(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-535515(P2015-535515A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】接着剤のための案内要素を持つ容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/10 20060101AFI20151117BHJP
B65D 5/66 20060101ALI20151117BHJP
B31B 7/74 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D5/66 301C
B31B7/74
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-544375(P2015-544375)
(86)(22)【出願日】2013年11月19日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】EP2013003484
(87)【国際公開番号】WO2014082717
(87)【国際公開日】20140605
(31)【優先権主張番号】12008041.1
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】スローフ アリエン ハミルカル
【テーマコード(参考)】
3E060
3E068
3E075
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB03
3E060AB32
3E060BA14
3E060BB01
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3E060EA14
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3E068AB02
3E068AB03
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3E075DB17
3E075DD02
3E075DD42
3E075DD43
3E075GA04
(57)【要約】
本発明は、容器の壁を備える、消費財のための容器、特に喫煙物品に関連し、容器はブランクから形成される。少なくとも一つの容器の壁は流体案内要素を含み、ここで少なくとも一つの容器の壁はブランクのパネルから形成される。接着剤は流体案内要素の領域に供給され、ここで容器の壁は接着剤によって容器のさらなる構成要素に固定される。本発明はさらに、ブランク、容器をブランクから形成する方法、および容器の壁上に提供されている流体案内要素の使用に関連する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の壁を備える、消費財のための容器であって、前記容器がブランクから形成され、また少なくとも一つの容器の壁が流体案内要素を備え、および接着剤が前記流体案内要素の領域に供給され、また前記少なくとも一つの容器の壁が前記ブランクのパネルから形成され、また前記容器の壁が前記接着剤によって前記容器のさらなる構成要素に固定される、容器。
【請求項2】
前記接着剤が、前記流体案内要素を形成する凹部内に少なくとも部分的に供給される、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記少なくとも一つの容器の壁が、平行にかつ相互に隣接して配置された外側パネルおよび内側パネルによって少なくとも局所的に形成され、また前記流体案内要素が前記内側パネル内に形成される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の容器。
【請求項4】
前記さらなる構成要素が、喫煙物品の束を囲み、前記喫煙物品と前記容器の壁の間に配置されている内側ライナーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記内側ライナーがカバーフラップを備え、前記内側ライナーの指定された開口部をカバーし、前記カバーフラップが前記容器の壁の内部に固定されている、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記容器がボックスおよびリッドを備えたヒンジ−リッド容器であり、前記流体案内要素がリッドの前部壁の内側に提供され、また前記内側ライナーの一部分が前記接着剤によって前記リッドの前部壁の内側に取り付けられる、請求項4または5に記載の容器。
【請求項7】
前記流体案内要素が線の形態である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記流体案内要素がいくつかの平行線の形態で配置されている、請求項1〜7の何れか1項に記載の容器。
【請求項9】
前記流体案内要素がいくつかの局所的な非線形の窪みを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
容器を形成するためのブランクであって、前記ブランクが少なくとも一つのパネルを含み、接着剤のための貯蔵部を形成するように適応された局所的流体案内要素が前記パネルに提供されている、ブランク。
【請求項11】
以下の工程を含む、喫煙物品のための容器を形成するための方法:
i)少なくとも一つのパネルを備えるブランクを提供する工程であって、前記パネルが少なくとも一つの流体案内要素を持つ工程と、
ii)接着剤を前記流体案内要素の領域に局所的に塗布する工程と、
iii)前記接着剤によって、前記容器のさらなる構成要素を前記パネルに取り付ける工程。
【請求項12】
工程i)が、前記流体案内要素を前記パネル内の凹部として形成する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記流体案内要素が筋つけ、筋入れ、切断またはエンボス加工により形成される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
接着剤を案内するための、喫煙物品用の容器の壁上に提供される流体案内要素の使用であって、前記容器の壁が前記接着剤によって前記容器のさらなる構成要素に固定されるときに、該接着剤が前記流体案内要素の領域内に供給される、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費財用の容器、特に喫煙物品に関連し、ここで少なくとも一つの容器の壁が、接着剤によって容器のさらなる構成要素に固定される。本発明はさらに、ブランクに関連し、また少なくとも一つのパネルを持つブランクから容器を形成するための方法に関連する。
【0002】
先行技術において、容器の構成要素は接着剤によって相互に固定されることが公知である。US 6,041,952 A号は、窪みがあり周辺に延びるシリンダー壁を備え、そこに断熱性スリーブが接着剤層により固定されている、液体用、すなわち瓶用の容器装置を開示している。
【0003】
厚紙容器を形成するために、先行技術において、ブランクの異なるパネルを接着剤により相互に取り付けうることが公知であり、ここで異なるパネルは、折り目線を介して相互に垂れ下がっている。
【0004】
その上、容器の内側ライナーまたは外側ラッパーなどの追加的な包装用構成要素は、容器のボックス部品またはリッド部品に取り付けられうる。例えば、WO-A-2008/142540 A1号は、喫煙物品用の容器を開示しているが、ここで内側ライナーは喫煙物品の束の周りに提供されている。内側ライナーは、容器およびヒンジで動かせるリッドのボックス内部に収容される。内側ライナーは、内側ライナー内の開口部を覆うカバーフラップを含むが、ここでカバーフラップは、リッドの開閉が同時に内側ライナーのカバーフラップをも開閉するよう、永久的な接着剤によりリッドに取り付けられる。
【0005】
ただし、容器の構成要素を相互に取り付けるために供給される接着剤が、例えば、取り付け工程中に構成要素にかけられる圧力によって、接着剤が望ましくない位置にも存在するように、制御されない方法で分配されることがあることが問題でありうる。これは、容器の複数の部品が非意図的に互いにくっついてしまうことにつながりうる。例えば、容器のリッドは容器のボックスに非意図的に接着されることがあり、それによって容器を簡単に開けることができなくなる。
【発明の概要】
【0006】
容器、ブランクおよび制御された接着剤の分配を保証する容器を形成するための方法を提供することが、本発明の一つの目的である。容器の構成要素が接着剤によって非意図的に取り付けられないようにすることが、本発明のさらなる目的である。
【0007】
本発明に従い、容器の壁を備えた消費財、特に喫煙物品用の容器が提供されており、ここで少なくとも一つの容器の壁は流体案内要素を持ち、また接着剤は流体案内要素の領域内に供給され、ここで少なくとも一つの容器の壁は接着剤によって容器のさらなる構成要素に固定される。容器は、ブランクから形成され、少なくとも一つの容器の壁はブランクのパネルから形成される。特に、ブランクは厚紙製ブランクでありうる。平坦なポリマー製ブランクともしうる。ブランクのパネルは、折り目線を介して相互に垂れ下がっていることが好ましく、これらの折り目線に沿って折り曲げて容器を形成しうる。別の方法として、容器は、特に射出成形により形成された、プラスチックボックスなど既成の構造を備えうるが、これにはさらなるコンポーネントが接着剤によって固定される。
【0008】
本明細書の全体を通して、「構成要素」という用語は、容器の任意の壁、パネルまたはフラップ、単一または複数の容器ブランク、または例えば内側ライナー、内側フレーム、外側ラッパーなどのその他の包装要素を意味するために使用される。これには特に、流体案内要素とともに壁を形成するものと同一のブランク上には提供されていない容器の要素も含まれる。
【0009】
本明細書の全体を通して、「壁」という用語は、組み立てられた容器の壁を意味するために使用される。対照的に、「パネル」という用語は、組み立てられる容器に使用される単数または複数の層状ブランクの要素を意味するために使用される。従って、容器の壁は、容器の構造に応じて、例えば容器の底部または側面上で部分的または完全に相互に重なり合う2つ以上のパネルを備えることができる。「フラップ」という用語は、接続線、例えば折り目や折り目線をまたいで、他の1つのパネルにだけ取り付けられるブランクのパネルを示すために使用される。
【0010】
本発明によれば、流体案内要素は、液体の接着剤の案内または受取をするように適応されたバリアまたは貯蔵所の役目をする。これにより、接着剤が容器の壁の望ましい領域に供給できるようになり、接着剤の接続が望ましい安定性を提供できるようになる。さらに、接着剤が流体案内要素を越えて望ましくない位置に塗り付けられたり、移動したりすることを防止できる。特に、流体案内要素により、容器の壁が接着剤によって固定される箇所である容器のさらなる構成要素に押しつけられるとき、余分な接着剤が望ましくない位置に移動しないようにできる。
【0011】
流体案内要素は、容器の壁内の窪みまたは切り抜きなどの凹部としうる。こうして、流体案内要素は、その中に接着剤を受けて案内するように適応された貯蔵所としての役目を果たすことができ、流体案内要素外への接着剤の塗り付けや移動が低減される。
【0012】
別の方法として、流体案内要素は、一体的に形成された容器の壁の突起などの凸部とすることもでき、容器の壁上に提供された追加的スペーサーとすることもできる。こうして、流体案内要素に隣接した領域は、接着剤を受けて分配するように適応された貯蔵所としての役目を果たすことができ、流体案内要素外への接着剤の塗り付けや移動が防止される。
【0013】
こうして、接着剤は、流体案内要素に沿って、またはその中を案内されることができ、流体案内要素は余分な接着材の通過を防ぐことを停止する。
【0014】
流体案内要素はまた、容器の壁の機械的な安定性を増大しうる。
【0015】
接着剤は、流体案内要素の中または横に供給されることが好ましい。さらなる構成要素は、少なくとも一つの容器の壁に固定され、接着剤は容器の壁とさらなる構成要素との間にかけられる圧力によって流体案内要素に向けて分配されることが好ましい。こうして、有意な量の接着剤が流体案内要素よりも遠くに移動することが防止される。
【0016】
接着剤は、粘性のある流体であることが好ましい。接着剤は、少なくとも一つの容器の壁またはさらなる構成要素上のいくつかの接着剤の点という形態で塗布されることが好ましい。容器の構成時、少なくとも一つの容器の壁およびさらなる構成要素は、特に圧力をかけることにより、相互に接触するようになり、また、接着剤は、その圧力によって分配されるが、ここで流体案内要素は、望ましくない位置への接着剤の移動を防止する。
【0017】
容器の壁のさらなる構成要素への固定は、特に永久的接続に関連する。本明細書での「永久的接続」という用語は、2つのパネルが容器の通常の取扱い条件下で分離できないような2つのパネル間の接続を意味するために使用される。こうした永久的接続は、例えば、ホットメルトなど、高い粘着性のあるまたは永久的な接着剤によって達成されうる。対照的に、「非永久的接続」という用語は、通常の取扱い条件下で分離されうる2つのパネルの間の接続を示すために使用される。こうした永久的接続は、低い粘着性の接着剤により達成されうる。
【0018】
一つの実施形態において、接着剤は、流体案内要素を形成する凹部内に少なくとも部分的に供給される。別の方法として、少なくとも一部の容器について、適切な量でかつ凹部に対して離れた位置に塗布されたときに、接着剤が凹部に達しないことがある。それにもかかわらず、接着剤が凹部の領域に入る場合には、望ましくない位置への接着剤の漏れを防止できる。
【0019】
少なくとも一つの容器の壁は、平行にかつ相互に隣接して配置された外側パネルおよび内側パネルにより少なくとも局所的に形成され、ここで流体案内要素は内側パネル内に形成される。特に、内側パネルは容器の内側を向き、その一方、外側パネルは内側パネルに対して外側の容器に向かって提供されている。流体案内要素が内側パネル内に形成されるとき、容器の外側は見えない。特に、外側パネルは容器の壁の外側を形成し、その一方、内側パネルは内側を形成する。
【0020】
一つの実施形態において、さらなる構成要素は、喫煙物品の束を囲み喫煙物品と容器の壁との間に配列されている内側ライナーである。これは、容器ボックス内の内側ライナーを取り付けるという目的を果たしうる。内側ライナーは、リッドが開かれたときに、少なくとも内側ライナーの一部がリッドとともに動くように、容器の開放可能なリッドに固定しうる。これにより、容器が初めて開かれたときに内側ライナーが裂けて開かれることを可能にしうる。さらに、内側ライナーは、再び閉じることができるようにしうるが、これは、リッドが再び閉じたときに、リッドに取り付けられた内側ライナーの一部が実質的にその元の位置に再配列されうるためである。非永久的接着剤を内側ライナー上に供給して、実質的に気密の再閉鎖を可能にして、容器を再び閉じた後での内側ライナー内の喫煙物品の新鮮さを保つようにしうる。
【0021】
内側ライナーは、内側ライナーの指定された開口部をカバーするカバーフラップを備え、カバーフラップは容器の壁の内側に固定されることが好ましい。こうして、カバーフラップは、さらなる構成要素を形成する。特に、カバーフラップは、容器の壁の内側に固定し、ヒンジリッド容器のリッドを形成しうる。別の方法として、カバーフラップは、スライドまたはスライドのシェルおよびシェル容器に、または別個のリッド付きの容器のリッドに固定しうる。容器の別の部分に対して動く容器の一部分にカバーフラップを固定することで、容器とともにカバーフラップを開閉できるようになる。
【0022】
容器は、ボックスおよびリッドを備えたヒンジ−リッド容器であること、また流体案内要素がリッドの前部壁の内側に提供され、内側ライナーの一部分が接着剤によってリッドの前部壁の内側に取り付けられていることが好ましい。特に、内側ライナーのカバーフラップは、リッドの前部壁内側に取り付けられる。カバーフラップは、再び封じることができるように、非永久的接着剤によって残りの内側ライナーに取り付けうる。
【0023】
一つの実施形態において、容器のさらなる構成要素は第二のパネルである。接着剤を受けて案内し、望ましくない位置での分配を防止するための流体案内要素は、容器内のパネルの接続にとって特に有益である。これらのパネルは、特に、少なくとも容器の一部を形成する一つの一体型の容器ブランクの一部としうる。さらに具体的に言えば、従来的な巻きたばこパックなどのヒンジリッド容器の側面を形成するパネルは、接着剤によって取り付けうる。その上、ヒンジリッド容器のリッド前部壁の内側パネルは、接着剤によってリッド前部壁の外側パネルに取り付けうる。
【0024】
一つの実施形態において、さらなる構成要素を形成する第二のパネルは、第一の容器の壁を形成する第一のパネルから折り曲がって垂れ下がるが、ここで第二のパネルは、容器の壁の補強セクションを少なくとも部分的に形成するように、第一のパネルと平行かつ隣接して接着剤によって固定される。これにより、容器の壁の安定性が、さらに具体的には第一および第二のパネルの間の折り目線によって形成される端の安定性が改善される。その上、折り曲げたリッドの下縁は、切り抜き内のシート材料を露出する切り口の上の端の外観を改善する。さらに、一方の側にのみ印刷されるブランクと同様に、容器の内側の外観を改善することもでき、印刷済みの内側は、第一のパネルの内側に折り込まれる第二のパネルによって提供できる。
【0025】
さらなる実施形態で、容器は、ボックスおよびリッドを備えたヒンジ−リッド容器であり、第二のパネルは、下部のリッドの前部壁から折り目線を介して垂れ下がったパネルであり、リッドの前部壁の内側に隣接して配列されている。こうして、第二のパネルは折り曲げられ、リッド前部壁の内側に固定される。
【0026】
一つの実施形態において、流体案内要素は線の形態である。この線は、それが提供されている容器の壁またはパネルの端に近いこと、また特に端に平行なことが好ましい。これは、特に接着剤が初期的に凹部として端までの距離が高めの位置に塗布された場合に、接着剤が端に達しないようにする。
【0027】
流体案内要素は、複数の平行線の形態に配列されうる。これによって、ある一定の実施形態においては、接着剤は一本だけの線よりも複数の平行線によってより良く案内されうるため、流体案内要素の機能を改善しうる。
【0028】
流体案内要素は、いくつかの局所的な非直線の窪みを備えうる。いくつかの局所的な非直線の窪みは、凹部を形成しうる。これらの非線形の窪みは、特にピラミッド形またはカップ状としうる。
【0029】
流体案内要素は、少なくとも一つの容器の壁の端に接近して配列されることが好ましい。これにより、少なくとも一つの容器の壁を、接着剤によって、容器の壁の端に近接したさらなる構成要素に固定できるようになる。これにより、接着剤の接続の安定性が増大しうる。
【0030】
流体案内要素は、筋つけ、筋入れ、切断またはエンボス加工によって形成されうる局所的凹部としうる。別の方法としてまたは追加的に、流体案内要素は、それが塗布されたパネル上での接着剤の進行に影響する物理的または化学的なその他の属性を持ちうる。特に、流体案内要素は、接着剤を例えば非機械的な手段によって所定の方向に進むことを阻止または妨害することにより、進行に影響を及ぼすことを意図しうる。別の方法としてまたは追加的に、流体案内要素は、接着剤を例えば非機械的な手段によって所定の方向に進めることを促進することを意図しうる。例えば、流体案内要素は、どのタイプの接着剤を使用するかに応じて、特定の表面被覆、例えば、疎油性、疎水性、撥水性または親和性のあるコーティングを施したり、局所的に接着剤の粘性に影響を及ぼしたりすることもできる。さらに、流体案内要素の領域は、パネルの基礎材料と比較して、ある一定の異なる粗さまたは摩擦係数を持ちうる。異なる粗さまたは摩擦係数によって、接着剤の進行が妨げられたり、あるいは接着剤が望ましくない領域に塗り付けられないようにするのに十分なだけ接着剤が遅くなったりすることがある。別の方法として、流体案内要素を備えたパネルの異なる粗さまたは摩擦係数は、所定の領域への接着剤の分配を促進することもでき、こうして接着剤が望ましくない領域に塗り付けられないようにされる。例えば、こうした流体案内要素は、印刷、スプレーまたは被覆の工程によってパネルに塗布されうる。一つの好ましい実施形態において、流体案内要素は、接着剤が塗布される場所の閉じたフレームを形成する。
【0031】
本発明は、容器を形成するためのブランクをさらに提供し、ここでブランクは、少なくとも一つのパネルを備え、またパネルは、接着剤のための貯蔵所を形成するように適応された局所的な流体案内要素を備える。「局所的」という用語は、流体案内要素がパネルの一部にのみ提供されており、一方で残りのパネルには流体案内要素がないこととして理解される。
【0032】
容器は、特にカップ状のボックスおよびリッドを備えたヒンジリッド容器としうるが、ここでリッドは、ヒンジ線を介してヒンジで動くようにボックスに取り付けられる。
【0033】
本発明による容器の構成要素の相対的位置を描写するために使用される「前部」、「後部」、「上方」、「下方」、「側面」、「上部」、「底部」という用語およびその他の用語は、リッドが上部端にあり、ヒンジが後部にある、直立位置にある容器について言及するものである。「左」および「右」という用語は、容器をその直立位置で前部から見たときの容器の側壁に言及して使用される。直立位置にある容器が開いているとき、ボックス内に含まれている喫煙物品は、容器の上方端から取り出しうる。「長軸方向」という用語は、下部から上部への方向、またはその逆を意味し、「高さの方向」という用語は、長軸方向と平行な方向を示すために使用される。「横断する」という用語は、前部壁、後部壁または側壁の一つを横切って、長軸方向と直角を成す方向を意味する。「深さの方向」および「幅の方向」という用語は、それぞれ、容器の深さまたは容器の幅を横切る方向を示すために使用される。
【0034】
「ヒンジ線」という用語は、容器を開くために、その周りをリッドが旋回しうる線を意味する。ヒンジ線は、例えば、容器の後部壁の折り目または筋つけとしうる。別の方法として、ヒンジ線は、リッドの後部壁の下縁とボックス後部壁の上縁との間を橋渡しする材料片にある折り目または筋つけとしうる。こうした材料片は、例えば、リッドの後部壁およびボックスの後部壁に永久的にまたは取り外しできるように取り付けられたラベルとしうる。ヒンジ線は、その上縁の下のレベルにある容器の後部壁に沿って位置することが好ましい。
【0035】
容器は、ボックス内部に取り付けられた内側フレームをさらに備えることが好ましく、ここで内側フレームは、少なくとも容器のボックスの前部壁の上縁の上に延びる。従って、内側フレームは、リッドが開かれたときに消費者に見える。内側フレームの前部壁は、ボックスの前部壁に印刷されたしるしと同じか、またはそれと異なるしるしで印刷しうる。別の方法として、または追加的に、内側フレームの前部壁は、独特の形状に、例えば消費財のブランドを反映して切り込みうる。必要に応じて、内側フレームは、容器の平坦化を促進する虚弱線も備えうる。
【0036】
内側フレームの前部壁には、その上縁に切り抜き部分を提供することが好ましい。これにより、内側フレームの前部壁の表面積を著しく減少させることなく、容器内の消費財へのより便利なアクセスが可能となる。
【0037】
別の方法として、または内側フレームに加えて、容器内の消費財は、容器が開かれたときにボックスの前部壁および内側フレームの前部壁(存在する場合)の上縁の上に見える、内側ライナーで包装されうる。
【0038】
本発明による容器は、長軸方向の直角の端および横断する直角の端を持つ直方体の形状としうる。別の方法として、容器は、一つ以上の長軸方向の丸み付きの端、横断する丸み付きの端、長軸方向の面取り付きの端または横断する面取り付きの端、またはその組み合わせを含みうる。例えば、本発明による容器は、限定されないが以下を含みうる。
【0039】
- 前部壁上の1つまたは2つの長軸方向の丸み付きかまたは面取り付きの端、および/または
【0040】
- 後部壁上の1つまたは2つの長軸方向の丸み付きかまたは面取り付きの端。
【0041】
- 前部壁上の1つまたは2つの横断する丸み付きかまたは面取り付きの端、および/または
【0042】
- 後部壁上の1つまたは2つの横断する丸み付きかまたは面取り付きの端。
【0043】
- 前部壁上の1つの長軸方向の丸み付き端および1つの長軸方向の面取り付きの端、および/または
【0044】
- 後部壁上の1つの横断する丸み付き端および1つの横断する面取り付きの端。
【0045】
- 前部壁の1つまたは2つの横断する丸み付きの端または面取り付きの端、および後部壁の1つまたは2つの長軸方向の丸み付きの端または面取り付きの端。
【0046】
- 第一の側壁の2つの長軸方向の丸み付きまたは面取り付きの端、または第二の側壁の2つの横断する方向の丸み付きまたは面取り付きの端。
【0047】
容器が一つ以上の丸み付きの端を含み、1つの層状のブランクから製作されている場合、ブランクは、組み立てられた容器内で丸み付きの端を形成する3、4、5、6または7本の筋つけまたは筋入れを含むことが好ましい。筋つけまたは筋入れは、容器の内側、または容器の外側のいずれかとしうる。筋つけまたは筋入れは、互いに約0.3 mm〜4 mmの間隔を持つことが好ましい。
【0048】
筋入れまたは筋つけの間隔は、層状のブランクの厚みの関数であることが好ましい。筋入れまたは筋つけの間隔は、層状のブランクの厚みの約0.5〜約4倍であることが好ましい。
【0049】
容器が一つ以上の面取り付きの端を含む場合、面取り付きの一つ以上の端の幅は、約1 mm〜約10 mmであることが好ましく、約2 mm〜約6 mmであることが好ましい。別の方法として、容器は、2つの明確な面取りが容器の端上に形成されるように間隔を置いた、3本の平行な筋入れまたは筋つけにより形成された二重面取りを含みうる。
【0050】
長方形の横断面を持つ容器の代わりに、容器は例えば三角形、四角形、または六角形などの多角形の断面、または楕円形、半楕円形、円形または半円形といった断面を持ちうる。
【0051】
容器が面取り付きの端を含み、層状のブランクから製作されている場合、面取りは、層状のブランクにある2本の平行な筋入れまたは筋つけにより形成されうる。筋入れまたは筋つけは、第一の壁と第二の壁の間のエッジに対して対称的に配列しうる。別の方法として、筋入れまたは筋つけは、面取りが容器第二の壁内よりも容器の第一の壁内に深く延びるように、第一の壁と第二の壁の間の端に対して非対称的に配列しうる。
【0052】
容器は、厚紙、ボール紙、プラスチック、金属、またはその組み合わせを含むがこれに限定されない、任意の適切な材料から形成しうる。厚紙の重さは、約100グラム/平方メートル〜約350グラム/平方メートルであることが好ましい。
【0053】
本発明による容器は、多様な消費財用のパッケージとして使用されうる。特に好ましい実施形態で、本発明による容器は、喫煙物品の包装に使用される。本発明による容器は、公知の端に火をつける紙巻たばこ、葉巻たばこまたはシガリロ、可燃性燃料要素または熱源およびエアロゾル生成基質(例えば、US-A-4,714,082号に開示されたタイプの紙巻たばこ)を含む加熱式喫煙物品、および電気的な喫煙システム(例えば、US-A-5,692,525号に開示されたタイプの紙巻たばこ)で使用する喫煙物品を含むがこれに限定されない、喫煙物品の包装に有利に使用されうる。
【0054】
その寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、異なる合計数の喫煙物品、または異なる配列の喫煙物品を保持するよう設計しうる。例えば、その寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、合計10〜30の喫煙物品を保持するよう設計しうる。
【0055】
本発明による容器は、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つの個々の消費財の束を保持しうる。個々の束は、実質的に前部壁および後部壁と平行に、または実質的に前部壁および後部壁と直角をなして配列しうる。
【0056】
束内で、喫煙物品は、喫煙物品の合計数、喫煙物品の寸法または容器の断面形状に応じて、異なる組み合せで配列されうる。例えば、喫煙物品は、5、6、7、8、9または10個の1列で配列しうる。別の方法として、喫煙物品は2列以上で配列しうる。2列以上の列は、同一の数の喫煙物品を含みうる。例えば、喫煙物品は、5、6、7、8、9、10個の2列、5、6、7、8、9、10個の3列、または4、5、6、7個の4列で配列しうる。別の方法として、2列以上の列は、互いに異なる数の喫煙物品を含む少なくとも2列を含みうる。例えば、喫煙物品は、5個の1列および6個の1列(5-6)、6個の1列および7個の1列(6-7)、7個の1列および8個の1列(7-8)、5個の中央の1列および6個の両外側の2列(6-5-6)、5個の中央の1列および7個の両外側の2列(7-5-7)、6個の中央の1列および5個の両外側の2列(5-6-5)、6個の中央の1列および7個の両外側の2列(7-6-7)、7個の中央の1列および6個の両外側の2列(6-7-6)、9個の中央の1列および8個の両外側の2列(8-9-8)、または6個の中央の1列、5個の一方の外側の1列および7個の一方の外側の1列(5-6-7)で配列しうる。
【0057】
本発明による容器は、同一のタイプまたはブランドの、または異なるタイプまたはブランドの喫煙物品を保持しうる。さらに、フィルターなし喫煙物品および各種フィルターチップ付きの喫煙物品の両方を含みうるほか、異なる長さ(例えば、約40 mm〜約180 mm)、直径(例えば、約4 mm〜約9 mm)の喫煙物品も含みうる。さらに、喫煙物品は、味覚の強度、吸い込みに対する抵抗および合計粒状物質の送達が異なりうる。ここで、容器は複数の束を含み、同一の容器内のそれぞれの束は、上記と同一または異なるタイプの喫煙物品を保持しうる。
【0058】
容器の寸法は、喫煙物品の長さ、および喫煙物品の並べ方に適応させることが好ましい。容器の外側寸法は通常、容器内に収容された喫煙物品の束の寸法よりも約0.5 mm〜約5 mmだけ大きい。
【0059】
本発明による容器の高さは約60 mm〜約150 mmであることが好ましく、高さが約70 mm〜約125 mmであることがより好ましいが、ここで高さは、容器の上部壁から底部壁までを測定したものである。
【0060】
本発明による容器の幅は約12 mm〜約150 mmであることが好ましく、幅が約70 mm〜約125 mmであることがより好ましいが、ここで幅は、容器の第一の側壁から第二の側壁までを測定したものである。
【0061】
本発明による容器の奥行きは約6 mm〜約100 mmであることが好ましく、奥行きが約12 mm〜約25 mmであることがさらに好ましいが、ここで奥行きは、容器の前部壁から後部壁までを測定したものである(ボックスとリッドの間のヒンジを含む)。
【0062】
容器の高さ対容器の奥行きの比は、約0.3対1〜約10対1であることが好ましく、約2対1〜約8対1であることがさらに好ましく、約3対1〜5対1であることが最も好ましい。
【0063】
容器の幅対容器の奥行きの比は、約1対1〜約10対1であることが好ましく、約2対1〜約8対1であることがさらに好ましく、約2対1〜3対1であることが最も好ましい。
【0064】
リッド後部壁の高さ対ボックス後部壁の高さの比は、約0対1(ヒンジが容器の上端に位置)〜約1対1であることが好ましく、約1対5〜約1対10であることがさらに好ましく、約1対6〜約1対8であることが最も好ましい。
【0065】
リッド前部壁の高さ対ボックス前部壁の高さの比は、約1対0(リッドが前部壁全体を覆う)〜約1対10であることが好ましく、約1対1〜約1対5であることがさらに好ましく、約1対2〜約1対3であることが最も好ましい。
【0066】
本発明による容器の外部表面は、製造元またはブランドのロゴ、商標、スローガンおよびその他の消費者情報およびしるしで、印刷、エンボス加工、デボス加工またはその他の方法で装飾しうる。別の方法として、または追加的に、本発明による容器の外部表面は、ラッカー、金属化、ホログラム、蛍光物質、または容器の感触、香りまたは外観を変えるその他任意の材料で、少なくとも部分的に覆われうる。
【0067】
本発明による容器の内側ハウジングが一つ以上の束の喫煙物品を含む場合、喫煙物品は、例えば、金属箔または金属化した紙の内側ライナー内に包まれることが好ましい。
【0068】
容器が喫煙物品を含む場合、容器は、さらに、廃棄用の器(例えば、灰または吸い残し用)または例えば、マッチ、ライター、消火手段、口臭消臭剤またはエレクトロニクスなど、その他の消費財を備えうる。その他の消費財は、容器の外側に取り付ける、容器内に喫煙物品に沿って容器の別の区画内に含める、またはその組み合わせとしうる。
【0069】
いったん充填されると、本発明による容器は、例えば、高密度または低密度のポリエチレン、ポリプロピレン、方向性ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロースフィルム、または従来的な方法でのその組み合わせの透明高分子フィルムで、収縮包装またはそれ以外の方法でオーバーラップされる。本発明による容器がオーバーラップされる場合、オーバーラッパーはティアテープを含みうる。ティアテープは、いったんティアテープが取り除かれるとリッドが第一のヒンジ線の周りを自由に回転するように、リッドの前部壁の下縁の下に、容器の周りに位置することが好ましい。別の方法として、ティアテープは、容器の周りに縦に提供しうる。
【0070】
本発明はさらに、少なくとも一つのパネルを備えたブランクを提供する以下の工程を含む、喫煙物品の容器を形成するための方法を提供するが、ここでパネルは、少なくとも一つの流体案内要素を持ち、接着剤を流体案内要素の領域内に局所的に塗布し、接着剤により容器のさらなる構成要素をパネルに取り付ける。
【0071】
特に、まず、少なくとも一つのパネルを備えるブランクが提供されるが、ここでパネルは少なくとも一つの流体案内要素を持つ。次に、接着剤が流体案内要素の領域内に局所的に塗布される。容器のさらなる構成要素は、接着剤によってパネルに固定される。
【0072】
パネルには、既に初期的に流体案内要素を提供しうる、すなわち、流体案内要素は、工程i)の前に塗布または形成されうる。特に、ブランクには、既に初期的に一つの実施形態において本方法の凹部を提供しうる。
【0073】
別の方法として、ブランクを提供する工程は、流体案内要素の塗布または形成を含む。
【0074】
特に、ブランクを提供する工程は、パネル内の凹部としての流体案内要素の形成を含む。これは、パネルを印刷するプリンター内で遂行することも、容器を形成するブランクの折り曲げと一緒にインラインで遂行することも、または接着剤の塗布を一緒にインラインで遂行することもできる。
【0075】
流体案内要素は、筋つけ、筋入れ、切断またはエンボス加工によって形成されうる。エンボス加工は、流体案内要素が提供される側に対して、パネルの反対側から行いうる。
【0076】
本発明はさらに、容器の壁が接着剤によって容器のさらなる構成要素に固定されたときに、流体案内要素の領域内に供給される接着剤を案内するよう、喫煙物品の容器の壁上に提供される流体案内要素の使用を提供する。
【0077】
ここで本発明は、下記の図に表示した模範的な実施形態を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態による容器の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の第一の実施形態による容器の正面斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の第一の実施形態による容器を形成するためのブランクの平面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の第二の実施形態による容器を形成するためのブランクの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1で、本発明の第一の実施形態による容器1を斜視図で示す。容器1は、いくつかの喫煙物品2、特に紙巻たばこを含む。喫煙物品2はそれぞれ長軸方向を向き、これは、容器1が
図1に示すとおり、直立した向きにあるときに高さの方向100に対応する。喫煙物品2は、いくつかの列で配列されており、ここで喫煙物品は、相互に隣接して幅の方向200に提供されている。特に、3列の喫煙物品2は、容器1の深さの方向300に、相互に平行に提供されている。
【0080】
容器は、実質的にカップ状をしているボックス3、およびボックス後部壁の上端にヒンジ線5を介してヒンジで取り付けられたリッド4を含む。容器ボックス3は、ボックス右側壁6、ボックス正面壁7、ボックス左側壁、およびボックス底部壁を含む。容器1のリッド4は、ヒンジ線5を介してボックス後部壁に取り付けられたリッド後部壁、リッド右側壁8、リッド前部壁9、リッド左側壁10およびリッド上部壁を含む。それぞれの容器の壁は、リッド4がその閉位置にあるときに、容器1が実質的に立方体であるように、実質的にそれらの隣接した容器の壁に対して直角をなして配列される。
【0081】
容器1で、内側パッケージ11が提供されており、これは喫煙物品2を含む。内側パッケージ11は、喫煙物品2の新鮮さを保つ目的を果たす。喫煙物品2が、例えばメントール風味など蒸発しうる揮発性の構成要素を備える場合に、これは特に重要である。内側パッケージ11は、特に、カバーフラップ13によってその上端で閉じることができる内側フレーム12を含む。内側フレーム12は、ある一定の構造的安定性を持つことができ、またカバーフラップ13によって閉じられる上部の開口部を別にして、喫煙物品2を完全に閉じうる。内側パッケージ11は、内側ライナーによって少なくとも部分的に形成されうるが、ここでカバーフラップ13も内側ライナーの一部としうる。
【0082】
特に、内側パッケージ11は、その閉位置にあるときにカバーフラップ13が分離できるように粘着性の低い接着剤で固定された、右側上部壁14および左側上部壁15を含む。その上、カバーフラップ13はまた、内側パッケージ11の開口部を完全に覆うように、内側パッケージ11の前側に粘着性の低い接着剤で固定される。
【0083】
それを可能にするため、
図1に示すとおり、リッド4がヒンジで開位置になるとき、カバーフラップ13は開き、カバーフラップ13は接着剤によって、特に永久的接着剤によって、リッド前部壁9の下端の内側に固定される。接着剤は、リッド前部壁の隅の端に非常に近接して供給されるため、接着剤の一部が先行技術において公知の容器のボックスと接触するリスクがある。これによって、リッド4およびボックス3が、不本意に接着剤によって一緒に固定される原因となり、容器1の滑らかな開きが妨げられることがある。ただし、本発明によれば、流体案内要素16、17、18は、下記で
図2に関連して説明するとおり、リッド前部壁9の内側上に提供され、接着剤が望ましくない任意の位置に達しないようにする。
【0084】
図2で、容器1は、斜視上部正面側面図で表示されており、ここでも、リッド4はボックス3に対して開位置にある。ただし、カバーフラップ13はまだリッド4に固定されておらず、従って、その閉位置のままで内側パッケージ11の開口部を覆っている。
【0085】
リッド前部壁9の内側で、流体案内要素16、17、18は、幅の方向200の3つの線形の平行な凹部として提供されている。カバーフラップ13がリッド前部壁9の内側に固定されるとき、接着剤は、カバーフラップ13の下部、または流体案内要素16、17、18の領域内のリッド前部壁9の内側のいずれかまたは両方に提供される。次に、リッド前部壁9およびカバーフラップ13は、接着剤がリッド前部壁の内側をカバーフラップ13の下端に結合するように、まとめて押される。圧力がかかっている間、まだ粘性の液状である接着剤が移動する。ただし、流体案内要素16、17、18は、接着剤が高さの方向100に流体案内要素16、17、18を超えて著しく移動することを防止するとともに、接着剤が幅の方向200に流体案内要素16、17、18に沿って移動することを促進する。その上、流体案内要素16、17、18は凹部として形成されるため、これらは、リッド前部壁9の内側とカバーフラップ13の間の安定した接続のために十分な接着剤が供給できるように、接着剤が蓄積する貯蔵所を提供する。こうして、リッド前部壁9は、さらなる構成要素、すなわちカバーフラップ13に固定される少なくとも一つの容器の壁である。
【0086】
図3には、本発明の第一の実施形態によるブランクが表示されており、これは
図1および
図2に示すとおり、容器を形成しうる。
図3によるブランクで、破線は、それを介してパネルが相互に垂れ下がる折り目線を示す。
【0087】
ボックス右側壁は、外側ボックス右側壁パネル19および内側ボックス右側壁パネル20により形成され、ボックス前部壁7は、ボックス前部壁パネル21により形成され、ボックス左側壁は、外側ボックス左側壁パネル22および内側ボックス左側壁パネル23により形成される。ボックス底部壁はボックス底部壁パネル24により形成され、ボックス後部壁はボックス後部壁パネル25により形成される。
【0088】
リッド右側壁は、外側リッド右側壁パネル26および内側リッド右側壁パネル27により形成される。リッド前部壁9は、外側リッド前部壁パネル28および内側リッド前部壁パネル29により形成される。内側リッド前部壁パネル29は、外側リッド前部壁パネル28よりも小さい。リッド左側壁10は、外側リッド左側壁パネル30および内側リッド左側壁パネル31によって形成される。リッド上部壁は、リッド上部壁パネル32によって形成される。リッド後部壁は、リッド後部壁パネル33によって形成される。リッド後部壁パネル33およびボックス後部壁パネル25は、ヒンジ線5を介して相互に垂れ下がる。
【0089】
内側リッド前部壁パネル上に、流体案内要素16、17、18が提供されているが、ここで3つの流体案内要素16、17、18の代わりに、1つのみ、2つ、または3つを越える流体案内要素を提供できる。流体案内要素16、17、18は、内側リッド前部壁パネル29の筋つけ、筋入れ、切断またはエンボス加工により形成された線の形態の凹部である。
【0090】
内側リッド前部壁パネル29は通常、
図3に示す位置から外側前部リッド壁パネル28の内側に約180度折り曲げて、接着剤によってそれに固定される。こうして、凹部の形態の流体案内要素16、17、18は、容器の外側からは見えない。特に、流体案内要素16、17、18を形成する凹部は、凹部が
図2に示すとおりリッド前部壁9の内側に供給される接着剤を受ける能力があるように、外側リッド前部壁パネル28に向かう方向にエンボス加工される。流体案内要素16、17、18は、貯蔵所を形成するために、弱化線として提供しうる。特に、弱化線は、筋つけ、筋入れ、切断またはその他の技術により形成される。流体案内要素16、17、18は、カバーフラップ13とリッド前部壁9の内側の間の圧力によって、押し込まれた余分な接着剤をとらえる貯蔵所としての役目をする。
【0091】
その他の実施形態において、流体案内要素16、17、18はまた、内側リッド前部壁パネル29と外側リッド前部壁パネル28の間に接着剤の貯蔵所を形成するよう、他の方向にエンボス加工された凹部としても形成されうる。こうして、この構成により、内側リッド前部壁パネル29の外側リッド前部壁パネル28への取り付けが可能となり、その一方で、その過度の接着剤がこれらの2つのパネル間の領域の外に押しやられなくなる。こうして、内側リッド前部壁パネル29を、さらなる構成要素、すなわち外側リッド前部壁パネル28に固定された、少なくとも一つの容器の壁と見なすことができる。
【0092】
その上、流体案内要素16、17、18は、凹部としてだけでなく凸部として提供されるときもまた効果的であるため、カバーフラップ13を容器1のリッド前部壁9の内側に取り付けることに関する有益な効果を得ることができる。直線の凹部の形態での流体案内要素16、17、18は、追加的にまたは代替的に外側リッド前部壁パネル28内に形成できる。
【0093】
図4で、本発明によるブランクの第二の実施形態は平面図で表示されており、ここで、このブランクにより、本発明による別の容器の形成が可能となる。
【0094】
図4によるブランクは、
図3のブランクと同一の配置にある実質的に同一のパネルを含む。ただし、
図3に示す直線形の流体案内要素16、17、18の代わりに、内側前部壁パネル29には別個のカップ状またはピラミッド形の凹部が提供され、それぞれが流体案内要素34、35を形成する。こうして、流体案内要素34、35は接着剤を供給できる貯蔵所を形成し、接着剤が流体案内要素34、35の周りの領域に広範囲に塗り付けられるのを防止する。こうして、内側リッド前部壁パネル29とカバーフラップ13の間の安定した接続が可能となり、その一方で、相互間での容器の他の部分の不本意な取り付けが防止される。
【0095】
ブランクは、内側リッド右側壁パネル27内に流体案内要素36、37および38をさらに含む。流体案内要素36、37は、組み立てられた容器1の高さの方向100に実質的に延びる直線的な凹部であり、その一方で、流体案内要素38は、深さの方向300に実質的に延びる直線の凹部として配列される。この実施形態で、内側リッド右側壁パネル27は容器の壁と見なされることができ、その一方で外側リッド右側壁パネル26はさらなる構成要素である。
【0096】
異なる方向に延びている流体案内要素を備えた構成を提供することにより、接着剤が流体案内要素36、37に沿ったある一定の領域に分配されるようにできるが、その後、容器1のリッド4とボックス3の間の領域に達することができないように、流体案内要素38によって停止される。こうして、余分な接着剤によるリッド4とボックス3の間の不本意な接続を防止できる。流体案内要素36、37、38は、内側リッド右側壁パネル27と外側リッド右側壁パネル26の間に接着剤を分配する目的を果たす。
【0097】
同様に、内側リッド左側壁パネル31を外側リッド左側壁パネル30に取り付けるのを促進するために、内側リッド左側壁パネル31には、流体案内要素39、40および41が提供される。
【0098】
通常、その後はそれらが容器の外側から見えなくなるため、流体案内要素は内側パネル内に提供されることが好ましい。通常、内側パネルは、外側パネルに対して容器の内側に向けて配列されているパネルである。
【0099】
下記において、本発明による方法の模範的実施形態を説明する。
【0100】
初めにはブランクが提供されるが、これは通常、
図3および
図4に示すパネルと同じ構成を持つ。次に、流体案内要素は所定のパネル上に提供され、これは後に、ブランクのその他のパネルへの接着剤による固定、またはさらなる容器の構成要素への接着剤による固定の対象となる。流体案内要素は、特にそれぞれのパネルのエンボス加工により形成されうる。次に、喫煙物品2を含む内側パッケージ11は、ボックス後部壁パネル25上に配列され、また残りのパネルは、内側パッケージ11の周辺に折り曲げられる。特に、接着剤は、内側パッケージ11がボックス3の後部側壁25上に配列される前に、または配列される時と同時に、または配列された後で供給しうる。少なくとも、接着剤が供給される一部の位置では流体案内要素が既にパネル内に形成されているため、相互に対して容器の各部を固定するために、パネルが相互にまたはさらなる構成要素に対して押されたときに、接着剤が望ましくない位置に達することを防止できる。
【0101】
特に、流体案内要素は、接着剤のための貯蔵所として、または接着剤が望ましくない位置に流れないようにする停止手段としての役割をするだけでなく、接着剤を望ましい位置に分配する手段としての役目もする。これによって、特に接着剤の塗布時に、より複雑な機械装置によって接着剤がパネル上に既に分配されている必要をなくすことができる。その代り、本発明によれば、接着剤の局所的な塗布で十分であると考えられ、また流体案内要素は、パネル内の望ましい位置への接着剤の分配の機能を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2015年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の壁を備える、消費財のための容器であって、前記容器がブランクから形成され、また少なくとも一つの容器の壁が流体案内要素を備え、および接着剤が前記流体案内要素の領域に供給され、また前記少なくとも一つの容器の壁が前記ブランクのパネルから形成され、また前記容器の壁が前記接着剤によって前記容器のさらなる構成要素に固定される、容器。
【請求項2】
前記接着剤が、前記流体案内要素を形成する凹部内に少なくとも部分的に供給される、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記少なくとも一つの容器の壁が、平行にかつ相互に隣接して配置された外側パネルおよび内側パネルによって少なくとも局所的に形成され、また前記流体案内要素が前記内側パネル内に形成される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の容器。
【請求項4】
前記さらなる構成要素が、喫煙物品の束を囲み、前記喫煙物品と前記容器の壁の間に配置されている内側ライナーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記内側ライナーがカバーフラップを備え、前記内側ライナーの指定された開口部をカバーし、前記カバーフラップが前記容器の壁の内部に固定されている、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記容器がボックスおよびリッドを備えたヒンジ−リッド容器であり、前記流体案内要素がリッドの前部壁の内側に提供され、また前記内側ライナーの一部分が前記接着剤によって前記リッドの前部壁の内側に取り付けられる、請求項4または5に記載の容器。
【請求項7】
前記流体案内要素が線の形態である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記流体案内要素がいくつかの平行線の形態で配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
以下の工程を含む、喫煙物品のための容器を形成するための方法:
i)少なくとも一つのパネルを備えるブランクを提供する工程であって、前記パネルが少なくとも一つの流体案内要素を持つ工程と、
ii)接着剤を前記流体案内要素の領域に局所的に塗布する工程と、
iii)前記接着剤によって、前記容器のさらなる構成要素を前記パネルに取り付ける工程。
【請求項10】
工程i)が、前記流体案内要素を前記パネル内の凹部として形成する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【国際調査報告】