(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-537207(P2015-537207A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置及び対応するセンサ装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/12 20060101AFI20151201BHJP
G01R 33/07 20060101ALI20151201BHJP
G01R 33/09 20060101ALI20151201BHJP
G01R 33/02 20060101ALI20151201BHJP
G01B 7/30 20060101ALI20151201BHJP
G01B 7/00 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
G01D5/12 N
G01R33/06 H
G01R33/06 R
G01R33/02 N
G01D5/12 H
G01B7/30 H
G01B7/00 101H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-540130(P2015-540130)
(86)(22)【出願日】2013年10月31日
(85)【翻訳文提出日】2015年6月30日
(86)【国際出願番号】EP2013072820
(87)【国際公開番号】WO2014072225
(87)【国際公開日】20140515
(31)【優先権主張番号】102012220139.4
(32)【優先日】2012年11月6日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアート マイタート
(72)【発明者】
【氏名】マークス キーンツレ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス キマーレ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ヴァルター
(72)【発明者】
【氏名】イェアク ズィーデントプフ
【テーマコード(参考)】
2F063
2F077
2G017
【Fターム(参考)】
2F063AA02
2F063AA35
2F063AA36
2F063BA06
2F063BA08
2F063CA16
2F063GA52
2F077AA21
2F077JJ01
2F077JJ03
2F077JJ08
2F077JJ09
2F077JJ23
2F077UU26
2F077WW08
2G017AC06
2G017AD53
2G017AD55
2G017BA14
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの永久磁石(5)と、少なくとも1つの磁気量を検出する少なくとも1つのセンサエレメント(7)とを備えた、可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置(1a)であって、少なくとも1つの永久磁石(5)と少なくとも1つのセンサエレメント(7)とは互いに相対的に可動にかつ互いに間隔を置いて配置されており、前記可動構成部材の運動は、検出される少なくとも1つの磁気量を変化させ、この変化を、可動構成部材の回転角度及び/又は位置の検出に用いることができる、可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置に関する。本発明によれば、導磁性材料から製造された少なくとも1つのシールドエレメント(10,10a)が設けられていて、該シールドエレメントは、少なくとも1つの永久磁石(5)及び/又は少なくとも1つのセンサエレメント(7)を少なくとも部分的に取り囲むように配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの永久磁石(5,25)と、少なくとも1つの磁気量を検出する少なくとも1つのセンサエレメント(7,27)とを備えた、可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置であって、前記少なくとも1つの永久磁石(5,25)と前記少なくとも1つのセンサエレメント(7,27)とは互いに相対的に可動にかつ互いに間隔を置いて配置されており、前記可動構成部材(58)の動きは、検出される少なくとも1つの磁気量を変化させ、この変化を、前記可動構成部材(58)の回転角度及び/又は位置の検出に用いることができる、磁気的測定装置において、
導磁性材料から製造された少なくとも1つのシールドエレメント(10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g)が設けられていて、該シールドエレメントは、前記少なくとも1つの永久磁石(5,25)及び/又は前記少なくとも1つのセンサエレメント(7,27)を少なくとも部分的に取り囲むように配置されていることを特徴とする、可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシールドエレメント(10)は、円形又は角形の横断面を有するフレーム(10a,10c,10d)として、又はU字形フレーム(10e)として、又は中空体(10f)として形成されている、請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
フレーム(10a,10c,10d)として形成された少なくとも1つのシールドエレメント(10)は、閉じられて形成されている、又は間隙(14a,14b,14c,14d,14e)を備えて形成されている、請求項2記載の測定装置。
【請求項4】
前記間隙(14a,14b,14c,14d,14e)は、まっすぐな、又は段状の、又は斜めの、又はジグザグ状の輪郭を有している、請求項3記載の測定装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのシールドエレメント(10)は、ポット(10b)として、又はフード(10g)として形成されている、請求項1記載の測定装置。
【請求項6】
測定値発信機(50)と測定値受信機(40a,40b,40c)とを備えた、可動構成部材の動きを検出するセンサ装置であって、請求項1から5までのいずれか1項記載の磁気的測定装置(1a,1b,1c,1d,20a,20b)を有することを特徴とする、可動構成部材の動きを検出するセンサ装置。
【請求項7】
前記測定値受信機(40a,40b,40c)は、前記少なくとも1つのセンサエレメント(7,27)が配置されている第1のハウジング(42a,42b,42c)を有している、請求項6記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記測定値発信機(50)は、前記少なくとも1つの永久磁石(5,25)が配置されている第2のハウジング(52)を有している、請求項6又は7記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記第1のハウジング(42a,42b,42c)は接続エレメント(44)を介して、前記第2のハウジング(52)に結合されている、請求項8記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのシールドエレメント(10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g)は、前記第1のハウジング(42a,42b,42c)及び/又は前記第2のハウジング(52)に組み込まれている、又は前記第1のハウジング(42a,42b,42c)及び/又は前記第2のハウジング(52)を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項7から9までのいずれか1項記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのシールドエレメント(10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g)は、前記第1のハウジング(42a,42b,42c)及び/又は前記第2のハウジング(52)に適合されていて、少なくとも1つの切欠(16)及び/又は可変の寸法を有している、請求項7から10までのいずれか1項記載のセンサ装置。
【請求項12】
前記ハウジング(52)は、少なくとも1つのシールドエレメント(10,10d)が挿入されている空所(54)を有している、請求項7から11までのいずれか1項記載のセンサ装置。
【請求項13】
前記シールドエレメント(10)は、前記空所(54)よりも大きな外径を有して形成されており、緊張状態で前記空所(54)内に挿入されている、請求項12記載のセンサ装置。
【請求項14】
前記可動構成部材(58)は、ペダル又はステラリングコラムに相当する、請求項6から13までのいずれか1項記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
本発明は、独立請求項1の上位概念に記載の可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置及び独立請求項6の上位概念に記載の可動構成部材の動きを検出するセンサ装置に関する。
【0002】
独国特許出願公開第102009055104号明細書には、並進運動する構成部材のストロークを検出する磁界センサ装置が記載されている。記載された磁界センサ装置では、動かされる構成部材に設けられている磁石系の磁界の空間的な成分が、成分の方向において、検出しようとするストロークに亘って変化し、これにより定置型のセンサに対する構成部材の位置が適切に検出可能である。線形にかつ他の自由度において運動可能な構成部材に、磁石系の構成部材として少なくとも1つの磁石が設けられており、該磁石に対して所定の間隔を置いて向かい合って位置する、磁界方向を検出可能な少なくとも1つの定置型のセンサが対応配置されている。
【0003】
独国特許出願公開第102007024867号明細書には、回転角度を非接触で検出する測定装置が記載されている。記載された測定装置は、第1の部材と、第2の部材とを有しており、第1の部材上には、回転軸線に対して半径方向に間隔を置いて磁石が配置されていて、第2の部材は、測定信号を発生させる磁界方向を検出可能なエレメントを有している。この場合、この磁界方向に敏感なエレメントと前記磁石とは、第1の部材と第2の部材との間の相対運動の際に、相対運動の円形軌道に対して接線方向に配置されており、前記磁石は、回転軸線に対して垂直に半径方向に配置された平面で半径方向に磁化されている、又は極性を与えられている。
【0004】
独国特許出願公開第102008020153号明細書には、角度検出装置が記載されている。記載された装置は、回転中心点の周りに交互に配置されている少なくとも1つの磁気的なN極領域と少なくとも1つの磁気的なS極領域とを有した回転エレメントと、磁界検出部分とを有している。磁界検出部分は、磁石プレートと、この磁石プレートに対して垂直な方向で磁気的な成分の大きさを検出する検出エレメントとを有している。さらに記載された装置は、回転エレメントの回転角度を検出する計算ユニットを有している。磁界検出部分は、磁石プレートが、磁界強度が最大である第1の方向に対して垂直に向けられるように配置されており、磁界検出部分は、第1の方向と、磁気的なN極領域とS極領域とが周方向で配置されている方向に相当する第2の方向とで、磁気的な成分の大きさを検出する。
【0005】
発明の開示
本発明による独立請求項1の特徴を有する可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置及び本発明による独立請求項6の特徴を有する可動構成部材の動きを検出するセンサ装置は、これに対して、シールドエレメントによって外部磁界の影響を最小限にすることができるという利点を有している。
【0006】
本発明の実施形態により好適には、既存の設計内にシールドエレメントを簡単に組み込むことができるので、付加的な組み付け体積は必要ない。
【0007】
本発明の核心は、強磁性材料若しくは導磁性材料から成るシールドエレメントを使用することにある。このシールドエレメントは、磁界を検出する少なくとも1つのセンサエレメント及び/又は、磁界を発生させる少なくとも1つの磁石を少なくとも部分的に取り囲むように配置されている。従って、例えば、少なくとも1つのセンサエレメントと少なくとも1つの磁石とを取り囲むシールドエレメントを設けることができる。これに代えて、少なくとも1つのセンサエレメント又は少なくとも1つの磁石を取り囲むシールドエレメントを設けることができる。さらに、2つのシールドエレメントを設けることができ、この場合、第1のシールドエレメントは少なくとも1つのセンサエレメントを取り囲み、第2のシールドエレメントは少なくとも1つの磁石を取り囲んでいる。これにより、少なくとも1つの磁石による磁界の発生、及び/又は発生された磁界の、少なくとも1つのセンサエレメントによる検出を、外部磁界の影響から保護することができ、測定精度を向上させることができる。本発明の実施形態は、回転運動する構成部材の回転角度を検出することにも、並進運動する構成部材の位置を検出することにも使用することができる。
【0008】
本発明の実施形態は、可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置を提供し、この装置は、少なくとも1つの永久磁石と、少なくとも1つの磁気量を検出する少なくとも1つのセンサエレメントとを有している。少なくとも1つの永久磁石と少なくとも1つのセンサエレメントとは互いに相対的に可動にかつ互いに間隔を置いて配置されており、可動構成部材の動きは、検出される少なくとも1つの磁気量を変化させ、この変化は、可動構成部材の回転角度及び/又は位置の検出に用いることができる。本発明によれば、導磁性材料から製造された少なくとも1つのシールドエレメントが設けられていて、このシールドエレメントは、少なくとも1つの永久磁石及び/又は少なくとも1つのセンサエレメントを少なくとも部分的に取り囲むように配置されている。検出される少なくとも1つの磁気量を変化させるために、少なくとも1つのセンサ又は少なくとも1つの磁石は、可動構成部材に結合されている。
【0009】
本発明による磁気的測定装置は、好適には、測定値発信機と測定値受信機とを有する、可動構成部材の動きを検出するセンサ装置で使用される。
【0010】
従属請求項に記載された手段及び別の構成により、独立請求項1に記載された、可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置の有利な構成及び独立請求項6に記載された可動構成部材の動きを検出するセンサ装置の有利な構成が得られる。
【0011】
本発明による磁気的測定装置の好適な実施形態では、少なくとも1つのシールドエレメントは、例えば、円形又は角形の横断面を有するフレームとして、又はU字形フレームとして、又は中空体として形成されていて良い。フレームとして形成された少なくとも1つのシールドエレメントは、閉じられて構成されていて良い、又は間隙を備えて構成されていて良い。このフレームは例えば、エンボス加工又は溶接により閉じることができる。この間隙は例えば、まっすぐな、又は段状の、又は斜めの、又はジグザグ状の輪郭を有していて良い。この場合、間隙の輪郭は好適には、フレームが搬送中に互いに引っ掛からないように選択されている。センサ設計の構造的な要求に適合させるために、少なくとも1つのシールドエレメントは別の任意のジオメトリで形成されても良い。従って、少なくとも1つのシールドエレメントは、例えばポットとして又はフードとして構成されていても良い。
【0012】
本発明によるセンサ装置の好適な実施形態では、測定値受信機は、少なくとも1つのセンサエレメントが配置されている第1のハウジングを有していて良い。測定値発信機は、少なくとも1つの永久磁石が配置されている第2のハウジングを有していて良い。第1のハウジングを、例えば中空リベットとして形成されている接続エレメントを介して第2のハウジングに結合することができる。
【0013】
本発明によるセンサ装置の別の好適な実施形態では、少なくとも1つのシールドエレメントは、第1のハウジング及び/又は第2のハウジングに組み込まれることができ、又は第1のハウジング及び/又は第2のハウジングを少なくとも部分的に取り囲むことができる。少なくとも1つのシールドエレメントは、第1のハウジング及び/又は第2のハウジングに適合させることができ、少なくとも1つの切欠及び/又は可変の寸法を有していて良い。少なくとも1つのシールドエレメントは切欠を有していて良く、測定値発信機のハウジング及び/又は測定値受信機のハウジングに適合させることができるように、高さ及び/又は厚さを変更することができる。さらに、少なくとも1つのシールドエレメントは、第1のハウジング及び/又は第2のハウジングを部分的に、若しくは完全に取り囲むシールドフードとして、又は、第1のハウジング及び/又は第2のハウジングに組み込まれているシールドポットとして形成されていて良い。
【0014】
本発明によるセンサ装置の別の好適な実施形態では、ハウジングは、少なくとも1つのシールドエレメントが挿入されている空所を有していて良い。この場合、少なくとも1つのシールドエレメントは好適には、前記空所よりも大きな外径を有した、スリットを備えたフレームとして形成されており、緊張状態で前記空所内に挿入されている。
【0015】
本発明によるセンサ装置の別の好適な実施形態では、可動構成部材は、ペダル又はステラリングコラムに相当する。
【0016】
本発明の実施形態を図面に示し、以下に詳しく説明する。図面において同じ符号は、同じ機能若しくは類似の機能を有する構成部分若しくは部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置の第1実施形態を概略的に示した断面図である。
【
図2】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置の第2実施形態を概略的に示した断面図である。
【
図3】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置の第3実施形態を概略的に示した断面図である。
【
図4】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置の第4実施形態を概略的に示した断面図である。
【
図5】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置の第5実施形態を概略的に示した断面図である。
【
図6】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置の第6実施形態を概略的に示した断面図である。
【
図7】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置用のシールドエレメントの第1実施形態を概略的に示した斜視図である。
【
図8】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置用のシールドエレメントの第2実施形態を概略的に示した斜視図である。
【
図9】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置用のシールドエレメントの第3実施形態を概略的に示した斜視図である。
【
図10】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置用のシールドエレメントの第4実施形態を概略的に示した図である。
【
図11】本発明による可動構成部材の動きを検出する磁気的測定装置用のシールドエレメントの第5実施形態を概略的に示した図である。
【
図12】本発明による可動構成部材の動きを検出するセンサ装置の第1実施形態を、組み付け前の状態で概略的に示した斜視図である。
【
図13】本発明による可動構成部材の動きを検出するセンサ装置の第1実施形態を、部分的に組み付けられた状態で概略的に示した斜視図である。
【
図14】本発明による可動構成部材の動きを検出するセンサ装置の第1実施形態を、組み付けられた状態で概略的に示した断面図である。
【
図15】本発明による可動構成部材の動きを検出するセンサ装置の第2実施形態を、組み付けられた状態で概略的に示した斜視図である。
【
図16】本発明による可動構成部材の動きを検出するセンサ装置の第3実施形態を、組み付けられた状態で概略的に示した断面図である。
【0018】
発明の実施の形態
回転する軸の角度を検出するために、先行技術により、この軸に同心な磁石の回転運動を検出することが公知である。このために、回転軸線を中心とした磁気ベクトルの回転は、それを検出可能な磁石センサ、例えばAMRセンサ及び/又はGMRセンサ、ホールセンサ、組み込まれた磁界コンセントレータを備えたホールセンサ等によって検出される。使用されるセンサエレメントには、回転する磁気ベクトルの検出が重要である。例えば、センサエレメントの前で回転する、円形磁石として形成された磁石では、磁気ベクトルも回転する。このような回転運動は、その前に位置する、ASIC(特定用途向け集積回路)の一部であって、磁石表面に対して平行な磁気ベクトルを検出するセンサエレメントによって検出される。このような検出は、2次元的又は3次元的なホールセンサでは、方向付けられた磁束密度のアークタンジェント関数(Arcus-Tangens-Funktion)を介して間接的な角度検出により行われる。このようなホールセンサは、360°にわたる円形磁石の角度位置を一義的に検出することができる。AMRセンサは、直接的な角度検出を可能とし、磁気ベクトルの角度を本質的に直接検出する。角度検出若しくはストローク検出用の装置は、車両における、車両ブレーキシステムのための様々な操作装置において、ヘッドライト光軸調整において、又は軸の角度位置検出において使用され、特に、ブレーキペダルにおける運転者の制動意志を検出することに、若しくはアクセルペダルにおける運転者の加速意志を検出することに使用することができる。例えば、電流を流された導体により生じる外部磁界の作用下では、磁束密度に影響が与えられるので、信号のずれが生じる恐れがある。
【0019】
並進的に動くスライダの位置を検出するために、このスライダに連結されている少なくとも1つの磁石の並進運動を検出することができる。このために、少なくとも1つの磁石に沿った磁気ベクトルの回転が、それを検出可能な磁石センサによって検出される。このセンサは例えばAMRセンサ及び/又はGMRセンサ、ホールセンサ、組み込まれた磁界コンセントレータを備えたホールセンサ、又は別の2次元的な又は3次元的なホールセンサ又はAMRセンサとして形成されている。センサエレメントには、回転する磁気ベクトルの検出が重要である。従って例えば並進運動する棒磁石を使用することができる。棒磁石の摺動により、所定の点に関する磁界ベクトルの方向付けが変化する。磁界ベクトルのこのような方向付けの変化を、少なくとも1つのセンサエレメントによって検出して用いることができる。このような検出は、2次元的な又は3次元的なホールセンサエレメントでは、磁束密度のアークタンジェントの形成を介して行われ、若しくは間接的な角度検出は、平坦でない磁界成分を介して行われる。このようなホールセンサは、360°にわたる円形磁石の角度位置を一義的に検出することができる。
【0020】
図1〜
図6に示されたように、可動の構成部材の動きを検出する本発明による磁気的測定装置1a,1b,1c,1d,20a,20bの図示した実施形態は、磁気的なN極領域Nと磁気的なS極領域Sとを有した少なくとも1つの永久磁石5,25と、少なくとも1つの磁気量を検出するセンサエレメント7,27とを有している。少なくとも1つの永久磁石5,25と少なくとも1つのセンサエレメント7,27とは互いに相対的に可動にかつ互いに間隔を置いて配置されており、可動構成部材の動きは、検出される少なくとも1つの磁気量を変化させ、この変化は、可動の構成部材の回転角度及び/又は位置の検出に用いることができる。本発明によれば、導磁性材料から製造された少なくとも1つのシールドエレメント10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10gが設けられていて、該シールドエレメントは、少なくとも1つの永久磁石5,25及び/又は少なくとも1つのセンサエレメント7,27を少なくとも部分的に取り囲むように配置されている。
【0021】
さらに
図1〜
図6に示されたように、少なくとも1つのシールドエレメント10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10gは、少なくとも1つのシールドエレメント10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10gの高さ方向軸線若しくは長手方向軸線が、例えばx方向に沿った磁束密度Bxと、y方向に沿った磁束密度Byとから規定される高感度平面に対して好適には垂直に位置するように配置されている。
【0022】
図1〜
図4に示した実施形態では、本発明による磁気的測定装置1a,1b,1c,1dは、回転軸線3を中心として回転運動する構成部材(図示せず)の回転角度を検出するために使用される。この構成部材には少なくとも1つの永久磁石5が連結されている。選択的な実施形態(図示せず)では、センサエレメント7が、回転運動する構成部材(図示せず)に接続されていて、少なくとも1つの永久磁石5は定置に配置されている。
【0023】
図5、
図6に示した実施形態では、本発明による磁気的測定装置20a,20bが、運動方向9に沿って並進運動する構成部材(図示せず)の位置を検出するために使用される。この構成部材には少なくとも1つの永久磁石25が連結されている。選択的な実施形態(図示せず)では、センサエレメント27が、並進運動する構成部材(図示せず)に接続されていて、少なくとも1つの永久磁石25は定置に配置されている。
【0024】
図1によりさらに判るように、シールドエレメント10は、図示した第1の実施形態では、円形又は角形の横断面を有する、上方及び下方で開放されたフレーム10a若しくは中空体として形成されており、センサエレメント7と永久磁石5とを取り囲んでいる。
【0025】
図2によりさらに判るように、シールドエレメント10は、図示した第2の実施形態では、円形又は角形の横断面を有する、下方で開放されたポット10b若しくは中空体として形成されており、センサエレメント7と永久磁石5とを取り囲んでいる。
【0026】
図3によりさらに判るように、シールドエレメント10は、図示した第3の実施形態では、円形又は角形の横断面を有する、上方及び下方で開放されたフレーム10cとして形成されており、センサエレメント7だけを取り囲んでいる。
【0027】
図4によりさらに判るように、シールドエレメント10は、図示した第4の実施形態では、円形又は角形の横断面を有する、上方及び下方で開放されたフレーム10dとして形成されており、永久磁石5だけを取り囲んでいる。
【0028】
図5によりさらに判るように、シールドエレメント10は、図示した第5の実施形態では、角形の横断面を有する、下方で開放されたポット10e若しくはU字形フレームとして形成されており、センサエレメント27を完全に取り囲んでいて、永久磁石25を部分的に取り囲んでいる。
【0029】
図6によりさらに判るように、シールドエレメント10は、図示した第6の実施形態では、角形の横断面を有する、環状体若しくは前方及び後方で開放された中空体として形成されており、センサエレメント27と永久磁石25とを取り囲んでいる。
【0030】
図7〜
図11に示したように、図示した実施形態では、フレームとして形成されたシールドエレメント10はそれぞれ1つの基体12a,12b,12c,12d,12eを有していて、これらの基体12a,12b,12c,12d,12eには間隙14a,14b,14c,14d,14eが設けられている。
【0031】
図7によりさらに判るように、図示したシールドエレメント10の基体12aは、円形の横断面と、段状の輪郭を有した間隙14aとを有している。
【0032】
図8によりさらに判るように、図示したシールドエレメント10の基体12bは、角形の横断面と、斜めの輪郭を有した間隙14bとを有している。
【0033】
図9によりさらに判るように、図示したシールドエレメント10の基体12cは、角形の横断面と、斜めの輪郭を有した間隙14cとを有している。さらに、基体12cの2つの側面は異なる高さを有しており、基体12cの別の2つの側面には切欠16が設けられている。
【0034】
図10によりさらに判るように、図示したシールドエレメント10の基体12dは、角形又は円形の横断面と、まっすぐな輪郭を有した間隙14dとを有している。
【0035】
図11によりさらに判るように、図示したシールドエレメント10の基体12eは、角形又は円形の横断面と、ジグザグ状の輪郭を有した間隙14eとを有している。
【0036】
図12〜
図16により判るように、可動の構成部材58の運動検出のための本発明によるセンサ装置30a,30b,30cの図示した実施形態は、それぞれ1つの測定値発信機50と、測定値受信機40a,40b,40cとを有している。
図12〜
図16によりさらに判るように、測定値受信機40a,40b,40cは、少なくとも1つのセンサエレメント7が配置されている第1のハウジング42a,42b,42cを有している。測定値発信機50は、少なくとも1つの永久磁石5が配置されている第2のハウジング52を有している。さらに、第1のハウジング42a,42b,42cは、例えば中空リベットとして形成された接続エレメント44を介して第2のハウジング52に結合されている。車両にセンサ装置30a,30b,30cを取り付けるために、中空リベット内にねじが通され、適合する収容部内でねじ固定される。
【0037】
図12〜
図16によりさらに判るように、本発明によるセンサ装置30a,30b,30cの図示した実施形態は、ブレーキペダル又はアクセルペダルにおける運転者の意志を検出するために、ペダル(図示せず)に連結されている操作レバー58の回転運動の検出に使用される。
図12〜
図16によりさらに判るように、測定値発信機50は図示した実施形態では同一に形成されている。この場合、少なくとも1つの永久磁石5に結合された軸は操作レバー58によって、ペダル(図示せず)の戻しばね59の力に抗して回転される。永久磁石5の上方には、磁気的エアギャップを成す所定の間隔を置いて、好適にはASIC(特定用途向け集積回路)として形成されている少なくとも1つのセンサエレメント7が位置している。少なくとも1つのセンサエレメント7は、少なくとも1つの永久磁石5の回転運動に基づき変化する少なくとも1つの磁気量を検出する。これにより少なくとも1つのセンサエレメント7は、ASICの後続の評価回路に信号を送り、この信号は、操作レバー58が通過した絶対的な回転角度へと変換される。
【0038】
図12〜
図16によりさらに判るように、測定値発信機50のハウジング52は空所54を有していて、この空所54内には、円形の横断面を有し、かつスリットが設けられたフレーム10dとして形成されたシールドエレメント10,10dが挿入されている。好適には、シールドエレメント10,10dは、空所54よりも大きな外径を有して形成されており、緊張状態で空所54内に挿入され位置決めされる。更に空所54内にはシール部材56が配置されており、このシール部材56はシールドエレメント10,10dの内壁に当接している。
【0039】
図12〜
図14にさらに判るように、本発明によるセンサ装置30aの図示した第1の実施形態は1つのシールドエレメント10,10dしか有しておらず、このシールドエレメント10,10dは、測定値発信機50の第2のハウジング52内に、少なくとも1つの永久磁石5を取り囲むように配置されている。
【0040】
図15によりさらに判るように、本発明によるセンサ装置30bの図示した第2の実施形態は、測定値発信機50の第2のハウジング52内に配置されたシールドエレメント10,10dの他に、フード10gとして形成された別のシールドエレメント10を有している。このシールドエレメント10,10gは、測定値受信機40bの第1のハウジング42bを、従って少なくとも1つのセンサエレメント7を部分的に取り囲んでいる。
【0041】
図16によりさらに判るように、本発明によるセンサ装置30cの図示した第3の実施形態は、測定値発信機50の第2のハウジング52内に配置されたシールドエレメント10,10dの他に、ポット10bとして形成された別のシールドエレメント10を有している。このシールドエレメント10,10bは、測定値受信機40cの第1のハウジング42cに組み込まれていて、少なくとも1つのセンサエレメント7を取り囲んでいる。
【0042】
本発明の実施形態により、少なくとも1つのシールドエレメントによって、外部磁界からの影響を最小化することができ、既存のハウジング設計内にシールドエレメントを簡単に組み込むことができるので、付加的な組み付け体積は必要ない。
【国際調査報告】