(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-533071(P2015-533071A)
(43)【公表日】2015年11月16日
(54)【発明の名称】電気機械
(51)【国際特許分類】
H02K 3/28 20060101AFI20151020BHJP
H02K 16/04 20060101ALI20151020BHJP
H02K 7/18 20060101ALI20151020BHJP
【FI】
H02K3/28 J
H02K16/04
H02K7/18 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-538492(P2015-538492)
(86)(22)【出願日】2013年10月29日
(85)【翻訳文提出日】2015年4月20日
(86)【国際出願番号】EP2013072558
(87)【国際公開番号】WO2014067920
(87)【国際公開日】20140508
(31)【優先権主張番号】12190733.1
(32)【優先日】2012年10月31日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】511144343
【氏名又は名称】オープンハイドロ アイピー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】カウソーン,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】スプーナー,エドワード
【テーマコード(参考)】
5H603
5H607
【Fターム(参考)】
5H603AA06
5H603BB01
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5H603BB12
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5H607FF26
(57)【要約】
固定子と、該固定子に対して移動するように構成された部材とを含む電気機械。固定子は、相対運動の方向に沿って配置され、可動部材から運動の方向に対して直角方向にずれた第1の複数の巻線を組み込んだ第1の固定子構造体と、可動部材から第2の方向にずれた第2の複数の巻線を組み込んだ第2の固定子構造体とを含み、可動部材が2つの固定子構造体の間に位置するようになされている。可動部材は、巻線と電気的に結合されるように構成されている。第1の複数の巻線は、第1の単相交流電源に接続された単相巻線を含み、第2の複数の巻線は、第1の複数の巻線から相対運動の方向にずれ、第1の電源の位相から位相のずれた第2の単相交流電源に接続された同じ磁極ピッチの単相巻線を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、前記固定子に対して移動するように構成された部材とを含み、前記固定子は、前記相対運動の方向に沿って配置され、前記可動部材から前記運動の方向に対して直角方向にずれた第1の複数の巻線を組み込んだ第1の固定子構造体と、前記可動部材から第2の方向にずれた第2の複数の巻線を組み込んだ第2の固定子構造体とを含み、前記可動部材が前記2つの固定子構造体の間に位置するようになされ、前記可動部材は、前記巻線と電気的に結合されるように構成された電気機械であって、前記第1の複数の巻線は、第1の単相交流電源に接続された単相巻線を含み、前記第2の複数の巻線は、前記第1の複数の巻線から相対運動の方向にずれ、前記第1の電源の位相から位相のずれた第2の単相交流電源に接続された同じ磁極ピッチの単相巻線を含む電気機械。
【請求項2】
前記第1の巻線を基準にした前記第2の複数の巻線の前記位置ずれは、前記可動部材の前記移動方向に1磁極ピッチの半分であり、前記第2の交流電源の前記位相は前記第1の電源と90度の電気角度だけ位相が異なる、請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記固定子構造体は前記運動方向に沿って区分に分割されている、請求項1または2に記載の電気機械。
【請求項4】
前記機械は、前記固定子と前記可動部材とが回転軸を中心に湾曲し、前記可動部材が回転子を含む回転機械を含む、請求項1または2に記載の電気機械。
【請求項5】
前記固定子構造体は前記回転子から軸方向にずらされ、前記回転子と固定子構造体との間の各領域内の前記磁界が略軸方向に通過する、請求項4に記載の電気機械。
【請求項6】
前記固定子構造体は、前記回転軸を中心に少なくとも部分的に円形の配列を形成するように構成された円弧の組から形成された、請求項5に記載の電気機械。
【請求項7】
前記固定子構造体は、前記回転軸を中心に少なくとも部分的に円形の配列を形成するように接線方向に構成された略矩形のブロックの組から形成された、請求項5に記載の電気機械。
【請求項8】
前記機械は、前記可動部材が導電性材料のシートを含む誘導機械を含む、請求項1〜3または5〜7のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項9】
前記機械は、前記可動部材が永久磁石の配列を含む、永久磁石同期機械またはブラシレス直流機械のうちの1つを含む、請求項1〜3または5〜7のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項10】
前記固定子構造体は前記回転子から半径方向にずらされ、前記回転子と固定子構造体との間の各領域における前記磁界は略半径方向に通過する、請求項4に記載の電気機械。
【請求項11】
前記固定子構造体は、前記回転軸を中心に少なくとも部分的に円形の配列を形成するように構成された円弧の組から形成された、請求項10に記載の電気機械。
【請求項12】
前記機械は、誘導機械を含み、前記回転子は導電性材料の中空円筒を含む、請求項10または11に記載の電気機械。
【請求項13】
前記機械は、永久磁石同期機械またはブラシレス直流機械の1つを含み、前記回転子は永久磁石の円筒状配列を含む、請求項10または11に記載の電気記機械。
【請求項14】
各固定子構造体は、導電体の同心コイル群を収容するスロット付き積層体を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項15】
各単相巻線内の各コイル群は、連続した絶縁ケーブルによって形成された、請求項14に記載の電気機械。
【請求項16】
前記コイル群はそれぞれ同数の巻数を有し、前記スロットの間隔は電流の分布が正弦波に近似するように構成された、請求項14または15に記載の電気機械。
【請求項17】
各固定子構造は、同心コイル群を収容するスロット付き積層体を含み、前記スロットは均一に分布され、前記コイルの前記巻数は電流の前記分布が正弦波に近似するように構成された、請求項14または15に記載の電気機械。
【請求項18】
各固定子構造体は、同心コイル群を収容するスロット付き積層体を含み、前記スロットの前記間隔と前記コイルの前記巻数とは、電流の分布が正弦波に近似するように構成された、請求項14または15に記載の電気機械。
【請求項19】
各単相巻線は、直流電源を単相交流電源に変換するHブリッジを含む電力変換器に接続され、前記2つのHブリッジの直流端子は共通の直流電源に接続され、交流端子は位相が異なる電圧を供給するように構成された、請求項1に記載の電気機械。
【請求項20】
各固定子構造体の前記複数の巻線は、区分に分割され、前記区分間の間隙は、前記機械内の進行磁界が、前記区分内に120度の電気角度だけ位相がずれた単相交流起電力を誘起するように構成され、巻線の前記区分は、三相交流−直流電力変換器または電源のうちの一方に接続された、請求項3、6または7に記載の電気機械。
【請求項21】
前記第1の固定子構造体の前記巻線は、前記第2の固定子構造体の巻線の約3の平方根倍の巻数を有し、前記第1の固定子構造体の前記巻線は、三相電力変換器または電源にデルタ結線接続され、前記第2の固定子構造体の前記巻線は同じ三相変換器または電源にスター状に接続された、請求項20に記載の電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの種類の電気機械では、固定子内の電流が、電気機械の可動部上、すなわち回転機械の場合には回転子、リニア機械の場合には並進機構上の1組の電流、1組の永久磁石または1組の強磁性部品と相互作用する進行磁界を生成する。通常の進行磁界生成方法は、積層鉄固定子内の均一なスロット配列内に一緒に収容され、三相電源から3系統の交流電流が供給される3個の要素巻線を使用するものである。各要素巻線にはコイルが周期的に分布しており、3個の要素巻線は、磁気軸が固定子に沿って1/3波長間隔になるように配置されている。巻線に供給される交流電流は、120度の相対位相差を有する。その結果、複合磁束は、交流電流の1周期中に周期分布の1波長に相当する速度で伝播する一定振幅の正弦波に近似する。他の多相巻線も可能であるが、一般的な電源の形態は三相型であるため、ほとんど使用されない。
【0003】
最も一般的な種類の電気駆動装置であり、多くの産業用途で使用されている種類の三相誘導モータは、この方法を採用して回転磁界を生じさせる。
図1(a)を参照すると、回転子12が、電流が誘起され、回転磁界と相互作用して出力軸上にトルクを生じさせる1組の導体棒(図示せず)を担持する
【0004】
三相電源が利用できない家庭および軽工業の用途では、2個の要素巻線に位相の異なる交流電源が供給される交流機構が使用される。第1の電流は、利用可能な単相電源によって直接供給され、第2の電流は同じ電源から、通常は位相シフトをもたらすコンデンサを介して得られる。位相シフトは1負荷条件の下でのみ正しい度数のシフトであり、したがってほとんどの条件下ではそのようなモータの動作は理想的な動作ではない。このような機械は、単相電源で動作するため、単相モータと呼ばれるが、巻線はより正確には二相巻線と呼ばれる。位相が90度ずれた2系統の電流を供給する平衡二相電源が利用できれば、1/4波長だけずれた要素巻線を備えたこの種の電気機械は一定した振幅の回転磁界を生成し、標準三相機械と同程度に有効であろう。
【0005】
近年、誘導陸上輸送などのいくつかの用途および航空母艦上の電磁気発射システムについて、リニア電気モータが関心を集めている。また、往復運動を利用するある種の波力装置ではリニア発電機が使用されている。リニア電気機械は、
図1(a)〜(c)に示すように切断、展開された標準の回転機械とみなすことができる。この場合、固定子10と並進機構14との間の力線16によって示される磁気引力は、固定子10および回転子12の場合のように相反する等しい力によって平衡が保たれなくなる。
【0006】
この問題を克服する一般的な手法は、
図2に示すように単一の並進機構14の対向する各側に配置された2個の固定子10’、10”を使用することである。ほとんどの場合、磁束18が第1の固定子10’から並進機構14と第2の固定子10”とを通り、再び並進機構を通ってその回路を完結させる。
【0007】
二固定子リニア機械を元の軸(
図1(b)でAとして示す)を中心に巻くことにより、中空の円筒状回転子を囲む2つの同軸固定子を備え、磁束が内側固定子から内側間隙と、円筒状回転子と、外側間隙とを通って外側固定子に達する回転機械を形成することができる。この構成を有する機械は、きわめて慣性の低い駆動力を必要とするサーボ制御システムで使用されている。
【0008】
あるいは、リニア機械を元の軸(
図2でBとして示す)に対して直角の軸を中心に巻くことにより回転機械を形成することができ、その場合、磁束は円筒状の空隙を半径方向に通過するのではなく、2つの平面空隙を軸方向に通過する。この種の軸方向磁束回転機械は、特に再生可能エネルギー用途の永久磁石発電機、とりわけ小型風力タービンとして使用されてきた。このような場合、2つの固定子はそれぞれ、通常、上述のように3個の要素巻線を備える三相巻線を担持する。本発明の目的は、改良型電気機械を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明によると、請求項1に記載の電気機械が提供される。
【0010】
本発明の実施形態では、二固定子機械が二相巻線を有し、各固定子に1つの要素巻線が収容され、2つの要素巻線は、互いに約90度の電気角度だけずれた、それぞれの磁気軸に位置合わせされている。
【0011】
2つの巻線の磁気軸間のずれは、理想的には90度であり、巻線には理想的には、位相が互いに90度異なる交流電流が供給される。本発明は、リニアまたは半径方向もしくは軸方向磁束回転形態のモータまたは発電機に適用される。各固定子は、単一の巻線を担持し、これにより、各巻線が共通のスロット配列を共用しなければならないことによって生じる制約がなくなる。その結果、
1. スロットを均一に分布させる必要がなくなり、スロット内に収容された1本の巻線のみの要件にしたがって分布させることができるため、巻線の分布を正弦波パターンにきわめて近く近似するように構成することができる。
2. 巻線は他の巻線と重なり合う必要がないため、巻線の配置が簡略化され、したがってリニア機械または軸方向磁束回転機械の場合には、1組の単純な平面コイルとすることができる。
3. 巻線は他の巻線からではなく接地からのみ分離するだけでよいため、絶縁が単純化される。
4. 2項および3項の結果として、1本の連続した絶縁ケーブルから各巻線を形成することが実現可能となる。すべての巻線接続を1つの密閉装置内で容易に行うことができるため、固定子の電気回路の防水が簡単になるので、海底用途の場合、これは特に有利である。
【0012】
可動部材は、回転子と並進機構とを問わず、機械が誘導モータまたは誘導発電機として動作するように導電体を含む。このような誘導発電機は、
図3〜
図5に示す種類のタービン内のシャフトレス回転子の動きによって生じる内サイクロイド運動に耐える。回転子または並進機構は、2つの固定子構造体間での磁束の通過を容易にする強磁性部品も含む。
【0013】
あるいは、回転子または並進機構は、機械が同期機械として動作するように、永久磁石または電磁石の配列を含んでもよい。給電を適切に制御すれば、このような機械はいわゆるブラシレス直流機を形成する。
【0014】
他の代替法は、固定子の磁界と相互作用して、回転機械の場合はトルクを生じさせ、リニア機械の場合には推力を生じさせる強磁性部品の配列を含む回転子または並進機構を使用することである。給電を適切に制御することにより、このような機械は同期リラクタンス機械、スイッチドリラクタンス機械、またはステッピングモータを形成することができる。
【0015】
2つの巻線は二相電源から給電されるかまたは、発電機の場合は二相負荷に給電することができる。二相電源は、
特殊用途二相交流電源、
IGBTを用い、共通直流接続路に接続された2つのHブリッジを用いて配列されたものなどの、二相出力を備えた電力電子変換器、
スコットT結線変圧器など、三相と二相間の変換のために接続された1組の変圧器を備える三相電源、または
単相モータで使用されるような位相シフトインピーダンスを備えた単相電源
によって提供することができる。
【0016】
発電機用の二相負荷は、逆電力流で動作する上記の機構の一つを採用してもよく、または単に抵抗負荷バンクを含んでもよい。長尺リニア機械または大直径回転機械の場合、固定子をいくつかの扱いやすい区分に分割することが好ましい。回転機の場合、これらの区分は、機械の周囲に配置された1組の円弧とすることができ、または多数の区分を使用する場合、軸方向磁束機械の場合にはこれらの区分を直線状とし、接線方向に配置すれば好都合であり、費用効果を向上させることができる。これらの区分を間隔をあけて配置する場合、それぞれの巻線内の起電力は位相が異なる。これらの区分間の距離が1/3波長である場合、位相差は120度であり、固定子を3の倍数で分割した場合、三相電源を使用して1つの固定子の各区分に給電することができる。距離が1/6波長の場合、三相電源を、交互のブロックの巻線を逆にして使用してもよい。いずれの場合も、第2の三相電源を、その3個の出力を、第1の三相電源の出力と直角位相にして使用して、第2の固定子の各区分に給電することができる。第1の固定子の各区分の巻線をスター状に接続する場合、必要な第2の三相電源は、第2の固定子の巻線をデルタ結線で同じ三相電源に接続することによって供給することができる。このようにして、標準三相電源を使用することができる。なお、デルタ結線接続された巻線に印加される電圧は、スター接続された巻線に印加される電圧よりも高く、電流はより少ない。したがって、2つの固定子の巻線は、断面の異なる導体の比例して異なる巻数を指定することによって、異なる電圧および電流で動作するように構成することが好ましい。
【0017】
次に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1(a)〜
図1(c)は回転またはリニア電気機械の構成要素を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による発電機を備える中央開放水力タービンのための筐体を示す立面図である。
【
図5】
図3および
図4の線V−Vおよび面V−Vで切り取った断面図である。
【
図6】
図3〜
図5のタービン用固定子上の巻線の配置の一例を示す図である。
【
図7】
図7(a)および
図7(b)は、
図6の固定子の磁極用の巻線の配置を詳細に示す図である。
【
図8】
図6および
図7の巻線を収容するための積層板の一例の断面を示す図である。
【
図9】固定子の巻線を収容するための積層板の他の例の断面を示す図である。
【
図10】標準三相電気システムと共に動作するように構成された2つの固定子の巻線の電気接続を示す図である。
【
図11】
図10のシステムとともに使用する二ブリッジ変換器を示す図である。
【
図12】本発明の他の実施態様において使用する二相出力を供給する変換器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一つの特定の用途は、中央開放シャフトレス潮流タービンにおいて使用するための軸方向磁束型の低速直結型回転発電機である。
図3および
図4を参照すると、本発明の一実施形態による電気モータ/発電機を含むそのようなタービン30が示されている。タービンは、シュラウド38に収容され、内側リング34と外側リング36との間に固定された1組の回転翼32を含むランナーを含む。典型的には、タービンの筐体には、タービンを、重力式基部などの海中構造体に固定することを可能にする取付け具も含むが、この詳細についてはここでは示さない。
【0020】
次に
図5を参照すると、タービンの一部の断面が示されている。外側リング36は、前部環状支持体40と、外側円筒状支持体42と、後部環状支持体44とによって画定されたチャネル内を通っており、前部と後部とは、矢印Fで示すタービンを通る流体の動きに対して画定される。ただし、タービンは双方向型とすることもでき、したがって流体の両方向の流れに対応することも可能なことがわかるであろう。各支持体40、42、44は、それぞれの軸受40’、42’、44’によってリング36から分離されている。本実施形態では、これらの構成部品のいずれも磁性体である必要はなく、単に機械伝動効率の観点から設計可能である。
【0021】
本実施形態では、モータ/発電機アセンブリがタービンアセンブリから軸方向に離隔して配置されている。モータ/発電機アセンブリも、前部環状支持体46と、円筒状外側支持体48と、後部環状支持体50とを含む。前部環状支持体46は、後部環状支持体44に固定することができ、またはこれらを実際に一体型構成部品として製造することも可能である。第1の円形固定子が、以下で詳述するように円形積層板53に巻き付けられた1組のコイル52を含み、積層板53は前部支持体46に固定されている。第2の円形固定子が、やはり以下で詳述するように円形積層板55に巻き付けられた1組のコイル54を含み、積層板55は後部支持体50に固定されている。2つの固定子52、54の間に環状回転子56が配置され、このモータ/発電機回転子56は、伝動リング60を介してランナーの外側リング36に直結されている。したがって、モータ/発電機52、54、56が駆動されてタービンを始動させるとき、リング60を介してランナーに回転が伝えられ、ランナーは稼働するとリング60を介してモータ/発電機を駆動する。ただし、適切な潮汐条件では、タービンを電気的にキック始動させなくても潮汐流を使用してタービンを始動させることができることがわかるであろう。しかし、タービンのキック始動が可能であることは、この選択肢がない場合よりも、低潮汐流条件を含むより広範な条件にわたって動作可能であることを意味する。
【0022】
図6に、
図5に示す固定子52、54の構成をより詳細に示す。用途によっては、固定子は平均直径9mとすることができ、この場合、極数は48であり、すなわち、各固定子52、54上の巻線53、55は単相48極構成である。第2の固定子54は第1の固定子52と同じであり、第1の固定子52と対向することがわかるであろうが、48極構成では、円周方向に磁極ピッチの半分の3.75度の角度だけ第1の固定子からずれている。
【0023】
一実施形態では、各固定子の巻線は、864個のスロット内に敷設された12本の絶縁ケーブルから形成されている。
図7aに、1磁極60用のケーブル配置の第1の段60(1)を示す。図では、図の簡略化のために、1磁極当たりのスロット数を18個から10個に減らしてある。ケーブルの敷設は、外側から内側に向かってらせん状に進み、単層9巻平面コイルを形成する。次に、ケーブルの敷設は、
図7(a)において点線で示すように進み、
図7(b)に示すようなパターンで同じスロット内に第2の層60(2)が形成され、外部で終結する。第2の層が完成すると、ケーブルの敷設はさらに進んでは同じスロット内にさらに2つの層を形成してもよい。あるいは、ケーブルの敷設を進めて隣接する磁極上に2つの層を形成してもよい。この例では、12本のケーブルをそれぞれ使用して、合計16対の層を形成し、これらの層を16個の磁極のそれぞれに2層ずつ、8個の磁極のそれぞれに4層ずつ、または4個の磁極のそれぞれに8層ずつ配置してもよい。各ケーブルの両端は巻線の外側に位置し、したがって、電気装置(図示せず)の筐体に届くのに十分な余分な長さを提供するのに好都合であり、そこでケーブルの端を防水接地に通してもよいことがわかるであろう。この構成は、形成に費用がかかるとともに電気故障が発生する可能性のある脆弱個所であるケーブルジョイントまたはケーブル接続が回避されるため、海中用途に適している。12本のケーブルは、1つの共通の単相交流電源に並列に接続してもよく、または分離して、別々の独立した単相電源に接続することにより、ケーブル故障または電源故障の場合にシステムが動作を継続することができるようにしてもよい。
【0024】
固定子コア53、55はそれぞれ、理想的には電気鋼板の連続らせんから形成可能な連続積層リングである。しかし、必要な寸法の連続リングは扱いにくい場合があり、用途によってはコアを、組み合わさると多角形になるいくつかの円弧または短い直線に分割することが好ましい。この例では、好ましい構成は12個の円弧または直線を有し、ケーブル巻線はそれぞれ8層の4つの磁極として形成する。したがって巻線は、コア区分を組み立てて完全な固定子リング(または多角形)を形成する前に形成してもよい。
【0025】
一実施形態では、
図8に示すように、磁極軸から遠ざかるにつれて巻きの密度が漸進的に高くなるように選択された位置にスロット80を分布させて、正弦波電流分布によく近似するようにする。
図8に、互いに対向し、半磁極ピッチずらした2つの固定子の各区分を示す。
【0026】
他の構成では、スロットは、均一だが各スロットの巻数が異なるスロットの配列に配置することができる。これは、最初の数層の各極の周りのケーブルの内部ループの一部を省くことによって実現可能である。この場合、スロットの深さは割り振られた巻数によって異なってもよく、またはスロットをすべて同じ深さとし、巻数のより少ないスロットが不活性充填物を含んでいてもよい。
図9の図に、8層のケーブルを含むことが可能な磁極軸から最も遠い深いスロット90を備えた積層を示す。各磁極の巻線の最初の2層は2ループを有する。磁極軸に近いほど浅くなるスロットによって、次の2層に3ループを持たせることができ、最後の4層は4ループを含む。
【0027】
正弦波分布を実現するための
図8と
図9に示す手法の組み合わせも採用可能である。正弦波にきわめてきわめて近い近似を実現する利点は、電流分布の空間高調波成分に伴う損失が低減されることである。高調波成分は、基本成分の速度とは異なる速度で回転する磁束成分を生じさせ、回転子内に望ましくない電流を誘起して、さらなる損失を生じさせる。
【0028】
図10は、発電機用電気システムの一例を示す電気回路図である。一実施態様では、3つの巻線a、bおよびcが、電源/グリッド100にスター状に接続され、1つの固定子と共に収容されている。一方、巻線の第2の組A、BおよびCが電源/グリッドにデルタ結合されて他方の固定子と共に収容されている。各固定子構造体は、区分に分割され、区分は、機械内の進行磁界が、電気角度120度ずつ位相がずれた区分において単相交流起電力を誘起するように配置されている。したがって、各巻線a、b、c、A、B、Cは各固定子のそれぞれの区分に接続されている。デルタ接続された巻線A、B、Cは、スター接続された巻線と同じ磁束で動作するが、√3倍高い電圧で動作するため、約√3倍の巻数を有する必要がある。しかし、デルタ接続された巻線は、同じ電力を供給するのに1/√3の電流しか伝達せず、したがってそれぞれの巻線はそれに応じて断面積がより小さいものであってよい。
【0029】
電源インバータを含む電力変換回路100の一例が、PCT/EP2012/065701号(代理人整理番号P101404pc00/OHG41−PCT)に記載されている。
図11に、第1段変換器110と第2段変換器120の両方が直流結線140を介して接続された三相電源インバータを含む、二ブリッジ変換器を具体的に示す。
図10に示すように、第1段110の位相端子は電源/グリッドに接続され、第2段120の位相端子P1、P2、P3は固定子ブロックに接続されている。
【0030】
図12を参照すると、他の実施態様では、各固定子の単相巻線を、直流電源140を単相交流電源に変換するそれぞれのHブリッジと位相Aおよび位相Bとを含む電力変換器110、140、125に接続することができ、2つのHブリッジ125の直流端子が共通の直流電源140に接続され、交流端子が位相の異なる電圧位相Aおよび位相Bを供給するように構成されている。
【0031】
回転子56は、
図5に示すように2つの固定子の間の間隙において回転する導電体の環状シートまたは環状板である。環形は、数個の円弧または台形シートから形成してもよい。ジョイントによって生じるトルク脈動が相殺されやすいように、固定子の区分と同数のシートを使用することは避けた方がよい。
【国際調査報告】