(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-532406(P2015-532406A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(54)【発明の名称】同期ベルトスプロケットおよびその装置
(51)【国際特許分類】
F16H 55/30 20060101AFI20151013BHJP
【FI】
F16H55/30 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-537795(P2015-537795)
(86)(22)【出願日】2013年10月16日
(85)【翻訳文提出日】2015年6月4日
(86)【国際出願番号】US2013065272
(87)【国際公開番号】WO2014062823
(87)【国際公開日】20140424
(31)【優先権主張番号】13/653,832
(32)【優先日】2012年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】パーネル,ロバート デイビット
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,アーサー
【テーマコード(参考)】
3J030
【Fターム(参考)】
3J030AA00
3J030BA07
3J030BB13
3J030BB17
3J030BD09
(57)【要約】
本発明におけるスプロケット装置は、回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する第1の複数の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される第2の複数の横歯(102)をさらに備え、第2の歯は第1の歯と平行であって、前記第1のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、(x)はゼロより大きくオフセットが前記半径(A)から距離(x)である前記第2の歯と、第2のスプロケット(200)と、前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される歯付ベルト(300)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する複数の第1の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、
前記第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(102)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第1のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きくオフセットが前記半径(A)から距離(x)である前記第2の歯と、
第2のスプロケット(200)と、
前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される歯付ベルト(300)とを備えるスプロケット装置。
【請求項2】
前記(P1)と(P2)が等しい請求項1に記載のスプロケット装置。
【請求項3】
距離(x)が(Pl)の1/2に等しい請求項2に記載のスプロケット装置。
【請求項4】
前記第1のスプロケットおよび前記第2のスプロケットとの間に巻き回される第2のベルトをさらに備える請求項1に記載のスプロケット装置。
【請求項5】
前記第1の歯が、前記第2の歯の直径に等しくない直径(D)を有する請求項1に記載のスプロケット装置。
【請求項6】
第2のスプロケットは、
ピッチを有し、回転軸(A−A)と平行に延びる複数の第1の横歯(201)と、
第2のスプロケットは、ピッチを有しかつ第1の歯(201)のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(202)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第2のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯(201)のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記半径(A)から距離(x)離れて配置される前記第2の歯(202)のうちの1つの歯とを備える請求項1に記載のスプロケット装置。
【請求項7】
回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する複数の第1の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、
第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(102)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第1のスプロケットの半径(R)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記半径(A)から距離(x)に配置される前記第2の歯と、
第2のスプロケット(200)と、
各ベルトが前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される、第1の歯付ベルト(300)および第2の歯付ベルト(400)とを備える駆動装置。
【請求項8】
前記(P1)と(P2)が等しい請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
距離(x)が(Pl)の1/2に等しい請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する複数の第1の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、
第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(102)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第1のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記半径(A)から距離(x)離れて配置される前記第2の歯と、
第2のスプロケット(200)は、ピッチを有し回転軸(A−A)と平行に延びる複数の第1の横歯(201)と、
前記第2のスプロケットは、ピッチを有しかつ第1の歯(201)のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(202)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第2のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯(201)のうちの1つの歯と、(x)はゼロより大きく前記半径(A)から距離(x)離れて配置される前記第2の歯(202)のうちの1つの歯と、
前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される、第1の歯付ベルト(300)および第2の歯付ベルト(400)とを備える駆動装置。
【請求項11】
前記(P1)と(P2)が等しい請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
距離(x)が(Pl)の1/2に等しい請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する複数の第1の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、
第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(102)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、前記第1の横歯と前記第2の横歯との間において半径方向に延びるフランジ(107)が配置され、
前記第1のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記半径(A)から円周距離(x)離れて配置される前記第2の歯のうちの1つの歯と、
第2のスプロケット(200)と、
第1の歯付ベルト(300)および第2の歯付ベルト(400)とを備え、各ベルトが前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される駆動装置。
【請求項14】
前記(P1)と(P2)が等しい請求項13に記載のスプロケット装置。
【請求項15】
円周距離(x)が(Pl)の1/2に等しい請求項14に記載のスプロケット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期ベルトスプロケットおよびその装置に関し、より詳しくは、複数の第1の横歯および隣接する第2の横歯を備えたスプロケットを有する同期ベルトスプロケット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スプロケットとベルトの組み合わせは周知であり、多くの異なる種類のベルト、およびベルトとスプロケットの多くの異なる組み合わせがある。ベルト・アプリケーションが典型的にベルト構造を決定する一方で、ベルト構造はスプロケット構造の要因である。ベルトの内面が歯からなる場合、ベルトの内面に接する駆動スプロケットの外面は、従来、ベルトの歯型に対応する溝と共に形成される。歯がベルトの幅を横切って側方に延びる同期駆動ベルトのために、対応するスプロケットには、ベルトがスプロケットの軌道から外れるのを防止するためのフランジが施される。セルフトラッキング歯形を有する駆動ベルトに対して、スプロケットはベルトの軸方向の移動を拘束するためのフランジを必要としない。
【0003】
動作時、歯付きベルト装置は騒音を生ずる。これは主に、ベルトの歯とスプロケットの溝との間の係合または噛み合いによるものである。前提として、モーターノイズは無視されている。ベルト騒音は、強度、および、装置が使用されている場合の関連するサービス次第では好ましくない可能性がある。
【0004】
当技術の代表的な米国特許出願番号20020119854号公報は、駆動プーリ、従動プーリ、ベルトを備える駆動装置を開示している。ベルトは、複数の側方に延びるセルフトラッキング歯を備えるプーリ係合面を有する。従動プーリは、溝なしのクラウンレスベルト係合面を有する。材料は、比較的低い摩擦係数を有するベルトのプーリ係合面を形成し、また材料は、比較的高い摩擦係数を有する従動プーリのベルト係合面を形成する。
【0005】
必要とされるのは、複数の第1の横歯と隣接する第2の横歯とを有するスプロケットを用いたスプロケット装置であり、これによって、動作中の装置の騒音を低減する。本発明はこの要求を満たす。
【発明の概要】
【0006】
本発明の主要な側面は、結果として動作中の装置の騒音を低減する、複数の第1の横歯と隣接する第2の横歯とを有するスプロケットを用いたスプロケット装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の態様は、本発明の以下の記述および添付図面によって指摘され、または明らかにされる。
【0008】
本発明は、回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、第1のピッチ(P1)を有する第1の複数の横歯を備える第1のスプロケットと、第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有し、かつ、第1の歯のすぐ隣に配置される第2の複数の横歯をさらに備え、第2の歯は第1の歯と平行であって、前記第1のスプロケットの半径(R)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、(x)はゼロより大きくオフセットが前記半径(R)から距離(x)である前記第2の歯と、第2のスプロケットと、前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される歯付ベルトとを備えるスプロケット装置を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の装置の斜視図である。
【0010】
図2は、スプロケットの側面図である。
【0011】
図3は、スプロケットの上面図である。
【0012】
図4は、スプロケットの斜視図である。
【0013】
図5は、異なるベルト装置との全体的なdBの比較のグラフである。
【0014】
図6は、テスト装置のためのパラメータのチャートである。
【0015】
図7は、本発明のスプロケットの斜視図である。
【0016】
図8は、他の実施形態の斜視図である。
【0017】
図9は、8ミリメートルピッチ用の、先行技術および本発明のベルト装置の音圧レベルを示すチャートである。
【0018】
図10は、11ミリメートルピッチ用の、先行技術および本発明のベルト装置の音圧レベルを示すチャートである。
【0019】
図11は、試験装置の概略図である。
【0020】
図12は、位相角を決定するために取り付けられた、シングルベルトを備える本発明の1対のスプロケットを示す。
【0021】
図13は、パルス時間のマーカーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
他に示さない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される、次元などを表現するすべての数は、常に「約」という用語によって修飾されると理解すべきである。
【0023】
特に記載のない限り、本出願および特許請求の範囲において、単数形の使用は複数形を含む。さらに、特に明記しない限り「または」は「および/または」を意味する。さらに、「含む(including)」と同様の他の形式である「含む(includes)」および「含まれる(included)」のような用語の使用は、限定するものではない。また、特に明記しない限り、「要素(element)」または「成分(component)」などの用語は、1つのユニットと複数の要素と1つ以上のユニットからなる複数の成分とを備える、複数の要素および複数の成分の両方を包含する。
【0024】
図1は、本発明の装置の斜視図である。装置は、第1のスプロケット100と、第2のスプロケット200とを備える。典型的な装置では、第1のスプロケット100が駆動スプロケットとして作動し、第2のスプロケット200が従動スプロケットとして作動する。
【0025】
第1のベルト300は、スプロケット100、200の周りに巻き回される。第2のベルト400は、スプロケット100、200の周りに巻き回される。第1のベルト300と第2のベルト400は歯付ベルトを備え、それぞれ長手方向表面上に配置された歯を有する。第1のベルト300は、歯301を備える。第2のベルト400は、歯401を備える。
【0026】
歯301は、スプロケット100の歯面101と係合する。歯401は、スプロケット100の歯面102と係合する。歯301もまた、スプロケット200の歯面201と係合する。歯401もまた、スプロケット200の歯面202と係合する。
【0027】
スプロケット100は、回転軸A−Aに平行に延びる横歯を備える第1の歯面101を含む。スプロケット100は、第1の歯面101のすぐ隣に配置される第2の歯面102をさらに備え、歯面102上の第2の歯は歯面101上の第1の歯と平行である。
【0028】
歯301と歯401は、当該技術分野において周知の任意の適切な外形または輪郭を備えてもよい。歯面101、102、201、202上の歯は、ベルト300およびベルト400と係合するのに適した任意の協働する輪郭を備えてもよい。
【0029】
スプロケット100とスプロケット200の直径とは、等しくまたは等しくなくてもよい。さらに、歯面101の直径は隣接する歯面102の直径に、等しくまたは等しくなくてもよい。さらに、歯面201の直径は隣接する歯面202の直径に、等しくまたは等しくなくてもよい。
【0030】
作動中、各ベルト300、400は、スプロケット100とスプロケット200との外側部分に向かって追跡するように作られることが好ましい。これは、ベルトが接触またはこすり合わせられる可能性を低減するであろう。ベルト・トラッキング制御に関する方法は、当該分野で周知である。
【0031】
図2は、スプロケットの側面図である。歯面101および201上の歯は、隣接する歯の間の距離(P1)である「ピッチ」と呼ばれるものによって互いに離間される。歯面102および202上の歯はまた、ピッチ(P2)の間隔が空けられる。一定の歯面101が、半径(R)と整合する基準線「A」に位置合わせされると仮定すると、表面102上の歯は、0と1との間のピッチ(P1)の何分の一かの距離(x)によって、隣接する歯面101からオフセットされる。
図12および
図13を参照すると、オフセットは、スプロケットに係合するベルトによって生成される騒音を最小限に抑えるかまたはキャンセルするために、設計中に最適化/調節される。ベルトピッチは、典型的には、8ミリメートル、9.525ミリメートル、11ミリメートル、14ミリメートル、19ミリメートル、32ミリメートル、または装置の要件に応じた他の値である。
【0032】
好ましい実施形態において、規定のスプロケットまたはベルトに対して(x)はピッチ(P1)の1/2である。したがって、隣接する歯面101、102のピッチが等しい状況では、歯面102上の歯は、面101上の歯の間の溝103に位置合わせされて配置される。距離(x)は、ゼロとP1またはP2の間の任意の値であってもよい。
【0033】
装置の要求に応じて、ピッチP1とピッチP2は、等しくまたは等しくなくてもよい。
【0034】
好ましい実施形態において、ピッチはベルト300とベルト400とで等しく、またオフセット(x)はピッチの1/2である。他の実施形態において、ベルト300およびベルト400は、異なるピッチを有してもよく、例えば、ベルト300は8ミリメートルのピッチを有しかつベルト400が10ミリメートルのピッチを有し、または同しいピッチを有するが異なるオフセット(x)であってもよい。
【0035】
図3は、スプロケットの上面図である。表面101上の歯は、表面102上の歯に隣接して配置される。スプロケット100は、外側のベルト係合面上に、表面101と表面102上の歯の隣接する列を備える。各スプロケットは回転軸A−A周りに回転する。
【0036】
図4は、スプロケットの斜視図である。各歯面は、等しいかまたは等しくない直径Dを備えてもよい。
【0037】
本発明の装置の利点は、駆動音の大幅な減少である。装置は、典型的には、同等のシングルベルト装置上6dBの騒音低減を生じる。
図5は、シングルベルト装置と、本発明の装置を使用したデュアルベルト装置と、螺旋歯付きベルトを使用したシングルベルト装置との間の、全体的なdB比較のグラフである。バーA、C、D、およびFは、シングルベルト装置からの騒音を表す。バーBは、シングルベルトスプロケットを用いたデュアルベルト装置である。バーEはまた、2つのベルトを使用して、本発明の装置の音圧レベルを表す。バーGは、シングルベルト螺旋ピッチ装置用である。バーHは電動モータのみである。バー(E)で表される本発明の装置は、全てのシングルベルト装置より静かである。
【0038】
テスト装置用のパラメータを
図6に示す。
【0039】
図7は、本発明のスプロケットの斜視図である。フランジ105および106は各々、スプロケット100上に各ベルト400、300を保持する。フランジ105および106は、スプロケット100の外側部分に位置付けられる。
【0040】
図8は、他の実施形態の斜視図である。半径方向に伸びる中間フランジ107は、横歯部101と横歯部102との間に配置される。フランジ107は、動作中にベルト300がベルト400に接触するのを妨げる。中間フランジ107はまた、一般的に焼結金属として記載される製造プロセスのための分割線として機能する。焼結金属プロセスにおいて、金型インサートの両半分は、歯とフランジとの間のスムーズな移行を確実にするために、中央フランジ107において接続する。
図7に示されるように、フランジ105および106は各々、スプロケット100上に各ベルト400、300を保持する。フランジ105および106は、スプロケット100の外側部分に位置付けられる。
【0041】
図9は、8ミリメートルピッチベルトの先行技術および本発明のベルト装置の、所定の速度範囲にわたる歯の係合順位の音圧レベルを示すチャートである。従来技術(シングルピッチおよび螺旋歯)に比べて、“デュアルフェーズ”とラベル付けされる装置の音圧レベルは、本発明のスプロケット(デュアルフェーズ)を使用した装置騒音に対して速度範囲を通して有意な減少を示している。
【0042】
装置の音のレベルは、テスト装置を用いて測定され得る。
図11は、テスト装置の構成の概略図である。電動モータ800は、差動ドライバ801に取り付けられる。差動ドライバ801は、本発明の駆動スプロケット100aに装着される。本発明の第2の従動スプロケット100bは、差動ドリブン802取り付けられる。本明細書の他の箇所、例えば
図1においてに記載されるように、ベルト300、400は、本発明の第1のスプロケット100aと本発明の第2のスプロケット100bとの間に巻き回される。
図11において試験される装置は、フランジ107を含む
図8に示されるようなスプロケットを使用する。差動ドリブン802は、第1のジェネレータ803および第2のジェネレータ804に取り付けられ、装置の負荷を提供する。
【0043】
装置騒音測定テストで使用される各ベルトは以下のとおりである。
【0044】
8ミリメートルピッチ、30ミリメートル幅
【0045】
11ミリメートルピッチ、20ミリメートル幅
【0046】
駆動スプロケットおよび従動スプロケットはそれぞれ、8ミリメートルピッチ装置用の部分101および部分102に40の歯を備える。11ミリメートル装置用に、駆動スプロケットおよび従動スプロケットはそれぞれ、部分101および部分102に31の歯を備える。
【0052】
ベルト騒音測定は、100Nmの入力軸トルクおよび5000RPMの入力軸回転数で構成される。
【0053】
従動スプロケット100b上10cmの距離を隔てて、マイクロホン805が搭載される。マイクロホン805は、PCBによるICP型のコンデンサマイクロホン、または同等の他適切なものである。
【0054】
図10は、11ミリメートルピッチベルト装置の先行技術および本発明のベルト装置の、歯の係合順位の音圧レベルを示すチャートである。8ミリメートル用の装置の場合のように、シングル歯付ベルト搭載と比較したとき、11ミリメートルピッチのデュアルベルト装置の音圧レベルもまた、速度範囲にわたって有意に低減される。
【0055】
図12は、位相角を決定するために取り付けられたシングルベルトを備える、本発明の1対のスプロケットを示す。ホール効果速度センサ500は、空いているスプロケット201を監視するために配置される。
図13の曲線「A」に見られるように、歯が速度センサを通過するたびに、TTL(トランジスタ・トゥー・トランジスタ・ロジック)信号が生成される。カウンタは、TTL信号の隣接する立ち上がりエッジ間の時間をカウントするために使用される。
図13の曲線「B」に示されるように、スプロケットのピッチ「p」は一定であるが、二つの歯の間の経過時間は、シャフトねじり振動に起因して同じでなくてもよい。マイクロホン805は、ベルト300の頂部かつ速度センサ500の横に配置される。音圧レベル測定は、速度センサ500のタイムマーカによって区画され、各ピッチ内の音の分布を定量化され得る。次に、最大のdBAピーク値と最小のdBA谷値との間の位相「s」は、各ピッチ内で決定され得る。
図13の曲線「C」を参照すると、ずらし角度「s」に第2のベルトからの第2の音波を加えることによって、第2の音波のピークが第1の音波の谷と合わせられるため、ノイズキャンセル効果が達成され得る。第2の音波のピーク音の入力は、装置の第2のベルト、すなわちベルト400によって生成されるが、
図12のテスト構成には示されていない。
図1に示されるように、ベルト400は、例えば、ベルト300に隣接する。
【0056】
本発明は、具体的に図示した実施形態の符号を参照して説明したが、本明細書に開示される種々の実施形態および本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、本明細書に開示される種々の実施形態に対して形状および細部の変更がなされ、特許請求の範囲に対する限定として働くように意図されていないことは当業者によって理解されるであろう。本明細書で引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2015年6月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する複数の第1の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、
前記第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(102)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第1のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記第1の横歯と前記第2の横歯との間において半径方向に延びるフランジ(107)が配置される、オフセットが前記半径(A)から距離(x)である前記第2の歯と、
第2のスプロケット(200)と、
前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される歯付ベルト(300)と、前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される第2のベルト(400)と、歯付ベルト(300)と歯付ベルト(400)との間の接触を防止する半径方向に延びるフランジとを備えるスプロケット装置。
【請求項2】
前記(P1)と(P2)が等しい請求項1に記載のスプロケット装置。
【請求項3】
距離(x)が(Pl)の1/2に等しい請求項2に記載のスプロケット装置。
【請求項4】
前記第1の歯が、前記第2の歯の直径に等しくない直径(D)を有する請求項1に記載のスプロケット装置。
【請求項5】
第2のスプロケットは、
ピッチを有し、回転軸(A−A)と平行に延びる複数の第1の横歯(201)と、
第2のスプロケットは、ピッチを有しかつ第1の歯(201)のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(202)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第2のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯(201)のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記半径(A)から距離(x)離れて配置される前記第2の歯(202)のうちの1つの歯とを備える請求項1に記載のスプロケット装置。
【請求項6】
回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する複数の第1の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、
第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(102)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、前記第1の歯は前記第2の歯の直径と等しくない直径(D)を有し、
前記第1のスプロケットの半径(R)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記半径(A)から距離(x)に配置される前記第2の歯と、
第2のスプロケット(200)と、
各ベルトが前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される、第1の歯付ベルト(300)および第2の歯付ベルト(400)とを備える駆動装置。
【請求項7】
前記(P1)と(P2)が等しい請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
距離(x)が(Pl)の1/2に等しい請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する複数の第1の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、
第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(102)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第1のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記半径(A)から距離(x)離れて配置される前記第2の歯と、
第2のスプロケット(200)は、ピッチを有し回転軸(A−A)と平行に延びる複数の第1の横歯(201)と、
前記第2のスプロケットは、ピッチを有しかつ第1の歯(201)のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(202)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、
前記第1の歯は、前記第2の歯の直径と等しくない直径(D)を有し、
前記第2のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯(201)のうちの1つの歯と、(x)はゼロより大きく前記半径(A)から距離(x)離れて配置される前記第2の歯(202)のうちの1つの歯と、
前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回される、第1の歯付ベルト(300)および第2の歯付ベルト(400)とを備える駆動装置。
【請求項10】
前記(P1)と(P2)が等しい請求項9に記載の駆動装置。
【請求項11】
距離(x)が(Pl)の1/2に等しい請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
回転軸(A−A)に平行に延び、かつ、ピッチ(P1)を有する複数の第1の横歯(101)を備える第1のスプロケット(100)と、
第1のスプロケットは、第2のピッチ(P2)を有しかつ第1の歯のすぐ隣に配置される複数の第2の横歯(102)をさらに備え、前記第2の歯は前記第1の歯に平行であって、前記第1の横歯と前記第2の横歯との間において半径方向に延びるフランジ(107)が配置され、
前記第1のスプロケットの半径(A)と位置合わせされた前記第1の歯のうちの1つの歯と、
(x)はゼロより大きく前記半径(A)から円周距離(x)離れて配置される前記第2の歯のうちの1つの歯と、
第2のスプロケット(200)と、
第1の歯付ベルト(300)および第2の歯付ベルト(400)とを備え、各ベルトが前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットとの間に巻き回され、前記半径方向に延びるフランジが歯付ベルト(300)と歯付ベルト(400)との間の接触を防止する駆動装置。
【請求項13】
前記(P1)と(P2)が等しい請求項12に記載のスプロケット装置。
【請求項14】
円周距離(x)が(Pl)の1/2に等しい請求項13に記載のスプロケット装置。
【国際調査報告】