特表2016-507685(P2016-507685A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-507685(P2016-507685A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(54)【発明の名称】液体添加剤の供給装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20160212BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20160212BHJP
   B60K 13/06 20060101ALN20160212BHJP
【FI】
   F01N3/08 BZAB
   B01D53/94 222
   B60K13/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-545718(P2015-545718)
(86)(22)【出願日】2013年11月8日
(85)【翻訳文提出日】2015年8月4日
(86)【国際出願番号】EP2013073450
(87)【国際公開番号】WO2014086553
(87)【国際公開日】20140612
(31)【優先権主張番号】102012111919.8
(32)【優先日】2012年12月7日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
(74)【代理人】
【識別番号】100129399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】ブリュック ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】ホジソン ヤン
【テーマコード(参考)】
3D038
3G091
4D048
【Fターム(参考)】
3D038BA09
3D038BB01
3D038BC15
3D038BC22
3G091AA02
3G091AA18
3G091AB05
3G091AB15
3G091BA07
3G091BA14
3G091CA05
3G091CA17
4D048AA06
4D048AB02
4D048AC03
4D048CC61
4D048DA20
(57)【要約】
本発明は、供給路(2)を含む液体添加剤(26)を供給する装置(1)の作動のための方法に関し、供給路(2)に沿って液体添加剤(26)が供給され、供給路(2)は、少なくとも1つの第1部分(3)を有し、第1部分(3)は、装置(1)の加熱器(23)から液体添加剤(26)用のタンク(19)の中への熱伝導部(25)を形成し、供給路(2)は、さらに少なくとも1つの第2部分(27)を有し、第2部分(27)には、凍結の影響を受けやすいコンポーネント(28)が配置される。方法では、まず液体添加剤(26)が装置(1)の供給路(2)に沿って供給される。続いて液体添加剤(26)の供給が止められる。それから供給路(2)を部分的に空にし、供給路(2)の少なくとも1つの第1部分(3)に液体添加剤(26)が残る一方で、少なくとも1つの第2部分(27)は空である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給路(2)を含む液体添加剤(26)を供給する装置(1)の作動のための方法であって、供給路(2)に沿って液体添加剤(26)が供給され、供給路(2)は、少なくとも1つの第1部分(3)を有し、第1部分(3)は、装置(1)の加熱器(23)から液体添加剤(26)用のタンク(19)の中への熱伝導部(25)を形成し、供給路(2)は、さらに少なくとも1つの第2部分(27)を有し、第2部分(27)には、凍結の影響を受けやすいコンポーネント(28)が配置され、方法は、少なくとも以下のステップ:
a)装置(1)の供給路(2)に沿って液体添加剤(26)を供給するステップ、
b)液体添加剤(26)の供給を止めるステップ、
c)供給路(2)を部分的に空にするステップであって、供給路(2)の少なくとも1つの第1部分(3)に液体添加剤(26)が残る一方で、少なくとも1つの第2部分(27)が空になる、ステップ、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、ステップa)における供給路(2)に沿った液体添加剤(26)の供給が、供給方向(5)で行われ、ステップc)における空にすることが、少なくとも主に供給方向(5)に反して行われる、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、ステップc)によって供給路を空にするために、液体添加剤(26)の供給のためのポンプ(6)の送出方向が逆になる、方法。
【請求項4】
請求項1〜3の1つに記載の方法であって、第1部分(3)は、加熱器(23)の回りに包囲領域(24)を形成する、方法。
【請求項5】
請求項1〜4の1つに記載の方法であって、第1部分(3)に液体添加剤(26)の濾過のためのフィルター(4)が配置される、方法。
【請求項6】
請求項1〜5の1つに記載の方法であって、ステップc)で供給路(2)を部分的に空にするために、所定の時間間隔でポンプ(6)が作動し、時間間隔は、少なくとも1つの第1部分(3)に液体添加剤が残るように選ばれる、方法。
【請求項7】
請求項1〜6の1つに記載の方法であって、ステップc)で供給路を部分的に空にすることが、少なくとも1つのセンサー素子(7)でモニターされ、センサー素子(7)は、供給路(2)のポイント(8)に配置され、ポイント(8)に液体添加剤があるかどうかを識別するように設定され、さらに、空にすることは、ポイント(8)に液体添加剤がもはやなくなるとすぐに停止される、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、センサー素子(7)は、圧力センサー(9)であり、圧力センサー(9)によって測定された圧力は、供給路(2)の充填の程度に応じて変わる、方法。
【請求項9】
請求項1〜8の1つに記載の方法であって、ステップc)で供給路(2)を部分的に空にするためにポンプ(6)が用いられ、作動パラメーターは、液体添加剤での供給路(2)の充填の程度に応じて変わり、空にするためのポンプ(6)の作動は、作動パラメーターの所定値に達したときに、止められる、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、ポンプ(6)は、空にする間に少なくとも1つの予め定められた時点で診断モードにされ、供給路(2)の充填の程度に依存する作動パラメーターは、診断モードの間に決定される、方法。
【請求項11】
請求項1〜10の1つに記載の方法であって、ステップc)で供給路(2)を部分的に空にするために、供給路(2)がまず完全に空にされて、続いて、少なくとも1つの第1部分(3)に液体添加剤があるように、供給路(2)が部分的に再び液体添加剤で満たされる、方法。
【請求項12】
請求項1〜11の1つに記載の方法であって、供給路(2)が少なくとも1つのサイフォン(29)を有し、少なくとも1つの第1部分(3)がサイフォン(29)に形成される、方法。
【請求項13】
供給路(2)を含む液体添加剤(26)を供給する装置(1)であって、供給路(2)に沿って液体添加剤(26)が供給され、供給路(2)は、少なくとも1つの第1部分(3)を有し、第1部分(3)は、装置(1)の加熱器(23)から液体添加剤(26)用のタンク(19)の中への熱伝導部(25)を形成し、供給路(2)は、さらに少なくとも1つの第2部分(27)を有し、第2部分(27)には、凍結の影響を受けやすいコンポーネント(28)が配置され、装置は、請求項1〜12の1つに記載の方法を行うように構成される、装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体添加剤を供給する装置の作動方法に関する。液体添加剤を供給する装置は、例えば自動車の場合、例えば燃料および/または尿素水溶液のような液体添加剤を排ガス処理装置に供給するために、使用される。
【背景技術】
【0002】
液体添加剤が供給される排ガス処理装置は、特にディーゼル機関を搭載した自動車の場合に使用される。ディーゼル機関の場合、排ガスの浄化のために、典型的に排ガス処理装置または排ガス処理方法が使用され、排ガス処理装置または排ガス処理方法では、排ガス中の窒素酸化化合物が、液体添加剤を用いることによって還元される。そのような排ガス処理方法は、例えば選択触媒還元(SCR)の方法である。この方法のために、還元剤または還元剤前駆体が、液体添加剤として利用される。液体添加剤として特に頻繁に使用されるのは、尿素水溶液であり、例えば選択触媒還元の方法のための尿素水溶液は、32.5%の尿素含有量で、AdBlue(登録商標)の商品名で入手できる。
【0003】
液体添加剤を供給する装置の構造設計では、液体(水が主成分)の添加剤が低い温度で凍結し得ることは、重要な要素である。記載されている尿素水溶液AdBlue(登録商標)は、例えば−11℃で凍結する。そのような低い温度は、自動車において、特に長い静止期間の間に現れることがある。液体添加剤の凍結により、液体添加剤の体積増加が生じる。この体積増加は、システムにおける著しい圧力増加を引き起こすことがあり、それ故、装置のコンポーネントが損傷または破壊さえされる危険がある。
【0004】
液体添加剤の凍結の際の体積膨張の問題性を回避するために、内燃機関の作動停止の後に装置を空にすることが、知られている。空にすると、装置に液体添加剤がなく、凍結した液体添加剤による損傷は起こり得ない。しかしながら、これは、新たな正確な配量が行われ得る前に、システムが、まず再び完全に「充填」される必要があるということに、結果としてなる。
【0005】
凍結した液体添加剤が装置にあるときに、液体添加剤を供給する装置を再び迅速に作動可能状態にするために、そのような装置は、少なくとも1つの加熱器を通常有する。しかしながら、熱分布が問題となることがあり、熱分布は、加熱器の作動の際に、液体添加剤を供給する装置の内部で生じる。加熱器の熱は、凍結した液体添加剤の効果的な融解を可能にするために、狙いを定めた方法で凍結した液体添加剤に届くべきである。同時に、局所的な望ましくない高い温度を回避するべきである。これらは、液体添加剤の化学的変換を引き起こすことがあり、装置のコンポーネントは、高すぎる温度によって損傷することさえあるからである。それ故、加熱器によって発生する熱が良好に分配されることが、重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに基づいて、本発明の課題は、従来技術と関連して記載された技術的問題を、解決または少なくとも軽減することである。特に、液体添加剤の供給装置の作動のための特に有利な方法が記述されるようにしている。この場合、特に、凍結損傷からの技術的に簡単な保護と、自動車の排ガスシステムへの、尿素水溶液のような添加剤の供給のためのシステムの迅速な提供力と、が焦点になっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの課題は、請求項1の特徴による方法によって解決される。本方法のさらに有利な実施形態は、従属形式請求項に示される。請求項に個々に挙げられた特徴は、任意の技術的に有意な方法で、互いに組み合わせ可能であり、本発明のさらなる実施形態の変形が示される、明細書の説明事項によって補足されることもある。
【0008】
本発明は、液体添加剤を供給する装置の作動のための方法に関し、装置は供給路を含み、供給路に沿って液体添加剤が供給され、供給路は、少なくとも1つの第1部分を有し、第1部分は、装置の加熱器から液体添加剤用のタンクの中への熱伝導部を形成し、供給路は、さらに少なくとも1つの第2部分を有し、第2部分には、凍結の影響を受けやすいコンポーネントが配置され、方法は、少なくとも以下のステップを備える:a)装置の供給路に沿って液体添加剤を供給するステップ、b)液体添加剤の供給を止めるステップ、c)供給路を部分的に空にするステップであって、供給路の少なくとも1つの第1部分に液体添加剤が留まる、ステップ。
【0009】
液体添加剤は、望ましくは、尿素水溶液である。供給路は、特に、タンク内の吸い込み箇所から、排ガス処理装置の液体添加剤用の添加箇所に延びる、流路を意味している。供給路は、少なくとも主にラインおよび/または管によって形成され、それを通って液体添加剤が供給される。
【0010】
タンクには、液体添加剤が貯蔵される。タンク内に貯蔵された液体添加剤が、できる限り完全にタンクから取り出され得るように、吸い込み箇所は、望ましくは、タンク底の近くに形成される。排ガス処理装置の添加箇所は、望ましくは、少なくとも1つのインジェクターおよび/またはノズルおよび/または(受動)バルブを有する。ノズルで、排ガス処理装置の液体添加剤が、望ましくは、(場合によっては圧縮空気により)細かい霧状で供給され得る。インジェクターにより、液体添加剤の配量が可能になる。配量は、例えば、インジェクターの開口時間を定めることで、狙いを定めた方法で行われる。
【0011】
供給路にまたは供給路の中に、望ましくは、供給手段が配置され、供給手段を用いて、液体添加剤の供給が行われる。供給手段は、望ましくは、少なくとも1つのポンプである。供給手段として、例えば、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、または容積型ポンプが、使用され得る。供給手段は、液体添加剤を、吸い込み箇所から供給路に沿って相応しい供給方向で添加箇所に供給するように、調整される。
【0012】
第1部分および第2部分は、液体添加剤の供給方向に、タンクから添加箇所までの供給路に(場合によっては直接)続けて配置される、供給路の領域である。供給路は、複数の第1部分および/または複数の第2部分を有し得る。吸い込み箇所のすぐ後ろに、望ましくは、少なくとも1つの第1部分が配置される。供給方向にそれに(場合によっては直接)続いて、望ましくは、少なくとも1つの第2部分がある。
【0013】
装置は、ハウジングを有する構造ユニットを含んでよく、構造ユニットは、液体添加剤用のタンクに嵌め込まれることができ、構造ユニットの中に、液体添加剤の供給および/または配量に必要な全てのコンポーネントが配置される。装置のハウジングは、望ましくは、タンクの壁の部分を形成する。ハウジングは、望ましくは、タンクの底の開口に嵌め込まれ、従ってタンクの底の開口を閉じる。タンクから液体添加剤を取り出すための吸い込み箇所は、望ましくは、ハウジングに形成される。吸い込み箇所は、従ってタンク底の近くにある。ハウジングには、望ましくは、すでに言及した加熱器も配置される。この加熱器は、電気加熱器、または熱媒体の供給のためのラインループであってよく、熱媒体は、ラインループを通過する際に熱を放出する。熱媒体は、例えば、内燃機関の(すでに熱くなった)冷却水であってよい。
【0014】
第1部分の熱伝導部は、タンク内の液体添加剤が加熱されるように、それを通じて熱が加熱器からタンクに伝導するように作られた、領域を意味する。熱伝導部は、従って、加熱器からタンクの内部空間への供給路の構造上の領域である。熱伝導部が存在するために、個別のまたは追加の熱伝導手段が存在している必要はなく、個別のまたは追加の熱伝導手段は、所望の熱流の方向に位置を調整されるものである。熱伝導部の特徴を実現するために、供給路は、熱伝導部の領域で、また所望の熱流と同じ方向に延びなくてもよい。望ましくは、例えば、熱伝導部の領域で、供給路が、典型的に熱伝導部の方向に対して垂直に延びる、または加熱されるべきタンクのセクターに少なくとも部分的に平行に延びる。熱伝導部は、望ましくは、また装置のハウジングを通って、または少なくとも部分的にそれに平行に、延びる。望ましくは、熱伝導部の領域で、供給路が、大きな(二次元の)広がりを有し、供給路に平行な表面を形成する。
【0015】
第2部分の凍結の影響を受けやすいコンポーネントは、特に、ポンプ、センサーおよび/またはバルブのような、例えば、電子および/または可動部品である。凍結の影響を受けやすいコンポーネントは、‐近隣にある‐液体添加剤の凍結の際の体積膨張によって損傷され得るという特徴を有する。
【0016】
ステップa)における供給路に沿った液体添加剤の供給は、液体添加剤を供給する装置の通常の作動に対応する。ステップa)で、液体添加剤は、例えば、排ガス処理装置に供給される。ステップa)の間、記載されている装置が設置された自動車は、普通は通常の作動をする。これは、自動車の内燃機関が動き、排ガス処理装置で内燃機関の排ガスが浄化されることを、意味する。この目的のために、需要に即して、および装置を使用して、添加剤が排ガスに加えられる。
【0017】
ステップb)における供給の停止は、普通は供給の作動停止を伴う。そのような作動停止は、特に、自動車の作動停止と同時またはほぼ同時に行われ、その際、自動車の内燃機関および排ガス処理装置も、オフにされるまたは停止される。それに続いて、自動車の静止段階が現れる。
【0018】
ステップc)で、供給路は部分的に(だけ)空にされ、少なくとも1つの第2部分が空にされ、少なくとも1つの第1部分に液体添加剤が残っている。言い換えれば、完全に空にされるのではなく、狙いを定めて全ての第2部分の液体添加剤が取り除かれる、ということである。
【0019】
記載されている方法は、液体添加剤を供給する装置を空にすることが、加熱器によって装置に生じる熱の分布に、好ましくなく作用し得るという認識に基づく。これは、液体添加剤の熱伝導度が、供給路の空になった部分に普通は存在する空気または気体よりも、本質的に高いということが原因である。それ故、供給路の空になった部分は、加熱器の熱の分布を妨げる絶縁体のように作用することがある。これは、特に、供給路が、一定の部分に(例えば蛇行加熱ループの配列のような)大きな平面的な領域を有する場合、事実である。供給路は、そのような平面的な部分を、特に吸い込み箇所の領域に有することがある。これらの平面的な領域は、さらに、加熱器から液体添加剤用のタンクに延びる熱伝導部を形成する。(部分的に)空にした後に、そのような平面的な領域に液体添加剤がまだ残っている場合、加熱器によって生じた熱の特に効果的な分布または伝達が、可能になる。同時に、けれども圧力の影響を受けやすいコンポーネントが保護され得る。添加剤が、それらの(直接の)近辺から取り除かれたからである。
【0020】
ステップa)における供給路に沿った液体添加剤の供給が、供給方向で行われ、ステップc)における空にすることが、少なくとも主に供給方向に反して行われる場合、本方法は特に有利である。
【0021】
これに関して、望ましくは、ステップc)によって供給路を空にするために、液体添加剤の供給のためのポンプの送出方向が逆になる。
【0022】
送出方向に反して空にすることを行うために、送出方向にも逆の方向にも供給できる、供給手段(特にポンプ)が設けられる。液体添加剤は、それから典型的にタンクの吸い込み箇所を通ってタンクの中に戻される。向かい側で、つまり添加箇所で、それから気体または空気が吸い込まれる。ここから、供給路は、液体添加剤の埋め合わせをする空気または気体で、その後満たされる。ポンプの反転により、従って、添加剤が、送出方向に反して向けられるリターン送出方向で、ポンプで送られる。リターン送出される液体添加剤の各部分が、専ら吸い込み箇所の方へ送出されることが可能である。ただし、供給路で、例えば少なくとも1つの(分岐する)貯蔵ボリュームが設けられることも、想定でき、貯蔵ボリュームには、リターン送出される液体添加剤の(少ない)部分が、ステップc)の間流れ込む。最後に挙げた場合に、リターン送出される液体添加剤の「主な部分」が、送出方向に反して供給路から取り出されることが、それでもなお当てはまるべきである。
【0023】
ポンプの送出方向のこの種の反転は、装置で反転可能な送出方向を実現するために、技術的に特に簡単な変形である。反転可能な送出方向を有するポンプは、例えば蠕動ポンプである。蠕動ポンプの場合、供給路の部分は、液体添加剤を送出方向に動かすために、蠕動運動の方法で変形する。そのようなポンプは、望ましくは、回転駆動部を有し、回転駆動部は、ポンプ素子を通じて蠕動運動を引き起こす。動くポンプ素子は、例えば偏心器であってよい。そのようなポンプは、望ましくは、駆動部の駆動方向の反転により、送出方向の反転が可能であるように、作られる。
【0024】
さらなる設計変形では、液体添加剤を供給する装置が、2つの(場合によっては異なる)供給手段を有することも可能であり、第1の供給手段は、通常の作動(ステップa))中に液体添加剤を供給するように設定され、さらなる供給手段は、供給路を送出方向に反して空にするように設定される。2つの供給手段は、供給路に沿って一列にまたは互いに平行に供給路の平行な領域に配置され得る。
【0025】
次の本方法のさらなる設計変形は、液体添加剤の供給装置がリターンラインを有することも可能であり、リターンラインは、供給路から分岐し、タンクの中に戻る。供給路を空にすることは、リターンラインを通じてでもよい。
【0026】
第1部分が、加熱器の回りに包囲領域を形成する場合、本方法はさらに有利である。
【0027】
包囲領域は、望ましくは、(少なくとも部分的に)装置のハウジングの被覆および/またはカバーを形成する。包囲領域または第1部分は、望ましくは、装置のハウジングの回りに形成される、中空円筒のように形作られた領域である。そのような領域は、例えば、ハウジングと覆いとの間に配置されてよく、覆いは、タンクの内部空間に対してハウジングを覆う。包囲領域の下側で、環状の接続間隙は、タンクの方への吸い込み箇所になっている。そのような包囲領域は、有利に、タンク内の添加剤‐スタートボリュームを形成または画定し、添加剤‐スタートボリュームでは、装置の作動開始のすぐ後に、始動していくのに十分な液体添加剤の量がすでに融解している。そのような包囲領域の領域で、加熱器は、液体添加剤を特に効果的に加熱し得る。これは、包囲領域が液体添加剤を含まない場合、可能ではないだろう。それ故、特に、装置のそのような形態の場合、記載されている方法は有利である。
【0028】
第1部分に液体添加剤の濾過のためのフィルターが配置される場合、本方法はさらに有利である。フィルターは、特に望ましくは、第1部分が包囲領域である場合、第1部分に配置される。そのような包囲領域は、液体添加剤の浄化のためのフィルター用の十分な空間を提供する。液体添加剤の浄化用のフィルターは、液体添加剤の汚染が供給路に入り込み、装置のコンポーネントを汚し得るのを回避するために、意味がある。
【0029】
ステップc)で供給路を部分的に空にするために、所定の時間間隔でポンプが作動する場合、本方法は望ましく、時間間隔は、少なくとも1つの第1部分に液体添加剤が残るように選ばれる。
【0030】
供給路を空にすることは、装置の構造に依存するが決定しやすい期間を、必要とする。この期間は、特に、供給路の長さと、供給路内の液体添加剤の(逆の)供給速度と、に依存している。供給路を完全に空にするために必要な期間よりも短い時間間隔で、供給路を空にするためにポンプを作動させることにより、供給路に部分的に液体添加剤が残ることが、保証され得る。(単一のポンプを用いて)供給路を空にするための方法の場合、液体添加剤は、空にされる際に、時間間隔の後、第1部分に液体添加剤がまだある一方、第2部分がすでに完全に空にされているように、まず第2部分から取り除かれることが、保証されるべきである。それ故、少なくとも1つの第1部分が、吸い込み箇所から添加箇所への供給方向で、少なくとも1つの第2部分の上流に位置していれば、その場合は、本方法の設計変形は特に有利である。
【0031】
ステップc)で供給路を部分的に空にすることが、少なくとも1つのセンサー素子でモニターされる場合、本方法はさらに有利であり、センサー素子は、供給路のポイントに配置され、ポイントに液体添加剤があるかどうかを識別するように設定され、さらに、空にすることは、ポイントに液体添加剤がもはやなくなるとすぐに停止される。
【0032】
センサー素子は、例えば、2つの電気ピンで構成されてよく、液体添加剤がピンに接している間は、2つの電気ピンの間に電気伝導性接続がある。液体添加剤がもはやピンに接していない場合、電気接続は切断され、ポイントに液体添加剤がもはやないことが識別される。液体添加剤があるかないかを識別するためのそのようなセンサー素子は、特に、空にする際の液体添加剤についての供給速度に関する不確かさのために、純粋な時間制御が、ステップc)のモニターに十分でなければ、その場合は特に有利である。センサー素子が、別のモニター機能を同じく行うために原則的に設けられ得るとしても、上に述べた目的のためだけに設けられる(技術的に簡単に構成された)別のセンサー素子が、代替的に用いられてもよい。
【0033】
センサー素子が圧力センサーであり、圧力センサーによって測定した圧力が、供給路の充填の程度に応じて変わる場合も、有利である。
【0034】
この変形の場合、少なくとも1つの第1部分にまだ液体添加剤がある場合に少なくとも1つの第2部分が空にされるとすぐ、空にすることを止めるために、圧力を通じてどの程度供給路がステップc)中にすでに空になったかを識別することも、可能である。
【0035】
圧力センサーの圧力と、供給路の充填の程度と、の間の依存関係は、例えば、供給路内の液体添加剤の静水圧によって存在し得る。従って、静水圧は、供給路内に液体添加剤が多く存在するに従って、大きくなる。圧力センサーは、液体添加剤を供給する間(ステップa))の装置の通常の作動をモニターおよび/または制御するために、液体添加剤を供給する装置に通常は設けられる。どの程度供給路が空になったかをモニターするために、この圧力センサーがステップc)で追加的に使用される場合、特に有利である。その場合は、ステップc)のモニターに追加のコンポーネントは必要ない。
【0036】
ステップc)で供給路を部分的に空にするためにポンプが用いられる場合、本方法はさらに有利であり、ポンプの作動パラメーターは、液体添加剤での供給路の充填の程度に応じて変わり、空にするためのポンプの作動は、作動パラメーターの所定値に達したときに、止められる。
【0037】
そのような作動パラメーターは、例えば、適用される使用電流に対するポンプの応答であってよい。例えば、動くポンプ素子は、供給路内の液体添加剤の量がより少ない場合、適用される使用電流に対してより早く反応する。ポンプによって動く液体添加剤の量が、この場合すでに減少しているので、そうなり得る。ポンプの作動パラメーターに基づく供給路の充填の程度のモニターにより、ステップc)での空にすることをモニターするための追加のコンポーネントを、なくすことができる。
【0038】
ポンプが、空にする間に少なくとも1つの予め定められた時点で診断モードにされる場合、本方法は有利であり、供給路の充填の程度に依存するポンプの作動パラメーターは、診断モードの間に決定される。
【0039】
診断モードは、供給路の充填の程度をモニターするために単に起動されるにすぎない、装置の特別な作動モードを意味する。診断モードは、例えば、特別なポンプパルスを備えてよく、特別なポンプパルスは、ポンプの所定のまたは定義された診断駆動電流で生じる。従って、作動パラメーターのより良い比較可能性が保証されることができ、供給路の充填の程度の決定が特に正確になっている。
【0040】
圧力センサーで測定され、ポンプがポンプパルスを及ぼす場合に起こる、圧力および/または圧力変化に基づいて、供給路の充填の程度が決定されることも可能である。このポンプパルスは、(空にする際のポンプの通常の作動中のような)通常のパルスおよび/または(充填の程度をモニターするための特別な診断モードに対応する)特別なポンプパルスであってよい。
【0041】
ステップc)で供給路を部分的に空にするために、供給路がまず完全に空にされて、続いて、少なくとも1つの第1部分に液体添加剤があるように、供給路が部分的に再び液体添加剤で満たされる場合、本方法はさらに有利である。
【0042】
この作動の仕方の場合、望ましくは、供給路が部分的にだけ空にされたかそうでないかが、最初にモニターされない。供給路が完全に空にされることが、従って常に保証される。これは、例えば、あらゆる場合に供給路を完全に空にすることを保証するために、十分に長い時間間隔で、供給路を空にするためのポンプが作動することによって、起こる。続いて(つまり特にすぐ続いておよび/または「作動停止」の終了なしに)、供給路が、部分的に(だけ)再び充填される。この場合、供給路は、再び完全に充填されない。そのような部分的に充填することは、空にすることをモニターするのにも適した、上に詳しく記載された方法の全てを用いて、モニターされ得る。
【0043】
まず完全に空にして、それから部分的にだけ再び充填する、この種の二段階の方法を行うことは、有利であり得る。空にされる際に供給路から取り除かれる量は、再び充填される際に供給路の中へ供給される量よりも、典型的に多いからである。それ故、第1部分に液体添加剤が残っている一方で、第2部分が完全に空にされるように、再び充填するのを正確に行うことが、著しく簡単である。
【0044】
記載されている方法のさらなる実施形態によると、望ましくは、ステップc)で供給路を完全に空にした後に部分的に充填することは、リターンラインを通じて行われる。このように方法を行うことにより、供給路の第1部分が液体添加剤で再び充填されることも、可能になり、第1部分は、空のままであるべきの第2部分の流れ方向下流に位置する。供給路がステップc)でまず完全に空にされる場合、供給路は、続いて、交互におよび狙いを定めた方法で、添加箇所を通じて気体または空気で、リターンラインを通じて液体添加剤で、充填され得る。この交互に充填することは、ステップc)の後、第1部分には、リターンラインを通じて供給路に入った液体添加剤がある一方で、第2部分には、添加箇所を通じて供給路に入った気体または空気があるように、行われる。記載されている狙いを定めた供給路の充填の間に、供給ポンプは、その送出方向を反転してもよい。従って、液体添加剤の意図した量が、リターンラインと添加箇所の間の供給路の部分に、供給されることもできる。
【0045】
その他に、供給路が少なくとも1つのサイフォンを有し、少なくとも1つの第1部分がサイフォンに形成される場合、本方法は有利である。
【0046】
この種のサイフォンは、特に、供給路のU形の設計によって特徴付けられる。これは、供給路の下部の領域を作り出し、供給路の下部の領域は、供給路の2つの高くなった領域にそれぞれ隣り合う。高くなった領域は、下部の領域よりも、それらの測地位置に関して高く配置される。そのようなサイフォンでは、供給路が部分的に空になった場合、重力の結果として、液体添加剤の残余の量が、典型的に集まる。望ましくは、第1部分が、そのようなサイフォンに配置される。サイフォンを構造設計に含めることにより、外的影響がある場合でも、供給路にある液体添加剤の量が第1部分に残ることが、保証され得る。そのような外的影響は、例えば、装置が、部分的に空にされた状態で、動かされる、傾けられるおよび/または位置を変えられる、また振動が装置に作用する場合、であり得る。
【0047】
サイフォンは、それ故、自動車の長い静止期間の間も、空にされた第2部分と充填された第1部分を含む望ましい形で、供給路を部分的に空にすることを維持する、特に信頼できる可能性である。少なくとも1つのサイフォンを供給路に組み込むことは、充填された第1部分および空にされた第2部分での供給路内の液体添加剤の分布を生じさせるための、記載されている措置の全てと、明確に組み合わされてよい。前記の維持のために記載されているサイフォンだけが設けられ、ステップc)で分布を生じさせるための意図的な(追加のまたはアクティブな)方法ステップが実行されないことも、可能である。
【0048】
本発明は、特に、供給路を含む液体添加剤を供給する装置で用いられ、供給路には、液体添加剤が供給され、供給路は、少なくとも1つの第1部分を有し、第1部分は、装置の加熱器から液体添加剤用のタンクの中への熱伝導部を形成し、供給路は、さらに少なくとも1つの第2部分を有し、第2部分には、凍結の影響を受けやすいコンポーネントが配置され、装置は、本発明による方法の少なくとも1つのここに記載されている変形を実行するように設定される。
【0049】
それに加えて、内燃機関と、内燃機関の排ガスの浄化用の排ガス処理装置と、を有する自動車を、示すことを意図している。排ガス処理装置には、望ましくは、SCR触媒コンバーターが設けられ、SCR触媒コンバーターを用いて、排ガスの浄化のために選択触媒還元の方法を実行可能である。SCR法の実行のための液体添加剤が、排ガス処理装置に添加箇所を通じて供給可能である。従って、記載されている装置の添加箇所のインジェクターは、タンクから液体添加剤を供給される。記載されている方法の実行のために、制御機器が使用されてよく、制御機器には、方法の実行に必要な方法ステップまたは方法手順が格納される。制御機器は、例えば、自動車のエンジン制御の構成部品であってよい。
【0050】
本発明および技術周辺は、以下で図に基づいてより詳細に説明される。図は特に望ましい模範的な実施形態を示すが、本発明はそれらに限定されない。特に、図および特に示された大きさの割合は図式的にすぎないことが、指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】説明されている方法のための装置の第1設計変形を示す。
図2図1の装置の断面図を示す。
図3】説明されている方法のための装置の第2設計変形を示す。
図4】説明されている方法のための装置の第3設計変形を示す。
図5】説明されている方法のフロー図を示す。
図6】説明されている方法を実行するための装置のさらなる設計変形を示す。
図7】説明されている方法のための装置を有する自動車を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1、3および4では、装置1がそれぞれ示され、装置1を用いて液体添加剤26(ここでは特に尿素水溶液)をタンク19から取り出すことができる。装置1はハウジング21を有し、ハウジング21は、タンク19の底32の開口に嵌め込まれる。ハウジング21には、望ましくは、吸い込み箇所20が配置され、吸い込み箇所20を通って液体添加剤26がタンク19から供給路2に入ることができる。
【0053】
供給路2は、吸い込み箇所20から供給方向5に排ガス処理装置11の方へ延びる。排ガス処理装置11には、添加箇所10が設けられ、添加箇所10を通って液体添加剤26が排ガス処理装置11に供給されることができる。
【0054】
供給路2は、部分的に供給管15によって形成され、供給管15は、(初めにまたは部分的に)ハウジング21を通って延びる。供給路2は、また供給ライン14によって形成され、供給ライン14は、装置のハウジング21から添加箇所10の方へ延びる。供給ライン14は、ハウジング21のまたは供給管15の接続部16に接続可能である。
【0055】
供給方向5に沿って、液体添加剤26の供給に役立つ様々なコンポーネントが供給路2にある。これらのコンポーネントは、例えば、液体添加剤の供給を行うポンプ6、ならびにセンサー素子7および/または圧力センサー9である。
【0056】
ハウジング21には、加熱器23も設けられ、加熱器23を用いて、液体添加剤26が温められ得る、または凍結した添加剤が加熱または融解され得る。加熱器23からタンク19の内部空間に、(認識し得る、物理的な)熱伝導部25が延びる。供給路2は、第1部分3でこの熱伝導部25の構成要素である。記載されている方法を用いて装置の作動の際に第1部分3に液体添加剤26が留まることによって、加熱器23からタンク19の方へ高い熱伝導率があることが保証され得る。
【0057】
供給路2は、少なくとも1つの第2部分27をさらに有し、第2部分27には、少なくとも1つの凍結の影響を受けやすいコンポーネント28がある。凍結の影響を受けやすいコンポーネント28は、例えば、液体添加剤の供給のためのポンプ6、または添加箇所10に配置されるインジェクターである。センサー素子7を用いて、供給路2の特定のポイント8に液体添加剤26がまだあるかないかモニターできる。こうして、センサー素子7により、記載されている方法中に供給路2の充填の程度を効果的にモニターすることが、可能になる。
【0058】
供給路の第1部分3は、望ましくは、装置1のハウジング21を取り囲む包囲領域24である。これは、特に図2に見ることができ、図2は、図1に表される装置1を通る水平断面図を示す。見ることができるのは、ハウジング21と、ハウジング21を取り囲む覆い30と、包囲領域24と、であり、包囲領域24は、ハウジング21と覆い30の間に配置され、供給路の第1部分を形成する。図1に見ることができる吸い込み箇所20は、包囲領域24の下部に周囲の隙間を形成する。包囲領域24または第1部分3は、熱伝導部25を加熱器23からタンクの内部空間へと形成する。
【0059】
図3は、装着1のさらなる設計変形を示す。ここでは、第1部分3は、サイフォン29として作られる。この設計変形によって、液体添加剤26が第1部分3に留まることが、技術的に特に簡単に保証され得る。
【0060】
図4は、図1による装置1の変化を示す。ここでは、包囲領域24に追加的にフィルター4が配置され、フィルター4を用いて液体添加剤を濾過できる。
【0061】
図5は、方法ステップa)、b)、およびc)を含む、記載されている方法のフロー図を示す。供給路を部分的に空にすることに関する方法ステップc)に、凍結段階22が続き、凍結段階22は、装置がステップb)における作動停止の後で低い温度にさらされた場合に、始まる。ここで、ステップa)、b)、およびc)が時間的に順に実行されることが分かる。
【0062】
図6は、記載されている方法を実行するための装置1のさらなる設計変形をさらに示す。この装置1も供給路2を有し、供給路2は、タンク19の吸い込み箇所20から供給方向5に排ガス処理装置11の添加箇所10の方へ延びる。供給路2からリターンライン31が分岐し、リターンライン31は、同じくタンク19に接続される。この装置1の供給路2がステップc)でまず完全に空にされる場合、供給路2は、ステップc)で続いて交互に、リターンライン31を通じて液体添加剤で、添加箇所10を通じて気体または空気で、再び満たされ得る。こうして、第1部分3に液体添加剤がある一方で、第2部分27には液体添加剤がないことが、狙いを定めた方法で達成され得る。
【0063】
図7は、自動車12を示し、自動車12は、(ディーゼル機関などの)内燃機関13と、内燃機関13の排ガスの浄化用の排ガス処理装置11と、を備える。排ガス処理装置11には、選択触媒還元の方法を実行するためのSCR触媒コンバーター18が、配置される。この方法のために、液体添加剤が、装置1を用いて添加箇所10でタンク19から、排ガス処理装置11に供給され得る。そのために、添加箇所10は、供給ライン14を通じてタンク19に接続される。自動車12は、制御機器17を有してよく、制御機器17は、自動車12のエンジン制御の構成部品であってよく、装置1を用いて記載されている方法を実行する。
【符号の説明】
【0064】
1 装置
2 供給路
3 部分
4 フィルター
5 供給方向
6 ポンプ
7 センサー素子
8 ポイント
9 圧力センサー
10 添加箇所
11 排ガス処理装置
12 自動車
13 内燃機関
14 供給ライン
15 供給管
16 接続部
17 制御機器
18 SCR触媒コンバーター
19 タンク
20 吸い込み箇所
21 ハウジング
22 凍結段階
23 加熱器
24 包囲領域
25 熱伝導部
26 液体添加剤
27 第2部分
28 凍結の影響を受けやすいコンポーネント
29 サイフォン
30 覆い
31 リターンライン
32 底


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】