(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-532852(P2015-532852A)
(43)【公表日】2015年11月16日
(54)【発明の名称】吻合装置用装着ツール
(51)【国際特許分類】
A61B 17/11 20060101AFI20151020BHJP
【FI】
A61B17/11
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-533014(P2015-533014)
(86)(22)【出願日】2013年9月12日
(85)【翻訳文提出日】2015年3月19日
(86)【国際出願番号】SE2013051065
(87)【国際公開番号】WO2014046596
(87)【国際公開日】20140327
(31)【優先権主張番号】1251060-8
(32)【優先日】2012年9月20日
(33)【優先権主張国】SE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】508313714
【氏名又は名称】セルポノヴム アーベー
【氏名又は名称原語表記】CARPONOVUM AB
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】アンデルス・グローンルンド
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC32
4C160DD02
4C160DD12
4C160DD22
(57)【要約】
腸の側壁に装着された吻合装置(100)の第1部材(10)に関連して使用されるアンビル(300)が提供される。アンビル(300)は、遠位ヘッド部(301)および前記ヘッド部(301)から近位に延在する接続ロッド(302)を備える。前記遠位ヘッド部(301)は、第1部材ロック位置と第1部材解放位置との間で横方向および中心方向に変位可能な第1部材保持手段(304)を有する。また、上記のアンビル(300)に関連して使用されるツール(400)や、これら二つの部品のキットも提供される。前記ツール(400)は、前記アンビル(300)の接続ロッド(302)を受容するための受容部材(401)と、前記受容部材(401)の円周方向に配設された、前記吻合装置(100)の第2部材のためのシート部(405)とを備え、前記受容部材(401)は前記シート部(405)に対して変移自在である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腸の側壁に装着された吻合装置の第1環状部材に関連して使用されるアンビルであって、
遠位ヘッド部および前記ヘッド部から近位に延在する接続ロッドを備え、
前記遠位ヘッド部は、第1部材ロック位置と第1部材解放位置との間で横方向および中心方向に変位可能な第1部材保持手段を有する、アンビル。
【請求項2】
前記接続ロッドには、横方向に延在するロック用フランジが設けられている、請求項1に記載のアンビル。
【請求項3】
前記保持手段は、横方向に延在するブレードを備え、前記ブレードは、前記接続ロッドまで中心方向に延在した後に、前記接続ロッドに沿って近位に延在する、請求項1または2に記載のアンビル。
【請求項4】
前記ブレードには、その近位部に、前記接続ロッドに沿った突条が設けられている、請求項3に記載のアンビル。
【請求項5】
前記突条の横方向側には、リングが設けられている、請求項4に記載のアンビル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のアンビルに関連して使用されて、吻合装置を腸の側壁に配設することに供されるツールであって、
前記アンビルの前記接続ロッドを受容するための受容部材と、
前記受容部材の円周方向に配設された、前記吻合装置の第2環状部材のためのシート部とを備え、
前記受容部材は前記シート部に対して変移自在である、ツール。
【請求項7】
前記受容部材は薄板が設けられた雌部を備え、前記接続ロッドは前記ヘッド部に近接するロック用フランジを備え、前記薄板は、前記ロック用フランジの周囲にパチンと弾力的に嵌着可能である、請求項6に記載のツール。
【請求項8】
前記雌部は、前記ロック用フランジに対応するロック用突条を備えており、前記接続ロッドは前記接続ロッド受容部材に近位方向に挿入されて、前記ロック用フランジが前記ロック用突条を通過して前記ロック用突条が中心方向にパチンと戻るまで、薄板を横方向および外方向に付勢可能とされる、請求項7に記載のツール。
【請求項9】
第2部材用シート部材に対して、前記接続ロッド受容部材の近接移動が可能となるように、前記受容部材の近位領域には、ネジ部が形成されている、請求項6〜8のいずれかに記載のツール。
【請求項10】
保持手段と相互作用をなす相互作用部材を更に備え、前記相互作用部材は、前記第2部材用シート部材に対して近位方向に変位して、前記保持手段を第1部材ロック位置から第1部材解放位置に移動可能とする、請求項6〜9のいずれかに記載のツール。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれかに記載のアンビルおよび請求項6〜10のいずれかに記載のツールとを備える、部品キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吻合装置の装着ツールに関し、特に、腸の側壁に吻合装置を配置するための装着ツールに関するものである。
【0002】
さらに、本発明は、管状組織に吻合装置を装着するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
結腸直腸癌は、毎年およそ百万人の新患者が発生している世界で3番目に頻度が高い種類の癌である。癌の発生は、世界の先進工業地域でかなり高い頻度で起こる。
【0004】
中空臓器の吻合を機械的に実行するための現行の技法は、円形の機械式ステープラーを使用し、金属またはプラスチックのステープルにより、切開した中空臓器の組織縁部を接続する。様々な外科用ステープラーが、胃、食道および腸の手術のために開発されている。外科の吻合ステープルを行う際、一般に、ループステープラが閉じているステープルリングにより中空臓器の2片が接合される。端部と端部の吻合は一般に、一対の互い違いのステープルリングを送り込む管腔用外科ステープラーにより行われる。この過程中に、円形ナイフの刃を用いて、円形リング内側に保持される組織を切り離す。次いで、切り離した組織をステープラーにより除去して、ステープルラインに沿って管腔内に円形の開口部を形成する。
【0005】
吻合治癒に関する主な問題点は、治癒過程中の吻合部の血液循環である。過去数十年にわたる手術技法の飛躍的な進展にもかかわらず、胃腸管内切除後の、例えば吻合部からのリークによる罹患率および死亡率が、重大な問題として残っている。吻合領域の治癒過程において当たり前のように起こる虚血および炎症が、患者にとって致命的なリークおよび二次感染を起こすことがある。従って、特に吻合が結腸の下部および直腸で行われた場合、別の経路のストーマを施すことにより吻合部から圧力を解放するのが一般的な方法となっている。治癒過程で、吻合部からの圧力および糞便の流れを開放することにより、リークの発生を減少させ、吻合部裂開による致命的な結末を回避することができる。患者は約3〜6ヶ月の間、一時的にストーマを付けていなければならないし、そのストーマ閉鎖のために2回目の手術を受けなければならないので、患者にとって不便であるのは明白である。残念なことに多くの場合、ストーマを閉鎖しても元に戻すことができず、患者は永久的にストーマを付けたままの生活を強いられ、また費用がかさむため生活の質が低下する。
【0006】
また、吻合部狭窄のリスクが増加し、外科手術用ステープラーは、中空構造の2つの端部を連結する内側のステープルに起因して、元の内腔の断面に比べて小さくて剛性のある開口を生成する。すなわち狭窄をもたらし得るカラー部が形成される可能性がある。
【0007】
このため、この技術分野においては、これらの不具合を克服する装置の開発が要請されている。この要請に応えた一つの装置が、特許文献1に開示されており、そこで開示された装置は、チューブ状組織の吻合のために使用する相互連結された部材を備えている。この装置は、二つの剛性部を備えており、この剛性部の上には二つの弾性リングが配設されて、夫々、剛性部と対応する弾性部との間で腸の端部を保持するようになっている。その後、二つの剛性部は連結部材により連結される。しかしながら、接近が困難な腫瘍のため、腸の側部を他の側部または開口端に接続することがしばしば求められるが、このような開口端吻合リングを用いてこの接続を行うのは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開公報2007/122223
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それ故に、本発明は、好ましくは、当該技術における1つ以上の上記不具合および欠点を、それ単独でまたはいずれかの組み合わせにより、できれば軽減、緩和、または解消を図り、下記の三つの装置を提供することにより、少なくとも上記問題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の装置は、腸の側壁に装着された吻合装置の第1部材に関連して使用されるアンビルであって、
遠位ヘッド部および前記ヘッド部から近位に延在する接続ロッドを備え、
前記遠位ヘッド部は、第1部材ロック位置と第1部材解放位置との間で横方向および中心方向に変位可能な第1部材保持手段を有する、アンビルである。
【0011】
第2の装置は、上記のアンビルに関連して使用されて、吻合装置を腸の側壁に配設することに供されるツールであって、
前記アンビルの接続ロッドを受容するための受容部材と、
前記受容部材の円周方向に配設された、前記吻合装置の第2部材のためのシート部とを備え、
前記受容部材は前記シート部に対して変移自在である、ツールである。
【0012】
第3の装置は、前記アンビルおよび前記ツールを構成する部品のキットである。
【0013】
本発明の更なる他の目的、特徴事項および利点は、以下の詳細説明、添付の図面および従属クレームから明らかとなろう。
【0014】
本発明のこれらおよび他の様相、特徴事項および利点は、添付図面を考慮して以下の本発明の実施形態の詳細な説明を参照すれば、明白に、かつより良く理解されることとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る吻合装置の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る吻合装置の横側から見た分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係るアンビルの斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係るツールの斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係るアンビルが本発明の一実施形態に係るツールに連結されたときの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係るアンビルが本発明の一実施形態に係るツールに連結されたときの斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係るアンビルが本発明の一実施形態に係るツール内に配設されたときの断面図である。そして、
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係るアンビルが本発明の一実施形態に係るツール内に配設されたときの断面図であって、両者の相互関係を拡大視したものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1および
図2においては、腸の側壁に接続するための装置100が開示される。この装置100は、その後続いて、この腸の他の部分の側壁に接続される同じ仕様のもう一つの装置100に接続したり、従来技術の別の吻合装置に接続したりすることができる。腸の側壁に配設するための装置100は、第1部材10と第2部材20とを備える。第1部材10および第2部材20は、双方とも、略中空の開口構造となっている。
【0017】
第1部材10は、弾性部11と、
図2に示される剛体支持部12とを備える(尚、弾性部11の描写は、他の部材の視認を明瞭にするため、図示は割愛されている)。弾性部11は、略対称的な円環体をなしており、中実部材あるいは空気、ガスもしくは液体が充満されたチューブとして構成することができる。この円環体やチューブは、例えば、硬さ40〜70シューの弾性高分子材料から作製することができる。剛性支持部12は、弾性部11を安定化するのに十分な剛性のポリマー材料、より具体的には生体適合性材料、最も具体的には生分解性材料とすることができる。弾性部11は、例えばエラストマーのような適切なポリマーまたはゴム材料で作製された弾性リングとすることができる。弾性部11は、第1軸方向端部および第2軸方向端部を備える。剛性支持部12は、弾性部11の第1軸方向端部に配置されている。剛性支持部12もリング状に形成されており、その一方側が弾性部11を受容するようになっている。剛性支持部12の一方側には、次いで、弾性部着座部13を設けても良い。弾性部着座部13は、弾性部11の凸状の軸方向端部を受容するために、凹状に形成することができる。弾性部11の剛性支持部12への取り付けは、接着剤によっても良いし、オーバーモールド若しくは共成形によっても良い。
【0018】
腸からの腫瘍の除去の間、腸の患部は、両側から適切な距離をおいて、腸を切断することによって除去される。腫瘍がどこに、どのような態様で位置しているかによって、腸の一方の自由端の側部を他の自由端の側部に接続する必要があるかもしれないし、また、腸の一方の自由端の側部を他の自由端に接続する必要があるかもしれない。
図1および
図2による装置によれば、このような一方の自由端の側部を介した接続が可能となる。
【0019】
腸の自由端の側部を接続するときは、開放端がはじめに縫合糸で閉じられる。そして腸は、適切な位置で切開される。
図3では、装置100は、アンビル300に装着される。
【0020】
アンビル300は、円盤状のヘッド部301を備えており、このヘッド部のサイズや形状は、周縁部上に第1部材10を保持できるように、決定される。ツールと連結されて第2部材20の配設に用いられる接続ロッド302は、ヘッド部301から軸方向に延出する。腸の側壁が切開され、この後、第1部材10と一体的に配設されたヘッド部301が、腸に挿入される。続いて、接続ロッド302だけが切開部位から横方向に変位するように、切開部位が縫合される。
【0021】
次に、接続ロッド302には、
図4に示されるように、第2部材20の配設のために、ツール400が挿入される。この目的を達成するために、ツール400は、接続ロッド受容部材401を備える。接続ロッド受容部材401は、薄板403部を持つ雌部402を備えており、薄板は、アンビル300のロック用フランジ303の周辺部にパチンと弾性的に嵌着できるようになっている。雌部402の腔内においては、対応するロック用突条404が位置している。接続ロッド302は接続ロッド受容部材401に近位方向に挿入されて、薄板403を、ロック用フランジ303がロック用突条404の近位側を通過してロック用突条が中心方向にパチンと戻るまで、横方向および外方向に付勢される。
【0022】
この位置、つまり
図5に示される位置において、アンビル300は、ツール400に連結される。第2部材をツールの遠位端部側に受容することで、ツール400の遠位端部領域にある回転つまみ(図示略)をまわしたときにアンビル300をツール400に引き込むために、第2部材用シート部材405に対して、接続ロッド受容部材401の近接移動が可能となるように、接続ロッド受容部材401の近位領域に、ネジ部を形成することができる。
【0023】
第2部材20は、第1軸方向端部および第2軸方向端部を備える。第2部材20の第1軸方向端部が弾性部11の第2軸方向端部の形状と一致しており、腸壁を、弾性部11の第2軸方向端部と第2部材20の間に均等に分布させることができる。第1部材10を第2部材20に接続するために、連結部材30が設けられている。連結部材30は、第2部材上の少なくとも一つの雄部31、および第1部材10上の少なくとも一つの雌部32とすることができる。
図1および
図2に開示された実施形態においては、第2部材20上の雄部31はピン31であって、第1部材10上の剛性支持部12は、穴ないしはスリット32を、雄部と対応する雌部32として備えており、ピン31を穴ないしはスリット32に挿入することにより、第2部材20を第1部材10に接続することができる。第2部材20上のピン31は、抜け止め部33を備えることができ、また、第1部材10上の剛性支持部12の穴ないしスリット32には、開口部にフランジを設けて、第1部材10と第2部材20とを所定の間隔をおいて相互に連結して、第1部材10の弾性部11と第2部材20との間で腸を所定の圧力で挟むことができる。
【0024】
図1および
図2の実施形態における第2部材20は、腸作用部21およびピン担持兼組織切断部22を備える。腸作用部21およびピン担持部22は、ポリマー材料、より具体的には、生体適合性材料、そして最も具体的には、生分解性材料で作製されるのが好ましい。ピン担持部22から延出するピン31は、生体適合性の金属材料で作製されるのが好ましいが、剛性のポリマーで作製することも考えられる。腸作用部21は、その第1軸方向端部において、腸および第1部材10と対向するように、凹状の腸/弾性部着座23を有しており、腸と接触するように形成された丸形状の弾性部11が、適宜、第2部材20上に着座できるようになっている。腸作用部21は、穴ないしスリット24を有しており、ピン担持体部22にはピン31が設けられている。ピン31は、穴ないしスリット24に受容されて、ピン31が、第1部材10の支持部12に接近して、支持部12と相互連結するようになっている。このようにすれば、第2部材20の作製が容易となる。というのは、腸作用部21の凹状へのピンの配置と、第1部材10上の剛性支持部12の穴ないしスリット32へのピンの位置的および方向的な対応付けとを同時に行うのは至難だからである。同時に、ピン担持・組織切断部22には、鋭利な切断刃25が備えられており、この切断刃25を用いることにより、ピン31が第1部材10の穴ないしスリット32を貫通したときに、第1部材10と第2部材20との間の中にある腸組織を切断することができるようになっている。
【0025】
アンビル300は、第1部材10と第2部材20とが係合するまで、ツール400に引き込まれる。
図5〜
図8に示されるように、第1部材10と第2部材20とが一体となるとき、ピン31は、切開部の周囲の腸の壁を貫通することになる。その後、ピン31は第1部材10上の剛性支持部12の穴ないしスリット32内に入り込むことになる。抜け止め部33とフランジ34が共同して第1部材10と第2部材20とを連結固定することになる。このように、第1部材10と第2部材20とは、弾性部11の半径内方向側において、相互に連結され、腸の壁は、第1部材10の弾性部11と凹状の腸/弾性部着座23との間で、均一圧力でもって、挟持される。これは、上記に従って、アンビル300がツール400に引き込まれて、第1部材10と第2部材20とが共同するまで、ツール400の近位端部のつまみを操作することで、実現することができる。
【0026】
第1部材10と第2部材20とが係合した位置で腸の壁が弾性部11と切開部の周辺の第2部材20との間にて挟持された後、アンビル30がツール400内に引き込まれて、所定位置に至って、腸壁を貫通したピン31が第1部材10に固定される時、上述のように、切断刃25が、腸の組織を、第1部材10と第2部材20との間において切断する。切断刃25は円形であって、第2部材20の内縁部に形成しても良いが、同時に、アンビル300が腸から撤退できるように、ヘッド部301の円周よりも大きくしても良い。切断刃25が駆動されて、第1部材10および腸作用部21から遠ざかるように移動されると、切断刃25が、腸の組織を、第1部材10と第2部材20の内周に沿って切断する。切断刃25は、シート部405に設けてネジ軸上のプッシュ体406を操作して末端方向に移動するようにして、ツール400の近位端部にある別のつまみ(図示略)を操作して、プッシュ体406を介して、切断刃25をネジに沿って遠位に移動させても良い。また、プッシュ体406をスプリング機構に吊設して、スプリングが放された時、遠位に放たれたプッシュ体406が腸を切断するようにすることもできる。
【0027】
アンビル300には、ヘッド部301の円周部から横方向に延在する第1部材保持手段304が設けられている。保持手段304は、第1部材10の対応する溝と係合するか、第1部材10の遠位に位置することで、第1部材10の遠位方向への移動の防止のために、第1部材10をロックする。保持手段は、中心方向に変位可能となっており、これにより、第1部材10はヘッド部301およびアンビル300から釈放される。一実施形態においては、保持手段304は横方向に延在するブレードを備えており、このブレードは、中心方向に延在して接続ロッド302方向に向かった後に、接続ロッド302に沿って近位方向に延在する。ブレードが近位方向に引かれた時、ブレードは、ヘッド部301の円周部から中心方向に移動して、第1部材10を釈放するようになっている。ブレード/保持手段304の把持を容易にするため、ブレード/保持手段の近位端部には、接続ロッド302に沿って、ノブや融溶部のような突条305が設けられる。リング306を突条305の横方向側に設けて突条の近位方向移動延いてはヘッド部301の周辺部から中心部側への撤退を容易にしても良い。次に、例えば、リング306とスリーブ307との間に保持手段304を掴持することにより、保持手段304をスリーブ307に連結させる。スリーブ307は、変移自在に、接続ロッド302に設けられる。スリーブ307の近位側領域には、ロック用フランジ308が位置している。
【0028】
プッシュ体406が切断刃25を介して腸壁を切断すべく遠位方向に移動されると、保持手段304を係合するための部材、例えば、保持手段コネクタ407が、保持手段304と協同する。これにより、切断要素および/またはコネクタ407の近位方向移動により保持手段304が接続ロッド302に沿って近位方向に引っ張られ、保持手段304がヘッド部301の周辺部から中心部側へ撤退することで、第1部材10を釈放することになる。保持部材コネクタ407には、例えば、アンビル300が近位側のツール400に移動されている間に、ロック用フランジ308により押圧された時に横方向外方に付勢する遠位ロック用リップ部408を設けることができる。フランジ308が近位方向移動をしてロック用リップ408を通過した時、ロック用リップ408は、フランジ308の遠位側に同心的にパチンと弾接嵌着する。かくして、これに伴うコネクタ407の近位方向への移動により、保持手段304が近位方向へ移動して、アンビル300の円盤状ヘッド部301の周辺部から保持手段304を同心的に移動させる。保持手段コネクタ407は、第2部材用シートに対して近位方向に変位可能としても良く、これにより、保持手段304を第1部材ロック位置から第1部材釈放位置に移動させることができる。それ故に、切断刃25による切断の後、プッシュ体406は、第1部材10および第2部材20に対して、近位方向に変位することになる。同時に、コネクタ407は、近位方向に保持手段304を引っ張って第1部材をアンビル300から釈放し、これにより、第1部材と連結状態にある第2部材20を、同時に、アンビル30から釈放することになる。プッシュ体406およびコネクタ407は、回転つまみ操作により近位方向に変位できるように、上記のように、ネジ軸上に配設することができる。
【0029】
その後、アンビル300が腸から後退した時、装置100は、腸の側壁にしっかりと配設されることとなり、腸の組織は装置100の管腔から取り除かれる。この位置において、装置100は、別のコネクタや、従来技術である国際公開公報:WO2007−122223号に従った吻合装置に接続することができる。別のコネクタは、略中空開口の構造とすることができる。別のコネクタには、その自由端部から軸方向に延在するスリットを、周辺部全体に設けスリッド間の舌部を形成できる。スリットおよび舌部の中心部には、中央管部が配設される。各側の舌部の少なくとも一つには、他の舌部の自由端部に隣接若しくは所定の距離をおいた外向きの突起が設けられる。中央管部には、カテーテルに連結可能な貫通穴を設けても良い。カテーテル内に圧送された水若しくは空気が、腸壁を挟持した弾性部11間のシール圧をチェックできるように、カテーテルは、患者の腸管に沿って患者の肛門から体外に出すことができるだけの長さを持っている。
【0030】
上述のように、当業者が本発明を実施できるように本発明の幾つかの実施の形態例を、図面を参照して説明した。しかし、これら実施の形態例に含まれる特徴事項および方法ステップにより本発明は限定されない。さらに、特徴事項および方法ステップは詳細に説明したものと異なる方法で組み合せることができる。
【0031】
請求項では、用語「備える/備えている」は他の要素またはステップの存在を排除しない。さらに、個々にリストアップしているが、複数の手段、要素または方法ステップを実施してもよい。加えて、個々の特徴が様々な実施の形態に含まれているが、これらは他の組み合わせとすることも可能であり、また様々な実施の形態に含まれているからといって、特徴を組み合せることが実行不可能であることを意味しない。さらに、単数の参照は複数であることを排除しない。用語「”a”、”an”」は複数であることを排除しない。クレーム内の参照符号は実施例を明解にするために提供しているに過ぎず、いずれにせよクレームの範囲を限定しているものと解釈してはならない。
【国際調査報告】