(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-534108(P2015-534108A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(54)【発明の名称】人間工学的な頭部搭載型ディスプレイデバイスおよび光学システム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20151030BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20151030BHJP
G02B 17/08 20060101ALI20151030BHJP
G02B 25/00 20060101ALI20151030BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
G02B17/08 Z
G02B25/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-531334(P2015-531334)
(86)(22)【出願日】2013年9月11日
(85)【翻訳文提出日】2015年4月23日
(86)【国際出願番号】US2013059207
(87)【国際公開番号】WO2014043196
(87)【国際公開日】20140320
(31)【優先権主張番号】61/699,565
(32)【優先日】2012年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, チュンユー
【テーマコード(参考)】
2H087
2H199
【Fターム(参考)】
2H087KA00
2H087KA24
2H087RA06
2H087TA01
2H087TA02
2H087TA05
2H087TA06
2H199CA02
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA24
2H199CA25
2H199CA27
2H199CA42
2H199CA53
2H199CA57
2H199CA58
2H199CA59
2H199CA66
(57)【要約】
画像ディスプレイシステム等の光学システムは、自由曲面光学導波路プリズムと、空隙または屈折率接合剤によってそこから離間される自由曲面補償レンズとを含む。補償レンズは、光学導波路プリズムが周囲実世界環境からの光または画像中に導入するであろう、収差を補正する。光学導波路プリズムは、能動的に投影された画像を入射場所において受信し、その中の光学経路に沿って、画像を内部反射させた後、投影された画像を射出場所において放出する。画像ディスプレイシステムは、画像源と、結合光学系とを含んでもよい。本アプローチは、例えば、光学シースルーHMD内における光学視認デバイスの設計を可能にし、眼鏡形態の外観および広シースルー視野(FOV)を達成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像ディスプレイシステムであって、
第1の主要表面および第2の主要表面を有する、自由曲面光学導波路プリズムであって、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面は、使用時、アクティブ画像源から前記光学導波路プリズム内に能動的に投影された画像を受信すること、または前記光学導波路プリズムから前記能動的に投影された画像を放出することのうちの少なくとも1つを行うように位置付けられ、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面は、使用時、実世界周囲環境の画像を前記光学導波路プリズム中に受信するように位置付けられ、実世界周囲環境は、前記画像ディスプレイシステムの外部にあり、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面および第2の主要表面の少なくともいくつかの部分は、前記光学導波路プリズムの長さの少なくとも一部に沿って、臨界角未満の角度で前記光学導波路プリズムに入射する光を内部伝搬させる、屈折表面である、自由曲面光学導波路プリズムと、
第1の主要表面および第2の主要表面を有する、自由曲面補償レンズであって、前記補償レンズの第1の主要表面は、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面の形状に少なくとも略整合する形状を有し、前記自由曲面補償レンズは、前記補償レンズの第1の主要表面と前記光学導波路プリズムの第2の主要表面との間に間隙を形成するように、前記実世界周囲環境に向かって、前記光学導波路の第2の主要表面から比較的に外向きに位置付けられる、自由曲面補償レンズと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記屈折表面は、全内部反射を介して、前記光学導波路プリズムの長さの少なくとも一部に沿って、前記臨界角未満の角度で前記光学導波路プリズムに入射する光を内部伝搬させる、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項3】
前記光学導波路プリズムの第1の主要表面または第2の主要表面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、半透明の部分反射材料を担持する、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項4】
前記光学導波路プリズムは、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面と第2の主要表面との間に延在し、光の少なくとも一部を前記光学導波路プリズム内に保つ、周辺縁を有する、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項5】
前記補償レンズの第1の主要表面と前記光学導波路プリズムの第2の主要表面との間の間隙は、小間隙である、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項6】
前記補償レンズの第1の主要表面と前記光学導波路プリズムの第2の主要表面との間の間隙は、能動的に投影された画像が前記光学導波路プリズム内に入射する、入射場所の少なくとも近位から、前記能動的に投影された画像が前記光学導波路プリズムから射出する、射出場所の少なくとも近位まで増加する幅を有する、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項7】
前記光学導波路プリズムおよび前記補償レンズは、前記実世界周囲環境の画像を、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の射出場所を介して、前記光学導波路プリズムから射出する、能動的に投影された画像と整合する焦点に合焦させる、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項8】
前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の射出場所は、能動的に投影された画像が前記光学導波路プリズム内に入射する、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の入射場所から、前記光学導波路プリズムの長さに沿って離間される、請求項7に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項9】
前記補償レンズは、前記光学導波路プリズムによって生じる前記実世界周囲環境の画像の光線偏移および歪曲を補償する、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項10】
前記能動的に投影された画像を形成する光線は、前記光学導波路プリズムを交差し、その内側に中間画像を形成する、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項11】
前記光学導波路プリズム内に画像を提供するように位置付けおよび配向される、画像ディスプレイユニットをさらに備える、請求項1に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項12】
前記画像ディスプレイユニットからの光を前記光学導波路プリズム内に誘導し、光学収差を補正する、少なくとも1つの結合レンズをさらに備える、請求項11に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項13】
前記画像ディスプレイユニットは、自発光画素アレイまたは照明される画素アレイのうちの少なくとも1つである、請求項11に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項14】
前記画像ディスプレイユニットは、反射型液晶素子(LCoS)ディスプレイデバイス、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、有機発光ディスプレイ(OLED)、強誘電性反射型液晶素子(LCoSデバイス)、デジタルミラーデバイス(DMD)、およびマイクロプロジェクタから成る群から選択される、請求項11に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項15】
前記間隙内に受容され、前記補償レンズを前記光学導波路プリズムにしっかりと結合する、整合接合剤をさらに備える、請求項11に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項16】
画像ディスプレイシステムであって、
1を上回る屈折率と、第1の主要表面と、第2の主要表面と、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面の周縁と第2の主要表面の周縁との間に延在する周辺縁とを有する材料の自由曲面光学導波路プリズムであって、能動的に投影された画像が、少なくとも、前記光学導波路プリズム内に入射する臨界角未満である、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の入射場所と、前記光学導波路プリズム内の光学経路に沿った複数の内部反射後、前記能動的に投影された画像が、前記光学導波路プリズムから射出する、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の射出場所とを有し、前記射出場所が、前記入射場所から前記光学導波路プリズムの長さに沿って離間される、光学導波路プリズムを備える、システム。
【請求項17】
前記光学導波路プリズムの第1の主要表面および第2の主要表面の少なくともいくつかの部分は、全内部反射を介して、前記光学導波路プリズムの長さの少なくとも一部に沿って、臨界角未満の角度で前記光学導波路プリズムに入射する光を内部伝搬させる、屈折表面である、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項18】
前記光学導波路プリズムの第1の主要表面または第2の主要表面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、半透明の部分反射材料を担持する、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項19】
前記光学導波路プリズムの第1の主要表面は、アクティブ画像源から前記光学導波路プリズム内に能動的に投影された画像を受信するように位置付けられ、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面は、実世界周囲環境の画像を前記光学導波路プリズム内に受信するように位置付けられ、実世界周囲環境は、前記画像ディスプレイシステムの外部にある、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項20】
第1の主要表面および第2の主要表面を有する、自由曲面補償レンズであって、前記補償レンズの第1の主要表面は、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面の形状に少なくとも略整合する形状を有し、前記自由曲面補償レンズは、前記補償レンズの第1の主要表面と前記光学導波路プリズムの第2の主要表面との間に間隙を形成するように、前記実世界周囲環境に向かって、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面から比較的に外向きに位置付けられる、自由曲面補償レンズをさらに備える、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項21】
前記光学導波路プリズムの形状、光学経路長、および厚さは、ヒトの頭部に人間工学的に適合する、包み込み設計のために最適化される、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項22】
前記光学導波路プリズムの幅は、平均的ヒトの頭部の幅に少なくとも略適合する、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項23】
前記光学導波路プリズムの第1の主要表面は、軸を中心として湾曲する、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項24】
前記光学導波路プリズムの第2の主要表面上の各点は、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の対応する点から30mmを超えない、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項25】
前記光学導波路プリズムの第2の主要表面上の各点は、前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の対応する点から12mmを超えない、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項26】
前記光学導波路プリズムの第2の主要表面は、複数の表面区画を備え、各表面区画は、一意のパラメータのセットを有する、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項27】
前記光学導波路プリズム内に画像を提供するように位置付けおよび配向される、画像ディスプレイユニットと、
前記画像ディスプレイユニットから前記光学導波路プリズム内に光を誘導し、光学収差を補正する、少なくとも1つの調節可能結合レンズと、
をさらに備える、請求項16に記載の画像ディスプレイシステム。
【請求項28】
第1の主要表面および第2の主要表面を有する、自由曲面光学導波路プリズムとともに、画像ディスプレイシステム内で使用するための自由曲面補償レンズであって、
第1の主要表面と、
第2の主要表面と、
1を上回る屈折率を有する屈折媒体を備える、前記補償レンズの前記第1の主要表面と第2の主要表面との間の内部空間と、
を備える、自由曲面補償レンズ。
【請求項29】
前記補償レンズは、前記補償レンズの第1の主要表面と前記光学導波路プリズムの第2の主要表面との間に間隙を伴って、実世界周囲環境に向かって、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面から比較的に外向きに離間される前記光学導波路プリズムに物理的に結合される、請求項28に記載の自由曲面補償レンズ。
【請求項30】
前記補償レンズの第1の主要表面は、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面の形状に略整合する形状を有する、請求項29に記載の自由曲面補償レンズ。
【請求項31】
前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の各点は、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面上の対応する点から30mmを超えない、請求項28に記載の自由曲面補償レンズ。
【請求項32】
前記光学導波路プリズムの第1の主要表面上の各点は、前記光学導波路プリズムの第2の主要表面上の対応する点から12mmを超えない、請求項28に記載の自由曲面補償レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して、光学シースルー頭部搭載型ディスプレイ(OST−HMD)デバイスに関し、より具体的には、眼鏡形態の外観および広シースルー視野(FOV)を伴う、光学シースルーHMD内の光学視認デバイスとして使用するために人間工学的に設計された自由曲面光学システムに関する。
【背景技術】
【0002】
頭部搭載型ディスプレイ(HMD)は、長い間、科学的可視化、医学および軍用訓練、工学的設計およびプロトタイピング、遠隔操作およびテレプレゼンス、ならびに個人的娯楽システムの分野にわたる、多くの用途にとって、極めて貴重であることが証明されている。複合および拡張現実感システムでは、光学シースルーHMDは、コンピュータ生成仮想景色と、実世界景色のビューを組み合わせる基本的アプローチのうちの1つである。典型的には、光学コンバイナを通して、OST−HMDは、実世界の直接的最小限に劣化されたビューを維持しながら、コンピュータ生成画像を実世界ビュー上に光学的にオーバーレイする。OST−HMDは、スマートフォンおよびPDA等の他の人気のモバイルプラットフォームよりはるかに魅力的な画質および画面サイズをもたらす、モバイルディスプレイソリューションを作成するための大きな潜在性を有する。
【0003】
一方、過去十数年にわたるHMD設計におけるはるかに著しい前進にもかかわらず、技術が多くの需要のある用途および日常的使用のために広く受け入れられることを阻む、多くの技術的な障壁および可用性の障壁が存在する。HMDに関する主要障壁の1つは、多くの需要のある用途および新たな用途のための技術の受け入れを阻む、煩わしいヘルメット状の形状因子である。適用される既存の光学設計方法のうち、利用者に負担をかけず、眼鏡式の接眼ディスプレイであると見なされ得る、真に可搬性であって、コンパクトであり、かつ軽量であるHMD設計を作成可能であるものはほとんどない。大きな重量は、疲労および不快感に寄与し、HMDベースの用途の主要な妨害と見なされる。加えて、広く、かつ最小限に遮断または劣化されたシースルーFOVを提供する能力は、日常的タスクを行うために不可欠である。近年、自由曲面表面が、HMDシステム設計に導入されており、例えば、その設計は、米国特許第5,699,194号、米国特許第5,701,202号、米国特許第5,706,136号、およびシステム重量を軽減し、軽量HMDを作成することを目的とする、D. Cheng, et al.,“Design of an optical see−through head−mounted display with a low f−number and large field of view using a freeform prism,”Applied Optics,48(14),2009に提案されている。しかしながら、依然として、人間工学的ニーズおよび性能ニーズの両方を満たす、今日の市場において利用可能であるソリューションは、存在しない。本願に説明されるアプローチは、優れた性能を維持しながら、眼鏡形状因子および広シースルーFOVを伴うソリューションを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,699,194号明細書
【特許文献2】米国特許第5,701,202号明細書
【特許文献3】米国特許第5,706,136号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】D. Cheng, et al.,“Design of an optical see−through head−mounted display with a low f−number and large field of view using a freeform prism,”Applied Optics,48(14),2009
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、眼鏡形態の外観を伴う、人間工学的光学シースルー頭部搭載型ディスプレイ(OST−HMD)デバイスと、そのようなディスプレイデバイス内の光学視認デバイスとして使用するための自由曲面光学システムとに関する。OST−HMD内の光学視認デバイスは、典型的には、表示される仮想画像を視認するための光学経路と、直接、実世界景色を視認するためのシースルー経路とを提供する。仮想画像経路は、ディスプレイコンテンツを供給するための小型画像ディスプレイユニットと、それを通してユーザが表示されるコンテンツの拡大画像を視認する、人間工学的に成形されたディスプレイ視認光学系とを含んでもよい。ディスプレイ視認光学系は、複数の自由曲面屈折および反射表面を含有する、光誘導デバイス(以下、自由曲面導波路プリズムと称される)を含む。ディスプレイ視認光学系はまた、画像ディスプレイデバイスからの光を導波路プリズム内に適切に投射するための付加的結合光学系を含んでもよい。自由曲面表面および結合光学系の場所および形状は、視認者が表示されるコンテンツのクリアな拡大画像を見ることが可能となるように、サイズ決定、定寸、位置付け、および/または配向される。頭部搭載型ディスプレイデバイスのシースルー経路は、導波路プリズムと、プリズムの外部表面から外向きに位置付けられる(例えば、それに取着される)自由曲面シースルー補償レンズとによって提供される。シースルー補償レンズは、複数の自由曲面屈折表面を含有し、非常に広いシースルー視野にわたって、周囲環境の適切な視認を可能にする。導波路プリズムおよびシースルー補償レンズは、ヒトの頭部の人間工学的因子に人間工学的に適合するようにサイズ決定、定寸、位置付け、および/または配向され、眼鏡形態の外観、広シースルー視野、および優れた光学性能を有する、軽量、コンパクト、かつシースルー式のディスプレイシステムの包み込み設計を可能にする。
【0007】
人間工学的頭部搭載型ディスプレイデバイス内の光学視認デバイスとして使用するための自由曲面光学システムの種々の実施形態が、本明細書に説明される。本明細書に説明される自由曲面光学システムの少なくともいくつかは、ヒトの頭部の人間工学的因子と適合し、それらが、ヒトの顔の周囲に包み込まれ、従来のHMD設計におけるヘルメット状外観の代わりに、眼鏡状外観を呈することを可能にする、人間工学的に成形された視認光学系を提供するように最適化される。種々の実施形態はまた、シースルー能力をもたらし、ユーザが、視認光学系を通した周囲環境と、画像ディスプレイデバイス上に表示されるコンテンツとを視認することを可能にする。少なくともいくつかの実施形態は、仮想ビューのFOVより大幅に大きくあり得る、シースルーFOVをもたらす。
【0008】
OST−HMDデバイスの仮想画像経路は、ディスプレイコンテンツを供給するための小型画像ディスプレイユニットと、それを通して、ユーザが表示されるコンテンツの拡大画像を視認する、人間工学的に成形されたディスプレイ視認光学系とを含んでもよい。ディスプレイ視認光学系は、複数の自由曲面屈折および反射表面を含有する、またはそれを有する、自由曲面導波路プリズムを含んでもよい。ディスプレイ視認光学系はまた、付加的結合光学系を含んでもよい。導波路プリズムは、小型画像ディスプレイデバイス上の画像を拡大する、接眼視認光学系としての役割を果たす。画像ディスプレイユニットから出現する光線は、プリズムの第1の屈折表面を介して、導波路プリズム内に投射される。光線は、直接ディスプレイデバイスから、または1つ以上の結合レンズを通して、プリズム内に投射されてもよい。投射された光線は、複数の反射(典型的には、3回以上)を介して、導波路プリズムを通して伝搬し、次いで、プリズムの第2の屈折表面を介して、プリズムから結合される。発出する光線は、継続して伝搬し、システムの射出瞳に到達する。射出瞳は、ユーザが、仮想コンテンツを視認するために眼を向ける場所であり得る。
【0009】
光が、導波路プリズムの反射表面上の全内部反射(TIR)条件を満たしながら、導波路プリズムを通して伝搬すると、反射を通した光損失は、最小限である。したがって、厳密に要求されるわけではないが、反射が全て、TIR条件を満たすことが望ましい。しかしながら、また、導波路プリズムの薄型設計を達成することも望ましい。そのような薄型設計は、反射表面のいくつか上のTIR条件を損なわせ得る。
【0010】
TIR条件が満たされないデバイスの指定されたシースルーFOVの内側に位置する反射表面の場合、半透明コーティングが、これらの表面上に塗布される。半透明コーティングは、小型ディスプレイユニットからの十分な光が、射出瞳に到達し、光学シースルー能力を促進しながら、明るい画像を生成することを確実にする。TIR条件が満たされないデバイスのシースルーFOVの外側の反射表面の場合、高反射ミラーコーティングが、光損失を最小限にするために、これらの表面上に塗布されることができる。
【0011】
小型画像ディスプレイユニットは、限定ではないが、反射型液晶素子(LCoS)ディスプレイデバイス、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、有機発光ディスプレイ(OLED)、強誘電性反射型液晶素子(FLCoS)デバイス、デジタルミラーデバイス(DMD)、またはこれらの前述または他のタイプのマイクロディスプレイデバイス上に内蔵されたマイクロプロジェクタを含む、画像源としての役割を果たすことができる、任意のタイプの自発光または照明される画素アレイであり得る。
【0012】
少なくともいくつかの実施形態では、頭部搭載型ディスプレイデバイスのシースルー経路は、少なくとも部分的に、自由曲面導波路プリズムおよび自由曲面シースルー補償レンズによって形成される。補償レンズは、導波路プリズムによって生じる光線偏移および/または歪曲に対処あるいは適応し、実世界景色のクリアなシースルービューを維持するために、導波路プリズムの物理的外側表面から外向きに位置付けられる(例えば、そこに取着される)。補償レンズは、複数の(典型的には、2つ以上の)自由曲面屈折表面を含んでもよく、非常に広い視野にわたって、周囲環境の適切な視認を可能にする。補償レンズの表面は、レンズが導波路プリズムと組み合わせられるとき、実世界景色からの光線のいかなる偏移および/または歪曲も最小限にするように最適化されてもよい。導波路プリズムの取着表面上の反射が、仮想画像ディスプレイ経路内のTIR条件を満たすことになる場合、導波路プリズムと補償レンズとの間に小間隙(例えば、空隙)を維持することが必要である。
【0013】
種々の実施形態は、導波路プリズムの幅が、平均的ヒトの頭部の幅(例えば、瞳孔間距離)と略整合するように、複数の反射を利用し、光学経路長を延在させる。長光学経路は、導波路プリズムの人間工学的設計を促進し、かつ大シースルーFOVを維持する。プリズムの長光学経路はまた、ディスプレイフレームの片側への画像ディスプレイユニットの配置を可能にし、HMDシステムの正面重量を軽減し、システムの人間工学的適合を改善する。
【0014】
加えて、導波路プリズムの形状および光学視認デバイスの形状は、全体として、最適な人間工学的適合のために、ヒトの頭部の自然な曲線に近似するように設計されることができる。例えば、プリズム形状は、いくつかの実施形態では、一対の8ベースカーブ眼鏡の曲率に近似するように湾曲される。プリズム形状は、いくつかの他の実施形態では、一対の4ベースカーブ眼鏡の形状因子に略従う。さらに、導波路プリズムおよび補償レンズの全体的厚さは、薄型光学または光学系プロファイル(典型的には、30mm未満)を達成するように意図的に制御される。全体的な意図的に制御された導波路プリズム形状、長光学経路、および光学系厚さは、ヒトの頭部との人間工学的適合および魅力的な眼鏡状外観をもたらす、光学シースルーHMDの包み込み設計を可能にする。
【0015】
少なくともいくつかの実施形態は、非常に大きい、典型的には、仮想ディスプレイのFOVをはるかに上回る、シースルー視野を提供する。本能力は、いくつかの機構によって可能にされる。例えば、画像ディスプレイデバイスは、導波路プリズムのクリアな光学開口を延在させるように、頭部の片側(例えば、左側、右側)に位置する、または位置付けられてもよい。また、例えば、導波路プリズム上の自由曲面表面は、意図的に制御されてもよい。加えて、または代替として、補償レンズが、光線偏移および/または歪曲を補正し、大FOVにわたって高シースルー性能を確実にするように採用されてもよい。実施形態のうちのいくつかでは、シースルーFOVは、水平方向に120度および垂直方向に80度も延在する。したがって、いくつかの実施形態では、シースルーFOVは、ヒトの眼の視野に整合するように延在されることができる。
【0016】
長光学経路の含有によって、ヒトの頭部の幅または曲率に整合あるいは適応するために、かつ大シースルーFOVを達成するために、画像ディスプレイデバイス上の同一の点からの光線は、少なくとも1回、導波路プリズムの内側を交差するであろう。その結果、仮想ディスプレイの中間画像が、導波路プリズムの内側に形成されるであろう。上記は、光線交差点が、良好に形成され得ず、マイクロディスプレイの異なる画像点に対する交差点が、通常、導波路プリズムの内側に画像を形成しない場合でも、該当するであろう。
【0017】
少なくともいくつかの実施形態は、システムの焦点面を調節するための調節可能集束光学系を含む。調節可能集束光学系は、HMD視認システムの焦点が、用途ニーズに従って変更されることを可能にする。例えば、焦点は、システムが本を読むために使用されるとき、選択的に、近距離に調節されてもよい。また、例えば、焦点は、システムが映画を鑑賞するために使用されるとき、選択的に、中間距離に調節されてもよい。さらなる実施例として、焦点は、システムが車両のドライバを誘導するために使用されるとき、選択的に、遠距離に調節されてもよい。調節可能集束光学系は、例えば、液体レンズまたは同等物の形態をとることができ、焦点面の調節または変更をリアルタイムで可能にする。
【0018】
少なくともいくつかの実施形態は、非常に高速で焦点を調節することによって、複数の焦点面をシーケンスとして作成し、システム内に複数の焦点面を作成する能力を追加する。複数の焦点面を用いると、コンテンツは、システムが、実質的に、収束および輻輳調節の矛盾という問題がなく、動作し得るようにレンダリングされることができる。
【0019】
画像ディスプレイシステムは、第1の主要表面および第2の主要表面を有する、自由曲面光学導波路プリズムであって、光学導波路プリズムの第1の主要表面は、使用時、アクティブ画像源から光学導波路プリズム内に能動的に投影された画像を受信すること、または光学導波路プリズムから能動的に投影された画像を放出することのうちの少なくとも1つを行うように位置付けられ、光学導波路プリズムの第2の主要表面は、使用時、実世界周囲環境の画像を光学導波路プリズム中に受信するように位置付けられ、実世界周囲環境は、画像ディスプレイシステムの外部にあり、光学導波路プリズムの第1の主要表面および第2の主要表面の少なくともいくつかの部分は、光学導波路プリズムの長さの少なくとも一部に沿って、臨界角未満の角度で光学導波路プリズムに入射する光を内部伝搬させる、屈折表面である、自由曲面光学導波路プリズムと、第1の主要表面および第2の主要表面を有する、自由曲面補償レンズであって、補償レンズの第1の主要表面は、光学導波路プリズムの第2の主要表面の形状に少なくとも略整合する形状を有し、自由曲面補償レンズは、補償レンズの第1の主要表面と光学導波路プリズムの第2の主要表面との間に間隙を形成するように、実世界周囲環境に向かって、光学導波路の第2の主要表面から比較的に外向きに位置付けられる、自由曲面補償レンズとを含むものとして要約され得る。
【0020】
屈折表面は、全内部反射を介して、光学導波路プリズムの長さの少なくとも一部に沿って、臨界角未満の角度で光学導波路プリズムに入射する光を内部伝搬させてもよい。光学導波路プリズムの第1の主要表面または第2の主要表面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、半透明の部分反射材料を担持してもよい。光学導波路プリズムは、光学導波路プリズムの第1の主要表面と第2の主要表面との間に延在し、光の少なくとも一部を光学導波路プリズム内に保ち得る、周辺縁を有してもよい。補償レンズの第1の主要表面と光学導波路プリズムの第2の主要表面との間の間隙は、小間隙であってもよい。補償レンズの第1の主要表面と光学導波路プリズムの第2の主要表面との間の間隙は、能動的に投影された画像が光学導波路プリズム内に入射する、入射場所の少なくとも近位から、能動的に投影された画像が光学導波路プリズムから射出する、射出場所の少なくとも近位まで増加する幅を有してもよい。光学導波路プリズムおよび補償レンズは、実世界周囲環境の画像を、光学導波路プリズムの第1の主要表面上の射出場所を介して、光学導波路プリズムから射出する、能動的に投影された画像と整合する焦点に合焦させてもよい。光学導波路プリズムの第1の主要表面上の射出場所は、能動的に投影された画像が光学導波路プリズム内に入射する、光学導波路プリズムの第1の主要表面上の入射場所から、光学導波路プリズムの長さに沿って離間されてもよい。補償レンズは、光学導波路プリズムによって生じる実世界周囲環境の画像の光線偏移および歪曲を補償してもよい。能動的に投影された画像を形成する光線は、光学導波路プリズムを交差し、その内側に中間画像を形成してもよい。画像ディスプレイシステムはさらに、光学導波路プリズム内に画像を提供するように位置付けおよび配向される、画像ディスプレイユニットを含んでもよい。画像ディスプレイシステムはさらに、画像ディスプレイユニットからの光を光学導波路プリズム内に誘導し、光学収差を補正する、少なくとも1つの結合レンズを含んでもよい。画像ディスプレイユニットは、自発光画素アレイまたは照明される画素アレイのうちの少なくとも1つであってもよい。画像ディスプレイユニットは、反射型液晶素子(LCoS)ディスプレイデバイス、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、有機発光ディスプレイ(OLED)、強誘電性反射型液晶素子(LCoSデバイス、デジタルミラーデバイス(DMD)、およびマイクロプロジェクタから成る群から選択されてもよい。画像ディスプレイシステムはさらに、間隙内に受容され、補償レンズを光学導波路プリズムにしっかりと結合する、整合接合剤を含んでもよい。
【0021】
画像ディスプレイシステムは、1を上回る屈折率と、第1の主要表面と、第2の主要表面と、光学導波路プリズムの第1の主要表面の周縁と第2の主要表面の周縁との間に延在する周辺縁とを有する材料の自由曲面光学導波路プリズムであって、能動的に投影された画像が、少なくとも、光学導波路プリズム内に入射する臨界角未満である、光学導波路プリズムの第1の主要表面上の入射場所と、光学導波路プリズム内の光学経路に沿った複数の内部反射後、能動的に投影された画像が、光学導波路プリズムから射出する、光学導波路プリズムの第1の主要表面上の射出場所とを有し、射出場所が、入射場所から光学導波路プリズムの長さに沿って離間される、光学導波路プリズムを含むものとして要約され得る。
【0022】
光学導波路プリズムの第1の主要表面と第2の主要表面の少なくともいくつかの部分は、全内部反射を介して、光学導波路プリズムの長さの少なくとも一部に沿って、臨界角未満の角度で光学導波路プリズムに入射する光を内部伝搬する、屈折表面であってもよい。光学導波路プリズムの第1の主要表面または第2の主要表面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、半透明の部分反射材料を担持してもよい。光学導波路プリズムの第1の主要表面は、アクティブ画像源から光学導波路プリズム内に能動的に投影された画像を受信するように位置付けられてもよく、光学導波路プリズムの第2の主要表面は、実世界周囲環境の画像を光学導波路プリズム内に受信するように位置付けられてもよく、実世界周囲環境は、画像ディスプレイシステムの外部にある。画像ディスプレイシステムはさらに、第1の主要表面および第2の主要表面を有する、自由曲面補償レンズを含んでもよく、補償レンズの第1の主要表面は、光学導波路プリズムの第2の主要表面の形状に少なくとも略整合する形状を有し、自由曲面補償レンズは、補償レンズの第1の主要表面と光学導波路プリズムの第2の主要表面との間に間隙を形成するように、実世界周囲環境に向かって、光学導波路プリズムの第2の主要表面から比較的に外向きに位置付けられる。光学導波路プリズムの形状、光学経路長、および厚さは、ヒトの頭部に人間工学的に適合する、包み込み設計のために最適化されてもよい。光学導波路プリズムの幅は、平均的ヒトの頭部の幅に少なくとも略適合してもよい。光学導波路プリズムの第1の主要表面は、軸を中心として湾曲してもよい。光学導波路プリズムの第2の主要表面上の各点は、光学導波路プリズムの第1の主要表面上の対応する点から30mmを超えなくてもよい。光学導波路プリズムの第2の主要表面上の各点は、光学導波路プリズムの第1の主要表面上の対応する点から12mmを超えなくてもよい。光学導波路プリズムの第2の主要表面は、複数の表面区画を含んでもよく、各表面区画は、一意のパラメータのセットを有する。画像ディスプレイシステムはさらに、光学導波路プリズム内に画像を提供するように位置付けおよび配向される、画像ディスプレイユニットと、画像ディスプレイユニットから光学導波路プリズム内に光を誘導し、光学収差を補正する、少なくとも1つの調節可能結合レンズとを含んでもよい。
【0023】
第1の主要表面および第2の主要表面を有する、自由曲面光学導波路プリズムとともに、画像ディスプレイシステム内で使用するための自由曲面補償レンズは、第1の主要表面と、第2の主要表面と、1を上回る屈折率を有する屈折媒体を備える、補償レンズの第1の主要表面と第2の主要表面との間の内部空間とを含むものとして要約され得る。
【0024】
補償レンズは、補償レンズの第1の主要表面と光学導波路プリズムの第2の主要表面との間に間隙を伴って、実世界周囲環境に向かって、光学導波路プリズムの第2の主要表面から比較的に外向きに離間される光学導波路プリズムに物理的に結合されてもよい。補償レンズの第1の主要表面は、光学導波路プリズムの第2の主要表面の形状に略整合する形状を有してもよい。光学導波路プリズムの第1の主要表面上の各点は、光学導波路プリズムの第2の主要表面上の対応する点から30mmを超えなくてもよい。光学導波路プリズムの第1の主要表面上の各点は、光学導波路プリズムの第2の主要表面上の対応する点から12mmを超えなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明の少なくとも1つの図示される実施形態による、光学システム、例えば、画像ディスプレイシステムの概略図である。
【0026】
【
図2】
図2は、
図1の光学システムの一部の概略図であって、少なくとも1つの図示される実施形態による、8ベースカーブ包み込み外観に近似する、光学導波路プリズムの3反射実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明による種々の実施形態は、添付の図面に関して完全に説明されるであろう。説明は、本発明の理解を提供するために記載される。しかしながら、本発明が、これらの詳細を伴わずに実践されることもできることは、明白であろう。さらに、本発明は、種々の形態で実装されてもよい。しかしながら、以下に説明される本発明の実施形態は、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるものではない。むしろ、これらの実施形態、図面、および実施例は、例証的であって、本発明を曖昧にすることを回避することが意図される。
【0028】
種々の実施形態は、概して、眼鏡形態の外観および広シースルー視野(FOV)を伴う、光学シースルーHMD内の光学視認デバイスとして使用するための人間工学的に設計された自由曲面光学システムに関する。
図1は、ユーザが、実世界景色上にオーバーレイされた表示または投影コンテンツを見ることを可能にしながら、自由曲面光学導波路プリズムを通して、表示される仮想画像をユーザの眼の瞳孔内に投影させる、画像ディスプレイシステムの形態における光学システムを示す。
【0029】
ディスプレイシステムは、画像ディスプレイユニット105を含んでもよい。画像ディスプレイユニット105は、小型画像ディスプレイユニットの形態をとってもよく、画像源としての役割を果たし、光を自由曲面光学導波路プリズム100内に投影させる。
【0030】
ディスプレイシステムは、随意に、レンズ群110を含んでもよい。レンズ群110は、光をディスプレイユニット105から自由曲面光学導波路プリズム100内に誘導し、光学収差を補正する、1つ以上のレンズを含む。
【0031】
自由曲面光学導波路プリズム100は、透明であってもよく、本明細書に説明されるように、ディスプレイユニット105からの光を取り入れ、画像がユーザの眼の瞳孔内に投影されるまで、光を伝搬させる。光学導波路プリズム100はまた、実世界景色からの光が、ユーザの眼の瞳孔を通して通過し、そこに入射することを可能にする。光学導波路プリズム100は、物理的内側表面または第1の主要表面115と、物理的周辺縁または表面120と、物理的外側表面または第2の主要表面125とを有する。第1の主要表面および/または第2の主要表面115、125の少なくともいくつかの部分は、屈折し、例えば、第1の屈折表面部分130および第2の屈折表面部分135である。第1の主要表面および/または第2の主要表面115、125の少なくともいくつかの部分は、反射表面である。
【0032】
ディスプレイシステムは、自由曲面補償レンズ160を含んでもよい。自由曲面補償レンズ160は、光学導波路プリズム100に対して、周囲環境に向かって外向きに位置付けられる。いくつかの実施形態では、補償レンズ160は、光学導波路プリズム100に物理的に結合されてもよく、例えば、光学導波路プリズム100の物理的外側表面または第2の主要表面125に固着されてもよい。補償レンズ160は、光学導波路プリズムを通して実世界を視認することによって生じる光学歪曲を補正する。補償レンズ160の内側物理的表面または第1の主要表面165は、導波路プリズム100の外側物理的表面または第2の主要表面125の形状に少なくとも略整合する、形状を有する。補償レンズ160の内側物理的表面または第1の主要表面165は、導波路プリズム100の外側物理的表面または第2の主要表面125から離間され、少なくとも、TIR基準が光学導波路プリズム100の外側物理的表面または第2の主要表面125に対して満たされる表面上の導波路100と補償レンズ160との間に小間隙195を画定する。補償レンズ160は、ユーザがクリアなシースルー視野190を維持するように、光学導波路プリズム100によって生じる光線偏移および歪曲の影響を補償するように設計される。
【0033】
画像ディスプレイユニット105は、画像源としての役割を果たすことができる、任意のタイプの自発光または照明される画素アレイであり得る。例えば、画像ディスプレイユニットは、例えば、限定ではないが、反射型液晶素子(LCoS)ディスプレイデバイス、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、有機発光ディスプレイ(OLED)、強誘電性反射型液晶素子(LCoSデバイス、デジタルミラーデバイス(DMD)、またはこれらの前述または他のタイプのマイクロディスプレイデバイス上に内蔵されるマイクロプロジェクタの形態をとってもよい。
【0034】
画像ディスプレイユニット105は、随意の結合レンズ110後、光学導波路プリズム100内に、または直接、第1の屈折表面130を通して、光学導波路プリズム100内に、光140を伝送する。光140は、第1の屈折表面130から第2の屈折表面135に複数の反射を備える、光学導波路プリズム100の長さに沿って、光学経路145を辿る。光学導波路プリズムの長さに沿って光学経路145を辿る光140の光線は、光学導波路プリズム100を交差し、その内側に中間画像155を形成してもよい。
【0035】
光140は、続いて、第2の屈折表面135を通して通過し、それを越えて、ユーザは、画像を視認するためにその瞳孔150を向ける。
【0036】
実世界景色198からの光は、瞳孔150に到達する前に、補償レンズ160および光学導波路プリズム100を通して通過する。
【0037】
デバイスは、有利には、人間工学的に成形された自由曲面光学導波路プリズム100を採用し、画像がプリズムの1つの屈折入力表面内に投影され、次いで、画像がユーザの眼に到達するまで、反射および屈折されることを可能にしてもよい。光学導波路プリズムの形状、光学経路長、および厚さ100は、意図的に最適化され、ヒトの頭部との人間工学的適合および魅力的な眼鏡状外観をもたらす、光学シースルーHMDの包み込み設計を可能にする。
【0038】
典型的実施形態では、自由曲面光学導波路プリズムは、少なくとも3つの物理的表面を備え、それぞれ、物理的表面上に配置される、複数の反射および屈折光学表面を含有する。物理的表面の内部空間は、1を上回る屈折率(n)を有する、屈折媒体によって充填される。物理的および光学的な表面は、物理的内側表面または第1の主要表面115、物理的外側表面または第2の主要表面125、物理的縁表面120のうちの1つ以上を含んでもよい。物理的内側表面または第1の主要表面115および/または物理的外側表面または第2の主要表面125は、屈折入力表面部分130、屈折出力表面部分135、および/または複数の反射表面部分を含んでもよい。
【0039】
物理的内側表面または第1の主要表面115は、ユーザの眼球またはデバイスの焦点に向かって、内向きに配置される。物理的内側表面または第1の主要表面115は、光学導波路プリズム100の内部反射を介して、ユーザの眼球に画像を伝搬させるために適切な複数の反射および屈折表面部分を含む。光学導波路プリズム100は、ヒトの頭部の人間工学的因子に適合するように制約される。
【0040】
物理的外側表面または第2の主要表面125は、外部景色または実世界周囲環境に向かって、外向きに配置される。物理的外側表面または第2の主要表面125は、ユーザの眼球に画像を反射させるために適切な複数の反射表面部分を含む。物理的外側表面または第2の主要表面125は、典型的には、全点において、内側表面または第1の主要表面115から30mm以内にある。物理的外側表面または第2の主要表面125は、外部景色または実世界周囲環境からの光が、光学導波路プリズム100を通して通過し、ユーザの眼球に到達することを可能にする、少なくとも1つの屈折表面を含む。
【0041】
物理的縁表面120は、潜在的に、屈折表面を含有してもよい。屈折表面は、例えば、画像ディスプレイユニットからの光が、導波路に入射することを可能にしてもよい。
【0042】
屈折入力表面部分130は、物理的表面のうちの1つ上に配置される、またはそれを構成する。屈折入力表面部分130は、画像ディスプレイユニットからの光が、導波路に入射することを可能にしてもよい。
【0043】
屈折出力表面部分135は、光が、光学導波路プリズム100から射出することを可能にする。屈折出力表面部分135は、ユーザの瞳孔の近傍の物理的内側表面または第1の主要表面上に配置される、またはそれを構成する。屈折表面部分は、半透明コーティングによって被覆されてもよく、またはそうでなくてもよい。
【0044】
複数の反射表面部分は、物理的内側表面または第1の主要表面および外側表面または第2の主要表面上に配置される、あるいはそれを構成する。各反射は、TIR条件を満たすこと、または半透明の部分的反射コーティングを光学導波路プリズム100の表面の少なくとも一部に塗布することのいずれかによって、生成される。
【0045】
画像ディスプレイユニット105からの光140は、第1の屈折表面130を通して、光学導波路プリズム100に入射する。光140は、光学導波路プリズム100の長さに沿って、光学経路145を辿る。光学経路145は、例えば、第1の屈折表面部分130から第2の屈折表面部分135まで、複数の反射表面部分上に複数の反射を含む。前述のように、各反射は、全内部反射の条件を満たすこと、または半透明コーティングを表面に塗布することのいずれかによって生成される。
【0046】
続いて、光140は、第2の屈折表面部分135を通して通過し、それを越えて、ユーザは、画像を視認するために、その瞳孔150を向ける。
【0047】
周囲環境の実世界景色からの光198は、補償レンズ160によって屈折された後、瞳孔150に到達する前に、光学導波路プリズム100の物理的外側表面または第2の主要表面125および光学導波路プリズムの物理的内側表面または第1の主要表面115を通して屈折される。
【0048】
典型的実施形態では、光学導波路プリズム100の内側表面または第1の主要表面115および外側表面または第2の主要表面125は、画像を歪曲させずに、ユーザの瞳孔に向かって光を誘導させる、複数の反射を生成するように適切に設計される。複数の反射は、光学導波路プリズム100の幅が、平均的ヒトの頭部の幅に略適合するように、光学経路長に延在する。比較的に長い光学経路長は、人間工学的形状への光学導波路プリズムの設計を可能にする。光学プリズム導波路100の比較的に長い光学経路はさらに、画像ディスプレイユニット105をディスプレイフレームの片側に位置させる、または位置付けることを可能にする。上記は、有利には、HMDシステムの正面重量を軽減し、結果として生じるシステムの人間工学的適合を改善し得る。
【0049】
典型的実施形態では、内側表面または第1の主要表面115は、所望の眼鏡形状因子のための事前に指定された湾曲表面に近似するように制約される。外側表面または第2の主要表面125はさらに、内側表面または第1の主要表面115と外側表面または第2の主要表面125との間に、典型的には、30mmを超えない厚さを伴う、薄型プロファイルを達成するように制約される。少なくとも一実施形態では、内側表面または第1の主要表面115と外側表面または第2の主要表面125との間の全体的厚さは、12mmを超えないように制約された。光学導波路プリズム100の内側表面または第1の主要表面115および外側表面または第2の主要表面125のパラメータは、故に、最適化され、投影される画像は、光学導波路プリズム100の射出点または場所において、最小限の歪曲を有する。
【0050】
典型的実施形態では、光学導波路プリズム100の内側表面または第1の主要表面115は、複数の表面区画を含有してもよく、各表面区画は、1つの一意のパラメータのセットによって説明される。
【0051】
典型的実施形態では、光学導波路プリズム100の外側表面または第2の主要表面125は、複数の表面区画を含有してもよく、各表面区画は、1つの一意のパラメータのセットによって説明される。
【0052】
いくつかの実施形態では、結合レンズ110が、小型画像ディスプレイユニット105と光学導波路プリズム100の第1の屈折表面部分130との間に追加され、ディスプレイユニット105から光学導波路プリズム100内への光の伝送を促進してもよい。結合レンズ110は、例えば、光学導波路プリズム100の光学収差を補正するために使用されてもよい。
【0053】
自由曲面シースルー補償レンズ160は、光学導波路プリズム100に物理的に取着されてもよい。補償レンズ160は、光学導波路プリズム100によって生じる光線偏移および歪曲に対処するように設計され、広視野にわたって、実世界景色のクリアなシースルービューを可能にする。
【0054】
典型的実施形態では、自由曲面補償レンズ160は、複数の(典型的には、2つ以上の)自由曲面屈折表面を含む。補償レンズ160の屈折表面間の内部空間は、1を上回る屈折率(n)を有する屈折媒体によって充填される。補償レンズ160の光学表面は、屈折内側表面または第1の主要表面165と、屈折外側表面または第2の主要表面170とを含んでもよい。
【0055】
屈折外側表面または第2の主要表面170は、外部景色に向かって、外向きに配置される。屈折外側表面または第2の主要表面170は、外部景色からの光198が、補償レンズ160に入射することを可能にする。屈折外側表面または第2の主要表面170は、典型的には、連続的な単一の屈折表面である。屈折外側表面または第2の主要表面170は、典型的には、全点において、光学導波路プリズム100の物理的内側表面115から30mm以内である。
【0056】
屈折内側表面または第1の主要表面165は、光学導波路プリズム100の外側表面または第2の主要表面125に向かって配置される。屈折内側表面または第1の主要表面165は、光が、補償レンズ160から射出し、光学導波路プリズム100内に入射することを可能にする。屈折内側表面または第1の主要表面165は、複数の屈折表面部分を含んでもよい。屈折内側表面または第1の主要表面165は、典型的には、光学導波路プリズム100の外側表面または第2の主要表面125の形状に近似または整合するように制約される。
【0057】
使用時、実世界景色198からの光は、瞳孔150に到達する前に、順に、補償レンズ160の屈折外側表面170および屈折内側表面165、光学導波路プリズム100の物理的外側表面125および物理的内側表面115を通して屈折される。
【0058】
典型的実施形態では、補償レンズ160および光学導波路プリズム100はともに、非常に広視野190にわたって、周囲環境の適切な視認を可能にするように意図的に最適化される。補償レンズ160の内側表面165および外側表面170は、補償レンズ160が導波路プリズム100と組み合わせられるとき、実世界景色からの光線に導入される偏移および歪曲を最小限にするように最適化される。補償レンズ160の内側表面165は、z軸に沿ってわずかなオフセットを伴う、導波路プリズム100の外側表面125の精密な複製であり得る。導波路プリズム100の取着外側表面125上の反射が、仮想画像ディスプレイ経路内のTIR条件を満たす場合、導波路プリズム100と補償レンズ160との間に小空隙195を維持することが必要である。光学導波路プリズム100の外側表面125上にTIR要件が存在しない場合、屈折率整合糊が、そうでなければ空隙195となるであろうものを充填し、補償レンズ160と導波路プリズム100を接合することができる。補償レンズ160の内側表面165もまた、より優れたシースルー性能のために、補償レンズ160の外側表面170とともに再設計されることができる。この場合、光学導波路プリズム100と補償レンズ160との間の間隙195は、表面に沿った任意の点において、6mm未満であるように制約されてもよい。外側表面170はさらに、光学導波路プリズム100および補償レンズ160の全体的厚さが、典型的には、30mmを超えないように制限するように制約される。少なくともいくつかの実施形態では、光学導波路プリズム100および補償レンズ160の全体的厚さは、15mmを超えないように制約される。補償レンズ160の内側表面165および外側表面170は両方とも、指定されるシースルーFOV190に対して十分に大きくあるべきである。補償レンズ160の形状および厚さは、意図的に最適化され、ヒトの頭部との人間工学的適合および魅力的な眼鏡状外観をもたらす、光学シースルーHMDの包み込み設計を可能にする。
【0059】
典型的実施形態では、補償レンズ160および導波路プリズム100の内側表面および外側表面は、例えば、視野の中心に対して、水平方向では、こめかみ側で最大90°および鼻側で60°、垂直方向では、上下に最大60°と、ヒトの眼の視野程度の広シースルー視野190を可能にするために十分に大きい。光学導波路プリズム100および補償レンズ160上の自由曲面表面は、光線偏移および歪曲を補正し、大FOVにわたって高シースルー性能を確実にするように最適化される。
【0060】
前述の表面は全て、限定ではないが、
図1に示されるように、全体座標のYZ平面において非対称であって、座標系の原点は、射出瞳150の中心に位置し、外部景色に指向するZ軸175、こめかみ側に指向するY軸180、および頭部に沿って垂直に指向するX軸185を伴う、球面、非球面、アナモルフィック非球面、XYP多項式、または任意の他のタイプの数学的規則を含む、自由曲面表面である。本開示全体を通して、特段の記載がない限り、同一の座標系が、全図面および説明に対して使用される。
【0061】
本明細書における教示は、有利には、眼鏡形態の外観および広シースルー視野(FOV)を達成する、光学シースルーHMD内の光学視認デバイスとして使用するための自由曲面光学システムを提供し得る。したがって、導波路プリズムの設計は、適切な光学誤差関数、例えば、波面誤差またはシステム変調伝達関数(MTF)を最小限にするように、各個々の表面のパラメータを最適化することを含んでもよい。
図1に図示される光学導波路プリズム100は、従来の回転対称光学表面より設計自由度をもたらす、複数の自由曲面表面を含有する。したがって、自由曲面設計アプローチは、より優れた光学性能および人間工学的適合を伴う、光学視認デバイスの設計を可能にする。上記は、従来の回転対称光学表面を使用する類似仕様の光学視認デバイスと比較して、より少ない表面を使用しながら達成されてもよい。しかしながら、適切な制約が、所望の形状因子を維持し、大シースルーFOVを提供しながら、光学導波路プリズムの有効設計を有するために、表面の全てに適用されなければならない。
【0062】
図2は、8ベースカーブ包み込み外観を伴う、1つの図示される実施形態による、光学導波路プリズム200の3反射実施形態を示す。本実施形態は、8ベースカーブ包み込み形状因子を伴う、HMDシステムを実装するために使用されることができる。本実施形態では、光学導波路プリズム200の内側物理的表面または第1の主要表面215および外側物理的表面または第2の主要表面225は、2つの連続平滑表面であって、それぞれ、一式の自由曲面表面パラメータによって説明される。光学導波路プリズム200の屈折表面部分230は、内側表面215の一部ではなく、異なる表面パラメータセットによって説明される。マイクロディスプレイパネル205は、反射タイプマイクロディスプレイ(例えば、LCoS、FLCoS、またはDMDパネル)または透過タイプマイクロディスプレイ(例えば、LCDパネル)または自発光タイプマイクロディスプレイ(例えば、OLEDパネル)のいずれかであることができる。反射タイプマイクロディスプレイパネルの場合、ビームスプリッタ(図示せず)が、照明経路(図示せず)を導入するために採用される。画像ディスプレイ205と光学導波路プリズム200の間には、結合レンズ210が、光学収差を補正し、画質を改善するのに役立つために使用される。本設計実施例では、マイクロディスプレイ205上の3つの異なる画素から生じる光線束240a、240b、および240cは、屈折表面230を通して光学導波路プリズム200に入射し、内側表面215および外側表面225によって、3回、反射され、次いで、屈折表面235を通して伝送され、射出瞳250に到達する。本実施例では、3つの反射のうち、反射R1およびR2は、TIR条件を満たし、外側表面225上の反射R3は、TIR条件を満たさない。反射R3の反射効率を増加させるために、半透明コーティングが、外側表面225の少なくとも対応する部分上に塗布される。反射R1のTIR条件を維持するために、誘電コーティングが、好ましい。光学導波路プリズム200内側に、光線束240a、240bおよび240cが、再集束され、それぞれ、中間画像255a、255bおよび255cを形成する。
【0063】
調節可能集束機能を提供するために、
図1の結合レンズ110は、液体レンズまたは液体レンズを含有するレンズ群と置換される。
図2における実施形態の場合、結合レンズは、集束を調節するために、液体レンズまたは液体レンズを含有するレンズ群によって置換されることができる。
【0064】
前述の種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられることができる。Chunyu Gaoの名義で2012年9月11日に出願の米国特許出願第61/699,565号が、参照することによって全体として本明細書に組み込まれる。実施形態の側面は、必要に応じて、さらなる実施形態を提供するために、種々の特許、出願、および広報の概念を採用するように修正されることができる。
【0065】
これらおよび他の変更も、前述の発明を実施するための形態に照らして、実施形態に行われることができる。一般に、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を明細書および請求項に開示される具体的実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような請求項の権利を有する均等物の全範囲とともに、全可能性として考えられる実施形態を含むものと解釈されるべきである。故に、請求項は、本開示によって限定されない。
【国際調査報告】