特表2015-532387(P2015-532387A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-532387(P2015-532387A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(54)【発明の名称】液体添加剤を供給する装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20151013BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20151013BHJP
【FI】
   F01N3/08 B
   B01D53/94 222
   B01D53/94 400
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-536121(P2015-536121)
(86)(22)【出願日】2013年10月10日
(85)【翻訳文提出日】2015年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2013071133
(87)【国際公開番号】WO2014057021
(87)【国際公開日】20140417
(31)【優先権主張番号】102012109675.9
(32)【優先日】2012年10月11日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
(74)【代理人】
【識別番号】100129399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】マギャン ジョルジュ
(72)【発明者】
【氏名】メルテス フィリッペ
(72)【発明者】
【氏名】ディオウフ シェイク
(72)【発明者】
【氏名】フリーデリクセン フィン
(72)【発明者】
【氏名】シェパーズ スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】ホジソン ヤン
【テーマコード(参考)】
3G091
4D048
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB05
3G091BA14
3G091CA03
3G091CA17
3G091FC07
4D048AA06
4D048AB02
4D048AC03
4D048CC43
4D048CC61
4D048DA01
4D048DA02
4D048DA20
(57)【要約】
液体添加剤を供給する装置(1)は、アセンブリ本体(2)および差し込みプレート(3)を有し、アセンブリ本体(2)には、装置(1)の動作用の少なくとも1つの液圧部品(4)が搭載され、差し込みプレート(3)は、アセンブリ本体(2)に固定され、少なくとも1つの電気ヒーター(5)、および装置(1)の動作用の少なくとも1つのさらなる電気部品(6)が搭載され、電気ヒーター(5)は、差し込みプレート(3)からアセンブリ本体(2)のカットアウト(7)に広がる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体添加剤を供給する装置(1)であって、アセンブリ本体(2)と、差し込みプレート(3)と、を有し、アセンブリ本体(2)は、装置(1)の動作のための少なくとも1つの液圧部品(4)が搭載され、差し込みプレート(3)は、アセンブリ本体(2)に固定され、少なくとも1つの電気ヒーター(5)と、装置(1)の動作のための少なくとも1つのさらなる電気部品(6)と、が搭載され、少なくとも1つの電気ヒーター(5)は、差し込みプレート(3)から、アセンブリ本体(2)の少なくとも1つのカットアウト(7)に広がる、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(1)であって、ヒーター(5)は、アクティブ加熱部分(8)と、パッシブ熱分配部分(9)と、を有し、熱がアクティブ加熱部分(8)で生成され、その熱はパッシブ熱分配部分(9)によって分散され、パッシブ熱分配部分(9)は、アセンブリ本体(2)のカットアウト(7)に広がり、アクティブ加熱部分(8)は、アセンブリ本体(2)から離間するように、差し込みプレート(3)に配置される、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置(1)であって、パッシブ熱分配部分(9)は、少なくとも1つのヒートパイプを備える、装置。
【請求項4】
請求項1〜3の1つに記載の装置(1)であって、差し込みプレート(3)は、少なくとも1つのガイド(10)を有し、ガイド(10)により、差し込みプレート(3)は、アセンブリ本体(2)との組み付けの際に、アセンブリ本体(2)に対して空間的に位置決めされ、ガイド(10)はヒーター(5)によって形成される、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置(1)であって、少なくとも1つのガイド(10)には、少なくとも1つのクランプ手段(11)が形成され、クランプ手段(11)により、差し込みプレート(3)がアセンブリ本体(2)にクランプされる、装置。
【請求項6】
請求項1〜5の1つに記載の装置(1)であって、電気ヒーター(5)は、カットアウトの中でアセンブリ本体(2)と直接接触し、アセンブリ本体(2)は、カットアウト(7)の内側の伝熱部分(29)を備え、伝熱部分(29)は、熱が少なくとも熱伝導によってヒーター(5)からアセンブリ本体(2)に伝達されるように、電気ヒーター(5)に対する直接接触(7)を形成する、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置(1)であって、伝熱部分(29)は、フレキシブルであり、カットアウト(7)の内側の電気ヒーター(5)によって少なくとも部分的に押圧されることができ、伝熱部分(29)が電気ヒーター(5)に押し付けられるようになっている、装置。
【請求項8】
請求項1〜7の1つに記載の装置(1)であって、差し込みプレート(3)は、少なくとも1つのバネ部(12)を有し、バネ部(12)により、アセンブリ本体(2)がアウターハウジング(13)で支えられる、装置。
【請求項9】
請求項1〜8の1つに記載の装置(1)であって、超音波センサー(14)が、差し込みプレート(3)に固定され、超音波センサー(14)により、タンク(15)の中の液体添加剤の充填レベルがモニターされることができる、装置。
【請求項10】
自動車(16)であって、内燃機関(17)を有し、内燃機関(17)の排ガスの浄化用の排ガス処理装置(18)を有し、請求項1〜9の1つに記載の装置(1)も有し、装置(1)により、液体添加剤が排ガス処理装置(18)に供給されることができる、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体添加剤を供給する装置に関し、特に排気システム用の尿素水溶液を供給する装置に関する。そのような装置は、例えば、液体添加剤を自動車の排ガス処理装置に供給するために利用される。
【背景技術】
【0002】
自動車分野では、排ガス処理装置も使用され、排ガス処理装置では、排ガスの汚染物質が、還元剤を用いて還元される。これに関連して行われる排ガス浄化プロセスは、選択触媒還元(SCR)の方法であり、選択触媒還元(SCR)の方法では、排ガス中の窒素酸化化合物が、アンモニアを用いて還元され、水、窒素および二酸化炭素などの非有害物質を形成する。アンモニアに変換され得る還元剤は、液体添加剤の形で排ガス処理装置に供給されてよい。アンモニアを形成する変換は、それから熱的におよび/または加水分解で(加水分解触媒コンバーターを用いて)排ガス処理装置で起こる。尿素水溶液は、このために還元剤としてよく使用される。排ガス浄化用の尿素水溶液は、AdBlue(登録商標)の商品名で入手できる。
【0003】
自動車用の液体添加剤を供給する装置は、できる限り安価であるべきである。そのような装置の問題は、(例えば尿素水溶液などの)添加剤は、低温で凍結し得ることである。AdBlue(登録商標)は、例えば−11℃で凍結する。自動車では、そのような低温は、特に冬季の長期静止状態で起こることがある。それでも装置の動作を可能にするために、装置を加熱できるヒーターを設けることが知られている。装置の凍結液体添加剤は、ヒーターによって溶かされ得る。ヒーターにより、必要な場合には、液体添加剤の凍結を防ぐこともできる。そのようなヒーターは、同じくできる限り安価であるべきであり、ヒーターにより生じる熱ができる限り効果的に装置内に分配されるように、装置内に配置されるべきである。さらに、ヒーターがメンテナンス目的で交換可能であることが、保証されるべきである。
【0004】
さらに、装置に設けられる電気部品は連続的に作動することが、考慮されなければならず、侵食環境(尿素水溶液および/または車道および/または気象条件)は、安価で維持し易い配置を実現することを特に強く要請する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここから出発して、本発明の課題は、論じられた技術的問題を、解決または少なくとも軽減することである。特に、ヒーターが交換し易く維持し易い、ヒーターを有する液体添加剤を供給する特に安価な装置を、提示することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴に従った装置により解決される。装置の有利な改良は、従属請求項に示される。請求項に個々に挙げられた特徴は、任意の技術的に有意な方法で、互いに組み合わせ可能であり、本発明のさらなる実施形態が示される、明細書からの実情によって補足されることもある。
【0007】
本発明は、液体添加剤を供給する装置に関し、装置は、アセンブリ本体および差し込みプレートを有し、アセンブリ本体には、装置の動作用の少なくとも1つの液圧部品が搭載され、差し込みプレートは、アセンブリ本体に固定され、少なくとも1つの電気ヒーター、および装置の動作用の少なくとも1つのさらなる電気部品が搭載され、少なくとも1つの電気ヒーターは、差し込みプレートから、アセンブリ本体の少なくとも1つのカットアウトに広がる。
【0008】
液体添加剤を供給する装置は、望ましくはポンプを備え、ポンプによって液体添加剤をタンクから供給装置に送出できる。供給装置によって、液体添加剤を排ガス処理装置に供給できる。タンクの吸引ポイントからポンプを通って供給装置まで、望ましくは送出路があり、送出路はラインによって形成され、送出路を通って液体添加剤が送出される。液体添加剤を供給する装置は、少なくとも1つのバルブおよび/または少なくとも1つのセンサーを追加的に有してよく、それによって液体添加剤の送出をコントロールおよび/またはモニターできる。ポンプ、設けられ得るバルブ、および設けられ得るセンサーは、ここでは装置の液圧部品と称される。(添加剤と(直接)相互作用する)前記の液圧部品は、装置のアセンブリ本体に搭載されてよい。
【0009】
アセンブリ本体は、例えばプレートの形であってよく、液圧部品用の実装位置がプレートに設けられる。アセンブリ本体は、ダクトを有してもよく、ダクトは、個々の液圧部品間に液圧的接続を作り出す。アセンブリ本体の前記のダクトは、そしてタンクから供給装置までの送出ダクトのまたは送出路の部分を形成する。
【0010】
アセンブリ本体の液圧部品は、少なくとも1つの電気端子も一般に有する。ポンプは、例えば電源端子を有し、電源端子によって電流をポンプに、その動作用に、供給できる。センサーは電気ラインを有し、電気ラインを介してセンサーが電圧パルスを出力でき、電圧パルスは、センサーにより測定される測定値に対応するバルブは、バルブ制御用の電気端子を有する。アセンブリ本体の液圧部品の全ての電気端子は、望ましくは、1つの電気プラグコネクタに組み合わせられる。
【0011】
アセンブリ本体に加えて、装置は差し込みプレートを有する。差し込みプレートは、装置の電気(または電子)部品を支える。電気部品は、例えば、電気回路、制御ユニット、または同様の部品である。前記の電気部品は、アセンブリ本体の液圧部品の動作を制御する。装置の全ての電気部品が差し込みプレートに搭載されることが、望ましい。差し込みプレートの電気部品は、望ましくは、(アセンブリ本体の液圧部品と同じように)電気端子を有する。アセンブリ本体の電気部品の電気端子は、望ましくは、1つの電気プラグコネクタに組み合わせられる。
【0012】
アセンブリ本体の電気プラグコネクタと差し込みプレートの電気プラグコネクタとは、望ましくは、差し込みプレートがアセンブリ本体に固定されたときに、互いに係合する。このようにして、プラグ接続が2つのプラグコネクタから形成される。電気プラグコネクタは、アセンブリ本体と差し込みプレートとの間の共通の電気的インターフェースを、このようにして形成する。望ましくは、アセンブリ本体の液圧部品と差し込みプレートの電気部品との完全な分離がある。これによって、液圧部品を含むアセンブリ本体と電気部品を含む差し込みプレートとを、互いに分離して製造できるおよび/または組み立てることができる。これによって、特に簡易で効率的な製造が可能となる。
【0013】
装置の電気ヒーターは、電気部品であり、従って差し込みプレートに固定される。電気ヒーターは、装置で機能を果たすために、液体添加剤と直接接触する必要はない。電気ヒーターは、従って、ここでは液圧部品ではない。しかしながら、電気ヒーターは、アセンブリ本体の液圧部品の液体添加剤への特に良好な熱伝導を発現する。カットアウトは、従ってアセンブリ本体に配置され、電気ヒーターが、差し込みプレートから、カットアウトに延びる。カットアウトは、例えば、アセンブリ本体のボアであってよく、電気ヒーターは、前記のボアに広がる少なくとも1つの棒状部分を有してよい。
【0014】
このようにしてアセンブリ本体のカットアウトに広がる電気ヒーターの結果として、電気ヒーターを、アセンブリ本体に空間的に特に近接して、およびアセンブリ本体の液圧部品に近接して、配置できる。熱伝導要素が、カットアウトの領域のアセンブリ本体に設けられてもよく、熱伝導要素は、電気ヒーターからアセンブリ本体への熱の方向性を持った移動を、可能にする。そのような熱伝導要素は、例えば接触領域によって形成されてよく、接触領域は、電気ヒーターがカットアウトに及ぶときに、電気ヒーターに接触する。
【0015】
ヒーターがアクティブ加熱部分とパッシブ熱分配部分とを有すると、装置は特に有利であり、熱がアクティブ加熱部分で生成され、その熱はパッシブ熱分配部分によって分散され、パッシブ熱分配部分は、アセンブリ本体のカットアウトに広がり、アクティブ加熱部分は、アセンブリ本体から離間するように、差し込みプレートに配置される。
【0016】
ヒーターのそのような分割により、従来のヒーターと比べて小さいアクティブ加熱部分を使用できるようになる。このようにして、高価なアクティブに加熱可能な材料を回避でき、より安価な熱を分散する材料に置き換えることができる。さらに、アクティブ加熱部分への電力の供給用の電気ラインをより短くできる。アクティブ加熱部分が、電源に近接して差し込みプレートに位置することができるからである。ヒーター用の短い電気ラインは特に有利である。自動車では、ヒーターは、低い作動電圧で一般に作動され、低い作動電圧で比較的多量の熱エネルギーを伝達するのに、比較的大きな断面を有する電気ラインが求められるからである。そのような電気ラインは、第1に高価であり、第2に高重量である。
【0017】
パッシブ熱分配部分が少なくとも1つのヒートパイプを備えると、本発明はさらに有利である。ヒートパイプにはキャビティが位置し、キャビティは気密的に閉鎖され、キャビティには、液体が、部分的に液相でおよび部分的に気相で存在する。蒸発および凝縮を通じて、熱は、ヒートパイプによって特に効果的に伝達されることができ、このために大きな温度差が必要とされない。記載されている装置におけるヒートパイプの使用は、従って特に有利である。
【0018】
差し込みプレートが少なくとも1つのガイドを有すると、装置はさらに有利であり、ガイドにより、差し込みプレートが、アセンブリ本体との組み付けの際に、アセンブリ本体に対して空間的に位置決めされ、ガイドはヒーターによって形成される。
【0019】
そのようなガイドは、例えば棒状構造またはガイド手段によって形成されてよく、それは、アセンブリ本体の対応する開口に係合する。前記の係合は、望ましくは、差し込みプレートがアセンブリ本体からまだ相隔たるときに、組み付けプロセスの際にすでに作り出される。そして、アセンブリ本体のおよび差し込みプレートの全ての端子が、互いに対して正しい空間位置にあり、互いに案内されるように、差し込みプレートをガイドに沿ってアセンブリ本体に近づけることができる。
【0020】
そのようなガイドは、機能的理由で、差し込みプレートから、アセンブリ本体の対応するカットアウトに突き出る。従って、ヒーターと前記の種類のガイドを兼ねるのが、特に有利で費用がかからない。追加部品をこのようにして回避できる。ヒーターおよび記載されているガイドは、従ってこの場合驚くほど有利な相乗効果を示す。
【0021】
少なくとも1つのガイドに少なくとも1つのクランプ手段が形成されると、装置はさらに有利であり、クランプ手段により、差し込みプレートがアセンブリ本体にクランプされる。
【0022】
そのようなクランプ手段は、例えばかかりの付いたフックによって形成されてよく、かかりの付いたフックは、ガイド、またはヒーターの形のガイドが、カットアウトの中でその最終位置に到達したときに、アセンブリ本体のカットアウトに引っかかる。そのようなクランプ手段があれば、アセンブリ本体と差し込みプレートとの間の安定した確実な接続を、単純な方法で作り出すことができ、例えばねじや接続ピンなどの付加的組み付け手段が、このために必要とされない。クランプ手段は、ヒーターとアセンブリ本体との間で熱を伝達するように、さらに設計されてよい。アセンブリ本体のクランプ手段のキャッチの結果として、特に強い接触がガイドとアセンブリ本体との間に生じ、その接触は熱伝達に利用され得る。
【0023】
電気ヒーターがアセンブリ本体との直接接触をカットアウトの中で形成すると、装置はさらに有利であり、アセンブリ本体は、カットアウトの内側の伝熱部分を備え、伝熱部分は、電気ヒーターに対して直接接触し、熱が少なくとも熱伝導によってヒーターからアセンブリ本体に伝達されるようになっている。
【0024】
伝熱部分は、カットアウトの領域におけるアセンブリ本体の表面であり得る。望ましくは、ヒーターはカットアウトにちょうど収まる。カットアウトの内側のアセンブリ本体の表面は、熱伝導性コーティングでコーティングされてよく、熱伝導性コーティングは、ヒーターからアセンブリ本体への熱伝達を促進する。このコーティングは、伝熱性ペーストであり得る。
【0025】
伝熱部分が、フレキシブルであり、カットアウトの内側の電気ヒーターによって少なくとも部分的に押圧されることができ、伝熱部分が電気ヒーターに押し付けられるようになっていると、装置はさらに有利である。弾性伝熱部分は、以下の材料:
‐シリコーンゴム、
‐雲母、
‐プラスチックフォイル、および
‐パラフィンワックス、
の少なくとも1つを備える。
【0026】
装置のさらなる実施形態では、熱は、少なくとも熱放射または対流によって、電気ヒーターからアセンブリ本体に伝えられる。従って、特に(空気)間隙が、アセンブリ本体とカットアウトの領域のヒーターとの間にある。熱放射によるまたは対流による、ヒーターからアセンブリ本体への熱の伝達によって、ヒーターからアセンブリ本体への熱伝達を、精度良く設定できるようになる。製造ばらつきのため、ヒーターとアセンブリ本体との間の一様な直接接触を作り出すことは、ヒーターとアセンブリ本体との間の均一な間隔を作り出すことよりも難しい。このようにして、かかる設計により、異なる装置の特に一様な製造を実現することができる。ヒーターの表面およびカットアウトの領域のアセンブリ本体の表面は、熱放射によるまたは対流による特に効果的な熱の伝達が可能であるように、設計および形成されてよい。本体は、電気ヒーターと接触する空気の循環をサポートする、チャネルまたは他の構造または装置を有してもよい。例えば、アセンブリ本体は、空気の循環を可能にする閉じた無終端チャネルを備えることができる。ヒーターも少なくとも1つの液圧部品も、このチャネルの影響を受け、ヒーターから放出された熱が、空気によってヒーターから液圧部品に運ばれるようになっている。
【0027】
差し込みプレートが少なくとも1つのバネ部を有すると、装置はさらに有利であり、バネ部により、アセンブリ本体がアウターハウジングで支えられる。
【0028】
アウターハウジングは、例えば、液体添加剤用のタンクに(ドライ)チャンバを形成する。アウターハウジングは、金属製であってよく、および/またはプラスチックから製造されてよい。アウターハウジングは、タンクにまたはタンクのタンク壁に、溶接されてもよい。差し込みプレートのバネ部により、アセンブリ本体は、望ましくは、アウターハウジングの壁に押し付けられる。これは、特に製造し易い、アセンブリ本体のアウターハウジングへの固定をもたらす。装置の組み付けは、従ってバネ部によって簡易化され得る。
【0029】
超音波センサーが差し込みプレートに固定されると、装置はさらに有利であり、その超音波センサーにより、以下のパラメーター:
‐タンクの中の液体添加剤の充填レベル、または
‐タンクの中の液体添加剤の性質、
の少なくとも1つをモニターできる。
【0030】
液体添加剤が尿素水溶液の場合、液体添加剤の性質は、通常は尿素の濃度である。本発明の特に望ましい実施形態では、超音波センサーは、タンクの中の液体添加剤の充填レベルも性質も、モニターするように構成される。超音波センサーは、タンクの中の液体添加剤を通る超音波の伝播の測定により、タンクの中の充填レベルを測定できる。超音波センサーは、ハウジングを通して測定を行うことができ、従って液体添加剤と直接接触する必要はない。ここで、超音波センサーは、液圧部品というよりむしろ電気部品である。超音波センサーは、望ましくは、差し込みプレートがアセンブリ本体に取り付けられたときに、装置のハウジングに当接するように、差し込みプレートに固定される。差し込みプレートのバネ部は、この当接をサポートできる。タンクの中の液体添加剤は、超音波センサーに向かい合って、アウターハウジングの反対側に位置する。
【0031】
本発明は、特に自動車で使用可能であり、自動車は、内燃機関を有し、内燃機関の排ガスの浄化用の排ガス処理装置を有し、記載されている装置も有し、記載されている装置によって液体添加剤を排ガス処理装置に供給できる。
【0032】
排ガス処理装置には、望ましくはSCR触媒コンバーターが配置され、それにより、内燃機関の排ガスを、液体添加剤(尿素水溶液などの還元剤)を用いて浄化できる。本発明および技術周辺は、以下で図に基づいてより詳細に説明される。図は特に望ましい設計変形を示すが、本発明はそれに限定されない。図および特に示された寸法関係は、単に図的であることが、特に指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】組み付け状態で記載されている装置の第1設計変形を示す。
図2】組み付け前の記載されている装置の第1設計変形を示す。
図3】記載されている装置の第2設計変形を示す。
図4】記載されている装置の第4設計変形を示す。
図5】記載されている装置を有する液体添加剤用のタンクを示す。
図6】記載されている装置を有する自動車を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図中の同一の部品は、同じ符号により表された。図1〜5に示される装置1の設計変形は、従って初めに、合わせて説明されるものとする。
【0035】
装置1は、いずれの場合にも、アセンブリ本体2を有し、アセンブリ本体2には、(尿素水溶液などの)液体添加剤を送出する少なくとも1つの液圧部品4が配置されている。そのような液圧部品4は、例えばポンプ、センサーおよび/またはバルブであってよい。液圧部品4は、送出ダクト24を介し、アセンブリ本体2で相互に連結され、送出ダクト24を通じて液体添加剤の送出が行われる。アセンブリ本体2は、カットアウト7を有する。差し込みプレート3は、アセンブリ本体2に固定される。電気部品6およびヒーター5は、差し込みプレート3に搭載される。差し込みプレート3およびアセンブリ本体2は、それぞれプラグコネクタ26を有し、組み付け状態で(図1の通り)、プラグ接続25を形成し、プラグ接続25を介し、アセンブリ本体2の液圧部品4と差し込みプレート3の電気部品6とが、互いに電気的に接続される。
【0036】
図2は、差し込みプレート3がアセンブリ本体2に組み付けられる前の、図1による装置1の設計変形を示す。ここで、アセンブリ本体2のおよび差し込みプレート3のプラグコネクタ26は、互いに分離している。ヒーター5は、アセンブリ本体2のカットアウト7内にまだ配置されていない。差し込みプレート2は、ガイド10を有し、ガイド10は、差し込みプレートがアセンブリ本体に組み付けられる前に、前記のガイド10がアセンブリ本体2に対し差し込みプレート3をすでに位置付けるという点で、アセンブリ本体2への差し込みプレート3の特に簡単な組み付けを可能にする。ガイド10は、オプションのクランプ手段11を有し、クランプ手段11により、差し込みプレート3をアセンブリ本体2にクランプできる。
【0037】
図3に説明される装置1の設計変形では、電気ヒーター7は、アクティブ加熱部分8とパッシブ熱分配部分9に分けられる。図3による設計変形では、超音波センサー14が、差し込みプレート3に追加的に配置され、超音波センサーにより、液体添加剤用のタンクの充填レベルをモニターできる。前記の超音波センサー14は、電気部品6である。図3の設計変形は、ハウジング13に配置されている。超音波センサー14は、ハウジング13を通してタンクの充填レベルの超音波測定を行うことができるように、ハウジング13に当接し、ハウジング13は、このために前記のタンクのタンクベースに挿入される。
【0038】
図4による装置の設計変形は、図3による設計変形に実質的に対応する。ここで、差し込みプレート3はバネ部12を追加的に有し、バネ部12によって、アセンブリ本体2がハウジング13で支えられる。このために、差し込みプレート3のバネ部12は、アセンブリ本体2を、部分においてハウジング13に押し付ける。例として、図4は、伝熱部分29を示し、伝熱部分29は、アセンブリ本体2の一部であり、ヒーター5と直接接触し、熱伝導によるヒーター5からアセンブリ本体2への熱移動を可能にする。
【0039】
図5は、液体添加剤用のタンク15の中の装置1を示す。装置1のハウジング13は、タンク15内で独立チャンバを形成する。独立チャンバは、例えばタンク15のタンク壁の内側突出部として形成されてよく、内側突出部は、タンクの内部に広がる。前記の内側突出部は、カバー27によってタンク15の外側から閉ざされ得る。ハウジング13には、吸引ポイント23が設けられ、吸引ポイント23で液体添加剤をタンク15から取り出すことができる。送出路21は、吸引ポイント23から装置1の外へ延びる。送出路21はポンプ22を通り抜け、ポンプ22により、液体添加剤が送出路21に沿って送出され得る。ポンプ22は、液圧部品4であり、従ってアセンブリ本体に搭載され、アセンブリ本体は、図5では独立して示されていない。図5は、超音波センサー14がどのようにタンク15の中の液体添加剤の充填レベルを測定するかについても、示している。超音波センサーは、電気部品6であり、従って差し込みプレート3に搭載され、差し込みプレート3は、図5では独立して示されていない。
【0040】
図6は、内燃機関17を有する自動車16を示す。自動車16は、排ガス処理装置18も有し、排ガス処理装置18によって内燃機関17の排ガスを浄化できる。供給装置20により、液体添加剤を排ガス処理装置に供給できる。装置1により、液体添加剤は、ライン28を介して供給装置20にタンク15から供給される。排ガス処理装置18には、SCR触媒コンバーター19が配置され、SCR触媒コンバーター19により、内燃機関17の排ガス中の窒素酸化化合物を、液体添加剤を用いて還元できる。
【0041】
数々の技術的特徴が図中で互いに組み合わせて示されたが、前記の技術的特徴は、抜き出されてもよく、他の模範的な実施形態と組み合わされてもよいことが、当業者には明らかである。これは、必須の組み合わせへの言及がされていない場合に、同様に当てはまる。これは、必要に応じて置き換えられてよい、装置の部品の数/配置/配列に、特に関わりがある。
【0042】
記載されている装置は、特に安価で特に組み立て易い。同時に、それは、部品の容易な交換およびアフターサービスを可能にし、装置の修理が特に容易にできるようになっている。
【符号の説明】
【0043】
1 装置
2 アセンブリ本体
3 差し込みプレート
4 液圧部品
5 ヒーター
6 電気部品
7 カットアウト
8 アクティブ加熱部分
9 パッシブ熱分配部分
10 ガイド
11 クランプ手段
12 バネ部
13 ハウジング
14 超音波センサー
15 タンク
16 自動車
17 内燃機関
18 排ガス処理装置
19 SCR触媒コンバーター
20 供給装置
21 送出路
22 ポンプ
23 吸引ポイント
24 送出ダクト
25 電気プラグ接続
26 プラグコネクタ
27 カバー
28 ライン
29 伝熱部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】