特表2015-534081(P2015-534081A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-534081ポンプセルを含む固体電解質センサ素子を動作させるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-534081(P2015-534081A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(54)【発明の名称】ポンプセルを含む固体電解質センサ素子を動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/26 20060101AFI20151030BHJP
   G01N 27/41 20060101ALI20151030BHJP
   G01N 27/419 20060101ALI20151030BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20151030BHJP
【FI】
   G01N27/26 371A
   G01N27/46 325P
   G01N27/46 327P
   G01N27/46 331
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2015-541048(P2015-541048)
(86)(22)【出願日】2013年9月20日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月12日
(86)【国際出願番号】EP2013069614
(87)【国際公開番号】WO2014072112
(87)【国際公開日】20140515
(31)【優先権主張番号】102012220567.5
(32)【優先日】2012年11月12日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート レーダーマン
(72)【発明者】
【氏名】ハートヴィヒ レーレ
(72)【発明者】
【氏名】ゲッツ ラインハート
(57)【要約】
本発明は、測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するためのセンサ素子(112)を動作させるための方法に関する。センサ素子(112)は、少なくとも1つのポンプセル(114)を有しており、このポンプセルは、少なくとも1つの固体電解質(116)を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極(118)を備えている。本発明による方法によれば、少なくとも1つの測定量が検出される。さらにこの場合、少なくとも1つの補償量が求められる。補償量は少なくとも部分的に、少なくとも1つのポンプ電極(118)と固体電解質(116)との間の少なくとも1つの移行部における容量性の作用に依存する。測定量と補償量とから、少なくとも1つの補正された測定量が求められる。補正された測定量から、測定ガス室内のガスの割合が求められる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するためのセンサ素子(112)を動作させるための方法であって、
前記センサ素子(112)は、少なくとも1つのポンプセル(114)を有しており、該ポンプセル(114)は、少なくとも1つの固体電解質(116)を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極(118)を備えている、
センサ素子(112)を動作させるための方法において、
少なくとも1つの測定量を検出し、
少なくとも部分的に、前記ポンプ電極(118)の少なくとも1つと、前記固体電解質(116)との間の少なくとも1つの移行部における容量性の作用に依存する、少なくとも1つの補償量をさらに求め、
前記測定量及び前記補償量から、少なくとも1つの補正された測定量を求め、
該補正された測定量から、前記測定ガス室内のガスの割合を求める
ことを特徴とする、
センサ素子(112)を動作させるための方法。
【請求項2】
前記測定量は、少なくとも1つのポンプ電流IPを含み、
前記補償量は、少なくとも1つの充放電電流ΔIPを含み、
前記補正された測定量IPkorrを、例えば式
Pkorr=IP−ΔIP
に従って算出する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法を、少なくとも部分的に少なくとも1つのコントローラ(120)により実施する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの電気化学二重層の両端における少なくとも1つの電圧の少なくとも1つの時間的推移Udl(t)を求め、
前記補償量として少なくとも1つの充放電電流ΔIPを、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移Udl(t)と、少なくとも1つの電極容量CIPEを用いて、例えば式
【数1】
に従って求める、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ポンプセル(114)をパルス化駆動し、電圧パルス及び/又は電流パルスの間にそれぞれパルス休止を発生させ、
前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移Udl(t)を、少なくとも2つの異なるパルス休止中の測定により検出する、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
Δti,jのタイムインターバルがおかれた少なくともi番目のパルス休止と少なくともj番目のパルス休止を使用し、
前記i番目のパルス休止中の少なくとも1つのポンプ電圧UPiと、前記j番目のパルス休止中の少なくとも1つのポンプ電圧UPjとを検出し、

【数2】
に従い、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移の少なくとも1つの導関数
【数3】
を求める、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのポンプ電流の少なくとも1つの時間変化
【数4】
を検出し、
少なくとも1つのポンプ電圧の少なくとも1つの時間変化
【数5】
を求め、
前記ポンプ電流の時間変化
【数6】
と、前記ポンプ電圧の時間変化
【数7】
と、前記固体電解質の少なくとも一部分の少なくとも1つのオーミック抵抗RElektrolytとを用いて、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移の少なくとも1つの導関数
【数8】
を式
【数9】
に従い算出する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの電極容量CIPEを検出する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの、時間の推移とともに変化するポンプ電圧を前記ポンプセル(114)に印加し、
少なくとも1つのポンプ電流の時間的推移を検出し、
該ポンプ電流の時間的推移から前記電極容量CIPEを推定する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するための少なくとも1つのセンサ素子(112)を含む装置(110)において、
前記センサ素子(112)は、少なくとも1つのポンプセル(114)を有しており、該ポンプセル(114)は、少なくとも1つの固体電解質(116)を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極(118)を備えており、
前記装置(110)は、少なくとも1つのコントローラ(120)を含み、該コントローラ(120)は、請求項1から9のいずれか1項に記載の、センサ素子(112)を動作させるための方法を実施するように構成されている
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプセルを含む固体電解質センサ素子を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するセンサ素子及びこのセンサ素子を動作させるための方法が知られている。実現可能な他の形態を制限するものではないが、以下では基本的に、ガス特にガス混合物における少なくとも1つのガス成分の少なくとも1つの濃度を定量的及び/又は定性的に捉えるために用いられる方法及び装置を引き合いに出しながら、本発明について説明する。例えばガス混合物を、特に自動車分野における内燃機関の排ガスとすることができる。また、測定ガス室を、例えば排ガス管とすることができる。さらにセンサ素子を、例えばラムダセンサとすることができる。別の選択肢として、センサ素子をNOxセンサとしてもよい。ラムダセンサについては、例えばロベルト・ボッシュ社による「自動車のセンサ」、2010年第1版、第160〜165頁に記載されている。さらに例えばガス成分を、酸素及び/又は窒素、及び/又は少なくとも窒素酸化物、及び/又は少なくとも炭化水素、及び/又はその他の種類のガス成分とすることができる。上述の種類のセンサ素子を、例えば1つ又は複数の固体電解質の使用をベースとしたものとすることができ、つまりイオン伝導特性を有する殊に酸素イオン伝導特性を有する固体殊にセラミックの固体の使用をベースとしたものとすることができる。この種の固体電解質の例は、二酸化ジルコニウムをベースとする固体電解質、例えばイットリウム安定化二酸化ジルコニウム(YSZ)及び/又はスカンジウム安定化二酸化ジルコニウム(ScSZ)である。ラムダセンサは、一般にポンプセルの原理に従って動作する。この場合に有利にはガスの割合を、酸素分圧及び/又は酸素分率及び/又は酸素体積分率とすることができる。限界電流と酸素分圧との一般に線形の関係に基づき、例えば排ガス中の酸素分圧の測定が実施される。
【0003】
例えば広帯域酸素センサとも呼ばれる広帯域ラムダセンサの場合、測定中空室に拡散するO2又はリッチガスの量は、有利にはシングルセル特にLSP(Lambdasonde proportionalラムダセンサ比例)であれば、限界電流に基づき測定され、又は例えばダブルセル特にLSU(ラムダセンサ汎用Lambdasonde universal)であれば、中空室濃度をラムダ=1に制御するために必要とされるポンプ電流に基づき測定され、この電流は限界電流と一致する場合もある。特に測定電流として流れるポンプ電流は通常、排ガス中のO2含有量及び/又は排気ガス中のリッチガス含有量に比例する。
【0004】
固体電解質における電気化学反応及び抵抗損失に必要とされるポンプ電圧は、一般にダブルセルの場合にはいわゆるネルンスト制御により確保される。シングルセルの場合、ポンプ電圧は一般に、1つの線形勾配又は傾斜が異なる複数の勾配によって、ポンプ電流に対して追従制御される。このことを例えばポンプ電圧追従制御と称する。
【0005】
従来技術から公知の方法及び装置は、いくつかの欠点を有する。例えばシングルセルのためのポンプ電圧追従制御の場合、内部ポンプ電極(IPE)の二重層キャパシタが充放電される。その結果として生じる充放電電流は一般に、測定ガス室内のガスの成分割合が変化したときに、例えば排ガス組成が変化すると、センサ信号例えば限界電流において、オーバーシュート及び/又はアンダーシュートとして目立ってしまい、このことで例えば信号誤差が引き起こされる。このような信号誤差は、測定ガス室内のガスが急速に変化すると、例えば急速なガス交換が行われると、殊に顕著になる可能性があり、そのことからセンサ信号の高いダイナミックを必要とする多くの用途では取り扱えなくなってしまうおそれがある。このため、従来技術で知られている欠点を少なくとも部分的に緩和させる方法及び装置が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、公知の方法及び装置の欠点を少なくとも広範囲にわたり回避する方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による装置は、測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するための少なくとも1つのセンサ素子を含んでいる。基本的にセンサ素子を、測定ガス室内のガスの成分割合を検出するための任意の装置とすることができる。センサ素子を有利にはラムダセンサとすることができ、例えばシングルセル及び/又はダブルセルのラムダセンサとすることができる。さらに基本的にセンサ素子を、NOxセンサ及び/又は広帯域ラムダセンサとしてもよい。例えば、ロベルト・ボッシュ社による自動車のセンサ、2010年第1版、第160〜165頁に記載されているようなラムダセンサとすることができる。さらにセンサ素子を、有利にはセラミックセンサ素子とすることができる。さらに基本的に検出を、定量的な検出及び/又は定性的な検出とすることができる。また、ガスは基本的に任意のガスであってよい。特に有利には、ガスを内燃機関の排ガスとすることができる。ガスの割合を例えば、ガスの少なくとも1つのガス成分の濃度及び/又は比率及び/又は分圧及び/又は体積分率とすることができる。ガス成分を例えば、酸素及び/又はNOx及び/又は窒素酸化物及び/又は炭化水素とすることができる。ガスには少なくとも1つのガス成分を含めることができる。測定ガス室を、ガスが供給されるように構成された任意の空間とすることができる。有利には、測定ガス室を排気通路とすることができる。例えば測定ガス室を、ガスが存在する空間とすることができる。
【0008】
センサ素子は、少なくとも1つのポンプセルを有しており、このポンプセルは、少なくとも1つの固体電解質を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極を備えている。原則的にポンプセルを、少なくとも2つのポンプ電極及び固体電解質を含む任意の電気化学セルとすることができる。有利にはこのセルを、パルス駆動で駆動することができる。固体電解質を、特にセラミック固体とすることができる。有利には固体電解質は、イオン伝導特性殊に酸素イオン伝導特性を有することができる。この種の固体電解質の例は、二酸化ジルコニウムをベースとする固体電解質であり、例えばイットリウム安定化二酸化ジルコニウム(YSZ)及び/又はスカンジウム安定化二酸化ジルコニウム(ScSZ)である。ポンプセルを特に、イオン電流を流すことのできるセル及び/又はイオン電流を搬送させることのできるセルとすることができる。ポンプセルのポンプ電極において、例えば酸化及び/又は還元により、イオン電流から電子電流への変換及び/又はその逆の変換を行わせることができる。ポンプ電極を少なくとも部分的に、少なくとも1つの導電性材料例えば少なくとも1つの金属材料によって構成することができる。ポンプ電極の少なくとも1つの表面において、イオン電流から電子電流への変換を行わせることができる。ポンプ電極のうち第1のポンプ電極例えば外側のポンプ電極を、ガス混合物に晒すことができる。第2のポンプ電極を、例えば少なくとも1つの拡散バリアを介して、及び/又は固体電解質によりガスから分離して、中空室内に配置することができる。有利にはこの中空室を、排気通路と連通させることができる。例えば中空室を、さらに別の拡散バリアを介して、及び/又は固体電解質を介して、さらに別の室例えば参照ガス室と連通させることができる。第2のポンプ電極を、例えば少なくとも1つの内部電極とすることができる。
【0009】
したがってポンプ電極に例えば、少なくとも1つの第1のポンプ電極と少なくとも1つの第2のポンプ電極が含まれるようにすることができる。第1のポンプ電極及び/又は第2のポンプ電極を、基本的に例えば上述のポンプ電極のように構成することができる。なお、「第1」及び「第2」という名称は、単なる呼称として用いられているにすぎず、特に順序についての情報を表すものではなく、又は例えばさらに別のポンプ電極例えば少なくとも1つの第3のポンプ電極が、これらの電極に包含されるのか否かといった情報を表すものではない。さらにこの装置に例えば、少なくとも1つのさらに別のポンプ電極及び/又は少なくとも1つの別の電極が含まれるようにすることができ、有利には少なくとも1つの参照電極が含まれるようにすることができる。参照電極を、例えば少なくとも部分的に少なくとも1つの参照ガス通路内に配置することができる。ここで「ガス混合物に晒すことができる」という表現は例えば、第1のポンプ電極にガス混合物を特にじかに供給することができる、ということを意味するものであるが、ただし例えば間接的にも、有利には少なくとも1つの多孔層を介して、例えば保護層を介して、ガス混合物を供給してもよい、という意味で捉えてもよい。さらに拡散バリアとは、例えば以下のような材料から成る層のことである。即ちこの層は、気体及び/又は液体及び/又はガス混合物及び/又はガス成分の流動を抑圧する一方で、気体及び/又は液体及び/又はガス混合物及び/又はガス成分及び/又はイオンの拡散を促進する。中空室とは、センサ素子内の空間のことであり、これはたしかに構造的には測定ガス室から分離されているけれども、ガス成分及び/又はガス混合物及び/又は測定ガス室からのガスを供給可能とすることができ、例えば少なくとも1つのガス流入路及び/又は拡散バリアを介して供給可能である。さらに例えば中空室に対し、固体電解質のみを介してガス及び/又はガス成分を供給することができる。中空室内が過剰圧力になるのを回避するために、排気通路を例えば外気へ至る接続路とすることができる。
【0010】
別の選択肢として、第1のポンプ電極を内部ポンプ電極とすることができ、第2のポンプ電極を排気通路電極とすることができる。内部ポンプ電極を中空室内に配置することができる。内部ポンプ電極に対し、拡散バリアを介してガスを供給することができる。排気通路電極を、排気通路を介して少なくとも部分的に空気と、有利には周囲空気と連通させることができる。
【0011】
装置には、少なくとも1つのコントローラが含まれている。コントローラは、センサ素子を動作させるための後述の本発明による方法を実施するように構成されている。コントローラ及び/又は装置には、少なくとも1つのデータ処理ユニットを設けることができる。例えばデータ処理ユニットを、コントローラ内に組み込むことができる。ただし、例えばデータ処理ユニットを、少なくとも部分的にコントローラとは分離させて配置することも可能である。コントローラ及び/又はデータ処理ユニットを、例えばセンサ素子と接続させた状態にしておくことができ、及び/又は例えばセンサ素子と接続可能な状態にしておくことができる。ここでコントローラとは、装置特にセンサ素子の少なくとも1つの機能を支援及び/又は制御するように構成されたデバイスのことである。さらにここで「接続可能」とは例えば、電気的な接続を確立可能である又は既に確立されているような特性のことを意味する。コントローラ全体又は一部分を、センサ素子とは分離して構成することができるけれども、コントローラ全体又は一部分をセンサ素子に統合することもでき、例えば少なくとも、センサ素子及び/又は装置のプラグに差し込むことができる。少なくとも1つのポンプ電流及び/又は少なくとも1つのポンプ電圧及び/又は少なくとも1つの限界電流を検出するために、及び/又は、ポンプ電圧制御及び/又はポンプ電流制御のために、コントローラは、少なくとも1つの電圧測定装置、及び/又は少なくとも1つの電流測定装置を含むように構成することができる。
【0012】
特に有利にはコントローラは、少なくとも部分的に少なくとも1つのポンプ電圧追従制御装置を含むことができる。ポンプ電圧追従制御装置を例えば、シングルセルの場合にポンプ電圧をポンプ電流に追従させるように構成することができる。別の選択肢として、又はこれに加えて、コントローラ及び/又はセンサ素子及び/又は装置は、少なくとも1つの給電装置及び/又は少なくとも1つのポンプ電圧追従装置を含むことができる。給電装置は特に、少なくとも1つの電圧源及び/又は少なくとも1つの電流源を含むことができる。例えば給電装置を、センサ素子にポンプ電流及び/又はポンプ電圧を供給するように構成することができ、及び/又は、ポンプ電圧追従制御装置を少なくとも部分的に実現するように構成することができる。
【0013】
本発明のさらに別の観点は、測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するセンサ素子を動作させるための方法を提案することである。センサ素子を、上述のようなセンサ素子とすることができる。センサ素子は、少なくとも1つのポンプセルを有しており、このポンプセルは、少なくとも1つの固体電解質を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極を備えている。本発明による方法によれば、少なくとも1つの測定量が検出される。基本的にこの測定量を、任意の物理的な量及び/又は化学的な量とすることができる。有利にはこの測定量を、センサ素子の少なくとも1つの測定信号とすることができる。有利には、測定量を少なくとも1つのポンプ電流IP例えば限界電流とすることができる。例えば測定量を、ポンプ電流に依存する量とすることができる。さらに例えばこの測定量を、ポンプ電圧及び/又は変換された電荷とすることができる。ここで「検出する」という表現は、測定量を例えば測定信号としてセンサ素子から送出すること、及び/又は測定量をコントローラにより処理及び/又は評価及び/又は記憶すること、を意味する。
【0014】
さらに本発明によれば、少なくとも1つの補償量が求められる。ここで補償量とは基本的に、任意の化学的な量及び/又は物理的な量のことである。有利には補償量は、測定量と同じ物理的な量及び/又は化学的な量を含むことができる。有利には補償量を、ポンプ電流偏差ΔIPとすることができる。例えば補償量を、少なくとも1つの充放電電流及び/又は少なくとも1つの電極充放電量とすることができる。補償量は少なくとも部分的に、ポンプ電極のうち少なくとも1つのポンプ電極と固体電解質との間の少なくとも1つの移行部における容量性の作用に依存する。例えば補償量を、少なくとも1つのポンプ電極と固体電解質との間の少なくとも1つの移行部における容量性作用に起因する測定量の誤りに対する尺度とすることができる。容量性作用には、例えば充電プロセス及び/又は放電プロセスを含めることができる。移行部を例えば二重層とすることができる。例えば移行部を、固体電解質から有利にはガスを介してポンプ電極に至る移行部とすることができる。容量性作用を例えば、発生する可能性のある複数の作用とすることができる。その理由は、移行部は、少なくとも1つのコンデンサと、ガスの組成によって変化する少なくとも1つの抵抗とから成る並列回路として記述することができるからである。有利には容量性作用を、少なくとも1つのコンデンサと少なくとも1つの抵抗を含む回路において発生する可能性のある作用とすることができる。容量性作用を、例えばキャパシタンス例えばコンデンサ及び/又はコンデンサに類似の素子の充電作用及び/又は放電作用とすることができる。例えば固体電解質からガスへの移行部及び/又はポンプ電極からガスへの移行部を、電気的なコンデンサの「プレート」として記述することができる、及び/又はそのように解釈することができる。少なくとも1つのポンプ電極と固体電解質との間の移行部を、特に固体電解質−気相−電極の移行部とすることができる。
【0015】
測定量と補償量とに基づき、少なくとも1つの補正された測定量が求められる。補正されたこの測定量を、基本的に任意の化学的及び/又は物理的な量とすることができる。有利には補正された量を、測定量及び/又は補償量と同じ物理的及び/又は化学的な量とすることができる。補正された測定量を特に、障害作用が取り除かれた量とすることができる。測定ガス室内のガスの割合を、補正された測定量に基づき有利には測定量よりも正確に求めることができる。補正された測定量を測定量及び補償量に基づき求める手法を、計算及び/又は対応づけとすることができる。補正された測定量から、測定ガス室内のガスの割合が求められる。測定ガス室内のガスの割合を、補正された測定量に基づき、例えば計算及び/又は対応づけによって求めることができる。例えば、補正された測定量から測定ガス室内のガスの割合を求める際に、少なくとも1つの特性曲線を使用することができる。特性曲線を、例えば補正された測定量とガスの割合とを対応づけるものとすることができる。例えば特性曲線を、補正されたポンプ電流とガス中の酸素の割合例えば酸素分圧とを対応づけるものとすることができる。
【0016】
測定量には、少なくとも1つのポンプ電流IPを含めることができる。例えばポンプ電流を、単位時間あたりにポンプセルを介して変換される総電荷量とすることができる。例えば、ポンプ電流の測定量を直線的なものとすることができる。さらに例えばポンプ電流を、ポンプ電流に依存する測定量とすることができる。例えば測定量を、ポンプ電流に依存する量とすることができる。例えば測定量には、少なくとも1つのポンプ電流を含めることができる。補償量には、少なくとも1つの充放電電流ΔIPを含めることができる。充放電電流を、例えば測定ガス室内のガスの成分割合が変化したときに、充電プロセス及び/又は放電プロセスによって発生する可能性のある電流、とすることができる。充放電電流を、容量的な充電プロセス及び/又は容量的な放電プロセスにおいて発生する可能性のある電流、とすることができる。例えば、ポンプセル及び/又は少なくとも1つのポンプ電極を、少なくとも1つのコンデンサと少なくとも1つの抵抗とから成る並列回路として記述することができ、ここで抵抗は、特にオーミック抵抗の絶対値に関して、ガスの成分割合が変化したときに変化する可能性がある。有利には、補正された測定量IPkorrを、例えば測定量及び補償量から算出することができる。有利には補正された測定量を、好ましくはポンプ電極を介した単位時間あたりの電荷キャリア数だけしか含まない量とすることができ、この場合、電荷キャリア数は、反応したガスから生じるものであり、及び/又は、反応したガスに比例する。補正された測定量及び/又は測定量及び/又は補償量を、有利には電気化学的な量とすることができる。補正された測定量を、測定量及び補償量に基づき少なくとも減算によって算出することができる。この場合、減算を、例えば重み付けられた減算とすることができる。補正された測定量を基本的に、測定量及び補償量に基づき、例えば任意の数学的関数及び/又は対応づけによって算出及び/又は生成することができる。補正された測定量IPkorrを、例えば式IPkorr=IP−ΔIPに従い求めることができる。
【0017】
本発明による方法を少なくとも部分的に、少なくとも1つのコントローラ例えば上述のようなコントローラによって実行することができる。例えばこのコントローラが、少なくとも1つのASIC(application-specified integrated circuit 特定用途向け集積回路)を含むように構成することができる。例えば本発明による方法を、少なくとも部分的にデータ処理ユニットによって実施することができる。本発明による方法を例えば、測定ガス室内のガスの割合を検出するたびに実施することができるが、任意のタイムインターバルで少なくとも1回、繰り返すことができる。例えば補償量を格納することができ、例えば記憶装置に記憶させることができ、有利にはコントローラのメモリに記憶させることができる。例えば補償量を、測定ガス室内のガスの割合を検出する際に何度も使用することができ、例えば複数の測定量に対して、好ましくはそれぞれ異なる時点で検出された測定量に対して、何度も使用することができる。
【0018】
本発明による方法によれば、少なくとも1つの電気化学二重層の両端における少なくとも1つの電圧の少なくとも1つの時間的推移Udl(t)を求めることができる。有利には本発明による方法によれば、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の少なくとも1つの導関数
【数1】
を求めることができる。ここで時間的推移を、電気化学二重層の両端における電圧の連続的な時間的推移とすることができる。例えば時間的推移を、電気化学二重層の両端における電圧についてそれぞれ異なる時点での離散値を含む推移、としてもよい。さらに時間的推移には例えば、電気化学二重層の両端における電圧Udlに関する少なくとも2つの値が含まれるようにすることができる。導関数を有利には1階導関数とすることができ、格別有利には時間tによる1階導関数とすることができる。電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の導関数
【数2】
を求める際に、少なくとも1つの演算有利には微分計算を実施することができる。電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の導関数を例えば、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の勾配、とすることができる。電気化学二重層を特に、上述のような移行部とすることができる。本発明による方法によれば、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移Udl(t)、殊に有利には電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の導関数
【数3】
と、少なくとも1つの電極容量CIPEとを用い、式
【数4】
に従って、少なくとも1つの充放電電流ΔIPを補償量として求めることができる。ただし、
【数5】
は有利には電荷の時間導関数である。充放電電流ΔIPを、特に容量性の充放電電流とすることができる。電極容量を特に、ポンプ電極と固体電解質との間の移行部好ましくは電気化学二重層の電気的な容量、とすることができる。また、電極容量を、ポンプ電極及び/又は固体電解質に蓄積している電荷量Qと、これらの間に生じる電圧Uとの比、とすることができる。電極容量は、例えば経年変化の作用で時間が経つにつれて変化する可能性がある。電極容量は、例えば経年変化によって例えばセンサ素子の耐用期間にわたり、例えば係数2〜5特に係数3だけ、減少する可能性がある。電極容量CIPEを、例えばコントローラに格納しておくことができ、及び/又は格納することができる。例えば電極容量CIPEを、製造中に測定された量及び/又は推定された量及び/又は既知の量、とすることができる。例えば電極容量CIPEを、本発明による方法において求めることができる。
【0019】
ポンプセルを例えばパルス化駆動することができる。ポンプセルを、例えばコントローラによってパルス化駆動することができる。殊に有利には、ポンプセル及び/又はセンサ素子を、パルス幅変調によりパルス化して駆動することができる。有利には、電圧パルス及び/又は電流パルスの間に、それぞれパルス休止を発生させることができる。パルス休止を、特にセンサ素子の動作中のフェーズとすることができ、このフェーズでは電流はポンプセルに供給されない。ポンプセルを例えば、ポンプセルに矩形波電圧及び/又は矩形波電流が供給されるように、パルス化駆動することができる。電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移Udl(t)を、少なくとも2つの異なるパルス休止期間中の測定によって求めることができる。別の選択肢として、又はこれに加えて、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の導関数
【数6】
を、少なくとも2つの異なる休止期間中の測定によって求めることができる。パルス休止を特に、パルス幅変調における1つのパルス休止とすることができる。少なくとも2つの異なるパルス休止中の測定において、特に電圧UPを測定することができ、及び/又は、この電圧に依存する値例えば電流及び/又はオーミック抵抗を測定することができる。例えば、少なくともi番目の休止期間と少なくともj番目の休止期間を、タイムインターバルΔti,jをおいて用いることができる。ここでi及びjを有利には整数とすることができ、ただし有利にはi≠jである。例えば、少なくともi番目の休止期間中のポンプ電圧UPiと、少なくともj番目の休止期間中のポンプ電圧UPjを、求めることができる。式
【数7】
を用いて例えば、有利には上述の定義のように、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の少なくとも1つの導関数
【数8】
を求めることができる。パルス休止i及びjを有利には、隣り合うパルス休止とすることができ、特に例えばj=nかつi=n−1とすることができる。
【0020】
別の選択肢として、又はこれに加えて、少なくとも1つのポンプ電流の少なくとも時間的変化
【数9】
を、検出することができる。さらに例えば、少なくとも1つのポンプ電圧の少なくとも1つの時間変化
【数10】
を求めることができる。ポンプ電圧の時間的変化を、有利には式
【数11】
に従い求めることができる。UPsoll有利には
【数12】
を、有利にはポンプ電圧追従制御という状況において、例えば測定ガス室内のガスの割合が大きく及び/又は急激に例えばおおよそステップ状に変化したとき、例えばコントローラによって計算することができる。この式によって、特にその指数部分によって、ローパスフィルタの使用による殊にポンプ電圧の減衰が考慮される。例えばコントローラ及び/又は装置は、制御の過渡応答特性を抑圧するために有利であることから、ローパスフィルタを含んでいる可能性がある。ポンプ電流の時間変化
【数13】
と、ポンプ電圧の時間変化
【数14】
と、固体電解質の少なくとも一部分の少なくとも1つのオーミック抵抗RElektrolytとを用いて、例えば上記において定義したような、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の少なくとも1つの導関数
【数15】
を式
【数16】
に従って算出することができる。Δtを、基本的に任意に選択することができる。有利にはΔtを、この期間Δtにわたりポンプ電流IPもポンプ電圧UPも実質的に線形に変化するように、選定することができる。固体電解質の少なくとも一部分のオーミック抵抗RElektrolytを、例えばコントローラに記憶することができ、及び/又は本発明による方法において、例えば電流の給電と電圧の測定及び/又は電圧の印加と電流の測定によって、検出することができる。電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移
【数17】
の、上述のように定義した少なくとも1つの導関数を、ポンプ電圧の変化
【数18】
の差に基づきポンプ電圧を追従する際に、固体電解質の少なくとも一部分におけるオーミック抵抗RElektrolytにおいて降下する電圧と、ローパスフィルタとを考慮して、計算することができる。
【0021】
本発明による方法によれば、少なくとも1つの電極容量CIPEを検出することができる。基本的に、電極容量CIPEを装置例えばコントローラのメモリに格納しておくことができる、及び/又は格納することができる。例えば測定ガス室内のガスの割合を求めるたびに、電極容量CIPEを検出することができるけれども、電極容量を一度だけ検出して、例えば測定ガス室内のガスの割合を検出するために、及び/又は、補償量を求めるために、その電極容量を何度も利用できるように記憶させることもできる。
【0022】
例えば、特に電極容量を検出するために少なくとも、時間が経つにつれて変化するポンプ電圧を、ポンプセルに印加することができる。少なくとも1つのポンプ電流の少なくとも1つの時間的推移を検出することができる。ポンプ電流の時間的推移に基づき、特にポンプ電流の少なくとも1つの面積及び/又は少なくとも1つの積分を、例えば電流応答として評価することによって、電極容量CIPEを推定することができる。
【0023】
本発明による方法及び本発明による装置によって、公知の方法及び装置に比べ、数多くの利点をもたらすことができる。例えば、本発明による方法及び/又は本発明による装置において、容量性の充放電電流のソフトウェア補償を実施することができる。例えば、ポンプ電圧追従制御における信号偏差を、少なくとも著しく低減することができる。これにより、例えば信号精度特に急速なガス交換時の信号精度を保証及び/又は確保することができ、さらに例えば本発明による装置及び/又は本発明による方法を車両に適用したときに、ダイナミックなシステム機能を適用することができる。さらに本発明による方法及び本発明による装置によって、例えばポンプ電圧追従制御がなくても発生する可能性のある電極充放電による信号遅延を補償できるようになる。
【0024】
以下で挙げる図面には本発明の実施例が示されており、次にそれらの実施例について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による装置の1つの実施例を示す図
図2】本発明による方法の1つの実施例を示すグラフ
図3】本発明による方法の別の実施例を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1には、本発明による装置110の1つの実施例が示されている。装置110には、測定ガス室内のガス例えば排ガス113の少なくとも1つの成分を検出する少なくとも1つのセンサ素子112が含まれている。センサ素子112には少なくとも1つのポンプセル114が含まれており、このポンプセルは、少なくとも1つの固体電解質116を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極118を備えている。装置110にはさらに、少なくとも1つのコントローラ120が含まれている。コントローラ120は、少なくとも1つのデータ処理ユニット122を含むことができる。コントローラ120は、本発明による方法を実施するように構成されている。ポンプ電極のうち少なくとも1つのポンプ電極118を、例えば内部ポンプ電極(IPE)124とすることができる。また、ポンプ電極のうち少なくとも1つのポンプ電極118を、例えば排気通路電極119とすることができる。さらにセンサ素子112は、少なくとも1つの拡散バリア(DB)121及び/又は少なくとも1つの排気通路(AK)123を含むことができる。排気通路123を介して、排気通路電極119を少なくとも部分的に外気125と連通させることができる。例えば排ガス113の少なくとも一部は、拡散バリア121を介して内部ポンプ電極118に到達可能である。内部ポンプ電極118及び排気通路電極が、有利にはポンプセル114によって少なくとも部分的に包囲されるように構成することができる。センサ素子112を有利には広帯域ラムダセンサとすることができ、特にポンプセル114を備えた広帯域ラムダセンサとすることができる。センサ素子112を少なくとも部分的に、少なくとも1つのインタフェース127を介して、コントローラ120及び/又はデータ処理ユニット122と接続することができる。
【0027】
図2及び図3には、本発明による方法の2つの異なる実施例についてのグラフが示されている。この場合、ポンプ電流IPがmAで、もしくは電圧がmVで、秒単位sの時間tに対して示されている。本発明による方法は、測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するための、例えば上述のようなセンサ素子112を動作させるための方法である。センサ素子112は、少なくとも1つのポンプセル114を有しており、このポンプセルは、少なくとも1つの固体電解質116を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極118を備えている。本発明による方法によれば、少なくとも1つの測定量が検出される。ここで測定量を、例えばポンプ電流IP及び/又は電圧Uとすることができる。さらにこの場合、少なくとも1つの補償量が求められる。ここでは補償量を、例えば補償電流ΔIPとすることができる。補償量は、ポンプ電極のうち少なくとも1つのポンプ電極118と固体電解質116との間の少なくとも1つの移行部における容量性の作用に、少なくとも部分的に依存する。測定量と補償量とから、少なくとも1つの補正された測定量が求められる。補正された測定量から、測定ガス室内のガスの割合が求められる。例えば補正された測定量から、少なくとも1つの特性曲線を用いて、例えばポンプ電流と測定ガス室内のガスの割合との関係を用いて、測定ガス室内のガスの割合を求めることができる。
【0028】
測定量には、少なくとも1つのポンプ電流IPを含めることができる。補償量には、少なくとも1つの充放電電流ΔIPを含めることができる。補正された測定量IPkorrを、例えば式IPkorr=IP−ΔIPを用いて計算することができる。本発明による方法を少なくとも部分的に、少なくとも1つのコントローラ例えば上述のようなコントローラ120によって実行することができる。コントローラ120を例えば、ASIC CJ135又はASIC CJ125とすることができる。さらに例えばコントローラ120は、少なくとも1つのASIC CJ135及び/又は少なくとも1つのASIC CJ125を含むことができる。有利にはこのコントローラを、任意のコントローラとすることができる。好ましくは、コントローラは少なくとも1つのASICを含むことができ、例えば少なくとも1つのASIC CJ125、及び/又は少なくとも1つのASIC CJ135、及び/又は少なくとも1つの他のASICを含むことができる。
【0029】
本発明による方法によれば、少なくとも1つの電気化学二重層の両端における少なくとも1つの電圧の少なくとも1つの時間的推移Udl(t)を求めることができる。有利には本発明による方法によれば、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の少なくとも1つの導関数
【数19】
を求めることができる。例えば電気化学二重層の両端における電圧Udl(t)、殊に二重層キャパシタにおける電圧を、動作中に測定することができ、例えばパルス化された動作中に、殊にASIC CJ135を利用した場合のようなパルス化動作中に、測定することができる。例えば、電気化学二重層の両端における電圧を、択一的に例えばポンプ電圧追従制御を利用して、求めることができ、及び/又は計算することができる。ASIC CJ125を利用した場合、例えばポンプ電圧追従制御の利用が好ましい、とすることができる。その理由は、電圧例えば電気化学二重層の両端における電圧は、一般には測定することができないからである。基本的には、電気化学二重層の両端における電圧、及び/又は電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移、及び/又は電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の導関数
【数20】
を、択一的又は付加的に、代替手法を利用して求めることができる。本発明による方法によれば、少なくとも1つの有利には容量性の充放電電流ΔIPを補償量として、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移好ましくは電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の導関数
【数21】
と、少なくとも1つの電極容量CIPEとを利用して、特に式
【数22】
に従って求めることができる。本発明におけるソフトウェア補償を殊に、測定量例えばセンサ信号IPが、補償量として容量性の充放電電流ΔIPのぶんだけ補正される、ということに基づくようにすることができる。電圧Udlを例えば、少なくとも1つのポンプ電極118例えば図1に示されているような少なくとも1つの内部ポンプ電極124の電気化学二重層の両端における電圧、とすることができる。
【0030】
図2及び図3には、例えば実験による測定量例えばポンプ電流IPが線126及び128として描かれている。図2及び図3の場合、線126及び128はそれぞれオーバーシュート130を有している。オーバーシュート130を例えば、測定ガス室内のガスの割合が変化した後などに生じる一定のポンプ電流よりも高いポンプ電流、とすることができる。オーバーシュート130の下方の面積を、特にオーバーシュート130と、約0.9秒後に生じる一定のポンプ電流との間の面積を、流れた電荷の量とすることができる。オーバーシュート130の下方の面積を、例えば電極容量及び電圧の変化に比例するものとすることができる:ΔQ=CIPE・ΔU。
【0031】
図2に示されている本発明による方法の実施例によれば、ポンプセル114をたとえばパルス駆動することができる。各電圧パルス及び/又は各電流パルスの間には、それぞれパルス休止期間を生じさせることができる。電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移Udl(t)を、少なくとも2つの異なるパルス休止期間中の測定によって求めることができる。有利には、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の導関数
【数23】
を、少なくとも2つの異なる休止期間中の測定によって求めることができる。例えば、Δti,jのタイムインターバルがおかれた少なくともi番目の休止期間と少なくともj番目の休止期間を用いることができる。少なくともi番目の休止期間中のポンプ電圧UPiと、少なくともj番目の休止期間中のポンプ電圧UPjを、求めることができる。式
【数24】
を用いて、有利には上述のように、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の少なくとも1つの導関数
【数25】
を求めることができる。この実施例を、例えばディジタルASIC CJ135をコントローラ120として用いることによって実施することができる。ディジタルASIC CJ135によって例えば、容量CIPEが既知であれば補償量ΔIPを直接、計算することができる。なぜならば、電気化学二重層の両端における電圧は、有利にはパルス休止中の電圧に相応するからである:Udl(t)=UP(Pulspause)。パルス休止UP(Pulspause)中の電圧つまり電圧Udl(t)を、例えば各クロックごとにパルス休止中に測定することができる。有利には補償量を計算するための電圧の変化を、例えば式
【数26】
を用いて計算することができる。クロック時間を例えばΔtnm-1とすることができ、特にn番目のパルス休止とn−1番目のパルス休止との間の期間とすることができる。この実施例によれば特に、有利にはコントローラ120である少なくとも1つのCJ135により変化
【数27】
を検出することによって、補正を求めることができる。本発明による方法のこの実施例によれば、二重層キャパシタの充放電に必要とされる電流を、有利には補償量によって例えばじかに補正することができる。これによって例えばポジティブな副次効果をもたらすことができ、これによれば、例えばポンプ電圧追従制御がなくても起こり得る電極充放電による少なくとも1つの信号遅延を補償することもでき、したがって例えば信号である補正された測定量を、ポンプ電圧追従制御とも呼ばれるUP追従制御によって、UP追従制御なしの場合よりもいっそうダイナミックなものとすることができる。図2には特に、本発明による方法の実施例が略示されているが、これは例えばコントローラ120であるCJ135のパルス化駆動なしで示されており、さらに段階的なポンプ電圧追従制御に起因して発生する信号リプルなしで示されている。ただしこれらがあったとしても、基本的な推移に関して何ら変化を生じさせるものではない。本発明による方法のこの実施例によれば、オーバーシュート130を少なくとも部分的に、有利には完全に、補償することができるが、その前提となるのは例えば、電極容量CIPE及び/又は電圧推移Udl(t)が、できるかぎり正確に既知であること、及び/又はできるかぎり正確に検出できることである。
【0032】
図2には特に、例えばコントローラ120であるCJ135においてUP(Pulspause)による補正によって実施される本発明による方法の1つの実施例が示されている。線132には、補正された測定量例えばIPkorrの推移の一例が示されている。線134は、UP追従制御なしのポンプ電流IPを示している。線136は、パルス休止中のポンプ電圧の推移UP(Pulspause)=U(IPE)の一例を示している。図2には、線126の下方に既述のオーバーシュート130が発生しているのが明確に示されている。追従制御を伴ったもしくは追従制御を伴わないポンプ電流IPを表している線126と線134との間の面積は、電極充放電に必要とされる電荷に対応する。図2中に描かれている上述の線は、例えばガスの割合が変化したときのシミュレーションによって生成されたものであり、例えば酸素(O2)が6%〜21%に変化したときのシミュレーションによって生成されたものである。
【0033】
図3に示されている本発明による方法の別の実施例によれば、少なくとも1つのポンプ電流の少なくとも時間変化
【数28】
を検出することができる。さらに例えば、少なくとも1つのポンプ電圧の少なくとも時間変化
【数29】
を求めることができる。ポンプ電流の時間変化
【数30】
と、ポンプ電圧の時間変化
【数31】
と、固体電解質116の少なくとも一部分の少なくとも1つのオーミック抵抗RElektrolytとを用いて、例えば上記において定義したような、電気化学二重層の両端における電圧の時間的推移の少なくとも1つの導関数
【数32】
を式
【数33】
に従って算出することができる。この別の実施例の場合、コントローラ120として例えばASIC CJ125を使用することができる。ASIC CJ125を使用した場合には通常、電極二重層容量において降下する電圧の変化
【数34】
を直接、測定することはできない。ただし、電極二重層キャパシタにおいて降下する電圧を、追従制御のために特にUP追従制御のためにコントローラ120特にコントローラASIC CJ125において算出可能であるポンプ電圧の変化から、少なくとも推定することができる。この目的で有利には、ポンプ電圧の変化ΔUP全体を、抵抗損失として固体電解質116を介して降下する分量だけ低減することができる。例えばポンプ電圧ΔUPの変化を、以下のようにして取得することができる。即ちこの場合、UPsollの変化例えばポンプ電圧追従制御のための勾配特性から算出可能なUPsollの変化を、ローパスフィルタ例えば式
ΔUP = ΔUPsoll・(1−e(-Δt÷τ))
で表されるようなPT−1フィルタを考慮して、検出するのである。本発明による方法のこの別の実施例によれば、有利にはコントローラ120として少なくとも1つのCJ125を使用することで、予め定められたポンプ電圧の変化に関する補正を扱うことができる。図3に示されているように、オーバーシュート130例えば信号のオーバーシュートを、電極二重層キャパシタの変化例えば電極電圧の変化をUP追従制御から推定する場合であっても、著しく低減することができる。特に図3に示されているのは、印加されたポンプ電圧の変化に関する補正によっても、択一的又は付加的に、例えば線138に示されているように、オーバーシュート130を著しく低減できることである。線138は特に、補正された測定量例えばIPkorrを表している。線140は、追従制御のないポンプ電流IPを表している。線142は、ポンプ電圧UPを表している。
【0034】
本発明による方法の1つの実施例において、例えば上述の実施例のうち1つの実施例において、例えば付加的に少なくとも1つの電極容量CIPEを検出することができる。この方法によれば例えば少なくとも、時間の推移とともに変化するポンプ電圧を、ポンプセル114に印加することができる。少なくとも1つのポンプ電流の少なくとも1つの時間的推移を検出することができる。ポンプ電流の時間的推移から、電極容量CIPEを推定することができる。本発明による方法の実施例の前提、特に補償量例えば補償関数を求めるための前提として挙げられるのは、電極容量CIPEが既知であること又は検出できることである。電極容量の値は、例えば経年変化などによって大きく変化する可能性があるので、有利になり得るのは、電極容量を動作中に測定することであり、例えば本発明による方法を実施する際に測定することである。この測定を例えば、有利には限界電流動作中、所定の電圧による電流をセンサ素子112例えばセンサに印加し、電流応答の下方の面積を評価することによって、行うことができる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2015年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するためのセンサ素子(112)を動作させるための方法であって、
前記センサ素子(112)は、少なくとも1つのポンプセル(114)を有しており、該ポンプセル(114)は、少なくとも1つの固体電解質(116)を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極(118)を備えている、
センサ素子(112)を動作させるための方法において、
前記センサ素子(112)により前記ポンプセル(114)の少なくとも1つの測定量を検出し、
少なくとも部分的に、前記ポンプ電極(118)の少なくとも1つと、前記固体電解質(116)との間の少なくとも1つの移行部における容量性の作用に依存する、少なくとも1つの補償量を求め、
前記測定量及び前記補償量から、少なくとも1つの補正された測定量を求め、
該補正された測定量から、前記測定ガス室内のガスの割合を求める
ことを特徴とする、
センサ素子(112)を動作させるための方法。
【請求項2】
前記測定量は、前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電流IPを含み、
前記補償量は、前記ポンプセル(114)の少なくとも1つの充放電電流ΔIPを含み、
前記補正された測定量IPkorr、式
Pkorr=IP−ΔIP
に従って算出する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの移行部としての少なくとも1つの電気化学二重層の両端における少なくとも1つの電圧の少なくとも1つの時間的推移Udl(t)を求め、
前記補償量として前記少なくとも1つの充放電電流ΔIPを、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移Udl(t)と、少なくとも1つの電極容量CIPEを用いて、式
【数1】
に従って求める、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ポンプセル(114)をパルス化駆動し、電圧パルス及び/又は電流パルスの間にそれぞれパルス休止を発生させ、
前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移Udl(t)を、少なくとも2つの異なるパルス休止中の測定により検出する、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
Δti,jのタイムインターバルがおかれた少なくともi番目のパルス休止と少なくともj番目のパルス休止を使用し、
前記i番目のパルス休止中の前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電圧UPiと、前記j番目のパルス休止中の前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電圧UPjとを検出し、

【数2】
に従い、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移dl(t)の少なくとも1つの導関数
【数3】
を求める、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのポンプ電流Pの少なくとも1つの時間変化
【数4】
を検出し、
前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電圧Pの少なくとも1つの時間変化
【数5】
を求め、
前記ポンプ電流Pの時間変化
【数6】
と、前記ポンプ電圧Pの時間変化
【数7】
と、前記固体電解質の少なくとも一部分の少なくとも1つのオーミック抵抗RElektrolytとを用いて、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移dl(t)の少なくとも1つの導関数
【数8】
を式
【数9】
に従い算出する、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポンプセル(114)の少なくとも1つの電極容量CIPEを検出する、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの、時間の推移とともに変化するポンプ電圧Pを前記ポンプセル(114)に印加し、
前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電流P少なくとも1つの時間的推移を検出し、
該ポンプ電流Pの時間的推移から前記電極容量CIPEを推定する、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
測定ガス室内のガスの少なくとも1つの成分を検出するための少なくとも1つのセンサ素子(112)を含む装置(110)において、
前記センサ素子(112)は、少なくとも1つのポンプセル(114)を有しており、該ポンプセル(114)は、少なくとも1つの固体電解質(116)を介して互いに接続された少なくとも2つのポンプ電極(118)を備えており、
前記装置(110)は、少なくとも1つのコントローラ(120)を含み、
該コントローラ(120)は、
前記センサ素子(112)により前記ポンプセル(114)の少なくとも1つの測定量を検出し、
少なくとも部分的に、前記ポンプ電極(118)の少なくとも1つと、前記固体電解質(116)との間の少なくとも1つの移行部における容量性の作用に依存する、少なくとも1つの補償量を求め、
前記測定量及び前記補償量から、少なくとも1つの補正された測定量を求め、
該補正された測定量から、前記測定ガス室内のガスの割合を求める
ように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
前記測定量は、前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電流IPを含み、
前記補償量は、前記ポンプセル(114)の少なくとも1つの充放電電流ΔIPを含み、
前記コントローラ(120)は、
前記補正された測定量IPkorrを、式
Pkorr=IP−ΔIP
に従って算出する、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記コントローラ(120)は、
前記少なくとも1つの移行部としての少なくとも1つの電気化学二重層の両端における少なくとも1つの電圧の少なくとも1つの時間的推移Udl(t)を求め、
前記補償量として前記少なくとも1つの充放電電流ΔIPを、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移Udl(t)と、少なくとも1つの電極容量CIPEを用いて、式
【数10】
に従って求める、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラ(120)は、
前記ポンプセル(114)をパルス化駆動し、電圧パルス及び/又は電流パルスの間にそれぞれパルス休止を発生させ、
前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移Udl(t)を、少なくとも2つの異なるパルス休止中の測定により検出する、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラ(120)は、
Δti,jのタイムインターバルがおかれた少なくともi番目のパルス休止と少なくともj番目のパルス休止を使用し、
前記i番目のパルス休止中の前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電圧UPiと、前記j番目のパルス休止中の前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電圧UPjとを検出し、

【数11】
に従い、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移Udl(t)の少なくとも1つの導関数
【数12】
を求める、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記コントローラ(120)は、
前記少なくとも1つのポンプ電流IPの少なくとも1つの時間変化
【数13】
を検出し、
前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電圧UPの少なくとも1つの時間変化
【数14】
を求め、
前記ポンプ電流IPの時間変化
【数15】
と、前記ポンプ電圧UPの時間変化
【数16】
と、前記固体電解質の少なくとも一部分の少なくとも1つのオーミック抵抗RElektrolytとを用いて、前記電気化学二重層の両端における電圧の前記時間的推移Udl(t)の少なくとも1つの導関数
【数17】
を式
【数18】
に従い算出する、
請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記コントローラ(120)は、
前記ポンプセル(114)の少なくとも1つの電極容量CIPEを検出する、
請求項9から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記コントローラ(120)は、
少なくとも1つの、時間の推移とともに変化するポンプ電圧UPを前記ポンプセル(114)に印加し、
前記ポンプセル(114)の少なくとも1つのポンプ電流IPの少なくとも1つの時間的推移を検出し、
該ポンプ電流IPの時間的推移から前記電極容量CIPEを推定する、
請求項15に記載の装置。
【国際調査報告】