得るような厚さを有し、一方下部導波路22Bは十分に厚いか、あるいはタッチ事象TEによって上部導波路が撓む力を受けたときでも概して平面的なその構成を保持する剛性を有する。
【0047】
一実施形態例において導波路20は、ソーダ石灰タイプのガラスなど化学強化ガラスから形成され得る。一例のガラスは、イオン交換を通じて硬化されたアルカリアルミノケイ酸ガラスである。これらのタイプのガラスは、Na2O(ソーダ)、CaO(石灰)、およびSiO2(シリカ)を含み得るが、さらにMgO、Li2O、K2O、ZnO、およびZrO2などの酸化物を含んでもよい。イオン交換を通じて硬化されると、こういったタイプのガラスは、タッチスクリーン用途の他、(例えば、カバーガラスのような)他の用途に望ましいものとなる特定の特性を呈する。
【0048】
導波路シートとして使用するのに適したソーダ石灰タイプのガラスの調合または製造あるいはこの両方に関するさらなる詳細は、2007年7月31日に出願された米国特許出願第11/888,213号明細書、2009年8月7日に出願された米国特許出願第12/537,393号明細書、2009年8月21日に出願された米国特許出願第12/545,475号明細書、および2009年2月25日に出願された米国特許出願第12/392,577号明細書の1以上において見出すことができる。本書において使用される例示的なガラスは、ニューヨーク州コーニング所在のコーニング社(Corning, Incorporated)によるGorilla(登録商標)ガラスである。また、低鉄Gorillaガラスまたは他の低鉄イオン交換ガラスなどの例示的なガラスは、赤外の動作波長λに対して透明である。
【0049】
図4A図3のアセンブリ20に基づくアセンブリ20の実施形態例であるが、ここでは光源系103が入力光学系123としてシングルモードの光ファイバを含み、また検出器系204が出力光学系124としてシングルモードまたはマルチモードのいずれかの光ファイバを含む。シングルまたはマルチモードの光ファイバ124は、生成される出力光104−Oの局所的測定を可能にする開口制限された光学系として働く。代わりの実施形態では、多数の光ファイバ124を用いて出力エッジ24の異なる位置での強度を比較してもよい。これは例えば、光ファイバ束の利用を含む。
【0050】
図4B図3のアセンブリ20に基づくアセンブリ20の別の実施形態例であるが、ここでは光源系103が入力光学系123として回折格子を含み、また検出器系204が出力光学系124として回折格子を含む。上述したようにアパーチャを検出器200に隣接させて使用して、検出プロセスを、開口制限された、従って局所的強度測定を対象としたものにすることができる。
【0051】
図4Cは、図4Bのアセンブリ20に類似したアセンブリ20の別の実施形態例であるが、ここでは光源系103が入力光学系123の構成要素として、下方表面27に配置されたプリズムを含み、また検出器系204が出力光学系124の構成要素として、下方表面27にさらに配置されたプリズムを含む。上述したようにアパーチャを検出器200に隣接させて使用して、検出プロセスを、開口制限された、従って局所的強度測定を対象としたものにすることができる。
【0052】
図4Dは、図4Cのアセンブリ20に類似したアセンブリ20の別の実施形態例であるが、ここでは入力エッジ23および出力エッジ24は、光104を内部反射する働きをするTIR表面を画成するよう傾斜している。光源100からの光104は、ある角度範囲に亘って下方表面27から導波路22に入り、傾斜したエッジ23で内部反射される。この内部反射で、光104は光路OPn上に導かれるように向けられる。検出器側では、光線104−nとして進んでいる光104が傾斜したエッジ24から反射して、導波路22を下方表面27から出ていくように向けられ、ここで出力光104−Oは検出器200で検出される。従って傾斜したエッジ23は入力光学系123の構成要素を画成し、また傾斜したエッジ24は出力光学系124の構成要素を画成する。上述したようにアパーチャを検出器200に隣接させて使用して、検出プロセスを、開口制限された、従って局所的強度測定を対象としたものにすることができる。
【0053】
タッチスクリーンの動作
システム10の、導波路22の上方表面26でタッチ事象TEが起きていない一般的動作では、異なる導波モードと関連付けられる光路OPnは一定のままであり、その結果、検出器側端部から導波路を出ていく出力光104−Oは時間で一定のままである。図5Aは、タッチ事象TEが起きていないときの導波路22の出力エッジ24での、出力光104−Oによる近視野干渉パターンの写真である。
【0054】
図5Bは、図5Aに関連するシステム10においてタッチ事象TEが中程度の圧力量で加えられている状態での、出力光104−Oによる近視野干渉パターンの写真である。近視野干渉パターンの光の分布が、図5Aのタッチ事象を含まない条件から変化したことが分かるであろう。図5Cは、図5Aおよび5Bに関連するシステム10においてタッチ事象TEが強い圧力で加えられている状態での、出力光104−Oによる近視野干渉パターンの写真である。近視野干渉パターンの光の分布が、図5Bの中程度の圧力のタッチ事象条件から変化したことが分かるであろう。
【0055】
タッチ事象TEによる圧力によって導波路22が曲がり、これが光線104−nの相対的な光路差に変化を生じさせるため、出力光104−Oの光の分布に変化が生じる。別の言い方をすれば、導波路の曲がりは各光路OPnに夫々に影響し、その結果既存の光路差に変化が生じて、変化した光路OP´nの組を生み出す。従って、出力光104−Oはマルチモードの干渉パターンを画成し、このパターンは光路OPn間の差が変化すると変化する。
【0056】
図6Aは、光104が最低次モードで第1の光路OP1を進む導波路22の断面図であり、すなわち中心軸ACに沿って導波路を真っ直ぐに通って進む。実際に、第1の光路OP1および中心軸ACはこの事例では同じである。
【0057】
図6B図6Aと同じ導波路22であるが、ここでは上方表面26が中央のタッチ事象位置TLでタッチ事象TEを受けて導波路が曲がっている。タッチ事象TEが起きていないとき、導波路22は長さLを有すると仮定する。タッチ位置TLでタッチ事象TEが起こると、中心軸ACに対して測定して曲率半径Rで導波路22は曲がる。
【0058】
図6Bの撓んだ導波路に関連付けられる新たな光路OP1´は、図6Aの撓んでいない上部導波路の光路OP1よりも長い。導波路の湾曲の曲率半径R=r+δrであり、かつこの湾曲が角度θに対するものであると仮定すると、θが比較的小さい角度である(すなわちRが比較的大きい、これは本事例では適正な仮定である)場合には、OPAからOPA´までの光路の変化はおよそδrであることを容易に示すことができる。
【0059】
従って、タッチ事象による導波路22の曲がりに起因する光路OP1とOP1´との間の光路差は約δrである。δrが例えば約2.5μmである場合には、これは波長800μm程の赤外光の2つの波長に略等しくなる。この光路差自体が、得られる干渉パターンの検出部分でシフトしている縞に起因する出力エッジ24の所与の点での光パワー量の変化など、出力光104−Oの変化として現れることになる。このことは、図5Aから5Cに示されている。最低次の光路以外の光路での変化は、同様のやり方で変化する。
【0060】
モード分解および付随するマルチモード干渉は、光104が導波路20内で再分配される仕組みを説明する1つの手法である。この説明では出力光104−Oを、変化した干渉効果に起因して変化したパターンを有していると考えることができる。ただし光104の再分配を表す別の手法は、レイトレーシングに基づく幾何学的モデルを使用するものである。実際には、1mm程度の導波路厚さTHで回折効果は無視することができる。そのため他の実施形態では、出力光104−Oの異なる成分(光線)が導波路20のゆがみによって方向を変え、またこの方向を変える変化によって、例えば強度パターン、強度重心の位置、概して単一の出力ビームの多数の出力ビームへの分割など、出力光の特徴が変化する。
【0061】
実質的にコリメートな光104を透明ガラスシートなどの平面的な導波路20内に注入すると(例えば、図6C参照)、光は反射されずにこれを通って進み、導波路20の出力エッジ24で出力光104−Oにより画成される得られるエネルギー分布は実質的に均質な分布を有する。いくらかの曲げが導入されると(図6D参照)、光104の一部分が上方表面26および下方表面27から反射され、これが出力光104−Oのエネルギー分布を変化させる。
【0062】
図6Fは、様々な導波路の曲がり量に対してレイトレーシングモデルを用いて判定した、出力光104−Oの画像の例を示している。エネルギー分布は、いかなる曲がりも含まない導波路20での実質的に均質なものから始まる(上部左の画像)。その後エネルギー分布は非対称になり、最終的に曲がりの量が導波路の厚さの半分に近くなると再び実質的に均質になる。出力にアパーチャ124を置くことによって、導波路の曲がりの大きさに応じた準正弦波検出器信号SDが得られると期待できる。
【0063】
図6Fに示されている結果は、伝播する全ての光線の強度を加算しているため、いかなる干渉効果も含んでいない。図14は、図6Fに類似した画像を示しているが、これは光線の電場を加算していることを除いて同じモデルの結果である。図に見られるように、導波路20の出力エッジ24から2つの異なる角度で出ていく2つのビーム間の干渉効果に起因して、より高周波の縞が現れる。
【0064】
システム10は、2つの異なるモードで動作させることができる。第1のモードでは、略コリメート光104が導波路20に対してある角度で注入され、その結果図6Gおよび5Bに見られる非常に高い周波数の縞が生成される。これらの縞の周期よりも大幅に大きくなるようにアパーチャ214を選ぶと、検出プロセスは縞に対して鈍感になり、図6Fで予測されるエンベロープの動きにのみ敏感である。第2のモードでは、光104は導波路20に対して略平行に注入され、またアパーチャ214は縞の周期よりも著しく小さい。この場合には、検出プロセスは縞の動きに敏感であり、これにより検出感度を向上させることができる。
【0065】
図6Cおよび6Dは、図6Bの導波路22の入力エッジ部分の拡大図である。図6Cは、導波路に撓みがないときに全くバウンドすることなく導波路を真っ直ぐに最低次モードで進む、平行な(コリメート)入力光104を示している。図6Dは、入力したコリメート光104が上方表面および下方表面でバウンドすることになる、撓んだ(曲がった)導波路を示している。これは、曲がった導波路における光104の光路が、湾曲した中心軸ACを真っ直ぐに進む場合よりもさらに長いことを意味する。このように、導波路22の曲がりまたは撓みは、コリメート(最低次モード)光を高次モード光に変え得る。これはより大きな光路の変化をもたらし、これが出力エッジ24での出力光104−Oの分布の、より大きな変化となる。
【0066】
図6Eは導波路22の出力エッジ部分の拡大断面図であり、図6Dに示されているように、導波路が撓められたときのレイトレーシングモデリングの結果に基づく光線104−nを示している。光線104−nは、撓んだ導波路22に起因して不均質に分布される。図6Fは出力エッジ24での出力光104−Oの強度分布を示し、撓み(曲がり)の量が増加するときの強度分布の変化を示している。
【0067】
図6Gは、導波路22の出力エッジ24での出力光104−Oの一連の画像を示している。導波路22は厚さTH=1.3mmのガラスのシートであった。この厚さTHが各画像で表示されている。上方表面および下方表面のおおよその位置が、白い点線で示されている。出力光104−Oにおける光の分布は右へと移動し始め、シートのエッジでほとんどの光が集中する点に到達し、その後中心へと戻る。曲げ続けた場合、光は右から左へ、また左から右へと周期的に移動し続ける。光がシートの中心から移動して再び中心にくるようにさせるのに必要な曲がりはシートの厚さの半分に略等しく、これはモデルと十分一致している。
【0068】
図7Aは、指50が中心のタッチ位置でタッチ事象TEを生成する態勢にある、導波路22の概略断面図である。図7Bは、導波路22上で上方表面26に下向きの圧力をかけ、それにより導波路22を撓ませている、指50により引き起こされるタッチ事象を示している。図7Cは、タッチ事象TEが出力エッジ24に近いタッチ位置TLで起きていること、すなわちタッチ位置が導波路22の中心を外れていることを除いて、図7Bに類似している。
【0069】
タッチ事象の時間発展の判定
本開示の態様は、タッチ事象TEの時間発展の判定を含む。例えばこれを使用して、例えば指、スタイラスペン、鉛筆の消しゴム端部、または同様の手段によって導波路22の上方表面26に加えられる相対圧力量を判定することができる。ここで、上部導波路22Aでアセンブリ30に印加される圧力は、上方表面26Aに存在するコーティング層などの別の表面を通したものでもよいことに留意されたい。
【0070】
従って一実施形態例では、処理済み検出器信号SDの時間発展を使用して、タッチ事象TEの時間発展を特徴付ける。例えば、物体(例えば、指50、スタイラスペンなど)が最初に導波路22の表面26に接触すると、透明シートに少量の撓みが生じる。指50が上部導波路22を押圧し続けると上部導波路の撓みの量が変化し、その結果光路長OPnが連続的に変化する。光路の変化は、出力光104−Oに、従って処理済み検出器信号SDに、連続した変化として現れる。光路の連続的な変化によって、出力光104−Oの角度分布および空間分布が変化する。この変化は、光路の変化に起因する干渉パターン、および製造誘起および応力誘起の複屈折性の異なる領域を通過する光に起因する光104の偏光状態を含む。
【0071】
物体がタッチ位置TLで一定圧力を印加すると、処理済み検出器信号SDは変化しなくなる。この時点で、処理済み検出器信号SDが一定のままとなる時間量を測定してもよい。例えばタッチ事象TEに特定の圧力量だけではなく選択された持続時間も関連付けておくことを要求することによって、ある機能を実行するためにこの情報を用いることができる。さらに実施形態例では、導波路22の上方表面26を押圧して不注意にタッチ事象を誘発する言わば無作為のものとは対照的に、タッチ事象を意図的に引き起こすために使用される言わば指またはスタイラスペンでの一貫した圧力による選択された時間発展を、タッチ事象が含むことを要求してもよい。
【0072】
図8は、多数の光源100と多数の検出器200とを有する一例のシステム10について、ニュートン(N)で表した印加接触力FTに対する測定された光パワーPMをマイクロワット(μW)で示したプロットである。このプロットは、図7Bで示されているようなタッチ位置が導波路22の中心であるタッチ事象TEからのデータを含み、これはプロットに四角で示されている。このプロットはさらに、プロットにダイヤモンドで示した、図7Cで示されているようなエッジ付近のタッチ事象からのデータを含む。
【0073】
このプロットは、導波路22のエッジ付近のタッチ事象TEが中心付近のタッチ事象ほど、検出器200での測定パワーに大きな変化を生じさせないことを示している。このデータを使用して、タッチ事象の概略位置、すなわち導波路のエッジよりも中心に近いかどうかを立証することができる。
【0074】
システム10のタッチ感度を明示するために、図4Aに示したような一例の光ファイバベースの系を採用した。光源100は、動作波長が6328nmのレーザ方式のものであった。レーザ100はピグテール付きのシングルモードファイバ123であった。コリメーティングレンズを使用し、導波路22としての4インチ(10.16cm)×4インチ(10.16cm)のGorillaガラス基板内に放った。マルチモードファイバ124が出力エッジ24でガラス基板に突き合わせ結合され、出力光104−Oの一部分を集めてこれを検出器200に伝えた。
【0075】
導波路22がタッチ位置TLで圧力(力)を受けると、検出される光の強度が変化する。上で紹介して論じた図5Aから5Cは、CCDカメラ方式の検出器200によってガラスのエッジで取られた、明暗の干渉パターンの近視野像を示している。中心の干渉強度最大が上方表面26付近から下方表面27付近にシフトされた、著しいパターンの変化を見ることができる。
【0076】
出力光104−Oの強度パターンの変動と共に、検出されるパワーの変化を使用して、タッチ事象に関連する印加された力の大きさを示すことができる。
【0077】
近視野および遠視野検出
システム10の一実施形態例は、「近視野」すなわち出力エッジ24近くで出力光を検出し、一方別の実施形態例において、系は「遠視野」すなわち出力エッジ24から離れたところで出力光を検出する。近視野検出は、検出器200の前に小さい(すなわち、導波路22の厚さTHよりも小さい)アパーチャ214を置くことによって実現することができる。この構成では、システム10のレイトレースモデリングによって、検出済み信号SDは導波路が撓められる際に周期関数になることが示され、その周期は導波路22の厚さTHに近くなる。
【0078】
遠視野検出は、実質的にコリメート光104を導波路22の入力エッジ23へと注入して、出力光104−Oを遠視野で観察することによって実現され得、これは2方向について集中されると期待される。この2方向は偶数および奇数の反射を受けた光104に夫々対応する。導波路22の曲がり量が変化すると、この2方向で光パワーの分布が変化する。この2方向は、出力光104−Oを検出する距離に応じた2つの位置となる。
【0079】
図9Aは、撓められた導波路に対して遠視野で測定された、出力光104−Oのシミュレーションであり、出力光の2つの方向(位置)を示している。図9Bは、実際の撓められた導波路22に対する測定結果を示し、出力光104−Oの強度の遠視野分布は図9Aのモデルの結果に非常によく似ている。図9Cは、光点の位置に配置された第1および第2の光検出器(プロット内の曲線AおよびB)によって判定された、光の2つの方向でのガラスの変形D(mm)に対するパワーPの%のプロットである。このプロットから分かるように、これらの光点でのパワーの量は周期的であり、2つの周期は180°位相がずれている。
【0080】
図10は、厚さTHが1.2mmのガラスから作製された一例の導波路22に1ニュートンの瞬間的な力を加えたときの、2つの遠視野の光点のうちの一方における電圧V対時間のプロットである。電圧は検出された光パワーを表す。このプロットは急激な推移を示し、これはタッチ事象の検出が、遠視野の出力光104−Oの異なる方向間の光パワーの移動に基づき得ることを意味する。
【0081】
システム10はさらに、上方表面26および下方表面27の一方または両方で出力光104−Oを検出するように構成され得る。曲がっている導波路22は、上方表面26および下方表面27からの光104のバウンドのしかたを変化させるため、光がアクセスおよび検出可能である場合には、この変化を用いて導波路の曲がりを測定することができる。
【0082】
レイトレースシミュレーション
図11Aおよび11Bは、厚さTHが1.2mmの導波路22内に光104を注入するものに基づくレイトレースシミュレーションを描いたものである。光104は、光が上方表面26および下方表面27からバウンドするように10°の角度で注入される。図11Aは導波路の曲がりのないものを示し、一方図11Bは曲がりが0.3mmのものを示している。図示の検出器200は導波路22の上方表面26に隣接して配置されている。導波路22の曲がりの程度が変化すると、光のバウンドの位置(および、いくつかの事例ではバウンドの数)が変化するため、検出器信号SDは変化する。このモデルによれば、検出器信号SDは周期的であり、1周期は導波路の厚さTHの半分に等しい。
【0083】
一例の検出器200は、中心軸ACの方向においてLD=TH/(sinθ)で画成される長さLDを有し、ここでTHは前述の導波路の厚さであり、またθは、導波路22の上方表面26および下方表面27に対する光104の角度である。
【0084】
図12Aから12Cは、厚さTHが1.2mmであり軸長が240mmである導波路22内を進む、光104のレイトレースシミュレーションを示している。入力エッジ23を、発散(全)角が0°(図12A)、0.3°(図12B)、および0.6°(図12C)の均質な照明で照らした。図から分かるように、0.6°では、導波路の曲がりによって誘起される信号変調が消失するように導波路全体が光104で占められる。入力ビーム104が導波路の厚さTHを過度に占めるとき、最大ビーム発散δはおおよそδ<2・TH/Lで与えられ、このときLは伝播の長さである。
【0085】
このモデルによれば、信号は周期的になると期待される(検出方式とは無関係に)。そのため、系を周期関数のゼロの近くで動作させる限り、信号は実質的に線形になる。しかしながら応答関数の位相は、ガラスの長さ、ガラスの厚さ、注入角度などの多くのパラメータに依存する。一実施形態例では、アクティブアラインメントを用いて、システム10が確実に周期関数のゼロの近くで動作するようにすることができる。
【0086】
2つの検出器の実施形態
図13は、上方表面26および下方表面27に隣接して配置された2つの検出器200(200U、200L)を採用している、システム10の実施形態例を示している。検出器200Uおよび200Lは、4分の1周期位相がずれている信号SDをこれらで検出するように配置される。その場合、圧力の計算に戻ることができる余弦および正弦関数がもたらされる。
【0087】
図13において距離Dxはバウンドの周期を示し、2つの検出器をDx/4+nDx(nは整数)ずらして位置付けることによって、印加される力に対する信号変調は、信号周期の4分の1位相がずれることが期待される。
【0088】
図13に示されているものなどの一実施形態例では、2以上の検出器200を上方表面26および下方表面27の一方または両方に採用することができる。一例では3つの検出器200が使用される。3つの検出器200のうちの2つを、出力エッジ24に隣接して上方表面26および下方表面27に配置してもよく、一方3つ目を上方表面または下方表面のいずれかに、導波路22の中央または中央付近に配置してもよい。シミュレーションは、こういった構成によって位相がずれている3つの周期的な検出器信号SDの検出が可能であることを示し、相対位相は導波路22の曲がり量に応じて変化する。
【0089】
縞の検出
システム10の動作の一態様では、光線104−nが導波路22内へと放たれ、出力端部24、上方表面26、および下方表面27ののうちの1以上から出力され得る出力光104−Oに基づいて出力放射照度プロファイルが測定される。その結果、干渉効果は十分考慮されていない。コリメートビーム104が2つの異なる角度で伝播している場合には、これらが干渉して高周波数の縞を生成する可能性がある。これらの縞は、高倍率を用いて出力ビームをCCDカメラで撮像すると見ることができる。
【0090】
実際に、出力光104−Oは比較的高周波数の縞を画成し得る。開口制限検出方式が使用される場合には、出力光104−Oをフィルタリングするために使用されるアパーチャ214は一般に縞の周期よりも大幅に大きい。この場合検出は、出力光ビームのエンベロープの動きにのみ敏感である。
【0091】
入力光ビーム104を導波路22の中心軸ACと正確に位置合わせすることができる場合には、低周波数の縞が生じ、ピンホールで縞をフィルタリングする。そのため、ビームのエンベロープの動きを検出することに加え、この系は低周波数の縞の検出も開始する。
【0092】
図14は、強度ではなく光の電場を合計することによって得られる、出力光ビーム104−Oの一連のシミュレーション画像を示している。このシミュレーションでは、導波路の厚さはTH=1.2mmであり、また入力ビーム104はコリメートされて、照明が入力端部を過度に占める状態で入力端部23に垂直に入射した。曲がりの程度は各画像の上に示されている。
【0093】
図から分かるように、導波路20が曲がり始めると縞がパターンの状態で現れて、エンベロープの一般的な動きに概して加わる。近視野のフィルタリング素子が縞の周期よりも小さいと仮定すると、ビームエンベロープの動きを単に検出する場合よりもこの測定状態を大幅に敏感なものにするため、高周波数変調を検出することができる。
【0094】
クラッド層を備えた導波路
システム10の実施形態において、光104は導波路の方向に近い状態で(すなわち、実質的にコリメートされて)注入され、その結果光は非常に良く導かれる。図15は、上方クラッド層26Cおよび下方クラッド層27Cのうちの少なくとも1つを含む、システム10の実施形態例を示している。クラッド層26Cおよび27Cは導波路22の屈折率よりも若干低い屈折率を有し、それにより導波路の導波特性を高める働きをする。これにより、接着剤層(エポキシ樹脂接着剤など)をクラッド層の一方または両方に加えることが可能になり、あるいは接着剤層が、導波路22内での光104の伝播を妨げずに導波路22の上方側または下方側にアンチグレア層または1以上の他のこのような性能向上層を追加することが可能になる。
【0095】
偏光効果
タッチシステム10は、出力ビーム104−Oの偏光状態の変化などの偏光効果を検出するように構成された偏光光学素子をさらに使用することによって改良することができる。これは、導波路本体25内の、従って光104が導波路を通り過ぎる際の光104の光路に沿った、複屈折性の変化によって可能になる。
【0096】
複屈折性は、屈折率が偏光および光の伝播方向に依存する材料の、光学的性質である。また、複屈折は光弾性効果としても知られている。ガラスなど複屈折が僅かな光学材料は、機械的応力に起因して光学的に異方性を示し、一方多くの結晶は、その結晶構造に起因して複屈折性である。単一軸の機械的応力の場合には、複屈折の値は、応力に平行な方向に励起する光と垂直な方向に励起する光とに対する屈折率の差である。
【0097】
2つの直交する方向に励起している光の間の光路差は、ビームの位相遅れ(Ret)として知られている。ビームが直線偏光であり、かつ励起が応力の方向または応力に垂直な方向になるように調整されている場合には、1つのみの屈折率が認められるため位相遅れは検出されない。位相遅れの量は、機械的応力および応力光学係数(K)に比例する。応力光学係数はガラスの種類によって変化し、温度および波長での変化は大幅に少ない。
【0098】
位相遅れRetの量は以下の関係式で算出することができる。
【0099】
【数1】
【0100】
ここで、Retは波のリターダンス、nは応力の方向に対する屈折率、dは光路長、λは波長、σは機械的応力(引張応力で正、および圧縮応力で負)、そしてKは応力光学係数である。σの単位はN/mm2またはMPa(メガパスカル)である。Kの単位はmm2/Nである。一般的なガラスタイプBK7のKは〜2.8×10-6であり、以下の表は、応力複屈折に起因するリターダンスを近赤外(IR)波長に対する光路長(距離)および圧力で計算した一例である。
【0101】
偏光検出の簡単な実装が図16に示されている。図示の指50は、タッチ位置TLおよびその周辺で導波路本体25に圧力550を生成する、タッチ事象を生み出している。第1の偏光子501が光源100と入力エッジ23との間に配置されている。偏光子501は、導波路20の上方表面22に垂直な圧力550の目立った方向に対して、45°の方向に光104を直線偏光するように構成される。一例において、光104は実質的にコリメートされて、中心軸ACに平行に進む。
【0102】
システム10はさらに出力エッジ24と検出器200との間に、例えば検出器200にすぐ隣接して配置された第2の偏光子511(「アナライザ」とも呼ぶ)を含む。検出器200は、いくつかの実施形態では、200−Aおよび200−Bで示した2つの検出器から成ると考えることができる。一実施形態例において第2の偏光子511は、光104の偏光回転が全くない場合に検出器信号が最大になるよう、第1の偏光子501の位置と同じ45°で配置される。しかしながら、第2の偏光子511はいかなる偏光配向を有してもよい。
【0103】
圧力550が導波路20に印加されると、光104のリターダンスRetは変化する。これは、偏光子511の透過が変化し、かつ検出器200−Aからの検出器信号SDAが変化することを意味している。
【0104】
第2の(検出器)偏光子511が、y軸に対して+45°で配向されかつ第1の(光源)偏光子501に平行である場合、圧力550印加の前に最大信号に対して正規化された検出器信号SDは1に等しくなる。
【0105】
前述の第2の検出器200−Bが採用され、さらにy軸に対して−45°および偏光子511に対して90°で配向された独自の検出器偏光子512を、検出器200−Bが含む場合、検出器200−Bからの検出器信号SDBは圧力550が印加されていない間ゼロになる。これはガラスの据付けによる追加の圧力を受けていないこと、そしてガラスが製造時の複屈折を含まないことを想定しており、これは後に論じる。
【0106】
図17は、圧力550による圧縮に起因する光路に沿った誘起応力リターダンスに対する、検出器200−A(「det A」)および200−B(「det B」)の検出器信号SDAおよびSDBをプロットしたものである。入力エッジ23に入る直線偏光された光104は、光路OPに沿ったリターダンスがゼロから増加すると、より楕円状に偏光されるようになり、またリターダンスが波の4分の1に達すると円形になる。この時点で、2つの直交する偏光子511および512の透過は同じである。
【0107】
導波路本体25に半波長リターダンスを生じさせる程度まで圧力550が増加すると、光104は直線偏光に戻るが光源偏光に対して90°回転している。この時点で偏光子511の透過はゼロであり、また偏光子512の透過は1である。リターダンスに対する2つの偏光子の透過は正弦関数であり、この2つは完全に位相がずれている。
【0108】
直交する偏光を検出する2つの検出器200−Aおよび200−Bを備える利点は、2つの検出器信号SDAおよびSDBの合計および差を採用できることである。1つの検出器は圧力からリターダンスRetの大きさを判定することができるが、2つの検出器信号の合計は、検出器に入射する光の全強度を提供する。これにより、リターダンスの変化に関する情報と、検出器から外れるまたは検出器に向かうビームの操作とで、タッチ事象TEに関連する位置(タッチ位置TL)と圧力550の量とを分離させることができる。検出器信号SDAおよびSDBの差は、よりリターダンスの変化に敏感であり、検出器信号のビーム操作およびリターダンス成分の分離にさらに役立つ。
【0109】
図18A〜18Eは、ガラス導波路20が曲がりを受けたときの、アナライザ(偏光子511)を通じて結像されたエネルギープロファイルの測定結果を示した画像である。アナライザが存在していなかった図6Gと同様に、導波路が曲げられるとビームが移動する。しかし、この移動に加えて形状およびパワーがさらに変化しており、これは光104の偏光が光路OPに沿った複屈折に起因して変化していることを示している。これは、2つの検出器200−Aおよび200−Bを備えてビーム操作および複屈折の信号の変化を追跡する利点を明示している。第1の画像18Aは圧力550のない状態であり、続く画像18B〜18Eは圧力の増加と共に撮られたものである。画像の強度(これは検出器信号SDに対応する)は図18Eで印加されている圧力量で大きく減少し、約半波長のリターダンスが応力複屈折によって導入されたことを示している。
【0110】
一実施形態例においてシステム10は、光源偏光子501と導波路20の入力エッジ23との間に配置された、4分の1波長板503(仮想線で図示)を随意的に含む。波長板503が、その速軸を光源偏光子の軸に対して45°に配向して配置される場合、円形の偏光された光104が導波路20内に注入される。これにより、リターダンスが略ゼロの複屈折の変化に対する感度を、より大きくすることができる。検出器200−Aおよび200−Bに関連する検出器信号SDAおよびSDBは、図17のプロットで水平軸を0.25λずらした場合のもので説明することができ、その結果ゼロリターダンス位置は検出器信号SDAおよびSDBが等しい位置に移動する。この構成において、2つの検出器信号SDAおよびSDBの違いは最も高い勾配の位置であり、その結果2つの検出器信号の比率がさらに高い感度を提供する。リターダンスが略ゼロの場合、検出器200−Aおよび200−Bでの正規化された検出器信号の比率の勾配は4πである。
【0111】
2つの直交する直線偏光の差は、偏光の状態を特徴付ける4つのストークスパラメータのうちの1つによって画成される。一例のタッチシステム10は、速軸が直線偏光子(「円形アナライザ」)に対して45°に配向されている、検出器偏光子511および512のすぐ下流に置かれた4分の1波長板(図示なし)を備えた、4つの検出器を含む。この構成において、検出器200の1つは右旋円偏光を検出し、他方は左旋円偏光を検出する。2つの検出器間の信号の差は、ストークスパラメータのうちの別の1つを画成する。
【0112】
これらの異なる偏光子および4分の1波長板を、クワッドセル検出器200の4つの部分の前に置いてもよい。2つのストークスパラメータを測定すると、ビーム104のリターダンスに関する情報だけではなく光路に垂直な平面内に投影された光路に沿った応力ベクトルの平均回転も提供される。2つの追加の検出器によって提供される追加の情報を、タッチ位置TLと、タッチ事象TEの際にタッチ位置で印加される圧力550の量との分離に使用することができる。
【0113】
図16のシステム10の実施形態例は、動作可能に配置されて導波路20を支持するように構成された、少なくとも1つの支持部材520を含む。支持部材520の一実施の形態は、導波路20の下方表面27全体をカバーし、かつ比較的柔軟性がない。圧力が印加されるタッチ位置TLの他、これを取り囲む導波路本体25の部分において、圧力550が圧縮応力を生成するように、支持部材520は導波路20の動きを制約する働きをする。支持部材520はフレーム状でもよいし、あるいは支持部材を含んでいない場合に比べて圧力550によって生成される圧縮応力を高めるものであれば、充填しているもの以外の別の構成を有することも可能である。
【0114】
図19Aは、2つのフレームラインの支持部材520が導波路20の周囲P(図1参照)付近の上方表面26および下方表面27に動作可能に配置されている、システム10の概略断面図である。任意のタッチ事象TEによる圧力550が主として導波路20を曲げ、かつ導波路本体25全体に亘る圧縮および引張応力に繋がる。光路OPに沿って示されているベクトル551の組は、圧力550に起因する応力の方向と、これが圧力550によって導波路本体25に亘ってどのように変化するかを表している。光路差によるリターダンスが付加され、引張領域および圧縮領域は互いに補償する。
【0115】
タッチ位置TL付近の圧縮応力は、導波路20の曲がりに関連する広範囲に亘る圧縮圧力または引張圧力にベクトルとして加わる。この2つの応力発生源のベクトル和の相対的重み付けは、少なくとも1つの支持部材520によって提供される制約次第である。光ビーム104が光路OP上を進むときに受けるリターダンスの付加的な性質により、接触圧力に対してリターダンスに連続的変化が生じる。
【0116】
据付けの制約下または外からの圧力下にないガラスは、典型的にはガラスの製造によるいくらかの量の複屈折を有する。局所的な応力領域が、ガラスを冷却して固体状態にする過程で形成され得る。高性能イメージングシステムにおいて使用されるガラスは、
典型的には2nm/cm未満の低応力複屈折をもたらす、必要とされる高度な屈折率の均質性を得るために、数週間のアニーリングを必要とすることが多い。近IRでは、この応力量が、光路長50mm当たり100分の1波長を生成する。
【0117】
図19Bおよび19Cを参照すると、イオン交換によって化学的に硬化されたガラスプレート20の上方側および下方側の両方に応力領域552が形成される。図19Aのようにベクトルによって応力分布を示す代わりに、陰影の暗さで応力の大きさを表し、より暗い色は応力がより大きいことを示す。図19Bと19Cの違いは、圧力550でガラスを曲げていること(図19C)、そして光104の経路を、製造誘起の応力複屈折がより高い領域を通るように変えていることである。領域552の製造誘起の応力が、ベクトルの性質により、付近の領域の圧縮応力および曲げ応力に加わる。光ビームのリターダンスの付加的な性質が、接触圧に対するリターダンスに連続的変化を生じさせる。
【0118】
図28Aから28Cは、本書で説明される偏光ベースの実施形態に対する補足情報を与える。
【0119】
薄型導波路領域
図20は一例のタッチシステム10の概略側面図であり、ここで導波路20は、上方表面26に隣接した比較的薄い導波路領域29を含むガラスシート状のものである。導波路領域29は、上の種々の実施形態例において説明したような本体25のバルク全体が導波路として働くものに比べて、相対的に薄い光導波路として役割を果たす。
【0120】
導波路領域29は、イオン交換または積層フュージョンドロープロセス、あるいは基板上に薄型導波路構造を形成する当技術において既知の任意の他の技術を用いて形成され得る。一例において光源100は、入力エッジ23(以後、導波路入力端部23)で導波路の入力端部に突き合わせ結合されている一端部を有する、光ファイバ123の部分を介して、導波路領域29に光結合される。検出器200は出力エッジ24(以後、導波路出力端部24)で、導波路領域29と光結合されるか、あるいはそれ以外の場合に導波路領域29と光通信している。
【0121】
従って、光104は導波路領域29内を導波光として進み、かつ導波路出力端部24から出力光104−Oとして出力される。導波路領域29はバルクの導波路本体25よりも大幅に薄いため、導光は、回折および類似の影響を無視する光線の幾何学的アプローチよりも電磁気理論を用いて最もよく説明される。
【0122】
図20のタッチシステム10の構成に基づいた実験では、ピグテール付き半導体レーザが光源100として使用される。Gorillaガラスがガラスシート20として使用され、また導波路領域29を形成するためにイオン交換処理を用いた。導波路領域の屈折率は本体25の屈折率よりも高いため、光は薄いスラブ導波路を画成する導波路領域29内で導かれる。導波路領域29の厚さは約50μmであり、ガラスシートよりも大幅に薄い。従って、導波路領域29はマルチモードをサポートするが、ガラスシート全体が導波路として使用される場合よりもかなり少ないモードである。
【0123】
一旦接触力がガラスシート20の上方表面26に加えられると、導波路領域29内を進む異なるモード間の相対位相差が変化する。これは、本事例では干渉パターンを表す、出力光104−Oの特徴を変える働きをする。特に、出力光における光の分布が変化する。接触力(ニュートン)の大きさに対する、マルチモードファイバによって集められた(光)パワーP(nW)間の定量的相関関係が図21にプロットされている。光104はガラスの中心を通って伝播された。ガラスシートの異なる部分(エッジ対中心)が異なる接触感度を有していることは明らかであり、この差を用いて、タッチ事象TEの際に力が加えられているタッチ位置TLを判定することができる。
【0124】
図22は、ガラスシート20上に形成された導波路領域29の代わりの構成の上面図である。表面にスラブ導波路として構成されるよりもむしろ、導波路領域29は図示のようにチャネル導波路として構成され得る。チャネル導波路領域29は、ガラスの内部または上部に刻まれて構成され得る。図23は、2対の光源100および検出器200に関連した2つの分岐網(ファンアウト)を示す、チャネル導波路領域29の代わりの実施形態をさらに示している。チャネル導波路領域29の間隔は均一である必要はなく、またタッチ事象TEがより起こり易そうな位置または起こるように指定された位置に概して関連する特定の位置に、集中させてもよいことに留意されたい。
【0125】
チャネル導波路領域29の特定のパターン次第で、様々な光源100および検出器200を採用して、加えられた力およびその(x、y)タッチ位置TLを検出することができる。
【0126】
本開示の一態様は、2以上の検出器200の時間応答を利用して、タッチ事象TEのタッチ位置TLを識別する。この技術は、導波路/ガラスシート20の変形がタッチ位置から外向きに時間に応じて進むために用いることができる。この変形がさらに、光線104が導波路でとる様々な光路に異なる影響を与える。その結果が、2つの検出器の検出器信号における遅延である。
【0127】
図24は、導波路/ガラスシート20上の異なる位置での2つの異なるタッチ事象TEについて、2つの異なる検出器(プロットにおけるAおよびB)での時間tに対する検出器信号の振幅AMP(任意単位)をプロットしたものである。AとBとの信号間のタイムラグは、導波路/ガラスシート20上の異なる位置と相関付けることができる。タッチ事象位置TLに最も近い光路が最初に応答し、検出器信号にタイムラグを生じさせる。従って、一実施形態例においてコントローラ300は、種々のタイムラグに関する情報を、種々の検出器200での検出器信号に関連付けて、可能性のあるタッチ位置TLの関数として含む。別の例においてコントローラ300は、1以上の検出器信号での情報に基づいてタッチ位置TLを算出するように構成される。
【0128】
圧力検知ディスプレイシステム
図25Aは、従来の位置ベースの検知能力を有し得る液晶ディスプレイなどの従来のディスプレイユニット410に隣接して、その上方に(例えば、その上に)タッチシステム10を動作可能に配置することによって形成された、一例の圧力検知ディスプレイ400の概略上方図である。タッチシステム10は、本書で説明される任意の実施形態とすることができる。
【0129】
図25Bは、タッチシステム10を従来のディスプレイユニット410にどのように一体化させるかに関する例を示した、一例のタッチセンサ式ディスプレイ400の概略断面部分分解図である。図示の従来のディスプレイユニット410は、光416を放射するバックライトユニット414、薄膜トランジスタ(TFT)ガラス層420、液晶層430、上方表面452を有するカラーフィルタガラス層450、および上方表面462を有する上部偏光子層460を、全て図示のように配列して含んだ液晶ディスプレイ方式である。フレーム470は、カラーフィルタガラス層450のエッジ周辺に配置される。光源100は、例として、フレーム470内に動作可能に支持されているように図示されている。これが、上面482を有する一体化されたディスプレイアセンブリ480を形成する。
【0130】
最終的なタッチセンサ式ディスプレイ400を形成するために、アセンブリ20は従来のディスプレイユニット410の一体化されたディスプレイアセンブリ480に、上面482に動作可能に配置されて追加される。アセンブリ20は、光源100および検出器200に隣接して配置された、IR透過性であるが目には不透明層に見える前述のカバー40を含み得る。
【0131】
一例では、キーボード(図示なし)などの1以上の種々の印(図示なし)を、上方表面26上または上方表面26を通じてユーザ500に対して提示し、ユーザをタッチシステム10と相互作用するよう導いてもよい。例としてこの印は、ユーザの選択、ソフトウェアの実行などを示すために、またはユーザがタッチ事象TEを生成すべき領域を示すために設けられる、導波路22の上方表面26上のエリアを含み得る。例えばこういった領域は、光104が上方表面26の特定の部分に到達しない場合に必要になる可能性がある。
【0132】
縞の検出によるタッチ事象で印加された力の推定
タッチシステム10のいくつかの用途では、タッチ位置TLで印加された力(圧力)が増加すると、少なくとも1つの検出器200が出力光104−Oの強度変化に対して均一に(滑らかに)応答しない可能性がある。従って本開示のいくつかの態様は、種々の実施形態および構成を出力光104−Oの検出のために使用する事例において、印加される力を推定するものに関する。
【0133】
図26Aおよび26Bに示されている一実施形態例において、タッチシステム10は検出器200の前に傾斜減衰フィルタ(減衰器)125を含み得る。傾斜減衰器125は、その減衰が下部エッジから上部エッジまで均一に変化するように構成されたガラスから形成することができる。図26Bは、減衰器125の高さに対する伝送Tの一例のプロットである。検出器200の感光性部分にあたる全パワーは実質的に一定であるため、その検出器信号SDは傾斜減衰によって、出力光104−Oの垂直の「質量中心」の方向において変化する。これにより検出器信号SDを、印加される圧力と相関付けることができる。
【0134】
いくつかの事例において、タッチ位置で印加された圧力に対する検出器の応答は、完全に単調ではない可能性がある。例えば、圧力が特定の量に達するまで画像は一方向に移動し、その後ガラス(検出器)の他方のエッジに跳ぶことがある。単調範囲はそれほど小さくなく、かつ接触力は一瞬で変化しないため、本開示の態様は測定を「アンラップ」する方法を実行するものを含む。
【0135】
この方法は、検出器信号SDを十分に速く、例えば60Hz以上でサンプリングし、かつ力は適度に大きく(例えば100g)単調的対衝撃的に加えられると仮定する。さらに、
・容量性接触が、接触がないことを検知した場合は、常に累積測定値を0にリセットする。
・新たな位置が旧位置に適度に近い場合には、新たな位置を有効測定として使用してもよい。旧位置が単調範囲の端部に近く、そして新たな位置が範囲の他の端部に飛ぶ場合には、全範囲を最新の測定に追加する。
・旧位置が単調範囲の始まりに近く、ある範囲よりも大きいと推定され、さらに新たな位置が範囲の他の端部に飛ぶ場合には、全範囲を差し引いて最新の推定を得る。
【0136】
本開示の別の態様は、縞の動きの検出を採用する。出力光104−Oの縞は圧力で均一に動く傾向にあるため、CMOSまたはCCDセルの垂直ストライプ(線形アレイ)を採用してもよい。数十セルの使用で十分であろう。典型的な2Dアレイ画素ベースの検出器200は数千セルを有する。線形アレイ検出器200は出力光104−Oの垂直強度プロファイルを提供し得る。強度プロファイルは2つの成分を有し、1つは典型的には1または2のピークを有するゆっくり変化するものであり、一方2つ目は急速に変化する縞を表す。
【0137】
一実施形態例では、ゆっくり変化する成分を除外するためにフィルタが使用される。残りの急速に変化する成分は、縞に対応するピークを示す。縞のプロファイルが十分に速く(例えば60Hz)サンプリングされる場合、連続したフレーム間の位相の差はコンピュータで計算することができる。これらの差の総和を出すと、タッチ位置TLで加えられた圧力を表す(例えば、これに比例する)検出器信号SDが生じる。
【0138】
従って、検出器測定の構成および方法の例は、圧力がタッチ位置TLで印加されているタッチ事象の間に実行された、以下のものを含む。
【0139】
・全パワーの総和を出す(大きいエリアの検出器と同等)。この構成をトータルと呼ぶ。
【0140】
・画像中央の小さいエリアの総和を出す(小さいピンホール1と同等)。この構成をピンホール1と呼ぶ。
【0141】
・画像中央の真上の小さいエリアの総和を出す(小さいピンホール2と同等)。この構成をピンホール2と呼ぶ。
【0142】
・減衰垂直変化20:1の大きいエリアの総和を出す(画像上部で最大減衰)。これを傾斜1構成と呼ぶ。
【0143】
・減衰垂直変化20:1の大きいエリアの総和を出す(画像下部で最大減衰)。これを傾斜2構成と呼ぶ。
【0144】
図27Aは、総和パワーの合計、すなわちトータル信号(ブルー)と、検出器中央の小さいエリアの総和パワーすなわちピンホール1信号(オレンジ)とについて、検出器信号SD(任意単位)対フレーム#Fをプロットしたものである。
【0145】
図27Bは、総和パワーの合計、すなわちトータル信号(ブルー)と、検出器中央の真上の小さいエリアの総和パワーすなわちピンホール2信号(オレンジ)とについて、検出器信号SD(任意単位)対フレーム#をプロットしたものである。
【0146】
図27Cは、総和パワーの合計、すなわち、トータル信号(ブルー)と、線形減衰フィルタでの信号(画像上部で高減衰)すなわち傾斜1信号(オレンジ)とについて、検出器信号SD(任意単位)対フレーム#をプロットしたものである。
【0147】
図27Dは、総和パワーの合計、すなわち、トータル信号(ブルー)と、線形減衰フィルタでの信号(画像下部で高減衰)、すなわち傾斜2信号(オレンジ)とについて、検出器信号SD(任意単位)対フレーム#をプロットしたものである。
【0148】
27Aから27Dの4つの異なる信号のプロットに関し、傾斜2と次いでピンホール1は、タッチ位置で加えられた圧力の量の評価に使用するのに適した候補である。さらに、これらのピンホールの信号は位置に敏感であり、そのためタッチ位置TLの位置判定に使用することができる。
【0149】
本書では実施形態を特定の態様および特徴を参照して説明したが、これらの実施形態は望ましい原理および用途の単なる実例であることを理解されたい。従って、添付の請求項の精神および範囲から逸脱することなく、この実例の実施形態の多くの改変が作製可能であり、また他の配置が考案可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0150】
10 タッチシステム
20 アセンブリ
22 導波路
23 入力エッジ
24 出力エッジ
26 上方表面
27 下方表面
29 導波路領域
100 光源
103 光源系
104 光
200 検出器
204 検出器系
300 コントローラ
400 圧力検知ディスプレイ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18A-18E】
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26A
図26B
図27A
図27B
図27C
図27D
図28A
図28B
図28C
【国際調査報告】