(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-536415(P2015-536415A)
(43)【公表日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】風力発電装置及び風力発電装置の運転方法
(51)【国際特許分類】
F03D 7/04 20060101AFI20151124BHJP
F03D 11/00 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
F03D7/04 E
F03D11/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-546003(P2015-546003)
(86)(22)【出願日】2013年12月5日
(85)【翻訳文提出日】2015年7月28日
(86)【国際出願番号】EP2013075606
(87)【国際公開番号】WO2014086901
(87)【国際公開日】20140612
(31)【優先権主張番号】102012222323.1
(32)【優先日】2012年12月5日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】シュトルテンヨハネス、ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ボーレン、トマス
(72)【発明者】
【氏名】ハルムス、ハーロ
(72)【発明者】
【氏名】ブレナー、アルブレヒト
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB31
3H178BB62
3H178DD12Z
3H178DD31X
3H178DD54X
3H178EE13
(57)【要約】
【課題】風高さプロファイルによって生じる負荷を減少し、音響(騒音)発生を低減し及び/又は収益を高めることを可能にする風力発電装置及びその運転方法を提供する。
【解決手段】風エネルギから電気エネルギを生成するための、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレード(8)を有するロータ(6)を有する風力発電装置(1)の運転方法において、風力発電装置(1)は、当該風力発電装置(1)のアジマス位置が風(16)に対する整列状態からアジマス補償角だけ逸れるよう配向され、及び/又は、ロータブレード(8)のブレード角は、風(16)の高さプロファイルによって引き起こされる変動負荷が低減されるよう回転周期的に調整される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風エネルギから電気エネルギを生成するための、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレード(8)を有するロータ(6)を有する風力発電装置(1)の運転方法であって、
・風力発電装置(1)は、当該風力発電装置(1)のアジマス位置が風(16)に対する整列状態からアジマス補償角だけ逸れるよう配向され、及び/又は
・ロータブレード(8)のブレード角は、風(16)の高さプロファイルによって引き起こされる変動負荷が低減されるよう回転周期的に調整される、
運転方法。
【請求項2】
風力発電装置(1)は、当該風力発電装置(1)から風(16)に向かって見た場合に、風(16)に対する整列状態から右側に逸れるないし上方から当該風力発電装置(1)を見た場合にそのアジマス位置が風(16)に対する整列状態に対し時計回りに逸れる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アジマス補償角は、0.5〜10°、有利には1〜3.5°、とりわけ1.5〜2.5°であり、及び/又は、アジマス補償角は、一定のオフセット角として与えられ、かくして、風力発電装置(1)は風(16)に対する整列状態に対し常にこのアジマス補償角だけ調整される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アジマス補償角は、主流風速(V2)に依存して選択される、
請求項1〜3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
ブレード角の各々は、翼端の領域において迎角が可及的に一定に維持されるよう、回転周期的に調整される、
請求項1〜4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
個々のロータブレードのブレード角は、その夫々の回転位置に依存して夫々所定の値だけ調整される、ここに、とりわけ、該所定の値は、テーブルに予め記憶されている及び/又は該回転位置に依存する関数によって予め設定される、
請求項1〜5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
個々のロータブレードのブレード角は、個別にかつ主流風速(V2)に依存して制御される、とりわけ、個々のロータブレードのブレード角は、主流風速(V2)及び夫々のロータブレードの回転位置に依存して制御される、
請求項1〜6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
運転時、すべてのロータブレード(8)に対し1つの共通の正常ロータブレード角が予め設定され、及び、個々のロータブレードは夫々その回転位置に依存してこの1つの正常ロータブレード角の付近で、とりわけ予め設定されるブレード角インターバルの範囲内で、変化される、
請求項1〜7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
風力発電装置(1)は、正常運転点から逸れたプロファイル運転点で運転され、
・該正常運転点は、とりわけ部分負荷領域において、主流風(16)に対し、風プロファイルを考慮することなく決定される正常ブレード角を有し、かつ、風(16)に対するアジマス位置の正常整列状態を有し、及び、
・該プロファイル運転点は、正常整列状態からアジマス補償角だけ逸れたプロファイルアジマス位置を有し、かつ、正常ブレード角からブレード補償角だけ逸れたプロファイルブレード角を有する、
請求項1〜8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
・ブレード補償角が、関連するロータブレードの12時位置に関しアジマス補償角とは反対側に調整されている第1プロファイル運転が選択され、又は、
・ブレード補償角及びアジマス補償角が、関連するロータブレードの12時位置に関しロータブレードを同じ方向に調整する第2プロファイル運転が選択される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アジマス補償角の値がブレード補償角の値よりアジマス重みづけ係数だけ大きく又はブレード補償角の値がアジマス補償角の値よりブレード重みづけ係数だけ大きいように、アジマス補償角とブレード補償角の間で重みづけが行われる、ここに、アジマス重みづけ係数及びブレード重みづけ係数は夫々1.2より大きい、有利には1.5より大きい、とりわけ2より大きい、
請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
風エネルギから電気エネルギを生成するための、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレード(8)を有するロータ(6)を有する風力発電装置(1)であって、
該風力発電装置(1)は請求項1〜11の何れかに記載の方法で運転されるよう構成される
風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風のエネルギから電気エネルギを生成するための風力発電装置の運転方法に関する。本発明は、更に、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレードを有するロータを有する相応の風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置は一般的に既知であり、現在最も頻繁に見られるタイプの風力発電装置はいわゆる水平軸型風力発電装置である。この場合、複数のロータブレードを有するロータは実質的に水平な回転軸の周りで回転する。回転軸は僅かに、例えば数°だけ傾斜されることもあるが、それでも、当業界では水平軸と称され、いわゆるダリウス型ロータのような完全に異なるタイプの装置と区別される。
【0003】
そのような水平軸型風力発電装置のロータは、実質的に鉛直なロータ面ないし受風面を描く(形成する)。このロータ面は、現代の風力発電装置の場合にも、鉛直方向に相当に大きい程度で広がる。この場合、個々のロータブレードは、回転時、その翼端が6時位置においてロータ面の最低点に到達し、12時位置においてこのロータ面の最高点に到達する。この最高点は、場合によっては最低点より何倍も高い位置にあり得る。例えば、エネルコン社の風力発電装置タイプE−82は82mのロータ径を有し、ハブ高さ即ち軸高さないしロータ面の中心点が78mの高さにあるバリエーションもある。この場合、最低点の高さは37mであり、最高点の高さは119mである。従って、最高点は、最低点の3倍超の高さにある。ハブ高さがより大きい場合にも、ロータ面のこの最低点と最高点の間には相当に大きな高度差がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US 6,899,523 B2
【特許文献2】US 2010/0074748 A1
【特許文献3】US 2010/0078939 A1
【特許文献4】US 2010/0092288 A1
【特許文献5】US 2010/0290916 A1
【0005】
【非特許文献1】BOSSANYI,E.A. "Individual Blade Pitch Control for Load Reduction", Wind Energy, Vol.6, 2003, p.119-128, Online-ISSN: 1099-1824
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実用上の観点から考慮されるべきことは、風は自然の高さプロファイル(高さ特性:Hoehenprofil)を有し、従って、風は―関連する高さに関し―地面からの高さが大きくなるほどより大きくないしより強くなることである。このため、形成されたロータ面の高度差により、それ対応して異なる強さの風が存在することになる。かくして、風は最低点では最も弱く、最高点では最も強い。換言すれば、風力発電装置には、大気境界層内において、より強い又はより弱い剪断流(Scherstroemungen)が流入する。これは、風高さプロファイル(風高さ特性:Windhoehenprofil)と称することができるが、この風高さプロファイルは、風力発電装置の運転時、ロータブレードのローカル(局所的)迎角の変動を引き起こすため、不所望の変動負荷及び不均一な回転モーメント(トルク)出力が生じ得る。ロータブレードにおける流れ剥離により音響(騒音)発生の増大も生じ得る。
【0007】
ここで留意すべきことは、本書の考察(本発明)はとりわけ風高さプロファイルによるこれらの問題を検討するものであること、及び、それに関連することである。より複雑に(厳密に)考えれば、風の乱流状態の相違を考慮すれば、勿論、検討結果も異なり得る。しかしながら、これらの問題はここでは考慮しない。なぜなら、それらは無視できることが多く、或いは、無視できない限りにおいては別個の検討を必要とするが、それはここでの(本発明の)主題ではないからである。
【0008】
この問題ないしこれらの問題に対処するために、複数の異なる周速比に対して設計される複数の異なる部分を有するブレードデザインが、US 6,899,523 B2において既に提案されている。また、US 2010/0290916 A1からは、ロータブレードが、可及的に大きな迎角ないし流入角を超えてもなお満足できる揚力(浮力)抗力比(揚抗比:Gleitzahl)を有するよう設計されたいわゆる統合型(integrierend)ブレードデザインが知られている。即ち、これらにおいては、たとえ最適な迎角に対する揚抗比が最早全く最適であるとは考えられない場合であっても、個々の可及的に最適な迎角にブレードを可及的に最適化することではなく、迎角に関し寧ろ少々より大きい領域を可能にすることを提案していた。
【0009】
しかしながら、風力発電装置の規模が大きくなるにつれて、風高さプロファイルによる相違も、従って、対応する問題も大きくなり得る。
【0010】
なお、ドイツ特許商標庁は、本願の優先権主張の基礎出願において以下の先行技術を調査した:US 6,899,523 B2;US 2010/0074748 A1;US 2010/0078939 A1;US 2010/0092288 A1;US 2010/0290916 A1;BOSSANYI,E.A. "Individual Blade Pitch Control for Load Reduction", Wind Energy, Vol.6, 2003, p.119-128, Online-ISSN: 1099-1824。
【0011】
それゆえ、本発明の課題は、上述の問題の少なくとも1つに対処することである。とりわけ、風高さプロファイルによって(依存して:bedingt)生じる負荷を減少し、音響(騒音)発生を低減し及び/又は収益(電気エネルギ生産量)を高める解決策の提案が望まれる。少なくとも、代替的な解決策の提案が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に応じ、請求項1に記載の方法が提案される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明により、風エネルギから電気エネルギを生成するために、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレードを有する空気力学的(aerodynamisch)ロータを有する風力発電装置が運転される。
【0014】
この場合、風力発電装置は、アジマス位置が風に対する正確な整列状態からアジマス補償角だけ逸れるよう配向される。これに対し、従来は、風力発電装置は、風を最適に利用することができるよう、そのアジマス位置が風に対し正確に整列されていた。しかしながら、本発明により、風力発電装置のアジマス位置ないしアジマス整列状態を風に対するこの最適な整列状態に対して意図的に調整すること、より詳しくはアジマス補償角だけ調整することが提案される。このアジマス調整によって、風高さプロファイルによって引き起こされるロータブレードに対する交互変動負荷(Wechsellasten)を低減できることが分かった。この場合、ロータブレードは、最早、風に対し完全に直角には運動せず、風に対し僅かに傾斜して運動する。このことは、このアジマス調整を適切に行う場合、個々のロータブレードが風に対するこの斜めの運動によってロータ面の上側部分においては少々風から離れるように(von Wind weg)運動し、他方下側部分においては少々風に向かって(zum Wind hin)運動することを意味する。
【0015】
本発明の一実施形態に応じ、風力発電装置は当該風力発電装置から風に向かって見た場合に、風に対する整列状態から右側に逸れること、ないし、風力発電装置は上方から当該風力発電装置を見た場合にそのアジマス位置が風に対する整列状態に対し時計回りに逸れることが提案される。即ち、風力発電装置は、そのアジマス位置において右側に(右方に)変位される。このことはロータの回転方向に関係するものであるが、ロータは、通常、風力発電装置から見て左側に回転するないし前方から見て即ち規定通りに風力発電装置に向かう風の方向から見て右側に回転する。風力発電装置がこの通常の回転方向とは異なり当該風力発電装置から見て右側に回転することないし前方から見て即ち規定通りに風力発電装置に向かう風の方向から見て左側に回転することが望まれる場合、提案されるアジマス調整は相応に適合可能である。
【0016】
0.5°〜3.5°の範囲のアジマス補償角は有利な効果、即ちブレード負荷の一様化即ち、変動負荷の低減を可能にする。この範囲は有利には1〜3°であり、とりわけ1.5〜2.5°の範囲が提案されるが、これは試験において極めてポジティブな(有利な)効果をもたらした。そのような比較的小さい値は、アジマス角の非最適調整による生産量損失を殆ど考慮する必要がないという利点も有する。一次近似では、風に対するアジマス角の調整に対する生産量の依存性は余弦(コサイン)関数によって記述される。即ち、角度0即ち最適整列状態に対し最大値は1であり、この値は、余弦関数から知られているように、0からの角度の変化が小さい場合、殆ど減少しない。
【0017】
本発明の一実施形態に応じ、アジマス補償角は主流風速(支配的風速)に依存して選択される。かくして、例えば風が弱い場合、風に対する直接的な最適整列状態からの風力発電装置の逸れをより小さくするために、より小さいアジマス補償角を選択することができる。これは、例えば風が弱い場合、絶対的負荷はより小さく、従って、変動負荷もより小さい作用しか有しない、とりわけより少ない疲労現象しか引き起こさないからである。主流風速は、この場合例えば風力発電装置の風速計によって又は他の方法によって検出することができる。
【0018】
風の高さプロファイル(高さ特性:Hoehenprofil)によって引き起こされる変動負荷が低減されるようロータブレードのブレード角の各々が回転周期的に(umlaufzyklisch)調整されることが、付加的に又は代替的に提案される。この場合、ブレード角は、ピッチ角とも称されるロータブレードの仰角(Anstellwinkel)を意味する。この場合、ブレード角は、とりわけ、ロータ面の上側領域においては風の外に(aus dem Wind)少々ずれるように、ロータ面の下側領域においては風の中に(in den Wind)少々ずれるように、調整されることができる。これは、とりわけ回転周期的に(umlaufzyklisch)、即ち、常時的測定に基づくのではなく、従って、可及的に(フィードバック)制御の形態ではなく、各回転位置又は各ブレードの回転位置の領域に割り当てられている一定の値(feste Werte)によって、実行されることが望ましい。この場合、この割り当ては、主流風速、位置依存性、風向、季節や一日の経過のような更なるパラメータを考慮することができる。例えばブレード撓みの測定によって行われるようなブレード負荷の常時的測定は省くことができる。これに応じて、場合によって生じ得る安定性問題も(フィードバック)制御(Regelung)によって回避される。なお、(フィードバック)制御の使用は実施の際の1つのオプションであり得る。
【0019】
ブレードのブレード角の回転周期的調整による変動負荷の低減は、当該又は他の風力発電装置の予め記録された測定値又は予め計算された値又は経験値に基づいて決定することができる。これに応じて、各ロータブレードのためのブレード角の個々の調整が個別に実行される。この場合、個々の調整は、風力発電装置が3つのロータブレードを有する場合、各ブレードに対し、同一であるが、隣り合うブレードに対し120°ずらされた調整関数(機能:Einstellfunktionen)が使用されるように、実行することができる。ここで重要なことは、各ロータブレードがそれぞれ独自のロータブレード調整機構を有することである。
【0020】
本発明の一実施形態に応じ、ブレード角が、迎角ないし流入角(Anstroemwinkel)が可及的に一定に維持されるよう、回転周期的(umlaufzyklisch)に調整されることが提案される。これは、相応に各ロータブレードに対し個別に提案される。ここでいう迎角は、見かけ風がロータブレードにその翼端の領域において流入する際の角度のことである。翼端の代わりに又はこれに加えて、ロータブレードの外側の(翼端側の)3分の1の領域、とりわけロータ軸から測って、ロータブレードの70%、75%、80%又は70%〜80%の範囲の領域も使用することができる。ここで、見かけ風とは、実際の風と、ロータの回転によって従って翼端の運動によって生じる運動逆風(Bewegungsgegenwind)とのベクトル和である。この見かけ風は、冒頭に記載したように、高さ(高度)に応じて、その大きさに関してもその角度に関しても、変化する。そこで、ロータブレードがその翼端の領域において見かけ風の方向にその都度適合するよう、ブレードを回転することが提案される。そのため、ロータブレードは、当該ロータブレード(の翼端)が鉛直方向において上方に配向される12時位置においては、当該ロータブレード(の翼端)が下方に配向される6時位置にある場合と比べて少々より大きく風の中に回転される。これに応じて、中間値(複数)が生じる。かくして、見かけ風の方向に対する流体力学的に好ましい適合化ないし部分的適合化が生じるだけでなく、ロータブレードが12時位置にある場合における即ち一般的にいうところの上方領域にある場合における風の中へのより大きな回転は、ロータブレードのより良好な負荷受容をもたらす。
【0021】
本発明の更なる一実施形態は、個々のロータブレードのブレード角がその夫々の回転位置に依存して夫々所定の値だけ調整されること、この場合、とりわけ、該所定の値は、テーブルに予め記憶されていること及び/又は該回転位置に依存する関数によって予め設定されることを提案する。かくして、個々のロータブレードのブレード角の制御がこのロータブレードの夫々の回転位置に依存して個別に実行されることが提案される。ロータの位置、従って少なくとも単純な換算により得られる個々のロータブレードの位置は、風力発電装置の運転時には既知であることが多く、或いは簡単な方法で求めることができる。これを前提とすると、各ロータブレード角は、何らかの測定も要することなく、所定の値(複数)に基づいて調整される。該所定の値は、予め記録又は計算された又はシミュレーションによって作成されたテーブルに記憶することができる。そのようなテーブルは、例えば風速又は風向に依存し立地に関連する高さプロファイル(高さ特性)のような更なるパラメータを考慮することができる。
【0022】
他の又は補充的な一変形形態では、この回転周期的なブレード調整は関数に基づいて予め設定される。例えば、3つのロータブレードを有する風力発電装置を例にとれば、ロータブレード角α
1、α
2及びα
3は以下の関数によって予め設定することができる:
α
1=α
N+cos(β)・α
A
α
2=α
N+cos(β+120°)・α
A
α
3=α
N+cos(β+240°)・α
A
【0023】
ここで、α
Nは計算される又は予め設定されるブレード角であるが、これは先行技術の場合と同様に通常通りに即ち風高さプロファイルを考慮することなく求められる。角度βはロータブレードの回転位置であり、β=0°は関連するロータブレードの12時位置に対応する。αはブレード補償角である。
【0024】
有利には、ブレード角は、個別にかつ主流風速に依存して制御される、とりわけ、ブレード角が主流風速及び夫々のロータブレードの回転位置に依存して制御されるよう、制御される。2つのパラメータ(Einflussgroessen)の考慮は、例えば回転位置及び主流風に依存して記録されている相応のブレード角を有する2次元のテーブルによって行うことができる。他のオプション(Moeglichkeit)の1つは上記の方程式に従って計算を行うことであるが、この場合、補償角α
Aは主流風速に依存し、及び、主流風速に依存して、例えば、例を2つだけ挙げると、相応の関数によって又は予め与えられるテーブル値によって調整される。
【0025】
かくして、有利には、既述の通り、運転時、すべてのロータブレードに対し1つの共通の正常ロータブレード角が予め設定され、及び、個々のロータブレードは夫々その回転位置に依存してこの1つの正常ロータブレード角の付近で、とりわけ予め設定されるブレード角インターバルの範囲内で、変化される。これを行うためのオプションの1つは、上記の方程式の使用であり、これによりロータブレード角は補償角±α
Aだけ変化する。これに応じて、この例では、インターバル[α
N−α
A;α
N+α
A]内で変化が行われる。
【0026】
本発明の更なる一実施形態に応じ、風力発電装置が正常運転点(Normalbetriebspunkt)から逸れたプロファイル運転点(特性運転点:Profilbetriebspunkt)で運転されることが提案される。ここで、正常運転点は、とりわけ部分負荷領域において、主流風に対し風プロファイル(風特性:Windprofil)を考慮することなく決定される正常ブレード角を有し、かつ、更に、風力発電装置[のブレード]が風の中に(in den Wind)正確に回動されているアジマス位置の正常整列状態を有する運転点である。プロファイル運転点は、正常整列状態からアジマス補償角だけ逸れたプロファイルアジマス位置(特性アジマス位置)を有する。更に、プロファイル運転点は、正常ブレード角からブレード補償角だけ逸れたプロファイルブレード角(特性ブレード角)を有する。かくして、負荷を低減するために、アジマス位置の調整とブレード角の調整を組み合わせること、即ち、同時に実行することが提案される。
【0027】
有利には、ブレード補償角が関連するロータブレードの12時位置に関しアジマス補償角とは反対側に調整されている第1プロファイル運転(第1特性運転)が選択される。かくして、両者の角度は少なくとも部分的に相殺されているため、ロータブレードは、12時位置では正常運転に対し僅かしか調整されていない。なお、アジマス角の調整とロータブレード角の調整は異なる効果を生じ得るため、部分的相殺が生じたとしても、負荷に対しポジティブに作用する相乗効果が達成できることに留意すべきである。
【0028】
本発明の他の一実施形態に応じ、ブレード補償角及びアジマス補償角が関連するロータブレードの12時位置に関しロータブレードを同じ方向に調整する第2プロファイル運転(第2特性運転)が提案される。従って、この場合、両者の角度の組み合わせは、12時位置において効果的に調整されるブレード角を増大する。両者の角度調整のこのポジティブな重ね合わせも、負荷低減に対する相乗効果を生ずることができる。
【0029】
有利には、アジマス補償角の値がブレード補償角の値よりアジマス重みづけ係数だけ大きく又はブレード補償角の値がアジマス補償角の値よりブレード重みづけ係数だけ大きいように、アジマス補償角とブレード補償角の間で重みづけ(Gewichtung)が行われ、ここに、アジマス重みづけ係数及びブレード重みづけ係数は夫々1.2より大きい、有利には1.5より大きい、とりわけ2より大きい。かくして、12時位置に関し、両者の調整角、即ちアジマス補償角及びブレード補償角、は、異なる値を有することに留意すべきである。とりわけ、12時位置に関し有効にブレード位置が調整されないことが回避される。
【0030】
かくして、風力発電装置のアジマス位置を調整し及び付加的に又は選択的にロータブレードのブレード角を回転周期的に(umlaufzyklisch)調整することによって、風高さプロファイルに基づく問題を解決又は低減する方法が提案される。風高さプロファイルは、ロータブレードの位置に依存して、ロータブレードにおける迎角を変化させ得る。角度差(Differenzwinkel)は異なる揚力係数をもたらす。
【0031】
具体的風高さプロファイルは位置、方向及び季節依存的でもあり得るが、提案される補償措置は具体的高さプロファイルに依存し得る。有利には、アジマス調整及び/又はブレード調整をこの高さプロファイルに依存して実行することが提案される。とりわけ、アジマス補償角を高さプロファイルに依存して選択すること、及び、付加的に又は代替的に、ブレード補償角を高さプロファイルに依存して選択することが提案される。
【0032】
各ロータブレードのブレード角の回転周期的な変化のために、とりわけ、この変化が連続曲線に依存して実行され、この曲線ないし特性曲線が、基本的に連続的に、関連するロータブレードの一回転の各位置に対し1つのロータブレード角を予め設定することが提案される。
【0033】
テーブルにおける相応の値(複数)の記録及び/又は関数的関係における考慮は、有利には、位置、季節、方向及び高さ依存的及び/又は主流(支配的)乱流依存的にも実行される。
【0034】
テーブルにであれ、関数的関係であれ又はその他の方法であれ、そのような予め記録される値(複数)は、付加的に又は代替的に、現場で、例えば測定技術的に(度量衡学的に)適合化されることが可能であり、とりわけ、ここでは、順応的な適合化が提案される。
【0035】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を参照して例示的に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図2】模式的に記載された風力発電装置に関する風の高さプロファイルの一例。
【
図3】ロータブレードの補償を含む回転角依存性迎角ないし流入角の一例のグラフ。
【
図4】種々のアジマス調整についてのグラフにおける回転角依存性の局所的(ローカル)迎角ないし流入角の一例。
【実施例】
【0037】
図1は、タワー102とゴンドラ(ナセル)104を有する風力発電装置100の一例を示す。ゴンドラ104には、3つのロータブレード108とスピナ110を有するロータ106が配されている。ロータ106は、運転時、風によって回転運動し、それによってゴンドラ104内の発電機を駆動する。
【0038】
図2〜
図4は、単純化して計算されたないしシミュレーションにより得られた値に基づいている。
【0039】
図2は、ハブ高さが凡そ85mの例示的な風力発電装置1に基づいている。この風力発電装置は複数のロータブレード8を有するロータ6を有するゴンドラ4を有する。ここで、風力発電装置1はそのタワー2で地面に設置されているが、地面の高さは0mとして定められ、従って、高さの基準値をなす。
【0040】
ロータブレード8(の運動の軌跡)はロータフィールドを描くが、これはロータ円によって画成され、44mの最低高さ12から凡そ126mの最高高さ14に及ぶ。
【0041】
更に、高さz2に依存する風速V2を示す風16の高さプロファイルが図示されている。この図では、横軸に風速V2(単位[m/s])、縦軸に高さz2(単位[m])が示されている。ロータ円の内部即ち最低高さ12と最高高さ14の間に記載されている高さプロファイル部分18が
図2に太線で示されている。
【0042】
これによると、風速は、最低高さ12から最高高さ14に向かって延びており、最低高さ12の高さでは7m/sより少々大きい値をとる。最高高さ14では、風速は凡そ11.6m/sの値に達している。従って、この場合、凡そ1.6の高さ係数が得られる。
【0043】
図2のグラフは、a=0.5の高さ指数(Hoehenexponent)を有する風の高さプロファイルを示す。
【0044】
風高さプロファイルと風力発電装置1の
図2に示した例について、
図3は、関連するロータブレードの回転角に依存して、局所的(ローカル)迎角(Anstellwinkel)、即ちその都度そこに存在するないし計算により得られる(推定される)見かけ風に対する実際の迎角を示す。グラフの横軸には、ロータブレードの回転角(単位「度(°)」)で示されており、0°又は360°がロータブレードの12時位置に相当する。局所的迎角20は、これは即ちその都度存在するないし計算によって得られる(推定される)見かけ風に対する流入角(Anstroemwinkel)を定めるものであるが、12時位置の9.4°から6時位置(これは180°の回転角に相当する)の5.7°まで変化する。局所的迎角の角度は、グラフの左側の縦軸に例示されている。
【0045】
ここで、局所的迎角が可及的に一定の値をとるよう、即ち、可及的に回転円全体に亘って即ちロータブレードの回転角の0〜360°の全範囲(Spektrum)に対して流入角(迎角)が一定であるよう、ロータブレード角をロータブレードの回転角に依存して調整することが提案される。このため、1つの実施例では、ブレード補償角とも称され得る個別ブレード補償角22を付加する(繰り込む:aufschalten)ことが提案される。ブレード補償角22は、ロータブレードの回転角に対し凡そ−1.8〜+1.8°まで変化するが、その値は、
図3の推移に対応してグラフの右側の縦軸に示されている。なお、右側の縦軸のブレード補償角のスケーリング(目盛)は左側の縦軸の局所的迎角のスケーリング(目盛)とは2倍だけ異なることに注意すべきである。このブレード補償角22の付加(繰り込み)によって、局所的迎角は、平均値を一定値として得ることができるように、理想的に補償されることができる。ここで、その具体的な値は、勿論、具体的境界条件に、とりわけ具体的風力発電装置に依存する。これに応じて、補償された局所的迎角24は、
図3のグラフでは、対応して水平の線として示されている。正確な、一定の、補償された局所的迎角の結果は、数学的手法で求めることができ、実際に変化することができる。
【0046】
風高さプロファイルに基づくロータブレードにおける流入角の変化は、ロータブレードにおける局所的迎角の変動と称することも可能であるが、これは低減されることないし可及的に完全に阻止されることが望まれる。ロータブレードが風力発電装置のロータハブに位置固定的である場合、運転時、局所的迎角の特性曲線20によって示されている局所的迎角の変動が生じる。ブレード補償角曲線22が示すように、個々のロータブレードが夫々適切な態様でその迎角が調整されると、これは一般的にはピッチング(ピッチ調整)と称されるが、この場合、迎角変動は補償されることができる。これにより、このロータ半径について、回転するブレードの任意の位置において完全に一様な(一定の)理想的な迎角が得られるが、その様子は、補償された迎角を示す曲線24に示されている。かくして、負荷が、更には音響(騒音)も低減されることができる。ロータブレードの迎角の、従って流入角のそのような一様化(一定化)によって、ブレードはより大きく風の中に回動的に入り込む(合わせられる)ないしピッチング(ピッチ調整)されることができ、その結果、(電気エネルギの)生産量も増加される。
【0047】
図3のグラフは、ハブ4の高さにおける平均風速が10m/sで翼端風速V
Tipが78m/sの場合における迎角変動の補償を伴う風力発電装置の一例を示す。この場合、局所的迎角20は半径35.5mに関連している。
【0048】
図4は、見かけ風の局所的迎角ないし流入角の一様化(一定化)を達成する選択的又は付加的なオプションの1つを示す。
図4は、(
図2に応じて)ゴンドラ4が正確に風の中に(の方向に)向けられているアジマス位置についての局所的迎角20を示す。この曲線は、文字aでも示されており、
図3の局所的迎角20に対応する。この場合も、風力発電装置1及び
図3に示した風高さプロファイルを前提としている。
図3に示されているように、この場合も、局所的迎角20は、横軸に0〜360°の値で示されているロータブレードの回転角に対して与えられている。
【0049】
グラフの右隣には、風力発電装置のアジマス変位(Azimutablagen)、即ちa〜i、についての一覧表が示されている。ここで、記号aは、正確に風(の方向)を指し、従ってこれに対して0°だけ変位されているアジマス位置のための局所的迎角20を表している。アジマス位置の(複数の)変位(逸れ)に対する局所的迎角の更なる推移(複数)である曲線b〜曲線iが示されている。この図において、曲線eは全体として最も小さい揺れないし変動を、詳しくは12時位置からほぼ10時位置までないし2時位置までにおいて、有することが分かる。曲線eは、この例では、アジマス位置の調整の1つである。かくして、アジマス角の単純な調整によって、とりわけ局所的迎角の一定かつ有意な一様化(一定化)従ってロータブレードにおける負荷の有意な一様化(一定化)を達成することができる。従って、一定のオフセット角、即ちアジマス位置のための一定の補正ないし補償角を設けることが有利である。
【0050】
かくして、ゴンドラ、従って、風力発電装置のロータ軸は、該風力発電装置を上方から見た場合に時計回りに、アジマス角だけ、即ちとりわけアジマス補償角だけ回転される。ロータブレードにおける局所的迎角は、ロータ軸を有するゴンドラの風向に対する整列状態に対してその値が一様化(一定化)される。そのため、ロータ軸と風向の間にアジマス角のオフセットが形成されると、局所的迎角の変動は明確に減少する。
【0051】
この措置によっても、負荷及び音響(騒音)は低減される。かくして、迎角及びロータブレードへの流入が上述のように一様化(一定化)されると、ロータブレードはより大きく風の中に(風の方向に)回動(ロータブレード角を増大)されることができ、その結果、(電気エネルギの)生産量は増加される。
【手続補正書】
【提出日】2015年7月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風エネルギから電気エネルギを生成するための、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレード(8)を有するロータ(6)を有する風力発電装置(1)の運転方法であって、
・風力発電装置(1)は、当該風力発電装置(1)のアジマス位置が風(16)に対する整列状態からアジマス補償角だけ逸れるよう配向され、及び/又は
・ロータブレード(8)のブレード角は、風(16)の高さプロファイルによって引き起こされる変動負荷が低減されるよう回転周期的に調整される、
運転方法。
【請求項2】
風力発電装置(1)は、当該風力発電装置(1)から風(16)に向かって見た場合に、風(16)に対する整列状態から右側に逸れるないし上方から当該風力発電装置(1)を見た場合にそのアジマス位置が風(16)に対する整列状態に対し時計回りに逸れる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アジマス補償角は、0.5〜10°であり、及び/又は、アジマス補償角は、一定のオフセット角として与えられ、かくして、風力発電装置(1)は風(16)に対する整列状態に対し常にこのアジマス補償角だけ調整される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アジマス補償角は、主流風速(V2)に依存して選択される、
請求項1〜3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
ブレード角の各々は、翼端の領域において迎角が可及的に一定に維持されるよう、回転周期的に調整される、
請求項1〜4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
個々のロータブレードのブレード角は、その夫々の回転位置に依存して夫々所定の値だけ調整される、
請求項1〜5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
個々のロータブレードのブレード角は、個別にかつ主流風速(V2)に依存して制御される、
請求項1〜6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
運転時、すべてのロータブレード(8)に対し1つの共通の正常ロータブレード角が予め設定され、及び、個々のロータブレードは夫々その回転位置に依存してこの1つの正常ロータブレード角の付近で、変化される、
請求項1〜7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
風力発電装置(1)は、正常運転点から逸れたプロファイル運転点で運転され、
・該正常運転点は、主流風(16)に対し、風プロファイルを考慮することなく決定される正常ブレード角を有し、かつ、風(16)に対するアジマス位置の正常整列状態を有し、及び、
・該プロファイル運転点は、正常整列状態からアジマス補償角だけ逸れたプロファイルアジマス位置を有し、かつ、正常ブレード角からブレード補償角だけ逸れたプロファイルブレード角を有する、
請求項1〜8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
・ブレード補償角が、関連するロータブレードの12時位置に関しアジマス補償角とは反対側に調整されている第1プロファイル運転が選択され、又は、
・ブレード補償角及びアジマス補償角が、関連するロータブレードの12時位置に関しロータブレードを同じ方向に調整する第2プロファイル運転が選択される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アジマス補償角の値がブレード補償角の値よりアジマス重みづけ係数だけ大きく又はブレード補償角の値がアジマス補償角の値よりブレード重みづけ係数だけ大きいように、アジマス補償角とブレード補償角の間で重みづけが行われる、ここに、アジマス重みづけ係数及びブレード重みづけ係数は夫々1.2より大きい、
請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
風エネルギから電気エネルギを生成するための、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレード(8)を有するロータ(6)を有する風力発電装置(1)であって、
該風力発電装置(1)は請求項1〜11の何れかに記載の方法で運転されるよう構成される
風力発電装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明に応じ、請求項1に記載の方法が提案される。
即ち、上記の課題を解決するために、本発明の一視点により、風エネルギから電気エネルギを生成するための、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレードを有するロータを有する風力発電装置の運転方法が提供される。この運転方法において、
・風力発電装置は、当該風力発電装置のアジマス位置が風に対する整列状態からアジマス補償角だけ逸れるよう配向され、及び/又は
・ロータブレードのブレード角は、風の高さプロファイルによって引き起こされる変動負荷が低減されるよう回転周期的に調整される(形態1)。
更に、上記の運転方法において、風力発電装置は、当該風力発電装置から風に向かって見た場合に、風に対する整列状態から右側に逸れるないし上方から当該風力発電装置を見た場合にそのアジマス位置が風に対する整列状態に対し時計回りに逸れることが好ましい(形態2)。
更に、上記の運転方法において、アジマス補償角は、0.5〜10°、有利には1〜3.5°、とりわけ1.5〜2.5°であり、及び/又は、アジマス補償角は、一定のオフセット角として与えられ、かくして、風力発電装置は風に対する整列状態に対し常にこのアジマス補償角だけ調整されることが好ましい(形態3)。
更に、上記の運転方法において、アジマス補償角は、主流風速に依存して選択されることが好ましい(形態4)。
更に、上記の運転方法において、ブレード角の各々は、翼端の領域において迎角が可及的に一定に維持されるよう、回転周期的に調整されることが好ましい(形態5)。
更に、上記の運転方法において、個々のロータブレードのブレード角は、その夫々の回転位置に依存して夫々所定の値だけ調整される、ここに、とりわけ、該所定の値は、テーブルに予め記憶されている及び/又は該回転位置に依存する関数によって予め設定されることが好ましい(形態6)。
更に、上記の運転方法において、個々のロータブレードのブレード角は、個別にかつ主流風速に依存して制御される、とりわけ、個々のロータブレードのブレード角は、主流風速及び夫々のロータブレードの回転位置に依存して制御されることが好ましい(形態7)。
更に、上記の運転方法において、運転時、すべてのロータブレードに対し1つの共通の正常ロータブレード角が予め設定され、及び、個々のロータブレードは夫々その回転位置に依存してこの1つの正常ロータブレード角の付近で、とりわけ予め設定されるブレード角インターバルの範囲内で、変化されることが好ましい(形態8)。
更に、上記の運転方法において、風力発電装置は、正常運転点から逸れたプロファイル運転点で運転され、
・該正常運転点は、とりわけ部分負荷領域において、主流風に対し、風プロファイルを考慮することなく決定される正常ブレード角を有し、かつ、風に対するアジマス位置の正常整列状態を有し、及び、
・該プロファイル運転点は、正常整列状態からアジマス補償角だけ逸れたプロファイルアジマス位置を有し、かつ、正常ブレード角からブレード補償角だけ逸れたプロファイルブレード角を有することが好ましい(形態9)。
更に、上記の運転方法において、
・ブレード補償角が、関連するロータブレードの12時位置に関しアジマス補償角とは反対側に調整されている第1プロファイル運転が選択され、又は、
・ブレード補償角及びアジマス補償角が、関連するロータブレードの12時位置に関しロータブレードを同じ方向に調整する第2プロファイル運転が選択されることが好ましい(形態10)。
更に、上記の運転方法において、アジマス補償角の値がブレード補償角の値よりアジマス重みづけ係数だけ大きく又はブレード補償角の値がアジマス補償角の値よりブレード重みづけ係数だけ大きいように、アジマス補償角とブレード補償角の間で重みづけが行われる、ここに、アジマス重みづけ係数及びブレード重みづけ係数は夫々1.2より大きい、有利には1.5より大きい、とりわけ2より大きいことが好ましい(形態11)。
更に、風エネルギから電気エネルギを生成するための、実質的に水平な回転軸を有し複数のロータブレードを有するロータを有する風力発電装置であって、上記形態1〜11の何れかの方法で運転されるよう構成される風力発電装置も有利に提供される(形態12)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を参照して例示的に詳細に説明する。
なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。
【国際調査報告】