特表2015-537141(P2015-537141A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2015-537141ガスタービンエンジンの氷抽出用の2自由度の可変抽気弁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-537141(P2015-537141A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジンの氷抽出用の2自由度の可変抽気弁
(51)【国際特許分類】
   F02C 9/18 20060101AFI20151201BHJP
   F01D 17/00 20060101ALI20151201BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20151201BHJP
   F02C 7/042 20060101ALI20151201BHJP
   B64D 33/00 20060101ALN20151201BHJP
【FI】
   F02C9/18
   F01D17/00 F
   F01D17/00 G
   F02C7/00 F
   F02C7/042
   B64D33/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-536782(P2015-536782)
(86)(22)【出願日】2013年9月16日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月29日
(86)【国際出願番号】US2013059872
(87)【国際公開番号】WO2014088671
(87)【国際公開日】20140612
(31)【優先権主張番号】61/712,944
(32)【優先日】2012年10月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/750,346
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ペッチ,ポール・アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】モニズ,トーマス・オリー
(72)【発明者】
【氏名】ロス,スティーヴン・アラン
(72)【発明者】
【氏名】プリチャード,ジュニア,バイロン・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】カニンガム,ジョージ・グールド,サード
(72)【発明者】
【氏名】ホルム,レイモンド・ガスト
【テーマコード(参考)】
3G071
【Fターム(参考)】
3G071AA00
3G071AB06
3G071BA11
3G071BA22
3G071DA11
(57)【要約】
ガスタービンエンジンの可変抽気装置(48)が、つなぎダクト(29)の抽気入口(47)に配置され、2つ以上の別個の枢支点(160)を中心にして回転可能であり、つなぎダクト(29)から外へと広がる後方抽気スロット(170)を開閉するように動作可能であり、かつつなぎダクト(29)の中へと広がる前方抽気スロット(180)を開閉するように動作可能である可変抽気弁扉(50)を備える。扉(50)は、後方抽気スロット(170)が開かれ、前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、後方抽気スロット(170)が閉じられ、前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置との間を、扉(50)を完全に閉じることなく移行するように動作可能である。扉(50)は、2つ以上の別個の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして回転可能である。つなぎダクト(29)は、つなぎダクト(29)の上流のブースタ外側シュラウド(222)のブースタ円錐角(A2)よりも少なくとも約10度は大きいつなぎダクト円錐角(A1)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
つなぎダクト(29)において抽気入口(47)に配置された可変抽気弁扉(50)を備える可変抽気弁(49)を備えるガスタービンエンジン可変抽気装置(48)であって、
前記扉(50)は、2つ以上の別々の枢支点(160)を中心にして枢動可能又は回転可能であり、
前記可変抽気弁(49)は、前記つなぎダクト(29)からおおむね径方向外側へと広がりかつ前記扉(50)の下流側又は後方の端部(54)に位置する後方リップ(52)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる後方抽気スロット(170)を開閉するように動作することができ、
前記可変抽気弁(49)は、前記つなぎダクト(29)へとおおむね径方向内側へと広がりかつ前記扉(50)の上流側又は前方の端部(53)に位置する前方リップ(51)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる前方抽気スロット(180)を開閉するように動作可能である、ガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項2】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である、請求項1に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項3】
前記扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項1に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項4】
前記つなぎダクト(29)は、エンジン中心線(12)に対して或るつなぎダクト円錐角(A1)を有し、
前記つなぎダクト円錐角(A1)は、前記つなぎダクト(29)の上流に隣接するブースタ外側シュラウド(222)のブースタ円錐角(A2)よりも少なくとも約10度は大きい、請求項1に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項5】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である、請求項4に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項6】
前記扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項5に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項7】
前記つなぎダクト(29)の径方向外側に位置するファンハブフレーム(129)の径方向における内側かつ軸方向における後方の部分(208)の氷収集室(204)に位置し、前記つなぎダクト(29)から抽出された氷を溶融させるヒータ(202)と、
前記室(204)から前記後方抽気スロット(170)への開口(210)と
をさらに備え、
前記扉(50)は、前記後方抽気スロット(170)が開かれるときに前記後方抽気スロット(170)を前記室(204)に連通させるように動作可能である、請求項4に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項8】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である、請求項7に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項9】
前記扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項8に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項10】
前記扉(50)は、前記後方抽気スロット(170)から前記室(204)への開口(210)を露わにし、前記扉(50)の前記後方リップ(52)を前記室(204)の室壁(216)に密着させることによって、前記後方抽気スロット(170)を前記室(204)に連通させるように動作可能である、請求項9に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項11】
前記扉(50)からおおむね径方向外側へと延びている周方向に間隔を開けて配置されたダクト側壁(62)を備えるとともに、前記扉(50)から径方向に離して配置されたおおむね軸方向に延びているダクト外壁(64)をさらに備える抽気弁ダクト(60)と、
前記扉(50)の後方の端部(54)の前記抽気弁ダクト(60)の出口(232)を前記つなぎダクト(29)の径方向外側に位置するファンハブフレーム(129)上のハブフレーム出口(234)へと接続する可撓管(230)と
をさらに備える、請求項4に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項12】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である、請求項11に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項13】
前記扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項12に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項14】
前記扉(50)は、前記後方抽気スロット(170)から前記室(204)への開口(210)を露わにし、前記扉(50)の前記後方リップ(52)を前記室(204)の室壁(216)に密着させることによって、前記後方抽気スロット(170)を置くように動作可能である、請求項13に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項15】
前記扉(50)からおおむね径方向外側へと延びている周方向に間隔を開けて配置されたダクト側壁(62)を備えるとともに、前記扉(50)から径方向に離して配置されたおおむね軸方向に延びているダクト外壁(64)をさらに備える抽気弁ダクト(60)と、
前記つなぎダクト(29)の径方向外側に位置するファンハブフレーム(129)から導き出される抽気排出ダクト(58)と、
前記抽気排出ダクト(58)から前記ファンハブフレーム(129)の中へと前方に延びている前記抽気排出ダクト(58)の排出ダクト延長部(240)と
をさらに備え、
前記排出ダクト延長部(240)は、前記抽気弁ダクト(60)に密着する、請求項4に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項16】
前記抽気弁ダクト(60)上の可撓な弁ダクトシール(244)にぴったりと係合する前記排出ダクト延長部(240)上の可撓な排出ダクトシール(242)
をさらに備える、請求項15に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項17】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である、請求項15に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項18】
前記扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項17に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項19】
前記扉(50)は、前記後方抽気スロット(170)から前記室(204)への開口(210)を露わにし、前記扉(50)の前記後方リップ(52)を前記室(204)の室壁(216)に密着させることによって、前記後方抽気スロット(170)を前記室(204)に連通させるように動作可能である、請求項18に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項20】
前記扉(50)を前記つなぎダクト(29)の径方向外側に位置するファンハブフレーム(129)へと回転可能に枢支する前記扉(50)の後方の端部(54)の近傍の周方向に間隔を開けて位置する第1及び第2の扉ヒンジ(70、72)
をさらに備え、
前記軸(160)は、第1及び第2のヒンジピン(74、76)を通り、
前記第1及び第2のヒンジピン(74、76)は、それぞれ前記ファンハブフレーム(129)に固定に取り付けられた周方向に間隔を開けて位置している第1及び第2のヒンジラグ(86、88)の第1及び第2のヒンジスロット(82、84)並びに前記第1及び第2の扉ヒンジ(70、72)のクレビスラグ(98)のヒンジ穴(100)を貫いて延びている、請求項4に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項21】
前記第1及び第2のヒンジスロット(82、84)は、直線的である、請求項20に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項22】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である、請求項20に記載のガスタービンエンジン可変抽気装置(48)。
【請求項23】
エンジン中心線(12)の周囲を囲むファン(14)と、ブースタ(16)と、高圧圧縮器(18)とを、下流方向への直列な流れの連絡にて備えるとともに、
前記ブースタ(16)から径方向外側に隔てられたバイパスダクト(36)と、
前記ファン(14)と前記バイパスダクト(36)とを囲むファンケーシング(30)を支持しており、環状の外側フレームケーシング(123)と、ファンハブフレーム(129)と、両者の間を延びている複数の周方向に間隔を開けて配置されたダクト支柱(134)とを備える環状のファンフレーム(33)と、
前記ファンハブフレーム(129)の径方向内側の端部(136)に位置し、軸方向においては前記ブースタ(16)と前記高圧圧縮機(18)との間に配置され、前記ブースタ(16)及び前記高圧圧縮機(18)に連通しているつなぎダクト(29)と、
前記ファンハブフレーム(129)から前記バイパスダクト(36)へと延びている抽気排出ダクト(58)と、
前記つなぎダクト(29)において抽気入口(47)に配置された可変抽気弁扉(50)を備える少なくとも1つの可変抽気弁(49)と
を備え、
前記可変抽気弁扉(50)は、2つ以上の別々の枢支点(160)を中心にして枢動可能又は回転可能であり、
前記可変抽気弁(49)は、前記つなぎダクト(29)からおおむね径方向外側へと広がりかつ前記扉(50)の下流側又は後方の端部(54)に位置する後方リップ(52)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる後方抽気スロット(170)を開閉するように動作することができ、
前記可変抽気弁(49)は、前記つなぎダクト(29)へとおおむね径方向内側へと広がりかつ前記扉(50)の上流側又は前方の端部(53)に位置する前方リップ(51)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる前記抽気排出ダクト(58)のうちの少なくとも1つに連通する前方抽気スロット(180)を開閉するように動作可能である、航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項24】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である、請求項23に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項25】
前記扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項24に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項26】
前記つなぎダクト(29)は、エンジン中心線(12)に対して或るつなぎダクト円錐角(A1)を有し、
前記つなぎダクト円錐角(A1)は、前記つなぎダクト(29)の上流に隣接するブースタ外側シュラウド(222)のブースタ円錐角(A2)よりも少なくとも約10度は大きい、請求項23に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項27】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように前記扉(50)を動作可能である、請求項26に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項28】
前記可変抽気弁扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項27に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項29】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)からおおむね径方向外側へと延びている周方向に間隔を開けて配置されたダクト側壁(62)と、前記扉(50)から径方向に離して配置されたおおむね軸方向に延びているダクト外壁(64)とを有する抽気弁ダクト(60)を備え、
前記扉(50)の前記後方の端部(54)の近傍の周方向に間隔を開けて位置している第1及び第2の扉ヒンジ(70、72)が、前記扉(50)を前記ファンハブフレーム(129)へと回転可能に枢支し、
前記軸(160)は、第1及び第2のヒンジピン(74、76)を通り、
前記第1及び第2のヒンジピン(74、76)は、それぞれ前記ファンハブフレーム(129)に固定に取り付けられた周方向に間隔を開けて位置している第1及び第2のヒンジラグ(86、88)の第1及び第2のヒンジスロット(82、84)並びに前記第1及び第2の扉ヒンジ(70、72)のクレビスラグ(98)のヒンジ穴(100)を貫いて延びる、請求項27に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項30】
前記第1及び第2のヒンジスロット(82、84)は、直線的である、請求項29に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項31】
前記可変抽気弁(49)へと作用可能に連結され、前記扉(50)を回転させるとともに、前記第1及び第2のヒンジピン(74、76)を前記第1及び第2のそれぞれのヒンジスロット(82、84)において平行移動させる径方向内側及び外側のユニゾンリング(102、104)
をさらに備える、請求項30に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項32】
エンジン中心線(12)の周囲を囲むファン(14)と、低圧圧縮機(16)と、高圧圧縮器(18)とを、下流方向への直列な流れの連絡にて備えるとともに、
前記ブースタ(16)から径方向外側に隔てられたバイパスダクト(36)と、
前記ファン(14)と前記バイパスダクト(36)とを囲むファンケーシング(30)を支持しており、環状の外側フレームケーシング(123)と、ファンハブフレーム(129)と、両者の間を延びている複数の周方向に間隔を開けて配置されたダクト支柱(134)とを備える環状のファンフレーム(33)と、
前記ファンハブフレーム(129)の径方向内側の端部(136)に位置し、軸方向においては前記低圧圧縮機(16)と前記高圧圧縮機(18)との間に配置され、前記低圧圧縮機(16)及び前記高圧圧縮機(18)に連通しているつなぎダクト(29)と、
前記ファンハブフレーム(129)から前記バイパスダクト(36)へと延びている抽気排出ダクト(58)と、
前記つなぎダクト(29)において抽気入口(47)に配置された可変抽気弁扉(50)を備える少なくとも1つの可変抽気弁(49)と
を備え、
前記可変抽気弁扉(50)は、2つ以上の別々の枢支点(160)を中心にして枢動可能又は回転可能であり、
前記可変抽気弁(49)は、前記つなぎダクト(29)からおおむね径方向外側へと広がりかつ前記扉(50)の下流側又は後方の端部(54)に位置する後方リップ(52)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる後方抽気スロット(170)を開閉するように動作することができ、
前記可変抽気弁(49)は、前記つなぎダクト(29)へとおおむね径方向内側へと広がりかつ前記扉(50)の上流側又は前方の端部(53)に位置する前方リップ(51)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる前記抽気排出ダクト(58)のうちの少なくとも1つに連通する前方抽気スロット(180)を開閉するように動作可能である、航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項33】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である、請求項32に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項34】
前記扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項33に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項35】
前記つなぎダクト(29)は、エンジン中心線(12)に対して或るつなぎダクト円錐角(A1)を有し、
前記つなぎダクト円錐角(A1)は、前記つなぎダクト(29)の上流に隣接する低圧圧縮機外側シュラウド(222)の低圧圧縮機円錐角(A2)よりも少なくとも約10度は大きい、請求項32に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項36】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように動作可能である、請求項35に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項37】
前記可変抽気弁扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である、請求項36に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項38】
前記可変抽気弁(49)は、前記扉(50)からおおむね径方向外側へと延びている周方向に間隔を開けて配置されたダクト側壁(62)と、前記扉(50)から径方向に離して配置されたおおむね軸方向に延びているダクト外壁(64)とを有する抽気弁ダクト(60)を備え、
前記扉(50)の前記後方の端部(54)の近傍の周方向に間隔を開けて位置している第1及び第2の扉ヒンジ(70、72)が、前記扉(50)を前記ファンハブフレーム(129)へと回転可能に枢支し、
前記軸(160)は、第1及び第2のヒンジピン(74、76)を通り、
前記第1及び第2のヒンジピン(74、76)は、それぞれ前記ファンハブフレーム(129)に固定に取り付けられた周方向に間隔を開けて位置している第1及び第2のヒンジラグ(86、88)の第1及び第2のヒンジスロット(82、84)並びに前記第1及び第2の扉ヒンジ(70、72)のクレビスラグ(98)のヒンジ穴(100)を貫いて延びる、請求項36に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項39】
前記第1及び第2のヒンジスロット(82、84)は、直線的である、請求項30に記載の航空機用ガスタービンエンジン(10)。
【請求項40】
つなぎダクト(29)の抽気入口(47)に配置された可変抽気弁扉(50)を備える可変抽気弁(49)の動作の方法であって、
前記扉(50)を軸(160)を中心にして枢動又は回転させるとともに、前記軸(50)を2つ以上の別々の枢支点(160)の間で平行移動させることと、
前記軸(160)を2つ以上の別々の枢支点(160)の間で平行移動させることによって、前記つなぎダクト(29)からおおむね径方向外側へと広がりかつ前記扉(50)の下流側又は後方の端部(54)に位置する後方リップ(52)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる後方抽気スロット(170)を開閉することと、
前記扉(50)を前記軸(160)を中心にして回転させることによって、前記つなぎダクト(29)へとおおむね径方向内側へと広がりかつ前記扉(50)の上流側又は前方の端部(53)に位置する前方リップ(51)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる前方抽気スロット(180)を開閉することと
を含む方法。
【請求項41】
前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間の前記扉(50)の移行を、移行の際に前記扉(50)を完全に閉じることなく行うこと、をさらに含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記移行の際に前記扉(50)を前記軸(160)を中心にして回転させると同時に前記軸(160)を平行移動させること、をさらに含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記つなぎダクト(29)のすぐ上流に位置するブースタ(16)から流出するコア空気流(15)を前記つなぎダクトにおいて旋回させること、をさらに含む請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記旋回は、前記つなぎダクト(29)がエンジン中心線(12)に対して或るつなぎダクト円錐角(A1)を有し、前記つなぎダクト(29)の上流に隣接するブースタ外側シュラウド(222)が或るブースタ円錐角(A2)を有し、前記つなぎダクト円錐角(A1)が前記ブースタ円錐角(A2)よりも少なくとも約10度は大きいことによって引き起こされる、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間の前記扉(50)の移行を、移行の際に前記扉(50)を完全に閉じることなく行うこと、をさらに含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記移行の際に前記扉(50)を前記軸(160)を中心にして回転させると同時に前記軸(160)を平行移動させること、をさらに含む請求項45に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンの可変抽気弁に関し、より詳細には、サージを防止し、ブースタとコアエンジン圧縮機との間のダクトから氷を除去するために使用される可変抽気弁に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンの分野において、ガスタービンエンジンのブースタとコアエンジン圧縮機との間に圧縮された空気を抽出するための抽気経路をもたらすために開く可変抽気弁(VBV)(典型的には、扉)を設けることが周知である。空気は、ブースタとコアエンジン圧縮機との間のいわゆるグースネック(gooseneck)流路から抽気されることが多い。航空機用のファンジェットガスタービンエンジン、並びにそのようなエンジンの船舶用及び産業用の派生品は、Monhardtらによる「Combined Surge Bleed and Dust Removal System for a Fan−Jet Engine」という名称の米国特許第4,463,552号に開示されているような方法で、さまざまな形態の湾曲した流路と、流路から粒子を取り出すべくブースタ又は低圧圧縮機の吐出の空気流を抽出する抽気ダクトへの入口を形成するために流路ケーシングへと引き込まれるVBV抽気扉とを使用している。抽気の流れが圧縮機の流れの方向から離れるように急激に曲がるがゆえに、大きめの粒子を抽気の流れに保持することが、それらの粒子の運動量ゆえにきわめて困難である。この問題は、航空機、船舶、及び地上のガスタービンエンジンに共通である。ゼネラル・エレクトリック社のCF6系及びGE90系エンジンなどのターボファンジェットエンジンは、ファン、ブースタ、及びコアエンジン圧縮機を直列の関係にて有し、ファンを通過する空気の一部がブースタへと流れ、次いでコアエンジン圧縮機へと流れる。コアエンジン圧縮機の入口空気流を飛行の動作の要件に一致させるとともに、ブースタの失速を防止するために、ブースタ可変抽気弁(VBV)が、ブースタとコアエンジン圧縮機との間の入口及びファンダクトへの出口を有するブースタ抽気ダクトの形態で設けられる。ブースタ抽気ダクトの開閉は、従来、燃料で動作する1つ以上のアクチュエータによって駆動される単一のユニゾンリングによって操作され、エンジン構造体又はケーシングへと引き込まれる周状に配置された複数の枢動扉によってもたらされる。
【0003】
ベルクランクリンク機構が、引き込み式の抽気枢動扉をユニゾンリングへと動作可能に接続する。Monhardt特許のスライド扉又は弁と比較して、引き込み式の枢動扉を使用するこのような失速防止システムの例が、本発明と同じ譲受人に譲渡済みであり、ここでの言及によって本明細書に援用されるShipleyらによる「Bypass Valve Mechanism」という名称の米国特許第3,638,428号に開示されている。VBVの動作は、エンジンコントローラによって計画され、機械式又はデジタル電子式のいずれかを用いることができる。
【0004】
従来の抽気弁ダクト及び弁扉に関連する問題は、より大きな粒子及び氷などの粒子の量が、多くの場合に、抽気ダクトに引き込まれないことである。圧縮機の空気流から大量の氷を除去するとともに、ブースタとコアエンジン圧縮機との間で空気を効率的に抽気する能力を提供するエンジンを有することが望ましい。したがって、コア空気流を除去せず、或いは除去されるコア空気流の量を最小にしつつ、グースネック流路から氷を除去することが強く望まれる。
【0005】
最新の航空機は、エンジン2基のBoeing 767型航空機など、より少数のより高推力であり、燃費がよく、バイパス比がきわめて大きいエンジンを採用している。エンジンの数が少ない航空機は、1つのエンジンが働かない状態でも飛行可能であるという要件を満たすために、総離昇出力及びエンジンあたりの出力がより大きくなければならない。したがって、エンジンは、すべてのエンジンが稼働できる状態での降下の際に、より低い出力の設定に設定され、結果としてエンジンの空気流が少なくなる。結果として、航空機の速度が同じである限りエンジンへと進入する氷、雹、又は水の量は同じであるため、エンジンの空気流の水分含有量が多くなる。
【0006】
他方で、高バイパス比のエンジンは、より小さいコア流と、より大きい弾丸状の先端(bullet−nose)の前面面積とを有する。これは、より多くの氷、雹、又は水が圧縮機を通って燃焼器へと入り、空気の水分含有量が多くなることを意味する。これら2つの基本的な現象が組み合わさって、燃焼器における水対空気の比が大幅に増大し、結果としてこのような航空機用エンジンは、雨又は雹の嵐においてエンジンの燃焼停止の問題の影響をより受けやすくなる。さらに、大きな前面面積を有する高バイパス比のエンジンでは、氷結環境におけるアイドリング運転の際に、ブースタ入口及びブースタ段への着氷が多くなる。結果として、最大出力又はその付近での動作における脱落など、加速時の氷の脱落が多くなる。また、氷の脱落に起因し、より詳しくは高速のロータの氷の脱落に起因する圧縮機の失速の恐れも大きくなり、これは歴史的に2軸の大型のエンジンにおいて問題であり、将来の大型エンジンにおいても問題であり続けると考えられる。
【0007】
現代の高バイパス比のエンジンは、より高圧のコア圧縮機及びより低圧のブースタを備え、したがってブースタ出口とファンバイパスダクトとの間の圧力差は小さくなる。これは、ブースタを失速から保護するためにブースタの下流からファンバイパスダクトへと充分な量の空気を抽気することをより難しくする。ブースタの失速の余裕は、ブースタの動作線をブースタの失速線を下回る点へと制御すべくブースタの流れの一部を外部へと放出するためにVBV扉を開くことによって制御される。
【0008】
したがって、より高圧のコア圧縮機とより低圧のブースタとを備える高バイパス比のエンジンにおいて、ブースタを失速から保護するためにブースタの下流から充分な量の空気を抽気する可変の抽気弁及びシステムを有することが、強く望まれる。また、そのような高バイパス比のエンジンにおいて、氷の脱落(より詳しくは、高速のロータの氷の脱落)に起因する圧縮機の失速又は燃焼器の火炎の消失を防止することができる可変の抽気弁及びシステムを有することが、強く望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2431590号明細書
【発明の概要】
【0010】
ガスタービンエンジン可変抽気装置(48)が、つなぎダクト(29)において抽気入口(47)に配置された可変抽気弁扉(50)を有する可変抽気弁(49)を備える。前記扉(50)は、2つ以上の別々の枢支点(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である。前記可変抽気弁(49)は、前記つなぎダクト(29)からおおむね径方向外側へと広がりかつ前記扉(50)の下流側又は後方の端部(54)に位置する後方リップ(52)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる後方抽気スロット(170)を開閉するように動作可能である。さらに、前記可変抽気弁(49)は、前記つなぎダクト(29)へとおおむね径方向内側へと広がりかつ前記扉(50)の上流側又は前方の端部(53)に位置する前方リップ(51)と前記つなぎダクト(29)との間を広がる前方抽気スロット(180)を開閉するように動作可能である。
【0011】
前記可変抽気弁(49)の典型的な実施形態は、前記扉(50)を完全に閉じることなく、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間で移行させるように、前記扉(50)を動作可能である。前記扉(50)は、前記2つ以上の別々の枢支点の間を平行移動可能な軸(160)を中心にして枢動可能又は回転可能である。
【0012】
前記つなぎダクト(29)は、エンジン中心線(12)に対して、前記つなぎダクト(29)の上流に隣接するブースタ外側シュラウド(222)のブースタ円錐角(A2)よりも少なくとも約10度は大きいつなぎダクト円錐角(A1)を有することができる。
【0013】
前記ガスタービンエンジン可変抽気装置(48)は、ファンハブフレーム(129)の径方向における内側かつ軸方向における後方の部分(208)の氷収集室(204)に位置し、前記つなぎダクト(29)から抽出された氷を溶かすヒータ(202)を備えることができる。前記扉(50)は、前記後方抽気スロット(170)が開かれるときに、前記後方抽気スロット(170)を、前記室(204)から前記後方抽気スロット(170)への開口(210)に連通させるように動作可能である。前記扉(50)は、前記後方抽気スロット(170)から前記室(204)への開口(210)を露わにし、前記扉(50)の前記後方リップ(52)を前記室(204)の室壁(216)に密着させることによって、前記後方抽気スロット(170)を前記室(204)に連通させるように動作可能である。
【0014】
前記ガスタービンエンジン可変抽気装置(48)は、前記扉(50)からおおむね径方向外側へと延びている周方向に間隔を開けて配置されたダクト側壁(62)を備える抽気弁ダクト(60)を含むことができる。前記抽気弁ダクト(60)は、とともに、前記扉(50)から径方向に離して配置されたおおむね軸方向に延びているダクト外壁(64)と、前記扉(50)の後方の端部(54)の前記抽気弁ダクト(60)の出口(232)を前記ハブフレーム(129)上のハブフレーム出口(234)へと接続する可撓管(230)とを備える。
【0015】
代案として、抽気排出ダクト(58)の排出ダクト延長部(240)を、前記抽気排出ダクト(58)から前記ハブフレーム(129)の中へと前方に延ばしてもよい。前記抽気排出ダクト(58)は、ハブフレーム(129)から導き出される。前記排出ダクト延長部(240)は、前記抽気弁ダクト(60)に密着する。前記排出ダクト延長部(240)上の可撓な排出ダクトシール(242)が、前記抽気弁ダクト(60)上の可撓な弁ダクトシール(244)にぴったりと係合する。
【0016】
前記ガスタービンエンジン可変抽気装置(48)は、前記扉(50)を前記ファンハブフレーム(129)へと回転可能に枢支する前記扉(50)の後方の端部(54)の近傍の周方向に間隔を開けて位置する第1及び第2の扉ヒンジ(70、72)を備えることができる。前記軸(160)は、第1及び第2の扉ヒンジ(70、72)のヒンジ穴(100)を通って回転可能に延びている第1及び第2のヒンジピン(74、76)を通る。前記第1及び第2のヒンジピン(74、76)は、前記ファンハブフレーム(129)に固定に取り付けられた周方向に間隔を開けて位置している第1及び第2のヒンジラグ(86、88)の第1及び第2のヒンジスロット(82、84)を通って回転可能に延びている。前記第1及び第2のヒンジスロット(82、84)は、直線状であってよい。
【0017】
前記ガスタービンエンジン可変抽気装置(48)を、エンジン中心線(12)の周囲を囲むファン(14)と、ブースタ(16)と、高圧圧縮器(18)とを、下流方向への直列な流れの連絡にて備え、前記ブースタ(16)から径方向外側に隔てられたバイパスダクト(36)をさらに備える航空機用ガスタービンエンジン(10)に組み込むことができる。前記ファン(14)と前記バイパスダクト(36)とを囲むファンケーシング(30)を支持する環状のファンフレーム(33)が、環状の外側フレームケーシング(123)と、ファンハブフレーム(129)と、両者の間を延びている複数の周方向に間隔を開けて配置されたダクト支柱(134)とを備える。つなぎダクト(29)が、前記ファンハブフレーム(129)の径方向内側の端部(136)に位置し、軸方向においては前記ブースタ(16)と前記高圧圧縮機(18)との間に配置され、前記ブースタ(16)及び前記高圧圧縮機(18)に連通する。抽気排出ダクト(58)が、前記ファンハブフレーム(129)から前記バイパスダクト(36)へと延び、可変抽気弁扉(50)を備える少なくとも1つの可変抽気弁(49)が、前記つなぎダクト(29)の抽気入口(47)に配置される。
【0018】
前記可変抽気弁(49)に作動可能に連結される半径方向内側及び外側のユニゾンリング(102、104)を、前記扉(50)を回転させるため、並びに前記第1及び第2のヒンジピン(74、76)を前記第1及び第2のそれぞれのヒンジスロット(82、84)において平行移動させるために、組み込むことができる。
【0019】
前記つなぎダクト(29)を、軸方向において比較的低い圧力の圧縮機と比較的高い圧力の圧縮機との間に配置でき、これらの圧縮機に連通させることができる。
【0020】
前記可変抽気弁(49)の動作の方法は、前記扉(50)を軸(160)を中心にして枢動又は回転させるとともに、前記軸(50)を2つ以上の別々の枢支点(160)の間で平行移動させることと、前記軸(160)を2つ以上の別々の枢支点(160)の間で平行移動させることによって前記後方抽気スロット(170)を開閉することと、前記扉(50)を前記軸(160)を中心にして回転させることによって前記前方抽気スロット(180)を開閉することとを含む。この方法は、前記後方抽気スロット(170)が開かれ、前記前方抽気スロット(180)が閉じられる第1の位置と、前記後方抽気スロット(170)が閉じられ、前記前方抽気スロット(180)が開かれる第2の位置と間の前記扉(50)の移行を、移行の際に前記扉(50)を完全に閉じることなく行うことをさらに含むことができ、これを、前記移行の際に前記扉(50)を前記軸(160)を中心にして回転させると同時に前記軸(160)を平行移動させることによって行うことができる。
【0021】
本発明の以上の態様及び他の特徴が、添付の図面に関連して理解される以下の説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】2自由度の可変抽気弁(VBV)を備えた航空機用ターボファンガスタービンエンジンの典型的な実施形態の縦断面図であり、一部分が断面図にて示され、一部が概略図にて示されている。
図2図1に示したエンジンの閉位置にある弁の扉の拡大図であり、一部分が断面図にて示され、一部が概略図にて示されている。
図3図2に示した扉を枢動させるためのヒンジ及びリンク機構の一部分の斜視図である。
図4図2に示したエンジンにおいてつなぎダクトに対して外方向に回転した位置にある扉によって形成された後方スロットの断面図である。
図4A図2に示したエンジンにおけるつなぎダクトのつなぎダクト円錐角及びブースタ外側シュラウドのブースタ円錐角の断面図である。
図5図2に示したエンジンにおいてつなぎダクトに対して内側へと回転した位置にある扉によって形成された前方スロットの断面図である。
図6図2に示したエンジンのつなぎダクトにおいて一部分が外側へと回転した位置にあり、一部分が内側へと回転した位置にある扉の断面図である。
図7図1に示したエンジンのVBVによって抽出された氷を溶かすための加熱システムの概略図である。
図8】VBV抽気弁ダクトの出口と、図1に示したエンジンのファンフレームハブとバイパスダクトとの間のVBV排出ダクトの入口とを接続している可撓バッフル管の概略図である。
図9図1に示したエンジンのファンフレームハブの中へと延びている延長されたVBV排出ダクトの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に、エンジン中心線12の周りを囲み、航空機の翼又は胴体に取り付けられるように適切に設計された典型的な航空機用ターボファン型ガスタービンエンジン10が示されている。エンジン10は、下流への直列な流れの連絡にて、ファン14と、ブースタ16と、高圧圧縮機18と、燃焼器20と、高圧タービン(HPT)22と、低圧タービン(LPT)24とを備える。コアエンジン25は、高圧駆動シャフト23によって高圧圧縮機18へと接続されたHPT又は高圧タービン22と、燃焼器20とを含む。LPT又は低圧タービン24は、低圧駆動シャフト26によってファン14及びブースタ16の両方へと接続されている。
【0024】
ロールスロイス社(Rolls Royce)によって製作されるガスタービンエンジンなど、3つ以上の圧縮機及びタービンを有する高バイパスの航空機用ガスタービンエンジンが存在する。例えば、ロールスロイス社は、各々が異なるタービンによって駆動される3つの圧縮機を備える3軸構造のエンジンを有する。したがって、本明細書に開示されるVBV弁及び扉は、2つの圧縮機の間に組み込まれることができ、本明細書に示したブースタなどの低圧圧縮機と高圧圧縮機との間に限られるものではない。
【0025】
典型的な動作においては、空気27がファン14によって加圧されて内側又はコア空気流15を生み出し、このコア空気流15がブースタ16を通って導かれ、ブースタ16によってさらに加圧される。次いで、加圧された空気は、空気をさらに加圧する高圧圧縮機18へと流される。加圧された空気は、燃焼器20において燃料と混合されて高温の燃焼ガス28を発生させ、この高温の燃焼ガス28が、下流へと流れてHPT22及びLPT24を順に通過する。
【0026】
ファン14の直後においてブースタ16を囲んでいるフロースプリッタ34が、ファン14によって加圧されたファン空気27を、ブースタ16を通って導かれる径方向内側の流れ(コア空気流15)と、ブースタ16から径方向外側に隔てられたバイパスダクト36を通って導かれる径方向外側の流れ又はバイパス空気流17とに分割する鋭い前縁32を備える。ファン14とバイパスダクト36とを囲むファンケーシング30が、エンジン中心線12の周りを囲む環状のファンフレーム33によって支持されている。ブースタ16は、ブースタダクト40内のブースタ流路39を横切って径方向外側及び内側へと延びているブースタブレード及びベーン38、42の交互の環状列を備える。ブースタブレード38の環状列は、ファン14へと適切に接続されている。ブースタ16は、ファンフレーム33の前方かつフロースプリッタ34の径方向内側に位置している。
【0027】
ファンフレーム33は、環状の外側フレームケーシング123と、ファンハブフレーム129と、両者の間を延びている複数の周方向に間隔を開けて位置するダクト支柱134とを備える。ダクト支柱134は、隣り合うダクト支柱134の間をバイパス空気が通過するため、翼の形状とされている。グースネックとも称されるつなぎダクト29が、ファンハブフレーム129の径方向内側の端部136に配置され、軸方向においてはブースタ16とコアエンジン25の高圧圧縮機18との間に位置し、両者に連通している。抽気排出ダクト58が、ハブフレーム129からバイパスダクト36へと通じている。
【0028】
図1及び図2を参照すると、抽気入口47又は開口が、ブースタ16と高圧圧縮機18との間のつなぎダクト29の外側円錐壁68に配置されている。可変抽気装置48が、特定のエンジン動作条件のもとでのブースタ16の失速を防止するために、ブースタ16と高圧圧縮機18との間でコア空気流15を抽出するために使用される。可変抽気装置48は、抽気入口47に配置された可変抽気弁扉50を有する可変抽気弁49(VBV)を備える。VBV扉50は、図2においては、抽気入口47を完全に閉じる閉鎖位置に示されている。
【0029】
VBV扉50は、扉50の上流側又は前方の端部53並びに下流側又は後方の端部54に位置する前方及び後方リップ51、52を備える。また、VBV扉50は、高圧圧縮機18に到達する前にブースタ及びつなぎダクト29から氷(高圧圧縮機18において失速状態を引き起こし、空気流を不安定な状態にし、燃焼器20内の火炎又は燃焼を消してしまう可能性がある)を抽出するためにも使用される。矢印及び点線46によって示されている周状に配置された複数のブースタ抽気通路46が、ファンハブフレーム129のVBV扉50から抽気排出ダクト58を通ってバイパスダクト36まで延びている。
【0030】
図3に、スクープ又は抽気弁ダクト60を備える可変抽気弁49の典型的な実施形態が示されている。抽気弁ダクト60は、周方向に離して配置され、VBV扉50からおおむね径方向外側へと延びているダクト側壁62と、VBV扉50から径方向に離れて位置し、おおむね軸方向に延びているダクト外側壁64とを備える。リブ66が、抽気弁ダクト60に構造的な支持をもたらすために、VBV扉50からダクト外側壁64までおおむね径方向外側へと延びている。
【0031】
図2に戻ると、VBV扉50は、平行移動可能なヒンジ軸160によって例示される2つ以上の別々の枢支点において軸160を中心にしてVBV扉50を枢動又は回転させることができる2つの回転の自由度をVBV扉50にもたらすリンク機構55へと取り付けられている。VBV扉50は、径方向内側及び外側のユニゾンリング102、104をエンジン中心線12に対して軸方向の前方及び後方へと平行移動並びに回転させるアクチュエータ(図示されていない)によって駆動される。扉を位置決めするために、アクチュエータ、ユニゾンリング、及びベルクランクを使用してVBV扉を動作又は回転させて開閉することは、周知である。この一例を、「BYPASS VALVE MECHANISM」という名称の1972年2月1日付のShipleyらの米国特許第3,638,428号明細書に見つけることができる。
【0032】
リンク機構55は、内側ベルクランク114の前方及び後方内側ベルクランクアーム120、122に連結された前方及び後方内側リンク110、112を備える。前方内側リンク110は、内側ユニゾンリング102を前方内側ベルクランクアーム120へと動作可能に連結する。後方内側リンク112は、後方内側ベルクランクアーム122を、可変抽気弁49の径方向外側の端部128に位置する外側ボールジョイント126の外側クレビス124へと動作可能に連結する。リンク機構55は、外側ベルクランク144の前方及び後方外側ベルクランクアーム140、142に連結された前方及び後方外側リンク130、132をさらに備える。前方外側リンク130は、外側ユニゾンリング104を前方外側ベルクランクアーム140へと動作可能に連結する。内側及び外側ベルクランク114、144は、ファンハブフレーム129に対して固定された内側及び外側ベルクランク軸116、118を中心にして枢動する。
【0033】
図2及び図3を参照すると、周方向に間隔を開けて配置された第1及び第2の屈曲アームレバー145、146が、ファンフレーム33のファンハブフレーム129に枢動可能に接続される。第1及び第2の屈曲アームレバー145、146の各々は、径方向内側及び外側の屈曲アーム150、152を備える。第1及び第2の屈曲アームレバー145、146の各々は、内側及び外側屈曲アーム150、152の間のレバー枢支点147において、ファンハブフレーム129に取り付けられたハブラグ148に枢動可能に接続される。第1及び第2の屈曲アームレバー145、146は、第1及び第2の屈曲アームレバー145、146の各々の外側屈曲アーム152の各々のアーム穴156を貫いて配置される横バー154(ここでは、円柱形であるものとして図示されている)によって互いに回転可能に接続される。
【0034】
VBV扉50は、VBV扉50の後方の端部54の近傍においてファンフレーム33のファンハブフレーム129へと枢支される。可変抽気弁49の典型的な実施形態は、VBV扉50の後方の端部54の近傍に周方向に間隔を開けて配置された第1及び第2のVBV扉ヒンジ70、72を備える。第1及び第2の扉ヒンジ70、72は、VBV扉50をファンハブフレーム129へと回転可能に接続又は枢支する。第1及び第2の扉ヒンジ70、72は、第1及び第2のそれぞれのクレビス90、92を備える。第1及び第2の扉リンク94、96の径方向内側の端部93が、それぞれ第1及び第2のクレビス90、92のクレビスラグ98に回転可能に接続される。第1及び第2扉リンク94、96の径方向外側の端部99が、それぞれ第1及び第2の屈曲アームレバー145、146の径方向内側の屈曲アーム150に回転可能に接続される。
【0035】
円柱形の第1及び第2のヒンジピン74、76が、それぞれ第1及び第2の扉ヒンジ70、72の第1及び第2のクレビス90、92のクレビスラグ98並びに第1及び第2の扉リンク94、96の内側端部93の真っ直ぐに整列した同軸なヒンジ穴100を貫いて回転可能に配置される。VBV扉50は、ファンハブフレーム129へと回転可能かつ平行移動可能に接続される。円柱形の第1及び第2のヒンジピン74、76が、間隔を空けて位置する第1及び第2のヒンジラグ86、88の第1及び第2ヒンジスロット82、84をそれぞれ貫いて延びる。第1及び第2のヒンジラグ86、88は、ファンハブフレーム129に固定されている。したがって、ヒンジ軸160は、VBV扉50の回転の中心となる平行移動可能な第1及び第2のヒンジピン74、76を通過する。第1及び第2のヒンジスロット82、84の典型的な実施形態は、第1及び第2のヒンジピン74、76を直線的にのみ平行移動させることができるように直線的である。
【0036】
後方外側リンク132が、後方外側ベルクランクアーム142を横バー154へと動作可能に連結し、したがって後方外側リンク132が外側ベルクランク144によって前方及び後方へと動かされるとき、第1及び第2の屈曲アームレバー145、146が、ファンハブフレーム129に対して固定されたそれぞれのレバー枢支点147を中心にして回転する。これが、第1及び第2ヒンジピン74、76を第1及び第2のそれぞれのヒンジスロット82、84において移動又は平行移動させ、したがってヒンジ軸160及びVBV扉50を平行移動させ、位置決めする。このようにして、VBV扉50は、VBV扉50の後方の端部54の近傍のヒンジ軸160を中心にして、回転によってつなぎダクト29へと出入りするように動作でき、ヒンジ軸160は、つなぎダクト29へと向かう平行移動及びつなぎダクト29から離れる平行移動を行うように動作可能である。可変抽気弁49の実施形態の典型的な実施形態は、つなぎダクト29へと向かう平行移動及びつなぎダクト29から離れる平行移動をつなぎダクト29に垂直又は法線に沿って行うように動作可能であるヒンジ軸160を備える。
【0037】
図4を参照すると、VBV扉50は、つなぎダクト29からおおむね径方向外側へと延びる後方抽気スロット170を開くために、外側ユニゾンリング104を作動させ、或いは移動させることによって、平行移動させられる。後方抽気スロット170は、VBV扉50の下流側又は後方の端部54に位置する後方リップ52と、つなぎダクト29との間に広がる。さらに、VBV扉50を、VBV扉50の上流側又は前方の端部53に位置する前方リップ51が抽気入口47にぴったりと係合したままであるように、回転させることもできる。すなわち、VBV扉50が、前方リップ51を中心にしてファンハブフレーム129の中へと回転させられる。後方抽気スロット170は、高圧圧縮機18に到達する前にブースタ及びつなぎダクト29から氷(高圧圧縮機18において失速状態を引き起こし、空気流を不安定な状態にし、燃焼器20内の火炎又は燃焼を消してしまう可能性がある)を抽出するために開かれる。
【0038】
図1及び図4Aを参照すると、後方抽気スロット170は、あまり高くなく、グースネック又はつなぎダクト29から氷を除去するように設計され、それをコア空気流15を取り除くことなく行うことができる。氷の除去を向上させるために、ブースタ外側流路220は、ブースタ16の最後の数段にわたってエンジン中心線12から測定される比較的大きい半径Rを有し、つなぎダクト29は、つなぎダクト29におけるコア空気流15の旋回の一部を実行する。この流れの旋回は、つなぎダクト29の外側円錐壁68が、エンジン中心線12に対して、ブースタ外側シュラウド222のブースタ円錐角A2よりも少なくとも約10度大きいつなぎダクト円錐角A1を有することによって達成される。ブースタ外側シュラウド222は、つなぎダクト29へと通じるブースタ出口228においてブースタ出口案内翼226(OGV)の外側端部224を囲んでいる。
【0039】
エンジンのより一般的な実施形態においては、可変抽気弁49を、本明細書においてブースタ16及び高圧圧縮機18によってそれぞれ代表される、隣り合う比較的低い圧力及び比較的高い圧力の圧縮機の間のつなぎダクト29に使用可能である。ブースタ外側シュラウド222、ブースタ出口案内翼226、及びつなぎダクト29に通じるブースタ出口228は、広くには、それぞれ低圧圧縮機外側シュラウド、出口案内翼、及び圧縮機出口を代表している。
【0040】
ブースタ16を出るコア空気流15は、ブースタ外側シュラウド222とおおむね同じであるブースタ出口228の外側流路に接する経路上を直線的に流れる。氷の脱落時に、氷の粒子は、この同じ経路又は軌跡を辿り、氷の大部分が流路の外側部分に位置する。従来において、ブースタ出口228の外側流路によって設定される流れの方向は、VBV扉50に平行である。つなぎダクト円錐角A1をブースタ円錐角A2よりも約10度以上大きくすることは、ブースタの吐出から抽出される空気流の量を最小限にすることによって、排気ガス温度(EGT)及び他のサイクルの影響を最小限に抑えつつ、高い速度の脱落した氷の抽出においてより助けとなる。
【0041】
ブースタ及びつなぎダクトにおけるコア空気流15は、壁に付着したままであり、円錐角の差ゆえに圧縮機へと旋回する。しかしながら、氷の粒子は、これを旋回させるには質量及び慣性が大きすぎるため、ブースタを出る直線的な軌跡を辿り続ける。したがって、氷の粒子は、流路が再び旋回してHPCへと向かうまで、つなぎダクトの外壁に衝突して、つなぎダクトの外壁に沿って滑る。後方スロットがVBV扉の後方の端部において開かれると、外側流路の氷は、VBV扉の底部に衝突して、ファンハブフレームの内部へとVBV扉の底部に沿って滑り、或いはブースタから後方スロットを通ってファンハブフレームの内部へと直線的な軌跡を辿り続ける。
【0042】
図5には、VBV扉50をつなぎダクト29の中へとおおむね径方向内側に回転させることによって開かれた前方抽気スロット180が示されている。前方抽気スロット180は、内側ユニゾンリング102を作動又は移動させることによってVBV扉50をヒンジ軸160を中心にして回転させることで開かれる。内側ユニゾンリング102は、内側ベルクランク114及び内側ベルクランク114の内側ベルクランクアーム122を回転させることで、VBV扉50の径方向外側の端部128に作動可能に連結された後方内側リンク112を移動させる。前方抽気スロット180は、VBV扉50の上流側又は前方の端部53に位置する前方リップ51と、つなぎダクト29との間に広がる。したがって、VBV扉50は、ファンハブフレーム129から離れるように、つなぎダクト29の中へと径方向に回転し、おおむね後方リップ52を中心にして回転する。地上及び飛行時のアイドリングなどの低いエンジン速度において、VBV扉50は、下記の図5に示されるようにつなぎダクト29内のコア空気流15へと回転させられ、これらの飛行状態においてコア空気流15から抽気19を抽気する。抽気された抽気19は、VBV扉50を横切り、抽気弁ダクト60及び抽気排出ダクト58を通過して、バイパスダクト36へと流れる。
【0043】
エンジンが低速から高速へと進むとき、VBV扉50は、後方抽気スロット170が開かれ、前方抽気スロット180が閉じられる図4に示されている氷抽出位置から、後方抽気スロット170が閉じられ、前方抽気スロット180が開かれる図5に示されているコア抽気位置へと移行する。エンジンが安定した出力状態に達した後で、VBV扉50は、図2に示される通りの完全に閉じられた位置に置かれる。エンジンが低速から高速へと進むとき、VBV扉50は、後方抽気スロット170が閉じられ、前方抽気スロット180が開かれる図5に示されているコア抽気位置から、後方抽気スロット170が開かれ、前方抽気スロット180が閉じられる図4に示されている氷抽出位置へと移行する。
【0044】
この移行の際に、全時間にわたってつなぎダクト29のコア空気流15から空気を抽気することが望ましい。したがって、VBV扉50は、氷抽出位置とコア抽気位置との間の移行の最中に図2に示される完全に閉じた位置へと進むことがない。移行時に、抽気19は、VBV扉50の上流側又は前方の端部53の前方リップ51に位置する前方抽気スロット180及びVBV扉50の下流側又は後方の端部54の後方リップ52に位置する後方抽気スロット170を介して、ファンハブフレーム129へと抽気される。この移行の際に、VBV扉50が軸160を中心にして回転させられると同時に、軸160が平行移動させられる。この移行の一例が、後方及び前方の両方の抽気スロット170、180が開位置にある図6に示されている。
【0045】
図7に、つなぎダクト29のコア空気流15から抽出された氷を溶かすための加熱システム200を備える可変抽気装置48の典型的な実施形態が示されている。加熱システム200は、ここではファンハブフレーム129の径方向内側かつ軸方向後方の部分208の氷収集室204内の加熱パイプ又は管206として示されているヒータ202を備える。室204から後方抽気スロット170への開口210が、後方抽気スロット170が開かれているときは塞がれておらず、VBV扉50の後方リップ52が、室204の室壁216に密着している。これにより、氷212をブースタ及びつなぎダクト29から室204へと抽出でき、つなぎダクト29から取り去られるコア空気流15は、存在するとしてもきわめてわずかである。室204内の氷212が溶かされ、室204の径方向内側の端部218を境界付けているつなぎダクト29の外側円錐壁68の水抜き孔214を通って流れ、つなぎダクト29のコア空気流15へと排出される。
【0046】
図8には、VBV扉50の後方の端部54の抽気弁ダクト60の出口232をハブフレーム129上のハブフレーム出口234へと接続する可撓なバッフル管又は蛇腹管230が示されている。抽気排出ダクト58は、ハブフレーム出口234からバイパスダクト36へと延びる。前方抽気スロット180がVBV扉50の回転によって開かれたときに、コア空気流15から抽出され、前方抽気スロット180を通って流れる抽気19は、バッフル管230によって抽気排出ダクト58へと完全かつ効率的に案内される。さらに、バッフル管230は、抽気19に含まれており、前方抽気スロット180を通ってコア空気流15から抽出された氷を分離する。
【0047】
図9には、抽気排出ダクト58のVBV排出ダクト延長部240が示されている。排出ダクト延長部240は、抽気排出ダクト58からハブフレーム129へと前方に延び、VBV扉50上の抽気弁ダクト60に密着する。排出ダクト延長部240上の可撓な排出ダクトシール242が、抽気弁ダクト60上の可撓な弁ダクトシール244に密着する。前方抽気スロット180がVBV扉50の回転によって開かれたときに、コア空気流15から抽出され、前方抽気スロット180を通って流れる抽気19は、排出ダクト延長部240によって完全かつ効率的にファンハブフレーム129とバイパスダクト36との間の抽気排出ダクト58へと案内される。さらに、排出ダクト延長部240は、抽気19に含まれており、前方抽気スロット180を通ってコア空気流15から抽出された氷を分離する。
【0048】
本発明を、例示の様相で説明した。使用されている用語が、限定よりもむしろ説明の単語という性質であることを、理解すべきである。本発明の好ましい典型的な実施形態と考えられるべき内容を、本明細書において説明したが、本発明の他の変更が、本明細書における教示から当業者にとって明らかであり、したがって本発明の技術的思想及び技術的範囲に包含されるそのような変更はすべて、添付の特許請求の範囲において保護されることが求められる。
【0049】
したがって、以下の特許請求の範囲において定義及び区別される通りの発明を、保護するように要求する。
【符号の説明】
【0050】
2 エンジン
10 航空機用ターボファン型ガスタービンエンジン
12 エンジン中心線
14 ファン
15 コア空気流
16 ブースタ
17 バイパス空気流
18 高圧圧縮機
19 抽気
20 燃焼器
22 高圧タービン
23 高圧駆動シャフト
24 低圧タービン
25 コアエンジン
26 低圧駆動シャフト
27 ファン空気、空気
28 燃焼ガス
29 つなぎダクト
30 ファンケーシング
32 前縁
33 ファンフレーム
34 フロースプリッタ
36 バイパスダクト
38 ブースタブレード、ベーン
39 ブースタ流路
40 ブースタダクト
42 ベーン
46 ブースタ抽気通路、点線
47 抽気入口
48 可変抽気装置
49 可変抽気弁
50 VBV扉、可変抽気弁扉、扉
51 前方リップ
52 後方リップ
53 端部
54 後方の端部
55 リンク機構
58 抽気排出ダクト
60 抽気弁ダクト
62 ダクト側壁
64 ダクト外側壁
66 リブ
68 外側円錐壁
70、72 扉ヒンジ
74、76 ヒンジピン
82、84 ヒンジスロット
86、88 ヒンジラグ
90、92 クレビス
93 内側端部、端部
94、96 扉リンク
98 クレビスラグ
99 端部
100 ヒンジ穴
102 内側ユニゾンリング
104 外側ユニゾンリング
110 前方内側リンク
112 後方内側リンク
114 内側ベルクランク
116 外側ベルクランク軸
118 外側ベルクランク軸
120 前方内側ベルクランクアーム
122 後方内側ベルクランクアーム、内側ベルクランクアーム
123 外側フレームケーシング
124 外側クレビス
126 外側ボールジョイント
128 端部
129 ファンハブフレーム、ハブフレーム
130 前方外側リンク
132 後方外側リンク
134 ダクト支柱
136 端部
140 前方外側ベルクランクアーム
142 後方外側ベルクランクアーム
144 外側ベルクランク
145、146 屈曲アームレバー
147 レバー枢支点
148 ハブラグ
150 屈曲アーム
152 外側屈曲アーム
154 横バー
156 アーム穴
160 ヒンジ軸
170 後方抽気スロット
180 前方抽気スロット
200 加熱システム
202 ヒータ
204 氷収集室
206 管
208 部分
210 開口
212 氷
214 水抜き孔
216 室壁
218 端部
220 ブースタ外側流路
222 ブースタ外側シュラウド
224 外側端部
226 ブースタ出口案内翼
228 ブースタ出口
230 蛇腹管、バッフル管
232 出口
234 ハブフレーム出口
240 排出ダクト延長部
242 排出ダクトシール
244 弁ダクトシール
A1 つなぎダクト円錐角
A2 ブースタ円錐角
R 半径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】