(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
【解決手段】少なくともひとつのビニロキシ基またはN−メトキシメチルアミド基を有する含窒素芳香族化合物からなる架橋剤、およびそれを含む下層反射防止膜形成用組成物。式(1)の架橋剤は、含窒素芳香族化合物、およびビニロキシ基またはN−メトキシメチルアミド基を含むハロゲン化合物を、塩基性化合物と反応させることにより製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明すると以下の通りである。
【0017】
本発明による架橋剤は、フォトリソグラフィー用組成物、特に下層反射防止膜形成用組成物中で有利に使用される。そしてその構造は、下記一般式(1)
【化5】
(式中、
E
1〜E
3はそれぞれ独立に炭素および窒素からなる群から選択され、これらのうち少なくとも一つが窒素であり、
F
1〜F
3はそれぞれ独立に酸素および硫黄からなる群から選択され、
G
1〜G
3はそれぞれ独立にビニロキシ基、N−メトキシメチルアミド基および水素からなる群から選択され、これらのうち少なくとも一つがビニロキシ基またはN−メトキシメチルアミド基であり、かつ
p
1〜p
3はそれぞれ独立に0を含む整数から選択され、これらのうち少なくとも二つが1以上である)
で表わされる。
【0018】
本発明による架橋剤は、一般的に知られている架橋剤と同様に、ポリマー等と反応し、組成物の硬化を促進する作用がある。本発明による架橋剤は、反応性基として、少なくともひとつのビニロキシ基を含んでいる。すなわち、一般式(1)において、G
1〜G
3の少なくとも一つがビニロキシ基またはN−メトキシメチルアミド基である。ビニロキシ基は、ポリマーに含まれるカルボキシル基および/またはフェノール性水酸基等との架橋が可能となる。すなわち、ビニロキシ基が、ポリマーに含まれるカルボキシル基またはフェノール性水酸基とアセタール結合を形成する。このアセタール結合は、後述する光酸発生剤等に由来する酸と、空気中の水分や現像液に由来する水分とによって切断される。
【0019】
また、一般式(1)において、F
1〜F
3は架橋剤の合成反応を容易にするという機能をもつ。F
1〜F
3のすべてが炭素である場合であっても、前記したような架橋反応は起こるが、その合成は困難である。
【0020】
さらに、整数p
1〜p
3は、反応性基であるビニロキシ基またはN−メトキシメチルアミド基と芳香族環とを結ぶ連結基の長さを示す。この連結基が過度に長いと十分な硬化作用を得ることが困難になることがあり、一方で過度に短いと、十分な架橋を形成できないことがある。このため、整数p
1〜p
3は、これらのうち少なくとも二つが1以上であることが必要であり、それぞれ2〜10であることが好ましく、4〜10であることがより好ましい。
【0021】
一般式(1)で表される架橋剤としては、例えば、
2,4,6−トリス((ビニロキシ)チオ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(((ビニロキシ)メチル)チオ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(((ビニロキシ)エチル)チオ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(((ビニロキシ)プロピル)チオ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(((ビニロキシ)ブチル)チオ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(((ビニロキシ)ペンチル)チオ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(((ビニロキシ)ヘキシル)チオ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス((2−ビニロキシ)メチル)チオ)ピリミジン、
2,4,6−トリス((2−ビニロキシ)エチル)チオ)ピリミジン、
2,4,6−トリス((3−ビニロキシ)プロピル)チオ)ピリミジン、
2,4,6−トリス((3−ビニロキシ)ブチル)チオ)ピリミジン、
2,4,6−トリス((3−ビニロキシ)ペンチル)チオ)ピリミジン、
2,4,6−トリス((3−ビニロキシ)ヘキシル)チオ)ピリミジン、
4,6−ビス((2−(ビニロキシ)メチル)チオ)ピリミジン、
4,6−ビス((2−(ビニロキシ)エチル)チオ)ピリミジン、
4,6−ビス((2−(ビニロキシ)プロピル)チオ)ピリミジン、
4,6−ビス((2−(ビニロキシ)ブチル)チオ)ピリミジン、
4,6−ビス((2−(ビニロキシ)ペンチル)チオ)ピリミジン、
4,6−ビス((2−(ビニロキシ)ヘキシル)チオ)ピリミジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)メチル)チオ)ピリミジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)エチル)チオ)ピリミジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)プロピル)チオ)ピリミジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)ブチル)チオ)ピリミジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)ペンチル)チオ)ピリミジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)ヘキシル)チオ)ピリミジン、
2,3−ビス((2−(ビニロキシ)メチル)チオ)ピリジン、
2,3−ビス((2−(ビニロキシ)エチル)チオ)ピリジン、
2,3−ビス((2−(ビニロキシ)ブチル)チオ)ピリジン、
2,3−ビス((2−(ビニロキシ)ペンチル)チオ)ピリジン、
2,3−ビス((2−(ビニロキシ)ヘキシル)チオ)ピリジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)メチル)チオ)ピリジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)エチル)チオ)ピリジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)ブチル)チオ)ピリジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)ペンチル)チオ)ピリジン、
2,4−ビス((2−(ビニロキシ)ヘキシル)チオ)ピリジン、
2,5−ビス((2−(ビニロキシ)メチル)チオ)ピリジン、
2,5−ビス((2−(ビニロキシ)エチル)チオ)ピリジン、
2,5−ビス((2−(ビニロキシ)ブチル)チオ)ピリジン、
2,5−ビス((2−(ビニロキシ)ペンチル)チオ)ピリジン、
2,5−ビス((2−(ビニロキシ)ヘキシル)チオ)ピリジン、
2,6−ビス((2−(ビニロキシ)メチル)チオ)ピリジン、
2,6−ビス((2−(ビニロキシ)エチル)チオ)ピリジン、
2,6−ビス((2−(ビニロキシ)ブチル)チオ)ピリジン、
2,6−ビス((2−(ビニロキシ)ペンチル)チオ)ピリジン、
2,6−ビス((2−(ビニロキシ)ヘキシル)チオ)ピリジン
2,2’,2’ ’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(スルファンジイル))トリス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’,3’ ’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(スルファンジイル))トリス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’,4’ ’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(スルファンジイル))トリス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’,5’ ’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(スルファンジイル))トリス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’,6’ ’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(スルファンジイル))トリス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’,2’ ’−(ピリミジン−2,4,6−トリイルトリス(スルファンジイル))トリス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’,3’’−(ピリミジン−2,4,6−トリイルトリス(スルファンジイル))トリス(N−プロパンアミド)、
4,4’,4’ ’−(ピリミジン−2,4,6−トリイルトリス(スルファンジイル))トリス(N−ブタンアミド)、
5,5’,5’’−(ピリミジン−2,4,6−トリイルトリス(スルファンジイル))トリス(N−ペンタンアミド)、
6,6’,6’’−(ピリミジン−2,4,6−トリイルトリス(スルファンジイル))トリス(N−ヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−ピリジン−2,5−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(スルファンジイル))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)等の含硫黄化合物が挙げられる。
【0022】
2,4,6−トリス(ビニルペロキシ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス((ビニロキシ)メトキシ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス((ビニロキシ)エトキシ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス((ビニロキシ)プロキシ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス((ビニロキシ)ブトキシ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス((ビニロキシ)ペントキシ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス((ビニロキシ)ヘキトキシ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(2−(ビニロキシ)メトキシ)ピリミジン、
2,4,6−トリス(2−(ビニロキシ)エトキシ)ピリミジン、
2,4,6−トリス(2−(ビニロキシ)プロキシ)ピリミジン、
2,4,6−トリス(2−(ビニロキシ)ブトキシ)ピリミジン、
2,4,6−トリス(2−(ビニロキシ)ペントキシ)ピリミジン、
2,4,6−トリス(2−(ビニロキシ)ヘトキシ)ピリミジン、
4,6−ビス(2−(ビニロキシ)メトキシ)ピリミジン、
4,6−ビス(2−(ビニロキシ)エトキシ)ピリミジン、
4,6−ビス(2−(ビニロキシ)プロキシ)ピリミジン、
4,6−ビス(2−(ビニロキシ)ブトキシ)ピリミジン、
4,6−ビス(2−(ビニロキシ)ペントキシ)ピリミジン、
4,6−ビス(2−(ビニロキシ)ヘトキシ)ピリミジン、
2,4−ビス(2−ビス(2−(ビニロキシ)メトキシ)ピリミジン、
2,4−ビス(2−ビス(2−(ビニロキシ)エトキシ)ピリミジン、
2,4−ビス(2−ビス(2−(ビニロキシ)プロキシ)ピリミジン、
2,4−ビス(2−ビス(2−(ビニロキシ)ブトキシ)ピリミジン、
2,4−ビス(2−ビス(2−(ビニロキシ)ペントキシ)ピリミジン、
2,4−ビス(2−ビス(2−(ビニロキシ)ヘトキシ)ピリミジン、
2,3−ビス(2−ビニロキシ)メトキシ)ピリジン、
2,3−ビス(2−ビニロキシ)エトキシ)ピリジン、
2,3−ビス(2−ビニロキシ)ブトキシ)ピリジン、
2,3−ビス(2−ビニロキシ)ペントキシ)ピリジン、
2,3−ビス(2−ビニロキシ)ヘトキシ)ピリジン、
2,4−ビス(2−ビニロキシ)メトキシ)ピリジン、
2,4−ビス(2−ビニロキシ)エトキシ)ピリジン、
2,4−ビス(2−ビニロキシ)ブトキシ)ピリジン、
2,4−ビス(2−ビニロキシ)ペントキシ)ピリジン、
2,4−ビス(2−ビニロキシ)ヘトキシ)ピリジン、
2,5−ビス(2−ビニロキシ)メトキシ)ピリジン、
2,5−ビス(2−ビニロキシ)エトキシ)ピリジン、
2,5−ビス(2−ビニロキシ)ブトキシ)ピリジン、
2,5−ビス(2−ビニロキシ)ペントキシ)ピリジン、
2,5−ビス(2−ビニロキシ)ヘトキシ)ピリジン、
2,6−ビス(2−ビニロキシ)メトキシ)ピリジン、
2,6−ビス(2−ビニロキシ)エトキシ)ピリジン、
2,6−ビス(2−ビニロキシ)ブトキシ)ピリジン、
2,6−ビス(2−ビニロキシ)ペントキシ)ピリジン、
2,6−ビス(2−ビニロキシ)ヘトキシ)ピリジン、
2,2’,2’’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(オキシ))トリス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’,3’’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(オキシ))トリス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’,4’’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(オキシ))トリス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’,5’’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(オキシ))トリス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’,6’’−((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(オキシ))トリス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリミジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリミジン−4,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリジン−2,3−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリジン−2,4−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリジン−2,5−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)、
2,2’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシアセトアミド)、
3,3’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシプロパンアミド)、
4,4’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシブタンアミド)、
5,5’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシペンタンアミド)、
6,6’−(ピリジン−2,6−ジイルビス(オキシ))ビス(N−メトキシヘキサンアミド)
等の含酸素化合物等が挙げられる。これらの中で好ましいのは合成のしやすさの観点から2,4,6−トリス(((ビニロキシ)エチル)チオ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス((2−ビニロキシ)エチル)チオ)ピリミジン、および4,6−ビス((2−(ビニロキシ)エチル)チオ)ピリミジン、2,4−ビス((2−(ビニロキシ)エチル)チオ)ピリミジン等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらの中で、2,4,6−トリス(((ビニロキシ)エチル)チオ)−1,3,5−トリアジン、および2,4,6−トリス((ビニロキシ)エトキシ)−1,3,5−トリアジンがより好ましく、2,4,6−トリス(((ビニロキシ)エチル)チオ)−1,3,5−トリアジンが特に好ましい。
【0023】
前記一般式(1)はで表される化合物は、任意の方法により製造することができる。例えば、下記一般式(2)
【化6】
(式中、
E
1〜E
3はそれぞれ独立に炭素および窒素からなる群から選択され、これらのうち少なくとも一つが窒素であり、かつ
F
1〜F
3はそれぞれ独立に酸素および硫黄からなる群から選択される)
で表される化合物、および
下記一般式(3)
【化7】
(式中、
Xは塩素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択され、
Gはビニロキシ基またはN−メトキシメチルアミド基であり、かつ
pは0以上の整数、好ましくは2〜10、より好ましくは4〜10である)
で表される化合物
を塩基性化合物と反応させることにより得られる。
【0024】
前記一般式(2)で表される含窒素芳香族化合物としては、例えば、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、ピリミジン−2,4,6−トリチオール、ピリミジン−4,6−ジチオール、ピリミジン−2,4−ジチオール、ピリジン−2,3−ジチオール、ピリジン−2,4−ジチオール、ピリジン−2,5−ジチオール、ピリジン−2,6−ジチオール、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオール、ピリミジン−2,4,6−トリオール、ピリミジン−4,6−ジオール、ピリミジン−2,4−ジオール、ピリジン−2,3−ジオール、ピリジン−2,4−ジオール、ピリジン−2,5−ジオール、およびピリジン−2,6−ジオールが挙げられ、反応性の観点から1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、ピリミジン−2,4,6−トリチオール、ピリミジン−4,6−ジチオール、およびピリミジン−2,4−ジチオールが好ましく、特に好ましいのは、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールである。前記一般式(2)で表わされる化合物の入手方法は特に限定されず、市販されているものを用いることができる。一般式(2)で表される化合物は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0025】
前記一般式(3)の具体例としては、1−クロロ−3−ビニロキシプロパン、1−クロロ−4−ビニロキシブタン、1−クロロ−5−ビニロキシペンタン、1−クロロ−6−ビニロキシヘキサン、1−クロロ−7−ビニロキシヘプタン、2−クロロ−N−メトキシアセトアミド、3−クロロ−N−メトキシプロパンアミド、4−クロロ−N−メトキシブタンアミド、5−クロロ−N−メトキシペンタンアミド、および6−クロロ−N−メトキシヘキサンアミド等の含塩素化合物:
1−ブロモ−3−ビニロキシプロパン、1−ブロモ−4−ビニロキシブタン、1−ブロモ−5−ビニロキシペンタン、1−ブロモ−6−ビニロキシヘキサン、または1−ブロモ−7−ビニロキシヘプタン、2−ブロモ−N−メトキシアセトアミド、3−ブロモ−N−メトキシプロパンアミド、4−ブロモ−N−メトキシブタンアミド、5−ブロモ−N−メトキシペンタンアミド、および6−ブロモ−N−メトキシヘキサンアミド等の含臭素化合物:
1−ヨード−3−ビニロキシプロパン、1−ヨード−4−ビニロキシブタン、1−ヨード−5−ビニロキシペンタン、1−ヨード−6−ビロキシヘキサン、または1−ヨード−7−ビニロキシヘプタン、2−ヨード−N−メトキシアセトアミド、3−ヨード−N−メトキシプロパンアミド、4−ヨード−N−メトキシブタンアミド、5−ヨード−N−メトキシペンタンアミド、および6−ヨード−N−メトキシヘキサンアミド等の含ヨウ素化合物:
等が挙げられる。これらのうち、入手性の観点から1−クロロ−3−ビニロキシプロパン、1−クロロ−4−ビニロキシブタン、1−クロロ−5−ビニロキシペンタン、1−クロロ−6−ビニロキシヘキサン、および1−クロロ−7−ビニロキシヘプタン等の含塩素化合物が好ましく、2−クロロエトキシエテンが特に好ましい。前記一般式(3)で表わされる化合物の入手方法は特に限定されず、市販されているものを用いることができる。
【0026】
一般式(3)で表される化合物は、2種類以上を組み合わせて用いることができる。例えば、一般式(3)により表され、整数pが異なる化合物を組み合わせて用いることができる。
【0027】
なお、必要に応じて、前記一般式(3)で表される化合物の一部を、クロロエタン、クロロメトキシエテン、2−クロロエトキシエテン、ブロモエタン、ブロモメトキシエテン、2−ブロモエトキシエテン、ヨードエタン、ヨードメトキシエテン、または2−ヨードエトキシエテン等に置換することもできる。これらの化合物を用いる場合には、入手性の観点からクロロメトキシエテン、2−クロロエトキシエテン、1−クロロ−3−ビニロキシプロパン、1−クロロ−4−ビニロキシブタン、1−クロロ−5−ビニロキシペンタン、1−クロロ−6−ビニロキシヘキサン、および1−クロロ−7−ビニロキシヘプタン等の含塩素化合物が好ましく、2−クロロエトキシエテンが特に好ましい。これらの化合物の入手方法は特に限定されず、市販されているものを用いることができる。
【0028】
前記一般式(3)で表される化合物の合計使用量は前記一般式(2)のモル数に対して通常3〜27当量、好ましくは6〜18当量である。
【0029】
塩基性化合物としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;酸化ナトリウムおよび酸化カリウム等のアルカリ金属酸化物;水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムおよび水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属水酸化物;酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよび酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドおよびリチウムヘキサメチルジシラジド等の有機アルカリ金属;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミドおよびフェニルマグネシウムブロミド等の有機アルカリ土類金属化合物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルコキシ化合物;水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウム等の金属水素化物;テトラメチルアンモニウムハイドロキシドおよびテトラブチルアンモニウムハイドロキシド等の水酸化テトラアルキルアンモニウム;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸カルシウム等のアルカリ金属炭酸化合物等が挙げられるが、これらの中でも反応性の観点から炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸カルシウム等のアルカリ金属炭酸化合物が好ましく、炭酸カリウムが特に好ましい。なお、炭酸カリウムは市販のものを入手して用いることができる。塩基性化合物の使用量は前記一般式(2)で表される化合物のモル数に対して通常、3〜27当量、好ましくは6〜18当量である。
【0030】
前記各成分を反応させる時の反応温度は、十分な反応速度を得るために一定以上であることが好ましく、また望ましくない副生成物の生成を抑制するために一定以下であることが好ましい。このような観点から、反応温度は、通常−50〜150℃であり、好ましくは20〜100℃である。
前記各成分の反応は、溶媒の存在下で行っても、無溶媒で行ってもよいが、反応収率向上とその後の精製のしやすさの観点から溶媒の存在下に行うことが好ましい。
【0031】
反応溶媒を用いる場合は、反応に悪影響を及ぼすものでなければ特に限定されない。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびN−メチルピロリドンが好ましく、ジメチルスルホキシドが特に好ましい。また、その使用量は、反応速度および反応収率の観点から、前記一般式(2)の化合物に対して、体積比で通常0.5〜20倍であり、好ましくは1〜10倍であり、より好ましくは1.5〜5倍である。
【0032】
反応終了後、有機合成において通常使用されている手法により、反応溶液から目的物を分離、精製することができる。例えば、塩基性化合物を取り除くために水を加えてよく撹拌して、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥した後、減圧下で蒸留することにより目的物を得ることができる。また、必要に応じてカラムクロマトグラフィーにより反応生成物を精製することもできる。
【0033】
<下層反射防止膜形成用組成物>
本発明による下層反射防止膜形成用組成物は、前記の架橋剤と、特定の芳香族基を有するポリマーと、溶媒とを含んでなるものである。また、この組成物は必要に応じて、その他の添加剤、例えば光酸発生剤、熱酸発生剤、塩基、光塩基分解剤、光塩基発生剤、および界面活性剤を含んでなる。これらの各成分について説明すると以下の通りである。
【0034】
芳香族基を含むポリマー
本発明による架橋剤は、任意のポリマーを含む下層反射防止膜形成用組成物に用いることができる。しかしながら、特に下記一般式(4)で示されるポリマーを含む下層反射防止膜形成用組成物に用いることが好ましい。
−A
m−B
n− (4)
[式中、AおよびBは、それぞれ下記式(A)および(B)
【化8】
(式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立に水素およびアルキル基からなる群から選択される基であり、好ましくは水素またはメチル基であり、
Lは、単結合、炭素数1以上の直鎖アルキレンおよび分岐アルキレン、ならびにCOOからなる基から選択される連結基であり、好ましくはCOOであり、
Yは、1個以上のベンゼン環を含む芳香族基であり、前記芳香族基は、アルキル、アリール、ハロゲン原子、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、シアノ、アミド、ジアルキルアミノ、スルホンアミド、イミド、カルボキシ、カルボン酸エステル、スルホ、スルホン酸エステル、アルキルアミノ、およびアリールアミノからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく、また前記芳香族基に含まれるベンゼン環のひとつがキノン環に置換されていてもよく、かつ
Zは、R
3COOR
4、およびR
3OR
4からなる群から選択される基であり、
ここで、
R
3は、単結合、酸素、および炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜6、のフッ素で置換されていてもよい直鎖アルキレンおよび分岐アルキレンならびに芳香環からなる群から選択される連結基であり、
R
4は、水素、置換炭化水素基および非置換炭化水素基からなる群から選択される基である)
で表される繰り返し単位であって、
AおよびBは、ランダムに結合しても、ブロックを形成してもよく、
AおよびBは、それぞれ異なった構造を有する2種類以上の繰り返し単位を組み合わせてもよく、
m、およびnは重合度を表す数であり、mは10以上の数であり、nは0以上の数である]
【0035】
このようなポリマーは、一般式(4)に表される繰り返し単位(A)および(B)のそれぞれに対応するモノマーを重合させることにより製造することができる。
【0036】
ここで、一般式(4)で表されるポリマーは、置換基Yとして、1個以上のベンゼン環を含む芳香族基を有する。この置換基が存在することによって特定の波長の光に対する吸収が大きくなって、下層反射防止膜に用いたときに光学的な効果を発揮するができる。ここで、芳香族基に含まれるベンゼン環の数の上限は特に限定されないが、好ましくは5個以下である。また、5員環や7員環の炭化水素環を含むこともできるが、これらは含まれないほうが好ましい。
【0037】
また、置換基Yに含まれる芳香族の具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、ベンゾ[c]フェナンスレン、トリフェニレン、ペンタセン、ピセン、およびベンゾ[c]クリセン等が挙げられる。これらの芳香族は、アルキル、アリール、ハロゲン原子、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、シアノ、アミド、ジアルキルアミノ、スルホンアミド、イミド、カルボキシ、カルボン酸エステル、スルホ、スルホン酸エステル、アルキルアミノ、およびアリールアミノからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。また、これらの芳香族に含まれるベンゼン環のひとつがキノン環に置換されていてもよい。このようなキノン類として、アントラキノン、5,12−ナフタセンキノン(テトラセンキノン)、5,6−クリセンキノン、6,12−クリセンキノン、および6,13−ペンタセンキノン等が挙げられる。
【0038】
置換基Yは式(4)のポリマーの光吸収性に大きく寄与するので、露光に用いられる光の波長に応じて選択されることが好ましい。例えば露光光源としてKrFレーザー(波長248nm)を用いる場合には、その波長の光に対する吸光度の高いアントラセン等を用いることが好ましい。
【0039】
繰り返し単位(A)のモノマーの具体例としては、アクリル酸−9−アントラセンメチル、アクリル酸−9−テトラセンメチル、アクリル酸−9−ペンタセンメチル、メタクリル酸−9−アントラセンメチル、メタクリル酸−9−テトラセンメチル、およびメタクリル酸−9−ペンタセンメチルが挙げられ、特に入手性の観点からメタクリル酸−9−アントラセンメチルが好ましい。繰り返し単位(A)に対応するモノマーを2種類以上組み合わせて用いることもできる。このモノマーの入手方法は特に限定されず、市販されているものを用いてもよいし、合成したものを用いることもできる。また、このモノマーの使用量は前記一般式(4)のポリマーを構成するモノマーの全体を100mol%とした時に10〜40mol%が好ましく、20〜30mol%あることがより好ましい。
【0040】
一方、繰り返し単位(B)は、一般式(4)で表されるポリマーにおいて、前記一般式(1)で表される架橋剤と反応可能な部分を構成するものである。すなわち、塗膜中において、前記架橋剤は、繰り返し単位(B)の部分と化学的に反応し、ポリマーと架橋構造を形成する。
【0041】
繰り返し単位(B)のモノマーの具体例としては、アクリル酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、メタクリル酸、2−メチル−3−ブテン酸、2−メチル−4−ペンテン酸、2−メチル−5−ヘキセン酸、2−メチル−6−ヘプテン酸、2−メチル−7−オクテン酸、2−メチル−8−ノネン酸、4−ビニル安息香酸、アクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、9−ヒドロキシナフチルメタクリレート、9−ヒドロキシナフチルアクリレート、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート、4−ヒドロキシフェニルアクリレート、および4−ヒドロキシルスチレン等が挙げられ、特に入手性の観点からアクリル酸、メタクリル酸、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート、および4−ヒドロキシルスチレンが好ましい。このモノマーの入手方法は特に限定されず、市販されているものを用いてもよいし、合成したものを用いることもできる。繰り返し単位(B)に対応するモノマーを2種類以上組み合わせて用いることもできる。例えば、繰り返し単位(B)に対応するモノマーとして、メタクリル酸または4−ヒドロキシルスチレンのいずれかと、アクリル酸または4−ヒドロキシルスチレンのいずれかとの組み合わせを用いることもできる。また、このモノマーの使用量は前記一般式(4)のポリマーを構成するモノマーの全体を100mol%とした時に60〜90mol%が好ましく、70〜80mol%であることがより好ましい。
【0042】
前記一般式(4)のポリマーを得るための重合方法は、前記したモノマーを原料として、ラジカル重合開始剤またはイオン重合開始剤を用い適当な溶剤中で行うことができる。また本発明に用いられる一般式(4)のポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等種々の構成をとることができるが、それに応じた重合条件を選択することができる。
【0043】
重合反応を行う際の反応開始剤の具体例としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−ジメチル−(2−メチルプロピネート)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカーボニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシピバレート、およびブチルリチウム等が挙げられ、安全性と入手性の観点から2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、AIBNということがある)および2,2’−アゾビス−ジメチル−(2−メチルプロピネート)が好ましい。また、その使用量はすべてのモノマーの合計重量に対して1〜10重量%であることが好ましい。
【0044】
重合反応を行う際の好ましい溶剤としては、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、メチルアミルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチルラクテート、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等が挙げられる。これらの溶剤は、単独でも2種以上の組み合わせで用いてもよい。また、その使用量はすべてのモノマーの重量に対して1〜10倍量であることが好ましい。
【0045】
重合反応を行う際の重合温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜120℃である。
【0046】
本発明に用いられる前記一般式(4)で表されるポリマーの分子量は、特に限定されない。しかしながら、一般式(4)で表されるポリマーの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定で、2,000から5,000,000ダルトンの範囲のものであることが好ましい。またフィルム形成性、溶解性、および熱安定性を考慮すると、3,000〜100,000ダルトンのものがより好ましい。重合反応により得られるポリマーの分子量は、重合時間、重合温度、使用するモノマーおよび開始剤の濃度、ならびに反応溶媒のような重合条件により調整することが可能である。また重合反応の様式としてイオン重合を選ぶことにより、狭い分子量分布を有するポリマーを得ることもできる。
【0047】
重合反応終了後、通常の高分子合成で使用されている手法によって反応液から重合体を分離し、精製することができる。例えば、溶媒を取り除くために、ポリマーに対して貧溶媒であるが重合溶媒に対して良溶媒である、n−ヘキサンやn−ヘプタン中に、反応液を投入することにより分離することができる。また、分離または精製せずに重合反応後の混合物溶液をそのまま下層反射防止膜形成用組成物の原料としても使うことができる。
【0048】
本発明の下層反射防止膜形成用組成物における、前記一般式(4)で表されるポリマーの割合は各成分が均一に溶解している限りは特に限定されないが、膜厚を制御する観点から、組成物の全重量を基準として好ましくは1〜50重量%であり、より好ましくは1〜2重量%である。
【0049】
溶剤
本発明の下層反射防止膜形成用組成物に使用される溶剤としては、前記の各成分を溶解できる溶剤であれば、任意のものから選択して使用することができる。溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、およびN−メチルピロリドン等を用いることができる。これらの溶剤は単独または二種以上の組合せで使用することができる。さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、およびプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
【0050】
光酸発生剤
本発明による反射防止膜形成用組成物は必要に応じて光酸発生剤を含む。形成しようとする下層反射防止膜を現像可能とし、かつ感光性を付与するためには、露光によって架橋されたポリマーが脱架橋するのを補助するために、組成物に光酸発生剤が含まれていることが好ましい。このような光酸発生剤としては、KrFエキシマレーザー(波長248nm)およびArFエキシマレーザー(波長193nm)等によって露光された際に、その光の作用によって酸を発生する化合物であれば、いずれも使用することができる。
【0051】
このような光酸発生剤は従来知られているものから任意に選択することができる。光酸発生剤の具体例としては、オニウム塩化合物、架橋性オニウム塩化合物、スルホンマレイミド誘導体、およびジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
【0052】
オニウム塩化合物の具体例としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−ノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−ノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネートおよびビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−ノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネートおよびトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物、ならびに
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)スルホニウム−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート、フェニルビス(4−(2−(ビニロキシ)エトキシ)フェニル)スルホニウム−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン−1,4−ジスルホネート、およびトリス(4−(2−(ビニロキシ)エトキシ)フェニル)スルホニウム−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン−1,4−ジスルホネート等の架橋性オニウム塩化合物
が挙げられるが、それらに限定されない。
【0053】
スルホンマレイミド誘導体の具体例としては、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−ノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミドおよびN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
【0054】
ジスルホニルジアゾメタン化合物の具体例としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、およびメチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタンが挙げられる。本発明の下層反射防止膜形成用組成物において、これらの光酸発生剤は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
【0055】
その他の成分
本発明による下層反射防止膜形成用組成物は、必要に応じてその他の成分を含むことができる。例えば、一般式(4)で表されるポリマーとは異なるポリマー、界面活性剤、および平滑剤等が挙げられる。これらの成分は本発明の効果を損なわないものが用いられるべきである。
【0056】
下層反射防止膜形成用組成物
本発明による下層反射防止膜形成用組成物は、前記の各成分を混合し、均一に溶解させることにより調製される。各成分の配合量は特に限定されないが、目的等に応じて適切に調整される。
【0057】
例えば、本発明による下層反射防止膜形成用組成物において、一般式(1)で表される架橋剤の含有量は、前記一般式(4)のポリマー100重量部に対して、好ましくは5〜40重量部であり、さらに好ましくは10〜30重量部である。
【0058】
また、一般式(4)で表されるポリマーの含有量は、組成物の全体重量を基準として、1〜10重量%であることが好ましく、1〜3重量%であることが好ましい。
【0059】
さらに、光酸発生剤の含有量としては、前記一般式(4)のポリマー100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部であり、さらに好ましくは0.02〜5重量部である。光酸発生剤を添加することによって、フォトレジストの形状の制御も可能である。理由は完全に解明されていないが、これは光酸発生剤の添加により下層反射防止膜の酸性度が調製されるためと考えられている。すなわち、光酸発生剤を添加することによって、より好ましい矩形の形状のフォトレジストパターンを形成できるようになる。
【0060】
各成分を混合して得られた組成物は、孔径が0.2〜0.05μm程度のフィルタを用いて濾過した後、使用することが好ましい。このように調製された組成物は、室温における長期間の貯蔵安定性にも優れる。
【0061】
<下層反射防止膜の形成方法およびパターン形成方法>
本発明による下層反射防止膜の形成方法、およびパターン形成方法について説明すると以下の通りである。
【0062】
半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、シリコンウェハ基板、ガラス基板およびITO基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明による下層反射防止膜形成用組成物を塗布する。この下層反射防止膜形成用組成物は少なくとも一般式(1)で表わされる架橋剤と一般式(4)で表わされるポリマーと、溶媒とを含んでいる。塗布後、加熱することにより下層反射防止膜が形成される。加熱条件としては、加熱温度は一般に80℃〜250℃、好ましくは100℃〜250℃、加熱時間は一般に0.3〜5分間、好ましくは0.5〜2分間の範囲から適宜、選択される。この加熱によって、塗布された組成物中で硬化反応が進行して下層反射防止膜が形成される。
【0063】
このように形成された下層反射防止膜の上に、例えばポジ型フォトレジスト組成物を塗布する。ここで、ポジ型フォトレジストとは、光照射されることによって反応を起こし、現像液に対する溶解度が上がるものをいう。用いられるフォトレジストは特に限定されないが、パターン形成のための露光光に感度がある限り、任意の、ポジ型フォトレジスト、ネガ型フォトレジスト、またはネガティブトーン現像(NTD)フォトレジストを使用できる。
【0064】
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光に用いられる光の波長は特に限定されないが、波長が13.5〜248nmの光で露光することが好ましい。具体的には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、および極紫外線(波長13.5nm)等を使用することができる。ここで、例えば極紫外線のような非常に波長の短い光を使った場合には、一般に光の強度が小さいので下層反射防止膜による光反射防止の効果は大きくないが、その膜は下地基板に発生するガスの悪影響を抑制する効果がある。露光後、必要に応じて露光後加熱(post exposure bake)を行なうこともできる。露光後加熱の温度は80℃〜150℃、好ましくは100℃〜140℃、加熱時間は0.3〜5分間、好ましくは0.5〜2分間、の中から適宜、選択される。
【0065】
次いで、現像液によって現像が行なわれる。これにより、露光された部分のポジ型フォトレジスト層およびその下層部分の下層反射防止膜が現像によって除去され、フォトレジストパターンが形成される。
【0066】
上記のパターン形成方法において現像に使用される現像液としては、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、またはコリン等の水酸化四級アンモニウムの水溶液、およびエタノールアミン、プロピルアミン、またはエチレンジアミン等のアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。特に好ましいのは、現像液として汎用されている2.38重量%のTMAH水溶液である。このような現像液を用いることで、下層反射防止膜を室温で容易に溶解除去することができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤等を加えることもできる。
【0067】
現像液の温度は一般に5℃〜50℃、好ましくは25〜40℃、現像時間は一般に10〜300秒、好ましくは30〜60秒から適宜選択される。
【0068】
以下の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものである。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りが無い限り、実施例中の「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味する。
【0069】
実施例1
<2,4,6−トリス(((ビニロキシ)エチル)チオ)−1,3,5−トリアジン(架橋剤C1)の合成>
撹拌機、凝縮器、加熱装置および温度制御装置を取り付けた反応器に、炭酸カリウム(7464部)、ジメチルスルホキシド(7876部)、および2−クロロエトキシエテン(5872部)を加え、その後この溶液を90℃に加熱した。
【0070】
別の容器に、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール (1,097部)、およびジメチルスルホキシド(8,355部)を入れ撹拌した。この得られた溶液を、滴下ロートを用いて、上述の反応器に供給した。供給終了後、反応混合物を90℃で8時間保持した。
【0071】
室温に冷却した後、反応溶液に5%水酸化ナトリウム水溶液(10,000部)、およびジエチルエーテル(10,000部)を加えた。そのジエチルエーテル層を抽出し、次に、飽和炭酸水素ナトリウム(10,000部)をジエチルエーテル層に加えた。その有機層を抽出した後、次に、有機層に水(10,000部)を加えた。有機層を再び抽出し、その後、ジエチルエーテルおよび2−クロロエトキシエテンが室温下、減圧蒸留により有機層から除去された。そして、2,4,6−トリス(((ビニロキシ)エチル)チオ)−1,3,5−トリアジン(架橋剤C1)を収率90%で得た。
【0072】
<架橋剤C1のスペクトルデータ>
1H−NMR(CDCl
3、δin ppm):6.46(dd,3H,J=7.0 and 3.4Hz,C
H=CH
2),4.23(dd,3H,J=7.2 and 1.0Hz,CH=C
H2),4.06(dd,3H,J=3.4 and 1.2Hz,CH=C
H2),3.94(t,6H,J=6.4Hz,C
H2O),3.37(t,6H,J=6.6Hz,SC
H2)
13C−NMR(CDCl
3):179.09、151.25、87.27、65.89、29.05.
【0073】
実施例2
<2,4,6−トリス(2−ビニロキシ)エトキシ)−1,3,5−トリアジン(架橋剤C2)の合成>
撹拌機、凝縮器、加熱装置および温度制御装置を取り付けた反応器に、炭酸カリウム(7,464部)、ジメチルスルホキシド(7,876部)および2−クロロエトキシエテン(5,872部)を加え、この溶液を90℃に加熱した。
【0074】
別の容器に1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオール(1,097部)およびジメチルスルホキシド(8,355部)を入れ撹拌した。この溶液を、滴下ロートを用いて、上述の反応器に供給した。供給終了後、反応混合物を90℃で8時間保持した。
【0075】
室温に冷却した後、反応溶液に5%水酸化ナトリウム水溶液(10,000部)およびジエチルエーテル(10,000部)を加えた。ジエチルエーテル層を抽出し、次に、飽和炭酸水素ナトリウム(10,000部)をジエチルエーテル層に加えた。その有機層を抽出し、次に、有機層に水(10,000部)をに加えた。有機層を再び抽出した後、ジエチルエーテルおよび2−クロロエトキシエテンが、室温下、減圧蒸留により有機層から除去された。そして、2,4,6−トリス(2−ビニロキシ)エトキシ)−1,3,5−トリアジン(架橋剤C2)を収率70%で得た。
【0076】
<架橋剤C2のスペクトルデータ>
1H−NMR(CDCl
3、δin ppm):6.45(dd,3H,J=7.0 and 3.4Hz,C
H=CH
2),4.51(t,6H,J=6.6Hz,C
H2CH
2OCH),4.33(t,6H,J=6.6Hz,CH
2C
H2OCH),4.15(dd,3H,J=7.2 and 1.0Hz,CH=C
H2),4.03(dd,3H,J=3.4 and 1.2Hz,CH=C
H2)
13C−NMR(CDCl
3):172.70,151.80,84.60,69.4,67.5.
【0077】
実施例3
<4,6−ビス(2−(ビニロキシ)エトキシ)ピリミジン(架橋剤C3)の合成>
撹拌機、凝縮器、加熱装置および温度制御装置を取り付けた反応器に、炭酸カリウム(7,464部)、ジメチルスルホキシド(7,876部)および2−クロロエトキシエテン(5,872部)を加え、この溶液を90℃に加熱した。
【0078】
別の容器にピリミジン−4,6−ジオール(1,097部)およびジメチルスルホキシド(8,355部)を入れ撹拌した。この溶液を、滴下ロートを用いて、上述の反応器に供給した。供給終了後、反応混合物を90℃で8時間保持した。
【0079】
室温に冷却した後、反応溶液に5%水酸化ナトリウム水溶液(10,000部)およびジエチルエーテル(10,000部)を加えた。ジエチルエーテル層を抽出し、次に、飽和炭酸水素ナトリウム(10,000部)をジエチルエーテル層に加えた。その有機層を抽出し、次に、有機層に水(10,000部)を加えた。有機層を再び抽出した後、ジエチルエーテルと2−クロロエトキシエテンが、室温下、減圧蒸留により除去された。そして、4,6−ビス(2−(ビニロキシ)エトキシ)ピリミジン(架橋剤C3)を収率70%で得た。
【0080】
<架橋剤C3のスペクトルデータ>
1H−NMR(CDCl
3、δin ppm):9.59(s,1H),6.45(dd,3H,J=7.0 and 3.4Hz,C
H=CH
2),6.44(s,1H),4.51(t,6H,J=6.6Hz,C
H2CH
2OCH),4.33(t,6H,J=6.6Hz,CH
2C
H2OCH),4.15(dd,3H,J=7.2 and 1.0Hz,CH=C
H2),4.03(dd,3H,J=3.4 and 1.2Hz,CH=C
H2)
13C−NMR(CDCl
3):170.5,161.9,151.8, 84.6,82.1,69.4,67.5.
【0081】
実施例4
<2,3− ビス(2−(ビニロキシ)エトキシ)ピリジン(架橋剤C4)の合成>
撹拌機、凝縮器、加熱装置および温度制御装置を取り付けた反応器に、炭酸カリウム(7,500部)、ジメチルスルホキシド(7,900部)、および2−クロロエトキシエテン(5,800部)を加え、この溶液を90℃に加熱した。
【0082】
別の容器にピリジン2,3−ジオール(1,000部)、およびジメチルスルホキシド(7,900部)を入れ撹拌した。この溶液を、滴下ロートを用いて、上述の反応器に供給した。供給終了後、反応混合物を90℃で8時間保持した。
【0083】
室温に冷却した後、反応溶液に5%水酸化ナトリウム水溶液(10,000部)およびジエチルエーテル(10,000部)を加えた。ジエチルエーテル層を抽出し、次に、飽和炭酸水素ナトリウム(10,000部)をジエチルエーテル層に加えた。その有機層を抽出し、次に、有機層に水(10,000部)を加えた。有機層を再び抽出した後、ジエチルエーテルと2−クロロエトキシエテンが、室温下、減圧蒸留により有機層から除去された。そして、2,3−ビス(2−(ビニロキシ)エトキシ)ピリジン(架橋剤C4)を収率78%で得た。
【0084】
<架橋剤C4のスペクトルデータ>
1H−NMR(CDCl
3、δin ppm):8.06(d,1H,J=4.4Hz,C
HN),7.30(d,1H,J=4.4Hz,C
HCS),6.78(m,1H),6.45(dd,2H,J=7.0 and 3.4Hz,C
H=CH
2)4.15(dd,2H,J=7.2 and 1.0Hz,CH=C
H2),4.03(dd,2H,J=3.4 and 1.2Hz,CH=C
H2),3.94(t,4H,J=6.4Hz,C
H2O),3.61(t,4H,J=6.6Hz,SC
H2)
13C−NMR(CDCl
3):151.8,146.3,146.1,145.5,132.2,125.2,84.6,66.8,39.8.
【0085】
実施例5
<2,4,6−トリス((4−(ビニロキシ)ブチル)チオ)−1,3,5−トリアジン(架橋剤C5)の合成>
撹拌機、凝縮器、加熱装置および温度制御装置を取り付けた反応器に、炭酸カリウム(7,400部)、ジメチルスルホキシド(7,800部)、および1−クロロ−4−(ビニロキシ)ブタン(5,800部)を加え、この溶液を90℃に加熱した。
【0086】
別の容器に、2,4,6−トリス(((ビニロキシ)エチル)チオ)−1,3,5−トリアジン(1,000部)、ジメチルスルホキシド(8,300部)を入れ撹拌した。この溶液を、滴下ロートを用いて、上述の反応器に供給した。供給終了後、反応混合物を90℃で8時間保持した。
【0087】
室温に冷却した後、反応溶液に5%水酸化ナトリウム水溶液(10,000部)およびジエチルエーテル(10,000部)を加えた。ジエチルエーテル層を抽出し、次に、飽和炭酸水素ナトリウム(10,000部)をジエチルエーテル層に加えた。その有機層を抽出し、次に、有機層に水(10,000部)をに加えた。有機層を再び抽出した後、ジエチルエーテルおよび2−クロロエトキシエテンが、室温下、減圧蒸留により除去された。そして、2,4,6−トリス((4−(ビニロキシ)ブチル)チオ)−1,3,5−トリアジンを収率88%で得た。
【0088】
<架橋剤C5のスペクトルデータ>
1H−NMR(CDCl
3、δin ppm):6.45(dd,3H,J=7.0 and 3.4Hz,C
H=CH
2),4.15(dd,3H,J=7.2 and 1.0Hz,CH=C
H2),4.03(dd,3H,J=3.4 and 1.2Hz,CH=C
H2),4.01(t,6H,J=6.4Hz,C
H2O),3.10(t,6H,J=6.6Hz,SC
H2),1.71(m,6H,OCH
2C
H2),1.66(m,6H,SCH
2C
H2).
13C−NMR(CDCl
3):181.1、151.1、81.3、66.5、36.7、29.0、26.6.
【0089】
ポリマー合成例1
<HS/AMMA/MAA(50/25/25)ターポリマー(ポリマーP1)の合成>
撹拌機、凝縮器、加熱装置および温度制御装置を取り付けた反応器に、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(2,000部)を入れ、この溶媒を窒素ガスで30分間パージし、その後90℃に加熱した。
【0090】
別の容器に、メタクリル酸9−アントラセン−メチル(AMMA、1,582部)、アセトキシスチレン(1,857部)、メタクリル酸(MAA、493部)、アゾビスイソブチロニトリル(ラジカル重合開始剤AIBN、118部)、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(7,450部)を入れ、撹拌した。この得られたモノマー溶液を窒素ガスで30分間パージした。
【0091】
モノマー溶液を、ペリスタルティックポンプを用いて、前記反応器に2時間にわたって供給した。供給完了後、反応混合物を90℃で4時間保持した。
【0092】
室温に冷却した後、その混合物をn−ヘプタン(50,000部)に投入し、上澄み液を取り除いた。残存した反応混合物をテトラヒドロフラン(7,000部)に溶解させた。得られた溶液をn−ヘプタン(50,000部)に投入し、白色沈殿を形成させた。その沈殿を減圧ろ過で単離し、真空オーブン中で50℃にて一晩乾燥させた。
【0093】
乾燥後に、テトラヒドロフラン(7,000部)と25%TMAHメタノール溶液(3,090部)と水(10,000部)とを加え、室温下で2時間撹拌した。反応終了後、0.5%HCl(64,000部)に反応溶液を投入し、沈殿を形成させた。得られた白色沈殿物を減圧濾過で単離した。さらに白色沈殿物をテトラヒドロフラン(7,000部)に溶解させた。得られた溶液を水(50,000部)に投入し、白色沈殿を形成させた。その沈殿を減圧濾過で単離し、真空オーブン中で50℃にて一晩乾燥させた。
乾燥後に収率75%でHS/AMMA/MAA(50/25/25)ターポリマー(ポリマーP1)が白色粉体として得られた。GPC(THF)により分子量を測定したところ、重量平均分子量Mw=8,903Da、数平均分子量Mn=4,287Da、多分散性指数PDI=2.08であった。
【0094】
ポリマー合成例2
<PQMA/AMMA/EtCpMA(66/22.5/11.5)ターポリマー(ポリマーP2)の合成>
機械式撹拌機、凝縮器、窒素導入口および温度制御装置を取り付けた250ml丸底フラスコに、384gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒、6.24gの2−エチルシクロペンチルメタクリレート(EtCpMA)、34.99gの4−ヒドロキシフェニルメタクリレート(PQMA)、18.50gの9−アントラセンメチルメタクリレート(AMMA)、および5.97gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤を入れ、窒素ガスで30分間パージした。その後、脱気された反応混合物をマントルヒーターを用いて70℃に加熱した。重合は70℃で5時間行い、反応後、反応混合物を窒素雰囲気下で室温まで冷却した。温度が30℃に達した時に、9gのメタノールを加え、反応を終了させた。PGMEA溶液を2倍量のヘキサンに投入してポリマーを回収し、メタノールおよび水の混合物で3回洗浄した。沈殿したポリマーを40℃で48時間乾燥させた。
【0095】
上述の工程の結果、56.66gのポリマーP2が得られた(94.9%)。分子量を測定したところ、重量平均分子量Mw=21,910Da、数平均分子量Mn=8,572Da、および多分散性指数PDI=2.56であった。
【0096】
ポリマー合成例3
<PQMA/AMMA/EdMA/MAA(54/29/12/5)テトラポリマー(ポリマーP3)の合成>
機械式撹拌機、凝縮器、窒素導入口および温度制御装置を取り付けた250ml丸底フラスコに、31gのメチルアミルケトン(MAK)を入れて、窒素ガスで30分間パージした。その後、脱気した溶媒を80℃に加熱した。また、それとは別に、3.95gの2−エチルアダマンチルメタクリレート(EAdMA)、12.98gの4−ヒドロキシフェニルメタクリレート(PQMA)、10.25gの9−アントラセンメチルメタクリレート(AMMA)、0.57gのメタクリル酸(MAA)、および1.11gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤を70gのMAKに溶解させ、窒素ガスによって30分間パージした。次いで、脱気された反応混合物をフラスコ中の予熱された溶媒にシリンジポンプを用いて3時間かけて添加した。重合はさらに80℃で3時間継続させ、反応後、反応混合物を窒素雰囲気下で室温まで冷却した。温度が30℃に達した時に、4gのメタノールにより反応を終了させた。MAK溶液を2倍量のヘキサンに投入してポリマーを回収し、メタノールおよび水の混合物で3回洗浄した。沈殿したポリマーを40℃で48時間乾燥させた。
【0097】
上述の工程の結果、26.90gのポリマーP3が得られた(93.2%)。分子量を測定したところ、重量平均分子量Mw=10,701Da、数平均分子量Mn=5,515Da、および多分散性指数PDI=1.94であった。
【0098】
ポリマー合成例4
<AMMA/MAA(20/80)コポリマー(ポリマーP4)の合成>
撹拌機、凝縮器、加熱装置および温度制御装置を取り付けた反応器に、N,N’−ジメチルホルムアミド(150部)およびメチルアミルケトン(150部)を入れて混合溶媒を調製した。この溶媒を窒素ガスで30分間パージし、その後120℃に加熱した。
【0099】
別の容器に、メタクリル酸9−アントラセン−メチル(AMMA、279部)、メタクリル酸(MAA、534部)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルイソブチレート)(ラジカル重合開始剤、83部)、N,N’−ジメチルホルムアミド(900部)、およびメチルアミルケトン(900部)を入れ撹拌した。得られた溶液を窒素ガスで30分間パージした。
【0100】
そのモノマー溶液を、ペリスタルティックポンプを用いて、反応器に2時間にわたって供給した。供給完了後、反応混合物を120℃で4時間保持した。
【0101】
室温に冷却した後、モノマー溶液をn−ヘプタン(15,000部)に投入し、上澄み液を取り除いた。残存した反応混合物をテトラヒドロフラン(2,000部)に溶解させた。得られた溶液を水(15,000部)に投入し、白色沈殿を形成させた。その沈殿を減圧ろ過で単離し、真空オーブン中で50℃にて一晩乾燥させた。
【0102】
乾燥後に780部(収率:96%)のAMMA/MAA(20/80)コポリマーP4が白色粉体として得られた。GPC(THF)により分子量を測定したところ、重量平均分子量Mw=6,389Da、数平均分子量Mn=2,159Da、および多分散性指数PDI=2.96であった。
【0103】
ポリマー合成例5
<PQMA/MAdMA(75/25)コポリマーの合成>
撹拌機、凝縮器、加熱装置および温度制御装置を取り付けた反応器に、メチルアミルケトン(MAK、100部)を入れた。この溶媒を窒素ガスで30分間パージし、120℃に加熱した。
【0104】
別の容器に、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート(PQMA、189部)、2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレート(MAdMA、83部)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルイソブチレート)(ラジカル重合開始剤、27部)、およびメチルアミルケトン(MAK、600部)を入れ撹拌した。このモノマー溶液を窒素ガスで30分間パージした。
【0105】
モノマー溶液を、ペリスタルティックポンプを用いて、反応器に2時間にわたって供給した。供給完了後、反応混合物を120℃で4時間保持した。
【0106】
室温に冷却した後、その混合物をn−ヘプタン(5,000部)に投入し、上澄み液を取り除いた。残存した反応混合物をテトラヒドロフラン(700部)に溶解させた。さらに得られた溶液をn−ヘプタン(5,000部)に投入し、白色沈殿を形成させた。得られた沈殿を減圧ろ過で単離し、真空オーブン中で50℃にて一晩乾燥させた。
【0107】
乾燥後に280部(収率:93%)のPQMA/MAdMA(75/25)コポリマーP5が白色粉体として得られた。GPC(THF)により分子量を測定したところ、重量平均分子量Mw=6,389Da、数平均分子量Mn=3,227Da、および多分散性指数PDI=1.98であった。
【0108】
ポリマー合成例6
<HNMA/AMMA/OTMA(60/25/15)ターポリマー(ポリマーP6)の合成>
マグネチックスターラー、凝縮器、窒素導入口および温度制御装置を取り付けた250ml丸底フラスコに、135gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を入れて、窒素ガスで30分間パージした。その後、脱気した溶媒をマントルヒーターを用いて80℃に加熱した。この加熱された溶媒に、圧力平衡滴下ロートから、16.7gの9−ヒドロキシナフチルメタクリレート(HNMA)、3.4gのオキサチアニルメタクリレート(OTMA)、8.43gの9−アントラセンメチルメタクリレート(AMMA)、1.44gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤、および135gのPGMEAを含む、あらかじめ窒素ガスによって30分間パージされて脱気されたPGMEA溶液を添加した。添加は3時間かけて完了した。重合はさらに80℃で3時間継続させ、反応後、反応混合物を窒素雰囲気下で室温まで冷却した。温度が30℃に達した時に、4.5gのメタノールにより反応を終了させた。PGMEA溶液を2倍量のヘキサンに投入してポリマーを回収し、メタノールおよび水の混合物で3回洗浄した。沈殿したポリマーP6を40℃で48時間乾燥させた。
【0109】
応用実施例1
ポリマーP1(61部)に、架橋剤C1(7部)、トリフェニルスルホニウム塩(以下、TPSという)(9部)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(956部)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1,867部)、および乳酸エチル(57部)を添加し、室温で30分間撹拌して、下層反射防止膜形成用組成物を調製した。
【0110】
調製した下層反射防止膜形成用組成物をシリコンマイクロチップウェハ上にスピンコートにより塗布し、190℃で60秒間真空ホットプレート上にて加熱して架橋反応させ、下層反射防止膜層を得た。この下層反射防止膜層をエリプソメーターで測定した結果、波長248nmでの屈折率(n値)は1.54、減衰係数(k値)は0.46であった。また、波長193nmでの屈折率(n値)は1.91、減衰係数(k値)は0.47であった。
【0111】
別に、上述の工程を繰り返し、その後、190℃で焼成して、下層反射防止膜を形成した。そして、これらの下層反射防止膜が乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルのいずれにも不溶であることを確認した。
【0112】
次いで、得られた下層反射防止膜上に、市販の248nmポジ型フォトレジストをスピンコートにより塗布した。塗布後のレジスト層を120℃で60秒間真空ホットプレート上にてソフトベークし、フォトマスクを通して248nmの放射線で像様露光し、130℃で60秒間、露光後加熱した。次いで2.38重量%のTMAH水溶液で現像した。この現像において、フォトマスクによって画定された領域におけるフォトレジスト層と下地下層反射防止膜層との双方が除去された。フォトレジストとともに下層反射防止膜も露光された部分は溶解しており、下層反射防止膜の残膜は見られなかった。また、形成されたパターンの断面はフォトレジストおよび下層反射防止膜ともに側面が基板表面に対して垂直な矩形形状であった。また、下層反射防止膜由来のスカムの発生はみられなかった。
【0113】
また、同様に、得られた下層反射防止膜上に、市販の193nmポジ型フォトレジストをスピンコートにより塗布した。塗布後のレジスト層を120℃で60秒間真空ホットプレート上にてソフトベークし、フォトマスクを通して193nmの放射線で像様露光し、130℃で60秒間、露光後加熱した。次いで2.38重量%のTMAH水溶液で現像した。この現像において、フォトマスクによって画定された領域におけるフォトレジスト層と下地下層反射防止膜層との双方が除去された。フォトレジストとともに下層反射防止膜も露光された部分は溶解しており、下層反射防止膜の残膜は見られなかった。また、形成されたパターンの断面はフォトレジストおよび下層反射防止膜ともに側面が基板表面に対して垂直な矩形形状であった。また、下層反射防止膜由来のスカムの発生はみられなかった。
【0114】
応用実施例2〜12および応用比較例1〜2
下層反射防止膜形成用組成物の各成分を、表1に示す通りに変更したほかは実施例1と同様にして、応用実施例2〜12および応用比較例1〜2の組成物を調製し、評価した。なお、応用比較例1および2においては、それぞれ架橋剤として、トリス(4−ビニロキシ)ブチル)シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボキシレート(以下CA)、およびトリス(4−ビニロキシ)ブチル)ベンゼン−1,2,4−トリカルボキシレート(以下、CB)を用いた。得られた結果は表1に示す通りであった。
【表1】
【0115】
評価基準
耐溶剤性
A: 下層反射防止膜が、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルのいずれにも不溶
B: 下層反射防止膜が、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルのいずれかに対して、若干の溶解が認められるものの、実用上問題の無いレベル
C: 下層反射防止膜が、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルのいずれか若しくはすべてに対して溶解し、実用性がないもの
パターン断面形状
A: フォトレジストおよび下層反射防止膜ともに側面が基板表面に対して垂直な矩形形状
B: フォトレジストおよび下層反射防止膜ともに側面が基板表面に対して垂直ではなく、若干傾斜があるが実用上問題が無いレベル
C: フォトレジストおよび下層反射防止膜ともに側面が基板表面に対してフッティング形状
スカム
A: 下層反射防止膜由来のスカムの発生が認められない
B: 下層反射防止膜由来のスカムの発生がわずかに認められるが、実用上問題が無いレベル
C: 下層反射防止膜由来のスカムが多数発生