特表2015-532685(P2015-532685A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-532685分解速度が調整可能な超高純度マグネシウム合金
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-532685(P2015-532685A)
(43)【公表日】2015年11月12日
(54)【発明の名称】分解速度が調整可能な超高純度マグネシウム合金
(51)【国際特許分類】
   C22C 23/04 20060101AFI20151016BHJP
   C22F 1/06 20060101ALI20151016BHJP
   A61F 2/07 20130101ALI20151016BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20151016BHJP
【FI】
   C22C23/04
   C22F1/06
   A61F2/07
   C22F1/00 604
   C22F1/00 630A
   C22F1/00 630K
   C22F1/00 675
   C22F1/00 681
   C22F1/00 682
   C22F1/00 683
   C22F1/00 684
   C22F1/00 684C
   C22F1/00 691B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-530041(P2015-530041)
(86)(22)【出願日】2013年8月29日
(85)【翻訳文提出日】2015年4月24日
(86)【国際出願番号】US2013057294
(87)【国際公開番号】WO2014036262
(87)【国際公開日】20140306
(31)【優先権主張番号】13/827,008
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/695,621
(32)【優先日】2012年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】513164565
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】インウィンケルリード・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ベック・ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ウゴウィッツァー・ピーター
(72)【発明者】
【氏名】レフラー・イェルク
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA15
4C097BB01
4C097DD09
(57)【要約】
合金及びこのような合金に基づく三次元構造体を有するインプラント。本合金は、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金を含む。いくつかの実施形態において、合金は、マイクロガルバニ元素を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、合金には、Mgマトリックス合金よりも卑なナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金が含まれる。他の実施形態において、合金には、Mgマトリックス合金よりも卑なナノサイズ析出物、Mgマトリックスよりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有する単相MgZn合金を含み、
0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、
前記合金の残部がMgである、組成物。
【請求項2】
MgZn合金よりも卑なナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有する、MgZnCa合金を含み、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、前記合金の残部がMgである、組成物。
【請求項3】
Mgマトリックス合金よりも卑なナノサイズ析出物、MgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有する、MgZnCa合金を含み、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、組成物。
【請求項4】
各合金が、5ppm未満の、全ての他の元素を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
各合金が、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
各合金が、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
各合金が、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記他の元素が、Fe、Cu、Ni、Co、Si、Mn、Al、Zr、及びPのうちの1つ又は2つ以上を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
各合金が、0.1ppm未満のNiを含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、0.001重量%未満の希土類元素を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記土類元素が、Sc、Y、57〜71の範囲の原子番号を有するランタニド元素、及び89〜103の範囲の原子番号を有するアクチニド元素のうちの1つ又は2つ以上を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記Mgよりも卑なナノサイズ析出物が、MgZnCaを含む、請求項2〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記Mgよりも貴なナノサイズ析出物が、Mn−Znを含む、請求項3〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
各合金が、10μm未満の粒度を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
各合金が、少なくとも200MPaの降伏強度を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
各合金が、少なくとも250MPaの最大引張強度を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
各合金が、少なくとも15%の破断点伸びを有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の合金を含む、インプラント。
【請求項19】
各インプラントが、模擬体液において測定される、1日当たり0.5mg/cm未満のインビトロ分解速度を有する、請求項18に記載のインプラント。
【請求項20】
前記インプラントが、整形外科用インプラントである、請求項18〜19のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項21】
前記整形外科用インプラントが、以下:釘、スクリュ、ステープル、プレート、ロッド、鋲、ボルト、係止用ボルト及びIM釘、アンカー、合わせピン、プラグ、ペグ、スリーブ、メッシュ、トランスコネクタ、ナット、成形体、脊椎ケージ、ワイヤ、K−ワイヤ、織物構造体、クランプ、副木、足場、発泡体、並びにハニカム構造体のうちの1つ又は2つ以上を含む、請求項20に記載のインプラント。
【請求項22】
前記インプラントが、非整形外科用インプラントである、請求項18〜19のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項23】
前記非整形外科用インプラントが、心臓血管ステント、神経ステント、及び椎体形成ステントを含む、請求項22に記載のインプラント。
【請求項24】
前記インプラントが、マイクロガルバニ元素を含有するマグネシウム合金から作製されたインプラントと比較して、より低い分解速度を有する、請求項18〜23のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項25】
請求項1及び4〜17のいずれか一項に記載の組成物を生成する方法であって、
(a)(i)少なくとも99.997重量%の純度を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、超高純度マグネシウムと、(ii)少なくとも99.999重量%の純度を有する最大6重量%の亜鉛と、を含有する混合物を鋳造する工程であって、前記鋳造は、不活性雰囲気及び不活性反応容器において行われる、工程と、
(b)前記鋳造合金を、第1の温度がMg−Znの共晶温度よりも低く、第2の温度がMg−Znの共晶温度よりも高い、2つの異なる温度で加熱し、それによって、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、単相MgZn合金を形成する工程と、
(c)前記合金を所望の形状に押出する工程と、を含む、方法。
【請求項26】
請求項2〜17のいずれか一項に記載の組成物を生成する方法であって、
(a)(i)少なくとも99.997重量%の純度を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、超高純度マグネシウムと、(ii)少なくとも99.999重量%の純度を有する3.0重量%〜6.0重量%の亜鉛と、(iii)少なくとも99.9重量%の純度を有する0.0005重量%〜1.0重量%のカルシウム金属と、を含有する混合物を鋳造する工程であって、前記鋳造は、不活性雰囲気及び不活性反応容器において行われる、工程と、
(b)前記鋳造合金を、第1の温度がMg−Znの共晶温度よりも低く、第2の温度が三元Mg−Zn−Ca系の共晶温度よりも高い、2つの異なる温度で加熱し、それによって、3.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、カルシウム含量が0.0005重量%〜1.0重量%の範囲であり、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金を形成する工程と、
(c)前記合金を所望の形状に押出する工程と、任意で、
(d)前記成形した合金を少なくとも140℃まで加熱して、MgZnCa合金全体に分散されるより貴なナノサイズ析出物を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項27】
3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有する、MgZnCa合金を含み、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、前記合金の残部がMgであり、前記MgZnCa合金が、前記Mg残部よりも卑なナノサイズ析出物を含有する、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年8月31日に出願された米国特許仮出願第61/695,621号及び2013年3月14日に出願された米国特許非仮出願第13/827,008号の優先権の利益を主張し、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、改善された分解特性を有するマグネシウム合金を対象とする。
【背景技術】
【0003】
マグネシウムインプラントは、1930年代には複数の外科医によって骨折の治療に臨床的に使用されていた。例えば、J.Verbrugge(1934)は、純粋なマグネシウム及びMg−8%Al合金の両方のインプラントを21人の患者に対して使用した。しかしながら、第二次世界大戦後、吸収性インプラント材料としてのマグネシウムの使用は、減少した。近年、研究者らは、吸収性マグネシウムインプラントに再び関心を寄せている。マグネシウム研究の主な焦点は、合金及びコーティングの開発である。分解速度を制御し、分解時のガス気泡の形成を回避し、有害な合金化元素の可能性を回避することが、主な目標である。したがって、分解速度を所望のように制御及び/又は調節することができるマグネシウム合金に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市販グレードの純粋なマグネシウム(3N−Mg)は、インビトロ又はインビボで、均一な分解を示さない。市販生成物中の不純物の存在が、鉄(Fe)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)を含む、マイクロガルバニ元素の形成に起因して、分解速度を高めると考えられている。したがって、外科用インプラントを含む、医療用途のための超高純度マグネシウム材料に対する必要性が存在する。
【0005】
二次相を未然に防ぐために、コバルト(Co)、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、及びアルミニウム(A1)等の他の混入物質もまた、制御する必要がある。多くの場合、単一の混入物質の存在が、他の混入物質の溶解限度を低下させ得る。これらの微量元素の存在は、マグネシウム相図内の共晶温度を遷移させ得る。凝固プロセスの際に、混入物質は、樹状間の空間に集積し、二次相の形成を誘導し得る。これらの相は、後続の熱機械的処理によって排除することができない。
【0006】
本発明の実施形態は、上述の課題のうちの1つ又は2つ以上を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、本発明のいくつかの例示的な実施形態を提供し、その一部が、本明細書に記載される。
【0008】
一態様において、本発明は、合金組成物、及びこのような合金組成物に基づく三次元構造体を有するインプラントを提供する。一実施形態において、本組成物は、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、単相MgZn合金を含む。一実施形態において、合金は、マイクロガルバニ元素を実質的に含まない。別の例示的な実施形態において、本組成物は、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、単相MgZn合金から本質的になる。1つのこのような実施形態において、合金は、マイクロガルバニ元素を実質的に含まない。更に別の例示的な実施形態において、本組成物は、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、単相MgZn合金からなる。1つのこのような実施形態において、合金は、マイクロガルバニ元素を実質的に含まない。
【0009】
一実施形態において、MgZn合金は、5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金は、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する。なおも更に別の実施形態において、MgZn合金は、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。
【0010】
別の実施形態において、本組成物は、MgZn合金よりも卑なナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金を含む。別の実施形態において、本組成物は、MgZn合金よりも卑なナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金から本質的になる。別の実施形態において、本組成物は、MgZn合金よりも卑なナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金からなる。
【0011】
一実施形態において、MgZnCa合金は、5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。別の実施形態において、MgZnCa合金は、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する。更に別の実施形態において、MgZnCa合金は、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する。なおも更に別の実施形態において、MgZnCa合金は、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。
【0012】
いくつかの他のこのような実施形態において、より卑なナノサイズ析出物は、MgZnCaを含む。
【0013】
別の実施形態において、本組成物は、ナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有する、MgZnCa合金を含み、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgであり、前記MgZnCa合金が、前記Mg残部よりも卑なナノサイズ析出物を含有する別の実施形態において、本組成物は、貴なナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金から本質的になり、ここで、ナノサイズ析出物は、Mg残部よりも卑である。別の実施形態において、本組成物は、ナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金からなり、ここで、ナノサイズ析出物は、Mg残部よりも卑である。
【0014】
一実施形態において、MgZnCa合金は、5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。別の実施形態において、MgZnCa合金は、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する。更に別の実施形態において、MgZnCa合金は、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する。なおも更に別の実施形態において、MgZnCa合金は、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。
【0015】
いくつかの他のこのような実施形態において、より卑な低いナノサイズ析出物は、MgZnCaを含む。
【0016】
別の実施形態において、本組成物は、MgZn合金よりも卑なナノサイズ析出物、MgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金を含む。別の実施形態において、本組成物は、MgZn合金よりも卑なナノサイズ析出物、MgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金から本質的になる。別の実施形態において、本組成物は、MgZn合金よりも卑なナノサイズ析出物、Mgマトリックスよりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金からなる。
【0017】
一実施形態において、MgZnCa合金は、5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。別の実施形態において、MgZnCa合金は、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する。更に別の実施形態において、MgZnCa合金は、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する。なおも更に別の実施形態において、MgZnCa合金は、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。
【0018】
いくつかのこのような実施形態において、Mgよりも卑なナノサイズ析出物は、MgZnCaを含む。他のこのような実施形態において、Mgマトリックスよりも貴なナノサイズ析出物は、Mn−Znを含む。
【0019】
本発明による合金のいくつかの実施形態において、各合金は、10μm未満の粒度を有する。本発明のいくつかの合金において、各合金は、少なくとも200MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態において、各合金は、少なくとも200MPaの降伏強度を有する。一実施形態において、各合金は、少なくとも250MPaの最大引張強度を有する。別の実施形態において、各合金は、少なくとも15%の破断点伸びを有する。更に別の実施形態において、各合金は、模擬体液において測定される、1日当たり0.5mg/cm未満のインビトロ分解速度を有する。
【0020】
他の実施形態において、インプラントは、整形外科用インプラントである。このような実施形態において、整形外科用インプラントは、次のうちの1つ又は2つ以上を含む:釘、スクリュ、ステープル、プレート、ロッド、鋲、ボルト、係止用ボルト及びIM釘、アンカー、合わせピン、プラグ、ペグ、スリーブ、メッシュ、トランスコネクタ、ナット、成形体、脊椎ケージ、ワイヤ、K−ワイヤ、織物構造体、クランプ、足場、発泡体、並びにハニカム構造体。いくつかの他の実施形態において、インプラントは、マイクロガルバニ不純物を含有するマグネシウム合金インプラントと比較して、低い分解速度を有する。
【0021】
他の実施形態において、インプラントは、非整形外科用インプラントである。このような実施形態において、非整形外科用のものには、心臓血管ステント、神経ステント、及び椎体形成ステントが含まれる。
【0022】
インプラントの更に別の実施形態において、各合金は、模擬体液において測定される、1日当たり0.5mg/cm未満のインビトロ分解速度を有する。
【0023】
一態様において、本発明は、本明細書に記載される実施形態による合金を生成する方法を提供する。一実施形態において、本方法は、(a)(i)少なくとも99.997重量%の純度を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、超高純度マグネシウムと、(ii)少なくとも99.999重量%の純度を有する2.0〜6重量%の亜鉛と、を含有する合金を鋳造することであって、前記鋳造は、不活性雰囲気及び不活性反応容器で行われることと、(b)鋳造合金を、第1の温度がMg−Znの共晶温度よりも低く、第2の温度が三元Mg−Zn−Ca系の共晶温度よりも高い、2つの異なる温度で加熱し、それによって、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金を形成することと、(c)この合金を所望の形状に押出することと、を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、本発明による合金を生成する方法は、(a)(i)少なくとも99.997重量%の純度を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、超高純度マグネシウムと、(ii)少なくとも99.999重量%の純度を有する3.0重量の亜鉛〜6重量%の亜鉛と、(iii)少なくとも99.9重量%の純度を有する0.02重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム金属と、を含有する合金を鋳造することであって、前記鋳造は、不活性雰囲気及び不活性反応容器において行われることと、(b)鋳造合金を、第1の温度がMg−Znの共晶温度よりも低く、第2の温度が三元Mg−Zn−Ca系の共晶温度よりも高い、2つの異なる温度で加熱し、それによって、3.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、カルシウム含量が0.0005重量%〜1.0重量%の範囲であり、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金を形成することと、(c)この合金を所望の形状に押出することと、(d)成形した合金を少なくとも140℃まで加熱して、MgZnCa合金全体に分散される、より貴なナノサイズ析出物を形成することと、を含む。更なる実施形態において、本方法は、少なくとも230℃まで加熱して、MgZn合金全体に分散される、より貴なナノサイズ析出物を形成することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の種々の実施形態に関して、これから詳細に言及する。
【0026】
一態様において、本発明は、高純度マグネシウム合金を含む組成物に関する。一実施形態において、合金組成物は、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金を含む。別の実施形態において、合金組成物は、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金から本質的になる。更に別の実施形態において、合金組成物は、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金からなる。いくつかのこのような実施形態において、単相MgZn合金は、マイクロガルバニ元素を実質的に含まない。
【0027】
別の態様において、本発明は、高純度マグネシウム合金から作製されたインプラント組成物に関する。一実施形態において、三次元構造体を有するインプラントは、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金を含む。別の実施形態において、インプラントは、三次元構造体を有し、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金から本質的になる、組成物を含む。更に別の実施形態において、インプラントは、三次元構造体を有し、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金からなる、組成物を含む。いくつかのこのような実施形態において、単相MgZn合金は、マイクロガルバニ元素を実質的に含まない。
【0028】
一般に、本発明によるMg−Zn合金及びインプラント組成物に使用されるMg−Zn合金中のZn含量は、2重量%〜6重量%の範囲に及び得る。ある実施形態において、合金は、2重量%〜3重量%、2.1重量%〜3重量%、2.2重量%〜3重量%、2.3重量%〜3重量%、2.4重量%〜3重量%、2.5重量%〜3重量%、2.6重量%〜3重量%、2.7重量%〜3重量%、2.8重量%〜3重量%、2.9重量%〜3重量%、2重量%〜4重量%、2.1重量%〜4重量%、2.2重量%〜4重量%、2.3重量%〜4重量%、2.4重量%〜4重量%、2.5重量%〜4重量%、2.6重量%〜4重量%、2.7重量%〜4重量%、2.8重量%〜4重量%、2.9重量%〜4重量%、3重量%〜4重量%、3.1重量%〜4重量%、3.2重量%〜4重量%、3.3重量%〜4重量%、3.4重量%〜4重量%、3.5重量%〜4重量%、3.6重量%〜4重量%、3.7重量%〜4重量%、3.8重量%〜4重量%、3.9重量%〜4重量%、2重量%〜5重量%、2.1重量%〜5重量%、2.2重量%〜5重量%、2.3重量%〜5重量%、2.4重量%〜5重量%、2.5重量%〜5重量%、2.6重量%〜5重量%、2.7重量%〜5重量%、2.8重量%〜5重量%、2.9重量%〜5重量%、3重量%〜5重量%、3.1重量%〜5重量%、3.2重量%〜5重量%、3.3重量%〜5重量%、3.4重量%〜5重量%、3.5重量%〜5重量%、3.6重量%〜5重量%、3.7重量%〜5重量%、3.8重量%〜5重量%、3.9重量%〜5重量%、4重量%〜5重量%、4.1重量%〜5重量%、4.2重量%〜5重量%、4.3重量%〜5重量%、4.4重量%〜5重量%、4.5重量%〜5重量%、4.6重量%〜5重量%、4.7重量%〜5重量%、4.8重量%〜5重量%、4.9重量%〜5重量%、2重量%〜6重量%、2.1重量%〜6重量%、2.2重量%〜6重量%、2.3重量%〜6重量%、2.4重量%〜6重量%、2.5重量%〜6重量%、2.6重量%〜6重量%、2.7重量%〜6重量%、2.8重量%〜6重量%、2.9重量%〜6重量%、3重量%〜6重量%、3.1重量%〜6重量%、3.2重量%〜6重量%、3.3重量%〜6重量%、3.4重量%〜6重量%、3.5重量%〜6重量%、3.6重量%〜6重量%、3.7重量%〜6重量%、3.8重量%〜6重量%、3.9重量%〜6重量%、4重量%〜6重量%、4.1重量%〜6重量%、4.2重量%〜6重量%、4.3重量%〜6重量%、4.4重量%〜6重量%、4.5重量%〜6重量%、4.6重量%〜6重量%、4.7重量%〜6重量%、4.8重量%〜6重量%、4.9重量%〜6重量%、5重量%〜6重量%、5.1重量%〜6重量%、5.2重量%〜6重量%、5.3重量%〜6重量%、5.4重量%〜6重量%、5.5重量%〜6重量%、5.6重量%〜6重量%、5.7重量%〜6重量%、5.8重量%〜6重量%、又は5.9重量%〜6重量%の範囲から独立して選択され得る、Zn含量を有する。
【0029】
本発明の別の実施形態において、MgZnCa合金は、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を含み、Zn含量が3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲であり、カルシウム含量が0.0005重量%〜1.0重量%の範囲であり、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである。更に別の実施形態において、MgZnCa合金は、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物合金から本質的になり、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜0.25重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである。別の実施形態において、MgZnCa合金は、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物合金からなり、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである。いくつかのこのような実施形態において、Mg−Znよりも卑なよりも卑なナノサイズ析出物は、MgZnCaを含む。
【0030】
本発明のインプラントの別の実施形態において、インプラントは、三次元構造体を有し、MgZnCa合金を含む。ある実施形態において、インプラントは、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を含み、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金から作製される三次元構造体を有する。別の実施形態において、インプラントは、三次元構造体を有し、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金から本質的になる組成物を含む。別の実施形態において、インプラントは、三次元構造体を有し、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金からなる組成物を含む。このような実施形態において、より卑なナノサイズ析出物は、MgZnCaを含む。
【0031】
当業者であれば、Mg−Znよりも卑な析出物は、Mg−ZnがMgよりも貴であるため、Mgよりも卑である必要があることを理解するであろう。したがって、MgZnCa及びそれから作製されるインプラントの上述のこのような実施形態もまた、次のように表すことができる。別の実施形態において、本組成物は、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有する、MgZnCa合金を含み、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgであり、前記MgZnCa合金が、前記Mg残部よりも卑なナノサイズ析出物を含有する。別の実施形態において、本組成物は、貴なナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金から本質的になり、ここで、ナノサイズ析出物は、Mg残部よりも卑である。別の実施形態において、本組成物は、ナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、MgZnCa合金からなり、ここで、ナノサイズ析出物は、Mg残部よりも卑である。
【0032】
更に別の実施形態において、MgZnCa合金は、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を含み、Zn含量が3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲であり、カルシウム含量が0.0005重量%〜1.0重量%の範囲であり、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである。別の実施形態において、MgZnCa合金は、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物から本質的になり、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである。別の実施形態において、MgZnCa合金は、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物からなり、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである。このような実施形態において、より卑なナノサイズ析出物は、MgZnCaを含み、より貴なナノサイズ析出物は、Mg−Znを含む。
【0033】
いくつかの他の実施形態において、本発明によるインプラントは、三次元構造体を有し、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金を含む。一実施形態において、インプラントは、三次元構造体を有し、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金を含む、組成物を含む。別の実施形態において、インプラントは、三次元構造体を有し、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金から本質的になる、組成物を含む。別の実施形態において、インプラントは、三次元構造体を有し、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金からなる、組成物を含む。いくつかのこのような実施形態において、Mgよりも卑なナノサイズ析出物は、MgZnCaを含む。他のこのような実施形態において、Mgマトリックスよりも貴なナノサイズ析出物は、Mn−Znを含む。
【0034】
一般に、本発明によるMgZnCa合金の実施形態及びMgZnCa合金の種々の実施形態に基づくインプラントにおけるZn含量は、任意の好適な量であり得る。ある実施形態において、MgZnCa合金は、2重量%〜3重量%、2.1重量%〜3重量%、2.2重量%〜3重量%、2.3重量%〜3重量%、2.4重量%〜3重量%、2.5重量%〜3重量%、2.6重量%〜3重量%、2.7重量%〜3重量%、2.8重量%〜3重量%、2.9重量%〜3重量%、2重量%〜4重量%、2.1重量%〜4重量%、2.2重量%〜4重量%、2.3重量%〜4重量%、2.4重量%〜4重量%、2.5重量%〜4重量%、2.6重量%〜4重量%、2.7重量%〜4重量%、2.8重量%〜4重量%、2.9重量%〜4重量%、3重量%〜4重量%、3.1重量%〜4重量%、3.2重量%〜4重量%、3.3重量%〜4重量%、3.4重量%〜4重量%、3.5重量%〜4重量%、3.6重量%〜4重量%、3.7重量%〜4重量%、3.8重量%〜4重量%、3.9重量%〜4重量%、2重量%〜5重量%、2.1重量%〜5重量%、2.2重量%〜5重量%、2.3重量%〜5重量%、2.4重量%〜5重量%、2.5重量%〜5重量%、2.6重量%〜5重量%、2.7重量%〜5重量%、2.8重量%〜5重量%、2.9重量%〜5重量%、3重量%〜5重量%、3.1重量%〜5重量%、3.2重量%〜5重量%、3.3重量%〜5重量%、3.4重量%〜5重量%、3.5重量%〜5重量%、3.6重量%〜5重量%、3.7重量%〜5重量%、3.8重量%〜5重量%、3.9重量%〜5重量%、4重量%〜5重量%、4.1重量%〜5重量%、4.2重量%〜5重量%、4.3重量%〜5重量%、4.4重量%〜5重量%、4.5重量%〜5重量%、4.6重量%〜5重量%、4.7重量%〜5重量%、4.8重量%〜5重量%、4.9重量%〜5重量%、2重量%〜6重量%、2.1重量%〜6重量%、2.2重量%〜6重量%、2.3重量%〜6重量%、2.4重量%〜6重量%、2.5重量%〜6重量%、2.6重量%〜6重量%、2.7重量%〜6重量%、2.8重量%〜6重量%、2.9重量%〜6重量%、3重量%〜6重量%、3.1重量%〜6重量%、3.2重量%〜6重量%、3.3重量%〜6重量%、3.4重量%〜6重量%、3.5重量%〜6重量%、3.6重量%〜6重量%、3.7重量%〜6重量%、3.8重量%〜6重量%、3.9重量%〜6重量%、4重量%〜6重量%、4.1重量%〜6重量%、4.2重量%〜6重量%、4.3重量%〜6重量%、4.4重量%〜6重量%、4.5重量%〜6重量%、4.6重量%〜6重量%、4.7重量%〜6重量%、4.8重量%〜6重量%、4.9重量%〜6重量%、5重量%〜6重量%、5.1重量%〜6重量%、5.2重量%〜6重量%、5.3重量%〜6重量%、5.4重量%〜6重量%、5.5重量%〜6重量%、5.6重量%〜6重量%、5.7重量%〜6重量%、5.8重量%〜6重量%、又は5.9重量%〜6重量%の範囲から独立して選択され得る、Zn含量を有する。
【0035】
一般に、本発明によるMgZnCa合金の実施形態及びMgZnCa合金の種々の実施形態に基づくインプラントにおけるCa含量は、任意の好適な量であり得る。ある実施形態において、MgZnCa合金は、0.0005重量%〜0.0055重量%、0.0005重量%〜0.0105重量%、0.0005重量%〜0.0155重量%、0.0005重量%〜0.0205重量%、0.0005重量%〜0.0255重量%、0.0005重量%〜0.0305重量%、0.0005重量%〜0.0355重量%、0.0005重量%〜0.0405重量%、0.0005重量%〜0.0455重量%、0.0005重量%〜0.0505重量%、0.0005重量%〜0.0555重量%、0.0005重量%〜0.0605重量%、0.0005重量%〜0.0655重量%、0.0005重量%〜0.0705重量%、0.0005重量%〜0.0755重量%、0.0005重量%〜0.0805重量%、0.0005重量%〜0.0855重量%、0.0005重量%〜0.0905重量%、0.0005重量%〜0.0955重量%、0.0005重量%〜0.1005重量%、0.0005重量%〜0.1055重量%、0.0005重量%〜0.1105重量%、0.0005重量%〜0.1155重量%、0.0005重量%〜0.1205重量%、0.0005重量%〜0.1255重量%、0.0005重量%〜0.1305重量%、0.0005重量%〜0.1355重量%、0.0005重量%〜0.1405重量%、0.0005重量%〜0.1455重量%、0.0005重量%〜0.1505重量%、0.0005重量%〜0.1555重量%、0.0005重量%〜0.1605重量%、0.0005重量%〜0.1655重量%、0.0005重量%〜0.1705重量%、0.0005重量%〜0.1755重量%、0.0005重量%〜0.1805重量%、0.0005重量%〜0.1855重量%、0.0005重量%〜0.1905重量%、0.0005重量%〜0.1955重量%、0.0005重量%〜0.2005重量%、0.0005重量%〜0.2055重量%、0.0005重量%〜0.2105重量%、0.0005重量%〜0.2155重量%、0.0005重量%〜0.2205重量%、0.0005重量%〜0.2255重量%、0.0005重量%〜0.2305重量%、0.0005重量%〜0.2355重量%、0.0005重量%〜0.2405重量%、0.0005重量%〜0.2455重量%、0.0005重量%〜0.2505重量%、0.0005重量%〜0.2555重量%、0.0005重量%〜0.2605重量%、0.0005重量%〜0.2655重量%、0.0005重量%〜0.2705重量%、0.0005重量%〜0.2755重量%、0.0005重量%〜0.2805重量%、0.0005重量%〜0.2855重量%、0.0005重量%〜0.2905重量%、0.0005重量%〜0.2955重量%、0.0005重量%〜0.3005重量%、0.0005重量%〜0.3055重量%、0.0005重量%〜0.3105重量%、0.0005重量%〜0.3155重量%、0.0005重量%〜0.3205重量%、0.0005重量%〜0.3255重量%、0.0005重量%〜0.3305重量%、0.0005重量%〜0.3355重量%、0.0005重量%〜0.3405重量%、0.0005重量%〜0.3455重量%、0.0005重量%〜0.3505重量%、0.0005重量%〜0.3555重量%、0.0005重量%〜0.3605重量%、0.0005重量%〜0.3655重量%、0.0005重量%〜0.3705重量%、0.0005重量%〜0.3755重量%、0.0005重量%〜0.3805重量%、0.0005重量%〜0.3855重量%、0.0005重量%〜0.3905重量%、0.0005重量%〜0.3955重量%、0.0005重量%〜0.4005重量%、0.0005重量%〜0.4055重量%、0.0005重量%〜0.4105重量%、0.0005重量%〜0.4155重量%、0.0005重量%〜0.4205重量%、0.0005重量%〜0.4255重量%、0.0005重量%〜0.4305重量%、0.0005重量%〜0.4355重量%、0.0005重量%〜0.4405重量%、0.0005重量%〜0.4455重量%、0.0005重量%〜0.4505重量%、0.0005重量%〜0.4555重量%、0.0005重量%〜0.4605重量%、0.0005重量%〜0.4655重量%、0.0005重量%〜0.4705重量%、0.0005重量%〜0.4755重量%、0.0005重量%〜0.4805重量%、0.0005重量%〜0.4855重量%、0.0005重量%〜0.4905重量%、0.0005重量%〜0.4955重量%、0.0005重量%〜0.5005重量%、0.0005重量%〜0.5055重量%、0.0005重量%〜0.5105重量%、0.0005重量%〜0.5155重量%、0.0005重量%〜0.5205重量%、0.0005重量%〜0.5255重量%、0.0005重量%〜0.5305重量%、0.0005重量%〜0.5355重量%、0.0005重量%〜0.5405重量%、0.0005重量%〜0.5455重量%、0.0005重量%〜0.5505重量%、0.0005重量%〜0.5555重量%、0.0005重量%〜0.5605重量%、0.0005重量%〜0.5655重量%、0.0005重量%〜0.5705重量%、0.0005重量%〜0.5755重量%、0.0005重量%〜0.5805重量%、0.0005重量%〜0.5855重量%、0.0005重量%〜0.5905重量%、0.0005重量%〜0.5955重量%、0.0005重量%〜0.6005重量%、0.0005重量%〜0.6055重量%、0.0005重量%〜0.6105重量%、0.0005重量%〜0.6155重量%、0.0005重量%〜0.6205重量%、0.0005重量%〜0.6255重量%、0.0005重量%〜0.6305重量%、0.0005重量%〜0.6355重量%、0.0005重量%〜0.6405重量%、0.0005重量%〜0.6455重量%、0.0005重量%〜0.6505重量%、0.0005重量%〜0.6555重量%、0.0005重量%〜0.6605重量%、0.0005重量%〜0.6655重量%、0.0005重量%〜0.6705重量%、0.0005重量%〜0.6755重量%、0.0005重量%〜0.6805重量%、0.0005重量%〜0.6855重量%、0.0005重量%〜0.6905重量%、0.0005重量%〜0.6955重量%、0.0005重量%〜0.7005重量%、0.0005重量%〜0.7055重量%、0.0005重量%〜0.7105重量%、0.0005重量%〜0.7155重量%、0.0005重量%〜0.7205重量%、0.0005重量%〜0.7255重量%、0.0005重量%〜0.7305重量%、0.0005重量%〜0.7355重量%、0.0005重量%〜0.7405重量%、0.0005重量%〜0.7455重量%、0.0005重量%〜0.7505重量%、0.0005重量%〜0.7555重量%、0.0005重量%〜0.7605重量%、0.0005重量%〜0.7655重量%、0.0005重量%〜0.7705重量%、0.0005重量%〜0.7755重量%、0.0005重量%〜0.7805重量%、0.0005重量%〜0.7855重量%、0.0005重量%〜0.7905重量%、0.0005重量%〜0.7955重量%、0.0005重量%〜0.8005重量%、0.0005重量%〜0.8055重量%、0.0005重量%〜0.8105重量%、0.0005重量%〜0.8155重量%、0.0005重量%〜0.8205重量%、0.0005重量%〜0.8255重量%、0.0005重量%〜0.8305重量%、0.0005重量%〜0.8355重量%、0.0005重量%〜0.8405重量%、0.0005重量%〜0.8455重量%、0.0005重量%〜0.8505重量%、0.0005重量%〜0.8555重量%、0.0005重量%〜0.8605重量%、0.0005重量%〜0.8655重量%、0.0005重量%〜0.8705重量%、0.0005重量%〜0.8755重量%、0.0005重量%〜0.8805重量%、0.0005重量%〜0.8855重量%、0.0005重量%〜0.8905重量%、0.0005重量%〜0.8955重量%、0.0005重量%〜0.9005重量%、0.0005重量%〜0.9055重量%、0.0005重量%〜0.9105重量%、0.0005重量%〜0.9155重量%、0.0005重量%〜0.9205重量%、0.0005重量%〜0.9255重量%、0.0005重量%〜0.9305重量%、0.0005重量%〜0.9355重量%、0.0005重量%〜0.9405重量%、0.0005重量%〜0.9455重量%、0.0005重量%〜0.9505重量%、0.0005重量%〜0.9555重量%、0.0005重量%〜0.9605重量%、0.0005重量%〜0.9655重量%、0.0005重量%〜0.9705重量%、0.0005重量%〜0.9755重量%、0.0005重量%〜0.9805重量%、0.0005重量%〜0.9855重量%、0.0005重量%〜0.9905重量%、0.0005重量%〜0.9955重量%、及び0.0005重量%〜1重量%の範囲から独立して選択され得るCa含量を有する。
【0036】
一般に、本発明の合金組成物では、そうでなければカソード性マイクロガルバニ電池として作用する二次相を含まない単相材料に基づくものである。MgZnの必要とされる純度レベルを達成するために、本明細書に記載されるMgZnCa合金の実施形態は、合金に含まれる許容可能な元素の量が制限される。
【0037】
一実施形態において、MgZn合金は、5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金は、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する。なおも更に別の実施形態において、MgZn合金は、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。
【0038】
一実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する。なおも更に別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。
【0039】
一実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する。なおも更に別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する。
【0040】
このような実施形態において、他の元素には、Fe、Cu、Ni、Co、Si、Mn、Al、Zr、及びPのうちの1つ又は2つ以上が含まれる。
【0041】
別の実施形態において、MgZn合金は、5ppm未満のFe含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、5ppm未満のSi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、より少ない5ppmのMn含量を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金は、2ppm未満のCo含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、2ppm未満のNi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、0.1ppm未満のNi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、より少ない2ppmのCu含量を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金は、より少ない10ppmのAl含量を含有する。
【0042】
別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、5ppm未満のFe含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、5ppm未満のSi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、より少ない5ppmのMn含量を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、2ppm未満のCo含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、2ppm未満のNi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、0.1ppm未満のNi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、より少ない2ppmのCu含量を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、より少ない10ppmのAl含量を含有する。
【0043】
別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、5ppm未満のFe含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金は、5ppm未満のSi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、より少ない5ppmのMn含量を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、2ppm未満のCo含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、2ppm未満のNi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、0.1ppm未満のNi含量を含有する。別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、より少ない2ppmのCu含量を含有する。更に別の実施形態において、MgZn合金よりも卑な複数のナノサイズ析出物及びMgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を有するMgZnCa合金は、より少ない10ppmのAl含量を含有する。
【0044】
不純物のレベルは、このような合金に基づくインプラントが体内に入れられた後に、腐食速度を制御するために、このようなレベルに維持される。インプラントが、治癒を可能にする期間にわたって十分な強度を有し、治癒過程を妨害しないように、腐食速度を制御することが必要である。本発明のマグネシウム合金からの分解副生成物は非毒性であるが、金属が腐食するにつれ、インプラント付近のpHは、塩基性へと高まる。同様に、腐食過程中に生成される水素ガスを排除する必要がある。血管内インプラントの場合においては、これらの問題は、インプラント上の一定な血流が、水素ガス及び他の分解副生成物を除去するため、重要ではない。
【0045】
一般に、本発明によるインプラントに使用されるMgZn合金、MgZnCa合金及びMgZn合金、MgZnCa合金の組成物の種々の実施形態における希土類含量は、制限される。このような実施形態において、希土類元素には、Sc、Y、原子番号が57〜71の範囲のランタニド元素、及び原子番号が89〜103の範囲のアクチニド元素が含まれる。一実施形態において、希土類含量は、10ppm未満である。別の実施形態において、希土類含量は、5ppm未満である。いくつかの実施形態において、希土類含量は、1ppm未満、0.5ppm未満、0.1ppm未満、又は0.05ppm未満である。
【0046】
超高純度マグネシウムの機械的特性は、高純度亜鉛との固溶体の硬化により、合金の単相性質に影響を及ぼすことなく、改善される。微細粒微小構造は、重度の塑性変形によって達成され、マグネシウムマトリックスよりも卑な二次相により安定化され得る。例えば、より卑なMgZnCa相は、高純度カルシウムの少量添加及び十分な熱処理によって得ることができる。必要であれば、250℃未満での時効熱処理によって微細な準安定MgZn析出物を形成させることにより、均一な腐食プロファイルを維持しながら分解速度を加速させることができる。
【0047】
本明細書に記載される組成物から作製されたインプラントは、高い降伏強度、高い最大引張強度、及び破断点伸びを含む、有利な物理特性を有する。いくつかの実施形態において、各合金は、少なくとも200MPaの降伏強度を有する。他の実施形態において、各合金は、少なくとも少なくとも220MPa、少なくとも240MPa、少なくとも250MPa、少なくとも260MPa、少なくとも280MPa、少なくとも300MPa、少なくとも320MPa、少なくとも340MPa、少なくとも360MPa、又は少なくとも380MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態において、各合金は、少なくとも250MPaの最大引張強度を有する。他の実施形態において、各合金は、少なくとも260MPa、少なくとも280MPa、少なくとも300MPa、少なくとも320MPa、少なくとも340MPa、少なくとも360MPa、又は少なくとも380MPaの最大引張強度を有する。いくつかの実施形態において、各合金は、少なくとも15%の破断点伸びを有する。他の実施形態において、各合金は、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、又は少なくとも30%の破断点伸びを有する。
【0048】
本発明の例示的な実施形態によるインプラントはまた、有利なインビトロ及びインビボ化学特性を有する。いくつかの実施形態において、各合金は、模擬体液において測定される、1日当たり0.5mg/cm未満のインビトロ分解速度を有する。他の実施形態において、各合金は、模擬体液において測定される、1日当たり0.05mg/cm未満、1日当たり0.1mg/cm未満、1日当たり0.15mg/cm未満、1日当たり0.2mg/cm未満、1日当たり0.25mg/cm未満、1日当たり0.3mg/cm未満、1日当たり0.35mg/cm未満、1日当たり0.4mg/cm未満、又は1日当たり0.45mg/cm未満のインビトロ分解速度を有する。
【0049】
本明細書に記載される組成物に基づくインプラント可能な医療デバイスは、欠落した生物学的構造体を置き換えること、損傷した生物学的構造体を支持すること、又は既存の生物学的構造体を強化することを含む、多様な医療/臨床用途のために製造され得る。身体/身体組織と接触するインプラント及び/又はインプラントの表面の組成は、考慮される特定の用途に応じて変動し得る。外科用インプラントは、とりわけ、整形外科、神経外科の分野における医療/臨床用途のために製造され得る。外科用インプラントの非限定的な例としては、神経外科用インプラント、例えば、水頭症シャント及びコンポーネント;頭蓋内動脈瘤クリップ;骨及び関節置換、例えば、部分及び完全股関節プロテーゼ並びに完全膝関節プロテーゼ;骨接合術及び脊椎デバイス、例えば、金属骨スクリュ、金属骨プレート、髄内ピン、金属骨格ピン及びワイヤ、並びに完全椎間脊椎円板プロテーゼ;口腔及び顎顔面外科インプラント;並びに脊椎及び骨盤用システム、例えばUniversal Spine System、Harrington System、及び従来のシステムが挙げられる。それに応じて、本明細書に記載される組成物に基づいて製造され得るインプラントには、本明細書に記載される組成、構造の複雑性、及び医療/臨床用途が多様である、広範な製品が含まれ得る。そういうわけで、本発明の例示的な実施形態に従った使用のためのインプラントは、使用状況に応じてサイズ、形状、及び他の物理的及び化学的特性が異なるものにできる。
【0050】
いくつかの実施形態において、インプラントは、整形外科用インプラントである。このような実施形態において、整形外科用インプラントは、次のうちの1つ又は2つ以上を含む:釘、スクリュ、ステープル、プレート、ロッド、鋲、ボルト、係止用ボルト及びIM釘、アンカー、合わせピン、プラグ、ペグ、スリーブ、メッシュ、トランスコネクタ、ナット、成形体、脊椎ケージ、ワイヤ、K−ワイヤ、織物構造体、クランプ、足場、発泡体、並びにハニカム構造体。いくつかの他の実施形態において、インプラントは、マイクロガルバニ不純物を含有するマグネシウム合金インプラントと比較して、低い分解速度を有する。
【0051】
他の実施形態において、インプラントは、非整形外科用インプラントである。このような実施形態において、非整形外科用のものには、心臓血管ステント、神経ステント、及び椎体形成ステントが含まれる。
【0052】
マグネシウムの腐食速度は、その純度に強く依存する。4%の塩化ナトリウム水溶液において、純度が99.9%のマグネシウムの腐食速度は、純度が99.99%のマグネシウムのものよりも数百倍高いことが報告されている。
【0053】
模擬体液(SBF)におけるインビトロ分解試験は、極めて低い分解速度を伴う均一な分解が、このような超高純度のマグネシウムを使用した際に達成され得ることを示す。しかしながら、超高純度マグネシウムは、WE43のような合金と比較して、劣った機械特性を有する。この制限は、合金の硬化を通じて、この制限を克服することができることがわかっている。合金の硬化は、極度の塑性変形(ECAP、押出等)を用いて粒子の微細構造を精緻することによって達成され得る。より良好な強度レベルを達成することに加えて、微粒子微細構造はまた、機械的異方性(引張と圧縮の間の強度の差)を回避することがわかった。
【0054】
マグネシウムマトリックスの硬化が、亜鉛等の高度に純粋な合金元素との固溶体を用いて達成され得ることもわかった。Mg−Znの相図は、共晶温度でZnの最大溶解度が6.2重量%であることを示す。マグネシウムを、例えば5重量%のZnと合金化した後、この材料を、第1の温度が共晶温度よりも低く、第2の温度がそれよりも高い、2工程の溶液熱処理によって、均質化することができる。結果として得られる単相合金は、非常に均一で遅い分解を呈することがわかった。
【0055】
一態様において、本発明は、本明細書に記載される実施形態による合金を生成する方法を提供する。一実施形態において、本方法は、(a)(i)少なくとも99.997重量%の純度を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、超高純度マグネシウムと、(ii)少なくとも99.999重量%の純度を有する2.0〜6重量%の亜鉛と、を含有する合金を鋳造することであって、前記鋳造は、不活性雰囲気及び不活性反応容器で行われることと、(b)鋳造合金を、第1の温度がMg−Znの共晶温度よりも低く、第2の温度が三元Mg−Zn−Ca系の共晶温度よりも高い、2つの異なる温度で加熱し、それによって、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、単相MgZn合金を形成することと、(c)この合金を所望の形状に押出することと、を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、本発明の方法による合金を生成する方法は、(a)(i)少なくとも99.997重量%の純度を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、超高純度マグネシウムと、(ii)少なくとも99.999重量%の純度を有する3.0重量の亜鉛〜6重量%の亜鉛と、(iii)少なくとも99.9重量%の純度を有する0.02重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム金属と、を含有する合金を鋳造することであって、前記鋳造は、不活性雰囲気及び不活性反応容器において行われることと、(b)鋳造合金を、第1の温度がMg−Znの共晶温度よりも低く、第2の温度が三元Mg−Zn−Ca系の共晶温度よりも高い、2つの異なる温度で加熱し、それによって、3.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金を形成することと、(c)この合金を所望の形状に押出することと、(d)成形された合金を少なくとも140℃まで加熱して、MgZnCa合金全体に分散されるより高い貴度のナノサイズ析出物を形成することと、を含む。更なる実施形態において、本方法は、少なくとも230℃まで加熱して、MgZn合金全体に分散されるより貴なナノサイズ析出物を形成することを含む。
【0057】
理論に束縛されることを望むものではないが、粒界がピン止めされる場合、合金の微粒子微細構造に有利であり得ると考えられる。ピン止めは、マグネシウムマトリックスよりも卑であり、結果として、材料の分解性能を悪化させない、微細析出物によって達成され得る。MgZnCaは、純粋なマグネシウムよりも電気化学的に卑な数少ない相のうちの1つである。0.25重量%のCaを添加することで、このような微細に分散された析出物が、時効熱処理(最初の溶液熱処理の後に)によって作出され得る。合金の分解速度が遅すぎ、加速させる必要がある場合、非常に微細な準安定MgZn析出物を、250℃未満の温度での時効熱処理によって形成することができる。サイズを増加させることにより、これらの析出物は、カソード性マイクロガルバニ元素として機能し始め、制御可能な様式で腐食を加速させる。
【0058】
本明細書に記載される例示的な実施形態におけるマグネシウム合金は、従来的なマグネシウム合金と比較して、加工及びその後の意図される目的に特に好ましい特性を有し、マグネシウム合金の延性が大幅に高まる。本開示の目的で、「延性」(又は靭性、変形能力)という用語は、金属材料が、十分に高い機械的負荷下で、亀裂が生じる前に、恒久的な変形を受ける能力を指す。この能力は、延性材料のみが、亀裂が起こることなく、同時の低温凝固を伴う恒久的な変形を受けることによって、局所機械的応力ピークを消散させることができるため、多数の構成部品にとって高い重要性を有する。この側面により、特に、例えば、生体分解性インプラント、特に生体分解性骨固定用インプラントのための材料として、本発明のマグネシウム合金を使用することが特に有利となる。所与の材料では、延性は、温度、応力速度、作用する機械的応力状態の多軸特性、及び環境に依存する。延性の特性値には、例えば、本明細書の他の箇所に記載される、破断点伸び及びネッキング、ノッチ付衝撃強さ、並びに破壊靭性が挙げられる。
【0059】
本明細書の広義の発明概念から逸脱しないで上に示されかつ記載された例示的な実施形態に対して変更を行うことができることが当業者により認識されるであろう。従って、本発明は図示されかつ記載された例示的な実施形態に限定されないが、請求項により定義されるように本発明の精神及び範囲内の修正を網羅するように意図されることが理解される。例えば、例示的な実施形態の具体的な特徴は請求項に係る発明の一部であってもよいしそうでなくてもよい、また開示された実施形態の特徴は組み合わされてもよい。本明細書に特段の明記がない限り、用語「a」、「an」及び「the」は1つの要素に限定されるものでなく、「少なくとも1つの」を意味するものとして読まれるべきである。
【0060】
本発明の記載の少なくともいくつかは本発明の明確な理解のために適切である要素に焦点を合わせるように簡略化されてきたことは理解されるべきであるが、一方明確にするために、当業者が認める他の要素を取り除くことはまた本発明の一部分を構成してもよい。しかしながら、このような要素が当該技術分野において周知であるため、及びそれらが本発明のよりよい理解を必ずしも容易にするわけでないため、このような要素の記載は本明細書に提供されない。
【0061】
更に、本明細書に明記されている工程の特定の順序に依拠しないことの範囲内において、工程の特定の順序は請求項に対する制限と解釈されるべきでない。本発明の方法を対象とした請求項は、書かれた順序における工程の実行に限定されるべきでない、また当業者は工程が変わり得るものであってかつ本発明の精神及び範囲内に依然留まり得ることを容易に認識できる。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有する単相MgZn合金を含み、
0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、
前記合金の残部がMgである、組成物。
(2) MgZn合金よりも卑なナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有する、MgZnCa合金を含み、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、前記合金の残部がMgである、組成物。
(3) Mgマトリックス合金よりも卑なナノサイズ析出物、MgZn合金よりも貴な複数のナノサイズ析出物を含有し、3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有する、MgZnCa合金を含み、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、残部がMgである、組成物。
(4) 各合金が、5ppm未満の、全ての他の元素(total other elements)を含有する、実施態様1〜3のいずれかに記載の組成物。
(5) 各合金が、2ppm未満の、全ての他の元素を含有する、実施態様1〜4のいずれかに記載の組成物。
【0063】
(6) 各合金が、1ppm未満の、全ての他の元素を含有する、実施態様1〜4のいずれかに記載の組成物。
(7) 各合金が、0.5ppm未満の、全ての他の元素を含有する、実施態様1〜4のいずれかに記載の組成物。
(8) 前記他の元素が、Fe、Cu、Ni、Co、Si、Mn、Al、Zr、及びPのうちの1つ又は2つ以上を含む、実施態様1〜7のいずれかに記載の組成物。
(9) 各合金が、0.1ppm未満のNiを含有する、実施態様1〜7のいずれかに記載の組成物。
(10) 前記組成物が、0.001重量%未満の希土類元素を含む、実施態様1〜8のいずれかに記載の組成物。
【0064】
(11) 前記土類元素が、Sc、Y、57〜71の範囲の原子番号を有するランタニド元素、及び89〜103の範囲の原子番号を有するアクチニド元素のうちの1つ又は2つ以上を含む、実施態様10に記載の組成物。
(12) 前記Mgよりも卑なナノサイズ析出物が、MgZnCaを含む、実施態様2〜11のいずれかに記載の組成物。
(13) 前記Mgよりも貴なナノサイズ析出物が、Mn−Znを含む、実施態様3〜11のいずれかに記載の組成物。
(14) 各合金が、10μm未満の粒度を有する、実施態様1〜13のいずれかに記載の組成物。
(15) 各合金が、少なくとも200MPaの降伏強度を有する、実施態様1〜14のいずれかに記載の組成物。
【0065】
(16) 各合金が、少なくとも250MPaの最大引張強度を有する、実施態様1〜15のいずれかに記載の組成物。
(17) 各合金が、少なくとも15%の破断点伸びを有する、実施態様1〜16のいずれかに記載の組成物。
(18) 実施態様1〜17のいずれかに記載の合金を含む、インプラント。
(19) 各インプラントが、模擬体液において測定される、1日当たり0.5mg/cm未満のインビトロ分解速度を有する、実施態様18に記載のインプラント。
(20) 前記インプラントが、整形外科用インプラントである、実施態様18〜19のいずれかに記載のインプラント。
【0066】
(21) 前記整形外科用インプラントが、以下:釘、スクリュ、ステープル、プレート、ロッド、鋲、ボルト、係止用ボルト及びIM釘、アンカー、合わせピン、プラグ、ペグ、スリーブ、メッシュ、トランスコネクタ(transconnector)、ナット、成形体、脊椎ケージ、ワイヤ、K−ワイヤ、織物構造体、クランプ、副木、足場、発泡体、並びにハニカム構造体のうちの1つ又は2つ以上を含む、実施態様20に記載のインプラント。
(22) 前記インプラントが、非整形外科用インプラントである、実施態様18〜19のいずれかに記載のインプラント。
(23) 前記非整形外科用インプラントが、心臓血管ステント、神経ステント、及び椎体形成ステントを含む、実施態様22に記載のインプラント。
(24) 前記インプラントが、マイクロガルバニ元素(microgalvanic elements)を含有するマグネシウム合金から作製されたインプラントと比較して、より低い分解速度を有する、実施態様18〜23のいずれかに記載のインプラント。
(25) 実施態様1及び4〜17のいずれかに記載の組成物を生成する方法であって、
(a)(i)少なくとも99.997重量%の純度を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、超高純度マグネシウムと、(ii)少なくとも99.999重量%の純度を有する最大6重量%の亜鉛と、を含有する混合物を鋳造する工程であって、前記鋳造は、不活性雰囲気及び不活性反応容器において行われる、工程と、
(b)前記鋳造合金を、第1の温度がMg−Znの共晶温度よりも低く、第2の温度がMg−Znの共晶温度よりも高い、2つの異なる温度で加熱し、それによって、2.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、単相MgZn合金を形成する工程と、
(c)前記合金を所望の形状に押出する工程と、を含む、方法。
【0067】
(26) 実施態様2〜17のいずれかに記載の組成物を生成する方法であって、
(a)(i)少なくとも99.997重量%の純度を有し、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有する、超高純度マグネシウムと、(ii)少なくとも99.999重量%の純度を有する3.0重量%〜6.0重量%の亜鉛と、(iii)少なくとも99.9重量%の純度を有する0.0005重量%〜1.0重量%のカルシウム金属と、を含有する混合物を鋳造する工程であって、前記鋳造は、不活性雰囲気及び不活性反応容器において行われる、工程と、
(b)前記鋳造合金を、第1の温度がMg−Znの共晶温度よりも低く、第2の温度が三元Mg−Zn−Ca系の共晶温度よりも高い、2つの異なる温度で加熱し、それによって、3.0重量%のZn〜6重量%のZnを含有し、カルシウム含量が0.0005重量%〜1.0重量%の範囲であり、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素を有し、残部がMgである、MgZnCa合金を形成する工程と、
(c)前記合金を所望の形状に押出する工程と、任意で、
(d)前記成形した合金を少なくとも140℃まで加熱して、MgZnCa合金全体に分散されるより貴なナノサイズ析出物を形成する工程と、を含む、方法。
(27) 3.0重量%のZn〜6重量%のZnの範囲のZn含量及び0.0005重量%〜1.0重量%の範囲のカルシウム含量を有する、MgZnCa合金を含み、0.001重量%未満の1つ又は2つ以上の他の元素が二次相に位置し、前記合金の残部がMgであり、前記MgZnCa合金が、前記Mg残部よりも卑なナノサイズ析出物を含有する、組成物。
【国際調査報告】