特表2015-535906(P2015-535906A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-535906油圧ポンプ又は油圧モータ、油圧トランスミッション、風力発電装置、及び、油圧ポンプ又は油圧モータの運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-535906(P2015-535906A)
(43)【公表日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】油圧ポンプ又は油圧モータ、油圧トランスミッション、風力発電装置、及び、油圧ポンプ又は油圧モータの運転方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/22 20060101AFI20151120BHJP
   F04B 1/28 20060101ALI20151120BHJP
   F03D 9/00 20060101ALI20151120BHJP
   F03C 1/053 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   F04B49/22
   F04B1/28
   F03D9/00 F
   F03C1/053
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】74
(21)【出願番号】特願2015-537361(P2015-537361)
(86)(22)【出願日】2014年2月25日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月8日
(86)【国際出願番号】GB2014050566
(87)【国際公開番号】WO2015040360
(87)【国際公開日】20150326
(31)【優先権主張番号】13185050.5
(32)【優先日】2013年9月18日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513325650
【氏名又は名称】アルテミス・インテリジェント・パワー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カードウェル・ニアール
(72)【発明者】
【氏名】アブラハム・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ドゥンモフ・ダニエル
【テーマコード(参考)】
3H070
3H084
3H145
3H178
【Fターム(参考)】
3H070AA01
3H070BB02
3H070BB07
3H070CC03
3H070DD66
3H070DD93
3H084AA03
3H084AA15
3H084BB01
3H084BB02
3H084BB11
3H084CC42
3H084CC50
3H084CC51
3H145AA03
3H145AA12
3H145AA24
3H145AA33
3H145AA36
3H145BA02
3H145BA38
3H145CA09
3H145CA22
3H145CA30
3H145DA12
3H145DA15
3H145DA47
3H145EA14
3H145EA17
3H145EA20
3H145EA26
3H145EA38
3H145EA42
3H145EA45
3H178AA03
3H178AA20
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB01
3H178BB42
3H178CC16
3H178DD12Z
3H178DD18X
3H178DD52X
3H178DD54X
3H178EE05
3H178EE08
3H178EE11
3H178EE25
(57)【要約】
油圧トランスミッションは、可変容量型の油圧ポンプ及び油圧モータを備え、該油圧ポンプ及び油圧モータの少なくとも一方は、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて該シリンダによる作動流体の正味押しのけ容積を決定するように制御可能なバルブを備えるシリンダを有する。油圧トランスミッションは、押しのけ容積需要を特定することでポンプ及びモータの押しのけ容積を決定するバルブ制御モジュールを備える。ポンプ及び/又はモータのバルブ制御モジュールは、第1の手続を用いて、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルにおける強度ピークの周波数を決定し、これらが、トランスミッションと機械的につながる構成部品の共振周波数を含む不許可の周波数帯域の範囲内に入るときには、それらの周波数の生成を抑制するように、押しのけ容積需要又は他の入力は周期的に変更される。油圧トランスミッションは、例えば風力発電装置や車両にとって有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転シャフトと、
前記回転シャフトの位置又は回転数を計測するためのシャフトセンサと、
少なくとも1つのローブを有する少なくとも1つのカムと、
前記回転シャフトの回転に伴って周期的に変化する作動容積を有する複数のシリンダと、
低圧作動流体ライン及び高圧作動流体ラインと、
少なくとも1つが各シリンダと関連する電気制御式弁であり、各シリンダと前記低圧・高圧流体ラインとの間の作動流体の流れを調節するための複数のバルブと、を備える油圧ポンプ又は油圧モータであって、
シリンダ容積の各サイクルについて、シリンダ作動容積のサイクルと位相関係を有するように前記電気制御式弁を能動的に制御し、それにより、各シリンダが作動流体の正味押しのけ容積が存在する動作サイクルを実行するか、それとも作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクルを実行するかを決定するための指令信号を生成するように構成されたバルブ制御モジュールを備え、
前記バルブ制御モジュールは、前記複数のシリンダによる作動流体の目標正味押しのけ容積を表す押しのけ容積需要信号を受け取る需要入力部を有し、
前記バルブ制御モジュールは、前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数が、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように指令信号のパターンを選択しながら、前記複数のシリンダの正味押しのけ容積の時間平均が、前記押しのけ容積需要信号によって表される押しのけ容積需要に合致するように前記指令信号を生成するように構成されたことを特徴とする油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項2】
前記1以上の強度ピークの周波数は、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数若しくはその調和周波数又は非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数若しくはその調和周波数を含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項3】
前記バルブ制御モジュールは、複数の時間ステップの各々において押しのけ容積決定アルゴリズムを実行して前記押しのけ容積需要信号及びシリンダ作動容積の以前のサイクルにおける作動流体の前記正味押しのけ容積を処理し、それまでに押しのけられた作動流体の総量と、それまでに要求された作動流体の需要の総量との差が閾値を超える場合に、少なくとも1つの前記シリンダに、作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルを行わせるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項4】
前記バルブ制御モジュールは、前記閾値を変更させて、それにより前記1以上のシリンダのシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の望ましくない周波数成分の強度を低減させるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項5】
前記1以上の望ましくない周波数成分の強度を低減させるために、前記閾値を交互に上昇及び下降させることを特徴とする請求項4に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項6】
前記望ましくない周波数域の範囲内の望ましくない周波数の1/2と1/10の間の周波数において前記閾値を交互に上昇及び下降させる(前記範囲は、そのようにしなければ前記周波数スペクトルの少なくとも1つの強度ピークが該範囲内において減少するであろう範囲である)ことを特徴とする請求項5に記載の流体作動機械。
【請求項7】
前記バルブ制御モジュールは、回転シャフト速度信号を受け取り、前記閾値を変更させるべきかどうかを決定する際に前記回転シャフト速度信号を考慮するように構成されたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の流体作動機械。
【請求項8】
前記周波数スペクトルの1以上の前記強度ピークの周波数が1以上の前記望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように、前記バルブ制御モジュールに受け取られる前記押しのけ容積需要信号が選択的に変調されることを特徴とする請求項1に記載の流体作動機械。
【請求項9】
前記押しのけ容積需要信号は、周期的な変調波形によって選択的に変調されることを特徴とする請求項8に記載の流体作動機械。
【請求項10】
前記バルブ制御モジュールは、累積押しのけ容積誤差値を格納する積算器と、時間ステップ毎に前記押しのけ容積需要信号で表される前記押しのけ容積需要を前記累積押しのけ容積誤差値に加算する加算器と、同一の又は前回の時間ステップにおいて前記バルブ制御モジュールの能動的な制御の下で押しのけられた作動流体の量を表す値を減算する減算器と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項11】
前記バルブ制御モジュールは、
前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転速度を考慮して、前記バルブ制御モジュールが第1の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択する場合に生成されるであろうシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数を特定し、特定された前記1以上の周波数を1以上の望ましくない周波数域と比較し、特定された周波数の少なくとも1つが望ましくない周波数域の少なくとも1つの範囲内にある場合には、通常、前記第1の手続に代えて第2の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択して、それにより前記周波数域の少なくとも1つにおける前記周波数スペクトルの前記強度を低減させる周波数決定モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項12】
1以上の測定パラメータに依存して1以上の望ましくない周波数域を決定する共振決定モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項13】
信号を解析して、1以上の振動を特定し、及び、前記1以上の振動の共振周波数を特定することによって1以上の前記望ましくない周波数域を決定し、特定された前記1以上の周波数を含むように1以上の望ましくない周波数域を設定するように作動可能な共振決定モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項14】
前記共振決定モジュールは、前記回転シャフトの前記回転数とは独立した1以上の測定パラメータに依存して1以上の前記望ましくない周波数域を決定することを特徴とする請求項12又は13に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項15】
前記望ましくない周波数成分の少なくともいくつかは、油圧トランスミッション又は前記油圧トランスミッションを含む機械の構成部品のうち少なくとも一つの共振周波数を含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項16】
可変容量型の油圧ポンプと、
可変容量型の油圧モータと、
前記油圧ポンプに連結された、前記油圧ポンプを駆動するための駆動シャフトと、
前記油圧モータに連結された、負荷への連結のための出力シャフトと、を備える油圧トランスミッションであって、
前記油圧ポンプ及び油圧モータのうち少なくとも1つは、請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータであることを特徴とする油圧トランスミッション。
【請求項17】
請求項16に記載の油圧トランスミッションと、
前記油圧ポンプに連結され、複数のブレードを備えるタービンと、
前記油圧モータに連結された発電機と、を備える風力発電装置。
【請求項18】
回転シャフトと、
前記回転シャフトの位置又は回転数を計測するためのシャフトセンサと、
少なくとも1つのローブを有する少なくとも1つのカムと、
前記回転シャフトの回転に伴って周期的に変化する作動容積を有する複数のシリンダと、
低圧作動流体ライン及び高圧作動流体ラインと、
各シリンダと前記低圧・高圧流体ラインとの間の作動流体の流れを調節するための複数のバルブであって、前記バルブの少なくとも1つは、各シリンダと関連する電気制御式弁である複数のバルブと、を備える油圧ポンプ又は油圧モータの運転方法であって、
前記複数のシリンダによる作動流体の目標正味押しのけ容積を表す押しのけ容積需要信号を受け取ること、及び、シリンダ容積の各サイクルについて、シリンダ作動容積のサイクルと位相関係を有するように前記電気制御式弁を能動的に制御し、それにより、各シリンダが作動流体の正味押しのけ容積が存在する動作サイクルを実行するか、それとも作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクルを実行するかを決定するための指令信号を生成するステップを含み、
前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数が、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように指令信号のパターンを選択しながら、前記複数のシリンダの正味押しのけ容積の時間平均が、前記押しのけ容積需要信号によって表される押しのけ容積需要に合致するように前記指令信号を選択することを特徴とする油圧ポンプ又は油圧モータの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて各シリンダが動作サイクルを行うか又は非動作サイクルを行うかを決定するために制御可能な電気制御式弁を有する可変容量型の油圧ポンプ及び油圧モータを備える油圧トランスミッション、及びそのような油圧トランスミッションを含む機械の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置や車両等の装置において、可変容量型の油圧ポンプ及び可変容量型の油圧モータを有する油圧トランスミッションを用いることが知られている。例えば、風力発電装置の場合は、可変容量型油圧ポンプは、風によって駆動されるロータに連結された駆動シャフトによって駆動され、1以上の可変容量型油圧モータは、1以上の発電機に連結され、該油圧ポンプの出力からの加圧作動油によって駆動されるようになっている場合がある。車両の場合は、内燃機関又はバッテリーが油圧ポンプを駆動し、1以上の油圧モータが加圧作動油を該ポンプから受け取り、各ホイールや他のアクチュエータを駆動するようになっている場合がある。
【0003】
このように用いることができる可変容量油圧ポンプ及び油圧モータは、回転シャフトと、作動室容積が周期的に変化する複数のシリンダと、を備え、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて、シリンダ作動容積のサイクルと位相の関係を有するように、各シリンダを介して押しのけられる作動流体容積が電気制御式の弁により調整されて、該機械による作動流体の正味処理量を決定するようになっているものを含む。例えば、欧州特許出願公開第0361927号明細書は、シリンダ作動容積のサイクルと位相の関係を有するように電気制御式バルブを開閉してポンプの個々のシリンダと低圧作動流体ラインとの間の流体連結を調節することにより、複数のシリンダを有するポンプを介した作動流体の正味処理量を制御する方法を開示している。これによれば、個々のシリンダは、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて、所定の固定された体積の作動流体を押しのけるように(動作サイクル)、又は、作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクル(アイドルサイクルともいう)を実行するようにバルブ制御モジュールによって選択可能であって、それによりポンプの正味処理量を需要に動的に合致させることが可能となる。欧州特許出願公開第0494236号明細書ではこの原理を進化させており、個々のシリンダと高圧作動流体ラインとの間の流体連結を調節する電気制御式のポペット弁を含み、これによって油圧モータ(幾つかの実施形態では、選択的な運転モードにおいてポンプ又はモータとして機能する)の提供を容易にする。欧州特許出願公開第1537333号明細書では、個々のシリンダの最大の押しのけ容積の一部のみが選択される動作サイクルの可能性を紹介している。
【0004】
風力発電装置、車両又は油圧トランスミッションを含む他の機械は、機械の作動に起因して生じる共鳴振動(油圧トランスミッションの作動に起因して生じる共鳴振動を含む)により損傷を受けることがある。例えば、欧州特許出願公開第2146093号公報には、パワーオフセット信号を制御することによって風力発電装置のタワーにおける振動を減衰させるための方法及び構成が開示されている。米国特許第7309930号明細書には、タービンのタワーの振動を、発電機により生成されるトルクを制御することによって減衰させる振動減衰システム及び方法が開示されている。欧州特許出願公開第1719910号公報には、風車ブレードのピッチ角を制御することで、風力発電装置タワー内の振動を能動的に減衰させる方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したタイプの油圧ポンプ及び油圧モータを採用する場合、油圧ポンプ又は油圧モータを通る流れの脈動に起因して振動(vibration)が発生する場合があり、その振動が1以上の構成部品の共振周波数と一致すれば、振動(oscillation)につながる可能性がある。振動は、選択される動作サイクルにともなう周波数に依存して生じる可能性がある。例えば、仮に1秒あたり10回の時間的に等間隔な動作サイクルが選択される場合、10Hzの周波数で振動が発生するかもしれない。同様に、シリンダ作動容積の非動作サイクルの周波数に関連する振動に起因する問題が生じる可能性もある。例えば、仮に、等間隔の時間で、複数のシリンダのうちの90%が動作サイクルを実行し、1秒あたりに1つのシリンダが1回の非動作サイクルを実行する場合、その結果として10Hzの振動が発生する可能性がある。そのような振動はより損傷を与え得る。それは、単に、上述のポンプやモータが最大押しのけ容積に対して高い押しのけ容積率で運転しているときに、すなわち高い電力スループットが存在し、より大きな力が作用するような状況において、そのような振動が影響を及ぼすという理由からである。
【0006】
これらの振動に起因して生じる共振を避けることは、風力発電装置や他の機械の作動条件の範囲が広いため、また、上述のタイプの油圧ポンプ又は油圧モータによりどのような振動が生成され得るのかを決定づける要因が複雑であるため難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、
回転シャフトと、
前記回転シャフトの位置又は回転数を計測するためのシャフトセンサと、
少なくとも1つのローブを有する少なくとも1つのカムと、
前記回転シャフトの回転に伴って周期的に変化する作動容積を有する複数のシリンダと、
低圧作動流体ライン及び高圧作動流体ラインと、
各シリンダと前記低圧・高圧流体ラインとの間の作動流体の流れを調節するための複数のバルブであって、前記バルブの少なくとも1つは、各シリンダと関連する電気制御式弁である複数のバルブと、を備える油圧ポンプ又は油圧モータであって、
前記油圧ポンプ又は油圧モータは、シリンダ容積の各サイクルについて、シリンダ作動容積のサイクルと位相関係を有するように前記電気制御式弁を能動的に制御し、それにより、各シリンダが作動流体の正味押しのけ容積が存在する動作サイクルを実行するか、それとも作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクルを実行するかを決定するための指令信号を生成するように構成されたバルブ制御モジュールを備え、
前記バルブ制御モジュールは、前記複数のシリンダによる作動流体の目標正味押しのけ容積を表す押しのけ容積需要信号を受け取る需要入力部を有し、
前記バルブ制御モジュールは、前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数が、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように指令信号のパターンを選択しながら、前記複数のシリンダの正味押しのけ容積の時間平均が、前記押しのけ容積需要信号によって表される押しのけ容積需要に合致するように前記指令信号を生成するように構成されたことを特徴とする油圧ポンプ又は油圧モータが提供される。
【0008】
典型的には、前記1以上の望ましくない周波数域は、機械の一部分(油圧トランスミッションの一部、又は油圧トランスミッションと機械的に繋がっている(すなわち機械的に連結している)部分)の1以上の共振周波数を含み、該共振周波数は回転シャフトの回転数に比例して変化するものではない。(該機械の一部分は1以上の部品により構成されていてもよい。)
【0009】
上記により、油圧トランスミッションによる励振の結果としての機械の一部分の共振の現象を回避することができる。該一部分は、油圧トランスミッションの一部(例えば1以上の構成部品)であってもよく(例えば、油圧ポンプ又は負圧モータに連結される駆動シャフト)、油圧トランスミッションと機械的に繋がる(例えば、機械的に連結される)1以上の構成部品(例えば、ブレードや、油圧トランスミッションを収容する風力発電装置のタワー等)であってもよい。
【0010】
前記1以上の共振周波数は(そしてそれ故望ましくない周波数域は)前記回転シャフトの回転数に伴って変化しないものでもよい。しかしながら、前記1以上の共振周波数は(そしてそれ故望ましくない周波数域は)前記回転シャフトの回転数に伴って変化するが、前記回転シャフトの回転数に比例して変化するものでなくてもよい。例えば、風力発電装置のブレードの剛性は、そしてそれ故ブレードの1以上の共振モードの周波数は、該ブレードが連結する前記ポンプの回転シャフトの回転数に伴って増加するが、その増加は線形的ではない。1以上の前記共振周波数は(そしてそれ故望ましくない周波数域は)前記回転シャフトの回転数とは独立であってもよいパラメータに依存して変化してもよい。例えば、1以上の前記共振周波数は、ラムやブームの位置に依存してもよい。例えば、ラムの共振周波数は、該ラムの位置によって決まるものであってもよい。油圧ライン内の2つのアキュムレータの間の流体振動は、該油圧ライン内の圧力に伴って変化してもよい。いくつかの場合では、1以上の共振周波数は2以上のパラメータに依存してもよく、それらのパラメータの一部又は全部は回転シャフトの回転数とは独立であってもよい。例えば、2つのラムを有する機械は、各ラムの位置によって決まる周波数において共振モードを有するものであってもよい。前記1以上のパラメータは1以上のセンサによって測定された測定パラメータであってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、1以上の振動の前記共振周波数は、信号(例えば高圧ライン内の圧力、回転シャフトの回転数、又は、機械において共振する可能性のある部分に取り付けられた、加速度計や歪みゲージ等のセンサからの信号等)を解析して、1以上の振動(例えば、周波数解析によるもの)及び該1以上の振動の共振周波数を特定し、それから、特定された1以上の周波数を含むように1以上の望ましくない周波数域を設定することによって決定することができる。
【0012】
前記油圧ポンプ又は油圧モータは、1以上の前記望ましくない周波数域を決定するように作動可能な共振決定モジュールをさらに備えてもよい。したがって、前記バルブ制御モジュールは、前記共振決定モジュールからの、1以上の前記望ましくない周波数域に関するデータを備えてもよく、又は受け取ってもよい。共振決定モジュールは、1以上の測定パラメータに依存して1以上の前記望ましくない周波数域を決定してもよい。共振決定モジュールは、前記回転シャフトの回転数とは独立の1以上の測定パラメータに依存して1以上の前記望ましくない周波数域を決定してもよい。前記共振決定モジュールは、1以上の前記センサからのデータを処理してもよい(該センサは1以上の測定パラメータを測定してもよい)。共振決定モジュールは、入力として前記回転シャフトの回転数を受け取ってもよい。共振決定モジュールは、共振を特定するために上述の信号解析を実行してもよい。
【0013】
シリンダ作動容積のサイクルの周期性のため、複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンは、前記油圧ポンプ又は油圧モータの一部である又は前記油圧ポンプ又は油圧モータと繋がっている(例えば機械的に連結された)機械的構成部品において共振周波数を生じさせ得る。シリンダにより実行される動作・非動作サイクルの前記パターンは指令信号のパターンによって決まる。そこで、前記バルブ制御モジュールは、制御信号のパターンを決定することによって動作・非動作サイクルのパターンを決定する。しかし、動作・非動作サイクルのパターンから生じる脈動またはトルクは共鳴振動を発生させる。
【0014】
複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンは、1以上の強度ピークを含む周波数スペクトルを有する。例えば、複数のシリンダが動作サイクルと非動作サイクルを交互に実行する場合、強度ピークがシリンダ作動容積のサイクルの周波数の半分に等しい周波数において存在することとなる。より一般的には、複数のシリンダは、より複雑な動作・非動作サイクルのパターンを実行し、該パターンは1以上の強度ピークを含む周波数スペクトルを有する。
【0015】
本発明者らは、これらの強度ピークの周波数が、動作・非動作サイクルのシーケンス(すなわち、動作サイクル及び非動作サイクルが行われる順番)に伴って変化するのみならず、回転シャフトの回転数にも伴って変化することを見出した。例えば、回転シャフトの速度がx%上昇する場合、シリンダ作動容積のサイクルの周波数はx%増加し、いくつか又は全ての強度ピークの周波数はx%増加する。よって、いくつか又は全ての強度ピークの周波数は、回転シャフトの回転数に比例する。
【0016】
本発明によれば、油圧ポンプ又は油圧モータの一部である又は油圧ポンプ又は油圧モータに機械的につながる(すなわち機械的に連結される)構成部品の共振周波数(例えば、油圧トランスミッションが風力発電装置に含まれる実施形態における風車ブレード又は風車タワーの共振周波数)で強度ピークを有する望ましくない振動の抑制が可能となる。有利なことに、本発明を適用しなければシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンが望ましくない共鳴を生じさせるであろう場合に、本発明の結果として該パターンは変更されるが、正味押しのけ容積の時間平均は変更されない。このため、既知のバルブ制御モジュールに代えて前記バルブ制御モジュールを使用することが可能となる。したがって、少なくともいくつかの需要信号の値で作動する油圧ポンプ又は油圧モータのシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルは、回転シャフトの回転数に変動があっても通常同一のままである周波数帯域において成分が減衰されることとなる。いくつかの実施形態では、1以上の前記減衰された成分は、回転シャフトの回転数に伴って変化するが、回転シャフトの回転数に比例はしない周波数帯域に存在する。
【0017】
前記1以上の強度ピークの周波数は、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数若しくはその調和周波数又は非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数若しくはその調和周波数に存在してもよい。
【0018】
本明細書において、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数とは、その周波数の変化に伴って動作サイクルを行っているシリンダの数が変化する周波数(1秒あたりのシリンダ数)の時間平均のことをいう。本明細書において、非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数(1秒あたりのシリンダ数)とは、その周波数の変化に伴って非動作サイクルを実行するシリンダの数が変化する周波数の時間平均のことをいう。各シリンダはシリンダ作動容積の各サイクルにおいて動作サイクル又は非動作サイクルのいずれかを実行するので、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数と、非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数との和は定数となる。
【0019】
各シリンダが異なる位相で作動する場合、該定数は、典型的にはシリンダ作動容積のサイクルの周波数にシリンダの数を乗じたものと等しい。しかしながら、そうではなく、いくつかのシリンダがシリンダ作動容積のサイクルを通して実質的に同位相で作動する場合、該定数はより小さいものとなる。例えば、複数のシリンダが、シリンダ作動容積のサイクルを通して実質的に同位相を有するC個のシリンダからなる複数のグループを形成して作動する場合、前記定数は、作動室容積のサイクルの周波数に、前記複数のシリンダの数をCで除した結果を乗じたものに等しい。
【0020】
重要なのは、その変化に伴って動作サイクル(又は、場合によっては非動作サイクル)を実行するシリンダの数が変化する周波数である。動作サイクル(又は、場合によっては非動作サイクル)を実行するシリンダの数が一定量だけ変化した場合、それは基本周波数には影響を与えない。例えば、1以上のシリンダが動作サイクルまたは非動作サイクルのいずれを実行すべきかについての連続する決定ポイントにおいて、順に0個、0個、0個、1個、0個、0個、0個、1個のシリンダが動作サイクルを実行することが決定された場合、その基本周波数は、順に1個、1個、1個、2個、1個、1個、1個、2個のシリンダが動作サイクルを実行すると決定することによっては影響を受けない。
【0021】
動作サイクル又は非動作サイクルを実行するシリンダの周波数は、回転シャフトの回転数(1秒あたりの回転数)に比例する。これは、所定のシリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれかを実行することが約束されるポイントが、典型的にはシリンダ作動容積の各サイクル中に1つ存在するためである。例えば、典型的には、シリンダと低圧作動流体ラインとの間の作動流体の流れを調節する電子制御式弁を閉じるか否かについての決定がなされる。
【0022】
このように、本発明では、油圧ポンプ又は油圧モータは、複数のシリンダによって実行される動作・非動作サイクルのパターンに依存し、ある特定の動作・非動作サイクルのシーケンスでは回転シャフトの回転数に比例する周波数において強度ピークを有する振動を生じさせることが見出された。本発明によれば、バルブ制御信号のパターンは、目標正味押しのけ容積を時間平均として生成しつつ、望まれない振動を低減するようにするように制御される。典型的には、バルブ制御信号のパターンは、各シリンダが動作又は非動作サイクルのいずれを行うかを決定することによって、周波数スペクトルの1以上の強度ピークの振動数に影響を与える。しかし、複数のシリンダによって押しのけられる作動流体の量がサイクルとサイクルの間で異なる場合、シリンダ作動容積の各サイクル中にバルブ制御信号の該パターンにより決定される正味押しのけ容積もまた、前記1以上の強度ピークの周波数に影響を与える。
【0023】
いくつかの実施形態では、1以上の前記強度ピークの周波数が、限定された期間(例えば、回転シャフト100回転よりも少ない時間又は回転シャフト10回転よりも少ない時間)、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまることが許容される。これは、望ましくない共鳴振動は、典型的には、ビルドアップ及び振幅の増加にいくらかの時間がかかるためである。
【0024】
前記バルブ制御モジュールは、複数の時間ステップの各々において押しのけ容積決定アルゴリズムを実行して前記押しのけ容積需要信号及びシリンダ作動容積の以前のサイクルにおける作動流体の前記正味押しのけ容積を処理し、それまでに押しのけられた作動流体の総量と、それまでに要求された作動流体の需要の総量との差が閾値を超える場合に、少なくとも1つの前記シリンダに、作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルを行わせるように構成されてもよい。
【0025】
前記バルブ制御モジュールは、周波数スペクトルの前記1以上の強度ピークの周波数が前記1以上の望ましくない周波数域の範囲外にある場合にくらべて、シリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれを実行するかについての選択を早める及び/又は遅延させることにより、押しのけ容積需要を満足させながら周波数成分の1以上の成分の前記強度を低減するように構成されてもよい。
【0026】
したがって、前記バルブ制御モジュールは、回転シャフトの回転数に応じて、同一の押しのけ容積(回転シャフト1回転あたりの最大押しのけ容積に対する比率)においてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの異なるパターンを選択し、それにより1以上の望ましくない周波数における振動の生成を低減するように構成されてもよい。
【0027】
前記バルブ制御モジュールは、前記閾値を変更させて、それにより前記1以上のシリンダの動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の望ましくない周波数成分の強度を低減させるように構成されてもよい。
【0028】
典型的には、前記閾値は、前記周波数スペクトル少なくとも1つの前記強度ピークが、閾値を変更しなければ1以上の前記望ましくない周波数域の範囲内に存在することとなるであろうことが特定された場合にのみ変更される。
【0029】
望ましくない周波数域は、それぞれ、典型的には最大の共振の周波数よりも高い領域及び低い領域に広がる周波数の領域である。
【0030】
前記閾値は、回転シャフトの回転数及び所定の基準を満たす押しのけ容積需要信号(該押しのけ容積需要信号は、これらの基準が満たされた場合に、前記周波数スペクトルの少なくとも1つの前記強度ピークの周波数が少なくとも1つの前記望ましくない周波数域の範囲に入るであろうと期待されるように選択される。)に応答して変化させてもよい。
【0031】
1以上の前記望ましくない周波数域における周波数スペクトルの強度を低減させるように、前記閾値を交互に上昇及び下降させるようになっていてもよい。
【0032】
作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルをシリンダが実行すべきかどうかについての決定の周波数の1/2と1/10の間の周波数において前記閾値を交互に上昇及び下降させるようになっていてもよい。
【0033】
前記望ましくない周波数域の範囲内の望ましくない周波数の1/2と1/10の間の周波数において前記閾値を交互に上昇及び下降させる(前記範囲は、そのようにしなければ前記周波数スペクトルの少なくとも1つの強度ピークが該範囲内において減少するであろう範囲である)ようになっていてもよい。前記望ましくない周波数域の中間部における周波数の1/2と1/10の間の周波数において前記閾値を交互に上昇及び下降させる(前記範囲は、そのようにしなければ前記周波数スペクトルの少なくとも1つの強度ピークが該範囲内において減少するであろう範囲である)ようになっていてもよい。
【0034】
前記周波数スペクトルの1以上の前記強度ピークの周波数が1以上の前記望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように、前記バルブ制御モジュールに受け取られる前記押しのけ容積需要信号が選択的に変調されるようになっていてもよい。
【0035】
前記押しのけ容積需要信号は、周期的な変調波形によって選択的に変調されるようになっていてもよい。
【0036】
前記周期的な変調波形は、典型的には矩形波である。前記周期的な変調波形はデューティー比が50%であってもよい。該変調は、押しのけ容積決定アルゴリズムによって処理された押しのけ容積需要が、1以上の前記望ましくない周波数域の範囲にある前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの原因となるであろう値のままとならないようにする効果を有する。典型的には、前記周期的な変調波形は、押しのけ容積需要信号に加算される。典型的には、前記周期的な変調波形は平均振幅がゼロであり、そのため押しのけ容積の時間平均を変化させない。該押しのけ容積要求には、単一の幾何平均を有する周期的な波形を乗じてもよい。
【0037】
前記押しのけ容積需要信号は、受け取った(変調されていない)押しのけ容積需要信号と同一の時間平均値を依然として有していながら、望ましくない周波数域の範囲内に存在する前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数の原因となるであろう前記押しのけ容積需要信号の値の範囲外にいるままとなるように(前記回転シャフトの回転数を考慮して)選択的に変調されるようになっていてもよい。選択的に変調された押しのけ容積需要信号は、その平均値が受け取った(変調されていない)押しのけ容積需要信号と実質的に同一となるように選択されたデューティー比となる第1値と第2値とを交互にとるようになっていてもよい。前記第1値及び第2値は、典型的には、押しのけ容積需要信号の前記範囲の上端値(またはそれ以上)及び下端値(又はそれ以下)における押しのけ容積需要である。押しのけ容積需要信号の前記葉には、前記望ましくない周波数域及び回転シャフトの回転数に依存する。
【0038】
前記選択的な変調は、典型的には、該選択的な変調をしなければ、前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークが1以上の前記望ましくない周波数域に入るであろうという決定に応答して行われる。前記選択的な変調は、回転シャフトの回転数及び所定の基準を満たす押しのけ容積需要信号(これは、それらの基準が満たされた場合に、前記周波数スペクトルの少なくとも1つの前記強度ピークの周波数が前記望ましくない周波数域の少なくとも1つに入るであろうと期待されるように選択される)に応答して行われてもよい。
【0039】
前記バルブ制御モジュールは、累積押しのけ容積誤差値を格納する積算器と、時間ステップ毎に前記押しのけ容積需要信号で表される前記押しのけ容積需要を前記累積押しのけ容積誤差値に加算する加算器と、同一の又は前回の時間ステップにおいて前記バルブ制御モジュールの能動的な制御の下で押しのけられた作動流体の量を表す値を減算する減算器と、を備えてもよい。
【0040】
前記同一又は前回の時間ステップのいずれにおいて押しのけられた作動流体の量を減算するかは、いつその時間ステップが完了したとみなされるかに依存する実行オプションである。したがって、前記累積押しのけ容積誤差値は、それまでに押しのけられた作動流体の総量とそれまでに要求された作動流体の需要の総量との差を表す。
【0041】
又は、前記バルブ制御モジュールは、前記要求された押しのけ容積と前記決定された押しのけ容積とを統合して、これら2つの差が閾値を超えるかどうかを考慮することができるようになっていてもよい。
【0042】
前記バルブ制御モジュールは、前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転速度を考慮して、前記バルブ制御モジュールが第1の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択する場合に生成されるであろう前記複数のシリンダにより実行される動作・非動作サイクルの前記パターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数を特定し、特定された前記1以上の周波数を1以上の望ましくない周波数域と比較し、特定された周波数の少なくとも1つが望ましくない周波数域の少なくとも1つの範囲内にある場合には、通常、前記第1の手続に代えて第2の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択して、それにより前記周波数域の少なくとも1つにおける前記周波数スペクトルの前記強度を低減させる周波数決定モジュールを備えてもよい。複数のシリンダによって実行される前記動作・非動作サイクルのパターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数は、動作サイクルの周波数、又は非動作サイクルの周波数、又はそれらの調和周波数を計算するステップを含む方法によって計算することができる。(前記第2の手続は、典型的には、
前記周波数域の少なくとも1つの範囲内にある周波数スペクトルの成分の強度が低減されたシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを生成するものである。)
【0043】
前記第1の手続は、シリンダが作動流体を押しのけるために使用可能であるか否かを任意的に考慮して、作動流体の正味押しのけ容積が前記押しのけ容積需要に最もよく合致するようにシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを選択するアルゴリズムの実行を含んでもよい。前記第1の手続は、選択された全ての動作サイクルが同一の量の作動流体(例えば、押しのけることが可能な最大の作動流体の量)を押しのける手続であってもよい。前記第2の手続は、異なるアルゴリズムの実行を含んでもよい。前記第2の手続は、該アルゴリズムへの入力、該アルゴリズムの出力又は該アルゴリズムのパラメータの変更を含んでもよい。
【0044】
前記バルブ制御モジュールは、前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行される動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の強度ピークの周波数を決定してもよい。前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転数は、1以上の強度ピークの周波数の決定において考慮される2つだけの連続的に変化する変数であってもよい。前記バルブ制御モジュールは、動作サイクル及び/又はその1以上の調和周波数、及び又は、非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数及び/又はその1以上の調和周波数を実行するシリンダの基本周波数を計算することによって、前記シリンダにより実行される動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の強度ピークの周波数を決定してもよい。
【0045】
考慮される回転シャフトの回転数は、典型的には測定された回転シャフト回転数である(これは、例えば、前記シャフトセンサによって測定されたもの、又は、前記シャフトセンサから受け取ったデータを処理することによって得られたものであってもよい)。しかし、回転シャフトの回転数は、例えば、ある特定の値を有するように計算又は制御されてもよい。
【0046】
前記バルブ制御モジュールは、回転シャフト速度信号を受け取り、前記閾値を変更すべきか否かを決定する際に該回転シャフト速度信号を考慮するようになっていてもよい。前記バルブ制御モジュールは、回転シャフト速度信号を受け取り、該回転シャフト速度信号を考慮してシリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれを実行すべきかについての決定の現在の周波数を特定し、それによって前記閾値が変更されるべきかどうかを決定するように構成されていてもよい。
【0047】
前記望ましくない周波数域の少なくとも一部は、前記油圧トランスミッションの1以上の構成部品又は油圧トランスミッションを含む機械の一部である1以上の構成部品の最大の共振の周波数に対応する周波数を含んでいてもよい。
【0048】
例えば、前記体作動機械は、1以上のブレードとタワーとを有する風力発電装置の一部であってもよく、前記周波数域の少なくとも一部は、前記ブレード及び/又はタワーの最大の共振の周波数を含んでもよい(例えば、そこに集中していてもよい)。
【0049】
前記1以上の望ましくない周波数域のうちの少なくとも1つは、前記シリンダが連結され、前記1以上のシリンダにより作動流体の押しのけを駆動する又は該押しのけによって駆動される回転シャフトの最大の共振の周波数に対応するものであってもよい。
【0050】
本明細書において、「機械的につながっている」及び「機械的に連結される又は接続される」とは、油圧回路を介して油圧ポンプ又は油圧モータに連結されることを含む(油圧回路及びアクチュエータを介して札属されることを含む)。本明細書において、油圧ポンプ及び油圧モータとは、油圧ラムを含む(加圧された作動油のソース又はシンクとしての機能を果たす場合)。
【0051】
本発明は、第2の態様において、
可変容量型の油圧ポンプと、
可変容量型の油圧モータと、
前記油圧ポンプに連結された、前記油圧ポンプを駆動するための駆動シャフトと、
前記油圧モータに連結された、負荷への連結のための出力シャフトと、を備える油圧トランスミッションであって、
前記油圧ポンプ及び油圧モータのうち少なくとも1つは、本発明の第1の態様に係る油圧ポンプ又は油圧モータである油圧トランスミッションにも及ぶ。
【0052】
本発明は、前記油圧トランスミッションを備える風力発電装置にも及ぶ。前記風力発電装置は、前記油圧ポンプに連結され、複数のブレードを備えるタービンと、前記油圧モータに連結された発電機と、を備えてもよい。
【0053】
1以上の前記望ましくない周波数域は、ブレードの共振周波数、タービンの共振周波数、風力発電装置のタワーの共振周波数、及びタービンを油圧ポンプに連結する駆動シャフトの共振周波数のうち1以上を含んでもよい。
【0054】
前記油圧トランスミッションは、トランスミッションコントローラを備えてもよい。前記トランスミッションコントローラは、1以上の前記望ましくない周波数域を決定するように作動可能な共振周波数決定モジュールを備えるか、該共振周波数決定モジュールと電子的に通信するようになっていてもよい。前記共振周波数決定モジュールのさらなる特徴及び本発明の第2の態様の他の任意的な特徴は、本発明の第1の態様に関して上記で説明した特徴に対応する。
【0055】
本発明は、本発明の第2の態様に係る油圧トランスミッションを備える機械及び前記油圧モータ又は前記油圧ポンプとの間で駆動し又は駆動される関係において移動可能な機械的構造にも及び、1以上の前記望ましくない周波数域は、該機械的構造の1以上の共振周波数を含む。前記機械的構造の1以上の前記共振周波数(及び望ましくない周波数領域)は、該機械的構造の構成によって、例えば、油圧モータ又は油圧ポンプとの間で駆動し又は駆動される関係を有する該機械的構造の動きによって変化してもよい。前記構成は、1以上のセンサで測定されてもよい。前記機械的構造は、掘削機のブームや、フォークリフトのリフト機構や、又は架空リフトの伸縮アームであってもよい。
【0056】
本発明は、本発明の第2の態様に係る油圧トランスミッションと、前記油圧ポンプに連結されたエンジンと、前記油圧モータに連結されたアクチュエータ(例えばホイール等)と、を備える車両にも及ぶ。この場合、1以上の前記望ましくない周波数域は、車両ドライブトレイン、車両サスペンション、ステアリング、エンジン、車体、車両シャーシ、又はブームや掘削機のアーム等の作動装置等のうち1以上の共振周波数を含んでもよい。
【0057】
前記油圧ポンプ又は油圧モータは、ポンプとして機能するがモータとしては機能しない流体作動機械であってもよい。油圧ポンプ又は油圧モータは、モータとして機能するがポンプとしては機能しない流体作動機械であってもよい。前記油圧ポンプ又は油圧モータは、選択的な運転モードにおいてポンプ又はモータのいずれかとして選択的に作動可能な流体作動機械であってもよい。
【0058】
本発明は、第3の態様において、油圧ポンプ又は油圧モータの運転方法であって、
前記油圧ポンプ又は油圧モータは、
回転シャフトと、
前記回転シャフトの位置又は回転数を計測するためのシャフトセンサと、
少なくとも1つのローブを有する少なくとも1つのカムと、
前記回転シャフトの回転に伴って周期的に変化する作動容積を有する複数のシリンダと、
低圧作動流体ライン及び高圧作動流体ラインと、
各シリンダと前記低圧・高圧流体ラインとの間の作動流体の流れを調節するための複数のバルブであって、前記バルブの少なくとも1つは、各シリンダと関連する電気制御式弁である複数のバルブと、を備え、
前記運転方法は、前記複数のシリンダによる作動流体の目標正味押しのけ容積を表す押しのけ容積需要信号を受け取ること、及び、シリンダ容積の各サイクルについて、シリンダ作動容積のサイクルと位相関係を有するように前記電気制御式弁を能動的に制御し、それにより、各シリンダが作動流体の正味押しのけ容積が存在する動作サイクルを実行するか、それとも作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクルを実行するかを決定するための指令信号を生成することを含み、
前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行される動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数が、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように指令信号のパターンを選択しながら、前記複数のシリンダの正味押しのけ容積の時間平均が、前記押しのけ容積需要信号によって表される押しのけ容積需要に合致するように前記指令信号を選択することを特徴とする運転方法にも及ぶ。
【0059】
1以上の強度ピークの前記周波数が、限定された期間(例えば、回転シャフト100回転よりも少ない時間又は回転シャフト10回転よりも少ない時間)、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまるようになっていてもよい。
【0060】
前記方法は、1以上の前記望ましくない周波数域を決定することを含んでもよい。前記1以上の共振周波数(そしてそれ故望ましくない周波数域)は、前記回転シャフトの回転数に伴っては変化しないものであってもよい。1以上の前記共振周波数は、(そしてそれ故望ましくない周波数域は)、前記回転シャフトの回転数に伴って変化するが、前記回転シャフトの回転数に比例しないものであってもよい。
【0061】
前記方法は、1以上の前記共振周波数を決定する1以上のパラメータを測定し(例えば、1以上のセンサを用いて測定する)、それによって1以上の前記望ましくない周波数域を決定することを含んでもよい。前記パラメータの1以上(又は全て)が前記回転シャフトの回転数とは独立であってもよい。
【0062】
前記方法は、信号(例えば、前記高圧ラインの圧力、前記回転シャフトの回転数、又は、機械において共振する可能性のある部分に取り付けられたセンサ(例えば加速度計や歪みゲージ)からの信号等)を解析して1以上の振動及び前記1以上の振動の前記共振周波数を(例えば周波数解析により)特定すること、そして、前記特定された1以上の振動数を含めて、前記望ましくない周波数域のうちの1以上を決定することすることを含んでもよい。
【0063】
前記方法は、複数の時間ステップの各々において押しのけ容積決定アルゴリズム実行して、それまでのシリンダ作動容積のサイクル中の作動流体の前記押しのけ容積需要及び前記正味押しのけ容積を処理し、それまでに押しのけられた作動流体の総量とそれまでに要求された作動流体の需要の総量との差が閾値を超える場合に少なくとも1つの前記シリンダに作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルを実行させることを含んでもよい。
【0064】
前記方法は、周波数スペクトルの前記1以上の強度ピークの周波数が前記1以上の望ましくない周波数域の範囲外にある場合にくらべて、シリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれを実行するかについての選択を早める及び/又は遅延させることにより、押しのけ容積需要を満足させながら周波数成分の1以上の成分の前記強度を低減することを含んでもよい。
【0065】
したがって、同一の押しのけ容積(回転シャフト1回転あたりの最大押しのけ容積に対する比率)において動作・非動作サイクルを実行する複数のシリンダの前記パターンは、前記回転シャフトの回転数に応じて変化し、それにより1以上の望ましくない周波数における振動の生成を低減するようになっていてもよい。
【0066】
前記閾値を変更させて、それにより前記1以上のシリンダの動作サイクルの前記パターンの1以上の望ましくない周波数成分の強度を低減させるようになっていてもよい。前記閾値の変更のさらなる任意的な特徴は、前述したとおりである。
【0067】
典型的には、前記閾値は、前記周波数スペクトル少なくとも1つの前記強度ピークが、閾値を変更しなければ1以上の前記望ましくない周波数域の範囲内に存在することとなるであろうことが特定された場合にのみ変更される。望ましくない周波数域は、それぞれ、典型的には最大の共振の周波数よりも高い領域及び低い領域に広がる周波数の領域である。
【0068】
前記方法は、累積押しのけ容積誤差値を格納し、各時間ステップにおいて、前記押しのけ容積需要信号により表される前記押しのけ容積需要を加算し、同一の又は前回の時間ステップにおいて前記バルブ制御モジュールの能動的な制御の下で押しのけられた作動流体の量を表す値を減算することにより、前記格納された累積押しのけ容積誤差値を更新することを含んでもよい。したがって、前記方法は、それまでに押しのけられた作動流体の総量とそれまでに要求された作動流体の需要の総量との差を表す累積押しのけ容積誤差値を格納及び更新することを含んでもよい。または、前記方法は、前記要求された押しのけ容積と前記決定された押しのけ容積の値を統合して、これら2つの差が閾値を超えるかどうかを考慮することを含んでもよい。
【0069】
前記方法は、前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転速度を考慮して、前記バルブ制御モジュールが第1の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択する場合に生成されるであろう前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数を特定し、特定された前記1以上の周波数を1以上の望ましくない周波数域と比較し、特定された周波数の少なくとも1つが望ましくない周波数域の少なくとも1つの範囲内にある場合には、通常、前記第1の手続に代えて第2の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択して、それにより前記周波数域の少なくとも1つにおける前記周波数スペクトルの前記強度を低減させることを含んでもよい。複数のシリンダによって実行されるシリンダ作動容積の前記動作・非動作サイクルのパターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数は、動作サイクルの周波数、又は非動作サイクルの周波数、又はそれらの調和周波数を計算するステップを含む方法によって計算することができる。前記第1及び第2の手続のさらなる任意的な特徴は、前述したとおりである。
【0070】
前記バルブ制御モジュールは、前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の強度ピークの周波数を決定してもよい。前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転数は、1以上の強度ピークの周波数の決定において考慮される2つだけの連続的に変化する変数であってもよい。前記バルブ制御モジュールは、動作サイクル及び/又はその1以上の調和周波数、及び又は、非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数及び/又はその1以上の調和周波数を実行するシリンダの基本周波数を計算することによって、前記シリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の強度ピークの周波数を決定してもよい。
【0071】
前記方法は、回転シャフト速度信号を受け取り、前記閾値を変更すべきか否かを決定する際に該回転シャフト速度信号を考慮することを含んでもよい。前記方法は、回転シャフト速度信号を受け取り、該回転シャフト速度信号を考慮してシリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれを実行すべきかについての決定の現在の周波数を特定し、それによって前記閾値が変更されるべきかどうかを決定することを含んでもよい。
【0072】
本発明の第3の態様のさらなる任意的な特徴は、本発明の第1又は第2の態様との関係で既に説明したものであり、本発明のいずれかの態様との関係で説明した任意的な特徴は、本発明の各態様における任意的な特徴である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
以下に、本発明の例示的な実施形態を、下記内容の図面を参照して説明する。
【0074】
図1】本発明に係る風力発電装置の概略構成図である。
図2】本発明に係る油圧モータの概略構成図である。
図3】油圧モータのバルブ制御モジュールの概略構成図である。
図4】トランスミッションバルブ制御モジュールの動作のフロー図である。
図5】通常運転モードにおいて個々のシリンダによる押しのけ容積を決定するための押しのけ容積決定アルゴリズム(第1の手続)のフロー図である。
図6】第1の手続に係る押しのけ容積決定アルゴリズムの繰り返しの実行を示す表である。
図7図5及び6に示す押しのけ容積決定アルゴリズムの制御ロジックを示す概略図である。
図8図8A及び図8Bは、要求された押しのけ容積に対する、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルを実行する複数のシリンダのパターンの周波数スペクトルの強度ピークの周波数の変化を示す図である。
図9図9A及び図9Bは、回転シャフトの回転数が1,000rpmで一定である場合の一実施形態における、作動流体の押しのけ容積レートが最大押しのけ容積の0%から100%まで変化する際の動作・非動作サイクルを実行する複数のシリンダのパターンの周波数スペクトルの周波数成分の強度の変化を示す周波数スペクトル(ソノグラム)の例である。
図10】押しのけ容積需要信号に対する、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数及び非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数の変化を示す図である。
図11図11A〜11Dは、4通りの押しのけ容積需要信号の値における、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルを実行するように選択された複数のシリンダのパターンの周波数スペクトルを示す図である。
図12】本発明に係る決定の閾値を変更するための制御ロジックを示す概略図である。
図13】本発明に係る決定の閾値を変更するための制御ロジックを示す概略図である。
図14】本発明に係る方法による動作サイクルの選択を示す表である。
図15】連続する決定ポイントの後のACCUMULATORの値を示すグラフである。
図16】ポンプ又はモータのシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルにおける閾値変調の効果を示す図である。
図17】本発明の一実施形態において変更された押しのけ容積需要信号を示す図である。
図18】油圧掘削機の概略構成図である。
図19】車両トランスミッションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1に示す風力発電装置1はタワー4に支持されるタワーナセル2を備え、複数のブレード8が取り付けられるタービン6を有する。
【0076】
ナセルは、油圧トランスミッション10を収容し、油圧トランスミッションは、駆動シャフト14を介して前記タービンに連結される回転シャフトを有する油圧ポンプ12を備える。前記トランスミッションは、発電機駆動シャフト20を介して発電機18に連結される回転シャフトを有する油圧モータ16をも含む。前記発電機は、コンタクタ22を介して配電網に連結される。
【0077】
油圧トランスミッション内部では、作動流体として機能する油がタンク24から低圧作動油ライン26を通って油圧ポンプの入力側に供給される。加圧された油は、油圧ポンプの出力側から、油空圧アキュムレータ30と連通する高圧作動油ライン28を通って油圧モータの入力側へと運ばれる。
【0078】
前記ナセルは、制御信号を油圧ポンプ及び油圧モータに送って油圧ポンプ及び油圧モータの押しのけ容積を調整することで油圧トランスミッションを制御するトランスミッションコントローラ32をも収容する。制御信号(押しのけ容積需要信号)は、前記ポンプ及びモータによる押しのけ容積を要求する。該押しのけ容積は最大押しのけ容積に対する割合(押しのけ容積需要)として表現される。押しのけ容積(1秒あたりの作動流体の体積)の絶対容積は、最大押しのけ容積に対する割合と、前記ポンプ又はモータの回転シャフトの1回転あたりに押しのけられ得る最大容積と、ポンプ又はモータの回転シャフトの回転速度(1秒あたりの回転数)との積となる。したがって、トランスミッションコントローラは、駆動シャフト14を介して加えられるトルク(油圧ポンプの押しのけ容積(1秒あたりの体積)及び高圧作動流体ライン内の圧力に比例する)を調節することができる。トランスミッションコントローラは、油圧モータの押しのけ容積(1秒あたりの容積)に依存する電力生成率及び高圧作動流体ライン内の圧力を調整することもできる。高圧作動流体ライン内の圧力は、油圧ポンプが、油圧モータよりも大きな押しのけ容積(1秒あたりの体積)で油を押しのける場合に増加し、油圧モータが、油圧ポンプよりも小さな押しのけ容積(1秒あたりの体積)で油を押しのける場合に減少する。前記油空圧アキュムレータは、高圧側の作動流体の総量が変化することを許容する。一実施形態では、複数の油圧ポンプ及び/又は複数の油圧モータが、高圧流体ラインと流体的に連通し、そのため、各々の押しのけ容積が考慮されなければならない。
【0079】
トランスミッションコントローラは、入力として、前記ポンプ及びモータの回転シャフトの回転数、及び、高圧作動油ライン内圧力の計測結果を含む信号を受け取る。トランスミッションコントローラは、風速計34からの風速信号、配電網からの情報、制御信号(例えば起動又は停止の指令や、突風に前もって高圧作動流体ラインの圧力を増加又は減少させるための指令等)、又は他のデータを必要に応じて受け取ってもよい。
【0080】
トランスミッションコントローラは、タワーの中に配置された加速度計36を用いて計測することができるタワーにおける共鳴や、風車ブレードに取り付けた加速度計又は歪みゲージ38を用いて計測することができる風車ブレードにおける振動等といった、風力発電装置における共鳴を考慮してもよい。
【0081】
トランスミッションコントローラ32は、ソリッドステートメモリ等の有形のコンピュータ可読媒体を備えるデータストレージ42と電気的に接続する単一のプロセッサ40を含む。該データストレージにはプログラム及び運転時に必要なデータが記憶される。前記ポンプ及びモータのマシンコントローラ(図1には示されない)は、少なくともその一部がバルブ制御モジュールとして機能し、トランスミッションコントローラから要求される押しのけ容積に応答するバルブ制御信号を生成する。当業者は、前記トランスミッションのコントローラは、各々が制御機能の全体の一部を実行する複数の分散したコンピュータデバイスとして実装されてもよく、単一の装置として実装されてもよいことを理解するであろう。
【0082】
図2は、シリンダの内側表面と、回転シャフト108から偏心カム110によって駆動され、シリンダの作動容積を周期的に変化させるようにシリンダ内部を往復運動するピストン106と、によって画定される作動容積102を有する複数のシリンダ100を備える、電子的に整流された流体作動機械の形式の油圧モータ16を示す図である。回転シャフトは、発電機駆動シャフト20に固く接続され、該発電機駆動シャフト20とともに回転する。シャフト位置及び速度センサ112は、ある瞬間のシャフトの角度位置及び回転数を測定し、信号ライン114を通して前記モータのマシンコントローラ116に知らせる。これによりマシンコントローラがその瞬間の各シリンダのサイクルの位相を特定することができる。
【0083】
シリンダは、それぞれ、電子的に作動される面シールポペット弁118の形式の低圧バルブ(LPV)と関連している。低圧バルブは、それぞれが関連するシリンダに向かって内側に向いており、シリンダから低圧作動流体ライン120に延びるチャネルを選択的にシールするように動作可能である。低圧作動流体ラインは、1つ又はいくつかの、又は図に示されるように全てのシリンダを、風力発電装置の低圧作動流体ライン26に接続するようになっていてもよい。前記LPVは、シリンダ内部の圧力が低圧作動流体ライン内の圧力以下になると、すなわち吸入ストローク中に、シリンダを低圧作動流体ラインと流体的に接続させるように受動的に開くが、LPV制御ライン124を介したコントローラの能動的な制御の下で、シリンダの低圧作動流体ラインとの流体的な接続を切断するように選択的に閉弁可能な、ノーマルオープンソレノイドクローズ型のバルブである。別の電子制御式のバルブ、例えばノーマルクローズソレノイドオープンのバルブを用いてもよい。
【0084】
シリンダはそれぞれ、圧力作動送出し弁の形式の高圧バルブ(HPV)126とも関連している。HPVはシリンダから外側に向いて開き、シリンダから高圧作動流体ライン122に延びるチャネルをシールするように動作可能である。高圧作動流体ラインは、1つ又はいくつかの、又は図に示されるように、全てのシリンダを、前記トランスミッションの高圧作動流体ライン28に接続するようになっていてもよい。前記HPVは、シリンダ内の圧力が高圧作動流体ライン内の圧力を超えると受動的に開くノーマルクローズ圧力オープンのチェック弁として機能する。HPVは、関連するシリンダの圧力によってそのHPVが一旦開かれると、コントローラがHPV制御ライン132を介して選択的に開弁状態を維持してもよい、ノーマルクローズソレノイドオープンのチェック弁として機能してもよい。典型的には、HPVは、高圧作動流体内の圧力に抗ってコントローラによって開弁することはできない。HPVは、それに加え、高圧作動流体ラインには圧力が存在するがシリンダには存在しない場合に、コントローラの制御の下で開弁可能であってもよく、又は、例えば、バルブが国際公開第2008/029073号又は国際公開第2010/029358号に記載のタイプのものであり前記文献に記載の方法にしたがって作動するもの等である場合、部分的に開弁可能であってもよい。
【0085】
例えば、欧州特許出願公開第0361927号、欧州特許出願公開第0494236号及び欧州特許出願公開第1537333号(これらの内容をここに引用し、本明細書の開示として取り入れるものである)に記載の通常モードの運転では、モータコントローラは、油圧モータによる高圧作動流体ラインからの流体の正味押しのけ容積レートを、1以上のLPVを、それが関連するシリンダのサイクルの最小容積の点の直前に能動的に閉じることで選択し、低圧作動流体ラインへの通路が閉じられて、残りの収縮ストロークによってシリンダ内の流体が圧縮される。前記関連するHPVは、そのHPV前後の圧力が等しくなり、少量の流体が該関連するHPVを通って外へ移動させられると開く。モータコントローラはその後、典型的には該関連するシリンダのサイクルにおいて最大容積の付近となるまで、該関連するHPVを開弁されたままに維持して、高圧作動流体ラインからの流体を許容し回転シャフトにトルクを作用させる。
【0086】
選択的なポンピングモードでは、前記コントローラは、油圧モータによる高圧作動流体ラインへの流体の正味の押しのけ容積レートを、典型的には、関連するシリンダのサイクルにおける最大容積の点の付近で1以上の前記LPVを能動的に閉じることによって選択する。そうすると低圧作動流体ラインへの通路が閉じられ、この後の収縮ストロークでは該関連するHPVを通って流体が外側に移動させられる(しかしHPVを能動的に開いたままにするわけではない)。前記コントローラは、選択された正味の押しのけ容積レートを満足するように流れを生成し又はシャフトトルク若しくは出力を生成するように、LPVの閉弁及びHPVの開弁の数及び順序を選択する。前記コントローラは、サイクル毎にLPVを閉じるか開いたままとするかを決定するのみならず、HPVを閉じる位相をシリンダ容積の変化に対して微細に変化させて、それにより高圧作動流体ラインから低圧作動流体ラインへの、又はその逆の、流体の正味の押しのけ容積レートを選択するように作動可能である。
【0087】
図におけるポート122,28の矢印は、モータリングモードにおける流体の流れを示す。ポンピングモードでは、流れはその逆になる。圧力リリーフ弁128が、油圧モータを損傷から保護するようになっていてもよい。
【0088】
図3は、モータのマシンコントローラ116の概略構成図である。ポンプコントローラの構成はこれに対応する。プロセッサ150(例えばマイクロプロセッサやマイクロコントローラ等)は、バス152を通してメモリ154及び入出力ポート156と電子的に通信するようになっている。メモリは、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて各シリンダによって押しのけられる作動流体の正味の容積を決定するための押しのけ容積決定アルゴリズムの実行が実装されるプログラム158とともに、累積押しのけ容積誤差値を格納する1以上の変数160を格納し、該メモリは、さらに、例えば各シリンダ角度位置に関するデータ163や各シリンダが(例えばシリンダが故障しているため)無効化されているか否かに関するデータ164等の各シリンダに関するデータを格納するデータベース162を格納する。いくつかの実施形態では、前記データベースは各シリンダが動作サイクルを行った回数165を格納する。いくつかの実施形態では、前記プログラムは、共振決定モジュールとして機能するプログラムコード159を備え、1以上の望ましくない周波数域を計算する。
【0089】
前記コントローラは、押しのけ容積需要信号34、シャフト位置(すなわち、方向)信号166、及び、典型的には高圧ライン内の圧力の計測値168を受信する。回転シャフトの回転数は、シャフト位置の変化率から特定され、回転シャフトの回転数として機能する。コントローラからの出力は、高圧バルブ制御ライン126を通る高圧バルブ制御信号及び低圧バルブ制御ライン118を通る低圧バルブ制御信号を含む。コントローラは、シリンダからの押しのけ容積の総量を、時間をかけて押しのけ容積需要に合致させることを目標とするように構成される。シャフト位置は、シリンダ作動容積のサイクルと位相の関連性をもってバルブ制御信号が生成されることを可能とすることが要求される。圧力の計測値は、押しのけられた作動流体の正確な量を特定するために、又は他の計算において、用いることができる。コントローラは、シリンダが故障しているか、そしてそのため無効とされているか否かを示す信号であって、データベース162がそれに基づいて更新されることを可能とするための信号を受信してもよい。
【0090】
油圧ポンプは、上述したポンピングモードで作動し、典型的にはより大きなスケールで作動することを除けば、概して油圧モータに対応する。単一ローブの偏心カムの代わりに、マルチローブのリングカムが用いられてもよい。高圧バルブはコントローラにより能動的に制御される必要はなく、チェック弁であってもよい。
【0091】
図4に示す手続による油圧トランスミッションの運転中、油圧トランスミッションコントローラ30は、タービン2の回転数(タービンと油圧ポンプの回転シャフトは連結されているため、これは、該回転シャフトの回転数と同一であるか、又は該回転シャフトのギア比である)及び加圧流体作動流体ライン18内の圧力とともに、風速を含む入力信号を受信する(200)。次に、トランスミッションコントローラは、複数の異なる風速における理想目標トルク及びシャフト回転速度をまとめたルックアップテーブル204を参照して、油圧ポンプによりタービンに作用させる目標トルクを決定する(202)。目標トルクが決定されると、その後トランスミッションコントローラは、前記目標トルクを得るために必要な油圧ポンプの押しのけ容積を計算する(206)。これはその後、ポンプにより受け取られる押しのけ容積需要信号として油圧ポンプへ送られる。作動流体の容積及び押しのけ容積レートは、適切な単位を用いて計算することができる。この押しのけ容積需要は、例えば、回転シャフト1回転あたりに油圧ポンプが提供可能な最大押しのけ容積に対する割合として表現することができる。この例においては、押しのけ容積は、回転シャフト1回転あたりの最大出力の平均比率として表現される。これが表す押しのけ容積の実レートは、1秒あたりの流体の体積として表現され、押しのけ容積需要、1つのシリンダにより押しのけられ得る最大容積、シリンダの数、及びポンプの回転シャフトの回転数の積となる。結果として得られるトルクは、この押しのけ容積及び高圧作動流体ライン内の圧力に比例する。
【0092】
ポンプの押しのけ容積が計算されると、モータの押しのけ容積も計算することができる。典型的には、モータの押しのけ容積は、所望の加圧流体ライン内の圧力を維持するように計算される。計算された押しのけ容積は、モータへ送られ、モータの需要押しのけ容積信号として受け取られる。しかし、いくつかの他のファクターを考慮に入れてもよい。例えば、モータの押しのけ容積需要は、高圧作動流体ライン内の圧力を変化させるために変化させてもよい。なお、高圧作動流体ライン内の圧力は、(1秒あたりの容積において)モータの押しのけ容積が油圧ポンプによる押しのけ容積よりも小さい時に増加し、(1秒あたりの容積において)油圧モータの押しのけ容積が油圧ポンプの押しのけ容積よりも大きい時に減少する。他のファクターが存在してもよい。例えば、風損を低減し、発電効率を高めるために、発電機のうちの1つまたは両方が、実質的に一定のトルクでの運転とスイッチ切断との間で切り替えられることが望ましい。
【0093】
この例示的な実施形態では、油圧モータは図2に示す構成を有し、ピストンを駆動するカムは単一のローブを有するので、油圧モータの回転シャフトが1回転するごとに1回のシリンダ作動容積のサイクルが存在する。
【0094】
図5は、望ましくない周波数が生成されるであろうと特定されていない場合の標準の運転手続(第1の手続)において、各シリンダによる正味押しのけ容積を連続して決定するために油圧モータによって実行される手続きを示す図である。この手続が開始すると(300)、格納された変数ACCUMULATOR160がゼロに設定される(302)。該変数ACCUMULATORは、押しのけ容積需要で表される作動流体の押しのけ容積の量と、実際に押しのけられた量との差を格納する。
【0095】
その後、油圧モータの回転シャフトは、ある1個のシリンダの決定ポイントに達するまで回転する(304)。図2に示す例においては、8個のシリンダが存在し、したがって各決定ポイントは、回転シャフトの回転において45°ずつ離れている。決定ポイントと決定ポイントの間に生じる実際の時間は、したがって、回転シャフトが45°回転するのに必要な時間であって、これは該回転シャフトの回転数に反比例する。
【0096】
各決定ポイントにおいて、モータコントローラは、トランスミッションコントローラから受け取ったモータの押しのけ容積需要を読み込む(306)。そしてコントローラは、ACCUMULATORと需要押しのけ容積との和である変数SUMを計算する(308)。次に、考慮されているシリンダのステータスがチェックされる(310)。これは、シリンダのデータのデータベース162,164を参照して実行される。もしシリンダが無効にされていると判断された場合(例えば、そのシリンダが故障している場合等)は、そのシリンダについてはそれ以上の行動はとられない。このメソッドは、次のシリンダの決定ポイントに達すると、ステップ304から繰り返される。
【0097】
シリンダが無効にされていないと判断された場合は、その後、SUMは閾値と比較される(312)。この閾値は、採り得るオプションが、正味押しのけ容積の存在しない非動作サイクルか、又は、シリンダによる作動流体の最大押しのけ容積が選択される完全な押しのけ容積動作サイクルのいずれかだけである場合には、単純に、そのシリンダによって押しのけ可能な作動流体の最大容積であってもよい。しかし、前記閾値は、より高い値又はより低い値であってもよい。例えば、前記閾値は、例えばシリンダの最大押しのけ容積の一部のみが押しのけられる部分サイクルを実行することが望まれる場合等においては、1つのシリンダによる最大押しのけ容積よりも小さくてもよい。
【0098】
SUMが前記閾値以上である場合には、そのシリンダが動作サイクルを実行することが決定される。SUMが前記閾値以下である場合には、そのシリンダが、次のシリンダ作動容積のサイクルにおいて非動作サイクルとなり、正味押しのけ容積がゼロとなることが決定される。
【0099】
制御信号は、その後、決定されたとおりに動作サイクル又は非動作サイクルを考慮対象のシリンダに実行させるため、該シリンダの低圧及び高圧バルブに送られる。(ポンピングの場合には、高圧バルブは電気的に制御されず、制御信号は低圧バルブのみに関与するようになっていてもよい。)
【0100】
このステップは、押しのけ容積需要信号で表される押しのけ容積需要と、押しのけ容積需要信号で表される以前の押しのけ容積とコントローラにより決定された以前の正味押しのけ容積との差(このケースでは、格納された誤差の形をとっている)と、を効果的に考慮に入れ、そして、SUMが閾値以上である場合には、シリンダに作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルを実行させることにより、シリンダによる作動流体の正味押しのけ容積の時間平均を、押しのけ容積需要信号で表される押しのけ容積の時間平均に合致させる。この場合、誤差は、SUMからアクティブなシリンダによる押しのけ容積を引いた差に設定される。SUMが閾値以上ではない場合には、シリンダは非動作とされ、SUMは変更されない。
【0101】
次のシリンダの決定ポイントに到達すると、この手順がステップ304から再度開始される。
【0102】
ACCUMULATOR160は、それまでに要求された押しのけ容積と、実際に押しのけられた容積との差の記録を保持している。各サイクルにおいて、要求された押しのけ容積が押しのけ容積誤差値に可算され、実際に選択された押しのけ容積が減算される。ACCUMULATORは押しのけ容積の需要と実際に提供された押しのけ容積との差を効果的に記録し、この差が閾値を超えるときは動作サイクルが行われる。
【0103】
当業者は、この押しのけ容積決定アルゴリズムの効果は、いくつかのやり方で得ることができることを理解するであろう。例えば、変数ACCUMULATORから選択された押しのけ容積を減算するのではなく、ある期間にわたり、それまでに要求された押しのけ容積と、それまでに押しのけられた押しのけ容積とを加算し、前記の2つが均等に合致し続けるように個々のシリンダの押しのけ容積を選択することも可能である。
【0104】
一実施形態においては、各シリンダ作動容積を通して同位相で作動する複数のシリンダからなるセットが存在してもよい。例えば、カムが複数のローブを有する場合や、又は軸方向に間隔をもって配置されたシリンダのバンクが複数存在する場合に、このようなセットが存在する場合がある。この場合、各決定ポイントにおいて、動作サイクル又は非動作サイクルの選択は、該セットの各シリンダについて一度になされてもよい。
【0105】
図6は、押しのけ容積需要が機械(場合に応じて前記ポンプ又はモータ)の最大押しのけ容積の25%である場合の、連続する時間ステップにおける図5に示す押しのけ容積決定アルゴリズムの動作の例を示す表である。第1列は時間ステップであり、単位は[秒]である。第2列はSUMの比較対象となる閾値である。この例では、該閾値は一定である。第3列は変数SUMの値であり、単位は[%]である。第4列は動作サイクルを実行するように選択されたシリンダ数である。この例では、該シリンダ数はゼロ又は1のいずれかのみである。しかし、複数のシリンダについて決定ポイントが同時に発生する実施形態では該シリンダ数はより多くの数となり得る。第5列はACCUMULATORの値であり、最終列はシリンダが動作サイクルを実行するか否かを示す。この表では、動作サイクルの選択の各々は「通常」とラベルされる。説明の簡単のために、最大押しのけ容積需要の4分の1に等しい一定の押しのけ容積の需要が選択される。しかしながら実際には、押しのけ容積需要は当然ながら変化する。図6に示す例では、4サイクル毎に、すなわち0.4秒毎にシリンダが動作サイクルを実行することが選択されていることがわかる。したがって、シリンダが動作サイクルを実行する選択の基本周波数は2.5Hzであり、シリンダが非動作サイクルを実行する選択の基本周波数は7.5Hzである。回転シャフトの回転数がn倍に増加する場合、両基本周波数もまたn倍に増加することが理解されるであろう。
【0106】
通常、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンは、1以上の強度ピークを含む周波数スペクトルを有する。これらのピークの周波数は、動作・非動作サイクルのシーケンス及び回転シャフトの回転数に応じて変化する。例えば、図6のパターンの場合、前記周波数スペクトルは2.5Hz及び7.5Hzに強度ピークを有することとなる。
【0107】
図7は、図5及び6に示す押しのけ容積決定アルゴリズムを示す概略図である。要求された押しのけ容積は、シグマブロック350に受け取られ、該シグマブロックは前記要求された押しのけ容積と、ACCUMULATORの値を格納するソフトウェア積算器352からの出力との和を計算する。シグマブロックからの出力は比較器354により閾値と比較され、この閾値に到達するか該閾値を超えた場合にはシリンダ有効化356の出力がトリガーされ、シリンダブロックに動作サイクルを実行させる。この出力は増幅器358にも入力される。シグマブロックのための出力は、押しのけ容積決定アルゴリズムの他の部分と同様の%の形式ではなく0と1の間なので、該増幅器はソフトウェア積算器の減算入力に対してゲインを与える。
【0108】
図8Aは、選択された強度ピークと、ポンプ又はモータの最大押しのけ容積(回転シャフト1回転当たりの容積)に対する比率で表される油圧ポンプ又は油圧モータの押しのけ容積需要との間の、周波数の関係を示す図である。押しのけ需要(x軸)が増加するにつれて、動作サイクルを実行するシリンダの選択の振動数(y軸)(動作選択の基本周波数)400と、周波数スペクトルにおいてそれに対応する強度ピークの周波数は線形的に増加し、前記押しのけ容積需要がその最大値に達するとき、シリンダ選択の決定の周波数の周波数に到達する。図8Aは、非動作サイクルを実行するシリンダの選択の周波数402をも示し、これは、周波数スペクトルにおいて対応する強度ピークの周波数である。押しのけ容積需要が油圧ポンプ又は油圧モータの最大押しのけ容積の0%から100%へ増加するにつれて、この周波数がシリンダ選択決定の周波数からゼロへ減少することがわかる。実際には、特的の強度ピークの周波数と押しのけ需要との関係はもっと複雑である場合がある。例えば、図8では、全てのシリンダが、各シリンダのいずれにおいても最大押しのけ容積の100%が押しのけられる動作サイクル又は作動流体の正味押しのけ容積が生成されない非動作サイクルのどちらかであることを仮定している。実際には、複数の動作サイクルにおいて押しのけられる作動流体の量に変動がある場合、このグラフは違うものとなるであろう。
【0109】
図9Aは、回転シャフトの回転数が1000rpmであって、機械が等間隔に(45°ずつ離れて)配置された8個のシリンダからなるバンク2つの形をとった合計16個のシリンダを有し、該2つのバンクは22.5°のオフセットを有する場合の周波数スペクトルデータの計算値を示す。これらのシリンダは、シリンダ作動容積のサイクルにおいて16種類の固有の位相で作動する。周波数スペクトルの周波数成分の強度が濃淡の変化で表されており、強度ピークが見られる。この例では、シリンダ選択決定の基本周波数は1000×16/60=266.7Hzであり、押しのけ容積の割合(すなわち回転シャフト1回転あたりの最大押しのけ容積に対する比率であり、典型的には、押しのけ容積需要信号によって決まる)(x軸)が0から1に増加するにつれて、動作サイクルの基本周波数(励振周波数,y軸)を示す強度ピークが0から266.7Hzに線形的に増加し、非動作サイクルの基本周波数は266.7Hzから0に線形的に減少することがわかる。
【0110】
図8Aを参照すると、ポンプ又はモータコントローラは、タワーの共振周波数404又はブレードの共振周波数408及びこれら共振周波数の両側に広がる帯域406,410内で強度ピークを含む周波数スペクトルを有するシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを選択することを避けようとする。シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルにおける強度ピークとは異なり、これらの共振周波数は回転シャフトの回転数に伴って変化しない。(いくつかの実施形態では、共振周波数のうち1以上(例えば風力発電装置のブレードの共振周波数のうち1以上)は、回転シャフトの回転数にともなって変化してもよいが、回転シャフトの回転数には比例しない。)
【0111】
図8Bは、例えば、各シリンダについて、実質的に同一の位相で作動する他のシリンダが1つ存在する等、複数のシリンダにおいて冗長性がある場合の、動作サイクルを実行するシリンダの周波数及び非動作サイクルを実行するシリンダの周波数の上記に対応する変化(及び、したがって周波数スペクトルにおける対応する強度ピーク)を示す。カムがローブを2つ有する(すなわち、回転軸からの距離が2点において最大であり2点において最小である)場合や、又は、同相で作動する同一のカムにより駆動され、同一のソース又はシンクから作動流体を受け取り又は同一のソース又はシンクへ作動流体を送るシリンダのバンクが2つ存在する場合にこのようになる可能性がある。この場合、シリンダ動作選択の周波数(シリンダが動作サイクルを実行する選択の周波数)が、50%の押しのけ容積需要(同一位相を有するシリンダの数、すなわち冗長数で100%を除したもの)において決定の周波数に達することがわかる。50%の押しのけ需要では、同一位相を有するシリンダの各ペアのうち1つのシリンダが各決定ポイントにおいて選択され、押しのけ容積が増加するにつれて2番目のシリンダの動作選択の周波数がゼロから増加する。非動作サイクルの選択の周波数はこれに対応して変化し、動作サイクルの選択の周波数と非動作サイクルの選択の周波数の合計は、所定のシリンダ選択の周波数のために常に同一となる。
【0112】
図9Bは、8個の等間隔に配置された(45°ずつ離れた)シリンダからなるバンクを2つ、合計16個のシリンダを備える機械に関するデータであって、バンク間にオフセットはなく、したがって各シリンダはシリンダ作動容積のサイクルを通して他方のバンクの対応するシリンダと同位相で作動する場合のデータである点を除いて図9Aと同様である。よって、冗長数は2であり、このためシリンダは8種類の固有の位相のみで作動する。回転数はここでも1000rpmである。シリンダ選択の決定は、2つのシリンダについて一度になされるので、決定の周波数は、図9Aの場合の半分、すなわち133.3Hzである。押しのけ容積の割合が0から0.5に増加するとき、各選択において動作サイクルを選択されるシリンダの数は0又は1のいずれかであり、1つのシリンダが動作サイクルを実行することを選択される決定の比率は0から100%に増加する。よって、動作サイクルの基本周波数は、0から133.3Hzに線形的に増加する。そして、押しのけ容積の割合が0.5であるとき、動作サイクルの基本周波数は0まで下がる。これは、この押しのけ容積の割合においては、考慮対象の2つのシリンダのうちいくつが動作サイクルを実行すべきかについての決定の各回において、1つのシリンダと決定されるためであり、したがって共鳴を生成し得る変化は存在しない。押しのけ容積の割合が0.5から1に増加するときは、2つのシリンダが動作サイクルを実行することとなる決定の比率は0から100%に線形的に増加し、したがって動作サイクルの基本周波数は再度0から133.3Hzに線形的に増加する。非動作サイクルの基本周波数は、133.3Hzから動作サイクルの基本周波数を差し引いたものに等しい。
【0113】
シリンダが動作サイクルを実行するように又は非動作サイクルを実行するように選択される周波数だけでなく、周波数スペクトルの強度ピークは、これらの周波数の調和周波数又は要求された押しのけ容積需要と(少なくとも所定の範囲内において)線形的な相関性を有する他の周波数からも生じる場合がある。これらの調和周波数は図9Aおよび9Bに見られる。
【0114】
図8及び図9において、調和周波数は、押しのけ容積に対する周波数の傾きが、動作又は非動作の基本周波数の線の傾きの正又は負の倍数となっている線によって確認することができる。決定周波数よりも高い調和周波数も典型的には存在し、図8A及び図8Bに示されるように、基本周波数及び調和周波数を決定周波数に関して反転させたものと一致する。
【0115】
図10及び11は、押しのけ容積の割合に対する、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトル450の強度ピーク452,454,456の周波数の変化についてさらなる説明を提供する。図11A〜11Dは、図10に示される異なる押しのけ容積割合A,B,C,Dにおける周波数スペクトルを示す。E1と示される動作サイクルの基本周波数と、D1と示される非動作サイクルの基本周波数は、相互補完の関係にある。
【0116】
本発明によれば、油圧ポンプ・モータコントローラは、シリンダ作動容積のサイクルと位相の関連をもって各シリンダに関連する電子制御式バルブを制御するためのバルブ指令信号生成するようにプログラムされ、シリンダ容積の各サイクルについて、ポンプ又はモータによる正味押しのけ容積の総量の時間平均が、トランスミッションコントローラから受け取られる押しのけ容積需要信号で示される押しのけ容積需要の時間平均に合致するように、各シリンダが動作サイクル又は非動作サイクルの何れを実行するかについての決定をする。しかし、結果として得られるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンが、望ましくない周波数成分の帯域の1以上の範囲内で周波数スペクトルの強度ピークを引き起こす可能性があると特定された場合には、図5及び6に示した手続を用いる代わりに、代替の手続(第2の手続)が採用される。代替の手続を用いると、時間平均として同一の正味押しのけ容積の総量が得られるにもかかわらず、望ましくない周波数域の範囲において周波数スペクトルの成分の強度を低減するようにシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンが微細に変更される。
【0117】
1つのやり方では、図5の手続のステップ312において比較器354で用いられる閾値が、周波数スペクトルの望ましくない強度ピークが除かれるように変更される。
【0118】
図12は、本発明に係るポンプ及び/又はモータコントローラにより実行される手続を示す。ポンプ又はモータに対する押しのけ容積需要がトランスミッションコントローラから受け取られる(500)。

そして、必要に応じて、ポンプ又はモータがその押しのけ容積需要のために図5及び図6に示される押しのけ容積決定アルゴリズムを実行する場合に生じる周波数スペクトルにおける様々な強度ピークの周波数が計算される(502)。このステップは、必要に応じて、入力としてポンプ又はモータの回転シャフトの回転数を必要とする。計算される周波数は、動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数及び非動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数とを含む。典型的には、計算される他の周波数は、これらの線形関数である。典型的には調和周波数(整数倍の周波数)が計算される。しかしながら、いくつかのケースでは、基本周波数の非整数倍の周波数の振動により共振が生じ、又は固定のオフセットも存在する場合がある。
【0119】
そして、計算された強度ピークの周波数は、例えばタワーの固有振動数の両側に広がる帯域406等の不許可の周波数帯域と比較される(504,506)。不許可の周波数帯域は、油圧ポンプとモータとで異なっていてもよい。例えば、ポンプはブレードと直接連結しているがモータはそうではないので、ブレードの固有振動数と一致する周波数を有する生成を避けることは、モータと比較してポンプにおいてより重要なことである。油圧ポンプは、駆動シャフト14のねじり振動モード等の共振周波数での強度ピークの生成を避けるようになっていてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、強度ピークの周波数が不許可の周波数帯域に一致する状況を特定するために、1以上の強度ピークの周波数を計算してこれらを不許可の周波数帯域と比較するのではなく、押しのけ容積要求及び回転シャフトの回転数のルックアップテーブルを用いてもよい。
【0121】
1以上の計算された強度ピークが不許可の帯域の範囲のいずれにも属さないことが特定されると、図5、6A及び6Bの押しのけ容積決定アルゴリズムを用いてシリンダ作動容積の各サイクルの押しのけ容積が計算され、該計算においてSUMは既定の閾値(この例では、個々のシリンダによる最大押しのけ容積の100%である)と比較される(508)。
【0122】
又は、強度ピークの1以上の周波数が不許可の帯域の範囲内に入ることが特定されると、該不許可の帯域の範囲にある周波数成分の強度を低減するために代替の手続が続いて行われ、図5の手続におけるステップ312にて及び図7の比較器354にてSUMの比較対象となる閾値が変更される(510)。
【0123】
この閾値は、回避しようとする共振周波数の0.1から0.5倍の周波数を有する矩形波パルスを加算することによって変更される。このことは、いくつかの動作サイクル(又は非動作サイクル)を早め、他のサイクルを遅延させる効果を有し、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルを変化させるが、作動流体の押しのけ容積総量の時間平均を変更させない。ポンプの押しのけ容積需要が変化した結果、図5〜7の押しのけ容積決定アルゴリズムの実行がもはや不許可の周波数帯域の範囲に強度ピークを生成しなくなるようになったとき、矩形波パルスはもう加算されなくなる。閾値を変調させる波形の周波数は、望ましくない周波数成分の周波数の半分以下であり、システムに応じて最適値を計算することができる。本発明者らは、望ましくない周波数の0.2〜0.3倍の範囲が特に適していることを見出した。
【0124】
図13は、本発明の一実施形態に係る決定の閾値を変更するための制御ロジックを示す概略図である。回転シャフト1回転あたりの決定ポイントの数(これはシリンダの数、及び、シリンダ作動容積のサイクルを通して同一位相を有し、そのため決定ポイントを共有するシリンダが存在する程度に依存する)と回転シャフトの回転数(図3では、1分あたりの回転数を60で除したものとして示される)とを掛け合わせることにより、シリンダを動作(有効)又は非動作(無効)のいずれにするかについての決定の周波数が計算される(520)。そして、動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数、非動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数、及び関連する調和周波数が計算される(522)。これらの周波数は、強度ピークの周波数に対応する。そして、計算の結果得られた周波数は複数のルックアップテーブルを参照するために用いられる(524)。該ルックアップテーブルのうち1つは望ましくない周波数域の各々と関連するものである。ルックアップテーブルは、関連する望ましくない周波数と概して等しい中心周波数を有する窓関数である。ルックアップテーブルからのアウトプットは、0から1の範囲内であり、乗算器528により、関連する共振周波数に対する比率(0.5未満)の周波数を有する矩形波パルスシーケンス526と乗算される。その積は加算器530により合計され、そうすることにより閾値オフセット532を計算する。該閾値オフセットは、図5のステップ312で用いられ、SUMは、既定の閾値と、時間とともに変化する閾値オフセットとの和と比較される。SUMが既定の閾値と閾値オフセットとの和と等しいかそれよりも大きいときは、シリンダが動作サイクルを実行するように選択される。そうでない場合は、シリンダは非動作サイクルを実行する(316)。図5の手続は、その後それまでと同様に継続して行われる。
【0125】
図13の制御ロジックの正味の効果は、油圧トランスミッションが取り付けられる機械の一部(及び/又は油圧トランスミッションそれ自体の一部)の望ましくない共振周波数の両側の帯域に計算された周波数のうち1つが入る場合、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンは、共振周波数での強度ピークを取り除くように変更される(第2の手続)というものであるが、計算された周波数のうち、望ましくない周波数帯域に入る物が存在しないときは、図5及び6の押しのけ容積決定アルゴリズムが採用される。
【0126】
図14は、結果として変更されたシリンダ決定パターンを示し、図6の場合と同じパラメータを用いたものである。動作サイクルの選択のいくつかは遅延され、いくつかは早められたことがわかる。図15には、動作サイクルの選択の標準及び変更された同一のパターンが、異なる形式で示される。図15において、T1は閾値が変更されずに動作サイクルが選択される間隔である。T2及びT3は、閾値の変更を伴って動作サイクルが選択される間隔である。
【0127】
図16に、図6の変更されていないパターンでの周波数スペクトル700において生じる強度ピーク704の周波数(700;破線)及び図14及び15の変更されたパターンでの周波数スペクトル702において生じる強度ピーク704の同周波数(702;点線)を示す。変更されていないパターンでは、動作サイクルの選択の間隔は0.4msであり、その結果強度ピーク704が2.5Hzに存在する。変更されたパターンから生じる周波数スペクトル(点線)においては、強度ピーク704は2Hz及び3.333Hzに存在する。このように、パルス波形の加算により、周波数スペクトルにおいて望ましくない強度ピークが除去される。しかし、時間平均の正味押しのけ容積の総量は変化していない。
【0128】
以上の例では、決定の閾値は矩形波パルスの適用により変更される。しかし、変調が矩形波によるものであること、又は繰り返しのパターンによるものであることは本質的な特徴ではない。また、他の実施形態では、決定の閾値を変更するのではなく、上述の例において閾値を変更したのと同様のやり方で周期的なオフセット波形を加算することによって、ポンプ又はモータへの入力として受け取られたもののうち1つ(典型的には押しのけ容積需要)がその代わりに変更される。これは同様の効果を有する。
【0129】
図17はこれが達成され得るやり方を示す。この例では、図4の手続で生成され、受け取られたポンプの押しのけ容積需要信号600は、時間0から線形的に増加する。与えられたポンプの回転シャフトの回転数について、押しのけ容積需要信号が0.31から0.35である場合、押しのけ容積決定アルゴリズムが、望ましくない周波数に強度ピークを有するシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを生成することが特定される。受け取られた押しのけ容積需要信号が0.31から0.35である場合、押しのけ容積需要は、低位値602である0.31と高位値604である0.35とを交互にとる。したがって、変更された押しのけ容積需要信号は、押しのけ容積需要信号の平均値が変化しないように選択されたデューティー比において低位値と高位値とを交互にとる。これは、デューティー:D=(受け取った押しのけ容積需要信号−低位値)/(高位値−低位値)を用いることで達成することができる。
【0130】
通常、油圧トランスミッション又は油圧トランスミッションを含む風力発電装置や他の機械の1以上の構成部品の1以上の共振周波数での振動の生成を抑えるため、与えられた押しのけ容積要求(回転シャフト1回転当たりの最大押しのけ容積に対する割合として表される)に対するシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの選択のシーケンスは、回転シャフトの回転数によって異なる。
【0131】
図8及び9の例では望ましくない周波数域は一定であり回転シャフトの回転数とは独立であるが、いくつかの実施形態では1以上の望ましくない周波数域は変化する。例えば、掘削機の作動アームを駆動するために用いられる油圧モータの場合、共振周波数は(そして共振周波数を中心とする望ましくない周波数域は)アームの位置によって異なっていてもよい。モータがラムを駆動する場合、共振周波数は(そして共振周波数を中心とする望ましくない周波数域は)ラムが伸びる範囲によって異なるだろう。いくつかのケースでは、1以上の共振周波数は(したがって望ましくない周波数域のうち1以上は)回転シャフトの回転数と独立の1以上の測定パラメータによって異なるだろう。例えば、1以上の共振周波数は、1以上の位置センサによって測定される複数のアクチュエータの位置に依存してもよい。いくつかのケースでは、1以上の共振周波数は(したがって望ましくない周波数域のうち1以上は)回転シャフトの回転数に、比例はしないが、依存するだろう。例えば、風力発電装置において、ブレードの1以上の共振周波数は(したがって望ましくない周波数域のうち1以上は)、回転シャフトの回転数が増加するにつれて増加する(そしてブレードはより剛性が高くなる)であろうが、周波数の変化は回転シャフトの回転速度に比例するわけではない。
【0132】
いくつかのケースでは、望ましくない周波数域の全ては一定であり、メモリに格納することができる。しかし、1以上の共振周波数が変化する可能性がある場合、変化する共振周波数を含む望ましくない周波数域のうち1以上を決定するための共振決定モジュール159を採用してもよい。したがって共振決定モジュールは、1以上のセンサ(例えば、1以上の加速度計、圧力計、歪みゲージ、アクチュエータ位置センサ等)からのデータを処理してもよい。前述したように、全てではないがいくつかのケースで、共振決定モジュールは回転シャフトの回転数を考慮する。共振決定モジュールは、センサからの1以上の測定値から共振周波数及び/又は望ましくない周波数域を決定するためにルックアップテーブル又はアルゴリズムを用いてもよい。
【0133】
共振決定モジュールは、信号(例えば回転シャフトの回転数、高圧流体ライン内の圧力、又は、加速度計又は歪みゲージからの信号等)を解析することによって1以上の共振振動を特定するように作動可能であってもよく、周波数解析を実行して共鳴を特定するようになっていてもよい。例えば、共振決定モジュールは、風力発電装置の一部分(例えばタワー、ハブ又はブレード等)に取り付けられた加速度計又は歪みゲージからの信号について高速フーリエ変換解析を実行して、その結果得られた周波数スペクトルにおいて強度ピークを特定してもよい。1以上の周波数が特定されれば、共振決定モジュールは、該特定された共振周波数の周辺に望ましくない周波数域を定義することができる。
【0134】
例として、図18は油圧作動アームを備える掘削機800を示し、該アームが2つの位置804,806にあるときの様子が示され、該アームは第1アーム部804及び第2アーム部806を連結して形成される。第1及び第2アーム部の各々は、本発明に係る油圧トランスミッションの一部である油圧モータにより互いに独立して作動可能である。掘削機のアームは、第1アームの位置と第2アームの位置の双方に依存し、トランスミッションのポンプ及びモータの回転シャフトの回転数からは独立した周波数を有する1以上の共振モードを有する可能性がある。これらの周波数は、位置センサにより計測される第1及び第2アームの位置から計算することができる。
【0135】
図19は、油圧トランスミッション902を備える車両900に本発明を適用した例である。エンジン904は、駆動シャフト908を介して上述したタイプの可変容量型油圧ポンプ906を駆動し、上述したタイプの可変容量型油圧モータ910は、(モータの回転シャフトに連結される)駆動シャフト914及び差動装置916を介してホイール912を駆動する。油圧トランスミッションは、さらに、低圧作動流体ライン918及び高圧作動流体ライン920を含む。駆動シャフト、特に油圧モータにより駆動されるシャフト914は、作用するトルクが特定の周波数で振動する場合に共鳴振動が生じる可能性がある。これらの共振モードの一部は、モータの回転シャフトの回転数によらず一定の周波数となり、一部は該回転シャフトの回転数に伴って変化するかもしれない。これらの共振の周波数は計算することができ、これらの共振周波数の両側に広がる望ましくない周波数域の範囲内に強度ピークを含む周波数スペクトルを有するシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを生成することを避けることができる。
【0136】
ここに開示される発明の範囲内において、さらなる変形や改良がなされてもよい。
【符号の説明】
【0137】
1 風力発電装置
2 ナセル
4 タワー
6 タービン
8 ブレード
10 油圧トランスミッション
12 可変容量油圧ポンプ
14 駆動シャフト
16 可変容量油圧モータ
18 発電機
20 発電機駆動シャフト
22 コンタクタ
24 タンク
26 低圧作動流体ライン
28 高圧作動流体ライン
30 油空圧式アキュムレータ
32 トランスミッションコントローラ
34 風速計
36 加速度計
38 加速度計
40 プロセッサ
42 データストレージ
100 シリンダ
102 シリンダ作動容積
106 ピストン
108 回転シャフト
110 偏心カム
112 シャフト位置及び速度センサ
114 信号ライン
116 マシンコントローラ
118 低圧バルブ(電気制御式弁)
120 低圧マニホールド
122 高圧マニホールド
124 低圧バルブ制御ライン
126 高圧バルブ(電気制御式弁)
128 圧力リリーフ弁
132 高圧バルブ制御ライン
150 プロセッサ
152 バス
154 メモリ
156 入出力ポート
158 プログラム
159 共振決定モジュール
160 変数(ERRORを含む)
162 各シリンダに関するデータのデータベース
163 各シリンダの角度位置に関するデータ
164 各シリンダが無効にされているかどうかに関するデータ
165 各シリンダが動作サイクルで作動した回数のデータ
166 シャフト位置信号
168 圧力の計測値
200 入力信号を受信するステップ
202 目標トルクを決定するステップ
204 ポンプの押しのけ容積を計算するステップ
206 モータの押しのけ容積を計算するステップ
300 手続開始のステップ
302 ACCUMULATORをゼロに設定するステップ
304 決定ポイントに達するステップ
306 要求されたモータの押しのけ容積を読み込むステップ
308 SUMを計算するステップ
310 ステータスを確認するステップ
312 比較ステップ
314 押しのけ容積を設定するステップ
316 押しのけ容積をゼロに設定するステップ
318 ACCUMULATORを更新するステップ
350 シグマブロック(加算器)
352 ソフトウェア積算器
354 比較器
356 シリンダ有効化信号
358 増幅器
400 動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数
401 動作サイクルを実行するシリンダの選択の調和周波数
402 非動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数
403 非動作サイクルを実行するシリンダの選択の調和周波数
404 タワーの共振周波数
406 周波数帯域
408 ブレードの共振周波数
410 周波数帯域
450 シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトル
452 動作サイクルの基本周波数に起因する強度ピーク(E1)
454 非動作サイクルの基本周波数に起因する強度ピーク(D1)
456 調和周波数に起因する強度ピーク
500 押しのけ容積需要を受け取るステップ
502 周波数成分を計算するステップ
504 比較ステップ
506 決定ステップ
508 変更されていない閾値を用いた比較
510 変更した閾値を用いた比較
520 決定の周波数を計算
522 周波数を計算
524 ルックアップテーブル
526 パルス発生器
528 乗算器
530 加算器
532 閾値オフセット
T1 第1の手続による動作サイクルの時間間隔
T2、T3 第2の手続による連続する動作サイクルの時間間隔
600 受け取った押しのけ容積需要信号
602 低位値
604 高位値
700 周波数スペクトル(変更されていないパターン)
702 周波数スペクトル(変更されたパターン)
704 周波数スペクトルの強度ピーク
800 掘削機
802A、802B 2つの位置での油圧作動アーム
804 第1アーム部
806 第2アーム部
900 車両
902 油圧トランスミッション
904 エンジン
906 可変容量型油圧ポンプ
908 ポンプ駆動シャフト
910 可変容量型油圧モータ
912 ホイール
914 モータ駆動シャフト
916 差動装置
918 低圧作動流体ライン
920 高圧作動流体ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2014年10月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転シャフトと、
前記回転シャフトの位置又は回転数を計測するためのシャフトセンサと、
少なくとも1つのローブを有する少なくとも1つのカムと、
前記回転シャフトの回転に伴って周期的に変化する作動容積を有する複数のシリンダと、
低圧作動流体ライン及び高圧作動流体ラインと、
少なくとも1つが各シリンダと関連する電気制御式弁であり、各シリンダと前記低圧作動流体ライン・高圧作動流体ラインとの間の作動流体の流れを調節するための複数のバルブと、
を備える油圧ポンプ又は油圧モータであって、
シリンダ容積の各サイクルについて、シリンダ作動容積のサイクルと位相関係を有するように前記電気制御式弁を能動的に制御し、それにより、各シリンダが作動流体の正味押しのけ容積が存在する動作サイクルを実行するか、それとも作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクルを実行するかを決定するための指令信号を生成するように構成されたバルブ制御モジュールを備え、
前記バルブ制御モジュールは、前記複数のシリンダによる作動流体の目標正味押しのけ容積を表す押しのけ容積需要信号を受け取る需要入力部を有し、
前記バルブ制御モジュールは、前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数が、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように指令信号のパターンを選択しながら、前記複数のシリンダの正味押しのけ容積の時間平均が、前記押しのけ容積需要信号によって表される押しのけ容積需要に合致するように前記指令信号を生成するように構成されたことを特徴とする油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項2】
前記1以上の強度ピークの周波数は、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数若しくはその調和周波数又は非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数若しくはその調和周波数を含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項3】
前記バルブ制御モジュールは、複数の時間ステップの各々において押しのけ容積決定アルゴリズムを実行して前記押しのけ容積需要信号及びシリンダ作動容積の以前のサイクルにおける作動流体の前記正味押しのけ容積を処理し、それまでに押しのけられた作動流体の総量と、それまでに要求された作動流体の需要の総量との差が閾値を超える場合に、少なくとも1つの前記シリンダに、作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルを行わせるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項4】
前記バルブ制御モジュールは、前記閾値を変更させて、それにより前記1以上のシリンダのシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の望ましくない周波数成分の強度を低減させるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項5】
前記1以上の望ましくない周波数成分の強度を低減させるために、前記閾値を交互に上昇及び下降させることを特徴とする請求項4に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項6】
前記望ましくない周波数域の範囲内の望ましくない周波数の1/2と1/10の間の周波数において前記閾値を交互に上昇及び下降させる(前記範囲は、そのようにしなければ前記周波数スペクトルの少なくとも1つの強度ピークが該範囲内において減少するであろう範囲である)ことを特徴とする請求項5に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項7】
前記バルブ制御モジュールは、回転シャフト速度信号を受け取り、前記閾値を変更させるべきかどうかを決定する際に前記回転シャフト速度信号を考慮するように構成されたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ
【請求項8】
前記周波数スペクトルの1以上の前記強度ピークの周波数が1以上の前記望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように、前記バルブ制御モジュールに受け取られる前記押しのけ容積需要信号が選択的に変調されることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ
【請求項9】
前記押しのけ容積需要信号は、周期的な変調波形によって選択的に変調されることを特徴とする請求項8に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ
【請求項10】
前記バルブ制御モジュールは、累積押しのけ容積誤差値を格納する積算器と、時間ステップ毎に前記押しのけ容積需要信号で表される前記押しのけ容積需要を前記累積押しのけ容積誤差値に加算する加算器と、同一の又は前回の時間ステップにおいて前記バルブ制御モジュールの能動的な制御の下で押しのけられた作動流体の量を表す値を減算する減算器と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項11】
前記バルブ制御モジュールは、
前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転速度を考慮して、前記バルブ制御モジュールが第1の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択する場合に生成されるであろうシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数を特定し、特定された前記1以上の周波数を1以上の望ましくない周波数域と比較し、特定された周波数の少なくとも1つが望ましくない周波数域の少なくとも1つの範囲内にある場合には、通常、前記第1の手続に代えて第2の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択して、それにより前記周波数域の少なくとも1つにおける前記周波数スペクトルの前記強度を低減させる周波数決定モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項12】
1以上の測定パラメータに依存して1以上の望ましくない周波数域を決定する共振決定モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項13】
信号を解析して、1以上の振動を特定し、及び、前記1以上の振動の共振周波数を特定することによって1以上の前記望ましくない周波数域を決定し、特定された前記1以上の周波数を含むように1以上の望ましくない周波数域を設定するように作動可能な共振決定モジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項14】
前記共振決定モジュールは、前記回転シャフトの前記回転数とは独立した1以上の測定パラメータに依存して1以上の前記望ましくない周波数域を決定することを特徴とする請求項12又は13に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項15】
前記望ましくない周波数成分の少なくともいくつかは、油圧トランスミッション又は前記油圧トランスミッションを含む機械の構成部品のうち少なくとも一つの共振周波数を含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータ。
【請求項16】
可変容量型の油圧ポンプと、
可変容量型の油圧モータと、
前記油圧ポンプに連結された、前記油圧ポンプを駆動するための駆動シャフトと、
前記油圧モータに連結された、負荷への連結のための出力シャフトと、を備える油圧トランスミッションであって、
前記油圧ポンプ及び油圧モータのうち少なくとも1つは、請求項1に記載の油圧ポンプ又は油圧モータであることを特徴とする油圧トランスミッション。
【請求項17】
請求項16に記載の油圧トランスミッションと、
前記油圧ポンプに連結され、複数のブレードを備えるタービンと、
前記油圧モータに連結された発電機と、を備える風力発電装置。
【請求項18】
回転シャフトと、
前記回転シャフトの位置又は回転数を計測するためのシャフトセンサと、
少なくとも1つのローブを有する少なくとも1つのカムと、
前記回転シャフトの回転に伴って周期的に変化する作動容積を有する複数のシリンダと、
低圧作動流体ライン及び高圧作動流体ラインと、
各シリンダと前記低圧作動流体ライン・高圧作動流体ラインとの間の作動流体の流れを調節するための複数のバルブであって、前記バルブの少なくとも1つは、各シリンダと関連する電気制御式弁である複数のバルブと、を備える油圧ポンプ又は油圧モータの運転方法であって、
前記複数のシリンダによる作動流体の目標正味押しのけ容積を表す押しのけ容積需要信号を受け取ること、及び、シリンダ容積の各サイクルについて、シリンダ作動容積のサイクルと位相関係を有するように前記電気制御式弁を能動的に制御し、それにより、各シリンダが作動流体の正味押しのけ容積が存在する動作サイクルを実行するか、それとも作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクルを実行するかを決定するための指令信号を生成するステップを含み、
前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数が、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように指令信号のパターンを選択しながら、前記複数のシリンダの正味押しのけ容積の時間平均が、前記押しのけ容積需要信号によって表される押しのけ容積需要に合致するように前記指令信号を選択することを特徴とする油圧ポンプ又は油圧モータの運転方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて各シリンダが動作サイクルを行うか又は非動作サイクルを行うかを決定するために制御可能な電気制御式弁を有する可変容量型の油圧ポンプ及び油圧モータを備える油圧トランスミッション、及びそのような油圧トランスミッションを含む機械の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置や車両等の装置において、可変容量型の油圧ポンプ及び可変容量型の油圧モータを有する油圧トランスミッションを用いることが知られている。例えば、風力発電装置の場合は、可変容量型油圧ポンプは、風によって駆動されるロータに連結された駆動シャフトによって駆動され、可変容量型油圧モータは、発電機に連結され、該油圧ポンプの出力からの加圧作動油によって駆動されるようになっている場合がある。車両の場合は、内燃機関又はバッテリーが油圧ポンプを駆動し、油圧モータが加圧作動油を該ポンプから受け取り、各ホイールや他のアクチュエータを駆動するようになっている場合がある。
【0003】
このように用いることができる可変容量油圧ポンプ及び油圧モータは、回転シャフトと、作動室容積が周期的に変化する複数のシリンダと、を備え、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて、シリンダ作動容積のサイクルと位相の関係を有するように、各シリンダを介して押しのけられる作動流体容積が電気制御式の弁により調整されて、該機械による作動流体の正味処理量を決定するようになっているものを含む。例えば、欧州特許出願公開第0361927号明細書は、シリンダ作動容積のサイクルと位相の関係を有するように電気制御式バルブを開閉してポンプの個々のシリンダと低圧作動流体ラインとの間の流体連結を調節することにより、複数のシリンダを有するポンプを介した作動流体の正味処理量を制御する方法を開示している。これによれば、個々のシリンダは、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて、所定の固定された体積の作動流体を押しのけるように(動作サイクル)、又は、作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクル(アイドルサイクルともいう)を実行するようにバルブ制御モジュールによって選択可能であって、それによりポンプの正味処理量を需要に動的に合致させることが可能となる。欧州特許出願公開第0494236号明細書ではこの原理を進化させており、個々のシリンダと高圧作動流体ラインとの間の流体連結を調節する電気制御式のポペット弁を含み、これによって油圧モータ(幾つかの実施形態では、選択的な運転モードにおいてポンプ又はモータとして機能する)の提供を容易にする。欧州特許出願公開第1537333号明細書では、個々のシリンダの最大の押しのけ容積の一部のみが選択される動作サイクルの可能性を紹介している。
【0004】
風力発電装置、車両又は油圧トランスミッションを含む他の機械は、機械の作動に起因して生じる共鳴振動(油圧トランスミッションの作動に起因して生じる共鳴振動を含む)により損傷を受けることがある。例えば、欧州特許出願公開第2146093号公報には、パワーオフセット信号を制御することによって風力発電装置のタワーにおける振動を減衰させるための方法及び構成が開示されている。米国特許第7309930号明細書には、タービンのタワーの振動を、発電機により生成されるトルクを制御することによって減衰させる振動減衰システム及び方法が開示されている。欧州特許出願公開第1719910号公報には、風車ブレードのピッチ角を制御することで、風力発電装置タワー内の振動を能動的に減衰させる方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したタイプの油圧ポンプ及び油圧モータを採用する場合、油圧ポンプ又は油圧モータを通る流れの脈動に起因して振動(vibration)が発生する場合があり、その振動が1以上の構成部品の共振周波数と一致すれば、振動(oscillation)につながる可能性がある。振動は、選択される動作サイクルにともなう周波数に依存して生じる可能性がある。例えば、仮に1秒あたり10回の時間的に等間隔な動作サイクルが選択される場合、10Hzの周波数で振動が発生するかもしれない。同様に、シリンダ作動容積の非動作サイクルの周波数に関連する振動に起因する問題が生じる可能性もある。例えば、仮に、等間隔の時間で、複数のシリンダのうちの90%が動作サイクルを実行し、1秒あたりに1つのシリンダが1回の非動作サイクルを実行する場合、その結果として10Hzの振動が発生する可能性がある。そのような振動はより損傷を与え得る。それは、単に、上述のポンプやモータが最大押しのけ容積に対して高い押しのけ容積率で運転しているときに、すなわち高い電力スループットが存在し、より大きな力が作用するような状況において、そのような振動が影響を及ぼすという理由からである。
【0006】
これらの振動に起因して生じる共振を避けることは、風力発電装置や他の機械の作動条件の範囲が広いため、また、上述のタイプの油圧ポンプ又は油圧モータによりどのような振動が生成され得るのかを決定づける要因が複雑であるため難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、
回転シャフトと、
前記回転シャフトの位置又は回転数を計測するためのシャフトセンサと、
少なくとも1つのローブを有する少なくとも1つのカムと、
前記回転シャフトの回転に伴って周期的に変化する作動容積を有する複数のシリンダと、
低圧作動流体ライン及び高圧作動流体ラインと、
各シリンダと前記低圧・高圧流体ラインとの間の作動流体の流れを調節するための複数のバルブであって、前記バルブの少なくとも1つは、各シリンダと関連する電気制御式弁である複数のバルブと、を備える油圧ポンプ又は油圧モータであって、
前記油圧ポンプ又は油圧モータは、シリンダ容積の各サイクルについて、シリンダ作動容積のサイクルと位相関係を有するように前記電気制御式弁を能動的に制御し、それにより、各シリンダが作動流体の正味押しのけ容積が存在する動作サイクルを実行するか、それとも作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクルを実行するかを決定するための指令信号を生成するように構成されたバルブ制御モジュールを備え、
前記バルブ制御モジュールは、前記複数のシリンダによる作動流体の目標正味押しのけ容積を表す押しのけ容積需要信号を受け取る需要入力部を有し、
前記バルブ制御モジュールは、前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数が、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように指令信号のパターンを選択しながら、前記複数のシリンダの正味押しのけ容積の時間平均が、前記押しのけ容積需要信号によって表される押しのけ容積需要に合致するように前記指令信号を生成するように構成されたことを特徴とする油圧ポンプ又は油圧モータが提供される。
【0008】
典型的には、前記1以上の望ましくない周波数域は、機械の一部分(油圧トランスミッションの一部、又は油圧トランスミッションと機械的に繋がっている(すなわち機械的に連結している)部分)の1以上の共振周波数を含み、該共振周波数は回転シャフトの回転数に比例して変化するものではない。(該機械の一部分は1以上の部品により構成されていてもよい。)
【0009】
上記により、油圧トランスミッションによる励振の結果としての機械の一部分の共振の現象を回避することができる。該一部分は、油圧トランスミッションの一部(例えば1以上の構成部品)であってもよく(例えば、油圧ポンプ又は負圧モータに連結される駆動シャフト)、油圧トランスミッションと機械的に繋がる(例えば、機械的に連結される)1以上の構成部品(例えば、ブレードや、油圧トランスミッションを収容する風力発電装置のタワー等)であってもよい。
【0010】
前記1以上の共振周波数は(そしてそれ故望ましくない周波数域は)前記回転シャフトの回転数に伴って変化しないものでもよい。しかしながら、前記1以上の共振周波数は(そしてそれ故望ましくない周波数域は)前記回転シャフトの回転数に伴って変化するが、前記回転シャフトの回転数に比例して変化するものでなくてもよい。例えば、風力発電装置のブレードの剛性は、そしてそれ故ブレードの1以上の共振モードの周波数は、該ブレードが連結する前記ポンプの回転シャフトの回転数に伴って増加するが、その増加は線形的ではない。1以上の前記共振周波数は(そしてそれ故望ましくない周波数域は)前記回転シャフトの回転数とは独立であってもよいパラメータに依存して変化してもよい。例えば、1以上の前記共振周波数は、ラムやブームの位置に依存してもよい。例えば、ラムの共振周波数は、該ラムの位置によって決まるものであってもよい。油圧ライン内の2つのアキュムレータの間の流体振動は、該油圧ライン内の圧力に伴って変化してもよい。いくつかの場合では、1以上の共振周波数は2以上のパラメータに依存してもよく、それらのパラメータの一部又は全部は回転シャフトの回転数とは独立であってもよい。例えば、2つのラムを有する機械は、各ラムの位置によって決まる周波数において共振モードを有するものであってもよい。前記1以上のパラメータは1以上のセンサによって測定された測定パラメータであってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、1以上の振動の前記共振周波数は、信号(例えば高圧ライン内の圧力、回転シャフトの回転数、又は、機械において共振する可能性のある部分に取り付けられた、加速度計や歪みゲージ等のセンサからの信号等)を解析して、1以上の振動(例えば、周波数解析によるもの)及び該1以上の振動の共振周波数を特定し、それから、特定された1以上の周波数を含むように1以上の望ましくない周波数域を設定することによって決定することができる。
【0012】
前記油圧ポンプ又は油圧モータは、1以上の前記望ましくない周波数域を決定するように作動可能な共振決定モジュールをさらに備えてもよい。したがって、前記バルブ制御モジュールは、前記共振決定モジュールからの、1以上の前記望ましくない周波数域に関するデータを備えてもよく、又は受け取ってもよい。共振決定モジュールは、1以上の測定パラメータに依存して1以上の前記望ましくない周波数域を決定してもよい。共振決定モジュールは、前記回転シャフトの回転数とは独立の1以上の測定パラメータに依存して1以上の前記望ましくない周波数域を決定してもよい。前記共振決定モジュールは、1以上の前記センサからのデータを処理してもよい(該センサは1以上の測定パラメータを測定してもよい)。共振決定モジュールは、入力として前記回転シャフトの回転数を受け取ってもよい。共振決定モジュールは、共振を特定するために上述の信号解析を実行してもよい。
【0013】
シリンダ作動容積のサイクルの周期性のため、複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンは、前記油圧ポンプ又は油圧モータの一部である又は前記油圧ポンプ又は油圧モータと繋がっている(例えば機械的に連結された)機械的構成部品において共振周波数を生じさせ得る。シリンダにより実行される動作・非動作サイクルの前記パターンは指令信号のパターンによって決まる。そこで、前記バルブ制御モジュールは、制御信号のパターンを決定することによって動作・非動作サイクルのパターンを決定する。しかし、動作・非動作サイクルのパターンから生じる脈動またはトルクは共鳴振動を発生させる。
【0014】
複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンは、1以上の強度ピークを含む周波数スペクトルを有する。例えば、複数のシリンダが動作サイクルと非動作サイクルを交互に実行する場合、強度ピークがシリンダ作動容積のサイクルの周波数の半分に等しい周波数において存在することとなる。より一般的には、複数のシリンダは、より複雑な動作・非動作サイクルのパターンを実行し、該パターンは1以上の強度ピークを含む周波数スペクトルを有する。
【0015】
本発明者らは、これらの強度ピークの周波数が、動作・非動作サイクルのシーケンス(すなわち、動作サイクル及び非動作サイクルが行われる順番)に伴って変化するのみならず、回転シャフトの回転数にも伴って変化することを見出した。例えば、回転シャフトの速度がx%上昇する場合、シリンダ作動容積のサイクルの周波数はx%増加し、いくつか又は全ての強度ピークの周波数はx%増加する。よって、いくつか又は全ての強度ピークの周波数は、回転シャフトの回転数に比例する。
【0016】
本発明によれば、油圧ポンプ又は油圧モータの一部である又は油圧ポンプ又は油圧モータに機械的につながる(すなわち機械的に連結される)構成部品の共振周波数(例えば、油圧トランスミッションが風力発電装置に含まれる実施形態における風車ブレード又は風車タワーの共振周波数)で強度ピークを有する望ましくない振動の抑制が可能となる。有利なことに、本発明を適用しなければシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンが望ましくない共鳴を生じさせるであろう場合に、本発明の結果として該パターンは変更されるが、正味押しのけ容積の時間平均は変更されない。このため、既知のバルブ制御モジュールに代えて前記バルブ制御モジュールを使用することが可能となる。したがって、少なくともいくつかの需要信号の値で作動する油圧ポンプ又は油圧モータのシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルは、回転シャフトの回転数に変動があっても通常同一のままである周波数帯域において成分が減衰されることとなる。いくつかの実施形態では、1以上の前記減衰された成分は、回転シャフトの回転数に伴って変化するが、回転シャフトの回転数に比例はしない周波数帯域に存在する。
【0017】
前記1以上の強度ピークの周波数は、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数若しくはその調和周波数又は非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数若しくはその調和周波数に存在してもよい。
【0018】
本明細書において、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数とは、その周波数の変化に伴って動作サイクルを行っているシリンダの数が変化する周波数(1秒あたりのシリンダ数)の時間平均のことをいう。本明細書において、非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数(1秒あたりのシリンダ数)とは、その周波数の変化に伴って非動作サイクルを実行するシリンダの数が変化する周波数の時間平均のことをいう。各シリンダはシリンダ作動容積の各サイクルにおいて動作サイクル又は非動作サイクルのいずれかを実行するので、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数と、非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数との和は定数となる。
【0019】
各シリンダが異なる位相で作動する場合、該定数は、典型的にはシリンダ作動容積のサイクルの周波数にシリンダの数を乗じたものと等しい。しかしながら、そうではなく、いくつかのシリンダがシリンダ作動容積のサイクルを通して実質的に同位相で作動する場合、該定数はより小さいものとなる。例えば、複数のシリンダが、シリンダ作動容積のサイクルを通して実質的に同位相を有するC個のシリンダからなる複数のグループを形成して作動する場合、前記定数は、作動室容積のサイクルの周波数に、前記複数のシリンダの数をCで除した結果を乗じたものに等しい。
【0020】
重要なのは、その変化に伴って動作サイクル(又は、場合によっては非動作サイクル)を実行するシリンダの数が変化する周波数である。動作サイクル(又は、場合によっては非動作サイクル)を実行するシリンダの数が一定量だけ変化した場合、それは基本周波数には影響を与えない。例えば、1以上のシリンダが動作サイクルまたは非動作サイクルのいずれを実行すべきかについての連続する決定ポイントにおいて、順に0個、0個、0個、1個、0個、0個、0個、1個のシリンダが動作サイクルを実行することが決定された場合、その基本周波数は、順に1個、1個、1個、2個、1個、1個、1個、2個のシリンダが動作サイクルを実行すると決定することによっては影響を受けない。
【0021】
動作サイクル又は非動作サイクルを実行するシリンダの周波数は、回転シャフトの回転数(1秒あたりの回転数)に比例する。これは、所定のシリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれかを実行することが約束されるポイントが、典型的にはシリンダ作動容積の各サイクル中に1つ存在するためである。例えば、典型的には、シリンダと低圧作動流体ラインとの間の作動流体の流れを調節する電子制御式弁を閉じるか否かについての決定がなされる。
【0022】
このように、本発明では、油圧ポンプ又は油圧モータは、複数のシリンダによって実行される動作・非動作サイクルのパターンに依存し、ある特定の動作・非動作サイクルのシーケンスでは回転シャフトの回転数に比例する周波数において強度ピークを有する振動を生じさせることが見出された。本発明によれば、バルブ制御信号のパターンは、目標正味押しのけ容積を時間平均として生成しつつ、望まれない振動を低減するようにするように制御される。典型的には、バルブ制御信号のパターンは、各シリンダが動作又は非動作サイクルのいずれを行うかを決定することによって、周波数スペクトルの1以上の強度ピークの振動数に影響を与える。しかし、複数のシリンダによって押しのけられる作動流体の量がサイクルとサイクルの間で異なる場合、シリンダ作動容積の各サイクル中にバルブ制御信号の該パターンにより決定される正味押しのけ容積もまた、前記1以上の強度ピークの周波数に影響を与える。
【0023】
いくつかの実施形態では、1以上の前記強度ピークの周波数が、限定された期間(例えば、回転シャフト100回転よりも少ない時間又は回転シャフト10回転よりも少ない時間)、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまることが許容される。これは、望ましくない共鳴振動は、典型的には、ビルドアップ及び振幅の増加にいくらかの時間がかかるためである。
【0024】
前記バルブ制御モジュールは、複数の時間ステップの各々において押しのけ容積決定アルゴリズムを実行して前記押しのけ容積需要信号及びシリンダ作動容積の以前のサイクルにおける作動流体の前記正味押しのけ容積を処理し、それまでに押しのけられた作動流体の総量と、それまでに要求された作動流体の需要の総量との差が閾値を超える場合に、少なくとも1つの前記シリンダに、作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルを行わせるように構成されてもよい。
【0025】
前記バルブ制御モジュールは、周波数スペクトルの前記1以上の強度ピークの周波数が前記1以上の望ましくない周波数域の範囲外にある場合にくらべて、シリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれを実行するかについての選択を早める及び/又は遅延させることにより、押しのけ容積需要を満足させながら周波数成分の1以上の成分の前記強度を低減するように構成されてもよい。
【0026】
したがって、前記バルブ制御モジュールは、回転シャフトの回転数に応じて、同一の押しのけ容積(回転シャフト1回転あたりの最大押しのけ容積に対する比率)においてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの異なるパターンを選択し、それにより1以上の望ましくない周波数における振動の生成を低減するように構成されてもよい。
【0027】
前記バルブ制御モジュールは、前記閾値を変更させて、それにより前記1以上のシリンダの動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の望ましくない周波数成分の強度を低減させるように構成されてもよい。
【0028】
典型的には、前記閾値は、前記周波数スペクトル少なくとも1つの前記強度ピークが、閾値を変更しなければ1以上の前記望ましくない周波数域の範囲内に存在することとなるであろうことが特定された場合にのみ変更される。
【0029】
望ましくない周波数域は、それぞれ、典型的には最大の共振の周波数よりも高い領域及び低い領域に広がる周波数の領域である。
【0030】
前記閾値は、回転シャフトの回転数及び所定の基準を満たす押しのけ容積需要信号(該押しのけ容積需要信号は、これらの基準が満たされた場合に、前記周波数スペクトルの少なくとも1つの前記強度ピークの周波数が少なくとも1つの前記望ましくない周波数域の範囲に入るであろうと期待されるように選択される。)に応答して変化させてもよい。
【0031】
1以上の前記望ましくない周波数域における周波数スペクトルの強度を低減させるように、前記閾値を交互に上昇及び下降させるようになっていてもよい。
【0032】
作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルをシリンダが実行すべきかどうかについての決定の周波数の1/2と1/10の間の周波数において前記閾値を交互に上昇及び下降させるようになっていてもよい。
【0033】
前記望ましくない周波数域の範囲内の望ましくない周波数の1/2と1/10の間の周波数において前記閾値を交互に上昇及び下降させる(前記範囲は、そのようにしなければ前記周波数スペクトルの少なくとも1つの強度ピークが該範囲内において減少するであろう範囲である)ようになっていてもよい。前記望ましくない周波数域の中間部における周波数の1/2と1/10の間の周波数において前記閾値を交互に上昇及び下降させる(前記範囲は、そのようにしなければ前記周波数スペクトルの少なくとも1つの強度ピークが該範囲内において減少するであろう範囲である)ようになっていてもよい。
【0034】
前記周波数スペクトルの1以上の前記強度ピークの周波数が1以上の前記望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように、前記バルブ制御モジュールに受け取られる前記押しのけ容積需要信号が選択的に変調されるようになっていてもよい。
【0035】
前記押しのけ容積需要信号は、周期的な変調波形によって選択的に変調されるようになっていてもよい。
【0036】
前記周期的な変調波形は、典型的には矩形波である。前記周期的な変調波形はデューティー比が50%であってもよい。該変調は、押しのけ容積決定アルゴリズムによって処理された押しのけ容積需要が、1以上の前記望ましくない周波数域の範囲にある前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの原因となるであろう値のままとならないようにする効果を有する。典型的には、前記周期的な変調波形は、押しのけ容積需要信号に加算される。典型的には、前記周期的な変調波形は平均振幅がゼロであり、そのため押しのけ容積の時間平均を変化させない。該押しのけ容積要求には、単一の幾何平均を有する周期的な波形を乗じてもよい。
【0037】
前記押しのけ容積需要信号は、受け取った(変調されていない)押しのけ容積需要信号と同一の時間平均値を依然として有していながら、望ましくない周波数域の範囲内に存在する前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数の原因となるであろう前記押しのけ容積需要信号の値の範囲外にいるままとなるように(前記回転シャフトの回転数を考慮して)選択的に変調されるようになっていてもよい。選択的に変調された押しのけ容積需要信号は、その平均値が受け取った(変調されていない)押しのけ容積需要信号と実質的に同一となるように選択されたデューティー比となる第1値と第2値とを交互にとるようになっていてもよい。前記第1値及び第2値は、典型的には、押しのけ容積需要信号の前記範囲の上端値(またはそれ以上)及び下端値(又はそれ以下)における押しのけ容積需要である。押しのけ容積需要信号の前記葉には、前記望ましくない周波数域及び回転シャフトの回転数に依存する。
【0038】
前記選択的な変調は、典型的には、該選択的な変調をしなければ、前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークが1以上の前記望ましくない周波数域に入るであろうという決定に応答して行われる。前記選択的な変調は、回転シャフトの回転数及び所定の基準を満たす押しのけ容積需要信号(これは、それらの基準が満たされた場合に、前記周波数スペクトルの少なくとも1つの前記強度ピークの周波数が前記望ましくない周波数域の少なくとも1つに入るであろうと期待されるように選択される)に応答して行われてもよい。
【0039】
前記バルブ制御モジュールは、累積押しのけ容積誤差値を格納する積算器と、時間ステップ毎に前記押しのけ容積需要信号で表される前記押しのけ容積需要を前記累積押しのけ容積誤差値に加算する加算器と、同一の又は前回の時間ステップにおいて前記バルブ制御モジュールの能動的な制御の下で押しのけられた作動流体の量を表す値を減算する減算器と、を備えてもよい。
【0040】
前記同一又は前回の時間ステップのいずれにおいて押しのけられた作動流体の量を減算するかは、いつその時間ステップが完了したとみなされるかに依存する実行オプションである。したがって、前記累積押しのけ容積誤差値は、それまでに押しのけられた作動流体の総量とそれまでに要求された作動流体の需要の総量との差を表す。
【0041】
又は、前記バルブ制御モジュールは、前記要求された押しのけ容積と前記決定された押しのけ容積とを統合して、これら2つの差が閾値を超えるかどうかを考慮することができるようになっていてもよい。
【0042】
前記バルブ制御モジュールは、前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転速度を考慮して、前記バルブ制御モジュールが第1の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択する場合に生成されるであろう前記複数のシリンダにより実行される動作・非動作サイクルの前記パターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数を特定し、特定された前記1以上の周波数を1以上の望ましくない周波数域と比較し、特定された周波数の少なくとも1つが望ましくない周波数域の少なくとも1つの範囲内にある場合には、通常、前記第1の手続に代えて第2の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択して、それにより前記周波数域の少なくとも1つにおける前記周波数スペクトルの前記強度を低減させる周波数決定モジュールを備えてもよい。複数のシリンダによって実行される前記動作・非動作サイクルのパターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数は、動作サイクルの周波数、又は非動作サイクルの周波数、又はそれらの調和周波数を計算するステップを含む方法によって計算することができる。(前記第2の手続は、典型的には、
前記周波数域の少なくとも1つの範囲内にある周波数スペクトルの成分の強度が低減されたシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを生成するものである。)
【0043】
前記第1の手続は、シリンダが作動流体を押しのけるために使用可能であるか否かを任意的に考慮して、作動流体の正味押しのけ容積が前記押しのけ容積需要に最もよく合致するようにシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを選択するアルゴリズムの実行を含んでもよい。前記第1の手続は、選択された全ての動作サイクルが同一の量の作動流体(例えば、押しのけることが可能な最大の作動流体の量)を押しのける手続であってもよい。前記第2の手続は、異なるアルゴリズムの実行を含んでもよい。前記第2の手続は、該アルゴリズムへの入力、該アルゴリズムの出力又は該アルゴリズムのパラメータの変更を含んでもよい。
【0044】
前記バルブ制御モジュールは、前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行される動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の強度ピークの周波数を決定してもよい。前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転数は、1以上の強度ピークの周波数の決定において考慮される2つだけの連続的に変化する変数であってもよい。前記バルブ制御モジュールは、動作サイクル及び/又はその1以上の調和周波数、及び又は、非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数及び/又はその1以上の調和周波数を実行するシリンダの基本周波数を計算することによって、前記シリンダにより実行される動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の強度ピークの周波数を決定してもよい。
【0045】
考慮される回転シャフトの回転数は、典型的には測定された回転シャフト回転数である(これは、例えば、前記シャフトセンサによって測定されたもの、又は、前記シャフトセンサから受け取ったデータを処理することによって得られたものであってもよい)。しかし、回転シャフトの回転数は、例えば、ある特定の値を有するように計算又は制御されてもよい。
【0046】
前記バルブ制御モジュールは、回転シャフト速度信号を受け取り、前記閾値を変更すべきか否かを決定する際に該回転シャフト速度信号を考慮するようになっていてもよい。前記バルブ制御モジュールは、回転シャフト速度信号を受け取り、該回転シャフト速度信号を考慮してシリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれを実行すべきかについての決定の現在の周波数を特定し、それによって前記閾値が変更されるべきかどうかを決定するように構成されていてもよい。
【0047】
前記望ましくない周波数域の少なくとも一部は、前記油圧トランスミッションの1以上の構成部品又は油圧トランスミッションを含む機械の一部である1以上の構成部品の最大の共振の周波数に対応する周波数を含んでいてもよい。
【0048】
例えば、前記体作動機械は、1以上のブレードとタワーとを有する風力発電装置の一部であってもよく、前記周波数域の少なくとも一部は、前記ブレード及び/又はタワーの最大の共振の周波数を含んでもよい(例えば、そこに集中していてもよい)。
【0049】
前記1以上の望ましくない周波数域のうちの少なくとも1つは、前記シリンダが連結され、前記1以上のシリンダにより作動流体の押しのけを駆動する又は該押しのけによって駆動される回転シャフトの最大の共振の周波数に対応するものであってもよい。
【0050】
本明細書において、「機械的につながっている」及び「機械的に連結される又は接続される」とは、油圧回路を介して油圧ポンプ又は油圧モータに連結されることを含む(油圧回路及びアクチュエータを介して札属されることを含む)。本明細書において、油圧ポンプ及び油圧モータとは、油圧ラムを含む(加圧された作動油のソース又はシンクとしての機能を果たす場合)。
【0051】
本発明は、第2の態様において、
可変容量型の油圧ポンプと、
可変容量型の油圧モータと、
前記油圧ポンプに連結された、前記油圧ポンプを駆動するための駆動シャフトと、
前記油圧モータに連結された、負荷への連結のための出力シャフトと、を備える油圧トランスミッションであって、
前記油圧ポンプ及び油圧モータのうち少なくとも1つは、本発明の第1の態様に係る油圧ポンプ又は油圧モータである油圧トランスミッションにも及ぶ。
【0052】
本発明は、前記油圧トランスミッションを備える風力発電装置にも及ぶ。前記風力発電装置は、前記油圧ポンプに連結され、複数のブレードを備えるタービンと、前記油圧モータに連結された発電機と、を備えてもよい。
【0053】
1以上の前記望ましくない周波数域は、ブレードの共振周波数、タービンの共振周波数、風力発電装置のタワーの共振周波数、及びタービンを油圧ポンプに連結する駆動シャフトの共振周波数のうち1以上を含んでもよい。
【0054】
前記油圧トランスミッションは、トランスミッションコントローラを備えてもよい。前記トランスミッションコントローラは、1以上の前記望ましくない周波数域を決定するように作動可能な共振周波数決定モジュールを備えるか、該共振周波数決定モジュールと電子的に通信するようになっていてもよい。前記共振周波数決定モジュールのさらなる特徴及び本発明の第2の態様の他の任意的な特徴は、本発明の第1の態様に関して上記で説明した特徴に対応する。
【0055】
本発明は、本発明の第2の態様に係る油圧トランスミッションを備える機械及び前記油圧モータ又は前記油圧ポンプとの間で駆動し又は駆動される関係において移動可能な機械的構造にも及び、1以上の前記望ましくない周波数域は、該機械的構造の1以上の共振周波数を含む。前記機械的構造の1以上の前記共振周波数(及び望ましくない周波数領域)は、該機械的構造の構成によって、例えば、油圧モータ又は油圧ポンプとの間で駆動し又は駆動される関係を有する該機械的構造の動きによって変化してもよい。前記構成は、1以上のセンサで測定されてもよい。前記機械的構造は、掘削機のブームや、フォークリフトのリフト機構や、又は架空リフトの伸縮アームであってもよい。
【0056】
本発明は、本発明の第2の態様に係る油圧トランスミッションと、前記油圧ポンプに連結されたエンジンと、前記油圧モータに連結されたアクチュエータ(例えばホイール等)と、を備える車両にも及ぶ。この場合、1以上の前記望ましくない周波数域は、車両ドライブトレイン、車両サスペンション、ステアリング、エンジン、車体、車両シャーシ、又はブームや掘削機のアーム等の作動装置等のうち1以上の共振周波数を含んでもよい。
【0057】
前記油圧ポンプ又は油圧モータは、ポンプとして機能するがモータとしては機能しない流体作動機械であってもよい。油圧ポンプ又は油圧モータは、モータとして機能するがポンプとしては機能しない流体作動機械であってもよい。前記油圧ポンプ又は油圧モータは、選択的な運転モードにおいてポンプ又はモータのいずれかとして選択的に作動可能な流体作動機械であってもよい。
【0058】
本発明は、第3の態様において、油圧ポンプ又は油圧モータの運転方法であって、
前記油圧ポンプ又は油圧モータは、
回転シャフトと、
前記回転シャフトの位置又は回転数を計測するためのシャフトセンサと、
少なくとも1つのローブを有する少なくとも1つのカムと、
前記回転シャフトの回転に伴って周期的に変化する作動容積を有する複数のシリンダと、
低圧作動流体ライン及び高圧作動流体ラインと、
各シリンダと前記低圧・高圧流体ラインとの間の作動流体の流れを調節するための複数のバルブであって、前記バルブの少なくとも1つは、各シリンダと関連する電気制御式弁である複数のバルブと、を備え、
前記運転方法は、前記複数のシリンダによる作動流体の目標正味押しのけ容積を表す押しのけ容積需要信号を受け取ること、及び、シリンダ容積の各サイクルについて、シリンダ作動容積のサイクルと位相関係を有するように前記電気制御式弁を能動的に制御し、それにより、各シリンダが作動流体の正味押しのけ容積が存在する動作サイクルを実行するか、それとも作動流体の正味押しのけ容積が存在しない非動作サイクルを実行するかを決定するための指令信号を生成することを含み、
前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行される動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルの1以上の強度ピークの周波数が、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまらないように指令信号のパターンを選択しながら、前記複数のシリンダの正味押しのけ容積の時間平均が、前記押しのけ容積需要信号によって表される押しのけ容積需要に合致するように前記指令信号を選択することを特徴とする運転方法にも及ぶ。
【0059】
1以上の強度ピークの前記周波数が、限定された期間(例えば、回転シャフト100回転よりも少ない時間又は回転シャフト10回転よりも少ない時間)、1以上の望ましくない周波数域の範囲内にとどまるようになっていてもよい。
【0060】
前記方法は、1以上の前記望ましくない周波数域を決定することを含んでもよい。前記1以上の共振周波数(そしてそれ故望ましくない周波数域)は、前記回転シャフトの回転数に伴っては変化しないものであってもよい。1以上の前記共振周波数は、(そしてそれ故望ましくない周波数域は)、前記回転シャフトの回転数に伴って変化するが、前記回転シャフトの回転数に比例しないものであってもよい。
【0061】
前記方法は、1以上の前記共振周波数を決定する1以上のパラメータを測定し(例えば、1以上のセンサを用いて測定する)、それによって1以上の前記望ましくない周波数域を決定することを含んでもよい。前記パラメータの1以上(又は全て)が前記回転シャフトの回転数とは独立であってもよい。
【0062】
前記方法は、信号(例えば、前記高圧ラインの圧力、前記回転シャフトの回転数、又は、機械において共振する可能性のある部分に取り付けられたセンサ(例えば加速度計や歪みゲージ)からの信号等)を解析して1以上の振動及び前記1以上の振動の前記共振周波数を(例えば周波数解析により)特定すること、そして、前記特定された1以上の振動数を含めて、前記望ましくない周波数域のうちの1以上を決定することすることを含んでもよい。
【0063】
前記方法は、複数の時間ステップの各々において押しのけ容積決定アルゴリズム実行して、それまでのシリンダ作動容積のサイクル中の作動流体の前記押しのけ容積需要及び前記正味押しのけ容積を処理し、それまでに押しのけられた作動流体の総量とそれまでに要求された作動流体の需要の総量との差が閾値を超える場合に少なくとも1つの前記シリンダに作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルを実行させることを含んでもよい。
【0064】
前記方法は、周波数スペクトルの前記1以上の強度ピークの周波数が前記1以上の望ましくない周波数域の範囲外にある場合にくらべて、シリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれを実行するかについての選択を早める及び/又は遅延させることにより、押しのけ容積需要を満足させながら周波数成分の1以上の成分の前記強度を低減することを含んでもよい。
【0065】
したがって、同一の押しのけ容積(回転シャフト1回転あたりの最大押しのけ容積に対する比率)において動作・非動作サイクルを実行する複数のシリンダの前記パターンは、前記回転シャフトの回転数に応じて変化し、それにより1以上の望ましくない周波数における振動の生成を低減するようになっていてもよい。
【0066】
前記閾値を変更させて、それにより前記1以上のシリンダの動作サイクルの前記パターンの1以上の望ましくない周波数成分の強度を低減させるようになっていてもよい。前記閾値の変更のさらなる任意的な特徴は、前述したとおりである。
【0067】
典型的には、前記閾値は、前記周波数スペクトル少なくとも1つの前記強度ピークが、閾値を変更しなければ1以上の前記望ましくない周波数域の範囲内に存在することとなるであろうことが特定された場合にのみ変更される。望ましくない周波数域は、それぞれ、典型的には最大の共振の周波数よりも高い領域及び低い領域に広がる周波数の領域である。
【0068】
前記方法は、累積押しのけ容積誤差値を格納し、各時間ステップにおいて、前記押しのけ容積需要信号により表される前記押しのけ容積需要を加算し、同一の又は前回の時間ステップにおいて前記バルブ制御モジュールの能動的な制御の下で押しのけられた作動流体の量を表す値を減算することにより、前記格納された累積押しのけ容積誤差値を更新することを含んでもよい。したがって、前記方法は、それまでに押しのけられた作動流体の総量とそれまでに要求された作動流体の需要の総量との差を表す累積押しのけ容積誤差値を格納及び更新することを含んでもよい。または、前記方法は、前記要求された押しのけ容積と前記決定された押しのけ容積の値を統合して、これら2つの差が閾値を超えるかどうかを考慮することを含んでもよい。
【0069】
前記方法は、前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転速度を考慮して、前記バルブ制御モジュールが第1の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択する場合に生成されるであろう前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数を特定し、特定された前記1以上の周波数を1以上の望ましくない周波数域と比較し、特定された周波数の少なくとも1つが望ましくない周波数域の少なくとも1つの範囲内にある場合には、通常、前記第1の手続に代えて第2の手続を用いてシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンを選択して、それにより前記周波数域の少なくとも1つにおける前記周波数スペクトルの前記強度を低減させることを含んでもよい。複数のシリンダによって実行されるシリンダ作動容積の前記動作・非動作サイクルのパターンの前記周波数スペクトルの1以上の強度ピークの前記周波数は、動作サイクルの周波数、又は非動作サイクルの周波数、又はそれらの調和周波数を計算するステップを含む方法によって計算することができる。前記第1及び第2の手続のさらなる任意的な特徴は、前述したとおりである。
【0070】
前記バルブ制御モジュールは、前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転数を考慮して、前記複数のシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の強度ピークの周波数を決定してもよい。前記押しのけ容積需要及び前記回転シャフトの回転数は、1以上の強度ピークの周波数の決定において考慮される2つだけの連続的に変化する変数であってもよい。前記バルブ制御モジュールは、動作サイクル及び/又はその1以上の調和周波数、及び又は、非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数及び/又はその1以上の調和周波数を実行するシリンダの基本周波数を計算することによって、前記シリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの前記パターンの1以上の強度ピークの周波数を決定してもよい。
【0071】
前記方法は、回転シャフト速度信号を受け取り、前記閾値を変更すべきか否かを決定する際に該回転シャフト速度信号を考慮することを含んでもよい。前記方法は、回転シャフト速度信号を受け取り、該回転シャフト速度信号を考慮してシリンダが動作サイクル又は非動作サイクルのいずれを実行すべきかについての決定の現在の周波数を特定し、それによって前記閾値が変更されるべきかどうかを決定することを含んでもよい。
【0072】
本発明の第3の態様のさらなる任意的な特徴は、本発明の第1又は第2の態様との関係で既に説明したものであり、本発明のいずれかの態様との関係で説明した任意的な特徴は、本発明の各態様における任意的な特徴である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
以下に、本発明の例示的な実施形態を、下記内容の図面を参照して説明する。
【0074】
図1一実施形態に係る風力発電装置の概略構成図である。
図2一実施形態に係る油圧モータの概略構成図である。
図3】油圧モータのバルブ制御モジュールの概略構成図である。
図4】トランスミッションバルブ制御モジュールの動作のフロー図である。
図5】通常運転モードにおいて個々のシリンダによる押しのけ容積を決定するための押しのけ容積決定アルゴリズム(第1の手続)のフロー図である。
図6】第1の手続に係る押しのけ容積決定アルゴリズムの繰り返しの実行を示す表である。
図7図5及び6に示す押しのけ容積決定アルゴリズムの制御ロジックを示す概略図である。
図8図8A及び図8Bは、要求された押しのけ容積に対する、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルを実行する複数のシリンダのパターンの周波数スペクトルの強度ピークの周波数の変化を示す図である。
図9図9A及び図9Bは、回転シャフトの回転数が1,000rpmで一定である場合の一実施形態における、作動流体の押しのけ容積レートが最大押しのけ容積の0%から100%まで変化する際の動作・非動作サイクルを実行する複数のシリンダのパターンの周波数スペクトルの周波数成分の強度の変化を示す周波数スペクトル(ソノグラム)の例である。
図10】押しのけ容積需要信号に対する、動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数及び非動作サイクルを実行するシリンダの基本周波数の変化を示す図である。
図11図11A〜11Dは、4通りの押しのけ容積需要信号の値における、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルを実行するように選択された複数のシリンダのパターンの周波数スペクトルを示す図である。
図12一実施形態に係る決定の閾値を変更するための制御ロジックを示す概略図である。
図13一実施形態に係る決定の閾値を変更するための制御ロジックを示す概略図である。
図14一実施形態に係る方法による動作サイクルの選択を示す表である。
図15】連続する決定ポイントの後のACCUMULATORの値を示すグラフである。
図16】ポンプ又はモータのシリンダにより実行されるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルにおける閾値変調の効果を示す図である。
図17一実施形態の一実施形態において変更された押しのけ容積需要信号を示す図である。
図18】油圧掘削機の概略構成図である。
図19】車両トランスミッションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1に示す風力発電装置1はタワー4に支持されるナセル2を備え、複数のブレード8が取り付けられるタービン6を有する。
【0076】
ナセルは、油圧トランスミッション10を収容し、油圧トランスミッション10は、駆動シャフト14を介してタービンに連結される回転シャフトを有する油圧ポンプ12を備える。油圧トランスミッション10は、発電機駆動シャフト20を介して発電機18に連結される回転シャフトを有する油圧モータ16をも含む。発電機18は、コンタクタ22を介して配電網に連結される。
【0077】
油圧トランスミッション10の内部では、作動流体として機能する油がタンク24から低圧作動油ライン26を通って油圧ポンプ12の入力側に供給される。加圧された油は、油圧ポンプ12の出力側から、油空圧アキュムレータ30と連通する高圧作動油ライン28を通って油圧モータ16の入力側へと運ばれる。
【0078】
セルは、制御信号を油圧ポンプ12及び油圧モータ16に送って油圧ポンプ12及び油圧モータ16の押しのけ容積を調整することで油圧トランスミッション10を制御するトランスミッションコントローラ32をも収容する。制御信号(押しのけ容積需要信号)は、油圧ポンプ12及び油圧モータ16による押しのけ容積を要求する。該押しのけ容積は最大押しのけ容積に対する割合(押しのけ容積需要)として表現される。押しのけ容積(1秒あたりの作動流体の体積)の絶対容積は、最大押しのけ容積に対する割合と、油圧ポンプ12又は油圧モータ16の回転シャフトの1回転あたりに押しのけられ得る最大容積と、油圧ポンプ12又は油圧モータ16の回転シャフトの回転速度(1秒あたりの回転数)との積となる。したがって、トランスミッションコントローラ32は、駆動シャフト14を介して加えられるトルク(油圧ポンプの押しのけ容積(1秒あたりの体積)及び高圧作動流体ライン28内の圧力に比例する)を調節することができる。トランスミッションコントローラ32は、油圧モータの押しのけ容積(1秒あたりの容積)に依存する電力生成率及び高圧作動流体ライン28内の圧力を調整することもできる。高圧作動流体ライン28内の圧力は、油圧ポンプ12が、油圧モータ16よりも大きな押しのけ容積(1秒あたりの体積)で油を押しのける場合に増加し、油圧モータ16が、油圧ポンプ12よりも小さな押しのけ容積(1秒あたりの体積)で油を押しのける場合に減少する。油空圧アキュムレータ30は、高圧側の作動流体の総量が変化することを許容する。一実施形態では、複数の油圧ポンプ12及び/又は複数の油圧モータ16が、高圧作動流体ライン28と流体的に連通し、そのため、各々の押しのけ容積が考慮されなければならない。
【0079】
トランスミッションコントローラ32は、入力として、油圧ポンプ12及び油圧モータ16の回転シャフトの回転数、及び、高圧作動流体ライン28内圧力の計測結果を含む信号を受け取る。トランスミッションコントローラ32は、風速計34からの風速信号、配電網からの情報、制御信号(例えば起動又は停止の指令や、突風に前もって高圧作動流体ライン28の圧力を増加又は減少させるための指令等)、又は他のデータを必要に応じて受け取ってもよい。
【0080】
トランスミッションコントローラ32は、タワーの中に配置された加速度計36を用いて計測することができるタワーにおける共鳴や、ブレードに取り付けた加速度計又は歪みゲージ38を用いて計測することができるブレードにおける振動等といった、風力発電装置における共鳴を考慮してもよい。
【0081】
トランスミッションコントローラ32は、ソリッドステートメモリ等の有形のコンピュータ可読媒体を備えるデータストレージ42と電気的に接続する単一のプロセッサ40を含む。該データストレージ42にはプログラム及び運転時に必要なデータが記憶される。油圧ポンプ12及び油圧モータ16のマシンコントローラ(図1には示されない)は、少なくともその一部がバルブ制御モジュールとして機能し、トランスミッションコントローラ32から要求される押しのけ容積に応答するバルブ制御信号を生成する。当業者は、トランスミッションコントローラ32は、各々が制御機能の全体の一部を実行する複数の分散したコンピュータデバイスとして実装されてもよく、単一の装置として実装されてもよいことを理解するであろう。
【0082】
図2は、シリンダ100の内側表面と、回転シャフト108から偏心カム110によって駆動され、シリンダの作動容積を周期的に変化させるようにシリンダ内部を往復運動するピストン106と、によって画定されるシリンダ作動容積102を有する複数のシリンダ100を備える、電子的に整流された流体作動機械の形式の油圧モータ16を示す図である。回転シャフト108は、発電機駆動シャフト20に固く接続され、該発電機駆動シャフト20とともに回転する。シャフト位置及び速度センサ112は、ある瞬間のシャフトの角度位置及び回転数を測定し、信号ライン114を通して油圧モータ16のマシンコントローラ116に知らせる。これによりマシンコントローラ116がその瞬間の各シリンダのサイクルの位相を特定することができる。
【0083】
シリンダ100は、それぞれ、電子的に作動される面シールポペット弁の形式の低圧バルブ(LPV)118と関連している。低圧バルブ118は、それぞれが関連するシリンダ100に向かって内側に向いており、シリンダ100から低圧マニホールド120に延びるチャネルを選択的にシールするように動作可能である。低圧作動流体ライン26は、1つ又はいくつかの、又は図に示されるように全てのシリンダ100を、風力発電装置の低圧作動流体ライン26に接続するようになっていてもよい。LPV118は、シリンダ内部の圧力が低圧作動流体ライン26内の圧力以下になると、すなわち吸入ストローク中に、シリンダを低圧作動流体ライン26と流体的に接続させるように受動的に開くが、低圧バルブ(LPV)制御ライン124を介したコントローラの能動的な制御の下で、シリンダ100の低圧作動流体ライン26との流体的な接続を切断するように選択的に閉弁可能な、ノーマルオープンソレノイドクローズ型のバルブである。別の電子制御式のバルブ、例えばノーマルクローズソレノイドオープンのバルブを用いてもよい。
【0084】
シリンダ100はそれぞれ、圧力作動送出し弁の形式の高圧バルブ(HPV)126とも関連している。HPV126はシリンダ100から外側に向いて開き、シリンダ100から高圧マニホールド122に延びるチャネルをシールするように動作可能である。高圧作動流体ライン28は、1つ又はいくつかの、又は図に示されるように、全てのシリンダ100を、油圧トランスミッション10の高圧作動流体ライン28に接続するようになっていてもよい。HPV126は、シリンダ内の圧力が高圧作動流体ライン28内の圧力を超えると受動的に開くノーマルクローズ圧力オープンのチェック弁として機能する。HPV126は、関連するシリンダの圧力によってそのHPV126が一旦開かれると、マシンコントローラ116がHPV制御ライン132を介して選択的に開弁状態を維持してもよい、ノーマルクローズソレノイドオープンのチェック弁として機能してもよい。典型的には、HPV126は、高圧作動流体ライン26内の圧力に抗ってマシンコントローラ116によって開弁することはできない。HPV126は、それに加え、高圧作動流体ライン28には圧力が存在するがシリンダには存在しない場合に、マシンコントローラ116の制御の下で開弁可能であってもよく、又は、例えば、バルブが国際公開第2008/029073号又は国際公開第2010/029358号に記載のタイプのものであり前記文献に記載の方法にしたがって作動するもの等である場合、部分的に開弁可能であってもよい。
【0085】
例えば、欧州特許出願公開第0361927号、欧州特許出願公開第0494236号及び欧州特許出願公開第1537333号(これらの内容をここに引用し、本明細書の開示として取り入れるものである)に記載の通常モードの運転では、モータコントローラは、油圧モータによる高圧作動流体ラインからの流体の正味押しのけ容積レートを、1以上のLPVを、それが関連するシリンダのサイクルの最小容積の点の直前に能動的に閉じることで選択し、低圧作動流体ラインへの通路が閉じられて、残りの収縮ストロークによってシリンダ内の流体が圧縮される。前記関連するHPVは、そのHPV前後の圧力が等しくなり、少量の流体が該関連するHPVを通って外へ移動させられると開く。モータコントローラはその後、典型的には該関連するシリンダのサイクルにおいて最大容積の付近となるまで、該関連するHPVを開弁されたままに維持して、高圧作動流体ラインからの流体を許容し回転シャフトにトルクを作用させる。
【0086】
選択的なポンピングモードでは、前記コントローラは、油圧モータによる高圧作動流体ラインへの流体の正味の押しのけ容積レートを、典型的には、関連するシリンダのサイクルにおける最大容積の点の付近で1以上の前記LPVを能動的に閉じることによって選択する。そうすると低圧作動流体ラインへの通路が閉じられ、この後の収縮ストロークでは該関連するHPVを通って流体が外側に移動させられる(しかしHPVを能動的に開いたままにするわけではない)。前記コントローラは、選択された正味の押しのけ容積レートを満足するように流れを生成し又はシャフトトルク若しくは出力を生成するように、LPVの閉弁及びHPVの開弁の数及び順序を選択する。前記コントローラは、サイクル毎にLPVを閉じるか開いたままとするかを決定するのみならず、HPVを閉じる位相をシリンダ容積の変化に対して微細に変化させて、それにより高圧作動流体ラインから低圧作動流体ラインへの、又はその逆の、流体の正味の押しのけ容積レートを選択するように作動可能である。
【0087】
における低圧作動流体ライン26、高圧作動流体ライン28の矢印は、モータリングモードにおける流体の流れを示す。ポンピングモードでは、流れはその逆になる。圧力リリーフ弁128が、油圧モータ16を損傷から保護するようになっていてもよい。
【0088】
図3は、油圧モータ16のマシンコントローラ116の概略構成図である。ポンプコントローラの構成はこれに対応する。プロセッサ150(例えばマイクロプロセッサやマイクロコントローラ等)は、バス152を通してメモリ154及び入出力ポート156と電子的に通信するようになっている。メモリ154は、シリンダ作動容積の各サイクルにおいて各シリンダによって押しのけられる作動流体の正味の容積を決定するための押しのけ容積決定アルゴリズムの実行が実装されるプログラム158とともに、累積押しのけ容積誤差値を格納する1以上の変数160を格納し、該メモリ154は、さらに、例えば各シリンダ角度位置に関するデータ163や各シリンダが(例えばシリンダが故障しているため)無効化されているか否かに関するデータ164等の各シリンダに関するデータを格納するデータベース162を格納する。いくつかの実施形態では、前記データベース162は各シリンダが動作サイクルを行った回数のデータ165を格納する。いくつかの実施形態では、前記プログラム158は、共振決定モジュールとして機能するプログラムコード159を備え、1以上の望ましくない周波数域を計算する。
【0089】
マシンコントローラ116は、押しのけ容積需要信号170、シャフト位置(すなわち、方向)信号166、及び、典型的には高圧ライン内の圧力の計測値168を受信する。回転シャフトの回転数は、シャフト位置の変化率から特定され、回転シャフトの回転数として機能する。マシンコントローラ116からの出力は、高圧バルブ制御ライン132を通る高圧バルブ制御信号及び低圧バルブ制御ライン124を通る低圧バルブ制御信号を含む。マシンコントローラ116は、シリンダからの押しのけ容積の総量を、時間をかけて押しのけ容積需要に合致させることを目標とするように構成される。シャフト位置は、シリンダ作動容積のサイクルと位相の関連性をもってバルブ制御信号が生成されることを可能とすることが要求される。圧力の計測値168は、押しのけられた作動流体の正確な量を特定するために、又は他の計算において、用いることができる。マシンコントローラ116は、シリンダが故障しているか、そしてそのため無効とされているか否かを示す信号であって、データベース162がそれに基づいて更新されることを可能とするための信号を受信してもよい。
【0090】
油圧ポンプ12は、上述したポンピングモードで作動し、典型的にはより大きなスケールで作動することを除けば、概して油圧モータ16に対応する。単一ローブの偏心カムの代わりに、マルチローブのリングカムが用いられてもよい。高圧バルブ126マシンコントローラ116により能動的に制御される必要はなく、チェック弁であってもよい。
【0091】
図4に示す手続による油圧トランスミッション10の運転中、油圧トランスミッションコントローラ32は、タービンの回転数(タービンと油圧ポンプ12の回転シャフトは連結されているため、これは、該回転シャフトの回転数と同一であるか、又は該回転シャフトのギア比である)及び圧流体作動流体ライン28内の圧力とともに、風速を含む入力信号を受信する(200)。次に、トランスミッションコントローラ32は、複数の異なる風速における理想目標トルク及びシャフト回転速度をまとめたルックアップテーブル204を参照して、油圧ポンプ12によりタービンに作用させる目標トルクを決定する(202)。目標トルクが決定されると、その後トランスミッションコントローラ32は、前記目標トルクを得るために必要な油圧ポンプの押しのけ容積を計算する(206)。これはその後、油圧ポンプ12により受け取られる押しのけ容積需要信号として油圧ポンプ12へ送られる。作動流体の容積及び押しのけ容積レートは、適切な単位を用いて計算することができる。この押しのけ容積需要は、例えば、回転シャフト1回転あたりに油圧ポンプ12が提供可能な最大押しのけ容積に対する割合として表現することができる。この例においては、押しのけ容積は、回転シャフト1回転あたりの最大出力の平均比率として表現される。これが表す押しのけ容積の実レートは、1秒あたりの流体の体積として表現され、押しのけ容積需要、1つのシリンダにより押しのけられ得る最大容積、シリンダの数、及び油圧ポンプ16の回転シャフトの回転数の積となる。結果として得られるトルクは、この押しのけ容積及び高圧作動流体ライン28内の圧力に比例する。
【0092】
油圧ポンプ12の押しのけ容積が計算されると、油圧モータ16の押しのけ容積も計算することができる。典型的には、油圧モータ16の押しのけ容積は、所望の高圧作動流体ライン28内の圧力を維持するように計算される。計算された押しのけ容積は、油圧モータ16へ送られ、油圧モータ16の需要押しのけ容積信号として受け取られる。しかし、いくつかの他のファクターを考慮に入れてもよい。例えば、油圧モータ16の押しのけ容積需要は、高圧作動流体ライン28内の圧力を変化させるために変化させてもよい。なお、高圧作動流体ライン28内の圧力は、(1秒あたりの容積において)油圧モータ16の押しのけ容積が油圧ポンプ12による押しのけ容積よりも小さい時に増加し、(1秒あたりの容積において)油圧モータ16の押しのけ容積が油圧ポンプ12の押しのけ容積よりも大きい時に減少する。他のファクターが存在してもよい。例えば、風損を低減し、発電効率を高めるために、発電機のうちの1つまたは両方が、実質的に一定のトルクでの運転とスイッチ切断との間で切り替えられることが望ましい。
【0093】
この例示的な実施形態では、油圧モータ16図2に示す構成を有し、ピストンを駆動するカムは単一のローブを有するので、油圧モータ16の回転シャフトが1回転するごとに1回のシリンダ作動容積のサイクルが存在する。
【0094】
図5は、望ましくない周波数が生成されるであろうと特定されていない場合の標準の運転手続(第1の手続)において、各シリンダによる正味押しのけ容積を連続して決定するために油圧モータ16によって実行される手続きを示す図である。この手続が開始すると(300)、格納された変数ACCUMULATOR160がゼロに設定される(302)。該変数ACCUMULATORは、押しのけ容積需要で表される作動流体の押しのけ容積の量と、実際に押しのけられた量との差を格納する。
【0095】
その後、油圧モータ16の回転シャフトは、ある1個のシリンダの決定ポイントに達するまで回転する(304)。図2に示す例においては、8個のシリンダが存在し、したがって各決定ポイントは、回転シャフトの回転において45°ずつ離れている。決定ポイントと決定ポイントの間に生じる実際の時間は、したがって、回転シャフトが45°回転するのに必要な時間であって、これは該回転シャフトの回転数に反比例する。
【0096】
各決定ポイントにおいて、モータコントローラは、トランスミッションコントローラ32から受け取ったモータの押しのけ容積需要を読み込む(306)。そしてコントローラは、ACCUMULATORと需要押しのけ容積との和である変数SUMを計算する(308)。次に、考慮されているシリンダのステータスがチェックされる(310)。これは、シリンダのデータのデータベース162(データ164を参照して実行される。もしシリンダが無効にされていると判断された場合(例えば、そのシリンダが故障している場合等)は、そのシリンダについてはそれ以上の行動はとられない。このメソッドは、次のシリンダの決定ポイントに達すると、ステップ304から繰り返される。
【0097】
シリンダが無効にされていないと判断された場合は、その後、SUMは閾値と比較される(312)。この閾値は、採り得るオプションが、正味押しのけ容積の存在しない非動作サイクルか、又は、シリンダによる作動流体の最大押しのけ容積が選択される完全な押しのけ容積動作サイクルのいずれかだけである場合には、単純に、そのシリンダによって押しのけ可能な作動流体の最大容積であってもよい。しかし、前記閾値は、より高い値又はより低い値であってもよい。例えば、前記閾値は、例えばシリンダの最大押しのけ容積の一部のみが押しのけられる部分サイクルを実行することが望まれる場合等においては、1つのシリンダによる最大押しのけ容積よりも小さくてもよい。
【0098】
SUMが前記閾値以上である場合には、そのシリンダが動作サイクルを実行することが決定される。SUMが前記閾値以下である場合には、そのシリンダが、次のシリンダ作動容積のサイクルにおいて非動作サイクルとなり、正味押しのけ容積がゼロとなることが決定される。
【0099】
制御信号は、その後、決定されたとおりに動作サイクル又は非動作サイクルを考慮対象のシリンダに実行させるため、該シリンダの低圧バルブ118及び高圧バルブ126に送られる。(ポンピングの場合には、高圧バルブは電気的に制御されず、制御信号は低圧バルブのみに関与するようになっていてもよい。)
【0100】
このステップは、押しのけ容積需要信号で表される押しのけ容積需要と、押しのけ容積需要信号で表される以前の押しのけ容積とコントローラにより決定された以前の正味押しのけ容積との差(このケースでは、格納された誤差の形をとっている)と、を効果的に考慮に入れ、そして、SUMが閾値以上である場合には、シリンダに作動流体の正味押しのけ容積を生成する動作サイクルを実行させることにより、シリンダによる作動流体の正味押しのけ容積の時間平均を、押しのけ容積需要信号で表される押しのけ容積の時間平均に合致させる。この場合、誤差は、SUMからアクティブなシリンダによる押しのけ容積を引いた差に設定される。SUMが閾値以上ではない場合には、シリンダは非動作とされ、SUMは変更されない。
【0101】
次のシリンダの決定ポイントに到達すると、この手順がステップ304から再度開始される。
【0102】
変数(ACCUMULATOR160は、それまでに要求された押しのけ容積と、実際に押しのけられた容積との差の記録を保持している。各サイクルにおいて、要求された押しのけ容積が押しのけ容積誤差値に可算され、実際に選択された押しのけ容積が減算される。変数(ACCUMULATOR)160は押しのけ容積の需要と実際に提供された押しのけ容積との差を効果的に記録し、この差が閾値を超えるときは動作サイクルが行われる。
【0103】
当業者は、この押しのけ容積決定アルゴリズムの効果は、いくつかのやり方で得ることができることを理解するであろう。例えば、変数ACCUMULATOR)160から選択された押しのけ容積を減算するのではなく、ある期間にわたり、それまでに要求された押しのけ容積と、それまでに押しのけられた押しのけ容積とを加算し、前記の2つが均等に合致し続けるように個々のシリンダの押しのけ容積を選択することも可能である。
【0104】
一実施形態においては、各シリンダ作動容積を通して同位相で作動する複数のシリンダからなるセットが存在してもよい。例えば、カムが複数のローブを有する場合や、又は軸方向に間隔をもって配置されたシリンダのバンクが複数存在する場合に、このようなセットが存在する場合がある。この場合、各決定ポイントにおいて、動作サイクル又は非動作サイクルの選択は、該セットの各シリンダについて一度になされてもよい。
【0105】
図6は、押しのけ容積需要が機械(場合に応じて油圧ポンプ12又は油圧モータ16)の最大押しのけ容積の25%である場合の、連続する時間ステップにおける図5に示す押しのけ容積決定アルゴリズムの動作の例を示す表である。第1列は時間ステップであり、単位は[秒]である。第2列はSUMの比較対象となる閾値である。この例では、該閾値は一定である。第3列は変数SUMの値であり、単位は[%]である。第4列は動作サイクルを実行するように選択されたシリンダ数である。この例では、該シリンダ数はゼロ又は1のいずれかのみである。しかし、複数のシリンダについて決定ポイントが同時に発生する実施形態では該シリンダ数はより多くの数となり得る。第5列はACCUMULATORの値であり、最終列はシリンダが動作サイクルを実行するか否かを示す。この表では、動作サイクルの選択の各々は「通常」とラベルされる。説明の簡単のために、最大押しのけ容積需要の4分の1に等しい一定の押しのけ容積の需要が選択される。しかしながら実際には、押しのけ容積需要は当然ながら変化する。図6に示す例では、4サイクル毎に、すなわち0.4秒毎にシリンダが動作サイクルを実行することが選択されていることがわかる。したがって、シリンダが動作サイクルを実行する選択の基本周波数は2.5Hzであり、シリンダが非動作サイクルを実行する選択の基本周波数は7.5Hzである。回転シャフトの回転数がn倍に増加する場合、両基本周波数もまたn倍に増加することが理解されるであろう。
【0106】
通常、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンは、1以上の強度ピークを含む周波数スペクトルを有する。これらのピークの周波数は、動作・非動作サイクルのシーケンス及び回転シャフトの回転数に応じて変化する。例えば、図6のパターンの場合、前記周波数スペクトルは2.5Hz及び7.5Hzに強度ピークを有することとなる。
【0107】
図7は、図5及び6に示す押しのけ容積決定アルゴリズムの制御ロジックを示す概略図である。要求された押しのけ容積は、シグマブロック350に受け取られ、該シグマブロック350は前記要求された押しのけ容積と、ACCUMULATORの値を格納するソフトウェア積算器352からの出力との和を計算する。シグマブロック350からの出力は比較器354により閾値と比較され、この閾値に到達するか該閾値を超えた場合にはシリンダ有効化信号356の出力がトリガーされ、シリンダブロック350に動作サイクルを実行させる。この出力は増幅器358にも入力される。シグマブロック350のための出力は、押しのけ容積決定アルゴリズムの他の部分と同様の%の形式ではなく0と1の間なので、該増幅器358はソフトウェア積算器352の減算入力に対してゲインを与える。
【0108】
図8Aは、選択された強度ピークと、油圧ポンプ12又は油圧モータ16の最大押しのけ容積(回転シャフト1回転当たりの容積)に対する比率で表される油圧ポンプ12又は油圧モータ16の押しのけ容積需要との間の、周波数の関係を示す図である。押しのけ需要(x軸)が増加するにつれて、動作サイクルを実行するシリンダの選択の振動数(y軸)(動作選択の基本周波数)400と、周波数スペクトルにおいてそれに対応する強度ピークの周波数は線形的に増加し、前記押しのけ容積需要がその最大値に達するとき、シリンダ選択の決定の周波数の周波数に到達する。図8Aは、非動作サイクルを実行するシリンダの選択の周波数402をも示し、これは、周波数スペクトルにおいて対応する強度ピークの周波数である。押しのけ容積需要が油圧ポンプ12又は油圧モータ16の最大押しのけ容積の0%から100%へ増加するにつれて、この周波数がシリンダ選択決定の周波数からゼロへ減少することがわかる。実際には、特的の強度ピークの周波数と押しのけ需要との関係はもっと複雑である場合がある。例えば、図8では、全てのシリンダが、各シリンダのいずれにおいても最大押しのけ容積の100%が押しのけられる動作サイクル又は作動流体の正味押しのけ容積が生成されない非動作サイクルのどちらかであることを仮定している。実際には、複数の動作サイクルにおいて押しのけられる作動流体の量に変動がある場合、このグラフは違うものとなるであろう。
【0109】
図9Aは、回転シャフトの回転数が1000rpmであって、機械が等間隔に(45°ずつ離れて)配置された8個のシリンダからなるバンク2つの形をとった合計16個のシリンダを有し、該2つのバンクは22.5°のオフセットを有する場合の周波数スペクトルデータの計算値を示す。これらのシリンダは、シリンダ作動容積のサイクルにおいて16種類の固有の位相で作動する。周波数スペクトルの周波数成分の強度が濃淡の変化で表されており、強度ピークが見られる。この例では、シリンダ選択決定の基本周波数は1000×16/60=266.7Hzであり、押しのけ容積の割合(すなわち回転シャフト1回転あたりの最大押しのけ容積に対する比率であり、典型的には、押しのけ容積需要信号によって決まる)(x軸)が0から1に増加するにつれて、動作サイクルの基本周波数(励振周波数,y軸)を示す強度ピークが0から266.7Hzに線形的に増加し、非動作サイクルの基本周波数は266.7Hzから0に線形的に減少することがわかる。
【0110】
図8Aを参照すると、油圧ポンプ12又は油圧モータ16のコントローラは、タワーの共振周波数404又はブレードの共振周波数408及びこれら共振周波数の両側に広がる帯域406410内で強度ピークを含む周波数スペクトルを有するシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを選択することを避けようとする。シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルにおける強度ピークとは異なり、これらの共振周波数は回転シャフトの回転数に伴って変化しない。(いくつかの実施形態では、共振周波数のうち1以上(例えば風力発電装置のブレードの共振周波数のうち1以上)は、回転シャフトの回転数にともなって変化してもよいが、回転シャフトの回転数には比例しない。)
【0111】
図8Bは、例えば、各シリンダについて、実質的に同一の位相で作動する他のシリンダが1つ存在する等、複数のシリンダにおいて冗長性がある場合の、動作サイクルを実行するシリンダの周波数及び非動作サイクルを実行するシリンダの周波数の上記に対応する変化(及び、したがって周波数スペクトルにおける対応する強度ピーク)を示す。カムがローブを2つ有する(すなわち、回転軸からの距離が2点において最大であり2点において最小である)場合や、又は、同相で作動する同一のカムにより駆動され、同一のソース又はシンクから作動流体を受け取り又は同一のソース又はシンクへ作動流体を送るシリンダのバンクが2つ存在する場合にこのようになる可能性がある。この場合、シリンダ動作選択の周波数(シリンダが動作サイクルを実行する選択の周波数)が、50%の押しのけ容積需要(同一位相を有するシリンダの数、すなわち冗長数で100%を除したもの)において決定の周波数に達することがわかる。50%の押しのけ需要では、同一位相を有するシリンダの各ペアのうち1つのシリンダが各決定ポイントにおいて選択され、押しのけ容積が増加するにつれて2番目のシリンダの動作選択の周波数がゼロから増加する。非動作サイクルの選択の周波数はこれに対応して変化し、動作サイクルの選択の周波数と非動作サイクルの選択の周波数の合計は、所定のシリンダ選択の周波数のために常に同一となる。
【0112】
図9Bは、8個の等間隔に配置された(45°ずつ離れた)シリンダからなるバンクを2つ、合計16個のシリンダを備える機械に関するデータであって、バンク間にオフセットはなく、したがって各シリンダはシリンダ作動容積のサイクルを通して他方のバンクの対応するシリンダと同位相で作動する場合のデータである点を除いて図9Aと同様である。よって、冗長数は2であり、このためシリンダは8種類の固有の位相のみで作動する。回転数はここでも1000rpmである。シリンダ選択の決定は、2つのシリンダについて一度になされるので、決定の周波数は、図9Aの場合の半分、すなわち133.3Hzである。押しのけ容積の割合が0から0.5に増加するとき、各選択において動作サイクルを選択されるシリンダの数は0又は1のいずれかであり、1つのシリンダが動作サイクルを実行することを選択される決定の比率は0から100%に増加する。よって、動作サイクルの基本周波数は、0から133.3Hzに線形的に増加する。そして、押しのけ容積の割合が0.5であるとき、動作サイクルの基本周波数は0まで下がる。これは、この押しのけ容積の割合においては、考慮対象の2つのシリンダのうちいくつが動作サイクルを実行すべきかについての決定の各回において、1つのシリンダと決定されるためであり、したがって共鳴を生成し得る変化は存在しない。押しのけ容積の割合が0.5から1に増加するときは、2つのシリンダが動作サイクルを実行することとなる決定の比率は0から100%に線形的に増加し、したがって動作サイクルの基本周波数は再度0から133.3Hzに線形的に増加する。非動作サイクルの基本周波数は、133.3Hzから動作サイクルの基本周波数を差し引いたものに等しい。
【0113】
シリンダが動作サイクルを実行するように又は非動作サイクルを実行するように選択される周波数だけでなく、周波数スペクトルの強度ピークは、これらの周波数の調和周波数又は要求された押しのけ容積需要と(少なくとも所定の範囲内において)線形的な相関性を有する他の周波数からも生じる場合がある。これらの調和周波数は図9Aおよび9Bに見られる。
【0114】
図8及び図9において、調和周波数は、押しのけ容積に対する周波数の傾きが、動作又は非動作の基本周波数の線の傾きの正又は負の倍数となっている線によって確認することができる。決定周波数よりも高い調和周波数も典型的には存在し、図8A及び図8Bに示されるように、基本周波数及び調和周波数を決定周波数に関して反転させたものと一致する。
【0115】
図10及び11は、押しのけ容積の割合に対する、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトル450の強度ピーク452454456の周波数の変化についてさらなる説明を提供する。図11A〜11Dは、図10に示される異なる押しのけ容積割合ADにおける周波数スペクトルを示す。E1と示される動作サイクルの基本周波数と、D1と示される非動作サイクルの基本周波数は、相互補完の関係にある。
【0116】
実施形態によれば、油圧ポンプ12又は油圧モータ16のコントローラは、シリンダ作動容積のサイクルと位相の関連をもって各シリンダに関連する電子制御式バルブを制御するためのバルブ指令信号生成するようにプログラムされ、シリンダ容積の各サイクルについて、油圧ポンプ12又は油圧モータ16による正味押しのけ容積の総量の時間平均が、トランスミッションコントローラ32から受け取られる押しのけ容積需要信号で示される押しのけ容積需要の時間平均に合致するように、各シリンダが動作サイクル又は非動作サイクルの何れを実行するかについての決定をする。しかし、結果として得られるシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンが、望ましくない周波数成分の帯域の1以上の範囲内で周波数スペクトルの強度ピークを引き起こす可能性があると特定された場合には、図5及び6に示した手続を用いる代わりに、代替の手続(第2の手続)が採用される。代替の手続を用いると、時間平均として同一の正味押しのけ容積の総量が得られるにもかかわらず、望ましくない周波数域の範囲において周波数スペクトルの成分の強度を低減するようにシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンが微細に変更される。
【0117】
1つのやり方では、図5の手続のステップ312において比較器354で用いられる閾値が、周波数スペクトルの望ましくない強度ピークが除かれるように変更される。
【0118】
図12は、本実施形態に係る油圧ポンプ12及び/又は油圧モータ16のコントローラにより実行される手続を示す。油圧ポンプ12又は油圧モータ16に対する押しのけ容積需要がトランスミッションコントローラ32から受け取られる(500)。

そして、必要に応じて、油圧ポンプ12又は油圧モータ16がその押しのけ容積需要のために図5及び図6に示される押しのけ容積決定アルゴリズムを実行する場合に生じる周波数スペクトルにおける様々な強度ピークの周波数が計算される(502)。このステップは、必要に応じて、入力として油圧ポンプ12又は油圧モータ16の回転シャフトの回転数を必要とする。計算される周波数は、動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数及び非動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数とを含む。典型的には、計算される他の周波数は、これらの線形関数である。典型的には調和周波数(整数倍の周波数)が計算される。しかしながら、いくつかのケースでは、基本周波数の非整数倍の周波数の振動により共振が生じ、又は固定のオフセットも存在する場合がある。
【0119】
そして、計算された強度ピークの周波数は、例えばタワーの固有振動数の両側に広がる帯域406等の不許可の周波数帯域と比較される(504506)。不許可の周波数帯域は、油圧ポンプ12油圧モータ16とで異なっていてもよい。例えば、油圧ポンプ12はブレードと直接連結しているが油圧モータ16はそうではないので、ブレードの固有振動数と一致する周波数を有する生成を避けることは、油圧モータ16と比較して油圧ポンプ12においてより重要なことである。油圧ポンプ12は、駆動シャフト14のねじり振動モード等の共振周波数での強度ピークの生成を避けるようになっていてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、強度ピークの周波数が不許可の周波数帯域に一致する状況を特定するために、1以上の強度ピークの周波数を計算してこれらを不許可の周波数帯域と比較するのではなく、押しのけ容積要求及び回転シャフトの回転数のルックアップテーブルを用いてもよい。
【0121】
1以上の計算された強度ピークが不許可の帯域の範囲のいずれにも属さないことが特定されると、図5、6A及び6Bの押しのけ容積決定アルゴリズムを用いてシリンダ作動容積の各サイクルの押しのけ容積が計算され、該計算においてSUMは既定の閾値(この例では、個々のシリンダによる最大押しのけ容積の100%である)と比較される(508)。
【0122】
又は、強度ピークの1以上の周波数が不許可の帯域の範囲内に入ることが特定されると、該不許可の帯域の範囲にある周波数成分の強度を低減するために代替の手続が続いて行われ、図5の手続におけるステップ312にて及び図7の比較器354にてSUMの比較対象となる閾値が変更される(510)。
【0123】
この閾値は、回避しようとする共振周波数の0.1から0.5倍の周波数を有する矩形波パルスを加算することによって変更される。このことは、いくつかの動作サイクル(又は非動作サイクル)を早め、他のサイクルを遅延させる効果を有し、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトルを変化させるが、作動流体の押しのけ容積総量の時間平均を変更させない。油圧ポンプ12の押しのけ容積需要が変化した結果、図5〜7の押しのけ容積決定アルゴリズムの実行がもはや不許可の周波数帯域の範囲に強度ピークを生成しなくなるようになったとき、矩形波パルスはもう加算されなくなる。閾値を変調させる波形の周波数は、望ましくない周波数成分の周波数の半分以下であり、システムに応じて最適値を計算することができる。本発明者らは、望ましくない周波数の0.2〜0.3倍の範囲が特に適していることを見出した。
【0124】
図13は、本発明の一実施形態に係る決定の閾値を変更するための制御ロジックを示す概略図である。回転シャフト1回転あたりの決定ポイントの数(これはシリンダの数、及び、シリンダ作動容積のサイクルを通して同一位相を有し、そのため決定ポイントを共有するシリンダが存在する程度に依存する)と回転シャフトの回転数(図3では、1分あたりの回転数を60で除したものとして示される)とを掛け合わせることにより、シリンダを動作(有効)又は非動作(無効)のいずれにするかについての決定の周波数が計算される(520)。そして、動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数、非動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数、及び関連する調和周波数が計算される(522)。これらの周波数は、強度ピークの周波数に対応する。そして、計算の結果得られた周波数は複数のルックアップテーブルを参照するために用いられる(524)。該ルックアップテーブルのうち1つは望ましくない周波数域の各々と関連するものである。ルックアップテーブルは、関連する望ましくない周波数と概して等しい中心周波数を有する窓関数である。ルックアップテーブルからのアウトプットは、0から1の範囲内であり、乗算器528により、関連する共振周波数に対する比率(0.5未満)の周波数を有する矩形波パルスシーケンス526と乗算される。その積は加算器530により合計され、そうすることにより閾値オフセット532を計算する。該閾値オフセットは、図5のステップ312で用いられ、SUMは、既定の閾値と、時間とともに変化する閾値オフセットとの和と比較される。SUMが既定の閾値と閾値オフセットとの和と等しいかそれよりも大きいときは、シリンダが動作サイクルを実行するように選択される。そうでない場合は、シリンダは非動作サイクルを実行する(316)。図5の手続は、その後それまでと同様に継続して行われる。
【0125】
図13の制御ロジックの正味の効果は、油圧トランスミッション10が取り付けられる機械の一部(及び/又は油圧トランスミッション10それ自体の一部)の望ましくない共振周波数の両側の帯域に計算された周波数のうち1つが入る場合、シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンは、共振周波数での強度ピークを取り除くように変更される(第2の手続)というものであるが、計算された周波数のうち、望ましくない周波数帯域に入る物が存在しないときは、図5及び6の押しのけ容積決定アルゴリズムが採用される。
【0126】
図14は、結果として変更されたシリンダ決定パターンを示し、図6の場合と同じパラメータを用いたものである。動作サイクルの選択のいくつかは遅延され、いくつかは早められたことがわかる。図15には、動作サイクルの選択の標準及び変更された同一のパターンが、異なる形式で示される。図15において、T1は閾値が変更されずに動作サイクルが選択される間隔である。T2及びT3は、閾値の変更を伴って動作サイクルが選択される間隔である。
【0127】
図16に、図6の変更されていないパターンでの周波数スペクトル700において生じる強度ピーク704の周波数(700;破線)及び図14及び15の変更されたパターンでの周波数スペクトル702において生じる強度ピーク704の同周波数(702;点線)を示す。変更されていないパターンでは、動作サイクルの選択の間隔は0.4msであり、その結果強度ピーク704が2.5Hzに存在する。変更されたパターンから生じる周波数スペクトル(点線)においては、強度ピーク704は2Hz及び3.333Hzに存在する。このように、パルス波形の加算により、周波数スペクトルにおいて望ましくない強度ピークが除去される。しかし、時間平均の正味押しのけ容積の総量は変化していない。
【0128】
以上の例では、決定の閾値は矩形波パルスの適用により変更される。しかし、変調が矩形波によるものであること、又は繰り返しのパターンによるものであることは本質的な特徴ではない。また、他の実施形態では、決定の閾値を変更するのではなく、上述の例において閾値を変更したのと同様のやり方で周期的なオフセット波形を加算することによって、油圧ポンプ12又は油圧モータ16への入力として受け取られたもののうち1つ(典型的には押しのけ容積需要)がその代わりに変更される。これは同様の効果を有する。
【0129】
図17はこれが達成され得るやり方を示す。この例では、図4の手続で生成され、受け取られた油圧ポンプ12の押しのけ容積需要信号600は、時間0から線形的に増加する。与えられた油圧ポンプ12の回転シャフトの回転数について、押しのけ容積需要信号が0.31から0.35である場合、押しのけ容積決定アルゴリズムが、望ましくない周波数に強度ピークを有するシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを生成することが特定される。受け取られた押しのけ容積需要信号が0.31から0.35である場合、押しのけ容積需要は、低位値602である0.31と高位値604である0.35とを交互にとる。したがって、変更された押しのけ容積需要信号は、押しのけ容積需要信号の平均値が変化しないように選択されたデューティー比において低位値と高位値とを交互にとる。これは、デューティー:D=(受け取った押しのけ容積需要信号−低位値)/(高位値−低位値)を用いることで達成することができる。
【0130】
通常、油圧トランスミッション10又は油圧トランスミッション10を含む風力発電装置や他の機械の1以上の構成部品の1以上の共振周波数での振動の生成を抑えるため、与えられた押しのけ容積要求(回転シャフト1回転当たりの最大押しのけ容積に対する割合として表される)に対するシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルの選択のシーケンスは、回転シャフトの回転数によって異なる。
【0131】
図8及び9の例では望ましくない周波数域は一定であり回転シャフトの回転数とは独立であるが、いくつかの実施形態では1以上の望ましくない周波数域は変化する。例えば、掘削機の作動アームを駆動するために用いられる油圧モータの場合、共振周波数は(そして共振周波数を中心とする望ましくない周波数域は)アームの位置によって異なっていてもよい。モータがラムを駆動する場合、共振周波数は(そして共振周波数を中心とする望ましくない周波数域は)ラムが伸びる範囲によって異なるだろう。いくつかのケースでは、1以上の共振周波数は(したがって望ましくない周波数域のうち1以上は)回転シャフトの回転数と独立の1以上の測定パラメータによって異なるだろう。例えば、1以上の共振周波数は、1以上の位置センサによって測定される複数のアクチュエータの位置に依存してもよい。いくつかのケースでは、1以上の共振周波数は(したがって望ましくない周波数域のうち1以上は)回転シャフトの回転数に、比例はしないが、依存するだろう。例えば、風力発電装置において、ブレードの1以上の共振周波数は(したがって望ましくない周波数域のうち1以上は)、回転シャフトの回転数が増加するにつれて増加する(そしてブレードはより剛性が高くなる)であろうが、周波数の変化は回転シャフトの回転速度に比例するわけではない。
【0132】
いくつかのケースでは、望ましくない周波数域の全ては一定であり、メモリに格納することができる。しかし、1以上の共振周波数が変化する可能性がある場合、変化する共振周波数を含む望ましくない周波数域のうち1以上を決定するための共振決定モジュール159を採用してもよい。したがって共振決定モジュールは、1以上のセンサ(例えば、1以上の加速度計、圧力計、歪みゲージ、アクチュエータ位置センサ等)からのデータを処理してもよい。前述したように、全てではないがいくつかのケースで、共振決定モジュールは回転シャフトの回転数を考慮する。共振決定モジュールは、センサからの1以上の測定値から共振周波数及び/又は望ましくない周波数域を決定するためにルックアップテーブル又はアルゴリズムを用いてもよい。
【0133】
共振決定モジュールは、信号(例えば回転シャフトの回転数、高圧作動流体ライン内の圧力、又は、加速度計又は歪みゲージからの信号等)を解析することによって1以上の共振振動を特定するように作動可能であってもよく、周波数解析を実行して共鳴を特定するようになっていてもよい。例えば、共振決定モジュールは、風力発電装置の一部分(例えばタワー、ハブ又はブレード等)に取り付けられた加速度計又は歪みゲージからの信号について高速フーリエ変換解析を実行して、その結果得られた周波数スペクトルにおいて強度ピークを特定してもよい。1以上の周波数が特定されれば、共振決定モジュールは、該特定された共振周波数の周辺に望ましくない周波数域を定義することができる。
【0134】
例として、図18は油圧作動アームを備える掘削機800を示し、該アームが2つの位置804806にあるときの様子が示され、該アームは第1アーム部804及び第2アーム部806を連結して形成される。第1及び第2アーム部の各々は、本実施形態に係る油圧トランスミッション10の一部である油圧モータ16により互いに独立して作動可能である。掘削機のアームは、第1アームの位置と第2アームの位置の双方に依存し、油圧トランスミッション10油圧ポンプ12及び油圧モータ16の回転シャフトの回転数からは独立した周波数を有する1以上の共振モードを有する可能性がある。これらの周波数は、位置センサにより計測される第1及び第2アームの位置から計算することができる。
【0135】
図19は、油圧トランスミッション902を備える車両900に本実施形態を適用した例である。エンジン904は、ポンプ駆動シャフト908を介して上述したタイプの可変容量型油圧ポンプ906を駆動し、上述したタイプの可変容量型油圧モータ910は、(モータの回転シャフトに連結される)モータ駆動シャフト914及び差動装置916を介してホイール912を駆動する。油圧トランスミッションは902、さらに、低圧作動流体ライン918及び高圧作動流体ライン920を含む。駆動シャフト、特に油圧モータにより駆動されるモータ駆動シャフト914は、作用するトルクが特定の周波数で振動する場合に共鳴振動が生じる可能性がある。これらの共振モードの一部は、可変容量型油圧モータ910の回転シャフトの回転数によらず一定の周波数となり、一部は該回転シャフトの回転数に伴って変化するかもしれない。これらの共振の周波数は計算することができ、これらの共振周波数の両側に広がる望ましくない周波数域の範囲内に強度ピークを含む周波数スペクトルを有するシリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンを生成することを避けることができる。
【0136】
ここに開示される発明の範囲内において、さらなる変形や改良がなされてもよい。
【符号の説明】
【0137】
1 風力発電装置
2 ナセル
4 タワー
6 タービン
8 ブレード
10 油圧トランスミッション
12 圧ポンプ
14 駆動シャフト
16 圧モータ
18 発電機
20 発電機駆動シャフト
22 コンタクタ
24 タンク
26 低圧作動流体ライン
28 高圧作動流体ライン
30 油空圧式アキュムレータ
32 トランスミッションコントローラ
34 風速計
36 加速度計
38 加速度計
40 プロセッサ
42 データストレージ
100 シリンダ
102 シリンダ作動容積
106 ピストン
108 回転シャフト
110 偏心カム
112 シャフト位置及び速度センサ
114 信号ライン
116 マシンコントローラ
118 低圧バルブ(電気制御式弁)
120 低圧マニホールド
122 高圧マニホールド
124 低圧バルブ制御ライン
126 高圧バルブ(電気制御式弁)
128 圧力リリーフ弁
132 高圧バルブ制御ライン
150 プロセッサ
152 バス
154 メモリ
156 入出力ポート
158 プログラム
159 プログラムコード
160 変数(ERRORを含む)
162 各シリンダに関するデータのデータベース
163 各シリンダの角度位置に関するデータ
164 各シリンダが無効にされているかどうかに関するデータ
165 各シリンダが動作サイクルで作動した回数のデータ
166 シャフト位置信号
168 圧力の計測値
200 入力信号を受信するステップ
202 目標トルクを決定するステップ
204 ルックアップテーブル
206 油圧ポンプの押しのけ容積を計算するステップ
300 手続開始のステップ
302 ACCUMULATORをゼロに設定するステップ
304 決定ポイントに達するステップ
306 要求されたモータの押しのけ容積を読み込むステップ
308 SUMを計算するステップ
310 ステータスを確認するステップ
312 比較ステップ
314 押しのけ容積を設定するステップ
316 押しのけ容積をゼロに設定するステップ
318 ACCUMULATORを更新するステップ
350 シグマブロック(加算器)
352 ソフトウェア積算器
354 比較器
356 シリンダ有効化信号
358 増幅器
400 動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数
401 動作サイクルを実行するシリンダの選択の調和周波数
402 非動作サイクルを実行するシリンダの選択の基本周波数
403 非動作サイクルを実行するシリンダの選択の調和周波数
404 タワーの共振周波数
406 周波数帯域
408 ブレードの共振周波数
410 周波数帯域
450 シリンダ作動容積の動作・非動作サイクルのパターンの周波数スペクトル
452 動作サイクルの基本周波数に起因する強度ピーク(E1)
454 非動作サイクルの基本周波数に起因する強度ピーク(D1)
456 調和周波数に起因する強度ピーク
500 押しのけ容積需要を受け取るステップ
502 周波数成分を計算するステップ
504 比較ステップ
506 決定ステップ
508 変更されていない閾値を用いた比較
510 変更した閾値を用いた比較
520 決定の周波数を計算
522 周波数を計算
524 ルックアップテーブル
526 パルス発生器
528 乗算器
530 加算器
532 閾値オフセット
T1 第1の手続による動作サイクルの時間間隔
T2、T3 第2の手続による連続する動作サイクルの時間間隔
600 受け取った押しのけ容積需要信号
602 低位値
604 高位値
700 周波数スペクトル(変更されていないパターン)
702 周波数スペクトル(変更されたパターン)
704 周波数スペクトルの強度ピーク
800 掘削機
802A、802B 2つの位置での油圧作動アーム
804 第1アーム部
806 第2アーム部
900 車両
902 油圧トランスミッション
904 エンジン
906 可変容量型油圧ポンプ
908 ポンプ駆動シャフト
910 可変容量型油圧モータ
912 ホイール
914 モータ駆動シャフト
916 差動装置
918 低圧作動流体ライン
920 高圧作動流体ライン

【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正の内容】
図19
【国際調査報告】