特表2015-537184(P2015-537184A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-537184(P2015-537184A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】燃料ノズルの後方熱シールド
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20151201BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   F23R3/28 B
   F02C7/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-542835(P2015-542835)
(86)(22)【出願日】2013年11月15日
(85)【翻訳文提出日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】US2013070364
(87)【国際公開番号】WO2014078694
(87)【国際公開日】20140522
(31)【優先権主張番号】61/726,927
(32)【優先日】2012年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ムーク,ジョシュア,タイラー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン,マイケル,アントニー
(72)【発明者】
【氏名】バーンハート,デービッド,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,ショーン,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス,ラモン
(72)【発明者】
【氏名】パーテル,ニーラブ,アトゥール
(72)【発明者】
【氏名】ショー,マーク,リチャード
(57)【要約】
燃料ノズル先端用の後方熱シールドは、環状シールド壁と、シールド壁の後端から半径方向外向きに延びる環状シールドフランジと、円錐セクションを囲み、シールドフランジとの間に軸方向ギャップが定められるように配置された環状バッフルフランジと、を備え、バッフルフランジが、ここから軸方向前方に延びる半径方向外側リムを含み、後方熱シールドが更に、バッフルフランジを貫通し、シールド壁に向けて空気流を送るように配向された複数のインピンジメント冷却孔を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ノズル先端用の後方熱シールド装置であって、
カウンタボアが形成された前方円筒形セクションと、後方円錐セクションとを有する環状シールド壁と、
前記後方円錐セクションの後端から半径方向外向きに延びる環状シールドフランジと、
前記円錐セクションを囲み、前記シールドフランジとの間に軸方向ギャップが定められるように配置された環状バッフルフランジと、
を備え、前記バッフルフランジが、ここから軸方向前方に延びる半径方向外側リムを含み、前記装置が更に、
前記バッフルフランジを貫通し、前記シールドフランジに向けて空気流を送るように配向された複数のインピンジメント冷却孔を備える、装置。
【請求項2】
前記カウンタボアの半径方向内側面が、凸状湾曲ランドを定める、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シールドフランジが、環状外面によって境界付けられた対向する離間した前方及び後方面を含み、前記前面と前記外面との交点に凸状アール部が形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記半径方向外側リムと前記バッフルフランジとの間の連結点に冷却孔の列が配置され、前記冷却孔が、前記シールドフランジの半径方向外側縁部に向かって冷却空気を送るように配向される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記バッフルフランジにおける前記冷却孔の少なくとも1つの列が、前記シールドフランジの前面に垂直に冷却空気を送るように配向される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記内側シールドが外側バッフル内に配置され、
前記内側シールドが、前記シールド壁及び前記シールドフランジを定め、
前記外側バッフルが、前記内側シールドの後方円錐セクションを囲む円錐バッフル壁を含み、前記バッフルフランジが、前記バッフル壁の後端から延びる、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記内側シールド及び前記外側バッフルは、互いに金属接合された2つの別個の構成要素である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記内側シールドが、前記外側バッフルと接触し且つスロットの半径方向アレイが形成された隆起アイランドを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記外側バッフルが、前記内側シールドに接触する肥厚前端を含み、前記隆起アイランド及び前記肥厚前端が協働して前記内側シールドと前記外側バッフルとの間に冷却空気プレナムを定め、前記冷却空気プレナムが、前記隆起アイランドのスロットを通って前記シールドフランジと前記バッフルフランジとの間の前記軸方向ギャップと連通している、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記外側バッフルの円錐バッフル壁が、前記冷却空気プレナムと連通した複数の冷却空気ポートを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
複数のストップが、前記内側シールドから半径方向外向きに延びて前記外側バッフルの肥厚前端と係合し、前記外側バッフルを前記内側シールドに対して軸方向に位置決めするようにする、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記内側シールド及び前記外側バッフルが協働してこれらの間に冷却空気プレナムを定め、前記冷却空気プレナムが、前記シールドフランジと前記バッフルフランジとの間で前記軸方向ギャップと流体連通している、請求項6に記載の装置。
【請求項13】
前記外側バッフルの円錐バッフル壁が、前記冷却空気プレナムと連通した複数の冷却空気ポートを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記冷却空気プレナム内に配置されたアイランドが、前記内側シールドと前記外側バッフルを相互接続する、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
冷却スロットの環状アレイが前記アイランドを通って延びる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記バッフルフランジ、前記後方円錐セクション及び前記シールドフランジの連結点に凹状内側アール部が定められる、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記バッフルフランジの冷却孔の少なくとも1つの列が、冷却空気を前記凹状内側アール部に向けて送るように配向される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
ガスタービンエンジン用の燃料ノズル装置であって、
円錐壁セクションを含む環状パイロットハウジングと、
前記パイロットハウジングを囲む環状メイン燃料噴射装置と、
環状燃料ノズルケーシングと、
熱シールドと、
を備え、
前記熱シールドが、
環状シールド壁と、
前記シールド壁の後端から半径方向外向きに延びる環状シールドフランジと、
前記シールド壁を囲み、前記シールドフランジとの間に軸方向ギャップが定められるように配置された環状バッフルフランジと、
を含み、前記バッフルフランジが、ここから軸方向前方に延びる半径方向外側リムを含み、
前記熱シールドが更に、
前記バッフルフランジを貫通し、前記シールドフランジに向けて空気流を送るように配向された複数のインピンジメント冷却孔を含む、装置。
【請求項19】
前記環状シールド壁が、前方円筒形セクションと、後方円錐セクションとを含み、前記パイロットハウジングの円錐壁セクションが、滑り嵌合によって前記熱シールドの前方円筒形セクションに形成されたカウンタボアに取り付けられ、前記環状燃料ノズルケーシングの後端が、金属接合によって前記バッフルフランジの半径方向外側リムに接合される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
パイロット燃料噴射装置を更に備える、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
現場使用後に請求項19に記載の装置を補修する方法であって、
前記パイロットハウジング及び前記燃料ノズルケーシングから前記熱シールドを分離するステップと、
滑り嵌合によって、交換の熱シールドの円筒形セクション内に形成されたカウンタボアに前記パイロットハウジングの円錐壁セクションを組み付けるステップと、
前記交換の熱シールドのバッフルフランジの半径方向外側リムに前記環状燃料ノズルケーシングの後端を金属接合するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
現場使用後に請求項18に記載の装置を補修する方法であって、
前記パイロットハウジング及び前記燃料ノズルケーシングから前記熱シールドを分離するステップと、
前記パイロットハウジング及び前記燃料ノズルケーシングに交換の熱シールドを金属接合するステップと、
を含む、方法。
【請求項23】
現場使用後に請求項18に記載の装置を補修する方法であって、
前記パイロットハウジング及び前記燃料ノズルケーシングから前記熱シールドを分離するステップと、
円筒形外側面を含むように前記パイロットハウジングの円錐壁セクションの後端を機械加工するステップと、
滑り嵌合によって、交換の熱シールドの円筒形セクション内に形成されたカウンタボアに前記機械加工された円筒形外側面を組み付けるステップと、
前記交換の熱シールドのバッフルフランジの半径方向外側リムに前記環状燃料ノズルケーシングの後端を金属接合するステップと、
を含む、方法。
【請求項24】
ガスタービンエンジン用の燃料ノズルを組み立てる方法であって、
中央パイロット燃料噴射装置と、前記中央パイロット燃料噴射装置を囲み且つ円錐壁セクションを含む環状パイロットハウジングと、前記パイロットハウジングを囲む環状メイン燃料噴射装置と、環状燃料ノズルケーシングとを有する燃料ノズル本体を提供するステップと、
滑り嵌合を用いて請求項1に記載の熱シールドの円筒形部分のカウンタボアに前記パイロットハウジングの円錐壁セクションを係合させ、前記バッフルフランジの半径方向外側リムに前記環状燃料ノズルケーシングの後端を金属接合することにより、前記熱シールドを前記燃料ノズル本体に組み付けるステップと、
を含む、方法。
【請求項25】
前記金属接合が、融接により形成される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記装置の少なくとも一部が、ラピッド製造プロセスを利用して製造される単体構造体である、請求項1〜19の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンの燃料ノズルに関し、より詳細には、燃料ノズル先端の後端における後方熱シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機ガスタービンエンジンの多段燃焼システムは、特に都市部での光化学スモッグ問題の一因となる空港近傍において窒素酸化物(NOx)、未燃炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)などの望ましくない燃焼生成物成分の生成を制限するように開発されてきた。ガスタービンエンジンはまた、低燃費で運転コストが低いように設計される。燃焼器設計に影響を及ぼす他の要因には、高効率で低コスト運転を望むガスタービンエンジンのユーザの要求があり、このことは、燃費低減に対する要求と同時に、エンジン出力を維持又は増大させることにつながる。結果として、航空機ガスタービンエンジンの燃焼システムにおける重要な設計基準は、粒子状物質のエミッション及び望ましくないガスのエミッションの一因となる望ましくない燃焼条件を最小限にしながら様々なエンジン作動条件下で高い熱効率を提供するために、高い燃焼温度を提供することを含む。
【0003】
注入燃料と燃焼空気との効果的な混合により、望ましくない燃焼生成成分の生成を最小限にすることができる。この関連で、燃料及び空気の混合を改善するために、長年にわたって多くのスワーラ、ミキサ設計、及びベンチェリ設計が提案されている。このようにして、混合全体にわたって均一に燃焼が生じ、不完全燃焼により発生するHC及びCOのレベルが低減される。ベンチェリ部は、燃料ノズルにおける燃料と空気の良好な混合を促進させ、これは、望ましくない燃焼エミッションの低減に有用である。ベンチェリ部は、該ベンチェリ部と燃料ノズル先端の残りの部分とを熱から保護し、熱暴露による望ましくない効果を低減するために燃料ノズルの後端にて後方熱シールドを用いて設計されている。熱シールドはまた、燃料ノズル先端においてパイロットノズルをサポートする環状パイロットハウジングのような燃料ノズル先端において、他の円錐壁セクションの端部にて使用するよう設計されている。環状パイロットハウジングの円錐セクションの後端に位置するこのような熱シールドの実施例は、本発明の出願人に付与され且つ引用により本明細書に組み込まれる、2012年5月8日に発行された、名称「Mixer Assembly For Gas Turbine Engine Combustor」のMancini他による米国特許第8,171,735号において開示されている。
【0004】
従って、燃料ノズルにおける燃料及び空気を混合するのに使用されるベンチェリ部を保護し、燃料ノズル先端を熱から保護して熱暴露からの望ましくない作用を低減するのにより効果的な熱シールドを有するのが望ましいことになる。熱交換及び構造体の冷却を促進する特徴を有する一体的熱シールドを備えたベンチェリを有することが望ましい。高い熱負荷が熱シールドの寿命に及ぼす作用を低減するために、後方熱シールドの良好な冷却を提供することが極めて望ましい。また、新規の熱シールドにおける交換及び溶接に対して良好な設計を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,171,735号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20100263382号明細書
【発明の概要】
【0006】
この要求は、環状ケーシングによって囲まれる環状パイロットハウジングを含むタイプの燃料ノズルの後端に配置された空冷式熱シールドを提供する本発明によって対処される。1つの構成において、熱シールドは、滑り嵌合によってパイロットハウジングの後端に取り付けられたカウンタボアを有し、ろう付け又は溶接などの金属接合によりケーシングの後端に取り付けることができる環状バッフルフランジによって囲まれた環状シールドフランジを含むことができる。
【0007】
本発明の1つの態様によれば、燃料ノズル先端用の後方熱シールドは、カウンタボアが形成された前方円筒形セクションと後方円錐セクションとを有する環状シールド壁と、円錐セクションの後端から半径方向外向きに延びる環状シールドフランジと、円錐セクションを囲み、シールドフランジとの間に軸方向ギャップが定められるように配置された環状バッフルフランジと、を備え、バッフルフランジが、ここから軸方向前方に延びる半径方向外側リムを含み、後方熱シールドが更に、バッフルフランジを貫通し、隣接するシールド壁に向けて空気流を送るように配向された複数のインピンジメント冷却孔を備える。
【0008】
本発明の別の態様によれば、カウンタボアの面が凸状湾曲ランドを定める。
【0009】
本発明の別の態様によれば、シールドフランジは、環状外面によって境界付けられた対向する離間した前方及び後方面を含み、前面と外面との交点に凸状アール部が形成される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、半径方向外側リムとバッフルフランジとの間の連結点に冷却孔の列が配置され、冷却孔が、シールドフランジの半径方向外側縁部に向かって冷却空気を送るように配向される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、バッフルフランジにおける冷却孔の少なくとも1つの列が、シールドフランジの前面に垂直に冷却空気を送るように配向される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、内側シールドが外側バッフル内に配置され、内側シールドが、シールド壁及びシールドフランジを定め、外側バッフルが、内側シールドの後方円錐セクションを囲む円錐バッフル壁を含み、バッフルフランジが、バッフル壁の後端から延びる。
【0013】
本発明の別の態様によれば、内側シールド及び外側バッフルは、互いに金属接合された2つの別個の構成要素である。
【0014】
本発明の別の態様によれば、内側シールドは、外側バッフルと接触し且つスロットの半径方向アレイが形成された隆起アイランドを含む。
【0015】
本発明の別の態様によれば、外側バッフルは、内側シールドに接触する肥厚前端を含み、隆起アイランド及び肥厚前端が協働して内側シールドと外側バッフルとの間に冷却空気プレナムを定め、冷却空気プレナムが、隆起アイランドのスロットを通ってシールドフランジとバッフルフランジとの間の軸方向ギャップと連通している。
【0016】
本発明の別の態様によれば、外側バッフルの円錐バッフル壁が、冷却空気プレナムと連通した複数の冷却空気ポートを含む。
【0017】
本発明の別の態様によれば、複数のストップが、内側シールドの冷却側から半径方向外向きに延びて外側バッフルの肥厚前端と係合し、外側バッフルを内側シールドに対して軸方向に位置決めするようにする。
【0018】
本発明の別の態様によれば、内側シールド及び外側バッフルが協働してこれらの間に冷却空気プレナムを定め、冷却空気プレナムが、シールドフランジとバッフルフランジとの間で軸方向ギャップと流体連通している。
【0019】
本発明の別の態様によれば、外側バッフルの円錐バッフル壁は、冷却空気プレナムと連通した複数の冷却空気ポートを含む。
【0020】
本発明の別の態様によれば、冷却空気プレナム内に配置されたアイランドが、内側シールドと外側バッフルを相互接続する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、冷却スロットの環状アレイがアイランドを通って延びる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、バッフルフランジ、後方円錐セクション及びシールドフランジの連結点に凹状内側アール部が定められる。
【0023】
本発明の別の態様によれば、バッフルフランジの冷却孔の少なくとも1つの列が、冷却空気を凹状内側アール部に向けて送るように配向される。
【0024】
本発明の別の態様によれば、ガスタービンエンジン用の燃料ノズル装置は、円錐壁セクションを含む環状パイロットハウジングと、パイロットハウジングを囲む環状メイン燃料噴射装置と、環状燃料ノズルケーシングと、熱シールドと、を備え、熱シールドが、環状シールド壁と、シールド壁の後端から半径方向外向きに延びる環状シールドフランジと、シールド壁を囲み、シールドフランジとの間に軸方向ギャップが定められるように配置された環状バッフルフランジと、を含み、バッフルフランジが、ここから軸方向前方に延びる半径方向外側リムを含み、熱シールドが更に、バッフルフランジを貫通し、シールド壁に向けて空気流を送るように配向された複数のインピンジメント冷却孔を含む。
【0025】
本発明の別の態様によれば、環状シールド壁が、前方円筒形セクションと、後方円錐セクションとを含み、パイロットハウジングの円錐壁セクションが、滑り嵌合によって熱シールドの前方円筒形セクションに形成されたカウンタボアに取り付けられ、環状燃料ノズルケーシングの後端が、金属接合によってバッフルフランジの半径方向外側リムに接合される。
【0026】
本発明の別の態様によれば、本装置が更に、パイロット燃料噴射装置を備える。
【0027】
本発明の別の態様によれば、現場使用後に燃料ノズル装置を補修する方法は、パイロットハウジング及び燃料ノズルケーシングから熱シールドを分離するステップと、滑り嵌合によって、交換の熱シールドの円筒形セクション内に形成されたカウンタボアにパイロットハウジングの円錐壁セクションを組み付けるステップと、交換の熱シールドのバッフルフランジの半径方向外側リムに環状燃料ノズルケーシングの後端を金属接合するステップと、を含む。
【0028】
本発明の別の態様によれば、現場使用後に燃料ノズル装置を補修する方法は、パイロットハウジング及び燃料ノズルケーシングから熱シールドを分離するステップと、パイロットハウジング及び燃料ノズルケーシングに交換の熱シールドを金属接合するステップと、を含む。
【0029】
本発明の別の態様によれば、現場使用後に燃料ノズル装置を補修する方法は、パイロットハウジング及び燃料ノズルケーシングから熱シールドを分離するステップと、円筒形外側面を含むようにパイロットハウジングの円錐壁セクションの後端を機械加工するステップと、滑り嵌合によって、交換の熱シールドの円筒形セクション内に形成されたカウンタボアに機械加工された円筒形外側面を組み付けるステップと、交換の熱シールドのバッフルフランジの半径方向外側リムに環状燃料ノズルケーシングの後端を金属接合するステップと、を含む。
【0030】
本発明の別の態様によれば、ガスタービンエンジン用の燃料ノズルを組み立てる方法は、中央パイロット燃料噴射装置と、中央パイロット燃料噴射装置を囲み且つ円錐壁セクションを含む環状パイロットハウジングと、パイロットハウジングを囲む環状メイン燃料噴射装置と、環状燃料ノズルケーシングとを有する燃料ノズル本体を提供するステップと、滑り嵌合を用いて熱シールドの円筒形部分のカウンタボアにパイロットハウジングの円錐壁セクションを係合させ、熱シールドのバッフルフランジの半径方向外側リムに環状燃料ノズルケーシングの後端を金属接合することにより、熱シールドを燃料ノズル本体に組み付けるステップと、を含む。
【0031】
本発明の別の態様によれば、金属接合は融接により形成される。
【0032】
本発明の別の態様によれば、装置の少なくとも一部が、ラピッド製造プロセスを利用して製造される単体構造体である。
【0033】
本発明は、添付図面と共に以下の説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】後方熱シールドを備えたノズル先端を有するガスタービンエンジンの燃料噴射装置の後方から見た前方斜視図。
図2図1に示すノズル先端及び後方熱シールドの断面図。
図3図2に示す後方熱シールドの拡大断面図。
図4図2に示す後方熱シールドの内側シールドの前方から見た後方斜視図。
図5図2に示す後方熱シールドの前端上の外側バッフルの前方から見た後方斜視図。
図6図3に示す後方熱シールドの切り欠き斜視図。
図7図6に示す後方熱シールドの側面図。
図8図3に示す後方熱シールドの後方から見た前方立面図。
図9図3に示す後方熱シールドの一部の拡大断面図。
図10】代替の後方熱シールドを備えた燃料ノズル先端の断面図。
図11図10に示す後方熱シールドの一部の切り欠き斜視図。
図12図10に示す熱シールドの一部の拡大図。
図13図12に示す熱シールドの拡大図。
図14図3に示す後方熱シールドの代替形態の一部の断面図。
図15図3に示す後方熱シールドの代替形態の一部の断面図。
図16】燃料ノズル本体と一体的に構成された、図14に示す後方熱シールドの代替形態の一部の断面図。
図17】燃料ノズル本体と一体的に構成された、図12に示す後方熱シールドの代替形態の一部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
一般に、本発明は、空冷式熱シールドを提供する。空冷式熱シールドは、環状ケーシングによって囲まれる環状パイロットハウジングを含むタイプの燃料ノズルの後端に取り付けられた別個の構成要素とすることができ、或いは、燃料ノズルの後端と一体的に形成することができる。熱シールドは、環状バッフルフランジにより囲まれるパイロットハウジングの後端に滑り嵌合によって取り付けられたカウンタボア付きの環状シールドフランジを含むことができ、該環状バッフルフランジは、ろう付け又は溶接などの金属接合によりケーシングの後端に取り付けることができる。
【0036】
ここで、種々の図を通して同じ参照符号が同じ要素を示す図面を参照すると、図1は、燃焼器ケーシング(図示せず)に固定されシールされるよう適合されたノズルマウント又はフランジを含む、燃料噴射装置10の例示的な実施形態を示している。中空ステム32は、フランジ30から半径方向内向きに延びて、燃料噴射装置10の環状パイロット入口27を囲む環状中空入口フェアリング28を含む。ここに示された例示的な燃料噴射装置における中空ステム32は、入口フェアリング28と一体化され一体的に形成されている。燃料噴射装置10の中空ステム32は、フランジ30と一体化されるか(ここに示されるように)、又はフランジ30に固定(ろう付け又は溶接などにより)することができる。
【0037】
噴射バルブハウジング35は、中空ステム32の上部にてパイロットバルブハウジング37とメインバルブハウジング38とを含む。パイロット及びメインバルブ(図示せず)は、本発明の出願人に譲受され且つ引用により本明細書に組み込まれる、名称「DUAL ORIFICE PILOT FUEL INJECTOR」のMancini他による米国特許出願公開第20100263382号において例示され詳細に説明されている。パイロット及びメインバルブハウジング37、38のパイロット及びメインバルブ入口36、47はそれぞれ、ハウジング内に収容されたバルブを燃料供給マニホルド(図示せず)に流体接続するのに使用される。図1及び2を参照すると、中空ステム32及び入口フェアリング28は、燃料ノズル本体12と、該燃料ノズル本体12の後端216に取り付け又は接合される二部品後方熱シールド204とを含むノズル先端11を半径方向に支持する。ノズル先端11は、二重オリフィスパイロット燃料噴射装置先端を有するように例示され、中心軸線120を含む。
【0038】
図2を参照すると、燃料ノズル本体12は、メイン燃料ノズル61と、環状パイロット入口27の実質的に中心にある実質的に同心状の1次及び2次パイロット燃料ノズル58、59を有する二重オリフィスパイロット燃料噴射装置先端57とを含む。図1及び2に示す例示的な燃料ノズル本体12は、種々の部品又は要素の組立体である。或いは、燃料ノズル本体12の全て又は一部は、燃料噴射装置10の単体構造の一体部品モノリシック構造体又は要素とすることができ、直接金属レーザ焼結(DMLS)又は直接金属レーザ溶融(DMLM)などのラピッド製造プロセスを利用して製造することができる。燃料ノズル本体12は、ケーシング71により入口フェアリング28に装着され、該入口フェアリングは、図1に示すように、中空ステム32に接続されるか、又は中空ステム32と一体化される。
【0039】
図1及び2を参照すると、燃料ノズル本体12は、ろう付け及び/又は溶接により入口フェアリング28に金属接合することができる。ノズル先端11は更に、燃料ノズル本体12に取り付けられた環状二部品後方熱シールド204を含む。環状パイロットハウジング108は、1次及び2次パイロット燃料ノズル58、59を支持する。燃料噴射装置10は、燃料導管40からメイン燃料ノズル61に、並びに1次及び2次パイロット燃料ノズル58、59に燃料を供給するよう動作可能な複数導管燃料回路244を含む。
【0040】
メイン燃料ノズル61は、環状メイン燃料リング64に配置された環状メイン燃料通路62を含む。メイン燃料ノズル61は、環状メイン燃料通路62から環状メイン燃料リング64の壁を通って半径方向外向きに延びる燃料噴射オリフィスの円形又は環状アレイを含む。環状メイン燃料通路62は、燃料回路244の一部である。メイン燃料ノズル61及び環状メイン燃料リング64は、1次及び2次パイロット燃料ノズル58、59の半径方向外向きに離間して配置される。2次パイロット燃料ノズル59は、1次パイロット燃料ノズル58に直近して半径方向に位置し、且つ1次パイロット燃料ノズル58を囲む。
【0041】
燃料ノズル外側ケーシング71は、メイン燃料ノズル61を囲み、燃料噴射オリフィス63と整列した円筒燃料噴霧壁73を含む。1次及び2次パイロット燃料ノズル58、59並びにメイン燃料ノズル61は、中心軸線120の周りに整列される。燃料ノズル外側ケーシング71を含む中心本体103は、1次及び2次パイロット燃料ノズル58、59並びにメイン燃料ノズル61の周りに半径方向に配置されてこれらを支持する。環状パイロットハウジング108は、中心本体103によって支持され且つ中心本体103に取り付けられる。
【0042】
環状パイロットハウジング108は、パイロットミキサ102を囲み、該パイロットミキサ102に取り付けられてこれを支持する。環状パイロットハウジング108は、パイロットミキサ102並びに1次及び2次パイロット燃料ノズル58、59それぞれの円形1次出口98及び環状2次出口100と流れ連通してこれらの下流側にある円錐パイロットチャンバ105を囲む円錐壁セクション210を含む。パイロットミキサ102のスワーラベーンは、二重オリフィスパイロット燃料噴射装置先端57を半径方向に支持する。二重オリフィスパイロット燃料噴射装置先端57は、パイロットミキサ102内に配置される。ベンチェリは、環状パイロットハウジング108により定められる発散セクションが後に続くスロート部121を含む。発散セクションは、スロート部121から下流側又は軸方向前方に延びて二部品後方熱シールド204につながる円錐壁セクション210により提供される。
【0043】
図2、3及び9を参照すると、二部品後方熱シールド204は、滑り嵌合接合部122で示される滑り嵌合により環状パイロットハウジング108の円錐壁セクション210の円錐後端214に取り付けることができる。二部品後方熱シールド204は、外側バッフル208にろう付け又は他の方法で金属接合された内側シールド206を含む。内側シールド206の円筒形前端170は、半径方向外側面172と円筒形前端170との間で滑り嵌合を用いて円錐壁セクション210の円錐後端214で円筒形半径方向外側面172上に装着される。円錐壁セクション210の円錐後端214は、円筒形前端170において円筒形カウンタボア124内に嵌合される。
【0044】
図3、4及び9を参照すると、内側シールド206は、環状シールド壁セクション217を含み、該環状シールド壁セクション217は、前方円筒セクション209と、これに続く後方円錐セクション211と、該後方円錐セクション211の後端にある環状シールドフランジ212とを含む。カウンタボア213は、円筒セクション209の前端部215を部分的に延びる。後方円錐セクション211はまた、熱シールドボア218と呼ぶこともできる。内側シールド206は、対向する高温側228と低温側230とを含む。複数の冷却スロット240は、図4に示すように、内側シールド206の低温側230から後方円錐セクション211の後方部分250に沿って、及びシールドフランジ212の半径方向内向き部分252に沿って延びる隆起アイランド242を通って延びる。冷却スロット240は、図示のように時計状配列にし、角度を付け、又は円周方向に湾曲させることができる。
【0045】
図5、8、及び9を参照すると、外側バッフル208は、円錐バッフル壁220を含み、該円錐バッフル壁220の後端224にて環状バッフルフランジ222を有する。外側バッフル208は、円錐壁セクション220を通って延びる細長冷却空気ポート232と、環状バッフルフランジ222を通って延びる内側及び外側インピンジメント孔234、236それぞれの半径方向内側及び外側列233、235と、を含む。内側インピンジメント孔234は、中心軸線120に平行な軸方向に配向される。外側インピンジメント孔236は、中心軸線120に対して時計状配列に又は円周方向に整列され、環状シールドフランジ212の半径方向外側環状フランジ先端238上又はその近傍で冷却空気266を衝突させることを意図している。環状バッフルフランジ222の環状半径方向外側リム226は、図1及び2に示した溶接シーム176にて図示の燃料ノズル外側ケーシング71のケーシング後端216に溶接又は他の方法で金属接合することができる。
【0046】
図4、6、7、及び9を参照すると、外側バッフル208は、円錐バッフル壁220とバッフルフランジ222との間にバッフルコーナー254を含む。バッフルコーナー254は、隆起アイランド242の外側シールド面256に共形で、後方円錐セクション211の後方部分250の少なくとも一部及びシールドフランジ212の半径方向内向き部分252の少なくとも一部に沿った隆起アイランド242の外側シールド面256に沿って且つ該外側シールド面256に接してシールする。対流冷却孔258は、隆起アイランド242の外側シールド面256に共形で該外側シールド面256に沿って且つ接しているコーナー254により境界付けられる冷却スロット240を含む。
【0047】
環状冷却空気プレナム260は、外側バッフル208の肥厚前端264と隆起アイランド242との間で内側シールド206の後方円錐セクション211に沿って略軸方向に延びる。環状冷却空気プレナム260は、対流冷却孔258を通って冷却空気266を流すよう動作する。外側バッフル208における弓形の冷却空気ポート232は、冷却空気266を冷却空気プレナム260に供給するよう動作する。冷却空気266は、対流冷却孔258を通り、次いで、環状シールドフランジ212に沿って半径方向外向きに流れて、更に、環状シールドフランジ212の半径方向外側環状フランジ先端238を越えて流れる。これは、冷却側部230の大部分、後方円錐セクション211又は熱シールドボア218の大半、及び内側シールド206の環状シールドフランジ212の一部に沿って対流冷却をもたらす。
【0048】
図4により詳細に示されたストップ246は、内側シールド206の冷却側部230から半径方向外向きに延びて外側バッフル208の肥厚した前端264と係合し、外側バッフル208を内側シールド206及び隆起アイランド242に対して軸方向に適切に位置決めする。この軸方向の位置決めは、外側バッフル208を内側シールド206にろう付けし、冷却空気プレナム260を位置決め及びシールする目的のものである。
【0049】
半径方向内向きに面する環状溝270は、外側バッフル208の肥厚前端264に配置することができる。溝270は、ろう付けワイヤ248(図3に示す)を保持するのに使用され、該ワイヤが溶融してバッフル208を内側シールド206にろう付け及び金属接合する。図6、8及び9を参照すると、環状熱障壁コーティング272は、シールドフランジ212の後面上に結合され、ノズル先端11の燃料ノズル本体12に対する追加の熱的保護を提供することができる。
【0050】
図2を参照すると、軸方向又は下流側に延びる噴射装置冷却流路190は、環状パイロットハウジング108と中心本体103との間に配置される。噴射装置冷却流路190の後端194に位置する後方環状プレナム192は、冷却空気266を後方熱シールド204に供給するのに使用される。
【0051】
冷却空気255は、パイロットミキサ102に流入するパイロット空気流23の一部である。冷却空気266は、プレナム260及び冷却スロット240を通って拡散する比較的高速の空気を有し、本明細書では熱シールドボア218及び熱シールドプレート212により表される熱シールドプレートボアを効果的に冷却する。効果的な冷却は、大きな表面積及び高速の空気により達成される。環状バッフルフランジ222を通って延びる内側及び外側インピンジメント孔234、236それぞれの半径方向内側及び外側列233、235は、流出空気速度を流路に拡散させ、環状シールドフランジ212の半径方向外側環状フランジ先端238にて熱シールドの外側縁部を冷却するのを助ける。
【0052】
例示的な後方熱シールド204は、様々な部品又は要素の組立体として上記で説明されてきた。しかしながら、後方熱シールドの全て又は一部は、単体構造の一体部品モノリシック構造体又は要素とすることができ、直接金属レーザ焼結(DMLS)又は直接金属レーザ溶融(DMLM)などのラピッド製造プロセスを利用して製造することができる。例えば、図14及び15は、単体構造の一体部品モノリシックであり、ラピッド製造プロセスを使用して構成することができる熱シールド404、504をそれぞれ示している。これらの熱シールド404、504の各々は、上述の後方熱シールド204とほぼ同様の構造である。
【0053】
図14で分かるように、一体成形品の後方熱シールド404は、前方円筒セクション409とこれに続く後方円錐セクション411とを含む環状内側シールド406を備え、円錐セクション411の後端には環状シールドフランジ412を有する。外側バッフル408は、円錐バッフル壁420を含み、該円錐バッフル壁420の後端にて環状バッフルフランジ422を有する。環状冷却空気プレナム460は、外側バッフル408と内側シールド406との間に定められる。円錐バッフル壁420に形成される冷却空気ポート432は、冷却プレナム460と連通する。アイランド442は、内側シールド406と外側バッフル408を相互接続する。冷却スロット440の環状アレイは、アイランド442を通って延びる。冷却スロット440は、冷却空気プレナム460と、並びにバッフルフランジ422とシールドフランジ412との間の軸方向ギャップと連通する。
【0054】
図14で分かるように、一体成形品の後方熱シールド504は、前方円筒セクション509とこれに続く後方円錐セクション511とを含む環状内側シールド506を備え、円錐セクション511の後端には環状シールドフランジ512を有する。外側バッフル508は、円錐バッフル壁520を含み、該円錐バッフル壁520の後端にて環状バッフルフランジ522を有する。アイランド542は、内側シールド506と外側バッフル508を相互接続する。冷却スロット540の環状アレイは、アイランド542を通って延びる。冷却スロット540は、バッフルフランジ522の前方の開口領域と、並びにバッフルフランジ522とシールドフランジ512との間の軸方向ギャップと連通する。
【0055】
図10は、上述の燃料ノズル本体12と、燃料ノズル本体12の後端に取り付け又は接合された後方熱シールド304とを備えた代替のノズル先端11’を示している。後方熱シールド304は、上述の後方熱シールド204に対する代替形態である。この2つの後方熱シールド204及び304間の相違点を除いて、ノズル先端11’と上述のノズル先端11は同一構成である。
【0056】
図10、11、12、及び13を参照すると、後方熱シールド304は、前方円筒セクション309と、これに続く後方円錐セクション311とを含む環状シールド壁を備える。環状バッフルフランジ322は、後方円錐セクション311の中間部分から半径方向外向きに延び、環状シールドフランジ312は、後方円錐セクション311の後端から半径方向外向きに延びる。バッフルフランジ322とシールドフランジ312との間には軸方向ギャップが存在し、バッフルフランジ322、後方円錐セクション311及びシールドフランジ312の連結点にて凹状内側アール部317が定められる。
【0057】
環状半径方向外側リム326は、バッフルフランジ322の半径方向外側範囲にて軸方向前方に延び、以下でより詳細に説明するように、燃料ノズルケーシング71への金属接合を可能にするよう構成された平坦な前面370を含む。
【0058】
カウンタボア313は、円筒セクション309の前端部を通って部分的に延びる。図示の実施例において、カウンタボア313の半径方向内側面は、凸状に湾曲したフィレット又はアイランド315として形成される。
【0059】
シールドフランジ312の前面330と半径方向外面338との交点に凸状アール部329が形成される。既知のタイプの熱障壁コーティング372の層が、シールドフランジ312の後面328に接合され、ノズル先端11の燃料ノズル本体12に対して追加の熱的保護を提供することができる。
【0060】
バッフルフランジ322は、シールドフランジ312の全範囲にわたって均一な金属温度分布及びひいては最小の誘起応力場を達成し、この構成要素の信頼性及び寿命を最大にすることを目的として構成された複数の冷却孔を含む。図示の特定の実施例において、バッフルフランジ322は、半径方向最内位置から半径方向最外位置まで冷却孔の4つの環状アレイ又は環状列を含む。
【0061】
孔の第1の列333は、内側アール部317の近傍のシールドフランジ312の領域において冷却空気を提供するように位置決め及び配向される。この孔の列333は、中心軸線120に対して鋭角で内向き(入口よりも出口の方がより低い半径方向距離に位置する)に配向され、シールドフランジ312の内側アール部317と前面330との間に定められる接線にてシールドフランジ312の表面上にインピンジメント流を送るようにする。
【0062】
孔の第2及び第3の列334、335それぞれは、孔の第1の列333から半径方向外寄りに配置される。これらは、シールドフランジ312の前面330上に90°の角度で冷却流を送り、シールドフランジ312の大部分にわたり冷却カバレッジを提供するように位置決め及び配向される。これらは、中心軸線120に平行に延びる。
【0063】
孔の第4の列336は、半径方向外側リム326に隣接するバッフルフランジ322の最外直径の近傍に位置決めされる。この孔の列336は、中心軸線120に対して鋭角で外向き(入口よりも出口の方がより高い半径方向距離に位置する)に配向され、その結果、プレート間のギャップを通って出るインピンジメント冷却流を抑制して、局所ミキサ流動場に対する影響を低減し、また、アール部329及び面338に沿ったシールドフランジ312の外側縁部にわたるフィルム冷却空気の循環を確立させ、上流側の燃焼ゾーンから比較的高温の燃焼生成物がこの場所に再循環するのを可能にするのではなく、外側直径の近傍のシールドフランジ312の後面上でこの冷却空気流の再循環を促すようにする。
【0064】
後方熱シールド304は、以下のように設置される。後方熱シールド304の円筒セクション309は、半径方向外側面172と円筒セクション309との間で滑り嵌合を用いて円錐壁セクション210の後端214に装着することができる。具体的には、半径方向外側面172は、円筒セクション309のカウンタボア313内に嵌合され、ランド315が半径方向外側面172に接触した状態となる。
【0065】
滑り嵌合が完了した後、環状バッフルフランジ322の半径方向外側リム326は、図10に示した溶接シーム176にて図示の燃料ノズル外側ケーシング71のケーシング後端216に溶接又は他の方法で金属接合することができる。典型的な溶接プロセス(例えば、融接の一種である、TIG溶接又は自動MIG溶接)は、溶接シーム176円周の周りの経路で移動するトーチ、電極又は他の熱源を含む。
【0066】
溶接プロセスでは、接合させる2つの構成要素の周りの溶接ゾーンに円周方向で不均一な熱が加わる。これは、溶接プロセスにおいては通常のことである。不均一な熱に伴う収縮(接合面に垂直な方向の)により、溶接の完了時に後方熱シールド304が円錐壁セクション210に対して横方向に回転又は変形する可能性がある。接合させる特徴要素間の重なりの長さ及び半径方向相対許容差に応じて、滑り接合部内に軸方向の固着が生じる場合がある。
【0067】
本明細書で記載される後方熱シールドの何れかの全て又は一部は、上述の燃料ノズル構造体の全て又は一部と組み合わせて単体構造の一体部品又はモノリシック構造体又は要素の部品として構成することができ、また、直接金属レーザ焼結(DMLS)又は直接金属レーザ溶融(DMLM)などのラピッド製造プロセスを利用して製造できる点に留意されたい。例えば、図16は、このようにして作られた後方熱シールド604を示している。この後方熱シールド604は、図14に示す後方熱シールド404と同様の構成であるが、図示のように、内側シールド606(内側シールド406に対応する)は、軸方向前方に延び、その後方セクション609は、図10に示す環状パイロットハウジング108の円錐壁セクション210に対応する円錐壁セクション210’と継ぎ目なく一体化される。更に、後方熱シールド604の半径方向外側リム626は、軸方向前方に延び、図10に示すケーシング71の後端216に対応する円錐壁セクション216’と継ぎ目なく一体化される。
【0068】
図17は、このようにして作られた後方熱シールド704の別の実施例を示している。この後方熱シールド704は、図12に示す後方熱シールド304と同様の構成であるが、図示のように、前方セクション709(前方セクション309に対応する)は、図10に示す環状パイロットハウジング108の円錐壁セクション210に対応する円錐壁セクション210’と継ぎ目なく一体化される。更に、後方熱シールド704の半径方向外側リム726は、軸方向前方に延び、図10に示すケーシング71の後端216に対応する円錐壁セクション216’と継ぎ目なく一体化される。
【0069】
現場での使用後、上述の後方熱シールドの何れかは、取り外されて、交換の熱シールドと交換することができる。交換方法は、後方熱シールドの元の構造形態に応じて異なるものとなる。
【0070】
図3及び図12に示す後方熱シールド204及び304のように、後方熱シールドが当初は別個の構成要素として製造されて燃料ノズル本体に取り付けられていた場合、交換は、例えば、切削又は研削により溶接シーム176を切断し、これにより燃料ノズル本体12から分離される後方熱シールドを取り除くことから始まる。必要に応じて、燃料ノズル本体12の後端216は、新しい溶接継手又は他の金属接合の準備として、研削、化学洗浄、その他による前処理を行うことができる。次いで、交換の後方熱シールド204又は304又は404又は504は、後方熱シールド204又は304又は404又は504と環状パイロットハウジング108の円錐壁セクション210との間の滑り嵌合を用いて燃料ノズル本体12に組み付けられ、上述のような半径方向外側リム226又は326又は426又は526にて金属接合されることになる。
【0071】
後方熱シールドが、当初は燃料ノズル本体の全て又は一部と共に単体構造の一体部品モノリシック構造体の部品として製造されていた場合、一例として図16に示す後方熱シールド604を用いると、交換は、例えば切削又は研削により前方セクション609及び半径方向外側リム626を貫通して後方熱シールドを切断し、これにより燃料ノズル本体12から分離される後方熱シールドを取り除くことから始まる。後方熱シールドは、図12に示す接合部におおよそ一致する切断面に沿って切断することができる。必要に応じて、燃料ノズル本体12の後端216’及び円錐壁セクション210’は、新しい溶接継手又は他の金属接合の準備として、研削、化学洗浄、その他による前処理を行うことができる。次いで、熱シールド604と設計が同様又は同一の交換の後方熱シールドは、燃料ノズル本体12に組み付けられ、例えば、ろう付け又は溶接により金属接合されることになる。このプロセスはまた、図17に示す後方熱シールド704の交換の代表的なものである。
【0072】
任意選択的に、熱シールド604が取り除かれた後、円錐壁セクション210’は、図2に示す円筒形半径方向外側面172と同じ形状に機械加工することができる。その結果、これにより図3及び図12それぞれに示される後方熱シールド204、304、404、504と同様又は同一の後方熱シールドは、後方熱シールド204又は304又は404又は504と修正円錐壁セクション210’との間の滑り嵌合を用いて燃料ノズル本体12に組み付けられ、上述のような半径方向外側リム226又は326又は426又は526にて金属接合できるようになる。
【0073】
上記で説明した本発明は、従来技術に優る幾つかの利点を有する。後方熱シールド204及び304の両方は、新しい熱シールドを交換及び溶接することにより、実際の現場での燃料ノズルの補修を可能にする。後方熱シールド204の二部品設計及び構成は、熱シールドプレートとも呼ばれる環状シールドフランジ212のボア領域とバッフルフランジ222との間の熱歪み及び温度勾配により生じる部品応力の軽減に役立つ。二部品設計は、新しい熱シールドの交換及び溶接による燃料ノズルの現場補修を可能にする。スロットボア冷却設計は、熱シールドボア218及びフランジ212を冷却するのにプレナム260及び冷却スロット240を使用し、表面冷却強化の向上をもたらしながら、塵埃吸入を管理し、塵埃による冷却面及び孔の閉塞を阻止する。
【0074】
上記では、ガスタービンエンジンにおける燃料ノズル及び熱シールド、並びにこれらの製造及び組み立て方法について説明してきた。本明細書(何れかの添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)で開示される特徴の全て、そのように開示された何れかの方法又はプロセスのステップの全ては、このような特徴及び/又はステップの少なくとも一部が互いに排他的である組み合わせを除いて、あらゆる組合せで結合することができる。
【0075】
本明細書(何れかの添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)で開示される各特徴は、明示的に別途規定のない限り、同じ、等価の又は同様の目的を提供する代替の特徴で置き換えることができる。従って、明示的に別途規定のない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の等価又は同様の特徴のうちの1つの実施例に過ぎない。
【0076】
本発明は、上述の実施形態の詳細事項に限定されない。本発明は、本明細書(何れかの添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)で開示される特徴のうちの何れかの新規の特徴又は何れかの新規の組み合わせ、又はこのように開示される何れかの方法又はプロセスのステップのうちの何れかの新規のステップ又は何れかの新規の組み合わせに拡張することができる。
【符号の説明】
【0077】
10 燃料噴射装置
11 ノズル先端
12 燃料ノズル本体
28 入口フェアリング
40 燃料導管
57 二重オリフィスパイロット燃料噴射装置先端
58、59 1次及び2次パイロット燃料ノズル
61 メイン燃料ノズル
62 環状メイン燃料通路
63 燃料噴射オリフィス
64 環状メイン燃料リング
71 燃料ノズル外側ケーシング
73 円筒燃料噴霧壁
98 円形1次出口
100 環状2次出口
102 パイロットミキサ
103 中心本体
105 円錐パイロットチャンバ
108 環状パイロットハウジング
120 中心軸線
121 スロート部
122 滑り嵌合接合部
124 円筒形カウンタボア
170 円筒形前端
172 円筒形半径方向外側面
204 環状二部品後方熱シールド
206 内側シールド
208 外側バッフル
210 円錐壁セクション
214 円錐後端
244 複数導管燃料回路
図1
図2
図3
図4
図5
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図17
【国際調査報告】