(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-501327(P2016-501327A)
(43)【公表日】2016年1月18日
    (54)【発明の名称】建物構造のための断熱壁システム
(51)【国際特許分類】
   E04B   1/76        20060101AFI20151215BHJP        
【FI】
   E04B1/76 500F
   E04B1/76 500K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
      (21)【出願番号】特願2015-542260(P2015-542260)
(86)(22)【出願日】2013年11月14日
    (85)【翻訳文提出日】2015年6月17日
      (86)【国際出願番号】EP2013073799
    
      (87)【国際公開番号】WO2014076168
(87)【国際公開日】20140522
    
      (31)【優先権主張番号】BA201200182
(32)【優先日】2012年11月15日
(33)【優先権主張国】DK
    (81)【指定国】
      AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
    
      
        
          (71)【出願人】
【識別番号】513049402
【氏名又は名称】ロックウール  インターナショナル  アー/エス
          (74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本  秀策
          (74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下  夏樹
          (74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田  貴敏
          (74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川  大輔
          (74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本  健策
        
      
      
        (72)【発明者】
          【氏名】テル−ボルフ,  ハンス  ヘンリック
              
            
        
      
    【テーマコード(参考)】
      2E001
    【Fターム(参考)】
      2E001DD01
      2E001FA04
      2E001GA12
      2E001HF11
      2E001KA01
      2E001LA01
    (57)【要約】
本発明は、建物構造のための断熱壁システムに関し、断熱壁システムは、断熱材料(2)を伴う外部表面(11)を有する第1の壁(1)を備え、断熱材料(2)は、該第1の壁(1)の外部表面(11)に適合させられ、かつ、断熱材料(2)に接触している少なくとも1つの細長い支持部材(42)によって保持され、少なくとも1つの細長い支持部材(42)は、外部表面(11)に実質的に垂直な、断熱材料(2)を通って延びる留め部材(3)を介して、第1の壁(1)において固定され、細長い支持部材は、摩擦を向上させるために、梁(42)の内側表面(41)に接触する断熱材の上に取り付けられる1つ以上の爪板(44)を伴う細長い梁(42)を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  建物構造のための断熱壁システムであって、
  前記壁システムは、断熱材料(2)を伴う外部表面(11)を有する第1の壁(1)を備え、前記断熱材料(2)は、前記第1の壁(1)の前記外部表面(11)に適合させられ、かつ、前記断熱材料(2)に接触している少なくとも1つの細長い支持部材(42)によって保持され、前記少なくとも1つの細長い支持部材(42)は、前記外部表面(11)に実質的に垂直な、前記断熱材料(2)を通って延びる留め部材(3)を介して、前記第1の壁(1)に固定され、
  前記細長い支持部材は、1つ以上の爪板(44)を伴う細長い梁(42)を備え、前記1つ以上の爪板(44)は、摩擦を向上させるために、前記梁(42)の内側表面(41)に接触している前記断熱材上に取り付けられることを特徴とする、断熱壁システム。
【請求項2】
  前記細長い梁(42)は、木製梁、例えば、LVL厚板である、請求項1に記載の断熱壁システム。
【請求項3】
  前記細長い梁(42)は、鋼形材等の金属形材であり、前記形材は、例えば、溶接によって前記形材の上に取り付けられた少なくとも1つの爪板を伴う、請求項1に記載の断熱壁システム。
【請求項4】
  前記爪板(44)の前記内側表面(41)から突出するスパイクは、前記断熱材料(2)の前記外側表面(22)の中に貫入する、請求項1から3のいずれかに記載の断熱壁システム。
【請求項5】
  前記梁(42)は、相互の所定距離を伴う複数の爪板(44)を具備している、請求項1から4のいずれかに記載の断熱壁システム。
【請求項6】
  前記断熱材料(2)は、好ましくは、50〜100kg/m3、より好ましくは、約70kg/m3の密度を有する鉱物線維板の繊維性断熱材料である、請求項1から5のいずれかに記載の断熱壁システム。
【請求項7】
  前記壁システムの前記少なくとも1つの細長い支持部材は、垂直に配向されている、請求項1から6のいずれかに記載の断熱壁システム。
【請求項8】
  前記壁システムの前記少なくとも1つの細長い支持部材は、水平に配向されている、請求項1から6のいずれかに記載の断熱壁システム。
【請求項9】
  前記爪板は、ねじによって、前記細長い支持部材に取り付けられる、請求項1から8のいずれかに記載の断熱壁システム。
【請求項10】
  前記爪板は、取り付きスパイクを具備し、それによって、前記爪板は、打ち込むことによって、前記細長い支持部材上に取り付けられる、請求項1から8のいずれかに記載の断熱壁システム。
【請求項11】
  前記爪板は、テープまたは糊等の接着剤によって、前記細長い支持部材に取り付けられる、請求項1から8のいずれかに記載の断熱壁システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、建物構造のための断熱壁システムに関連し、断熱壁システムは、断熱材料を伴う外部表面を有する第1の壁を備え、断熱材料は、第1の壁の外部表面に適合させられ、かつ、断熱材料に接触している少なくとも1つの細長い支持部材によって保持され、少なくとも1つの細長い支持部材は、外部表面に実質的に垂直な、断熱材料を通って延びる留め部材を介して、第1の壁内に固定される。
 
【背景技術】
【0002】
  第WO2007/110244A1号(特許文献1)は、前述の種類の断熱壁システムを開示しており、細長い支持部材は、木製梁または鋼形材(profile)であり得、それらは、十分な剛度を提供する具体的形状を伴って形成され、形材は、プレストレス留め具によって適合させられた場合、その縦軸に沿って屈曲しない。形材の中心部分には、後方に延びるエンボス加工のアレイ等の取り付け孔および摩擦向上突起が提供される。ファサードクラッディングが、鋼形材の外側に取り付けられ得る。
【0003】
  断熱壁システムはまた、第DE19703874A1号からも公知である。その中に開示される断熱壁システムは、建造物の垂直な木製外壁構造であり、断熱スラブが、いくつかの支持梁によって木製内壁に固定され、支持梁は、断熱材の外側に位置付けられ、水平に対して角度60°〜80°を伴う、断熱材料を貫通するいくつかのねじによって内壁に固定される。建物ファサードは、支持梁上に取り付けられる。これによって、ねじは、建物ベース構造上に取り付けられる内壁上に外側ファサード構造の重量を伝達することができる。
【0004】
  本タイプの壁システムは、既存の建物の外壁断熱カバーの取り付けに好適であるが、ねじの要求される長さにより、取り付けられることができる断熱材料の量に制限される。
【0005】
  しかしながら、最大300mm以上までであり得る、建物の断熱材の厚さに対する現代の要件を満たすために、好適なねじは、これらが例外的に長く、それによって、取扱が困難であり、かつ断熱材の背後の内壁上に適切に締結されることを確実にしなければならないため、傾斜角度で断熱層を貫通することができる好適なねじを設計することは困難である。
【0006】
  さらに、建築業界において、断熱カバーの断熱効果が損なわれることを回避するために、断熱カバーの貫通量が制限されなければならないことは、容易に認識される。
 
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/110244号
 
 
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
  本発明は、建物構造のための断熱壁システムから成り、断熱壁システムは、断熱材料を伴う外部表面を有する第1の壁を備え、断熱材料は、第1の壁の外部表面に適合させられ、かつ、断熱材料に接触している少なくとも1つの細長い支持部材によって保持され、少なくとも1つの細長い支持部材は、外部表面に実質的に垂直な断熱材料を通って延びる留め部材を介して、第1の壁内に固定され、細長い支持部材は、摩擦を向上させるために、梁の断熱当接内側表面上に取り付けられる1つ以上の爪板を伴う細長い梁を備えている。これは、断熱材の強度が、該断熱壁システムを被覆する表面クラッディングを支持するために利用されることを意味する。
【0009】
  ファサードクラッディングを支持するために断熱材の強度を利用する一般原理は、例えば、第WO2007/110244A1号から公知であり、好ましい実施形態における支持部材は、鋼形材の後側に摩擦向上突起を伴う鋼形材である。本発明は、生産が安価であり、建設業者が建物用地において作業するためにより柔軟性があるため、第WO2007/110244A1号のシステムと比較して有利である。細長い支持部材の後側の爪板または複数の爪板は、ファサードクラッディングを支持するために断熱材の強度を利用するために有利である。これによって、壁システムの上部梁への依存性が、排除されることができ、より高い建物および上部梁がない領域において、本システムを使用することが可能である。
【0010】
  本発明による断熱材料は、繊維性断熱材料の少なくとも1つの層を含む。該繊維性断熱材料は、好ましくは、例えば、結合剤を用いて結合されるガラスまたは石繊維から作製される鉱物繊維材料である。しかしながら、また、EPSまたはXPS等の発泡体製品、あるいは製品の任意の組み合わせが、適用され得ることを認識されたい。断熱材料は、断熱材の追加厚を提供するために、2つの層を含み得る。特に、断熱材料は、好ましくは、50〜100kg/m
3、より好ましくは、約70kg/m
3の密度を有する、鉱物線維板である。そのような断熱材料の強度を最適に利用するために、該材料は、10%歪みCS(10)における圧縮応力として表される、欧州規格EN826に準拠して、10%の歪みにおいて、少なくとも7,5kPa、好ましくは、少なくとも10kPa、より好ましくは、少なくとも15kPaのその厚さ方向における圧縮荷重に対する抵抗を提供する。
【0011】
  好ましくは、細長い支持部材は、木製梁、例えば、LVL(単板積層材)厚板である。これによって、支持部材は、相対的に単純かつ安価な材料を使用して、建物用地で作製されることができる。それらはさらに、例えば、用地における必要性に従って、標準的ツールを用いて、単純様式で適切なサイズに切断されるように処理され得る。そのようなLVL厚板は、ファサードシステムの十分な換気を確保するために、厚さ約25〜30mmと、幅約100mmとを有し得る。
【0012】
  木製厚板ならびに爪板は、コンパクトに保管および運搬されることができ、また、比較的に低運搬および保管コストのため、コスト効果的壁システムに寄与する。
【0013】
  本開示の文脈における用語「爪板」は、細長い梁に追加され、断熱材料の中に貫入するために、要素の表面から突出する突出部を有する要素を意味する。木製厚板に関連して、爪板が、例えば、爪板を木製梁に打ち込むことによって、木製梁上に容易に取り付けられ得るように、要素の対向表面から木製梁に向かって突出する少なくとも1つのスパイクもまた有する爪板を使用することが有利であることが分かっている。
【0014】
  故に、爪板は、内側表面から突出し、断熱材料の外側表面の中に貫入するスパイクを具備する。これによって、向上した摩擦、それによって、断熱材上への支持部材の固定された位置決めが、提供され、本発明による壁システムが、比較的に高重量を伴う外側ファサードクラッディングを支持することを可能にする。断熱材料の中に有意に貫入するスパイクのため、留め部材によって最終的に保持される前に、支持部材を断熱材に突き刺し、一時的に固定させることも可能である。したがって、単一施工者が、時間およびコスト効率的様式において、壁システムを取り付けることが可能となるであろう。
【0015】
  代替実施形態では、細長い梁は、例えば、溶接によって、その上に取り付けられる少なくとも1つの爪板を伴う鋼形材等の金属形材であり得る。代替として、爪板はまた、テープまたは糊等の接着剤によって、細長い支持部材に取り付けられ得る。
【0016】
  好ましい実施形態では、梁または複数の梁は、相互の所定距離を伴う、複数の爪板を具備する。これによって、梁は、実際の荷重要件に従って、所定の数の爪板を具備し得る。
【0017】
  以下、本発明は、付随の図面を参照して、より詳細に説明される。
 
 
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の原理を使用する、先行技術による壁システムの概略断面詳細図である。
 
【
図2】
図2は、力の分布を図示する、先行技術による壁システムの概略図である。
 
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態による、断熱壁システムの概略断面図である。
 
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施形態による、断熱壁システムの概略断面図である。
 
【
図5】
図5は、本発明のある実施形態による、支持部材の概略斜視図である。
 
【
図6】
図6は、本発明による断熱壁システムがその上に取り付けられる、建物構造のグラフィック図である。
 
【
図7】
図7は、第3の本発明の実施形態による、爪板の斜視図である。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0019】
  図1は、第WO2007/110244号に開示されるような先行技術による壁システムを示す。
図1によると、第1の壁1が、提供され、該第1の壁は、本実施形態では、内壁である。この内壁1の外側表面11上には、繊維性断熱材のスラブ2が、提供され、この断熱材料2は、外壁4の外壁細長い支持部材42および断熱材2を通して取り付けられるいくつかの留め部材3によって、内壁1に固定される。本実施形態では、外壁4である、第2の壁4はさらに、好ましくは、垂直に配置される細長い支持部材42上に取り付けられるファサードパネルまたは木製カバー等であり得る、外部壁カバー43を含む。
 
【0020】
  図1に示される実施例では、木製壁構造が示される。具体的壁構造の所定の熱断熱要件を満たすために、1つ以上の層の断熱材料2が、提供され得る。実施例として、2つの層の断熱材料2’、2’’が、
図1に示される。
 
【0021】
  留め部材3は、プレストレスを伴って、すなわち、断熱材料2の圧縮とそのような材料の弾性特性とに由来する、ねじ3内に提供される恒久的引張荷重を伴って取り付けられるねじである。
 
【0022】
  ここで、
図2を参照すると、留めねじ3内の恒久的引っ張り力の結果、垂直力F
nが、断熱材料2の外側表面22と外壁構造4の内側表面41との間に生成される。同一の垂直力はまた、断熱材料2の内側表面21と内壁1の外部表面11との間にも生成される。これは、摩擦力F
fが確立され、それによって、外壁4の荷重W
oが、
図2に示されるように、地面7における建物基礎6上に取り付けられる内壁1に伝達されることを意味する。これによって、壁システム全体の重量F
tは、内壁を通して基礎に伝達される。他の状況では、断熱材料F
iの重量および荷重は、基礎が、断熱材の真下に延びるように寸法決定され、断熱材が、基礎6上に置かれて取り付けられる場合、基礎に伝達され得る(
図2には図示せず)。
 
【0023】
  この原理を利用する壁システムによって、基礎の要求されるサイズは、縮小され得、基礎を通した熱橋は、本発明による、壁システムによって、回避されるか、または少なくとも減少され得る。
 
【0024】
  本発明によると、かつ
図3から6を参照すると、細長い支持部材42は、細長い支持部材42の内側表面41上に所定の量の爪板44を具備する(
図5参照)。
図3には、内壁1がコンクリート壁である実施形態が示され、
図4における実施形態は、いくつかの層1’、1’’、1’’’を伴う木製構造の内壁1を示す。断熱材料2は、断熱材2の外側表面22上に互いから所定の距離において細長い支持部材42を提供することによって、内壁1に固定される。好ましくは、LVL厚板の形態である、細長い支持部材42は、断熱材料2を貫通して、壁1の中に貫入する、留めねじ3、すなわち、二条ねじによって、内壁1に固定される。断熱材料2の弾力的な圧縮により、留めねじ3は、引っ張り力を提供され、それによって、前述のような摩擦力が提供される。木製厚板42の内側(または、後側)41において、爪板44は、断熱材の外側表面区画の中に貫入し、それによって、把持力を向上させるスパイクを具備する。外側ファサードクラッディング43は、木製厚板42の外側表面に固定される。
 
【0025】
  図5に示されるように、爪板44は、取り付け部材45、例えば、厚板42の中に容易に螺入されるねじによって、建物用地上で施工者によって、木製厚板42に取り付けられ得る。その上に取り付けられるいくつかの爪板44を有する木製厚板を壁1に適合させられた断熱材2上に取り付ける場合、木製厚板42は、断熱表面上に置かれ、次いで、
図6における矢印によって示されるように、定位置に「ロール」され、それによって、留め部材3によって最終的に固定される前に、木製厚板42を断熱材2に一時的に固定し得る。断熱材2が、
図6に示されるように、その上に細長い支持部材42とともにしっかりと取り付けられると、壁システムは、外壁構造、すなわち、ファサードクラッディング(
図6には図示せず)を受け取るための準備ができる。
 
【0026】
  本発明の好ましい実施形態では、使用される断熱材料2は、結合された鉱物繊維材料であるが、本発明によって、発泡体製品、例えば、EPSまたはXPS等の他のタイプの断熱材料が使用され得ることを認識されたい。
 
【0027】
  図3から5の実施形態では、爪板44は、板から突出するいくつかのスパイクを伴う、長方形の板である。爪板44は、ねじ45によって、細長い梁に取り付けられる。
図7では、爪板44の代替実施形態が示される。
図7の本実施形態では、爪板44は、互に実質的に垂直に提供される2つの部分44aおよび44bを伴う、「アングル型」爪板44として形成される。第1の部分44aは、外向きに突出するスパイク、すなわち、木製梁41の表面から離れるほうに突起するスパイクまたはつめを具備する。しかしながら、第2の部分44bは、内向きに、すなわち、木製梁41の中に突出するスパイクを具備する。2つの部分44aおよび44bは、スパイクが打ち抜かれた鋼鉄板等の屈曲金属板内において形成され得る。本実施形態による爪板44は、第2の部分44bのスパイクが取り付くつめとしての役割を果たすので、細長い梁上への取り付きが単純である。故に、爪板44は、単に、木製梁上に位置付けられ、次いで、爪板を木製梁に固定するために第2の部分をハンマーで打つことによって取り付けられる。
 
【0028】
  本発明によって、爪板はまた、断熱材料に貫入するための外向きに突起するスパイクを伴う連続した金属ストリップ(図には図示せず)として提供され得ることを認識されたい。加えて、金属つめストリップもまた、金属つめストリップを木製梁に固定させるために内向きに向けられたつめを具備し得る。金属ストリップは、コイルとして提供され、次いで、木製梁上にロールアウトされ、所望の長さに切断され、細長い支持部材42に固定され得る。代替として、金属つめストリップの小片は、用地での必要性に応じて、任意の所望の長さにコイルから切断され、例えば、断熱されるべき建物ファサードの高さに従って、対応する壁システムの耐荷重特性を調節し得る。
 
【0029】
  前述のように、細長い支持部材42への爪板44の取り付けは、ねじ45によって、または、爪板44を木製細長い支持部材42上に打ち込むための、板44上の「内方に」向けられたスパイクによって、行われてもよい。本発明によって、爪板44を細長い支持部材41に取り付ける他の手段も使用され得ることを認識されたい。故に、接着剤取り付けが、例えば、接着剤テープまたは糊を使用することによって、使用され得る。支持部材42が、好適な金属から作製される場合、爪板は、支持部材上に溶接され得る。
 
【0030】
  壁システムの細長い支持部材42は、図に示される実施形態では、垂直に配向される。しかしながら、壁システムの細長い支持部材は、代替として、水平に配向される、または任意の他の好適な配向で提供され得ることを認識されたい。
 
【0031】
  前述において、本発明は、いくつかの好ましい実施形態を参照して説明される。しかしながら、他の変形例も、付随の請求項に定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、提供され得る。この点において、「内側」、「外側」等の方向用語は、単に、概して、それぞれ、建物の内側に向かう、または建物の外側に向かう方向を参照する相対的用語として利用されるべきであることを認識されたい。
 
 
【国際調査報告】