(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-537504(P2015-537504A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】同期リラクタンス電気機械の同期化方法
(51)【国際特許分類】
H02P 25/08 20060101AFI20151201BHJP
H02P 21/00 20060101ALI20151201BHJP
H02P 27/04 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
H02P5/00 501
H02P5/408 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-547231(P2015-547231)
(86)(22)【出願日】2013年12月10日
(85)【翻訳文提出日】2015年8月3日
(86)【国際出願番号】IB2013060776
(87)【国際公開番号】WO2014091405
(87)【国際公開日】20140619
(31)【優先権主張番号】VI2012A000331
(32)【優先日】2012年12月10日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】KSB AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ディ サント フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】マロディン エンリコ
【テーマコード(参考)】
5H501
5H505
【Fターム(参考)】
5H501BB20
5H501DD09
5H501FF01
5H501GG05
5H501HB08
5H501JJ03
5H501JJ26
5H501LL14
5H501LL35
5H505BB10
5H505DD11
5H505EE41
5H505FF01
5H505GG04
5H505HB01
5H505JJ03
5H505JJ26
5H505JJ30
5H505LL12
5H505LL22
(57)【要約】
同期リラクタンス電気機械を同期させる方法であって、前記電気機械が速度および/または残留磁化電圧のセンサを有さず、電源の端子を備え、電力カットオフ状況に起因して機械的回転数が速度過渡現象にさらされる回転質量を含む。本方法は、前記過渡現象の後、予め定められた振幅(v
C)および期間(継続時間)(T
C)を有する制御電圧V
Cを前記端子に印加する一つのステップa)と、前記制御電圧(V
C)によって誘導される電流(誘導電流I
i)を検出する一つのステップb)を少なくとも含み、該誘導電流(I
i)は、前記電気機械(E)の電力および同期回転制御を復元するために、制御電圧V
Cの周波数(f
C)と回転質量Mの機械的回転数(f
M)間の回数差に従って変化する高調波スペクトル(S)を有する電圧(V
C)によって誘導される電流である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期リラクタンス電気機械を同期させる方法であって、該電気機械(E)は、速度および/または残留磁化電圧センサレスであり、機械的回転数(fM)が電力のカットオフ状況に起因して速度過渡現象にさらされる電源の端子(T)および回転質量(M)を備え、
電流(Ii)を誘導するために、前記過渡現象の後で前記端子に所定の振幅(vC)および期間(TC)を有する制御電圧(VC)を印加する一つのステップであって、該電流は前記制御電圧(VC)の周波数(fC)と前記回転質量の機械的回転数(fM)との間の回数差に依存した高調波スペクトル(S)を有する、ステップa)と、
前記電機機械(E)の電力および同期回転制御を復元させる、前記電流である誘導電流(Ii)を検出するステップであって、前記誘導電流(Ii)の前記高調波スペクトル(S)は、前記端子(T)に対する前記制御電圧(VC)の印加に応答して、実質的にヌル(null)であるか、可聴域におけるごくわずかな高調波成分を有する、ステップb)と、
を少なくとも含む方法。
【請求項2】
前記高調波スペクトル(S)は、前記電気機械(E)において発生する音響ノイズが実質ゼロになるように400Hzから2KHzの周波数レンジにおける実質的ヌル平均値を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘導電流(Ii)を実質的に90°で相殺される一対のベクトル電流(Id,Iq)に分解するステップc)が設けられる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記一対のベクトル電流(Id,Iq)が高域フィルタ(HPF)を使用するフィルタリングステップd)を経る方法であって、直流成分を除去して、前記回転質量(M)の瞬間的回転速度に依存するそれぞれフィルタ処理されたベクトル成分(I’d,I’q)を得る請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電気機械(E)の前記回転質量(M)の瞬間的回転角度に対して初期値を設定するステップe)が設けられ、続いて、前記回転質量(M)の機械的回転角度(θM)と実質的に同調している同期回転角度(θsinc)を決定するように前記瞬間的回転角度(θist)を調整するステップf)が設けられる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記同期回転角度(θsinc)およびゼロから公称値まで所定の時間間隔で増加するトルク成分(Ial_torque)に依存する電気的回転角度(θal)を有するベクトル電流(Ial)を前記電気機械(E)に供給する電力供給ステップg)が設けられる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記制御電圧(VC)はDCまたはACタイプで、前記期間(TC)の間に、一定であるか様々な振幅(vC)を有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記制御電圧(VC)は、実質的に不変の前記回転質量(M)の瞬間回転速度を維持するような最小限のトルクを発生させるために較正される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記同期回転角度(θsinc)は、予め定められた閾値(ε'θ)以下の前記機械的回転角度(θM)に関連して角度誤差(εθ)を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記瞬間的回転角度(θist)を調整する前記ステップf)は、前記ステップe)で設定された最初の回転角度値(θin)から前記角度誤差(εθ)を反復して最小化する、反復的な最小化ステップh)を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記反復的な最小化ステップh)は、その出力として前記同期回転角度(θsinc)を生成する第1の位相ロックループアルゴリズム(PLL1)を用いて得られる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電力供給ステップg)は、前記電気機械(E)の極数に応じて、前記第1の位相ロックループアルゴリズム(PLL1)によって生成される前記同期回転角度(θsinc)を調整するステップi)を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電力供給ステップg)は、第2の位相ロックループアルゴリズム(PLL2)を用いて得られた前記同期回転角度(θsinc)の微調整ステップk)を含むとともに、前記ベクトル供給電流(Ial)が実質的な0(ゼロ)トルク成分(Ial_torque)および前記電気機械(E)の公称磁束より低い磁束を生成するための、予め定められた値を有する磁束成分(Ial_flux)を含む初期過渡現象を有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
同期リラクタンス電気機械(E)を同期させるため、インバータ(V)のプログラム可能な制御装置(U)に組み込まれる記憶媒体にインストールされるように構成される、コンピュータプログラム製品であって、請求項1〜13のいずれか一つ以上に記載の方法を実施するための操作制御命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
同期リラクタンス電気機械(E)を制御するためのインバータ(V)であって、請求項14に記載の前記電気機械(E)を同期させるためにインストールされるコンピュータプログラム製品を有する記憶媒体を伴うプログラム可能な制御ユニット(U)を含むことを特徴とする、インバータ(V)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械制御デバイスの分野に一般に応用され、特に回転質量が速度過渡現象にさらされる同期リラクタンス電気機械(発電機、電動機)を制御する方法に関する。
【0002】
本発明はまた、上述の方法を実施するコンピュータプログラム製品がロードされるインバータのみならず、上述の方法を実施するコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
発電機および/または電気モータとして用いられる回転電気機械の運用を制御するために使われるデバイスは知られている。
【0004】
特に、一般にインバータとして知られているこれらの制御デバイスは、電力信号の電気(的)パラメータの調整によって電気機械の運用を制御することができる。そのとき、電力信号は電気機械に連続的に供給される。
【0005】
それでもなお、回転質量が速度過渡現象にさらされる場合に電気機械の運用を制御する分野において、必要性が特に感じられる。
【0006】
これらの過渡現象は、電力配電回路網における物理的遮断の後、または、インバータへの、一時的な電圧減少または望ましくないあるいは起こり得ると思われる電力のカットオフの後に発生する。
【0007】
これらの過渡現象により、インバータと回転質量間の同期は、復元するのが特に困難である。
【0008】
特に、過渡現象の間、機械における速度変化は、内部摩擦か負荷抵抗により減少され得るか、あるいは電気機械の軸に駆動トルクを伝達可能な外部デバイスの存在により維持され得るか更に向上され得る。
【0009】
機械の制御は、比較的長い時間を必要とする外部の機械スタビライゼーションおよび/またはシャットダウン動作によって、一般的に復元される。
【0010】
従って、これらの方法は、一時的に影響を受けた電気機械を使用するプラントおよびデバイスに対して復旧費用への影響に特に不利益をもたらす。
【0011】
このような欠点を取り除こうとして、インバータにより制御される回転電気機械の特定のタイプに対して、最適化された制御方法が提案された。
【0012】
電気機械が非同期型である場合、電気機械の作動領域内の周波数減少に伴う適切な電圧を投入することによって、そして、結果として生じる誘導電流の徴候を後で検出することによって、回転質量の回転速度が決定され得る。
【0013】
しかしながら、電気機械が同期型である場合、低周波で高い音響ノイズを発生させる非常に高い電圧および電流の印加によって、回転質量の回転速度が決定され得る。多くの電気機械が同じ環境に取り付けられる場合、これは特に深刻な欠点で、高い音響ノイズの放出を引き起こす速度過渡現象にさらされる場合がある。
【0014】
その上、センサレス電気機械において、回転質量の同期は、通常、数秒、非常に長い時間を必要とする。
【0015】
また、電気機械が永久磁石または同期リラクタンス型である場合、機械の駆動軸に取り付けられるかまたはインバータにおいて集積される適切な外部センサを使用して、回転質量の角度位置または回転速度が検出される。
【0016】
この解決策の第1の欠点は、外部センサの提供が同期リラクタンス電気機械の信頼性を低下させるということである。
【0017】
これらのセンサは、故障が頻発するかまたは定期的な交換を必要とする、摩耗する機械的部品を備えている。
【0018】
この解決策の更なる欠点は、センサの使用が電気機械の全体的なメンテナンス費を増大させるということである。
【0019】
さらにまた、センサの交換は電気機械の一時的なシャットダウンを必要とする。したがって、電気機械の全体的効率を大幅に低下させる。
【0020】
また、センサの使用は、インバータの構造に複雑さを付加する可能性があり、電気機械の全体寸法を増大させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、高効率でかつ比較的費用効率の良い、電力のカットオフ過渡現象後の同期リラクタンス電気機械を制御する方法を提供することによって、上記の欠点を取り除くことである。
【0022】
本発明の特定の目的は、可聴域におけるノイズの放出を減らしながら、機械の信頼性を高めることができる、過渡現象後の同期リラクタンス電気機械を制御する方法を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、電気機械に対して製造およびメンテナンス費を減らすことができる、過渡現象後の同期リラクタンス電気機械を制御する方法を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、電気機械の全体的な効率を改善することができる、過渡現象後の同期リラクタンス電気機械を制御する方法を提供することである。
【0025】
本発明の他の重要な目的は、比較的コンパクトな機械を提供することができ、インバータの複雑さを減らすことができる、過渡現象後の同期リラクタンス電気機械を制御する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本書によりよく説明されているように、これらの、そしてまた他の目的は、請求項1に記載の同期リラクタンス電気機械を制御する方法によって、成就される。
【0027】
本書の特定の方法は、通常の電力供給状態の間中および過渡現象の間に、同期リラクタンス電気機械のセンサレス制御、すなわちセンサを使用しない制御を提供する。
【0028】
本発明の有利な実施例は、従属クレームに従って定められる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の更なる特徴および利点は、添付の図面を用いて、非限定的な実施例とされる本発明の方法の好ましい包括的な実施例の詳細な説明を読むことで、より明らかになるであろう。
【
図1】速度過渡現象にさらされる同期リラクタンス電気機械を制御する方法のブロック図である。
【
図3】インバータによって制御される同期リラクタンス機の配線図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付の
図1は、一般に電源端子Tおよび図示しない負荷または外部アクチュエータに接続された回転質量Mを含む記号Eが参照される
図3に概略的に示されるような、同期リラクタンス電気機械を制御するブロック図を示す。
【0031】
特に、同期リラクタンス電気機械は、遠隔および/またはローカル配電網に給電される電力を発生させるための発電機でもよく、または、トルクを駆動軸および/または外部の使用場所へ供給するように構成された電動機でもよい。
【0032】
通常、同期リラクタンス電気機械の回転質量Mは、一時的な供給電圧故障に起因して、かつ、例えば、電力配電回路網における電力のカットオフによって発生する、速度過渡現象にさらされることがある。
【0033】
また、回転質量Mは、電気機械のオフ時、駆動軸に接続される負荷に対する外部の動的な応力に起因する速度過渡現象にさらされることもある。
【0034】
例えば、これらの過渡現象は、風力タービンの翼板上の突風によって、または、排気ダクトのファン上の気流によって発生するトルクによって、もたらされる場合がある。
【0035】
さらにまた、電気機械Eおよび/またはインバータCは、回転質量の瞬間的回転速度を検出するため、または機械巻線の残留磁化電圧を測定するために典型的に用いられるように、そこへ接続されるとしても、センサレスタイプである。
【0036】
本発明に固有の特徴によれば、本方法は、過渡現象の後、予め定められた振幅(v
C)および期間(継続時間)(T
C)を有する制御電圧V
Cを端子に印加するステップであって、その電圧は制御電圧V
Cの周波数f
Cと回転質量Mの機械的回転数f
M間の回数差に従って変化する高調波スペクトルSを有するような、電気機械Eにおける電流I
iを誘導する電圧である、ステップa)を基本的に含む。
【0037】
このようなステップの後に、機械Eの電力および同期回転制御を復元させるために誘導電流I
iを検出するステップb)が続く。
【0038】
この方法は、速度過渡現象が原因で回転質量Mの瞬間的な回転パラメータが不明な場合に、電気機械Eの運用の制御を復元させることが可能である。
【0039】
好都合には、制御電圧V
Cは、特に短期間T
Cを有することができる。好ましくは、制御電圧V
Cの期間(継続時間)T
Cは、2s未満の範囲内であり得、1秒以下でもよい。
【0040】
制御電圧V
Cは、DCタイプまたは予め定められた周波数f
Cを有するACタイプであり得る。
【0041】
さらにまた、制御電圧V
Cの振幅v
Cおよび周波数f
Cは、固定かそれともその印加期間で可変的でよい。
【0042】
有利には、制御電圧V
Cの周波数f
Cおよび振幅v
Cは両方、適用の継続時間T
C全体にわたって可変(変数)でよい。
【0043】
制御電圧V
Cの振幅v
Cおよび/または周波数f
Cは、電気機械Eのインバータによって、自動的に調整され得る。
【0044】
あるいは、制御電圧V
Cは、オペレータによって手動で調整され得る。
【0045】
特に、電気機械Eの等価なインピーダンスX
eqは、制御電圧V
Cの周波数f
Cに従って変化する。
【0046】
本発明の好ましい非限定的な実施態様によれば、制御電圧V
Cは、電気機械Eの等価なインピーダンスX
eqおよび所望の誘導電流I
iの値に従って変化している振幅v
Cを有する正弦波電圧とすることができる。
【0047】
好都合には、制御電圧V
Cは、回転質量Mの慣性回転速度を実質的に不変に保つために、回転質量Mに対して予め定められた付加的なトルクを発生させることができる。
【0048】
特に、制御電圧V
Cは、電気機械Eの公称トルクの5%未満の付加的なトルクを発生させるような振幅を有することができる。
【0049】
さらにまた、付加的なトルクは、制御電圧V
Cの適用のため電気機械Eにおいて発生する変動の瞬時特性に従うブレーキングまたは加速トルクでもよい。
【0050】
制御電圧は有利に、高調波スペクトルが人間の可聴域における実質0(ゼロ)の高調波成分を有する誘導電流I
iを生成するように構成され得る。
【0051】
特に、誘導電流は、可聴域の高感度領域において、実質的にゼロまたは非常に低い平均値を持つ高調波スペクトルSを有する場合がある。
【0052】
例えば、高調波スペクトルSは、400Hzから2KHzまでの周波数レンジにおける実質的にヌル(null)であるか非常に低い平均値を有する可能性があり、微分値(f
C−f
M)に依存している。
【0053】
このように、制御電圧V
Cの適用の間、電気機械Eは、ヌル(null)かまたはごくわずかな音響ノイズを発する。
【0054】
これは、高い音響ノイズを発することのない、同じ環境に取り付けられて速度過渡現象にさらされる複数の同期リラクタンス電気機械の制御を可能にする。
【0055】
好都合には、
図2に最も良く示されているように、本方法は誘導電流I
iを、実質的に90°で相殺される一対のベクトル電流I
d,I
qに分解するステップc)を含むことができる。
【0056】
特に、この誘導電流I
iの分解は、電気機械Eの端子に提供される制御電圧V
Cと関連した角度φ
VCから開始され得る。
【0057】
さらにまた、一対のベクトル成分I
d,I
qへの誘導電流I
iの分解については、制御電圧V
Cの適用のため端子に発生する基本的な電流の高調波成分が取り除かれ得る。
【0058】
好都合には、本方法は、直流を除去するとともに回転質量Mの瞬間的回転速度に従って変化している電気パラメータPを有するフィルタ処理ベクトル電流成分I’
d,I’
qを得るために、高域フィルタ(HPF)を用いて一対のベクトル電流I
d,I
qをフィルタリングするステップd)を、含むことができる。
【0059】
高域フィルタ(HPF)は、ベクトル電流I
d,I
qにおけるあらゆる残留直流電流の除去を可能にするために構成される予め定められた数学的重みを有することができる。
【0060】
フィルタリングステップd)において得られたフィルタ処理ベクトル電流は、90°で相殺される同じ振幅を有する実質的に正弦波電流でもよい。
【0061】
好都合には、
図2に最も良く示されているように、本方法は、初期値θ
inで電気機械の回転質量の瞬間的回転角度をセットするステップe)を含むことができる。
【0062】
さらにまた、上記角度をセットするステップe)の後には、回転質量Mの機械的回転角度θ
Mと実質的に同調する同期回転角度θ
sincを決定するために瞬間的回転角度θ
istを調整するステップf)が続くことができる。
【0063】
本方法は同期角度θ
sincおよびゼロから所定の時間間隔で公称値まで増加するトルク成分I
al_torqueに応じて算出される回転角度θ
alを有するベクトル電流I
alを電気機械Eに供給するステップg)をさらに含むことができる。
【0064】
ゼロから公称値への供給電圧I
alのトルク成分I
al_torqueの段階的な増加によって、電気機械Eの制御をその回転質量Mに突然の速度変化をもたらさずに復元させ得る。
【0065】
特に有利な本発明の態様において、調整ステップf)において得られた同期回転角度θ
sincは、回転質量Mの機械的回転角度θ
Mに関連して、予め定められた閾値ε’
θを超えない角度誤差ε
θを有することができる。
【0066】
特に、角度誤差ε
θのための閾値は、ゼロでもよい。
【0067】
好都合には、
図2に最も良く示されているように、瞬間的回転角度θ
istを調整するステップf)は、初めに設定された回転角度θ
inから反復して角度誤差ε
θを最小化する追加のステップh)を含むことができる。
【0068】
特に、0(ゼロ)に等しい回転角度θ
inが第1のサイクルの間にだけ使用されるように、反復ステップが設定され得る。
【0069】
角度誤差ε
θの反復的な最小化は、各サイクルにおいて、以前のサイクルで発生する瞬間的回転角度θ
istと、現在のサイクル中に算出される瞬間的回転角度θ’
istの比較をすることによって、達成され得る。
【0070】
瞬間的回転角度θ'
istは、以前のサイクルにおいて発生される瞬間的回転角度θ
istからの一対のフィルタ処理ベクトル電流I’
d,I’
qの瞬間的オフセットに従って、決定され得る。
【0071】
上記反復は、2つの角度間の差(θ’
ist−θ
ist)が閾値ε’
θ以下の角度誤差になった場合に終了する。
【0072】
この状態の実現によって、同期回転角度θ
sincを、最後の反復サイクルで算出される瞬間的な回転角度θ’
istの値にセットすることができる。
【0073】
好都合には、その出力として同期回転角度θ
sincを生成するための第1の位相ロックループアルゴリズムPLL
1によって、反復的な最小化ステップh)が得られる。
【0074】
アルゴリズムPLL
1は、入力として、フィルタリングステップd)から得られる一対のフィルタ処理ベクトル電流I’
d,I’
qを受け取るように設計され得る。
【0075】
さらにまた、電気機械Eに電力を供給するステップg)は、電気機械Eの極数に応じて第1の位相ロックループアルゴリズムPLL
1によって発生する同期回転角度θ
sincを調整する調整ステップi)を含むことができる。
【0076】
例えば、同期電気機械Eが極数(POLES NR.)をそれぞれ4または6極備えている場合、調整ステップi)は同期回転角度θ
sincを2または3で割る。
【0077】
好都合には、電力供給ステップg)は、第2の位相ロックループアルゴリズムPLL
2を用いて得られた回転質量Mの回転角度によって、同期回転角度θ
sincの微調整の追加ステップk)を含むことができる。
【0078】
このアルゴリズムPLL
2は、その出力として初期値が以下の式によって表される微細な同期回転角度を生成する:
PLL_main.integ=PLL_main.output=(Δθ
sinc/n)−Δθ
Vc
【0079】
Δθ
sincは第1のアルゴリズムPLL
1の出力として得られた同期回転角度θ
sincのインクリメントであり、nは電気機械Eの極対の数であり、Δθ
Vcは時間単位の制御電圧V
Cの角度のインクリメントである。
【0080】
特に、この調整ステップk)は、ベクトル供給電流I
alにおいて実質的に0(ゼロ)トルク成分I
al_torqueおよび電気機械Eにおける公称磁束より低い磁束を生成するために所定の値を有する磁束成分I
al_fluxを有する初期トランジェントを含む。
【0081】
このように、回転質量Mの機械的回転角度θ
Mを有する同期のための同期角度θ
sincの微調整のステップk)は、誘導される磁束条件での電気機械の運用で実行され得る。
【0082】
これらの条件において、磁束値は、それが回転質量Mの機械的回転角度θ
Mを有する同期のための同期角度θ
sincの非常に正確な調整を利用可能とする同期リラクタンス電気機械Eのために利用され、特定の制御技術によって課せられる制限の端限度を決して上回らないように、都合よく調整され得る。
【0083】
制御電圧V
Cの適用の時間T
Cの間に、ステップc)からk)が実行され得る点に更に注意されたい。
【0084】
このように、制御電圧V
Cの適用の時間がお終わったとき、電気機械Eは、その回転質量を公称速度に復元させるためのベクトル供給電流I
alを提供することができる。
【0085】
このように、機械Eに接続されるインバータVは、周知の制御技術を利用して回転質量の運用を制御することができる。
【0086】
上記した方法は、都合よく上記の方法ステップを通じて電気機械Eの制御のための操作命令を含むコンピュータプログラム製品に変えられ得る。
【0087】
このコンピュータプログラム製品は、図示しないがプログラムを実行して、電気信号を発生させ取り扱うための電気装置を制御するように構成される一つ以上の電子デジタル処理デバイスの制御のための、電気機械Eと関連したインバータVのプログラム可能な制御ユニットUの記憶媒体に格納され得る。
【0088】
従って、同期リラクタンス電気機械Eは、通常の速度でも、また機械の回転質量Mの速度過渡現象を引き起こす影響を受けやすい予想外のイベントの後でも、インバータVによって制御され得る。
【0089】
上記記載は、回転質量が速度過渡現象にさらされる際、本発明の方法が機械またはそのインバータに載置されるセンサ手段なしで、意図された目的を果たし、特に同期リラクタンス電気機械の制御を可能とする要件を満たすことを、明らかに示している。
【0090】
本発明の方法は、添付の請求の範囲において示される発明の概念の範囲内で、多くの変化および異型を受け入れることができる。そのすべての詳細は他の技術的に等価な部分と置き換えられることができ、機械材料は、本発明の範囲から逸脱しないで、異なるニーズに応じて変わり得る。
【0091】
本方法が添付の図に特に関連して記載されると共に、本書および請求の範囲に記載の数表示が本発明のより良好な理解度のためだけに使われるのであり、いかなる方法によっても請求の範囲を制限することを意図するものではない。
【国際調査報告】