特表2015-533316(P2015-533316A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2015-533316調節可能な照光開口を備えた照光式硝子体切除カッター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-533316(P2015-533316A)
(43)【公表日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】調節可能な照光開口を備えた照光式硝子体切除カッター
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20151027BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20151027BHJP
【FI】
   A61F9/007 130H
   A61B17/36 350
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-539885(P2015-539885)
(86)(22)【出願日】2013年10月28日
(85)【翻訳文提出日】2015年3月3日
(86)【国際出願番号】US2013067083
(87)【国際公開番号】WO2014070664
(87)【国際公開日】20140508
(31)【優先権主張番号】61/721,216
(32)【優先日】2012年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508185074
【氏名又は名称】アルコン リサーチ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(72)【発明者】
【氏名】ジョン−ピーター メッケル
(72)【発明者】
【氏名】マシュー バジドロ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー マッコラム
【テーマコード(参考)】
4C026
【Fターム(参考)】
4C026AA02
4C026FF17
4C026HH03
(57)【要約】
調節可能な照光開口を含む硝子体切除器が記載される。硝子体切除器は、プローブ、およびプローブに沿って実質的にそれを取り囲んで延在する光スリーブアセンブリを含み得る。光スリーブアセンブリは、複数の光ファイバーを含み得る。光ファイバーの少なくとも一部は、硝子体切除プローブの周囲に照光開口を画定して照光を提供するように動作可能である。光ファイバーの一部は、被包化され得る。光スリーブアセンブリは、プローブの長さに沿って調節可能であり、照光開口を調節して、それによって、提供される照光領域を増減させることができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照光式硝子体切除器であって、
プローブと、
前記プローブに沿って実質的に前記プローブを取り囲んで延在し、前記プローブの長さに沿って調節可能な位置を有する光スリーブアセンブリと
を備え、前記光スリーブアセンブリは、
複数の光ファイバーであって、前記光ファイバーの少なくとも一部は、照光を提供するように動作可能であり、前記光ファイバーのそれぞれが、端面を有する複数の光ファイバーと、
前記プローブの少なくとも一部の周囲にある照光開口であって、前記照光開口は、前記光ファイバーの前記端面によって画定され、照光領域を提供するように動作可能であり、前記照光領域は、前記プローブに対する前記光スリーブアセンブリの前記位置に応じて可変である、照光開口と
を備える、照光式硝子体切除器。
【請求項2】
前記プローブを少なくとも部分的に収容する前金具をさらに備え、
前記光スリーブアセンブリの近位端部は、前記前金具内に受容され、前記光スリーブアセンブリの遠位端部は、前記プローブの遠位端部の近くで終端し、
前記光スリーブアセンブリの前記遠位端部と前記プローブの前記遠位端部の間の距離は、前記プローブに対する前記光スリーブアセンブリの前記位置の変化に応じて変更される、請求項1に記載の照光式硝子体切除器。
【請求項3】
前記光スリーブアセンブリの前記位置は、手動で調節可能である、請求項1に記載の照光式硝子体切除器。
【請求項4】
前記光スリーブアセンブリに連結されるアクチュエータをさらに備え、前記プローブに対する前記光スリーブアセンブリの前記位置は、前記アクチュエータの操作によって調節される、請求項1に記載の照光式硝子体切除器。
【請求項5】
前記光スリーブアセンブリは、
スリーブであって、前記複数の光ファイバーは、前記スリーブの内面に沿ってアレイ状に配列されたスリーブと、
前記複数の光ファイバーを被包化する被包材と
をさらに備える、請求項1に記載の照光式硝子体切除器。
【請求項6】
前記スリーブは、ジェネレータの第1のポールに接続されるように適合され、
前記プローブは、前記ジェネレータの第2のポールに接続されるように適合され、
前記被包材は、前記スリーブと前記プローブの間に配置される絶縁層を画定し、
前記スリーブおよび前記プローブに印加される交流電流は、その間に電界を発生させて、前記光スリーブアセンブリの前記遠位端部が、前記プローブの前記端部表面と略同一平面上に配置されると、ジアテルミ機能を生じるように動作可能である、請求項5に記載の照光式硝子体切除器。
【請求項7】
複数の光ファイバーの少なくとも1つは、レーザー光を伝播するように動作可能なファイバーを備える、請求項1に記載の照光式硝子体切除器。
【請求項8】
照光式硝子体切除カッターアセンブリであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に受容された近位端部を有し、遠位端部を自由に伸張させるプローブと、
前記プローブの前記近位端部と遠位端部の間で前記プローブに沿って移動可能な光スリーブアセンブリとを備え、前記光スリーブアセンブリは、
前記ハウジングと隣接する第1の端部と、
前記第1の端部と反対側の第2の端部と、
前記プローブの周辺でアレイ状に配列された複数の光ファイバーであって、前記複数の光ファイバーの少なくとも一部は、照光を提供するように動作可能であり、前記光ファイバーのそれぞれが、端面を有する複数の光ファイバーと、
前記光スリーブアセンブリの前記第2の端部に形成される照光開口であって、前記照光開口は、前記光ファイバーの前記端面により画定され、前記照光開口は、前記複数の光ファイバーのそれぞれからの前記個別の照光を備える集合的照光を提供ように動作可能な照光開口と
を備える、照光式硝子体切除カッターアセンブリ。
【請求項9】
前記複数の光ファイバーの前記集合的照光は、照光領域を画定し、前記照光領域は、前記光スリーブアセンブリの前記プローブに沿った動きに応じて調節される、請求項8に記載の照光式硝子体切除カッターアセンブリ。
【請求項10】
前記ハウジングに連結される前金具をさらに備え、前記前金具は、前記光スリーブアセンブリの近位端部を受容するように適合されている、請求項8に記載の照光式硝子体切除カッターアセンブリ。
【請求項11】
前記光スリーブアセンブリは、
スリーブであって、前記複数の光ファイバーが、前記スリーブの内面に沿ってアレイ状に配列されたスリーブと、
前記複数の光ファイバーを、前記スリーブの少なくとも一部に沿って実質的に被包化する被包材とをさらに備える、請求項8に記載の照光式硝子体切除カッターアセンブリ。
【請求項12】
前記スリーブは、ジェネレータの第1のポールに接続されるように適合され、
前記プローブは、ジェネレータの第2のポールに接続されるように適合され、
前記被包材は、前記スリーブと前記プローブの間に配置される絶縁層を画定し、
交流電流が前記スリーブおよび前記プローブに印加されると、電界が、前記スリーブと前記プローブの間に生じ、前記光スリーブアセンブリの前記第2の端部が、前記プローブの端部表面と略同一平面上に配置されると、ジアテルミ機能を生じる、請求項10に記載の照光式硝子体切除カッターアセンブリ。
【請求項13】
前記複数の光ファイバーの少なくとも1つは、レーザー光を伝播するように動作可能であり得るファイバーを備える、請求項8に記載の照光式硝子体切除カッターアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年11月1日出願の米国仮特許出願第61/721,216号に対する優先権を請求し、その内容を参照によりここに援用する。
【0002】
本開示は、概括的には、硝子体切除カッターの分野に関し、より詳細には、カッター先端周辺に提供される照光領域を調節することを可能にする調節可能な照光開口を備えた照光式硝子体切除カッターに関する。
【背景技術】
【0003】
硝子体切除カッターは、通常、眼の硝子体の外科的切除を伴う硝子体網膜手術などの眼科手術中に使用される。硝子体は、眼の虹彩から網膜まで満たす無色透明のゲル状物質を含む。損なわれた視力を修正する何らかの手術の間、一般的に、硝子体切除カッターは、視覚障害を修正する必要に応じて硝子体の一部を切断して除去するのに使用することができる。
【0004】
硝子体切除カッターは、プローブの切断端に開きまたはポートを有する中空のレシプロ式プローブを含むことができ、流体および組織を手術部位から引き出す吸引装置に接続され得る。硝子体網膜の手術中、切開/修正が実施されている眼の内部部分は、外科医が、視覚障害を修正する目的で、硝子体の部分を明瞭に見て、正確に除去することを可能にするために、特に、切開が、小型化または最小化されたサイズのものである場合には、照光を必要とする場合がある。過去には、手術部位に眼の集光照光を提供するのに、別個の照光プローブが使用されてきた。さらに、照光性能を有するいくつかの硝子体切除カッターが、開発されてきた。しかし、このような既存の硝子体切除カッターが、固定式照光を提供する一方で、使用に当たって、外科医は、外科的処置の間に、照光領域を変える、またはその他の方法で変更する、または適合させる必要があり得た。
【0005】
このため、照光開口の調節を行うことができ、それによって、提供される照光領域を増減させることができる照光式硝子体切除器の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様によれば、本開示は、一般に、プローブおよび光スリーブアセンブリを含み得る照光式硝子体切除器に関する。光スリーブアセンブリは、プローブに沿って実質的にそれを取り囲んで延在してもよく、プローブの長さに沿って調節可能な位置を有する。光スリーブアセンブリは、複数の光ファイバーを含み得る。光ファイバーの少なくとも一部は、照光を提供するように動作可能であることができる。さらに、光ファイバーのそれぞれは、端面を有する。光スリーブアセンブリは、照光開口をさらに含み得る。照光開口は、光ファイバーの端面により画定され、照光領域を提供するように動作可能である。照光領域は、プローブに対する光スリーブアセンブリの位置に応じて変化させることができる。
【0007】
開示の別の態様は、ハウジング、ハウジング内に受容された近位端部および自由に伸張する遠位端部を備えたプローブ、および光スリーブアセンブリを含む照光式硝子体切除カッターアセンブリを含む。光スリーブアセンブリは、プローブの近位端部と遠位端部の間でプローブに沿って移動可能であってよい。光スリーブアセンブリは、ハウジングと隣接する第1の端部と、第1の端部と反対側の第2の端部と、プローブの周辺でアレイ状に配列された複数の光ファイバーとをさらに含む。複数の光ファイバーの少なくとも一部は、照光を提供するように動作可能であることができる。さらに、光ファイバーのそれぞれは、端面を有する。光スリーブアセンブリは、その第2の端部に形成される照光開口をさらに含み得る。照光開口は、光ファイバーの端面により画定されており、照光開口は、複数の光ファイバーの集合的照光を提供するように動作可能である。集合的照光は、複数の光ファイバーのそれぞれからの個別の照光を含む。
【0008】
さまざまな態様は、以下の特徴の内の1つ以上を含み得る。プローブを少なくとも部分的に収容する前金具が含まれ得る。光スリーブアセンブリの近位端部は、前金具の内に受容されてもよく、光スリーブアセンブリの遠位端部は、プローブの遠位端部の近くで終端し得る。光スリーブアセンブリの遠位端部とプローブの遠位端部の間の距離は、プローブに対する光スリーブアセンブリの位置の変化に応じて変えることができる。光スリーブアセンブリの位置は、手動で調節可能であってよい。アクチュエータは、光スリーブアセンブリに連結することができる。プローブに対する光スリーブアセンブリの位置は、アクチュエータの操作によって調節されてよい。
【0009】
光スリーブアセンブリは、さらにスリーブを含み得る。複数の光ファイバーは、スリーブの内面に沿ってアレイ状に配列されてよい。光スリーブアセンブリは、複数の光ファイバーを被包化する被包材をさらに含み得る。スリーブは、ジェネレータの第1のポールに接続されるように適合され得る。プローブは、ジェネレータの第2のポールに接続されるように適合され得る。被包材は、スリーブとプローブの間に配置される絶縁層を画定し得る。スリーブおよびプローブに印加される交流電流は、その間に電界を発生させて、光スリーブアセンブリの遠位端部が、プローブの端部表面と略同一平面上に配置されると、ジアテルミ機能を生じるように動作し得る。複数の光ファイバーの少なくとも1つは、レーザー光を伝播するように動作可能なファイバーであってよい。
【0010】
さまざまな態様は、以下の特徴の内の1つ以上をさらに含み得る。複数の光ファイバーの集合的照光は、照光領域を画定し得、照光領域は、光スリーブアセンブリのプローブに沿った動きに応じて調節されてよい。前金具は、ハウジングに連結されてよい。前金具は、光スリーブアセンブリの近位端部を受容するように適合され得る。光スリーブアセンブリは、スリーブをさらに含み得る。複数の光ファイバーは、スリーブの内面に沿ってアレイ状に配列されてよい。光スリーブアセンブリは、スリーブの少なくとも一部に沿って複数の光ファイバーを実質的に被包している被包材をさらに含み得る。スリーブは、ジェネレータの第1のポールに接続されるように適合され得る。プローブは、ジェネレータの第2のポールに接続されるように適合され得る。被包材は、スリーブとプローブの間に配置される絶縁層を画定し得る。交流電流がスリーブおよびプローブに印加されると、スリーブとプローブの間に電界が発生し、光スリーブアセンブリの第2の端部が、プローブの端部表面と略同一平面上に配置されると、ジアテルミ機能を生じる。複数の光ファイバーの少なくとも1つは、レーザー光を伝播するように動作可能なことができるファイバーであってよい。
【0011】
本開示の1つ以上の実施態様の詳細は、添付の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面と特許請求の範囲とから明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】例示的な照光式硝子体切除カッターアセンブリの側面図である。
図1B】例示的な光スリーブアセンブリの側面図である。
図1C】例示的な硝子体切除カッタープローブの遠位端部の部分断面図である。
図2】例示的な光スリーブアセンブリの遠位端部の斜視図である。
図3A】例示的な硝子体切除カッタープローブの遠位端部の詳細図である。
図3B】光スリーブアセンブリが硝子体切除カッタープローブに対して異なる位置に配置された硝子体切除カッタープローブの遠位端部の側面図である。
図3C】硝子体切除カッタープローブに対して異なる位置に配置される光スリーブアセンブリを備えた硝子体切除カッタープローブの遠位端部の側面図である。
図4A】硝子体切除カッタープローブの遠位端部に対する光スリーブアセンブリの動きを表す側面図である。
図4B】硝子体切除カッタープローブの遠位端部に対する光スリーブアセンブリの動きを表す側面図である。
図5A】光スリーブアセンブリを、異なる位置の硝子体切除カッタープローブに対して伸張させる、または引き込むように動作可能に適合された例示的アクチュエータを示す。
図5B】光スリーブアセンブリを、異なる位置の硝子体切除カッタープローブに対して伸張させる、または引き込むように動作可能に適合された例示的アクチュエータを示す。
図6A】複数の光ファイバーの移行領域を示す例示的な光スリーブアセンブリの近位端部の詳細図である。
図6B】例示的な光スリーブアセンブリの近位端部の詳細図であり、シースおよびその光ファイバーの被包されたアレイを示す。
図6C図6Bに示される硝子体切除器の上面図である。
図6D】外科手術コンソールに連結された例示的な硝子体切除器の概略図である。
図6E】硝子体切除器のハウジングの中に引き込まれた光スリーブアセンブリの近位端部を図示し、弛み構成になっている複数の光ファイバーを示す例示的な硝子体切除器の一部の詳細図である。
図7A】ジアテルミ機能を有する例示的な硝子体切除カッターアセンブリを示す斜視図である。
図7B】ジアテルミ機能を有する例示的な硝子体切除カッターアセンブリを示す斜視図である。
図8A】内部レーザー機能を有する例示的な硝子体切除カッターアセンブリを示す斜視図である。
図8B】内部レーザー機能を有する例示的な硝子体切除カッターアセンブリを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
当業者であれば、慣例により、後述する図面のさまざまな特徴は、必ずしも縮尺を合わせて図示されているわけではなく、本開示の例示的実施態様をより明確に示すために、図面のさまざまな特徴および要素の寸法が、拡大または短縮され得ることを認識して理解されるであろう。
【0014】
図面は、硝子体切除器の遠位端部または切断先端の周辺に提供される照光領域を選択的に調節する性能を提供する照光性能を備えた硝子体切除器(交換可能に「硝子体切除器」とも称される)のさまざまな例示的実施態様を示す。
【0015】
図1A図1Bは、例示的な硝子体切除器100を示す。硝子体切除器100はハウジング110を含み得、ハウジング110はそこから伸張する前金具115を備える。硝子体切除器100は、外部切断部材121を有する中空硝子体切除プローブまたは針(以下「プローブ」と称される)120をさらに含み得る。外部切断部材121の近位端部は、ハウジング110内に受容されても、またはその他の方法でそれに連結されてもよい。外部切断部材121の遠位端部123は、切断先端125を含む。図1Cに示すように、一部の実施態様では、プローブ120は、外部切断部材121の中で摺動可能な内部切断部材をさらに含み得る。内部切断部材200は、切刃202を備えることができる。物質が外部切断部材121に形成されるポート127の中に引き入れられると、内部切断部材200の刃202は、内部切断部材200が外部切断部材121の中で往復運動する際に、ポート127を画定している刃204と共に協働して、ポート127の中に引き入れられる物質(例えば組織)を分断する。分断された物質は、ポート127の中に引き込まれた他の流体および物質と共に、内部切断部材200により画定される内腔206を通って離れるように吸引され得る。
【0016】
ハウジング110は、駆動機構の少なくとも一部を収容することができる。駆動機構は、内部切断部材200を、外部切断部材121の中で、それに対して往復運動させるように動作可能である。ハウジング110は、1つ以上のポートをさらに提供することができる。例えば、1つ以上のポートは、硝子体切除器100と吸引用真空源の間の接続を可能にすることができる。一部の実施態様では、別のポートは、例えば駆動機構を作動させるための加圧空気を提供するのに使用することができる。他の実施態様では、ポートは、駆動機構用電力を提供することができる。ハウジング110は、触知型標識126をさらに含み得る。触知型標識126は、ポート127が設置される外部切断部材121の側に関して、触知できる表示を外科医または他の医療専門家などの使用者に提供することができる。
【0017】
前金具115は、ハウジング110から伸張して、プローブ120をハウジング110に連結している。場合によっては、プローブ120の長さは、約15mm〜27mmであってよい。しかしながら、他の実施態様では、プローブは、これより大きいまたはより小さい長さを有していてもよい。さらに、さまざまな外径硝子体切除のプローブを、使用してもよい。例えば、場合によっては、プローブは、20ゲージ、23ゲージ、25ゲージまたは27ゲージであってよい。他の例では、プローブは、表示されたものより大きいまたは小さい任意のサイズを有していてもよい。
【0018】
図1Aおよび図1Bを参照すると、硝子体切除器100は、さらに、光スリーブアセンブリ130を含み得る。光スリーブアセンブリ130は、ハウジング110に隣接する近位端部145および近位端部から間隔を置いて配置される遠位端部146を含む。光スリーブアセンブリ130は、プローブ120の上で受け取られることができ、実質的にそれを囲んでいる。光スリーブアセンブリ130の遠位端部146は、プローブ120の遠位端部123に近接して配置される。さらに、光スリーブアセンブリ130の近位端部145は、前金具115の中で摺動可能に受け取られ得る。したがって、光スリーブアセンブリ130は、プローブ120上で、それに対して摺動可能に構成されている。
【0019】
図2は、例示的な光スリーブアセンブリ130の遠位端部146の断面図を示す。光スリーブアセンブリ130は、プローブ120が受け取られる中央穴218を画定している。光スリーブアセンブリ130は、光スリーブアセンブリ130の周辺で実質的に円形のアレイ状に配列された複数の光ファイバー210を含み得る。複数の光ファイバー210の遠位端部表面226は、照光開口220を画定している。光スリーブアセンブリ130は、外側スリーブ212をさらに含み得る。一部の実施態様では、外側スリーブ212は、硬質材料から形成されてよい。例えば、場合によっては、外側スリーブ212は、金属、ポリマー、または何らかの他の適切な材料から形成され得る。光ファイバー210は、スリーブ212の内面に沿って円形アレイ状に配列されてよい。一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130は、他の種類のファイバーを含み得る。例えば、一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130は、他の種類の放射線を伝送するように動作可能である1つ以上のファイバーを含み得る。例えば、レーザー光、紫外光、赤外光、または何らかの他の種類の光を伝送するファイバーを、さらに含み得る。さらに、一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130は、ファイバーの間に配置される1つ以上のスペーサをさらに含み得る。スペーサは、隣接するファイバーを所望量だけ離間させるように動作可能である。
【0020】
光ファイバーの一部もしくは全部の近位端部が、通常ハウジング110内に受容された状態で、光ファイバー210は、実質的に、プローブ120の長さに沿って延在する。光ファイバー210の1つ以上は、照光光源に連結されてよい。例示的照光光源は、紫外線(「UV」)光源、赤外線(「IR」)光源、または他の所望の光源または放射線源を含み得る。本明細書で「光」という場合、開示の範囲は、可視光に限定されるように意図されていない。むしろ、上記のように、UVおよびIR放射線などの他の種類の放射線を、光ファイバー210の1つ以上を通して伝送し、それから発することができる。「光」という用語は、光ファイバー210と共に使用される任意の種類の放射線を包含するように意図されている。さらに、場合によっては、光ファイバー210は、多モード端部放射ファイバーでもよい。しかしながら、他の実施態様では、他の種類の発光光ファイバーを使用してもよい。
【0021】
照光光源の光を、光ファイバー210の内の1つ以上を通して伝達させ、その遠位端部211から発光させることができる。前述したように、光ファイバーの遠位端部211の端部表面226は、照光開口220を集合的に画定している。一部の実施態様では、光ファイバーは、25μm〜75μmの範囲の直径を有していてもよい。一部の特定の実施態様では、光ファイバー210は、約40μm〜50μmの範囲内の直径を有していてもよい。さらに他の実施態様では、光ファイバー210の内の1つ以上は、記載されている直径より大きいまたは小さい直径を有していてもよい。一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130は、すべて同一サイズである複数の光ファイバー210を備えていてもよい。他の実施態様では、光スリーブアセンブリ130は、さまざまなサイズの光ファイバー210を備えていてもよい。
【0022】
さらに、光スリーブアセンブリ130は、スリーブ212の長さの少なくとも一部に沿って光ファイバー210を実質的に被包する被包材214を含み得る。被包材214は、樹脂などのポリマーで形成されてよい。他の例では、被包材214は、ゴム、テープ、または何らかの他の所望の被包材またはシーリング材などの他の材料、またはこのような材料の内の2つ以上の任意の組み合わせを含み得る。
【0023】
場合によっては、スリーブ212、光ファイバー210、および被包材214を同時に研磨して、光スリーブアセンブリ130の遠位端部146の端面222を形成してもよい。一部の実施態様では、図1Bの例示的な光スリーブアセンブリ130に示すように、端面222は、平面的でもよい。場合によっては、端面222は、同様に図1Bで示すように、光スリーブアセンブリ130の縦軸224に対して垂直であってよい。他の例では、端面22は、縦軸224に対してある角度を成して形成されてよい。他の例では、端面222は、平面的でなくてもよい。むしろ、場合によっては、遠位端部146は、不規則な輪郭を有する端面を有していてもよい。例えば、端面222は、波形または切子面を有する、または任意の他の所望形状または輪郭を有していてもよい。場合によっては、スリーブ212、光ファイバー210、および被包材214は、実質的に光スリーブアセンブリ130の全長に沿って延在しており、被包材214の内面216が、プローブ120を受容するように構成された穴218を画定している。
【0024】
図2図3B図3Cおよび図4Bを参照すると、光ファイバー210のそれぞれは、端部表面226を含む。さらに、光ファイバー210の少なくとも一部は、端部表面226を介して照光を提供ように動作可能である。前述したように、照光を提供している端部表面226は、集合的に照光開口220を画定している。さらに上で説明したように、光スリーブアセンブリ130は、端面222を含む。したがって、照光開口220は、端面222の中で画定され得る。
【0025】
照光開口220は、任意の所望の構成に画定することができる。例えば、一部の実施態様では、照光開口220は、半円形状を有していてもよい。他の実施態様では、照光開口220は、連続的な円形状を有していてもよい。さらに他のものでは、照光開口220は、任意の所望の長さのアーク長を有していてもよい。さらに、照光を提供する1つ以上の光ファイバー210は、1つ以上のスペーサで、同様に照光を提供する1つ以上の別の光ファイバー210と離間され得る。したがって、照光開口220は、プローブ120の周辺に任意の所望領域またはパターンで構成され得る。さらに、光スリーブアセンブリ130の断面形状は、円形状に限定されない。むしろ、光スリーブアセンブリ130は、任意の形状を有してもよく、特に、光スリーブアセンブリ130が連結するプローブ120の形状と関連付けられた形状を有することができる。
【0026】
図3A図3Bおよび図3Cを参照すると、光スリーブアセンブリ130は、プローブ120に沿って移動可能であってよい。光スリーブアセンブリ130がプローブ120に沿って伸張される(すなわち矢印方向230に動かされる)、または引き込まれる(すなわち矢印方向232に動かされる)際、照光開口220の位置は、プローブ120の切断先端125に対して調節される。光スリーブアセンブリ130がプローブ120に対して動くことで、図3B図3Cおよび図4Bに示すように、照光開口220より提供される照光領域221の大きさが調節される。例えば、使用者は、網膜の領域が照光されることを所望する場合がある。したがって、照光領域221は、照光が所望される網膜の一部であってよい。使用者は、光スリーブアセンブリ130をプローブ120に対して摺動させることで、照光領域221の大きさを調節することができる。照光開口220からの照光のルクス(すなわち単位面積当たりの光束)を、光スリーブアセンブリ130のプローブ120に対する位置に基づいて変えることもできる。したがって、照光開口220を、プローブ120の切断先端125に対して調節して、照光開口220を通る切断先端125の周辺に提供される照光を変えることができる。
【0027】
図3Aに示すように、領域「x」は、光スリーブアセンブリ130の遠位端部146とプローブ120の遠位端部123、特に切断先端125との間の距離を画定している。光スリーブアセンブリ130は、図3Bおよび図3Cに示すように、この距離「x」の範囲内の任意の位置に調節されて、照光領域221の大きさを変更させることができる。光スリーブアセンブリ130は、硝子体切除針120の長さに沿って調節可能であり、照光開口220の調節を可能にして、それによって、提供される照光領域221を増減させる。硝子体網膜の外科的処置などの、外科的処置過程において、外科医は、所定時間に異なるレベルの照光を所望する場合がある。例えば、外科医は、眼の異なる領域で異なるレベルの照光を所望し得る、または、外科医は、眼の任意の特定領域である量の照光を調節することを所望し得る。ポート127に対して領域「x」の中で照光開口220の位置を変えることで照光領域121を調節することにより、照光開口220を介して提供される照光は、外科的処置を実施している外科医などの使用者の特定のニーズに合わせることができる。
【0028】
図4A図4Bを参照すると、一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130(および結果的に照光開口220)は、光スリーブアセンブリ130をプローブ120に沿って1つ以上の位置まで手動で摺動させることによって、プローブ120に沿って動かすことができる。光スリーブアセンブリ130は、位置のある領域内で、任意の所望位置にプローブ120に沿って調節することができる。これにより、使用者は、照光開口220をプローブ120沿いの、その切断先端125に対する所望の位置に置くことができる。その結果、照光開口220を介して提供され、照光領域221に向けられる照光の量を、変えることができる。例えば、焦束された光(またはより小さい、より方向付けられる照光領域)が望ましいいくつかの例では、光スリーブアセンブリ130を動かして、プローブ120の遠位端部123により近づけることができる。例えば、一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130を、切断先端125の1mm〜15mmの範囲に、またはそれより近くに動かすことができる。一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130の遠位端部146は、切断先端125の端部表面と略同一平面上に、または部分的にそれを通り越して伸張した位置まで伸張させることができる。拡散照光または照光領域拡張が、(例えば周辺を見るために)望ましい他の場合には、光スリーブアセンブリ130は、照光開口220から照光がより大きく拡がることが可能になるように、プローブ120の遠位端部123からさらに離れる方向に動かすことができる。
【0029】
一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130およびそれに対応する照光開口220を、光スリーブアセンブリ130に連結されたアクチュエータを用いてプローブ120に沿って動かすことができる。プローブ120の遠位端部123に対する照光開口220の位置は、アクチュエータの操作によって調節することができる。図5Aおよび図5Bは、光スリーブアセンブリ130の位置を調節するために光スリーブアセンブリ130に連結されたアクチュエータ445を備えた例示的な硝子体切除器100を示す。アクチュエータ445は、使用者の指(例えば母指)により作動させることができる。アクチュエータ445は、前金具115の前方突起部分446に形成されたスロットを通って延在し得る。アクチュエータ445は、前方突起部分446に対して、スロットの中で動かされて、光スリーブアセンブリ130をプローブ120に沿って伸張させるまたは引き込むことができる。アクチュエータ445は、接着して、機械的に、あるいはその他の方法で光スリーブアセンブリ130に連結することができる、または摩擦係合して光スリーブアセンブリ130と係合することができる。したがって、アクチュエータ445が、矢印230の方向または矢印232の方向に動かされるのに伴い、光スリーブアセンブリ130は、同じように動かされる。アクチュエータ445の操作によって、光スリーブアセンブリ130は、それに応じてプローブ120に沿って動かされる。その結果プローブ120に沿った照光開口220の位置は、調節される。他の種類のアクチュエータ(例えば空圧式、液圧式、電気式、またはその他の方式)を、同様に利用してもよい。さらに、アクチュエータは、光スリーブアセンブリ130を手動で操作することなく、光スリーブアセンブリ130の位置を調節するように動作可能であってよい。さらに、手動またはその他のアクチュエータを利用して、眼からプローブ120を取り外すことなく、プローブ120に対する光スリーブアセンブリ130の位置を調節することができる。
【0030】
図1B図4A図5A図5Bに示すように、光スリーブアセンブリ130の近位端部145は、光スリーブアセンブリ130がプローブ120に沿って伸張しているときに前金具115の中で摺動可能に受け取られ得る。図6A図6Bおよび図6Cを参照すると、光ファイバー210は、移行領域504において光スリーブアセンブリ130のスリーブ212の近位端部145から出る。移行帯504の中では、光ファイバー210は、被包材505の中に被包され得る。図6Aに示すように、光ファイバー210は、プローブ120の側部に集結されており、プローブ120は、光ファイバー210の移行領域504を越えて近位方向に伸張している。移行領域504を越えると、光ファイバー210は、配列されてファイバー束160になり得る。ファイバー束160は、保護シース515の中に配置することができる。保護シース515は、光ファイバー210を防護するだけではなく、光ファイバー210の歪みを緩和するように動作可能である。場合によっては、保護シース515は、エラストマー材料で形成してもよい。しかしながら、保護シース515は、任意の適切な物質で形成してもよい。被包材505は、保護シース515の中に入り、それを通って伸張する光ファイバー210の少なくとも一部をさらに被包することができる。
【0031】
一部の実施態様では、ファイバー束160は、光源まで伸張してこれに連結されてよい。一部の実施態様では、図6Dに示すように、光源600は、硝子体切除器100から離れて配置されてよい。例えば、光源600は、硝子体切除器100が連結される外科手術コンソール610の中に設けてもよい。他の実施態様では、ファイバー束160は、光源600に接続する、またはそれから伸張する1つ以上の第2の光ファイバー620に連結することができる。さらに他の実施態様では、光源は、硝子体切除器100のハウジング110の中に含まれる、またはその他の方法でそれに連結することができる。前述したように、光源は、外科手術コンソール610に備わっていてもよく、光源600が発生する光は、硝子体切除器100に提供され、第2の光ファイバー620および/またはファイバー束160を通して手術部位を照らすために光ファイバー210に供給され得る。
【0032】
一部の実施態様では、ファイバー束160は、図6B(伸張構成)および図6E(引き込み構成)に示すように、光スリーブアセンブリ130のプローブ120に沿った動きに応じて、ハウジング110から伸張すること、およびその中に格納することが可能である。したがって、場合によっては、ハウジング110は、ファイバー束160の少なくとも一部を収容する空間を含み得る。さらに、ファイバー束160は、光スリーブアセンブリ130が所望の量だけ動くことができるように、図6Eに示すように、弛み170、すなわちハウジング110内部にある長さのファイバー束160を含み得る。その結果光スリーブアセンブリ130がプローブ120に対して動くことは、前金具115の中にそれに対して動くことができる光スリーブアセンブリ130を備えること、および十分な長さのファイバー束160を設けて、光スリーブアセンブリ130が、プローブ120に沿ってその遠位端部まで摺動できるようになることで、可能になる。
【0033】
図6Eは、ファイバー束160が弛み構成になっている第1の位置にある光スリーブアセンブリ130の近位端部145を示す。一部の実施態様では、光スリーブアセンブリ130が、この第1の位置に動かされると、光スリーブアセンブリ130の遠位端部146は、プローブ120の遠位端部123から離間される。例えば、図3Bは、プローブ120の遠位端部123から近位方向に移動された光スリーブアセンブリ130を示す。光スリーブアセンブリ130は、光スリーブアセンブリ130が、伸張構成にある第2の位置に動かすことが可能である。伸張構成では、光スリーブアセンブリ130の遠位端部146は、プローブ120の遠位端部123により近い位置に置かれる。この第2の位置にあるファイバー束160は、弛みの少ない状態にある。第2の位置のいくつかの例では、ファイバー束160は、実質的に張り詰めていてもよい。他の例では、ファイバー束160は、第1の位置の状態よりも少ない量の弛みを有し得る。図3Cは、プローブ120の遠位端部123により近く配置された光スリーブアセンブリ130を示す。
【0034】
さらに他の実施態様では、硝子体切除器100は、湿領域ジアテルミ性能を内蔵していてもよい。場合によっては、硝子体切除手順が、結果的に網膜周辺で血管の出血が起きることがある。ジアテルミでは、熱を誘発する電気(一般的には高周波交流電流)を印加する。誘発された熱は、血管を焼灼して、出血を止めるのに利用することができる。ジアテルミ性能は、スリーブ212を形成するのに使用されるまたはその中に含まれる金属、およびプローブ120を形成する金属を用いて実施することができる。スリーブ212とプローブ120が緊密に近接していると、特に、光スリーブアセンブリ130の端面222が、プローブ120の端部表面240と略同一平面上になるように(例えば図7Bに示すように)光スリーブアセンブリ130が伸張されるとき、高周波交流電流を印加した結果、電界が生じる。電界効果が、プローブ120とスリーブ212との間に生じ、被包材214がジアテルミ作動用絶縁物として作用する。発生した電界は、プローブ120の遠位端部123に隣接した位置にある組織および特に血管などの物質の加熱を誘発する。出血中の血管では、発生した熱が、血管を焼灼し、その結果出血を止める。
【0035】
ジアテルミ性能を提供するため、スリーブ212の中に組み込まれた、またはそれを形成する金属は、プローブ120がジェネレータの第2のポールに接続された状態で、ジェネレータの第1のポールに接続され得る。さらに、光ファイバーを囲む被包材214は、絶縁材として使用することができる。例えば、被包材214は、絶縁物として役立つのに十分な絶縁耐力を有する材料で形成することができる。電界は、硝子体切除器100が、ジアテルミ機能を提供するように動作可能であるように2つのポールの間に生じる。例えば、前述したように、光スリーブアセンブリ130が、プローブ120の端部表面240と略同一平面上に配置されると、ジアテルミ性能は、実施可能であってよい。発生した電界は、プローブ120の遠位端部123に隣接して配置される組織の中で熱を誘発する。発生した熱は、組織の焼灼術に利用することができる。例えば、眼の内部の血管(特に網膜周辺の出血血管)を焼灼して、出血を止めることができる。硝子体切除器100にジアテルミ性能を包含することで、ジアテルミが必要なときに硝子体切除器100をジアテルミプローブと交換する必要が回避される。この交換がなくなることで、外科的処置を実施するのに必要な時間が短縮され、機器を眼から引き出すこと、および眼の中に挿入することに関連することのある眼組織を損傷する可能性がなくなる。したがって、ジアテルミが必要なとき、光スリーブアセンブリ130が記載のように配置され得る。ジアテルミが不要であるときには、光スリーブアセンブリ130は、別の1つの位置または複数の位置に設置されて、上記のように照光を提供することができる。
【0036】
一部の実施態様では、硝子体切除器100は、内部レーザー性能を内蔵していてもよい。内部レーザー治療は、例えば網膜外科的処置との関連で、網膜の裂孔を封止するためのレーザー放射線の使用を伴う。硝子体切除器100は、照光を提供するのに使用される光ファイバー210の内の1つ以上を、レーザー光を伝送するのに適した特性を有する1つ以上の光ファイバーと置き換えることにより、内部レーザー機能を内蔵することができる。図8A図8Bは、光ファイバー210の中に設けられた光ファイバー805を用いて内部レーザー性能を提供するように動作可能な例示的な硝子体切除器100を示す。作動中に、光スリーブアセンブリ130の遠位端部146は、プローブ120の端部表面240と略同一平面上に置くことができる。光スリーブアセンブリ130および端部表面240を同一平面に配列することで、プローブ120によるレーザー口径食を回避している。さらに、硝子体切除器100に内部レーザー性能を包含させることで、別個の内部レーザープローブを挿入するために硝子体切除器100を除去する必要がなくなり、その結果上で説明したようなリスクなどの外科的処置に関連するリスクを減らす。
【0037】
内部レーザーに適した特性を有する少なくとも1つの光ファイバー805を、光ファイバー210のアレイに加えることができる。アレイの中の残りの光ファイバー210は、照光を提供し続けながら、光ファイバー805をレーザー光源に連結することができる。例えば、光ファイバー805は、レーザー光源に適したコネクタで終端された遠位端部を有し得る。光ファイバー805は、残りの光ファイバー210と類似の方法でプローブ120の長さに沿って伸張することができる。内部レーザー機能が要求されるとき、光スリーブアセンブリ130を、端部表面240と同一平面上の位置に動かし、光ファイバー805の遠位端部からレーザー光を伝送するために光ファイバー805が作動されることができる。したがって、硝子体切除器100は、折々、例えば上述したような照光を提供するのに利用することができ、別の場合には、硝子体切除器100は、内部レーザー機能を提供するのに利用することができる。
【0038】
さらに他の実施態様では、硝子体切除器100は、湿領域ジアテルミ性能および内部レーザー性能を内蔵していてもよい一方、照光性能も含む。外科医などの使用者は、外科的処置の間に必要であると考えられる1つ以上の治療法に基づいて、照光性能を備えた硝子体切除器、照光および内部レーザーまたはジアテルミ性能の内の1つ以上を有する硝子体切除器などの、硝子体切除器100の種類を選択することができる。
【0039】
場合によっては、照光、ジアテルミまたは内部レーザー機能の適用は、硝子体切除器が連結される外科手術コンソールで対応する制御を作動させることによって実施することができる。例えば、ジアテルミ性能が所望される場合、使用者は、光スリーブアセンブリ130を、その遠位端部146がプローブ120の端面240と略同一平面上になるように、置くことができる。次いで、使用者は、外科手術コンソールのジアテルミ制御を作動させて、硝子体切除器100のジアテルミ機能を提供し得る。外科手術コンソールの内部レーザー制御が作動されるとき、内部レーザー機能は、硝子体切除器100により提供される。前述したように、場合によっては、使用者が、放射されたレーザー光の口径食をなくすために光スリーブアセンブリ130の遠位端部146をプローブ120の端面240と位置合わせしてもよい。
【0040】
前述の説明では、本開示のさまざまな実施態様を概略的に図示して説明した。しかし、当業者であれば理解されるように、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている特徴の内の1つ以上にさまざまな変更および修正を加えることができ、前記説明に含まれる、または添付図面に示されるすべての事柄は、例証的であると解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないと意図されている。さらに、本開示の範囲は、上記のおよび上記の実施形態へのさまざまな修正、組み合わせ、追加、変更などを含むものと解釈されるべきであり、それらは、本開示の範囲内であるとみなされるべきである。したがって、本明細書で論じられる本開示のさまざまな特徴および特性は、選択的に置き換えられ、および、本開示の他の図示例および非図示例に適用してもよく、添付の請求の範囲に記載する本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更、修正および追加を行うことができる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図8A
図8B
【国際調査報告】