(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-537457(P2015-537457A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】補聴器フィッティング・システムおよび補聴器フィッティング・システムをフィッティングする方法
(51)【国際特許分類】
H04R 25/00 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
H04R25/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-540054(P2015-540054)
(86)(22)【出願日】2012年12月21日
(85)【翻訳文提出日】2015年5月1日
(86)【国際出願番号】EP2012076570
(87)【国際公開番号】WO2014094866
(87)【国際公開日】20140626
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.ETHERNET
(71)【出願人】
【識別番号】500011045
【氏名又は名称】ヴェーデクス・アクティーセルスカプ
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】東京UIT国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴェスタゴォア・アナス
(72)【発明者】
【氏名】アンデルセン・スヴェンド・ヴィティング
(57)【要約】
補聴器システム(110)を遠隔フィッティングするように構成される補聴器フィッティング・システム(100,200,300)であって,補聴器フィッティング・パートと,上記補聴器システム(110)と直接に通信するように構成される外部装置(102,302)との間の直接通信チャンネルが,補聴器フィッティング・パート,外部装置および補聴器フィッタの固有識別子に基づいて制御サーバ(103)によって確立される。この発明は補聴器システムの遠隔フィッティング方法も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補聴器を遠隔フィッティングするように構成される補聴器フィッティング・システムであって,
クライアント,外部装置,制御サーバ,ルックアップ手段およびリンク手段を備え,
上記クライアント,外部装置,制御サーバ,ルックアップ手段および補聴器が,リンク手段によって通信するように構成されており,
上記ルックアップ手段が,複数の検索ターム・タイプに基づいて固有機器識別子を検索できるように構成されており,
上記クライアントが,
補聴器をフィッティングするように構成されるフィッティング・ソフトウエア,
上記ルックアップ手段を用いて固有機器識別子を選択するように構成される選択手段,および
上記制御サーバに接続して,上記クライアントの現在のコンピュータ・ネットワーク・アドレス,選択された固有機器識別子および補聴器フィッタ識別子を上記制御サーバに提供し,上記フィッタ識別子を保持する人物のために上記クライアントと上記固有機器識別子を持つ上記外部装置との間の直接通信チャンネルの確立を上記制御サーバに対して要求するように構成される接続ソフトウエア手段を備えており,
上記外部装置が,
固有機器識別子,上記外部装置の上記固有機器識別子および現在のコンピュータ・ネットワーク・アドレスを上記制御サーバに提供するように構成される外部装置ソフトウエア・アプリケーション手段,ならびに上記直接通信チャンネルを通じて送信されるデータの内容を上記補聴器システムに向けるように構成されるリダイレクト手段を備え,
上記制御サーバが,
上記現在のコンピュータ・ネットワーク・アドレス(複数)および選択された固有機器識別子に基づき,かつ上記補聴器フィッタ識別子を保持する補聴器フィッタが上記固有機器識別子を有する上記外部装置にアクセスする資格を有しているかどうかの評価に基づいて,上記クライアントと上記外部装置との間の上記直接通信チャンネルを提供するように構成されるインターフェース手段を備えている,
補聴器フィッティング・システム。
【請求項2】
上記複数の検索ターム・タイプが,補聴器ユーザの名称,補聴器フィッティング・クリニックの名称,補聴器フィッティング・クリニックにおける特定場所の名称,補聴器フィッタの名称および公的機関の名称から構成されるグループからの少なくとも2つのタイプを含む,請求項1に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項3】
上記外部装置が特定の補聴器フィッタ識別子を記憶できるように構成されており,
上記外部装置にアクセスできるようにするために,上記評価が,アクセスを要求する補聴器フィッタの識別子と上記外部装置に記憶されている補聴器フィッタ識別子の比較を含む,請求項1または2に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項4】
ユーザ・ログインに基づいて上記クライアントは上記補聴器フィッタ識別子へのアクセスが許可される,請求項1または2に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項5】
上記選択手段および上記ソフトウエア・アプリケーション手段が上記フィッティング・ソフトウエアの一部として統合されている,上記請求項のいずれか一項に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項6】
上記ルックアップ手段が,少なくとも一つの個別サーバとして設けられている,上記請求項のいずれか一項に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項7】
上記外部装置が埋込機器である,上記請求項のいずれか一項に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項8】
上記外部装置が,ユーザの行為が上記外部装置をコンピュータ・ネットワーク・コネクタに組み込むだけでよいように構成されている,上記請求項のいずれか一項に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項9】
上記固有機器識別子が,上記外部装置によって検索された固有補聴器システム識別子である,上記請求項のいずれか一項に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項10】
上記固有機器識別子が固有外部装置識別子である,請求項1から8のいずれか一項に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項11】
上記ルックアップ手段が,いくつかの上記検索タームにより固有補聴器システム識別子を見つけることができ,他の上記検索タームにより固有外部装置識別子を見つけることができるように構成されている,請求項1から8のいずれか一項に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項12】
上記クライアントが,ウェブ・ブラウジング手段を備えるシン・クライアントと,上記フィッティング・ソフトウエアを備えるフィッティング・サーバー・パートの2つのサブ・パートを備え,対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースおよび上記フィッティング接続ソフトウエア手段が,上記クライアントの上記サーバー・パートと上記外部装置との間の直接通信チャンネルを確立することを上記制御サーバに要求するように構成されている,上記請求項のいずれか一項に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項13】
上記シン・クライアントが無線イーサネット・アクセス・ポイントを備え,これによって上記外部装置が上記クライアントを通じてインターネットに接続可能である,請求項9に記載の補聴器フィッティング・システム。
【請求項14】
クライアント,ルックアップ手段,外部装置,制御サーバおよび補聴器システムを用意し,
上記クライアントおよび上記ルックアップ手段を用いて固有機器識別子を選択し,
上記クライアントを用いて,選択された機器識別子,上記クライアントの現在のコンピュータ・ネットワーク・アドレス,および補聴器フィッタ識別子を,上記制御サーバに提供し,
上記外部装置を用いて上記固有機器識別子および上記外部装置の現在のコンピュータ・ネットワーク・アドレスを上記制御サーバに提供し,
上記クライアントを用いて上記クライアントと上記外部装置との間の直接通信チャンネルを確立することを上記制御サーバに要求し,
上記制御サーバを用いて,上記補聴器フィッタ識別子を保持する補聴器フィッタが上記固有機器識別子を有する外部装置にアクセスする資格を有しているかどうかを評価し,
上記制御サーバを用いて上記クライアントと上記外部装置との間の直接通信チャンネルを確立し,
上記クライアント,上記直接通信チャンネルおよび上記外部装置を用いて,上記補聴器システムを遠隔的にフィッティングする,
補聴器システムをフィッティングする方法。
【請求項15】
上記外部装置に上記補聴器フィッタ識別子を記憶するステップをさらに備え,
上記補聴器フィッタ識別子を保持する補聴器フィッタが上記固有機器識別子を有する外部装置にアクセスする資格を有するかどうかを推定する上記ステップが,
上記アクセスを要求する補聴器フィッタの識別子と上記外部装置に記憶されている補聴器フィッタ識別子を比較するステップをさらに含む,
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記クライアントを用いて補聴器フィッタ識別子を上記制御サーバに提供するステップが,
ユーザ・ログインに基づいて上記補聴器フィッタ識別子を取得するステップを含む,
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は補聴器フィッティング・システムに関する。この発明はまた,補聴器システムをフィッティングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願の開示において,補聴器は,聴覚障害者の耳の後ろまたは耳の中に装着されるように設計される,小さい,小型電子機器として理解される。補聴器システムは,1つの補聴器だけを備えるモノラルのものであることもあれば,2つの補聴器を備えるバイノーラルのものであることもある。使用に先立ち,補聴器は処方にしたがって補聴器フィッタによって調整される。上記処方は,いわゆるオージオグラムが得られる,聴覚障害者の裸耳聴能の聴覚検査に基づく。上記処方は,ユーザが聴覚損失を蒙っている可聴周波数範囲の部分における周波数の音を増幅することによって補聴器が難聴を軽減することになる設定となるように構築される。補聴器は,一または複数のマイクロフォン,信号処理装置を含む小型電子回路,および音響出力トランスデューサを備える。上記信号処理装置は好ましくはデジタル信号処理装置である。補聴器は耳の後ろまたは耳の中にフィットするのに適切なケース内に収められる。
【0003】
従来の補聴器フィッティング・クリニックでは,各補聴器フィッタがオフィスを構えており,補聴器フィッタがオフィス内に所持しているフィッティング機器を用いてユーザの補聴器が調整される。典型的には,上記フィッティング機器は,適切な補聴器プログラミング・ソフトウエアを実行可能なコンピュータと,上記コンピュータと補聴器との間にリンクを構築するプログラミング装置とを含む。
【0004】
補聴器ユーザの中には特別な好みを有する者や,高い力量を持つ補聴器フィッタからの支援を必要とする難聴タイプを患っている者がいる。このような場合には,補聴器ユーザは,この専門の補聴器フィッタのところまで出かける必要があるが,補聴器ユーザにとってそれが困難であったり,費用が嵩んだりすることがある。
【0005】
従来の補聴器フィッティング・クリニックでは,一人の補聴器フィッタがフィッティング手順の全体を担当している。多くの補聴器フィッタは,特定タイプの聴覚損失をフィッティングする専門性の高い知識や補聴器の特定機能をフィッティングする専門性の高い知識を持っているので,従来のフィッティング手順が常に最適な解決策とならないことがある。
【0006】
より柔軟な補聴器フィッティング手順を提供するにあたって様々なタイプの遠隔フィッティングによる手助けを得ることができる,補聴器を遠隔フィッティングする方法が従来技術において提案されている。
【0007】
ドイツ特許公開DE−A1−19699234は補聴器をフィッティングする方法を開示しており,遠隔データ送信リンクを用いてフィッティング機器から補聴器にデータが送信され,補聴器ユーザと補聴器フィッタとの間の距離に実質的に無関係に補聴器フィッティングを実行することができる。一実施態様では上記システムはISDNリンクを用いて接続される2つのコンピュータを備え,他の実施態様においては上記2つのコンピュータの一つが,上記送信リンクを通じて受信されるデータを上記補聴器が解釈可能なデータフォーマットに変換する手段を備えている。
【0008】
ドイツ実用新案公開DE−U1−29905172は,電話回線,モデムまたはコンピュータに直接に結合可能なプログラミング装置を開示しており,これによって上記プログラミング装置に向けておよびプログラミング装置からデータを送信することができる。上記プログラミング装置は補聴器の設定にアクセスしかつ調整するように構成されている。このようにすることで補聴器フィッタは,上記プログラミング装置と,補聴器フィッタのオフィス内にある上記プログラミング装置とフィッティング・ソフトウエアとの間のデータ通信リンクを提供する電話線とを用いて,遠隔地の補聴器の設定を調整することができる。
【0009】
国際公開WO−A2−2011/128462は,複数の個々の補聴器ユーザに対して遠隔サポートを提供する方法を開示する。サポート・セッションに先立ち,ペアリング情報を記憶することによってユーザ(複数)はプロバイダ(提供者)(複数)とペアリングされ,サポート・セッションを開始するときに上記記憶されたペアリング情報が用いられてサポート・プロバイダ(支援提供者)が決定される。好ましい実施態様によると,ユーザ・コンピュータとサポーター・コンピュータとの間でやりとりされるデータは中継サーバによって中継され,これによりユーザおよびサポート・プロバイダの双方をファイヤウォールの内側に配置することができる。
【0010】
国際公開WO−A2−2011/128462に開示されている実施態様は,補聴器ユーザに対して,ユーザのコンピュータにインストールすることが必要とされるアプリケーション・ソフトウエアを起動して,個人の聴覚システムとユーザ・コンピュータとの間にデータ接続を確立する(構築する)ことを要求する点において,デメリットがある。
【0011】
この発明の特徴は,様々な得意分野を持つ(with different core competence)フィッティング担当者(fitting personnel)が補聴器フィッティング手順の様々な部分を効率的に実行できるようにする補聴器システムのフィッティング方法を提供することである。
【0012】
この発明の他の特徴は,様々な場所にいる(with different geographical locations)フィッティング担当者が一緒に補聴器フィッティング手順を柔軟に実行できるようにする補聴器システムのフィッティング方法を提供することである。
【0013】
この発明のさらに他の特徴は,様々な場所にいる複数の者(a multitude of persons)が補聴器フィッティング手順を実行できるようにする補聴器フィッティング・システムを提供することにある。
【発明の概要】
【0014】
第1の観点において,この発明は請求項1に記載の補聴器システムをフィッティングする方法を提供する。
【0015】
これにより,様々な場所にいる複数の者が補聴器フィッティング手順を実行できるようにする補聴器フィッティング・システムが提供される。
【0016】
第2の観点において,こ発明は請求項14に記載の補聴器の遠隔フィッティング方法を提供する。
【0017】
これにより補聴器システムを遠隔的にフィッティングする改善された方法が提供される。
【0018】
さらなる有利な特徴は従属請求項から明らかにされる。
【0019】
この発明のさらに他の特徴は,この発明をより詳細に説明する以下の記載から当業者に明らかにされよう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明の第1の実施態様による補聴器フィッティング・システムをかなり模式的に示している。
【
図2】この発明の第2の実施態様による補聴器フィッティング・システムをかなり模式的に示している。
【
図3】この発明の第3の実施態様による補聴器フィッティング・システムをかなり模式的に示している。
【
図4】この発明の第1の実施態様による補聴器フィッティング・システムをよりグラフィカルに示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一例として,この発明の好ましい実施態様を示しかつ記載する。当然ではあるが,この発明は他の実施態様が可能であり,そのいくつかの詳細は,この発明から逸脱することなく,様々な明らかな観点において修正可能である。したがって図面および説明は本質的に例示にすぎず,限定するものではない。
【0022】
本開示において,インターネット,コンピュータ・ネットワークおよびローカル・エリア・ネットワークの用語は相互に交換可能に使用される。これらに共通の特徴は,これらのいずれかのコンピュータ・ネットワークに接続される装置は,ネットワーク・アドレスに基づいてアクセス可能であることである。
【0023】
第1の観点において,発明者は,任意の補聴器フィッタが,場所に無関係に,補聴器フィッティング手順の少なくとも一部を実行できるようにする補聴器フィッティング・システムを見いだした(found)。
【0024】
第2の観点において,発明者は,非常に柔軟性がありかつ使用が容易な(インターネットまたはローカル・エリア・ネットワークのような利用可能なコンピュータ・ネットワークが設けられる場合)補聴器フィッティング・システムであって,以下と無関係に用いることができる上記補聴器フィッティング・システムを見いだした。
・補聴器ユーザが補聴器フィッタのオフィス内においてフィッタの隣にいるかどうか。
・上記ユーザが自宅におり,かつ上記フィッタが自己のオフィスまたはその他の場所にいるかどうか。
・上記ユーザがある聴覚クリニックにおり,かつ上記フィッタが同じクリニックの別の部屋にいる,または別のクリニックにいる,または自宅にいるかどうか。
・補聴器ユーザがフィッタの支援なしに自分の補聴器を微調整することを望んでいるかどうか。
【0025】
はじめに
図1を参照して,
図1はこの発明の第1の実施態様による補聴器フィッティング・システム100をかなり模式的に示している。上記補聴器フィッティング・システム100は,クライアント101,外部装置(機器)102,制御(管理)サーバ103,補聴器ユーザ・データベース・サーバ104および補聴器システム110を備えている。
【0026】
上記クライアント101はさらに,補聴器フィッティング・ソフトウエア105,フィッティング接続ソフトウエア106およびフィッティング・ソフトウエア・ドライバ107を備えている。上記外部装置102は,外部装置接続ソフトウエア108および外部装置ソフトウエア・ドライバ109を備えている。
【0027】
上記補聴器フィッティング・システム100の個々の構成要素は,この発明による補聴器フィッティング・セッションにおいて実行される方法ステップの説明を通じて,以下にさらに記載される。
【0028】
補聴器フィッタは,クライアントおよびインターネット・アクセスが利用可能であるクリニック内の自分のオフィス,自宅またはその他の場所にいる。
【0029】
補聴器フィッタが簡単かつ効果的に所望の外部装置を見つけることができるようにするために,上記制御サーバ103は固有外部装置識別子(複数)および様々なタイプの検索可能名(複数)の対(複数)(pairs of unique external device identifications and searchable names of different types)を保持するルックアップ・データベースを備えている。上記検索可能名は,ある特定のユーザに割り当てられる外部装置については「補聴器ユーザ」タイプ(the type “hearing aid user”)とすることができ,特定のクリニックによって所有されかつ使用される外部装置については「クリニック」タイプ(the type “clinic”)とすることができ,特定の補聴器フィッタによって所有される機器については「補聴器フィッタ」タイプ(the type “hearing aid fitter”)とすることができ,図書館,病院,または他の政府機関のような公的機関に配置されている機器については「公的機関」タイプ(the type “institution”)とすることができる。
【0030】
「クリニック」および「公的機関」タイプの外部装置には,特定のクリニック名または公的機関名だけではないより多くの情報,たとえば「クリニック−1」および「クリニック−2」,または「クリニック−ルーム1」および「クリニック−ルーム2」などを含む名称を持たせてもよい。
【0031】
このルックアップ・データベースの構造は,補聴器フィッタが特定の外部装置を素早くかつ効率的に見つけることができることを保証する。
【0032】
上記制御サーバ103を保全する(maintaining)サービス・プロバイダが上記ペアリング情報を上記制御サーバ103のルックアップ・データベースに提供することができるが,補聴器フィッタも,補聴器ユーザが自分の外部装置を受け取ったとき,補聴器フィッタが外部装置を自己の個人外部装置として登録するとき,または特定のクリニックに割り当てるとき,さらにはそのクリニック内における特定の場所または目的に割り当てるときに,この情報を上記制御サーバ103のルックアップ・データベースに直接に提供することができる。
【0033】
外部装置が補聴器ユーザによって使用されるかもしくは補聴器フィッタによって使用されるか,または外部装置が自宅で使用されるかもしくは補聴器クリニックで使用されるかとは無関係に,全く同じように外部装置102が操作されることが,この発明の特有の利点である。上記外部装置102が電源オンされてコンピュータ・ネットワークに接続されると,上記外部装置接続ソフトウエア108が上記制御サーバ103に対して接続を確立し(establish contact),上記外部装置がオンラインであることを報告し,上記固有外部装置識別子および現在のコンピュータ・ネットワーク・アドレスを提供する。基本的にこれらのステップは,フィッティングに先立っていつでも実行することができる。補聴器システム110が上記外部装置102の無線範囲内に入ると,上記外部装置接続ソフトウエア108は補聴器システム110に対する接続も確立する。
【0034】
記憶されるのが上記外部装置識別子であるから,たとえば補聴器ユーザが自己の補聴器システムを取り替えたとしても,上記制御サーバに記憶されるペアリング情報を更新する必要がないことが本願発明の特有の利点である。
【0035】
上記外部装置が補聴器システム110から固有補聴器システム識別子を読み出すように構成されるとすれば,上記外部装置および補聴器システムは複雑さが増す。しかしながら,
図1の実施態様の変形例においては,上記固有外部装置識別子は,上記外部装置によって上記補聴器システムから読み出される固有補聴器システム識別子によって置き換えられる(replaced)。
【0036】
以下において,一般用語である固有機器識別子(unique device identification)を,上記固有補聴器システム識別子および固有外部装置識別子の両方を示すものとして用いる。
【0037】
次のステップでは,上記補聴器フィッタは,補聴器フィッティング・ソフトウエア105を用いて補聴器ユーザ・データベース・サーバ104をアクセスし,補聴器システム100のフィッティングを実行すべき補聴器ユーザのエントリーを選択する。固有補聴器ユーザ識別子コードは各補聴器ユーザに割り当てられる。上記補聴器ユーザ・データベース・サーバ104は,各補聴器ユーザについて,聴覚損失ならびに現在および過去のフィッティングのデータ,換言するとフィッティング手順を開始するのに必要な情報を備えている。これらのデータの補聴器フィッティング・ソフトウエア105へのロードが完了すると,フィッティング接続ソフトウエア106が上記制御サーバ103に対する接続を確立し,クライアント101の現在のコンピュータ・ネットワーク・アドレスを上記制御サーバ103に提供する。上記クライアント101のユーザは次に上記ルックアップ・データベースを用いて固有外部装置識別子を選択し,上記クライアント101と選択された外部装置102の間の直接通信チャンネル(direct communication channel),したがって上記補聴器システム110への直接通信チャンネルを確立することが,上記制御サーバ103に対して要求(リクエスト)される。
【0038】
未認証アクセスを避けるために,補聴器フィッタはログオンおよびパスワードを用いて上記制御サーバ103にログオンする。この実施態様の変形例では,上記ログオン・プロセスは上記補聴器フィッティング・システム内において行う必要はない。さらなる変形例では,これに代えて上記外部装置を用いるためのアクセスを制限できるので,制御サーバ103に対するアクセスを制限しなくてもよい。さらに他の変形例では,アクセス制限を必要としない補聴器フィッティング・システムがあってもよい。これは,たとえば,公的機関に設けられる外部装置のみに向けられた(directed)補聴器フィッティング・システムの場合である。
【0039】
他の変形例では,遠隔補聴器フィッティングを実行するための未認証アクセスは,上記制御サーバに対して補聴器フィッタ識別子を提供するように上記フィッティング接続ソフトウエア106をさらに適合し,かつ上記補聴器フィッタ識別子を持つ上記補聴器フィッタがその固有機器識別子によって定義される所定の外部装置にアクセスすることが許可されているかどうかを評価する(推定する)(evaluate)ように上記制御サーバ103をさらに適合することによって避けられ,ここで上記外部装置は特定の補聴器フィッタ識別子を記憶できるように構成され,上記制御サーバのインターフェース手段が,上記外部装置へのアクセスを許可するために,上記評価が,上記アクセスを要求する補聴器フィッタ識別子と上記外部装置に記憶されている補聴器フィッタ識別子の比較を含むように構成される。変形例では,特定のアカウントを用いて補聴器フィッティング・ソフトウエア105にロギングするとき(すなわちログオン)に,補聴器フィッタまたは補聴器ユーザが補聴器フィッタ識別子を検索する。このやり方では選択されたアカウントがアクセス可能な外部装置の範囲を決定する。
【0040】
さらなる変形例では,補聴器フィッタ識別子と特定の装置識別子とをリンクする情報を上記外部装置内に記憶する必要がなく,これに代えて,たとえば制御サーバ103内またはルックアップ・データベースといった他の場所に記憶することができる。
【0041】
図1の実施態様によると,上記ルックアップ・データベースは制御サーバ103に設けられ,上記補聴器フィッティング・システム内においてアクセスされるが,しかしながら,これは必ずしもそうである必要はない。
【0042】
変形例では,上記ルックアップ・データベースは独立したデータベース(a separate database)または各データベースが特定タイプの検索タームのみを含む複数のデータベースを備えている。これらの変形例のいずれにおいても,上記フィッティング接続ソフトウエア106は,選択された検索タイプに基づいてルックアップ・データベースに対する接続を確立し,固有機器識別子を検索し,その後に固有機器識別子がクライアントのコンピュータ・ネットワーク・アドレスとともに上記制御サーバ103に提供され,上記クライアントと上記外部装置の間の直接通信の確立をリクエストする。
【0043】
さらに他の変形例では,上記ルックアップ手段は,いくつかの(some)検索タームによって固有補聴器システム識別子を見つけることができ,他方,他の検索タームによって固有外部装置識別子を見つけることができるように構成される。さらに他の変形例では,いくつかの検索タームによって上記2つの識別子のいずれもが検索されるようにすることもできる。
【0044】
発明者は,様々な実施態様による補聴器フィッティング・システムは,補聴器フィッタにとって柔軟な有利な組合せ(結合)を提供し,他方,簡単かつ効率的に,管理される補聴器システムにアクセスできることを見いだした。
【0045】
本願発明の補聴器フィッティング・システムの一の応用例は,補聴器ユーザに個人の外部装置を提供することを含む。この場合,上記ルックアップ・データベースは,補聴器ユーザ名と上記外部装置識別子とをリンクし,アクセスは典型的には一人の専門補聴器フィッタおよび補聴器ユーザ自身に限定される。
【0046】
本願発明の補聴器フィッティング・システムの他の応用例は,補聴器フィッタに,外出時にも持ち運ぶことができる自己が所有する個人の外部装置を提供することを含む。この場合には,上記ルックアップ・データベースは,補聴器フィッタ名と外部装置識別子とをリンクし,アクセスは典型的には専門補聴器フィッタ自身に限定される。
【0047】
この発明の補聴器フィッティング・システムのさらに他の応用例は,公的機関に外部装置を提供することを含み,上記外部装置には,補聴器ユーザが,または専門補聴器フィッタの団体に所属する任意の者が,または場合によっては特定ブランドの補聴器のフィッティングに精通した補聴器フィッタだけが,アクセスすることができる。この場合には,上記ルックアップ・データベースは,補聴器ユーザのタイプおよび補聴器フィッタ団体と,外部装置識別子とをリンクし,アクセスは補聴器ユーザおよび上記団体に所属する専門補聴器フィッタ(複数)に限定される。
【0048】
図1の実施態様によると,上記フィッティング・ソフトウエア・ドライバ107がユニバーサル・シリアル・バス(USB)から出力される補聴器フィッティング・ソフトウエア・データのプロトコルを,ネットワーク・プロトコルたとえばユーザ・データグラム・プロトコル(User Datagram Protocol)(UDP)に変換し,上記外部装置ソフトウエア・ドライバ109が上記クライアント101からの受信データを,上記ネットワーク・プロトコルから補聴器システム110へのデータ送信に適するプロトコルに変換する。後者のプロトコルは,通常は個々の補聴器システム製造業者ごとに異なる独自プロトコルである。
【0049】
図1の実施態様によると,上記外部装置102から補聴器システム110へのデータは,無線リンク手段を用いて送信される。変形例においては,上記データは,無線リンク手段を用いることなくすなわち有線接続を通じて送信される。
【0050】
図1の実施態様による変形例においては,上記外部装置102は,標準インターネット・モデムのイーサネット接続(an Ethernet connection of a standard internet modem)に直接に組み込まれる(inserted)ように構成される。しかしながら,基本的には,上記モデムの任意のコンピュータ・ネットワーク接続を用いることができる。
【0051】
図1の実施態様による変形例においては,上記データベース・サーバ104がクライアント101の一部として統合される。
【0052】
図1の実施態様による変形例においては,上記外部装置102から上記補聴器システム110へのデータは少なくとも部分的に有線リンク手段を用いて送信される。
【0053】
図1の実施態様による他の変形例においては,補聴器フィッティング・ソフトウエア105およびリンク手段が上記クライアント101と上記外部装置102との間のデータ送信を提供し,上記外部装置102と上記補聴器システム110の間で同じプロトコルの使用が設定される場合には,上記ソフトウエア・ドライバ107および109を省略することができる。さらなる変形例においては,上記フィッティング・ソフトウエアが適切なネットワーク・プロトコルにおいて出力を提供することができる場合にはソフトウエア・ドライバ107のみを省略することができ,上記外部装置102と補聴器システム110との間のデータ送信が適切なネットワーク・プロトコルを用いることができる場合には上記ソフトウエア・ドライバ109のみを省略することができる。
【0054】
図1による補聴器フィッティング・システムは,補聴器システム110がファイヤウォールの内側に守られている場合であっても,上記補聴器システム110と一緒に上記ファイヤウォールの内側に位置する上記外部装置102からのリクエストに応じて直接通信チャンネルが設定されるので,簡単に遠隔フィッティングを実行することができるという利点がある。
【0055】
図1による補聴器フィッティング・システムは,上記フィッティング接続ソフトウエア106および上記フィッティング・ソフトウエア・ドライバ107の使用を通じて,選択されるフィッティング・ソフトウエア・プラットフォームと事実上無関係に簡単に遠隔フィッティングを実行することができるというさらなる利点がある。
【0056】
図1による実施態様は,フィッティング・ソフトウエアそれ自体を変更することなく,既存の補聴器フィッティング・ソフトウエアで既存の補聴器システムを遠隔的にフィッティングすることができる点においてさらなる利点がある。
【0057】
さらに
図1による実施態様は,この発明による上記遠隔フィッティングを可能にするために補聴器ユーザに要求されることが,上記外部装置102をネットワーク接続に組み込みかつ補聴器システム110を上記外部装置102の無線リンク手段の範囲内に入れることだけであるという利点がある。すなわち,上記外部装置を埋込機器(組込機器)(embedded device)として実装することができる。
【0058】
次に
図2を参照して,
図2はこの発明の第2の実施態様による補聴器フィッティング・システムをかなり模式的に示している。
【0059】
図2の補聴器フィッティング・システム200は,基本的に
図1の補聴器フィッティング・システム100と同じ構成を備えているが,上記クライアント101がユーザ・クライアント202と補聴器フィッティング・サーバ201とに分かれている点が異なる。
【0060】
上記ユーザ・クライアント202はウェブ・ブラウザを有するシンプルな機器である。補聴器フィッティング・サーバ201は,
図1を参照して既述したフィッティング接続ソフトウエア106およびドライバ107と,ウェブ・サービスとして実装される補聴器フィッティング・ソフトウエア205とを備え,上記ユーザ・クライアント202に補聴器フィッティング・ソフトウエアをインストールする必要はなく,上記ユーザ・クライアント202を用いて補聴器システムをフィッティングするためにはウェブ・ブラウザさえあればよい。特に補聴器フィッティング・ソフトウエア205のウェブ・サービスは,上記ユーザ・クライアント202にグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供する。
【0061】
図2の実施態様は,ユーザ・クライアントがプラットフォームに依存しない汎用機器である点,および上記ユーザ・クライアント202と補聴器フィッティング・サーバ201の間の通信が補聴器フィッティング・サーバ201について選択されるプラットフォームに依存しない点に特に利点がある。
【0062】
したがって
図2の実施態様によるユーザ・クライアント202は任意のウェブ可能機器(web enabled device),たとえばオペレーティング・システムに依存しないスマートフォンやタブレットPCなどとすることができる。
【0063】
次に
図3を参照して,
図3はこの発明の第3の実施態様による補聴器フィッティング・システム300をかなり模式的に示している。
【0064】
図3の補聴器フィッティング・システム300は,基本的に
図2の補聴器フィッティング・システム200と同じ構成を備えているが,ユーザ・クライアント301がウェブ・ブラウザ304に加えて無線アクセス・ポイント303を備えている点,外部装置302が,上記ユーザ・クライアント301の無線アクセス・ポイント303を用いて,上記制御サーバ103への一時的な接続と上記補聴器フィッティング・サーバ201への直接通信チャンネルとを構築できるようにするための無線リンク手段を備えている点が異なる。
【0065】
図3の実施態様は,補聴器システムをフィッティングするために,補聴器ユーザはユーザ・クライアント301と,外部装置302と,インターネット・アクセスを必要とするだけである点において特に有利である。
図3の実施態様による補聴器フィッティング・システム300では,上記外部装置302はユーザ・クライアント301のアクセス・ポイント303を通じてインターネットに接続するので,モデムを必要としない。
【0066】
図3の実施態様の変形例では,上記ユーザ・クライアント301はスマートフォンまたはタブレットPCである。
【0067】
図3の実施態様の変形例においては,上記外部装置302は,外部装置が電源オンされるとすぐに上記制御サーバ103に対して接続の確立を求める。
【0068】
図2および
図3の実施態様の変形例では,上記クライアント201の上記補聴器フィッティング・ソフトウエア205が,グラフィカル・ユーザ・インターフェース・サーバと補聴器フィッティング・サーバとに分配される(distributed)。
【0069】
最後に
図4を参照して,
図4はこの発明の第1の実施態様による補聴器フィッティング・システム100をよりグラフィカルに示している。
【0070】
補聴器フィッティング・システム100は,クライアント101,外部装置102,制御サーバ103,補聴器ユーザ・データベース・サーバ104および補聴器システム110を備えている。
【0071】
さらに標準モデム401が示されており,そこに上記外部装置102がイーサネット接続を用いて接続されている。変形例では任意のコンピュータ・ネットワークを用いることができる。
【0072】
上述した実施態様の変形例では,上記外部装置102,302は,基本的な通信を確立するサーバ(a basic communication establishing server)に提供される固有機器識別子を備え,上記固有機器識別子に基づいて,上記外部装置102,302は上記固有補聴器システム識別子を複数の制御サーバのうちの特定のものに提供することができ,これによって制御サーバの効果的なアレンジメント(efficient arrangement of the control servers)を達成することができる。
【0073】
上述した実施態様の他の変形例では,上記外部装置は埋込機器として実装されない。本願の開示において,埋込機器は大規模システム内において特定の機能のみを実行するように設計されるものとして定義される。対照的に,汎用目的のコンピュータ,たとえばパーソナル・コンピュータ(PC)は,柔軟かつエンドユーザの広範なニーズを満たすように設計される。
【0074】
上述したすべての実施態様の変形例では,上記イーサネット・プロトコルおよび接続は,他の適切なコンピュータ・ネットワーク・プロトコル,たとえば通信制御プロトコル(TCP)またはユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)および接続と置き換えることができる。
【0075】
上述した実施態様のさらに別の変形例では,上記クライアント101と外部装置102との間の通信チャンネルは,上記制御サーバ103によって仲介(媒介)される(mediated),トランスミッション・コントロール・プロトコル(TCP)またはユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)ホール・パンチング(hole punching)を用いて確立される。
【0076】
上述した実施態様のさらに他の変形例では,追加的な機能を加えることができ,たとえば補聴器フィッタは,たとえば公的機関や補聴器クリニックの遠隔ルームに配置されている内部機器(internal device)を,訪問する補聴器ユーザのために利用できるようにして,上記外部装置が補聴器システムに接続されたときに自動的にアラート(alert)を受信する。これは,たとえば,上記クライアントを用いて上記制御サーバに対して上記クライアントが一の特定のまたは複数の外部装置を支援するために利用可能であるという情報を提供し,上記外部装置を用いて上記制御サーバに,上記外部装置の無線範囲内に上記補聴器システムが位置することによって補聴器システムが上記外部装置の一つによって検出されたときの情報を提供し,上記制御サーバを用いて上記クライアントを,すなわちこのイベントの補聴器フィッタをアラートすることによって行うことができる。
【0077】
補聴器フィッティング・システムの他の有利な使用によると,ソフトウエア・アプリケーション,たとえばスマートフォン・アプリケーションを,補聴器システムが特定の外部装置に接続完了したことの情報を上記制御サーバに提供するように構成することができ,これによってこのエクストラ機能を上記外部装置に含ませる必要がなくなる。
【0078】
さらなる有利な使用においては,他のソフトウエア・アプリケーション,たとえばスマートフォン・アプリケーションを,上記制御サーバから上記補聴器フィッタに対して,補聴器システムが外部装置の一つに接続完了したという情報を提供し,補聴器フィッタが担当するように構成することができる。これは,上記制御サーバにおいて,上記外部装置を担当するように設定される補聴器フィッタ識別子を,与えられるスマートフォン識別子にリンクすることによって簡単に実行することができる。
【国際調査報告】