特表2015-536810(P2015-536810A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-536810発がん性の無い水性分散液からねじ付き管状要素に高い摩耗耐性のポリアミド−イミド被膜を生成するプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-536810(P2015-536810A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】発がん性の無い水性分散液からねじ付き管状要素に高い摩耗耐性のポリアミド−イミド被膜を生成するプロセス
(51)【国際特許分類】
   B05D 7/00 20060101AFI20151201BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20151201BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 107/44 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 173/00 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 129/16 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 135/18 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 135/36 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 155/02 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 159/04 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 125/02 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 125/20 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 125/22 20060101ALI20151201BHJP
   C10M 147/00 20060101ALI20151201BHJP
   C09D 179/08 20060101ALI20151201BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20151201BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20151201BHJP
   C08J 3/02 20060101ALI20151201BHJP
   F16L 15/04 20060101ALN20151201BHJP
   C10N 20/04 20060101ALN20151201BHJP
   C10N 20/06 20060101ALN20151201BHJP
   C10N 30/00 20060101ALN20151201BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20151201BHJP
   C10N 40/00 20060101ALN20151201BHJP
   C10N 50/02 20060101ALN20151201BHJP
   C10N 80/00 20060101ALN20151201BHJP
【FI】
   B05D7/00 N
   B05D5/00 B
   B05D7/24 302X
   C10M107/44
   C10M173/00
   C10M129/16
   C10M135/18
   C10M135/36
   C10M155/02
   C10M159/04
   C10M125/02
   C10M125/20
   C10M125/22
   C10M147/00
   C09D179/08 B
   C09D7/12
   C09D5/02
   C08J3/02 ACFG
   F16L15/04 A
   C10N20:04
   C10N20:06 Z
   C10N30:00 Z
   C10N30:06
   C10N40:00 G
   C10N50:02
   C10N80:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-531546(P2015-531546)
(86)(22)【出願日】2013年9月11日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月8日
(86)【国際出願番号】EP2013068799
(87)【国際公開番号】WO2014041017
(87)【国際公開日】20140320
(31)【優先権主張番号】1202427
(32)【優先日】2012年9月12日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】504255249
【氏名又は名称】ヴァルレック オイル アンド ガス フランス
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギデー,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ガール,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ピネル,エリエット
(72)【発明者】
【氏名】プティ,ミカエル
【テーマコード(参考)】
3H013
4D075
4F070
4H104
4J038
【Fターム(参考)】
3H013GA08
3H013JA04
4D075AA02
4D075BB04X
4D075BB13X
4D075BB16X
4D075BB24Z
4D075BB56Y
4D075BB73X
4D075BB89X
4D075BB92Z
4D075BB93Y
4D075BB93Z
4D075CA02
4D075DA34
4D075DB02
4D075EA06
4D075EA12
4D075EB40
4D075EB56
4D075EB57
4D075EC01
4D075EC07
4D075EC08
4D075EC11
4D075EC13
4D075EC15
4D075EC24
4D075EC30
4D075EC31
4D075EC35
4D075EC54
4F070AA55
4F070BB03
4F070CA02
4F070CB02
4H104AA04C
4H104AA17C
4H104AA18C
4H104AA19C
4H104BB08C
4H104BG10C
4H104BG19C
4H104CD01C
4H104CD04C
4H104CE13A
4H104CJ02C
4H104DA02C
4H104EA03A
4H104EA08A
4H104LA03
4H104LA20
4H104PA38
4H104QA01
4H104QA08
4H104RA02
4J038CB002
4J038CD092
4J038DJ051
4J038DL032
4J038HA036
4J038HA316
4J038HA356
4J038HA446
4J038HA476
4J038HA546
4J038HA556
4J038JA01
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4J038JB12
4J038JC11
4J038JC18
4J038JC30
4J038KA02
4J038KA06
4J038KA08
4J038KA09
4J038LA07
4J038MA07
4J038MA08
4J038MA10
4J038MA13
4J038MA14
4J038PA06
4J038PA19
4J038PB06
(57)【要約】
本発明は、炭化水素坑井の掘削および/または操作用のねじ付き要素に高い摩耗耐性の乾燥被膜を生成するプロセスに関し、このプロセスは、ポリアミド−イミド粉末と、760mmHgにおいて摂氏180度を越える沸点を有する極性非プロトン溶媒と、水とを含む安定な分散液を生成する工程と、摂氏20〜40度の温度範囲で前記分散液をねじ付きねじ付き要素の一方の末端部(1、2)に塗布する工程と、コーティングされた前記末端部を乾燥させる工程と、を少なくとも含んでいる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素坑井の掘削および/または操作用のねじ付き要素に高い摩耗耐性の乾燥被膜を生成するプロセスであって、
ポリアミド−イミド粉末と、760mmHgにおいて摂氏180度を越える沸点を有する極性非プロトン溶媒と、水とを含む安定な分散液を生成する工程と、
摂氏20〜40度の温度範囲で前記分散液をねじ付きねじ付き要素の一方の末端部(1、2)に塗布する工程と、
コーティングされた前記末端部を乾燥させる工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項2】
前記分散液は、少なくとも、
ポリアミド−イミド溶液を得るために、760mmHgにおいて摂氏180度を越える沸点を有する極性非プロトン溶媒に前記ポリアミド−イミド粉末を溶解する工程と、
周囲温度において当該ポリマー溶液を水性混合物に沈殿させる工程と、
ポリアミド−イミド粒子をミル粉砕することによって当該沈殿させた溶液を分散させる工程と、によって生成されることを特徴とする、請求項1に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項3】
前記分散液は、少なくとも、
前記ポリアミド−イミド粉末を、機械的撹拌により、水と760mmHgにおいて摂氏180度を越える沸点を有する極性非プロトン溶媒とを含む均一な混合物に分散させる工程と、
前記ポリアミド−イミド分散液を、超音波処理またはミル粉砕によって安定化させる工程と、によって生成されることを特徴とする、請求項1に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項4】
ポリアミド−イミドの割合は35質量%以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項5】
ポリアミド−イミド粉末を溶解する工程は、摂氏50度を超える温度、好ましくは摂氏80度を超える温度で実施されることを特徴とする、請求項2に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項6】
沈殿工程は、蒸留水と少なくとも1つの非イオン性界面活性剤とを含む水性混合物において周囲温度で実施され、前記水性混合物は、ポリオキシエチレン化アルキルフェニルエーテルを含まないことを特徴とする、請求項2または請求項5に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項7】
機械的撹拌によるポリアミド−イミド粉末の分散工程は、蒸留水と、極性非プロトン溶媒と、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤とを含む均一な混合物中において、摂氏60〜80度の温度で実施されることを特徴とする、請求項3に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項8】
前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化アセチレン系ジオールおよび顔料に対して高い親和性の基を有する高分子量ブロックコポリマーの群より選択され、13以下、好ましくは8以下の親水性−親油性バランスを有することを特徴とする、請求項7に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項9】
超音波処理による安定化が最低周波数20kHzおよび最小出力200Wにおいて実施されることを特徴とする、請求項3または請求項7に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項10】
粉砕する工程はビーズ粉砕によって実施され、粉砕の収率が40%〜95%、好ましくは90%を超えることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項11】
分散液中の前記ポリアミド−イミドポリマー粒子は、サイズが70μm未満、好ましくは20μm未満、主に10μm未満であることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項12】
前記水性ポリアミド−イミド分散液は、2質量%の懸濁液においてpH9〜11の、ラポナイト、サポナイト、ベントナイト、またはスメクタイトタイプの有機的に修飾された層状ケイ酸塩の群より選択される、摂氏250度以上の温度で熱的に安定なチキソトロープ剤を含むことを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項13】
前記水性ポリアミド−イミド分散液は、ヨードプロピニル−ブチル−カルバメート、ベンズイソチアゾリノン、クロロメチル−イソチアゾリノン、およびメチルイソチアゾリノンの群より選択される、貯蔵中の保護および被膜の保護のための殺細菌剤および/または殺真菌剤を、0.05質量%〜0.4質量%含むことを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項14】
前記水性ポリアミド−イミド分散液は、表面張力を減じるために、ポリエーテルで修飾されたジメチルポリシロキサンタイプの展着剤を含むことを特徴とする、請求項1〜13の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項15】
前記水性ポリアミド−イミド分散液は、シリコーンおよび/またはパラフィン系鉱油を含む疎水性成分のエマルションであることを特徴とする、請求項1〜14の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項16】
前記ポリアミド−イミド(PAI)粉末は、芳香族ポリアミド−イミド粉末から選択されることを特徴とする、請求項1〜15の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項17】
前記選択された芳香族ポリアミド−イミドは、無水トリメリット酸クロリドと、4,4’−メチレンジアニリン以外の化合物から選択される芳香族ジアミンとの反応から得ることを特徴とする、請求項16に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項18】
前記選択されたポリアミド−イミドは、好ましくは分子量10000〜30000g/モルで、ガラス転移温度が摂氏220〜285度の芳香族ポリアミド−イミドポリマーによって形成される群より選択されることを特徴とする、請求項16または請求項17に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項19】
前記ポリアミド−イミド粉末の最大粒径は150μm未満であり、前記粒子の95%が75μm未満の粒径であることを特徴とする、請求項16〜18の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項20】
前記ポリアミド−イミド粉末の平均体積粒度分布が30〜40μmであることを特徴とする、請求項16〜19の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項21】
前記極性非プロトン溶媒は、ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびγ−ブチロラクトンの群より選択されることを特徴とする、請求項1〜20の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項22】
前記極性非プロトン溶媒は、ジメチルスルホキシドであることを特徴とする、請求項21に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項23】
前記安定な分散液は、グラファイト、窒化ホウ素、Bi23、MoS2、WS2、およびフルオロポリマーによって構成されるリストから選択される固体潤滑粒子を更に含むことを特徴とする、請求項1〜22の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項24】
前記乾燥被膜は、少なくとも1つまたは組合せた固体潤滑粒子を含むことを特徴とする、請求項23に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項25】
ポリアミド−イミドに対する固体潤滑粒子の比率は、0.01〜4の範囲であることを特徴とする、請求項24に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項26】
前記安定な分散液は、クリストバライト、マイカ、コロイドシリカ、パラフェニレンテレフタルアミド(アラミド)、およびシリコーン樹脂によって構成されるリストから選択される固体耐摩耗粒子を更に含むことを特徴とする、請求項1〜25の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項27】
前記安定な分散液は、1つの腐食防止顔料または相乗効果を有する腐食防止顔料の組合せを含むことを特徴とする、請求項1〜26の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項28】
噴霧によって前記ねじ付き要素の前記末端部(1、2)に前記分散液を塗布する工程の前に、サンドブラスト処理、化成処理、電解析出、および非反応性処理によって構成されるリストから選択される、表面を調製する補足的工程を実施することを特徴とする、請求項1〜27の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項29】
噴霧によって前記ねじ付き要素の前記末端部(1、2)に前記分散液を塗布する工程は、前記ねじ付き要素に塗布された前記水性分散液を摂氏230〜325度の範囲の温度で硬化させる補足的工程の実施によって完了することを特徴とする、請求項1〜28の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項30】
硬化後、コーティングされた前記ねじ付き要素は、周囲温度まで冷却されることを特徴とする、請求項29に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項31】
前記乾燥被膜の厚さは、表面調製の粗さより大きく、10〜45μmの範囲であることを特徴とする、請求項30に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項32】
前記分散液は、前記ねじ付き要素(1、2)のねじ領域(3、4)全体に塗布されることを特徴とする、請求項1〜31の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【請求項33】
当該分散液は、前記ねじ付き要素(1、2)の前記封止面(5、6)に塗布されることを特徴とする、請求項1〜32の何れか一項に記載のねじ付き要素に乾燥被膜を生成するプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素坑井を掘削および/または操作する管状要素、より的確には、そのような要素のねじ末端部に関する。この末端部には雄型または雌型があり、類似要素の対応する末端部と接続することにより、接合部または接続部を形成することができる。
【0002】
また、本発明は、組立によって2つの管状要素を一緒に接続した結果として得られるねじ接続部にも関する。
【背景技術】
【0003】
「炭化水素坑井を掘削および操作する管状要素」なる用語は、特に炭化水素坑井を掘削するためのステム、またはワークオーバー用ライザーもしくは、例えば、かかる抗井での操作用ライザー、または坑井の操作に使用されるケーシングストリングもしくはチュービングストリングの何れかを構成するために、同じタイプの別の要素または異なるタイプの別の要素に接続することができる、実質的に管状の任意の要素を意味している。本発明は、更にドリルステム、例えば、ドリルパイプ、重量ドリルパイプ、ドリルカラーおよびパイプの一部、ならびに重量パイプのツールジョイント等に用いられる要素にも適用可能である。
【0004】
各管状要素は、類似要素の対応する末端部と共に組み立てる雄型ねじ領域または雌型ねじ領域を備える末端部を含んでいる。当該要素は、この方式において一度接続されると、接合部もしくは接続部として知られるものを形成している。
【0005】
接続部のそのようなねじ付き管状コンポーネントは、使用条件によって課せられる締まりばめおよび封止要求に適合するために、所定の負荷下において一緒に接合される。また、当該ねじ付き管状コンポーネントは、特に使用の際には、数回の組立−分解サイクルを受けなければならない場合があることを理解するべきである。
【0006】
そのようなねじ付き管状コンポーネントの使用条件は、様々なタイプの負荷を生じ、それにより、そのようなコンポーネントにおける影響を受けやすい部分、例えば、ねじ領域、接合領域、または封止領域等に被膜を使用することが必要になる。
【0007】
したがって、組立作業は、一般的に、例えばねじ接続部を介して組み立てられる長さ数メートルの管の重量などによる軸方向の高い負荷下で行われ、おそらく、接続されるねじ付き要素の軸のわずかなズレによっても困難になる。これは、ねじ領域および/またはメタル/メタル封止面での危険性を生じさせる。当該ねじ領域およびメタル/メタル封止面は、通常、潤滑剤でコーティングされる。
【0008】
また、当該ねじ付き管状コンポーネントは、多くの場合、侵食環境において貯蔵され、次いで組み立てられる。これは、例えば、塩気を含んだ霧が存在する沖合や、砂、粉塵、および/または他の汚染物質が存在する陸上等である。したがって、組立中に協働(ねじ状領域の場合)または締まり接触(メタル/メタル封止面および隣接部の場合)が意図される表面での腐食を防止する被膜を使用する必要がある。
【0009】
しかしながら、環境規則に起因してAPI(全米石油協会)規格のRP 5A3に準拠するグリースを使用しても、長期的解決策とはならないことが明かである。なぜならば、グリースが管状コンポーネントから押し出されて環境または抗井中へと放出されるためであり、結果として特殊な清浄化作業を必要とする施栓を生じる。
【0010】
長期の耐食性、摩耗耐性、および環境への配慮により生じる問題を解決するために、固体乾燥被膜(すなわち、グリースと異なりペースト状ではない)、潤滑剤、および保護剤が開発された。
【0011】
1969年以来、Whitfordは、ポリアミド−イミドとフルオロポリマーとの混合物を出発材料とした、適応される迅速な組立/分解作業において摩擦を必要とするねじシステムもしくはねじ止め具のための高性能のXYLAN(登録商標)コーティングを提案している。2002年以来、ねじ接続部に関して、Sumitomo Metal Industriesは、文献欧州特許第1378698号および欧州特許第1959179号に記載されているように、組立中に潤滑かつ摩耗耐性を確保するために、ポリアミド−イミド樹脂をベースとするコーティングについて研究されている。
【0012】
WhitfordおよびSMIは、主に極性溶媒中もしくはエタノール/トルエン混合物中に溶解されたポリアミド−アミド酸前駆体からの乾燥被膜の製造を提案している。当該乾燥被膜は、一般的にねじ締めにおける接触圧力の関数として潤滑を確保するために充填材を含んでいる。充填材の割合は比較的高く、顔料/バインダーの質量比は0.25〜4であり、好ましくは3を超える。したがって、当該乾燥被膜は、有利には犠牲的であり、選択される固形潤滑剤(MoS2、WS2、PTFE)の関数として十分に耐摩耗性がある。
【0013】
ポリアミド−イミド樹脂の溶解に使用される極性溶媒、すなわち、窒素を含まない有機化合物、脂肪族ケトン、エーテル、または塩素化芳香族化合物は、低沸点のものは可燃性があり、高沸点のものは(多くの場合、減圧下で)長い乾燥期間を必要とし、皮膚、呼吸系、もしくは消化器系を介して摂取された場合の毒性から、一般的に被膜としてのポリアミド−イミド樹脂の魅力に対して負の影響がある。
【0014】
また、当該ポリアミド−イミド被膜は、一般的に摂氏150〜280度の温度範囲で乾燥させることにより形成される。この温度範囲で塗布および被膜形成に必要な溶媒は、完全にもしくは部分的に蒸発する。
【0015】
労働環境に関する規制(仕事場での発がん性または突然変異性物質に対する曝露に関連するリスクからの労働者の保護に関する、2004年4月29日付の欧州議会および理事会からの指令2004/37/EC)および蒸発した物質の分類(2009年1月15日付の委員会(技術的進歩への適合のための31回目の改正)の指示2009/2/EC、危険物の分類、包装、および表示に関係する処分の摺り合わせについての理事会の指令67/548/EEC、物質および混合物の分類、表示、および包装に関連する、2008年12月16日付の欧州議会および理事会による(EC)規則No.1272/2008)を考慮すると、使用者に対するリスクは特に高い。
【0016】
ポリアミド−イミド被膜の形成に用いられる極性溶媒(トルエン、キシレン)、特に窒素を含む極性非プロトン溶媒(例えば、NMP、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA))は、多くの用途で禁止もしくは使用制限が課せられている、発がん性、突然変異性、または生殖毒性(CMR)があるとして分類される物質である。
【0017】
1A(癌を引き起こす可能性がある)、1B(遺伝子異常を誘発するかもしれない)として分類される最も扱いが難しい発がん性および突然変異性物質に対する限界濃度閾値は混合物中において0.1%以下であり、生殖毒性物質の場合には0.3%以下である。生殖能力およびヒトの成長に対する懸念があると考えられるクラス2の他のCMR物質は、1%以下の濃度でなければならない。
【0018】
使用される極性非プロトン溶媒の分類およびそれらの既知の毒性を下記の表に示した。
【0019】
クラス1A、1B、および2のCMR物質に対する新しい分類は、2015年6月から混合物に対して適用可能であり、そのため、フランス労働党の規約(条項R4411−73および条項R231−56〜R231−56−12)の適用において、CMR物質に対する化学的曝露のリスクを防ぐために、新規の代替手段を提供することが適切である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記論点に基づいて、本発明は、ねじ部でのせん断負荷の減少および封止面での締付トルクの増加のために好適な摩擦係数を有し、接着性があり、保護的で、かつ潤滑性があるポリアミド−イミドの乾燥被膜を得るために、炭化水素坑井の掘削および/または操作を対象とするねじ付き要素を、CMR物質および可燃性物質を全く含まないポリアミド−イミドポリマーの安定な水性分散液でコーティングすることを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
特に、本発明は、
・ ポリアミド−イミド粉末と、760mmHgにおいて摂氏180度を越える沸点を有する極性非プロトン溶媒と、水を含む安定な分散液を生成する工程と、
・ 摂氏20〜40度の温度範囲で前記分散液をねじ付きねじ付き要素の一方の末端部(1、2)に塗布する工程と、
・ コーティングされた前記末端部を乾燥させる工程と、
を少なくとも含み、炭化水素坑井の掘削および/または操作のため、ねじ付き要素に高摩耗耐性を有する乾燥被膜を製造するプロセスに関する。
【0022】
前記分散液は、少なくとも、
・ ポリアミド−イミド溶液を得るために、760mmHgにおいて摂氏180度を越える沸点を有する極性非プロトン溶媒に前記ポリアミド−イミド粉末を溶解する工程と、
・ 周囲温度において当該ポリマー溶液を水性混合物に沈殿させる工程と、
・ ポリアミド−イミド粒子をミル粉砕することによって当該沈殿させた溶液を分散させる工程と、によって生成されてもよい。
【0023】
前記分散液は、少なくとも、
・ 前記ポリアミド−イミド粉末を、機械的撹拌により、水と760mmHgにおいて摂氏180度を越える沸点を有する極性非プロトン溶媒とを含む均一な混合物に分散させる工程と、
・ 前記ポリアミド−イミド分散液を、超音波処理またはミル粉砕によって安定化させる工程と、によって生成されてもよい。
【0024】
ポリアミド−イミドの割合は35質量%以下であってもよい。
【0025】
ポリアミド−イミド粉末を溶解する工程は、摂氏50度を超える温度、好ましくは摂氏80度を超える温度で実施されてもよい。
【0026】
沈殿工程は、蒸留水と少なくとも1つの非イオン性界面活性剤とを含む水性混合物において周囲温度で実施可能であり、この場合、前記水性混合物は、ポリオキシエチレン化アルキルフェニルエーテルを含まない。
【0027】
機械的撹拌によるポリアミド−イミド粉末の分散工程は、蒸留水と、極性非プロトン溶媒と、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤とを含む均一な混合物中において、摂氏60〜80度の温度で実施可能である。
【0028】
前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化アセチレン系ジオールおよび顔料に対して高い親和性の基を有する高分子量ブロックコポリマーの群より選択でき、13以下、好ましくは8以下の親水性−親油性バランスを有することが可能である。
【0029】
超音波処理による安定化が最低周波数20kHzおよび最小出力200Wにおいて実施可能である。
【0030】
粉砕する工程はビーズ粉砕によって実施され、粉砕の収率が40%〜95%、好ましくは90%を超える。
【0031】
分散液中の前記ポリアミド−イミドポリマー粒子は、サイズが70μm未満、好ましくは20μm未満、主に10μm未満でもよい。
【0032】
前記水性ポリアミド−イミド分散液は、2質量%の懸濁液においてpH9〜11の、ラポナイト、サポナイト、ベントナイト、またはスメクタイトタイプの有機的に修飾された層状ケイ酸塩の群より選択される、摂氏250度以上の温度で熱的に安定なチキソトロープ剤を含んでもよい。
【0033】
前記水性ポリアミド−イミド分散液は、ヨードプロピニル−ブチル−カルバメート、ベンズイソチアゾリノン、クロロメチル−イソチアゾリノン、およびメチルイソチアゾリノンの群より選択される、貯蔵中の保護および被膜の保護のための殺細菌剤および/または殺真菌剤を、0.05質量%〜0.4質量%含んでもよい。
【0034】
前記水性ポリアミド−イミド分散液は、表面張力を減じるために、ポリエーテルで修飾されたジメチルポリシロキサンタイプの展着剤を含んでもよい。
【0035】
前記水性ポリアミド−イミド分散液は、シリコーンおよび/またはパラフィン系鉱油を含む疎水性成分のエマルションであってもよい。
【0036】
前記ポリアミド−イミド(PAI)粉末は、芳香族ポリアミド−イミド粉末から選択されてもよい。
【0037】
前記選択された芳香族ポリアミド−イミドは、無水トリメリット酸クロリドと、4,4’−メチレンジアニリン以外の化合物から選択される芳香族ジアミンとの反応から得てもよい。
【0038】
前記選択されたポリアミド−イミドは、好ましくは分子量10000〜30000g/モルで、ガラス転移温度が摂氏220〜285度の芳香族ポリアミド−イミドポリマーによって形成される群より選択されてもよい。
【0039】
前記ポリアミド−イミド粉末の最大粒径は150μm未満であり、前記粒子の95%が75μm未満の粒径である。
【0040】
前記ポリアミド−イミド粉末の平均体積粒度分布が30〜40μmであってもよい。
【0041】
前記極性非プロトン溶媒は、ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびγ−ブチロラクトンの群より選択されてもよい。
【0042】
前記極性非プロトン溶媒は、ジメチルスルホキシドであってもよい。
【0043】
前記安定な分散液は、グラファイト、窒化ホウ素、Bi23、MoS2、WS2、およびフルオロポリマーによって構成されるリストから選択される固体潤滑粒子を更に含んでもよい。
【0044】
前記乾燥被膜は、少なくとも1つまたは組合せた固体潤滑粒子を含んでもよい。
【0045】
ポリアミド−イミドに対する固体潤滑粒子の比率は、0.01〜4の範囲である。
【0046】
前記安定な分散液は、クリストバライト、マイカ、コロイドシリカ、パラフェニレンテレフタルアミド(アラミド)、およびシリコーン樹脂によって構成されるリストから選択される固体耐摩耗粒子を更に含んでもよい。
【0047】
前記安定な分散液は、1つの腐食防止顔料または相乗効果を有する組合せた腐食防止顔料を含んでもよい。
【0048】
噴霧によって前記ねじ付き要素の前記末端部(1、2)に前記分散液を塗布する工程の前に、サンドブラスト処理、化成処理、電解析出、および非反応性処理によって構成されるリストから選択される、表面を調製する補足的工程を実施してもよい。
【0049】
噴霧によって前記ねじ付き要素の前記末端部(1、2)に前記分散液を塗布する工程は、前記ねじ付き要素に塗布された前記水性分散液を摂氏230〜325度の範囲の温度で硬化させる補足的工程を実施することによって完了してもよい。
【0050】
硬化後、コーティングされた前記ねじ付き要素は、周囲温度まで冷却されてもよい。
【0051】
前記乾燥被膜の厚さは、表面調製の粗さより大きく、10〜45μmの範囲であってもよい。
【0052】
前記分散液は、前記ねじ付き要素のねじ領域全体に塗布されてもよい。
【0053】
当該分散液は、前記ねじ付き要素の封止面に塗布されてもよい。
【0054】
以下、本発明の幾つかの特徴および利点について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、ポリカルボン酸ジイミドモノマーおよび芳香族ジアミンコモノマーを表している。
図2図2は、左側にイミドユニット、右側にアミド酸ユニットを表している。
図3図3は、左側に1,3−ポリアミド−イミド構造、右側に1,4−ポリアミド−イミド構造を表している。
図4図4は、本発明のプロセスによって得られるポリアミド−イミドの水性分散液の粒度分布を表している。
図5図5は、ジメチルスルホキシドの分率の関数として、水−ジメチルスルホキシド混合物の凝固点を表している。
図6図6は、組立によって2つの管状コンポーネントを接続する結果として得られる接続部の略図である。
図7図7は、試験のグラフである。
図8図8は、試験のグラフである。
図9図9は、試験のグラフである。
図10図10は、試験のグラフである。
図11図11は、試験のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
最初に、このプロセスは、ポリアミド−イミドポリマーの使用準備済みの水性分散液を製造する工程からなる。当該プロセスは、分散液を塗布するための少なくとも1つの工程および硬化工程を更に含んでいる。
【0057】
アモルファスポリアミド−イミドポリマー(PAI)は、他の複素環式ポリマー、すなわち、ポリイミド(PI)、ポリエーテル−イミド(PEI)、フェニレンポリスルフィド(PPS)、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)よりも優れた機械的曲げ、耐衝撃性、および破断時の抵抗性がある。また、当該ポリマーが、対応するポリイミドより低いガラス転移温度を有することに一部起因して押出または成形作業(ならびにオーバーモールド)を向上させるために使用することができる(Slade H Gardner “An investigation of the structure−property relationships for high performance thermoplastic matrix, carbon fibre composites with a tailored polyimide interphase”,1998)。
【0058】
当該ポリアミド−イミド粉末は、好ましくは芳香族ポリアミド−イミドから選択される。芳香族ポリアミド−イミドは、高温耐熱性被膜および繊維の生成に特に関心が持たれている。
【0059】
当該芳香族ポリアミド−イミドポリマーは、極性溶媒中でのポリカルボン酸ジイミドモノマーとジアミンもしくはジイソシアネートコモノマーとの重縮合反応によって合成される。図1は、左側に二塩基性カルボン酸イミド、右側にジアミンを有する一例を表している。
【0060】
当該ポリマーの合成は、双極性非プロトン溶媒中でのジアミンと無水トリメリット酸クロリドとの重縮合も伴ってもよい。当該ジアミンと無水物との反応により中間生成物であるポリアミド酸が生成され、これを環化する必要がある。化学的もしくは熱的経路による前駆体ポリマーの環化もしくはイミド化によって最終ポリアミド−イミドが形成される。図2から分かるように、得られる当該前駆体は、交互に変わるイミドユニットとアミド酸ユニットを有してもよく、好ましくは90%を超えるイミドユニットを有してもよい。図2は、より詳細には左側にイミドユニット、右側にアミド酸ユニットを表している。
【0061】
図3から分かるように、当該ポリマーは、選択されたジアミンに応じて、1,3−ポリアミド−イミド構造、1,4−ポリアミド−イミド構造、またはそれらの混合物を含んでもよい。図3は、左側に1,3−ポリアミド−イミド構造、右側に1,4−ポリアミド−イミド構造をより詳細に示している。
【0062】
本発明の目的のため、選択された芳香族ポリアミド−イミドポリマーは、好ましくは、無水トリメリット酸クロリドとCMR物質として分類される4,4’−メチレンジアニリン以外の化合物から選択される芳香族ジアミンとを反応させる工程の経路により得られる。
【0063】
ポリアミド−イミドポリマーは、好ましくは分子量10000〜30000g/モルで、ガラス転移温度が摂氏220〜285度で、モル分率0.1以下のポリアミド−アミド酸、または酸性指数20mgKOH/g以下の芳香族ポリアミド−イミドポリマーの群より選択される。
【0064】
ポリアミド−イミドポリマーの耐熱性は、その分子量およびイミド化の程度に伴って増加するため、有利には、被膜の性能を向上させるために高分子量の芳香族ポリアミド−イミドポリマーが選択される(Robertson G,Polymers 2004,vol 45,pp1111−1117)。
【0065】
有利な実施の形態において、本出願人は、粒子の95%が75μm未満のサイズを有し、最大粒径が150μm未満のポリアミド−イミド粉末から水性分散液を調製することを提案する。好ましくは平均体積粒度分布が30〜40μmである。
【0066】
第一変形例および第一工程において、ポリアミド−イミドポリマーは、MPa1/2として表されるハンセン総溶解度パラメータがポリアミド−イミドポリマーのハンセン総溶解度パラメータに近い、760mmHgにおいて摂氏180度を超える沸点の極性非プロトン溶媒に溶解される。European Polymer Journal,volume 22,Issue 10,1986,pp821−825から抜き出したポリマーの溶解度パラメータは、およそ3MPa1/2である。
【0067】
分散液の良好な安定性を確保するために、溶解度パラメータのδ溶媒とδポリマーとの差は、好ましくは水/NMP混合物中のPAI分散液によって示されるように、強い特定の溶媒−ポリマー相互作用が存在する4未満にするべきであり、その一方で、水およびNMPの夫々の溶解度は、夫々47.9MPa1/2および22.9MPa1/2である。
【0068】
当該極性非プロトン溶媒は、有利には、以下の化合物:ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびγ−ブチロラクトンの群より選択され、好ましくは、無危険分類を有するジメチルスルホキシド(DMSO)である。実際に、DMSOは、最小有毒性化合物の1つとして知られている。その使用および用途は、薬学分野において一般的に使用される化合物を形成する(Parcell S,“Sulfur in human nutrition and applications in medicine”,Altern Med Rev 2002,vol 7,pp22−44)。DMSOは、多くの疾患の予防、鎮静、または改善において有益な凡そ40の薬理特性がある(Morton W,“DMSO,Nature’s Healer”,New York;Avery 1993)。
【0069】
溶解度の要件に適合可能な他の溶媒、例えば、アセトン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、1,3−ジオキソラン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、またはトリエチルアミンなどは、それらが高可燃性物質として分類されることを考慮して明確に禁止される。
【0070】
当該ポリアミド−イミドポリマーは、好ましくは、溶解を促進するため、および周囲貯蔵温度での再結晶化現象を防ぐために、摂氏50度を超える温度、好ましくは摂氏80度を超える温度で機械的撹拌によってDMSOに溶解される。
【0071】
溶媒に溶解されるポリマーの割合は、第二工程を考慮して許容可能である動粘度を提供するために、35質量%以下、有利には30質量%以下である。
【0072】
第二工程において、摂氏50度の最低温度に維持したポリマーの溶液を、周囲温度で水性混合物においてゆっくりと沈殿させる。当該水性混合物は、蒸留水と、ポリオキシエチレン化アセチレン系ジオールの群より選択される少なくとも1つの非イオン性界面活性剤とを含んでいる。当該非イオン性界面活性剤は、好ましくは、平衡表面張力および動的表面張力を減少させるため、および当該高分子−溶媒系が水に濡れることを確保するために、13以下、好ましくは8以下の親水性−親油性バランスを有する。当該水性混合物はポリオキシエチレン化アルキルフェニルエーテルを含まない。
【0073】
当該水性混合物は、2質量%の懸濁液においてpH9〜11を有する、ラポナイト、サポナイト、ベントナイト、またはスメクタイトタイプの有機的に修飾された層状珪酸塩の群より選択される、摂氏250度以上の温度で熱的に安定なチキソトロープ剤を含んでもよい。
【0074】
当該水性混合物は、ヨードプロピニル−ブチル−カルバメート、ベンズイソチアゾリノン、クロロメチル−イソチアゾリノン、およびメチルイソチアゾリノンの群より選択される、貯蔵中の保護および被膜の保護のための抗細菌剤/殺真菌剤または相乗効果を0.05質量%〜0.4質量%含んでもよい。
【0075】
本発明は、凝集した粒子(凝集塊および凝結体)を微細な粒子へ機械的に分解し、分散の際に生成されたより微細な粒子が再凝集(軟凝集)するのを防ぎ、それらの安定化を確保するために、懸濁した粒子を微細にミル粉砕する第三工程を含んでいる。ビーズミルを使用した微細なミル粉砕は600rpmの最低速度および一定の出力で実施される。当該ビーズミルは、循環システムを備えた垂直もしくは水平システムである。セラミックビーズもしくは金属ビーズの直径は1mm以下、好ましくは0.4mm以下である。当該ミル粉砕の収率は40%〜95%、好ましくは90%を超える。
【0076】
当該ビーズミルは、好ましくは再循環プロセスを備える水平システムであり、ミル粉砕時間を減じるために、冷却され加圧されたミルチャンバーを備える。
【0077】
粒径は、CILAS 1064レーザー粒度計を使用して液相において測定することができる。分散液中のポリアミド−イミドポリマー粒子の粒径は、好ましくは、20μm未満、主に10μm未満である。図4は、当該プロセスによって得られる水性ポリアミド−イミド分散液の粒度分布を示している。
【0078】
機能性顔料充填材を粉砕中または粉砕後に加えてもよい。
【0079】
第二変形例の第一工程において、本出願人は、分散されるポリマーの量に応じて水とDMSOの比率が60/40〜20/80において変わる水/DMSO中に、プロペラミキサーを使用した機械的撹拌(300〜600rpm)によってポリアミド−イミドポリマーを分散させることを提案している。分散効率は、プロペラの容積および直径の関数として、一定のプロペラ速度でのせん断速度によって与えられる。当該混合物の温度は、有利には分散を促進するために摂氏60度を超え、蒸発を抑制するために摂氏80度未満である。当該水性混合物は、ポリオキシエチレン化アセチレン系ジオールからなる群より選択される少なくとも1種類の非イオン性界面活性剤と、顔料に対して高い親和性の基を有する高分子量ブロックコポリマーとを含んでもよい。第二工程において、ミル粉砕、あるいは機械的撹拌を備えた超音波浴、または超音波プローブ(HIELSCHER(登録商標) UIP、SONITUBE(登録商標))を使用した、超音波での処理(超音波処理)によって粒子の解凝集および分散液の均一化が確保される。周波数および最低出力は、夫々20kHzおよび200Wである。機能性顔料充填材が機械的分散中に加えられる場合、当該分散液の安定性は、好ましくは冷却され加圧されたミル粉砕チャンバーを備える水平ビーズミルにおいて分散液を再循環させることによるビーズミル粉砕によって確保される。
【0080】
機能性顔料充填材を粉砕中または粉砕後に加えてもよい。
【0081】
最終分散液中のポリアミド−イミドの割合は、好ましくは5%〜20%である。当該濃度が20質量%を超える場合には、粘性が増加して塗布が困難となり、当該濃度が5質量%未満の場合には、十分な厚さの被膜を形成することが更に難しくなる。
【0082】
分散液中の水に対する助溶媒の割合は、低温貯蔵中の良好な安定性を保証するために、好ましくは40%〜80%である。図5は、ジメチルスルホキシドの分率の関数として、水−ジメチルスルホキシド混合物の凝固点を示している。
【0083】
当該水性分散液は、表面張力を減少させるため、および被膜形成を向上させるために、修飾されたポリエーテルジメチルポリシロキサンタイプの展着剤を含んでもよい。
【0084】
最後に、当該水性分散液は、特に顔料の体積濃度が高い場合、被膜形成を促進するために、消泡剤、例えば、シリコーンおよびパラフィン系鉱油を含む疎水性成分のエマルション等を含んでもよい。
【0085】
結論として、調製された水性分散液は、最低7質量%のポリアミド−イミドポリマー配合物を含んでいる。
【0086】
当該水性分散液は、0.1%以上の濃度でCIRC(IARC)、ACGIH、NTP、および/またはOSHAリストに載っている発がん性、突然変異性、または生殖毒性物質を全く含まない。
【0087】
当該水性分散液は、pH7〜7.5の中性、ポリマーの割合に応じて摂氏20度で0.1〜1Pa・sの動粘度、摂氏−5度または摂氏40度での少なくとも2週間の貯蔵安定性がある。
【0088】
当該ポリアミド−イミド被膜は、空気式噴霧または低温静電噴霧によって得ることができる。当該水性分散液は、垂直な面に塗布することができるほど十分にチキソトロピー性である。溶媒は、摂氏80度の乾燥フェーズの間に蒸発する。ポリマーに応じて摂氏230〜325度の温度、好ましくは当該ポリマーのガラス転移温度より少なくとも10度高い温度での硬化フェーズにより乾燥被膜が形成される。冷却は周囲温度で実施することができる。
【0089】
中程度の揮発性の、摂氏150度で熱的に安定なDMSO助溶媒は、水による溶離によって、主に摂氏40〜80度の乾燥工程で完全に蒸発する。摂氏230〜325度の硬化工程で、CO2以外の分解生成物は、ATG−IRTFによる分析において検出されない。当該乾燥フェーズの間に放出される揮発性有機化合物、主にDMSOおよびジメチルスルフィド(DMS)は再凝結によって容易に再生される。
【0090】
乾燥ポリアミド−イミド被膜によって主にねじ部のメタル−メタル接触のせん断負荷を減じるために、添加剤または機能性顔料充填材、とりわけ、ゴーリングに対する金属面の保護および潤滑性を付与するために、好ましくはミル粉砕中に前記水性分散液に加えられる。
【0091】
したがって、PAIの水性分散液は、グラファイト、窒化ホウ素、Bi23、MoS2、WS2、およびフルオロポリマーによって構成されるリストから選択される固体潤滑粒子を更に含んでもよい。
【0092】
上記固体潤滑剤は、機能的メカニズムおよび構造によって定義される以下のカテゴリーに分類される。
・クラス1: 潤滑特性が結晶構造に起因する固体、例えばグラファイト、窒化ホウ素、酸化亜鉛。
・クラス2: 潤滑特性が一方において結晶構造に起因し、他方において組成中の反応性化学元素に起因する固体、例えば二硫化モリブデンMoS2、フッ化黒鉛、硫化スズ、硫化ビスマス。
・クラス3: 潤滑特性が化学反応性に起因する固体、例えば特定のチオ硫酸塩タイプの化学化合物。
・クラス4: 潤滑特性が摩擦負荷下での可塑性挙動もしくは粘塑性挙動に起因する固体、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド。
【0093】
前記水性PAI分散液は、固体潤滑粉末を、ポリマーに対する質量比として0.01〜4の範囲の比率において、単独または組合せを含んでもよい。
【0094】
前記水性PAI分散液は、摩擦係数を減じるため、および低負荷下での摩耗および損傷を減じるために、フルオロポリマー粉末(好ましくは、0.2〜2μmの範囲の平均粒径を有するポリテトラフルオロエチレン)を排他的に含んでもよい。
【0095】
前記水性PAI分散液は、クラス2の固体潤滑粉末(好ましくは、平均粒径が2〜8μmの範囲であるWS2またはBi23)を排他的に含んでもよい。
【0096】
前記水性PAI分散液は、締付領域の関数としての摩擦係数を調節するため、および摩耗耐性を高めるために、相乗効果の固体潤滑粉末の組合せ、すなわち、主にクラス1もしくは2の固体潤滑剤とクラス4の固体潤滑剤との組合せを含んでもよい。クラス1または2の固体潤滑剤とクラス4の固体潤滑剤の比率は、1:1〜10:1の範囲である。
【0097】
同様に、前記水性PAI分散液は、クリストバライト、マイカ、コロイドシリカ、パラフェニレンテレフタルアミド(アラミド)、およびシリコーン樹脂によって構成されるリストから選択される、粉末形態の固体耐磨耗粒子を更に含んでもよい。
【0098】
最後に、前記水性PAI分散液は、1つの腐食防止顔料または相乗効果を有する腐食防止顔料の組合せを含んでもよい。
【0099】
有利には、本発明のプロセスによって得られる乾燥ポリアミド−イミド被膜は、図6に示されるようなねじ接続部に適用される。このタイプの接続部は、雄型末端部1を備える、回転軸10を有する第一管状コンポーネントと、雌型末端部2を備える、回転軸10を有する第二管状コンポーネントとを含んでいる。当該末端部1、2は夫々の回転軸10に対して垂直に配置された端子表面を夫々有し、組立によるコンポーネントの相互接続のためにお互いに協働するねじ領域3、4を夫々備えている。ねじ領域3、4のねじタイプは自己ロック、台形、または別のタイプであってもよい。また、組立により当該2つのねじコンポーネントを接続させた後でお互いに封止締まり接触することが意図されるメタル/メタル封止面5、6が、夫々ねじ領域3、4に隣接して雄型末端部1および雌型末端部2に備わっている。雄型末端部1は、当該2つのコンポーネントがお互いに組み立てられる場合に、雌型末端部2の対応する表面8に隣接する端子表面7を有する。当該接続部は、接続部が組み立てられた場合に封止締まり接触することが意図される末端部1、2に夫々配置された2つの封止面5、6を更に備えている。
【0100】
変形例において、端子表面7とそれに対応する表面8との隣接部は、例えば米国特許第4822081号、米国再発行特許第RE30647号、または米国再発行特許第RE34467号に記載されているタイプの自己ロック式締まりよって協働するように配置されたねじ領域3、4で置き換えてもよい。
【0101】
図6に示されるように、管状コンポーネントの少なくとも1つの末端部1、2は、本発明のプロセスによるポリアミド−イミドの乾燥被膜12によって少なくとも部分的にコーティングされる。
【0102】
特にねじ領域3、4の一部または全体が当該乾燥ポリアミド−イミド被膜12によってコーティングされることを必要としている。
【0103】
加えて、当該封止面5、6は、両方が乾燥被膜12でコーティングされてもよく、一方の封止面のみがコーティングされてもよい。
【0104】
当該乾燥被膜は、好ましくは粗い表面に適用される。粗い表面は接触面を増加させ、結果として、接着性、特に限られた潤滑領域における潤滑剤の保持能力を増加させる。表面粗さは、鉄鋼の機械的サンドブラスト処理、または化成処理、例えば、亜鉛もしくはマンガンリン酸塩処理等を用いた表面調製によって形成することができる。当該表面粗さは、1〜3.5μmの範囲における粗さの平均ばらつき(Ra)、および10〜25μmの範囲における最大リッジ深さ(すなわちRmax)を有する。形成された被膜の厚さを最大リッジ深さ(すなわちRmax)以上にする必要がある。
【0105】
また、表面調製は、電解析出物、好ましくはウッドニッケルのキーイング副層を含むCuSnZn三元合金であってもよい。鉄鋼より高いビッカース硬度および鉄鋼に対する析出物の低い親和性は、乾燥被膜に不具合が生じた場合に鉄鋼自体に接着性耐摩耗コーティングを提供する。
【0106】
「乾燥被膜」なる用語は接触しても粘着しない固体の被膜を意味している。
【0107】
実験的観点から、本出願人は、最初にポリアミド−イミドポリマーの安定な水性分散液を得ることに取り組んだ。使用したポリアミド−イミドポリマーは、主にSolvay Advanced PolymersからTORLON(登録商標) 4000Tの商標において販売されている粉末であり、これは99.9%を超える純度を有し、ガラス転移温度はTGA−SDTAによる測定において摂氏265度であった。
【0108】
次に、本出願人は、固体潤滑剤または腐食防止剤によって形成されるリストから選択される少なくとも1つの添加剤を含む組成物によって、ポリアミド−イミドポリマーの水性分散液を作製した。当該調製物を安定化するために、最も相性が良くかつ作業環境に配慮したものから選択され、増粘剤、融合剤、安定化剤、分散剤、および他の消泡剤を加えることは好都合であった。添加剤を含む組成物の場合、被膜の不透過性を保証するため、且つ多孔性、膨れを生じるリスク、および腐食メカニズムを引き起こすリスクを抑制するために、臨界顔料容積(CPV)に対して特別の注意を払った。
【0109】
当該分散液は空気式噴霧システムによって塗布される。当該混合物と基材の温度は同じである必要があり、好ましくは摂氏20〜40度の範囲である必要がある。
【0110】
当該被膜を、塗布温度で5分間接着させた。摂氏60〜80度の範囲の温度で10分間乾燥させた後、摂氏230〜325度の範囲、好ましくは摂氏275〜300度の範囲の温度で30分間硬化させ、完全に残留水を排除して乾燥被膜を形成した。
【0111】
当該乾燥被膜は、表面処理の有無で炭素鋼試験体または低合金鋼試験体に作製した。分離処理は、サンドブラスト処理、リン酸塩処理、好ましくはマンガンリン酸塩処理、またはウッドニッケルの副層を含むCuSnZnタイプの電解析出であってもよい。検討した被膜の厚さは10〜45μmの範囲であった。
【0112】
試験した全ての分散液は、下記一覧表の比率の組成を有していた。
【0113】
【表1】
参照番号1の分散液において、283gのDMSO(ROTIPURAN(登録商標)≧99.8%p.a.、ACS、ISO)に溶解させた45gのポリアミド−イミドポリマー粉末(Torton(登録商標) 4000TF)を、283gの蒸留水、6gのポリオキシエチレン化アセチレン系ジオール(Surfynol(登録商標) 440またはDynol(登録商標) 604)、3gの有機変性ベントナイト(Optigel(登録商標) CK)、1.8gのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(Byk(登録商標) 348)、および1.8gの消泡剤(Byk(登録商標) 037)によって構成される混合物に、激しく撹拌しながらゆっくりと加えた。次いで、沈殿したポリアミド−イミド樹脂の粒子の懸濁液を、垂直セラミックビーズミルにおいて600rpmの速度で微細にミル粉砕した。24時間のミル粉砕の後、初期比率の水/DMSO混合物で洗浄して得られる水性ポリアミド−イミド分散液は、黄色、500MPa・sの動粘度(Brookfield R4、100 rpm、摂氏20度)、pH7(水における10%希釈)を有し、少なくとも90%の粒子が7.5μm未満の粒径であった。その好適なチキソトロピー性ゆえに、参照番号1の分散液は、摂氏−5〜+40度の温度範囲での貯蔵において優れた安定性を有していた。極限貯蔵条件下において、塗布の融通性は3ヶ月間変化しなかった。ただし、乾燥抽出物の検査の後、摂氏+40度で貯蔵する場合には、噴霧塗布を容易にするためおよび初期特性を保持させるために、水による希釈が可能であった。
【0114】
参照番号1の分散液から得られる乾燥被膜は、10〜20μmの範囲の厚さを有していた。当該被膜は、マンガンリン酸塩処理によってコーティングされた炭素鋼において、1000時間の塩霧への曝露の後でも腐食を示さなかった。当該中性塩霧試験は、摂氏25度で1.029〜1.036の範囲の密度および摂氏25度でpH6.5〜7.2の範囲の50g/L塩水溶液による摂氏35度の気候室で実施され、1.5mL/hの平均速度で回収されることが思い起こされる。
【0115】
完全な無サビ試料は、曝露後にISO規格9227に相当する必要がある。当該プロセスは、腐食保護コーティングの有無で金属材料の比較品質が維持されていることを検証するための手段を提供する。
【0116】
第二段階において、最初に、参照番号1の分散液から得られる被膜の、接触表面から分離される能力、せん断圧縮負荷下で潤滑する能力、動的接着、増加する負荷下での摩擦もしくは磨耗抵抗力をスクラッチ試験で評価した。スクラッチ試験は、表面もしくは表面調製に対する被膜の接着力もしくは接着性を評価するために使用することができる。スクラッチ試験は、増加する負荷下において球状ビーズで被膜をせん断および変形させる工程からなり、被膜剥離の開始に対応する限界負荷の摩擦係数を特定するために使用することができる。
【0117】
当該実験条件は、直径5mmのタングステンカーバイドビーズおよび1マイクロメートル未満の粗度Raの金属炭素鋼もしくはZ20C13鉄鋼試験体、ならびに下記パラメータ:10Nから310Nへまたは250Nから750Nへ増加する負荷、2mm/sのビーズの変位速度、20秒の期間、および40mmの行路長である。10Nから310Nへの増加する負荷は、ねじ部の接触圧力を表している。250Nから750Nへの増加する負荷は、封止面での接触圧力を表している。
【0118】
参照番号2〜5の分散液において、419gのDMSO(ROTIPURAN(登録商標)≧99.8%p.a.、ACS、ISO)に溶解させた67gのポリアミド−イミドポリマー(Torlon(登録商標) 4000TF)を、374gの蒸留水、18gの非イオン性湿潤剤(Surfynol(登録商標) 465)、4gのポリリン酸変性合成シリケート(Laponite(登録商標) RDS)、3gのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(Byk(登録商標) 333)、および3gの消泡剤(Byk(登録商標) 037)によって構成される混合物に、激しく撹拌しながらゆっくりと加えた。次いで、ポリアミド−イミド樹脂の沈殿した粒子の懸濁液を、垂直セラミックビーズミルにおいて600rpmの速度で微細にミル粉砕した。固体潤滑粒子、例えば、ペルフルオロオクタン酸を含まない水におけるポリテトラフルオロエチレンの懸濁液、ならびにエトキシル化アルキルフェノール(Dyneon(登録商標) TF5060GZ)、グラファイト、三硫化ビスマス、二硫化タングステン等を、ミル粉砕中に、単独または組合せたものを加えた。24時間のミル粉砕後、分散液中の少なくとも90%の粒子は、添加剤の比率に関係なく12.5μm未満のサイズを有していた。
【0119】
摂氏300度での30分間の硬化により乾燥被膜を得た。
【0120】
参照番号2〜5の分散液から得られる被膜のトライボロジー性能を、CMRとして分類される物質を含む水性ポリアミド−イミド分散液から得られる他の滑り被膜もしくはコーティングと比較し、また、高い耐摩耗性を有する高い性能を有している、特許国際公開第2011/076350号に記載されたポリエーテルエーテルケトンの水性分散液から得られる熱可塑性被膜とも比較した。
【0121】
以下の表には、参照番号2〜5の分散液の潤滑性能が、夫々全てもしくは一部がPTFEである添加剤とポリアミド−イミドとの質量比に対応して記録されている。この質量比は0.25〜3の範囲であった。バルク密度を使用して算出される体積濃度は、塩霧への336時間の曝露後において十分な耐食保護を提供するために、40%未満であった。基材は、好ましくはマンガンリン酸塩処理を施した炭素鋼であった。厚さは20〜30μmの範囲であった。
【0122】
【表2】
0.08〜0.11の範囲の摩擦係数は、Okitsumo Incorporatedから販売されている、固体潤滑性粒子(MoS2、グラファイト、PTFE)の組み合わせを含むレファレンスのNTB3308の滑りコーティングの0.13の摩擦係数より十分に小さかった。有利なことに、0.02の差は、組立におけるショルダリングトルクによる7” 32# L80 CS VAM TOP接続部への適用との関連において、少なくとも2000N・m低いと解釈することができた。
【0123】
末端部1、2の全体が乾燥被膜でコーティングされる場合、ねじ部のみのコーティングを目的とする競合品によるアプローチとは対照的に、フィードの関数としての摩擦係数の差0.03は、低いショルダリングトルクと接続部での封止を確保するための肩抵抗における十分なトルクとを保証するために、有利であるということも確証された。
【0124】
加えて、本出願人は、pin−on−Vee試験によって、参照番号5の分散液の摩耗耐性について試験した。pin−on−Vee試験は、特にASTM規格D 2670およびASTM規格D 3233に従って潤滑流体の耐摩耗特性および極圧特性を高速で評価するために使用したが、ASTM D 2625のプロセスによって低速で固体潤滑剤を評価するためにもpin−on−Vee試験を使用した。
【0125】
当該pin−on−Vee試験は、下記接続部に関する問題を克服するように適合される。
・ 準閉接点の幾何学構造(第三の潤滑剤本体が捕捉されるのを確保するため);
・ 接続部の圧力−速度間隔に一致する圧力−速度間隔(PVダイヤグラム);
・ 組立および分解シミュレーションのための一方向または交互モードでの試験の実施の実現性。
【0126】
図示されるpin−on−Vee試験の接点の幾何学的構造は、サンドブラスト処理もしくはCuSnZn電解析出もしくはマンガンリン酸塩処理を施され、試験被膜でコーティングされた炭素鋼もしくは合金化鉄鋼で形成されるV字形状の2つのVブロックの間に回転するように取り付けられ押し付けられた、マンガンリン酸塩処理の有無で炭素鋼もしくは合金化鉄鋼の圧子Pからなっている。
【0127】
当該試験条件には、ねじ部のショルダリングの開始時に組立の際に記録された圧力(100〜300N)に比較的近い、150MPaの接点での平均圧力に相当する785Nの印加負荷と、PV≒5MPa・m/sであるロードフランクでのねじ部の摩耗法則を確立するモジュラスに近い、圧力−速度モジュラス(PV)≒11.2MPa・m/sとを採用した。
【0128】
この試験の目的は、接続部の評価を実施する必要なく、様々な乾燥被膜について摩耗耐性をシミュレートし評価することであった。この試験は、接続部の実際の試験に対し、様々な被膜の性能を比較するために使用することができた。
【0129】
ゴーリングの評価基準は、固体潤滑剤の被膜の負荷能力の測定に関連するASTM規格D 2625−94を参考にして定義され、1130N・mmのオーダー、または785Nの負荷に対する0.15のオーダーの摩擦係数、初期状態と比較したトルクの突然の増加に相当する。一般的に、ゴーリングは材料および構成に関係なく、印加負荷が減少するときに観察される。
【0130】
参照番号5の分散液のポリアミド−イミド被膜が示すゴーリングまでの摩耗の程度は、30質量%のペルフルオロアルコキシエチレンコポリマーを含むポリエーテルエーテルケトン被膜より凡そ4倍低い。
【0131】
この試験は図7に示されており、この図には、リン酸塩処理され、次いで参照番号5の分散液でコーティングされたXC48炭素鋼のブロックの摩耗耐性(曲線A)と、リン酸塩処理され、次いでポリエーテルエーテルケトンの単層でコーティングされたXC48炭素鋼ブロックの摩耗耐性(曲線B)との比較が示されている。
【0132】
加えて、本出願人は、好ましくはポリマーのガラス転移温度に近い温度での硬化工程を使用することで摩耗の程度を更に減らすことができることを確証した。
【0133】
この試験は図8に示されており、この図には、リン酸塩処理され、次いで参照番号5の分散液でコーティングされ、摂氏300度で硬化させたXC48炭素鋼ブロックの摩耗耐性(曲線C)と、リン酸塩処理され、次いで参照番号5の分散液でコーティングされ、摂氏275度で硬化させたXC48炭素鋼ブロックの摩耗耐性(曲線D)との比較が示されている。
【0134】
本出願人は、サンドブラスト処理タイプの表面処理または銅もしくはCuSnZn三元合金の電解析出によって摩耗耐性が特に改善されることも確証した。サンドブラスト処理の場合、1〜3.5μmの範囲の粗さの平均ばらつき(すなわちRa)および10〜25μmの範囲の最大リッジ深さ(すなわちRmax)を有することが好ましい。形成された被膜の厚さは、少なくとも最大リッチ深さ(すなわちRmax)より大きくなければならない。
【0135】
加えて、本出願人は、粉末化されたポリアミド−イミドポリマーを蒸留水およびDMSOによって構成される混合物に、60:40〜20:80の範囲の質量比、好ましくは30:70の質量比で激しく撹拌しながら直接導入する工程からなる溶解プロセスに対する代替策を開発した。最低30分間の撹拌の後、潤滑固体(例えば、グラファイトおよび/またはPTFEなど)を導入した。撹拌は30分間続けた。当該分散液を超音波処理またはミル粉砕によって均一化し、次いで噴霧によって塗布した。この分散液の貯蔵安定性は満足できるものであるが、沈殿および微細なミル粉砕を組み合わせたプロセスによって得られたものと比較して限定される(摂氏40度において1ヶ月未満)ことが判明した。
【0136】
参照番号6の分散液は、115gのポリアミド−イミドポリマー(Torlon(登録商標) 4000TF)を、455gのDMSO(ROTIPURAN(登録商標)≧99.8%、p.a.ACS、ISO)、226gの蒸留水、および4gの有機変性ラポナイト(Laponite(登録商標) RDS)によって構成される混合物中に、400rpmで撹拌しながらゆっくりと分散させて生成した。ポリマーのより良い分散性を確保するために、当該DMSO/水混合物を摂氏60〜80度に加熱した。最低30分後、170の三硫化ビスマス、次いで30gのポリテトラフルオロエチレン(Xeon(登録商標) F4)を、添加剤とポリアミド−イミド樹脂の質量比が1.75でありかつ添加剤の体積濃度が最大25%であるように、分散液による上記の混合物に加えた。24時間のミル粉砕後、分散液中の少なくとも90%の粒子は15μm未満のサイズであった。
【0137】
負荷の関数としての摩擦係数の差0.06は、フルオロポリマーを単独もしくは組合せを含む乾燥被膜よりもより有利であったが、より高い摩擦の結果として、摩擦係数を使用して特定される耐磨耗性ならびに摩耗耐性は、参照番号5の分散液で記録された値を超えていた。
【0138】
参照番号7の分散液は、67gのポリアミド−イミドポリマー(Torlon(登録商標) 4000TF)を、419gの蒸留水、374gのDMSO(ROTIPURAN(登録商標)≧99.8%、p.a.ACS、ISO)、18gの非イオン性湿潤剤(Surfynol(登録商標) 440)、4gのポリリン酸変性合成シリケート(Laponite(登録商標) RDS)、3gのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(Byk(登録商標) 333)溶液、および3gの消泡剤(Byk(登録商標) 037)によって構成される混合物中に300rpmで撹拌しながらゆっくりと分散させて生成した。1時間後、当該分散液を、均一化のために30分間、超音波発生機にかけた。超音波処理後、ペルフルオロオクタン酸を含まない水におけるポリテトラフルオロエチレンの懸濁液およびエトキシル化アルキルフェノール(Dyncon(登録商標) TF5060GZ)を機械的に撹拌しながら、添加剤とポリアミド−イミド樹脂の質量比が1で、かつ添加剤の体積濃度が最大40%となるように上記分散液に加えた。30分後、最終的な分散液をローター−スターラー式分散機を使用して解凝集した。ポリアミド−イミド粒子の粒径は60〜70μmの範囲であった。
【0139】
この簡易化されたプロセスを使用することにより、摩擦係数から特定した耐摩耗性ならびに摩耗耐性が、ポリアミド−イミドの平均粒径に関係なく、実施的に改善されたようであった。
【0140】
これは図9に示されており、この図には、リン酸塩処理され、次いで沈殿とその後のミル粉砕によって得られた参照番号5の分散液でコーティングされたXC48炭素鋼の摩耗耐性(曲線E)と、リン酸塩処理され、次いで分散とその後の均一化によって得られた参照番号7の分散液でコーティングされたXC48炭素鋼ブロックの摩耗耐性(曲線F)との比較が示されている。
【0141】
参照番号8および9の分散液において、75gのポリアミド−イミドポリマー(Torlon(登録商標)4000TF)を、419gの蒸留水、374gのDMSO(DMSO Evol(登録商標)≧99.7%、p.a.)、18gの非イオン性湿潤剤(Surfynol(登録商標) 440)、4gのポリリン酸変性合成シリケート(Laponite(登録商標) RDS)、3gのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(Byk(登録商標) 333)溶液、および3gの消泡剤(Byk(登録商標) 037)によって構成される均一な水性混合物中に、300rpmで撹拌しながら摂氏70度の温度においてゆっくりと分散させた。1時間後、均一化するために、当該分散液に、圧力下におけるセラミックビーズを使用した水平ミル粉砕を施した。6時間のミル粉砕後、少なくとも90%のポリアミド−イミド粒子が20μm未満の粒径を有し、三硫化ビスマス、次いでペルフルオロオクタン酸を含まない水におけるポリテトラフルオロエチレンの懸濁液およびエトキシル化アルキルフェノール(Dyneon(登録商標) TF5060GZ)を機械的に撹拌しながら、固体とポリアミド−イミド樹脂の質量比が夫々1および1.75で、かつ臨界顔料容積が最大40%となるように上記分散液に加えた。ポリテトラフルオロエチレンおよび三硫化ビスマスの質量比は1.5部と8.5部であった。当該分散液を噴霧により塗布し、摂氏275度で30分後、被膜が形成された。乾燥被膜の厚さは20〜30μmの範囲であった。相乗効果を有する固体潤滑性粒子の組み合わせを含む乾燥PAI被膜より高い摩耗耐性を提供するために、固体とポリアミド−イミド樹脂との比率が1を超えることが有利である。
【0142】
これは図10に示されており、この図には、リン酸塩処理され、次いで固体とポリアミド−イミド樹脂の質量比が1で、かつ参照番号8の分散液でコーティングされたXC48炭素鋼の摩耗耐性(曲線G)とリン酸塩処理され、次いで固体とポリアミド−イミド樹脂の質量比が1.75である参照番号9の分散液でコーティングされたXC48炭素鋼ブロックの摩耗耐性(曲線H)との比較が示されている。
【0143】
また、本出願人は、本発明において得られる乾燥被膜の摩耗耐性と競合品の摩耗耐性も比較した。参照番号10の分散液において、67gのポリアミド−イミドポリマー(Torlon(登録商標) 4000TF)を、419gの蒸留水、374gのDMSO(DMSO Evol(登録商標)≧99.7%、p.a.)、18gの非イオン性湿潤剤(Disperbyk(登録商標) 190)、4gのポリリン酸変性合成シリケート(Laponite(登録商標) RDS)、3gのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン溶液(Byk(登録商標) 333)、および3gの消泡剤(Byk(登録商標) 037)によって構成される均一な水性混合物中に、300rpmで撹拌しながら摂氏70度の温度においてゆっくりと分散させた。1時間後、当該分散液にセラミックビーズを使用する再循環式水平ミル粉砕にかけた。1時間のミル粉砕後、少なくとも90%のポリアミド−イミド粒子が45μm未満の粒径を有し、ペルフルオロオクタン酸を含まない水におけるポリテトラフルオロエチレンの懸濁液およびエトキシル化アルキルフェノール(Dyneon(登録商標) TF5060GZ)を機械的に撹拌しながら、固体とポリアミド−イミド樹脂の質量比が1で、かつ臨界顔料容積が最大40%となるように上記分散液に加えた。
【0144】
pin−on−Vee摩擦計を使用して比較を行い、ならびに参照番号10の分散液を、リン酸塩処理したXC48炭素鋼のブロックおよびリン酸塩処理したXC48炭素鋼圧子に対称に塗布した。乾燥被膜の厚さは15〜25μmの範囲であった。競合するトライボシステムでは、無機ポリマー中におけるMoS2およびグラファイトの固体潤滑粒子の混合物を含む乾燥被膜を、サンドブラスト処理され(20μmの最大リッジ深さ(すなわちRmax)に相当する表面粗さを有する)、亜鉛リッチのエポキシプライマーでコーティングされたXC48炭素鋼圧子に適用し、反応性エポキシ樹脂中におけるPTFEおよび他の摩擦調整顔料の混合物を含む乾燥被膜を、リン酸塩処理したXC48炭素鋼ブロックに適用した。
【0145】
接触する両表面に本発明の乾燥被膜を適用することにより、摩擦係数の値がトライボ被膜を形成した後の長期間にわたって一定であり、摩耗耐性が競合品よりも実質的により良好であった。
【0146】
これは図11に示されており、この図には、参照番号10の分散液によるトライボシステムの摩耗耐性(曲線J)と競合品のトライボシステム(曲線I)との比較が示されている。
【0147】
結論として、本出願人は、発がん性、突然変異性、または生殖毒性物質を含まないポリアミド−イミドの水性分散液を出発材料とするポリアミド−イミド被膜を、炭化水素坑井の掘削および/または操作用の管状要素に適用することは多くの利点を有することを確証した。主要で非包括的な利点は、発がん性、突然変異性、および生殖毒性があるとして分類される物質への曝露を制限する専門的制約の順守、連続して摂氏250度に達し得る坑井内での極限温度制約の順守、優れた被膜形成特性、せん断負荷の減少および非常に満足できる摩耗耐性、全ての金属支持体に対する優れた接着性、ならびに腐食剤に対する非常に良好な抵抗性である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】