(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(i)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体および(ii)遊離または口腔または美容的に許容可能な塩の形態におけるシステインを含有する組成物、例えばオーラルおよびパーソナルケア製品、それの製造方法および使用方法を提供する。
(i)亜鉛(アミノ酸またはトリアルキルグリシン)ハロゲン化物錯体および(ii)遊離または口腔または美容的に許容可能な塩の形態におけるシステインを含有する組成物。
亜鉛(アミノ酸またはトリアルキルグリシン)ハロゲン化物が前駆体から形成され、該前駆体が亜鉛イオン原料、アミノ酸原料およびハロゲン化物原料であり、該ハロゲン化物原料が亜鉛イオン原料、アミノ酸原料またはハロゲン酸の一部であり得る請求項1記載の組成物。
水による希釈時に、システインでの錯体中で酸化亜鉛を含有し、要すれば付加的に酸化亜鉛、炭酸亜鉛およびそれらの混合物を含有する沈澱を提供する上記請求項のいずれかに記載の組成物。
更に美容的に許容可能なキャリアを含有する、液体ハンドソープ、ボディウォッシュ、皮膚ローション、皮膚クリームおよび皮膚コンディショナーから選択されたパーソナルケア用品である請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
水と請求項14の組成物の効果的量で皮膚を洗うことを含有する、殺菌し、ニキビまたは局所的皮膚感染症の発生を治療または減少し、または洗浄時に視覚的信号を提供する方法。
必要とする人の口腔に請求項16記載の組成物の効果的量を適用することを含有する、エナメル質の酸性浸食を減少及び防止し、歯をクリーニングし、細菌的に発生するバイオフィルムおよびプラークを減少し、歯肉炎を減らして、う歯および虫歯の形成を防止し、および/または象牙質の知覚過敏を減少する方法。
請求項13、15または17記載の方法のいずれかに用いるための組成物の製造において、亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体と遊離または口腔で許容可能な塩の形態のシステインとの使用。
【背景技術】
【0001】
関連した出願の相互参照
この出願は2013年6月18日に出願したPCT/US2013/46268;2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70489;2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70492;2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70498;2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70506;2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70513;2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70505;2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70501; 2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70521;2012年12月19日に出願したPCT/US2012/70534;および2013年7月17日に出願したPCT/US2013/50845の一部継続出願であり、それらの出願の全てがここに参照として挿入される。
【0002】
背景
アルミニウムまたはアルミニウム/ジルコニウムの塩類を含有する従来の制汗剤は、既知である。これらの塩類はポリマー状錯体を形成し、それが孔をふさぎ、発汗をブロックすることにより制汗剤として機能する。孔を塞いで発汗をブロックし得る大きさの分子量錯体を提供し、デオドラント/抗菌効果を提供し、かつ従来の制汗剤中の酸性塩類より皮膚をより刺激しない別の制汗活性剤が求められている。液体ハンドソープおよびボディウォッシュにおいて使用するための別の抗菌および皮膚保護剤がまた、求められている。最後に、歯を白くおよび強化し、浸食を遅らせおよび細菌およびプラークを抑制し得るオーラルケア製品における薬剤の必要性が求められている。
【0003】
概要
亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体(「ZXH」、式中、Xはアミノ酸またはトリアルキグリシン(「TAG」)を意味する。)をシステインと組合せて含有し、その錯体は濃縮水溶液中で安定かつ可溶性であるが、希釈時に亜鉛(例えば、酸化亜鉛)とシステインの錯体を含有する比較的酸に安定な沈殿物を提供するものを含有する組成物を提供する。この材料の普通でない予想外の特性は安定な亜鉛錯体を皮膚または歯に分配することを許容し、パーソナルケア製品、例えば制汗製品および液体ハンドソープおよびボディソープ、並びにオーラルケア製品、例えばマウスウォッシュまたは歯磨剤に有用となる。
【0004】
1つの態様では、亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体(ZXH)は、酸化亜鉛と塩基性アミノ酸のハロゲン化物塩とを反応することによって一般式:Zn−(塩基性アミノ酸)
2−(ハロゲン化物)
2を有する錯体を得ることによって形成される。
【0005】
1つの態様では、亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体(ZAH)は、例えば、酸化亜鉛とリシン塩酸塩との混合物から形成される式[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−を有する亜鉛−リシン−塩化物錯体である。この特定の亜鉛−リシン−塩化物錯体は、本明細書で「ZLC」と時々表現する。この錯体において、Zn
2+は赤道面にNH
2基からの二つのN原子およびカルボキシル基からの二つのO原子を有する2つのリシンリガンドによって配位されている。それは、Cl原子が頂点に存在する歪んだ四角錐の配置を示す。この新規構造は、Cl
−アニオンと組合せてイオン塩を形成する正のカチオン部分をもたらす。
【0006】
ZLCは溶液中ではカチオン性([Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+)と塩化物アニオンとして存在するか、または個体の塩、例えば結晶、要すれば1または2水和物形状、例えばPCT/US2012/70498の
図1に実質的に示される相対的に強く間隔を有する主要ピークを有する粉末X線回折パターンを有する1水和物結晶として存在してもよい。
【0007】
亜鉛とアミノ酸との他の錯体は可能であり、その正確な形態は前駆体化合物のモル比に部分的に依存している。例えばハロゲン化物が制限されているならば、ハロゲン化物フリーの錯体、例えば上記化合物(Znが異なるリシンからの二つの酸素と二つの窒素原子に結合する)赤道面を有するピラミッド配置を有し、そのピラミッドの頂点はCl原子が存在するZnLys
2を形成してもよい。特定の状態下では、酸化亜鉛はまたリシンおよび/またはリシンHClと反応してZn−リシン−塩化物錯体(ZnLys
3Cl
2)の透明溶液を形成してもよく、その場合Zn
2+はそれぞれ2つのリシンのカルボン酸とアミン基から来る赤道面における2つの酸素と2つの窒素原子で配位される八面体のセンターに存在する。また、この錯体の中の亜鉛は、金属幾何構造の頂点で第3のリシンとその窒素原子およびカルボン酸の酸素原子を通して配位される。また、亜鉛はZnO以外の原料から提供され得る。しかしながら、驚くべきことに、我々はシステインの安定化効果が式Zn−(塩基性のアミノ酸)
2−(ハロゲン化物)
2を有する錯体で最も効果的であることを確信し、その結果亜鉛とアミノ酸ハロゲン化物との組合せは主たる形態としてこの錯体が提供されるように制御される。
【0008】
亜鉛Xハロゲン化物錯体(例えばZLC)は、市販の制汗塩類と競合する鍵となる特徴(例えば、伝導率、加水分解反応およびタンパク質凝集)を有する。従来のアルミニウムまたはアルミニウム-ジルコニウム制汗塩類のように、ZXHは発汗時に孔を塞ぎ汗の放出をブロックし得る沈澱を形成する。メカニズムは通常ではない。溶液に導入されるか残存するかより、水の量が増えて、より希釈されて、イオン性錯体の場合に典型的であるように、ZXHは水和して比較的不溶性の酸化亜鉛沈澱を提供し、それにより孔を更に塞いでおよび/または皮膚の上での酸化亜鉛の沈着を制御することを可能にする。亜鉛はさらに抗菌性であるので、孔から汗の放出をブロックする沈澱を提供することに加えて、臭いの原因である細菌の繁殖を抑えるデオドラント効果も提供する。最後に、ZXHはほぼ中性pHの配合で提供され、それは現在使用されているアルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗塩類が配合、即ち現在のデオドラント制汗剤中でかなり酸性であり、典型的に高レベルのアルカリ脂肪酸塩を含み、かなり塩基性である配合よりも皮膚を刺激せず、衣服にも損傷を与えない。
【0009】
酸化亜鉛は低いpHで可溶性であるが、汗がpH5〜6を有しているので、汗は中性pHでの沈殿レベルと比較して酸化亜鉛の沈殿のレベルを減少し得る。さらに、汗は沈澱物を徐々に溶解し、配合の作用の期間を減少し得る。我々は、この問題が製品にシステインを共に配合することで改善し得ることを、驚くべきことに発見した。システインと亜鉛塩は共に使用時および汗で希釈時に沈澱を形成し、その沈殿が酸に抵抗性を示す。従って、システインと共にZXHを含有する配合は、制汗剤として有効性を向上した。さらに、システインは投与前の配合でZXHを安定するのを助ける。
【0010】
別の態様では、また、ZXH/システインの組合せは液体ハンドソープおよびボディウォッシュに有用である。
【0011】
さらにもう一つの態様では、ZXH/システインの組合せは、オーラルケア製品(例えば歯磨剤またはマウスリンス)で有用である。ZXH/システインの組合せを含有している配合は亜鉛イオンの有効濃度をエナメル質に提供し、それによって浸食から保護し、細菌性定着とバイオフィルム形成を減少し、歯に高い輝きを提供する。更に、使用時に、配合は希釈されて安定化沈殿を提供し、それが象牙細管を塞ぎ、それによって歯の敏感性を減少する。不溶性亜鉛塩を含む配合と比較して亜鉛の効率的な分配を提供するが、ZXH/システインの組合せを含有する配合は従来の可溶性亜鉛塩を用いる亜鉛ベースのオーラルケアに付随する悪い食味と食感、フッ化物分配の劣化および起泡および洗浄性の減少を示さない。
【0012】
(i)亜鉛アミノXハロゲン化物錯体(ZXH)、例えば[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−(ZLC)、および(ii)遊離または口腔でまたは美容的に許容可能な塩の形態におけるシステインを含有する組成物を提供する。組成物は、オーラルケア製品、例えば歯磨剤またはマウスリンス、またはパーソナルケア用品、例えば制汗剤、液体ハンドソープおよびボディウォッシュ、およびスキンローション、クリームおよびコンディショナーであってよい。更に、そのような組成物の使用方法、例えば組成物を皮膚に適用することを含有する汗を減少する方法、細菌を組成物に接触することを含有する殺菌方法、組成物を歯に適用することを包含する歯の知覚過敏、浸食、およびプラークを治療または減少する方法、並びにそのような組成物を製造する方法を提供する。
【0013】
本発明の適用性の更なる領域は、以下の詳しい説明から明らかになる。詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい態様を示しているが、説明のためだけを意図し、本発明の範囲を制限することを意図しない、ことを理解すべきである。
【0014】
詳細な説明
好ましい態様の以下の記載は、本質的に単なる説明であり、本発明、その用途および使用に限定することを意図しない。
【0015】
本明細書中に用いられる範囲は、範囲の中の各値およびすべての値を記載することの短縮形として用いられる。範囲の中のいかなる値も、範囲の終点として選ばれることができる。また、この中のすべての引用文献は、参考として全体が本明細書に導入される。本明細書の定義と引用文献のそれとが矛盾する場合は、本明細書の記載が優先する。
【0016】
特に明記しない限り、本明細書のいずれかの場所でまたは本明細書に記載される%および量は、重量パーセントに関するものと理解されなければならない。与えられる量は、材料の実際の重さに基づく。
【0017】
亜鉛(アミノ酸またはTAG)ハロゲン化物錯体(即ち、ZXH)は、1以上の亜鉛化合物(例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩化亜鉛…等だが、四塩基性の塩化亜鉛は、特に除外される。)と塩基性のアミノ酸のハロゲン塩との反応で、一般式:Zn−(アミノ酸またはTAG)x−(ハロゲン化物)y(式中、xが1〜3であり、かつyが1〜3である。)を有する錯体が得られる。
【0018】
1つの態様では、ZXHは亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体(「ZAH」)、例えば酸化亜鉛とリシン塩酸塩の混合物から形成される式[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−を有する亜鉛−リシン−塩化物錯体(「ZLC」)である。この錯体において、Zn
2+は赤道面にNH
2基からの二つのN原子およびカルボキシル基からの二つのO原子を有する2つのリシンリガンドによって配位されている。理論によって制限されることは望まないが、Cl−原子が頂点に存在する歪んだ四角錐配置を示す。この構造は、Cl
−アニオンと組合せてイオン塩を形成する正のカチオン部分をもたらす。
【0019】
別の態様では、トリアルキルグリシン(TAG)はC
1−C
4アルキルグリシンまたはトリメチルグリシンである。
【0020】
ZLCは溶液中ではカチオン性([Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+)と塩化物アニオンとして存在するか、または個体の塩、例えば結晶、要すれば1または2水和物形状、例えばPCT/US2012/70498の
図1に実質的に示される相対的に強く間隔を有する主要ピークを有する粉末X線回折パターンを有する1水和物結晶として存在してもよい。
【0021】
亜鉛とアミノ酸との他の錯体は可能であり、その正確な形態は前駆体化合物のモル比に部分的に依存している。例えばハロゲン化物が制限されているならば、ハロゲン化物フリーの錯体、例えば上記化合物(Znが異なるリシンからの二つの酸素と二つの窒素原子に結合する)赤道面を有するピラミッド配置を有し、そのピラミッドの頂点はCl原子が存在するZnLys
2を形成してもよい。特定の状態下では、酸化亜鉛はまたリシンおよび/またはリシンHClと反応してZn−リシン−塩化物錯体(ZnLys
3Cl
2)の透明溶液を形成してもよく、その場合Zn
2+はそれぞれ2つのリシンのカルボン酸とアミン基から来る赤道面における2つの酸素と2つの窒素原子で配位される八面体のセンターに存在する。また、この錯体の中の亜鉛は、金属幾何構造の頂点で第3のリシンとその窒素原子およびカルボン酸の酸素原子を通して配位される。ZXH錯体(例えばZLC)は、市販の制汗塩類と競合する鍵となる特徴(例えば、伝導率、加水分解反応およびタンパク質凝集)を有する。従来のアルミニウムまたはアルミニウム-ジルコニウム制汗塩類のように、ZXHは発汗時に孔を塞ぎ汗の放出をブロックし得る沈澱を形成する。水の量が増加すると、ZXHは加水分解して比較的不溶性の亜鉛含有沈澱を分布する。沈澱は、典型的には酸化亜鉛、亜鉛システイン、水酸化亜鉛または他の亜鉛含有化合物の1以上を一般的に含む。この沈澱は皮膚上の孔を塞ぐという点でユニークである。さらにまた、この反応は、ほとんどの場合希釈がイオン結合型錯体の溶解性を増加させるので、例外的である。さらに、亜鉛は抗菌性であり、それが孔から発汗するのをブロックし、また臭い原因菌を減少することによるデオドラント効果を提供する。
【0022】
酸化亜鉛は低いpHで可溶性であり、汗が5〜6のpHを有しているので、汗は中性pHでの沈殿レベルと比較して酸化亜鉛の沈殿のレベルを減少し得ることに注目することが重要である。さらに、汗は沈澱物を徐々に溶解して、配合の作用期間を減縮し得る。この問題は製品と共にシステインを配合することにより改善され得る。システインとZHXは、共に沈澱を形成する。使用時と汗での希釈時に、沈澱がZHX単独より酸により抵抗性である。システインと共にZXHを含有する配合は、制汗剤として有効性を増大した。
【0023】
第1態様では、(i)亜鉛アミノ酸またはTAGハロゲン化物錯体および(ii)遊離または口腔でまたは美容的に許容可能な塩の形態におけるシステインを含有する組成物(組成物1)を提供する:例えば、
1.1.亜鉛(アミノ酸またはTAG)ハロゲン化物が前駆体から形成され、前駆体が亜鉛イオン原料、アミノ酸原料またはTAG原料およびハロゲン化物原料であり、該ハロゲン化物原料が亜鉛イオン原料、アミノ酸原料またはトリアルキルグリシン原料またはハロゲン酸の一部であり得る組成物1。
1.2.亜鉛イオン原料が酸化亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、クエン酸亜鉛およびリン酸亜鉛の少なくとも1つである組成物1または1.1。
1.3.アミノ酸原料が塩基性アミノ酸、リシン、アルギニンおよびグリシンの少なくとも1つである組成物1.1または1.3。
1.4.トリアルキルグリシンがC
1−C
4アルキルグリシンまたはトリメチルグリシンである上記組成物のいずれか。
1.5.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物が酸化亜鉛をアミノ酸ハロゲン酸塩と組み合わせることによって製造される上記組成物のいずれか。
1.6.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物が式Zn(アミノ酸)
2Hal
2またはZn(アミノ酸)
3Hal
2(式中、Znは二価の亜鉛イオンであり、Halはハロゲン化物イオンである。)を有する上記組成物のいずれか。
1.7.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体が[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−(時々ここでは「ZLC」と称する)であり、錯体が結晶形であるとき、例えば水和物の形態、例えば1水和物または2水和物、例えば、Zn
2+が赤道面にNH
2基からの二つのN原子およびカルボキシル基からの二つのO原子を有する2つのリシンリガンドによって配位されている構造を有していること、塩素原子が頂点位にある歪んだ正ピラミッド立体配置を有すること、塩化物アニオンがイオン性塩と組み合わされる正のカチオン部分と形成すること、例えばPCT/US2012/70498の
図1に示される二つのパターンの一つに実質的に対応する粉末X線回折パターンを有する結晶である上記組成物のいずれか。[「実質的に対応する」とは、結晶が同じか、主としてZLC結晶から構成されるかであり、例えば器具やサンプルの変化、例えば波長における変化、x−線源の強さよる変化およびサンプルの純度における変化、を考慮に入れて、相対的強度およびピークの間隔の全体的パターンに基づく当業者に示す対応を意味する。]
1.8.亜鉛;アミノ酸;ハロゲン化物錯体が、[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−(本明細書中ではしばしば「ZLC」と呼ぶ。)であり、必要に応じて水和物の形態で、例えば酸化亜鉛とリシン塩酸塩との混合物から形成される錯体、例えばZnO:リシンHClのモル比が1:1〜3:1、例えば2:1である錯体である組成物1または1.1。
1.9.水での希釈時に、システインと錯体化した酸化亜鉛を含有する沈殿、および要すれば酸化亜鉛、炭酸亜鉛およびそれらの混合物を更に含有する沈澱を提供する上記組成物のいずれか。
1.10.組成物に存在する亜鉛の総量が組成物の0.2〜8重量%である上記組成物のいずれか。
1.11.亜鉛:システインの比が重量で5:1〜10:1である上記組成物のいずれか。
1.12.システインがシステインハロゲン酸塩(必要に応じてシステイン塩酸塩)である上記組成物のいずれか。
1.13.配合のpHが6〜8、例えば、6.5〜7.5、例えばほぼ中性である上記組成物のいずれか。
1.14.更に口腔でまたは美容的に許容可能なキャリアを含有する上記組成物のいずれか。
1.15.更に口腔でまたは美容的に許容可能なキャリアを含有し、組成物が歯磨剤またはマウスウォッシュから選択されたオーラルケア製品または制汗剤、デオドラント、液体ハンドソープ、ボディウォッシュ、皮膚ローション、皮膚クリームおよび皮膚コンディショナーから選択されたパーソナルケア用品である上記組成物のいずれか。
1.16.更に水10%未満、例えば水5%未満、例えば実質的に無水である口腔的にまたは美容的に許容可能なキャリアを含有する上記組成物のいずれか。
1.17.組成物が水を85%以下の量で含有する上記組成物のいずれか。
【0024】
(i)亜鉛イオン原料、アミノ酸原料およびハロゲン化物原料(ハロゲン化物原料は、亜鉛イオン原料、アミノ酸原料またはハロゲン酸の部分であり得る)を液体(例えば水性)媒体中で組み合わせて、必要に応じて固体形態でそのように形成された錯体を単離し、錯体をシステインと組合せる、または(ii)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体とシステインとを組合せることを包含する組成物1以下の製造方法を提供する。混合物は、美容的に許容可能なキャリアと必要に応じて組合せてもよい。
【0025】
(i)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体および(ii)遊離または美容的に許容可能な塩の形態でのシステインを、美容的に許容可能なキャリアと共に、含有する制汗剤またはデオドラント製品である、例えば組成物1以下の範囲のいずれかに従う組成物(組成物2)を提供する。
2.1.システインで錯体化された酸化亜鉛、必要に応じてさらに酸化亜鉛、炭酸亜鉛およびそれらの混合物を含有する、使用時および汗に接触時に、皮膚に沈殿を提供する組成物2。
2.2.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体が[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−(時々明細書中では「ZLC」と称する。)であり、必要に応じて水和物の形態である組成物2または2.1。
2.3.美容的に許容可能なキャリアが水溶性アルコール(例えばC
2〜8アルコール、具体的にはエチルアルコール);グリコール(例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびそれらの混合物);グリセリド(例えばモノ−、ジ−およびトリグリセリド);中鎖〜長鎖有機酸、アルコールおよびエステル;界面活性剤(例えば、乳化剤または分散剤);付加的なアミノ酸;構造剤(例えば、増粘剤およびゲル化剤、例えばポリマー、シリケートおよび二酸化ケイ素);緩和剤;フレグランス;および着色剤(例えば染料および顔料)から選択される1以上の成分を含有する組成物2または2.1。
2.4.組成物が制汗剤スティック、エアゾール制汗剤スプレーまたは液体ロールオン制汗剤の形である組成物2、2.1または2.2。
【0026】
また、組成物2以下のいずれかの制汗効果量を皮膚に適応することを含有する発汗を減少する方法、組成物2以下のいずれかのデオドラント効果的量を皮膚に適用することを含む体の臭いを減少する方法、および組成物2以下のいずれかと微生物とを接触することを包含する殺菌方法を提供する。例えば(i)本明細書に包含されまたは特に記載された態様のいずれかの配合、例えば組成物2以下のいずれかを制汗効果量を皮膚に適用することを含有する制汗方法;および(ii)本明細書に包含されまたは特に記載された態様のいずれかの配合、例えば組成物2以下のいずれかをデオドラント効果量を皮膚に適用することを包含する発汗による臭いの制御または皮膚上の細菌を制御する方法を提供する。
【0027】
(i)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体および(ii)遊離または美容的に許容可能な塩の形態でのシステインを含有する制汗剤またはデオドラント、例えば亜鉛アミノ酸ハロゲン化物、システインおよび美容的に許容可能なキャリアを含有する組成物2以下のいずれかを製造する方法を提供する。
【0028】
また、(i)殺菌、制汗および/または体臭の減少のための組成物2以下の使用;および(ii)殺菌、制汗および/または体臭の減少における使用のための組成物2以下のいずれかを提供する。
【0029】
また、制汗薬またはデオドラント配合、例えば組成物2以下の配合の製造におけるシステインの使用を提供する。
【0030】
組成物2以下を製造する際に、亜鉛アミノ酸ハロゲン化物および遊離または美容的に許容可能な塩の形態のシステインは、適切な美容的に許容可能なベース(例えばわきの下へ適用するために、スティック、ロールオン、スプレーまたはエアゾール)に導入されてもよい。適用後、帯電分子(例えば皮膚にあるタンパク質)存在下に、塩が凝集して発汗をブロックするプラグを形成する。汗からの付加的な水は配合をさらに希釈し、錯体を分解し、主にシステインで錯体化された酸化亜鉛からなる沈殿が得られ、それが上述の汗と臭いを減少し得る。
【0031】
本明細書で使用される用語「制汗剤」は汗を減少するために孔にプラグを形成する製品を一般的に意味し、例えばフード・アンド・ドラッグ・アドミニストレーション(Food and Drug Administration)、21CFRパート350に制汗剤として分類される材料を含む。また、制汗剤はデオドラントでもあってよく、亜鉛が抗菌特性を有し、皮膚上の臭い原因菌を抑制するので、上記組成物の場合特にそうであると理解される。
【0032】
また(i)亜鉛(アミノ酸またはTAG)ハロゲン化物錯体および(ii)遊離または口腔でまたは美容的に許容可能な塩の形態におけるシステインを、美容的に許容可能なキャリアと共に含有する、液体ハンドソープ、ボディウォッシュ、皮膚ローション、皮膚クリームおよび皮膚コンディショナーから選択されるパーソナルケア用品である組成物(組成物3)、例えば組成物1以下の範囲のいずれかに従うものを提供する。例えば、
3.1.システインで錯体化された酸化亜鉛および必要に応じて酸化亜鉛、炭酸亜鉛およびそれらの混合物を含有し、水と使用する時に皮膚に沈殿を提供する組成物3。
3.2.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体を組成物の1〜10重量%で含有する組成物3または3.1。
2.5.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体が[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−(時々本明細書では「ZLC」と称する。)であり、必要に応じて水和物の形態である上記組成物のいずれか。
3.3.組成物に存在する亜鉛の総量が0.1〜8重量%、要すれば0.1〜2または0.1〜1重量%である上記組成物のいずれか。
3.4.システインはシステインハロゲン酸塩(必要に応じてシステイン塩酸塩)である上記組成物のいずれか。
3.5.美容的に許容可能なキャリアが水溶性アルコール(例えばC
2〜8アルコール、具体的にはエチルアルコール);グリコール(例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびそれらの混合物);グリセリド(例えばモノ−、ジ−およびトリグリセリド);中鎖〜長鎖有機酸、アルコールおよびエステル;界面活性剤(例えば、乳化または分散剤);付加的なアミノ酸;構造剤(例えば、増粘剤およびゲル化剤、例えばポリマー、シリケートおよび二酸化ケイ素);緩和剤;フレグランス;および着色剤(例えば染料および顔料)から選択される1以上の成分を含有する上記組成物のいずれか。
3.6.美容的に許容可能なキャリアは1以上のノニオン性界面活性剤、例えばアミンオキシド界面活性剤(例えば、アルキルアミンの脂肪酸アミド、例えばラウラアミドプロピルジメチルアミンオキシド、ミリストアミドプロピルアミンオキシドおよびそれらの混合物)、アルコールアミド界面活性剤(例えば、アルコールアミンの脂肪酸アミド、例えばコカミドMEA(ココモノエタノールアミド))、ポリエトキシル化界面活性剤(例えば、脂肪酸とポリオール(例えば、グリコール、グリセロール、サッカライドまたは糖アルコール)のポリエトキシル化誘導体(例えば、ポリソルベートまたはPEG−120メチルグルコースジオレエート)およびそれらの組合せから選択されるノニオン界面活性剤を含有する上記組成物のいずれか。
3.7.美容的に許容可能なキャリアがアニオン界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される)を含有する上記組成物のいずれか。
3.8.美容的に許容可能なキャリアが水、アニオン界面活性剤、例えばラウレス硫酸ナトリウム、粘度変性剤、例えばアクリレートポリマー、および双性イオン界面活性剤、例えばコカミドプロピルベタインを含有する上記組成物のいずれか。
3.9.美容的に許容可能なキャリアがアニオン界面活性剤を実質的に有しない上記組成物のいずれか。
3.10.美容的に許容可能なキャリアが水、四級アンモニウム剤(例えば塩化セトリモニウム)、湿潤剤(例えばグリセリン)およびノニオン界面活性剤(例えば、アミンオキシド界面活性剤(例えば、ラウラアミドプロピルジメチルアミンオキシド、ミリストアミドプロピルアミンオキシドおよびそれらの混合物)、アルコールアミド界面活性剤(例えば、コカミドMEA(ココモノエタノールアミド))、ポリエトキシレート界面活性剤(例えばPEG−120メチルグルコースジオレエート)およびそれらの組合せから選択されるもの)を含有する上記組成物のいずれか。
3.11.美容的に許容可能なキャリアは、抗菌的に効果的量の非亜鉛抗菌剤(例えばトリクロサン、トリクロカルバン、クロロキシレノール、ハーブの抽出物および精油(例えばローズマリー・エキス、お茶エキス、マグノリア・エキス、チモール、メントール、オイカリプトール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール、カテコール、サリチル酸メチル、エピガロカテキン没食子酸、エピガロカテキン、没食子酸)から選択される抗菌剤)、ビスグアニド消毒剤(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)および第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム(TDEPC));およびそれらの組合せ;たとえば抗菌的に効果的量の塩化ベンザルコニウムを含有する上記組成物のいずれか。
3.12.pH6〜8(例えばほぼ中性)を有する上記組成物のいずれか。
3.13.上記組成物のいずれかは、以下の成分を含有する:
【表1】
【0033】
また、細菌を抗菌的に効果的量のZLC、例えば組成物3以下のいずれかに接触することを含有する殺菌方法、例えば抗菌的に効果的量のZLCおよびシステイン(例えば、組成物3以下のいずれか)と水による皮膚を洗うことを含有する局所の皮膚感染症(例えば、黄色ブドウ球菌および/または化膿レンサ球菌による感染症)の発生を治療または減少する方法、並びにニキビの発生を治療または減少する方法を提供する。
【0034】
また、(i)亜鉛イオン原料、アミノ酸原料およびハロゲン化物原料(ハロゲン化物原料は亜鉛イオン原料、アミノ酸原料またはハロゲン酸の一部であってもよい。)を液体(例えば水性)媒体中で組合せ、要すれば形成された錯体を固体状態で単離し、錯体をシステインと組合せることを含有するか、または(ii)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体をシステインと組合せることを含有する、(i)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体および(ii)遊離であるか美容的に許容可能なシステインを含有するオーラルケア組成物、例えば組成物3以下のいずれかを製造する方法を提供する。亜鉛アミノ酸錯体およびシステインは、美容的に許容可能なキャリアと組み合わせられる。
【0035】
また(i)殺菌、例えば細菌からの皮膚保護または洗浄時の視覚的シグナルの提供のための亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体とシステイン(例えば、組成物1以下)の使用;(ii)殺菌、皮膚保護または洗浄時の視覚的シグナルの提供のためのZLCとシステインの組成物(組成物1以下)の製造における使用;および(iii)殺菌、皮膚保護または洗浄時の視覚的シグナルの提供のための使用についてのZLCおよびシステイン、例えば組成物1以下のいずれかを提供する。
【0036】
例えば、1つの態様において、亜鉛アミノ酸錯体とシステインは界面活性剤および必要に応じて塩化ベンザルコニウムを含有する従来の市販の液体ハンドソープ(LHS)配合に導入される。塩は配合と適合性を有するので、透明な溶液を形成する。しかしながら、希釈時に組合せは白い沈殿をすぐに形成する。従って、界面活性剤ベース中の亜鉛アミノ酸錯体およびシステインは、洗浄方法の視覚的/感覚的きっかけを提供し得る。システインで安定化されたZnOからなる沈澱は皮膚上に沈着して、LHSの抗菌効果を増す。
【0037】
また、(i)亜鉛(アミノ酸またはTAG)ハロゲン化物錯体および(ii)システインを遊離またはか口腔で許容可能な塩の形態で、口腔で許容可能なキャリアと共に含有する(例えば、組成物1以下の範囲のいずれかに従う)オーラルケア製品(例えば、歯磨剤またはマウスリンス)である組成物(組成物4)が提供される。例えば、
4.1.水存在下に歯に適用時に、酸化亜鉛をシステインでの錯体化でおよび必要に応じて付加的に酸化亜鉛,炭酸亜鉛およびそれらの混合物を含有する沈殿を歯に提供する歯磨剤の形での組成物4。
4.2.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体が亜鉛を効果的量、例えば0.5〜4重量%、例えば1〜3重量%の量で存在し、かつ口腔で許容可能なキャリアが歯磨剤ベースである歯磨剤の形の組成物4または4.1。
4.3.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体が[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−(時々本明細書では「ZLC」と称する。)であり、必要に応じて水和物の形態である上記組成物のいずれか。
4.4.口腔で許容可能なキャリアが研磨剤(例えば、シリカ研磨材の効果的量、例えば10〜30%、例えば20%)を含有する歯磨剤ベースである歯磨剤の形の組成物4〜4.2のいずれか。
4.5.亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体が亜鉛を効果的量、例えば0.1〜3重量%、例えば0.2〜1重量%で存在する上記組成物のいずれか。
4.6.システインがシステインハロゲン酸塩(必要に応じてシステイン塩酸塩)である上記組成物のいずれか。
4.7.更にフッ化物イオン源を効果的量(例えば、フッ化物500〜3000ppmを提供する量)で含有する上記組成物のいずれか。
4.8.更に効果的量のフッ化物を含有し、例えばフッ化物がフッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロ珪酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、アミンフッ化物(例えば、N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−ジヒドロフルオライド)、フッ化アンモニウム、フッ化チタン、ヘキサフルオロスルフェートおよびそれらの組合せから選択された塩である上記組成物のいずれか。
4.9.1以上のアルカリ・リン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩例えば、アルカリ二塩基リン酸塩およびアルカリピロリン酸塩塩類(例えば、二塩基性リン酸ナトリウム、二塩基リン酸カリウム、二水和リン酸二カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、トリポリリン酸ナトリウムおよびこれらの2以上のいずれかの混合物から選択されるリン酸アルカリ塩)から選択される)を効果的量、例えば組成物の1〜20重量%、例えば2〜8重量%、例えば約5重量%の量で含有する前記組成物のいずれか。
4.10.緩衝剤(例えば、リン酸ナトリウム緩衝剤(例えば、モノ塩基性リン酸ナトリウムとリン酸二ナトリウム))を含有する前記組成物のいずれか。
4.11.湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトールおよびそれらの混合物から選択される湿潤剤を含有し、例えばグリセリンを少なくとも20%、例えば20〜40%、例えば25〜35%を含有する前記組成物のいずれか。
4.12.1以上の界面活性剤、例えばアニオン、カチオン、双性イオン、ノニオン界面活性剤およびそれらの混合物から選択された界面活性剤、例えばアニオン界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選択される界面活性剤)を、例えば0.3〜4.5重量%、例えばラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を1〜2%の量で含有し、および/または双性イオン界面活性剤、例えばベタイン界面活性剤、例えばコカミドプロピルベタインを、例えば0.1〜4.5重量%、例えばコカミドプロピルベタイン0.5〜2%の量で含有する上記組成物のいずれか。
4.13.更に1以上のポリサッカライドガム、例えばキサンタンガムまたはカラギーナン、シリカ増粘剤およびそれらの組合せの粘性変性量を含有する前記組成物のいずれか。
4.14.ガムストリップまたはフラグメントを含有する前述の組成物のいずれか。
4.15.香味料、フレグランスおよび/または着色剤を更に含有する前述の組成物のいずれか。
4.16.効果的量の1以上の抗菌剤(例えばハロゲン化されたジフェニルエーテル(例えばトリクロサン)、ハーブの抽出物および精油(例えば、ローズマリー・エキス、お茶エキス、マグノリア・エキス、チモール、メントール、オイカリプトール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール、カテコール、サリチル酸メチル、エピガロカテキン没食子酸、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク抽出物、シーバックソーン抽出物)、ビスグアニド消毒剤(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、セチルピリジニウム塩化物(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム(TDEPC))、フェノール消毒剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、ポビドンヨード、デルモピノール、サリフラワー、金属イオン(例えば、亜鉛塩、例えばクエン酸亜鉛、スズ(II)塩、銅塩、鉄塩)、サンギナリン、プロポリスおよび酸化剤(例えば、過酸化水素、緩衝ナトリウム過ホウ酸塩または過酸化炭酸塩)、フタール酸およびその塩、モノパーサル酸およびその塩およびエステル、アスコルビルステアレート、オレオイルサルコシン、硫酸アルキル、ジオクチルスルホサクシネート、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノールおよび他のピペリジノ誘導体、ナイシン調製、亜塩素酸塩;および上記のいずれかの混合物を含油する;例えば、トリクロサンまたはセチルピリジニウム塩化物を含有する上記組成物のいずれか。
4.17.抗菌的に効果的量のトリクロサンを例えば0.1〜0.5%、例えば0.3%の量で含有する上記組成物のいずれか。
4.18.更にホワイトニング剤、例えば過酸化物、金属亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、ヒポクロリットおよびそれらの組合せからなる群から選択されたホワイトニング剤を含有する前記組成物のいずれか。
4.19.更に過酸化水素または過酸化水素源(例えば、過酸化尿素または過酸化物塩または錯体、例えば過酸化リン酸塩、過酸化炭酸塩、過ホウ酸塩、過酸化シリケートまたはペルサルフェート塩;例えば、過酸化リン酸カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、過酸化リン酸ナトリウムおよび過硫酸カリウム)を含有する前記組成物のいずれか。
4.20.更に細菌付着を阻害または防止する薬剤(例えば、ソルブロールまたはキトサン)を含有する前記組成物のいずれか。
4.21.更に(i)カルシウムガラス錯体(例えば、カルシウムナトリウムホスホシリケート)および(ii)カルシウムタンパク質錯体(例えば、カゼインホスホペプチドアモルファスリン酸カルシウムから選択されるカルシウムおよびリン酸塩の原料を含有する前記組成物のいずれか。
4.22.更に可溶性カルシウム塩、例えば硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウムおよびそれらの組合せから選択された可溶性カルシウム塩を含有する前述の組成物のいずれか。
4.23.更に生理的にまたは口腔的に許容可能なカリウム塩(例えば、硝酸カリウムまたは塩化カリウム)を象牙質の知覚過敏を減少する効果的量で含有する前記組成物のいずれか。
4.24.アニオン性ポリマー、例えば合成アニオン性重合ポリカルボキシレートを更に含有し、例えば上記アニオン性ポリマーがマレイン酸無水物または酸と別の重合性エチレン性不飽和単量体との1:4〜4:1の共重合体から選択され;例えば、アニオン性ポリマーが平均分子量(M.W.)30,000〜1,000,000(例えば300,000〜800,000)のメチルビニルエーテル/無水マレイン酸(PVM/MA)共重合体であり、例えばアニオン性ポリマーが組成物重量の1〜5%で含有する上記組成物のいずれか。
4.25.更にブレスフレッシュナー、フレグランスまたは香味料を含有する前記組成物のいずれか。
4.26.組成物のpHがほぼ中性、例えばpH6〜pH8(例えばpH7)である上記組成物のいずれか。
4・27.アミノ酸がリシンであり、亜鉛とリシンが化学構造[Zn(C
6H
14N
2O
2)
2Cl]
+Cl
−を有する亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体を形成し、亜鉛を0.1〜8重量%、例えば0.5重量%の量で、更に湿潤剤(例えば、ソルビトール、プロピレングリコールおよびそれらの混合物)を45〜65%、例えば50〜60%の量で、増粘剤、例えばセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、トリメチル・セルロース(TMC)とそれらの混合物から選択されて、0.1〜2%の量で、甘味料および/または香味料、および水、例えば以下の表の成分を含有するオーラルゲルである上記組成物のいずれか、
【表2】
4.28.エナメル質の酸性の浸食の減少および防止、歯のクリーニング、細菌的に発生するバイオフィルムとプラークの減少、歯肉炎の減少、う歯および虫歯の形成の防止、象牙質の知覚過敏の減少をする使用のための上記組成物のいずれか。
【0038】
また、効果的量の組成物、例えば組成物4以下のいずれかを歯に適用し、および要すれば水または水溶液で組成物からシステインで錯体化した酸化亜鉛の沈殿を起こすのに十分リンスすることを含有する、エナメル質の酸性の浸食の減少および防止、歯のクリーニング、細菌的に発生するバイオフィルムとプラークの減少、歯肉炎の減少、う歯および虫歯の形成の防止、象牙質の知覚過敏の減少をするための方法を提供する。
【0039】
また(i)亜鉛イオン原料、アミノ酸原料およびハロゲン化物原料(ハロゲン化物原料は亜鉛イオン原料、アミノ酸原料またはハロゲン酸の一部であってもよい。)を液体(例えば水性)媒体中で組合せ、要すれば形成された錯体を固体状態で単離し、錯体をシステインと組合せることを含有するか、または(ii)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体をシステインと組合せることを含有する、(i)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体および(ii)遊離であるか美容的に許容可能なシステインを含有するオーラルケア組成物、例えば組成物4以下のいずれかを製造する方法を提供する。亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体とシステインは、オーラルケアベース(例えば、歯磨剤またはマウスウォッシュベース)と組み合わせられ得る。
【0040】
例えば、種々の態様では、(i)歯の知覚過敏を減らし、(ii)プラーク蓄積を減らし、(iii)歯の脱ミネラル化を防止し歯の再ミネラルを促進し、(iv)口腔で微生物バイオフィルム形成を抑制し、(v)歯肉炎を減少または防止し、(vi)口中で痛い所または傷の治癒を促進し、(vii)酸産生菌のレベルを減少し、(viii)非う蝕性および/または非プラーク形成性細菌の相対的なレベルを増加し、(ix)歯の虫歯の形成を減少または抑制し、(x)例えば、量的光誘導蛍光(quantitative light−induced fluorescence;QLF)または電気虫歯測定(electrical caries measurement;ECM)により検出されるエナメル質の不安定な病変を減少、修復または抑制し、(xi)ドライマウスを治療、軽減または減少し、(xii)歯と口腔をクリーニングし、(xiii)浸食を減少し、(xiv)歯を白くし;(xv)歯石形成を減少し、および/または(xvi)必要とする人の口腔に上記の組成物4以下のいずれかを、例えば1日1回以上適用することを包含して、口腔筋肉を介する全身疾患の潜在性を減少することにより、心血管健康状態を含む全身の健康状態を向上する方法を提供する。また、これらの方法のいずれかに用いられる組成物4以下が提供される。
【0041】
また、オーラルケア組成物、例えば組成物4以下のいずれかの製造における(i)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体および(ii)遊離または口腔で許容可能な塩の形態のシステインの使用を提供する。
【0042】
また、歯のエナメル質の酸浸食の減少および防止、歯のクリーニング、細菌産生バイオフィルムおよびプラークの減少、歯肉炎の減少、う歯および虫歯の形成の抑制、および/または象牙質の知覚過敏の減少のための、(i)亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体および(ii)遊離または口腔で許容可能な塩の形態のシステインの使用を提供する。
【0043】
また、亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体を安定させるため遊離または口腔で許容可能な塩の形態のシステインの使用を提供する。
【0044】
亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体は主として錯体の形であってもよいが、配合中では塩前駆体材料および他のイオンとのある程度の平衡が存在し、また更に錯体は完全に溶解していないので、前駆体形態の割合と比べて錯体中に実際に存在する材料の比率は、配合の正確な状態、材料の濃度、pH、水の存在または不存在、他の帯電分子の存在または不存在等に基づいて変化し得るものと理解される 。
【0045】
1つの態様では、亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体は、前駆体を水溶液に混合することによって室温で調製される。その場の形成は配合の容易性を提供する。前駆体は、塩を形成していなければならない第1の代わりに使用されることができる。別の態様では、前駆体から塩の形成を許容する水は、使用時に組成物と接触する水(例えば、その用途に基づいて、洗浄水、唾液または汗)から来る。
【0046】
ある態様では、組成物中の亜鉛の総量は、組成物の0.05〜8重量%である。他の態様では、亜鉛の総量は、少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5または少なくとも1、組成物の最大8重量%である。他の態様では、組成物の亜鉛の総量は、5未満、4未満、3未満、2未満、または1未満で組成物の0.05重量%までである。例えば、亜鉛含有量は2〜3%でもよい。
【0047】
ある種の態様では、組成物は無水である。無水によって、水が5重量%未満、必要に応じて4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5未満、0〜0.1の水である。無水組成物で提供される時は、亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体の前駆体(例えば、酸化亜鉛およびリシン塩酸塩)は大きく反応しない。十分な量の水に接触される時、前駆体は反応して所望の塩、例えばZLCを形成し、それが使用時に更に希釈されるときに皮膚または歯上に所望の沈殿を形成する。
【0048】
アミノ酸:亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体中のアミノ酸は、塩基性アミノ酸であり得る。「塩基性アミノ酸」とは、天然由来の塩基性のアミノ酸、例えばアルギニン、リシンおよびヒスチジン、並びに分子中にカルボキシル基およびアミノ基を有するいずれかの塩基性のアミノ酸で、水溶性で、pH7以上で水溶液を与えるものを意味する。従って、塩基性アミノ酸は、アルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロプリオン酸、それらの塩類またはそれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。特定の態様では、塩基性アミノ酸はリシンである。亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体を製造するのに用いられる塩基性アミノ酸は、通常、ハロゲン酸付加塩(例えば、塩酸塩)の形で提供される。
【0049】
システイン:組成物はまた、システインを遊離または口腔でまたは美容的に許容可能な塩の形態で含有する。「口腔でまたは美容的に許容可能な塩の形態」とは、提供される濃度で口腔または皮膚のそれぞれに投与しても安全であり、亜鉛の生物活性を邪魔しない塩の形態を意味する。特定の態様では、システインは遊離形態で投与される。本明細書中で配合中のアミノ酸の量が重量で与えられる場合はいずれも、重量は、別途指示しない限り、遊離酸の重量について一般的に提供される。ある態様では、システインはシステインハロゲン酸塩(例えばシステイン塩酸塩)である。
【0050】
口腔でまたは美容的に許容可能なキャリアを含有する組成物において、キャリアは亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体(前駆体を含む)およびシステイン以外の組成物中のすべての他の材料を言う。従って、キャリアの量は、亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体(前駆体を包む)およびタンパク質の重量に付加されることによって100%になる量である。「口腔で許容可能なキャリア」とは、例えば歯磨剤またはマウスリンスにおいて提供される量と濃度においての使用において安全であるとして一般的に認識される成分からなるオーラルケア製品における使用について適当なキャリアを意味する。「美容的に許容可能なキャリア」とは、例えば液体ハンドソープまたはボディウォッシュ、または制汗剤製品において提供される量と濃度においての使用において安全であるとして一般的に認識される成分からなる皮膚上に局所的使用のための製品の使用について適当なキャリアを意味する。従って、組成物に用いられる添加剤は、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)による「安全と一般的に認識される(Generally Recognized as Safe)」(GRAS)添加剤を包含し得る。
【0051】
パーソナルケア配合:
従って、「美容的に許容可能なキャリア」という用語は、本明細書に定義するように錯体の効果的量の適切な分配を提供し、亜鉛の生物活性の効果を邪魔せず、皮膚への局所的投与に適切で無毒性であるいずれかの配合またはキャリア媒体を意味する。代表的キャリアは、水、油、野菜とミネラル両方、石鹸ベース、クリームベース、ローションベース、軟膏ベース等、特に水性洗剤キャリア、例えば液体ハンドソープまたはボディウォッシュを包含する。1つの態様では、水性石鹸ベースはアニオン界面活性剤を含まないか、1パーセント未満で含有する。別の態様では、美容的に許容可能なキャリアは、局所的に許容可能な第四級アンモニウム化合物を含む。それらは、活性剤の生物活性の効果に過度に干渉せずかつ受容者または患者に十分に無毒性である薬配合の分野で既知または使用される、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、フレグランス、乳化剤、染料および添加剤を更に包含してもよい。局所配合のための添加剤は、当業者に周知であり、それらが上皮細胞またはそれらの機能に薬理学的に許容されかつ有害でない限り、局所組成物に添加されてもよい。更に、それらは組成物の安定性の劣化を引き起こしてはならない。例えば、不活性充てん剤、抗刺激剤、粘着付与剤、添加剤、フレグランス、乳白剤、抗酸化剤、ゲル化剤、安定剤、界面活性剤、緩和剤、着色剤、防腐剤、緩衝剤および他の局所配合の従来の成分が当業者に既知である。
【0052】
ある場合において、パーソナルケア組成物は亜鉛リシン錯体がエマルションの水相にある場合に、水溶性でなく、エマルション系に分配され得る油またはモイスチャライザーを含有する。エマルジョン配合のための界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤の組合せ、例えば:(i)例えばHLB8以下を有する親油性界面活性剤、例えばソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタンオレエート、例えばソルビタンセスキオレエート;および(ii)例えばHLB8以上を有する親水性界面活性剤、特にa.ジ−またはトリ−アルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン);b.ポリエトキシル化界面活性剤、例えばポリエトキシル化アルコール(特にポリエトキシル化ポリオール)、ポリエトキシル化植物油およびポリエトキシル化シリコーン、例えばポリソルベート80、ジメチコンポリエチレンオキシドおよびジメチルメチル(ポリエチレンオキシド)シロキサンからなる群から選択された1以上の界面活性剤の組合せを含有してもよい。油中水型エマルションでは、界面活性剤混合物の全体的なHLBは好ましくは2〜8、即ち典型的に親油性界面活性剤が高含量で存在するが;一方、水中油型エマルションでは、界面活性剤混合物の全体的なHLBは好ましくは8〜16である。
【0053】
また、パーソナルケア組成物は適切な抗酸化剤、酸化を抑制することが知られている物質を含有してもよい。組成物で使用するために適切な抗酸化剤はブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビックパルミチン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−fert−ブチルフェノール、エリソルビン酸、グアヤクガム、プロピルガレート、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、tert−ブチルヒドロキノンおよびトコフェロール(例えばビタミンE)、これらの化合物の薬理学的に許容される塩類とエステルを包含するもの等などを含むが、これに限定されるものではない。好ましくは、抗酸化剤はブチルオキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、プロピルガレート、アスコルビン酸、薬理学的に許容される塩類またはそれらのエステルまたはそれらの混合物である。最も好ましくは、抗酸化剤はブチル化ヒドロキシトルエンである。これらの材料は、ルガー・ケミカル社(Ruger Chemical Co;ニュージャージー州アーヴィントン)から入手可能である。局所配合が少なくとも1つの抗酸化剤を含むとき、存在する抗酸化剤の総量は0.001〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、より好ましくは0.1%である。
【0054】
また、パーソナルケア組成物は、適切な防腐剤を含有してもよい。防腐剤は、配合に加えられて抗菌剤の働きをする化合物である。非経口配合において効果的で許容可能な当業者に既知の防腐剤の中で、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロロクレソール、フェニル水銀(II)ニトラート、チメロサール、安息香酸およびそれらの種々の混合物が挙げられる。例えばウォールハウサー(Wallhausser)、K.−H.、ディベロップ・バイオル・スタンダード(Develop. Biol. Standard)、24参照:9−28(1974)(S. Krager、バーゼル)参照。好ましくは、防腐剤はメチルパラベン、プロピルパラベンおよびそれらの混合物から選択される。これらの材料は、イノレック化学社(Inolex Chemical Co)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)またはスペクトラムケミカルズ(Spectrum Chemicals)から入手可能である。局所配合が少なくとも1つの防腐剤を含む時、存在する防腐剤の総量は0.01〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%、より好ましくは0.03〜0.15重量%である。好ましくは、防腐剤はメチルパラベンとプロピルパラベン(proplybarben)の混合物比率5/1である。アルコールが防腐剤として使用されるとき、その量は通常15〜20%である。
【0055】
また、パーソナルケア組成物は脂質二分子膜を横切らない金属カチオンと錯体を形成する適切なキレート化剤を含有してもよい。適切なキレート化剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−ビス(β-アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、および8−アミノ−2−[(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル]−6−メトキシキノリン−N
5N,N’,N’−四酢酸、四カリウム塩(QUIN−2)。好ましくは、キレート化剤はEDTAおよびクエン酸である。これらの材料は、スペクトラムケミカルズ(Spectrum Chemicals)から入手可能である。局所配合が少なくとも1つのキレート化剤を含む時、存在するキレート化剤の総量は0.005%〜2.0重量%、好ましくは0.05%〜0.5重量%、より好ましくは0.1重量%である。キレート化剤が、例えば亜鉛と結合して、亜鉛錯体を邪魔しないことに気を付けなければならないが、試験された組成では低レベルのEDTAは問題を示さなかった。
【0056】
また、パーソナルケア組成物は、配合のpHを適切な範囲(例えば、pH6〜8またはほぼ中性pH)に調節して保持するために、適切なpH調整剤および/または緩衝剤を含有してもよい。
【0057】
また、パーソナルケア組成物は適切な粘性増加剤を含有してもよい。これらの成分は、粘性増加剤とポリマーとの相互作用を通して、ポリマー含有溶液の粘度を増加し得る拡散性の化合物である。CARBOPOL ULTREZ 10は粘性増加剤として使用されてもよい。これらの材料は、オハイオ州クリーブランドのノベオン・ケミカルズ(Noveon Chemicals)から入手可能である。局所配合が少なくとも1つの粘性増加剤を含む時、存在する粘性増加剤の総量は0.25%〜5.0重量%、好ましくは0.25%〜1.0重量%およびより好ましくは0.4%〜0.6重量%である。
【0058】
液体状態(例えば局所投与のために適切であり美容的な用途に適当なローション)は、適切な水性または非水系のビヒクルを緩衝剤、懸濁および分配剤、増粘剤、侵入促進剤等と共に包含してもよい。クリームまたはペーストまたはその種の他のもののような固体の形態は、例えば、以下の成分、水、油、アルコールまたはグリースを基材として、界面活性剤、ポリマー(例えばポリエチレングリコール)、増粘剤、固体等と共に包含してもよい。液体または固体配合は、増大分配技術、例えばリポソーム、ミクロソーム、マイクロスポンジ等を包含してもよい。
【0059】
局所の治療計画は、組成物を直接皮膚に適用部位で1日1〜数回適用して、水で洗浄して酸化亜鉛を皮膚上に沈殿する。
【0060】
配合は細菌感染症、ニキビ、炎症などと関連した状態または症状を治療、改善または予防するのに使用され得る。
【0061】
オーラルケア配合:
オーラルケア組成物(例えば、組成物4以下)は亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体を含みまたは加えて、エナメル質および歯構造の強さと完全性を保護および向上し、および/またはう歯および/または歯肉病に付随する細菌を減らすために活性である種々の薬剤を含有してもよい。本明細書に用いられる活性成分の有効濃度は、使用される特定の薬剤と使用される分配システムに依存する。練り歯磨きは、例えば典型的には使用時に水で希釈されるが、マウスリンスは典型的には希釈されないと理解される。従って、練り歯磨きの活性剤の有効濃度はマウスリンスのために必要である量より通常5〜15x高い。また、濃度は選択される実際の塩またはポリマーにも依存する。例えば、活性剤が塩の形態で提供される場合、対イオンは塩の重量に影響を及ぼすので、対イオンが重いならば、より重い重量の塩が最終製品で活性イオンの同じ濃度を提供するために必要となる。アルギニンは、それが存在する場合、消費者練り歯磨きでは0.1〜20重量%(遊離塩基の重量として表される)、例えば1〜10重量%、または専門家または処方箋治療製品では7〜20重量%のレベルで存在してもよい。フッ化物、それが存在する場合、消費者練り歯磨きでは25〜25,000ppm、例えば750〜2,000ppmであり、または専門家または処方箋治療製品では2,000〜25,000ppm)のレベルで存在してもよい 。抗菌剤のレベルは、同様に異なり、練り歯磨きでのレベルは洗口液で使用されるレベルより例えば5〜15倍高い。例えば、トリクロサン練り歯磨きはトリクロサン0.3重量%を含んでもよい。
【0062】
オーラルケア組成物は、1以上のフッ化物イオン源(例えば、可溶性フッ化物塩)をさらに包含してもよい。多種多様なフッ化物イオン生成材料が、本発明の組成物の可溶性フッ化物の原料として使用されることができる。適切なフッ化物イオン発生材料の例は、ブライナー(Briner)等による米国特許第3,535,421号;パラン・ジュニア(Parran、Jr.)等による米国特許第4,885,155号;およびウィダー(Widder)等による米国特許第3,678,154号に記載されている。代表的なフッ化物イオン源は、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロ珪酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウムおよびその組合せを含むが、これに限定されるものではない。特定の態様では、フッ化物イオン源は、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムならびにそれらの混合物を包含する。ある種の態様では、オーラルケア組成物はまた、フッ化物イオン原料またはフッ素−供給成分をフッ化物イオン25ppm〜25,000ppm、一般的に少なくとも500ppm、例えば500〜2000ppm、例えば1000〜1600ppm、例えば1450ppm供給するのに十分な量で含有してもよい。フッ化物の適切なレベルは、特定の適用に依存する。一般的な消費者用練り歯磨きは一般的に1000〜1500ppmを有し、小児用練り歯磨きはそれよりいくぶん少ない。専門用歯磨剤またはコーティングは、フッ化物を5,000ppmほど多くて、25,000ppm含有してもよい。フッ化物イオン原料は、一つの態様では0.01重量%〜10重量%、または0.03重量%〜5重量%で、他の態様では組成物の重量で0.1重量%〜1重量%のレベルで組成物に加えられてもよい。フッ化物イオンの適切なレベルを提供するためのフッ化物塩の重量は、明らかに、塩における対イオンの重量に基づいて変化する。
【0063】
研磨剤:オーラルケア組成物(例えば組成物4以下)はシリカ研磨剤を包含してもよくて、かつ付加的な研磨剤、例えばリン酸カルシウム研磨剤、例えばリン酸トリカルシウム(Ca
3(PO
4)
2)、ヒドロキシアパタイト(Ca
10(PO
4)
6(OH)
2)、または二水和リン酸二カルシウム(CaHPO
4・2H
2O、また時々本明細書ではDiCalと呼ぶ。)またはピロリン酸カルシウム;炭酸カルシウム研磨剤;または研磨剤(例えばメタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、アルミニウムシリケート、焼成アルミナ、ベントナイトまたは他の珪酸材料またはそれらの組合せ)を含有してもよい。
【0064】
本明細書で一般に有用なシリカ研磨剤量並びに他の研磨剤は一般的に平均粒子径0.1〜30ミクロン、5〜15ミクロンを有する。シリカ研磨剤は、沈殿シリカまたはシリカゲル、例えば、ペイダー(Pader)等による米国特許第3,538,230号およびディジゥリオ(Digiulio)等による米国特許3,862,307号に記載されるシリカキセロゲルでありうる。特定のシリカキセロゲルは、商品名SyloidでW.R.グレース・アンド・コ、デイビソン・ケミカル・ディビジョンによって市販されている。沈殿シリカ材料は、J. M.ヒューバー社(Huber Corp.)によって商品名Zeodentの名前で市販されているもの、例えばZeodent115および119を有するシリカを含む。これらのシリカ研磨材は、ウェイソン(Wason)による米国特許第4,340,583号に記載される。ある種の態様に、オーラルケア組成物の実施において有用な研磨剤材料は、給油価100cc/100gシリカ未満、45cc/100gシリカ〜70cc/100gシリカを有するシリカゲルおよび沈降アモルファスシリカを包含する。吸油価はASTA Rub−Out Method D281を使用して測定される。ある種の態様では、シリカは3ミクロン〜12ミクロンおよび5〜10ミクロンの平均粒子径を有するコロイダル粒子である。特に組成物に有用な低い吸油量シリカ研磨材は、メリーランド州21203ボルチモアのW.R.グレース・アンド・コ(W.R. Grace&Co.)のデイビソン・ケミカル・ディビジョンによって取引指定Sylodent XWAの下で上市されている。Sylodent 650 XWA、含水率29重量%、平均直径7〜10ミクロンおよび吸油値70cc/100gシリカ未満を有するコロイダルシリカの粒子からなるシリカヒドロゲルは、組成物に有用な低い吸油量シリカ研磨材の例である。
【0065】
起泡剤:また、オーラルケア組成物は、口腔がブラッシングされるときに得られる泡の量を増大する薬剤を包含してもよい。泡の量を増大する薬剤の例示は、ポリオキシエチレンおよびアルギン酸ポリマーを含むある種のポリマーを包含するが、これらに限定されない。ポリオキシエチレンは、組成物のオーラルケアキャリア成分によって発生する泡の量および泡に厚さを増加し得る。また、ポリオキシエチレンはポリエチレングリコール(「PEG」)またはポリエチレンオキシドとして一般に知られている。この組成物に適切なポリオキシエチレンは、分子量200,000〜7,000,000を有する。1つの態様では、分子量は600,000〜2,000,000であり、別の態様では800,000〜1,000,000である。ポリオックスは、ユニオンカーバイドによって製造される高分子量ポリオキシエチレンの商品名である。ポリオキシエチレンは、オーラルケア組成物のオーラルケアキャリア成分を1%〜90%、1つの態様では5%〜50%および別の態様では10重量%〜20重量%の量で存在してもよい。存在する場合、オーラルケア組成物の起泡剤の量(すなわち、単一のドース)は0.01〜0.9重量%、0.05〜0.5重量%、および別の態様では0.1〜0.2重量%である。
【0066】
界面活性剤:組成物は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性および/または、双性イオン界面活性剤を含んでもよい、例えば:
i. 高級脂肪酸モノグリセリドモノスフェートの水溶性塩、例えば水添ココナッツオイル脂肪酸のモノスルフェート化モノグリセリドのナトリウム塩、例えばナトリウムN−メチルN−ココイルタウレート、ナトリウムココモノグリセリドスルフェート、
ii. 高級アルキルスルフェート(例えばラウリル硫酸ナトリウム)
iii. 例えば式CH
3(CH
2)
mCH
2(OCH
2CH
2)
nOSO
3X(式中、mは6〜16(例えば、10)、nは1〜6(例えば、2、3または4)およびXはNaまたはKである。)高級アルキルエーテルスルフェート、例えばナトリウム・ラウレス−2スルフェート(CH
3(CH
2)
10CH
2(OCH
2CH
2)
2OSO
3Na))、
iv. 高級アルキルアリールスルホネート、例えばナトリウムドデシルベンゼンスルホネート(ナトリウムラウリルベンゼンスルホネート)
v. 高級アルキルスルホアセテート、例えばナトリウムラウリルスルホアセテート(ドデシルナトリウムスルホアセテート)、1,2ジヒドロキシプロパンスルホスルホネートの高級脂肪酸エステル、スルホコラウレート(N−2−エチルラウレートカリウムスルホアセトアミド)およびナトリウムラウリルサルコシネート)。
【0067】
「高級アルキル」とは、例えばC
6−30アルキルを意味する。特定の態様では、アニオン界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される。アニオン界面活性剤は、口腔組織を刺激する濃度(例えば、<10%)でなく、効果的である量(例えば、配合の>0.01重量%)で存在してもよく、および最適濃度は特定の配合および特定の界面活性剤に依存する。例えば、マウスウォッシュに使用される濃度は典型的には練り歯磨きに使用した濃度の10分の1のオーダーである。1つの態様では、アニオン界面活性剤は練り歯磨き中に0.3%〜4.5重量%、例えば1.5%で存在する。組成物は要すれば界面活性剤の混合物、例えばアニオン性界面活性剤およびアニオン性、カチオン性、双性イオンまたはノニオン性であってもよい他の界面活性剤を含有する混合物を含んでもよい。通常、界面活性剤は、広いpH範囲でかなり安定であるものである。界面活性剤は、例えばアグリコラ(Agricola)等による米国特許第3,959,458号;エーフル(Haefele)による米国特許第3,937,807号および;ギースケ(Gieske)等による米国特許第4,051,234号により詳細に記載される。ある種の態様では、本発明に有用なアニオン界面活性剤は、アルキル基に炭素数10〜18を有するアルキルスルフェートの水溶性塩および炭素数10〜18の有している脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの水溶性塩を包含する。ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムラウロイルサルコシネートおよびナトリウムココナッツモノグリセリドスルホネートは、このタイプのアニオン界面活性剤の例である。特定の態様では、組成物(例えば、組成物4以下)はラウリル硫酸ナトリウムを含有する。
【0068】
界面活性剤または適合性界面活性剤の混合物は、組成物中に0.1〜5%、他の態様では0.3%〜3%および他の態様では全組成物の0.5%〜2重量%で存在してもよい。
【0069】
アニオン界面活性剤が亜鉛アミノ酸ハロゲン化物錯体または亜鉛の活性を邪魔しないことを注意しなければならない。相対的に低レベルおよび比較的低い水配合において、界面活性剤は一般に大きな影響を与えないが、アニオン界面活性剤のより高いレベル、特に水性配合においては、アニオン界面活性剤は除外され得る。カチオン性および/またはノニオン性界面活性剤は代わりに使用されてもよい。
【0070】
歯石コントロール剤:種々の態様では、組成物は抗歯石(歯石コントロール)剤を含有する。適切な抗歯石剤は、非限定的ではあるが、リン酸塩および縮合リン酸塩(たとえばピロリン酸塩)、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド、ポリオレフィンスルホネート、ポリオレフィンホスフェート、ジホスホネートを包含する。組成物は従って、リン酸塩を含有してもよい。特定の態様では、これらの塩類は、リン酸アルカリ塩、即ちアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類水酸化物の塩類、例えばナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩である。本明細書で用いられる「リン酸塩」は、口腔で許容可能なモノ−およびポリリン酸塩、例えばP1〜6リン酸塩、例えば一量体リン酸塩(例えば、一塩基、二塩基または三塩基性リン酸塩);二量体リン酸塩(例えば、ピロリン酸塩);および多量体リン酸塩(例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム)を含む。特定の実施例では、選択されたリン酸塩はアルカリ二塩基リン酸塩およびアルカリピロリン酸塩、例えば、二塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、リン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、トリポリリン酸ナトリウムおよびこれらの2以上のいずれかの混合物から選択されたものから選択される。特定の態様では、例えば組成物はピロリン酸四ナトリウム(Na
4P
2O
7)、ピロリン酸カルシウム(Ca
2P
2O
7)および二塩基性リン酸ナトリウム(Na
2HPO
4)の混合物を、例えば二塩基性リン酸ナトリウム約3〜4%およびピロリン酸塩の各々の約0.2〜1%の量で含有する。別の態様では、組成物はピロリン酸四ナトリウム(TSPP)とトリポリリン酸ナトリウム(STPP)(Na
5P
3O
10)との混合物を、例えばTSPP1〜2%およびSTPP7%〜10%の比率で含有する。そのようなリン酸塩は、エナメル質の浸食を減少し、歯の洗浄を補強しおよび/または歯で歯石形成を減らすのに効果的量、例えば組成物の重量の2〜20%(例えば、約5〜15%)の量で提供される 。
【0071】
香料:また、オーラルケア組成物は香味剤を包含してもよい。組成物で使用されることができる香味剤は、精油並びに種々の香味料アルデヒド、エステル、アルコールおよび同様の材料を含むが、これらに限定されるものではない。精油の例としては、スペアミント、ペパーミント、ヒメコウジ、サッサフラス、クローブ、セージ、ユーカリノキ、マヨラナ、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツおよびオレンジの油を包含する。また、化学薬品、例えば メントール、カルボン(carvone)およびアネトールも有用である。ある種の態様は、ペパーミントおよびスペアミントの油を使用する。香味剤はオーラル組成物中に0.1〜5重量%、例えば0.5〜1.5重量%の濃度で導入されてもよい。
【0072】
ポリマー:オーラルケア組成物はまた、配合の粘性を調節しまたは他の成分の溶解性を増すために、付加的なポリマーを包含してもよい。そのような付加的なポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリサッカライド(例えば、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースまたはポリサッカライドガム、例えばキサンタンガムまたはカラギーナンガム)を包含する。酸性ポリマー(例えばポリアクリレートゲル)は、それらの遊離酸または部分的にまたは完全に中和された水溶性アルカリ金属(例えば、カリウムとナトリウム)またはアンモニウム塩の形で提供されてもよい。
【0073】
高分子構造またはゲルを水性媒体で形成するシリカ増粘剤が存在してもよい。これらのシリカ増粘剤は、組成物に存在する粒子シリカ研磨剤とは、シリカ増粘剤が非常に微細に分割されまたは殆どあるいは全く磨耗作用を提供しないので、物理的におよび機能的に別である点に注目すべきである。他の増粘剤は、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロースおよびセルロースエーテルの水溶性塩、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムである。また、天然ガム(例えばカラヤゴム、アラビアゴムおよびトラガカントガム)を導入してもよい。また、コロイダル珪酸アルミウニムマグネシウムは、増粘組成物の成分としてさらに組成物のテクスチャーを改善するために使用されてもよい。ある種の態様では、全体組成物の0.5%〜5.0重量%の量の増粘剤が使用される。
【0074】
組成物はアニオン性ポリマーを、例えば0.05〜5%の量において包含してもよい。そのような薬剤はこの特定の用途だけではないが、一般に歯磨剤で使用することは既知であり、有用な組成は米国特許第5,188,821号および5,192,531号に記載され;合成アニオン性重合ポリカルボキシレート(例えば無水マレイン酸または無水マレイン酸と別の重合性エチレン性不飽和モノマー、好ましくは分子量30,000〜1,000,000、最も好ましくは300,000〜800,000を有するメチルビニルエーテル/無水マレイン酸の1:4〜4:1の共重合体を包含する。例えば、これらの共重合体は、例えばニュージャージー州08805バウンドブルック(Bound Brook)のISP・テクノロジー・インク(Technologies Inc.から入手可能なGantrez.、AN 139(M.W. 500,000)、AN 119(M.W. 250,000)および好ましくはS―97薬剤(Pharmaceutical)グレード(M.W. 700,000)である。向上剤は、存在時には、0.05〜3重量%の範囲の量で存在する。他の有効なポリマーは無水マレイン酸とアクリル酸エチル、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドンまたはエチレンとの1:1の共重合体、あとのものはモンサントEMA No.1103、M.W.10,000およびEMAグレード61として市販され、およびアクリル酸とメチルまたはヒドロキシエチルメタクリレート、メチルまたはエチルアクリレート、イソブチルビニルエーテルまたはN−ビニル−2−ピロリドンとの1:1共重合体のようなものを包含する。一般に適切なものは、活性化炭素−炭素オレフィン系二重結合および少なくとも1つのカルボキシル基を有するオレフィン系またはエチレン系不飽和カルボン酸の重合物、即ちカルボキシル基に関してα−β位または末端メチレン基の一部として分子中に存在する重合機能を容易にするオレフィン系二重結合を有する酸の重合物である。そのような酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−塩化アクリル酸、クロトン酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロルソルビン酸、桂皮酸、β−スチリルアクリル酸、ムコン酸、イタコン酸、シトランコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、α−フェニルアクリル酸、2−ベンジルアクリル酸、2−シクロヘキシルアクリル酸、アンゲリカ酸、ウンベリ酸、フマル、マレイン酸および無水物が挙げられる。そのようなカルボン酸モノマーと共重合性し得る他の異なるオレフィンモノマーは、ビニルアセテート、塩化ビニル、マレイン酸ジメチルなどを包含する。共重合体は、水溶性のために十分なカルボン酸塩基を含む。高分子剤の別のクラスは、特にポリマーがアクリルアミドアルカンスルホン酸、例えば1989年6月27日のザヒド(Zahid)による米国特許第4,842,847号に記載される分子量1,000〜2,000,000を有する2−アクリルアミド2メチルプロパン・スルホン酸から選択された不飽和スルホン酸にポリマーが基づく場合、置換アクリルアミドのホモポリマーおよび/または不飽和スルホン酸および塩類のホモポリマーを含有する組成物を包含する。高分子剤の別の有用なクラスは例えばサイクス(Sikes)等による米国特許第4,866,161号に開示されるアニオン性活性アミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸およびホスホセリンの部分を含むポリアミノ酸を包含する。
【0075】
水:オーラル組成物は、かなりのレベルの水を含有してもよい。市販のオーラル組成物の調製に使用される水は、脱イオンされ、有機不純物の無いものでなければならない。組成物中の水の量は、その他の材料と共に導入される量に、添加される自由水を加える。
【0076】
湿潤剤:オーラル組成物のある種の態様の中で、組成物を空気に暴露する時に硬化することを避けるために湿潤剤を導入することも望ましい。また、ある種の湿潤剤は、歯磨剤組成物に所望の甘さまたはフレーバーを与え得る。適切な湿潤剤は、食用多価アルコール、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール並びに他のポリオールおよびこれらの湿潤剤の混合物を包含する。1つの態様では、主要な湿潤剤はグリセリンであり、それは25%を超える、例えば25〜35%、30%のレベルで、他の湿潤剤は5%以下で存在してもよい。
【0077】
他の任意の成分:上記の成分に加えて、オーラルケア態様は種々の必要な歯磨剤成分を含有してよく、そのいくつかを下記に記載する。任意の成分は、例えば、接着剤、起泡剤、香料、甘味料、付加的なアンチプラーク剤、研磨剤および着色剤を包含するが、これらに限定されない。これらおよび他の任意の成分は、マジェチ(Mageti)による米国特許第5,004,597号;アグリコラ(Agricola)等による米国特許第3,959,458号;およびエーフェル(Haefele)による米国特許第3,937,807号に更に記載されている。これらの記載をすべてここに参照として導入する。
【0078】
特に明記しない限り、この明細書で付与する組成物成分のすべてのパーセンテージは、100%の総組成物または配合重量に基づく重量である。
【0079】
本明細書に与えられる組成物および配合は、当業者に通常であるように、それらの成分に関して記載され請求される。当業者に明らかであるように、成分はいくつかの例では、互いに反応してよく、そのため最終的な配合の実際の組成物は記載される成分と必ずしも一致しなくてもよい。従って、組成物は製品にリストされた成分の組合せの製品に拡張されると理解すべきである。
【0080】
本明細書中に用いられる範囲は、範囲の中の各値およびすべての値を記載することの短縮形として用いられる。範囲の中のいかなる値も、範囲の終点として選ばれることができる。また、この中のすべての引用文献は、参考として全体が本明細書に導入される。本明細書の定義と引用文献のそれとが矛盾する場合は、本明細書の記載が優先する。
【0081】
特に明記しない限り、本明細書のいずれかの場所でまたは本明細書に記載される%および量は、重量パーセントに関するものと理解されなければならない。与えられる量は、材料の実際の重さに基づく。
【0082】
実施例1−亜鉛リシン錯体ZLCの合成および特徴
ZLCの形成のための一般的な反応は、以下の通りである:
ZnO+2(リシンHCl)→[Zn(リシン)
2Cl]Cl・2H
2O(ZLC)
ZnO:LysineHClの2:1のモル比懸濁液は、室温で12時間攪拌することで調製される。混合物は遠心分離される。上澄みの1mlをNMRチューブに移す。次いで、NMRチューブを結晶成長のためにエチルアルコールで満たされた閉じた試験管に置く。いくつかの無色で立方体の結晶が1週間後に形成される。ZLC結晶の結晶構造は単一の結晶X線回折で測定される。ZLCは、分子量が463g/molであるC
12H
32N
4O
6Cl
2Znとする実験式を有する。この錯体分子の大きさは、1.7nm*7.8nm*4.3nmである。この錯体において、Znカチオンは、赤道面中でNH
2基からの二つのN原子およびカルボキシル基からのO原子を有する2リシンリガンドによって配位されている。それは、Cl原子が頂点にある歪んだ正四角錐立体構造を示す。この新規構造は、陽性カチオン部分をもたらし、Clアニオンが組み合わされてイオン塩を形成する。
【0083】
純粋なZLC粉末の研究所スケールアップ合成:リシンHClの2モルを脱イオン水1000ml中に室温で攪拌することで溶解し、固体ZnOの1モルをゆっくり撹拌しながらリシンHCl溶液に添加し、撹拌を室温で一昼夜(12時間)続けた。懸濁液溶液は、高速で15分の間遠心分離される。上澄みをEtOHにゆっくり注ぐ。すぐに沈澱が形成される。約5〜8mlのEtOHが1gの粉末を得るために必要である。粉末を含むEtOH溶媒を濾過して、オフホワイトの粉末が得られる。粉末を乾燥のために50℃オーブンに入れ、88%収率の生成物を得る。PXRDは、ZLC結晶(PCT/US2012/70498の
図1)と比較して、純粋なZLC粉末であることを確認する。
【0084】
実施例2−汗減少のメカニズム
加水分解反応:185mg/mlのZLC溶液を調製し、7倍に希釈し、濁り研究のために37℃で5時間養生した。溶液が希釈されるにつれて、白い沈殿形成物が形成される。溶液の濁り度は比濁計を使用し測定され、その結果が比濁分析濁り度単位(NTU)で与えられる。表1は養生前後でのpHおよび濁り度の比較を示し、希釈および養生で濁り度の増加を示す:
【表3】
【0085】
8x、16xおよび32x希釈溶液で形成された沈澱を、遠心分離によって回収し、PXRDにより結晶性ZnOと特定する。上澄みから、単一結晶が成長し、X線回折によってリシンモノヒドロクロライドジハイドレート(Lysine Monohydrochloride Dihydrate)(リシン・HCl・2H
2O)であることが示される。これらのデータはZLC錯体が希釈時に解離して、酸化亜鉛の沈殿が生じるが、リシンは溶液中に残ることを示す。
【0086】
ZLC加水分解反応のメカニズムは、以下のように表せ得る:
[Zn(リシン)
2Cl]Cl・2H
2O+H
2O→ZnO+リシン・HCl・2H
2O
【0087】
わきの下の製品では、ZnO+リシンHClの混合物は汗存在下にZLCを形成し、それが汗腺管に入って、ZnOの栓を形成する。
【0088】
凝集:ZLCが発汗をブロックする別のメカニズムは、タンパク質存在下のZLCの凝集を包含する。ウシの血清アルブミン(BSA)はこの研究のタンパク質として使用される。コントロール溶液(脱イオン水)および異なるpHを有する3つのBSA1%水溶液が表2に示されたように調製される:
【表4】
ZLC粉末が上記のサンプルに加えられ、ZLCとBSAとの間で相互作用を検討し、ZLCがアストリンゼント特性を有し、即ち沈殿を形成して制汗剤として作用するかどうかを検討する。溶液の濁り度およびpHを混合物が37℃オーブンに置いたのち5時間後に測定され、結果を表3に示す:
【表5】
【0089】
従って、汗腺管(pH=5−7)において、ZLCが加水分解して不溶性ZnOになり、汗腺管を物理的にブロックする。また、ZLCは上記のBSAの凝集と同様、汗中のタンパク質を凝集する能力を有し、汗腺管の「プラグ(栓)」の形成を増大する。
【0090】
実施例3−抗菌効果
阻止ゾーンテストは、いくつかの材料:酸化亜鉛、リシン塩酸塩およびZLCについて行われる。方法は、TSA(トリプチカーゼ大豆寒天)プレート上の新たに用意された細菌培養の菌叢を作ることを包含する。無菌ろ紙ディスクは、テスト試料(上澄または混合物)の20マイクロリットルを接種する。サンプルに覆われたろ紙ディスクを空気乾燥して、TSAプレート上の細菌菌叢に適用する。プレートは37℃で20時間培養される。ZLCは酸化亜鉛単独またはリシン塩酸塩単独より良い抗菌性を有する。
【0091】
実施例4−ZLCおよびシステインを組合せる配合
ZLC溶液と一緒のシステインが、中性pHでZLC溶液を安定させるだけでなく、改善された耐酸性を有する沈澱を急速に提供するので、ZLCだけを含有する溶液を改善することが、分かる。この組成物は、ZLCが視覚の指標および抗菌特性としてパーソナルケア用品または亜鉛を歯の表面および微小管に提供するオーラルケア製品に使用されるときに、発汗を減少し、不溶性亜鉛析出を増大し得る。上記の実施例で見られるように、ZLC溶液の希釈から形成された不溶性ZnOは次世代の非アルミニウム制汗活性のために好適なZLC錯体を製造する。わきの下の製品で使用されるとき、このZLC錯体は汗によって希釈されて汗腺管をブロックし、それにより皮膚からの更なる発汗を防止し得るZnOを形成する。しかしながら、汗(pHは通常5から7の間を変化する)の弱い酸性の環境の下で、ZnOは徐々に溶解され、汗腺管で形成される栓を劣化して、有効性を低下する。
【0092】
2.4重量%Znの濃度でZLC溶液の溶液を実施例1に従って調製する。ZLC/システイン溶液を、システイン固体(シグマ体、M31952、FW 121.16g/mol)1.0019gをZLC溶液200.26gで撹拌下に混合することによって調製する。1時間後に、すべてのシステインが溶解され、溶液が透明になり、溶液のpHは6.91となる。このZLC−システイン溶液の10mlに、脱イオン水90mlを添加して「ストック」溶液総量100mlを調製する。
【0093】
希釈溶液の濁り度研究:濁り度測定は、タービスキャン(Turbiscan)(フォーミュレーション・インク(Formulaction Inc)、フロリダ州デイビー)によって行われる。この器具の測定は、試料溶液を有するセルを通して光線を発して、溶液を拡散されることなく横切る光子を検出することにより行われる。結果は透過パーセントで示され、透過パーセントが高いとより透明な溶液になり、透過パーセントが減少すると溶液中の沈澱の形成を示す。器具の温度は、37℃にセットされる。濁り度は、この温度で30分間1分の間隔で測定される。すべての希釈物は、測定の前に新たに調製される。
【0094】
表4は詳細、即ち加えられるストック溶液および水の量と希釈物のpHを記載する。pHは、希釈が酸化亜鉛の沈殿を起動させ、溶液中に比較的塩基性のリシンを放出するので、希釈時に上昇する。
【表6】
【0095】
濁り度の測定は下記の表5に提供される。最初の「ストック」溶液は全測定期間の間に透明なままであるが、更に希釈されると溶液は全て目にみえて曇ってくる。沈澱の遅い形成は2倍の希釈で観察され、沈澱形成速度は15分後に少し増加し、沈殿は30分間形成され続ける。3倍の希釈時に、沈澱が急速に形成されて、測定期間の間に停止しない。4倍の希釈において沈澱の形成は最初から急速にみられるが、沈殿形成速度は20分後に失速する。沈澱は「ストック」溶液が5倍、6倍、7倍および8倍に希釈に希釈される直後に、すぐに形成される。5分後に、すべてのこれらの希釈物の沈殿工程は失速する。次いで、20分後にこれらの希釈物において透過パーセントのわずかな増加があり、これは沈降の開始を暗示する。また、プロットからのデータは、沈澱形成の速度が「ストック」溶液がより希釈されるにつれて増加するが、より高希釈で、形成された沈殿総量が減少し、その結果その最大沈殿は3倍希釈に見られることを示す。
【0096】
この混合物から形成される沈澱が弱い酸性pHに抵抗することを検討するために、2倍の希釈物のpHを、希釈されたHCl水溶液によって5.5(人間の汗の平均pH)に調整する。pH5.5での希釈がpH7.9のそれより濁ることは、そのpHで沈殿がより多く形成されることを示す。pH7.9の2倍の希釈物の透過パーセントはTurbiscanでの測定で、75%であり、pH5.5のこの溶液の透過パーセントは56%である。このインビトロ研究から透過パーセントの減少は、弱酸性の環境が沈澱形成を増す傾向があることを強く示す。
【0097】
沈澱のX線光電子分光法(XPS)分析は、沈殿が主にZnOを有する1:2Zn−システイン錯体からなり、および少量のZnCO
3不純物を含有することを示している。
【0098】
また、4つの他のZLC−アミノ酸、ZLC−アルギニン、ZLC−グリシン、ZLC−ヒスチジンおよびZLC−プロリンを含む混合溶液をZLC−システイン溶液と同じ方法で調整し、ZLC−システインと同じ特性がこれらの溶液に観察されるかを検討するために、同じ実験を行った。希釈につれて、沈澱は3倍の希釈物から観察される。しかしながら、沈澱は酸安定でない。3倍の希釈物のpHを5.5に調節する時、すべての4つの混合物が溶解する。これらのケースの場合、沈澱は、アミノ酸を含有しておらず、単に酸化亜鉛である。
【0099】
テストされた他のアミノ酸でなく、システインを加えることは、ZLC溶液がより酸抵抗性の白い沈殿を形成する。また、実験結果はこの新規な混合物から沈澱の形成が平均汗pH(pH5.5)で増加されることを示す。この現象は、この新規な混合物材料をわきの下の製品で使用するために理想的にする。また、亜鉛混合物溶液のほぼ中性pHと希釈物の沈殿特性は、オーラルケア製品における配合も許容し、その場合沈澱は歯の微小管を塞いで、知覚過敏を減少し、並びに歯の表面に抗菌性でかつ浸食抑制性の亜鉛イオンを提供し得る。
【表7-1】
【表7-2】
【0100】
実施例5−ZLCを含む液体ハンドソープ
実施例4のZLC−システイン溶液(「ストック」溶液を形成するために希釈する前に)1gを、表6に記載した配合を有する市販の液体ハンドソープ(LHS)4gと組合せて、亜鉛0.7%を有する配合を提供する。
【表8】
【0101】
次いで、亜鉛0.7%でLHS/ZLC/システイン溶液を2倍、4倍、8倍、16倍および32倍に希釈し、沈殿を測定する。LHS/ZLC/システインの光学濃度(吸光度)を得て、波長610nmで、ラムダ25UV/VISスペクトロメータ(パーキンエルマー(PerkinElmer))を最初のLHSと比較した。脱イオン水試料をブランクとして使用する;表に示される値をブランクと比較する。従って、正数はサンプルがブランクより透明でないことを意味し、負数は測定されているサンプルがブランクより透明に見えることを示す。最初のハンドソープが希釈されて、より透明になる。ハンドソープに用いられたZLCが希釈される時、溶液はより濁り、白い沈殿の形成が観察される。
【0102】
ハンドソープを含んでいる最初の液体ハンドソープとZLC/システイン含有ハンドソープとを比較して、後者は相変化(透明から濁った沈殿)への重要な兆候を提供する。従って、ZLCが市販の液体ハンドソープに導入されて、洗浄工程の間の視覚/センサートリガーとして作用し得る。また、形成された沈澱、ZnO/システインは、LHSの抗菌特性を向上し、皮膚保護効果も提供する。
【0103】
実施例6−マウスウォッシュ配合
活性成分としてZLC/システインを含むマウスウォッシュを表7に記載する成分を用いて調製する。
【表9】
【0104】
配合は透明で、安定した溶液を形成することができるが、希釈時に沈澱を形成する。このマウスウォッシュ配合は中性pHを有し37℃で安定で不活性であるが、希釈時に沈殿を形成する。希釈による不溶性沈澱の形成は象牙質細管中で「プラグ(栓)」の形成を許容し、知覚過敏の利点を提供する。
【0105】
実施例7−亜鉛−リシンを含有するゲル配合
前述の実施例のマウスウォッシュ配合はより透明な配合と水での希釈時に沈殿を提供する。このユニークな特性は抗敏感および抗キャビティ効果を促進し、練り歯磨き製品に有用である。
【0106】
活性成分としてのZLC/システインを有するオーラルゲル練り歯磨きを調製する。また、ZLCゲル相の沈殿特性は加水分解反応研究によって調査して、歯がZLC/システインを含む練り歯磨きで磨かれる時に、ブラッシング時に形成される不溶性粒子が象牙質細管に侵入し、それをブロックして、消費者に抗センシティビティー効果と兆候を示すことを確認する。
【0107】
活性成分としてのZLC/システインを有するゲルを、表5に示される成分を用いて調製する。透明性と希釈による沈殿を評価する。以下のバッチ中の亜鉛イオン濃度は、0.5%(w/w)の亜鉛レベルである。
【表10】
【0108】
ゲル相の透明性を評価するために、ラムダ25UV/VISスペクトロメータ(PerkinElmer)を使用して、吸光度情報を得る。吸光度は、物質を通過するときに吸収される光の量の対数的基準である。ゲルの粒子が光を吸収するので、粒子が溶液中に存在すればするほど、ゲルは光を吸収する。従って、ゲルの吸光度の小さい数は、より高い透明性を示す。吸光度は610nmの光源波長の下のブランク溶液として脱イオン(DI)水を使用することにより修正される。
【0109】
希釈実験:ゲルを2倍、4倍、8倍、16倍および32倍に希釈して、吸光度を測定し、沈殿の形成が吸光度の増加になる。
【0110】
ゲルは単独でまたはゲル相と研磨剤ペースト相を有する練り歯磨きの中で使用され得る。練り歯磨き配合のゲル相中の活性成分としてのZLC/システイン。希釈による不溶性沈澱の形成は練り歯磨きのこのタイプを使用した後に象牙質細管中で「プラグ」の形成を促進し、さらに、それは消費者での使用中に白い沈殿信号を提供する。
【0111】
実施例8−象牙細管のプラギング
ZLC/システインを有するオーラルゲルによる象牙質の閉塞は、ZLCを有さないオーラルゲルと比較して、潜在的抗知覚過敏の効果について測定される。フロデック(Flodec)器具が象牙質細管を通して流動を測定するのに使用される。パシュリー・セル方法(例えば、パシュリー(Pashley)DH、オメラ(O’Maera)JA、ケプラー(Kepler)EE等、インビトロでの歯磨剤の過敏性を低くする象牙汁浸透性効果、J Periodontol. 1984;55(9):522〜525)は、S.Mello(メロ)マウスウォッシュ配合での象牙質の閉塞の測定に使用された工程の後に使用される。400μlのサンプルの2回10分の治療を、ピペットで象牙質ディスク上に10分の間隔で適用する。各々の治療の後、ディスクをリン酸緩衝食塩水(PBS)でリンスして、フロデック装置(キャピラリー管中のメニスカス位置を追跡して体積における小さな変化を測定する装置)を使用して流れについて測定する。
【0112】
実施例9−象牙細管のプラッギングの視覚による評価
ZLC/システインは、歯に適用して希釈して沈殿を発生させると、象牙細管をふさぐのに効果的であることが示される。この析出および細管閉塞は、知覚過敏と亜鉛の蓄積を提供し、歯のエナメル質と浸食および細菌定着から保護する。
【0113】
人間の象牙質スライスを全人間歯から調製する。歯は約800ミクロンのセクションにカットされる。セクションを磨いて、セクション上のエナメル質を取り除くと、セクションが多孔質エナメル材料として現れる。次いで、そのセクションを1%クエン酸溶液でエッチングし、リンスして、リン酸塩緩衝食塩水(Phosphate Buffered Saline)(PBS pH7.4、ギブコ、Cat. No.10010)に保存される。
【0114】
人間の象牙質セクションの薄切片は、ベースライン特徴の為に共焦点顕微鏡上で画像化される。上面図画像はXYZモードでとり、側面図画像はXZYモードでとった。典型的な画像は、50x対物レンズおよびx4デジタル拡大で撮られる。より広範囲の画像が低い倍率で望まれるとき、画像はx1デジタル拡大で撮られる。
【0115】
人間の象牙質部の薄切片は、各々の治療溶液を使用して処理される。治療された薄切片は、共焦点顕微鏡下で表面上での閉塞と析出の徴候を検討する。繰り返し処理がこれまでの治療と同じであるか実質的には同じ方法を使用して、処理ディスク上になされる。共焦点画像は1以上の繰り返し処理の後、付加的な閉塞と析出の進展をモニターするために撮られる。
【0116】
実施例10−ZLC/システインを含有する歯磨剤配合
ZLC/システイン、フッ化物1450ppmおよびリン酸塩を含有するテスト歯磨剤は、以下の通りに調製する:
【表11】