特表2015-537150(P2015-537150A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-537150(P2015-537150A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】曲線輪郭のステータシュラウド
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/56 20060101AFI20151201BHJP
   F01D 9/04 20060101ALI20151201BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20151201BHJP
   F02C 7/042 20060101ALI20151201BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20151201BHJP
   F01D 17/16 20060101ALI20151201BHJP
   F04D 19/02 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   F04D29/56 C
   F01D9/04
   F02C7/00 F
   F02C7/042
   F01D9/02 101
   F01D17/16 D
   F01D17/16 A
   F01D17/16 F
   F04D19/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-542683(P2015-542683)
(86)(22)【出願日】2013年11月5日
(85)【翻訳文提出日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】US2013068421
(87)【国際公開番号】WO2014078121
(87)【国際公開日】20140522
(31)【優先権主張番号】13/679,093
(32)【優先日】2012年11月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】キャポッジ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,デイヴィッド・ヴィッカリー
(72)【発明者】
【氏名】カーネス,ジェフリー・ダニエル
【テーマコード(参考)】
3G071
3G202
3H130
【Fターム(参考)】
3G071AB01
3G071AB04
3G071AB05
3G071BA25
3G071DA16
3G202KK11
3G202KK41
3H130AA13
3H130AB07
3H130AB27
3H130AB52
3H130AB62
3H130AB65
3H130AB69
3H130AC17
3H130BA07B
3H130BA66B
3H130CA08
3H130DD09Z
3H130EB00B
(57)【要約】
ガスタービンエンジン(10)における曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体(30)は、入口端部(12)、出口端部、及び複数のプロパルサー構成要素(13)を有する。ステータシュラウドベーン組立体(30)は、略円形断面を有するステータシュラウド(32)をさらに備え、このシュラウドが、前端(34)と、後端(36)と、前記前端及び後端の間に延びる少なくとも1つの面とを有する。シュラウドは、ベーン(40)のトラニオン(44)を支持するため該シュラウドの周りに円周方向に配置された複数の枢動部(38)を有し、可変高さからなる前記少なくとも1つの面が前記複数の枢動部に隣接して円周方向に延びている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口端部(12)、出口端部、及び複数のプロパルサー構成要素(13)を有するガスタービンエンジン(10)における曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体(30)であって、略円形断面を有するステータシュラウド(32)を備え、前記シュラウドが、前端(34)と、後端(36)と、前記前端及び後端の間に延びる少なくとも1つの面とを有し、前記シュラウドが、ベーン(40)のトラニオン(44)を支持するため該シュラウドの周りに円周方向に配置された複数の枢動部(38)を有し、可変高さからなる前記少なくとも1つの面が前記複数の枢動部に隣接して円周方向に延びている、曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体(30)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの面の可変高さの面が、前記ベーンの縁部に隣接して配置される、請求項1に記載の曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体(30)。
【請求項3】
前記可変高さの面が、前記ベーンの縁部の回転によって定められる湾曲に近づくよう湾曲される、請求項2に記載の曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体(30)。
【請求項4】
前記ベーンが枢動するときに、前記ベーンの張り出し面及び前記可変高さの面によって漏洩が抑制される、請求項3に記載の曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体(30)。
【請求項5】
前記複数の枢動部が各々、複数のベーン(40)の底部を受ける、請求項1に記載の曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体(30)。
【請求項6】
前記可変高さの面の湾曲の軸線が、エンジン軸線に略平行である、請求項1に記載の曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体(30)。
【請求項7】
曲線輪郭のステータシュラウド(32)であって、
前端(34)、後端(36)、並びに前記前端及び後端の間に延びて前記前端から前記後端までテーパが付けられた少なくとも1つの面と、
前記少なくとも1つの面の周りに配置され、山部と谷部を各々が有する可変高さの複数領域と、
前記少なくとも1つの面の前端の周りに離間して配置された複数の枢動アパーチャと、
を備える、曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項8】
前記可変高さの複数の領域が、第1の高さから第2の高さまで円周方向で湾曲している、請求項7に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項9】
前記複数の可変高さが、第1の高さから第2の高さまで円周方向で線形である、請求項7に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項10】
前記シュラウドが、軸方向で高さが変化する、請求項7に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項11】
前記変化する高さが湾曲している、請求項10に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項12】
前記変化する高さが線形である、請求項10に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項13】
最下縁部を有するベーン(40)を更に備える、請求項7に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項14】
前記最下縁部が、前記ベーンの枢動移動中に前記可変高さの複数の領域と係合する、請求項13に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項15】
前記可変高さの複数の領域が更に、ベーンの下側縁部の回転によって定められる湾曲に近づくように湾曲される、請求項7に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項16】
曲線輪郭のステータシュラウド(32)であって、
前端(34)、後端(36)、並びに前記前端及び後端の間に延びた少なくとも1つの面と、
前記前端及び後端の間に円周方向に配置される複数のベーン装着部位と、
を備え、前記少なくとも1つの面が、円周方向に延びる貝殻様翼弦張り出し領域を有する、曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項17】
前記貝殻様翼弦張り出し領域が、前記ステータシュラウドの下側高さから上側高さまで湾曲している、請求項16に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項18】
前記複数のベーン装着部に動作可能に接続された複数のベーン(40)を更に備える、請求項16に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項19】
前記複数のベーン(40)が各々、前縁と後縁との間に延びる縁部を有する、請求項18に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【請求項20】
前記縁部が、前記ベーンの枢動移動中に前記貝殻様翼弦張り出し領域に係合する、請求項1に記載の曲線輪郭のステータシュラウド(32)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ガスタービンエンジンに関する。より詳細には、本発明の実施形態は、ガスタービンエンジン内で枢動ベーンと共に利用されるシュラウドに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンにおいて、典型的なガスタービンエンジンは一般に、前端と後端とを有し、これらの間に直列に複数の構成要素が続く。空気入口又は吸気口は、エンジンの前端に位置する。吸気口の後に、後端に向かって順番に、圧縮機、燃焼室、タービン、及びエンジン後端のノズルが続く。また、例えば、低圧及び高圧圧縮機、高圧及び低圧タービン、並びに外部シャフトなど、追加の構成要素をエンジンに含めることができる点は、当業者であれば理解されるであろう。しかしながら、これは網羅的な記載ではない。エンジンはまた、典型的には、エンジンの中心長手方向軸線を通って軸方向に配置された内部シャフトを有する。内部シャフトは、タービン及び空気圧縮機の両方に接続され、タービンが空気圧縮機に回転入力を提供して圧縮機ブレードを駆動するようにする。
【0003】
作動時には、空気は、圧縮機において加圧され、燃焼器内で燃料と混合されて高温燃焼ガスを発生し、燃焼ガスはタービン段を通って下流側に流れる。これらのタービン段は、燃焼ガスからエネルギーを取り出す。最初に、高圧タービンが燃焼器から高温燃焼ガスを受け取り、該高圧タービンは、支持ロータディスクから半径方向外向きに延びる高圧タービンロータブレードの列を通って燃焼ガスを下流側に配向するステータノズル組立体を含む。2段タービンにおいて、第2段タービンステータノズル組立体は、第1段ブレードの下流側に位置付けられ、その後に第2の支持ロータディスクから半径方向外向きに延びる第2段ロータブレードの列が続く。タービンは、燃焼ガスエネルギーを機械エネルギーに変換する。
【0004】
ベーン又は翼形部は通常、ベーン又は翼形部は通常、基本的動作位置すなわち最適な動作位置で設計される。しかしながら、タービンエンジンの所望の動作条件に応じて、ベーンは、別の位置に作動される場合がある。現行のステータシュラウド設計は、ベーンを作動させるのに円形断面を利用している。ベーンが開放設計位置から設計外の閉鎖位置に移動すると、シュラウドの湾曲、流路幾何形状、及びベーンの下側縁部形状(これら全てが圧縮機動作要件に適合しなければならない)に起因してベーンとシュラウドとの間のクリアランスが増大する。
【0005】
このクリアランスが増大すると、流れの乱れがベーン形状の機能及び構造の本体の目的に影響を及ぼす可能性がある。例えば、ベーンの設計外の閉鎖角度位置におけるベーンとシュラウドとの間のクリアランスが低減されるように、これら及び他の欠陥を克服することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0006】
少なくとも一部の実施形態によれば、入口端部、出口端部、及び複数のプロパルサー構成要素を有するガスタービンエンジンにおける曲線輪郭のステータシュラウドベーン組立体は、略円形断面を有するステータシュラウドを備え、シュラウドが、前端と、後端と、前端及び後端の間に延びる少なくとも1つの面とを有し、該シュラウドが、ベーンのトラニオンを支持するため該シュラウドの周りに円周方向に配置された複数の枢動部を有し、可変高さからなる少なくとも1つの面が複数の枢動部に隣接して円周方向に延びている。
【0007】
少なくとも一部の実施形態によれば、曲線輪郭のステータシュラウドは、前端、後端、並びに前端及び後端の間に延びて前端から後端までテーパが付けられた少なくとも1つの面と、少なくとも1つの面の周りに配置され、山部と谷部を各々が有する可変高さの複数領域と、少なくとも1つの面の前端の周りに離間して配置された複数の枢動アパーチャと、を備える。
【0008】
更に別の実施形態によれば、曲線輪郭のステータシュラウドは、前端、後端、並びに前端及び後端の間に延びた少なくとも1つの面と、前端及び後端の間に円周方向に配置される複数のベーン装着部位と、を備え、少なくとも1つの面が、円周方向に延びる貝殻様翼弦張り出し領域を有する。
【0009】
以下の図において本発明の実施形態が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ガスタービンエンジンの側断面図。
図2】ステータシュラウドベーン組立体の分解斜視図。
図3】ステータシュラウドベーン組立体の斜視図。
図4】例示的なステータシュラウドベーン組立体の側断面図。
図5】ステータシュラウドベーン組立体の詳細な斜視図。
図6】第1の位置にあるステータシュラウドベーン組立体の後面図。
図7】第2の位置にあるステータシュラウドベーン組立体の後面図。
図8】第3の位置にあるステータシュラウドベーン組立体の後面図。
図9】シュラウドとベーンとの間のクリアランスに関連付けられたベーン位置のグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、その1つ又はそれ以上の実施例が図面に示されている提示された実施形態について詳細に説明する。各実施例は、例証として提供され、本開示の実施形態を限定するものではない。実際に、本発明の範囲又は技術的思想から逸脱することなく、種々の修正形態及び変形形態を本発明において実施できることは、当業者であれば理解されるであろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示され又は説明される特徴は、別の実施形態と共に使用して更に別の実施形態を得ることができる。従って、本発明は、そのような修正及び変形を特許請求の範囲及びその均等物の技術的範囲内に属するものとして保護することを意図している。
【0012】
枢動ベーンと共に用いることができる曲線輪郭のステータシュラウドの種々の実施形態である、図1〜9を参照する。ステータシュラウドは、エンジン作動中にその上でベーンが枢動するステータシュラウド張り出し面を含む。ステータシュラウド張り出し面は、ベーンがシュラウドの外面を枢動するときに通常は発生することになるベーン及びシュラウド間の漏洩を排除するために、変化する高さを有する。これにより、ベーン又は翼形部に沿った何らかの流れの乱れ又は流れ外乱が低減される。
【0013】
本明細書で使用される用語「軸方向」又は「軸方向に」は、エンジンの長手方向軸線に沿った寸法を指す。「軸方向」又は「軸方向に」と共に使用される用語「前方」は、エンジン入口に向かう方向の移動を指し、又は構成要素が別の構成要素と比べてエンジン入口に相対的に近接していることを意味する。「軸方向」又は「軸方向に」と共に使用される用語「後方」は、エンジンノズルに向かう方向の移動を指し、又は構成要素が別の構成要素と比べてエンジンノズルに相対的に近接していることを意味する。
【0014】
本明細書で使用される用語「半径方向」又は「半径方向に」とは、エンジンの中心長手方向軸線とエンジン外周との間に延びる寸法を指す。単独で又は用語「半径方向」もしくは「半径方向に」と併せて使用される用語「近位」又は「近位方向」は、中心長手方向軸線に向かう方向に移動していること、又はある構成要素が別の構成要素と比較して中心長手方向軸線に相対的に近接していることを意味する。単独で又は用語「半径方向に」もしくは「半径方向に」と併せて使用される「遠位」又は「遠位方向に」とは、エンジン外周に向かう方向に移動していること、又はある構成要素が別の構成要素と比較してエンジン外周に近接していることを意味する。
【0015】
本明細書で使用される用語「横方向」又は「横方向に」とは、軸方向及び半径方向寸法の両方に垂直な寸法を意味する。
【0016】
最初に図1を参照すると、エンジン入口端部12を有するガスタービンエンジン10の概略側断面図が示され、ここで、圧縮機14、燃焼器16、及び多段高圧タービン20によって全体的に定義されるプロパルサー13に空気が流入する。全体として、プロパルサー13は、作動中に推力又は出力を提供する。ガスタービン10は、航空機、発電、産業、船舶、又は同様のものに用いることができる。用途に応じて、エンジン入口端部12は、代替として、ファンではなく多段圧縮機を含むことができる。ガスタービン10は、エンジン軸線26又はシャフト24の周りに軸対称であり、種々のエンジン構成要素がその周りを回転するようになる。作動時には、空気がエンジン10の空気入口12を通って流入し、少なくとも1つの圧縮段を移動し、ここで空気圧が増大して燃焼器16に送られる。加圧空気が燃料と混合され燃焼して、高温燃焼ガスをもたらし、燃焼器16から高圧タービン20に向けて流出する。高圧タービン20において、高温燃焼ガスからエネルギーが取り出されてタービンブレードの回転を生じさせ、その結果、シャフト24の回転が生じる。シャフト24は、エンジンの前方に向けて通過し、タービン設計に応じて、1又はそれ以上の圧縮機段14、ターボファン18又は入口ファンブレードの回転を継続させる。
【0017】
軸対称のシャフト24は、タービンエンジン10を貫通して前端12から後端まで延びる。シャフト24は、長さに沿ってジャーナル接続される。シャフト24は、シャフト24の回転とは独立して内部での低圧タービンシャフト28の回転を可能にするよう中空とすることができる。シャフト24、28の両方は、エンジンの中心軸線26の周りを回転することができる。動作中、シャフト24、28は、該シャフトに接続されたタービン20及び圧縮機14のロータ組立体のような他の構造体と共に回転し、例えば、発電、産業又は航空機などの使用領域に応じて出力又は推力を生成するようにする。
【0018】
図1を更に参照すると、入口12は、複数のブレードを有するターボファン18を含む。ターボファン18は、シャフト28により低圧タービン19に接続され、ターボファンエンジン10に対する推力を生成する。低圧空気は、エンジンの構成要素の冷却を支援するのにも用いることができる。
【0019】
ここで図2を参照すると、ステータシュラウドベーン組立体30の拡大斜視図が示される。複数のベーン40がシュラウド32の周りに離間して配置され、その大部分は図示されていない。3つのベーン40がシュラウドの外面から分解された状態で図示されている。但し、分かり易くする目的で、複数のベーン40がシュラウド32の周りに配置されている点を理解されたい。例示的な実施形態のシュラウド32は、円形断面で且つ前端34及び後端36を有する円錐形状である。シュラウドの中空の中心部分内で、ガスタービンエンジン10のプロパルサー構成要素13が通過することができる。例示的なシュラウド32は、エンジンの圧縮機14領域内に配置される。例えば、多段圧縮機は通常、ロータ上に装着された複数列の回転ブレードと、ステータケーシングとシュラウド32との間に装着される複数列のステータベーン40とを含む。シュラウドは、エンジン10のシャフト24(図1)に対して軸対称である。
【0020】
前端34付近には、複数の枢動部38があり、これらは、例示的な実施形態では複数の円形ポケットとして表されており、ここにベーン40がシュラウド32に対して回転するよう嵌装される。シュラウド32はまた、前端34付近の小直径から後端36付近の大直径までテーパが付けられる。本開示を更に読むことによってより理解されるように、ベーン40が枢動部38内に嵌装されたときに、ベーン40の下側縁部とシュラウド32の外面との間にクリアランスが生成される。通常のシュラウドでは、円形断面は、ベーンが設計外位置まで回転したときにベーンとシュラウドとの間のクリアランスの増大をもたらすことになる。しかしながら、本発明の実施形態は、波形の又は可変の表面高さを提供し、ベーン40の設計外位置においてクリアランスを低減する。
【0021】
ベーン40は、外側スピンドル44と内側スピンドル45とを含む。スピンドル44、45は、垂直線に沿って又は垂直に対してある角度で形成することができる。例えば、図示のスピンドルは、垂直線から10〜15度の角度にある。内側スピンドル45には、スピンドル45と共に枢動部38内に嵌装されるボタン42がある。上側ボタン56はまた、エンジンのケーシング内の回転を制御し、該ボタンを外側スピンドルが貫通している。
【0022】
ここで図3を参照すると、ステータシュラウドベーン組立体30の斜視図が描かれる。上述のように、本発明のシュラウド組立体30は、タービンエンジンの圧縮機14内に配置される。しかしながら、曲線輪郭のステータシュラウド32において具現化される原理は、シュラウド並びにベーン又は翼形部(例えば、タービンのステータベーンなど)が利用されるエンジンの代替の位置においても利用することができる。図示のステータシュラウド32は、ベーン40の内径に位置する。エンジンケーシング(図示せず)を用いて、ベーン40用の外径枢動位置を提供することができる。ステータシュラウドベーン組立体30は、前端34及び後端36を有するシュラウド32を利用する。シュラウド32は、図示の図面に部分的に示されるように略円形断面である。前端34での直径は、後端36での直径よりも大きくすることができる。前端は、ベーン40を位置付けることができる複数の枢動部38を含む。枢動部38は、ボタン又はガイド部42を利用してベーン又は翼形部40が枢動可能に位置付けられる凹状領域である。ベーン40の半径方向外向き位置には、ベーン40の第2の端部を装着してガイド付き枢動又は回転を提供するのに利用できるスピンドル44がある。スピンドル44は、エンジンケーシング内のアパーチャを貫通して該スピンドルを安定化し、枢動運動を可能にすることができる。レバーアーム(図示せず)は、異なる位置を提供する所望の角度変位によって回転を誘導し、複数の作動条件でのエンジンの効率及び性能を改善する。複数のベーン40は、シュラウドの前端34付近でシュラウド32の周囲の周りに延びるが、分かり易くするために一部は図示していない。
【0023】
少なくとも1つのシュラウド面46、例えば、ステータ翼弦張り出し面46が枢動部38から後方に延びる。ステータ翼弦張り出し面46は、枢動部38付近の小直径から後端36付近の大直径までテーパが付けられる。この軸方向のテーパ又は高さの変化は、湾曲又は直線状とすることができる。
【0024】
このテーパに加えて、ステータ翼弦張り出し面46は、円周方向で高度が変化するように曲線輪郭が付けられる。破線48が円周方向に延びて図示されるように、破線48の湾曲は、円周方向の下側高さと上側高さとの間で変化するステータ翼弦張り出し面46の曲線輪郭を描いている。従って、破線は、円形面を有するのではなく、波形又は正弦波状の面46に沿った曲線輪郭を描いている。本開示の1つの実施形態によれば、ステータ翼弦張り出し面46は、ベーン40の移動中にベーン40とシュラウド32との間のクリアランスを低減するような波形の曲線輪郭48を有する。代替の実施形態によれば、円周方向の高さの変動は線形とすることができる。何れの実施形態においても、面48は、複数の山部と谷部とを含む。山部及び谷部の軸線は、エンジン26(図1)の軸線に略平行であるか又はエンジン軸線26に対してある角度が付けられ、該エンジン軸線26は、前端から後端までシュラウドのテーパが付けられている。本明細書で更に説明されるように、曲線輪郭48は、ベーン40とシュラウド32との間のクリアランスによって生成される流動場の乱れを有意に低減する。これらのクリアランスは、通常は、ベーンが開放角度位置と閉鎖角度位置との間で移動するときに、ベーン翼形部の形状、機能及び構造の本来の目的に悪影響を及ぼすことになる。
【0025】
例示的なベーン又は翼形部40は、前縁50と、後縁52と、これらの間に延びる対向面とを含む。対向面は、負圧側面と正圧側面とを定め、これらは当業者には理解されるであろう。ベーン40の半径方向外向き端部には、外側拡大部又はボタン56がある。スピンドル又はトラニオン44は、レバーアーム又は他の特徴要素に接続され、ベーン40を所望の位置まで作動させることができる。ベーン40の回転は、ベーン又は翼形部に対する1つよりも多い最適条件を提供し、ガスタービンエンジン10の異なる作動条件において効率及び性能を改善することができる。
【0026】
ベーン40の下側端部付近では、フィレット54が、半径方向内側端部にてベーン40をボタン42に接続している。ベーン40の下側縁部58すなわちベーン張り出し部は湾曲しており、ベーン40の移動中、下側縁部58は、完全に円形断面で線70で表される代表的シュラウド面(図6)から離れて移動する。これにより、ベーン下側縁部58及び翼弦張り出し面46の末広の幾何形状に起因してこれらの間にクリアランスが生成される。システムに対して従来技術で生じるクリアランスの増大は、性能の低下、空気流の転回、及びこの領域における望ましくない損失の増加をもたらし、エンジン性能の改善を妨げることになる。波形又は湾曲した破線48で表される曲線輪郭は、シュラウド32とベーン40との間のクリアランスを減少させ、空気転回性能を改善し、この領域における損失を低減する。
【0027】
ここで図4を参照すると、図3の組立体30の側断面図が描かれている。シュラウド32は、枢動部38内で嵌装されるボタン42が描かれるよう、前端34と後端36の間の垂直方向断面で示されている。ベーン40は更に、該ベーン40がシュラウド32に枢動可能に固定されるように枢動部内に下向きに延びた下側スピンドル又はトラニオン45を含み、上向きスピンドル44は、エンジンケーシングを貫通して枢動可能に保持される。また、図に示されているように、ステータ翼弦張り出し面46は、前端34と後端36の間、より具体的には枢動部38の後方で軸方向に湾曲している。代替の実施形態によれば、面46は、前端34と後端36の間の軸方向で直線的にテーパが付けられている。
【0028】
ここで図5を参照すると、シュラウド32及びベーン40の詳細な斜視図が描かれている。この詳細図は、枢動部38を空の状態とベーン40で埋められた状態の両方を示している。ボタン42は、略円形形状の枢動部38内に嵌装され、ベーン40は、フィレット54によりボタン42に接続される。ベーンの下側縁部58とステータ翼弦張り出し面46との間にクリアランス60が示される。クリアランスは、前端34と後端36との間の軸方向の湾曲に起因して従来技術のステータに比べて縮小されている。同様に、クリアランスは、張り出し面46の円周方向に沿った曲線輪郭48に起因して、枢動部38内でのベーン40の弓状移動によって減少している。
【0029】
図5において、曲線輪郭48は、ステータシュラウド32の曲線輪郭を表す破線48が湾曲しているために、より明確に示される。ステータ32の別の湾曲を描いた複数の軸方向に延びる曲線輪郭線49もまた、ステータ翼弦張り出し面46上に示されている。ベーン40の下側縁部58と組み合わせると、ベーン40とステータ32との間のクリアランスが減少し、これにより、枢動ベーン40の複数の位置によってエンジン性能が改善される。エンジン10の作動と関連して、エンジン速度がゼロ又はほぼゼロであるときにベーン40が閉鎖される。この閉鎖位置において、ベーン40は、曲線輪郭面48の最上の高さ付近にある。或いは、エンジン速度が増大し、最大値に近づくと、ベーン40は、曲線輪郭面48の最下の高さに近づく。
【0030】
ここで図6〜8を参照すると、シュラウド32の前方を見た後面図が示され、ベーン40は、複数位置での移動が示されている。ステータ翼弦張り出し面46の曲線輪郭は、この図を参照して最も良好に説明される。波形又は正弦波状の面48は、第1の高さと第2の高さの間で変化する複数の貝殻様隆起部により形成される。用語「正弦波状」が使用されるが、数学的に正確な正弦曲線に限定されるものではない。この用語は、高さの反復変化を示すのに一般的な意味で使用される。破線70は、従来技術のシュラウドの基準円形形状を表すよう図示されている。線70はまた、ステータ翼弦張り出し面46のベース又は第1の高さを表すことができる。或いは、本発明の実施形態の線70は、面46が図示のように軸方向の高さも変化するので、ステータ翼弦張り出し面の谷部又は下側高さの上方又は下方にあってもよい。曲線輪郭48の高さの変化は、曲線輪郭の第1の高さ70と第2の上側高さ72との間の差違を関連付けることにより示される。従って、張り出し面46は、第1の高さと第2の高さとの間で変化し、このような高さの変化により、図6〜8に示された位置にわたってベーン40との間のクリアランスが低減される。更に、ベーン40との間のステータシュラウド32にわたる空気流の方向を示し且つエンジン軸線26(図1)に平行な軸方向にある軸方向流れ線70が図示されている。
【0031】
ベーン40は、例えば、マイナス3度〜約25度まで回転することができる。従って、例示的なベーン40は、2つの回転方向の両方で中心位置から約14度移動することができる。しかしながら、これは例証に過ぎず、ベーン移動に合わせて別の角度範囲を設計することができる。
【0032】
ここで図7を参照すると、中心位置にあるベーンが示され、ベーンの下側縁部58がより明確に図示されている。ベーン40は、上述の例示的な範囲に従って、11度の位置にある。これは、一般に中心位置である。図7にはクリアランスの矢印のペアが示されている。クリアランス60は、ベーン40の下側縁部58と協働して曲線輪郭48により設けられるクリアランスを示している。他方、下側縁部58と線70として上述した従来技術のシュラウド基準との間のより大きなクリアランスを示したクリアランスPが図示されている。この実施形態から、曲線輪郭48が差違の低減をもたらすことが当業者には明確に理解できる。
【0033】
ここで図8を参照すると、例えば、25度の位置にあるベーン40の第2の極度位置が図示されている。この場合も同様に、クリアランス60は、円形シュラウド基準70と関連する従来技術のクリアランスPよりも遙かに小さい。
【0034】
ベーンは、エンジンの設計特性に応じて様々な形状及び形態をとることができる点は、当業者には理解されるはずである。従って、曲線輪郭の形状は、予め選択された弓状の動きによるベーンの下側縁部の形状に一致するよう形成することができる。シュラウド面、スピンドル角、ベーン翼弦張り出しの量、及び移動量は全て、可変ベーンシステムを最適化するときに考慮される損失の低減及び性能改善に合わせて低減されたクリアランスで設計/最適化される。
【0035】
ここで図9を参照すると、度単位で測定したベーン角度と、ベーン下側縁部58とシュラウド翼弦張り出し面46との間のクリアランスとの関係を描いたグラフが示される。ダイアモンド形のデータ点を有する線80で示されるように、マイナス10度〜25度の角度でクリアランスがほぼ一定で増大している。この従来技術の実施形態のステータシュラウド32は、円形形状であり、本発明の実施形態の曲線輪郭形状は存在しない。これとは逆に、方形データ点で表される線82は、マイナス3度の予め定義された範囲から始まり、25度の位置まで進む。線82により表されるクリアランスは、約0度から約12度までほぼ一定であり、その後、25度位置まで増大する。従って、線80、82に沿ったデータ点を比較することによって、従来技術と比べて曲線輪郭のステータシュラウドにおけるクリアランスが遙かに小さいことが当業者には理解されるであろう。
【0036】
構造及び方法に関する上述の記載は、説明の目的で提示されている。この説明は、本発明を網羅すること、又は本発明を開示された厳密なステップ及び/又は形態に限定することを意図したものではなく、上述の教示に照らして多くの修正形態及び変形形態が実施可能であることは明らかである。本明細書で記載される特徴要素は、どのようにも組み合わせることができる。本明細書で記載される方法のステップは、物理的に実施可能なあらゆる順序で実施することができる。曲線輪郭のステータシュラウドの特定の形態を例示し説明してきたが、本発明はこれは限定されるものではなく、添付の請求項によってのみ限定されることは理解される。
【符号の説明】
【0037】
10 ガスタービンエンジン
12 エンジン入口端部
13 プロパルサー
14 圧縮機
16 燃焼器
18 ターボファン
19 低圧タービン
20 多段高圧タービン
24 シャフト
26 エンジン軸線
28 低圧タービンシャフト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】