特表2015-533719(P2015-533719A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-533719(P2015-533719A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(54)【発明の名称】アクティブアクセルペダル
(51)【国際特許分類】
   B60K 26/02 20060101AFI20151030BHJP
   G05G 1/30 20080401ALI20151030BHJP
   G05G 5/03 20080401ALI20151030BHJP
   B60L 15/00 20060101ALI20151030BHJP
【FI】
   B60K26/02
   G05G1/30 E
   G05G5/03 A
   B60L15/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-534949(P2015-534949)
(86)(22)【出願日】2013年9月17日
(85)【翻訳文提出日】2015年4月7日
(86)【国際出願番号】EP2013069264
(87)【国際公開番号】WO2014056684
(87)【国際公開日】20140417
(31)【優先権主張番号】102012218283.7
(32)【優先日】2012年10月8日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アレックス グロスマン
(72)【発明者】
【氏名】ウド ジーバー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ヘニング
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クロッツビューヒャー
【テーマコード(参考)】
3D037
3J070
5H125
【Fターム(参考)】
3D037EB16
3D037EB25
3J070AA32
3J070BA19
3J070BA51
3J070CB01
3J070CC71
3J070DA01
5H125AA01
5H125BA00
5H125CD02
5H125EE42
5H125FF28
(57)【要約】
車両(10)用のアクティブアクセルペダル(12)は、ペダルポジションセンサ(26)と、アクチュエータ(16)と、アクチュエータ制御部(28)とを有しており、前記ペダルポジションセンサ(26)は、前記アクティブアクセルペダル(12)のペダルレバー(14)のポジションを検出して、ペダルポジション信号(52)に変換するように構成されており、前記アクチュエータ(16)は、前記ペダルレバー(14)に触覚的フィードバックを与えるように構成されており、前記アクチュエータ制御部(28)は、前記アクチュエータ(16)を制御するように構成されている。前記ペダルポジションセンサ(26)は、ペダルポジション信号(52)を前記車両(10)の中央原動機制御部(18)に伝送するように構成されており、当該ペダルポジション信号(52)を用いて、前記中央原動機制御部(18)は、前記車両(10)の駆動部(20)を制御する。前記アクチュエータ制御部(28)は、前記ペダルポジションセンサ(26)からペダルポジション信号(52、54)を受信するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)用のアクティブアクセルペダル(12)であって、当該アクティブアクセルペダル(12)は、
ペダルポジションセンサ(26)と、アクチュエータ(16)と、アクチュエータ制御部(28)とを含んでおり、
前記ペダルポジションセンサ(26)は、前記アクティブアクセルペダル(12)のペダルレバー(14)のポジションを検出して、ペダルポジション信号(52)に変換するように構成されており、
前記アクチュエータ(16)は、前記ペダルレバー(14)に触覚的フィードバックを与えるように構成されており、
前記アクチュエータ制御部(28)は、前記アクチュエータ(16)を制御するように構成されており、
前記ペダルポジションセンサ(26)は、ペダルポジション信号(52)を前記車両(10)の中央原動機制御部(18)に伝送するように構成されており、当該ペダルポジション信号(52)を用いて、前記中央原動機制御部(18)は、前記車両(10)の駆動部(20)を制御する、アクティブアクセルペダル(12)において、
前記アクチュエータ制御部(28)は、前記ペダルポジションセンサ(26)からペダルポジション信号(52、54)を受信するように構成されている、
ことを特徴とする、アクティブアクセルペダル(12)。
【請求項2】
前記アクチュエータ制御部(28)は、直接的な信号接続(37、40)を介して前記ペダルポジションセンサ(26)と接続されている、請求項1記載のアクティブアクセルペダル(12)。
【請求項3】
前記アクチュエータ制御部(28)は、パルス幅変調された信号を伝送するように設計されている信号接続(37)を介して前記ペダルポジションセンサ(26)と接続されている、請求項1又は2記載のアクティブアクセルペダル(12)。
【請求項4】
前記アクチュエータ制御部(28)は、SPI接続(40)を介して、前記ペダルポジションセンサ(26)と接続されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のアクティブアクセルペダル(12)。
【請求項5】
前記ペダルポジションセンサ(26)は二つのセンサ部材(30)を含んでおり、
二つのセンサ部材(30)は前記中央原動機制御部(18)と接続されており、
前記二つのセンサ部材(30)のうちの一つのセンサ部材だけが、前記アクチュエータ制御部(28)に対してペダルポジション信号を供給する、請求項1から4までのいずれか1項記載のアクティブアクセルペダル(12)。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項記載のアクティブアクセルペダル(12)と、前記中央原動機制御部(18)とを含んでおり、
前記中央原動機制御部(18)は、前記ペダルポジションセンサ(26)からペダルポジション信号(52)を受信するように構成されている、
ことを特徴とする、アクティブアクセルペダル(12)用の制御システム(22)。
【請求項7】
前記中央原動機制御部(18)は、前記ペダルポジション信号(52)を処理し、バス接続(38)を介して前記アクチュエータ制御部(28)に伝送するように構成されている、請求項6記載の制御システム(22)。
【請求項8】
前記中央原動機制御部(18)は、前記ペダルポジション信号(52)の時間微分を形成し、前記アクチュエータ制御部(28)に伝送するように構成されている、請求項6又は7記載の制御システム(22)。
【請求項9】
前記中央原動機制御部(18)は、前記ペダルポジション信号(54)を切り取るように構成されている、請求項6から8までのいずれか1項記載の制御システム(22)。
【請求項10】
前記中央原動機制御部(18)は、前記ペダルポジションセンサ(26)からの一連のペダルポジション信号を、フィルタリングされた一つのペダルポジション信号にまとめ、当該フィルタリングされたペダルポジション信号を前記アクチュエータ制御部(28)に伝送するように構成されている、請求項6から9までのいずれか1項記載の制御システム(22)。
【請求項11】
請求項1から5までのいずれか1項記載のアクティブアクセルペダル(12)又は請求項6から10までのいずれか1項記載の制御システム(22)を有している、
ことを特徴とする車両(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のアクティブアクセルペダル、アクティブアクセルペダル用の制御システム及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブアクセルペダルは、ハプティック信号を介して、種々のフィードバックを運転者に与える。このために、アクティブアクセルペダルには、適切なアクチュエータが装備されている。このアクチュエータの駆動制御は、局所的なアクチュエータ制御部、電子装置によって行われる。このアクチュエータ制御部、電子装置もアクセルペダル内に組み込み可能であり、例えばCANバスを介した信号によってトリガされる。
【0003】
安全上の理由から、ペダルを戻す方向の力だけがアクチュエータからアクセルペダルへ伝達可能であるように、アクチュエータはアクセルペダルに機械的に結合される。アクチュエータに結合することなくペダルが動くことが可能な機械的処理では、アクチュエータのポジションを閉ループ制御するために、アクチュエータのポジションの他に、ペダルのポジションも必要となる。
【0004】
ペダル角度、即ち、アクセルペダルレバーの現在のポジションは、冗長的な二つのセンサ部材によって検出され、ECU、即ち、中央原動機制御部に伝達される。ここで二つのセンサ部材の二つの冗長的な信号には通常、評価のため及び診断のために、測定値、二つの信号間の同期性及び関係等に関して極めて高い精度が要求される。
【0005】
従って、それぞれセンサ部材と接続されている、中央原動機制御部に接続されている複数の信号線路のうちの少なくとも一つについて「ワイヤ接続取出」を行い、アクチュエータ制御部に伝達し、そこで評価するのは、不都合である。なぜなら、アクチュエータ制御部は通常、異なる電圧供給部及び異なるアース接続とともに動作しており、例えば接地オフセットに基づいて信号のオフセットが生じることがあり、これによって同期性への要求が満たされなくなってしまうからである。
【0006】
従って、通常は、上述の欠点を回避するために、アクチュエータ用の第2のペダルポジションセンサが使用される。これは、アクチュエータ制御部に信号を供給する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、より確実であり、かつ、容易に構築されるアクティブアクセルペダルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題は、独立請求項の構成要件によって解決される。本発明の別の実施形態は、従属請求項及び後続の明細書に記載されている。
【0009】
本発明の一つの態様は、車両、例えば乗用車、トラック又はバス用のアクティブアクセルペダルに関する。
【0010】
本発明の一つの実施形態では、アクティブアクセルペダルは、ペダルポジションセンサとアクチュエータとアクチュエータ制御部とを含んでおり、ペダルポジションセンサは、アクティブアクセルペダルのペダルレバーのポジションを検出し、ペダルポジション信号に変換するように構成されている。アクチュエータは、ペダルレバーへ触覚的フィードバックを与えるように構成されている。アクチュエータ制御部は、アクチュエータを制御するように構成されている。ペダルポジション信号は、例えば電圧信号であり得る。この電圧信号のレベルは、ペダルポジション、より具体的にはペダル角度と関連している。触覚的フィードバックは、アクチュエータによって生成される付加的な力であり得る。これは、運転者の力に対抗するように作用する。触覚的フィードバックは、ペダルレバーの振動又は運動であり得る。
【0011】
ペダルポジションセンサは、信号を車両の中央原動機制御部に伝送するように構成されている。この信号を用いて、原動機制御部は、車両の駆動部を制御する。例えば、ペダルポジションセンサは、複数の同様の線路を介して、中央原動機制御部と接続される。さらに、アクチュエータ制御部は、ペダルポジション信号を直接的又は間接的に、ペダルポジションセンサから受信し、特に、さらなる処理をするように構成されている。
【0012】
従って、アクティブアクセルペダルは、中央原動機制御部と接続されており、かつ、アクチュエータ制御部用のペダルポジション信号も提供するペダルポジションセンサを一つだけ有する(しかし、このペダルポジションセンサは、複数の冗長的なセンサ部材を含み得る)。従って、ペダル制御電子装置乃至アクチュエータ制御部内のアクチュエータのポジション閉ループ制御のためのペダルポジションの検出は、付加的なセンサを必要とせず、かつ、中央原動機制御部に対する冗長的なペダルセンサ信号に、遡って作用を及ぼすことがなくなることを保証する。ここから、構造空間、配線及びコストに関する利点が得られる。
【0013】
アクチュエータ制御部は、局所的なアクチュエータ制御部であり得る。即ち、アクチュエータ制御部は、アクティブアクセルペダルのペダルポジションセンサ及び/又は他のコンポーネントと同じハウジング内、同じボード上及び/又は同じ構造グループ内に存在し得る。
【0014】
本発明の一つの実施形態では、アクチュエータ制御部は、直接的な信号接続を介して、ペダルポジションセンサと接続されている。直接的な信号接続は、同じ構造群乃至その上にセンサとアクチュエータ制御部とが配置されているボードの線路を介して行われ得る。従って、ペダルポジションセンサは、次のように構成可能である。即ち、中央原動機制御部用の第1のペダルポジション信号を第1の線路を介して提供し、第2のペダルポジション信号を第2の線路を介してアクチュエータ制御に提供するように構成可能である。
【0015】
本発明の一つの実施形態では、アクチュエータ制御部は、パルス幅変調された信号を伝送するように設計されている信号接続を介して、ペダルポジションセンサと接続されている。このために、パルス幅変調された信号を形成するようにペダルポジションセンサを構成することができる。信号がパルス幅変調されている場合には、信号の絶対電圧レベルが評価されるのではなく、デューティ比が評価される。パルス幅変調された信号の電圧レベルにおける公差は、それほど重要ではなく、無視することが可能であろう。
【0016】
本発明の一つの実施形態では、アクチュエータ制御部は、SPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)接続を介して、ペダルポジションセンサと接続されている。選択的に、ペダルポジション信号の伝送は、SPIバスを介して行われる。SPI信号を形成するようにペダルポジションセンサを構成することができる。
【0017】
要約すると、検出されたペダルポジションは、センサチップ内に存在するPWMチャネル又はSPIチャネルを介してアクチュエータ制御部に伝送可能である。ここでは、(例えば接地オフセットによって)中央原動機制御部用の(場合によっては重畳的な)ペダルポジション信号に、遡って作用を及ぼすことはない。
【0018】
本発明の一つの実施形態では、ペダルポジションセンサは二つのセンサ部材を有している。ここで二つのセンサ部材は、中央原動機制御部と接続されている。二つのセンサ部材は、一つの共通のボード又は一つの共通のチップ上に位置し得る、及び/又は、冗長的なペダルポジション信号を中央原動機制御部に供給し得る。これら二つのセンサ部材のうちの一つのみがアクチュエータ制御部と接続される、及び/又は、ペダルポジション信号をアクチュエータ制御部に供給することができる。
【0019】
本発明の別の態様は、上述したような、及び、後述するような、アクティブアクセルペダル用の制御システムに関する。この制御システムは、中央原動機制御部と、アクティブアクセルペダルのアクチュエータのための局所的なアクチュエータ制御部とを含んでいる。中央原動機制御部は、ペダルポジション信号をペダルポジションセンサから受信するように構成されている。この受信は、例えば直接的な接続を介して、例えば、その電圧レベルがペダルポジション、より具体的にはペダル角度を表す電圧伝達線路を介して行われる。次に、原動機制御部は、アナログのペダルポジション信号をデジタルのペダルポジション信号に変換し、さらなる処理をすることができる。
【0020】
本発明の一つの実施形態では、中央原動機制御部は、ペダルポジション信号を処理し、バス接続を介してアクチュエータ制御部に(例えばデジタルの形態で)伝送するように構成されている。ここでこのバスは、中央原動機制御部及びアクチュエータ制御部が接続されているCANバスであり得る。
【0021】
アクチュエータ制御部は、中央原動機制御部によって処理されていることがある、ペダルポジションセンサからのペダルポジション信号を、間接的に中央原動機制御部から受信することができる。ペダルポジションセンサとアクチュエータ制御部との間の直接的な(物理的な)接続は不必要である。このようにして、アクチュエータ制御部とペダルポジションセンサとを完全に直流電気的に分離させることができる。従って、ペダルポジション信号は、バスシステムを介してアクチュエータ制御部に伝送される。
【0022】
本発明の一つの実施形態では、中央原動機制御部は、ペダルポジション信号の時間微分を形成する、及び/又は、ペダルポジション信号を切り取って、アクチュエータ制御部に伝送するように構成されている。一般的に、各機能を、アクチュエータ制御部から中央原動機制御部に移すことが可能である。
【0023】
本発明の一つの実施形態では、中央原動機制御部は、ペダルポジションセンサからの一連のペダルポジション信号を、フィルタリングされた一つのペダルポジション信号に統合し、フィルタリングされたこのペダルポジション信号をアクチュエータ制御部に伝送するように構成されている。
【0024】
本発明の別の態様は、上述したような、及び、後述するようなアクティブアクセルペダル乃至制御システムを備えた車両に関する。
【0025】
以降で本発明の実施例を、添付図面に関連して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一つの実施形態に即したアクティブアクセルペダルを有する車両の概略図。
図2】本発明の一つの実施形態に即したアクティブアクセルペダル用の制御システムの概略図。
図3】本発明の別の実施形態に即したアクティブアクセルペダル用の制御システムの概略図。
図4】本発明の別の実施形態に即したアクティブアクセルペダル用の制御システムの概略図。
図5】本発明の一つの実施形態に即したペダルポジション信号の図。
図6】本発明の一つの実施形態に即した、切り取られたペダルポジション信号の図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
基本的に、同一又は類似の部分には同じ参照符号が付与されている。
【0028】
実施形態の詳細な説明
図1は、アクティブアクセルペダル12を備えた車両10を示している。このアクティブアクセルペダル12は、運転者の足によって操作されるペダルレバー14と、例えばモータを備えたアクチュエータ16とを含んでいる。中央原動機制御部18は、アクティブアクセルペダル12のペダルレバー14のペダルポジションに関するセンサ信号を得て、車両10の駆動部20を相応に制御する。ここでこの駆動部20は、例えば内燃機関又は電気モータである。
【0029】
図2は、アクティブアクセルペダル12用の制御システム22を詳細に示している。アクティブアクセルペダル12は、ここで機械的なコンポーネント、例えばペダルレバー14、ペダルレバー14用の戻しばね24及びアクチュエータ16を含んでいる。これらは、電子的なコンポーネント、例えばペダルポジションセンサ26及びアクチュエータ制御部28と共に、共通の構造群乃至ペダルモジュール内に組み込まれている。
【0030】
ペダルポジションセンサ26は、冗長的な二つのセンサ部材30を、例えば、一つの共通のペダルセンサボード又は一つの共通のチップ上に有している。これら二つのセンサ部材30はそれぞれ、複数の同様の接続部32を介して、中央原動機制御部18と接続されている。ここで各線路は、電圧供給用の線路U1、U2と、アース用の線路M1、M2と、ペダルポジション信号用の線路S1、S2とを有している。ペダルレバー14のペダルポジションは、二つの冗長的なペダル角度センサ30を介して線形に検出される。二つのペダル角度センサ30は、中央原動機制御部18から電圧供給され、ペダル角度を中央原動機制御部に通知する。
【0031】
二つのセンサ部材30のうちの一つは、パルス幅変調されたペダルポジション信号を形成し、付加的な出力側に出力するように構成されている。このペダルポジション信号は、アクティブアクセルペダル12の局所的な線路37を介して、アクチュエータ制御部に伝送され、そこでさらに処理される。
【0032】
中央原動機制御部18と同様に、アクチュエータ制御部28は、アース線34及びバッテリ電圧線路36と接続されている。設けられている二つのペダル角度センサ30のうちの一つでは、パルス幅変調される出力チャネルが設けられており、これは、アクティブアクセルペダル12のアクティブ部分のペダル制御電子装置28にペダル角度を伝達するために利用される。
【0033】
さらに、アクチュエータ制御部28は、CANバス38と接続可能である。
【0034】
図3は、制御システム22のための別の実施形態の概略図を示している。図3では、二つの冗長的なセンサ部材30のうちの一つは、SPI信号を形成するように構成されている。アクチュエータ制御部28は、局所的なSPI接続40(四つの線路を有している)を介して、センサ部材30のうちの一つと接続されている。アクティブアクセルペダル12のアクティブ部分のペダル制御電子装置28へのペダル角度の伝送は、SPIバス40を介して行われる。
【0035】
図4は、アクティブアクセルペダル12用の制御システム22の別の実施形態を示している。この実施形態では、ペダルポジションセンサ26とアクチュエータ制御部28との間に直接的な(直流電気的な)接続は存在していない。
【0036】
アクチュエータ制御部28も、中央原動機制御部18も、CANノード42を含んでいる。このCANノードによって、アクチュエータ制御部及び中央原動機制御部は、それぞれCANバス38と接続されている。
【0037】
接続部32からのアナログのペダルポジション信号は、中央原動機制御部18のA/D変換器44内でデジタル信号に変換され、フィルタ46においてフィルタリングされ、切り取り要素48内で切り取られる。例えば、ペダルポジションはセンサ部材30を介して線形に検出され、ペダルレバー14のストッパに当接した際の信号の切り取りは行われず、その代わりに、中央原動機制御部18内で切り取りが行われる。
【0038】
図5は、ペダルポジションセンサ26によって形成され得るペダルポジション信号を示している。図5の線図では、ペダル角度aが右へ向かって記入され、センサ電圧Uが上へ向かって記入されている。図5から明らかであるように、(処理されていない)ペダルポジション信号52はペダル角度aに線形に依存している。
【0039】
図6には、図5に示されたペダルポジション信号が切り取られたペダルポジション信号54が示されている。これは、切り取り要素48によって形成される。最小ペダル角度aと最大ペダル角度aとの間で、ペダルポジション信号54は角度aに線形に依存している。これらの境界の外側では、ペダルポジション信号は、最小乃至最大の一定値を有している。
【0040】
再び図4を参照する。中央原動機制御部は、微分要素50を有し得る。これによって、ペダルポジション信号の時間微分が形成される。
【0041】
中央原動機制御部18内でのペダルポジション信号の検出は、中央原動機制御部18の極めて小さい時間パターンで、例えば1ms毎に行われる。CANバス38の伝送レートは、その数倍であり、例えば10ms毎であるので、センサ信号をフィルタリングし、場合によって時間微分を形成するために、1msの各中間時点における残余の信号値を用いることができる。フィルタリングされた信号は次に、中央原動機制御部18における内部でのさらなる使用のために切り取られる。さらにこの信号は、切り取られて及び/又は切り取られないでCANバス38に出力され、アクティブアクセルペダル12内のアクチュエータ制御部28に転送される。場合によっては、ペダルポジション信号の時間微分も同様に、CANバス38を介して、アクチュエータ制御部28に伝送される。
【0042】
さらに、用語「含む」とは他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞は複数であることを排除するものではないことを指摘しておく。また、上述した実施形態のうちの一つを参照して説明された特徴又はステップは、上述した他の実施形態の他の特徴又はステップと組み合わせても使用可能である、ということを指摘しておく。特許請求の範囲における参照符号は、本願を限定するものとみなされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】