特表2016-506534(P2016-506534A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネクセオン エナジー ソリューションズ エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000004
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000005
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000006
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000007
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000008
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000009
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000010
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000011
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000012
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000013
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000014
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000015
  • 特表2016506534-エネルギー効率の良い薄膜 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-506534(P2016-506534A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(54)【発明の名称】エネルギー効率の良い薄膜
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1339 20060101AFI20160205BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20160205BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20160205BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20160205BHJP
   E06B 3/66 20060101ALI20160205BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20160205BHJP
【FI】
   G02F1/1339 505
   B32B7/02 103
   G02F1/13 505
   G02F1/1335 520
   E06B3/66 E
   B60J1/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-544093(P2015-544093)
(86)(22)【出願日】2013年11月18日
(85)【翻訳文提出日】2015年7月15日
(86)【国際出願番号】US2013070508
(87)【国際公開番号】WO2014081653
(87)【国際公開日】20140530
(31)【優先権主張番号】61/729,166
(32)【優先日】2012年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515135631
【氏名又は名称】ネクセオン エナジー ソリューションズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド, ピルマル エム.
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, ステファン イー.
【テーマコード(参考)】
2E016
2H088
2H189
2H191
4F100
【Fターム(参考)】
2E016AA01
2E016AA04
2E016BA01
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC02
2H088EA22
2H088EA34
2H088FA04
2H088FA09
2H088FA16
2H088FA29
2H088HA01
2H088HA02
2H088HA03
2H088HA18
2H088HA21
2H189CA11
2H189DA04
2H189DA05
2H189DA15
2H189DA49
2H189DA79
2H189FA10
2H189FA23
2H189FA51
2H189GA14
2H189HA03
2H189HA05
2H189LA01
2H189LA03
2H189LA17
2H189LA19
2H189MA15
2H191FA22Y
2H191FA28Y
2H191FA31Y
2H191FD07
2H191GA01
2H191GA05
2H191GA08
2H191GA11
2H191GA23
2H191LA02
2H191LA03
2H191LA04
4F100AA28
4F100AA33
4F100AG00E
4F100AK04
4F100AK41
4F100AK45
4F100AK46E
4F100AS00B
4F100AT00A
4F100AT00C
4F100BA03
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100DB01
4F100GB07
4F100GB31
4F100GB32
4F100JA11B
4F100JD09E
4F100JD10E
4F100JK13
4F100JK17
4F100JN01A
4F100JN01C
4F100JN01D
4F100JN01E
4F100JN10E
(57)【要約】
エネルギー効率の良い薄膜が提供される。薄膜は、第1の透明な基板、第2の透明な基板、第1の透明な基板と第2の透明な基板との間に提供される液晶層、及び液晶層の外側端部上に提供されるガスケットを含む。ガスケットはまた、第1の透明な基板及び第2の透明な基板の外側端部上に提供される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の透明な基板;
第2の透明な基板;
前記第1の透明な基板と前記第2の透明な基板との間に提供される液晶層;及び
前記液晶層の外側端部上に提供されるガスケットを備える、薄膜。
【請求項2】
前記第1の透明な基板と前記液晶層との間に提供される第1の透明な伝導層;及び
前記第2の透明な基板と前記液晶層との間に提供される第2の透明な伝導層を更に備える、請求項1に記載の薄膜。
【請求項3】
前記ガスケットはまた、前記第1の透明な基板及び前記第2の透明な基板の外側端部上に提供される、請求項1に記載の薄膜。
【請求項4】
ガスケットはまた、前記第1の透明な基板、前記第2の透明な基板、前記第1の透明な伝導層、及び前記第2の透明な伝導層の外側端部上に提供される、請求項2に記載の薄膜。
【請求項5】
前記ガスケットは、接着剤であり、かつ複数の間隔部材を備える、請求項1に記載の薄膜。
【請求項6】
赤外線(IR)反射層又は紫外線(UV)反射層のうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載の薄膜。
【請求項7】
少なくとも1つの偏光層を更に備える、請求項1に記載の薄膜。
【請求項8】
前記液晶層と前記第1の透明な伝導層との間、又は前記液晶層と前記第2の透明な伝導層との間に配置されるポリアミド層を更に備える、請求項2に記載の薄膜。
【請求項9】
前記第1及び第2の透明な基板は、曲がった表面に順応するために、実質的に柔軟である、請求項1に記載の薄膜。
【請求項10】
前記液晶層は、液晶材料及び複数の間隔部材を備える、請求項1に記載の薄膜。
【請求項11】
前記間隔部材は、直径が前記液晶層の高さを画定するように配置される複数のロッドである、請求項10に記載の薄膜。
【請求項12】
前記間隔部材は、ロッド、粘着性のボール、又はナノ構造体のうちの少なくとも1つを備える、請求項10に記載の薄膜。
【請求項13】
前記間隔部材は、近似的に前記液晶層の10から20パーセントの体積を占める、請求項10に記載の薄膜。
【請求項14】
ガラス窓;並びに
1以上の薄膜であって、各々の薄膜は接着層によって隣接する薄膜に固定される、1以上の薄膜を備え、かつ各々の薄膜は:
第1の透明な基板;
第2の透明な基板;
前記第1の透明な基板と前記第2の透明な基板との間に提供される液晶層;及び
前記液晶層の外側端部上に提供されるガスケットを備える、ガラスパネル。
【請求項15】
前記ガラス窓は曲げられ、かつ前記第1及び第2の透明な基板は、曲げられた前記窓ガラスに順応するために実質的に柔軟である、請求項14に記載のガラスパネル。
【請求項16】
前記ガラス窓は、建物の窓に使用されるガラス、ドアに使用されるガラス、天窓に使用されるガラス、自動車のガラス、航空機で使用されるガラス、及び船舶のガラスから成る群から選択されるガラスを備える、請求項14に記載のガラスパネル。
【請求項17】
薄膜を準備する方法であって:
a)第1の透明な基板を提供すること;
b)ガスケットを前記第1の透明な基板の外側端部の部分上に配置すること;
c)液晶層を、前記第1の透明な基板上で、かつ前記ガスケットによって形成される境界の範囲内に配置すること;
d)第2の透明な基板を、前記液晶層上で、かつ前記ガスケットによって形成される境界の範囲内に位置決めすること;及び
e)前記ガスケットの範囲内で接着剤を硬化させることを含む、方法。
【請求項18】
前記薄膜上に付加的な層を配置することを更に含み、前記付加的な層は、防護層、赤外線(IR)反射層、紫外線(UV)反射層、及び偏光層から成る群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記液晶層を配置することは、前記第1の透明な基板上に、液晶材料及び間隔部材の混合物をスプレーすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
薄膜を準備する方法であって:
a)第1の透明な基板を提供すること;
b)ガスケットを、前記第1の透明な基板の外側端部に隣接する第1の透明な基板の上端面上に配置すること;
c)液晶層を、前記第1の透明な基板上で、かつ前記ガスケットによって形成される境界の範囲内に配置すること;
d)第2の透明な基板を、前記液晶層及び前記ガスケット上に位置決めすること;及び
e)前記ガスケットの範囲内で接着剤を硬化させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、本明細書の中において参照されることによって全体の内容が組み込まれる、2012年11月21日に出願された米国仮特許出願番号61/729,166の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
最も普通のエネルギー効率の良くない乗り物及び建物の窓は、容易に熱を伝導する単一の窓ガラスを使用する。
普通の窓は、(1)ガラスを通る直接的な伝導、伝達、及び放射による太陽エネルギー以外の熱利得;(2)放射の形における太陽エネルギーの熱利得;及び(3)ガラスを通る通気及び浸入の両方からの空気の流れによって、エネルギーを伝達する。
乗り物及び建物の中への熱の侵入を制御する、増加されたエネルギー利得を有する購入可能な窓の技術がまた存在する。
エネルギー効率の良い窓の1つのタイプは、複数の窓ガラスの間の隙間を隔離することによって熱伝達を最小化するガラスの、例えば、2重、3重、又は4重の窓ガラスなどの、多重窓ガラスを有する。
隔離される隙間がクリプトン又はアルゴンなどの有害でないガスで満たされる場合、及び低伝導率を有する窓ガラスの間隔部材が複数の窓ガラスの間で使用される場合、効率はさらに増加される。
ガラスを通る熱伝達を低減させる別のやり方は、低放射率、又は低放射率の被覆をガラス表面に適用することである。
低放射率の被覆は、典型的には、外側の窓ガラスに適用される極めて薄い金属又は金属酸化物の層である。
低放射率の被覆は、放射がガラスを通過することを妨げる。
低放射率の被覆はまた、太陽光を反射することによって夏に建物をより涼しく保つ。
冬において、内側の窓ガラス上の低放射率の被覆は、熱が逃げることを妨げることによって内側の温度を維持する。
ガラスを通る熱伝達を低減する他のやり方は、色付け、染色、又はガラスに貼られる反射性薄膜の適用を含む。
関連技術のエネルギー効率の良い窓及びエネルギー効率の評定は、米国エネルギー省出版の1997年1月DOE/GO‐DE‐AC03‐76SF00098 PUB‐788、「Selecting Windows for Energy Efficiency」の中で説明されている。
【0003】
窓を通る熱利得は、典型的には、U‐要素、R‐値、太陽エネルギー熱利得係数(SHGC)、及び可視光線透過率(VT又はVLT)などの、エネルギー性能特性によって測定される。
低放射率の被覆は、寒い天候の間に熱を反射して家の中へ戻し、かつ暖かい天候の間に熱を反射して外側へ戻し、かつ窓のU‐要素をより低くするが、断熱することにおいて多重窓ガラスと同じ程度に効率的ではない。
多重窓ガラスは、長い時間にわたる、ガスを封じ込めることにおける損失、及び低減されたエネルギー効率の問題に晒される。
色付け、染色、又は反射窓は、部屋の中へ促される光の量において限定される(可視光線透過率)。
色が付けられた窓の薄膜は、明るい太陽光の日にはユーザによって望まれる一方で、曇りの日及び夕刻には望まれない。
色が付けられた窓はまた、建築学的見地から多くの用途において望ましくない。
【0004】
従って、太陽の放射エネルギーを遮断し、かつ熱エネルギー伝達に対抗して封じ込める一方で、入射可視光強度の最大の割り合いを伝達する、熱効率が良い窓の薄膜及び窓を提供することが有利である。
冬の間には熱利得を最大化する太陽エネルギーの熱利得係数を有する、寒い天候に対する窓の薄膜及び窓を提供することがまた有利であり、U‐要素は熱伝達を低減し、かつ優れた光伝達のために高い可視光線透過率を有する。
加えて、通常の窓に適用され得る薄膜を提供し、それによって窓をエネルギー効率の良い窓へ変換することが有利である。
更に、平面でない表面を受け入れるように曲がることができる、柔軟な薄膜が有利である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一側面に従って、薄膜が提供される。
薄膜は、第1の透明な基板、第2の透明な基板、第1の透明な基板と第2の透明な基板との間に提供される液晶層、及び液晶層の外側端部上に提供されるガスケットを含む。
ガスケットはまた、第1の透明な基板及び第2の透明な基板の外側端部上に提供される。
【0006】
薄膜はまた、第1の透明な基板と液晶層との間に提供される第1の透明な伝導層、及び第2の透明な基板と液晶層との間に提供される第2の透明な伝導層を含み得る。
この実施形態において、ガスケットはまた、第1の透明な基板、第2の透明な基板、第1の透明な伝導層、及び第2の透明な伝導層の外側端部上に提供され得る。
ガスケットは接着剤であり得、かつガスケットは複数の間隔部材を含み得る。
【0007】
薄膜はまた、赤外線(IR)反射層又は紫外線(UV)反射層を含み得る。
更に、薄膜はまた、少なくとも1つの偏光層を含み得る。
加えて、薄膜はまた、液晶層と第1の透明な伝導層との間、又は液晶層と第2の透明な伝導層との間に配置されるポリアミド層を含み得る。
第1及び第2の透明な基板は、曲面に順応するために実質的に柔軟であり得る。
【0008】
液晶層は、液晶材料及び複数の間隔部材を含み得る。
間隔部材は、直径が液晶層の高さを画定するように配置されるロッドであり得る。
代替的に、間隔部材は、ロッド、粘着性のボール、及び/又はナノ構造体を含み得る。
間隔部材は、体積において、液晶層の近似的に10から20パーセントを占め得る。
【0009】
本発明の別の側面に従って、ガラスパネルが提供される。
ガラスパネルは、1枚の窓ガラス及び1以上の薄膜を含む。
各々の薄膜は、接着層によって隣接する薄膜に固定される。
各々の薄膜は、第1の透明な基板、第2の透明な基板、第1の透明な基板と第2の透明な基板との間に提供される液晶層、及び液晶層の外側端部上に提供されるガスケットを含む。
【0010】
ガラス窓は曲面であってもよく、かつ第1及び第2の透明な基板は、曲がったガラス窓に順応するために実質的に柔軟であり得る。
ガラス窓は、建物の中で使用されるガラス、ドアで使用されるガラス、天窓で使用されるガラス、自動車のガラス、航空機で使用されるガラス、船舶のガラス、及び/又は内側空間と外側空間との間の遮蔽を生成するために使用される任意の他のガラスを含み得る。
【0011】
本発明の別の側面に従って、薄膜を準備する方法が提供される。
方法は:
a)第1の透明な基板を提供すること;
b)ガスケットを第1の透明な基板の外側端部の部分上に配置すること;
c)液晶層を、第1の透明な基板上で、かつガスケットによって形成される境界の範囲内に配置すること;
d)第2の透明な基板を、液晶層上で、かつガスケットによって形成される境界の範囲内に位置決めすること;及び
e)ガスケットの範囲内で接着剤を硬化させることを含む。
【0012】
方法はまた、薄膜上に付加的な層を配置することを含み得る。
付加的な層は、防護層、IR反射層、UV反射層、及び/又は偏光層であり得る。
液晶層は、液晶材料と間隔部材との混合物を第1の透明な基板上にスプレーすることによって配置され得る。
本発明の別の側面に従って、薄膜を準備する別の方法が提供される。
方法は:
a)第1の透明な基板を提供すること;
b)ガスケットを、第1の透明な基板の外側端部に隣接する第1の透明な基板の上端面上に配置すること;
c)液晶層を、第1の透明な基板上で、かつガスケットによって形成される境界の範囲内に配置すること;
d)第2の透明な基板を、液晶層及びガスケット上に位置決めすること;及び
e)ガスケットの範囲内で接着剤を硬化させることを含む。
【0013】
本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、添付の図面と併せて考慮された場合に、以下の本発明の詳細な説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本発明の一実施形態による、エネルギー効率の良い窓の薄膜の断面図である。
図1B図1Aにおいて示されるエネルギー効率の良い窓の薄膜の上面図である。
図1C図1Cは、図1Aにおいて示されるエネルギー効率の良い窓の薄膜の範囲内の液晶層の断面図である。
図1D図1Dは、エネルギー効率の良い窓の薄膜の別の実施形態の断面図である。
図2】本発明の別の実施形態による、エネルギー効率の良い窓の薄膜の断面図である。
図3】本発明の別の実施形態による、多重層のエネルギー効率の良い窓の薄膜の断面図である。
図4A】本発明の別の実施形態による、単一のエネルギー効率の良い薄膜を有するエネルギー効率の良いガラスパネルの断面図である。
図4B】本発明の別の実施形態による、接着層によって接続された2つのエネルギー効率の良い薄膜を有するエネルギー効率の良いガラスパネルの断面図である。
図5】本発明の別の実施形態による、エネルギー効率の良い窓の断面図である。
図6A】本発明の別の実施形態による、エネルギー効率の良い窓の断面図である。
図6B】本発明の別の実施形態による、エネルギー効率の良い窓の断面図である。
図7】本発明の別の実施形態による、多重層のエネルギー効率の良い薄膜を含むエネルギー効率の良い窓の断面図である。
図8】本発明の別の実施形態による、エネルギー効率の良い窓の薄膜の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に従って、表面に適用されるエネルギー効率の良い薄膜が提供される。
エネルギー効率の良い薄膜は、窓、ドア、天窓、自動車のガラス、航空機で使用されるガラス、又は任意の他のガラス表面に適用され得る。
例えば、エネルギー効率の良い薄膜は、断熱、並びに赤外線(IR)放射及び/又は紫外線UV放射からの防護を必要とする、ガラスに適用され得る。
エネルギー効率の良い薄膜は、乗り物又は建物の中へ又は外への熱の伝達に対する遮蔽手段として機能し得る。
更に、エネルギー効率の良い薄膜は、断熱性を提供するために、金属又は乾式工法の壁などの任意の他の表面に適用され得る。
エネルギー効率の良い薄膜の断熱特性は、以下に詳細に議論されるように、薄膜を構築することにおいて使用される材料及び構築方法に由来する。
【0016】
本発明の実施形態によるエネルギー効率の良い薄膜は、柔軟であり得、かつ通常の窓の表面上に適用され得る。
エネルギー効率の良い薄膜はまた、耐久性があり、かつ乗り物の窓に適用され得るように十分に薄い。
幾つかの実施形態において、エネルギー効率の良い薄膜は、薄膜及び窓に対する損傷を妨げるために、衝撃吸収層及び/又は防護層を含む。
エネルギー効率の良い薄膜はまた、自動車のフロントガラスなどの積層窓と同じ特性を有するように、通常の窓ガラスを変換するために、安全層を提供するように形成され得る。
【0017】
透明なエネルギー効率の良い薄膜は、第1及び第2の実質的に柔軟で透明な封じ込められた薄膜、及び液晶層などの1以上の断熱層を含む。
薄膜は、1以上のIR及び/又はUVの反射又は吸収層を含み得る。
エネルギー効率の良い薄膜は、建物又は乗り物の通常の窓ガラスなどの、既に設置された窓パネル上に適用され得る。
エネルギー効率の良い薄膜は、2つの窓パネル又は窓ガラスの間にサンドウィッチされる必要はない。
幾つかの実施形態において、薄膜は自立し得る。
【0018】
本明細書の中において使用されるように、以下の用語は以下の意味を有する。
「R‐値」は、熱伝導に対する窓、ドア、又は天窓の抵抗を意味し、かつU‐要素の逆数である(すなわち、R‐値=1/U‐要素)。
R‐値がより高くなれば、窓、ドア、又は天窓のエネルギー効率はより良くなる。
「U‐要素」は、窓、ドア、又は天窓が太陽エネルギー以外の熱流を伝導する比率である。
それは、通常は、Btu/hr‐ft2‐°Fという単位の中で表現される。U‐要素がより低くなれば、窓、ドア、又は天窓のエネルギー効率はより良くなる。
「太陽エネルギー熱利得係数」(SHGC)は、窓、ドア、又は天窓を通ることを認められた太陽エネルギーの放射の割合であり、直接的に伝達されるか及び/又は吸収されるかのいずれかであり、かつ内側空間の熱としてその後に解放される。
SHGCがより低ければ、より少ない太陽エネルギーの熱が伝達され、かつ日よけ能力がより大きくなる。
高いSHGCの比率は、冬の間に太陽エネルギーの熱を収集することにおいてより効果的である。
低いSHGCの比率は、太陽からの熱利得を遮断することによって、夏の間に冷却の負荷を低減することにおいてより効果的である。
「透明な基板」は、高い可視光線透過率(VT又はVLT)を有する基板である。
「可視透過率」(VT)又は「可視光線透過率」(VLT)は、窓ガラスを通過するスペクトルのうちの可視部分における光の量である。
より高いVTは、内部空間により多くの日光が存在することを意味する。
窓ガラスのVTは、被覆されていない無色透明のクリアガラスに対する90パーセント以上から、窓ガラス上の高い反射薄膜に対する10パーセント未満までにわたる。
【0019】
図は縮尺通りに描かれておらず、かつその中の構成要素の相対的な割合を示すものとして解釈されるべきでない。
今や図1Aを参照すると、薄膜100を通して内側空間に入る放射を最小化するためのエネルギー効率の良い薄膜100が提供される。
薄膜100は、第1の透明な基板104及び第1の透明な伝導層106を有する第1の透明層102を含み、第1の透明な伝導層106は、第1の透明な基板104の1つの表面上に配置される。
液晶層108は、第1の透明層102を成形するために第1の透明な伝導層106の上端上に位置決めされる。
第2の透明な基板114及び第2の透明な伝導層112を有する第2の透明層110は、第1の透明層102の上端上に配置される。
しかしながら、第1及び第2の透明な伝導層106、112は、必要ではなく、かつ図1Aの中において示される薄膜100から省略されてもよい。
【0020】
第1及び第2の透明な基板104、114のうちの各々は、曲がった窓、特に曲がった自動車の窓などの曲がった面に順応するために十分な柔軟性を有する、好ましくは実質的に柔軟なポリマーである透明ベースの薄膜である。
透明ベースの薄膜は、好ましくは、80パーセント以上などの高い可視光線透過率を有する。
適切な透明ベースの薄膜の実施例は、ポリエステル、トリアセテート、又はポリカーボネートなどの、ポリエチレン薄膜及び他のポリマー薄膜を含む。
透明ベースの薄膜の1つの実施例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0021】
随意の第1及び第2の透明な伝導層106、112は、例えば、インジウムスズ酸化物などの透明な金属酸化物、又は酸化亜鉛などの他の酸化層を含み得、それらは薄膜100のエネルギー効率を高める。
透明な伝導層106、112に対する材料の他の実施例は、グラフェンの1以上の層、PPGインダストリーから購入が可能なSolarban(登録商標)製品などの、低放射率の被覆、及び当業者に知られている他の低放射率の被覆を含む。
【0022】
図1Aの中において示されるように、ガスケット105が、複数の層104、106、108、112、及び114の外側端部上に配置されている。
図1Bは、図1Aの中において示される薄膜100の上面図を示している。
図1Bの中において示されるように、ガスケット105は、薄膜100の外側周囲を形成する。
ガスケット105は、圧力に敏感な接着剤、熱に敏感な接着剤、湿度に敏感な接着剤、又はUVで硬化する接着剤、などの接着剤である。
ガスケット105は、薄膜100を密封し、薄膜100に対して構造的な支持を提供し、かつ複数の層104、106、108、112、及び114の望ましい配置及び間隔を維持する。
ガスケット105は、以下に更に詳細に議論されるように、ロッド、粘着性のボール、又はナノ構造体などの間隔部材を含み得る。
薄膜100の構造を維持するために、複数の層104、106、108、112、及び114の厚さが減少する場合に、間隔部材を含むことが有利であり得る。
【0023】
図1Cの中において示されるように、液晶層108はまた、間隔部材107を含み得る。
図1Cの中において示される実施形態において、間隔部材107は、第1の透明な伝導層106と第2の透明な伝導層112との間の一様な間隔を維持するために、それらの側面上に横たわるロッドである。
この実施形態において、ロッドの直径は、第1の透明な伝導層106と第2の透明な伝導層112との間の間隔(すなわち、液晶層108の厚さ)を決定する。
間隔部材107は、体積において液晶層の近似的に10から20パーセントを占め得、一方、液晶層108のうちの残りは液晶材料109によって占められる。
間隔部材107は、粘着性の間隔部材(例えば、接着剤を伴うセラミック構造体)、ロッド(例えば、ガラス又はシリコンのロッド)、又はナノ構造体であり得る。
粘着性の間隔部材は、球形状を有し得、かつ接着剤によって被覆され得る。
例えば、液晶材料109は、様々な電気光学材料を含み得る。
例えば、液晶材料109は、E7、高分子液晶などの液晶、又は非線形光材料などの他の光学材料を含み得る。
【0024】
今度は図1Dを参照すると、図1Aの中において示された薄膜100の別の実施形態が示される。
図1Dにおいて示されるように、薄膜100は、1以上のポリアミド層117を含み得る。
例えば、ポリアミド層117は、透明な伝導層106の上端上、又は任意の他の適切な位置に配置され得る。
ポリアミド層117の配置の後に、ポリアミド層117は熱を用いて硬化され得る。
ポリアミド層117は、ポリアミド層117内のポリマーが薄膜100に入射された熱のうちのいくらかを吸収するので、薄膜100に対して高められた熱的特性を与える。
従って、液晶層108に到達する熱が少ないほど、薄膜100によって提供される断熱性は改良される。
再び、第1及び第2の透明な伝導層106、112は、必要ではなく、かつ図1Dの中において示される薄膜100から省略されてもよい。
【0025】
今度は図2を参照すると、図1を参照して上述されたエネルギー効率の良い薄膜の別の実施形態が示され、類似する番号は類似する要素を言及している。
薄膜200は、第1の透明な基板104及び第1の透明な伝導層106を有する第1の透明層102を含み、第1の透明な伝導層106は、第1の透明な基板104の1つの表面上に配置される。
液晶層108は、第1の透明層102を成形するために第1の透明な伝導層106の上端上に位置決めされる。
第2の透明な基板114及び第2の透明な伝導層112を有する第2の透明層110は、第1の透明層102の上端上に配置される。
図1Bを参照して上述されたように、薄膜200はまた、薄膜200の外側周囲を形成するガスケット105を含む。
再び、第1及び第2の透明な伝導層106、112は、必要ではなく、かつ図2の中において示される薄膜200から省略されてもよい。
【0026】
図2の中において示される実施形態に従って、薄膜200は、第1若しくは第2の透明層102及び/又は110上に配置され、又はさもなければ第1若しくは第2の透明層102及び/又は110に接着される、1以上の補足的な層118を有し得る。
例えば、図2の中において示されるように、118a、118bとして示される補足的な層は、第2の透明層110上に位置決めされ得る。
しかしながら、補足的な層118は、当業者によって理解され得るように、特段の定めがなければ薄膜200上に位置決めされ得る。
補足的な層118は、UV防護層、IR反射層、1以上の偏光層、衝撃吸収層、及び/又は光反射層のうちの1つ又は組み合わせであり得る。
水分が液晶層108を貫通することを妨げるための高分子又は無機の薄い層などの、他の保護膜がまた、本発明の実施形態に従って使用され得る。
【0027】
1つの好適な実施形態において、偏光板は元来の性質として光を反射し得る。
反射性の偏光板は、複屈折ベースであり得、又は更にIR光を反射し得、かつUV光を少なくとも部分的に遮蔽し得る、金属のワイヤグリッドであり得る。
更に、偏光板は、元来の性質として吸収可能であり、その場合、偏光板の選択は、偏光膜によって望まれない偏光方向において光が吸収されることによって達成される。
【0028】
偏光層を含むか又は省略することによって、薄膜上の透明な伝導層の量を変化させ、かつ液晶層の厚さを変化させ、U‐値及びSHGCは変化される。
従って、本明細書の中において説明される薄膜の特性は、様々な天候に対して薄膜を受け入れ、かつ最適化するために変化され得る。
実施例は、以下に更に詳細に議論される。
【0029】
今や図3を参照すると、薄膜を通って内側空間に入る放射を最小化するための多重層窓薄膜300が示されている。
多重層薄膜は、図3の中において100a、100bとして示されるように、2つ以上の薄膜を含む。
薄膜100a、100bは、図1及び図2のうちの1つ又は両方を参照して上述され、類似する番号は類似する要素を言及している。
薄膜100a、100bは、接着層120を介して互いに接着されている。
多重層薄膜300は、実質的に柔軟で柔軟なエネルギー効率の良い薄膜100a、100bのうちの少なくとも2つの層を用いて構築される。
第1の実質的に柔軟で透明なエネルギー効率の良い薄膜100aは、外側向きであり得、かつ外側表面に取り付けられた(図示せぬ)偏光板及び/又はUV抵抗薄膜を有し得る。
UV薄膜の外側はまた、ガラス窓に取り付けられるための外側表面上の接着剤を有し得る。
偏光板の層は、偏光板及び光の偏光状態の選択に応じて、可視光のうちのいくらかを吸収又は反射するために使用され得る。
【0030】
再び図1から図3を参照すると、圧力に敏感な接着剤、熱に敏感な接着剤、又は湿度に敏感な接着剤などの、(図示せぬ)外側接着剤が、薄膜100、200、300のそれぞれに配置され得、又はさもなければ接着され得る。
外側接着剤は、薄膜100、200、300がガラス基板に接着される実施形態の中において使用され得る。
(図示せぬ)リリース層がまた、薄膜がエンドユーザによって窓に移送され得、かつ適用され得るように、外側接着剤の表面に適用され得る。
【0031】
今度は図4A及び図4Bを参照すると、本発明の実施形態のエネルギー効率の良い薄膜のうちの1以上を組み込んだエネルギー効率の良いガラスパネルが示され、類似する番号は類似する要素を言及している。
エネルギー効率の良いガラスパネル400aが、図4Aの中において示されている。
エネルギー効率の良いガラスパネル400aは、エネルギー効率の良い薄膜100(又は、本明細書の中において説明されるように、他の薄膜100、200)を含み、それは接着剤404を用いてガラスパネル402に接着される。
図4Bは、エネルギー効率の良いガラスパネル400bを示している。
エネルギー効率の良いガラスパネル400bは、エネルギー効率の良い薄膜100a(又は、本明細書の中において説明されるように、他の薄膜100、200)を含み、それは接着剤404を用いてガラスパネル402に接着される。
第2のエネルギー効率の良い薄膜100b(又は、本明細書の中において説明されるように、他の薄膜100、200)は、接着剤404を用いて第1のエネルギー効率の良い薄膜100aに取り付けられる。
エネルギー効率の良いガラスパネル400a、400bは、本明細書の中において説明されるように、(図示せぬ)1以上の補足的な層118を有し得る。
幾つかの実施例において、ガラス窓402は曲げられ得、かつエネルギー効率の良い薄膜100は、曲げられたガラス窓402に順応するために実質的に柔軟であり得る。
【0032】
今度は図5を参照すると、図4を参照して説明されたエネルギー効率の良いガラスパネル400を使用する窓500が示され、類似する番号は類似する要素を言及している。
窓500は、エネルギー効率の良いガラスパネル400を含み、ガラス窓402及び1以上のエネルギー効率の良い薄膜100a、100bを有する。
2つのエネルギー効率の良い薄膜100a、100bが図5において示されているが、窓500のエネルギー効率を増加させる付加的な層を伴って、より少ない又は付加的なエネルギー効率の良い薄膜、例えば、3、4、又はそれ以上の数の薄膜100、200が使用され得ることは、当業者によって理解され得る。
ガラス窓406は、エネルギー効率の良いガラスパネル400とガラス窓406との間の空間408を画定する。
窓ガラスの間隔部材410a、410bは、エネルギー効率の良いガラスパネル400とガラス窓406とを間隔が空けられた関係で維持するために、エネルギー効率の良いガラスパネル400とガラス窓406との間に配置される。
窓枠412は、窓500のための更なる断熱要素を提供し得る。
【0033】
今度は図6Aを参照すると、図4を参照して説明されたエネルギー効率の良いガラスパネル400を使用する窓600が示され、類似する番号は類似する要素を言及している。
窓600は、ガラス窓402、及び1以上のエネルギー効率の良い薄膜100aを含む。
1以上のエネルギー効率の良い薄膜100b、100cは、接着層404bによって互いに固定され、エネルギー効率の良いガラスパネル400と1以上のエネルギー効率の良い薄膜100b、100cとの間の第1の空間408を画定する。
第1の窓ガラスの間隔部材410a、410bは、エネルギー効率の良いガラスパネル400と、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100b、100cとを間隔が空けられた関係で維持するために、エネルギー効率の良いガラスパネル400と、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100b、100cとの間に配置される。
1つのエネルギー効率の良い薄膜100aが図6Aの中に示され、かつ2つのエネルギー効率の良い薄膜100b、100cが窓の内側空間の中に示されているが、窓600のエネルギー効率を増加する付加的な層を伴って、より少ない又は付加的なエネルギー効率の良い薄膜、例えば、2、3、4、又はそれ以上の数の薄膜100、200が使用され得ることは、当業者に理解され得る。
ガラス窓406は、1以上の薄膜100b、100cと、ガラス窓406との間の空間416を画定する。
第2の窓ガラスの間隔部材414a、414bが、1以上の薄膜100b、100cとガラス窓406とを間隔が空けられた関係で維持するために、1以上の薄膜100b、100cとガラス窓406との間に配置される。
窓枠412は、窓600のための更なる断熱要素を提供し得る。
【0034】
今度は図6Bを参照すると、図4を参照して説明されたエネルギー効率の良いガラスパネル400を使用する窓610が示され、類似する番号は類似する要素を言及している。
窓610は、ガラス窓402及び2つのエネルギー効率の良い薄膜100a、100bを含み、それらは接着層404aによって互いに固定される。
2つの付加的なエネルギー効率の良い薄膜100c、100dは、接着層404bによって互いに固定され、エネルギー効率の良いガラスパネル400とエネルギー効率の良い薄膜100c、100dとの間の第1の空間408を画定する。
第1の窓ガラスの間隔部材410a、410bは、エネルギー効率の良いガラスパネル400と、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100c、100dとを間隔が空けられた関係で維持するために、エネルギー効率の良いガラスパネル400と、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100c、100dとの間に配置される。
ガラス窓406は、エネルギー効率の良い薄膜100c、100dとガラス窓406との間の空間416を画定する。
第2の窓ガラスの間隔部材414a、414bが、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100c、100dと、ガラス窓406とを間隔が空けられた関係で維持するために、1以上の薄膜100c、100dとガラス窓406との間に配置される。
窓枠412は、窓610のための更なる断熱要素を提供し得る。
【0035】
今度は図7を参照すると、エネルギー効率の良い窓700は、第1のガラス窓402及び1以上のエネルギー効率の良い薄膜100を含み、それらは第1のガラス窓402と1以上のエネルギー効率の良い薄膜100との間の空間を画定し、ここで、各々の薄膜100は接着層404によって隣接する薄膜100に固定される。
例えば、図7は、4つのエネルギー効率の良い薄膜100a、100b、100c、及び100dを示しており、それらは3つの接着層404a、404b、及び404cによって互いに接着される。
しかしながら、窓700のエネルギー効率を増加させる付加的な薄膜を伴って、より少ない又は付加的なエネルギー効率の良い薄膜、例えば、1、2、3、4、又はそれ以上の数の薄膜100、200が使用され得ることは、当業者に理解され得る。
第1の窓ガラスの間隔部材410a、410bは、エネルギー効率の良いガラスパネル402と、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100を間隔が空けられた関係で維持するために、エネルギー効率の良いガラスパネル402と、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100との間に配置される。
外側のガラス窓406は、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100と、外側のガラス窓406との間の空間416を画定する。
第2の窓ガラスの間隔部材414a、414bが、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100とガラス窓406とを間隔が空けられた関係で維持するために、1以上のエネルギー効率の良い薄膜100とガラス窓406との間に配置される。
【0036】
本発明の別の実施形態に従って、エネルギー効率の良い薄膜を透明な表面に適用することによって、透明な表面のエネルギー効率を改良する方法が提供される。
エネルギー効率の良い薄膜の特性は、望ましいエネルギー効率及び太陽エネルギーの熱利得に従って選択され得る。
幾つかの実施例は、以下に更に詳細に議論される。
エネルギー効率の良い薄膜の液晶層は、透明な表面に対して断熱性を与える。
エネルギー効率の良い薄膜はまた、エネルギー効率の良い薄膜を透明な表面に適用する際の容易さのために、接着剤及びリリース層が提供される。
【0037】
本発明の別の実施形態に従って、多重層のエネルギー効率の良い薄膜を準備する方法が提供される。
方法は、図1Aに示されるエネルギー効率の良い薄膜100を準備することを参照して説明される。
方法は、第1の透明な基板104を提供することを含む。
第1の透明な基板104は、生産ラインからロールアウトされた薄膜ロールとして提供され得る。
その後、ガスケット105が、第1の透明な基板104の外側端部の部分上に配置される。
上述されたように、ガスケット105は、薄膜100の複数の層104、106、108、112、及び114に対して外側端部を提供するように成形される。従って、ガスケット105は、複数の層104、106、108、112、及び114を受け入れるように十分に高くなければならない。
上述されたように、ガスケット105は間隔部材107を含み得る。
【0038】
その後、第1の透明な伝導層106は、ガスケット105によって生成された境界の範囲内で第1の透明な基板上に配置され得る。
第1の透明な伝導層106は、スプレー、エッチング、又は当業者によって知られている他の堆積方法を利用して配置される。
その後、液晶層108は、ガスケット105によって生成された境界の範囲内で、第1の透明な伝導層106上に配置され得る。
液晶層108は、堆積領域に対して正確な量で、スプレーされ得、又はさもなければ配置され得る。
間隔部材107は、第1の透明な伝導層106上に直接に適用され得、又は液晶材料109と混合され得、その場合に、間隔部材107及び液晶材料109は、第1の透明な伝導層106に対して一緒に適用され得る。
【0039】
第2の透明な基板114がまた提供される。
第2の透明な基板114は、生産ラインからロールアウトされた薄膜ロールとして提供され得る。
その後、第2の透明な伝導層112は、第2の透明層110を成形するために、第2の透明な基板114のうちの1つの表面上に配置され得る。
その後、第2の透明層110は、第1の透明な基板104の液晶層108の上端上に位置決めされ得る。
一旦、層が、ガスケット105と第2の透明な基板114との間の直接的な接触を確実にするように位置合わせされると、ガスケット105の中の接着剤は、多重層のエネルギー効率の良い薄膜を生成するために硬化される。
例えば、ガスケット105はUV硬化接着剤を含み、接着剤はUV光を適用することによって硬化される。
別の実施形態において、少なくとも1つの第2の薄膜が、多重層のエネルギー効率の良い薄膜上に配置され得る。
例えば、第2の薄膜は、上述されたように、防護薄膜、IR反射薄膜、UV反射薄膜、及び/又は偏光薄膜などの、補足的な薄膜118であり得る。
上述されたように、第1及び第2の透明な伝導層106、112は必要ではなく、かつ図1Aにおいて示される薄膜100を生産するために使用される方法から省略され得る。
【0040】
本発明の別の実施形態に従って、多重層のエネルギー効率の良い薄膜を準備する別の方法が提供される。
方法は、図8に示されるエネルギー効率の良い薄膜800を準備することを参照して説明される。
方法は、第1の透明な基板104を提供することを含む。
第1の透明な基板104は、生産ラインからロールアウトされた薄膜ロールとして提供され得る。
その後、ガスケット105は、第1の透明な基板104の外側端部に隣接する第1の透明な基板104の上端面上に配置される。
この実施形態において、ガスケット105は、自立するために必要ではない。
上述されたように、ガスケット105は間隔部材107を含み得る。
【0041】
その後、第1の透明な伝導層106は、ガスケット105によって生成された境界の範囲内で第1の透明な基板104上に配置され得る。
第1の透明な伝導層106は、スプレー、エッチング、又は当業者によって知られている他の堆積方法を利用して配置される。
その後、液晶層108は、ガスケット105によって生成された境界の範囲内で、第1の透明な伝導層106上に配置され得る。
液晶層108は、堆積領域に対して正確な量で、スプレーされ得、又はさもなければ配置され得る。
間隔部材107は、第1の透明な伝導層106上に直接に適用され得、又は液晶材料109と混合され得、その場合に、間隔部材107及び液晶材料109は、第1の透明な伝導層106に対して一緒に適用され得る。
【0042】
第2の透明な基板114がまた提供される。
第2の透明な基板114は、生産ラインからロールアウトされた薄膜ロールとして提供され得る。
その後、第2の透明な伝導層112は、第2の透明層110を成形するために、第2の透明な基板114のうちの1つの表面上に配置され得る。
その後、第2の透明層110は、第2の透明な基板114がガスケット105の上端上に位置決めされる一方で、第1の透明な基板104の液晶層108の上端上に位置決めされ得る。
一旦、層が、ガスケット105と第2の透明な基板114との間の直接的な接触を確実にするように位置合わせされると、ガスケット105の中の接着剤は、多重層のエネルギー効率の良い薄膜を生成するために硬化される。
例えば、ガスケット105はUV硬化接着剤を含み、接着剤はUV光を適用することによって硬化される。
別の実施形態において、少なくとも1つの第2の薄膜が、多重層のエネルギー効率の良い薄膜上に配置され得る。
例えば、第2の薄膜は、上述されたように、防護薄膜、IR反射薄膜、UV反射薄膜、及び/又は偏光薄膜などの、補足的な薄膜118であり得る。
上述されたように、第1及び第2の透明な伝導層106、112は必要ではなく、かつ図8において示される薄膜100を生産するために使用される方法から省略され得る。
【0043】
本発明は、以下の実施例において含まれる特定の実施形態を参照して、より具体的に説明される。
本発明が以下の実施例によって限定されないことは理解されるべきである。
以下に更に詳細に議論されるように、エネルギー効率の良い窓の例が、全断熱ガラスユニットのU‐要素を決定するために、ASTM C 1363標準に従って準備され、かつ試験され、全断熱ガラスユニットは外周における窓ガラス間隔部材を含んだ。
試験の間、平均の冷たい側及び暖かい側の表面温度を決定するために、熱電対が内側及び外側の表面に配置された。
Lawrence Berkeley National Laboratory’s Window6 プログラムが、その後、外周の間隔部材のネガティブな効果を排除して、試験された例の性能を評価するために、類似の暖かい側の表面温度を伴ってガラスユニットを断熱することを探究するために使用された。
試験の結果は表1に示されている。
各々の窓に対して、U‐要素が測定され、かつR‐値がU‐要素の逆数として計算された。
更に、各々の実施例において使用された材料のパラメータを入力することによって、Windows6プログラムを介して、ガラス中央のU‐要素及びガラス中央のR‐値が計算された。
ガラス中央のU‐要素及びガラス中央のR‐値は、本明細書の中において説明されるように、薄膜の性能の最も優れた評価であり、かつ仕様及び構築材料における差異がユニットとしての窓に対する計算に考慮された、多くの種々の仕様に対して構築された窓の性能を評価するために使用され得、かつガラス中央の評価は薄膜に対する性能特性として使用される。
【0044】
以下の実施例において、窓は、枠の中へ挿入される統合/断熱ガラスユニット(IGU)として定義される。
また、以下の実施例において、IGUの範囲内のエネルギー効率の良い薄膜は、第1及び第2の透明な伝導層106、112を含まず、かつ低放射率の被覆は透明なガラス窓406の内側表面に対して適用された。
【0045】
(実施例1)
エネルギー効率の良いIGUは、図5において示された実施形態に従って生成され、接着剤404を用いて互いに接着されたエネルギー効率の良い薄膜100a、100bの2つの層を有している。
エネルギー効率の良い薄膜100a、100bの2つの層は、透明な基板としてPET、及び液晶としてE7を使用して各々準備された。
結果として多重層の薄膜は、エネルギー効率の良いガラスパネル400を生成するために、透明なガラスの窓ガラス402に接着された。
IGUは、エネルギー効率の良いガラスパネル400と、第2の透明なガラスパネル406との間に窓ガラスの間隔部材410a、410bを位置決めすることによって生成された。
このIGUに対するR‐値、U‐要素、及びガラス中央の値が表1において示されている。
【0046】
(実施例2)
エネルギー効率の良いIGUは、図7において示された実施形態に従って生成され、接着剤404a、404b、404cを用いて互いに接着されたエネルギー効率の良い薄膜100a、100b、100c、100dの4つの層を有している。
エネルギー効率の良い薄膜100a、100b、100c、100dの4つの層は、透明な基板としてPET、及び液晶としてE7を使用して各々準備された。
IGUは、図7において示されるように、窓ガラスの間隔部材410a、410b、414a、414bのペア、及び透明なガラス窓402、406のペアの間に、多重層の薄膜を位置決めすることによって生成された。
このIGUに対するR‐値、U‐要素、及びガラス中央の値が表1において示されている。
【0047】
(実施例3)
エネルギー効率の良いIGUは、図6Bにおいて示される実施形態に従って生成された。
エネルギー効率の良いガラスのパネル400は、接着剤404aを用いて互いに接着されたエネルギー効率の良い薄膜100a、100bの2つの層を利用して生成され、それらは、その後、透明なガラスの第1のパネル402に接着された。
エネルギー効率の良い薄膜100a、100bの2つの層は、透明な基板としてPET、及び液晶としてE7を使用して各々準備された。
その後、別の2重層の薄膜が、エネルギー効率の良い薄膜100c、100dの2つの層を、接着剤404bを用いて互いに接着することによって生成された。
その後、2重層の薄膜は、エネルギー効率の良いガラスパネル400と、2重層の薄膜100a、100bとの間に、窓ガラスの間隔部材410a、410bを位置決めすることによって位置決めされた。
IGUは、図6Bにおいて示されるように、第2の透明なガラス窓406と2重層の薄膜100c、100dとの間に窓ガラスの間隔部材414a、414bを位置決めすることによって生成された。
このIGUに対するR‐値、U‐要素、及びガラス中央の値が表1において示されている。
【0048】
【0049】
表1において示されるように、本発明の例示的な実施形態によるエネルギー効率の良いIGUは、従来の低放射率及び2重窓ガラスのエネルギー効率の良い窓に対して、それに勝るエネルギー効率の良い評価をもたらした。
例えば、Energy Star(登録商標)プログラムの要求において示されるように、住居の窓に対するU‐要素は、典型的には、0.30未満であることが必要とされる。
住居の窓、ドア、天窓に対するEnergy Starの要求は、すなわち:
第5版(2009年4月7日)に示されている。
【0050】
これまでの開示は、本発明の例示としてのみ説明されたものであり、限定的であることを企図していない。
本発明の精神及び実質を組み込んだ開示された実施形態の変形が当業者にとって自明のものであり得るから、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内の全てのものを含むと解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6A
図6B
図7
図8
【国際調査報告】