特表2015-534513(P2015-534513A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-534513マイクロ流体吐出ヘッドのためのメンテナンスバルブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-534513(P2015-534513A)
(43)【公表日】2015年12月3日
(54)【発明の名称】マイクロ流体吐出ヘッドのためのメンテナンスバルブ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20151106BHJP
【FI】
   B41J2/14
   B41J2/14 201
   B41J2/14 605
   B41J2/14 603
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-530519(P2015-530519)
(86)(22)【出願日】2013年9月12日
(85)【翻訳文提出日】2015年4月1日
(86)【国際出願番号】IB2013002980
(87)【国際公開番号】WO2014060845
(87)【国際公開日】20140424
(31)【優先権主張番号】61/700,013
(32)【優先日】2012年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ユンキ
(72)【発明者】
【氏名】ジョイナー,バートン,エル
(72)【発明者】
【氏名】ギャグノン,ダニエル,アール
(72)【発明者】
【氏名】ポーウェル,ウェイド,エー
(72)【発明者】
【氏名】グアン,イミン
(72)【発明者】
【氏名】ストランク,ティモシー,エル
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF99
2C057AG12
2C057AG76
2C057AM31
2C057BA04
2C057BA13
(57)【要約】
吐出チップが開示されており、基板と、フロー機能層と、ノズルプレートと、1つ以上のバルブとを備える。基板は、1つ以上の流体チャネルと、1つ以上の流体チャネルのうちの少なくとも1つに各々が連通する1つ以上の流体ポートを含む。フロー機能層は、基板の上に配置され、1つ以上の流体ポートのうちの少なくとも1つに各々が連通する、1つ以上のフロー機能を含む。ノズル層は、フロー機能層の上に配置され、1つ以上のフロー機能のうちの少なくとも1つに各々が連通する1つ以上のノズルを含み、その結果、1つ以上の流体通路が、1つ以上の流体チャネル、1つ以上の流体ポート、1つ以上のフロー機能および1つ以上のノズルによって定められる。1つ以上のバルブは、1つ以上の流体通路を通る流体の流れを選択的に妨げる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の流体チャネルと、前記1つ以上の流体チャネルのうちの少なくとも1つに各々が連通する1つ以上の流体ポートを含む基板と、
前記基板の上に配置され、前記1つ以上の流体ポートのうちの少なくとも1つに各々が連通する、1つ以上のフロー機能を含むフロー機能層と、
前記フロー機能層の上に配置され、前記1つ以上のフロー機能のうちの少なくとも1つに各々が連通する1つ以上のノズルを含み、その結果、1つ以上の流体通路が、前記1つ以上の流体チャネル、前記1つ以上の流体ポート、前記1つ以上のフロー機能および前記1つ以上のノズルによって定められるノズルプレートと、
前記1つ以上の流体通路を通る流体の流れを選択的に妨げる1つ以上のバルブとを備える、吐出チップ。
【請求項2】
前記1つ以上のバルブは、前記基板の下に配置される、請求項1に記載の吐出チップ。
【請求項3】
前記1つ以上のバルブは、前記基板の上に配置される、請求項1に記載の吐出チップ。
【請求項4】
前記1つ以上のバルブは、メンテナンス操作中に前記1つ以上の流体通路のうち選択された流体通路を通る流体の流れを妨げる、請求項1に記載の吐出チップ。
【請求項5】
前記1つ以上のバルブは、噴射動作中に前記1つ以上の流体通路のうち選択された流体通路を通る流体の流れを妨げる、請求項1に記載の吐出チップ。
【請求項6】
前記基板上に配置された1つ以上の吐出要素をさらに備える、請求項1に記載の吐出チップ。
【請求項7】
前記1つ以上のバルブは、少なくとも前記1つ以上の流体通路に沿って配置された気泡を備えている、請求項6に記載の吐出チップ。
【請求項8】
前記1つ以上のバルブのうち少なくとも1つは、前記1つ以上の流体ポートの流体の流れを選択的に妨げる、請求項1に記載の吐出チップ。
【請求項9】
前記1つ以上のバルブは、前記1つ以上の流体通路への流体の流れを選択的に妨げる柔軟膜を備えている、請求項1に記載の吐出チップ。
【請求項10】
前記柔軟膜は、エラストマにより形成されている、請求項9に記載の吐出チップ。
【請求項11】
前記柔軟膜がより低い圧力の領域に向けてたわむように、前記1つ以上の流体通路の少なくとも1つに沿って圧力差を生成するように構成された空気圧チャネルをさらに備える、請求項9に記載の吐出チップ。
【請求項12】
前記柔軟膜は、前記1つ以上の流体通路の少なくとも1つに沿った流体の流れを選択的に妨げる壁に係合するように構成されている、請求項9に記載の吐出チップ。
【請求項13】
前記1つ以上のバルブは、バイメタルバルブを含む、請求項1に記載の吐出チップ。
【請求項14】
前記バイメタルバルブは、異なる熱膨張係数をそれぞれ有する複数の材料を含む、請求項13に記載の吐出チップ。
【請求項15】
前記バイメタルバルブは、前記複数の材料のうちの最も低い熱膨張係数を有する材料の方向にたわむように加熱されるように構成されている、請求項14に記載の吐出チップ。
【請求項16】
前記バイメタルバルブは、前記1つ以上の流体ポートの少なくとも1つを実質的に横切るように延びる、請求項13に記載の吐出チップ。
【請求項17】
前記バイメタルバルブは、前記1つ以上の流体ポートのうち少なくとも1つの全体を横切るように延びる、請求項16に記載の吐出チップ。
【請求項18】
前記バイメタルバルブは、1つ以上のマウントによって、前記1つ以上の流体ポートの少なくとも1つから離間されて配置されている、請求項13に記載の吐出チップ。
【請求項19】
前記1つ以上のバルブの少なくとも1つは、圧電バルブまたは静電バルブであってもよい、請求項1に記載の吐出チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出チップを通る流体の流れを制御するための装置および方法に向けられている。
【背景技術】
【0002】
本発明の例示的な実施形態によれば、吐出チップは、基板、フロー機能層、ノズルプレート、および、1つ以上のバルブを含む。基板は、1つ以上の流体チャネルと、1つ以上の流体チャネルのうちの少なくとも1つに各々が連通する1つ以上の流体ポートとを含む。フロー機能層は、基板の上に配置され、1つ以上の流体ポートのうちの少なくとも1つに各々が連通する、1つ以上のフロー機能を含む。ノズル層は、フロー機能層上に配置され、1つ以上のフロー機能のうちの少なくとも1つに各々が連通する1つ以上のノズルを含み、その結果、1つ以上の流体通路が、1つ以上の流体チャネル、1つ以上の流体ポート、1つ以上のフロー機能および1つ以上のノズルによって定められる。1つ以上のバルブは、1つ以上の流体通路を通る流体の流れを選択的に妨げる。
【0003】
例示的な実施形態によれば、1つ以上のバルブは、基板内に配置されている。
【0004】
例示的な実施形態によれば、1つ以上のバルブは、基板の下に配置されている。
【0005】
例示的な実施形態では、1つ以上のバルブは、メンテナンス操作中に1つ以上の流体通路の選択された流体通路を通る流体の流れを妨げる。
【0006】
例示的な実施形態では、1つ以上のバルブは、噴射動作中に1つ以上の流体通路の選択された流体通路を通る流体の流れを妨げる。
【0007】
例示的な実施形態では、吐出チップは、基板上に配置された1つ以上の吐出要素をさらに備える。
【0008】
例示的な実施形態では、1つ以上のバルブは、少なくとも1つ以上の流体通路に沿って配置された気泡を備えている。
【0009】
例示的な実施形態において、1つ以上のバルブは、1つ以上の流体ポートの少なくとも1つを通る流体の流れを選択的に妨げる。
【0010】
例示的な実施形態では、1つ以上のバルブは、1つ以上の流体通路の少なくとも1つを通る流体の流れを選択的に妨げる柔軟膜を備えている。
【0011】
例示的な実施形態では、柔軟膜は、エラストマにより形成されている。
【0012】
例示的な実施形態では、吐出チップは、柔軟膜がより低い圧力の領域に向けてたわむように1つ以上の流体通路の少なくとも1つに沿って圧力差を生成するように構成された空気圧チャネルをさらに備える。
【0013】
例示的な実施形態では、柔軟膜は、1つ以上の流体通路の少なくとも1つを通る流体の流れを選択的に妨げる壁に係合するように構成されている。
【0014】
例示的な実施形態では、1つ以上のバルブは、バイメタルバルブを含む。
【0015】
例示的な実施形態では、バイメタルバルブは、異なる熱膨張係数をそれぞれ有する複数の材料を含む。
【0016】
例示的な実施形態では、バイメタルバルブは、複数の材料のうちの最も低い熱膨張係数を有する材料の方向にたわむように加熱されるように構成されている。
【0017】
例示的な実施形態では、バイメタルバルブは、1つ以上の流体ポートの少なくとも1つを実質的に横切るように延びている。
【0018】
例示的な実施形態では、バイメタルバルブは、1つ以上の流体ポートのうち少なくとも1つの全体を横切るように延びる。
【0019】
例示的な実施形態では、バイメタルバルブは、1つ以上のマウントによって、1つ以上の流体ポートの少なくとも1つから離間されて配置されている。
【0020】
例示的な実施形態では、1つ以上のバルブの少なくとも1つは、圧電バルブまたは静電バルブであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の特徴点および利点は、添付の図面を併せて本発明の実施形態を説明した下記の詳細な記載を参照することによって十分に理解される。
【0022】
図1A図1Aは、本開示の例示的な実施形態における吐出チップの側断面図である。
図1B図1Bは、そこに形成された気泡を有する図1Aの吐出チップの側断面図である。
図1C図1Cは、図1Bにおいて特定された細部領域の拡大図である。
図2A図2Aは、側断面図で示された本開示の例示的な実施形態における吐出チップの製造の第1の連続図である。
図2B図2Bは、側断面図で示された吐出チップの製造の第2の連続図である。
図2C図2Cは、側断面図で示された吐出チップの製造の第3の連続図である。
図2D図2Dは、側断面図で示された吐出チップの製造の第4の連続図である。
図2E図2Eは、側断面図で示された吐出チップの製造の第5の連続図である。
図2F図2Fは、側断面図で示された吐出チップの製造の第6の連続図である。
図2G図2Gは、側断面図で示された吐出チップの製造の第7の連続図である。
図2H図2Hは、側断面図で示された吐出チップの製造の第8の連続図である。
図2I図2Iは、そのバルブが作動した状態の図2A〜2Hにおいて形成された吐出チップの側断面図である。
図3A図3Aは、本開示の例示的な実施形態におけるバルブを有する吐出チップの側断面図である。
図3B図3Bは、バルブが作動した状態の図3Aの吐出チップの側断面図である。
図4A図4Aは、側断面図に示された本開示の例示的な実施形態における吐出チップの製造の第1の連続図である。
図4B図4Bは、側断面図で示された吐出チップの製造の第2の連続図である。
図4C図4Cは、側断面図で示された吐出チップの製造の第3の連続図である。
図4D図4Dは、そのバルブが作動した状態の図4A〜4Cにおいて形成された吐出チップの側断面図である。
図5A図5Aは、本開示の例示的な実施形態における吐出チップの側断面図である。
図5B図5Bは、そのバルブが作動した状態の図5Bの吐出チップの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の例示的な実施形態は、たとえばマイクロ流体噴射ヘッドである吐出チップを通る流体の流れを制御するための装置および方法に向けられている。吐出チップは、インクなどの流体の格納および/または取り出し、および/または、そこからの案内を行うように構成されることができる。吐出チップは、たとえばインクジェットプリンタにおいて、使用されることができる。
【0024】
吐出チップは、使用における特定のニーズに合わせて様々な構成において配置されることができる。実施形態では、複数の吐出チップは、その上の部分に連続して順次流体を投影するために、紙などの媒体の表面の長さおよび/または幅を横切って移動可能であるプリントヘッドを形成するために配置されていてもよい。このような実施形態において、複数の吐出チップは、走査プリントヘッドを形成することができる。実施形態において、複数の吐出チップは、実質的に媒体の幅を拡張することができるプリントヘッドを形成するように配置されてもよい。そのような実施形態では、複数の吐出チップは、ページ幅のプリントヘッドを形成することができる。ページ幅のプリントヘッドでは、実質的により大きい、たとえば20倍の数の吐出チップの数が存在してもよい。したがって、ページ幅のプリントヘッドは、たとえば、メンテナンス操作中に、より多量のインクを使用するように構成されてもよい。
【0025】
実施形態では、プリントヘッドを形成する吐出チップの適切、および/または、連続的なパフォーマンスを容易にするために、メンテナンス操作は、破片を取り除く、および/または、プリントヘッドを準備するために、汚染、不適切または他の望ましくない流体を引き出すために吐出チップの一部に沿ってワイピング部材を通過させることを含んでいてもよい。このような操作の例示的な実施形態は、米国特許出願公開第2013/0215191号に記載されている。このような実施形態では、ワイピング部材は、吐出チップを通るウィッキングインク効果を有するかもしれない。したがって、ワイピング部材は、吐出チップの内部の、または、吐出チップに関連付けられて蓄えられたものからインクを消耗させる。ワイピング操作がページ幅のプリントヘッド上で実施される実施形態では、インクの実質的な量は、この方法において、走査ヘッドと比較してインクの消耗量がたとえば20倍になるように消耗するかもしれない。実施形態では、所定のプリントヘッドに関連付けられたすべての吐出チップは、必ずしも、既定のメンテナンス操作中にメンテナンスを要求しなくてもよい。したがって、プリントヘッド内の近い公差および/または配置に起因して他のものを隔離しながら、選択的に特定のプリントヘッドを拭くことは実行不可能かもしれない。したがって、メンテナンス操作中の意図されない、および/または、不要なインクの損失を抑制、たとえば、低減、最小化および/または阻止するために微小電気機械システム(MEMS)が与えられることが望ましい場合がある。
【0026】
図1Aを参照して、吐出チップの例示的な実施形態は、断面図に示されており、一般に、100として指定されている。吐出チップ100は、基板110、複数の流体吐出要素120、フロー機能層130、および/または、ノズル層140を含んでいてもよい。実施形態において、吐出チップ100は、異なる構造を有していてもよい。
【0027】
基板110は、シリコンウェハのような半導体材料で形成することができる。1つ以上の流体ポート112は、基板110の一部を処理することによって、基板110の上面に沿って形成された開口であってもよい。ここで記述するように、吐出チップの部分の処理は、たとえば、いくつか例を挙げると、研削などの機械的変形、化学エッチング、または、フォトレジストによる所望の構造のパターニングを含んでいてもよい。基板110の裏面側は、それぞれの流体ポート112に流体連結する1つ以上の流体チャネル114を形成するために処理されてもよい。流体チャネル114は、インクリザーバのようなインクの供給に流体連結してもよい。
【0028】
1つ以上の吐出要素120は、基板110上に配置されてもよい。吐出要素120は、電力が吐出要素120に供給された時に、熱が吐出要素120の上、および/または、近傍に蓄積されるように、1つ以上の導電性、および/または、抵抗性の材料から構成されていてもよい。実施形態において、吐出要素120が、抵抗要素、誘電体および保護層を含んでいてもよいヒータスタックのような2以上の積層された材料により形成されていてもよい。吐出要素120により発生された熱の総量は、吐出要素120に供給された電力の総量に正比例する。実施形態において、電力は、予め決められた温度プロフィールを吐出要素120によって発生させるために、吐出要素120に供給されてもよい。実施形態において、電力は、たとえば、意図された性能を達成するために一定または可変の振幅および/またはデュレーションの一連の電力パルスである。
【0029】
フロー機能層130は、基板110の上に配置することができる。フロー機能層130は、基板110と積層関係または概略的に基板110に対して平面的に隣接間隔になるように配置されてもよい。フロー機能層130は、たとえば、高分子材料により形成されていてもよい。フロー機能層130は、1つ以上のフロー機能132がフロー機能層130に沿っておよび/またはフロー機能層130内に形成されるように処理されてもよい。実施形態において、フロー機能132は、フロー機能132が吐出チップ100を通るインクの流れを案内するように構成されるために形状および/または寸法を有することができる。
【0030】
ノズル層140は、フロー機能層130の上に配置してもよい。実施形態において、ノズル層140は、フロー機能層130とともに積層関係になるように配置されてもよい。実施形態において、ノズル層140は、たとえば、高分子材料により形成されていてもよい。ノズル層140は、1つ以上のノズル142がノズル層140の上面に沿って形成されるように処理されることができる。ノズル142は、吐出チップ100から排出されるインクのための出口開口として構成されることができる。したがって、ノズル142は、吐出チップ100から出るインクの軌跡を案内するように構成された形状および/または寸法を有することができる。各々の流体ポート112、流体チャネル114、フロー機能132、および/または、ノズル142は、吐出チップ100内で集合的に流体通路148を形成することができる。
【0031】
図1Bおよび図1Cを付加的に参照して、使用時に、流体チャネル114は、少なくとも部分的にインクで満たされていてもよい。インクは、インクジェット印刷操作において使用するのに適した任意の流体とすることができる。電力は、吐出要素120が周囲のインクを加熱するように吐出要素120に供給されてもよい。電力は、インク150の一部分がたとえばフラッシュ蒸発等によって直ちに気化され、1つ以上の蒸気泡152が流体チャネル114内に形成されるように、吐出要素120に供給されてもよい。泡152を構成する蒸気は、インクの水性成分の蒸発から形成することができる。高電力の電気パルスが、泡152を形成するために与えられてもよい。実施形態において、一連の電気パルスは、泡152を形成するために与えられてもよい。泡152の形成後、流体チャネル114内で泡152を維持するために、泡152を形成するための初期の電力レベルと同等かそれより少ないレベルで、電力が吐出要素120に供給し続けられてもよい。泡152は、たとえば、水圧によって、液体インク内でのより高いエネルギー状態のために広がる傾向にあるが、周囲の流体通路148の壁により所定の寸法を越えて広がることが制限される。したがって、泡152は、流体通路148内の液体インクの不連続を形成する加圧領域として構成されている。このようにして、泡152は、選択された流体通路148を通るインクの通過を選択的に妨げるために設けられることができる。実施形態において、泡152と比較して流体チャネル114の壁の相対的に低い温度は、流体通路148の壁を有する流体密封シールへ泡152が広がるのを抑制することができる。このような実施形態では、泡152は、いくらかのインクが流体通路148を通って流れることを許容することができる。実施形態において、泡152は、たとえば、流体ポート112など、流体通路148の異なった部分に沿って形成されていてもよい。
【0032】
流体チャネル114を通るインクの流れを許容することが望まれる場合、電力は、吐出要素120から切断されることができる。吐出要素への電力の低減は、吐出要素120の近傍における熱の低減をもたらすことができ、その結果、泡152を構成する蒸気が周囲のインクに吸収されるように、泡152が放散、崩壊、および/または、より低いエネルギー状態に戻ることができる。
【0033】
実施形態において、電力は、メンテナンス操作中に1つ以上の泡152を形成するために吐出要素120に供給されてもよく、その結果、たとえば、吐出チップ100を拭くことに起因する吐出チップ100を通るインクの損失が抑制される。そのような実施形態では、吐出チップ100のバルブのような流体流れ制御部材は、1つ以上の泡152を備えていてもよい。泡152を備える1つ以上のバルブは、通常、開いた構成を有している。そのような実施形態では、泡152は、選択された流体通路148には通常存在しておらず、泡152は、たとえば、メンテナンス操作中、選択された流体通路148に沿って選択的に形成される。
【0034】
実施形態において、電力は、噴射動作のようなインクを媒体上に吐出する吐出チップ100の使用中を除いた実質的に一定の状態の流体流路114内に、気泡152を形成するために吐出要素120に供給されてもよい。そのような実施形態では、吐出チップ100の1つ以上のバルブは、通常、閉じた構成を有する気泡152を備えていてもよい。そのような実施形態では、泡152は、通常、選択された流体通路148内に存在し、噴射動作中には存在しない。そのような実施形態では、泡152は、インクが吐出チップの外部の位置から流体通路148に侵入するのが妨げられるために、通常、選択された流体通路148内に存在してもよい。このインクは、たとえば、選択された流体通路148に関連しないノズルから飛散またはミスファイアされたインクである。このようにして、泡152は、選択された流体通路148の汚染を選択的に抑制するために形成することができる。
【0035】
図2A、2B、2C、2D、2E、2F、2Gおよび2Hに移って、一般的に200で指定された吐出チップの例示的な実施形態の製造が示されている。
【0036】
シリコンウェハのような基板210が、製造プロセスの最初のステップにおいて提供されてもよい。たとえば二酸化ケイ素層のような犠牲材料220は、基板210の上に配置される。犠牲材料220は、犠牲材料が流体ポート212の位置に対応する基板210の上にパターニングされるように処理されてもよい。その後、ヒータ金属230と導体金属240とが、基板210および犠牲材料220の上に配置されてもよい。ヒータ金属230と導体金属240とは、積層構造状態で基板210上に配置されてもよい。ヒータ金属230と導体金属240とは、電力を受け取ると熱を発生させるように構成されていてもよい。実施形態において、ヒータ金属230および/または導体金属240は、導電性および/または電気抵抗特性を有している。これによって、電力が、ヒータ金属230および/または導体金属240の内部および/または周囲の熱の蓄積をもたらすために、そこに沿って伝送されることができる。実施形態において、ヒータ金属230と導電金属240とは、いくつかの例を挙げると、Si、Al、Ta、W、Hf、Ti、poly−Si、Ni、TiNおよび/またはTaCの1つ以上から形成されてもよい。ヒータ金属230と導体金属240とは、ヒータ金属230と導体金属240との少なくとも1つの同一の広がりを持つ領域が基板210の上に存在するように、基板210の表面に沿ってパターニングされてもよい。実施形態において、導体金属240は、所望の発熱領域内においてエッチング除去されてもよい。
【0037】
図2Eに示すように、その後、ヒータパッシベーション層250は、基板210上に形成される。ヒータパッシベーション層250は、たとえば、二酸化ケイ素および/または窒化ケイ素により形成されてもよい。ヒータパッシベーション層250は、少なくとも導体金属240の一部とともに積層関係に配置されてもよい。ヒータパッシベーション層250は、ヒータパッシベーション層250が導電層240の上にパターニングされるように処理されていてもよい。
【0038】
図2Fに示すように、その後、犠牲層220は、たとえば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)エッチングプロセスを用いてエッチング除去されるような処理を施してもよい。実施形態において、基板210の一部も、このプロセスの間に除去される。犠牲層220の処理は、基板210に沿った1つ以上の流体ポート212の形成をもたらしてもよい。
【0039】
図2Gに示すように、その後、基板210の底面は、1つ以上の流体チャネル214が基板210において形成されるように処理されてもよい。流体チャネル214は、1つ以上の各々の流体ポート212と流体連結していてもよい。
【0040】
実施形態において、複数のフロー機能を含むフロー機能層は、ヒータパッシベーション層150の上に配置されてもよい。そのようなフロー機能層は、実質的に、上述したフロー機能層130に類似していてもよい。そのようなフロー機能層は、そこに沿って1つ以上のフロー機能層130を形成するように処理されてもよい。そのようなフロー機能は、1つ以上の各々の流体ポート212と流体連結してもよい。
【0041】
実施形態において、ノズル層は、フロー機能層の上に配置されてもよい。そのようなノズル層は、実質的に、上述したノズル層280に類似していてもよい。そのようなノズル層は、1つ以上のノズルがそこに沿って形成されるように処理されていてもよい。そのようなノズルは、フロー機能層の1つ以上の各々のフロー機能と流体連結してもよい。実施形態において、ノズル、フロー機能、流体チャネル214および/または流体ポート212は、集合的に、吐出チップ200内に流体通路216を形成してもよい。
【0042】
図2Hに示すように、以下のような吐出チップ200の製造は、ヒータ金属230の一部およびパッシベーション層250の一部が流体ポート214を実質的に横切って延びていてもよい。ヒータ金属230およびパッシベーション層250の部分は、たとえば、1つ以上のマウント232によって基板210の表面から離間して配置されてもよい。実施形態において、マウント232は、犠牲層220の未処理部分であってもよい。実施形態において、マウント232は、抵抗膜および/または誘電材料のエッチングされていない側壁であってもよい。マウント232は、ヒータ金属230およびパッシベーション層250の部分と基板210との間にクリアランスCを与えてもよく、その結果、インクがクリアランスCを通過するかもしれない。実施形態において、クリアランスCは、そこを通るインクの量を無視することを許容するような寸法がとられてもよい。
【0043】
ヒータ金属230およびパッシベーション層250は、ともにバイメタルバルブ290を形成するために、同一の広がった配置を有していてもよい。実施形態において、導体金属240は、択一的にまたは付加的に、バイメタルバルブ290の一部を形成してもよい。バイメタルバルブ290は、実質的に類似する環境下に配置された際に、ヒータ金属230およびパッシベーション層250が異なる熱膨張係数(CTE)を有する材料により形成されるように構成されてもよい。実施形態において、いくつかの例を挙げるとすれば、Siは約2.5ppm/℃のCTEを有していてもよい。Siは、約2.8ppm/℃のCTEを有していてもよい。TiOは、約7.2ppm/℃以上約7.10ppm/℃以下のCTEを有していてもよい。Alは、約24ppm/℃以上約27ppm/°C以下のCTEを有していてもよい。Taは、約6.5ppm/℃のCTEを有していてもよい。Wは、約4ppm/℃のCTEを有していてもよい。Hfは、約5.9ppm/℃のCTEを有していてもよい。Tiは、約9.5ppm/℃のCTEを有していてもよい。poly−Siは、約9.4ppm/℃のCTEを有していてもよい。SiOは、約0.5ppm/℃のCTEを有していてもよい。SiCは、約2.5ppm/℃以上約5.5ppm/°C以下のCTEを有していてもよい。Niは、約13.3ppm/℃のCTEを有していてもよい。TiNは、約9.4ppm/℃のCTEを有していてもよい。TaCは、約6.3ppm/℃のCTEを有していてもよい。
【0044】
使用時において、電力は、ヒータ金属230およびパッシベーション層250が熱エネルギーの増加をもたらすように吐出チップ200に供給されてもよい。その結果、温度が上昇する。ヒータ金属230およびパッシベーション層250を構成する異なるCTEのために、バイメタルバルブ290を横切って増大した熱エネルギーは、2つのCTEのうち、より小さい方の材料の方向において、たとえば、曲げ、屈曲、および/または反りのようなたわみをバルブ290に引き起こす。したがって、バイメタルバルブ290は、流体ポート212から離れてたわむ。実施形態において、バイメタルバルブ290は、マウント232に取り付けられていない1つ以上の周辺縁部を規定してもよい。そのような実施形態において、たわんだバイメタルバルブ290の頂部と流体ポート212との間にギャップGが形成されるように、バイメタルバルブ290は、たわんだり、曲がってもよい。実施形態において、バイメタルバルブ290が、たとえば非動力状態のように非動作状態のときに、ギャップGは、バイメタルバルブ290と流体ポート212との間で測定されたクリアランスCよりも大きなスペースを規定してもよい。このようにして、バイメタルバルブ290は、吐出チップ200内の選択された流体チャネル216を通るインクの流れを選択的に妨げるように構成されてもよい。
【0045】
実施形態において、バイメタルバルブ290は、非作動状態において選択された流体通路216を通るインクの流れを実質的に妨げてもよい。そのような実施形態では、バイメタルバルブ290は、通常状態で閉じられたバルブを備えていてもよい。このようにして、バイメタルバルブ290は、たとえば吐出チップ200の噴射動作中に、吐出チップ200を介して選択された流体通路216を通るインクの流れを選択的に許容するために、電力の供給を受ける。そのような実施形態では、バイメタルバルブ290は、外部環境から選択された流体通路216へのインクまたは他の物質の流れを妨げることによって選択された流体通路216の交差汚染を抑制するために通常状態では閉じられていてもよい。実施形態において、吐出チップは、圧電バルブおよび/または静電バルブのような異なる作動可能な構成を有するバルブを使用することができる。
【0046】
実施形態において、バイメタルバルブ290は、たとえば休止または非給電状態のように非作動状態に、選択された流体通路216を通るインクの流れを許容してもよい。そのような実施形態では、バイメタルバルブ290は、通常状態では開放されたバルブを備えてもよい。このようにして、たとえばメンテナンス操作中に、吐出チップ200を介して選択された流体通路を選択的に妨げるために、バイメタルバルブ290は、電力の供給を受けてもよい。
【0047】
図3Aに移って、本開示の例示的な実施形態による吐出チップ300が示されている。吐出チップ300は、上述した吐出チップ200と実質的に同様の方法で形成される。吐出チップ300は、実質的に類似する構成要素を含んでいてもよい。実施形態において、ヒータ金属230およびパッシベーション層250は、ヒータ金属230およびパッシベーション層250が共に、流体ポート212を実質的に横切って延びるフラッパバルブ390を形成するように処理されてもよい。実施形態において、フラッパバルブ390は、バイメタル材料の一片として構成されてもよい。フラッパバルブ390は、片持ち構成を有していてもよい。たとえば、フラッパバルブは、流体ポート212の一方の側に取り付けられてもよいし、流体ポート212を交差するように延びる自由端を有していてもよい。フラッパバルブ390は、基板210と積層関係になるように配置されてもよいし、流体ポート212の端部の間または流体ポート212の端部を越えて延びていてもよい。したがって、吐出チップ300は、フラッパバルブ390のためのマウント232を欠いていてもよい。実施形態において、フラッパバルブ390は、部分的に流体ポート212を交差するように延びていてもよく、その結果、フラッパバルブ390は、流体ポート212の端部の間に配置される末端を有していてもよい。フラッパバルブ390と流体ポート212との概ね平坦である隣接関係は、フラッパバルブ390が休止位置である場所にある時に、インクが流体ポート212を通って流れるのが実質的に抑制されるように、フラッパバルブ390と流体ポート212との間に実質的に流体密封シールを与える。
【0048】
上記の吐出チップ200と同様に、ヒータ金属230およびパッシベーション層250は、それぞれ、異なるCTEを有していてもよい。したがって、熱エネルギーがフラッパバルブ390を横切り増大するように、ヒータ金属230とパッシベーション層250とは、電力の供給を受けてもよい。その結果、フラッパバルブ390がより低いCTEを有する材料の方向にたわむ。フラッパバルブ390は、流体ポート212の一端に取り付けられていない自由端を含んでいるので、フラッパバルブ390は、ギャップG2がフラッパバルブ390の一端と流体ポート212との間に形成されるように、流体ポート212から離れてたわんでもよい。したがって、フラッパバルブ390は、流体ポート212を通るインクの流れを許容するように動作されてもよい。
【0049】
実施形態において、フラッパバルブ390は、非動作状態において、選択された流体通路216を通るインクの流れを実質的に妨げてもよい。そのような実施形態において、フラッパバルブ390は、通常状態では閉鎖されたバルブを備えていてもよい。このようにして、フラッパバルブ390は、たとえば、吐出チップ300の噴射動作中に、噴射の間、吐出チップ300を介して選択された流体通路216を選択的に開放するために電力の供給を受けてもよい。また、フラッパバルブ390は、他の状態において、吐出チップ300を介して選択された流体通路216を選択的に妨げるように構成されてもよい。実施形態では、吐出チップは、圧電バルブおよび/または静電バルブのような異なる作動可能な構成を有するバルブを使用してもよい。
【0050】
実施形態において、フラッパバルブ390は、非作動状態では、選択された流体通路216を通るインクの流れを許容してもよい。そのような実施形態では、フラッパバルブ390は、通常状態では開放されたバルブを備えていてもよい。このようにして、フラッパバルブ390は、たとえば、メンテナンス操作中に、吐出チップ300を介して選択された流体通路216を選択的に妨げるために、電力の供給を受けてもよい。
【0051】
図4A、4B、4C、および4Dを参照して、本開示の例示的な実施形態による吐出チップアセンブリ400の製造が示されている。吐出チップアセンブリ400は、基板410を含んでいる。基板410は、上述の基板110および210に実質的に類似していてもよい。たとえば、基板410は、シリコンウェハであってもよい。基板410は、1つ以上の流体ポート412や1つ以上の流体チャネル414を規定するために処理されてもよい。1つ以上の流体ポート412は、1つ以上の流体チャネル414と流体連通していてもよい。また、基板410は、ここでさらに詳細に説明するリストリクタ416を含んでいてもよい。実施形態において、リストリクタ416は、1つ以上の流体チャネル414と各々の流体チャンバ418との間の仕切りを形成してもよい。
【0052】
バルブ基板420は、基板410の底部に固定されていてもよい。バルブ基板420は、いくつか例を挙げると、たとえば、シリコン、ガラス、液晶ポリマまたはプラスチックのような種々の材料から形成されてもよい。バルブ基板420が、1つ以上の流体チャネル414を少なくとも部分的に閉鎖するように、バルブ基板420は、基板410の1つ以上の流体チャネル414に沿って配置されてもよい。バルブ基板420は、そこで変位チャンバ422を形成するために処理されてもよい。柔軟膜424は、バルブ基板420上に積層されていてもよく、その結果、基板410の下に配置されるフレキシブルバブル426を形成するために柔軟膜424の一部分が変位チャンバ422を覆う。1つ以上のフレキシブルバブル426は、変位チャンバ414を横切るように配置されてもよい。フレキシブルバブル426は、いくつか例を挙げると、ポリジメチルシロキサン、ペルフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、または、フッ素化エチレンプロピレンのようなポリマ材料から形成されてもよい。実施形態では、フレキシブルバブル426は、エラストマであってもよい。
【0053】
リストリクタ416は、変位チャンバ422に向かって延びる基板410の壁のような部分であってもよい。リストリクタ416は、フレキシブルバブル426に接触、および/または、実質的に隣接して係合するように配置されていてもよい。リストリクタ416は、実質的に横断的にフレキシブルバブル426に向かって延びていてもよい。実施形態では、リストリクタ416は、リストリクタ416の存在によってフレキシブルバブル426が実質的に平坦形状に維持されるように、フレキシブルバブル426に接触、または、実質的に隣接してもよい。このように、リストリクタ416は、流体的に、流体チャネル414からインクチャンバ418を隔離してもよい。
【0054】
フロー機能層430は、基板410の上に配置されてもよい。フロー機能層430は、ここで述べたフロー機能層130に実質的に類似していてもよい。フロー機能層430は、フロー機能層430が1つ以上のフロー機能432を含むように処理されてもよい。フロー機能432は、同様に、ここでさらに詳細に説明する1つ以上の流体ポート412と選択的に流体連通していてもよい。フロー機能432は、1つ以上の流体ポート412と、1つ以上の流体チャンネル414と、1つ以上の変位チャンバ421と流体連通していてもよい。
【0055】
ノズル層440は、フロー機能層430の上に配置されてもよい。ノズル層440は、上述するようにノズル層140と実質的に類似していてもよい。ノズル層440は、ノズル層440が、そこに沿って形成された1つ以上のノズル442を含むように処理されてもよい。各ノズル442は、1つ以上の各々のフロー機能432と流体連通していてもよい。実施形態において、ノズル442、フロー機能432、流体ポート412、流体チャネル414および/または流体チャンバ418は、集合的に吐出チップアセンブリ400内の流体通路419を形成してもよい。
【0056】
変位チャンバ422は、真空源のような空気圧チャネル423と流体的に連通されてもよい。したがって、空気圧チャネル423は、変位チャンバ423内で空気のような流体の圧力Pを変化するように構成されていてもよい。初期状態またはバルブ閉鎖状態において、たとえば流体チャネル414に沿った基板410およびフロー機能層430の間の流体圧Pは、変位チャンバ422における流体圧Pに実質的に類似していてもよい。
【0057】
使用時において、空気圧チャネル423は、たとえば、ポンプや流体のような他の真空源によって動作されてもよい。これにより、流体が変位チャンバ422から引き出される。変位チャンバ422内の流体圧が低減すると、流体圧P’が変位チャンバ422内で形成されるように少なくとも部分真空が形成される。流体圧P’は、基板410とバルブ基板420との間の流体圧Pよりもたとえば低くなるように、流体圧Pと異なっていてもよい。したがって、フレキシブルバブル426の両側の圧力差は、ギャップG3がリストリクタ416とフレキシブルバブル426との間に形成されるように、フレキシブルバブル426をより小さい圧力P’の領域に向けてリストリクタ416から離れさせるようにたわませることになる。このようにして、ギャップG3は、流体チャネル414に沿って流体ポート412とフロー機能432の間でインクが流れるのを許容する。たわまされたフレキシブルバブル426は、吐出チップアセンブリ400のバルブ開放状態を備えていてもよい。
【0058】
フレキシブルバブル426を閉鎖状態に戻すために、空気圧チャネル423は、変位チャンバ422の流体圧と基板410およびバルブ基板420の間の流体圧とが実質的に等しくなるように、たとえば、除去または遮断されることにより変位チャンバ422から切断されてもよい。圧力差がない場合には、フレキシブルバブル426は、休止している通常の平坦状態に戻ることができる。その結果、インクが流体チャンバ418と流体チャネル414との間を流れることを抑制するように、フレキシブルバブル426がリストリクタ416に接触または隣接する。実施形態では、フレキシブルバブル426が休止状態に戻るためのバイアス下で維持されるように、フレキシブルバブル426は、弾力性のある構成を有していてもよい。実施形態では、空気圧チャネル423は、フレキシブルバブル426が休止状態に容易に戻れるように、正圧環境をもたらすように流体圧を伝送するように構成されてもよい。このようにして、フレキシブルバブル426は、通常の閉鎖バルブのようにし休止状態において、吐出チップアセンブリ400を介して選択された流体通路419を通る流体の流れが選択的に妨げられるように構成されている。
【0059】
図5Aに移って、本開示の実施形態に係る吐出チップアセンブリは、一般に、500として指定される。吐出チップアセンブリ500は、ノズル層440、フロー機能層430、および/またはバルブ基板420のような上述した吐出チップアセンブリ400に実質的に類似した要素を含んでもよい。
【0060】
吐出チップアセンブリ500は、基板410に類似する基板510を含んでいてもよい。基板510は、変位チャンバ422に向かって延びているリストリクタ516を含んでいてもよい。リストリクタ516は、フレキシブルバブル426の休止状態において、ギャップG4がリストリクタ516とフレキシブルバブル426との間に存在するように、フレキシブルバブル426に対して配置されてもよい。
【0061】
図5Bを追加的に参照して、フレキシブルバブル426を作動させるために、空気圧チャネル423は、変位チャンバ422内に圧力P2が形成されるように、たとえば正の空圧のような流体圧を変位チャンバ422に与えてもよい。圧力P2は、圧力差が吐出チップアセンブリ500内で存在するように流体チャネル414に沿って形成された圧力Pよりもたとえば高くなるように異なっていてもよい。圧力差は、より圧力Pの低い領域に向けてフレキシブルバブル426をたわませてもよい。その結果、インクがリストリクタ516を通過して流れることが抑制されるように、フレキシブルバブル426がリストリクタ516とともに実質的に流体密封シールを形成するために接触するように促される。
【0062】
このようにして、フレキシブルバブル426は、吐出チップアセンブリ500を通るインク流れが許容されるように通常状態でフレキシブルバブル426が配置されるように与えられてもよいし、通常の開放バルブのような吐出チップアセンブリ500の選択された流体通路519を通るインクの流れを選択的に妨げるように動作されてもよい。
【0063】
本発明は、上述した実施形態とともに説明されたが、多くの置換、改良および変形を行うことが当業者にとって容易に行われるのは明白である。したがって、上記に説明したように本発明の例示的な実施形態は、説明の目的のためにあることが意図されているだけであり、発明の範囲を制限するものではない。様々な変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われてもよい。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
【国際調査報告】