特表2015-532401(P2015-532401A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-532401残圧弁装置、並びに、残圧弁装置を有する弁及びシリンダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-532401(P2015-532401A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(54)【発明の名称】残圧弁装置、並びに、残圧弁装置を有する弁及びシリンダ
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/04 20060101AFI20151013BHJP
   G05D 16/00 20060101ALI20151013BHJP
   F16K 17/04 20060101ALI20151013BHJP
【FI】
   F17C13/04 301Z
   G05D16/00 Z
   F16K17/04 D
   F16K17/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-535088(P2015-535088)
(86)(22)【出願日】2013年10月1日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月27日
(86)【国際出願番号】FR2013052334
(87)【国際公開番号】WO2014053764
(87)【国際公開日】20140410
(31)【優先権主張番号】1259299
(32)【優先日】2012年10月2日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ロベルジュ、ギョーム
【テーマコード(参考)】
3E172
3H059
5H316
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172BA01
3E172DA90
3E172EB02
3E172JA01
3E172JA10
3H059AA03
3H059BB03
3H059BB14
3H059BB16
3H059BB38
3H059CA04
3H059CB02
3H059CD03
3H059CF01
3H059EE01
3H059FF05
3H059FF17
5H316BB01
5H316CC08
5H316DD01
5H316EE02
5H316EE17
5H316GG01
5H316JJ06
5H316KK01
(57)【要約】
本発明は、本体(9)において台座(2)に対して移動可能である遮断部材(1)と、デフォルト設定により、遮断部材(1)を台座(2)に向かわせる戻し部材(5)とを備える残圧弁装置に関し、遮断部材(1)は、ガス流入口(3)と連通する第1の端部と、校正オリフィス(8)を介して、制御室(7)内に至る第2の端部とを有する内部ダクト(6)を備え、制御室(7)は、遮断部材(1)によって閉じられ、それにより、制御室(7)内のガス圧力が所定の閾値に達したときに、当該圧力は、遮断部材(1)を台座(2)から離れるように移動させ、遮断部材(1)の本体は、第1の部分(11)を備え、第1の部分(11)は、流入口(3)と流出口(4)との間のガス用通路の部分的かつ漸進的な開状態を確保するような制限を加える所定の嵌合状態で本体(9)の雌型通路において並進移動可能な雄型要素を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(9)と、
流体流入口(3)と流体流出口(4)との間のガスの流れを選択的に許容又は遮断するために、前記本体(9)において台座(2)に対して整然と選択的に移動可能である遮断部材(1)と、
デフォルト設定により、前記遮断部材(1)を前記台座(2)に向かって前記流れを遮断する位置に向かって付勢する戻し部材(5)とを備える残圧弁装置において、
前記遮断部材(1)は、前記流体流入口(3)と連通する第1の端部と、校正開口部(8)を介してパイロット室(7)内に開口する第2の端部とを有する内部ダクト(6)を備え、
前記パイロット室(7)は、前記遮断部材(1)の下流側端部によって再度密に閉じられ、それにより、前記パイロット室(7)内のガス圧力が特定の閾値に達したときに、前記圧力は、前記遮断部材(1)が前記台座(2)から離れるように移動することにより前記流体流入口(3)と前記流体流出口(4)との間のガス流れを許容するために、前記戻し部材(5)の力に抗って前記遮断部材(1)の変位力を生じ、
前記遮断部材(1)の本体は、前記台座(2)と前記遮断部材(1)の下流側端部との間において、第1の部分(11)を備え、前記第1の部分(11)は、前記流入口(3)と前記流出口(4)との間のガス用通路の部分的かつ漸進的な開状態を確保するような制限を加える特定の嵌合状態で前記本体(9)の雌型通路において並進移動可能な雄型要素を構成する、残圧弁装置。
【請求項2】
前記流入口(3)と前記流出口(4)との間においてガス用開口を規定する拡大通路を形成するために、前記第1の部分(11)と前記遮断部材(1)の下流側端部との間において、前記遮断部材(1)の本体は、前記第1の部分(11)の横断面よりも縮小された横断面を有する第2の部分(12)を備えることを特徴とする請求項1に記載の残圧弁装置。
【請求項3】
前記台座(2)によって範囲が定められる開口の寸法(D2)は、前記遮断部材(1)の第1の部分(11)の横断面の寸法(D4)に対して、30%を超えて異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の残圧弁装置。
【請求項4】
前記台座(2)によって範囲が定められる前記開口は、円形であり、3ミリ以上6ミリ以下の直径(D2)を有し、円筒状の前記遮断部材(1)の第1の部分(11)の直径(D4)に対して、1mmを超えて異なることを特徴とする請求項3に記載の残圧弁装置。
【請求項5】
前記第1の部分(11)は、特定の直径(D4)を有する円筒状であり、前記本体(9)の雌型通路は、円筒状の穴であり、その直径(D5)は、例えば、隙間嵌めのISO標準に準拠したH8f7型の標準的又は精密な隙間を前記遮断部材(1)と前記本体(9)の雌型通路との間に形成するように定義されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の残圧弁装置。
【請求項6】
前記遮断部材は、上流/下流方向に沿って前記本体において並進移動可能であり、前記第1の部分(11)は、2ミリ以上8ミリ以下、好ましくは3ミリ以上4ミリ以下の前記上流/下流方向に沿った長さを有することを特徴とする請求項2及び5に記載の残圧弁装置。
【請求項7】
前記校正開口部(8)は、前記パイロット室(7)における昇圧速度を制御するために、0.01mm以上0.50mm以下、好ましくは0.10mm以上0.30mm以下の直径を有し、前記昇圧速度は、さらに、前記流入口(3)におけるガス圧力と前記パイロット室(7)の容積の関数であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の残圧弁装置。
【請求項8】
前記台座(2)によって範囲が定められる前記開口は、円形であり、4.3mmの直径を有し、前記第1の部分(11)は、円筒状であり、4.3mmの直径(D4)を有し、前記本体(9)の雌型通路は、3mm以上4mm以下の長さ、及び、前記第1の部分(11)に対してH8f7型の隙間嵌めを形成するように定義されている直径(D5)を有する円筒状の穴であり、前記校正開口部(8)は、0.08mm以上0.12mm以下の直径を有し、前記戻し部材(5)は、前記遮断部材に対して20〜100ニュートンの力を及ぼすバネであることを特徴とする請求項3及び6に記載の残圧弁装置。
【請求項9】
加圧ガスシリンダ(13)の貯蔵域に対する接続用の上流側端部(112)と、前記シリンダ(13)から取り出されたガスを消費する装置に対する接続用の下流側端部(212)とを有し、前記上流側端部と前記下流側端部との間の上流側において直列に配置される遮断弁(14)と残圧弁装置(100)とを備える抜取回路(12)を備える加圧ガスシリンダの弁において、
前記残圧弁装置(100)は、請求項1から8のいずれか一項に記載の残圧弁装置であることを特徴とする弁。
【請求項10】
請求項9に記載の弁を備えることを特徴とする加圧ガスシリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残圧弁装置に関し、さらに、当該装置を備える弁及びガスシリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
残圧弁装置は、加圧ガスシリンダが完全に排出されることを避けるために設けられる。当該装置は、一般的に、圧力調整部の上流側(ガス取り出しという意味で上流側)に配置される。
しかしながら、そのような装置は、ガス用抜取回路において負荷損失を生む。既知の装置は、残圧弁の設定圧力に等しい負荷損失を生じる。結果として、下流側の圧力調整部の特徴(流量/圧力)を考慮して、残圧弁の設定圧力を最大とした抜取流量のみが供給可能であるが、当該流量は、弁の設定圧力に近づくにつれて急速に低下する。例えば20バールに予め設定された残圧弁装置については、下流側の調整部の抜取量及び流出口圧力は、35バールから40バールに低下する。
さらに、そのような装置の上流側の遮断弁が開いたときに、高圧ガス流れの流入が、「水撃音」と呼ばれる現象、即ち、ガスの圧力及び速度の急激な変動による過圧力を起こし得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの目的は、前述の先行技術における課題の全て又は一部を改善することである。
【0004】
この目的に対し、残圧弁装置は、本体と、流体流入口と流体流出口との間のガスの流れを選択的に許容又は遮断するために、本体において台座に対して整然と選択的に移動可能である遮断部材と、デフォルト設定により、遮断部材を台座に向かって流れを遮断する位置に向かって付勢する戻し部材とを備え、遮断部材は、ガス流入口と連通する第1の端部と、校正開口部を介してパイロット室内に開口する第2の端部とを有する内部ダクトを備え、パイロット室は、遮断部材の下流側端部によって再度密に閉じられ、それにより、パイロット室内のガス圧力が特定の閾値に達したときに、当該ガス圧力は、遮断部材が台座から離れるように移動することにより流体流入口と流体流出口との間のガス流れを許容するために、戻し部材の力に抗って遮断部材の変位力を生じ、遮断部材の本体は、台座と遮断部材の下流側端部との間において、第1の部分を備え、第1の部分は、流入口と流出口との間のガス用通路の部分的かつ漸進的な開状態を確保するような制限を加える特定の嵌合状態で本体の雌型通路において並進移動可能な雄型要素を構成する。
さらに、本発明の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を備えていてもよい:
− 流入口と流出口との間においてガス用開口を規定する拡大通路を形成するために、第1の部分と遮断部材の下流側端部との間において、遮断部材の本体は、第1の部分の横断面よりも縮小された横断面を有する第2の部分を備える。
− 台座によって範囲が定められる開口の寸法は、遮断部材の第1の部分の横断面の寸法に対して、30%を超えて異なる。
− 台座によって範囲が定められる開口は、円形であり、3ミリ以上6ミリ以下の直径を有し、円筒状の遮断部材の第1の部分の直径に対して、1mmを超えて異なる。
− 第1の部分は、特定の直径を有する円筒状であり、本体の雌型通路は、円筒状の穴であり、その直径は、例えば、隙間嵌めのISO標準に準拠したH8f7型の標準的又は精密な隙間を遮断部材と本体の雌型通路との間に形成するように定義されている。
− 遮断部材は、上流/下流方向に沿って本体において並進移動可能であり、第1の部分は、2ミリ以上8ミリ以下、好ましくは3ミリ以上4ミリ以下の上流/下流方向に沿った長さを有する。
− 校正開口部は、パイロット室における昇圧速度を制御するために、0.01mm以上0.05mm以下、好ましくは0.10mm以上0.30mm以下の直径を有し、当該昇圧速度は、さらに、流入口(3)におけるガス圧力と当該パイロット室の容積の関数である。
− 台座によって範囲が定められる開口は、円形であり、4.3mmの直径を有し、第1の部分は、円筒状であり、4.3mmの直径を有し、本体の雌型通路は、3mm以上4mm以下の長さ、及び、第1の部分に対してH8f7型の隙間嵌めを形成するように定義されている直径を有する円筒状の穴であり、校正開口部は、0.08mm以上0.12mm以下の直径を有し、戻し部材は、遮断部材に対して20ニュートン以上100ニュートン以下の力を及ぼすバネである。
【0005】
また、本発明は、以上又は以下の特徴のいずれの組合せを備える任意の代替装置又は方法に関する。
さらに、本発明は、加圧ガスシリンダの貯蔵域に対する接続用の上流側端部と、シリンダから取り出されたガスを消費する装置に対する接続用の下流側端部とを有し、上流側端部と下流側端部との間の上流側において直列に配置される遮断弁と残圧弁装置とを備える抜取回路を備える、加圧ガスシリンダの弁に関し、ここにおいて、残圧弁装置は、以上又は以下の特徴のいずれか1つを満たす。
また、本発明は、そのような弁を備える加圧ガスシリンダに関する。
その他の特徴及び効果は、図を参照した以下の説明を読むことで明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】発明が実施可能である弁を有する加圧ガスシリンダの一例を示す概略部分側面図。
図2】第1の閉状態における残圧弁装置の一例の構造を示す概略部分断面図。
図3】部分的開状態における図2の残圧弁装置を示す図。
図4図3と異なる部分的開状態における図2の残圧弁装置を示す図。
図5】完全開状態における図2の装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図示の残圧弁装置100は、可動遮断部材1を収容する本体9を備える。より正確には、遮断部材1は、流体流入口3と流体流出口4との間のガス通路を開閉するために、整然と選択的に台座2に対して並進移動可能である。
流入口3は、例えば、加圧ガスシリンダ13(図1参照)の弁15の抜取回路12における上流側に置かれる遮断弁14を介して、流出口に接続されている。流体流出口4は、例えば、抜取回路12において下流側に置かれ、特定の値で確実にガス圧力を低下させるために構成されている圧力調整部16に接続されている。例えば、抜取回路12は、この目的に対し、シリンダ13の貯蔵域に接続される上流側端部112と、シリンダ13から取り出されたガスを消費する装置に対する選択的な接続用の下流側端部212とを備える。
装置100は、デフォルト設定により、遮断部材1を台座2に(上流方向から下流方向に)向かって付勢する戻し部材5を備える。
【0008】
さらに、遮断部材1は、ガス流入口3と連通する第1の端部と、校正開口部8を介して、本体9内に形成されるパイロット室7内に開口する第2の端部とを有する内部ダクト6を備える。パイロット室7は、一端において、遮断部材1の下流側端部によって(例えば、特にOリング封止部などの封止部17によって)再度密に閉じられる。このような方法で、パイロット室7の容積は、遮断部材1の台座2に対する位置によって変化する。内部ダクト6は、流入口3を介して(例えば、上流側の弁14が開いたときに)到達する高圧ガスを、パイロット室7内に送ることが可能である。パイロット室7内のガス圧力が、特定の閾値に達したときに、当該圧力が、下流方向から上流方向に向かって遮断部材1に対して十分な変位力を生じ、それにより、遮断部材1が台座2から離れるように移動する。したがって、これは、流体流入口3と流体流出口4との間のガス流れを許容する。
内部ダクト及びパイロット室7のこのような構造が、弁を開けるために上流側において十分なガス圧力を要する機構(即ち、残圧弁機構)を構成する。
【0009】
さらに、遮断部材1の本体は、台座2と選択的に協働する本体の一部と遮断部材1の下流側端部との間において、第1の部分11を備え、第1の部分11は、流入口3と流出口4との間のガス用開口の部分的かつ漸進的な開状態を確保するような制限を加える特定の余裕嵌合状態(図3及び図4参照)で本体9の雌型通路において並進移動可能な雄型要素を構成する。
例えば、第1の部分11は、円筒状であり、特定の直径D4を有する。その一方、第1の部分11を受ける本体9の雌型通路は、直径D5の円筒状の穴であり、直径D5は、例えば、隙間嵌めのISO標準に準拠したH8f7型の標準的な、細い又は精密な隙間を形成するように定義されている。
したがって、上流側の弁14が開いたときに、圧力が流入口3に到達し、パイロット室7内に入る。当該圧力は、パイロット室7において徐々に上昇する。当該昇圧速度は、特に、上流側の流入口3における圧力、パイロット室7の容積、及び、校正開口部8の横断面又は直径D6に依存する。
【0010】
パイロット室7内の圧力が特定の開圧力閾値に達したときに、遮断部材1は、台座2から離れるように移動し、遮断部材の第1の部分11と本体9との間のガス通路を開く。好適な方法では、台座2によって範囲が定められる開口部の直径D2は、本体9の雌型通路の横断面(直径D5)に等しいか、又はそれに非常に近い。
遮断部材の第1の部分11と本体9との間の少量の遊びは、確実かつ漸進的に、ガスを通過させ、通路を開く(図3及び図4において矢印で示すガス路を参照)。
もし遮断部材1が大きな慣性を有し、隙間嵌めにおける絞りが遮断部材1に沿った長い経路(例えば、第1の部分の長さが、2mm以上6mm以下)で実現される場合には、遮断部材1の下流側における昇圧がさらに漸進的になる。
【0011】
遮断部材1は、その第2の部分12が本体9内の通路に到達するまで、バネ5に抗って経路を進む。当該第2の部分12は、第1の部分よりもさらに縮小された横断面を有し、より広いガスの通路を確保可能とする(図5参照)。本体9と第2の部分12との間の通路部分(弁が開いている状態に対応)は、ガスの通過によって起こる負荷損失が軽微となるように選択されており、通常、当該部分は、回路12において上流側に置かれる弁14の通路部分に少なくとも相当する。
このような構造は、従来技術に対して効果を有する。実際に、本装置は、従来の残圧弁(RPV:Residual Pressure Valves)の場合のような寄生負荷損失を生じることなく、流量及び出力圧力が残圧弁装置の設定閾値まで保たれることを可能にする。
実際、本装置は、その設定圧力を超えたシリンダからのガスの取り出しを制限していない。
【0012】
また、本装置は、劣化を引き起こし得るか又は特定の封止手段(例えば、プラストマーを介して)の利用をどうしても必要とさせ得る、機構への加圧ガスの閉じ込めをしない構造を有する。実際に、本装置の構造は、先行技術の従来の場合のような残圧弁の下流側における高圧ガスの捕捉を防ぐ。実際、加圧ガスが弁内に捕捉されているときには、これは特に台座における封止手段に大きな応力を発生する。これは、封止手段の破壊を生じ得る。
遮断部材1と台座2との間の封止手段において発生する低圧力の結果、本装置の配置は、エラストマー(通常、Oリング封止部17、27)を使用可能にし、これにより、プラスチック製材料(例えば、PEEK(登録商標)、TORLON(登録商標)、又はTEFLON(登録商標)など)を有する封止手段と比べて、より良好な封止レベルが得られる。
【0013】
本装置は、残圧を保つ機能と、「水撃音」などの衝撃を抑制又は防止する漸進的な開口用の装置とを融合している。
実際に、本装置によって、上流側の遮断弁14の急速な開口による急激な昇圧が吸収され得る。
限定されない実施形態において、遮断部材1の上流側端部は、例えば4.3mmなどの4mm以上5mm以下の直径D1を有している。台座の直径D2は、例えば、遮断部材1の下端部の直径D3のように、4.3mmに等しい。遮断部材1の第1の部分11の直径D4は、例えば、4.3mmに等しい。遮断部材1用の通路を形成する穴の直径D5それ自体は、所望の隙間嵌め(例えば、H8、f7)に従って、第1の部分11の直径と関連して定義されている。校正開口部の直径D6は、例えば、0.1mmに等しく、戻しバネ5の力は、例えば、30ニュートンである。
【0014】
前述の限定されない実施例について、流入口3におけるガス圧力が800バールに等しい場合に、パイロット室7内の圧力が約90バールに達したときに、通路の開口が得られる。25バールの流入口における圧力については、パイロット室7内の圧力が約22バールに達したときに、弁が開く。遮断部材1は、取り出し工程の終わりに台座2を押圧することによって、約21バールの流入口の圧力で再度通路を閉じる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】