(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-532899(P2015-532899A)
(43)【公表日】2015年11月16日
(54)【発明の名称】インクジェットプリントヘッドの欠陥ノズルを特定する方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20151020BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20151020BHJP
【FI】
B41J2/165 501
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-532372(P2015-532372)
(86)(22)【出願日】2013年9月11日
(85)【翻訳文提出日】2015年3月18日
(86)【国際出願番号】EP2013068859
(87)【国際公開番号】WO2014044587
(87)【国際公開日】20140327
(31)【優先権主張番号】61/704,094
(32)【優先日】2012年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】512193425
【氏名又は名称】メムジェット テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】オールワース,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,マシュー
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA08
2C056EB27
2C056EB40
(57)【要約】
プリントヘッドの欠陥ノズルを特定する方法。方法は、(i)それぞれのコード化されたラインパターンを印刷するようにプリントヘッドの1つのインク面の各ノズルに指示するステップであって、各々のコード化されたラインパターンは、印刷画素および欠如画素の1つの列によって表され、コード化されたラインパターンは、そのそれぞれのセル内の各ノズルの位置およびそのそれぞれのインク面内の各セルの位置を符号化する、第1および第2のコード化スキームによって定義される、ステップと、(ii)多数の近隣のコード化されたパターンを含むテストパターンを印刷するため、インク面の各ノズルを噴射させるステップと、(iii)画像化済みテストパターンを得るため、テストパターンの領域を画像化するステップと、(iv)第1および第2のコード化スキームを使用して、画像化済みテストパターンを復号するステップと、(iv)復号された画像化済みテストパターンを使用して、欠陥ノズルを特定するステップとを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各インク面は、同じインクが供給されるノズルの少なくとも1つの行を含み、1つのインク面の前記ノズルは、名目上、多数の近隣のセルに分割され、各セルは、一連の近隣のノズルを含む、1つまたは複数のインク面を有するプリントヘッドの欠陥ノズルを特定する方法において、
それぞれのコード化されたラインパターンを印刷するように前記プリントヘッドの1つのインク面の各ノズルに指示するステップであって、各々のコード化されたラインパターンは、印刷画素および欠如画素の1つの列によって表され、前記コード化されたラインパターンは、第1および第2のコード化スキームによって定義され、前記第1のコード化スキームは、そのそれぞれのセル内の各ノズルの位置を符号化し、前記第2のコード化スキームは、そのそれぞれのインク面内の各セルの位置を符号化する、ステップと、
多数の近隣のコード化されたラインパターンを含むテストパターンを印刷するため、前記インク面の各ノズルを噴射させるステップと、
画像化済みテストパターンを得るため、前記テストパターンの領域を画像化するステップと、
前記第1および第2のコード化スキームを使用して、前記画像化済みテストパターンを復号するステップと、
前記復号された画像化済みテストパターンを使用して、前記欠陥ノズルを特定するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記第1のコード化スキームは、第1のビット値1および0を使用し、第1のビット値1は、第1のセルの印刷画素および逆の第2のセルの欠如画素によって表され、第1のビット値0は、前記第1のセルの欠如画素および前記逆の第2のセルの印刷画素によって表されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記第2のコード化スキームの第2のビット値は、前記第1のセルおよび前記逆の第2のセルによって表されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、ノズルのセルは、kの近隣のノズルとして定義され、kは、2〜100の整数であり、前記ノズルのセルは、kの近隣のコード化されたラインパターンの対応するセルを印刷することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、1つのセルの前記ノズルは、物理的に並置されるおよび/または論理的に並置されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、任意の1つのセル内に含まれるそれぞれのノズルによって印刷された前記コード化されたラインパターンは、ゼロオフセットで相互に直交するコードを定義することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記第1のコード化スキームは、アダマール行列に基づくことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記第1のコード化スキームでは、前記アダマール行列の第1の列は使用されないことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記第2のコード化スキームは、M系列に基づくことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記M系列は、長さ(2n−1)のものであり、nは、1以上の整数であり、前記テストパターンの前記画像化領域は、少なくともn個の完全なセルに対する完全なコード化されたラインパターンを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記テストパターンの前記画像化領域は、前記テストパターンの完全な範囲に満たないことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、各ラインパターンは、バランスが取れており、等しい数の印刷画素および欠如画素を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、前記ラインパターンは、コードワードに基づき、前記画像化済みテストパターンは、前記それぞれのコードワードとそれぞれのラインパターンとの内積を計算することによって復号されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、欠陥ノズルは、前記復号された画像化済みテストパターンが無効値を含むかどうかを決定することによって特定されることを特徴とする方法。
【請求項15】
各インク面は、同じインクが供給されるノズルの少なくとも1つの行を含み、1つのインク面の前記ノズルは、名目上、多数の近隣のセルに分割され、各セルは、一連の近隣のノズルを含む、プリントヘッドの少なくとも1つのインク面からその上に印刷されたテストパターンを有する印刷媒体において、前記テストパターンは、前記インク面のそれぞれの近隣のノズルから印刷された多数の近隣のコード化されたラインパターンを含み、各々のコード化されたラインパターンは、印刷画素および欠如画素の1つの列によって表され、前記コード化されたラインパターンは、第1および第2のコード化スキームによって定義され、前記第1のコード化スキームは、そのそれぞれのセル内の各ノズルの位置を符号化し、前記第2のコード化スキームは、そのそれぞれのインク面内の各セルの位置を符号化することを特徴とする印刷媒体。
【請求項16】
請求項15に記載の印刷媒体において、前記第1のコード化スキームは、第1のビット値1および0を使用し、第1のビット値1は、第1のセルの印刷画素および逆の第2のセルの欠如画素によって表され、第1のビット値0は、前記第1のセルの欠如画素および前記逆の第2のセルの印刷画素によって表されることを特徴とする印刷媒体。
【請求項17】
請求項16に記載の印刷媒体において、前記第2のコード化スキームの第2のビット値は、前記第1のセルおよび前記逆の第2のセルによって表されることを特徴とする印刷媒体。
【請求項18】
請求項15に記載の印刷媒体において、前記テストパターンは、連続二層画素の二次元アレイを含むことを特徴とする印刷媒体。
【請求項19】
各インク面は、同じインクが供給されるノズルの少なくとも1つの行を含み、1つのインク面の前記ノズルは、名目上、多数の近隣のセルに分割され、各セルは、一連の近隣のノズルを含む、1つまたは複数のインク面を有するプリントヘッドの欠陥ノズルを特定するための装置において、
印刷媒体上に印刷されたテストパターンの領域を光学的に画像化するためのセンサであって、前記テストパターンは、前記プリントヘッドのインク面のそれぞれの近隣のノズルから印刷された多数の近隣のコード化されたラインパターンを含み、各々のコード化されたラインパターンは、印刷画素および欠如画素の1つの列によって表され、前記コード化されたラインパターンは、第1および第2のコード化スキームによって定義され、前記第1のコード化スキームは、そのそれぞれのセル内の各ノズルの位置を符号化し、前記第2のコード化スキームは、そのそれぞれのインク面内の各セルの位置を符号化する、センサと、
前記第1および第2のコード化スキームを使用して、前記画像化済みテストパターンを復号し、
前記復号された画像化済みテストパターンを使用して、前記欠陥ノズルを特定する
ように構成された、プロセッサと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、前記ラインパターンは、コードワードに基づき、前記プロセッサは、
前記それぞれのコードワードとそれぞれのラインパターンとの内積を計算することによって前記画像化済みテストパターンを復号し、
前記復号された画像化済みテストパターンが無効値を含むかどうかを決定することによって欠陥ノズルを特定する
ように構成されることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、インクジェットプリンタに関し、具体的には、インクジェットプリンタのプリントヘッドの欠陥ノズルを特定することに関する。
【背景技術】
【0002】
非機能または故障ノズルの検出を含むノズル完全性の点におけるプリントヘッドの機能性に関する情報を集める必要性が存在する。そのような情報は、初期のプリントヘッド校正のための生産段階の間、そして、より重要には、主要技術開発段階および再校正段階の間に非常に重要である。ある高性能の市販のプリンタでは、使用の間、非常に高い解像度のスキャン技術を用いることなく、故障ノズルに関する情報を提供することも望ましい場合がある。高速でロバストでスケーラブルだが手頃な手段を提供して前述のノズル完全性情報を確認することは、インクジェットの技術的進歩を成功させるために不可欠である。
【0003】
故障ノズルは、通常、特別に設計されたパターンを印刷媒体のサンプル上に印刷することによって検出される。次いで、印刷媒体は、電荷結合素子(CCD)ラインスキャナなどの電子画像化デバイスを使用してデジタル化され、印刷パターンの画像が形成される。最後に、パターンの画像が分析され、適切な情報が抽出される。しかし、先行技術の方法は、一般に、速度、コスト、スケーラビリティおよび/または信頼性の点において制限される。
【0004】
図1は、故障ノズルの検出に使用される例示的なパターンの画像を示す。矢印100は、印刷方向を示す。例示的なパターンは、プリントヘッドのノズルをグループに分割し、次いで、各グループからの単一のノズルを制御して既定の長さを有するラインセグメント(ラインセグメント101など)を印刷することによって形成される。各グループからの単一のノズルがそのラインセグメント完了した後、グループの各々からの次の近隣のノズルは、各々が別のラインセグメントを印刷するように制御され、プリントヘッドのすべてのノズルがそれぞれのラインセグメントを印刷するまで次々と行われる。
図1に示される例示的なパターンでは、それぞれのノズルによって印刷されたラインセグメントを区別することを支援するため、連続した近隣のノズルによって印刷されるラインセグメント間にスペース(スペース102など)が残されている。その上、いかなる時点においても各グループからの1つのノズルのみが印刷を行うという事実により、ラインセグメントは、移動方向に対して横方向に分離される(間隔103など)。間隔103は、大部分は、テストパターンの分析に使用される画像化デバイスの解像特性によって決定される。
【0005】
図1に示される例示的なパターンから明白なように、パターンは、空間的に疎なものであり、多くの余白部分を含む。余白部分は情報を含まないため、例示的なパターンおよび他の類似パターンは、非効率的なものと見なされ、必要な故障ノズルの情報を集めるためにページの大部分の画像化を必要とする。
【0006】
恐らく、
図1に示される例示的なパターンのより重要な欠陥は、プリントヘッドが非従来の非現実的な状態で駆動されること、すなわち、特定のノズルがそのラインセグメントを印刷している間、その近隣のノズルはどれも印刷していないということである。いくつかの印刷アーチファクト(例えば、低いノズルチャンバ補充率から生じるもの)は、近隣のノズルのグループが同時に印刷している際にのみ明らかである。したがって、
図1に示される例示的なパターンは、現実的な印刷シナリオにおけるいくつかの不良ノズルの検出に失敗する恐れがある。
【0007】
依然として
図1を参照すると、故障ノズルの存在は、ラインセグメント101の欠如(領域104など)によって示されている。現在の手法は、パターン内のサンプリングされた位置において媒体上に付着させるインクの量を定量化することによってラインセグメントの存在を確立するための同様の方法論を共有する。しかし、それらの方法は、例えば、インク滴の誤方向吐出または「保湿吐出」(ノズルを断続的に駆動してインクを噴出しノズルの乾燥を防ぐ)105などの干渉を受けやすい(例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,246,876号明細書を参照)。
【0008】
ラインセグメントを欠如する領域104を特定した後に経験する困難は、プリントヘッドのどのノズルが欠陥を有するかを決定することである。欠陥ノズルを特定することを支援するため、多くの登録マーク/基準がパターンと一緒に印刷される。
図2は、登録マーク/基準202、203を含む例示的なパターン201を示す。登録マーク/基準202、203を処理し、登録マーク/基準202、203を使用して欠陥ノズルを特定することにより、全処理が大幅に増大し、パターンに既に存在する非効率性もさらに増大する。
【0009】
ページ幅プリントヘッドなどの多数のノズルを有するプリントヘッドに対して、高速で信頼性のあるスケーラブルな、プリントヘッドの欠陥ノズルを特定する方法を提供することが望ましい。
【0010】
さらに、近隣のノズルを同時に噴射させるプリントヘッドの現実的な印刷状態で欠陥ノズルを特定する方法を提供することが望ましい。本文脈では、「同時に噴射させる」は、「1ライン時間内で噴射させる」ことを意味し、1ライン時間は、画像の1つのラインを印刷するためにノズルの1つの行に割り当てられた時間である。
【発明の概要】
【0011】
第1の態様では、各インク面は、同じインクが供給されるノズルの少なくとも1つの行を含み、1つのインク面のノズルは、名目上、多数の近隣のセルに分割され、各セルは、一連の近隣のノズルを含む、1つまたは複数のインク面を有するプリントヘッドの欠陥ノズルを特定する方法において、
それぞれのコード化されたラインパターンを印刷するようにプリントヘッドの1つのインク面の各ノズルに指示するステップであって、各々のコード化されたラインパターンは、印刷画素および欠如画素の1つの列によって表され、コード化されたラインパターンは、第1および第2のコード化スキームによって定義され、第1のコード化スキームは、そのそれぞれのセル内の各ノズルの位置を符号化し、第2のコード化スキームは、そのそれぞれのインク面内の各セルの位置を符号化する、ステップと、
媒体供給方向においてゼロオフセットを有する多数の近隣のコード化されたラインパターンを含むテストパターンを印刷するため、インク面の各ノズルを噴射させるステップと、
画像化済みテストパターンを得るため、テストパターンの領域を画像化するステップと、
第1および第2のコード化スキームを使用して、画像化済みテストパターンを復号するステップと、
復号された画像化済みテストパターンを使用して、欠陥ノズルを特定するステップと
を含む、方法が提供される。
【0012】
第1の態様による方法は、有利には、1つのインク面からの近隣のノズルを同時に噴射させる際の故障ノズルの検出を可能にする。具体的には、説明されるように、2つの異なるコード化スキームを使用することにより、プリントヘッドの近隣のノズルを同時に噴射させる際でさえ、故障ノズルの特定が可能になる。2つの異なるコード化スキームの追加の利点は、比較的低い画像解像度でさえ、故障ノズルが検出可能であることである。したがって、方法は、現場に設置されたプリントヘッドに関連して、ならびに、プリントヘッド認定およびテストの間に使用することができる。これらのおよび他の利点は、以下の本発明の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【0013】
好ましくは、テストパターンは、連続二層画素の二次元アレイ(すなわち、連続した印刷画素および欠如画素のアレイ)を含み、印刷画素はすべて同じインクで印刷される。
【0014】
好ましくは、第1のコード化スキームは、第1のビット値1および0を使用する2進コードである。第1のビット値1は、通常、第1のセルの印刷画素および第2の(逆)セルの欠如画素によって表され、第1のビット値0は、通常、第1のセルの欠如画素および第2の(逆)セルの印刷画素によって表される。したがって、第1および第2のセルは、第1のコード化スキームの同じビット値を異なる形で表す。
【0015】
好ましくは、第2のコード化スキームの第2のビット値は、第1のセルおよび逆の第2のセルによって表される。したがって、第1および第2のコード化スキームは両方とも、各セルのコード化されたラインパターンを定義するために使用される。
【0016】
好ましくは、ノズルのセルは、kの近隣のノズルとして定義され、kは、2〜100の整数であり、前記ノズルのセルは、kの近隣のコード化されたラインパターンの対応するセルを印刷する。
【0017】
好ましくは、各インク面は、少なくとも1000、少なくとも3000、少なくとも5000または少なくとも10,000個のノズルを含む。
【0018】
好ましくは、テストパターンの1つの行の印刷画素の重心間の間隔は、50ミクロン未満、40ミクロン未満または30ミクロン未満である。
【0019】
好ましくは、1つのセルのノズルは、物理的に並置されるおよび/または論理的に並置される。物理的に並置されたノズルは、通常、プリントヘッドの1つのノズル行内で互いに物理的に近隣するノズルである。論理的に並置されたノズルは、通常、同じインク面内の異なるノズル行からのものであるが、同じ印刷ライン上に近隣のドットを印刷する。例えば、1つのインク面は、ページ上に「偶数」および「奇数」ドットを印刷するための対のノズル行を含み得る。たとえ「偶数」ノズルがプリントヘッド上で「奇数」ノズルと物理的に並置されなくとも、「偶数」行からのノズルは、「奇数」行からの2つのノズルと論理的に並置される場合がある。同様に、「奇数」行からの2つのノズルは、物理的に並置されるが、論理的に並置されない場合がある。
【0020】
好ましくは、任意の1つのセル内に含まれるそれぞれのノズルによって印刷されたコード化されたラインパターンは、ゼロオフセットで相互に直交するコードを定義する。本文脈では、「ゼロオフセット」は、一般に、コード化されたラインパターンが媒体供給方向において互いにオフセットされない、すなわち、言い換えれば、各々のコード化されたラインパターンの第1の画素位置が印刷の同じ行にあることを意味する。
【0021】
好ましくは、第1のコード化スキームは、アダマール行列(例えば、ウォルシュコード)に基づく。好ましくは、第1のコード化スキームでは、アダマール行列の第1の列(すなわち、列0)は廃棄される。好ましくは、第1の列が廃棄されると、第1のコード化スキームでは、アダマール行列の二列につき一列(すなわち、列2、4、6など)しか使用されない。
【0022】
好ましくは、第2のコード化スキームは、M系列に基づく。
【0023】
各インク面は、それぞれの第2のコード化スキームを有し得る(例えば、各インク面に対して異なるM系列)。あるいは、1つの第2のコード化スキームを使用して、プリントヘッドのすべてのインク面にわたってセル位置を符号化することができる(例えば、すべてのインク面に対して1つのM系列)。何れのシナリオでも、第2のコード化スキームはそのそれぞれのインク面内の各セルの位置を符号化することが理解されよう。
【0024】
好ましくは、M系列は、長さ(2
n−1)のものであり、nは、1以上の整数であり、テストパターンの画像化領域は、少なくともn個の完全なセルに対する完全なコード化されたラインパターンを含む。
【0025】
好ましくは、各ラインパターンは、バランスが取れている、すなわち、等しい数の印刷画素および欠如画素を有する。
【0026】
好ましくは、ラインパターンは、コードワードに基づき、画像化済みテストパターンは、それぞれのコードワードとそれぞれのラインパターンとの内積(「ドット積」)を計算することによって復号される。
【0027】
好ましくは、欠陥ノズルは、復号された画像化済みテストパターンが無効値を含むかどうかを決定することによって特定される。
【0028】
第2の態様では、各インク面は、同じインクが供給されるノズルの少なくとも1つの行を含み、1つのインク面のノズルは、名目上、多数の近隣のセルに分割され、各セルは、一連の近隣のノズルを含む、プリントヘッドの少なくとも1つのインク面からその上に印刷されたテストパターンを有する印刷媒体において、テストパターンは、インク面のそれぞれの近隣のノズルから印刷された多数の近隣のコード化されたラインパターンを含み、各々のコード化されたラインパターンは、印刷画素および欠如画素の1つの列によって表され、コード化されたラインパターンは、第1および第2のコード化スキームによって定義され、第1のコード化スキームは、そのそれぞれのセル内の各ノズルの位置を符号化し、第2のコード化スキームは、そのそれぞれのインク面内の各セルの位置を符号化する、印刷媒体が提供される。
【0029】
第3の態様では、各インク面は、同じインクが供給されるノズルの少なくとも1つの行を含み、1つのインク面のノズルは、名目上、多数の近隣のセルに分割され、各セルは、一連の近隣のノズルを含む、1つまたは複数のインク面を有するプリントヘッドの欠陥ノズルを特定するための装置において、
印刷媒体上に印刷されたテストパターンの領域を光学的に画像化するためのセンサであって、テストパターンは、プリントヘッドのインク面のそれぞれの近隣のノズルから印刷された多数の近隣のコード化されたラインパターンを含み、各々のコード化されたラインパターンは、印刷画素および欠如画素の1つの列によって表され、コード化されたラインパターンは、第1および第2のコード化スキームによって定義され、第1のコード化スキームは、そのそれぞれのセル内の各ノズルの位置を符号化し、第2のコード化スキームは、そのそれぞれのインク面内の各セルの位置を符号化する、センサと、
第1および第2のコード化スキームを使用して、画像化済みテストパターンを復号し、
復号された画像化済みテストパターンを使用して、欠陥ノズルを特定する
ように構成された、プロセッサと
を備える、装置が提供される。
【0030】
好ましくは、第1のコード化スキームは、アダマール行列に基づき、第2のコード化スキームは、M系列に基づく。
【0031】
好ましくは、M系列は、長さ(2
n−1)のものであり、nは、1以上の整数であり、光学的な画像化センサの画像化領域(すなわち、視野)は、少なくともn個の完全なセルを捕捉するように寸法設定される。通常、光学的な画像化センサの視野は、テストパターンの全範囲に満たない。
【0032】
いくつかの実施形態では、装置は、インクジェットプリントヘッドと、光学的な画像化デバイスと、プロセッサとを備えるプリンタの形態であり得る。プリントヘッドの下流の媒体供給経路に配置された統合スキャナを備えるプリンタについては、例えば、米国特許出願公開第2011/0025799号明細書に記載されている。当然ながら、統合スキャナを備える他のタイプの多機能プリンタも当技術分野でよく知られている。
【0033】
ここでは、図面を参照して、先行技術のいくつかの態様および本発明の1つまたは複数の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、故障ノズルの検出に使用される例示的なパターンの画像を示す。
【
図2】
図2は、登録マーク/基準を含む例示的なパターンを示す。
【
図3】
図3は、インクジェットプリンタのプリントヘッドの欠陥ノズルを特定するためのシステムを概略的に示す。
【
図4】
図4は、本発明による、インクジェットプリンタのプリントヘッドの欠陥ノズルを特定する方法の概略フロー図を示す。
【
図5】
図5は、ノズルのセルによって印刷された3つの一意的にコード化されたラインパターンを示す。
【
図6】
図6は、21個のノズルの位置を一意的に符号化するための例示的なテストパターンを示す。
【
図7】
図7は、画像化済みテストパターンを復号するサブステップの概略フロー図を示す。
【
図8A】
図8Aは、例示的な画像化済みテストパターンの復号を示す。
【
図8B】
図8Bは、例示的な画像化済みテストパターンの復号を示す。
【
図8C】
図8Cは、例示的な画像化済みテストパターンの復号を示す。
【
図8D】
図8Dは、例示的な画像化済みテストパターンの復号を示す。
【
図8E】
図8Eは、例示的な画像化済みテストパターンの復号を示す。
【
図9A】
図9Aは、例示的なテストパターンの一部の画像の復号および欠陥ノズルの位置の特定を示す。
【
図9B】
図9Bは、例示的なテストパターンの一部の画像の復号および欠陥ノズルの位置の特定を示す。
【
図9C】
図9Cは、例示的なテストパターンの一部の画像の復号および欠陥ノズルの位置の特定を示す。
【
図9D】
図9Dは、例示的なテストパターンの一部の画像の復号および欠陥ノズルの位置の特定を示す。
【
図9E】
図9Eは、例示的なテストパターンの一部の画像の復号および欠陥ノズルの位置の特定を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
添付図面の何れか1つまたは複数において同じ参照番号を有するステップおよび/または特徴を参照する場合、反対の意図が現れない限り、それらのステップおよび/または特徴は、この説明の目的のため、同じ機能または動作を有する。
【0036】
図3は、インクジェットプリンタ310のプリントヘッドの欠陥ノズルを特定するためのシステム300の概略図である。システム300は、テストが行われるインクジェットプリンタ310と、スキャナ320などの光学的な画像化デバイスと、汎用コンピュータ330などの処理デバイスとを含む。インクジェットプリンタ310およびスキャナ320は、コンピュータ330に接続され、コンピュータ330によって制御される。光学的な画像化デバイスは、フラットベッドスキャナ320として示されているが、他のタイプの光学的な画像化デバイスを使用できることが理解されよう。例えば、画像化デバイスは、ポータブルなハンドヘルドのスキャナであり得る。あるいは、画像化デバイスは、プリンタ310に組み込むことができ、好ましくは、インクジェットプリントヘッドの下流の媒体供給経路に配置される(例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0025799号明細書に記載されるプリントヘッドおよびスキャナ構成を参照)。
【0037】
図4は、本発明による、インクジェットプリンタ310(
図3)のプリントヘッドの欠陥ノズルを特定する方法400の概略フロー図を示す。方法400のプロセスは、好ましくは、コンピュータ330(
図3)内で実行可能なソフトウェアとして実装される。あるいは、方法400は、マイクロプロセッサおよび関連メモリを含む専用ハードウェアで実装することができる。例えば、カスタマイズされた光学的な画像化デバイスは、本発明の方法を実装するためのプロセッサおよび埋め込みファームウェアを備え得る。
【0038】
方法400は、コンピュータ330がインクジェットプリンタ310を制御してテストパターンを印刷するステップ410で始まる。好ましい実装では、各インク面(「カラー面」)に対応するノズルは、そのカラー面に対する欠陥ノズルを特定するために別々に処理される別々のテストパターンを印刷する。以下で詳細に説明されるように、テストパターンは、並置されるコード化されたラインパターンから作られ、各々のコード化されたラインパターンは、インクジェットプリンタ310のプリントヘッドのそれぞれのノズルによって印刷される。テストパターンは、そのそれぞれのコード化されたテストパターンの正確な印刷に失敗した個々のノズルを特定できるようにコード化される。それに従って、テストパターンは、個々のノズルのアイデンティティまたはプリントヘッド内の位置を符号化する。
【0039】
次いで、方法400は、コンピュータ330がスキャナ320を使用してテストパターンの少なくとも一部の画像を取得するステップ420に進む。分かり易いように、以降、その画像は、単にテストパターン画像と呼ばれる。
【0040】
ステップ430では、コンピュータ340は、テストパターン画像を復号する。次に、方法400は、復号されたテストパターンがコンピュータ330によって処理され、スキャナ320によって画像化されたテストパターンの一部が、欠陥ノズルによって印刷されたラインパターンを含むかどうかや、そのような欠陥ノズルの位置が決定されるステップ440に進む。より具体的には、欠陥ノズルは、復号されたテストパターンの欠如したまたは不完全なコード化されたラインパターンを特定することによって決定される。特定のコード化されたラインパターンが欠如するかまたは不完全である理由は、そのコード化されたラインパターンを印刷したノズルが欠陥を有するためであることが推測される。ステップ430および440については、以下で詳細に説明する。
【0041】
方法400は、プリントヘッド内の欠陥ノズルのアイデンティティまたは位置がコンピュータ330によって出力される(例えば、コンピュータ330の表示画面上にアイデンティティまたは位置のリストを表示することによって)ステップ450で終了する。
【0042】
次に、テストパターンひいてはコード化されたラインパターンが基づく原理について説明し、その後、好ましいテストパターンの説明が続く。
【0043】
好ましい実装では、コード化されたラインパターンは、印刷されるテストパターンを形成するコード化されたラインパターンの基礎を形成する、テストパターン画像とコードワードとの内積(またはドット積)を使用して検出される。好ましい実装では、コード化されたラインパターンは、ゼロ位相オフセットで、近隣のコード化されたラインパターンに直交する。
【0044】
好ましくは、各々のコード化されたラインパターンも、バランスが取れている、すなわち、ラインパターンにおいて等しい量の印刷画素および非印刷如画素を有する。バランスの取れたコード化されたラインパターンの利点は、現実の印刷状態に近い状態のシミュレーションおよびスキャナのダイナミックレンジのより良い使用を含む。
【0045】
前述を考慮して、好ましい実装では、コード化されたラインパターンは、アダマール行列に基づく。アダマール行列は、そのエントリが+1または−1であり、その行が相互に直交する正方行列である。アダマール行列の例を構築する一方法(シルベスターの構築)は、以下の通りである。
2≦k∈Nであり、式中、
はクロネッカー積を示す。
【0046】
本文脈では、アダマール行列の有利な特性は、任意の2つの異なる行(または列)のドット積がゼロであるということである。
【0047】
以下、すなわち、
は、k=2のアダマール行列の例であり、式から分かるように、任意の2つの列のドット積は常に0である。
【0048】
アダマール行列のさらなる望ましい特性は、行と列はバランスが取れている(行0と列0を除く)、すなわち、任意の1つの行または列に沿った合計は0であるという事実に起因する。したがって、k=2のアダマール行列(式(4)を参照)に基づく適切なコード化行列は、以下のコード化行列の3つの一意的な直交コードワードを提供する。
【0049】
それらのコードワードは、列によって表される3つの一意的にコード化されたラインパターンを定義するために使用することができ、コード化行列の1は印刷画素を表し、コード化行列の−1は非印刷(すなわち、欠如)画素を表す。それらの3つの一意的にコード化されたラインパターンは、3つの近隣のノズルのグループによって印刷され、グループは、ノズルの「セル」と呼ばれる。
図5は、ノズルのセルによって印刷された3つの一意的にコード化されたラインパターンを示す。
【0050】
しかし、たとえアダマール行列に純粋に基づいてコード化されたラインパターンが理想的であろうとも、それぞれのノズルによって印刷された各々のコード化されたラインパターンは、一意的で、バランスが取れており、他の任意のラインパターンに直交するため、ノズルの数が大きいときは、そのような構成は非実用的である。例えば、印刷されているページ幅のプリントヘッドを有するA4プリンタは、1つのインク面(または「カラー面」)当たり14036個ものノズルを有し得る。
【0051】
それぞれのカラー面を印刷しているノズルが別々に取り扱われる際でさえ、相互に直交するラインパターンを提供するには、長さ16384のコード化されたラインパターンが必要であろう。
【0052】
それに従って、本発明のコード化されたラインパターンは、二次コード化スキームを使用して、特定のカラー面のそれぞれのセルを一意的にコード化する。次いで、第1のコード化スキームによるセル内のその位置および第2のコード化スキームによるインク面があるセル位置によって、ノズルが一意的にコード化される。第2のコード化スキームは、好ましくは、低い相互相関特性および単一モードの自己相関特性を有する。
【0053】
好ましい実装で使用される二次スキームは、最長周期系列またはM系列である。M系列は、定義によれば、所定のシフトレジスタまたは所定の長さの遅延素子によって生成することができる最大のコードである。所定のクロックサイクルiに対する出力は、以下の式(6)によって数学的に表すことができ、式中、すべての加法および乗法演算は、2を法とする。
【0054】
以下、すなわち、
a
i=a
i−2=a
i−3=[1,0,1,1,1,0,0] 式(7)
は、原始多項式x
3+x+1(n=3)によって生成されるM系列の例であり、i≧0であり、式中、レジスタに対するシード値a
−3、a
−2およびa
−1はそれぞれ、1、0、0である。系列の長さは、(2
n−1)ビットである。特に、系列全体を通じて、n連続ビットの組合せが繰り返されることはない、すなわち、系列は最大のものである。また、M系列は、その長さに関係なく、ほぼバランスが取れている、すなわち、1および0の総数に対して余分な1は1つしか存在しないということも知られている。
【0055】
本実装の目的のために役に立つM系列の別の特性は、M系列の自己相関関数がクロネッカーデルタ関数に非常に近い近似であることである。M系列の長さが増加するにつれて、クロネッカーデルタ関数の近似は向上する。
【0056】
以下の式(8)は、式(7)に示される簡単なM系列に基づくコード化系列を示す。
A=[1,−1,1,1,1,−1,−1] 式(8)
【0057】
プリントヘッドの各ノズルの位置を一意的に符号化するエンコーダは、以下の通り定義される。
【0058】
式(5)および(8)を式(9)に代入することにより、
図6に示されるテストパターンが提供される。式から分かるように、M系列の値1に対応するセルのノズルは、
図5に示されるコード化されたラインパターンに対応するコード化されたラインパターンを印刷するが、M系列の値−1に対応するセルのノズルは、
図5に示されるコード化されたラインパターンの逆に対応するコード化されたラインパターンを印刷する。
図6に示される例示的なテストパターンは、21個のノズルの位置を一意的に符号化し、21個のノズルの各々は、4画素の長さのコード化されたラインパターンを印刷する。
【0059】
3ビットM系列が使用される本例では、少なくとも3つの連続する完全なセルのノズルによって印刷されたコード化されたラインパターンを含むテストパターンのいかなる部分も考慮することにより、テストパターンのその部分内の特定のコード化されたラインパターンを印刷したノズルは、最初に、ノズルが属するセルを特定し、次いで、そのセル内のノズルの位置を特定することによって、一意的に識別可能である。
【0060】
テストパターンひいてはコード化されたラインパターンが基づく原理について説明したので、次に、好ましいテストパターンについて説明する。上記で説明されるエンコーダを使用してN個のノズルを符号化するため、1つのセル当たり選択された数値kのコードひいては1つのグループ当たりkのノズルに対し、M系列によって必要とされる最小ビット数は、以下によって得られることを示すことができる。
【0061】
したがって、N=14036のアドレス指定可能なノズルを有するプリントヘッドに対し、k=5(すなわち、1つのセル当たり31個のコードひいては1つのグループ当たり31個のノズル)を選択すると、M系列によって必要とされる最小ビット数は、以下の通りである。
【0062】
好ましい実装では、k=6が選択され、64画素の長さのコード化されたラインパターンが提供される。しかし、たとえその選択によって1つのセル当たり63個の使用可能なコードが提供されても、それらの使用可能なコードから選択されたもののみが使用される。既に説明されているように、アダマール行列の第1の列は廃棄され、その理由は、第1の列はバランスの取れたコードを提供しないためである。アダマール行列の第1の列が現エンコーダにおいて不適切であるという別の理由は、式(9)に従ってその列を逆にすると、非印刷画素のみを含むコード化されたラインパターンが提供されるためである。
【0063】
一実装では、アダマール行列の第1の列(すなわち、列0)の廃棄に加えて、アダマール行列の4つの列のあらゆるグループからの第1の列(すなわち、列1、5、9など)が廃棄されるが、その理由は、それらの列が、移行間の時間が長いコード化されたラインパターンを表すためである。好ましい実装では、アダマール行列の第1の列の廃棄に加えて、アダマール行列の二列につき一列(すなわち、列2、4、6など)しか使用されない。それに従って、各セルは、32個のコードを有する。N=14036のアドレス指定可能なノズルに対し、M系列によって必要とされる最小ビット数は11である。テストパターン画像の処理を支援するため、テストパターンを印刷する前にヘッダを印刷することもできる。一実装では、ヘッダは、単に、3つの連続した画素を印刷するすべてのノズル(現カラー面の)によって形成され、既定数の非印刷画素によってテストパターンから分離されるラインである。コード化されたラインパターンはどれも、3つの連続した画素のシーケンスを含まないということが知られている。
【0064】
方法400(
図4)のステップ410で印刷されたテストパターンひいてはコード化されたラインパターンの組成について説明したので、次に、コンピュータ340(
図3)がテストパターン画像を復号するステップ430について説明する。テストパターン画像に関して、9ビットのM系列が使用される好ましい実装を考慮すると、そのテストパターン画像は、少なくともコード化されたラインパターンと、9つのセルのノズル(すなわち、9×32個のノズル)によって印刷されたヘッダとを含む必要がある。好ましい実装では、テストパターン画像は、少なくともコード化されたラインパターンと、16個のセルのノズル(16は、冗長性の追加のために選ばれる)によって印刷されたヘッダとを含む。
【0065】
図7は、画像化済みテストパターンが復号されるステップ430(
図4)のサブステップの概略フロー図を示す。ステップ430は、ヘッダラインを用いてテストパターン画像が回転されるサブステップ710で始まる。次いで、サブステップ711において、画像に現れるそれぞれのコード化されたラインパターンを特定するため、適切に、テストパターン画像がリサンプリングされる。
【0066】
次いで、ステップ430は、引き続き、テストパターン画像の各列とそれぞれのコードワードの各々とのドット積または内積が計算されるサブステップ712を行う。それぞれのコードワードは、コード化行列Cの列である。サブステップ712は、テストパターン画像の幅にわたるそれぞれのコードワードの各々の検出を表す「トレース」を生成する。トレース行列Tは、以下の通り、定式化することができ、
式中、Cは、コード化行列であり、Dは、行列形式のテストパターン画像であり、mは、コード化行列Cの行の数(すなわち、コードワードおよびコード化されたラインパターンの長さ)であり、画像化済みテストパターンDの行の数でもあり、nは、テストパターン画像Dの幅である。
【0067】
図8Aは、例示的な画像化済みテストパターンDを示し、これは、
図6に示されるテストパターンである。
図8B〜8Dは、
図8Aに示される画像化済みテストパターンDを復号するためにコード化行列Cとして式(5)が使用される際に得られるトレース行列Tの行を視覚的に描写する。理想的な条件(すなわち、ゼロビットエラー)の下で、一意的なコードワードがセル内の各ノズルに割り当てられ、この符号化が各セルで繰り返されることを考慮すると、各コードワード(また、コード化行列Cの列)の例が各セル内で見出される。トレース行列Tの行は、対応するコードワードが現れる画像化済みテストパターンDの位置に対応するmの値、対応するコードワードの逆が現れる画像化済みテストパターンDの位置に対応する−mの値、および、対応するコードワードが現れない画像化済みテストパターンDの位置に対応する0の値を有する。
【0068】
図8Eは、トレース行列Tの行の正規化された合計のトレースを示す。閾値化は、1の値を有するように正の値に適用され、−1の値を有するように負の値に適用される。そのトレースの値は、使用されるM系列(すなわち、式(9)に示されるコード化系列)の値と一致する。
【0069】
ステップ430でトレース行列Tを生成するためにテストパターン画像を復号したので、次に、トレース行列Tが処理され、テストパターン画像が、欠陥ノズルによって印刷されたラインパターンを含むかどうかや、そのような欠陥ノズルの位置が決定されるステップ440について説明する。
図8B〜8Dを再び参照すると、すべてのノズルが機能し、スキャンプロセスでエラーが引き起こされない状況では、トレース行列Tの行の各々は、j列分離間されたmまたは−mの値を有するべきである(jは、各セルのノズルの数である)。mまたは−mの値が予想される位置におけるmod(m)未満の値は、欠陥ノズルを示す。いかなる欠陥ノズルの位置も、各欠陥ノズルのカラー場所内のセル位置を決定した後に、それらのセル内の欠陥ノズルのそれぞれのノズル位置を決定することによって計算される。
【0070】
図9Aは、印刷されたテストパターンDの例示的な画像化部分を示す。テストパターン(その一部のみが画像化される)は、式(5)のコード化行列Cを使用して生成される。画像化済みテストパターンは、21個のノズルのうちの12個によって印刷された12個のコード化されたラインパターンのみを含む。その画像化済みテストパターンに対するステップ430および440の動作が一例として示される。
【0071】
図9B〜9Dは、ステップ430で
図9Aに示される画像化済みテストパターンDを復号するために式(5)のコード化行列Cが使用される際に得られるトレース行列Tの行を描写する。
図9Eは、トレース行列Tの行の正規化された合計のトレースを示す。
【0072】
ステップ440は、トレース行列Tの行の正規化された合計のトレース(
図9E)を処理することによって始まる。トレース行列Tの行の正規化された合計のトレースの値は1または−1であるべきであるということが知られている。901では、トレースの値は期待値ではないが、その値が何であるべきかは知られていないことが知られている。
【0073】
セルサイズが3であることおよびそれぞれのセルのコードワードの順番に関する知識により、
図9Eに示されるように、セル間の移行を決定することができる。これは、画像化済みテストパターンが3つの完全なセルを含み、
図9Eに示されるトレースから、そのトレースによって表されるM系列の一部が
[−1,1,1] 式(13)
であることを示す。
【0074】
式(8)を参照すると、式(13)に示されるM系列の一部は、オフセット1に対応する。それに従って、セルは0、1、2、…、6と番号付けられることを思い出すことで、セル1、2および3が
図9Aに完全に表されていると判断される。
【0075】
ステップ440は、トレース行列Tの行の各々を処理すること(
図9B〜9D)によって続行される。トレース行列Tの行の各々が3つの列分離間された4または−4の値を有するべきであるということを知ることにより、902および903における2つの欠陥ノズルが示される(902および903では、値はそれぞれ、4または−4の期待値の代わりに、2および0である)。
【0076】
ノズルは0、1、2、…、21と番号付けられることを思い出すことで、エラー902に対応する欠陥ノズルの位置は、セル3にあり、そのセル内のノズル位置0であり、それは、ノズル位置(3
*3)+0=9であると計算される。エラー903に対応する欠陥ノズルの位置は、セル1にあり、そのセル内のノズル位置2であり、それは、ノズル位置(1
*3)+2=5であると計算される。
図9Aに示される画像化済みテストパターンを参照すると、エラー903を引き起こしたノズルはいかなる画素も印刷しなかったが、エラー902を引き起こしたノズルは有効なコード化されたラインパターンを印刷しなかったことが分かる。
【0077】
結論として、たとえ印刷されたテストパターンの画像が印刷されたテストパターン全体を含まなくとも、本発明の方法400を使用して、欠陥ノズルは、21個のアドレス指定可能なノズルを有する例示的なプリントヘッドの位置5および9のノズルであると特定されている。
【0078】
前述は、本発明のいくつかの実施形態のみを説明し、本発明の範囲から逸脱することなく、それに対する詳細の変更を行うことができ、実施形態は、例示であり、制限するものではない。
【国際調査報告】