特表2015-532707(P2015-532707A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-532707熱交換器のための交換器要素、このような交換器要素を備える熱交換器、及びこのような交換器要素を製作するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-532707(P2015-532707A)
(43)【公表日】2015年11月12日
(54)【発明の名称】熱交換器のための交換器要素、このような交換器要素を備える熱交換器、及びこのような交換器要素を製作するための方法
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/02 20060101AFI20151016BHJP
   F28D 9/00 20060101ALI20151016BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20151016BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20151016BHJP
【FI】
   F28F3/02 Z
   F28D9/00
   F28F3/08 311
   F28F21/08 A
   F28F21/08 E
   F28F21/08 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-530473(P2015-530473)
(86)(22)【出願日】2013年9月2日
(85)【翻訳文提出日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】FR2013052009
(87)【国際公開番号】WO2014037656
(87)【国際公開日】20140313
(31)【優先権主張番号】1258284
(32)【優先日】2012年9月5日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】クライザック、フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー、マルク
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA44
3L103BB29
3L103CC21
3L103DD15
3L103DD57
(57)【要約】
本発明は、加熱流体又は冷却流体のための交換チャネル(6)と、交換チャネルを横断して延びる配流チャネル(107)とを形成するために、中実なプレート(2)と、プレート(2)上のリブ(4)とを備える交換器要素(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱発生流体と呼ばれる少なくとも1つの一次流体から、冷却流体と呼ばれる少なくとも1つの二次流体へと熱を移動するように意図された熱交換器(300)のための交換器要素(1;101;201;301、321、341)であって、前記交換器要素(1;101;201;301)が、
中実である少なくとも1つのプレート(2;102;202;302、322、342)と、
前記プレート(2;102;202;302)の少なくとも1つの面上の突起部として延びるリブ(4;104;204;304.1、304.2、324.1、324.2、344.1、344.2)であって、各リブ(4;104;204;304.1)が、熱発生流体又は冷却流体の流れに対して設計された各チャネル(6;106;206;306、326、346)の壁の少なくとも一部を形成する、リブ(4;104;204;304.1、304.2、324.1、324.2、344.1、344.2)と、
前記チャネル(6;106;206;306)の少なくとも一部を遮断するために、前記プレート(2;102;202;302)の縁部に沿って延びる閉鎖バー(8.1、8.3;108.1、108.2、108.3、108.4;208.1、208.3、208.4;308)とを備え、
前記交換器要素(1〜301)が、前記プレート(2;102;202;302)、前記リブ(4;104;204;304.1、304.2、324.1、324.2、344.1、344.2)の少なくとも一部、及び前記閉鎖バー(8.1、8.3;108.1、108.2、108.3、108.4;208.1、208.3、208.4;308)の少なくとも一部が一体化されていることを特徴とし、
第1のリブ(4)が、前記プレート(2)の少なくとも1つの第1の面上で突き出した状態で、交換チャネル(6)と呼ばれる相互に平行なチャネルの壁を形成するように互いに平行に延びる、交換器要素(1;101;201;301、321、341)において、
第2のリブ(105;205)が、配流チャネル(107;207)と呼ばれる第2のチャネルの壁を形成し、したがって、前記配流チャネル(107;207)が前記交換チャネル(106;206)を横断して延びるように、前記プレート(102;202)の前記第1の面上の突起部として構成されることを特徴とする、交換器要素(1;101;201;301、321、341)。
【請求項2】
前記プレート(2;102;202;302)、すべての前記リブ(4;104;204;304.1)、及びすべての前記閉鎖バー(8.1;308)は一体化されたものである、請求項1に記載の交換器要素(1;101;201;301)。
【請求項3】
前記プレート(102;202;302)が長方形の全体形状を有し、前記交換器要素(101;201;301)が、前記プレート(102;202;302)の4つの縁部に沿ってそれぞれが延びる4つの閉鎖バー(108.1:308)を備える、請求項1又は2に記載の交換器要素(101;201;301)。
【請求項4】
前記プレート(2;102;202)の1つの面だけが、リブ(4;104;204)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の交換器要素(1;101;201)。
【請求項5】
前記プレート(302)の両面が、リブ(304.1、304.2、324.1、324.2、344.1、344.2)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の交換器要素(301)。
【請求項6】
前記第1の面の前記リブ(304.1、324.1、344.1)が、第2の面の前記リブ(304.2、324.2、344.2)に対してオフセットされており、前記リブ(304.1、304.2、324.1、324.2、344.1、344.2)が、好ましくは各面にわたって一様に分布されている、請求項5に記載の交換器要素(301)。
【請求項7】
各リブ(4)が、0.3mmと1.6mmの間、好ましくは0.4mmと1.5mmの間の幅(W4)を有し、各リブ(4)が、0.8mmと2.7mmの間、好ましくは1.0mmと2.5mmの間の高さ(H4)を有しており、前記プレート(2)が、0.6mmと1.7mmの間、好ましくは0.8mmと1.5mmの間の厚さ(E2)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の交換器要素(1)。
【請求項8】
前記一体化されるプレート(2;102;202;302)、リブ(4:344.2)、及び閉鎖バー(8.1:308)が作られる材料は、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金であって特にグレード3003、3004、3104、3005のもの、クラッドろう合金4004、4104、4343、4045、4047A、及び3000系のものとそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の交換器要素(1;101;201;301)。
【請求項9】
前記配流チャネル(107;207)が、好ましくは前記交換チャネル(106;206)に対して45°と90°の間の角度で延びる、請求項1から8のいずれか一項に記載の交換器要素(1)。
【請求項10】
前記プレート(302)の前記第1の面が、平行な交換チャネル(306)壁を形成するリブ(304.1)を有し、かつ
前記プレート(302)の前記第2の面が、i)交換チャネル(326)の壁を形成するリブ(304.2)と、ii)前記交換チャネル(326)を横断する配流チャネルの壁を形成するリブとを備える、請求項1から3、又は5から9のいずれか一項に記載の交換器要素(301)。
【請求項11】
プレート(302)が互いに平行に延びるように積み重ねられ、例えば、ろう付けにより共に接合される少なくとも1つの前記プレート(302、322、342)を備える複数の交換器要素(301、321、341)を備える、深冷ガス分離ユニットのための熱交換器(300)であって、請求項1から10のいずれか一項に記載の複数の交換器要素(301、321、341)、好ましくは請求項1から10のいずれか一項に記載のすべての交換器要素(301、321、341)を備えることを特徴とする、熱交換器(300)。
【請求項12】
請求項9に記載の交換器要素(301、321、341)が、請求項10又は11に記載の交換器要素(1;101;201;301)と交互に積み重ねられる、請求項11に記載の熱交換器(300)。
【請求項13】
熱発生流体と呼ばれる少なくとも1つの一次流体から、冷却流体と呼ばれる少なくとも1つの二次流体へと熱を移動するように意図された熱交換器(300)のための、請求項1から12のいずれか一項に記載の交換器要素(1;101;201;301)を製作するための製作方法であって、
マスクを固定するステップと、
前記プレートを化学的加工槽に浸漬するステップと、
プレート素材片から導出されたプレート(2;102;202;302)の少なくとも第1の面上の突起部として延びる、前記交換チャネルの壁を形成する平行な第1のリブ(4:344.2)を形成するように、前記プレート素材片を塑性的に変形できる圧力を用いて、前記プレート素材片の少なくとも1つの第1の面に対して工具を押し付け、かつ移動させるステップと、
前記配流チャネルの壁を形成する第2のリブを形成するように、前記プレート素材片の前記少なくとも1つの第1の面に対して前記工具を押し付け、かつ移動させるステップと、
前記プレート素材片から導出された前記プレート(2;102;202;302)の前記縁部に沿って延びる閉鎖バー(8;108;208;308)を形成するように、前記プレート素材片を塑性的に変形させるステップと
を含む製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱発生流体と呼ばれる少なくとも1つの一次流体から、冷却流体と呼ばれる少なくとも1つの二次流体へと熱を移動するように意図された熱交換器のための交換器要素に関する。また、本発明は、本発明によるいくつかの交換器要素を備える深冷ガス分離ユニットのための熱交換器に関する。さらに、本発明は、このような交換器要素を製作するための製作方法に関する。
本発明は、特に深冷ガス分離の分野に応用でき、具体的には、加圧された気体酸素の製造に使用される深冷空気分離(空気分離ユニットを表す英語の頭字語「ASU」で知られている)の分野に応用できる。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6951245B1号は、熱発生流体から冷却流体へと熱を移動するための熱交換器を述べている。熱交換器は、いくつかのプレートと、各プレート上の突起部として延びるリブと、プレートの周りで延びる閉鎖バーとを備える。
プレートの機能は、リブを支持し、かつ熱発生流体又は冷却流体をチャネルで送ることである。リブは、熱発生流体又は冷却流体の流れに対するチャネルを形成する機能を有する。周辺の閉鎖バーは、チャネルを遮断する機能を有する。
米国特許第6951245B1号の熱交換器では、プレート、リブ、及び閉鎖バーは、ろう付けにより共に接合される。言い換えると、リブ及び閉鎖バーは、プレートにろう付けされる。
【0003】
しかし、ろう付け工程に完全に習熟することが困難であるため、このような従来技術の熱交換器には、製造上の欠陥が生ずる危険性がある。具体的には、一部のろう付けされた接合部において欠陥が生ずる可能性がある。このような製造上の欠陥により、熱交換器が故障する危険性がある。これらの故障の危険性は、流体に対して意図された動作圧力と共に増加する。いくつかの用途では、流体は、50barと100barの間の圧力に達することがある。
さらに、アルミニウム合金から作られた熱交換器中で深冷空気分離を行う場合、高圧下
の酸素の流れは、塑性変形、ろう付け部の破断、粒子の衝撃、流れによる摩擦などにより局所的に生成されたホットスポットでアルミニウム合金を直接発火させるおそれがある。この場合、直接発火させる危険性は、動作圧力と共に増加する。
【発明の概要】
【0004】
したがって本発明は、特に、本明細書の上記で述べた問題を完全に、又は部分的に解決しようとするものである。
この目的のために、本発明の1つの主題は、熱発生流体と呼ばれる少なくとも1つの一次流体から、冷却流体と呼ばれる少なくとも1つの二次流体へと熱を移動するように意図された熱交換器のための交換器要素であり、該交換器要素は、
− 中実である少なくとも1つのプレートと、
− プレートの少なくとも1つの面上の突起部として延びるリブであって、それぞれが、熱発生流体又は冷却流体の流れに対して設計された各チャネルの壁の少なくとも一部を形成する、リブと、
− チャネルの少なくとも一部を遮断するために、プレートの縁部に沿って延びる閉鎖バーとを備え、
交換器要素は、プレート、リブの少なくとも一部、及び閉鎖バーの少なくとも一部が一体化されることを特徴とする。
【0005】
言い換えると、プレート、リブの少なくとも一部、及び閉鎖バーの少なくとも一部は一体に作られ、したがって、単一の同じ材料から作られる。したがって、交換器要素の構成要素は一体化され、ろう付けをほとんど、あるいは全く必要としない。
したがって、このような交換器要素は、50bar Aを、さらに80bar Aを、又はさらに100bar Aを超える熱発生流体及び/又は冷却流体圧力で熱交換器が動作できるようにする非常に高い機械的強度を有する。さらに、このような交換器要素は、あるとしてもわずかなろう付け接合部を備えるに過ぎないので、空気分離を行う場合に直接発火する恐れが低減される。
【0006】
本出願では、用語「中実な(solid)」は、無垢のもの、すなわち、中空部又は空洞部を有しないプレートを指す。
本発明によれば、プレート、すべてのリブ、及びすべての閉鎖バーは一体化される。
米国特許第1662870号は、請求項1に記載のプリアンブルによる交換器要素を導入しているが、流体の交換を行うことのできる配流チャネルを有していない。
本発明の1つの主題によれば、請求項1で特許請求される交換器要素が提供される。
したがって、このような交換器要素は、50bar Aを、さらに80bar Aを、又はさらに100bar Aを超える熱発生流体及び/又は冷却流体圧力で熱交換器が動作できるようにする特に高い機械的強度を有する。
前出の実施形態の代替形態によれば、閉鎖バーは、プレートのすべての縁部が、縁部に沿って延びる少なくとも1つの閉鎖バーを有するように配置される。したがって、熱交換器は、一体化される閉鎖バーにより、その縁部のそれぞれに沿って封止されるので、機械的に強度がある。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、プレートは、長方形の全体形状を有しており、交換器要素は、プレートの4つの縁部に沿ってそれぞれが延びる4つの閉鎖バーを備える。
したがって、長方形のプレートを用いると、熱交換器は、プレートの直線的な縁部を積み重ねることにより形成された平坦な面を有しており、流体入口ヘッダ及び流体出口ヘッダと共に組み立てることがより簡単になる。
本発明の一実施形態によれば、プレートの1つの面だけがリブを備える。
したがって、交換要素のリブは、重ねられた交換要素のプレートと直接接触するため、各リブに対する製作許容差は比較的に高い。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、プレートの両面がリブを備える。
したがって、このような交換要素は、高いリブ密度を有しており、それ故に熱交換のための大きな表面積を提供する。
前の実施形態の一形態によれば、第1の面のリブは、第2の面のリブに対してオフセットされており、リブは、各面上で一様に分布されていることが好ましい。
言い換えると、第1の面のリブは、第2の面のリブと一列になっていない。
したがって、リブのこのようなオフセットされた配置は、熱交換器が非常に高いリブ密度を達成できることを意味する。これは、2つの連続する交換器要素が、その分離された各リブで重ね合わされて、その結果数多くのチャネルを形成できるからである。
【0009】
本発明の代替の一形態によれば、リブは、長方形の、相互に同様な横断面を有する。
本発明の代替の一形態によれば、溝は、製造方式(機械的加工、圧延、又は化学的加工)によって変化し得る横断面を有する。
したがって、このようなリブは、達成するのが比較的簡単な形状を有する。
本発明の代替の一形態によれば、プレートの第1の面上で、2つの連続するリブは、第1の間隔だけ離れており、またプレートの第2の面上で、2つの連続するリブは、好ましくは、第1の間隔の1倍と2倍の間を備える、第1の間隔よりも大きい第2の間隔だけ離れている。したがって、このようなリブは、交換器要素を積み重ねることによりチャネルを形成することを可能にするが、チャネルは、チャネルで送られる流体の性質、流量、及び/又は圧力により異なる幅を有する。
【0010】
本発明の代替の一形態によれば、プレートの各面上の、プレートの縁部に最も近いリブである横方向リブは、対応する閉鎖バーから間隔の約1倍だけ離れており、またプレートの反対側の縁部に最も近いリブである反対側の横方向リブは、対応する閉鎖バーから間隔の約2倍だけ離れている。このように、上を向いた交換器要素を、下を向いた同一の交換器要素と交互に配置することができ、プレートの2つの面によって幅の異なるチャネルを形成することが可能になる。
【0011】
本発明の代替の一形態によれば、プレートの第1の面のリブは第1の高さを有し、プレートの第2の面のリブは第2の高さを有し、第2の高さは、第1の高さとは異なっている。このようにリブは、チャネルで送る必要のある第1の流体及び第2の流体の性質、流量、及び/又は圧力に従って適合され得る。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、各リブは、0.3mmと1.6mmの間、好ましくは、0.4mmと1.5mmの間の幅を有し、各リブは、0.8mmと2.7mmの間、好ましくは、1.0mmと2.5mmの間の高さを有し、またプレートは、0.6mmと1.7mmの間、好ましくは、0.8mmと1.5mmの間の厚さを有する。
したがって、一体型の交換器要素は、従来技術のものよりも大きいリブ幅で製作され得るので、このようなリブ幅は、各リブに高い機械的強度を与えるが、特に、流体が酸素であるとき、アルミニウムが発火する危険性を低減することを可能にする。
したがって、一体型の交換器要素は、従来技術のものよりも厚いプレートで製作され得るので、このようなリブ幅は、プレートに高い機械的強度を与えるが、特に、流体が酸素であるとき、アルミニウムが発火する危険性を低減することを可能にする。
【0013】
本発明の代替の一形態によれば、リブは、連続するチャネル間で相互に連通できるように配置された開口部を有する。したがって、このような開口部は、熱発生流体又は冷却流体が2つの連続するチャネル間で流れることを可能にする。
本発明の代替形態によれば、リブは、各チャネルが0.8mmと1.2mmの間の幅を有するように配置される。したがって、このようなチャネルは、熱発生流体及び冷却流体の高流量を達成できるようにする。
本発明の一実施形態によれば、一体化されるプレート、リブ、及び閉鎖バーが作られる材料は、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金であって特にグレード3003、3004、3104、3005のもの、クラッドろう合金4004、4104、4343、4045、4047A、及び3000系のものとそれらの組合せからなる群から選択される。
したがって、このような材料は、機械的に強度のある交換要素を作製できるようにする。
【0014】
本発明の代替の一形態によれば、交換器要素は、リブ及び/又は少なくとも1つの閉鎖バーに適用されるろう材を備える。その代替として又はそれに加えて、交換要素は、適切な場合、リブを有していないプレートの面上に配置されたろう材を備える。したがって、このようなろう材は、交換器要素を対で共に接合するために使用され得る。
本発明の一実施形態によれば、リブは、プレートの少なくとも1つの面上の突起部として延び、リブは、交換チャネルと呼ばれる相互に平行なチャネルの壁を形成するように、互いに平行である。
したがって、このような平行な交換チャネルは、熱発生流体又は冷却流体が、比較的わずかな圧力損失で、かつプレートの大部分の長さにわたり循環できるようにする。
前出の実施形態を具現化する一方法によれば、配流チャネルは、交換チャネルに対して45°と90°の間の角度で延びる。
したがって、リブのこのような構成は、交換チャネルの領域で生じる圧力低下が、配流チャネルの各領域で生ずる圧力低下よりも大きいために、熱発生流体及び冷却流体の配流を促進することが可能になる。
【0015】
前の実施形態の代替形態によれば、配流チャネルの水力直径は、交換チャネルの水力直径よりも大きい。したがって、このような水力直径は、交換チャネルの領域で生じた圧力低下が、配流チャネルの各領域で生じた圧力低下よりも大きいので、熱発生流体及び冷却流体の配流がより容易になる。水力直径は、供給される交換チャネルに適合するように変えることができる(化学的に加工されたチャネルの場合)。
前の2つの実施形態を実施する一方法によれば、
− プレートの第1の面は、平行な交換チャネル壁を形成するリブを有する、
− プレートの第2の面は、i)交換チャネルの壁を形成するリブと、ii)交換チャネルを横断する配流チャネルの壁を形成するリブとを備える。
したがって、このような「混成(hybrid)」交換器要素は、熱を交換する機能だけを実施する1つの面を有するが、他の面はまた、流体を配流する機能を果たす。
さらに本発明の主題は、深冷ガス分離ユニットのための熱交換器であり、プレートが互いに平行に延びるように、例えば、ろう付けによって積み重ねられ、共に接合されるいくつかの交換器要素を備え、熱交換器は、本発明によるいくつかの交換器要素を備え、好ましくは、すべての交換器要素が本発明によるものであることを特徴とする。
したがって、このような熱交換器は、非常に高い機械的強度を有しており、50bar A、さらに80bar A、あるいはさらに100bar Aを超える熱発生流体及び/又は冷却流体圧力で動作できるようになる。
【0016】
前の実施形態を実施する一方法によれば、交換チャネルを備えた前述の交換器要素は、配流チャネルと交換チャネルとを有する前述の交換器要素と交互に積み重ねられる。
言い換えると、この熱交換器は、2つのうちの少なくとも1つが配流チャネルを有する積み重ねた交換器要素を備える。
したがって、このような配流チャネルは、熱発生流体又は冷却流体を、熱交換が本質的に行われる交換チャネルに配流できるようにする。
さらに本発明の主題は、熱発生流体と呼ばれる少なくとも1つの一次流体から、冷却流体と呼ばれる少なくとも1つの二次流体へと熱を移動するように意図された熱交換器のための交換器要素を製作する製作方法であり、製作方法は以下のステップ、すなわち、
− プレートのいくつかのゾーン(例えば、配流)を化学的に加工する可能な第1のステップと、
− プレート素材片から導出されたプレートの少なくとも第1の面上の突起部として延びる、交換チャネルの壁を形成する第1のリブを形成するように、プレート素材片を塑性的に変形できる圧力を用いて、プレート素材片の少なくとも1つの面に対して工具を押し付け、かつ移動させるステップと、
− 配流チャネルの壁を形成するリブを形成するように、プレート素材片の前記少なくとも1つの第1の面に対して工具を押し付け、かつ移動させるステップと、
− プレート素材片から導出されたプレートの縁部に沿って延びる閉鎖バーを形成するように、プレート素材片を塑性的に変形させるステップと、
を含む。
【0017】
したがって、このような製作方法は、プレート素材片から迅速に、非常に高い機械的強度を有し、かつ交換チャネルと配流チャネルとを有する本発明による交換器要素を製作することを可能にする。
【0018】
本発明の代替形態によれば、プレート素材片は、1mmを超える厚さを有する。したがって、プレートは比較的厚いので、このような厚さは、非常に高い機械的強度を有するプレートの製作を可能にする。
本発明の一実施形態によれば、工具は、リブの幅に相当する距離だけ離間された少なくとも2つの同軸ローラを備え、ローラは、プレート素材片の前記少なくとも1つの面に沿って転動する。
したがって、このようなローラは、リブを正確に、かつ迅速に製作できるようにする。
本明細書の上記で述べてきた本発明の諸実施形態、及び本発明の代替形態は、別個に考えることができるが、あるいは任意の技術的に実行可能な組合せで考えることもできる。
単に非限定的な例として与えられ、かつ添付図面を参照して行われる以下の記述を考慮すると、本発明が明確に理解され、さらに本発明の利点も明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来技術による交換器要素の一部の隠れた細部を示す斜視図。
図2図1の交換器要素の上方からの図。
図3】本発明による交換器要素の図2と同様の図。
図4】本発明による交換器要素の切断した、上方からの図。
図5】本発明の一部を形成しない交換器要素を備える熱交換器の一部の横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、熱発生流体と呼ばれる少なくとも一次流体から、冷却流体と呼ばれる少なくとも二次流体へと熱を移動するように意図された熱交換器を構成するように設計された交換器要素1の一部を示している。
図1及び図2で示すように、交換器要素1は、プレート2と、リブ4と、閉鎖バー8.1及び8.3とを備える。プレート2、リブ4、ならびに閉鎖バー8.1及び8.3は一体化されている。図1及び図2の例では、プレート2、すべてのリブ4、ならびにすべての閉鎖バー8.1及び8.3は一体化されている。通常、リブはまた、「フィン」とも呼ばれる。通常、プレートはまた、「ベース」とも呼ばれる。
言い換えると、プレート2、リブ4、ならびに閉鎖バー8.1及び8.3は、一体の部品として製作され、したがって、単一の同じ材料から作られる。図1及び図2の例では、プレート2、リブ4、ならびに閉鎖バー8.1及び8.3で構成される一体の組立体が作製される材料は、この例では、アルミニウム合金グレード3003である。
【0021】
プレート2は中実で、平坦であり、長方形の全体形状をしている。プレート2の縁部は、長手方向X2及び横方向Y2へとそれぞれ延びる。
この場合のリブ4は、プレート2の一方の面だけに突起部として延びている。反対側の面2.1はリブを有していない。各リブ4は、各チャネル6の壁の一部を形成する。この場合のリブは、長手方向X2に対して直角な平面において、長方形で、相互に類似した横断面を有している。
各チャネル6は、熱発生流体又は冷却流体の流れに対して設計されている。リブ4は互いに、かつ長手方向X2に対して平行に延びているので、チャネル6は、互いに、かつ長手方向X2に対して平行である。
各チャネル6は、交換器要素1のリブ4により、隣接する交換器要素のリブにより、かつチャネル6の「底部」を画定するプレート2により境界が定められている。
動作中、各チャネル6は、熱発生流体が供給されるか、それとも冷却流体が供給されるかに従って、熱発生流体又は冷却流体を送る。チャネル6は、熱発生流体と冷却流体の間で、特にプレート2を介して熱を移動する機能を果たすことに寄与するので、交換チャネルと呼ばれる。
【0022】
図2で示すように、交換器要素1は、2つの閉鎖バー8.1と8.3とを備える。閉鎖バー8.1及び8.3はそれぞれ、プレート2の2つの縁部に沿って延びる。閉鎖バー8.1及び8.3は、長手方向X2に対して平行に延びる。
閉鎖バー8.1及び8.3は、チャネル6を遮断するようにプレート2の縁部に沿って延びる。閉鎖バー8.1及び8.3は、プレート2の横方向縁部の近くに設置されるチャネル6の境界を定め、したがってかつそれぞれ遮断する。
閉鎖バー8.1及び8.3は、ここでは、プレート2のすべての縁部が、縁部に沿って延びる各閉鎖バー8.1と8.3とを有するように配置される。代替的に、プレート2の各縁部は、縁部に沿って延びるいくつかの別個の閉鎖バーを有することもできる。さらなる代替形態として、必要な場合は、プレートの少なくとも1つの縁部は、その長さの一部で縁部に沿って延びる閉鎖バーを有しないこともあり得る。
さらに、図示されていないが、それ自体公知の方法で、各閉鎖バーは、それぞれ、流体をチャネルの中に導入するために、又は流体をチャネルから除去するために、通常、「ウィンドウ」と呼ばれる開口部を備えることができる。
【0023】
図1及び図2の例では、プレート2は、約1.2mmの厚さE2を有する。各リブ4は、約0.5mmの幅W4と、約1.8mmの高さH4とを有する。各チャネル6は、約1.0mmの幅W6を有する。
プレート2は、長手方向X2で測定して、約6mの長さL2を有する。プレート2は、横断方向Y2で測定して、約2.5mの幅W2を有する。
交換器要素1は、リブ4と、閉鎖バー8.1及び8.3とに適用されるろう材を備える。このろう材は、厚さ約0.1mmの層を形成する。それに加えて、交換器要素1は、プレート2の面2.1に対して、すなわち、リブのない面に対して適用されるろう材を備える。ろう材のこれらの層は、真空炉中で積み重ねられ、加熱されたいくつかの交換器要素をそれ自体公知の方法で共に接合できるようにする。
【0024】
図3は、本発明による交換器要素101を示している。交換器要素101が、交換器要素1と同様のものである限りは、交換器要素1の図1及び図2に関して上記で示した説明は、以降で列挙される顕著な差を除き、交換器要素101に対するものとして読むことができる。
交換器要素1の構成要素と、その構造又はその機能で同一の、又は対応している交換器要素101の構成要素は、100だけ増加させた同じ参照番号を有する。したがって、プレート102、交換チャネル106を画定するリブ104、閉鎖バー108.1、108.2、108.3、及び108.4とが定義される。
交換器要素101は、配流チャネル107と呼ばれる第2のチャネルの壁を形成するように、プレート102の1つの面上の突起部として配置されたリブ105を有するので明らかに交換器要素1とは異なっており、したがって、配流チャネル107は、交換チャネル106に対して横断的に延びている。図3で示すように、配流チャネル107は、交換チャネル106に対して約90°の角度で延びる。
【0025】
交換チャネル106の領域で生ずる圧力低下は、配流チャネル107の各領域で生ずる圧力低下よりも大きいので、リブ105の構成は、熱発生流体又は冷却流体の配流を促進する。
加えて交換器要素101は、プレート102の4つの縁部に沿ってそれぞれ延びる4つの閉鎖バー108.1、108.2、108.3、108.4を備えるので、交換器要素1とは異なる。閉鎖バー108.1、108.2、108.3、108.4は、平行な対をなしている。
【0026】
図4は、本発明による交換器要素201を示している。交換器要素201が、交換器要素101と同様のものである限りは、交換器要素101の図3に関して上記で示した説明は、以降で列挙される顕著な差を除き、交換器要素201に対するものとして読むことができる。
交換器要素101の構成要素と、その構造又はその機能で同一の、又は対応している交換器要素201の構成要素は、100だけ増加させた同じ参照番号を有する。したがって、プレート202、交換チャネル206を画定するリブ204、閉鎖バー208.1、208.3、及び208.4と、破線で示された等価なものとが定義される。
交換器要素201は、配流チャネル207が交換チャネル206に対して傾斜した角度で延びるように配流チャネル207の壁を形成すべく、プレート202の1つの面上の突起部として配置されたリブ205を有するので、明らかに交換器要素101とは異なる。図4で示すように、配流チャネル207は、交換チャネル206に対して約45°の角度で延びる。
【0027】
交換チャネル206の領域で生ずる圧力低下は、配流チャネル207の各領域で生ずる圧力低下よりも大きいので、リブ205の構成は、熱発生流体又は冷却流体の配流をさらに促進する。
交換器要素201又は交換器要素101に供給するために、本発明による熱交換器は、熱交換器の各外側面に、例えば、ろう付けにより固定される、図示されていないヘッダボックスをさらに備える。
したがって、このようなヘッダボックスは、熱発生流体又は冷却流体を、配流チャネル107又は207の中に導入又は排出できるようにし、したがって、交換チャネル106又は206の中に導入又は排出できるようにする。
図3及び図4の例では、これらのヘッダボックスが、すべての配流チャネル107又は207により画定された通路に流体的に接続されるように、ヘッダボックスは、交換器要素101又は201の長手方向端部に配置され得る。
【0028】
図5は、図示されていない深冷ガス分離ユニットを構成する熱交換器300を示す。熱交換器300は、積み重ねられ、ろう付けにより共に接合される、本発明によるいくつかの交換器要素301、321、341などを備える。
交換器要素301、321、又は341が、交換器要素1又は101と同様のものである限りは、交換器要素1又は101の図1図2、又は図3に関して上記で示した説明は、以下で列挙される顕著な差を除き、交換器要素301、321、又は341に対するものとして読むことができる。
交換器要素1又は101の構成要素と、その構造又はその機能で同一の、又は対応している交換器要素301、321、又は341の構成要素は、100又は200だけ増加させた同じ参照数字を有する。したがって、プレート302、322、342と、交換チャネル306、326、346と、閉鎖バー308、328、348とが定義される。
【0029】
図5は、長手方向に対して直角であり、かつ交換器要素301、321、又は341の中間領域を通る、すなわち、交換チャネル306、326、及び346だけを有する領域を通る平面における横断面を示している。プレート302、322、342は、互いに平行に延びる。
交換器要素301、321、又は341は、各プレート302、322、又は342の両面で突起部として延びるリブを有するので、明らかに交換器要素101とは異なっている。
したがって、交換器要素301は、第1の面にリブ304.1を、その第2の面にリブ304.2を有する。同様に、交換器要素321は、第1の面にリブ324.1を、その第2の面にリブ324.2を有し、また交換器要素341は、第1の面にリブ344.1を、その第2の面にリブ344.2を有する。
加えて交換器要素301、321、又は341は、プレート302、322、又は342の第1の面が、交換チャネル306の平行な壁を形成するリブを有するので、交換器要素101とは異なる。プレート302、322、又は342の第2の面が、一方で、交換チャネル326の壁を形成するリブ304.2、324.1を備えるが、他方で、図示されていないリブが、配流チャネル207と同様に、交換チャネル326に対して横断する配流チャネルの壁を形成する。
言い換えると、熱交換器300は、交換器要素301、321、341を積み重ねたものを備え、その2つのうちの1つが、配流チャネル207と同様の配流チャネルを有する。
言い換えると、交換器要素301、321、又は341は、一方の面に交換チャネルだけを有し、反対側の面に交換チャネルに配流チャネルを加えたものを有するので、「混成」されている。
混成交換器要素のこの積み重ねに対する代替形態として、熱交換器は、配流チャネルを備える交換器要素で交互に積み重ねられた、交換チャネルを備える交換器要素を備えることができる。
【0030】
図5の例では、第1の面のリブ304.1、324.1、又は344.1は、第2の面の各リブ304.2、324.2、又は344.2に対してオフセットされている。言い換えると、第1の面のリブ304.1、324.1、又は344.1は、第2の面の各リブ304.2、324.2、又は344.2と一列になっていない。
プレート302の第1の面上で、2つの連続するリブ304.1は、第1の間隔P304.1だけ離間されており、またプレート302の第2の面上で、2つの連続するリブ304.2が、第1の間隔P304.1よりも大きい第2の間隔P304.2だけ離間されている。
図5の例では、第2の間隔P304.2は、第1の間隔に等しいか、1.5倍までの間隔である。したがって、チャネル306及び326は、交換器要素301及び321が積み重ねられた後、異なる幅を有する。
加えてプレート302の各面上で、プレート301の左側縁部に最も近いリブである横方向リブ304.1は、対応する閉鎖バー308から間隔P304.1の約1倍だけ離間されている。プレート302の反対側縁部に最も近いリブである図示されていない反対側の横方向リブは、図示されていない対応する閉鎖バーから間隔の約2倍だけ離れている。
したがって、上を向いた交換器要素301は、321などの下を向いた同一の交換器要素と交互に配置することができ、プレート302の2つの面の間で異なる幅を有するチャネル306と326とを形成できるようにする。
【0031】
交換器要素1を製作するために、製作方法は以下のステップ、すなわち、
− マスクを固定するステップと、
− プレートを化学的加工槽に浸漬するステップと、
− プレート素材片から導出されたプレート2の面上に突き出たリブ4を形成するようにプレート素材片を塑性的に変形できる圧力を用いて、プレート素材片の1つの面に対して、図示されていない工具を押し付け、かつ移動させるステップと、
− プレート素材片から導出されたプレート2の縁部に沿って延びる閉鎖バー8を形成するように、プレート素材片を塑性的に変形させるステップと
を備える。
プレート素材片を塑性変形させるステップは、材料を除去することなく材料を変位させることによって行われる。
この製作工程の1つのステップによれば、プレート素材片は約2mmの厚さを有する。
【0032】
本発明による要素の製作方法によれば、連続するステップでリブを作製するために、異なる工具を用いるいくつかのパス(pass)が計画される。それは、プレート素材片を徐々に変形させることができ、それにより、生じさせる必要のある力及び工具に対する応力を分割し、制限するリスクが回避される。
この方法では、工具は、リブ4の幅W4に相当する距離だけ離間された少なくとも2つの同軸ローラを備える。ローラは、図示されていないが、プレート素材片の面に沿って転動する。すべてのリブ4は、このようにして作製される。
【0033】
同様の製作方法によれば、交換器要素201を製作するために、以下のステップ、すなわち、
− 平行なリブ204を形成し、かつ交換チャネル206の壁を形成するために、プレート素材片の面に対して工具を押し付け、かつ移動させるステップと、
− 配流チャネル207の壁を形成するリブ205を形成するために、プレート素材片のこの同じ面に対して工具を押し付け、かつ移動させるステップと
が実行される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】