(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-502428(P2016-502428A)
(43)【公表日】2016年1月28日
(54)【発明の名称】柔軟なデータ取得のための同調可能クロックシステムを用いるOCTシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20151228BHJP
G01B 9/02 20060101ALI20151228BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20151228BHJP
【FI】
A61B1/00 300D
G01B9/02
G01N21/17 630
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-541768(P2015-541768)
(86)(22)【出願日】2013年9月25日
(85)【翻訳文提出日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】US2013061724
(87)【国際公開番号】WO2014074240
(87)【国際公開日】20140515
(31)【優先権主張番号】13/670,935
(32)【優先日】2012年11月7日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】315015472
【氏名又は名称】アクサン テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, バートリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】フランダーズ, デール シー.
【テーマコード(参考)】
2F064
2G059
4C161
【Fターム(参考)】
2F064AA09
2F064EE04
2F064FF01
2F064FF08
2F064GG00
2F064GG02
2F064GG12
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2F064GG41
2F064JJ00
2F064JJ15
2G059AA05
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2G059EE02
2G059FF02
2G059JJ17
2G059JJ30
2G059MM14
4C161AA22
4C161BB08
4C161JJ20
(57)【要約】
OCTシステム、特に、そのクロックシステムは、kクロック信号を生成するだけではなく、例えば、少なくとも、干渉信号のサンプリングおよび/またはOCT画像へのその干渉信号の処理の目的のために、掃引の開始または掃引と関連付けられる絶対周波数参照を示す、光周波数参照掃引信号を生成する。クロックシステムはまた、掃引光信号の走査とデータ取得システムによる干渉信号のサンプリングとの間の関係にわたる制御または柔軟性を可能にするために同調可能である。具体的には、kクロック信号が生成される掃引光信号の絶対周波数は、調節されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
干渉信号をサンプリングするクロックおよび検出システムであって、前記システムは、
掃引光信号の走査帯を通して周波数掃引する間に生成される前記干渉信号を検出する検出器(152)と、
開始信号(DAQトリガ)の受信後に、クロック信号(kクロック)に応答して、前記検出器の出力をサンプリングするデータ取得システム(155)と、
前記掃引光信号の周波数に応答して、前記クロック信号および開始信号を生成する同調可能クロックシステム(300)と、
前記同調可能クロックシステムを制御するコントローラ(190)と
を備える、システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記同調可能クロックシステムを制御し、前記開始信号が生成される掃引開始周波数を変更する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記同調可能クロックシステムを制御し、前記開始信号および前記kクロック信号が生成される周波数を変更する、請求項1−2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラの制御の下、前記同調可能クロックシステムの温度を制御するための温度制御システムをさらに備える、請求項1−3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記温度制御システムは、前記同調可能クロックシステムにおける温度検出器(392)と、前記同調可能クロックシステムの温度を変更するためのクーラ(450)またはヒータとを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記データ取得システムは、前記クロック信号に応答して、前記干渉信号をサンプリングし、前記干渉信号の均等に離間されたサンプルを生成する、請求項1−5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記同調可能クロックシステムは、クロック/トリガ光モジュール(350)を備え、前記クロック/トリガ光モジュール(350)は、光周波数サンプリング間隔に基づいて前記掃引光信号をフィルタ処理するkクロックスペクトルフィルタと、前記掃引光信号の掃引開始周波数を示す掃引開始フィルタとを備える、請求項1−6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記kクロックスペクトルフィルタは、クロックエタロン(372)であり、前記掃引開始フィルタは、掃引開始エタロン(376)である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記クロックエタロンおよび前記エタロンの材料は、異なる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記kクロックスペクトルフィルタは、クロック干渉計であり、前記掃引開始フィルタは、掃引開始干渉計である、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記クロック干渉計内の光遅延要素および前記掃引開始干渉計の材料は、異なる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記クロック/トリガ光モジュールはさらに、光学ベンチ(366)を含有する気密パッケージ(368)を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記クロック/トリガ光モジュールはさらに、前記気密パッケージの温度を制御するための熱電クーラを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
干渉信号サンプリングのための方法であって、前記方法は、
掃引光信号の走査帯を通して周波数掃引することから生成される干渉信号を検出することと、
前記掃引光信号をスペクトル的にフィルタ処理することによって、クロック信号および開始信号を生成することと、
前記開始信号の受信後に、前記クロック信号に応答して、前記干渉信号をサンプリングすることと、
前記掃引光フィルタのスペクトルフィルタ処理を制御し、前記クロック信号および前記開始信号の発生を制御することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記開始信号が生成される掃引開始周波数を変更することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記開始信号およびクロック信号が生成される前記掃引光信号の周波数を変更することをさらに含む、請求項14−15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記クロック信号および前記開始信号を生成する同調可能クロックシステムの温度を制御することをさらに含む、請求項14−16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記同調可能クロックシステムの温度を変更するためのクーラまたはヒータを動作させることによって、前記同調可能クロックシステムの温度を制御することをさらに含む、請求項14−17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
光周波数サンプリング間隔に基づいて前記掃引光信号をフィルタ処理するkクロックスペクトルフィルタを用いて前記掃引光信号をフィルタ処理することと、前記掃引光信号の掃引開始周波数を示す掃引開始フィルタを用いて掃引開始周波数を示すこととをさらに含む、請求項14−18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記kクロックスペクトルフィルタは、クロックエタロンであり、前記掃引開始フィルタは、掃引開始エタロンである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記クロックエタロンおよび前記掃引開始エタロンの材料は、異なる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記kクロックスペクトルフィルタは、クロック干渉計であり、前記掃引開始フィルタは、掃引開始干渉計であり、前記方法は、前記クロック干渉計および前記掃引開始干渉計内の光遅延要素のための異なる材料を選択することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記同調可能クロックシステムを密封してパッケージ化することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
干渉信号をサンプリングするクロックおよび検出システムであって、前記システムは、
掃引光信号の走査帯を通して周波数掃引することによって生成される前記干渉信号を検出する検出器と、
開始信号の受信後に、クロック信号に応答して、前記検出器の出力をサンプリングするデータ取得システムと、
前記クロック信号を生成する同調可能クロックシステムと、
前記同調可能クロックシステムを制御し、前記掃引光信号に対するクロック信号を変更するコントローラと
を備える、システム。
【請求項25】
前記コントローラの制御の下、前記同調可能クロックシステムの温度を制御するための温度制御システムをさらに備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記温度制御システムは、前記同調可能クロックシステムにおける温度検出器と、前記同調可能クロックシステムの温度を変更するためのクーラまたはヒータとを備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
干渉信号検出方法であって、前記方法は、
掃引光信号の走査帯を通して周波数掃引することによって生成される前記干渉信号を検出することと、
開始信号の受信後に、クロック信号に応答して、前記検出された干渉信号をサンプリングすることと、
前記クロック信号の発生を制御し、前記掃引光信号に対するクロック信号を変更することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2012年11月7日に出願された米国特許出願第13/670,938号に関連する、2012年11月7日に出願された米国特許出願第13/670,935号に対して優先権を主張する。上記文献の両方は、それらの全体として参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(発明の背景)
光学コヒーレンス分析は、サンプルの距離および厚さを測定し、屈折率を計算するために、参照波と実験波との間または実験波の2つの部分の間の干渉現象の使用に依拠する。光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は、高解像度の断面撮像を行うために使用される一例示的技術である。多くの場合、これは、例えば、リアルタイムで顕微鏡スケールにおいて生物学的組織構造を撮像することに適用される。光波が、物体またはサンプルから反射され、コンピュータが、波がどのように反射に応じて変化されるかの情報を使用することによって、断面の画像またはサンプルの3次元体積レンダリングを生成する。
【0003】
OCTのいくつかの異なる部類があるが、フーリエ領域OCTが、現在、多くの用途のための最良の性能をもたらす。さらに、フーリエ領域アプローチのうち、掃引源OCTは、平衡および偏波ダイバシティ検出の能力を有するため、スペクトルエンコードOCT等の技術に優る顕著な利点を有している。これはまた、典型的には、スペクトルエンコードOCTに要求される、安価かつ高速の検出器アレイが利用可能ではない波長領域内で撮像するための利点を有する。
【0004】
掃引源OCTでは、スペクトル成分は、空間的分離によってエンコードされないが、それらは、時間的にエンコードされる。スペクトルは、連続光周波数サンプリング間隔において、フィルタ処理されるか、または生成されるかのいずれかであり、フーリエ変換の前に再構成される。周波数走査掃引源を使用すると、光学的構成は、あまり複雑ではなくなるが、ここでは、重大な性能特徴が、光源と、とりわけ、その周波数掃引率および同調精度とに存在する。
【0005】
OCT掃引源のための高速周波数同調または高掃引速度は、とりわけ、高速撮像が動きによって誘発されるアーチファクトを減少させ、かつ患者処置の長さを短縮させる、インビボ撮像に関連がある。これはまた、分解能を改善するためにも使用される。
【0006】
従来、OCTシステムのための掃引源は、同調可能レーザとされている。同調可能レーザの利点は、高スペクトル輝度と、比較的単純な光学設計とを含む。同調可能レーザの特有の欠点を回避する潜在性を有する掃引源の別の部類は、典型的には、ASEによって光を生成する源である広帯域光源と、同調可能フィルタおよび増幅器を組み合わせるフィルタ処理された増幅自発放出(ASE)源である。
【0007】
OCT掃引源の同調における不安定性および/または非線形性を補償するために、サンプリングクロック(kクロック)が、多くの場合、光周波数領域(k空間)内の等しく離間されたインクリメントでのサンプリングを可能にするために採用される。このkクロックは、通常、サンプル内およびOCTシステムの干渉計の参照アーム内の光信号と関連付けられる遅延に合致するように遅延されなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要約)
本発明は、OCTシステムに関し、特に、OCTシステム内で使用される同調可能クロックシステムに関する。これは、掃引光信号の走査とデータ取得システムによる干渉信号のサンプリングとの間の関係にわたる制御または柔軟性を可能にする。具体的には、kクロック信号が生成される掃引光信号の絶対周波数が、調整されることができる。また、干渉信号のサンプリングが開始される掃引光信号の絶対周波数もまた、変更または安定化されることができる。さらに、kクロック信号によって定義される光周波数サンプリング間隔が、ユーザの制御の下、変更されることができる、または単に安定化されることができる。
【0009】
概して、一側面によると、本発明は、干渉信号をサンプリングする、クロックおよび検出システムを特徴とする。本システムは、掃引光信号の走査帯を通して周波数掃引する間に生成される干渉信号を検出する検出器と、開始信号の受信後に、クロック信号に応答して、検出器の出力をサンプリングするデータ取得システムと、掃引光信号の周波数に応答して、クロック信号および開始信号を生成する同調可能クロックシステムと、同調可能クロックシステムを制御するコントローラとを備える。
【0010】
ある実施形態では、コントローラは、同調可能クロックシステムを制御し、開始信号が生成される、および/またはkクロック信号が生成される掃引開始周波数を変更する。
【0011】
ある実施例では、温度制御システムが、コントローラの制御の下、同調可能クロックシステムの温度を制御するために使用される。これは、同調可能クロックシステムにおける温度検出器と、同調可能クロックシステムの温度を変更するためのクーラまたはヒータとを備えることができる。
【0012】
好ましくは、データ取得システムは、クロック信号に応答して、干渉信号をサンプリングし、干渉信号の均等に離間されたサンプルを生成する。
【0013】
ある実施例では、同調可能クロックシステムは、クロック/トリガ光モジュールを備え、クロック/トリガ光モジュールは、光周波数サンプリング間隔に基づいて掃引光信号をフィルタ処理するkクロックスペクトルフィルタと、掃引光信号の掃引開始周波数を示す掃引開始フィルタとを備える。いくつかの実装では、kクロックスペクトルフィルタは、クロックエタロンであり、掃引開始フィルタは、掃引開始エタロンである。クロックエタロンおよびエタロンの材料は、好ましくは、異なる。
【0014】
他の場合では、kクロックスペクトルフィルタは、クロック干渉計であり、掃引開始フィルタは、掃引開始干渉計であり、クロック干渉計内の光遅延要素および掃引開始干渉計の材料は、異なる。
【0015】
クロック/トリガ光モジュールはさらに、光学ベンチを含有する気密パッケージを備える。熱電クーラが、気密パッケージの温度を制御するために使用されることができる。
【0016】
概して、別の側面によると、本発明は、干渉信号サンプリングのための方法を特徴とする。本方法は、掃引光信号の走査帯を通して周波数掃引することから生成される干渉信号を検出することと、掃引光信号をスペクトル的にフィルタ処理することによって、クロック信号および開始信号を生成することと、開始信号の受信後に、クロック信号に応答して、干渉信号をサンプリングすることと、掃引光フィルタのスペクトルフィルタ処理を制御し、クロック信号および開始信号の発生を制御することとを含む。
【0017】
概して、別の側面によると、本発明は、干渉信号をサンプリングする、クロックおよび検出システムを特徴とする。本システムは、掃引光信号の走査帯を通して周波数掃引することによって生成される干渉信号を検出する検出器と、開始信号の受信後に、クロック信号に応答して、検出器の出力をサンプリングするデータ取得システムと、クロック信号を生成する同調可能クロックシステムと、同調可能クロックシステムを制御し、掃引光信号に対するクロック信号を変更するコントローラとを備える。
【0018】
概して、別の側面によると、本発明は、掃引光信号の走査帯を通して周波数掃引することによって生成される干渉信号を検出することと、開始信号の受信後に、クロック 信号に応答して、検出された 干渉信号をサンプリングすることと、クロック信号の発生を制御し、掃引光信号に対するクロック信号を変更することとを含む、干渉信号検出方法を特徴とする。
【0019】
ここで、部品の構成および組み合わせの種々の新規的詳細、ならびに他の利点を含む、本発明の上記および他の特徴が、より具体的に、付随の図面を参照して説明され、請求項で指摘されるであろう。本発明を具現化する特定の方法およびデバイスは、限定としてではなく、例証として示されることが理解されるであろう。本発明の原理および特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに、種々および多くの実施形態に採用されてもよい。
【0020】
付随の図面では、参照文字が、異なる図面全体を通して、同一の部品を指す。図面は、必ずしも、縮尺通りではない。代わりに、本発明の原理の例証に応じて、強調が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明による、クロックシステムを組み込むOCTシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、クロックシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、クロック/トリガ光モジュールの第1の実施形態の構成を例証する概略図である。
【
図4】
図4は、クロック/トリガ光モジュールの第2の実施形態の構成を例証する概略図である。
【
図5】
図5は、クロック/トリガ光モジュールの第3の実施形態の構成を例証する概略図である。
【
図6】
図6は、クロック/トリガ光モジュールの第4の実施形態の構成を例証する概略図である。
【
図7】
図7は、一実施形態による、トリガ論理モジュールの構成を例証する論理ゲート図である。
【
図8】
図8は、トリガ論理モジュール内で生成される信号を示す時間関数としての波形プロットである。
【
図9】
図9は、掃引光信号の2つの掃引に関する時間関数として、掃引光信号、電子トリガ信号、光学的トリガ信号、kクロック信号、および光周波数参照掃引開始信号の光周波数を示すプロットである。
【
図10】
図10Aおよび10Bは、異なる材料が、スペクトルフィルタ、例えば、エタロンおよび/または干渉計内で使用されるとき、クロック/トリガモジュールの温度同調を例証する時間関数として、電子トリガ信号、光学的トリガ信号、kクロック信号、および光周波数参照掃引開始信号を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
ここで、本発明は、本発明を実施するための例証的実施形態および詳細なアプローチが示される、付随の図面を参照して、以下により完全に説明されるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、完璧かつ完全となり、当業者に本発明の範囲を完全に伝達するであろうように提供される。
【0023】
本明細書に使用されるように、用語「and/or(および/または)」は、関連付けられる列挙された項目の1つ以上の組み合わせのいずれかおよび全てを含む。さらに、用語、includes(含む)、comprises(備える)、including(含む)、および/またはcomprising(備える)は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しない。さらに、要素が、別の要素に接続または結合されるように言及および/または示されるとき、これは、他の要素に直接接続または結合されることができる、あるいは介在する要素が存在し得ることが理解されるであろう。
【0024】
別様に定義されない限り、本明細書に使用される全ての用語(技術および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されるもの等の用語は、関連技術と関連するその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、かつ本明細書に明示的にそのように定義されない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されないであろうことが理解されるであろう。
【0025】
ここで、図面を参照すると、
図1は、本発明の原理によって構成されている、クロックシステム300を使用する、トモグラフィシステム等の光学コヒーレンス分析システム10を示す。
【0026】
光掃引源システム100は、干渉計200に伝送される光ファイバ110上で同調可能または掃引光信号を生成する。掃引光信号は、狭帯域放射を伴う走査帯にわたって走査する。
【0027】
掃引源システム100は、概して、1キロヘルツ(kHz)を上回る割合で走査帯にわたって繰り返して走査する掃引光信号を生成するために、高速同調を対象とする。本実施形態では、多掃引率掃引源システム100は、20または100kHzを上回る速度で同調する。超高速実施形態では、多掃引率掃引源システム100は、200または500kHzを上回る速度で同調する。
【0028】
典型的には、同調または走査帯域幅は、10ナノメートル(nm)を上回る。本実施形態では、これは、好ましくは、50〜150nmであるが、いくつかの実施例では、さらに広範な同調帯が想定される。一方では、狭帯域放射の帯域幅は、20または10ギガヘルツ(GHz)未満の半値全幅(FWHM)帯域幅を有し、通常、5GHz以下である。光コヒーレンストモグラフィに関して、この高スペクトル分解能は、長いコヒーレンス長を示唆し、したがって、例えば、5ミリメートル(mm)より深いサンプルへのより深い撮像を可能にする。一方では、より低い性能用途において、例えば、サンプルへの1mm深度未満のOCT撮像では、約200GHz以下の帯域幅等のより広域のFWHM帯域幅が、時として、適切である。
【0029】
同調速度はまた、単位時間毎に波長で表されることができる。一実施例では、約110nm同調帯または走査帯および100kHz走査率に関して、実質的に、線形上方同調のための60%デューティサイクルを想定すると、ピーク掃引速度は、110nm*100kHz/0.60=18,300nm/msec=18.3nm/μsec以上の高速であろう。別の実施例では、約90nm同調範囲および50kHz走査率に関して、実質的に線形上方同調のための50%デューティサイクルを想定すると、ピーク掃引速度は、90nm*50kHz/0.50=9,000nm/msec=9.0nm/μsec以上の高速である。約30nm同調範囲および2kHz走査率を有するより小さい同調帯の実施例では、実質的に線形同調のための80%デューティサイクルを想定すると、ピーク掃引速度は、30nm*2kHz/0.80=75nm/msec=0.075nm/μsec以上の高速であろう。
【0030】
したがって、走査率の観点から、本明細書に説明される好ましい実施形態では、掃引速度は、0.05nm/μsecを上回り、好ましくは、5nm/μsecを上回る。さらなる高速用途では、走査率は、10nm/μsecより高い。
【0031】
コントローラ190が、フィルタ、すなわち、同調可能要素、駆動波形、またはデジタル/アナログ変換器(DAC)172に供給される波形を生成する。これは、増幅器174によって増幅され、光掃引源システム100に適用される同調可能要素駆動信号108を生成する。一実施例では、コントローラ190は、掃引源システム100に含有される、ファブリペロー同調可能フィルタ、傾斜格子、または他の同調可能光要素等の1つ以上の同調可能光フィルタのための周波数掃引を線形化するフィルタ駆動波形を記憶する。
【0032】
クロックシステム300が、掃引光信号が、走査または同調帯にわたって同調または掃引されるとき、等しく離間される光周波数サンプリング間隔でkクロック信号を生成するために使用される。掃引源信号スプリッタ106が、掃引源信号の一部をクロックシステム300に提供するために使用される。以下の実施形態では、掃引源信号スプリッタ106は、ファイバカプラとして実装される。しかしながら、明らかに、代替の実施形態では、一体型および/または自由空間システムが、使用され得る。
【0033】
クロックシステム300はまた、例証される実施形態では、データ取得(DAQ)トリガ信号として使用される光周波数参照掃引開始信号を生成する。この光周波数参照掃引開始信号は、掃引光信号の既定周波数または波長で生成される。結果として、絶対光周波数参照は、干渉信号の処理が、連続走査または掃引光信号の掃引の間における掃引光信号の同一の光周波数で発生することを確実にするために生成される。
【0034】
例証される実施形態では、マッハツエンダ型干渉計200が、サンプル5からの光信号を分析するために使用される。具体的実施例を与えるために、光掃引源システム100からの掃引光信号は、90/10光ファイバカプラ210または他のビームスプリッタに、ファイバ110上で伝送される。掃引光信号は、システム10の参照アーム220とサンプルアーム212との間で分割される。
【0035】
参照アーム220の光ファイバは、ファイバ端面224で終端する。いくつかの例示的実装では、参照アームファイバ端面224から出射する光102Rは、レンズ226によって視準を合わせられ、次いで、参照ミラー228によって反射され、後方に戻る。
【0036】
一実施例では、参照ミラー228は、ミラー距離に対して調節可能ファイバを有する。この距離は、撮像される深度範囲、すなわち、参照アーム220とサンプルアーム212との間のゼロ経路長差のサンプル5内の位置を判定する。距離は、異なるサンプリングプローブおよび/または撮像サンプルのために調節される。参照ミラー228から戻る光が、参照アームサーキュレータ222に戻され、50/50ファイバカプラ等の干渉信号結合器240に指向される。自由空間光構成を使用するもの等の他の実施例では、結合器240は、部分反射ミラー/ビームスプリッタである。
【0037】
サンプルアーム212上のファイバは、サンプルアームプローブ216で終端する。出射掃引光信号102Sは、サンプル5上へプローブ216によって集束される。サンプル5から戻る光は、サンプルアームサーキュレータ214に戻され、干渉信号結合器240に指向される。
【0038】
参照アーム信号およびサンプルアーム信号は、干渉信号結合器240内で結合または混合され、干渉信号を生成する。
【0039】
干渉信号は、検出システム150によって検出される。具体的には、2つの検出器152を備える、平衡受信器が、例証される実施形態では、ファイバカプラ240の出力のそれぞれに位置する。平衡受信器152からの電子干渉信号は、トランスインピーダンス増幅器等の増幅器154によって増幅される。
【0040】
検出システム150のデータ取得および処理システム155が、増幅器154から干渉信号出力をサンプリングするために使用される。クロックシステム300から導出されるKクロック信号は、データ取得および処理システム155によって使用され、システムデータ取得を光掃引源システム100の周波数同調と同期させる。具体的には、例証される実施形態では、データ取得および処理システム155は、kクロック信号に応答して、干渉信号をサンプリングし、光周波数領域内の干渉信号の均等に離間されるサンプルを生成する。光周波数参照掃引開始信号は、データ取得および処理システム155によって使用され、干渉信号のサンプリングが全てのA線上で正確に同一または略同一である周波数/波長で発生するように、掃引光信号の連続掃引が相互に対して参照されるように、絶対周波数または波長を示す。
【0041】
本実施形態では、光周波数参照掃引開始信号は、絶対周波数において、掃引光信号の瞬時周波数が、掃引開始と関連付けられる周波数であるときを示す。掃引開始信号に応答して、データ取得および処理システム155は、システム155に対するアナログ入力で現れる干渉信号のサンプリングを始める、またはそのサンプルを破棄することを停止する。光周波数参照掃引開始信号の重要な関連性は、これが、連続掃引が同一の周波数でサンプリングされるようにデータ取得および処理システム155によって使用される、絶対周波数参照を提供することである。したがって、例えば、他の実施形態では、光周波数参照掃引信号は、データ取得および処理システム155が参照または較正点として単に使用する、任意の絶対周波数参照を単に表す。これはさらに、走査帯の開始前またはその終了後における、走査帯または周波数の範囲内の絶対周波数であり得る。これらの場合、データ取得および処理システム155は、絶対周波数参照を単に使用し、これらのサンプルの処理に先立って、連続走査からのkクロック信号に応答して、生成されるサンプルを整合させるであろう。
【0042】
完全なデータセットが、デカルト幾何学xy方式または円筒幾何学シータz方式において、サンプル5にわたって集束プローブビーム点を空間的にラスタ走査することによって、サンプル5から収集される。これらの点のそれぞれ1つにおけるスペクトル応答は、光掃引源システム100の周波数同調から生成される。次いで、データ取得および処理システム155は、画像を再構成し、かつサンプル5の2Dまたは3Dトモグラフィ再構成を行うために、データ上でフーリエ変換を行う。この変換データは、ディスプレイシステム180によって表示される。
【0043】
一用途では、プローブ216は、血管の中へ挿入され、動脈および静脈の内壁を走査するために使用される。他の実施例では、他の分析モダリティが、血管内超音波法(IVUS)、前方視IVUS(FLIVUS)、高密度焦点式超音波(HIFU)、圧力検出ワイヤ、および画像ガイド治療デバイス等のプローブ内に含まれる。さらなる他の用途では、プローブは、患者または動物の目または歯あるいは他の構造の異なる部分を走査するために使用される。
【0044】
図2は、クロックシステム300の一実装を示す。
【0045】
より詳細には、例証される実施形態では、掃引源信号スプリッタ106は、ファイバカプラとして実装される。結果として、掃引光信号の一部が、クロック/トリガ光モジュール350に対して光ファイバ107上に提供される。このモジュール350は、コントローラの制御190の下、動作する。具体的には、クロック/トリガ光モジュール350は、2つの信号を生成し、第1の信号は、掃引光信号が、掃引開始を定義する、または別様に周波数における掃引を参照するために使用される、絶対周波数または波長に到達したことを示す、光学的トリガを生成するために使用される。モジュール350が生成する第2の信号は、典型的には、非常に高い周波数を有する。kクロック信号を誘導するために使用されるのは、この第2の信号である。
【0046】
より詳細には、光トリガ信号調整モジュール310が、必要に応じて、クロック/トリガ光モジュール350からの第1の信号を、光トリガ信号として定義されるバイナリまたは2状態信号に変換する。これは、トリガ論理モジュール320に提供される。トリガ論理モジュール320は、光トリガ信号をコントローラ190によって生成される電子トリガ(E−トリガ)信号と組み合わせる。電子トリガ信号は、走査帯を通した掃引光信号の掃引および同調可能要素駆動信号108の発生を始めるための光掃引源システム100からのコントローラ信号を用いてコントローラ190によって生成される。トリガ論理モジュール320は、DAQトリガ入力端子でデータ取得および処理システム155に供給される光周波数参照掃引開始信号を生成する。
【0047】
Kクロック信号調整モジュール312は、そのkクロック入力端子でデータ取得および処理システム155によって受信されるバイナリkクロック信号を生成するために使用される。
【0048】
図3は、クロック/トリガ光モジュール350の一実施形態を例証する。掃引源信号カプラ106からの光ファイバ107は、光モジュールファイバカプラ352に提供される。これは、クロックサーキュレータ354と周波数参照サーキュレータ356との間で、掃引光信号を分割する。kクロックサーキュレータ354の出力は、ファイバフィードスルー362を通して気密パッケージ368に入射する光ファイバ358である。光ファイバ358の端面は、次いで、気密パッケージ368内に位置する光学ベンチ366上で終端する。
【0049】
類似する静脈では、周波数参照サーキュレータ356は、気密パッケージ368内でファイバフィードスルー364を通して入射する出力ファイバ360を有する。このファイバ360もまた、光学ベンチ366に固着される。
【0050】
ファイバ358から出射する掃引光信号は、光学ベンチ366にも固着される第1のレンズ370によって視準を合わせられる。掃引光信号は、例証される実施形態では、エタロンであり、かつベンチ366に固着される、kクロックスペクトル光フィルタ372に結合される。類似する静脈では、光ファイバ360から出射する掃引光信号は、第2のレンズ374によって視準を合わせられ、例証される実施形態ではまたエタロンであり、かつベンチ366に固着もされる、掃引開始スペクトルフィルタ376に結合される。
【0051】
典型的な実施形態では、kクロックエタロン372は、比較的より高い周波数またはより高品質の周波数参照を提供する。結果として、kクロックエタロン372は、その屈折率を考慮して、典型的には、物理的により長く、明らかに、光路長においてより長い。
【0052】
kクロックエタロン372と掃引開始エタロン376は両方とも、コーティングされた端面378および380を含む。結果として、エタロンのスペクトル伝達関数は、周波数が周期的である反射を提供する。
【0053】
kクロックエタロン372と掃引開始エタロン376は両方とも、例証される実施形態では、反射状態で動作される。反射された光は、それぞれの第1のおよび第2のレンズ370、374を通して、それぞれの光ファイバ358および360へと後方に戻る。kクロックサーキュレータ354は、この戻り光をkクロック検出器386に指向する。掃引開始エタロン376によって反射された光が、光ファイバ360に結合され、光トリガ信号を生成する周波数参照検出器390に、周波数参照サーキュレータ356によって指向される。要素382および384は、迷光が、それぞれ、ファイバ358および360に後方に反射されないことを確実にするビーム吸収体/遮断材/偏向板である。
【0054】
結果として、kクロック検出器386は、干渉信号がデータ取得および処理システム155によってサンプリングされるべきである所望の周波数間隔を定義する、光周波数サンプリング間隔を通して掃引光信号の掃引を示す光周波数参照信号を生成する。周波数参照光学的検出器390は、順に、掃引周波数が掃引光信号の掃引の間の安定性を確実にするために、データ取得および処理システム155に、掃引光信号が掃引開始周波数または他の絶対参照周波数に到達したことの信号を送信するために使用される、光周波数参照掃引開始信号を生成するために使用される光トリガ信号を生成する。
【0055】
kクロックエタロン372および掃引開始エタロン376の光路長は、温度依存性である。したがって、モジュール350を安定化させるために、熱電クーラ450が、光学ベンチ366と気密パッケージ368との間に固着される。温度検出器392が、好ましくは、光学ベンチ366に固着される。一実装では、コントローラ190は、温度安定化システムの一部として機能する。より詳細には、コントローラ190は、温度検出器392から温度情報を受信する。コントローラは、次いで、光学ベンチ366、ひいては、kクロックエタロン372および掃引開始エタロン376の温度が、掃引光信号の掃引の間で安定化するように、熱電クーラ450の動作を制御するために使用される熱電クーラ駆動信号を生成する。
【0056】
他の実施形態では、ベンチヒータが、光学ベンチ366を周辺温度より高温である温度に加熱するための熱電クーラ450の代わりに使用され、クロック/トリガ光モジュール350の温度を制御する。
【0057】
一実施形態では、kクロックエタロン372の材料および掃引開始エタロン376の材料は、溶融石英、ガリウムヒ素、またはガリウムリン等の同一の材料である。
【0058】
別の実施形態では、kクロックエタロン372および掃引開始エタロン376の材料は、kクロックエタロン372のための溶融石英、掃引開始エタロン376のためのガリウムヒ素等の異なる材料になるように選ばれる。このシステムは、クロック/トリガ光モジュール350の温度同調を可能にし、光周波数参照掃引開始信号の絶対光周波数の変更と、掃引開始信号に対するkクロック信号の位相の変更とを可能にする。
【0059】
温度同調はまた、kクロックによって定義される光周波数サンプリング間隔において変更を可能にする。具体的には、光周波数サンプリング間隔は、kクロックエタロンの温度を変更することによって、増加または減少される。これは、ユーザの選択によって達成される。コントローラ190は、次いで、このユーザ制御に応答して、クロックトリガモジュール350の温度を変更する。
【0060】
ここでは、掃引開始エタロン376は、kクロックエタロン372よりも約10倍の温度感性である。一定温度制御は、光周波数において、これらのエタロン372、376の両方を安定的に維持する。本システムが較正されるときに見出される温度設定点は、設定における柔軟性を可能にする。温度は、掃引開始エタロントリガ点が略所望の開始波長であるように設定される。加えて、掃引トリガ遷移経路が、kクロック遷移経路の間の中間に位置付けられる。これは、誤ったkクロックパルスで掃引を開始することに対して安定性を確実にする。
【0061】
好ましくは、全ての光学的構成要素は、それらが全て、温度検出器392、コントローラ190、および熱電クーラ450を含む温度制御システムの動作を通して安定化される温度になることを確実にするために、光学ベンチ366に固着される。
【0062】
図4は、クロック/トリガ光モジュール350の代替の実施形態を例証する。この実施形態では、掃引源信号カプラ106からの光ファイバ107は、ファイバフィードスルー362を通して気密パッケージ368へ通過する。光ファイバ107は、光学ベンチ366上へ固着される。第1のレンズ396が、ファイバ107の端面から出射する掃引光信号の視準を合わせる。掃引光信号は、アイソレータ398を通して通過し、次いで、ビームスプリッタ400は、掃引光信号の残りの一部がkクロックエタロン372に結合される間に、掃引光信号の一部を直角に指向する。折り畳みミラー402が、掃引光信号のこの一部が掃引開始エタロン376に結合されるように、ビームスプリッタ400によって反射された掃引光信号の一部を反射する。伝送中kクロックエタロン372によってフィルタ処理される掃引光信号は、第2のレンズ404によって集束され、kクロック光ファイバピグテール408に結合される。結果として、kクロックエタロン372からフィルタ処理される信号は、気密パッケージ368から、ファイバフィードスルー410を通して、kクロック検出器386に伝送される。類似する静脈では、掃引開始エタロン376によってフィルタ処理される掃引光信号は、第3のレンズ406によって集束され、気密パッケージ368から、フィードスルー411を介して、光トリガまたは周波数参照検出器390までこのフィルタ処理された掃引光信号を伝送する、掃引開始ファイバピグテール412に入射する。
【0063】
前述の実施形態に関して議論されることに類似する、第2の実施形態の好ましい実装では、また、光学ベンチ366に固着される温度検出器392を使用する温度制御システムが、採用される。この温度信号は、コントローラ190によって監視され、熱電クーラ450または他の温度を制御するデバイスを駆動するために使用される。
【0064】
図5は、クロック/トリガ光モジュール350の第3の実施形態を例証する。この実施形態では、kクロック検出器386は、気密パッケージ368内に位置し、具体的には、光学ベンチ366に固着される。同様に、光トリガ信号を生成する周波数参照検出器390もまた、光学ベンチ366に固着される。この実施形態は、単一のファイバフィードスルー362のみが要求される点で、
図4に関して例証される実施形態より優れた利点を有する。Kクロック信号および光トリガ信号は、概して、気密パッケージ368から電気的に引き出され、これは、製造費用を減少させる。
【0065】
図6はさらに、クロック/トリガ光モジュール350の別の実施形態を示す。この実施形態は、アイソレータおよびサーキュレータは、より大型、高価、または不良性能を有する波長で有用である。この実施形態は、エタロン(
図3、4および5におけるような)の代わりに、光フィルタとしてマッハツエンダ干渉計を使用し、光トリガおよびkクロック信号を作り出す。具体的には、掃引光信号は、ファイバフィードスルー362を介して、気密パッケージ368内で受信される。ファイバ端面が、光学ベンチ366上へ固着される。光ファイバ107から出射する掃引光信号は、第1のレンズ396によって視準を合わせられ、ビームスプリッタ400に指向される。ビームスプリッタ400は、掃引光信号を、kクロック信号を生成するために使用される一方と、光トリガ信号を生成するために使用される他方の部分とである、2つの部分に分割する。
【0066】
より詳細には、kクロック信号を生成するために使用される掃引光信号の一部は、一連のビームスプリッタ420、422および一連の折り畳みミラー424、426を使用して指向され、kクロック検出器386にフィードするマッハツエンダクロック干渉計を形成する。マッハツエンダ干渉計の2つのアームの間の経路不整合は、前面および後面ファセットとの両方の上の反射防止(AR)コーティング612を有する、kクロック遅延要素610の長さおよび屈折率によって制御される。
【0067】
類似する方式では、光トリガ信号を生成するために使用される掃引光信号の一部は、同様に、掃引開始光トリガマッハツエンダ干渉計を作り出す一連のビームスプリッタ428、430および一連の折り畳みミラー432、434に指向され、次いで、フィルタ処理された信号を周波数参照検出器390に結合する。マッハツエンダ経路不整合は、同様に、ARコーティングされた、掃引開始遅延要素614の長さおよび屈折率によって制御される。
【0068】
光遅延要素610、614のために使用される材料は、同一または異なることができる。前述の実施形態におけるように、kクロック遅延要素610のための溶融石英および掃引開始遅延要素614のためのガリウムヒ素等の不整合材料の選択は、温度同調における柔軟性を可能にする。これは、安定化のための、具体的な波長の近傍における光参照トリガ信号の配置と、kクロック遷移経路の間の中間にトリガの配置とを可能にする。これは、コントローラ190を使用して制御され、温度検出器392および熱電クーラ450の動作によって検出された温度に基づくフィードバック温度制御を使用して、干渉計の温度を管理する。
【0069】
図7は、トリガ論理モジュール320の一実装を例証する。クロック/トリガ光モジュール350によって生成され、場合により、光トリガ信号調整モジュール310によってフィルタ処理される、光トリガ信号は、任意の機械的設定を可能にした後、掃引光信号の掃引の電気的な始動、すなわち、同調可能要素駆動信号の開始に応答して、コントローラ190によって生成される電子トリガ信号(Eトリガ)と論理的に組み合わせられる。これらは、第1のNANDゲート321で組み合わせられる。第2のNANDゲート322および第3のNANDゲート324の交差接続された対は、次いで、データ取得および処理システム155に対するDAQトリガ信号として使用される光周波数参照掃引開始信号を生成するために使用される、SRフリップフロップを形成する。
【0070】
図8は、トリガ論理モジュール320内で生成される信号を例証するタイミング図である。具体的には、光周波数参照掃引開始信号は、電子トリガ(Eトリガ)信号の前縁の後に発生する光トリガ(Oトリガ)信号の前縁でアクティブになる。光周波数参照掃引開始信号は、光トリガ信号の次の立ち下がりエッジのみでの電子トリガ信号の立ち下がりまで、アクティブの状態のままである。
【0071】
図9は、掃引光信号が走査帯を通して周波数走査されるにつれたクロックシステム300の動作を例証する。
【0072】
プロットは、走査帯を通した掃引光信号の周波数の走査と、この走査に伴うkクロックの発生とを示す。Kクロックは、掃引光信号が、干渉信号がサンプリングされることができるように、別の光周波数サンプリング間隔を通して同調する度に、それを示すために使用される。具体的には、kクロックに応答して、サンプリングすることによって、干渉信号の均等に離間されるサンプルが、周波数領域内で生成される。
【0073】
概して、本システムは、コントローラ190によって生成される信号内の掃引間ジッタの抑制と、掃引源システム100の同調とを対象とする。
図9は、Eトリガ信号がその立ち上がりエッジでのタイミングジッタを示すような光トリガを参照する、ある状況を示す(矢印910参照)。結果として、コントローラ190によって生成された電子トリガ(Eトリガ信号)は、掃引光信号の掃引の開始の粗インジケータとしてのみ使用される。
【0074】
代わりに、電子トリガ信号の後に発生する光トリガ信号(Oトリガ信号)の前縁は、干渉信号のサンプリングが、データ取得および処理システム155に、具体的な数のサンプルのためにkクロックの各遷移経路で1つのサンプルを作製することによって開始するべきであることを示すために使用される、光周波数参照掃引開始信号を生成するために使用される。他の実施形態では、kクロックの複数の遷移経路は、サンプルの取り出しを規定するために使用される、すなわち、複数のサンプルは、さらなる他の実施例では、遷移経路毎に取り出される。
【0075】
光トリガ信号のこの前縁が、クロック/トリガ光モジュール350内のエタロンまたは干渉計または他の光フィルタの温度安定化システムに基づいて生成されるため、これは、掃引毎に同一である、すなわち、走査帯を通して掃引光信号の掃引1および掃引2等の連続掃引であろう。結果として、クロックシステム300は、干渉信号のサンプリングが走査帯にわたる掃引光信号の掃引と関連付けられる全てのA線の走査上で、正確または略正確に同一である周波数/波長で発生することを確実にする。
【0076】
図10Aおよび
図10Bは、異なる材料が、スペクトルフィルタ、例えば、エタロンおよび/または干渉計内で使用されるときのクロック/トリガ光モジュールの350の温度同調を例証する。
【0077】
具体的実施例では、1)
図3−5の実施形態の場合の掃引開始エタロン376、または
図6の実施形態の場合の掃引開始遅延要素614は、ガリウムヒ素であり、2)
図3−5の実施形態の場合のkクロックエタロン372、および
図6の実施形態の場合のkクロック遅延要素610は、溶融石英である。
【0078】
2つの材料、すなわち、ガリウムヒ素と溶融石英との間の温度感性において約1桁分の倍数の差がある。したがって、光トリガ(Oトリガ)が生成される掃引光信号の周波数は、kクロック信号が生成される掃引光信号の周波数に対して調節される。この調節は、クロック/トリガ光モジュール350の温度を変更することによって行われる。これは、同一の電子トリガ(Eトリガ)タイミングのための相互に対して矢印1010、1012によって例証されるような信号のタイミングの変更の効果を有する。
【0079】
一実施形態では、コントローラ190は、好ましくは、光トリガ信号の掃引開始エタロントリガ点1014が、掃引光信号の所望の開始周波数または波長の近傍になるように、クロック/トリガ光モジュール350の温度を設定する。加えて、掃引開始トリガ点、すなわち、光トリガ信号(Oトリガ)信号の立ち上がりエッジ1014は、kクロック信号のkクロック遷移経路の間の中間に位置付けられる。これは、誤ったkクロックパルスで掃引の開始に対して安定性を確実にする。
【0080】
これは、コントローラ190が、
図10Bに示される、光トリガに対する好ましいkクロック整合を達成することを可能にする。コントローラ190は、クロック/トリガ光モジュール350を熱的に同調させ、トリガ、すなわち、光トリガ信号(Oトリガ)の立ち上がりエッジ1014をk−パルスの間の中間に整合させる。これは、クロッキングの際、間違いがないことを確実にするであろう。
【0081】
kクロックの立ち上がりエッジが、トリガの立ち上がりエッジと整合される場合、その状況は、不安定になるであろう。雑音に依存して、異なる掃引での1クロック周期による偏移があり得る。好ましい整合は、光トリガ信号(Oトリガ)の立ち上がりエッジ1014とkクロック信号の立ち下がりエッジ1016を整合することである。
【0082】
クロック/光トリガモジュールの温度を変更することによって、コントローラ190はまた、掃引光信号の同一の走査率に関するクロック遷移経路の間の距離を効果的に増加または減少させるために、kクロックによって定義される光周波数サンプリング間隔を調節した。
【0083】
本発明は、特に、その好ましい実施形態を参照して示され、かつ説明されているが、形式および詳細に種々の変更が、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱せずに、その範囲内で行われてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。
【国際調査報告】