(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-537501(P2015-537501A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】分散型エネルギ源システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20151201BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20151201BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20151201BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20151201BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20151201BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J13/00 311T
G06F1/26 Z
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-541986(P2015-541986)
(86)(22)【出願日】2013年11月11日
(85)【翻訳文提出日】2015年7月13日
(86)【国際出願番号】US2013069475
(87)【国際公開番号】WO2014075008
(87)【国際公開日】20140515
(31)【優先権主張番号】13/674,735
(32)【優先日】2012年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/836,971
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515126237
【氏名又は名称】ケヴィン・ジェイ・ウィリアムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ジェイ・ウィリアムズ
【テーマコード(参考)】
5B011
5G064
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5B011DA02
5B011DA13
5B011DB04
5B011EA10
5B011FF04
5G064AA04
5G064AC06
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB12
5G064CB21
5G064DA07
5G066HB09
5G066JA07
5G066JB03
5L049CC06
(57)【要約】
居住可能環境内においてエネルギを管理するシステムおよび方法を提供する。エネルギ蓄積システムは、エネルギの蓄積および管理を含む。エネルギの蓄積は、ユーザ選好に基づくことができる。エネルギの管理は、ユーザ選好およびマッピング・データにしたがって、居住可能環境内においてエネルギを誘導することを含む。マッピング・データは、電気取り出し口を居住可能環境内における場所および/またはデバイスに対応させることを含む。電気構成機器および電気デバイスを制御するために、マッピングに基づいて、計算デバイスによって命令が電気構成機器に供給される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能命令が具体化された1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記命令を実行すると、エネルギのフローを誘導するためのコンピュータ実装方法を実行し、前記方法が、
マッピング・データを受信するステップであって、前記マッピング・データが、少なくとも1つの電気取り出し口と少なくとも1つのデバイスとの間の組み合わせを含み、前記少なくとも1つの電気取り出し口および前記少なくとも1つのデバイスが、各々、居住可能環境に付帯され、前記居住可能環境が、加熱システム、冷却システム、および少なくとも1つの電気取り出し口の内少なくとも1つを含む、ステップと、
エネルギ管理命令を受けるステップと、
エネルギ源から前記少なくとも1つのエネルギ取り出し口へのエネルギのフローを誘導するステップであって、前記エネルギのフローの方向が、前記マッピング・データおよびエネルギ管理命令に基づく、ステップと、
を含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項2】
請求項1記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記マッピングが、更に、前記少なくとも1つのエネルギ取り出し口を前記居住可能環境における場所へのマッピングを含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項3】
請求項2記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記エネルギ源が、公益電力供給企業である、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項4】
請求項2記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記エネルギ源が、バッテリ・バンクおよびキャパシタ・バンクの内少なくとも1つであり、前記バッテリ・バンクおよびキャパシタ・バンクが、各々、前記居住可能環境に付帯される、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項5】
請求項2記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記エネルギ管理命令が、前記エネルギのフローをデバイスに誘導する命令、前記居住可能環境内において前記エネルギのフローを誘導する場所の命令、前記エネルギのフローを誘導する1日の時刻(time of day)の命令、および前記電気取り出し口に誘導するエネルギの量の命令の内少なくとも1つを含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項6】
請求項2記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記エネルギ管理命令をユーザから受ける、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項7】
請求項2記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記エネルギ管理命令をスマート・メータから受ける、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項8】
個人エネルギ管理システムであって、バッテリ・バンクと、キャパシタ・バンクと、メモリに結合されたプロセッサを有する計算デバイスとを含み、前記計算デバイスが、1組のモジュールと共に動作可能であり、前記1組のモジュールが、前記バッテリ・バンクおよび前記キャパシタ・バンクから1つ以上の構成機器へのエネルギのフローを管理するように構成され、前記1つ以上の構成機器が居住可能環境に付帯され、前記居住可能環境が、加熱システム、冷却システム、および電気取り出し口の内少なくとも1つを含む、個人エネルギ管理システム。
【請求項9】
請求項8記載のシステムにおいて、前記計算デバイスが、更に、前記バッテリ・バンクおよび前記キャパシタ・バンク内におけるエネルギの蓄積を管理し、前記エネルギの蓄積の管理が、蓄積するエネルギ量およびエネルギを蓄積する1日の時間の内少なくとも1つを含む、システム。
【請求項10】
請求項9記載のシステムにおいて、前記エネルギの蓄積の管理が、ユーザ選好に基づく、システム。
【請求項11】
請求項8記載のシステムにおいて、前記バッテリ・バンクが少なくとも1つのリチウム・イオン・バッテリを含む、システム。
【請求項12】
請求項8記載のシステムにおいて、前記計算デバイスが、更に、前記加熱システム、前記冷却システム、および電気取り出し口の内少なくとも1つからの過去のエネルギ使用データを収集するように構成される、システム。
【請求項13】
請求項8記載のシステムにおいて、前記計算デバイスが、更に、マッピング・データを含むように構成され、前記マッピング・データが、少なくとも1つのエネルギ取り出し口と、前記住居に適した環境内におけるデバイスおよび場所の内少なくとも1つとの間の組み合わせを含む、システム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、前記計算デバイスが、(1)マッピング・データおよび(2)エネルギ管理命令の双方に基づいて、前記エネルギのフローを管理するように構成される、システム。
【請求項15】
請求項14記載のシステムにおいて、前記エネルギ管理命令が、 前記エネルギのフローをデバイスに誘導する命令、前記居住可能環境内において前記エネルギのフローを誘導する場所の命令、前記エネルギのフローを誘導する1日の時刻の命令、および前記電気取り出し口に誘導するエネルギの量の命令の内少なくとも1つを含む、システム。
【請求項16】
請求項8記載のシステムであって、更にグラフィカル・ユーザ・インターフェースを含む、システム。
【請求項17】
請求項8記載のシステムにおいて、前記計算デバイスが、エネルギ管理命令をユーザから前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して受ける、システム。
【請求項18】
請求項8記載のシステムにおいて、前記計算デバイスが、スマート・メータと通信可能であり、前記スマート・メータからエネルギ管理命令を受ける、システム。
【請求項19】
エネルギのフローの誘導方法であって、
マッピング・データを受信するステップであって、前記マッピング・データが、少なくとも1つの電気取り出し口と少なくとも1つのデバイスとの間の組み合わせを含み、前記少なくとも1つの電気取り出し口および前記少なくとも1つのデバイスが、各々、居住可能環境に付帯され、前記居住可能環境が、加熱システム、冷却システム、および前記少なくとも1つの電気取り出し口の内少なくとも1つを含む、ステップと、
エネルギ管理命令を受けるステップと、
バッテリ・バンクおよびキャパシタ・バンクの内少なくとも1つから前記少なくとも1つのエネルギ取り出し口に、エネルギのフローを誘導するステップであって、前記エネルギのフローの誘導が、前記マッピング・データおよびエネルギ管理命令に基づく、ステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、マッピングが、更に、前記少なくとも1つのエネルギ取り出し口と前記居住可能環境内における場所との組み合わせを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
引用による包含
The National Institute of Science & Technology (NIST) (国立科学技術研究所)のFramework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards Release (Draft) 1.0(スマート・グリッド相互動作性規格についての枠組みおよびロードマップ公表(草稿)1.0)September 2009は、本明細書において引用され、そのことにより本願にもその内容が含まれるものとする。
【0002】
北アメリカのパワー・グリッドは、一旦は「20世紀最高の技術的偉業」と呼ばれたこともある。生憎、停電および非効率性が多大なコストをエンド・ユーザにかけることになったため、パワー・グリッドは急速に衰退した。加えて、テロ活動および悪意のコンピュータ・コードのために、国家の肝要なインフラストラクチャに対する供給(service)拒絶の恐れがある。
【0003】
風力のような発電源を利用してクリーンなエネルギを供給するという動きが広がりつつあるが、現在、パワー・グリッド内部における限界(limitation)による著しい非効率性に苛まれている。送電線が生成されたエネルギ量を収容できないので、商用ウィンド・ファームは、実用される(realize)よりもはるかに大きなエネルギを生成することが多く、このことにより大量の無駄な労力が生ずる。
【0004】
住居への応用は、コスト、最大需要の間十分なエネルギを共有できないこと、およびピーク以外の時間にエネルギが浪費されることのために、多くの場合非実用的と見なされる。加えて、消費者と配電源との間で双方向通信を提供するアプリケーションがない。
【0005】
スマート・グリッドを開発するための努力は現在行われつつある。スマート・グリッドとは、情報および通信技術を使用して、自動的に供給者と消費者の行動についての情報というような情報を収集および操作して、発電および配電の効率、信頼性、経済性、および維持性を高める電気グリッドであると言えよう。
【0006】
スマート・グリッドの開発は、分散されたエネルギ源を利用および管理する能力をエンド・ユーザに提供することを含まない。更に、現在では、住宅用途におけるように、分散されたエネルギ源が、未使用のエネルギをパワー・グリッドに返還する、または消費者による今後の使用のために過剰なエネルギを蓄積する能力を提供するシステムはない。スマート・メータ(smart meter)は、発電公益企業(electric utility companies)が消費者の現場においてデータを収集することを可能にするが、使用および発電データを収集し、一層効率的に電気を配信し(deliver)、システム内部における問題を検出し、全体的な性能向上のために分散発電源の戦略的配置を考慮する情報を提供する能力を、消費者または他の関心がある利害関係者に提供するシステムはない。
【0007】
発電および蓄電技法を統合して1つの配信システム(delivery system)にすることが求められている。また、メータと接続して、消費者と配電源との間に双方向通信を提供する能力を持った家庭用電力源を創作することも求められている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態は、エネルギ蓄積システムおよびエネルギ管理システムに関する。エネルギ蓄積システムは、ユーザがエネルギを蓄積し、管理し、居住可能環境に提供することを可能にする。エネルギ管理システムは、エネルギ使用の過去の傾向、エネルギ使用についての予測および提案についてユーザに知らせるエネルギ管理データを生成する。
【0009】
この摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題の主要な特徴や必須の特徴を特定することを意図するのではなく、特許請求する主題の範囲を判断するときに補助として用いられることを意図するのでもない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付図面に、一例としてそして限定ではなく、本発明を例示する。添付図面では、同様の参照番号は同様のエレメントを示すこととする。
【
図1】
図1は、本発明の実施形態を実現するときの使用に適した計算システム環境例のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態を採用することができるスマート・グリッド・システムの主要領域の模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態を採用することができるエネルギ蓄積システム例の模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態を採用することができるエネルギ蓄積システム例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態を採用することができるマッピング情報例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態を採用することができるエネルギ管理環境例の模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態を採用することができるエネルギ管理システム例についての模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態にしたがってエネルギのフローを誘導する方法を示す流れ図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態にしたがってエネルギのフローを誘導する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の主題について、本明細書では、法的要件を満たすために特定的に説明する。しかしながら、説明自体は、本特許の範囲を限定することを意図していない。逆に、本発明者が熟考したのは、特許請求する主題を他の方法で具体化して、異なるステップまたは本文書において説明するものに類似するステップの組み合わせを、他の現在の技術または今後の技術と合わせて含めてもよいということである。更に、「ステップ」および/または「ブロック」という用語は、本明細書では、採用される方法の異なるエレメントを含意するために使用されることもあるが、これらの用語は、個々のステップの順序が明示的に説明されていなければ、そして説明されるときを除いて、本明細書において開示される種々のステップ間でいずれの特定の順序も暗示するように解釈されてはならない。
【0012】
本発明の実施形態は、ユーザ・インターフェースおよび代替電源を介して環境のエネルギ・フローを管理するためのシステム、方法、およびコンピュータ読み取り可能媒体に関する。
【0013】
本発明は、スマート・グリッド・システムのプロパティを利用することもできる。明確さおよび基本的な理解のために、スマート・グリッド・システムの端的な説明を以下で行う。しかしながら、本発明は、このようなスマート・グリッド・システムとは別個で離れて位置してもよい。スマート・グリッド・ネットワークの更に詳細な説明は、The National Institute of Science & Technology (NIST) (国立科学技術研究所)のFramework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards Release (Draft) 1.0(スマート・グリッド相互動作性規格についての枠組みおよびロードマップ公表(草稿)1.0)September 2009において見ることができる。この文書をここで引用したことにより、本願にも含まれるものとする。
【0014】
本発明は、ユーザが、エネルギ蓄積システムにおいてエネルギを蓄積し、管理し、供給することを可能にする。更に、本発明は、ユーザが、エネルギ管理システムの使用によって、エネルギのフローを管理することも可能にする。
【0015】
したがって、本発明の一実施形態は個人エネルギ管理のためのコンピュータ読み取り可能媒体を対象とする。この方法は、マッピング・データを受信するステップを含み、このマッピング・データは少なくとも1つのエネルギ取り出し口と少なくとも1つのデバイスとの間の組み合わせを含む。更に、この方法は、エネルギ管理命令を受けるステップを含む。この方法は、エネルギ・ソースから少なくとも1つのエネルギ取り出し口にエネルギのフローを誘導するステップを含む。エネルギの方向の誘導は、マッピング・データおよびエネルギ管理命令に基づく。
【0016】
他の実施形態では、本発明は、個人エネルギ管理システムを対象とする。このシステムは、バッテリ・バンクと、キャパシタ・バンクと、計算デバイスとを含む。この計算デバイスは、メモリに結合されたプロセッサを含み、1組のモジュールと共に動作可能である。1組のモジュールは、バッテリ・バンクおよびキャパシタ・バンクから1組の電気構成機器へのエネルギのフローを管理するように構成される。1組の電気構成機器は、居住可能環境内に配置され、この居住可能環境は、加熱システム、冷却システム、および電気取り出し口の内少なくとも1つを含む。
【0017】
更に他の実施形態では、本発明は、エネルギのフローを誘導する方法を対象とする。この方法は、マッピング・データを受信するステップを含み、マッピング・データは、少なくとも1つの電気取り出し口と少なくとも1つのデバイスとの間の組み合わせを含む。この方法は、更に、エネルギ管理命令を受けるステップを含む。この方法は、バッテリ・バンクおよびキャパシタ・バンクの内少なくとも1つから少なくとも1つのエネルギ出口へエネルギのフローを誘導するステップを含み、エネルギのフローの方向は、マッピング・データおよびエネルギ管理命令に基づく。
【0018】
以上、本発明の実施形態の全体像を端的に説明したので、本発明の実施形態を実現することができる動作環境例について、本発明の種々の態様に対する一般的なコンテキストを示すために、以下に説明する。
【0019】
図面全体、特に最初に
図1を参照すると、本発明の実施形態を実現するための動作環境例が示され、全体的に計算デバイス100として指定されている。計算デバイス100は、適した動作環境の一例に過ぎず、本発明の実施形態の使用範囲や機能に関して限定を示唆することは全く意図していない。また、計算デバイス100が、図示するコンポーネントのいずれか1つまたはその組み合わせに関して依存性や必要性を有するように解釈することも決してすべきではない。
【0020】
本発明の実施形態は、コンピュータ、あるいはパーソナル・ディジタル・アシスタントまたは他のハンドヘルド・デバイスのような他の機械によって実行される、プログラム・モジュールのようなコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ・コードまたは機械使用可能命令という一般的なコンテキストで説明することができる。一般に、プログラム・モジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含み、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するコードを指す。本発明の実施形態は、ハンドヘルド・デバイス、消費者用電子機器、汎用コンピュータ、特殊計算デバイス等を含むがこれらに限定されない、種々のシステムにおいて実施することができる。また、本発明の実施形態は、分散型計算環境において実施することもでき、この場合、通信ネットワークを通じてリンクされたリモート処理デバイスによって、タスクが実行される。
【0021】
分散型計算環境では、プログラム・モジュールは、メモリ記憶デバイスを含む、ローカルおよびリモート双方のコンピュータ記憶媒体と関連して配置されてもよい。コンピュータ使用可能命令は、コンピュータが入力のソースにしたがって反応することを可能にするインターフェースを形成する。命令は、受信データに応答して、他のデータ・セグメントと協働して、受信データのソースと共に、種々のタスクを開始する。
【0022】
引き続き
図1を参照すると、計算デバイス100は、バス110を含む。バスは、以下のエレメント、即ち、メモリ112、1つ以上のプロセッサ114、1つ以上のプレゼンテーション・モジュール116、入力/出力(I/O)ポート118、I/Oコンポーネント120、および例示の電源122を直接的または間接的に結合する。バス110は、1つ以上のバス(アドレス・バス、データ・バス、またはその組み合わせ)であってもよいものを表す。
図1の種々のブロックは、明確さのために線で示されているが、種々のコンポーネントの区分はそれほど明確ではなく、比喩的には、これらの線をもっと正確にするならば、灰色で曖昧になるであろう。 例えば、ある者はディスプレイ・デバイスのようなプレゼンテーション・コンポーネントはI/Oコンポーネントであると見なすかもしれない。また、プロセッサはメモリを有する。つまり、注記すべきは、
図1の線図は本発明の1つ以上の実施形態と共に使用することができる計算デバイスの一例を例示するに過ぎないということである。「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「ハンドヘルド・デバイス」等というようなカテゴリ間では区別を行わない。何故なら、これら全ては、
図1の範囲に該当すると考えられ、「計算デバイス」という用語を指すからである。
【0023】
通例、計算デバイス100は、種々のコンピュータ読み取り可能媒体を含む。コンピュータ読み取り可能媒体は、計算デバイス100によってアクセスすることができるあらゆる入手可能な媒体とすることができ、揮発性および不揮発性双方の媒体、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。一例として、そして限定ではなく、コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、揮発性および不揮発性の双方の、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含み、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラム・モジュール、または他のデータというような情報の格納のための任意の方法または技術で実現される。
コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)または他の光ディスク・ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは所望の情報を格納するために使用することができ計算デバイス100によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、それ自体では信号を含まない。一例として、そして限定ではなく、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続のような有線媒体、ならびに音響、RF、赤外線、および他のワイヤレス媒体というようなワイヤレス媒体を含む。以上の内任意のものの組み合わせも、コンピュータ読み取り可能媒体の範囲に含まれてしかるべきである。
【0024】
メモリ112は、揮発性および/または不揮発性メモリの形態としたコンピュータ記憶媒体を含む。メモリは、リムーバブル、非リムーバブル、またはその組み合わせでもよい。ハードウェア・デバイスの例には、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ドライブ、光ディスク・ドライブ等が含まれる。計算デバイス100は、メモリ112またはI/Oコンポーネント120のような種々のエンティティからデータを読み取る1つ以上のプロセッサを含む。プレゼンテーション・コンポーネント(1つまたは複数)116は、データ指示をユーザまたは他のデバイスに提示する。プレゼンテーション・コンポーネントの例には、ディスプレイ・デバイス、スピーカ、印刷コンポーネント、振動コンポーネント等が含まれる。
【0025】
I/Oポート118は、計算デバイス100を、I/Oコンポーネント120を含む他のデバイスに論理的に結合させる。I/Oコンポーネント120の一部は内蔵されてもよい。例示的なI/Oコンポーネント120には、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星ディッシュ、スキャナ、プリンタ、ワイヤレス・デバイス等が含まれる。
スマート・グリッド
以上で説明したように、スマート・グリッドとは、情報および通信技術を使用して、自動的に供給者と消費者の行動についての情報というような情報を収集および操作して、発電および配電の効率、信頼性、経済性、および維持性を高める電気グリッドであると言える。
【0026】
スマート・グリッド・システムの概略的な全体像を示すために、
図2はスマート・グリッド枠組みの主要ドメインを示す。スマート・グリッドの主要ドメインは、マーケット210、運用220、サービス・プロバイダ230、大量発電(bulk generation)240、送電250、配電260、および顧客270を含む。マーケット210は、電気市場の運営者および参加者である。運用220は、電気の移動の管理者を含む。サービス・プロバイダ230は、サービスを電気の顧客および利用設備(utilities)に提供する組織を含む。大量発電240は、大量発電機を含み、更に後の配電のためにエネルギを蓄積することもできる。送電250は、大量電気の長距離にわたる担体を含み、電気を蓄積および発電することもできる。配電260は、電気の顧客への配電器(distributor)および顧客からの配電器を含み、電気を蓄積および発電することもできる。最後に、顧客270は電気のエンド・ユーザである。顧客270も、発電し、蓄積し、更にエネルギの使用を管理することができる。従前より、家庭、商用/建物、および産業という3つの顧客の種類がある。
【0027】
スマート・グリッドには、スマート・メータが付随する。スマート・メータは、通常、電気エネルギの消費を記録し、その情報を、監視および請求書発行の目的で公益電力供給企業(utility provider)に伝達する電気メータである。スマート・メータは、当該メータと公益企業(utility)における集中システムとの間で双方向通信を可能にすることができ、遠隔報告のためにデータを収集することができる。
【0028】
以上で説明したように、スマート・グリッドの開発は、エンド・ユーザに、分散されたエネルギ源を利用および管理する能力を提供することや、住居用途におけるように、分散されたエネルギ源が、使用しなかったエネルギをパワー・グリッドに返還する、またはエンド・ユーザによる今後の使用のために過剰なエネルギを蓄積する能力を提供することを含まない。
【0029】
本発明の実施形態は、少なくとも部分的にスマート・グリッド・システムの欠点に取り組むために、スマート・グリッド・システムの上に、そしてスマート・グリッド・システムから離れて構築する。
エネルギ蓄積システム
本発明の実施形態では、エネルギ蓄積システムが、居住可能環境に関連するエネルギの蓄積、管理、または提供を容易にする。居住可能環境は、仕事場、住居、商業敵または産業的環境を含むことができるが、これらに限定されるのではない。一般に、居住可能環境は、加熱システム、冷却システム、および/または電気取り出し口を備えていると考えられる。加熱システムは、一般に、家庭、事務所、または他の住居内において熱エネルギを使用することによって、温度を上げるため、および/または指定された度数に温度を維持するためのメカニズムである。冷却システムは、一般に、冷却サイクルを使用することによって、温度を下げるため、および/または温度を指定された度数に維持するためのメカニズムである。実施形態の中には、エネルギ蓄積システムがローカル・エネルギ蓄積システムとして機能する場合もある。このような実施形態では、エネルギ管理システムは、居住可能環境においてブレーカ・パネルにまたはその付近に設置されればよい。他の実施形態では、エネルギ蓄積システムは、居住可能環境から離れて位置付けられてもよい。本明細書において使用する場合、エネルギ・コンポーネントとは電気取り出し口および/または電気デバイスを指すこともできる。電気取り出し口とは、居住可能環境に付随する取り出し口であり、これを通じてエネルギを供給することができる。電気デバイスとは、エネルギを消費することができるデバイスである。電気デバイスの例には、照明スイッチ、テレビジョン、加熱システム、および冷却システムが含まれる。
【0030】
図3を参照すると、エネルギ蓄積システムの一例300が示されている。
図3は、一例であり、全てのコンポーネントがある必要はない。他の実施形態では、
図3に現在示されているコンポーネントよりも多いまたは少ないコンポーネントを有することができる。一般に、システム300は、交流(AC)/直流(DC)充電器330、DC/AC変換器340、DC/AC変換器350、DCリチウム・イオン・バッテリ・バンク360、およびDCウルトラ・キャパシタ・バンク370を含む。引き続き
図3を参照すると、エネルギはAC/DC充電器330においてエネルギ蓄積システムに入ることができる。エネルギは、DCリチウム・イオン・バッテリ・バンク360またはDCキャパシタ370まで移動することができる。エネルギは、DCリチウム・イオン・バッテリ360からDC/AC変換器340に移動することができる。エネルギは、DCキャパシタ370からDC/AC変換器350に移動することができる。DC/AC変換器340および350から、照明スイッチ、取り出し口、加熱システム、または冷却システムというような電気媒体を介して、エネルギをユーザに供給することができる。
【0031】
実施形態の中には、エネルギ蓄積システムが制御ボックス320を含んでもよい場合もある。更に、制御ボックス320は、
図1に見られる計算デバイス100と同様の計算デバイスを含むのでもよい。制御ボックス320は、エネルギ蓄積システムの種々の機能を容易に行えるように構成されればよい。種々の機能には、システム300内部または外部にあるコンポーネントとの通信、データの受信、データの引き出し、データの分析、データの生成、およびデータの出力が含まれるが、これらに限定されるのではない。更に、他の実施形態では、エネルギ蓄積システムは、エネルギ蓄積システムとシステム300内部または外部にある他のコンポーネントとの間における通信を容易にするワイヤレス・ルータ310も含むこともできる。制御ボックス320は、Wi−FiおよびRFID対応(enabled)であるとよい。エネルギ蓄積システムは、加熱システム、冷却システム、照明スイッチ、および電気取り出し口というような、種々の電子コンポーネントと互換性があるとよい。更に、エネルギ蓄積システムは、限定ではなく、センサ、電子レンジ、冷蔵庫、テレビジョン、遠隔安全錠(remote deadbolt locks)、およびビデオ・カメラ、その他というような電子デバイスと互換性があるとよい。
【0032】
種々の実施形態では、エネルギ蓄積システムは、2種類の蓄積デバイス、即ち、リチウム・イオン・バッテリおよびキャパシタにエネルギを蓄積することができる。各タイプの記憶デバイスには、利点が伴う。リチウム・バッテリにエネルギを蓄積することの少なくとも1つの利点は、リチウム・バッテリが連続電力の安定した流れを維持できることである。キャパシタの少なくとも1つの利点は、キャパシタが大量のエネルギを供給できることを含む。例えば、大型アプライアンスは、最初にオンにするときに、大量のエネルギを必要とすることがあり得る。このような場合、キャパシタは、電力流の中断なく、大型アプライアンスに必要なエネルギを供給することができる。エネルギ蓄積システムは、ピーク電気需要期間中家庭全体に給電するのに十分なエネルギを蓄積することもできる。実施形態の中には、エネルギ蓄積システムがリチウム・イオン・バッテリだけを含めばよい場合もある。他の実施形態では、エネルギ蓄積システムがキャパシタだけを含めばよい場合もある。
【0033】
実施形態の中には、エネルギ蓄積システムが蓄積されたエネルギの管理をユーザにさせる場合もある。実施形態の中には、エネルギ蓄積システムが、居住可能環境に付帯されたデバイスに供給されるエネルギの管理をユーザにさせる場合もある。例えば、ユーザは家庭の各部屋に供給されるエネルギを管理することができる。エネルギ蓄積システムを使用して、ユーザは、家庭の未完成の地下にはエネルギを供給しないことを指定し、家庭の生活エリアにはより多くのエネルギを供給することを指定することができる。
【0034】
一実施形態では、エネルギ蓄積システムは、エネルギ関連データを収集および提供するように構成される。このようなエネルギ関連データは、請求明細、安全に関する通知、警告、公益電力供給企業によって供給されたエネルギの過去の価格設定データ、公益電力供給企業によって供給されるエネルギの予測利用価格設定データ、現在の状態および予報というような地域、国、および世界規模の天気関連情報、ならびに消費者の過去のエネルギ使用データを含むとよい。また、エネルギ関連データは、居住可能環境、および居住可能環境に付帯されたコンポーネントの各々の過去のエネルギ使用データも含むとよい。過去のエネルギ使用データは、居住可能環境のコンポーネント毎のエネルギ使用測定値および時間、ならびに居住可能環境のコンポーネント毎の確定予測(determined anticipated)測定値および時間を含むとよい。エネルギ蓄積システムは、ユーザ、電気取り出し口、および/または電気デバイスから、エネルギ関連データ情報を収集することができる。更に、エネルギ蓄積システムは、公益電力供給企業、天気情報資源(weather resource)、または他のエネルギ消費に関係するエンティティと通信することによって、エネルギ関連データを収集することもできる。
【0035】
実施形態の中には、エネルギ蓄積システムが、居住可能環境内に配置された計算デバイスにおいてグラフィカル・ユーザ・インターフェースを含むとよい場合もある。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ユーザとエネルギ蓄積システムとの間における対話処理を容易にすることができる。例えば、ユーザは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを使用して、エネルギ蓄積システムを通過するようにまたはエネルギ蓄積システムを迂回するように、エネルギを誘導することができる。このような実施形態では、エネルギ蓄積システムは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、ユーザから情報を収集する。実施形態の中には、エネルギ蓄積システムが、電子メール、テキスト、通話、またはインターネットによってというように、ネットワークを介して電子通信によってエネルギ関連データを提供できる場合もある。他の実施形態では、エネルギ蓄積システムはディスプレイ・デバイスを含み、このディスプレイ・デバイスを介してエネルギ関連データを提供するのでもよい。
【0036】
実施形態の中には、エネルギ蓄積システムが、スマート・メータ、スマート・グリッド、または双方と統合されるとよい場合もある。
図4は、システムの一例400を示す。システム400は、スマート・メータ482、ネットワーク490およびエネルギ蓄積システム401、電気パネル480、電気パネル484、ならびに壁の取り出し口およびスイッチ486および488を含む。エネルギ蓄積システム401は、ネットワーク490を通じて、スマート・メータ482と通信することができる。エネルギ蓄積システム401は、システム300のエネルギ蓄積システムと同様である。このような通信を通じて、スマート・メータは、エネルギ蓄積システムに、エネルギのフローに関与しないように命令することができ、こうしてエネルギ蓄積システム401を迂回する。実施形態では、エネルギ蓄積システム401に関与するまたはこれを迂回する命令は、スマート・メータ482、制御ボックス420、またはシステム400内に示される他のコンポーネントから与えることができる。エネルギ蓄積システム401は、エネルギ関連データをスマート・メータ482から収集するか、またはスマート・メータ482から命令を受信することもできる。スマート・メータによって受信された命令は、エネルギ蓄積システムを迂回する誘導(direction)を含むことができる。このような場合、エネルギ蓄積システム401は、エネルギの受け取りや引き出しに関与しない。他の実施形態では、エネルギ蓄積システムは、オフグリッド・パワー(off-grid power)のための太陽光システム、風力システム、および地熱システムというようなシステムから、種々の形態のエネルギを受け入れるように構成することもできる。
【0037】
図5に示すように、実施形態の中には、電気取り出し口とこの電気取り出し口に接続されたデバイスとの間のマッピング・システム500を、エネルギ蓄積システムへの入力として設けるとよい場合がある。このようなマッピング・システムによって、ユーザは、エネルギ蓄積システムを介して各デバイスに供給されるエネルギを制御することができるとよい。例えば、冷蔵庫を接続する電気取り出し口に電力が供給されなければならないが、電子レンジを接続する電気取り出し口には電力が供給されてはならないことを示す入力を、 ユーザがエネルギ蓄積システムに供給することもできる。
【0038】
エネルギ蓄積システムは、種々の量のエネルギを蓄積することもできる。エネルギ蓄積システムが蓄積するエネルギの量は、前述のように、エネルギ関連データに依存してもよい。例えば、エネルギ蓄積システムは、特定の時間期間中に関連する居住可能環境によって必要とされるエネルギ量に基づいて、エネルギを蓄積することもできる。他の例では、エネルギ蓄積システムが蓄積するエネルギの量は、天気予報に基づいてもよい。例えば、天気予報が2日間の吹雪を予測することがあり得る。この天気予報に基づいて、エネルギ蓄積システムは、居住可能環境が2日間持ちこたえることができるエネルギ量を蓄積すればよい。更に、エネルギ蓄積システムが蓄積するエネルギの量は、ユーザ選好に依存することもできる。
【0039】
ユーザ選好は、ユーザが選好することができるエネルギ管理の側面を詳細に示す。ユーザ選好は、エネルギの蓄積および供給すべき1日の時間を含むこともできる。また、ユーザ選好は、特定の時間期間に対する好ましいエネルギ・コストを含むこともできる。更に、ユーザ選好は、エネルギを供給すべき居住可能環境の具体的なコンポーネントおよび具体的な位置も含むことができる。
【0040】
エネルギ蓄積システムは、1日の種々の時間にエネルギを蓄積することもできる。エネルギ蓄積システムがエネルギを蓄積する時間期間は、エネルギのコスト、エネルギの必要性、ユーザ選好、および/またはエネルギ関連データに依存してもよい。例えば、エネルギの料金が最も安いときに、エネルギ蓄積システムがエネルギを蓄積することができる。
【0041】
エネルギ蓄積システムは、1日の種々の時間にエネルギを供給することもできる。エネルギ蓄積システムがエネルギを供給できる時間期間は、エネルギ関連データ、ユーザ選好、マッピング・データ、およびエネルギ蓄積システムにおいて蓄積されているエネルギの閾値量に基づいてもよい。逆に、エネルギ蓄積システムを迂回するとよい時間期間も、エネルギ関連データ、ユーザ選好、マッピング・データ、およびエネルギ蓄積システムにおいて蓄積されているエネルギの閾値量に基づく。更に、エネルギ蓄積システムは、エネルギ関連データに基づいて、エネルギを供給するのを中止することもできる。例えば、居住可能環境に付帯されたコンポーネントが、エネルギ蓄積システムに格納されているよりも多いエネルギを要求する場合、エネルギ蓄積システムはエネルギを供給しなくてもよい。代わりに、エネルギ蓄積システムを迂回し、公益電力供給企業のような、外部電源からエネルギを供給させることができる。しかしながら、エネルギ蓄積システムがあるコンポーネントに必要な最少量のエネルギを収容する場合、エネルギ蓄積システムはこの必要とされるエネルギ量を供給することができる。他の例では、ユーザ選好が、あるコンポーネントがエネルギ蓄積システムからエネルギを受けないことを指示することもあり、当該あるコンポーネントにはエネルギ蓄積システムによってエネルギを供給させない。実施形態の中には、格納されているエネルギ量が最少閾値に一致する場合、エネルギ蓄積システムはエネルギを供給しなくてもよい場合もある。例えば、エネルギ蓄積システムに5KJのエネルギしか蓄積されていないなら、エネルギ蓄積システムはエネルギを供給するのを中止することもできる。この場合、エネルギ蓄積システムを迂回して、外部エネルギを供給させればよい。最少閾値エネルギ量は、エネルギ関連データおよび/またはユーザ選好に基づいて決定すればよい。
【0042】
エネルギ管理命令は、エネルギ蓄積システムに供給され、エネルギのフローを特定のデバイス、取り出し口、および/または居住可能環境内における場所に供給するように、エネルギ蓄積システムに命令することができる。また、エネルギ管理命令は、1日のある時刻に、エネルギのフローを誘導し、電気取り出し口に誘導されてもよいエネルギ量を指示する命令を供給することができる。エネルギ管理命令は、ユーザによって与えられる選好、エネルギ関連データ、またはエネルギ蓄積システムに蓄積されているエネルギ量に基づくこともできる。加えて、エネルギ管理命令は、ユーザによってまたはスマート・メータによって供給されてもよい。
エネルギ管理システム
エネルギ管理システムは、居住可能環境におけるエネルギの管理に供する。エネルギ管理システムは、エネルギ使用の過去の傾向、予測、および提案についてユーザに知らせるエネルギ管理データを生成する。
【0043】
これより
図6を参照すると、エネルギ管理システムを実現することができる環境例600がある。環境600は、公益電力供給企業610、エネルギ管理システム620、および家屋630を含む。また、環境600には、電気構成機器(electric component)も含まれ、電気構成機器には、照明スイッチ642、スマート・メータ644、エネルギ蓄積システム646、電気取り出し口648、加熱システム650、および冷却システム652が含まれる。エネルギ管理システム620は、公益電力供給企業610および家屋630に関連する電気構成機器の双方と通信することができる。エネルギ管理システム620は、ローカルであってもよく、またはリモートであってもよい。ここで識別される項目は一例である。
【0044】
これより
図7を参照すると、計算システム700のブロック図は、概略的に、エネルギ管理機能710、データ・ストア730、および電気構成機器740を含み、これらは全てネットワーク720を通じて互いに通信可能である。ネットワーク720は、限定ではなく、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、または双方を含むことができる。このようなネットワーキング環境は、事務所、企業規模のコンピュータ・ネットワーク、イントラネット、およびインターネットでは極普通である。したがって、ネットワーク720についてはここではこれ以上説明しない。
【0045】
尚、本発明の実施形態の範囲内で、任意の数のエネルギ管理機能、データ・ストア、および電気構成機器を採用してもよいことは理解されてしかるべきである。各々は、1つのデバイス/インターフェース、多数のデバイス/インターフェース、メモリ、ディスク、ハード・ドライブ・およびテープを含むことができ、分散型環境において協働する。
図7に示したコンポーネント/モジュールは、性質上そして数において例示であり、限定として解釈してはならない。
【0046】
データ・ストア730は、居住可能環境のエネルギ・フローに関連するデータを格納するように構成される。具体的には、データ・ストア730は、エネルギ使用データ、エネルギ管理データ、およびマッピング・データを含むことができる。実施形態では、データ・ストア730は、関連付けて格納された項目を検索可能に構成される。
【0047】
データ・ストア730は、居住可能環境のエネルギ・フローに関連するデータを含む蓄積データであるとよい。例えば、データ・ストア730は、公益電力供給企業、スマート・メータ、エネルギ蓄積システム、消費者の住居に配置されるか、または単体環境に存在し、これらに関連するデータを含むことができる。
【0048】
エネルギ管理機能710は、エネルギ管理データを生成するように構成される。エネルギ管理データは、コスト節約情報、行動影響情報、予測エネルギ使用データ、動作データ、および消費者に関連する通知を含むが、これらに限定されるのではない。また、エネルギ管理データは、公益電力供給企業に関連するコスト節約情報および行動影響情報も含む。エネルギ管理データについての更に詳細な説明を以下で行う。エネルギ管理データを使用すると、ユーザは、消費者に供給され消費者によって消費されたエネルギを管理することができる。図示のように、エネルギ管理機能710は、入力コンポーネント782、分析コンポーネント784、生成コンポーネント786、および出力コンポーネント788を含む。
【0049】
エネルギ管理機能710の入力コンポーネント782は、エネルギ管理データを生成するときに使用するためのデータを受けるまたは引き出すように構成される。通例、入力コンポーネント782はデータ・ストア730からデータを引き出す。しかしながら、入力コンポーネント782は、エネルギ管理機能のユーザ、電気構成機器740、またはネットワーク700内部および外部の他の位置からというように、他のソースから入力を受けるまたは引き出すこともできる。
【0050】
エネルギ管理機能710の分析コンポーネント784は、入力コンポーネント782によって受け取られたデータを分析するように構成される。生成コンポーネント786は、分析コンポーネント786によって提供される分析に基づいて、エネルギ管理データを生成するように構成される。
【0051】
出力コンポーネント788は、生成されたエネルギ管理データをユーザまたはネットワーク700の内部または外部に配置されたコンポーネントに伝達するように構成される。更に、出力コンポーネントは、エネルギ使用データ、または居住可能環境に関連するエネルギ使用およびフローに関係する他のデータも供給することができる。
【0052】
先に述べたように、居住可能環境は、仕事場、住居、商業または工業的環境を含むことができるが、これらに限定されるのではない。エネルギ使用データは、過去の価格設定データ、公益電力供給企業によって供給されるエネルギの予測価格設定データを含むことができる。過去の価格設定データは、消費者の以前に供給された時間、場所、および価格を含む。予測価格設定データは、現在供給されているエネルギ、および供給されようとするエネルギの価格を含む。実施形態の中には、「価格設定データ」を「料金情報」(rate information)と呼んでもよい場合もある。加えて、エネルギ使用データは、消費者の過去のエネルギ使用データを含む。消費者の過去のエネルギ使用データは、住居、作業所、商業または工業的環境において消費者によって以前に使用または消費されたエネルギの時間、場所、および量を含む。
【0053】
マッピング・データは、入力コンポーネント782におけるユーザからの直接入力によってシステム700に供給されるか、またはデータ・ストア730から引き出されるのでもよい。マッピング・データは、電気デバイスの電気構成機器に対するマッピングを含む。電気デバイスの電気構成機器に対するマッピングを
図5に示す。図示のように、マッピング情報は、ソース位置、回路ブレーカ情報、接続デバイス、壁取り出し口による接続、スイッチによる接続、接続ワット(connected watts)、推定使用ピーク時間、および推定毎時アンペアを含む。例えば、電気デバイスの電気構成機器に対するマッピングによって、冷蔵庫のような特定のデバイスを、電気取り出し口のような特定の電気構成機器と関連付けることが可能になり、更に、ワット量、推定使用ピーク時間、および推定使用アンペア/時間を収集することが可能になる。電気デバイスは、居住可能環境に取り付けられていないデバイスを含む。電気デバイスは、冷蔵庫、電子レンジ、トースター、オーブン、ストーブ、テレビジョン、およびゲーミング・システム、その他数多くを含むがこれらに限定されるのではない。電気構成機器は、居住可能環境において一般に取り付けられるまたは半取り付け(semi-attached)されるコンポーネントを含むことができる。電気構成機器は、加熱システム、冷却システム、照明スイッチ、または電気取り出し口を含むが、これらに限定されるのではない。マッピング情報は、エネルギ管理機能によって、ある電気構成機器と関連付けられたときに、電気デバイスが使用するエネルギの時間および量を決定するために使用することができる。更に、マッピング情報は、ユーザが、電気構成機器または電気デバイスに供給されるエネルギ量を変化させることを可能にする。
【0054】
コスト節約情報は、消費者に関連する情報を含み、ピーク時間払い戻し情報、動的価格設定、およびエネルギのコスト量をどのように低減するかについての提案を含む。ピーク時間払い戻し情報は、エネルギの使用削減が有利であるときの情報、特に、電気需要が高いピーク電力使用日(peak-event day)についての情報を含む。このような日にエネルギの使用を削減すると、消費者のお金を節約することができる。動的価格設定は、時間に基づくエネルギ価格設定についての情報を含み、エネルギの価格は、1日の時間、1週間の曜日、月における日付け、または年における月に応じて変動する。例えば、マッピング情報を使用すると、コスト節約情報は、日中および夜間に衣服乾燥機を使用したときに消費されるエネルギ量を含むことができる。コスト節約情報は、衣服乾燥機を夜間に使用することによってどの位お金が節約できるかについての提案を含むことができる。価格節約情報は、どのエネルギ源を使用すべきかについての提案も含むことができる。例えば、エネルギ蓄積システムが、Xドルの価格でエネルギを蓄積したかもしれない。公益電力供給企業からエネルギを受けるための現在の価格はYドルであるかもしれず、XはYよりも小さい。コスト節約情報は、公益電力供給企業によって供給される高い方のエネルギの代わりに、安い方の蓄積エネルギを使用する提案を含むことができる。
【0055】
行動影響情報は、電気デバイスによって、電気構成機器によって、特定の時間に使用されるエネルギ量のようなエネルギの使用についての情報、またはどのようにより少ないエネルギまたはより多いエネルギを使用するかについての提案を含む。
【0056】
予測(anticipated)エネルギ使用データは、以前のパターンおよびエネルギ使用方法に基づいて、予測される(predicted)今後のエネルギ使用についての情報を含む。エネルギ管理機能によって供給される通知は、請求明細、地方、国、および世界規模の天気警告、現在の状態および予報、ならびにエネルギ警告を含む。
【0057】
公益電力供給企業のコスト節約情報は、量、時間、および消費者に提供される消費者エネルギ、どのようにそのエネルギがその消費者によって使用されたか、どのようにエネルギを消費者により安く供給できるかに関係する情報を含む。例えば、消費者がエネルギ蓄積システムを有し、殆どのエネルギを夜に使用することがあり得る。公益電力供給企業にとって、昼よりも夜にこの消費者にエネルギを供給すると一層コストがかかる可能性がある。コスト節約情報は、ユーザが午前中にエネルギを蓄積できるように、夜に必要な量のエネルギを午前中に消費者に供給する提案を含むとよい。公益電力供給企業に関連する行動影響情報は、供給されるエネルギの時間、消費者、および量についての情報を含む。
【0058】
実施形態の中には、システム700がグラフィカル・ユーザ・インターフェースを含むとよい場合がある。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ユーザがエネルギ管理システムと対話処理することを可能にする。このような実施形態では、エネルギ使用データまたはエネルギ管理データの出力を、グラフィカル・ユーザ・インターフェース上に提示することができる。実施形態の中には、エネルギ使用データおよびエネルギ管理データの出力を、限定ではなく、電子メール、ディスプレイ・デバイス、通話、テキスト・メッセージ、またはオーディオ・デバイスのような電子通信の他の形態によってユーザに提供できる場合もある。
【0059】
エネルギ管理システム700は、ユーザが彼らのエネルギ消費を管理することを可能にし、エネルギ管理システムが効率的なエネルギ使用データおよびエネルギ管理データを収集および生成することを可能にするために、ホーム・エリア・ネットワーク(HAN)統合またはグリーン・ボタン統合(Green Button integration)を使用するように構成することもできる。グリーン・ボタンは、電力利用顧客(utility customer)に、顧客に優しくそしてコンピュータにやさしいフォーマットで彼らのエネルギ使用情報への容易で安全なアクセスを与えるという理念に対処する。更に、エネルギ管理システム700は、エネルギの消費者およびシステムのユーザと、限定ではなく、電子メール、ディスプレイ・デバイス、通話、テキスト・メッセージ、オーディオ・デバイス、およびソーシャル・メディアの出力というような、種々の手段を通じて、対話処理するように構成されてもよい。
【0060】
これより
図8を参照して、エネルギのフローを誘導するプロセスを方法800に示す。図示のように、ステップ810において、マッピング・データを受信する。マッピング・データは、少なくとも1つのエネルギ取り出し口と少なくとも1つのデバイスとの間の組み合わせ(matching)を含むことができる。ステップ820において、エネルギ管理命令を受ける。ステップ830において、エネルギ源から少なくとも1つのエネルギ取り出し口へエネルギのフローを誘導する。エネルギのフリーの方向は、マッピング・データおよびエネルギ管理命令に基づく。
【0061】
これより
図9を参照して、エネルギ・フローを誘導するプロセスを方法900に示す(provide)。図示のように、ステップ910において、マッピング・データを受信する。マッピング・データは、少なくとも1つの電気取り出し口と少なくとも1つのデバイスとの間の組み合わせを含む。ステップ920において、エネルギ管理命令を受ける。ステップ930において、バッテリ・バンクおよびキャパシタ・バンクの内少なくとも1つから少なくとも1つのエネルギ取り出し口へエネルギのフローを誘導する。
【0062】
図1から
図9において本発明の実施形態について論じたので、本発明の実施形態の実現(implementation)を伴うシナリオ例について以下に論ずる。
【0063】
本発明の一実施形態の実現では、エネルギ蓄積システムが、住居の内側でブレーカ・パネルにまたはその付近に設置されてもよい。制御ボックスは、通常の電気配信(electric delivery)のためにエネルギ蓄積システムを使用するかまたはエネルギ蓄積システムを迂回するために、スマート・メータに信号を送る。エネルギ管理システムは、ピーク以外の期間に電力を収集し、2種類の再充電可能バッテリ配信方法でそれを蓄積することによって動作する。先に一実施形態に特定して説明したように、リチウム・バッテリのバンクは、連続電力の安定した流れを保持し、一方ウルトラ・キャパシタのバンクは、より大きな電力を必要とする電気構成機器、電気デバイス、または双方をジャンプ・スタート(jump start)させるために、バースト状に放出される電力を保持する。リチウム・バッテリのバンクおよびウルトラ・キャパシタのバンクは、家庭の家電製品に給電し、日常の電気需要をまかなうために、継ぎ目のない電気配信システムに組み合わせることができる。エネルギ蓄積システムは、ユーザに総合的な通信ツールを提供するために、ロバストなエネルギ管理システムを利用することができる。エネルギ蓄積システム、エネルギ管理システム、または双方を使用すると、ユーザはいずれの照明スイッチでもオン/オフに切り替えるまたは暗くすること、あるいはAC取り出し口を制御することができる。更に、1日24時間ユーザは住居におけるあらゆるプラグ差し込み型電気デバイスを、あらゆるウェブ対応コンピュータ、スマート・フォン、または他の移動体デバイスから制御することができる。
【0064】
更に説明すると、エネルギ蓄積システムは、要求に応じてACに変換するためのDC蓄積のために、ウルトラ・キャパシタ(UC)のキャパシタ・バンクを内蔵する。UCバンクは、素早く放電する、そして必要なときには電力のバーストで放出する電気を保持する。この種のシステムは、エアコンや炉の換気扇のような、起動サージに3〜7倍も多くのエネルギを必要とするデバイスに給電するように設計される。一般に、キャパシタは、低い量の内部抵抗を含み、素早く放電することができるが、所与の時点に大量のエネルギを蓄積することができない場合がある。更に説明すると、エネルギ蓄積システムは、より円滑により多くの一定ACを電気構成機器、電気デバイス、または双方に配信するために、リチウム・イオン・バッテリを内蔵する。一般に、バッテリはキャパシタよりも高い内部抵抗を有する。バッテリは、時計/ラジオのような低消費デバイス、またはアプライアンス上のクロック/タイマに給電するために、連続的に放出される電力を蓄積する。制御ボックスは、リチウム・イオン・バンクから連続する電気流を放出するためのコマンドを受けるか、または変換器に供給するように構成することができ、デバイスがオンに切り替えられる毎に、または照明スイッチがオンに切り替えられる毎に、より多くのバッテリ電力を放出するために、適した変換器にコマンドが送られる。
【0065】
本発明の一実施形態の実現では、ピーク電力需要期間の間は住居全体に給電することができる。実施形態では、ユーザは、電気を使用する各デバイスを制御することができる。エネルギ蓄積システム、エネルギ管理システム、または双方は、コンピュータ、移動体デバイス、または双方を介して、電子メール通知および警告をユーザに送ることができる。本発明は、スマート・メータと統合して、双方向通信のためにスマート・グリッドに接続する。先にある実施形態に特定して説明したように、エネルギ蓄積システムは、オフグリッド電力のための太陽光システム、風力システム、および地熱システムからのエネルギを受け入れる。
【0066】
実施形態では、エネルギ蓄積システムは、ブレーカ・パネルまたはその付近のエリアにおいて、住居の電力に直接接続する。エネルギ蓄積システムの制御ボックスは、スマート・メータと通信して、ブレーカ・パネルにおいて電力をオフにし、蓄積エネルギ配信システムをオンにして、エネルギ蓄積システムに、一体化されたバッテリのバンクによって住居にエネルギを供給させる。
【0067】
ある実施形態では、エネルギ蓄積システムは、ワイヤレス・ルータ、ファームウェアを含むWi−FiおよびRFID対応制御ボックス、AC/DC充電器、DC/AC変換器、リチウム・イオン・バッテリの直列バンク、ならびにウルトラ・キャパシタのバンクを含む。エネルギ蓄積システムは、互換性のある壁取り出し口、壁スイッチ、センサ、ならびにビデオ・カメラのような光電デバイス、および遠隔安全錠(remote deadbolt lock)を備える。
【0068】
本発明の一実施形態の実現では、エネルギ管理システムは、無線波技術を使用して、電気構成機器、電気デバイス、または双方に信号を送り、これらから信号を受信する。エネルギ管理システムは、各取り出し口の電気出力を測定する、各電気デバイス、加熱、換気、および空調(HVAC)ユニット、照明具からの電気需要、および住居の電気使用に対する他の全ての需要を測定するというような、特定の機能を実行するためのシステム・コマンドの命令を含むことができる。無線識別(RFID)技術は、フロア、壁、および天井を貫通することができる。
【0069】
エネルギ管理システムは、消費者および公益電力供給企業が、発電源(例えば、発電所)から冷蔵庫のような電気デバイスまでの全過程における電気使用を見ることを可能にする。エネルギ管理システムは、公益電力供給企業が、各消費者の正確なエネルギ需要、1つの電気取り出し口のエネルギ需要までドリル・ダウンすることを可能にする。この情報は、負荷均衡化計画に有益である。エネルギ使用データ収集方法は、安全なプロトコルによって行われ、消費者に対して継ぎ目がない。
【0070】
実施形態では、エネルギ管理システムは、消費者に、居住可能環境におけるあらゆる電気構成機器、電気デバイス、または双方を制御する能力を提供する。消費者は、ある時刻に入り口の照明をオンにする、または職場を離れる2時間前に、夕食を開始するために電気調理器具が差し込まれている電気取り出し口をオンにするというような、活動を選択することができる。エネルギ管理システムは、備忘録通知を全てのタイプの移動体デバイスに送ることができる。
【0071】
本発明は、エネルギ・フローの動作を制御し、エネルギをどこに導くかまたは蓄積するか決定する。本発明は、需要源において電気使用データを取り込み、このデータをエネルギ蓄積システム、エネルギ管理システム、または双方に戻す。一実施形態では、既存のエネルギ源を通じてエネルギを消費者に導く。他の実施形態では、後の使用のためにエネルギを蓄積する。更に他の実施形態では、元の消費者からのエネルギを、異なる消費者による消費のために、発電公益企業(utility company)に戻す。
【0072】
図示した種々のコンポーネントの多くの異なる配列、および図示しないコンポーネントも、本発明の実施形態の主旨および範囲から逸脱することなく可能である。以上、限定ではなく例示であることを意図して、本発明の実施形態について説明した。ある種の特徴およびサブコンビネーションは有益であり、他の特徴およびサブコンビネーションを参照しなくても採用できることは言うまでもない。これは、請求項の範囲によって想定されていることであり、その範囲に含まれることとする。
【国際調査報告】